(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】血管内のステントストラットカバレッジを決定するためのシステムの作動方法及びステント留置された領域を検出するための血管内画像化システムのプログラム可能なプロセッサベースのコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
A61B 1/045 20060101AFI20220215BHJP
A61B 5/06 20060101ALI20220215BHJP
A61B 1/313 20060101ALI20220215BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
A61B1/045 618
A61B5/06 ZDM
A61B1/313 510
A61B1/00 526
A61B1/045 610
(21)【出願番号】P 2017559795
(86)(22)【出願日】2016-05-17
(86)【国際出願番号】 US2016032933
(87)【国際公開番号】W WO2016187231
(87)【国際公開日】2016-11-24
【審査請求日】2019-05-15
(32)【優先日】2015-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509128672
【氏名又は名称】ライトラボ・イメージング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】アンブワニ,ソナル
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン,クリストファー イー
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン,ジェイムズ ジー
(72)【発明者】
【氏名】カヴェティ,サティシュ
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン,ジョエル エム
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-158619(JP,A)
【文献】特表2012-505669(JP,A)
【文献】国際公開第2014/045327(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0167710(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2014-0092102(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0257087(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06- 5/22
A61B 1/00- 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内のステントストラットカバレッジを決定する
ためのシステムの作動方法であって、当該
作動方法は、
一つ又はそれ以上のプロセッサが、ステント留置された血管についての光コヒーレンス断層撮影データを受信するステップであり、前記光コヒーレンス断層撮影データは、複数の画像フレームを含む、ステップ、
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、血管内データ収集システムの記憶装置内に、前記光コヒーレンス断層撮影データを保存するステップ、
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、前記複数の画像フレームを分析し、フレーム毎のベースでステントストラットを特定するステップ、
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、前記複数の画像フレームのうちの近傍のフレームからのストラット情報を組み合わせて、マルチフレームデータを作製するステップ、
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、前記マルチフレームデータから、前記近傍のフレームにおける任意の二つの隣接するストラットの間の最大角度ギャップを決定するステップ
、及び
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、決定された最大角度ギャップに基づき、前記複数の画像フレームのうちの一つ又はそれ以上をステント包含として分類するステップ、
を含む、
作動方法。
【請求項2】
前記分類するステップは、前記最大角度ギャップが閾値角度ギャップよりも小さい
ことに基づく、請求項1に記載の
作動方法。
【請求項3】
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、閾値角度ギャップよりも小さい最大角度ギャップを包含する隣接するフレームのクラスタを特定することによって、ステントを包含する区域を特定するステップを更に含む、
請求項2に記載の
作動方法。
【請求項4】
前記血管についての重心を決定するステップ、及び所与のフレームkについての前記血管の重心に関する前記最大角度ギャップを計算するステップ、を更に含む、請求項1に記載の
作動方法。
【請求項5】
所与のフレームkについての前記最大角度ギャップ,θ
max,kは、(数4)に従って、フレームkについての角度ギャップメトリックΨ
kを算定するために使用される、請求項1に記載の
作動方法。
【数4】
【請求項6】
1により近い角度ギャップメトリックは、前記フレームがステントを包含することを示す、請求項5に記載の
作動方法。
【請求項7】
ステント留置された領域を示す、血管の領域に関する印を表示するステップを含む、請求項1に記載の
作動方法。
【請求項8】
前記印は、前記ステント留置された領域と整列させられた並置バーであり、前記並置バーは、回転的に不可知であるか又は持続性である、請求項7に記載の
作動方法。
【請求項9】
フレームk及び少なくとも一つの近傍のフレームk+1についての前記角度ギャップメトリックを算定するステップを含む、請求項5に記載の
作動方法。
【請求項10】
連続的な近傍のフレームについての前記角度ギャップメトリックを反復的に算定するステップを含む、請求項6に記載の
作動方法。
【請求項11】
前記光コヒーレンス断層撮影データ内の複数のフレームを順次分類するために、当該
作動方法のステップのうちの一つ又はそれ以上を繰り返すステップを含む、請求項2に記載の
作動方法。
【請求項12】
所与のフレームについての前記角度ギャップメトリックが閾値角度ギャップよりも大きい場合に、ステント包含フレームとしてフレームを順次分類するステップを含む、請求項10に記載の
作動方法。
【請求項13】
最初のフレーム及び最後のフレームを含む、ステント留置された領域の中に、近傍のステント包含フレームを集合させるステップを含む、請求項12に記載の
作動方法。
【請求項14】
前記最初のフレームに隣接するフレームが前記閾値角度ギャップよりも低い角度ギャップメトリックを有する場合に、前記ステント留置された領域の第一端を終結させる、請求項13に記載の
作動方法。
【請求項15】
前記最後のフレームに隣接するフレームが前記閾値角度ギャップよりも低い角度ギャップメトリックを有する場合に、前記ステント留置された領域の第二端を終結させるステップを含む、請求項13に記載の
作動方法。
【請求項16】
画像データが表示のために利用できなかった、血管内画像における一つ又はそれ以上の領域を示す印を表示するステップを更に含む、請求項7に記載の
作動方法。
【請求項17】
角度カバレッジメトリックは、(数5)の形であり、ここでθ
max,kは、隣接するストラットの間で最も大きな角度ギャップである、請求項9に記載の
作動方法。
【数5】
【請求項18】
所与のフレームについての角度カバレッジメトリックが閾値角度ギャップよりも大きい場合に、ステント包含フレームとしてフレームを順次分類するステップを更に含む、請求項9に記載の
作動方法。
【請求項19】
ステント留置された血管におけるステントストラットカバレッジを決定する
ためのシステムの作動方法であって、当該
作動方法は、
一つ又はそれ以上のプロセッサが、血管の一つ又はそれ以上の血管内画像データセットを保存するステップであり、各血管内データセットは複数のフレームを含む、ステップ、
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、近傍を定義するステップであり、前記近傍は、フレームk及びフレームkの付近の一つ又はそれ以上のフレームを含む、ステップ、
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、前記近傍の全てのフレーム内で検出されたストラットの全てを組み合わせることによって、フレームkについての最大角度ギャップを決定するステップ、
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、決定された最大角度ギャップを使用して、フレームkに関する角度カバレッジメトリックΨ
kを生成するステップ、
及び
前記一つ又はそれ以上のプロセッサが、前記角度カバレッジメトリックに基づき、前記複数のフレームのうちの一つ又はそれ以上をステント包含として分類するステップ、
を含む、
作動方法。
【請求項20】
前記角度カバレッジメトリックは、(数6)の形であり、ここでθ
max,kは、隣接するストラットの間で最も大きな角度ギャップである、請求項19に記載の
作動方法。
【数6】
【請求項21】
一つ又はそれ以上のステント留置された領域を検出するための血管内画像化システムのプログラム可能なプロセッサベースのコンピュータ装置であって、当該プログラム可能なプロセッサベースのコンピュータ装置は:
血管内画像化データを受信するための、一つ又はそれ以上のデータアクセスチャネル、並びに、
前記一つ又はそれ以上のデータアクセスチャネルと電気的に通信する、プロセッサ及び関連するメモリであり、該プロセッサは、
血管内画像化システムを使用して、血管の一つ又はそれ以上の血管内画像データセットを保存し、各血管内データセットは複数のフレームを含み、
近傍を定義し、前記近傍は、フレームk及びフレームkの付近の一つ又はそれ以上のフレームを含み、
前記近傍の全てのフレーム内で検出されたストラットを組み合わせることによって、フレームkについての最大角度ギャップを決定し、
決定された最大角度ギャップを使用して、フレームkに関する角度カバレッジメトリックΨ
kを生成し、且つ
所与のフレームについての前記角度カバレッジメトリックが閾値角度ギャップメトリックよりも大きい場合に、ステント包含フレームとしてフレームを分類する、
ようにプログラムされている、プロセッサ及び関連するメモリ、
を有する、プログラム可能なプロセッサベースのコンピュータ装置。
【請求項22】
前記角度カバレッジメトリックは、(数7)の形であり、ここでθ
max,kは、隣接するストラットの間で最も大きな角度ギャップである、請求項21に記載のプログラム可能なプロセッサベースのコンピュータ装置。
【数7】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2015年5月17日に出願された米国仮特許出願第62/162,795号、2015年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/196,997号、2016年4月14日に出願された米国仮特許出願第62/322,578号、及び2015年12月18日に出願された米国特許出願第14/975,516号の優先権及び利益を主張し、それらの開示は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して血管内測定及び特徴検出並びに関係する診断方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
冠動脈疾患は、世界中の主要な死亡原因の一つである。冠動脈疾患をより良く診断、監視及び治療する能力は、生命を救う重要性であり得る。血管内光コヒーレンス断層撮影(OCT)は、光を使用して冠動脈壁を透かして(peer into)、検討するためにその画像を生成する、カテーテルベースの画像化モダリティである。コヒーレント光、干渉分光法、及びマイクロ光学系を利用して、OCTは、病変部血管の中のビデオレートの生体内断層撮影をマイクロメータレベルの分解能で提供することができる。光ファイバープローブを使用して表面下の構造を高い分解能で見ることは、内部の組織及び臓器の最小限に侵襲的な画像化のために、OCTを特に有用にする。OCTを用いて可能になるこのレベルの詳細は、臨床医が冠動脈疾患の進行を監視するだけでなく、診断することを可能にする。OCT画像は、冠動脈形態の高解像度の視覚化を提供し、診断及びステントデリバリー計画等の計画を補助するために、単独で、或いは血管造影データのような他の情報及び対象データの他の源と組み合わせて使用されることができる。
【0004】
患者の身体の部分のOCT画像化は、医者及び他の者のために有用な診断ツールを提供する。例えば、血管内OCTによる冠動脈の画像化は、狭化又は狭窄の位置を明らかにし得る。この情報は、心臓専門医(cardiologists)が、侵襲的な冠動脈バイパス手術と、血管形成術(angioplasty)又はステントデリバリーのような比較的侵襲的でないカテーテルベースの処置との間で選択を行うことを助ける。普及している選択肢ではあるが、ステントデリバリーはそれ自体の関連するリスクを有する。
【0005】
ステントは、しばしばメッシュで形成されるチューブ状の構造である。それは、血流を制限する狭窄状態に対処するために管の中に挿入され、拡張されることができる。ステントは、典型的に金属又はポリマースキャフォールドで作られる。それらは、カテーテルを介して狭窄の部位に配備(deployed)されることができる。心臓血管処置の間に、ステントは、ガイドワイヤを介してカテーテルを通して狭窄部位に届けられ、バルーンを使用して拡張されることができる。典型的に、ステントは、狭窄した血管の管腔(lumen)を拡大するために予め設定された圧力を使用して拡張される。血管造影(Angiography)システム、血管内超音波システム、OCTシステムは、組み合わせて又は単独で、ステントデリバリー計画及びステント配備を容易にするために使用されることができる。
【0006】
ステントを配備する際の患者の転帰に影響を与える、いくつかの要因がある。いくつかの処置において、ステントは、隣接する健康な血管区分の直径に対応する直径まで拡張されるべきである。ステントの過剰拡張は、血管に大きな損傷を引き起こし、切開(dissection)、離断(disarticulation)及び壁内出血になりやすくするかも知れない。ステントの不十分な拡張は、血管を不適切に拡張するかも知れない。ステントの部分が血管壁に接触しなければ、血栓症のリスクが増大するかも知れない。不十分に膨張したステント又は不完全に並置された(malapposed)ステントは、正常な流れを回復できないかも知れない。一旦ステントが設置されると、ステントの不完全密着(malapposition)及びステントの不十分な拡張は、様々な問題を結果として生じさせるかも知れない。
【0007】
ステント留置及び関連処置に関連する他の課題がある。血管造影システムを使用して血管の壁に対するステント配備を視覚化することは、検査によって行うことが困難である。さらに、画像毎のベースでステント位置を決定するために血管造影画像を手動でレビューすることはまた、誤りを生じやすい。
【0008】
加えて、ステントを配備した後に、ステントが正しく配備されていることを確かめるために臨床医が治療部位を画像化するかも知れない。しかしながら、例えば、クリアされていない血球細胞によって引き起こされるバックグラウンドノイズは、OCT画像データにおいてステントストラットとして現れることがあり、ステントを正確に検出することを困難にする。時には、臨床医はステント留置された領域を特定することができるが、使用者の介入を要求することは、結果として有意な変動をもたらし、使用者の誤りの対象となり、処置の長さを有意に増大させ得る。加えて、異なるステントは異なる幾何学的形状及びメッシュパターンを有することがあり、そのことは、それらの評価を複雑にすることがある。
【0009】
本開示は、これらの課題及び他の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
部分的に、本開示は、ステントデリバリーを計画するため又は他の目的で関心のある診断情報を生成及び表示するために使用され得る、OCT及び/又はIVUSのような血管造影及び血管内データ収集システムに関する。本開示はまた、様々なインジケータの生成、及び画像データの表示に対するそれらの統合に関する。一つの例として、並置バー(apposition bar)のような長手方向インジケータは、ステント計画のような診断プロセスのために、単独で又はステントストラットインジケータ(stent strut indicator)と併せて使用されて、OCT走査線(scan lines)のセット又はそれに関して生成される画像のような血管内データセットと共記載される(co-registered)血管造影フレーム上にオーバーレイされてもよい。
【0011】
部分的に、本開示は、血管内データ収集システムの使用者に対して、また一つの実施形態においては血管造影システム上に、血管内データセットに適用されたデータ解析の結果を表示するためのシステム及び方法に関する。部分的に、本開示は、ステント並置の区域及びその他のような関心の領域が、OCT及び血管造影画像上で発見及び理解されることが容易であるように、ユーザーインターフェイス、及び、一つ又はそれ以上の生成された血管の画像又は血管造影画像に適用され得るグラフィックデータ表現(representations)を提供するグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)、を記述する。
【0012】
部分的に、本開示は、光コヒーレンス断層撮影システムのようなカテラボ(cath lab)における使用に適した、血管内データ収集システムのようなデータ収集システムに関する。部分的に、本開示は、血管内画像データを表示することに適したプロセッサを含むデータ収集システムに関する。表示される画像データは、デプス測定に基づいて生成されるデータ又は画像を含む。一つの実施形態において、画像データは光コヒーレンス断層撮影を使用して生成される。システムはまた、血管内の一つ又はそれ以上のステントについての、ステントストラット毎のベースでの長手方向モードでのステント不完全密着に関するデータのような、又は、潜在的関心の、ステント、ステントなし、若しくはステント並置レベルに対応する領域を有するバーのような、血管内情報の表示のためのユーザーインターフェイスを表示してもよい。
【0013】
長手方向インジケータのような一つ又はそれ以上のインジケータは、一つの非限定的な例として、ステント検出処理及び管腔境界検出に応答して生成されてもよく、血管造影、OCT及びIVUS画像に関して表示されてもよい。これらは、ステントデリバリーを計画するため、及び共記載されるOCT画像及び血管造影画像を関心の関連するインジケータと共にレビューすることによって膨張させるため又はステントデリバリーを調整するために、使用者によって見られてもよい。部分的に、本明細書において記述されるシステム及び方法は、欠落しているデータの領域をハッシング、着色領域、又は他の視覚的インジケータのようなインジケータで置き換えることによって、データ誤解の可能性を回避又は低減する方法に関する。このようにして、エンドユーザは、黒い領域を影又は側枝として誤って解釈するのではなく、データが欠落しているときに通知される。したがって、欠落データ領域は、その領域が側枝、ステント又は診断者にとって関心のある他の特徴として誤って解釈されることを防止するインジケータでコード化される。一つの実施形態において、本方法は、グラフィカルユーザーインターフェイス上にステントストラットの印を表示するステップ、及びデータが表示のために利用不能であった血管内画像内の一つ又はそれ以上の領域を示す印を表示するステップ、を含んでもよい。一つの実施形態において、並置バーは、それが血管内のビューに対して独立しており、そのためインジケータ又はステントを包含する画像が存在しないときに並置バーが表示されるように、表示される。一つの実施形態において、本開示は、ステント留置された領域(stented region)と整列させられた(aligned with)並置バーに関し、ステント留置された領域は位置を特定されたステントストラットを含み、並置バーは、回転的にアグノスティックであるか又は持続的である。
【0014】
部分的に、本開示は、例えば、光コヒーレンス断層撮影プローブ又は血管内超音波プローブのようなプローブを使用して得られる血管内データセットの文脈における、ステント検出及び影検出に関する。
【0015】
部分的に、本開示は、OCT画像データ内の影キャストの中での、金属ステントストラットのオフセット又は位置の正確な特定のためのシステム及び方法に関する。ステントストラット検出の方法は、血管内画像化データの複数のフレームにアクセスするステップ(accessing)であり、複数のフレームは、光コヒーレンシー断層撮影(OCT)走査線を含む、ステップ、候補ステントストラット(candidate stent strut)に対応する影領域を特定するステップ(identifying)、候補ストラット影走査線を生成するために、候補ステントストラット影領域に対応する走査線を特定するステップ、及び候補ストラット影走査線を分析し(analyzing)、ステントストラットの位置を特定するステップ、を含んでもよい。
【0016】
ステントストラット検出の方法はまた、血管内画像化データの複数のフレームを保存するステップ(storing)、複数のフレームのうちのフレームの第一グループ内でステントストラットを検出するステップ、フレームの第一グループ内で一つ又はそれ以上の影領域を検出するステップであり、影領域のうちの一つ又はそれ以上は、検出されたステントストラットに隣接する、ステップ、所与の影領域がガイドワイヤに起因する領域又は側枝に起因する領域であるかどうかを影領域毎のベースで決定し、候補ステントストラット影領域のセットを生成するステップであり、各候補ステントストラット影領域は影境界を含む、ステップ、並びに影境界の中で、候補ステントストラット影領域の走査線を特定するステップ、を含んでもよい。
【0017】
本発明の方法は、追加的なステップ又は特徴を含んでもよい。例えば、方法は、非ステント特徴に対応する影領域を除くこと(eliminating)によって、候補ステントストラットに対応する影領域を特定することを含んでもよい。非ステント特徴は、例えば、ガイドワイヤ、側枝及びそれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。
【0018】
方法は、管腔ピクセルからの漏れ(spillage)を包含する候補ストラット影走査線を除くステップを含んでもよい。方法は、候補ストラット影走査線にわたって信号応答を合計することによって、候補ストラット影走査線の各々又は走査線の一部分若しくはサンプルにわたって射影(projection)を決定するサブステップを含んでもよい。方法は、射影内で最大で3つの極大値を特定するサブステップを含んでもよい。
【0019】
方法は、ピーク信号強度に基づいて極大値をランク付けして(ranking)、ピークスコアを生成するサブステップを含んでもよい。ランク付けするサブステップは、より高いピーク信号強度を有する極大値ほどより高いピークスコアを受ける、順序を示す(ordinal)ランク付けであってもよい。
【0020】
方法は、血管壁への近接度(proximity)に基づいて極大値をランク付けし、近接度スコアを生成するサブステップを含んでもよい。ランク付けするサブステップは、より血管壁に近い極大値ほどより近接度スコアを受ける、順序を示すランク付けであってもよい。方法は、各極大値に不完全密着スコアを割り当てるステップを含んでもよい。不完全密着スコアは二値的(binary)であってもよく、不完全に並置された極大値はゼロのスコアを受けてもよい。
【0021】
方法は、ピークスコア、近接度スコア及び不完全密着スコアを合計するステップを含んでもよく、最も高い総スコアを有する極大値は、ステントストラットの位置として指定される。
【0022】
方法は、候補ステントストラットに対応する複数の影領域を特定するステップ、各候補ステントストラット影領域に対応する走査線を特定するステップ、及び各候補ステントストラット影領域の中で、ステントストラットの位置を特定するステップ、を含んでもよい。方法は、クロスフレーム解析(cross-frame analysis)を実行して、複数の光コヒーレンス断層撮影(OCT)画像化フレームにわたって、指定されたステントストラットを確認する(validate)ステップを含んでもよい。
【0023】
部分的に、本開示は、血管内データ収集システム、及び血管造影システム、並びに前述の二つ又はそれ以上の間でのデータの交換、及びインジケータのような診断情報の生成及び表示に関する。一つ又はそれ以上のインジケータは、例えば血管内データ収集システムを使用して生成された画像とそのようなインジケータをオーバーレイするか、他の方法で組み合わせることによって、生成及び表示されてもよい。インジケータは、関心のある診断情報を示すことに適した一つ又はそれ以上のインジケータ又はグラフィカル要素のような、長手方向若しくは縦方向、横断方向及び他のインジケータの種類を含んでもよい。インジケータは、ステントデリバリー計画及び他の動作の間に使用者をガイドするために使用されてもよい。本開示はまた、例えば、光コヒーレンス断層撮影プローブ又は血管内超音波プローブのようなプローブを使用して得られる血管内データセットの文脈における、ステント検出及び影検出に関する。
【0024】
本開示は、部分的に、血管内でのステント配置のコンピュータベースでの視覚化に関する。ステントは、OCTデータを使用して視覚化され、一つ又はそれ以上のグラフィックユーザーインターフェイス(GUI)の一部として、ステントのステントストラット又は部分として続いて表示されてもよい。とりわけ、本発明は、バックグラウンドノイズからステント留置された(複数の)領域を識別するコンピュータアルゴリズムを提供する。GUIは、OCT距離測定を使用して生成され、(複数の)実際のステント留置された領域の境界を定める、血管の一つ又はそれ以上のビューを含んでもよく、それは、ステント留置された領域の視覚化を提供する。
【0025】
一つの実施形態において、本開示は、引き戻しにおける一つ又はそれ以上のステント留置された領域の自動化された検出に関する。一つの実施形態において、OCT、IVUS又は他の血管内モダリティは、引き戻しの間にデータを収集するために使用される。一つの実施形態において、本開示は、所与のプルバックにおける一つ又はそれ以上のステントの自動化された検出並びにステントの部分でないフレームから偽陽性ストラット検出の除去に関する。本明細書において記述されるいくつかの実施の一つの目的は、使用者の入力なしで、それが所与の引き戻しにおける一つ又はそれ以上のステントの開始及び終了フレームを自動的に検出することである。アルゴリズムは、いずれのフレームがステントに属し、いずれがステント領域の外側にあるかを決定するために、閾値としての角度メトリック及びフレーム‐バイ‐フレームのストラット検出を使用する。
【0026】
マルチフレーム処理(multi-frame processing)アルゴリズムは、単一のフレームステップの間に検出されるストラットに基づいて、引き戻しにおいて一つ又はそれ以上のステントを自動的に検出する。このステップにおいて、クロスフレーム情報は、特定のステントに属するフレームの組を特定し、非ステント留置領域における偽陽性を一掃するために採り入れられる。一つの実施形態において、方法は、ガイドカテーテルの配置を特定した後に決定された、ガイドカテーテルフレーム内の検出を除去するステップを含む。
【0027】
一つの実施形態において、角度カバレッジの一次元プロットは、非ステント留置領域からステント留置された領域をフィルタリングするための代理(proxy)又は閾値として使用される。もしフレームが予想された構成を有しなければ、角度カバレッジは低くなるであろうし、それは、ステントのエッジとして解釈される。一次元プロットは、一つの隣接するフレームからのデータを局所的な近傍として融合する(amalgamating)ために使用される。一つの実施形態において、マルチフレーム近傍内のストラットの全てが、カバレッジメトリックを一緒に計算するようになる。角度は、各フレーム内で検出された各ストラットについて測定される。(このような)マルチフレームアルゴリズムにおいて、固定された近傍(neighborhood)にわたって組み合わされたストラットの組についての角度位置(angular position)が使用される。一つの実施形態において、方法は、検出されたストラットを組み合わせてスーパーフレームを作成し、次いでスーパーフレーム上のステントについてのカバレッジ分析/フィルタリングを実行する。
【0028】
一つの実施形態において、たとえフレームkの周りの近傍からのストラットが最大角度ギャップ及び角度カバレッジメトリックを計算するために使用されたとしても、それらは、フレームkに割り当てられる。なぜなら、それは、近傍ウィンドウが中央に位置付けられる(centered)場所であるからである。一つの実施形態において、角度メトリック閾値は、フレーム毎のベースであり、近傍は、現在のフレームの一つ前のフレーム及び現在のフレームの一つ後ろのフレームである。一つの実施形態において、レビュー中のフレームのいずれかの側の近傍のフレームの数は、制限なく、複数のフレームを含んでもよい。
【0029】
一つの実施形態において、角度は、各フレーム内で検出された各ストラットについて測定される。マルチフレームアルゴリズムの実装において、固定された近傍にわたって組み合わされたストラットの組についての角度位置が使用される。一つの実施形態において、フレームの近傍は、本明細書において記述される角度メトリック閾値に対して処理され、その後、閾値を使用して、“ステント留置された領域内の信号”のフィルタリング処理が実行される。一つの実施形態において、近傍は二つのフレームを含む。一つの実施形態において、近傍は三つのフレームを含む。一つの実施形態において、近傍は二つ又はそれ以上のフレームを含む。
【0030】
一つの実施形態において、本開示は、血管内のステント留置された領域を検出する方法を実行するための複数のプロセッサ実行可能な命令を用いてエンコードされた非一時的な機械可読記憶媒体に関し、本明細書等において記述及び描写されるステップを実行するためのプロセッサ命令を含む。
【0031】
本発明は、部分的には、血管内のステント留置された領域を検出する方法に関する。本方法は、ステント留置された血管についての光コヒーレンス断層撮影データを受信するステップであり、光コヒーレンス断層撮影データは、複数の画像フレームを含む、ステップ;血管内データ収集システムの記憶装置内に、光コヒーレンス断層撮影データを保存する(storing)ステップ;複数の画像フレームを分析し(analyzing)、フレーム毎のベース(per frame basis)でステントストラットを特定する(identify)ステップ;複数の画像フレームのうちの近傍のフレームにわたって融合された(amalgamated)角度ギャップデータを作成するために、特定されたステントストラットの角度オフセットの境界を定める(demarcating)ステップ;及び、近傍のフレームにおける任意の二つの隣接するストラットの間の最大角度ギャップを決定するステップ、を含んでもよい。
【0032】
方法は、以下の特徴のうちの一つ又はそれ以上を含んでもよい。方法は、
最大角度ギャップが閾値角度ギャップよりも小さい場合に、ステント包含フレーム(stent-containing frame)としてフレームを分類するステップ(classifying)を含んでもよい。
【0033】
方法は、閾値角度ギャップよりも小さい最大角度ギャップを包含する隣接するフレームのクラスタを特定することによって、ステントを包含する区域(zones)を特定するステップを含んでもよい。
【0034】
方法は、ステント血管についての重心(centroid value)を決定するステップ、及びフレームkについての血管重心に関する最大角度ギャップを計算する(computing)ステップを含んでもよい。所与のフレームkについての最大角度ギャップθ
max,kは、(数1)に従って、フレームkについての角度ギャップメトリックΨ
kを算定する(calculate)ために使用される。1により近い角度ギャップメトリックは、フレームがステントを包含することを示す。
【数1】
【0035】
方法は、角度ギャップメトリックが閾値角度ギャップ(例えば、約0.25から約0.65)よりも大きい場合に、ステント包含フレームとしてフレームを分類するステップを含んでもよい。
【0036】
方法は、フレームk及び少なくとも一つの近傍のフレームk+1についての角度ギャップメトリックを算定するステップを含んでもよい。方法は、連続的な近傍のフレームについての角度ギャップメトリックを反復的に算定するステップを含んでもよい。
【0037】
方法は、光コヒーレンス断層撮影データ内の複数のフレームを順次分類する(sequentially classify)ために、当該方法のステップのうちの一つ又はそれ以上を繰り返すステップを含んでもよい。方法は、所与のフレームについての角度ギャップメトリックが閾値角度ギャップよりも大きい場合に、ステント包含フレームとしてフレームを順次分類するステップを含んでもよい。方法は、最初のフレーム及び最後のフレームを含む、ステント留置された領域の中に、近傍のステント包含フレームを集合させる(aggregating)ステップを含んでもよい。方法は、最初のフレームに隣接するフレームが閾値角度ギャップよりも低い角度ギャップメトリックを有する場合に、ステント留置された領域の第一端を終結させる(terminating)ステップを含んでもよい。
【0038】
方法は、最後のフレームに隣接するフレームが閾値角度ギャップよりも低い角度ギャップメトリックを有する場合に、ステント留置された領域の第二端を終結させるステップを含んでもよい。本開示はまた、部分的に、ステント留置された血管におけるステント留置された領域を検出する方法に関する。方法は、血管内画像化システムを使用して、血管の一つ又はそれ以上の血管内画像データセットを保存するステップであり、各血管内データセットは複数のフレームを含む、ステップ;血管内画像化システムを使用して、血管の一つ又はそれ以上の血管内画像データセットを保存するステップであり、各血管内データセットは複数のフレームを含む、ステップ;近傍を定義するステップであり、近傍は、フレームk及びフレームkの付近の(vicinity)一つ又はそれ以上のフレームを含む、ステップ;近傍の全てのフレーム上に検出されたストラットの全てを組み合わせることによって、フレームkについての角度ギャップを決定するステップ;及び決定された角度ギャップを使用して、フレームkに関する角度カバレッジメトリックΨkを生成するステップ、を含んでもよい。
【0039】
角度カバレッジメトリックは、(数2)の形であり、ここでθ
max,kは、隣接するストラットの間で最も大きな角度ギャップである。
【数2】
【0040】
方法は、所与のフレームについての角度カバレッジメトリックが閾値角度ギャップよりも大きい場合に、ステント包含フレームとしてフレームを順次分類するステップを含んでもよい。本開示はまた、部分的に、一つ又はそれ以上のステント留置された領域を検出するための血管内画像化システムのプログラム可能なプロセッサベースのコンピュータ装置に関する。プログラム可能なプロセッサベースのコンピュータ装置は、血管内画像化データを受信するための、一つ又はそれ以上のデータアクセスチャネル;並びに、一つ又はそれ以上のデータアクセスチャネルと電気的に通信する、プロセッサ及び関連するメモリを含んでもよい。
【0041】
一つの実施形態において、プロセッサは、血管内画像化システムを使用して、血管の一つ又はそれ以上の血管内画像データセットを保存し、各血管内データセットは複数のフレームを含み;近傍を定義し、近傍は、フレームk及びフレームkの付近の一つ又はそれ以上のフレームを含み;近傍の全てのフレーム上に検出されたストラットの全てを組み合わせることによって、フレームkについての角度ギャップを決定し;決定された角度ギャップを使用して、フレームkに関する角度カバレッジメトリックΨkを生成し;且つ、所与のフレームについての角度カバレッジメトリックが閾値角度ギャップよりも大きい場合に、ステント包含フレームとしてフレームを分類する、ようにプログラムされている。
【0042】
一つの実施形態において、本開示は、ステントの全長にわたる、ステントストラットの表面と血管壁との間の最も広い間隔(separation)として定義される、最大ステント不完全密着距離を検出することに関する。この距離の最小化は、特に薬剤溶出ステントに関して、ステントが血管壁に堅く固定されること及びステントが血管のつぶれを防止するために十分な半径方向の支持を提供することを確実にするために、必要である。
【0043】
一つの実施形態において、本開示は、ステントの全長にわたる、ステントストラットの表面と血管壁との間の最も広い間隔として定義される、最大ステント不完全密着距離を検出することに関する。この距離の最小化は、特に薬剤溶出ステントに関して、ステントが血管壁に堅く固定されること及びステントが血管のつぶれを防止するために十分な半径方向の支持を提供することを確実にするために、必要である。
【0044】
部分的に、本開示は、関心のある管腔内で正しく置かれていないステントの、上部パネルにおける三次元的な描写を備えた、コンピュータインターフェイスに関する。ステント不完全密着の領域は、ハッチングの領域として又は他の印を用いて示されてもよい。したがって、一つの実施形態において、本発明の方法及び本明細書において記述される特徴は、複数のパネルにおいてOCTのビューを可能にするコンピュータベースのユーザーインターフェイスに向けられている。さらに、ステント不完全密着は、三次元で示されてもよい。加えて、刺激されたステント留置の場合に、使用者は、現実の患者にステントを移植する前に不完全密着の区域を除去して正しいステント留置をシミュレートするために、ステントを再配置してもよい。
【0045】
方法は、確認されたステントストラットをグラフィカルユーザーインターフェイス上に表示するステップを含んでもよい。本開示はまた、実行時にプロセッサに前述のステップのいずれかを実行させる非一時的な命令を含む、コンピュータ可読媒体を含む。
【0046】
しかし、本発明は、異なる複数の態様及び実施形態に関し、本明細書において開示される異なる複数の態様及び実施形態は、必要に応じて、全体として又は部分的に、一体的に統合され得ることが理解される。したがって、本明細書に開示される各実施形態は、所与の実施に適するように様々な程度まで各態様に組み込まれてもよい。さらに、いくつかの態様及び実施形態は、用語“手段(means for)”を使用して記述されるが、本明細書で開示される全ての態様、実施形態及び他の概念は、たとえ特定の“手段”の語が書面による記述の特定の部分に使用されていない場合でも、ミーンズプラスファンクションクレームのためのサポートとして働き得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図面は必ずしも縮尺通りではなく、強調がその代わりに概して例示的な原理に置かれている。図面は、全ての点で例示的なものとみなされるべきであり、開示を限定するように意図されておらず、その範囲は特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0048】
【
図1】
図1は、本開示の一つの例示的な実施形態による血管内画像化及びデータ収集システムの模式図を示す。
【0049】
【
図2A】
図2A乃至
図2Eは、本開示の一つの例示的な実施形態による、ステントデリバリー計画を含む診断プロセスのための、ユーザーインターフェイスディスプレイ及び血管内データ収集システム及びそれらに適したインジケータ、並びに血管造影システムに関する追加的な詳細を示す。
【
図2B】
図2A乃至
図2Eは、本開示の一つの例示的な実施形態による、ステントデリバリー計画を含む診断プロセスのための、ユーザーインターフェイスディスプレイ及び血管内データ収集システム及びそれらに適したインジケータ、並びに血管造影システムに関する追加的な詳細を示す。
【
図2C】
図2A乃至
図2Eは、本開示の一つの例示的な実施形態による、ステントデリバリー計画を含む診断プロセスのための、ユーザーインターフェイスディスプレイ及び血管内データ収集システム及びそれらに適したインジケータ、並びに血管造影システムに関する追加的な詳細を示す。
【
図2D】
図2A乃至
図2Eは、本開示の一つの例示的な実施形態による、ステントデリバリー計画を含む診断プロセスのための、ユーザーインターフェイスディスプレイ及び血管内データ収集システム及びそれらに適したインジケータ、並びに血管造影システムに関する追加的な詳細を示す。
【
図2E】
図2A乃至
図2Eは、本開示の一つの例示的な実施形態による、ステントデリバリー計画を含む診断プロセスのための、ユーザーインターフェイスディスプレイ及び血管内データ収集システム及びそれらに適したインジケータ、並びに血管造影システムに関する追加的な詳細を示す。
【0050】
【
図3A】
図3A乃至
図6は、本開示の一つの例示的な実施形態による、一つ又はそれ以上の画像化モダリティに関する、様々な印及び共記載される特徴を含む、様々なユーザーインターフェイス及びデータ表現を示す。
【
図3B】
図3A乃至
図6は、本開示の一つの例示的な実施形態による、一つ又はそれ以上の画像化モダリティに関する、様々な印及び共記載される特徴を含む、様々なユーザーインターフェイス及びデータ表現を示す。
【
図4A】
図3A乃至
図6は、本開示の一つの例示的な実施形態による、一つ又はそれ以上の画像化モダリティに関する、様々な印及び共記載される特徴を含む、様々なユーザーインターフェイス及びデータ表現を示す。
【
図4B】
図3A乃至
図6は、本開示の一つの例示的な実施形態による、一つ又はそれ以上の画像化モダリティに関する、様々な印及び共記載される特徴を含む、様々なユーザーインターフェイス及びデータ表現を示す。
【
図5】
図3A乃至
図6は、本開示の一つの例示的な実施形態による、一つ又はそれ以上の画像化モダリティに関する、様々な印及び共記載される特徴を含む、様々なユーザーインターフェイス及びデータ表現を示す。
【
図6】
図3A乃至
図6は、本開示の一つの例示的な実施形態による、一つ又はそれ以上の画像化モダリティに関する、様々な印及び共記載される特徴を含む、様々なユーザーインターフェイス及びデータ表現を示す。
【0051】
【
図7A】
図7A及び
図7Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、OCTデータのような血管内画像化データを使用して生成される、側枝の印の三次元表現を示す。
【
図7B】
図7A及び
図7Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、OCTデータのような血管内画像化データを使用して生成される、側枝の印の三次元表現を示す。
【0052】
【
図8A】
図8A乃至
図9Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、診断プロセスのための、ユーザーインターフェイスディスプレイ及び血管内データ収集システム及びそれらに適したインジケータ、並びに血管造影システムに関する追加的な詳細を示す。
【
図8B】
図8A乃至
図9Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、診断プロセスのための、ユーザーインターフェイスディスプレイ及び血管内データ収集システム及びそれらに適したインジケータ、並びに血管造影システムに関する追加的な詳細を示す。
【
図9A】
図8A乃至
図9Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、診断プロセスのための、ユーザーインターフェイスディスプレイ及び血管内データ収集システム及びそれらに適したインジケータ、並びに血管造影システムに関する追加的な詳細を示す。
【
図9B】
図8A乃至
図9Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、診断プロセスのための、ユーザーインターフェイスディスプレイ及び血管内データ収集システム及びそれらに適したインジケータ、並びに血管造影システムに関する追加的な詳細を示す。
【0053】
【
図10A】
図10Aは、本開示の一つの例示的な実施形態による、一つの例示的な血管内データ収集システム及び関連する血管内データ収集プローブ、並びに関係する画像処理、検出及び他のソフトウェアコンポーネントである。
【0054】
【
図10B】
図10Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、ステント留置された血管の横断面OCT画像である。
【0055】
【
図11】
図11は、本開示の一つの例示的な実施形態による、OCT画像データ内でストラットを検出するためのプロセス流れ図である。
【0056】
【
図12】
図12は、本開示の一つの例示的な実施形態による、極座標での、対数スケールでの、ステント留置された血管の走査線OCT画像である。
【0057】
【
図13】
図13は、本開示の一つの例示的な実施形態による、単一の影の中での複数の潜在的ストラットの検出を例示するグラフである。
【0058】
【
図14A】
図14Aは、本開示の一つの例示的な実施形態による、偽陽性ステントストラットの消去の前の、ステント留置された血管領域の血管内画像データ表現ユーザーインターフェイスである。
【0059】
【
図14B】
図14Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、偽陽性ステントストラットの消去の後の、ステント留置された血管領域の血管内画像データ表現ユーザーインターフェイスである。
【0060】
【
図15A】
図15A及び
図15Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、フレームがステント留置された領域の一部であるか否かの評価の一部としてフレームを組み合わせる、自動化ステント検出アルゴリズムの図式的な描写である。
【
図15B】
図15A及び
図15Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、フレームがステント留置された領域の一部であるか否かの評価の一部としてフレームを組み合わせる、自動化ステント検出アルゴリズムの図式的な描写である。
【0061】
【
図16】
図16は、本開示の一つの例示的な実施形態による、二つのステントのフレーム位置の境界を定める角度カバレッジプロットのグラフである。
【0062】
【
図17】
図17は、本開示の一つの例示的な実施形態による、マルチフレームステント領域検出アルゴリズムを示す流れ図である。
【0063】
【
図18A】
図18Aは、本開示の一つの例示的な実施形態による、偽陽性ストラットの消去の前の、ステント留置された血管領域の血管内画像データ表現ユーザーインターフェイスである。
【0064】
【
図18B】
図18Bは、本開示の一つの例示的な実施形態による、偽陽性ストラットの消去の後の、ステント留置された血管領域の血管内画像データ表現ユーザーインターフェイスである。
【発明を実施するための形態】
【0065】
部分的に、本開示は、OCT,IVUSのような血管内データ収集システム、及び血管造影システム、並びに前述の二つ又はそれ以上の間でのデータの交換、及び例として、インジケータのような診断情報の生成及び表示に関する。一つの実施形態において、OCTのような血管内データは、同時に血管造影データが収集されている間に収集される。インジケータは、一つ又はそれ以上の、一次元又は二次元のグラフィック要素、及び色、グレースケール又はスケール目盛り(scale gradations)、ハッシュ、シンボル若しくは他の視覚的要素のような、一つ又はそれ以上の関連する印を含んでもよい。
【0066】
一つ又はそれ以上のインジケータは、例えば血管内データ収集システムを使用して生成された画像とそのようなインジケータをオーバーレイするか、他の方法で組み合わせることによって、生成及び表示されてもよい。インジケータは、関心のある診断情報、例えばユーザー選択された目印(user selected landmarks)に対する追跡(tracking)等を示すことに適した一つ又はそれ以上の印(indicia)又はグラフィカル要素のような、長手方向若しくは縦方向(longitudinal)、横断方向及び他のインジケータの種類を含んでもよい。ステントストラットインジケータもまた、使用されてもよい。ステント及び影検出の方法が本明細書において記述されており、それは、そのような血管内の特徴をユーザーインターフェイスに表示するため、及びそれに対するインジケータ又は印等のオーバーレイを表示するために使用されてもよい。血管造影データはまた、共記載された(co-registered)表示の一部として様々な共通のインジケータと共に統合及び表示されてもよい。一つの実施形態において、切開、側枝又は他の血管の特徴として誤って解釈され得る影及び他の要素は、それらを区別し、一つの実施形態による画像フレーム及びデータのユーザレビュー及び分析を容易にするために、陰影を付けされるか又は他の方法で変更されてもよい。
【0067】
適切な診断情報は、血管壁又は管腔境界に対するステントの不完全密着(malapposition)、血管内のユーザー選択OCT配置及び関連する血管造影フレーム位置、並びに他の血管内診断情報又はステントデリバリー計画を容易にするために生成される他の情報のような、ステント並置情報(stent apposition information)を含んでもよい。システムは、グラフィカルユーザーインターフェイスと通信し、グラフィカルユーザーインターフェイスに命令を送るように構成されているプロセッサを含む。一つ又はそれ以上のソフトウェアプログラムは、以下のうちの一つ又はそれ以上を実行するために使用される:画像データのようなデータを共記載すること、決定された管腔境界に対するステント配置を示す長手方向インジケータを生成及び表示すること、エンドユーザのためにデータ欠落領域をコード化又は標識付けすること、共記載を容易にするために、一つ又はそれ以上のグラフィカル要素を使用して、ユーザー選択OCT配置情報を血管造影ディスプレイに移すこと、並びに計画の目的のためにステント及びシミュレートされたステントを視覚的に特定すること及びその他の本明細書において記述される事項。
【0068】
部分的に、本開示は、画像データ又は対象(subject)に関して測定される他の血管内パラメータのような対象データに関してディスプレイ上に表現されるグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)要素又はインジケータに関する。光コヒーレンス断層撮影引き戻し(pullback)記録若しくはIVUS又は他の血管内若しくは血管造影システムの過程で長手方向又は横断方向に変化するような、任意の臨床的に有用なパラメータは、インジケータ又は印として評価及び表示されてもよい。各インジケータ/印は、手動で画像を操作することを必要とすることなく、単一のビューで引き戻し記録全体についての臨床的に有用な情報を迅速に見るために、介入的な心臓専門医によって使用されてもよい。インジケータは、パラメータ臨床的に意味のある閾値を超過するか又は下回ることに基づいて、血管内の関心のある特定のポイントに使用者をガイドしてもよい。例えば適切な印を使用して、連続カラーマップ又は他のスケールでパラメータ値をエンコードすることによって、パラメータの厳しさの変化する程度は、解釈が容易な一つのビューで血管全体について容易に要約され得る。これらの特徴は、様々な並置バー、ステントインジケータ並びに血管造影画像及び他の血管内データ収集画像のための他のインジケータを用いて示される。
【0069】
図1は、これらの特徴のいくつかを実行するために適したシステムを含む。
図2Aは4つのパネルを示し、右上のパネルは、第一ユーザー選択配置US1、第二ユーザー選択配置US2及びアクティブフレームAFを含む様々なインジケータと共に、血管造影ディスプレイを示す。これらのインジケータはまた、底部のLモード又は長手方向パネルにも示されており、US1及びUS2は示されている垂直線に対応し、アクティブフレームAFはそれらの間の垂直線に対応する。アクティブフレームは、右上のパネルに断面図で示されている。中央のパネルは、US1及びUS2の配置のミリメートルでの値を、血管配置及び算定された(calculated)MLAとして、示す。
図2Bは、
図1のOCTデータと共記載された、
図1の血管造影画像の拡大図を示す。これらのユーザーインターフェイスは、マウス、ジョイスティック又は他の制御装置を用いて使用者によって制御されることができ、且つ一つ又はそれ以上のプロセッサ及びメモリ記憶要素を使用して動作させられることができる可動要素C1、C2を含む。可動要素C1、C2は制御装置であり、インターフェイスの一部として回転又は移動させられることができる。それらはまた、
図2C及び
図3Bその他に示される。
図3Bにおいて、制御装置C1、C2はまた、ステントストラットに対して半円形として、また右のパネルにおいて線分として表現されている。
【0070】
図2Cは、領域R1乃至R7を有する並置バー/インジケータバー111をインジケータとして示し、それらは、
図2Dにおいて更に詳細に示される右上の血管造影ビューに示される。右上のパネルは、関心の閾値を超える並置の区域を示すR3を示す。Lモードにおいて、ステントストラットは、シンボル又は色のような印を用いてコード化される。並置バーにおける関心の並置の領域は、たとえステントの計画及び患者の診断のために重要な区域に使用者の注意を喚起するためにデータセットが回転させられても、ディスプレイ上に残る。この意味で、インジケータは、計画又は他の手順中に使用者の焦点を向けるために、持続的(persistent)であり得る。
図2Eは、例示的な並置バー又はインジケータバー111に関する追加的な詳細を示す。インジケータバー111は、ステントの計画及びレビューのために使用されてもよく、またステントストラットに対して並置又は別のメトリックが存在する血管内画像の領域を示すために使用されてもよい。インジケータバー111は、一つの実施形態において、使用者によって選択されたビュー‐三次元、横断面、長手方向、見る角度等に基づいて見えなくても、使用者にステント領域に対する警告を与えるために、ユーザーインターフェイスビュー内で持続的である。
【0071】
図2Cに関して、関心のある二つのユーザー選択された点がU1及びU2として示されている。R3は、興味のある不完全密着の領域に対応する。R2は第一ステントに対応し、R6は第二ステントに対応する。R5は、それらの間の隙間である。このデータは、ステント計画を容易にするために、
図2Dに示されるような血管造影データと共記載される。プローブDCのデータ収集要素が、画像に示されている。R1及びR7は、ステントが存在せず、血管管腔に対応する遠位区域及び近位区域である。U1及びU2は、U1及びU2を用いて標識を付けた血管区分についての参照フレームをそれらに与えるために、ライブの血管造影(live angio)を見ている使用者によって使用されることができる、ユーザーが置いた目印としての役割を果たす。一つ又はそれ以上のディスプレイは、例えば、ライブの血管造影及び以前に取得された引き戻しフレームを有するOCT引き戻しデータのように、使用されてもよい。
【0072】
これら及び他のインジケータを用いて、画像及びインジケータは、
図2C及び
図2Dに示されるデータに基づいてステントデリバリーをガイドするツールとして役立ち得る。インジケータはまた、横断面図又は縦断面図において、色でコード化され又は他の方法でコード化されたステントストラットの印を与えられて、ステントを膨張させられる必要があるときをより詳細に示してもよい。
図2Eにおいて、第一ステント222a及び第二ステント222bの領域は、並置バー111によって示されている。管腔又はステントのない領域224及び不完全密着領域223もまた、示されている。このバー111は、関心のある任意の血管造影又はOCT若しくはIVUS画像上に表示されてもよい。一つの実施形態において、並置バーは、それが血管内のビューに対して独立しているか又は持続的であり、そのためインジケータ又はステントを包含する画像が存在しないときに並置バーが表示されるように、表示される。様々なインジケータ及び印は、例えば
図1及び
図10Aのシステムを使用して生成された、ステント検出、管腔検出、ステント並置測定及び様々なグラフィックオーバーレイに基づいて生成されてもよい。
【0073】
図3Aは、縦断面図又はL-モードと共にインターフェイスを示し、並置閾値に基づいてコード化されたステントストラットインジケータより上の並置バーを示す。インジケータバー111は、示されるステントのない領域224及び不完全密着領域223と共に、GUIの中央に示されている。OCT又はIVUSからの管腔境界データは、所与の検出されたストラットデータに閾値が超過されていることのような並置の問題を、並置バー生成ソフトウェアモジュールへの入力として決定するために、使用される。
図3Bにおいて、インターフェイススクリーンは、図示されたGUIスクリーンショットのLモードディスプレイの上に示されるように、金属ステントストラットについて高レベルの並置を測定するインジケータの一つの例を描写する。並置インジケータは、画像データを手動で操作又は検査する必要なしに、臨床パラメータに関する要約情報が表示されることを可能にする。本明細書において示されるステント並置バー及び他のインジケータ並びにそれらの血管造影との共記載は、使用者に多くの利点を提供する。
【0074】
図3A、
図3B、
図4A及び
図4Bにおいて、ユーザーインターフェイスのいくつかの実施形態は、ステントストラット並置及び他のインジケータベースのデータ表示のための一つの例示的なインジケータと一緒に、血管内データ及び血管造影データ(該当する場合)を描写する。一つの実施形態において、並置バーは、Lモード及び血管造影画像、三次元流れ画像及びその他の上に示される。
図4Bは、血管の外側境界に沿った閾値情報を示すステントデータを有する血管造影画像と同時に並置バー111の縦断面図を示す。ユーザーインターフェイスの血管造影部分内の領域161aもまた、インジケータバー111の領域161bと整列させられる。一つの実施形態において、血管造影画像は、並置バーと整列させられ(aligned)、又は共に記載される(registered)。並置バー111の一つの特徴は、それがユーザーインターフェイス内で持続的であることであり、そのため、ステントが2D画像内又は3D画像内に存在するが、切断面又は視る角度に基づいて現れない場合に、並置バーが持続し、GUI内に2D又は3Dのステントが現れていなくてもステント及び関連する任意の不完全密着が存在することを示す。これは、ステント計画及び診断のために有用な特徴である。
【0075】
図4Aにおいて、ステントストラット及び関心のある並置区域157を示すインジケータバー111が、示されている。並置を示すこれらの関心のある区域157は、ステントストラット自体の表示と共にグループ化されてもよく、カラーコード化又はGUIにおいて見られ得る他の印を用いてコード化されてもよい。印及びインジケータバーとのステントストラットコードのグループ化の一つの例は、
図3A、
図3B、
図5及び
図6において領域188によって示されている。これらの領域188において、インジケータバー111は、血管壁に対する並置に対応する様々な印と共に、ステント及び一連のストラットの表示と整列させられて示されている。検出された管腔境界は、それに対するステント配置を比較するために使用される。ステント検出に関する追加的な詳細は、本明細書に含まれる。
【0076】
図5は、はっきりしないデータ又はガイドワイヤの影が欠落しているデータのような欠落データをソフトウェアで修正してグレーマスク又は他のインジケータで置き換える、インジケータ又は画像データ処理の特徴と共に、他のGUIを示す。使用者が側枝、切開又は欠落データとの混同することを回避するために、インジケータMDは、データが欠落している領域を示すために使用される。これは、使用者が欠落しているデータ、切開区域、又は側枝について間違えることを防止するという利点を有する。一つの実施形態において、影の結果として又はその他理由でデータが欠落している区域は、灰色の領域、着色された領域、ハッシング又は他の目に見える印のような印又はインジケータを用いて表示される。中央の二つの矢頭の矢印アイコンは、ビューが回転させられることを可能にする。このユーザーコントロールは、並置バー及びカラーコード化又は他の印によるガイドワイヤの特定と一緒に、血管内データ収集プローブ及び/又は血管造影データからの画像データの診断範囲を、すっかり改善し、拡張する。
【0077】
他の実施形態において、
図5に示されるように、インジケータWは、ガイドワイヤ画像を指し示すために使用される。一つの実施形態において、インジケータWは、GUI内のガイドワイヤを特定するため、又はそれを選択して画像から除去するために使用されてもよい。
図6は三次元フライスルーを示し、並置バーは、右側の断面に対応する使用者の見る面の前方に軌道として示されている。3Dフライスルービュー及び関心のある関心領域の任意の他のビューに含まれるステントストラット及び関心のある並置区域を示すインジケータバー111は、ステント計画中に重要な血管領域を使用者に警告するために、回転中に依然として見ることができる。
【0078】
図7A及び
図7Bは、側枝に対応する他のインジケータSBを示す。血管壁VWのレンダリングもまた、側枝に対して示される。これらのインジケータ及びその他のインジケータは、2Dデータ及び3Dデータの領域を強調するために使用されてもよい。
図9Bのような、描写されるユーザーインターフェイスに示されるように、右上のビューの様々な円/線分C1、C2は、画像の様々なビューを通してナビゲートするために、回転させられてもよい。
図8A乃至
図9Bは、画像データセットをナビゲートするため及びステント計画などの診断を実行するための、追加的なインターフェイス及び制御情報を示す。様々な近位図及び遠位図並びに他の斜視図は、本明細書において示されるツールを使用してナビゲートされてもよい。一つ又はそれ以上の実施形態において、並置バー111のようなインジケータは持続的であり、そのため、たとえ不完全密着の区域から離れるようにナビゲートされたとしても、それらはビュー内に留まる。
【0079】
このように、いくつかのインジケータは回転的にアグノスティックであり、そのためインジケータが閾値を超過するパラメータを含む領域又は長さを含む場合に、そのとき、たとえ回転させられたビューが不完全に並置されたステント領域のような領域を覆い隠すように画像データが変更されたとしても、その領域はそれ自体が示されたままである。したがって、血管の片側が並置の問題を有する場合に、使用者は血管内のそれらの位置に関してそれを認識したままである。並置バーは、血管造影画像若しくはOCT画像又はユーザーインターフェイスのうちの一つ又はそれ以上のビュー内のインジケータとして表示されてもよい。
【0080】
様々な図に示されるように、並置バー111は、血管内のステントの存在若しくはより多くのステントの存在、又は位置異常、又は多数のステントを留置された血管についての複数のステントの間の隙間を示す様々な領域又は長さに細分されてもよい。血管造影データ及び関連する画像フレームは、OCTデータと共記載されてもよい。さらに、図に示されるように、動脈上の特定の長手方向距離に対応するユーザー選択された垂直線は、ステント計画をガイドするように設定されてもよい。回転的にアグノスティック又は持続的なバーの性質は、ステント計画中の更なる補助及び誤差低減を提供する。
【0081】
ステントデリバリー計画手順の間に、臨床医に指定された目印は、使用者がステントサイズを選択するための且つ血管に対する基準を提供することによって、ステント計画のために使用されてもよく、使用者は、ライブの血管造影を使用してステントを配備している間にそれに関して参照することができる。不完全密着のレベル及び位置が与えられることにより、使用者は、OCT及び注釈を付けられた血管造影を参照して、デリバリー計画の一部としてステントを更に拡張又は移動させ得る。これらのシステムの特徴及び方法は、例えば、
図1に示されるシステム3及び
図10Aのシステムを使用して実施されてもよい。
【0082】
図1は、対象4のデータを収集すること若しくは特徴を検出すること、又は状態を感知すること、又は他の方法で対象4を診断することに適した様々なデータ収集サブシステムを含む、システム3を示す。一つの実施形態において、対象は、テーブルベッドから椅子又は他の適切な支持体のような適切な支持体19の上に置かれる。典型的には、対象4は、特定の関心領域25を有するヒト又は他の動物である。
【0083】
データ収集システム3は、核磁気共鳴、X線、コンピュータ支援断層撮影、又は他の適切な非侵襲的撮像技術のような非侵襲的画像化システムを含む。そのような非侵襲的撮像システムの一つの非限定的な例として示されるように、シネ(cines)を生成するために適するような血管造影システム21が示される。血管造影システム21は、蛍光透視システムを含んでもよい。血管造影システム21は、例えば、OCT又はIVUSのような一つ又はそれ以上の画像化技術において血管造影を使用して対象4の領域25内の血管が画像化されるように、プローブ30を使用して引き戻し手順が実行される間に、典型的には画像データのフレームの形で血管造影データのフレームが生成されるように、非侵襲的に対象4を画像化するように構成されている。
【0084】
血管造影システム21は、血管造影データ記憶及び画像管理システム22と通信しており、それは、一つの実施形態においてワークステーション又はサーバとして実装されてもよい。一つの実施形態において、収集された血管造影信号に関するデータ処理は、血管造影システム21の検出器上で直接的に実行される。システム21からの画像は、血管造影データ記憶及び画像管理部22によって保存及び管理される。
【0085】
一つの実施形態において、システムサーバ50又はワークステーション87がシステム22の機能を扱う。一つの実施形態において、システム21全体が、X線などの電磁放射を生成する。システム21はまた、対象4を通過した後にそのような放射線を受け取る。次いで、データ処理システム22は、血管造影システム21からの信号を使用して、対象4の領域25を含む一つ又はそれ以上の領域を画像化する。このシステムは、本明細書において記述されるように、血管内データ及び様々なインジケータ並びに検出されたステントストラット及び影と一緒に、血管造影データがディスプレイ82及び82上に示されることを可能にする。
【0086】
この特定の例に示されるように、関心領域25は、特定の血管のような血管系又は末梢血管系のサブセットである。これは、OCTを使用して画像化されることができる。カテーテルベースのデータ収集プローブ30は、対象4に導入され、例えば冠動脈のような特定の血管の管腔に配置される。プローブ30は、例えば、OCTプローブ、FFRプローブ、IVUSプローブ、前述のうちの二つ又はそれ以上の特徴を組み合わせたプローブ、及び血管の中の画像化に適した他のプローブのような、様々な種類のデータ収集プローブであり得る。プローブ30は、典型的には、プローブ先端部、一つ又はそれ以上の放射線不透過性マーカー、光ファイバ、及びトルクワイヤを含む。加えて、プローブ先端部は、光ビームディレクタ、音響ビームディレクタ、圧力検出器センサ、他の変換器又は検出器、及び前述の組み合わせのような、一つ又はそれ以上のデータ収集サブシステムを含む。
【0087】
光ビームディレクタを含む血管内プローブに関して、光ファイバ33は、ビームディレクタを用いてプローブと光学的に通信している。トルクワイヤは、光ファイバが配置される穴を画定する。
図1において、光ファイバ33は、それを取り囲むトルクワイヤなしで示されている。加えて、プローブ30はまた、カテーテルの一部を形成するポリマーシース(図示せず)のようなシースを含む。OCTシステムの文脈においては干渉計のサンプルアームの一部である、光ファイバ33は、図示されるように患者インターフェイスユニット(PIU)35に光学的に結合させられている。
【0088】
患者インターフェイスユニット35は、プローブ30の端部を受け入れ、それに光学的に結合させられるために適したプローブコネクタを含む。典型的には、データ収集プローブ30は使い捨て可能である。PIU35は、使用されているデータ収集プローブの種類に基づいて適切なジョイント及び要素を含む。たとえば、OCT及びIVUSデータ収集プローブの組み合わせは、OCT及びIVUS PIUを要求する。PIU35は、典型的に、トルクワイヤ、シース、及びその中に配置された光ファイバ33を引き戻し手順の一部として引き戻すために適したモータも含む。引き戻されることに加えて、プローブ先端部はまた、典型的に、PIU35によって回転させられる。このようにして、対象4の血管は、長手方向に又は横断面を介して画像化され得る。プローブ30はまた、FFR又は他の圧力測定のような特定のパラメータを測定するために使用されてもよい。画像データは、様々な2D及び3Dビューを生成するために使用されてもよく、それらのビューは、ユーザーインターフェイスの描写に示されるようにナビゲートされてもよい。
【0089】
次いで、PIU35は、一つ又はそれ以上の血管内データ収集システム42に接続される。血管内データ収集システム42は、OCTシステム、IVUSシステム、他の画像化システム、及び前述の組み合わせであってもよい。例えば、OCTプローブであるプローブ30の文脈におけるシステム42は、干渉計のサンプルアーム、干渉計の基準アーム(reference arm)、光ダイオード、制御システム、及び患者インターフェイスユニットを含んでもよい。同様に、他の例として、IVUSシステムの文脈において、血管内データ収集システム42は、超音波信号生成及び処理回路、ノイズフィルタ、回転可能なジョイント、モータ及びインターフェイスユニットを含んでもよい。一つの実施形態において、データ収集システム42及び血管造影システム21は、血管造影ビデオフレームタイムスタンプ及びOCT画像フレームタイムスタンプを同期させるように構成された、共有されたクロック又は他のタイミング信号を有する。
【0090】
図1の侵襲的及び非侵襲的画像データ収集システム及び装置に加えて、対象の領域25及び対象の他の関心のあるパラメータに関して、様々な他の種類のデータが収集されてもよい。例えば、データ収集プローブ30は、例えば圧力ワイヤのような一つ又はそれ以上の圧力センサを含んでもよい。圧力ワイヤは、OCT又は超音波コンポーネントの追加なしに使用されてもよい。圧力読み取りは、対象4の領域25内の血管の区分に沿って得られてもよい。
【0091】
そのような読み取りは、有線接続によるか又は無線接続を介するかのいずれかによって中継されてもよい。血流予備比(fractional flow reserve)FFRデータ収集システムに示されるように、無線トランシーバ48は、プローブ30からの圧力読み取りを受信し、それらをシステムに送信して、FFR測定値又は測定された血管に沿ったより多くの位置を生成するように構成されている。一つ又はそれ以上のディスプレイ82、83はまた、データの血管造影フレーム、OCTフレーム、OCT及び血管造影データのためのユーザーインターフェイス、影、インジケータ、欠落データ並びに他の制御及び興味のある特徴を示すために使用されてもよい。
【0092】
データ収集プローブ30を使用して生成された血管内データのフレームのような血管内画像化データは、PIU35を介してプローブに結合させられたデータ収集処理システム42にルートに沿って送信されてもよい。血管造影システム22を使用して生成された非侵襲的な画像データは、共記載(co-registration)サーバ50ワークステーション87のような一つ又はそれ以上のサーバ又はワークステーションに送信され、中に保存され、これによって処理されてもよい。システム22から血管造影画像データを取得するように構成されたコンピュータボードのようなビデオフレームグラバー装置55が、様々な実施形態において使用されてもよい。
【0093】
一つの実施形態において、サーバ50は、メモリ70に保存され、プロセッサ80によって実行される一つ又はそれ以上の共記載ソフトウェアモジュール60を含む。サーバ50は、プロセッサベースの計算(computing)サーバのための他の典型的なコンポーネントを含んでもよい。または、データベース90のようなより多くのデータベースは、生成された画像データ、対象のパラメータ、及び
図1に示された一つ又はそれ以上のシステム装置又はコンポーネントによって生成され、データベース90によって受信されるか又はデータベース90に転送される他の情報を、受信するように構成されてもよい。データベース90は、ワークステーション87においてメモリ内に保存されていると同時に、サーバ50に接続されているように示されているが、これは一つの例示的な構成に過ぎない。例えば、ソフトウェアモジュール60は、ワークステーション87におけるプロセッサ上で作動していてもよく、データベース90は、サーバ50のメモリ内に位置付けられてもよい。様々なソフトウェアモジュールを作動させるための装置又はシステムが、例として提供される。種々の組合せにおいて、本明細書において記述されるハードウェア及びソフトウェアは、画像データのフレームを取得し、そのような画像データを処理し、そのような画像データを記載する(register)ために使用されてもよい。
【0094】
本明細書において別の方法で留意されるように、ソフトウェアモジュール60は、前処理ソフトウェア、変換、マトリックス、管腔検出、ステント検出、影検出、インジケータジェネレータ及びディスプレイ、並びに、他のソフトウェアベースのコンポーネント60による異なる種類の画像データの共記載を容易にするため又は別の方法でそのような共記載を実行するために、画像データを処理するために使用されるか又は患者のトリガに応答する、他のソフトウェアベースのコンポーネントのような、ソフトウェアを含んでもよい。モジュールは、走査線ベース(scan line based)又は画像ベースの手法を使用した管腔検出、走査線ベース又は画像ベースの手法を使用したステント検出、インジケータ生成、ステント計画のための並置バー生成、切開、側枝及び欠落データとの混同を防止するためのガイドワイヤ影インジケータその他を含んでもよい。
【0095】
データベース90は、血管造影システム21によって生成され、フレームグラバー55サーバ50によって取得された画像データのような血管造影画像データ92を受信及び保存するように構成されてもよい。データベース90は、OCTシステム42によって生成され、フレームグラバー55サーバ50によって取得された画像データのようなOCT画像データ95を受信及び保存するように構成されてもよい。
【0096】
加えて、対象4は、一つ又はそれ以上の電極を介して、例えばモニタ49のような一つ又はそれ以上のモニタに電気的に結合させられてもよい。モニタ49は、限定するものではないが、心臓機能に関するデータを生成するように構成され、収縮期及び拡張期のような対象の様々な状態を示す心電図モニタを含んでもよい。冠動脈を含む心臓の幾何学的形状は、たとえ異なる心臓周期にわたっても、特定の心位相においてはほぼ同じであるので、心位相を知ることは、血管中心線の追跡を補助するために使用され得る。
【0097】
それ故に、血管造影データが少数の心臓周期に及ぶ場合、同じ心位相における血管中心線の一次マッチング(first-order matching)は、引き戻し全体を通して中心線を追跡することを補助し得る。加えて、心臓の運動の大部分は収縮期に起こるので、血管運動は、収縮期付近でより高く、拡張期に向かって弱まると予想される。これは、連続する血管造影フレームの間に予想される運動の量の指標として、一つ又はそれ以上のソフトウェアモジュールにデータを提供する。予想される運動の知識は、予想される運動に基づく適応的な制約(adaptive constraint)を可能にすることによって追跡品質及び血管中心線品質を改善するために、一つ又はそれ以上のソフトウェアモジュールによって使用されてもよい。
【0098】
[影検出に関する実施形態]
本開示は、部分的に、検出されたステント影の中に、検出された影を結果としてもたらすストラットの正確なオフセット又は位置を特定するための方法及びシステムを提供する。時には、影の中に、走査線内の暗い影の背景に対して、明るいストラットブルーム又はピークに対応する単一の可能なストラット位置が存在する。しかしながら、ストラット影の内部に複数のストラットピークがしばしば検出され、ステントストラットの正しい位置を特定することを困難にする。偽の(Spurious)ピークは、例えば、血液貯留、引き戻しゾーンでの不十分な血液のクリアリング、又は金属ストラットと相互作用する結像光学系に起因するリンギングアーチファクト(ringing artifacts)によって引き起こされ得る。本開示は、ステント影の中の真のステントの最良の候補を特定するための方法及びシステムを提供する。
【0099】
図10Aは、動脈などの血管5、データ収集プローブ7及び血管内データ収集及び処理システム10を描写する高レベルの模式図である。
図10Aのシステム10に関して記述される方法はまた、
図1のシステム3及び他のシステムを用いて実行されてもよい。具体的には、
図10Aのシステム10は、例えば、OCT、血管内超音波(IVUS)、又は他の血管内画像化システムを含んでもよい。ステント12は、血管5内に示されている。ステントは、複数のストラットを含む。ステントのいくつかは、血管内プローブを用いて血管を画像化するプロセスの一部として影又は影領域SRを生成してもよい。システム10は、本明細書において記述されるように、側枝検出、ステント検出、ピーク検出、影領域検出及び処理、誤り訂正、インジケータバー生成及び表示、モデル比較、管腔検出、並びに様々な他のプロセスを実行することに適した様々なソフトウェアモジュールを含んでもよい。いくつかの例示的なステント検出の特徴に関係する追加的な詳細は、
図14A‐
図18Bに関してより詳細に記述される。システム10は、本明細書において記述されるアプリケーション及びデータ収集のコヒーレンス及びバンド幅の要件を満たす適切な光源を含んでもよい。システム10は、超音波画像化システムを含んでもよい。プローブ7は、一つ又はそれ以上の光ファイバ15を有するカテーテル部分、及びその中に配置されたプローブ先端部17を有するカテーテル20を含んでもよい。一つの実施形態において、プローブ先端部17はビームディレクタを含む。
【0100】
図示されるように、カテーテル20は、動脈管腔のような管腔11に導入される。プローブ7は、管腔Lの中に又はファイバ15の長手方向軸に対して垂直な方向に光を方向付けて前方に導く、回転するか又は摺動可能なファイバ15を含んでもよい。一つの結果として、ファイバ15が回転する際にプローブの側面から方向付けられる光の場合に、OCTデータは、血管5の壁に関して収集される。血管5の壁は管腔境界を画定する。この管腔境界は、管腔検出ソフトウェアコンポーネントを使用してプローブ先端部17において収集された光信号から取得された、距離測定値を使用して検出されてもよい。側枝及びステントストラット並びに影領域及び他の特徴は、プローブによって動脈を通した引き戻しの間に生成される、走査線において特定されてもよい。
【0101】
一つの実施形態において、プローブ7は、一つの実施形態における超音波のようなOCTに加えて他の画像化モダリティを含んでもよい。一つの実施形態において、管腔/管腔境界は、光又は超音波及び血管を画像化するための関心のある信号を生成する血管内画像化プローブが存在するときに最初に衝突する血管の一部分を指す。これは、典型的に、マスキングの形態の画像処理を使用して除去される血管内を流れる如何なる血液も排除する。一つの実施形態において、管腔又は管腔境界は、血管壁の前に配置され、血管の血液含有領域に面する組織の領域を指す。
【0102】
図10Aに示されるように、プローブ先端部17は、血管5のステント留置された領域に対して遠位にあるように、管腔L内に配置される。プローブ先端部17は、光を透過し、例えばステント12及び血管5の壁のような物体から後方散乱光を受け取るように構成されている。プローブ先端部17、及びデータ収集プローブ7の残りの部分は、管腔L及びステント留置された領域を通して引かれる。
図10Bに示されるように、プローブ17は、血管内の挿入の前又は後に示されている。プローブ7は、OCTシステム10と光学的に通信する。光ファイバ15を介してプローブ17に接続するOCTシステム又はサブシステム10は、レーザなどの光源、サンプルアーム及び基準アームを有する干渉計、様々な光路、クロックジェネレータ、光ダイオード、並びに他のOCTシステムコンポーネントを含んでもよい。
【0103】
一つの実施形態において、バランスドフォトダイオードベースのシステムのような光受信器(optical receiver)31は、プローブ7を出る光を受け取ることができる。コンピュータ、プロセッサ、ASIC又は他の装置のような計算装置40は、OCTシステム10の一部であってもよく、或いはOCTシステム10との電気的又は光学的に通信している別個のサブシステムとして、含まれてもよい。計算装置40は、データを処理するために適したメモリ、記憶装置、バス及び他のコンポーネント、並びに、側枝検出、ステントストラット候補選択若しくは特定、候補ステントストラット影領域検出、ステント領域検出、ステントストラット確認、ステント画像データステント視覚化の相関及び比較、及び以下で説明されるような引き戻しデータ収集のために適するように構成された、画像データ処理ステージのようなソフトウェア44、を含んでもよい。一つの実施形態において、ソフトウェア44は、ステントストラットを検出するために血管内データに作用するように自動化されたステント検出モジュールのような様々なモジュールを含む、パイプラインを含んでもよい。このモジュールは、本明細書において記述されるように、疎(sparse)ピーク検出モジュール、モデルストラット生成モジュール、偽陽性試験モジュールのような、様々な他のソフトウェアモジュールを含んでもよい。
【0104】
一つの実施形態において、計算装置40は、側枝検出モジュール、管腔検出モジュール、ステント検出モジュール、ステントストラット確認モジュール、候補ステントストラット特定モジュール、及び他のソフトウェアのような、ソフトウェアモジュール若しくはプログラム44を含むか又はそれらにアクセスする。ソフトウェアモジュール又はプログラム44は、画像データ処理パイプライン又はそのコンポーネントモジュール、及び一つ又はそれ以上のグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を含んでもよい。本明細書において記述される様々なソフトウェアベースの方法は、ソフトウェア/プログラム44の群の一部として含まれてもよい。モジュールは、互いのサブセットであってもよく、様々な入力、出力及びデータクラスを通して配列及び接続されてもよい。一つの実施形態において、ソフトウェアモジュール44は、自動化されたステント検出モジュールのようなステント検出モジュールを含む。
【0105】
一つの例示的な画像処理パイプライン及びそのコンポーネントは、一つ又はそれ以上のソフトウェアプログラム又はモジュール44を構成してもよい。ソフトウェアモジュール44は、血管管腔、側枝、ガイドワイヤ、ガイドカテーテル、ステントストラット及びステント領域を検出するように適合させられた(tailored)、数個の画像処理アルゴリズムを含んでもよい。本開示は、その影の中で金属ストラットの位置を決定するための画像処理に関する。画像データ処理パイプライン、そのコンポーネントソフトウェアモジュール及び関係する方法、並びに任意の本明細書において記述される方法は、メモリ内に保存され、プロセッサ、装置、又は他の集積回路のような一つ又はそれ以上の計算装置を使用して実行される。ソフトウェアモジュール又はプログラム44は、画像データを受信し、そのようなデータを血管及びステントの二次元又は三次元のビューに変換し、管腔検出ソフトウェアモジュール、ピーク検出、ステント検出ソフトウェアモジュール、及び側枝検出ソフトウェアモジュールその他を含んでもよい。
【0106】
図示されるように、
図10Aにおいて、ディスプレイ46はまた、OCT又はIVUS画像化データから生成された血管の横断面図及び縦断面図、並びに、並置バー及び他のインジケータのような、情報47を示すためのシステム10の一部であってもよい。画像処理ソフトウェアアルゴリズム44は、ステント、側枝、ガイドワイヤ等のような検出された画像特徴に対応するデータを提供し、このデータは、これらの特徴がGUIの横断面、縦断面及び/又は3D表示区分上に所望の形式で表示されるGUIへの入力である。
【0107】
加えて、ディスプレイ46はまた、収集された画像データ、ユーザーインターフェイス、画像及び様々なインジケータ及び印を使用して生成された、ステント留置された血管の横断面ビュー及び長手方向ビューのような、情報47を示してもよい。ステントの表現、例えばそのOCT又はIVUS画像は、ディスプレイ46を介して使用者に示されてもよい。ステント検出は、これらの特徴の表示、及び表示される画像内に含まれ得る特定する印を用いたコーディング又はタグ付けに先立って実行される。このOCTベースの情報47は、一つ又はそれ以上のグラフィックユーザーインターフェイスを使用して表示されてもよい。
図10B、
図14A、
図14B及び
図18B、並びに本明細書等において描写される他のユーザーインターフェイス及びそのコンポーネントの画像は、GUI及び様々な入力装置を使用して表示及び相互作用されることができる、表示情報47の一例である。具体的には、それは、金属ステントを包含する冠動脈の2D横断面図を示す。
【0108】
加えて、表示情報47は、限定するものではないが、OCTシステム及びデータ収集プローブを使用して取得された、横断面走査データ、長手方向走査、直径グラフ、画像マスク、ステント、不完全密着の領域、管腔境界、及び血管の他の画像若しくは表現、又は基礎となる距離測定値を含んでもよい。計算装置40はまた、ソフトウェア又はプログラム44を含んでもよく、フトウェア又はプログラム44は、一つ又はそれ以上の記憶装置45内に保存されてもよく、例えば文、矢印、色分け、ハイライト、等高線、又は他の適切な人間又は機械可読表示を用いて、ステントストラット及び(例えば閾値と測定された距離との比較に基づいて)不完全密着のレベル、影領域、及び影領域の中のストラット並びに他の血管特徴を特定するように構成されてもよい。一旦プローブを用いてOCTデータが取得されて、メモリ内に保存されると;それは、引き戻し領域の長さに沿った血管の横断面ビュー、長手方向ビュー及び/又は三次元ビュー又はそれらのサブセットのような、情報47を生成するために、処理されてもよい。これらのビューは、例えば
図1B、
図1C並びに
図14A及び
図14Bに示されるように、ユーザーインターフェイスの一部として描写されてもよく、また本明細書において記述及び描写されるように他の方法で描写されてもよい。
【0109】
図10Bは、本開示による、ステント留置された血管の横断面OCT画像である。血管の管腔/管腔境界Lは、画像の中心にある。ガイドワイヤ影12は、画像の上部で、12時から1時まで見ることができる。さらに
図10Bにおいて見ることができるものは、複数の金属ステントストラット14であり、それらはOCT画像内に影16を投射する。OCT画像化のために典型的に使用されるコヒーレント光は、ステントストラットを貫通することができず、反射されるので、金属ステントストラットは血管壁に対して影を投射する。本開示は、ストラット影の中でストラットの正確なオフセットを検出するための強化された方法を提供する。一旦検出されると、
図10Bの影及びストラットは、本明細書において記述されるユーザーインターフェイス及びインジケータを生成するために使用されてもよい。
【0110】
図11は、OCT画像データ内のストラットを検出するためのプロセス流れ図である。方法100は、複数のOCT引き戻しフレーム内のステントストラットに対応する影を分析する。方法100は、本明細書において記述される一つ又はそれ以上のステップを含んでもよい。異なる要求がなされない限り、これらのステップは任意の順序で実行されてもよい。金属ストラット検出方法は、ガイドワイヤ(140)、側枝(130)及びストラット影位置(110)に関する情報のような、他の画像/血管内データ処理モジュールからの様々な入力に基づいて動作する。プロセス流れ並びに関連する方法ステップ及びステージは、OCT、IVUS、又は他の血管内データ収集システムを使用して取得された元の血管内データ又は生データ120に基づいて動作してもよい。一つの実施形態において、データ120は、パイプライン構成の一つ又はそれ以上の画像処理モジュールによって処理されている。
【0111】
ステップ110において、影は側枝血管又はガイドワイヤに帰すことができるかどうかを決定するために、OCT画像データ内の各影は、側枝検出モジュール130及びガイドワイヤ検出モジュール140からのデータ入力と比較されるか又は関連付けられる。ストラット影、側枝及びガイドワイヤを検出するための方法、システム及び装置は、知られている。例えば米国特許第8,412,312号明細書;米国特許第8,478,387明細書;米国特許第8,831,321明細書;米国特許第9,138,147明細書及び米国特許第9,173,591明細書を参照されたい。
【0112】
ステップ150において、もし所与の影がガイドワイヤ又は側枝に帰すことができると決定されるならば、影は廃棄され、その影に関しての分析は終了する。ステップ160において、もし直接的な検出によるか又は消去(elimination)のプロセスによるかのいずれかで、所与の影がステントストラットに帰すことができると決定されるならば、影は、影の内部を計算又は分離するために、分析される。影境界は、影の内部の(またそれ故に“最も暗い”)部分に対応する、走査線又はA線のみが保持されるように、切り離されるか又は他の方法で縮小若しくは抑制される。この理由は、影領域、具体的には影の開始及び停止走査線は、時には近傍の(neighboring)管腔ピクセルからの流出を包含し得るからである。影の内部を分離すること及び影の余裕における移行部分の走査線を無視することは、ストラットオフセットの評価を改善する。
【0113】
ステップ170において、影内部は、影の内部の部分に対応する走査線にわたる各サンプルの射影(又は総和)を計算するために、分析される。各走査線は、サンプリングされて離散したピクセル又は“サンプル”とされる。入力OCT画像データにおいて、各走査線は、画像カテーテルを中心にして特定の角度方向に沿って取得されたデータを指す。各走査線は次に、放射状に(radially)サンプリングされ、ピクセル又は“サンプル”の離散した組になる。OCTデータ内の各サンプルは、典型的には数ミクロン幅であり、典型的にはサイズが均一である。“射影(projection)”は、各走査線にわたって合算する(adding)プロセスを指す。換言すれば、{走査線、サンプル}空間内の二次元の影は、i番目の指数(i-th index)が、プロセスに関係する各走査線のi番目のサンプルの合計に対応する一次元信号に折り畳まれる(collapsed)。射影は半径Rにおけるサンプルを包含し、それらは、その同じ半径Rにおける構成走査線(constituent scanlines)からのサンプルの平均である。
【0114】
ステップ180において、射影は、最大で三つ(例えば、1、2又は3)の最も大きな極大値を探索される。各選択された最大値の位置又はオフセットは、潜在的なストラットの位置として記録されてもよく、いずれが真のストラットであるための最良の候補であるかを決定するために、選択された最大値の特定の特徴がその後に分析される。様々な実施形態において、最も大きな最大値のみが選択される。他の実施形態において、最も大きな最大値のうちの二つ又は三つが選択される。複数の極大値の初期選択は、感度を増大させる。三つより多くの極大値が選択されてもよいが、通常は、三つの最高の最大値のうちの一つが真のストラット位置を示すので、これは、典型的には必要でない。最大値選択プロセスは、
図12及び
図13に例示されている。
【0115】
図12は、ステント留置された血管の、対数スケールでの、A線又は走査線OCT画像である。画像の右側のボックス155は分析中の影を示し、
図13は、この影についての射影グラフを示す。血管管腔Lは画像の上部の暗い領域であり、血管壁VWは画像の底部の明るい領域である。Lは、概して本明細書において管腔を示すために使用される。複数のステント14及びステント影16は、画像内に見ることができる。一つの実施形態において、管腔は、組織とクリアされた血管の内部との間の境界である。
【0116】
図13は、単一の影の中での複数の潜在的ストラットの検出を示すグラフである。
図13は、内部の影走査線にわたる射影のプロットである。二つの極大値22a及び22bが存在する。これらの最大値は、影の中での二つの潜在的ストラット位置に対応する。これらの位置は、本明細書において示されるように、ユーザーインターフェイス上にステントストラットを表示するために、OCT又はIVUSシステムのような血管内画像化システムによって使用されてもよい。
【0117】
追加的なフィルタは、偽陽性を除去するために、極大値に適用されてもよい。様々な実施形態において、極大値は、それがグローバルピーク(最大の射影に沿った最大値)の1/10(すなわち、10%)よりも大きな信号を有する場合にのみ、選択される。グローバルピークは、最大の振幅を有するピークである。10%の閾値は、ノイズに起因する偽の極大値を選択する見込みを減少させる。閾値は、グローバルピークの5%(すなわち1/20)と10%との間、例えば5%、6%、7%、8%、9%、又は10%に設定されてもよく、10%が好ましい。様々な実施形態において、複数のピークが互いに近接して検出される場合、最大のピークのみが更なる分析のために選択される。
【0118】
ステップ190において、選択された極大値は、いずれの最大値が真のストラットであることの最も高い可能性を有するかを決定するために、ストラットの直近の近傍から利用可能な情報に基づいて、分析される。相対的なスコアは、以下の基準のうちの一つ又はそれ以上に基づいて各ストラットに割り当てられる:
1.管腔への近接度(Proximity):選択された極大値は、管腔境界への近接度に基づいて採点される。ストラット影の周りの管腔に最も近い極大値が最も高いスコアを受け、ストラット影の周りの管腔から最も遠い極大値が最も低いスコアを受ける。
2.ピーク強度:選択された極大値は、ピーク強度に基づいて採点される。最も高いピークを有する極大値が最も高いスコアを受け、最も低いピークを有する極大値が最も低いスコアを受ける。
3.不完全密着の程度:選択された極大値は、管腔に対して並列されている(in juxtaposition)状態を指す、それらの並置(apposition)に基づいて採点される。管腔又は血管壁からの所定の許容可能な距離内に並置された極大値は、より高い不完全密着スコアを受ける。管腔又は血管壁から離れ過ぎたストラット(一つ又はそれ以上のインターフェイススクリーンを使用して使用者が指定した閾値によって決定されるか、又は許容される治療閾値に基づいて決定される)は、ペナルティーを科され、潜在的な偽陽性としてより低い不完全密着スコアを受ける。一つの実施形態において、ストラットは、それが不完全に並置されているか否かに応じて、それぞれ、0又は1の不完全密着スコアのいずれかを有してもよい。
【0119】
これらの採点基準は例示的なものであり、他のストラット及び影特徴に基づく追加的な採点基準が使用されてもよい。一つの実施形態において、候補ステントストラットは、もしストラットの区分が隣接する又は近傍のフレーム内の他の区分の隣にあるか又は整列しているならば、ストラットが有効であることを示す、クロスフレーム解析(cross-frame analysis)を使用して確認される。
【0120】
各極大値は、上述の基準の線形和である結合スコアを得る。ステップ200において、最高スコアを有する極大値が有効ストラットとして選択される。ステップ210において、残っている極大値が、更なる解析が行われるまで、代替又はバックアップストラットとして保存される。同点の場合には、管腔に最も近い極大値及び/又は最も明るい極大値がタイブレイカーとして使用される。表1は、ステント影についての極大値の一つの例示的なランク付けを提供する。
表1:ステント影についての極大値ランク付け
【表1】
【0121】
表1に示されているように、極大値1が最も高い総スコアを有し、従って候補有効ストラットとして選択されることになる。極大値2及び3はバックアップストラットとして指定される。
【0122】
ステップ220において、全ての極大値(有効ストラット及び任意のバックアップストラット)がマルチフレーム確認を受ける。このステップにおいて、隣接するフレームは、一つのフレーム内の有効なストラットが隣接するフレームについて選択された有効なストラットと整列することを確かめるために比較される。有効なストラットが他のクロスフレームストラットと整列していない場合には、もしバックアップストラットがクロスフレームモデルにより良く適合するならば、そのときは有効なストラットはバックアップストラットによって置き換えられてもよい。マルチフレーム確認ステップの一つの実施形態は、ステントストラットの幾何学的形状及び位置情報を使用してもよい。より大きなストラット及び影特徴の組を用いる他の実施形態もまた、このステップのために使用されてもよい。すなわち、位置及び幾何学的形状は、以前の引き戻しデータ又は他の使用者が供給する情報のような、他の特徴と共に、全て特徴として使用されてもよい。
【0123】
一旦検出されると、有効又は選ばれたストラットは、ユーザーインターフェイス上に表示されてもよい。それは、ステントストラットの正確な位置、並びに、ステントの配置を最適化及び/又はスピードアップし、副作用のリスクを低減するために調整が必要かどうか、に関する重要な視覚的支援を臨床医に伝える。ユーザーインターフェイスは、横断面画像、Lモード画像、走査線画像、三次元レンダリング、又は検出されたストラットを視覚化するための如何なる他の適切な表示フォーマットを含んでもよい。ユーザーインターフェイスはまた、インジケータバー、血管造影データ、並びに本明細書等において記述及び描写される他のビュー及び特徴を含んでもよい。
【0124】
検出アルゴリズムは、ストラットの位置を正確に特定し、その感度は、一つの実施形態において約80%よりも大きな範囲に及んだ。検出アルゴリズムは、ストラットの位置を正確に特定し、その感度は、一つの実施形態において約00%よりも大きな範囲に及んだ。一つの実施形態において、感度は、ストラットの総数(適切に位置を特定された(located)ストラットと欠落したストラットの和)で割った、正確に位置を特定されたストラットの割合である。陽性的中率(positive predictive value)は、一つの実施形態において、全ての陽性のコール(正確に検出されたストラットと偽陽性の和)で割った、正確に検出されたストラットの割合である。本明細書において記述される様々な特徴は、血管内画像化システム及び圧力測定システムのような複数の異なるカテラボシステムでの使用に適している。本明細書において記述されるインジケータ及び検出ステップは、診断者及びステント配備を計画する者又は配備されたステントを評価する者に様々な利点をもたらす。
【0125】
部分的に、本発明は、ステント留置された領域を検出及び表示するためのコンピュータベースの方法、システム及び装置を提供する。具体的には、本発明は、ステント留置された領域の最初及び最後のフレームを特定することができる。この文脈において、フレームは、OCTを介して画像化されている血管を通る断面を指す。ステント留置された領域は、フレーム及び/又はフレームの近傍がステントストラットの予想される構成と一貫する特徴を示すかどうかを決定するために、OCT画像フレームを反復的に処理することによって特定される。ステントストラットは、OCT画像において、血管壁のような軟組織から識別可能な固体構造として現れる。加えて、正しく膨張させられたステントのストラットは、典型的には、血管壁に隣接して位置付けられる。したがって、ステント留置された血管の横断面において、複数のステントストラットが血管壁の周囲の周りに均一に分配される。したがって、配備されたステント‐‐例えば、血管壁全体の周りに分配された複数のストラット‐‐と一貫するOCT特徴を表すフレームは、ステント包含フレームとして指定されることに関しての候補である。
【0126】
OCT画像化データにおいて、クリアされていない血球細胞又はカテーテル壁に起因するアーチファクトは、ステントストラットに類似する光学特性を有することがある。これらの画像化アーチファクトは、しばしばソフトウェアによってステントストラットとして解釈されることがある。しかしながら、バックグラウンドノイズは、典型的に、ストラットの網目で構成される、ステントの規則的な幾何学的形状を有していない。例えば、クリアされていない血球細胞は、単一の領域内にクラスタ化されてもよく、ランダムに分配されてもよく、及び/又は血管壁に隣接して配置されなくてもよい。課題は、ステントストラットを包含するフレームを、アーチファクトに起因する偽陽性のみを包含し、ステントストラットがないフレームから識別することである。
【0127】
他の課題は、OCT画像のデート内に有効なステント留置された領域が存在するかどうかを識別し、もし存在するならば、最初及び最後のフレームを正確に位置特定し、ステントを包含する複数のフレームを画像化することである。一つの実施形態において、本明細書において記述される方法は、金属ステント及び生体吸収性ステント並びに他の非金属ステントに適用可能である。概して、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態は、エンドユーザに対して表示される血管内引き戻しのフレーム及び関連する表現を特定するための方法を提供し、それは、ステントストラットを正確に検出し、またステントが存在しない血管の区域又は領域を正確に特定する。
【0128】
[ステント検出の実施形態]
部分的に、本発明は、ステント留置された領域を検出及び表示するためのコンピュータベースの方法、システム及び装置を提供する。具体的には、本発明は、ステント留置された領域の最初及び最後のフレームを特定することができる。この文脈において、フレームは、OCTを介して画像化されている血管を通る断面を指す。ステント留置された領域は、フレーム及び/又はフレームの近傍がステントストラットの予想される構成と一貫する特徴を示すかどうかを決定するために、OCT画像フレームを反復的に処理することによって特定される。ステントストラットは、OCT画像において、血管壁のような軟組織から識別可能な固体構造として現れる。加えて、正しく膨張させられたステントのストラットは、典型的には、血管壁に隣接して位置付けられる。したがって、ステント留置された血管の横断面において、複数のステントストラットが血管壁の周囲の周りに均一に分配される。したがって、配備されたステント、例えば、血管壁全体の周りに分配された複数のストラット、と一貫するOCT特徴を表すフレームは、ステント包含フレームとして指定されることに関しての候補である。
【0129】
OCT画像化データにおいて、クリアされていない血球細胞又はカテーテル壁に起因するアーチファクトは、ステントストラットに類似する光学特性を有することがある。これらの画像化アーチファクトは、しばしばソフトウェアによってステントストラットとして解釈されることがある。しかしながら、バックグラウンドノイズは、典型的に、ストラットの網目で構成される、ステントの規則的な幾何学的形状を有していない。例えば、クリアされていない血球細胞は、単一の領域内にクラスタ化されてもよく、ランダムに分配されてもよく、及び/又は血管壁に隣接して配置されなくてもよい。課題は、ステントストラットを包含するフレームを、アーチファクトに起因する偽陽性のみを包含し、ステントストラットがないフレームから識別することである。
【0130】
他の課題は、OCT画像のデート内に有効なステント留置された領域が存在するかどうかを識別し、もし存在するならば、最初及び最後のフレームを正確に位置特定し、ステントを包含する複数のフレームを画像化することである。一つの実施形態において、本明細書において記述される方法は、金属ステント及び生体吸収性ステント並びに他の非金属ステントに適用可能である。概して、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態は、エンドユーザに対して表示される血管内引き戻しのフレーム及び関連する表現を特定するための方法を提供し、それは、ステントストラットを正確に検出し、またステントが存在しない血管の区域又は領域を正確に特定する。
【0131】
図14Aは、偽陽性ストラットの消去の前の、ステント留置された血管領域のLモード又は長手方向表示である。長手方向表示は、断面図の一種である。遠位端(D)は、Lモード画像内に描写された血管の左にあり、近位(P)端は右にある。実際のステント留置された領域101は、Lモード画像において約12mmから約45mmに及ぶ。偽陽性領域15は、Lモード画像において約45mmから約52mmまで、実際のステント留置された領域101の直接隣に位置付けられる。偽陽性領域15は、ステントストラットに類似する光学特性を有するバックグラウンドノイズによって引き起こされる。例えば、画像化区域内で渦を巻くクリアされていない血球細胞は、時々、OCT画像内にステントストラットとして現れる。
【0132】
これらの画像化データを分析するソフトウェアプログラムは、典型的に、偽陽性領域15をステント留置された領域101の一部として含む。一つの結果として、ソフトウェアプログラムは、第一のステント留置されたフレームは約12mmであり、最後のステント留置されたフレームは約52mmであると決定してもよい。ステント留置された領域101の一部としての偽陽性領域15の表示は、臨床医による画像の理解の誤解又は混乱につながるかも知れず、それは更に、失敗した介入(例えば、不完全に並置されたステントの再配置の失敗)又は不必要な処置(例えば、正しく配備されたステントを再配置すること)につながるかも知れない。
【0133】
図14Bは、本発明による非ステント留置領域15の消去の後の、ステント留置された血管領域のLモード表示である。本発明は、個々の偽陽性ストラットを検出するのではなく、むしろ固定された長手方向近傍にわたって検出されたストラットの分配を見て、ステント留置された領域の位置を評価する。偽陽性のステント留置された領域15は自動的に消去されることができ、実際のステント留置された領域101の検出を可能にする。
【0134】
図15Aは、フレームkのような評価されているフレームに関する、フレームの近傍を作成する、ステント領域検出アルゴリズムの一つの実施形態の図式的な描写である。一つの実施形態において、二つの隣接するフレームk及びk+1(又はk及びk-1)を含み得るフレームの近傍は、フレームkにおけるストラット角度カバレッジ及び幾何学的形状を分析するために使用される。近傍に関するフレームの選択に関連するサイズ及び規則は、所与の用途のために変化してもよい。一つの実施形態において、ステント領域検出アルゴリズムは、ストラットを累積し、最大角度ギャップ及び続いて角度カバレッジメトリックを決定するために、フレームk-1、k及びk+1を使用する。フレームkに対して作成された所定の近傍について、kのいずれかの側のフレームの組は、スーパーフレームを作成するために合計されてもよい。所与のスーパーフレームは、フレームk上のストラットと近傍のフレーム上の他のストラットとの融合である。
【0135】
一つの実施形態において、ステントストラット50は、既知の技術を使用してOCT画像データ内で検出され、血管壁の重心(centroid)54の推定値も既知の方法によって事前計算され、アルゴリズムによって使用される。もしステントが正しく配備され、拡張されるならば、ステントストラットは、典型的には、管腔境界において血管壁52に隣接するであろうが、この方法は、ステント配備が管腔境界(血管壁)に対して正しく並置されないフレームに対しても、同等に適用可能である。所与のフレームkについて、我々は、固定された近傍(本実施形態においては、近傍のフレームk+1)にわたって検出されたストラットと、そのストラットとを組み合わせる。各ストラットの角度位置は、血管重心(vessel centroid)を使用して決定される。
【0136】
図15Bは、フレームの近傍が、フレームk上の近傍中心についてのスーパーフレーム又はストラットの融合を作成するために使用される、ステント領域検出アルゴリズムの他の例示的な実施形態の図式的な描写である。
図15Bに示されれるように、三つの隣接するフレームk-1、k、及びk+1は、三つのフレーム近傍におけるストラット角度カバレッジ及び幾何学的形状を分析するために、使用される。
図15Aの場合と同様に、ステントストラット50は、既知の技術を使用してOCT画像データ内で検出され、血管壁の重心の推定値も既知の方法によって事前計算され、アルゴリズムによって使用される。
【0137】
もしステントが正しく配備され、拡張されるならば、ステントストラットは、典型的には、管腔境界において血管壁52に隣接するであろうが、この方法は、ステント配備が管腔境界(血管壁)に対して正しく並置されないフレームに対しても、同等に適用可能である。所与のフレームkについて、我々は、固定された近傍(本実施形態においては、近傍のフレームk-1及びk+1)にわたって検出されたストラットと、そのストラットとを組み合わせる。各ストラットの角度位置は、血管重心を使用して決定される。
【0138】
もし所与のフレームがステント留置された領域に属するならば、そのフレームは、血管壁52の周囲(circumference)の周りに360度に近いカバレッジを有するストラットを包含するであろう。時には、ストラットは、OCT画像化プロセスの間に欠落し、それは管腔の周りのカバレッジにおけるギャップとして現れるであろう。したがって、一つの好ましい実施形態において、複数のフレームからのステント情報が積み重ねられ、又は組み合わされ(combined)、次いで、組み合わされたデータにおけるストラットの間のギャップが測定される。近傍にわたって検出されたストラットを使用することは、プロットの円滑化、及び、真のステント領域を偽陽性から分離するための、より容易な閾値法若しくは二値化法(thresholding method)の使用を助ける。また、画像内に大きな影として出現するガイドワイヤ及び側枝の存在は、周囲の周りのより低い角度カバレッジにつながり得る。これらの特徴は、ステントストラット間のギャップを分析するときに、特定されてもよく、また考慮に入れられてもよい。
【0139】
再び
図15A及び
図15Bを参照すると、フレームkからのストラット情報は、マルチフレームのステントデータを作成するために、フレームk+1からのステント情報と積み重ねられるか又は組み合わされる。マルチフレーム解析において、各フレームの向きが保存され、ストラット間の角度ギャップは、マルチフレームデータ内の血管管腔の周囲の周りで測定される。隣接するストラット間の最も大きな角度ギャップθ
max,kは、次いでフレームkについての血管重心に対して計算される。
【0140】
図15Aは、二つの隣接するフレームk及びk+1に基づくマルチフレーム解析を描写する。
図15Bは、三つの隣接するフレームk-1、k及びk+1に基づくマルチフレーム解析を描写する。隣接するフレームからの複数のストラットを組み合わせることは、ステント領域検出方法にクロスフレーム情報をもたらす。偽陽性ストラットは、フレーム全体にランダムに分配される傾向があるであろう;したがって、偽陽性のみを包含するフレーム及びマルチフレームは、血管の周囲の周りに均一なストラットカバレッジを示す可能性が低い。それ故に、有効なステント留置されたフレーム又はマルチフレームについての最も大きな角度ギャップは、非ステント留置フレーム又はマルチフレームの最も大きな角度ギャップよりも小さく、しばしばはるかに小さくなる。
【0141】
より大きな近傍が使用されてもよいが、より大きな近傍での偽陽性の存在は、その手法を妨げる可能性がある。したがって、小さな近傍(例えば、2‐3フレーム)が好ましい。様々な実施形態において、アルゴリズムは、引き戻しからのOCTデータを分析して、ステント‐すなわち、θmax,kがステント領域の期待値範囲内にある場所、を包含する全てのフレーム及び/又はフレーム近傍を特定する。クロスフレーム解析及びクロス近傍解析を使用して、アルゴリズムは、ステント留置された領域の最初及び最後のフレームを決定する。
ステント留置された領域の外側の偽陽性は、その偽陽性がステント留置された領域と連続的でないために明らかにされる。
【0142】
ステント端部の周りの偽陽性は、検出されたステントの長さを既知の実際のステント長さと比較することによって、更に消去されてもよい。もし検出されたステントの長さが既知のステント長さを超えるならば、検出アルゴリズムは、ステント領域のより良い推定を与えるために、ステント領域を調整するか又は近傍のサイズを調整するかのいずれかのために動的閾値を使用することによって改良されてもよい。同じ手法は、検出されたステントの長さが既知の長さより短い状況に適用されてもよい。
【0143】
検出アルゴリズムはまた、検出されたステントの幾何学的形状及び長さを既知のステントの幾何学的形状及び長さと比較する確認ステップを含んでもよい。非典型的な幾何学的形状(atypical geometries)を表すフレームは、偽陽性として消去されてもよく、及び/又はその非典型的なフレームが複数のフレームの連続的な領域の一部であることが明らかになるまで、優先度を下げられ(deprioritized)てもよい。
【0144】
検出アルゴリズムはフレームの対を分析することに限定されず、もし画像化されているステントが十分に密なメッシュネットワークを包含するならば、単一のフレームからのステント情報を分析してもよく、また、もし画像化されているステントが疎なメッシュネットワークを包含するならば、二つより多くのフレーム(例えば、3、4、5又はそれ以上)からのステント情報を分析してもよい。加えて、マルチフレーム解析において使用されるフレームは、隣り合う(adjoining)フレームである必要はなく、数フレームだけ離されてもよい。一つの実施形態において、これは、スライディングウィンドウ型のアルゴリズムを使用して実装されてもよい。
【0145】
最大角度ギャップは、各マルチフレームについての角度カバレッジメトリックを導出するために使用され、角度カバレッジメトリックは、グラフ上にフレーム番号に対してプロットされることができる。
図16は、OCT引き戻しデータ内の二つのステントのフレーム位置の境界を定める角度カバレッジプロットのグラフである。フレームkについての角度カバレッジメトリックΨ
kは、以下の等式(数3)によって定義される。
【数3】
ここで、θ
max kは、フレームkについての測定された最大角度ギャップである。フレームk-1及びk+1についての測定された最大角度ギャップも算定される。ステント領域検出方法を使用して評価される各フレームに対して、隣接するフレームからのストラット情報が組み合わされる。つまり、角度カバレッジメトリックは、現在のフレームkに関連し、たとえフレームの近傍が合計されてカバレッジについて評価されても、フレームkに適用され、カバレッジ結果は一つの実施形態において全てのフレームについて生成される。角度ギャップサイズが増大すると、角度カバレッジメトリックは減少する。好ましい実施形態において、角度カバレッジメトリック閾値は、ステントを包含するか否かのいずれかとしてフレームを分類するために使用される。
【0146】
所定の閾値を下回る角度カバレッジメトリックを有するフレームは、非ステント留置フレームとして類別され、一方で所定の閾値を超える角度カバレッジメトリックを有するフレームは、ステント留置されたフレームとして類別される。一つの好ましい実施形態において、角度カバレッジメトリック閾値は、例えば、約0.25から約0.65までである。角度カバレッジ閾値は、ソフトウェアによって自動的、動的に設定又は計算されてもよく、或いはそれは、例えば特定のステントの幾何学的形状に応じて使用者に規定されてもよい。一つの実施形態において、約0.8は、いくつかのステントについて見られる角度カバレッジメトリック閾値である。一つの実施形態において、約0.3未満は、フレームkがステント領域の外側にあるときに見られる角度カバレッジメトリック閾値である。
【0147】
図16は、一つの例示的なOCT引き戻しに対する角度カバレッジプロットである。角度カバレッジメトリック閾値は、0.4に設定されている。角度範囲メトリックは、フレーム0から20については0.4より低い;従って、これらのフレームはアルゴリズムによって非ステント留置フレームとして類別される。フレーム0から20の角度カバレッジメトリックはゼロより小さく、潜在的なバックグラウンドノイズを示す。フレーム20から125は、0.4の閾値を大きく上回る、0.7と0.9の間の角度カバレッジメトリックを有する。したがって、フレーム20から125は、アルゴリズムによってステント留置されたフレームとして類別される。角度カバレッジメトリックは、フレーム125の後に急激にゼロまで降下し、フレーム140まで閾値未満に留まり、フレーム125と140との間の非ステント留置領域を示す。フレーム140において、角度カバレッジメトリックが0.4閾値より上に増大し、フレーム140から220まで閾値より上に留まる。したがって、フレーム140から220は、ステント留置された領域として類別される。
【0148】
図17は、ステント領域検出アルゴリズム201を示す流れ図である。理解されるように、追加的なのステップ又は分析は、ベース検出アルゴリズムから逸脱することなく導入されることができる。検出アルゴリズム200は、OCT引き戻しデータの予備分析から得られた、ガイドカテーテルデータ211及び/又はステントストラット検出データ212を受け取る。これらの入力データは、しばしば、OCT走査線又は単一のOCTフレームの分析に基づいている。ステップ214において、これらの入力データは、ガイドカテーテル領域内のフレーム及び/又はステントストラット検出を消去するために使用される。このステップは任意であるが、ガイドカテーテルがしばしばステントストラットとして誤って解釈される画像化アーチファクトを生ずるため、好ましい。
【0149】
次に、ステップ216において、クロスフレーム情報又はマルチフレーム情報が、近傍フレームk及びk+1からのストラットデータを組み合わせることによって生成される。このようにして、近傍の他のフレームの近くにある一つのフレームのストラットデータは、ある種のクロスフレーム確認を実行するために融合され、集合させられ、又は組み合わされてもよい。一つの好ましい実施形態において、フレームk及びk+1は、直接隣り合うOCTフレームである。他の実施形態において、フレームセット{k-n,k-n+1,...k-1,k,k+1,k+n-1,k+n}を使用して、2n+1フレームの近傍が使用されてもよい。n=1の場合、フレームk-1、k及びk+1が使用される。しかしながら、上述されたように、フレームkのストラットは、数ミクロン離れたフレームからのデータと組み合わされてもよい。加えて、上述されたように、検出アルゴリズムは、単一のフレームからのステント情報を分析してもよい。
【0150】
ステップ218において、検出アルゴリズムは、マルチフレームデータ内の血管管腔の外周の周りの連続するストラットの間の角度ギャップを計算する。ステップ221において、所与のマルチフレームについての最大角度ギャップが決定される。次いで、最大角度ギャップは、ステップ222において、各々(フレーム等)についての角度ギャップメトリックを計算するために使用される。ステップ224において、角度ギャップメトリックは、次いで閾値角度ギャップメトリックに対して比較される。もし所与のマルチフレームについての角度ギャップメトリックが閾値角度ギャップメトリックを超過するならば、その後そのマルチフレームは、実際のステント留置された領域内に含まれることについてフラグが立てられる。最後に、ステップ226において、検出アルゴリズムは、マルチフレーム解析に基づいて、いずれのOCTフレームが実際のステント留置された領域に対応するかを決定する。確認ステップ228が実行されてもよい。本方法は、ステント留置された領域を示す、血管の領域に関する印を表示するステップを更に含んでもよい。概して、本明細書等において記述及び描写されているように、検出及び確認されたストラットのいずれかが表示されてもよい。さらに、一つの実施形態において、印は、ステント領域と整列させられた並置バーであり、その並置バーは回転的にアグノスティックであるか又は持続的である。
【0151】
図18Aは、偽陽性ストラット18の消去の前の、ステント留置された血管領域101の長手方向表示又はLモード表示を示すユーザーインターフェイス表現である。多数の偽陽性ストラットが、20mm及び約34mmの周りで検出された。
図18Bは、偽陽性ストラットの消去の後の、ステント留置された血管領域101のLモード表示である。
図18Bに示されるように、検出アルゴリズムは、偽陽性ストラットを排除し、実際のステント留置された領域のより正確な表示を結果としてもたらす。
【0152】
所与の図における方向性を示す矢頭の使用又はその欠如は、情報が流れることができる方向を制限又は要求することを意図するものではない。例えば、
図1及び
図10Aに示される要素を接続する図示された矢印及び線のような、所与のコネクタに関して、情報は、所定の実施形態に適するように一つ又はそれ以上の方向に流れてもよく或いは一方向のみに流れてもよい。接続は、光、有線、電力、無線、又は電気接続のような、様々な適切なデータ送信接続を含んでもよい。
【0153】
詳細な記述のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作(operations)のアルゴリズム及び記号表現に関して提示される。これらのアルゴリズム記述及び表現は、コンピュータ及びソフトウェアに関連する分野の当業者によって使用され得る。一つの実施形態において、アルゴリズムは、本明細書では、また一般に、所望の結果につながる動作の自己無撞着(self-consistent)シーケンスであると考えられる。本明細書において方法ステップとして実行されるか又は他のやり方で記述される動作は、物理量の物理的操作を要求するものである。これらの量は、必須ではないが、通常は、保存されること、転送されること、結合されること、変換されること、比較されること及び他の方法で操作されることが可能な、電気信号又は磁気信号の形をとる。
【0154】
[インターフェイス、検出及び他の開示の特徴を実装するための非限定的なソフトウェアの特徴及び実施形態]
以下の記述は、本明細書において記述される本開示の方法を実行するために適した装置ハードウェア及び他の動作コンポーネントの概要を提供することを意図している。この記述は、適用可能な環境又は本開示の範囲を限定することを意図するものではない。同様に、ハードウェア及び他のオペレーティングコンポーネントは、上記の機器の一部として適切であり得る。本開示は、パーソナルコンピュータ、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラマブル電子装置、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等を含む、他のシステム構成を用いて実践されてもよい。本開示はまた、カテーテル又はカテラボの異なる部屋内等の、通信ネットワークを通してリンク付された遠隔処理装置によってタスクが実行される分散型コンピューティング環境において実践されてもよい。
【0155】
詳細な記述のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作のアルゴリズム及び記号表現に関して提示される。これらのアルゴリズム記述及び表現は、コンピュータ及びソフトウェアに関連する分野の当業者によって使用され得る。一つの実施形態において、アルゴリズムは、本明細書では、また一般的に、所望の結果をもたらす動作の自己無撞着シーケンスであると考えられる。本明細書において方法ステップとして実行されるか又は他のやり方で記述される動作は、物理量の物理的操作を要求するものである。これらの量は、必須ではないが、通常は、保存されること、転送されること、結合されること、変換されること、比較されること及び他の方法で操作されることが可能な、電気信号又は磁気信号の形を取る。
【0156】
特に異なるように明記されない限り、以下の説明から明らかなように、記述の全体にわたって、“処理(processing)”又は“計算(computing)”又は“探索(searching)”又は“指示(indicating)”又は“検出(detecting)”又は“測定(measuring)”又は“計算(calculating)”又は“比較(comparing)”又は“生成(generating)”又は“感知(sensing)”又は“決定(determining)”又は“表示(displaying)”等の用語を利用する説明、又はブール論理又は他のセットに関係する動作は、コンピュータシステム又は電子装置の動作及びプロセスを指し、この動作及びプロセスは、コンピュータシステム又は電子装置のレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、電子メモリ又はレジスタ或いは他のそのような情報記憶装置、送信又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換することが、明確に理解される。
【0157】
本開示は、いくつかの実施形態において、本明細書の動作を実行するための機器にも関する。この機器は、要求される目的のために特別に構成されてもよく、或いはそれは、コンピュータに保存されたコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成された汎用コンピュータを含んでもよい。様々な回路及びそのコンポーネントは、本明細書において記述されるデータ収集並びに変換及び処理のうちのいくつかを実行するために使用されてもよい。
【0158】
本明細書に提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、特定のコンピュータ又は他の機器に本質的に(inherently)関連していない。様々な汎用システムが、本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用されてもよく、或いは様々な汎用システムは、要求される方法ステップを実行するためにより特化した機器を構築するために好都合であると判明するかもしれない。様々なこれらのシステムに要求される構造は、以下の記述から明らかになるであろう。加えて、本開示は、特定のプログラミング言語を参照して記載しておらず、したがって様々な実施形態が、様々なプログラミング言語を使用して実装されてもよい。一つの実施形態において、ソフトウェア命令は、血管内画像化/データ収集システムのマイクロプロセッサ又はASIC上での動作に適するように構成される。
【0159】
本開示の実施形態は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、又は汎用コンピュータ)と共に使用するためのコンピュータプログラムロジック、プログラマブルロジック装置(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジック装置)と共に使用するためのプログラマブルロジック、ディスクリートコンポーネント、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、又はそれらの任意の組合せを含む任意の他の手段を含むが、如何なる意味においてもこれらに限定されない多くの異なる形態で具体化されてもよい。本開示の典型的な実施形態において、OCTプローブ及びプロセッサベースのシステムを使用して収集されたか又は制御信号を生成するため若しくはユーザーインターフェイスコマンドを開始するために使用されたデータの処理の一部又は全部は、コンピュータプログラム命令のセットとして実装され、この命令セットは、コンピュータ実行可能な形式に変換され、コンピュータ可読媒体内にそれ自体記憶され、オペレーティングシステムの制御下でマイクロプロセッサによって実行される。
【0160】
このように、クエリ、応答、送信されたプローブデータ、入力データ及び他のデータ、並びに本明細書において記述された信号は、ユーザーインターフェイス選択に応答すること、グラフィカルユーザーインターフェイスを制御すること、制御及びグラフィック信号を処理すること、他のデータ収集モダリティからの横断面情報及び画像を表示すること、ステント及び並置バー並びに他の血管内データを生成及び表示すること、血管造影、OCTを表示すること、影を検出すること、ピークを検出すること、に適した、プロセッサが理解可能な命令、並びに他のデータに、グラフィックユーザーインターフェイス及び上記のような他の特徴及び実施形態の一部として、変換される。GUIコンポーネント又はコントロールとして又はグラフィカルユーザーインターフェイスにおける他の表現としての表示に適したデータ及びパラメータは、限定的にではなく、不完全密着値、並置バー、ステントストラット、欠落しているデータの表現、インジケータバー、影、血管造影の表現、三次元及び二次元のレンダリング(renders)及びビュー、並びに本明細書において記述された他の特徴を含む。
【0161】
本明細書において先に記述された機能の全部又は一部を実装するコンピュータプログラムロジックは、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、及び様々な中間形式(例えば、アッセンブラ、コンパイラ、リンカー(linker)、又はロケータによって生成される形式)を含む、様々な形式で具体化されてもよいが、如何なる意味においてもこれらに限定されるものではない。ソースコードは、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティング環境で使用するために、様々なプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アッセンブリ言語、又はFortran、C、C++、JAVA(登録商標)、又はHTML等のレベルの高い言語)のいずれかで実装された一連のコンピュータプログラム命令を含んでもよい。ソースコードは、様々なデータ構造及び通信メッセージを規定し、使用してもよい。ソースコードは、(例えば、インタプリタを介して)コンピュータ実行可能な形式であってもよく、又はソースコードは(例えば、トランスレータ、アッセンブラ、又はコンパイラを介して)コンピュータ実行可能形式に変換されてもよい。
【0162】
コンピュータプログラムは、半導体記憶装置(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュ‐プログラマブルRAM)、磁気記憶媒体(例えば、ディスケット、又は固定ディスク)、光記憶装置(例えば、CD-ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、又は他の記憶装置のような、有形の記憶媒体内に、任意の形式(例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、又は中間形式)で、恒久的に又は一時的に固定されてもよい。コンピュータプログラムは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含むが、如何なる意味においてもこれらに限定されない様々な通信技術のいずれかを使用してコンピュータに送信可能な信号において、任意の形式で固定されてもよい。コンピュータプログラムは、印刷文書又は電子文書(例えば、シュリンク・ラップ(shrink-wrapped)ソフトウェア)を伴うリムーバブル記憶媒体として、任意の形態で配布されてもよく、コンピュータシステムを用いて(例えば、システムROM、又は固定ディスク上に)予めロードされてもよく、或いはネットワークを介して配布されてもよい。
【0163】
本明細書で先に説明した機能の全部又は一部を実装するハードウェアロジック(プログラマブルロジック装置と共に使用するためのプログラマブルロジックを含む)は、従来の手動方法を使用して設計されてもよく、又はコンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDL又はAHDL)、又はPLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、又はCUPL)等の様々なツールを使用して電子的に設計、キャプチャ、シミュレート、又は文書化されてもよい。
【0164】
プログラマブルロジックは、半導体記憶装置(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュ‐プログラマブルRAM)、磁気記憶装置(例えば、ディスケット、又は固定ディスク)、光記憶装置(例えば、CD-ROM)、又は他の記憶装置のような、有形の記憶媒体内に、恒久的に又は一時的に固定されてもよい。プログラマブルロジックは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、ブルートゥース(登録商標))、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含むが、如何なる意味においてもこれらに限定されない様々な通信技術のいずれかを使用してコンピュータに送信可能な信号において、固定されてもよい。プログラマブルロジックは、印刷文書又は電子文書(例えば、シュリンクラップソフトウェア)を伴うリムーバブル記憶媒体として配布されてもよく、コンピュータシステムを用いて(例えば、システムROM、又は固定ディスク上に)予めロードされてもよく、或いは通信システム(例えば、インターネット又はワールド・ワイド・ウェブ)を介してサーバ又は電子掲示板から配布されてもよい。
【0165】
適切な処理モジュールの様々な例は、以下でより詳細に説明される。本明細書で使用される場合に、モジュールは、特定のデータ処理タスク又はデータ送信タスクを実行するために適したソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアを指す。典型的には、一つの好ましい実施形態において、モジュールは、命令、又はOCT走査データ、ユーザーインターフェイスデータ、制御信号、血管造影データ、ユーザー動作、周波数、干渉計信号データ、検出されたステント、候補ステントストラット、FFRデータ、IVUSデータ、影、ピクセル、強度パターン、スコア、射影、側枝データ及びガイドワイヤデータ並びに本明細書において記述されたような関心のある対象の他の情報のような様々な種類のデータを、受信、変換、ルーティング、及び処理することに適した、ソフトウェアルーチン、プログラム、又は他のメモリ常駐アプリケーションを指す。
【0166】
本明細書において記述されるコンピュータ及びコンピュータシステムは、データの取得、処理、保存及び/又は通信に使用されるソフトウェアアプリケーションを保存するためのメモリのような、動作可能に関連付けられたコンピュータ可読媒体等の機械可読媒体を含んでもよい。このようなメモリは、その動作可能に関連付けられたコンピュータ又はコンピュータシステムに関して、内部、外部、リモート、又はローカルにあってもよいことが理解されよう。
【0167】
メモリはまた、例えば、ハードディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、DVD(デジタルバーサタイルディスク)、CD(コンパクトディスク)、メモリスティック、フラッシュメモリ、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、PROM(プログラマブルROM)、EEPROM(拡張消去可能PROM)、及び/又は他の同様なコンピュータ可読媒体を含むが、これらに限定されない、ソフトウェア又は他の命令を保存するための任意の手段を含んでもよい。
【0168】
概して、本明細書において記述される本開示の実施形態に関連して適用されるコンピュータ可読記憶媒体は、プログラマブル機器によって実行される命令を保存することが可能な任意の記憶媒体を含んでもよい。適用可能であれば、本明細書において記述される方法ステップは、コンピュータ可読記憶媒体又はメモリ媒体に保存された命令として具体化又は実行されてもよい。これらの命令は、C++、C、Java等の様々なプログラミング言語、及び/又は本開示の実施形態による命令を作成するために適用され得る様々な他の種類のソフトウェアプログラミング言語で具体化されたソフトウェアであってもよい。
【0169】
用語”機械可読媒体“又は”コンピュータ可読媒体“は、機械によって実行するための命令の組を保存すること、エンコードすること及保持することが可能であり、機械に本開示の方法論のいずれか一つ又はそれ以上を実行させる任意の媒体を含む。機械可読媒体は一つの例示的な実施形態において単一の媒体であるように示されているが、用語”機械可読媒体“は、一つ又はそれ以上の命令のセットを保存する、単一の媒体又は複数の媒体(例えば、データベース、一つ又はそれ以上の集中データベース若しくは分散データベース及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むと取られるべきである。
【0170】
記憶媒体は、非一時的なものであってもよく、又は非一時的な装置を含んでもよい。それに応じて、非一時的な記憶媒体又は非一時的な装置は有形の装置を含んでもよく、装置がその物理的状態を変更することができるが、具体的な物理的形態を有することを意味する。したがって、例えば、非一時的とは、この状態の変化にもかかわらず有形のままである装置を指す。
【0171】
本開示の態様、実施形態、特徴、及び実施例は、全ての点で例示的であるとみなされるべきであり、本開示を限定することを意図するものではなく、その範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。特許請求される開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態、修正、及び使用が当業者には明らかであろう。
【0172】
本出願における見出し及び段落の使用は、本開示を限定することを意味するものではなく、各段落は、本開示の任意の態様、実施形態、又は特徴に適用することができる。
【0173】
本出願全体を通して、構成物(compositions)が特定の構成要素を有する、含む又は備えるとして記述される場合、或いはプロセスが特定のプロセスステップを有する、又は含む又は備えると記述される場合には、本教示の構成物が、実質的に列挙された構成要素から成るか又は列挙される構成要素から成ることも、或いは、本教示のプロセスが、実質的に列挙されたプロセスステップから成るか又は列挙されたプロセスステップから成ることも、予期されている。
【0174】
本出願において、要素又は構成要素が列挙された要素又は構成要素のリストに含まれる且つ/或いはそのリストから選択されると言及される場合に、その要素又は構成要素は、列挙された要素又は構成要素のいずれか一つであり得ること、及び列挙した要素又は構成要素の二つ又はそれ以上から成るグループから選択され得ることが解されるべきである。さらに、本明細書において記述される構成物、機器、又は方法の要素及び/又は特徴は、本明細書において明示的であるか又は暗黙的であるかによらず、本教示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な方法で組み合わされることができることが理解されるべきである。
【0175】
用語“含む”(include, includes, including)、又は“有する”(have, has, having)の使用は、特に異なる言及がなされない限り、一般にオープンエンドで非限定的であると理解されるべきである。
【0176】
本明細書での単数形の使用は、特に異なる言及がなされない限り、複数を含む(逆の場合も同じ)。そのうえ、文脈が他に明確に異なる指示をしない限り、単数形“一つの、その”(a, an, the)若しくは数を限定しない場合は、複数形を含む。加えて、用語“約”の使用が定量値の前である場合に、本教示は、特に異なる言及がなされない限り、特定の定量値自体±10%も含む。
【0177】
ステップの順序又は特定の動作を実行するための順序は、本教示が動作可能なままである限り、重要でない(immaterial)ことが理解されるべきである。そのうえ、二つ又はそれ以上のステップ又は動作は、同時に行われてもよい。
【0178】
値の範囲又はリストが提供される場合に、その値の範囲又はリストの上限と下限との間に介在する各値は、個別に予期され、各値が本明細書に具体的に列挙されているかのように本開示内に包含される。加えて、所与の範囲の上限と下限との間及びそれらを含むより小さい範囲が、予期され、本開示内に包含される。例示的な値又は範囲のリストは、所与の範囲の上限及び下限の間及びそれらを含む他の値又は範囲の排除ではない。
【0179】
本開示の図面及び説明は、明確化のために他の要素を削除すると同時に、本開示の明確な理解のために関連する要素を示すように簡略化されていることが理解されるべきである。当業者は、しかしながら、これら及び他の要素が望ましい場合があることを認識するであろう。しかしながら、そのような要素は当技術分野でよく知られており、これらの要素は本開示のより良い理解を促進しないので、そのような要素の説明は、本明細書において提供されない。図面は、例示目的のために提示されており、構造図として提示されていないことが理解されるべきである。省略された詳細及び修正又は代替的な実施形態は、当業者の知識の範囲内にある。
【0180】
本開示の特定の態様において、要素若しくは構造を提供するため又は所与の機能若しくは複数の機能を実行するために、単一の構成要素は、複数の構成要素によって置き換えられてもよく、複数の構成要素は、単一の構成要素によって置き換えられてもよいことが、明確に理解されることができる。そのような置換が本開示の特定の実施形態を実施するために有効でない場合を除いて、そのような置換は、本開示の範囲内にあると考えられる。
【0181】
本明細書に提示された実施例は、本開示の潜在的且つ具体的な実装を例示することを意図している。これらの実施例は、主に、当業者のための本開示の例示の目的を意図されていることが、明確に理解されることができる。本開示の精神から逸脱することなく、これらの図又は本明細書において記述される動作に変更があってもよい。例えば、ある場合には、方法ステップ又は動作は、異なる順序で実行又は実施されてもよく、又は動作は追加、削除、又は修正されてもよい。
【0182】
さらに、本開示の特定の実施形態は、本開示を説明する目的のために本明細書において記述されており、本開示を限定する目的ではないため、特許請求の範囲に記載されるような開示から逸脱することなく、本開示の原理及び範囲内で、要素、ステップ、構造、及び/又は部分の詳細、材料及び構成の多数の変形が成され得ることが、当業者によって明確に理解されるであろう。