(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220215BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
A63F5/04 601A
A63F5/04 651
A63F5/04 603A
A63F7/02 326C
(21)【出願番号】P 2017179908
(22)【出願日】2017-09-20
【審査請求日】2020-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-197341(JP,A)
【文献】特開平07-051461(JP,A)
【文献】特許第6845109(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技機に向かって右側辺側から前方に張り出す張出部を備え、
前記遊技機に向かって左側辺側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認可能な第1位置に、該遊技機に関する情報である第1情報が表示され、
前記張出部の内側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認可能な内側面に、該遊技機に関する情報である第2情報が表示され、
前記張出部の外側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認不能な外側面に、該遊技機に関する情報である第3情報が表示され、
前記第1情報と前記第2情報とは異なる情報であるとともに、前記第1情報と前記第3情報とは異なる情報であり、
遊技が行われる遊技部は、前記第1位置と前記内側面の間に配置されており、
前記内側面は、前記遊技部に対する垂線に対し第1角度で傾斜するように左
斜め前側方を向いており、
前記外側面は、前記遊技部に対する垂線に対し前記第1角度よりも小さい第2角度で傾斜するように右
斜め前側方を向いており、
前記第1情報は、前記遊技機が特別状態であることを示唆するための情報であり、
前記第2情報と前記第3情報とは、前記遊技機が特定状態であることを示唆するための情報であり、
前記遊技機で遊技を行う遊技者の右側方であって前記第2情報を視認不能な位置から前記第1情報と前記第3情報とを視認可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技が可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機に代表されるスロットマシンやパチンコ遊技機にあっては、例えば、機種名ある
いは遊技に関連する演出情報といった遊技機に関する情報を複数位置にて表示可能とされ
ている。
【0003】
一方、この種の遊技機において、遊技機の一側辺側から前方に張り出す張出部が形成さ
れているもの等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の遊技機では、遊技機の一側辺側に張出部が前方に張り出してい
ることで、遊技機に関する情報を該遊技機で遊技を行う遊技者だけでなく遊技機の周辺に
いる第3者に対し好適に伝達することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、遊技機に関する情報を好
適に伝達することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技機に向かって右側辺側から前方に張り出す張出部を備え、
前記遊技機に向かって左側辺側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認可能な第1位置に、該遊技機に関する情報である第1情報が表示され、
前記張出部の内側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認可能な内側面に、該遊技機に関する情報である第2情報が表示され、
前記張出部の外側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認不能な外側面に、該遊技機に関する情報である第3情報が表示され、
前記第1情報と前記第2情報とは異なる情報であるとともに、前記第1情報と前記第3情報とは異なる情報であり、
遊技が行われる遊技部は、前記第1位置と前記内側面の間に配置されており、
前記内側面は、前記遊技部に対する垂線に対し第1角度で傾斜するように左
斜め前側方を向いており、
前記外側面は、前記遊技部に対する垂線に対し前記第1角度よりも小さい第2角度で傾斜するように右
斜め前側方を向いており、
前記第1情報は、前記遊技機が特別状態であることを示唆するための情報であり、
前記第2情報と前記第3情報とは、前記遊技機が特定状態であることを示唆するための情報であり、
前記遊技機で遊技を行う遊技者の右側方であって前記第2情報を視認不能な位置から前記第1情報と前記第3情報とを視認可能である
ことを特徴としている。
本発明の手段1の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、遊技機1/パチンコ遊技機やスロットマシンなど)であって、
前記遊技機の一側辺側(例えば、右側辺側)から前方に張り出す張出部(例えば、右張出部12R)を備え、
前記遊技機の他側辺側(例えば、左側辺側)であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認可能な第1位置(例えば、左張出部12Lの内側)に、該遊技機に関する情報である第1情報(例えば、「AT!」の文字列)が表示され、
前記張出部の内側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認可能な第2位置(例えば、右張出部12Rの内側)に、該遊技機に関する情報である第2情報(例えば、「BONUS!」の文字列)が表示され、
前記張出部の外側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認不能な第3位置(例えば、右張出部12Rの外側)に、該遊技機に関する情報である第3情報(例えば、「BONUS!」の文字列)が表示され、
前記第1情報と前記第2情報とは異なる情報であるとともに、前記第1情報と前記第3情報とは異なる情報である(
図2参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者に伝達可能な情報を多様化できるとともに、第3者に伝達可能な情報も多様化できる。
【0008】
本発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記第2情報と前記第3情報とは同じ情報(例えば、「BONUS!」の文字列)であ
る
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者と第3者に同じ情報を伝達することができる。
【0009】
本発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記第1情報(例えば、「AT!」の文字列)、前記第2情報(例えば、「BONUS
!」の文字列)及び前記第3情報(例えば、「BONUS!」の文字列)は、文字を含む
情報であり、
前記第1情報と前記第2情報及び前記第1情報と前記第3情報は、異なる文字を含むこ
とで異なる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、異なる文字により、伝達できる情報を多様化できる。
【0010】
本発明の手段4の遊技機は、手段1~3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1情報、前記第2情報及び前記第3情報は、キャラクタ画像を含む情報であり、
前記第1情報と前記第2情報及び前記第1情報と前記第3情報は、異なるキャラクタ画
像を含むことで異なる(変形例)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、異なるキャラクタ画像により、伝達できる情報を多様化できる。
【0011】
本発明の手段5の遊技機は、手段1~4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1情報が表示される第1情報表示部(例えば、第1情報表示部21)と、前記第
2情報が表示される第2情報表示部(例えば、第2情報表示部22)と、前記第3情報が
表示される第3情報表示部(例えば、第3情報表示部23)とは、互いに色が異なる(変
形例)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、異なる色により、伝達できる情報を多様化できる。
【0012】
本発明の手段6の遊技機は、手段1~5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技機(例えば、遊技機1/パチンコ遊技機やスロットマシンなど)の他側辺側(
例えば、左側辺側)から前方に張り出す他側辺側張出部(例えば、左張出部12L)を備
え、
前記第1位置は前記他側辺側張出部の内側(例えば、左張出部12Lの内側)であり、
前記他側辺側張出部の外側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認不能な第4位
置(例えば、左張出部12Lの外側)に、該遊技機に関する情報である第4情報(例えば
、「AT!」の文字列)が表示され、
前記第2情報と前記第4情報とは異なる情報である(
図2参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機の一側辺側と他側辺側のいずれから見た場合でも異なる情報
を伝達できるため、伝達可能な情報を多様化できる。
【0013】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであっても
良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を
有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例としての遊技を斜め前上方から見た状態を示す斜視図である。
【
図2】(A)は遊技ユニット2を右側方から見た状態、(B)は左側方から見た状態を示す斜視図である。
【
図5】遊技場に設置された遊技機を遊技者や第3者が見る場合を示す説明図である。
【
図6】(A)は可動部を第1位置のまま梱包材に収納する状態、(B)は可動部を第2位置にして梱包材に収納する状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0016】
本発明が適用された遊技機の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の
実施例としての遊技を斜め前上方から見た状態を示す斜視図である。
図2は、(A)は遊
技ユニット2を右側方から見た状態、(B)は左側方から見た状態を示す斜視図である。
図3は、遊技ユニットを示す正面図である。
図4は、
図3のA-A断面図である。
図5は
、遊技場に設置された遊技機を遊技者や第3者が見る場合を示す説明図である。
図6は、
(A)は可動部を第1位置のまま遊技機を梱包材に収納する状態、(B)は可動部を第2
位置にして遊技機を梱包材に収納する状態を示す説明図である。
【0017】
図1に示すように、本実施例の遊技機1は、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技
を行う遊技機である。パチンコ遊技機とは、遊技領域に遊技球を発射し、遊技領域に設け
られている入賞領域に遊技球が入賞したことに基づいて価値を付与可能な遊技機であり、
例えば、遊技球が始動領域を通過することで変動表示を行い、該変動表示の表示結果が特
定表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技
状態など)に制御可能な遊技機を含む。スロットマシンとは、各々が識別可能な複数種類
の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示
部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な
遊技機である。
【0018】
本実施例の遊技機1は、遊技が行われる遊技部(図示略)を遊技者が視認可能な窓部1
0が設けられた遊技ユニット2と、遊技ユニット2を支持する本体部3と、を備える。遊
技ユニット2は、本体部3に対し左側辺を中心として回動可能に支持され本体部3の開口
(図示略)を開閉可能とされている。
【0019】
尚、遊技が行われる遊技部とは、特に図示しないが、パチンコ遊技機では、例えば、遊
技球が流下可能な「遊技領域」や、特別図柄や演出図柄の可変表示を行う「可変表示装置
」などが該当する。一方、スロットマシンでは、「リール」や「液晶表示装置」など図柄
の可変表示を行う「可変表示装置」などが該当する。
【0020】
また、遊技ユニット2は、パチンコ遊技機では、遊技領域を視認可能とする窓部を有す
る「開閉枠」などが該当し、スロットマシンでは、リールの可変表示部を視認可能とする
窓部を有する「前面扉」などが該当する。また、本体部3は、パチンコ遊技機では、「開
閉枠」などを回動可能に支持する「遊技枠」や、「遊技枠」を回動可能に支持する「外枠
」などが該当し、スロットマシンでは、「前面扉」を回動可能に支持する「筐体」などが
該当する。
【0021】
図1~
図3に示すように、遊技ユニット2は、正面視四角形状をなす略板状のベース部
11と、ベース部11の前面における左側辺部、右側辺部及び上辺部から前方に向けて張
り出す(突出する)ように設けられた張出部12と、を備える。ベース部11は、液晶パ
ネルを構成する液晶ユニットから構成され、ベース部11の前面全域は所定の画像を表示
可能な表示領域11Aとされている。また、この表示領域のうち
図1~
図3において点線
で囲まれた領域は、遊技部を視認可能とする窓部10とされており、該窓部10を通して
背面側の遊技部を視認できるようになっている。
【0022】
尚、本実施例では、ベース部11を液晶パネルにて構成した形態を例示したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、遊技部を視認可能な窓部を有するものであれば、ベー
ス部11は透光性板にて構成されていてもよいし、あるいは所定の演出表示が可能な導光
装置を構成する導光板にて構成されていてもよい。また、窓部10は、表示領域11Aの
一部に形成されているが、全域に形成されていてもよい。
【0023】
張出部12は、ベース部11の前面における左側辺部に沿って設けられる左張出部12
Lと、ベース部11の前面における右側辺部に沿って設けられる右張出部12Rと、ベー
ス部11の前面における上辺部に沿って設けられる上張出部12Tと、を有する。これら
左張出部12L、右張出部12R及び上張出部12Tは、下向きに開口する略コ字形の立
壁をなすように一体に形成され、ベース部11の前面の左右側及び上側を覆うように非透
過性の合成樹脂材等により形成されている。
【0024】
また、上張出部12Tと右張出部12Rとの連接部(角部)には、後述する第5情報表
示部25が設けられる略円盤状の可動部13が設けられている。可動部13は、第5情報
表示部25が左下斜め前方を向く第1位置(例えば、
図6(A)参照)と、第5情報表示
部25が窓部10に対向する第2位置(例えば、
図6(B)参照)と、の間で図示しない
回動機構により回動可能に設けられており、使用時においては、第1位置に固定できるよ
うになっている。
【0025】
左張出部12Lの右側面(内側)の第1位置には、遊技機に関する第1情報を表示可能
な略円形の第1情報表示部21が設けられ、左張出部12Lの左側面(外側)の第4位置
には、遊技機に関する第4情報を表示可能な略円形の第4情報表示部24が設けられてい
る。右張出部12Rの左側面(内側)の第2位置には、遊技機に関する第2情報を表示可
能な略円形の第2情報表示部22が設けられ、右張出部12Rの右側面(外側)の第3位
置には、遊技機に関する第3情報を表示可能な略円形の第3情報表示部23が設けられて
いる。また、可動部13には、遊技機に関する第5情報を表示可能な略円形の第5情報表
示部25が設けられている。
【0026】
これら第1情報表示部21、第2情報表示部22、第3情報表示部23、第4情報表示
部24及び第5情報表示部25は、液晶表示器といった画像の切替表示が可能な画像表示
装置にて構成されていてもよいし、所定の演出表示が可能な導光板装置やドットLED等
で構成されていてもよいし、画像等の表示機能を有せず、情報が印刷等により固定的に表
示されたパネル板等にて構成されていてもよい。
【0027】
また、第1情報表示部21及び第4情報表示部24には、例えば「AT!(アシストタ
イム)」といった文字情報が表示され、第2情報表示部22及び第3情報表示部23には
、例えば「BONUS!」といった文字情報が表示され、第5情報表示部25には、例え
ば遊技機1の演出に登場するキャラクタ画像が表示されている。
【0028】
つまり、本実施例では、遊技者から視認可能な第1情報表示部21と第2情報表示部2
2には、第1情報と該第1情報とは異なる第2情報が表示されている(第1情報≠第2情
報)。また、第1情報表示部21の反対側の第4情報表示部24には、第1情報と同じ第
4情報が表示され(第1情報=第4情報)、第2情報表示部22の反対側の第3情報表示
部23には、第2情報と同じ第3情報が表示され(第2情報=第3情報)、第5情報表示
部25には、第1情報~第4情報とは異なる第5情報が表示されている(第5情報≠第1
情報~第4情報)。
【0029】
このように、これら第1情報表示部21、第2情報表示部22、第3情報表示部23、
第4情報表示部24及び第5情報表示部25に表示される第1情報~第5情報は、遊技機
に関する情報であれば、上記以外の種々の情報を含む。
【0030】
具体的には、「AT!(アシストタイム)」や「BONUS!」など、遊技状態を示す
情報(例えば、スロットマシンであれば、AT(アシストタイム)、CZ(チャンスゾー
ン)、BONUS(ビッグボーナスやレギュラーボーナス)などを示す情報。パチンコ遊
技機では、大当り、小当り、時短、確変などを示す情報)や、遊技操作に関する情報(例
えば、スロットマシンであれば、ストップスイッチの押し順など。パチンコ遊技機であれ
ば右打ち、左打ちなど)や、遊技に関連する演出に関する情報(例えば、演出に登場する
キャラクタの種別、各種演出の説明や期待度など)や、遊技の履歴に関する情報(例えば
、ATや大当り回数など)等を含む。
【0031】
また、遊技機に関する情報は、遊技機1の機種名(タイトル名)やロゴ、機種の遊技性
能(スペック)、遊技方法や遊技説明(例えば、ゲームフロー、可変表示する図柄の種別
など)等を示す情報等も含む。さらに、上記のように文字(文字列)を含む情報、キャラ
クタ等の画像を含む情報、図柄、絵柄、記号等を含む情報等を含む。
【0032】
図3及び
図4に示すように、第1情報表示部21は、表示面が表示領域11Aに対する
垂線Pに沿うように右側方を向いており、遊技機1の正面に着座して遊技を行う遊技者Y
1から視認可能に設けられている。第2情報表示部22は、表示面が表示領域11Aに対
する垂線Pに対し傾斜するように左斜め前側方を向いており、遊技機1の正面に着座して
遊技を行う遊技者Y1から視認可能に設けられている。第5情報表示部25は、表示面が
左下斜め前方を向いており、遊技機1の正面に着座して遊技を行う遊技者Y1から視認可
能に設けられている。
【0033】
第3情報表示部23は、表示面が表示領域11Aに対する垂線Pに対しやや傾斜するよ
うに右側方を向いており、遊技機1の正面に着座して遊技を行う遊技者Y1から視認不能
に設けられている。第4情報表示部24は、表示面が表示領域11Aに対する垂線Pに対
しやや傾斜するように左側方を向いており、遊技機1の正面に着座して遊技を行う遊技者
Y1から視認不能に設けられている。
【0034】
図4に示すように、ベース部11の前面である表示領域11Aから右張出部12Rにお
ける最前部までの突出長さL1は、ベース部11の前面である表示領域11Aから左張出
部12Lにおける最前部までの突出長さL2及びベース部11の前面である表示領域11
Aから上張出部12Tにおける最前部までの突出長さL3よりも長く、突出長さL3は突
出長さL2よりも長い(L1>L3>L2)。尚、ベース部11の前面である表示領域1
1Aから可動部13における最前部までの突出長さL4は、突出長さL2よりも長い(L
4>L1>L3>L2)。
【0035】
このように張出部12を設けることで、遊技者Y1に伝達する情報を表示可能な情報表
示部として、遊技者Y1側である正面を向くベース部11の表示領域11Aだけでなく、
張出部12の内側にも遊技機に関する情報を表示可能な情報表示部の設置スペースを確保
することができる。また、張出部12における表示領域11Aからの突出長さを長寸とす
ることで、第1情報表示部21、第2情報表示部22、第3情報表示部23、第4情報表
示部24及び第5情報表示部25を大型化することが可能となるため、より多くの情報を
表示できるとともに、遊技者Y1や遊技機1の周囲にいる第3者に対し各情報を好適にア
ピールすることが可能となる。
【0036】
尚、遊技機1の遊技ユニット2は、前述したように左側辺を中心として本体部3に対し
回動可能に支持されているため、例えば、
図5に示すように、遊技場の遊技島に複数の遊
技機1を横方向に設置された状態において、所定の遊技機1の遊技ユニット2を開放する
と、各遊技機1の左側方に配置される遊技用装置CU(例えば、遊技媒体としてのメダル
や遊技球の貸出や計数等を行うことが可能なカードユニットなど)に左張出部12Lが接
触する虞があるため、一般的に突出長さL2は突出長さL1よりも短寸としている。
【0037】
このように、表示領域11Aの左右上辺部に前方に張り出す張出部12を設けることで
、表示領域11Aとは別個に第1情報表示部21、第2情報表示部22及び第5情報表示
部25を設けることができる一方、特に第1情報表示部21と第2情報表示部22とは表
示領域11Aに対し縦向きに配置されることで、例えば、遊技者の隣で遊技を行う他の遊
技者や、遊技機1の周辺にいる第3者あるいは遊技機1の真後ろで遊技者よりも後方にい
る第3者などからは、第1情報表示部21に表示される第1表示部や第2情報表示部22
に表示される第2情報を視認し難くなる。
【0038】
ここで、
図5に示すように、遊技場の遊技島に設置された複数のうち所定の遊技機1に
て遊技を行う遊技者を遊技者Y1、遊技機1の右隣の遊技機1で遊技を行う遊技者を遊技
者Y2、他の遊技機1にて遊技を行う遊技者を遊技者Y3、遊技者Y1~Y3の背面側の
通路等にいる第3者を第3者X1~X3とした場合について説明する。
【0039】
図2(A)は、遊技者Y2や第3者X1が遊技機1の遊技ユニット2を視認した状態、
つまり、遊技ユニット2を右斜め前側方から見た状態を示している。この場合、
図5に示
す遊技者Y2や第3者X1は、表示領域11A及び窓部10の右側領域、第2情報表示部
22、第4情報表示部24、第5情報表示部25が視認不能となる一方、表示領域11A
及び窓部10の右側を除く領域、第1情報表示部21、第3情報表示部23が視認可能と
なる。
【0040】
図2(B)は、第3者X2が所定の遊技機1の遊技ユニット2を視認した状態、つまり
、遊技ユニット2を左斜め前側方から見た状態を示している。この場合、第3者X2は、
表示領域11A及び窓部10の左側領域、第1情報表示部21、第3情報表示部23が視
認不能となる一方、表示領域11A及び窓部10の左側を除く領域及び第2情報表示部2
2、第4情報表示部24、第5情報表示部25が視認可能となる。
【0041】
尚、
図3は、所定の遊技機1で遊技を行う遊技者の真後ろに位置する第3者X3が所定
の遊技機1の遊技ユニット2を視認した状態、つまり、遊技ユニット2を遊技者より遠い
後方位置から見た状態を示している。この場合、第3者X3は、第1情報表示部21、第
3情報表示部23、第4情報表示部24がほぼ視認不能となる一方、表示領域11A及び
窓部10、第2情報表示部22、第5情報表示部25が視認可能となる。
【0042】
つまり、
図2(A)に示すように、遊技機1の右側方にいる遊技者Y2や第3者X1な
どからは、第1情報表示部21の第1情報が視認可能となる一方、第2情報表示部22の
第2情報が視認不能となるため、第3情報表示部23にて第3情報を表示することで、遊
技者Y2や第3者X1などに第1情報と異なる第2情報を第3情報にて伝達することが可
能となる。
【0043】
また、
図2(B)に示すように、遊技機1の左側方にいる遊技者や第3者X2などから
は、第2情報表示部22の第2情報が視認可能となる一方、第1情報表示部21の第1情
報が視認不能となるため、第4情報表示部24にて第4情報を表示することで、遊技機1
の左側方にいる遊技者や第3者X2などに第2情報とは異なる第1情報を第4情報にて伝
達することが可能となる。
【0044】
また、
図5に示すように、特に第1情報表示部21、第2情報表示部22、第3情報表
示部23、第4情報表示部24は表示領域11Aに対し縦向きに配置されることで、前方
を向く表示領域11Aに情報を表示するよりも遊技機1の側方からの視認性が向上するた
め、第3者X1,X2に対し第1情報や第2情報を第3情報表示部23や第4情報表示部
24にて好適に伝達することが可能となる。
【0045】
特に、遊技機1の遠方に位置する第3者X1は、遊技機1に向けて歩いて近づく間、第
3情報表示部23(第4情報表示部24)を継続して視認することが可能となるので、第
2情報と同じ第3情報(または第1情報と同じ第4情報)を長期にわたり好適に伝達する
ことができる。
【0046】
また、
図6に示すように、遊技機1にあっては、可動部13が張出部12よりも前上方
に突出しているため、例えば、遊技機メーカにて製造した遊技機1を遊技場に搬送する際
に梱包材50に収納しようとする場合などにおいて、
図6(A)に示すように、可動部1
3が邪魔で従来の梱包材50に収納できない場合がある。
【0047】
よって、
図6(B)に示すように、可動部13の固定を解除して第2位置まで移動させ
ることで、張出部12よりも前上方に大きく突出しないコンパクト化できるため、従来の
梱包材50に収納することが可能となる。
【0048】
以上説明したように、本発明の実施例としての遊技機1にあっては、遊技機1の右側辺
側から前方に張り出す右張出部12Rを備え、遊技機1の左側辺側であって該遊技機1で
遊技を行う遊技者から視認可能な第1位置(例えば、左張出部12Lの内側)に、該遊技
機に関する情報である第1情報(例えば、「AT!」の文字列)が表示され、右張出部1
2Rの内側であって該遊技機1で遊技を行う遊技者から視認可能な第2位置(例えば、右
張出部12Rの内側)に、該遊技機1に関する情報である第2情報(例えば、「BONU
S!」の文字列)が表示され、右張出部12Rの外側であって該遊技機1で遊技を行う遊
技者から視認不能な第3位置(例えば、右張出部12Rの外側)に、該遊技機1に関する
情報である第3情報(例えば、「BONUS!」の文字列)が表示され、前記第1情報と
前記第2情報とは異なる情報であるとともに、前記第1情報と前記第3情報とは異なる情
報である。
【0049】
このようにすることで、遊技者に伝達可能な情報を多様化できるとともに、第3者に伝
達可能な情報も多様化できる。
【0050】
また、前記第2情報と前記第3情報とは同じ情報(例えば、「BONUS!」の文字列
)であることで、遊技者Y1~Y3と第3者X1,X2に同じ情報を伝達することができ
る。
【0051】
また、前記第1情報(例えば、「AT!」の文字列)、前記第2情報(例えば、「BO
NUS!」の文字列)及び前記第3情報(例えば、「BONUS!」の文字列)は、文字
を含む情報であり、前記第1情報と前記第2情報及び前記第1情報と前記第3情報は、異
なる文字を含むことで異なることで、異なる文字により伝達できる情報を多様化できる。
【0052】
また、遊技機1の左側辺側から前方に張り出す左張出部12Lを備え、第1位置は左張
出部12Lの内側であり、左張出部12Lの外側であって該遊技機1で遊技を行う遊技者
から視認不能な第4位置(例えば、左張出部12Lの外側)に、該遊技機1に関する情報
である第4情報(例えば、「AT!」の文字列)が表示され、前記第2情報と前記第4情
報とは異なる情報である。
【0053】
このようにすることで、遊技機1の左側辺側と右側辺側のいずれから見た場合でも異な
る情報を伝達できるため、伝達可能な情報を多様化できる。
【0054】
また、前記第1情報、前記第2情報及び前記第3情報は、キャラクタ画像を含む情報で
あり、前記第1情報と前記第2情報及び前記第1情報と前記第3情報は、異なるキャラク
タ画像を含むことで異なるようにしてもよい。
【0055】
このようにすることで、異なるキャラクタ画像により、伝達できる情報を多様化できる
。
【0056】
また、前記第1情報が表示される第1情報表示部21と、前記第2情報が表示される第
2情報表示部22と、前記第3情報が表示される第3情報表示部23とは、互いに色が異
なるようにしてもよい。
【0057】
このようにすることで、異なる色により、伝達できる情報を多様化できる。また、各情
報に対応した色により、表示されている情報の内容を容易に区別することができる。
【0058】
尚、第1情報表示部21と第2情報表示部22と第3情報表示部23とは互いに色が異
なるとは、例えば、各情報表示部の背景表示の表示色が異なる色であること、各情報表示
部の周囲の枠部材の着色が異なる色であること、各情報表示部に表示される情報の表示色
が異なる色であること、等が含まれる。
【0059】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定される
ものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含
まれることは言うまでもない。
【0060】
例えば、前記実施例では、張出部12は、ベース部11の左側辺部から前方に張り出す
左張出部12L、右側辺部から前方に張り出す右張出部12R及び上辺部から前方に張り
出す上張出部12Tから構成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、少なくともベース部11の左側辺部から前方に張り出す左張出部12Lと右側辺
部から前方に張り出す右張出部12Rとのうち一方を備えていればよい。つまり、少なく
とも第1情報~第3情報を表示可能とされていれば、第4情報や第5情報は必ずしも表示
可能でなくてもよい。
【0061】
具体的には、右張出部12Rのみを備える場合、左張出部12Lがないので、遊技者か
ら視認可能な第1位置は、例えば、表示領域11Aにおける窓部10の左側領域の所定位
置であってもよい。また、左張出部12Lのみを備える場合、右張出部12Rがないので
、遊技者から視認可能な第1位置は、例えば、表示領域11Aにおける窓部10の右側領
域の所定位置であってもよい。つまり、前方を向く面の所定位置であってもよい。
【0062】
また、前記実施例では、張出部12は、ベース部11の左側辺、右側辺及び上辺に沿っ
て延設される壁状の構造物にて構成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、ベース部11の辺部から前方に張り出すように設けられた構造物であ
れば、必ずしも各辺に沿って延設されていなくてもよい。例えば、右側辺の一部にのみブ
ロック状の右張出部12R等が設けられていてもよい。
【0063】
また、前記実施例では、張出部12を構成する左張出部12L、右張出部12R及び上
張出部12Tは一の部材により一体化されてなる形態を例示したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、左張出部12L、右張出部12R及び上張出部12Tは各々別個の
部材により別々に形成されていてもよい。
【0064】
また、前記実施例では、左張出部12Lの突出長さL2よりも右張出部12Rの突出長
さL1が長い形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、左張出部12
Lの突出長さL2を右張出部12Rの突出長さL1よりも長くしてもよいし、左張出部1
2Lの突出長さL2と右張出部12Rの突出長さL1とを同じとしてもよい。
【0065】
また、前記実施例では、第1情報表示部21、第2情報表示部22、第3情報表示部2
3及び第4情報表示部24は、それぞれ垂線Pに対し所定角度傾斜している形態を例示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1情報表示部21、第2情報表示部2
2、第3情報表示部23及び第4情報表示部24は、遊技機1の側方から表示された各情
報を視認可能であれば、垂線Pに沿うように配置されていてもよいし、垂線Pに対し所定
角度傾斜して設けられてもよい。
【0066】
また、前記実施例では、第1情報表示部21、第2情報表示部22、第3情報表示部2
3及び第4情報表示部24の他に第5情報表示部25を設けた形態を例示したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、第5情報表示部25は必ずしも設けなくてもよい。ま
た、さらに他の情報表示部を有していてもよい。
【0067】
また、前記実施例では、第1情報表示部21、第2情報表示部22、第3情報表示部2
3、第4情報表示部24及び第5情報表示部25は、所定の枠部材にて囲まれた領域とさ
れた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1情報は遊技機1の
左側辺側であって該遊技機で遊技を行う遊技者から視認可能な第1位置に表示され、第2
情報は右張出部12Rの内側であって該遊技機1で遊技を行う遊技者から視認可能な第2
位置に表示され、第3情報は左張出部12Lの外側であって該遊技機1で遊技を行う遊技
者から視認不能な第3位置に表示され、第4情報は左張出部12Lの外側であって該遊技
機1で遊技を行う遊技者から視認不能な第4位置に表示されていれば、上記のように枠状
に囲まれた表示部に表示されていなくてもよい。また、左張出部12Lにおける第1情報
の表示位置である第1位置及び第4情報の表示位置である第4位置と、右張出部12Rに
おける第2情報の表示位置である第2位置及び第3情報の表示位置である第3位置とは、
上記のように上下方向の略中央位置に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0068】
また、前記実施例では、第1情報と第2情報とは異なる情報であり(第1情報≠第2情
報)、また、第1情報と第4情報及び第2情報と第3情報とはそれぞれ同じ情報が表示さ
れる(第1情報=第4情報、第2情報=第3情報)形態を例示したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、所定の表示タイミング(例えば、遊技における所定の演出タイミ
ングなど)において各情報表示部に上記関係の各情報が表示されるようになっていれば、
必ずしも、常に第1情報≠第2情報、第1情報=第4情報、第2情報=第3情報の関係と
なる情報を表示しなくてもよく、他のタイミングにおいて上記以外の関係となる情報を各
情報表示部で表示してもよい。
【0069】
例えば、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例示しているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機
内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞
に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記
憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。これら封入式遊技機におい
ては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点や
ポイントが遊技価値に該当する。
【0070】
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適
用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状
の遊技媒体であってもよい。
【0071】
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、
例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが
開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装
置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出され
た変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
【0072】
また、本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入
式遊技機やスロットマシンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 遊技機
2 遊技ユニット
10 窓部
11 ベース部
11A 表示領域
12 張出部
12L 左張出部
12R 右張出部
12T 上張出部
21 第1情報表示部
22 第2情報表示部
23 第3情報表示部
24 第4情報表示部
25 第5情報表示部