(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/40 20180101AFI20220215BHJP
F21S 43/31 20180101ALI20220215BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20220215BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20220215BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20220215BHJP
F21W 103/15 20180101ALN20220215BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20220215BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20220215BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20220215BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220215BHJP
【FI】
F21S43/40
F21S43/31
F21S43/20
F21S43/14
F21W103:00
F21W103:15
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:55
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018080739
(22)【出願日】2018-04-19
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】延 一樹
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-249104(JP,A)
【文献】特開2013-171813(JP,A)
【文献】特開2011-9112(JP,A)
【文献】特開2007-48470(JP,A)
【文献】特開平5-89703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/40
F21S 43/31
F21S 43/20
F21S 43/14
F21W 103/00
F21W 103/15
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/55
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光を車両の側方側に向けて反射するリフレクタと、
前記リフレクタにより反射された光を車両の側方側に向けて出射するインナーレンズとを備え、
前記リフレクタは、その前後方向において複数の反射カットが周期的に並ぶ反射面を有し、
前記インナーレンズは、前記リフレクタと対向する面から前記反射面に対向して突出されたレンズ面を有し、
前記レンズ面は、その上下方向において凸状に湾曲しながら、その前後方向に延長された形状を有し、
なお且つ、前記レンズ面の基端側から先端側に向かって、前記レンズ面の上下方向における曲率半径が漸次大きくなっていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記レンズ面の上下方向における曲率半径は、当該レンズ面から入射した光を上下方向に集光した後に、上下方向に拡散させるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記レンズ面の基端側から先端側に向かって、前記レンズ面により上下方向に拡散される光の拡散度合いが漸次小さくなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記インナーレンズは、その上下方向において前記リフレクタと対向する側とは反対側に向かって凸状に湾曲して設けられ、
前記レンズ面は、前記インナーレンズの上端と下端との間に位置して設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記反射面は、その上下方向において前記インナーレンズと対向する側に向かって凸状に湾曲して設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記反射面の上下方向における曲率半径は、当該反射面に入射した光を上下方向において平行化しながら反射するように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記インナーレンズから出射された光を車両の側方側に向けて出射するアウターレンズを備え、
前記レンズ面により集光される光の集光点が、前記アウターレンズの前記インナーレンズと対向する側とは反対側の面よりも前記インナーレンズ側に位置することを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記アウターレンズは、その上下方向において前記インナーレンズと対向する側とは反対側に向かって凸状に湾曲して設けられていることを特徴とする請求項7に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の前方又は後方に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード(LED)などの光源と、光源から出射された光を車両の側方側に向けて反射するリフレクタとを備えたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
このような車両用灯具では、デザインの多様化によって、様々な形態のものが開発されている。例えば、昼間点灯ランプ(DRL:Daytime Running Lamps)(以下、DRLという。)や方向指示器(ターンランプ)、車幅灯(ポジションランプ)などでは、車両の側方側に向けて線状に発光させるデザインが増加している。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、複数のLED光源と、これら各LED光源からの光を平行光にする複数のレンズと、これら各レンズからの平行光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタと、このリフレクタの灯具前方側に設けられた透光カバーと、を備えてなる車両用灯具において、上記各レンズが、上記平行光の向きを揃えるように配置されており、上記リフレクタが、上記各レンズからの平行光が入射する領域毎に小リフレクタとして分割されており、上記各小リフレクタが、灯具前後方向と直交する方向に関して、上記リフレクタの一端部から他端部へ向けて灯具後方側へ徐々に変位するよう階段状に配置されている車両用灯具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した従来の車両用灯具のように、車両の側方側に向けて光を出射する場合、均一に発光させる場合がほとんどである。一方、車両の側方側に向けて出射される光によって、線状(ライン状)に発光する光の流れ(流線形の発光)を演出する場合、均一に発光させるだけでは見栄えのよいインパクトのある演出は期待できない。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、車両の側方側に向けて出射される光によって、光の流れを演出することができ、なお且つ、見栄えの良い発光を可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 光源と、
前記光源から出射された光を車両の側方側に向けて反射するリフレクタと、
前記リフレクタにより反射された光を車両の側方側に向けて出射するインナーレンズとを備え、
前記リフレクタは、その前後方向において複数の反射カットが周期的に並ぶ反射面を有し、
前記インナーレンズは、前記リフレクタと対向する面から前記反射面に対向して突出されたレンズ面を有し、
前記レンズ面は、その上下方向において凸状に湾曲しながら、その前後方向に延長された形状を有し、
なお且つ、前記レンズ面の基端側から先端側に向かって、前記レンズ面の上下方向における曲率半径が漸次大きくなっていることを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記レンズ面の上下方向における曲率半径は、当該レンズ面から入射した光を上下方向に集光した後に、上下方向に拡散させるように設定されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記レンズ面の基端側から先端側に向かって、前記レンズ面により上下方向に拡散される光の拡散度合いが漸次小さくなっていることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記インナーレンズは、その上下方向において前記リフレクタと対向する側とは反対側に向かって凸状に湾曲して設けられ、
前記レンズ面は、前記インナーレンズの上端と下端との間に位置して設けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記反射面は、その上下方向において前記インナーレンズと対向する側に向かって凸状に湾曲して設けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記反射面の上下方向における曲率半径は、当該反射面に入射した光を上下方向において平行化しながら反射するように設定されていることを特徴とする前記〔5〕に記載の車両用灯具。
〔7〕 前記インナーレンズから出射された光を車両の側方側に向けて出射するアウターレンズを備え、
前記レンズ面により集光される光の集光点が、前記アウターレンズの前記インナーレンズと対向する側とは反対側の面よりも前記インナーレンズ側に位置することを特徴とする前記〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔8〕 前記アウターレンズは、その上下方向において前記インナーレンズと対向する側とは反対側に向かって凸状に湾曲して設けられていることを特徴とする前記〔7〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、車両の側方側に向けて出射される光によって、光の流れを演出することができ、なお且つ、見栄えの良い発光を可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す車両用灯具の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】
図1に示す車両用灯具の構成を示す水平断面図である。
【
図4】
図1に示す車両用灯具の構成を示す鉛直断面図である。
【
図5】
図1に示す車両用灯具が備えるリフレクタの構成を示し、(A)はその正面図、(B)はその要部を拡大した断面図である。
【
図6】
図1に示す車両用灯具が備えるインナーレンズの構成を示す平面図である。
【
図7】
図6に示すインナーレンズの構成を示し、(A)はその基端側のA-A断面図、(B)はその先端側のB-B断面図である。
【
図8】
図1に示す車両用灯具の発光状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0012】
本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図8に示す車両用灯具1について説明する。
なお、
図1は、車両用灯具1の構成を示す斜視図である。
図2は、車両用灯具1の構成を示す分解斜視図である。
図3は、車両用灯具1の構成を示す水平断面図である。
図4は、車両用灯具1の構成を示す鉛直断面図である。
図5は、車両用灯具1が備える第2のリフレクタ4の構成を示し、(A)はその正面図、(B)はその要部を拡大した断面図である。
図6は、車両用灯具1が備えるインナーレンズ5の構成を示す平面図である。
図7は、インナーレンズ5の構成を示し、(A)はその基端側のA-A断面図、(B)はその先端側のB-B断面図である。
図8は、車両用灯具1の発光状態を示す写真である。
【0013】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0014】
本実施形態の車両用灯具1は、例えば、車両(図示せず。)の後端側の両コーナー部(本実施形態では右後端側のコーナー部)に搭載されるリアコンビネーションランプに本発明を適用したものである。
【0015】
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具1を正面(車両後方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。したがって、車両を正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向とは、前後左右を逆にした方向となっている。
【0016】
本実施形態の車両用灯具1は、
図1に示すように、車両後方に向かって赤色発光するテールランプ(TLL)兼ブレーキランプ(BRL)と、車両後方に向かって橙色発光で点滅するターンランプ(TRL)と、車両側方に向かって赤色発光するテールランプ(TLL)とが、この車両用灯具1を構成する灯体(図示せず。)の内側に配置された構造を有している。
【0017】
本実施形態の車両用灯具1は、車両側方に向かって赤色発光するテールランプ(TLL)において、線状(ライン状)に発光する光の流れ(流線形の発光)を演出することを特徴としている。したがって、本実施形態の車両用灯具1では、この車両側方に向かって赤色発光するテールランプ(TLL)の構成について、
図2~
図7を参照しながら詳細に説明するものとする。
【0018】
本実施形態の車両用灯具1は、
図2、
図3及び
図4に示すように、光源2と、光源2から出射された光Lを車両の前方側に向けて反射する第1のリフレクタ3と、第1のリフレクタ3により反射された光(光源2から出射された光L)を車両の側方側に向けて反射する第2のリフレクタ4と、第2のリフレクタ4により反射された光Lを車両の側方側に向けて出射するインナーレンズ5と、インナーレンズ5から出射された光Lを車両の側方側に向けて出射するアウターレンズ6とを備えている。
【0019】
光源2は、赤色光(光L)を発するLEDチップなどを内包するLEDパッケージ7を有している。また、LEDパッケージ7には、車両照明用の高出力タイプのものが使用されている。光源2は、LEDパッケージ7を駆動する駆動回路が設けられた回路基板8の面上にLEDパッケージ7が実装された構造を有して、光Lを車両の側方側に向けて放射状に出射する。
【0020】
なお、光源2では、LEDパッケージ7が実装された基板(実装基板)と、LEDパッケージ7を駆動する駆動回路が設けられた基板(回路基板)とを別々に配置し、これら実装基板と回路基板とをハーネスと呼ばれる配線コードを介して電気的に接続し、LEDパッケージ7が発する熱から駆動回路を保護する構成としてもよい。
【0021】
第1のリフレクタ3は、LEDパッケージ7(発光点)を焦点とする放物線を描くように凹状に湾曲した第1の反射面3aを有している。これにより、第1のリフレクタ3は、光源2(LEDパッケージ7)から出射された光Lを第1の反射面3aにより車両の前方側に向けて平行化しながら反射する。
【0022】
第2のリフレクタ4は、
図2~
図4及び
図5(A),(B)に示すように、その上下方向においてインナーレンズ5と対向する側(外側)に向かって凸状に湾曲しながら、その前後方向に延長された曲板形状を有している。また、第2のリフレクタ4は、その前後方向において複数の反射カット9が周期的に並ぶ第2の反射面4aを有している。第2の反射面4aは、第2のリフレクタ4の上端と下端との間に位置して、平面視で矩形状に形成された凹部4bの内側に設けられている。
【0023】
第2の反射面4aは、その上下方向においてインナーレンズ5と対向する側(内側)に向かって凸状に湾曲しながら、前後方向に延長して設けられている。また、第2の反射面4aは、その前後方向においてインナーレンズ5と対向する側に向かって傾斜して設けられている。さらに、第2の反射面4aの上下方向における曲率半径は、この第2の反射面4aに入射した光Lを上下方向において平行化しながら反射するように設定されている。
【0024】
複数の反射カット9は、第2の反射面4aにおいて、上下方向に切り欠く溝部が前後方向に周期的に並ぶことによって構成されている。溝部は、その幅方向において凹状に湾曲した曲面形状を有している。これにより、複数の反射カット9は、この溝部に入射した光Lを前後方向において拡散しながら車両の側方側に向けて反射する。
【0025】
インナーレンズ5は、
図2~
図4、
図6及び
図7(A),(B)に示すように、その上下方向において第2のリフレクタ4と対向する側とは反対側(外側)に向かって凸状に湾曲しながら、その前後方向に延長された曲板形状を有している。なお、インナーレンズ5には、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなど、空気よりも屈折率の高い材質のものを用いることができる。また、インナーレンズ5には、無色透明(クリア)なものを用いている。
【0026】
インナーレンズ5は、第2のリフレクタ4と対向する面(内面)から第2の反射面4aに対向して突出されたレンズ面5aを有している。すなわち、このレンズ面5aは、インナーレンズ5の上端と下端との間に位置して、平面視で凹部4bと重なるように矩形状に設けられている。
【0027】
レンズ面5aは、その上下方向において凸状に湾曲しながら、その前後方向に延長されたシリンドリカル形状を有している。また、レンズ面5aの上下方向における曲率半径は、このレンズ面5aから入射した光Lを上下方向に集光した後に、上下方向に拡散させるように設定されている。すなわち、このレンズ面5aにより集光される光Lの集光点Fは、アウターレンズ6のインナーレンズ5と対向する側とは反対側の面(外面)よりもインナーレンズ5側(内側)に位置している。
【0028】
また、レンズ面5aの上下方向における曲率半径は、このレンズ面5aの基端側から先端側に向かって漸次大きくなっている。これにより、レンズ面5aの基端側から先端側に向かって、このレンズ面5aにより上下方向に拡散される光Lの拡散度合いが漸次小さくなっている。
【0029】
インナーレンズ5の第2のリフレクタ4と対向する面(内面)には、シボ加工が施されている。これにより、インナーレンズ5の内面に入射する光Lを弱く散乱させている。一方、インナーレンズ5のアウターレンズ6と対向する面(外面)には、複数の凸部5bが突出して設けられている。複数の凸部5bは、インナーレンズ5の前後方向に線状に延長された形状を有し、インナーレンズ5の上下方向に一定の間隔で並ぶことによって構成されている。
【0030】
アウターレンズ6は、
図1及び
図2に示すように、その上下方向においてインナーレンズ5と対向する側とは反対側(外側)に向かって凸状に湾曲しながら、その前後方向に延長された形状を有している。また、アウターレンズ6は、その前後方向においてインナーレンズ5と対向する側に向かって傾斜して設けられている。なお、アウターレンズ6には、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなど、空気よりも屈折率の高い材質のものを用いることができる。また、アウターレンズ6には、無色透明(クリア)なものを用いている。
【0031】
アウターレンズ6のインナーレンズ5と対向する側とは反対側の面(外面)には、複数の溝部6aが設けられている。複数の溝部6aは、アウターレンズ6の前後方向に線状に延長して設けられると共に、アウターレンズ6の上下方向に一定の間隔で並ぶことによって構成されている。なお、インナーレンズ5側の凸部5b及びアウターレンズ6側の溝部6aは、線状(ライン状)に発光する光Lの流れ(流線形の発光)を演出するための加飾部として設けられたものである。一方、アウターレンズ6のインナーレンズ5と対向する面(内面)は、平滑な曲面により構成されている。
【0032】
以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具1では、車両側方に向かって赤色発光するテールランプ(TLL)として、車両の側方に向けて出射される光Lによって、線状(ライン状)に発光する光Lの流れ(流線形の発光)を演出することが可能である。
【0033】
具体的に、本実施形態の車両用灯具1では、
図8に示すように、上述したレンズ面5aから入射した光Lを上下方向に集光した後に、上下方向に拡散させることによって、このレンズ面5a(第2の反射面4a)に対応した中央部分の発光を相対的に強くし、この中央部分を挟んだ上方側及び下方側の発光を相対的に弱くすることができる。
【0034】
また、本実施形態の車両用灯具1では、上述したレンズ面5aの基端側から先端側に向かって、このレンズ面5aにより上下方向に拡散される光Lの拡散度合いが漸次小さくなることによって、このレンズ面5a(第2の反射面4a)に対応した部分の先端側の発光を相対的に強くし、基端側の発光を相対的に弱くすることができる。
【0035】
これにより、本実施形態の車両用灯具1では、線状(ライン状)に発光する光Lの流れ(流線形の発光)をより強調することが可能である。また、本実施形態の車両用灯具1では、この車両用灯具1を見る角度に依存することなく、線状(ライン状)に発光する光Lの流れ(流線形の発光)を演出することが可能である。
【0036】
また、本実施形態の車両用灯具1では、上述したアウターレンズ6及びインナーレンズ5に無色透明(クリア)なものを用いることで、その内側にある第2のリフレクタ4が赤色発光するような光源像を得ることが可能である。これにより、線状(ライン状)に発光する光Lの流れ(流線形の発光)に対して、奥行き感を演出することが可能である。さらに、この車両用灯具1では、前後方向においてインナーレンズ5と対向する側に向かってアウターレンズ6が傾斜することで、この奥行き感をより強調することが可能である。
【0037】
以上のように、本実施形態の車両用灯具1では、車両の側方側に向けて出射される光Lによって、線状(ライン状)に発光する光Lの流れを演出することができ、なお且つ、見栄えの良い発光を得ることが可能である。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、上述したリアコンビネーションランプに本発明を適用した場合を例示したが、リアコンビネーションランプを構成する場合、上述した構成の他にも、例えば、エクステンションやブラケットなどの他の部材と組み合わせることが可能である。
【0039】
また、上記実施形態では、リアコンビネーションランプに本発明を適用した場合を例示したが、本発明が適用される車両用灯具については、上述したリア側の車両用灯具に限らず、例えば車両用前照灯(ヘッドランプ)などのフロント側の車両用灯具に本発明を適用することも可能である。
【0040】
具体的に、本発明が適用される車両用灯具については、上述したテールランプ(TLL)に限らず、例えば、昼間点灯ランプ(DRL)や方向指示器(ターンランプ)、車幅灯(ポジションランプ)など、車両の側方に向けて出射される光によって、線状(ライン状)に発光する光の流れ(流線形の発光)を演出する車両用灯具に対して本発明を好適に用いることが可能である。
【0041】
また、上記光源2については、光Lを放射状に出射するものであればよく、上述したLEDパッケージ7以外にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。さらに、光源2の数については、1つ限らず、複数であってもよい。また、光源2が発する光の色については、上述した赤色光に限らず、白色光や橙色光など、その用途に応じて適宜変更することも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1…車両用灯具 2…光源 3…第1のリフレクタ 3a…第1の反射面 4…第2のリフレクタ 4a…第2の反射面 4b…凹部 5…インナーレンズ 5a…レンズ面 5b…凸部 6…アウターレンズ 6a…溝部 7…LEDパッケージ 8…回路基板 9…反射カット TLL…テールランプ BRL…ブレーキランプ TRL…ターンランプ