(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】脈波伝播時間測定装置及び血圧測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/02 20060101AFI20220215BHJP
A61B 5/022 20060101ALI20220215BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20220215BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20220215BHJP
【FI】
A61B5/02 310V
A61B5/022 400H
A61B5/256 220
A61B5/33 200
(21)【出願番号】P 2018047031
(22)【出願日】2018-03-14
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】川端 康大
(72)【発明者】
【氏名】藤井 健司
(72)【発明者】
【氏名】松村 直美
(72)【発明者】
【氏名】藤田 麗二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 晃人
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/043692(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/040264(WO,A1)
【文献】特許第6202510(JP,B1)
【文献】特開2001-161650(JP,A)
【文献】特開平11-188012(JP,A)
【文献】特開2014-200270(JP,A)
【文献】特開平7-313472(JP,A)
【文献】特開平7-136136(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0190994(US,A1)
【文献】英国特許出願公開第2367621(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02- 5/0538
A61B 5/24- 5/398
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの被測定部位に巻き付けられるベルト部と、
前記ベルト部に
一方向に沿って設けられた
少なくとも4つの電極を含み、前記
少なくとも4つの電極
のうちの2つの第1の電極間の第1の電位差を取得し、前記少なくとも4つの電極のうち、前記2つの第1の電極とは異なる2つの第2の電極間の第2の電位差を取得し、前記第1の電位差と前記第2の電位差との差を第3の電位差として取得し、前記第3の電位差に基づいて前記ユーザの心電図を取得する心電図取得部と、
前記ベルト部に設けられた脈波センサを含み、前記脈波センサを用いて前記ユーザの脈波を表す脈波信号を取得する脈波信号取得部と、
前記心電図の波形特徴点と前記脈波信号の波形特徴点との間の時間差に基づいて脈波伝播時間を算出する脈波伝播時間算出部と、
を備える脈波伝播時間測定装置。
【請求項2】
前記脈波センサは、前記ベルト部のうち、前記ベルト部が前記ユーザの前記被測定部位に巻き付けられた状態で末梢側に位置する部分に配置されている、請求項1に記載の脈波伝播時間測定装置。
【請求項3】
前記
少なくとも4つの電極は、前記ベルト部のうち、前記ベルト部が前記ユーザの前記被測定部位に巻き付けられた状態で中枢側に位置する部分に配置されている、請求項1又は2に記載の脈波伝播時間測定装置。
【請求項4】
前記脈波伝播時間に基づいて、前記ユーザの血圧を測定することが推奨される条件が満たされたか否かを判定する判定部と、
前記条件が満たされたと前記判定部が判定したことに応答して、血圧測定の実行を指示する情報を出力する指示部と、
をさらに備える、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の脈波伝播時間測定装置。
【請求項5】
前記被測定部位は上腕である、請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の脈波伝播時間測定装置。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の脈波伝播時間測定装置と、
前記算出された脈波伝播時間に基づいて、血圧値を算出する血圧値算出部と、
を備える血圧測定装置。
【請求項7】
請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の脈波伝播時間測定装置と、
前記算出された脈波伝播時間と血圧算出式とに基づいて、第1の血圧値を算出する第1の血圧値算出部と、
前記ベルト部に設けられた押圧カフと、
前記押圧カフに流体を供給する流体供給部と、
前記押圧カフ内の圧力を検出する圧力センサと、
前記圧力センサの出力信号に基づいて第2の血圧値を算出する第2の血圧値算出部と、
前記脈波伝播時間測定装置により得られた脈波伝播時間と前記第2の血圧値算出部により算出された第2の血圧値とに基づいて、前記血圧算出式の較正を行う較正部と、
を備える血圧測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脈波伝播時間を非侵襲的に測定する脈波伝播時間測定装置、及び脈波伝播時間測定装置を用いた血圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脈波が動脈上の2点間を伝播するのに要する時間である脈波伝播時間(PTT:Pulse Transit Time)と血圧との間に相関関係があることが知られている。
【0003】
特許文献1には、上記の相関関係を利用して血圧を測定する血圧測定装置が開示されている。この血圧測定装置は、ECG(ElectroCardioGraphic)センサの出力とPPG(PhotoPlethysmoGraphic)センサの出力とに基づいて脈波伝播時間を算出し、算出した脈波伝播時間と上記の相関関係を表す関係式とを用いて血圧値を算出する。ECGセンサはユーザの胴体に装着され、PPGセンサはユーザの耳に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された血圧測定装置においては、2つのデバイスをユーザに装着する必要があり、ユーザにとって装着が面倒である。
【0006】
本発明は、上記の事情に着目してなされたものであり、その目的は、ユーザへの装着が容易な脈波伝播時間測定装置及び血圧測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の態様を採用する。
【0008】
一態様に係る脈波伝播時間測定装置は、ユーザの被測定部位に巻き付けられるベルト部と、前記ベルト部に設けられた複数の電極を含み、前記複数の電極を用いて前記ユーザの心電図を取得する心電図取得部と、前記ベルト部に設けられた脈波センサを含み、前記脈波センサを用いて前記ユーザの脈波を表す脈波信号を取得する脈波信号取得部と、前記心電図の波形特徴点と前記脈波信号の波形特徴点との間の時間差に基づいて脈波伝播時間を算出する脈波伝播時間算出部と、を備える。
【0009】
上記の構成では、電極及び脈波センサがともにベルト部に設けられている。これにより、ベルト部をユーザに巻き付けることで電極及び脈波センサをユーザに取り付けることができる。このため、ユーザへの装着が容易である。さらに、心電図の波形特徴点と被測定部位に関する脈波信号の波形特徴点との時間差に基づいて脈波伝播時間が算出される。この場合、脈波伝播時間は、脈波が心臓から被測定部位までの長い距離を伝播するのに要した時間に相当し、被測定部位中の2点間での脈波伝播時間を測定する場合と比較して大きい値になる。言い換えると、長い脈波伝播距離が確保される。このため、心電図の波形特徴点と脈波信号の波形特徴点との間の時間差を算出する際に生じる誤差の脈波伝播時間への影響が小さくなり、脈波伝播時間を正確に測定することができる。
【0010】
一態様では、前記脈波センサは、前記ベルト部のうち、前記ベルト部が前記ユーザの前記被測定部位に巻き付けられた状態で末梢側に位置する部分に配置されてもよい。当該構成では、より長い脈波伝播距離が確保され、脈波伝播時間をより正確に測定することができる。
【0011】
一態様では、前記複数の電極は、前記ベルト部のうち、前記ベルト部が前記ユーザの前記被測定部位に巻き付けられた状態で中枢側に位置する部分に配置されてもよい。当該構成では、より高い信号対雑音比(SN比)で心臓の電気的活動を表す信号を取得することができ、心電図において波形特徴点の時間をより正確に検出することができるようになる。その結果、脈波伝播時間をより正確に測定することができる。
【0012】
一態様では、前記複数の電極は、少なくとも4つの電極であってもよく、前記心電図取得部は、前記複数の電極のうちの2つの第1の電極間の第1の電位差を取得し、前記複数の電極のうち、前記2つの第1の電極とは異なる2つの第2の電極間の第2の電位差を取得し、前記第1の電位差と前記第2の電位差との差を第3の電位差として取得し、前記第3の電位差に基づいて前記心電図を生成してもよい。
【0013】
上記の構成では、第1の電位差には、ユーザの体動に起因して生じる体動ノイズが載ることがある。第2の電位差にも同程度の体動ノイズが載るため、前記第1の電位差と前記第2の電位差との差を算出することで体動ノイズを除去又は低減することが可能である。体動ノイズが除去又は低減された心電図を取得することができ、心電図において波形特徴点の時間をより正確に検出することができるようになる。その結果、脈波伝播時間をより正確に測定することができる。
【0014】
一態様では、上記脈波伝播時間測定装置は、前記算出された脈波伝播時間に基づいて、前記ユーザの血圧を測定することが推奨される条件が満たされたか否かを判定する判定部と、前記条件が満たされたと前記判定部が判定したことに応答して、血圧測定の実行を指示する情報を出力する指示部と、をさらに備えてもよい。
【0015】
上記の構成では、条件が満たされる場合に、例えば、血圧測定の実行を促すメッセージがユーザに提示される。このため、血圧が急上昇したときなどの血圧測定が推奨される状況下で血圧測定が実行されるようになる。
【0016】
一態様では、前記被測定部位は上腕であってよい。当該構成では、脈波伝播時間測定装置を服の下に装着することが可能であり、脈波伝播時間測定装置を装着していることを目立たなくすることができる。
【0017】
一態様に係る血圧測定装置は、上記の脈波伝播時間測定装置と、前記算出された脈波伝播時間に基づいて、血圧値を算出する血圧値算出部と、を備える。
【0018】
上記の構成によれば、脈波伝播時間に基づく血圧測定(一心拍ごとの血圧値を得る連続血圧測定)を1つのデバイスで行うことができる。
【0019】
一態様に係る血圧測定装置は、上記の脈波伝播時間測定装置と、前記算出された脈波伝播時間と血圧算出式とに基づいて、第1の血圧値を算出する第1の血圧値算出部と、前記ベルト部に設けられた押圧カフと、前記押圧カフに流体を供給する流体供給部と、前記押圧カフ内の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサの出力信号に基づいて第2の血圧値を算出する第2の血圧値算出部と、前記脈波伝播時間測定装置により得られた脈波伝播時間と前記第2の血圧値算出部により算出された第2の血圧値とに基づいて、前記血圧算出式の較正を行う較正部と、を備える。
【0020】
上記の構成では、脈波伝播時間に基づく血圧測定、より正確な測定が可能なカフ式の血圧測定、及び血圧算出式の較正を1つのデバイスで行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザへの装着が容易な脈波伝播時間測定装置及び血圧測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態に係る血圧測定装置を例示する図。
【
図2】
図1に示した血圧測定装置の外観を例示する図。
【
図3】
図1に示した血圧測定装置の外観を例示する図。
【
図4】
図1に示した血圧測定装置の断面を例示する図。
【
図5】
図1に示した血圧測定装置の制御系のハードウェア構成を例示するブロック図。
【
図6】
図1に示した血圧測定装置のソフトウェア構成を例示するブロック図。
【
図7】
図6に示した脈波伝播時間算出部が脈波伝播時間を算出する方法を説明する図。
【
図8】
図1に示した血圧測定装置が脈波伝播時間に基づく血圧測定を行う動作を例示するフローチャート。
【
図9】
図1に示した血圧測定装置がオシロメトリック法による血圧測定の実行を指示する動作を例示するフローチャート。
【
図10】
図1に示した血圧測定装置がオシロメトリック法による血圧測定を行う動作を例示するフローチャート。
【
図11】オシロメトリック法による血圧測定におけるカフ圧及び脈波信号の変化を示す図。
【
図12】一実施形態に係る心電図取得部のハードウェア構成を例示するブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0024】
[適用例]
図1を参照して、本発明が適用される場面の一例について説明する。
図1は、一実施形態に係る血圧測定装置10を例示する。血圧測定装置10は、ウェアラブルデバイスであり、ユーザの被測定部位としての上腕に装着される。血圧測定装置10は、ベルト部20、第1の血圧測定部30、第2の血圧測定部40、判定部50、及び指示部60を備える。
【0025】
ベルト部20は、ベルト21及び本体22を備える。ベルト21は、上腕を取り巻いて装着される帯状の部材を指し、バンド又はカフなどの別の名称で呼ばれることもある。ベルト21は、内周面及び外周面を有する。内周面は、ユーザが血圧測定装置10を装着した状態(以下では、単に「装着状態」と称する)でユーザの上腕に接する表面であり、外周面は、内周面の反対側の表面である。
【0026】
本体22は、ベルト21に取り付けられている。本体22は、操作部221及び表示部222とともに、後述する制御部501(
図5に示される)などの構成要素を収容する。操作部221は、ユーザが血圧測定装置10に対する指示を入力することを可能にする入力装置である。
図1の例では、操作部221は複数のプッシュ式ボタンを含む。表示部222は、血圧測定の実行を促すメッセージや血圧測定結果などの情報を表示する表示装置である。表示装置としては、例えば、液晶表示装置(LCD)又はOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイを使用することができる。表示装置及び入力装置を兼ねたタッチスクリーンが使用されてもよい。本体22には、スピーカ又は圧電サウンダなどの発音体が設けられていてもよい。本体22には、ユーザが音声で指示を入力することができるように、マイクロフォンが設けられていてもよい。
【0027】
第1の血圧測定部30は、ユーザの脈波伝播時間を非侵襲的に測定し、測定した脈波伝播時間に基づいて血圧値を算出する。第1の血圧測定部30は、一心拍ごとの血圧値を得る連続血圧測定を行うことができる。第2の血圧測定部40は、第1の血圧測定部30とは異なる方式で血圧測定を行う。第2の血圧測定部40は、例えばオシロメトリック法又はコロトコフ法に基づいており、特定のタイミングで、例えばユーザによる操作に応答して、血圧測定を行う。第2の血圧測定部40は、連続血圧測定を行うことはできないが、第1の血圧測定部30よりも正確に血圧を測定することができる。
【0028】
第1の血圧測定部30は、心電図取得部31、脈波信号取得部32、脈波伝播時間算出部33、及び血圧値算出部34を備える。
【0029】
心電図取得部31は、複数の電極を備え、これらの電極を用いてユーザの心電図(ECG:ElectroCardioGram)を取得する。心電図は、心臓の電気的活動を表す。電極はベルト部20に設けられている。例えば、電極はベルト21の内周面に配置されており、それにより、装着状態で電極がユーザの上腕の皮膚に接するようになっている。
【0030】
脈波信号取得部32は、脈波センサを備え、脈波センサを用いてユーザの脈波を表す脈波信号を取得する。脈波センサはベルト部20に設けられている。例えば、脈波センサはベルト21の内周面に配置されており、それにより、装着状態で脈波センサがユーザの上腕の皮膚に接するようになっている。なお、後述する電波法に基づく脈波センサなどのいくつかのタイプの脈波センサでは、装着状態でユーザの上腕の皮膚に接する必要はない。
【0031】
脈波伝播時間算出部33は、心電図取得部31により取得された心電図の波形特徴点と脈波信号取得部32により取得された脈波信号の波形特徴点との間の時間差に基づいて脈波伝播時間を算出する。例えば、脈波伝播時間算出部33は、心電図の波形特徴点と脈波信号の波形特徴点との間の時間差を算出し、算出した時間差を脈波伝播時間として出力する。本実施形態では、脈波伝播時間は、心臓から上腕(具体的には脈波センサが配置される位置)まで脈波が動脈を伝播するのに要した時間に相当する。
【0032】
血圧値算出部34は、脈波伝播時間算出部33により算出された脈波伝播時間と血圧算出式とに基づいて血圧値を算出する。血圧算出式は、脈波伝播時間と血圧との間の相関関係を表す関係式である。血圧算出式の一例を下記に示す。
SBP=A1/PTT2+A2 ・・・(1)
ここで、SBPは収縮期血圧を表し、PTTは脈波伝播時間を表し、A1、A2はパラメータである。上記の相関関係は、個人ごとに異なる。このため、ユーザに関して血圧算出式の較正を行う必要がある。血圧算出式の較正(具体的には、パラメータA1、A2の決定)は、第2の血圧測定部40により得られた血圧値に基づいて行われる。血圧算出式の較正については後述する。
【0033】
脈波伝播時間算出部33は一心拍ごとの脈波伝播時間を算出することができ、したがって、血圧値算出部34は一心拍ごとの血圧値を算出することができる。
【0034】
判定部50は、第1の血圧測定部30により連続的に得られる血圧値をモニタし、ユーザの血圧を測定することが推奨される条件が満たされたか否かを判定する。例えば、急激な血圧上昇が発生したときに、第2の血圧測定部40による正確な血圧測定の実行が望まれる。このため、条件は、例えば、急激な血圧上昇が発生したことを検出するために規定される。
【0035】
指示部60は、条件が満たされたと判定部50が判定したことに応答して、第2の血圧測定部40による血圧測定の実行を指示する情報を出力する。例えば、指示部60は、発音体を通じて通知音(例えばメロディ)を出力するとともに、「血圧測定を実行してください」というメッセージを表示部222に表示させる。ユーザが指示部60からの指示に応答して所定のボタンを押すと、第2の血圧測定部40による血圧測定が実行される。第2の血圧測定部40による血圧測定については後述する。
【0036】
以上のように、血圧測定装置10では、心電図を取得するために使用される複数の電極及び脈波信号を取得するために使用される脈波センサがともにベルト部20に設けられている。これにより、単にベルト部20を上腕に巻き付けることで、電極及び脈波センサをユーザに取り付けることが可能になる。このため、ユーザへの装着が容易であり、血圧測定装置10の装着に対するユーザの拒否感を低減することができる。
【0037】
さらに、心電図の波形特徴点と上腕に関する脈波信号の波形特徴点との間の時間差が脈波伝播時間として算出される。血圧測定装置10で得られる脈波伝播時間は、上腕中の2点間に関して脈波伝播時間を測定する場合と比較して大きい値になる。言い換えると、より長い脈波伝播距離が確保される。このため、心電図の波形特徴点と脈波信号の波形特徴点との間の時間差を算出する際に生じた誤差の脈波伝播時間への影響が小さくなり、脈波伝播時間を正確に測定することができる。その結果、脈波伝播時間に基づく血圧測定により得られる血圧値の信頼性が向上する。
【0038】
以下に、血圧測定装置10をより具体的に説明する。
[構成例]
(ハードウェア構成)
図2から
図6を参照して、本実施形態に係る血圧測定装置10のハードウェア構成の一例を説明する。
図2及び
図3は、血圧測定装置10の外観を例示する平面図である。具体的には、
図2は、ベルト21を展開した状態でベルト21の外周面211側から見た血圧測定装置10を示し、
図3は、ベルト21を展開した状態でベルト21の内周面212側から見た血圧測定装置10を示している。
図4は、装着状態での血圧測定装置10の断面を示している。
【0039】
ベルト21は、ベルト21を上腕に着脱可能にする装着部材を備える。
図2及び
図3に示される例では、装着部材は、多数のループを有するループ面213と複数のフックを有するフック面214とを有する面ファスナである。ループ面213は、ベルト21の外周面211上であってベルト21の長手方向の端部215Aに配置されている。長手方向は、装着状態で上腕の周方向に対応する。フック面214は、ベルト21の内周面212上であってベルト21の長手方向の端部215Bに配置されている。端部215Bは、ベルト21の長手方向において端部215Aと対向する。ループ面213及びフック面214を互いに押し付けると、ループ面213及びフック面214が結合する。また、ループ面213及びフック面214を互いに離れるように引っ張ることで、ループ面213及びフック面214が分離する。
【0040】
図3に示されるように、ベルト21の内周面212には、心電図を測定するための電極群311が配置されている。
図3の例では、電極群311は、ベルト21の長手方向に一定間隔で整列した6つの電極312を有する。電極312間の間隔は、例えば、想定する最も腕の細いユーザの上腕周長の四分の一に設定される。この配置では、
図4に示されるように、想定する最も腕の細いユーザについて、装着状態で6つの電極312のうちの4つが上腕70に接し、上腕の周上において等間隔に位置し、残り2つの電極312はベルト111の外周面に接する。
図4において、上腕骨71及び上腕動脈72が示されている。想定する最も腕の太いユーザについては、装着状態で6つすべての電極312が上腕70に接する。
【0041】
なお、電極312の数は、6つに限らず、2~5又は7以上であってよい。2つ又は3つの電極312が上腕に接する場合には、装着状態によっては心電図をうまく測定できないことがある。心電図をうまく測定できない場合には、表示部222にメッセージを表示するなどして、ユーザに血圧測定装置10を装着し直してもらう必要がある。心電図を測定できない事態を回避するために、装着状態で少なくとも4つの電極312が上腕に接することが望まれる。
【0042】
装着状態で電極312が心臓の近くに位置するほど、電極312を用いて得られる、心臓の電気的活動を表す信号が大きくなり、すなわち、信号対雑音比(SN比)が高くなる。好ましくは、
図3に示されるように、電極312はベルト21の中枢側部分217Aに配置される。中枢側部分217Aは、装着状態で中心線216よりも中枢側(肩側)に位置する部分である。より好ましくは、電極312はベルト21の中枢側端部218Aに配置される。中枢側端部218Aは、装着状態で中枢側に位置する端部であり、中枢側端部218Aの幅は、例えば、ベルト21の全幅の3分の1である。
【0043】
ベルト21の内周面212には、脈波を測定するための脈波センサ321のセンサ部322がさらに配置されている。
図3の例では、センサ部322は、上腕に通電するための1対の電極323A、323Dと、電圧を検出するための1対の電極323B、323Cと、を含む。電極323A、323B、323C、323Dは、この順番にベルト111の幅方向に配列されている。ベルト111の幅方向は、装着状態で上腕動脈72に沿う方向である。
【0044】
また、装着状態でセンサ部322が心臓から遠くに位置するほど、脈波伝播距離が長くなり、脈波伝播時間の測定値が大きくなる。このため、心電図の波形特徴点と脈波信号の波形特徴点との間の時間差を算出する際に生じた誤差が脈波伝播時間に対して相対的に小さくなり、脈波伝播時間を正確に測定できるようになる。好ましくは、センサ部322はベルト21の末梢側部分217Bに配置される。末梢側部分217Bは、装着状態で中心線216よりも末梢側(肘側)に位置する部分である。より好ましくは、センサ部322はベルト21の末梢側端部218Cに配置される。末梢側端部218Cは、装着状態で末梢側に位置する端部であり、末梢側端部218Cの幅は、例えば、ベルト21の全幅の3分の1である。中枢側端部218Aと末梢側端部218Cとの間の部分218Bは中間部と称する。
【0045】
図4に示されるように、ベルト21は、内布210A、外布210B、及び内布210Aと外布210Bとの間に設けられた押圧カフ401を含む。押圧カフ401は、上腕を取り囲むことができるように、ベルト21の長手方向に長い帯状体である。例えば、押圧カフ401は、伸縮可能な2枚のポリウレタンシートを厚さ方向に対向させ、それらの周縁部を溶着して、流体袋として構成されている。電極群311及びセンサ部322は、装着状態で押圧カフ401と上腕70との間に位置するように内布210Aに設けられている。
【0046】
図5は、本実施形態に係る血圧測定装置10の制御系のハードウェア構成の一例を例示する。
図5の例では、本体22には、上述した操作部221及び表示部222に加えて、制御部501、記憶部505、電池506、スイッチ回路313、減算回路314、アナログフロントエンド(AFE)315、圧力センサ402、ポンプ403、弁404、発振回路405、及びポンプ駆動回路406が搭載されている。脈波センサ321は、上述したセンサ部322に加えて、通電及び電圧検出回路324を備える。この例では、通電及び電圧検出回路324は、ベルト21に搭載されている。
【0047】
制御部501は、CPU(Central Processing Unit)502、RAM(Random Access Memory)503、ROM(Read Only Memory)504などを含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。記憶部505は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、半導体メモリ(例えばフラッシュメモリ)などの補助記憶装置であり、制御部501で実行されるプログラム(例えば脈波伝播時間測定プログラム及び血圧測定プログラムを含む)、プログラムを実行するために必要な設定データ、血圧測定結果などを不揮発的に記憶する。記憶部505が備える記憶媒体は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラムなどの情報を読み取り可能なように、当該プログラムなどの情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。なお、プログラムの一部又は全部は、ROM504に記憶されていてもよい。
【0048】
電池506は、制御部501などの構成要素に電力を供給する。電池506は、例えば、充電可能なバッテリである。
【0049】
電極群311に含まれる電極312はそれぞれ、スイッチ回路313の入力端子に接続されている。スイッチ回路313の2つの出力端子はそれぞれ、減算回路314の2つの入力端子に接続されている。スイッチ回路313は、制御部501からスイッチ信号を受け取り、スイッチ信号により指定される2つの電極312を減算回路314に接続する。減算回路314は、一方の入力端子から入力された電位から他方の入力端子から入力された電位を減算する。減算回路314は、接続された2つの電極312間の電位差を表す電位差信号をAFE135へ出力する。減算回路314は、例えば計装アンプである。AFE135は、例えば、ローパスフィルタ(LPF)、増幅器、及びアナログデジタル変換器を含む。電位差信号は、LPFで濾波され、増幅器で増幅され、アナログデジタル変換器でデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された電位差信号は、制御部501へ与えられる。制御部501は、AFE315から時系列で出力される電位差信号を心電図として取得する。
【0050】
通電及び電圧検出回路324は、電極323A、323D間に高周波定電流を流す。例えば、電流の周波数は50kHzであり、電流値は1mAである。通電及び電圧検出回路324は、電極323A、323D間に通電した状態で、電極323B、323C間の電圧を検出し、検出信号を生成する。検出信号は、電極323B、323Cが対向する動脈の部分を伝播する脈波による電気インピーダンスの変化を表す。通電及び電圧検出回路324は、検出信号に対して整流、増幅、濾波及びアナログデジタル変換を含む信号処理を施し、検出信号を制御部501に与える。制御部501は、通電及び電圧検出回路324から時系列で出力される検出信号を脈波信号として取得する。
【0051】
圧力センサ402は配管407を介して押圧カフ401に接続され、ポンプ403及び弁404は配管408を介して押圧カフ401に接続されている。配管407、408は共通の1つの配管であってもよい。ポンプ403は、例えば圧電ポンプであり、押圧カフ401内の圧力を高めるために、配管408を通して押圧カフ401に流体としての空気を供給する。弁404は、ポンプ403に搭載され、ポンプ403の動作状態(オン/オフ)に伴って開閉が制御される構成となっている。具体的には、ポンプ403がオンされると弁404は閉状態となり、ポンプ403がオフされると弁404は開状態となる。弁404が開状態であるときには、押圧カフ401は大気と連通し、押圧カフ401内の空気が大気中へ排出される。なお、弁404は、逆止弁の機能を有し、空気が逆流することがない。ポンプ駆動回路406は、制御部501から受け取る制御信号に基づいてポンプ403を駆動する。
【0052】
圧力センサ402は、押圧カフ401内の圧力(カフ圧とも称する)を検出し、カフ圧を表す電気信号を生成する。カフ圧は、例えば、大気圧を基準とした圧力である。圧力センサ402は、例えばピエゾ抵抗式圧力センサである。発振回路405は、圧力センサ402からの電気信号に基づいて発振して、電気信号に応じた周波数を有する周波数信号を制御部501に出力する。この例では、圧力センサ402の出力は、押圧カフ401の圧力を制御するために、及び、オシロメトリック法によって血圧値(収縮期血圧及び拡張期血圧を含む)を算出するために用いられる。
【0053】
押圧カフ401は、電極312又は脈波センサ321のセンサ部322と上腕との接触状態を調整するために使用されてもよい。例えば、脈波伝播時間に基づく血圧測定の実行時には、押圧カフ401はある程度の空気が収容された状態に保たれる。これにより、電極312及び脈波センサ321のセンサ部322が上腕に確実に接触するようになる。
【0054】
図2から
図5に示される例では、電極群311、スイッチ回路313、減算回路314、及びAFE315が
図1に示した第1の血圧測定部30の心電図取得部31に相当し、脈波センサ321(電極323並びに通電及び電圧検出回路324)が第1の血圧測定部30の脈波信号取得部32に相当する。また、押圧カフ401、圧力センサ402、ポンプ403、弁404、発振回路405、ポンプ駆動回路406、及び配管407、408が第2の血圧測定部40に相当する。
【0055】
なお、血圧測定装置10の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部501は、複数のプロセッサを含んでいてもよい。血圧測定装置10は、ユーザの携帯端末(例えばスマートフォン)などの外部装置と通信するための通信部507を備えていてもよい。通信部507は、有線通信モジュール及び/又は無線通信モジュールを含む。無線通信方式として、例えば、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)などを採用することができる。
【0056】
(ソフトウェア構成)
図6を参照して、本実施形態に係る血圧測定装置10のソフトウェア構成の一例を説明する。
図6は、本実施形態に係る血圧測定装置10のソフトウェア構成の一例を例示する。
図6の例では、血圧測定装置10は、心電図測定制御部601、心電図記憶部602、脈波測定制御部603、脈波信号記憶部604、脈波伝播時間算出部605、血圧値算出部606、血圧値記憶部607、判定部608、指示部609、血圧測定制御部610、血圧値記憶部611、表示制御部612、指示入力部613、及び較正部614を備える。心電図測定制御部601、脈波測定制御部603、脈波伝播時間算出部605、血圧値算出部606、判定部608、指示部609、血圧測定制御部610、表示制御部612、指示入力部613、及び較正部614は、血圧測定装置10の制御部501が記憶部505に記憶されたプログラムを実行することによって下記の処理を実行する。制御部501がプログラムを実行する際は、制御部501は、プログラムをRAM503に展開する。そして、制御部501は、RAM503に展開されたプログラムをCPU502により解釈及び実行して、各構成要素を制御する。心電図記憶部602、脈波信号記憶部604、血圧値記憶部607、及び血圧値記憶部611は、記憶部505により実現される。
【0057】
心電図測定制御部601は、心電図を取得するためにスイッチ回路313を制御する。具体的には、心電図測定制御部601は、6つの電極312のうちの2つの電極312を選択するためのスイッチ信号を生成し、このスイッチ信号をスイッチ回路313に与える。心電図測定制御部601は、選択した2つの電極312を用いて得られた電位差信号を取得し、取得された電位差信号の時系列データを心電図として心電図記憶部602に記憶させる。
【0058】
ユーザが血圧測定装置10を上腕に装着した際には、心電図測定制御部601は、心電図を取得するのに最適な電極対を決定する。例えば、心電図測定制御部601は、全ての電極対それぞれについて心電図を取得し、R波の振幅が最も大きい心電図を提供する電極対を最適な電極対として決定する。その後は、心電図測定制御部601は、最適な電極対を用いて心電図を測定する。
【0059】
脈波測定制御部603は、脈波信号を取得するために通電及び電圧検出回路324を制御する。具体的には、脈波測定制御部603は、電極323A、D間に電流を流すよう通電及び電圧検出回路324に指示し、電極323A、D間に電流を流した状態で検出された電極323B、323C間の電圧を示す検出信号を取得する。脈波測定制御部603は、検出信号の時系列データを脈波信号として脈波信号記憶部604に記憶させる。
【0060】
脈波伝播時間算出部605は、心電図記憶部602から心電図を読み出し、脈波信号記憶部604から脈波信号を読み出し、心電図の波形特徴点と脈波信号の波形特徴点との間の時間差に基づいて脈波伝播時間を算出する。例えば、脈波伝播時間算出部605は、
図7に示されるように、心電図からR波に対応するピーク点の時間(時刻)を検出し、脈波信号から立ち上がり点の時間(時刻)を検出し、立ち上がり点の時間からピーク点の時間を引いた差を脈波伝播時間として算出する。
【0061】
なお、脈波伝播時間算出部605は、前駆出期(PEP:PreEjection Period)に基づいて上記の時間差を補正し、補正後の時間差を脈波伝播時間として出力してもよい。例えば、前駆出期が一定であるとみなし、脈波伝播時間算出部605は、上記の時間差から所定値を引くことで脈波伝播時間を算出してもよい。
【0062】
R波に対応するピーク点は、心電図の波形特徴点の一例である。心電図の波形特徴点は、Q波に対応するピーク点であってもよく、S波に対応するピーク点であってもよい。R波はQ波又はS波と比べてはっきりとしたピークとして現れるので、R波ピーク点の時間はより正確に特定することができる。このため、好ましくは、R波ピーク点が心電図の波形特徴点として使用される。また、立ち上がり点は、脈波信号の波形特徴点の一例である。脈波信号の波形特徴点は、ピーク点であってもよい。脈波信号は緩やかに時間変化するため、脈波信号において波形特徴点の時間を特定する際に誤差が生じやすい。
【0063】
図6を参照すると、血圧値算出部606は、脈波伝播時間算出部605により算出された脈波伝播時間と血圧算出式とに基づいて血圧値を算出する。血圧値算出部606は、例えば上記の式(1)を血圧算出式として使用する。血圧値算出部606は、算出した血圧値を時間情報に関連付けて血圧値記憶部607に記憶させる。
【0064】
なお、血圧算出式は上記の式(1)に限らない。血圧算出式は、例えば、下記の式であってもよい。
SBP=B1/PTT2+B2/PTT+B3×PTT+B4 ・・・(2)
ここで、B1、B2、B3、B4はパラメータである。
【0065】
判定部608は、
図1に示した判定部50に相当するものである。判定部608は、脈波伝播時間算出部605により算出された脈波伝播時間に基づいて、ユーザの血圧を測定することが推奨される条件が満たされたか否かを判定する。一例では、判定部608は、血圧変化率が閾値を超えたか否かを判定する。血圧変化率は、例えば、単位時間における血圧値の変化量である。具体的には、判定部608は、最新の血圧値から単位時間前の血圧値を引いた差が閾値を超えたか否かを判定する。最新の収縮期血圧の値をSBP
0、単位時間前の収縮期血圧の値をSBP
1、閾値をV
thとすると、判定部608は、SBP
0-SBP
1>V
thの条件式が満たされるか否かを判定する。単位時間は例えば30秒であり、閾値は例えば20[mmHg]である。最新の脈波伝播時間の値をPTT
0、単位時間前の脈波伝播時間の値をPTT
1とすると、上記の条件式は、式(1)を用いて変形すると、A
1(1/PTT
0
2-1/PTT
1
2)>V
thとなる。すなわち、判定部608は、脈波伝播時間そのものを使用してもよく、脈波伝播時間に基づいて算出された血圧値を使用してもよい。なお、判定部608は、最新の血圧値から所定心拍数前(例えば30拍前)の血圧値を引いた差が閾値を超えたか否かを判定してもよい。他の例では、判定部608は、最新の収縮期血圧の値が閾値(例えば150[mmHg])を超えたか否かを判定する。この閾値は、固定であってもよく、可変であってもよい。例えば、ユーザの平均血圧が高いほど、閾値は高い値に設定される。
【0066】
指示部609は、
図1に示した指示部60に相当するものである。指示部609は、条件が満たされたと判定部608が判定したことに応答して、血圧測定の実行を指示する情報を出力する。例えば、指示部609は、血圧測定の実行を促すメッセージを表示部222に表示させるよう表示制御部612に指示信号を与える。さらに、指示部609は、通知音を発生させるために、発音体を駆動する駆動回路を制御する制御信号を出力する。なお、指示部609は、通信部507を介してユーザの携帯端末に指示信号を送信し、それにより、携帯端末を通じて血圧測定の実行をユーザに促すようにしてもよい。
【0067】
指示入力部613は、操作部221を用いてユーザから入力された指示を受け付ける。例えば、血圧測定の実行を指示する操作がなされると、指示入力部613は、血圧測定の開始指示を血圧測定制御部610に与える。
【0068】
血圧測定制御部610は、血圧測定を実行するためにポンプ駆動回路406を制御する。血圧測定制御部610は、指示入力部613からの血圧測定の開始指示を受けると、ポンプ駆動回路406を介してポンプ403を駆動する。それにより、押圧カフ401への空気の供給が開始される。押圧カフ401が膨張し、それによりユーザの上腕が圧迫される。血圧測定制御部610は、圧力センサ402を用いてカフ圧をモニタする。血圧測定制御部610は、押圧カフ401に空気を供給する加圧過程において、圧力センサ402から出力される圧力信号に基づいて、オシロメトリック法により血圧値を算出する。血圧値は、収縮期血圧(SBP)及び拡張期血圧(DBP)を含むが、これに限定されない。血圧測定制御部610は、算出した血圧値を時間情報に関連付けて血圧値記憶部611に記憶させる。血圧測定制御部610は、血圧値と同時に脈拍数を算出することができる。血圧測定制御部610は、血圧値の算出が完了すると、ポンプ駆動回路406を介してポンプ403を停止する。それにより、押圧カフ401から弁404を通じて空気が排気される。
【0069】
表示制御部612は、表示部222を制御する。例えば、表示制御部612は、指示部609からの指示信号を受け取り、指示信号に含まれるメッセージを表示部222に表示させる。また、表示制御部612は、血圧測定制御部610による血圧測定が完了した後に血圧測定結果を表示部222に表示させる。
【0070】
較正部614は、脈波伝播時間算出部605により得られた脈波伝播時間と血圧測定制御部610により得られた血圧値とに基づいて、血圧算出式の較正を行う。脈波伝播時間と血圧値との間の相関関係は、個人ごとに異なる。また、相関関係は、血圧測定装置10がユーザの上腕に装着された状態に応じて変化する。例えば、同じユーザであっても、血圧測定装置10がより肩側に配置されたときと血圧測定装置10がより肘側に配置されたときとで相関関係は変化する。このような相関関係の変化を反映するために、血圧算出式の較正が行われる。血圧算出式の較正は、例えば、ユーザが血圧測定装置10を装着したときに実行される。較正部614は、例えば、脈波伝播時間の測定結果と血圧の測定結果との組みを複数得て、脈波伝播時間の測定結果と血圧の測定結果との複数の組みに基づいてパラメータA1、A2を決定する。較正部614は、パラメータA1、A2を決定するために、例えば、最小二乗法又は最尤法といったフィッティング法を使用する。
【0071】
なお、本実施形態では、血圧測定装置10の機能がいずれも汎用のプロセッサによって実現される例について説明している。しかしながら、機能の一部又は全部が1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。
【0072】
[動作例]
(心電図を取得するために使用する電極対の選択)
ユーザが血圧測定装置10を装着すると、まず、心電図を取得するために使用する電極対を選択する処理が実行される。この処理では、制御部501は、脈波測定制御部603として動作する。ここでは、電極群311が4つの電極312を有するものとし、これらの4つの電極312を区別するために電極312-1、312-2、312-3、312-4と表記することとする。制御部501は、電極312-1、312-2を選択するためのスイッチ信号をスイッチ回路313に与え、電極312-1、312-2の対を用いて心電図を得る。次に、制御部501は、電極312-1、312-3を選択するためのスイッチ信号をスイッチ回路313に与え、電極312-1、312-3の対を用いて心電図を得る。同様にして、制御部501は、電極312-1、312-4の対、電極312-2、312-3の対、電極312-2、312-4の対、及び電極312-3、312-4の対を用いて、心電図を得る。制御部501は、R波の振幅が最も大きい心電図が得られる電極対を、心電図を得るために使用する電極対として決定する。
【0073】
(脈波伝播時間に基づく血圧測定に使用される血圧算出式の較正)
次に、血圧算出式の較正が実行される。この処理では、制御部501は、較正部614として動作する。血圧算出式に含まれるパラメータの数をNとすると、脈波伝播時間の測定値と血圧の測定値との組みがN組み以上必要となる。上記の血圧算出式(1)は2つのパラメータA1、A2を有する。この場合、例えば、制御部501は、ユーザの安静時に、脈波伝播時間の測定値及び血圧の測定値の組みを取得し、続いて、ユーザに運動を行わせ、運動後に脈波伝播時間の測定値及び血圧の測定値の組みを取得する。これにより、脈波伝播時間の測定値と血圧の測定値との組みが2組み取得される。制御部501は、取得された脈波伝播時間の測定値と血圧の測定値との2つの組みに基づいてパラメータA1、A2を決定する。較正が終了した後に、脈波伝播時間に基づく血圧測定が実行可能となる。
【0074】
(脈波伝播時間に基づく血圧測定)
図8は、血圧測定装置10が脈波伝播時間に基づく血圧測定を行う際の動作フローを示している。
【0075】
図8のステップS11では、制御部501は、脈波伝播時間に基づく血圧測定を開始する。例えば、制御部501は、操作部221からユーザが脈波伝播時間に基づく血圧測定の開始を指示したことを表す操作信号を受け取り、それに応答して血圧測定を開始する。また、制御部501は、血圧算出式の較正が完了したことに応答して脈波伝播時間に基づく血圧測定を開始してもよい。
【0076】
ステップS12では、制御部501は、心電図測定制御部601として動作し、上述した処理において決定された2つの電極312を用いて心電図を取得する。ステップS13では、制御部501は、脈波測定制御部603として動作し、脈波センサ321を用いて脈波信号を取得する。ステップS11の処理とステップS12の処理は並行して実行される。
【0077】
ステップS14では、制御部501は、脈波伝播時間算出部605として動作し、心電図のR波ピーク点と脈波信号の立ち上がり点との間の時間差を脈波伝播時間として算出する。ステップS15では、制御部501は、血圧値算出部606として動作し、上述した血圧算出式(1)を使用して、ステップS14で算出した脈波伝播時間から血圧値を算出する。制御部501は、算出した血圧値を時刻情報に関連付けて記憶部505に記録する。
【0078】
ステップS16では、制御部501は、操作部221からユーザが脈波伝播時間に基づく血圧測定の終了を指示したことを表す操作信号を受け取ったか否かを判定する。制御部501が操作信号を受け取るまで、ステップS12~S15の処理が繰り返される。それにより、一心拍ごとの血圧値が記録される。制御部501は、操作信号を受け取ると、脈波伝播時間に基づく血圧測定を終了する。
【0079】
脈波伝播時間に基づく血圧測定によれば、ユーザの身体的負担が軽い状態で、血圧を長期間にわたって連続的に測定することができる。
【0080】
(オシロメトリック法による血圧測定の実行の指示)
図9は、血圧測定装置10がオシロメトリック法による血圧測定を実行することを指示する際の動作フローを示している。
図9に示される処理は、脈波伝播時間に基づく血圧測定が実行されている期間中に実行される。
【0081】
図9のステップS21では、制御部501は、
図8に関連して説明した脈波伝播時間に基づく血圧測定により血圧の測定値を取得する。
【0082】
ステップS22では、制御部501は、判定部608として動作し、ステップS21で取得された最新の測定値に基づいて、ユーザの血圧を測定することが推奨される条件が満たされたか否かを判定する。例えば、制御部501は、最新の血圧値から単位時間前の血圧値を引いた血圧値差が閾値を超えたか否かを判定する。血圧値差が閾値以下である場合、ステップS21に戻り、制御部501は、次の測定値を取得する。血圧値差が閾値を超えた場合、ステップS23に進む。
【0083】
ステップS23では、制御部501は、指示部609として動作し、血圧測定の実行を指示する。例えば、制御部501は、発音体を通じて通知音を発生させるとともに、血圧測定の実行を促すメッセージを表示部222に表示させる。
【0084】
このようにして、制御部501は、正確な血圧測定が推奨される状況が生じたときにオシロメトリック法による血圧測定の実行をユーザに指示する。
【0085】
(オシロメトリック法による血圧測定)
図10は、血圧測定装置10がオシロメトリック法による血圧測定を行う際の動作フローを示している。オシロメトリック法による血圧測定では、押圧カフ401が徐々に加圧され、その後に減圧される。このような加圧又は減圧過程では、脈波伝播時間を正しく測定することができない。このため、オシロメトリック法による血圧測定の実行中は、
図8に示した脈波伝播時間に基づく血圧測定は一時的に停止されてもよい。
【0086】
図10のステップS31では、制御部501は、オシロメトリック法による血圧測定を開始する。例えば、制御部501は、例えば、制御部501は、操作部221からユーザがオシロメトリック法による血圧測定の実行を指示したことを表す操作信号を受け取り、それに応答して血圧測定を開始する。
【0087】
ステップS32では、制御部501は、血圧測定制御部610として動作し、血圧測定のための初期化を行う。例えば、制御部501は、処理用メモリ領域を初期化する。そして、制御部501は、ポンプ駆動回路406を介してポンプ403を停止する。これに伴い弁404が開き、押圧カフ401内の空気が排出される。制御部501は、圧力センサ402の現時点の出力値を基準値として設定する。
【0088】
ステップS33では、制御部501は、血圧測定制御部610として動作し、押圧カフ401に加圧する制御を行う。例えば、制御部501は、ポンプ駆動回路406を介してポンプ403を駆動する。これに伴い弁404が閉じ、空気が押圧カフ401に供給される。それにより、押圧カフ401が膨張するとともに、
図11に示すようにカフ圧Pcが徐々に高まる。制御部501は、圧力センサ402を用いてカフ圧Pcをモニタし、動脈容積の変動成分を表す脈波信号Pmを取得する。
【0089】
ステップS34では、制御部501は、血圧測定制御部610として動作し、この時点で取得されている脈波信号Pmに基づいて血圧値(SBP及びDBPを含む)の算出を試みる。この時点でデータ不足のために、未だ血圧値を算出できない場合は(ステップS35においてNo)、カフ圧Pcが上限圧力に達していない限り、ステップS33、S34の処理が繰り返される。上限圧力は、安全性の観点から予め定められる。上限圧力は、例えば300mmHgである。
【0090】
血圧値の算出ができた場合(ステップS35においてYes)、ステップS36に進む。ステップS36では、制御部501は、血圧測定制御部610として動作し、ポンプ駆動回路406によってポンプ403を停止する。これに伴い弁404が開き、押圧カフ401内の空気が排出される。
【0091】
ステップS37では、制御部501は、血圧測定結果を表示部222に表示させるとともに、記憶部505に記録する。
【0092】
なお、
図8、
図9、又は
図10に示した処理手順は例示であり、処理順序又は各処理の内容を適宜変更することが可能である。例えば、オシロメトリック法による血圧測定において、血圧値の算出は、押圧カフ401から空気が排出される減圧過程で実行されてもよい。
【0093】
[効果]
以上のように、本実施形態に係る血圧測定装置10では、電極群311及び脈波センサ321のセンサ部322がともにベルト21に設けられている。このため、単にベルト21を上腕に巻き付けることで、電極群311及び脈波センサ321の両方がユーザに取り付けられる。したがって、ユーザは血圧測定装置10を容易に装着することができる。ユーザはひとつのデバイスを装着するだけでよいため、血圧測定装置10の装着に対するユーザの拒否感が減る。
【0094】
さらに、心電図と上腕に関して得られた脈波信号とに基づいて脈波伝播時間が算出されるので、心臓から上腕までという長い距離に関して脈波伝播時間が得られる。これにより、心電図の波形特徴点と脈波信号の波形特徴点との間の時間差を算出する際に生じた誤差に対するロバスト性が向上する。さらに、電極群311がベルト21の中枢側部分217Aに配置され、脈波センサ321のセンサ部322がベルト21の末梢側部分217Bに配置される。この配置では、より長い脈波伝播距離が確保されるとともに、高いSN比の心電図が取得される。それにより、ロバスト性がより向上する。その結果、脈波伝播時間を正確に測定することが可能になり、脈波伝播時間に基づいて算出される血圧値の信頼性が向上する。
【0095】
第1の血圧測定部30において使用される血圧算出式は、第2の血圧測定部40により得られた血圧値に基づいて較正される。第1の血圧測定部30とは別の測定系で得られた血圧値に基づいて較正する必要がある。本実施形態では、第2の血圧測定部40が第1の血圧測定部30と一体化されており、第2の血圧測定部40により得られた血圧値に基づいて血圧算出式が較正される。これにより、血圧測定装置10単独で血圧算出式の較正を行うことができる。このため、血圧算出式の較正を容易に行うことができる。
【0096】
また、第1の血圧測定部30による連続血圧測定の結果に基づいてユーザの血圧を測定することが推奨される条件が満たされたか否かが判定され、条件が満たされた場合に、第2の血圧測定部40による血圧測定を実行すべき旨がユーザに報知される。このため、血圧測定が推奨される状況下で正確な血圧測定をユーザに実行させることができる。
【0097】
脈波伝播時間に基づく血圧測定とオシロメトリック法による血圧測定とを1つのデバイスで行うことができるので、ユーザにとって利便性が高い。
【0098】
血圧測定装置10は上腕に装着されるので、心臓と略同じ高さで血圧測定が行なわれる。これにより、取得された血圧測定結果に対する高さ補正を行う必要がない。また、血圧測定装置10が上腕式である場合、血圧測定装置10を服の袖で隠すことができ、血圧測定装置10を装着していることを目立たなくすることができる。
【0099】
(変形例)
心電図を測定するための電極群が4つ以上の電極を有する場合、心電図から体動ノイズを除去又は低減するために、最適な心電図を測定するために使用する2つの電極以外の電極のうちの2つを使用してもよい。体動ノイズは、ユーザの体動に起因して生じるノイズである。体動ノイズは、ローパスフィルタなどのフィルタで効果的に低減することは難しい。
【0100】
図12は、一実施形態に係る血圧測定装置内の心電図取得部のハードウェア構成の一例を例示する。
図12において、
図5に示したものと同じ構成要素に同じ参照符号を付し、これらの構成要素についての説明を省略する。
図12の例では、電極312がスイッチ回路316の入力端子にそれぞれ接続されている。スイッチ回路316は、制御部501によって制御される。制御部501は、心電図測定に使用する2つの電極を選択するための第1のスイッチ信号と、体動ノイズ低減に使用する2つの電極を選択するための第2のスイッチ信号と、をスイッチ回路316に与える。スイッチ回路316の第1及び第2の出力端子は、減算回路314に接続されており、減算回路314は、第1のスイッチ信号により指定された2つの電極間の電位差を表す第1の電位差信号を減算回路318へ出力する。スイッチ回路316の第3及び第4の出力端子は、減算回路317に接続されており、減算回路317は、第2のスイッチ信号により指定された2つの電極間の電位差を表す第2の電位差信号を減算回路318へ出力する。減算回路318は、第1の電位差信号から第2の電位差信号を減算することで第3の電位差信号を生成し、第3の電位差信号をAFE135へ出力する。第1の電位差信号及び第2の電位差信号それぞれには同程度の体動ノイズが載っているので、体動ノイズを除去又は低減することができる。
【0101】
上述した実施形態では、脈波センサは、動脈の容積変化に伴うインピーダンスの変化を検出するインピーダンス法を採用している。なお、脈波センサは、光電法、圧電法又は電波法などの他の測定法を採用してもよい。光電法を採用する実施形態では、脈波センサは、被測定部位を通る動脈に向けて光を照射する発光素子と、その光の反射光又は透過光を検出する光検出器と、を備え、動脈の容積変化に伴う光強度の変化を検出する。圧電法を採用する実施形態では、脈波センサは、被測定部位に接するようにベルトに設けられた圧電素子を備え、動脈の容積変化に伴う圧力の変化を検出する。電波法を採用する実施形態では、被測定部位を通る動脈に向けて電波を送信する送信素子と、その電波の反射波を受信する受信素子と、を備え、動脈の容積変化に伴う送信波と反射波との間の位相ずれを検出する。
【0102】
血圧測定装置10は、電極312と上腕との接触状態を調整するための押圧カフと、この押圧カフに空気を供給するポンプと、このポンプを駆動するポンプ駆動回路、この押圧カフ内の圧力を検出する圧力センサと、をさらに備えていてもよい。この押圧カフは、ベルト21の中枢側端部218Aに設けられる。この場合、押圧カフ401は、例えば、ベルト21の中間部218Bに設けられる。
【0103】
血圧測定装置10は、脈波センサ321のセンサ部322と上腕との接触状態を調整するための押圧カフと、この押圧カフに空気を供給するポンプと、このポンプを駆動するポンプ駆動回路、この押圧カフ内の圧力を検出する圧力センサと、をさらに備えていてもよい。この押圧カフは、ベルト21の末梢側端部218Cに設けられる。この場合、押圧カフ401は、例えば、ベルト21の中間部218Bに設けられる。
【0104】
脈波伝播時間の測定に関与する部分が単独の装置として実現されてもよい。一実施形態では、ベルト部20、心電図取得部31、脈波信号取得部32、及び脈波伝播時間算出部33を備える脈波伝播時間測定装置が提供される。この脈波伝播時間測定装置は、判定部50及び指示部60をさらに備えてよい。脈波伝播時間測定装置は、電極312と脈波センサ321とを上腕に押し付けるために、押圧カフ、ポンプ、及びポンプ駆動回路をさらに備えていてもよい。
【0105】
血圧測定装置10は、第2の血圧測定部40を備えていなくてもよい。血圧測定装置10が第2の血圧測定部40を備えない実施形態では、血圧算出式の較正を行うために、他の血圧計で測定することで得られた血圧値を血圧測定装置10に入力する必要がある。
【0106】
被測定部位は、上腕に限らず、手首、大腿、足首などの他の部位であってもよい。
【0107】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0108】
10…血圧測定装置、
20…ベルト部、21…ベルト、22…本体、
30…第1の血圧測定部、31…心電図取得部、32…脈波信号取得部、
33…脈波伝播時間算出部、34…血圧値算出部、
40…第2の血圧測定部、50…判定部、60…指示部、
210A…内布、210B…外布、213…ループ面、214…フック面、
221…操作部、222…表示部、
311…電極群、312…電極、313…スイッチ回路、314…減算回路、
315…アナログフロントエンド、321…脈波センサ、322…センサ部、
323A~323D…電極、324…通電及び電圧検出回路、
401…押圧カフ、402…圧力センサ、403…ポンプ、404…弁、
405…発振回路、406…ポンプ駆動回路、407,408…配管、
501…制御部、502…CPU、503…RAM、504…ROM、
505…記憶部、506…電池、507…通信部、
601…心電図測定制御部、602…心電図記憶部、603…脈波測定制御部、
604…脈波信号記憶部、605…脈波伝播時間算出部、606…血圧値算出部、
607…血圧値記憶部、608…判定部、609…指示部、610…血圧測定制御部、
611…血圧値記憶部、612…表示制御部、613…指示入力部、614…較正部。