(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】真空包装機及び真空包装方法
(51)【国際特許分類】
B65B 31/02 20060101AFI20220215BHJP
【FI】
B65B31/02 F
(21)【出願番号】P 2018121256
(22)【出願日】2018-06-26
【審査請求日】2020-10-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】井上 善照
(72)【発明者】
【氏名】本田 康之
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-096829(JP,A)
【文献】特開2001-072004(JP,A)
【文献】特開2004-067177(JP,A)
【文献】実開昭60-190724(JP,U)
【文献】特開平04-279420(JP,A)
【文献】特開2012-192945(JP,A)
【文献】米国特許第06499274(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 31/02
B65B 43/50
B65G 47/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に内容物が入れられた袋を、包装回転軸線を中心に回転移動させつつ、当該袋に対し、真空状態のチャンバー内でインパルスシール方式の第1シール処理を行う第1シール装置を具備する包装デバイスと、
前記第1シール処理が行われた前記袋を受け渡し位置で受け取って、当該袋を少なくともシール位置、冷却位置及び解放位置に順次移送する移送機構と、
前記シール位置において前記袋のうちのシール予定箇所に対し熱板シール方式の第2シール処理を行う第2シール装置と、
前記冷却位置において前記袋を冷却する冷却処理を行う冷却装置と、
前記解放位置において前記移送機構から解放された前記冷却処理後の前記袋を受け取る放出部と、を備え、
前記移送機構は、前記受け渡し位置から前記解放位置まで、前記袋を、当該袋の面に沿う方向へ直線的に移送する真空包装機。
【請求項2】
前記移送機構は、前記袋を保持可能な複数の移送保持部と、前記複数の移送保持部を一体的に移動させる移動体であって、前記受け渡し位置から前記解放位置に向かう方向と平行な第1方向と、前記第1方向と非平行な第2方向との各々の方向に関して往復動する移動体と、を有し、
前記移動体は、前記第1方向と、前記第2方向とに、前記複数の移送保持部を移動させる請求項1に記載の真空包装機。
【請求項3】
前記受け渡し位置、前記シール位置、前記冷却位置及び前記解放位置を含む複数の停止位置が、前記第1方向と平行に且つ互いに等間隔に設けられており、
前記複数の移送保持部の数は、前記複数の停止位置の数よりも1つ少なく、
上流側配置状態に置かれた前記複数の移送保持部は、前記複数の停止位置のうちの最下流の停止位置以外のそれぞれに配置され、下流側配置状態に置かれた前記複数の移送保持部は、前記複数の停止位置のうちの前記受け渡し位置以外のそれぞれに配置され、
前記移動体は、
前記上流側配置状態に置かれた前記複数の移送保持部を前記第1方向へ移動させて、前記複数の移送保持部を前記下流側配置状態に置き、
前記下流側配置状態に置かれた前記複数の移送保持部を前記第2方向及び前記第1方向に移動させて、前記複数の移送保持部を前記上流側配置状態に置く請求項2に記載の真空包装機。
【請求項4】
前記複数の停止位置のうち、少なくとも前記受け渡し位置及び前記最下流の停止位置以外の停止位置のそれぞれには、前記袋を保持することが可能な複数の中継保持部が設けられており、
前記複数の中継保持部の各々は、前記下流側配置状態に置かれた前記複数の移送保持部のうちの対応の移送保持部から前記袋を受け取って保持し、
前記移動体は、前記下流側配置状態に置かれた前記複数の移送保持部から前記袋が解放された後に、前記複数の移送保持部を前記上流側配置状態に置き、
前記複数の中継保持部の各々は、前記上流側配置状態に置かれた前記複数の移送保持部のうちの対応の移送保持部に前記袋を渡す請求項3に記載の真空包装機。
【請求項5】
前記第2シール装置は、前記袋のうちの前記シール予定箇所を挟み込む熱板ユニットを有し、
前記熱板ユニットは、前記シール位置に対応する前記停止位置に設けられた前記中継保持部としても働く請求項4に記載の真空包装機。
【請求項6】
前記第1シール処理が行われた前記袋を前記包装デバイスから受け取るとともに、当該袋を前記移送機構に渡す受渡装置を更に備え、
前記受渡装置は、
回転可能に設けられる回転体と、
前記回転体に取り付けられる複数の受渡保持部であって、前記回転体の回転状態に応じて、前記包装デバイスから前記袋を受け取り可能な位置と、前記移送機構に前記袋を渡すことが可能な位置とに配置される複数の受渡保持部と、を有する請求項1~5のいずれか一項に記載の真空包装機。
【請求項7】
前記包装デバイスは、充填回転軸線を中心に前記袋を回転移動させつつ、当該袋の内側に前記内容物を入れる充填装置を更に有し、
前記移送機構は、前記充填回転軸線と前記包装回転軸線とを結ぶ直線に対し
て平行に、前記袋を前記受け渡し位置から前記解放位置まで移送する請求項1~6のいずれか一項に記載の真空包装機。
【請求項8】
前記第2シール処理が行われた後に、前記袋のうちの前記シール予定箇所を少なくとも部分的に含む検査範囲の状態を検出する状態検出装置を更に備える請求項1~7のいずれか一項に記載の真空包装機。
【請求項9】
前記放出部によって受け取られた後の前記袋を、前記検査範囲の状態の検出結果に応じて分類する分類装置を更に備える請求項8に記載の真空包装機。
【請求項10】
内側に内容物が入れられた袋を、包装回転軸線を中心に回転移動させつつ、当該袋に対し、真空状態のチャンバー内でインパルスシール方式の第1シール処理を行う工程と、
前記第1シール処理が行われた前記袋を前記チャンバー内から取り出して、受け渡し位置に配置された移送機構に受け渡す工程と、
前記移送機構によって前記袋を前記受け渡し位置からシール位置に搬送する工程と、
前記シール位置において前記袋のうちのシール予定箇所に対し熱板シール方式の第2シール処理を行う工程と、
冷却位置において前記袋を冷却する冷却処理を行う工程と、
前記冷却処理後の前記袋を解放位置において前記移送機構から解放する工程と、を備え、
前記移送機構は、前記受け渡し位置から前記解放位置まで、前記袋を、当該袋の面に沿う方向へ直線的に移送する真空包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空包装機及び真空包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3は真空包装機を開示する。真空包装機は、一般に、内容物を収容する袋の脱気処理及びシール処理を行い、真空状態の内側に内容物が配置され且つ密封された包装袋を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-67177号公報
【文献】特公平5-58988号公報
【文献】特開平9-48409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
真空包装機では、袋の所望範囲の全体が一度のシール処理によってシールされてもよいし、複数のシール処理を経て袋の所望範囲の全体がシールされてもよい。例えば、真空環境下で袋の口部をシールする第1シール処理(「仮シール処理」とも称される)を行い、その後、大気圧下で袋の口部をシールする第2シール処理(「本シール処理」とも称される)を行うことができる。この場合、第1シール処理によって、袋の内側を真空状態に維持しつつ袋の外側から内側への外気の侵入を防ぐためのシールを袋に付与する。また第2シール処理によって、シールの信頼性を向上させるとともにシール箇所を所望形状に整えることが可能である。したがって上述の第1シール処理は、袋の内側を真空状態に維持するのに必要十分な範囲で行うことができ、通常は袋の比較的狭い範囲に対して行われる。一方、第2シール処理は、通常は袋の比較的広い範囲に対して行われる。
【0005】
これらの第1シール処理及び第2シール処理では様々なシール方式を使用可能であるが、それぞれの処理に求められるシール性能を実現するために、互いに異なるシール方式が第1シール処理及び第2シール処理において採用されることがある。例えば第1シール処理では、袋の狭い範囲を迅速にシールすることが可能なインパルスシール方式や超音波シール方式が好適に採用される。一方、第2シール処理では、袋の広範囲を確実且つ素早くシールすることが可能な熱板シール方式が好適に採用される。
【0006】
インパルスシール方式は、シール装置が安価であり、真空包装機に対して比較的簡単に導入することが可能である。しかしながら、振動や脱気処理中の内容物(特に液状物)の沸騰により内容物の一部が袋の内側のシール箇所に付着している場合、インパルスシール方式のシール処理では、そのような付着物をシール箇所から取り除くことができず、シール箇所を必ずしも適切にはシールすることができないことがある。一方、超音波シール方式のシール処理では、超音波によってそのような付着物をシール箇所から取り除きつつシール箇所をシールすることができる。ただし、超音波シール方式のシール装置は、一般にインパルスシール方式のシール装置よりも高価である。したがって真空包装機を安価に構成することが求められている場合には、超音波シール方式のシール装置よりも、インパルスシール方式のシール装置の方が好ましい。
【0007】
一方、熱板シール方式のシール処理は、長時間にわたって高温に維持された比較的大型の熱板が使用されるため、信頼性の高いシールを袋に付与できるが、設置可能な場所が限られており、例えば真空チャンバー内において熱板シール方式のシール装置を設置することは難しい。したがって、袋の真空密閉性と確実なシール処理とを低コストで両立させる観点からは、インパルスシール方式のシール装置を使って第1シール処理を行い、その後、熱板シール方式のシール装置を使って第2シール処理を行うことが好ましい。
【0008】
ところで、真空包装処理に必要な一連の処理を高速且つ連続的に行うために、ロータリ方式の装置が用いられることがある。ロータリ方式では、回転テーブルによって袋が回転搬送され、当該袋は、搬送軌道上に設けられる複数のステーションにおいて処理を受ける。このようなロータリ方式において、搬送軌道上に設けられるステーションの数が増えるほど、袋は様々な処理を受けることができるが、回転テーブルの径を大きくする必要があり、より大きな設置スペースを確保する必要がある。特に、上述の第1シール処理及び第2シール処理に加えて、袋に対してシールが適切に付与されているか否かを判定するための処理(「シール判定処理」とも称される)を、回転テーブルによって袋が搬送されている間に行う場合には、回転テーブルの径を更に大きくする必要がある。
【0009】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、処理に必要なスペースの拡大を抑えつつ、第1シール処理及び第2シール処理を適切に行うことができる装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、内側に内容物が入れられた袋を、包装回転軸線を中心に回転移動させつつ、当該袋に対し、真空状態のチャンバー内でインパルスシール方式の第1シール処理を行う第1シール装置を具備する包装デバイスと、第1シール処理が行われた袋を受け渡し位置で受け取って、当該袋を少なくともシール位置、冷却位置及び解放位置に順次移送する移送機構と、シール位置において袋のうちのシール予定箇所に対し熱板シール方式の第2シール処理を行う第2シール装置と、冷却位置において袋を冷却する冷却処理を行う冷却装置と、解放位置において移送機構から解放された冷却処理後の袋を受け取る放出部と、を備え、移送機構は、受け渡し位置から解放位置まで、袋を、当該袋の面に沿う方向へ直線的に移送する真空包装機に関する。
【0011】
移送機構は、袋を保持可能な複数の移送保持部と、複数の移送保持部を一体的に移動させる移動体であって、受け渡し位置から解放位置に向かう方向と平行な第1方向と、第1方向と非平行な第2方向との各々の方向に関して往復動する移動体と、を有し、移動体は、第1方向と、第2方向とに、複数の移送保持部を移動させてもよい。
【0012】
受け渡し位置、シール位置、冷却位置及び解放位置を含む複数の停止位置が、第1方向と平行に且つ互いに等間隔に設けられており、複数の移送保持部の数は、複数の停止位置の数よりも1つ少なく、上流側配置状態に置かれた複数の移送保持部は、複数の停止位置のうちの最下流の停止位置以外のそれぞれに配置され、下流側配置状態に置かれた複数の移送保持部は、複数の停止位置のうちの受け渡し位置以外のそれぞれに配置され、移動体は、上流側配置状態に置かれた複数の移送保持部を第1方向へ移動させて、複数の移送保持部を下流側配置状態に置き、下流側配置状態に置かれた複数の移送保持部を第2方向及び第1方向に移動させて、複数の移送保持部を上流側配置状態に置いてもよい。
【0013】
複数の停止位置のうち、少なくとも受け渡し位置及び最下流の停止位置以外の停止位置のそれぞれには、袋を保持することが可能な複数の中継保持部が設けられており、複数の中継保持部の各々は、下流側配置状態に置かれた複数の移送保持部のうちの対応の移送保持部から袋を受け取って保持し、移動体は、下流側配置状態に置かれた複数の移送保持部から袋が解放された後に、複数の移送保持部を上流側配置状態に置き、複数の中継保持部の各々は、上流側配置状態に置かれた複数の移送保持部のうちの対応の移送保持部に袋を渡してもよい。
【0014】
第2シール装置は、袋のうちのシール予定箇所を挟み込む熱板ユニットを有し、熱板ユニットは、シール位置に対応する停止位置に設けられた中継保持部としても働いてもよい。
【0015】
真空包装機は、第1シール処理が行われた袋を包装デバイスから受け取るとともに、当該袋を移送機構に渡す受渡装置を更に備え、受渡装置は、回転可能に設けられる回転体と、回転体に取り付けられる複数の受渡保持部であって、回転体の回転状態に応じて、包装デバイスから袋を受け取り可能な位置と、移送機構に袋を渡すことが可能な位置とに配置される複数の受渡保持部と、を有してもよい。
【0016】
包装デバイスは、充填回転軸線を中心に袋を回転移動させつつ、当該袋の内側に内容物を入れる充填装置を更に有し、移送機構は、充填回転軸線と包装回転軸線とを結ぶ直線に対して実質的に平行に、袋を受け渡し位置から解放位置まで移送してもよい。
【0017】
真空包装機は、第2シール処理が行われた後に、袋のうちのシール予定箇所を少なくとも部分的に含む検査範囲の状態を検出する状態検出装置を更に備えてもよい。
【0018】
真空包装機は、放出部によって受け取られた後の袋を、検査範囲の状態の検出結果に応じて分類する分類装置を更に備えてもよい。
【0019】
本発明の他の態様は、内側に内容物が入れられた袋を、包装回転軸線を中心に回転移動させつつ、当該袋に対し、真空状態のチャンバー内でインパルスシール方式の第1シール処理を行う工程と、第1シール処理が行われた袋をチャンバー内から取り出して、受け渡し位置に配置された移送機構に受け渡す工程と、移送機構によって袋を受け渡し位置からシール位置に搬送する工程と、シール位置において袋のうちのシール予定箇所に対し熱板シール方式の第2シール処理を行う工程と、冷却位置において袋を冷却する冷却処理を行う工程と、冷却処理後の袋を解放位置において移送機構から解放する工程と、を備え、移送機構は、受け渡し位置から解放位置まで、袋を、当該袋の面に沿う方向へ直線的に移送する真空包装方法に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、処理に必要なスペースの拡大を抑えつつ、第1シール処理及び第2シール処理を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、真空包装機の全体の概略を示す平面図である。
【
図2】
図2は、シール整形部の構成を示す平面図である。
【
図3】
図3は、受渡装置の構成を示す側方図である。
【
図5】
図5は、移動体の移動軌道を説明するための図である。
【
図6A】
図6Aは、中継保持部及びグリッパーの配置例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、中継保持部及びグリッパーの配置例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1停止位置から第5停止位置への袋の移送の流れを説明するためのシール整形部の平面図である。
【
図8】
図8は、第1停止位置から第5停止位置への袋の移送の流れを説明するためのシール整形部の平面図である。
【
図9】
図9は、第1停止位置から第5停止位置への袋の移送の流れを説明するためのシール整形部の平面図である。
【
図10】
図10は、第1停止位置から第5停止位置への袋の移送の流れを説明するためのシール整形部の平面図である。
【
図11】
図11は、第1停止位置から第5停止位置への袋の移送の流れを説明するためのシール整形部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る真空包装機及び真空包装方法について説明する。なお便宜上、本件明細書に添付する図面に示されている要素には、実物とは異なるサイズや形状で図示されている要素が含まれうる。また、一部要素の図示が省略されている図面もある。
【0023】
なお本発明における、インパルスシール方式のシール処理と、熱板シール方式のシール処理とは、例えば以下のように区別される。インパルスシール方式のシール処理では、袋にシールを付与するシールデバイスが、シール処理を行わない間は袋にシールを付与できない程度の低温であり、シール処理を行う間には袋にシールを付与できる程度の高温に昇温される。一方、熱板シール方式のシール処理で使用されるシールデバイスは、基本的にシール処理を行う間だけでなくシール処理を行わない間も、袋にシールを付与できる程度の高温に保たれており、シールデバイスに袋を近づけることによって(例えば接触させることによって)袋にシールが付与される。ただし、これらのシール処理を実現するシールデバイスの具体的な構成や昇温方式は限定されない。
【0024】
図1は、真空包装機10の全体の概略を示す平面図である。
【0025】
図1に示す真空包装機10は、貯留部11、内容物充填部12、真空処理部13、シール整形部14及び放出部15を備える。
【0026】
貯留部11は、内容物充填部12に供給される袋5を貯留する。図示の貯留部11はマガジン20を具備し、複数の袋5が重ねられた状態でマガジン20に貯留されている。マガジン20に貯留されている各袋5は、層形状を有するいわゆる平袋の形態をとり、その表面側側壁部と裏面側側壁部とが互いに密着している。
【0027】
内容物充填部12は、貯留部11から受け取った袋5を、充填回転軸線A1を中心に回転移動させつつ、当該袋5の内側に内容物を入れる充填装置として機能する。内容物が収容された袋5は、内容物充填部12から、後段に設置された真空処理部13に渡される。図示の内容物充填部12はロータリ方式であり、第1架台45上に据え付けられた充填ローター29が充填回転軸線A1を中心に間欠的に回転する。充填ローター29の周縁部に等間隔に取り付けられた複数の第1グリッパー21は、複数のステーションP1~P8において間欠的に配置される。
【0028】
一例として、ステーションP1に配置された第1グリッパー21が図示しない中継デバイスを介してマガジン20から袋5を受け取り、ステーションP2において印刷デバイス22が日付等の情報を袋5にプリントし、ステーションP3において開口デバイス23が袋5の口部を開き、ステーションP4において固形物充填デバイス25が口部を介して袋5内に固形状の内容物を充填し、ステーションP5において液状物注入デバイス26が口部を介して袋5内に液状の内容物を注入し、ステーションP7において図示しない中継デバイスを介して第1グリッパー21から真空処理部13に袋5が受け渡される。なお内容物充填部12及び真空処理部13は、第1方向D1に並べられて第1架台45上に設置されている。
【0029】
内容物充填部12において行われる具体的処理は限定されない。例えば、ステーションP3からステーションP4に袋5が移動する間、追従式開口ガイドデバイス24が袋5の口部を支持しつつ、当該袋5の口部が開いた状態を維持してもよい。また固形物充填デバイス25はホッパーを具備し、液状物注入デバイス26はノズルを具備してもよい。またステーションP6及びステーションP8は袋5に対して特段の処理を行わない空きステーションであってもよいし、任意の処理がステーションP6及びステーションP8で行われてもよい。
【0030】
真空処理部13は、内側に内容物が配置された袋5に対し、真空状態の真空チャンバー31内でインパルスシール方式の第1シール処理を行う第1シール装置として機能を有する。
【0031】
図示の真空処理部13は、内側に内容物が入れられた袋5を、包装回転軸線A2を中心に回転移動させつつ、第1シール処理を行う。すなわち図示の真空処理部13は、ロータリ方式であり、第1架台45上に据え付けられた真空ローター39が包装回転軸線A2を中心に間欠的に回転する。真空ローター39の周縁部に等間隔に取り付けられた複数の真空チャンバー31は、複数のステーションQ1~Q12において間欠的に配置される。
【0032】
各真空チャンバー31は、チャンバー本体31a及びチャンバー蓋部31bを有する。チャンバー本体31aは、真空ローター39に固定されている。チャンバー蓋部31bは、対応のチャンバー本体31aに対して旋回可能に取り付けられている。チャンバー蓋部31bは、チャンバー本体31aから離れて真空チャンバー31内を外方に開放する開放位置と、チャンバー本体31aに密着して真空チャンバー31内を外方から遮断する密着位置とに配置される。なおチャンバー蓋部31bが密着位置に配置されている間は、真空チャンバー31内は気密状態に置かれる。
【0033】
真空チャンバー31内には、袋5を保持及び解放可能なチャンバーチャック34が設けられている。チャンバーチャック34の具体的な構成は限定されず、例えば
図3に示すような固定側チャック34a及び可動側チャック34bによって構成可能である。チャンバー蓋部31bが密着位置に配置されている場合、チャンバーチャック34は、チャンバーチャック34内において袋5を吊り下げ状態で保持することができる。またチャンバーチャック34は開閉自在に設けられている。例えば、固定側チャック34a及び可動側チャック34bによって袋5を挟むことで当該袋5を把持することができ、また可動側チャック34bを固定側チャック34aから離れるように移動させることで袋5をチャンバーチャック34から解放することができる。チャンバーチャック34は、チャンバー蓋部31bが開放位置に配置されている場合及び密着位置に配置されている場合の両方において、袋5を把持する必要がある。そのため固定側チャック34a及び可動側チャック34bは、例えばチャンバー本体31aに取り付けられていてもよい。
【0034】
一例として、ステーションQ1に配置された真空チャンバー31が図示しない中継デバイスを介して内容物充填部12(特にステーションP7に配置された第1グリッパー21)から袋5を受け取り、ステーションQ2において袋5の整形が行われて袋5の姿勢及び形状が調整される。そしてステーションQ3~ステーションQ5において、真空チャンバー31に形成された図示しない排気口を介して真空チャンバー31内から空気が排出され、真空チャンバー31内が真空状態に調整される。この際、チャンバーチャック34により保持されている袋5の内側も脱気されて真空状態になる。なおチャンバー蓋部31bは、ステーションQ9~ステーションQ2において開放位置に配置され、ステーションQ3~ステーションQ8において密着位置に配置されている。チャンバー蓋部31bが開閉動作を行うタイミングは限定されない。例えば、真空チャンバー31が対応のステーション(図示の例ではステーションQ2、Q3、Q8又はQ9)に間欠停止している間に、チャンバー蓋部31bの開閉動作が行われてもよい。或いは、真空チャンバー31が対応のステーション間を移動している間に、チャンバー蓋部31bの開閉動作が行われてもよい。
【0035】
そしてステーションQ6において第1シール処理が行われ、ステーションQ7及びステーションQ8において袋5(特に第1シール処理が行われた箇所)が冷却される。第1シール処理は、第1シールユニット32によって実施されるインパルスシール方式のシール処理である。第1シールユニット32の具体的な構成は限定されないが、各真空チャンバー31に第1シールユニット32が設けられている。
【0036】
図示の第1シールユニット32は、
図3に示すように熱線(例えばニクロム線)32aと受け台32bとを有する。熱線32aは、固定ブロック81を介してチャンバー蓋部31bに固定されている。受け台32bは、可動ブロック82、進退軸84及び進退駆動部83を介し、チャンバー本体31aに固定されている。進退駆動部83は、進退軸84を水平方向に突出させたり引っ込めたりする。進退軸84の進退に応じて可動ブロック82及び受け台32bの水平方向位置も変動する。例えば、第1シール処理を行う際には、チャンバー蓋部31bは密着位置に配置され、熱線32aは、水平方向(第2方向D2)に関して受け台32bと対向する位置に配置される。また受け台32bは、この熱線32aに近づけられ、袋5が熱線32aと受け台32bとの間で挟まれる。このように熱線32aと受け台32bとによって袋5の所望箇所を挟んだ状態で、熱線32aに大電流を流し、熱線32aの温度をステーションQ6において上昇させる。これにより、袋5のうち熱線32aと受け台32bとによって挟まれた箇所の溶着を行い、第1シール処理を行うことができる。
【0037】
なお熱線及び受け台の設置態様は限定されない。またステーションQ7及びステーションQ8で行われる冷却処理の具体的な方法も限定されない。例えば、熱線32aに電流を流すのを止めて熱線32aの加熱を停止し、熱線32aとともに袋5のシール箇所を自然に冷却させてもよい。また、熱線32aを袋5のシール箇所から離間させて当該シール箇所を自然に冷却させてもよい。また、固体の冷却体をシール箇所に押し当てたり冷却ガスをシール箇所に吹き付けたりすることによって、袋5のシール箇所を積極的に冷却してもよい。
【0038】
そしてステーションQ10において、第1シール処理を受けた袋5が、真空チャンバー31から取り出されて、シール整形部14の受け渡し位置(すなわち第1停止位置R1)に配置された移送機構58の第2グリッパー51に受け渡される。
【0039】
なお、真空処理部13において行われる具体的処理は限定されない。例えば、ステーションQ9、ステーションQ11及びステーションQ12は、袋5に対して処理を行わない空きステーションであってもよいし、ステーションQ9、ステーションQ11及びステーションQ12において任意の処理が袋5に対して行われてもよい。
【0040】
図示の真空包装機10では、制御盤19が第1架台45上に据え付けられている。制御盤19は、真空包装機10を構成する各デバイスを制御し、上述の内容物充填部12及び真空処理部13の処理だけではなく、後述のシール整形部14及び放出部15における処理も制御することができる制御部である。したがって制御盤19は、例えば充填ローター29、印刷デバイス22、開口デバイス23、追従式開口ガイドデバイス24、固形物充填デバイス25、液状物注入デバイス26、真空ローター39、真空チャンバー31(特にチャンバー蓋部31b)、及び第1シールユニット32の動作を制御することができる。この制御盤19の具体的な構成は限定されない。例えば、単一の制御デバイスによって制御盤19が構成されてもよいし、複数の制御デバイスによって制御盤19が構成されてもよい。また図示の制御盤19は一体的に設けられているが、制御盤19を構成する2以上の制御デバイスが互いに離れた位置に設けられていてもよい。
【0041】
上述のように、内容物充填部12及び真空処理部13を具備する包装デバイスにおいて内容物が充填され且つ真空密閉された袋5が、シール整形部14の移送機構58に対して供給される。なお、上述の貯留部11、内容物充填部12及び真空処理部13は一例に過ぎず、それらの構成及び作用は限定されない。例えば、袋5に内容物を充填するタイミング、袋5の第1シール処理を行うタイミングは限定されない。また貯留部11における袋5の貯留態様も限定されない。また袋5に充填される内容物の種類や状態も限定されない。また袋5内を真空状態にする脱気処理についても限定されない。
【0042】
次に、シール整形部14の構成例について説明する。
【0043】
図2は、シール整形部14の構成を示す平面図である。
図3は、受渡装置60の構成を示す側方図である。なお
図2において、チャンバー蓋部31bの図示は省略されている。
【0044】
シール整形部14は、移送機構58、第1ヒートシール装置(第2シール装置)53、第2ヒートシール装置(第3シール装置)54、状態検出装置56、冷却装置55及び放出コンベア(放出部)41を具備する。
【0045】
本実施形態の移送機構58は、受渡装置60を介し、真空処理部13から袋5を受け取る。
【0046】
受渡装置60は、第1シール処理が行われた袋5を真空処理部(包装デバイス)13から受け取るとともに、当該袋5をシール整形部14の移送機構58に渡す。図示の受渡装置60は、回転可能に設けられる回転体61と、回転体61に取り付けられる複数の保持部(受渡保持部)66(図示の例では2つの保持部66)とを有する。各保持部66は、回転体61の回転状態に応じて、真空処理部13のチャンバーチャック34から袋5を受け取ることが可能な位置と、移送機構58の第2グリッパー51に袋5を渡すことが可能な位置とに配置される。
【0047】
図示の受渡装置60では、第2架台46上にスタンド67が据え付けられており、スタンド67の内部には、回転体61を支持する図示しない連結部材が設けられている。この連結部材がスタンド67内で軸回転させられることによって、回転体61は連結部材とともに軸回転する。回転体61には複数の支持ブロック(本実施形態では2つの支持ブロック:第1支持ブロック62a及び第2支持ブロック62b)が取り付けられている。各支持ブロックはエアシリンダ63を具備する。各エアシリンダ63のロッド部分には可動チャック64が取り付けられ、各エアシリンダ63のシリンダ部分には固定チャック65が取り付けられている。水平方向に関して互いに向かい合って配置されるこれらの可動チャック64及び固定チャック65により、各保持部66が構成されている。
【0048】
エアシリンダ63のロッド部分は水平方向に延在し、水平方向に関するシリンダ部分からのロッド部分の突出量は可変である。固定チャック65に対する可動チャック64の相対位置は、対応のロッド部分の突出量に応じて決まる。可動チャック64のうちの固定チャック65側の先端部には弾性体64aが取り付けられている。エアシリンダ63のロッド部分の突出量を増大させて可動チャック64を押し付け位置Paに配置することで、弾性体64aが袋5を介して固定チャック65に押し付けられ、当該袋5は可動チャック64及び固定チャック65によって吊り下げ状態で支持される。一方、エアシリンダ63のロッド部分の突出量を低減させて可動チャック64を離間位置Pbに配置することで、弾性体64aが固定チャック65から離れて、袋5は保持部66から解放される。
【0049】
回転体61に取り付けられる複数の保持部66(2つの保持部66)の相対位置は、ステーションQ10に配置される真空チャンバー31のチャンバーチャック34の位置と、第1停止位置R1(受け渡し位置)に配置される第2グリッパー51の位置との相対位置に、対応している。すなわち、1つの保持部66が、ステーションQ10に配置されるチャンバーチャック34から袋5を受け取ることが可能な位置に配置される場合、同時に、他の保持部66が、第1停止位置R1に配置される第2グリッパー51に袋5を渡すことが可能な位置に配置される。これにより、チャンバーチャック34からの袋5の受け渡しと、第2グリッパー51に対する袋5の受け渡しとを、ほぼ同時に行うことができ、処理に要する時間を短縮できる。図示の例では、ステーションQ10に配置されるチャンバーチャック34及び第1停止位置R1に配置される第2グリッパー51は、第1方向D1と直角を成す第2方向D2に関し、相互に対向する位置に配置されている。そのため、回転体61に取り付けられる2つの保持部66は、互いに対向する位置に設けられ、回転体61の回転軸線を通過する水平方向に延びる直線上に配置される。なお回転体61には3以上(特に4以上の偶数個)の保持部66が取り付けられてもよいが、受渡装置60が占めるスペースを小さくする観点からは、回転体61には2つの保持部66が取り付けられることが好ましい。
【0050】
移送機構58は、第1シール処理が行われた袋5を第1停止位置R1(受け渡し位置)で受け取って、当該袋5を第1方向D1へ移送して少なくともシール位置、冷却位置及び解放位置に配置する。図示の移送機構58は、袋5を保持可能な4つのグリッパー(複数の移送保持部)51と、4つの第2グリッパー51を支持しつつ一体的に移動させる移動体57とを有する。なお移動体57は、
図1及び
図5には示されているが、他の図面では図示が省略されている。4つの第2グリッパー51によって移送される袋5は、第1停止位置R1(受け渡し位置)、第2停止位置R2(待機位置)、第3停止位置R3(第1シール位置)、第4停止位置R4(第2シール位置)及び第5停止位置R5(冷却位置及び解放位置)に順次配置される。
【0051】
第1停止位置R1は、移送機構58が真空処理部13からの袋5を受け取るための受け渡し位置に対応する。図示のシール整形部14では、第1停止位置R1と第2停止位置R2との間を往復移動する第2グリッパー51によって袋5が受け取られ、特に当該第2グリッパー51が第1停止位置R1に配置されている間に袋5の受け渡しが行われる。
【0052】
第2停止位置R2は、第3停止位置R3に移送される前の袋5を待機させるための待機位置に対応する。第2停止位置R2には支持チャック部52が設けられており、支持チャック部52は、開閉可能に設けられたチャックユニット59を有する。チャックユニット59は、第1停止位置R1と第2停止位置R2との間を往復移動する第2グリッパー51から袋5を受け取って支持することができ、また第2停止位置R2と第3停止位置R3との間を往復移動する第2グリッパー51に袋5を受け渡して当該袋5を解放することができる。上述のように、受渡装置60の各保持部66は真空処理部13のステーションQ10とシール整形部14の第1停止位置R1との間を回転移動するため、各保持部66がスムーズに回転移動することができるスペースを確保する必要がある。受け渡し位置(第1停止位置R1)と第1シール位置(第3停止位置R3)との間に待機位置(第2停止位置R2)を設けることによって、各保持部66の回転移動に必要とされるそのようなスペースを適切に確保することができる。
【0053】
第3停止位置R3は、袋5のうちのシール予定箇所に対して熱板シール方式のシール処理を行うための第1シール位置に対応する。すなわち第3停止位置R3には第1ヒートシール装置53が設けられ、第3停止位置R3において袋5のうちのシール予定箇所に対し、熱板シール方式のシール処理(第2シール処理)が第1ヒートシール装置53によって行われる。図示の第1ヒートシール装置53は、第1熱板保持部71と、第1熱板保持部71により支持された第1熱板ユニット72とを有する。第1熱板ユニット72は、2つの熱板を有し、これらの熱板間の間隔は可変である。すなわちこれらの熱板は、お互いに押圧する押圧位置と、お互いから離れてお互いを押圧しない解放位置とに配置可能である。第1熱板ユニット72に含まれるこれらの熱板が、第3停止位置R3に配置された袋5のシール予定箇所を挟み込むことによって、シール処理が行われる。また第1熱板ユニット72は、第3停止位置R3に設けられた保持部(中継保持部)としても働く。第1熱板ユニット72の2つの熱板は、袋5を間に挟んだ状態で押圧位置に配置されることで、当該袋5を吊り下げ状態で支持することができる。
【0054】
第4停止位置R4は、袋5のうちのシール予定箇所に対して熱板シール方式のシール処理(第3シール処理)を行うための第2シール位置に対応する。第4停止位置R4には第2ヒートシール装置54が設けられており、第2ヒートシール装置54は、第2熱板保持部73と、第2熱板保持部73により支持された第2熱板ユニット74とを有する。第2熱板ユニット74は、2つの熱板を含む。これらの熱板は、お互いに押圧する押圧位置と、お互いから離れてお互いを押圧しない解放位置とに配置可能である。第2熱板ユニット74に含まれるこれらの熱板が、第4停止位置R4に配置された袋5のシール予定箇所を挟み込むことによって、シール処理が行われる。また第2熱板ユニット74は、第4停止位置R4に設けられた保持部(中継保持部)としても働く。第2熱板ユニット74の2つの熱板は、袋5を間に挟んだ状態で押圧位置に配置されることで、当該袋5を吊り下げ状態で支持することができる。
【0055】
第1ヒートシール装置53と第2ヒートシール装置54との間には状態検出装置56が設けられている。状態検出装置56は、第3停止位置R3でシール処理(第2シール処理)が行われた後に、袋5のうち、第2シール処理のシール予定箇所を少なくとも部分的に含む検査範囲の状態を検出する。状態検出装置56の具体的な検出対象(すなわち状態検出装置56によって検出される状態の種類)は限定されない。図示の状態検出装置56は、袋5の検査範囲の温度状態を検出し、例えばサーモグラフィなどの赤外線検出装置を使って、袋5の検出範囲の熱分布データを取得してもよい。
【0056】
第5停止位置R5は、袋5の冷却処理を行うための冷却位置に対応するとともに、袋5を移送機構58から解放するための解放位置に対応する。第5停止位置R5には、冷却装置55及び放出コンベア41が設けられている。冷却装置55は、状態検出装置56が袋5の検査範囲の状態を検出した後に(本実施形態では更に第4停止位置R4において第3シール処理が行われた後に)、第5停止位置R5において袋5を冷却する冷却処理を行う。
【0057】
図示の冷却装置55は、冷却板保持部75と、冷却板保持部75により支持された冷却板ユニット76とを有する。冷却板ユニット76は、2つの冷却板を含む。これらの冷却板は、お互いに押圧する押圧位置と、お互いから離れてお互いを押圧しない解放位置とに配置可能である。冷却板ユニット76に含まれるこれらの冷却板が、第5停止位置R5に配置された袋5のシール予定箇所を挟み込むことによって、冷却処理が行われる。また冷却板ユニット76は、第5停止位置R5に設けられた保持部(中継保持部)としても働く。冷却板ユニット76の2つの冷却板は、袋5を間に挟んだ状態で押圧位置に配置されることで、当該袋5を吊り下げ状態で支持することができる。
【0058】
放出コンベア41は、第5停止位置R5において移送機構58の第2グリッパー51から解放された冷却処理後の袋5を受け取って、当該袋5を後段に向けて送り出す。本実施形態の真空包装機10は、更に、放出コンベア41によって受け取られた後の袋5を、検査範囲の状態の検出結果に応じて分類する分類装置44(
図1参照)を備える。
【0059】
図示の分類装置44は、排出レバー42及び袋受け部43を含む。排出レバー42は、制御盤19の制御下で、放出コンベア41によって搬送されている袋を、選択的に袋受け部43に向けて押し出すことができる。制御盤19は、状態検出装置56の検出結果を受信し、当該検出結果に基づいて分類装置44(特に排出レバー42)を制御する。これにより、状態検出装置56の検出結果に基づいてシール不良を持つと判定される袋5は分類装置44によって放出コンベア41上から袋受け部43に排出され、シール不良を持たないと判定される袋5のみが放出コンベア41によって後段に送られる。
【0060】
上述の構成を有する真空包装機10において、移送機構58は、受け渡し位置からシール位置及び冷却位置を経由して解放位置まで、袋5を、当該袋5の面に沿う方向へ直線的に移送する。図示の例では、冷却位置と解放位置が共通しているため、移送機構58は、第1停止位置R1から、第2停止位置R2、第3停止位置R3、第4停止位置R4を経由して第5停止位置R5まで、袋5を直線的に移送する。そのため、第3停止位置R3及び第4停止位置R4で行われる熱板シール方式のシール処理が、真空処理部13におけるロータリ方式の搬送軌道とは別の直線軌道上で行われる。これにより、処理に必要なスペースの拡大を抑えつつ、第1シール処理(真空処理部13のステーションQ6において第1シールユニット32により行われるインパルスシール方式のシール処理)、第2シール処理(シール整形部14の第3停止位置R3において第1ヒートシール装置53により行われる熱板シール方式のシール処理)及びシール判定処理(第3停止位置R3と第4停止位置R4との間において状態検出装置56により行われるシール判定処理)を適切に行うことができる。
【0061】
特に、図示の移送機構58は、充填回転軸線A1と包装回転軸線A2とを結ぶ直線に対して実質的に平行な第1方向D1に、袋5を受け渡し位置(第1停止位置R1)からシール位置及び冷却位置を経由して解放位置(第5停止位置R5)まで移送する。これにより、充填回転軸線A1と包装回転軸線A2とを結ぶ直線に対して直角を成す第2方向D2に関し、真空包装機10の設置スペースの拡大を抑えることができる。
【0062】
次に、袋5におけるシール位置について説明する。
【0063】
図4は、袋5の一例を示す平面図である。なお、
図4に示す袋5の各部の位置は、必ずしも実際の袋の各部の位置と一致していない。
【0064】
図4に示す袋5は、長方形の平面形状を有し、それぞれの辺部が口部101、側縁部102及び底部103に対応し、口部101及び底部103が互いに対向し、両側縁部102が互いに対向する。貯留部11(
図1参照)に貯留されている袋5の両側縁部102及び底部103は、シール等によって閉じられているが、口部101は閉じられていない。したがって、内容物充填部12に供給される袋5の内側は、口部101を介し、外側に対して開放可能な状態である。
【0065】
そして真空処理部13のステーションQ6において、袋5は第1シール処理を受け、袋5のうちの第1シール領域112において、袋5の表面側側壁部及び裏面側側壁部の溶着が行われる。上述のように第1シール処理は、インパルスシール方式のシール処理であり、袋5に収容された内容物を外気から遮断するために行われる。そのため第1シール領域112は、袋5のうち内容物が存在する領域である内容物領域111と、口部101が形成される袋5の縁部(
図4では上方縁部)との間に、少なくとも存在する。この第1シール領域112は、口部101が形成される袋5の縁部まで延在している必要はなく、袋5のうちの限られた狭い範囲に対してのみ第1シール処理が行われてもよい。ただし、袋5内の内容物を外気から遮断するために、内容物領域111への外気の流通を可能にする流通路が形成されないように、第1シール領域112は、一方の側縁部102から他方の側縁部102にわたって延在する。
【0066】
そしてシール整形部14の第3停止位置R3において袋5は第2シール処理を受け、第4停止位置R4において袋5は第3シール処理を受ける。第2シール処理では、袋5のうちのシール予定箇所である第2シール領域114において、袋5の表面側側壁部及び裏面側側壁部の溶着が行われる。第3シール処理でも袋5の表面側側壁部及び裏面側側壁部の溶着が行われるが、袋5における第3シール処理の範囲は、第2シール処理の範囲と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2シール領域114の具体的な範囲は限定されず、第1シール領域112の一部又は全部を含む範囲であってもよいし、第1シール領域112を含まない範囲であってもよい。
図4に示す袋5において、第2シール領域114の可能な範囲(すなわち「第2シール可能領域113」)は、内容物が配置される内容物領域111とは重ならない範囲である。本実施形態の第2シール領域114は、袋5のうち第1シール領域112が存在する位置から口部101が形成される縁部(
図4の袋5の上方縁部)までの全域であり、第2シール領域114は第1シール領域112を含む。また第3シール処理の範囲は第2シール処理の範囲と同じである。
【0067】
そして袋5が第3停止位置R3から第4停止位置R4に移動する際に、袋5の検査範囲における温度状態のデータが状態検出装置56によって取得される。検査範囲は、上述のように、袋5のうち第2シール処理が行われるシール予定箇所を少なくとも部分的に含む範囲である。したがって、シール予定箇所(すなわち第2シール領域114)の全部を含む袋5の全体が検査範囲であってもよいし、袋5の一部ではあるがシール予定箇所の全部を含む範囲が検査範囲であってもよいし、袋5のうちシール予定箇所を部分的に含む範囲が検査範囲であってもよい。本実施形態では、袋5の全体が検査範囲120に設定されており、状態検出装置56によって検出される検査範囲120の状態(すなわち温度状態)から、第1ヒートシール装置53によって行われる第2シール処理の適否が判定される。この第2シール処理の適否の判定は、状態検出装置56によって行われてもよいし、状態検出装置56から検査範囲120の状態に関するデータを受信した制御盤19によって行われてもよい。第2シール処理の適否の具体的な判定方法も限定されない。例えば、検査範囲120において所定温度よりも低い温度の部分が存在するか否かに基づいて、或いはそのような低温度部分の範囲及び位置に基づいて、第2シール処理の適否が判定されてもよい。
【0068】
次に、移送機構58による袋5の搬送方法について説明する。
【0069】
上述のように移送機構58は、袋5を、第1停止位置R1から第5停止位置R5に、袋5の面に沿う方向へ、直線的に移送する。移送機構58の具体的な構成は限定されないが、図示の真空包装機10では、移動体57が無端軌道に沿って水平方向に移動するいわゆるボックスモーションを行うことで、各第2グリッパー51により把持された袋5を、第1停止位置R1から第5停止位置R5に向けて順次移送する。
【0070】
図5は、移動体57の移動軌道を説明するための図である。
図5において、互いに異なる位置に配置される移動体に対して、それぞれ符号「57a」、「57b」、「57c」及び「57d」が付されている。
【0071】
本実施形態の移動体57は、図示しない既知の駆動装置によって、四角形状の軌道を描くように移動させられる。すなわち移動体57は、
図5において符号57aで示される位置から第1方向D1と平行な方向(符号「A1」参照)に移動し、符号57bで示される位置に配置される。そして移動体57は、符号57bで示される位置から第2方向D2と平行な方向(符号「A2」参照)に移動し、符号57cで示される位置に配置される。そして移動体57は、符号57cで示される位置から第1方向D1と平行な方向(符号「A3」参照)に移動し、符号57dで示される位置に配置される。そして移動体57は、符号57dで示される位置から第2方向D2と平行な方向(符号「A4」参照)に移動し、再び符号57aで示される位置に配置される。
【0072】
移動体57は上述の一連の移動を繰り返し行い、移動体57に取り付けられた各第2グリッパー51も移動体57と同様の水平方向移動を繰り返す。すなわち移動体57は、受け渡し位置(第1停止位置R1)から解放位置(第5停止位置R5)に向かう方向と平行な第1方向D1と、第1方向D1と非平行な第2方向D2とに、複数の第2グリッパー51を移動させる。この際、移動体57は、第1方向D1と、第2方向D2との各々の方向に関して往復動する。
【0073】
特に図示のシール整形部14では、受け渡し位置、第1シール位置、第2シール位置、冷却位置及び解放位置を含む複数の停止位置R1~R5が、第1方向D1と平行に且つ互いに等間隔に設けられている。また停止位置R1~R5のうち互いに隣接する停止位置間の距離は、互いに隣接する第2グリッパー51間の距離に対応する。またシール整形部14に設けられる第2グリッパー51の数は「4」であり、シール整形部14に設けられる停止位置の数よりも1つ少ない。したがって、上流側配置状態に置かれた複数の第2グリッパー51は、複数の停止位置R1~R5のうちの最下流の停止位置以外(すなわち停止位置R1~R4)のそれぞれに配置される。一方、下流側配置状態に置かれた複数の第2グリッパー51は、複数の停止位置R1~R5のうちの最上流の停止位置である受け渡し位置以外(すなわち停止位置R2~R5)のそれぞれに配置される。
【0074】
移動体57は、
図5の符号「57a」で示される位置から符号「57b」で示される位置に移動することで、上流側配置状態に置かれた複数の第2グリッパー51を第1方向D1へ移動させて、複数の第2グリッパー51を下流側配置状態に置く。そして移動体57は、
図5の符号「57b」で示される位置から符号「57c」及び符号「57d」で示される位置を経て符号「57a」で示される位置に移動することで、下流側配置状態に置かれた複数の第2グリッパー51を第2方向D2及び第1方向D1に移動させて、複数の第2グリッパー51を上流側配置状態に置く。移動体57が上述のボックスモーションを行うことで、各第2グリッパー51には、複数の停止位置R1~R5のうちの隣接する特定の2つの停止位置が割り当てられ、割り当てられた2つの停止位置の間で同様のボックスモーションを行う。
【0075】
なお複数の停止位置R1~R5のうち、少なくとも受け渡し位置及び最下流の停止位置以外の停止位置のそれぞれには、袋5を保持することが可能な複数の保持部(すなわち中継保持部77)が設けられている。これは、受け渡し位置及び最下流の停止位置において中継保持部77が設けられることを除外することを意味するものではない。したがって例えば、最下流の停止位置において中継保持部77が設けられてもよい。
【0076】
図示のシール整形部14では、複数の中継保持部77が、第2停止位置R2に設けられるチャックユニット59、第3停止位置R3に設けられる第1熱板ユニット72、第4停止位置R4に設けられる第2熱板ユニット74、及び第5停止位置R5に設けられる冷却板ユニット76によって実現されている。これらの複数の中継保持部77の各々は、下流側配置状態に置かれた複数の第2グリッパー51のうちの対応の第2グリッパー51から袋5を受け取って保持する。移動体57は、下流側配置状態に置かれた各第2グリッパー51から袋5が解放された後に、各第2グリッパー51を上流側配置状態に置く。そして複数の中継保持部77の各々は、上流側配置状態に置かれた複数の第2グリッパー51のうちの対応の第2グリッパー51に袋5を渡す。移送機構58及び各中継保持部77が協働して上述の動作を繰り返し行うことで、袋5は、第1停止位置R1から第5停止位置R5に向かって間欠的に移送され、複数の停止位置R1~R5の各々において各種処理を受けることができる。
【0077】
図6A及び
図6Bは、中継保持部77及び第2グリッパー51の配置例を示す図である。
図6Aは、第2グリッパー51が把持する袋5を中継保持部77も保持している状態を示す。
図6Bは、第2グリッパー51から中継保持部77に袋5が受け渡された後に、第2グリッパー51が中継保持部77から離れた位置に配置されている状態を示す。
図6Aに示す状態の後、各第2グリッパー51が袋5の把持を解放し、移動体57が第2方向D2(
図5の矢印「A2」参照)に移動することで、第2グリッパー51は
図6Bに示す位置に配置される。
【0078】
袋5のうち中継保持部77によって保持される領域と、各第2グリッパー51によって保持される領域とは、お互いに重なることなく高さ方向にずれており、中継保持部77と各第2グリッパー51とは衝突しない。
図6A及び
図6Bに示す例では、中継保持部77は、口部101を形成する縁部を含む袋5の上方端部を保持する。一方、各第2グリッパー51は、袋5のうち中継保持部77が保持する領域の下方に位置する領域を保持する。具体的には、袋5のうち、内容物が配置される内容物領域111(
図4参照)よりも上方に存在し且つ第2シール領域114よりも下方に存在する領域が、各第2グリッパー51によって保持される。なお各第2グリッパー51は、第1シール領域112に対応する位置で袋5を保持してもよいし、第1シール領域112とは異なる位置で袋5を保持してもよい。
【0079】
図示の各第2グリッパー51は開閉保持部51aを具備する。開閉保持部51aは、空気圧等(例えばエアシリンダ)によって開閉駆動される。例えば、移送機構58が複数の停止位置R1~R5のうちの隣り合う停止位置間において袋5を移動させる間や、第2グリッパー51が中継保持部77から袋5を受け取る場合には、開閉保持部51aが閉じられて第2グリッパー51は袋5を把持するする。一方、第2グリッパー51が受渡装置60を介して袋5を受け取る場合や、第2グリッパー51から中継保持部77に袋5を受け渡す場合には、開閉保持部51aが開かれて第2グリッパー51は袋5を解放する。
【0080】
次に、第1停止位置R1から第5停止位置R5への袋5の移送について説明する。
【0081】
図7~
図11は、第1停止位置R1から第5停止位置R5への袋5の移送の流れを説明するためのシール整形部14の平面図である。
【0082】
まず
図7に示すように、受渡装置60によって袋5が第1停止位置R1に配置される。この際、移動体57(
図1参照)は
図5の符号「57d」で示す位置に配置されている。また各第2グリッパー51は、上流側配置状態に置かれた状態で、第2方向D2に関し、中継保持部77(すなわちチャックユニット59、第1熱板ユニット72、第2熱板ユニット74及び冷却板ユニット76)から離れた位置に配置されている。
【0083】
そして、各第2グリッパー51の開閉保持部51aが開かれた状態で、移動体57は、第2方向D2(
図5の矢印「A4」参照)に移動し、
図5の符号「57a」で示す位置に配置される。その後、各開閉保持部51aが閉じられる。これにより、
図8に示すように、各第2グリッパー51は、上流側配置状態に置かれた状態で、対応の中継保持部77により保持されている袋5を把持する。
【0084】
そして、各第2グリッパー51が対応の袋5を把持している状態で、各中継保持部77が対応の袋5の保持を解放する。この際、各第2グリッパー51は上流側配置状態に配置されているため、第5停止位置R5には第2グリッパー51が存在しない。そのため、第5停止位置R5の中継保持部77(すなわち冷却板ユニット76)から解放された袋5は、下方に落下し、放出コンベア41上に載せられ、放出コンベア41によって後段に送られる。
【0085】
その後、移動体57は、第1方向D1(
図5の矢印「A1」参照)に移動し、
図5の符号「57b」で示す位置に配置される。これにより
図9に示すように、各中継保持部77が開かれた状態で、各第2グリッパー51は下流側配置状態に置かれ、それぞれの第2グリッパー51に把持されている袋5は、対応の中継保持部77間(すなわちチャックユニット59間の位置、第1熱板ユニット72間の位置、第2熱板ユニット74間の位置、及び冷却板ユニット76間)に配置される。この際、受渡装置60の回転体61も180度軸回転し、新たな袋5が第1停止位置R1に配置される。また、回転体61の回転に伴って、真空ローター39は間欠的に回転し、新たな真空チャンバー31とともに新たな袋5がステーションQ10に配置される。
【0086】
そして
図10に示すように、各中継保持部77は閉じられ、対応の第2グリッパー51が把持する袋5を保持する。その後、各開閉保持部51aが開かれ、各第2グリッパー51から袋5が解放される。その後、移動体57は、第2方向D2(
図5の矢印「A2」参照)に移動し、
図5の符号「57c」で示す位置に配置される。これにより
図11に示すように、各中継保持部77によって袋5が保持され、各第2グリッパー51は、下流側配置状態に置かれた状態で、第2方向D2に関して対応の中継保持部77から離れた位置に配置される。そして、移動体57が第1方向D1(
図5の矢印「A3」参照)に移動して
図5の符号「57d」で示す位置に配置され、シール整形部14は再び
図7に示す状態に置かれる。
【0087】
上述の
図7~
図11に示す状態が繰り返されることによって、袋5は、第1停止位置R1から第5停止位置R5に向けて順次移送される。
【0088】
なお、シール整形部14及び放出部15の各デバイスは制御盤19(
図1参照)によって制御されており、上述の動作は制御盤19の制御下で行われる。
【0089】
以上説明したように本実施形態の真空包装機10によれば、無端軌道に沿って搬送される袋5に対してインパルスシール方式のシール処理(第1シール処理)が行われる一方で、直線軌道に沿って搬送される袋5に対して熱板シール方式のシール処理(第2シール処理及び第3シール処理)及びシール判定処理が行われる。これにより、特に熱板シール方式のシール処理及びシール判定処理を、限られたスペースで行うことができる。したがって処理に必要なスペースの拡大を抑えつつ、第1シール処理、第2シール処理、第3シール処理及びシール判定処理を適切に行うことができる。
【0090】
また全ての袋5に対してシール判定処理が行われるので、シール性能に関して高い信頼性を有する製品袋(すなわちシール処理を受けた袋)を提供することができる。また第1シール処理がインパルスシール方式で行われるので、超音波シール装置を用いる場合に比べて、装置を安価に提供することができる。
【0091】
また受渡装置60は、真空処理部13(チャンバーチャック34)からの袋5の受け渡しと、シール整形部14(第2グリッパー51)への袋5の受け渡しとを同時に行うことができる。したがってシール整形部14に対する袋5の受け渡しを、スムーズ且つ短時間で行うことができる。
【0092】
また第1熱板ユニット72、第2熱板ユニット74及び冷却板ユニット76を、中継保持部77として活用することにより、別の専用の中継保持部を設ける必要がない。これにより、省スペース設計が可能であるとともに、装置コストを低減することが可能である。
【0093】
[変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。
【0094】
例えば、第3停止位置R3、第4停止位置R4及び第5停止位置R5において、第1熱板ユニット72、第2熱板ユニット74及び冷却板ユニット76とは別の専用の中継保持部77が設けられてもよい。
【0095】
また状態検出装置56は、第4停止位置R4において第3シール処理を受けた後の袋5の状態を検出してもよい。例えば、状態検出装置56を第2ヒートシール装置54と冷却装置55との間に設置し、袋5が第4停止位置R4から第5停止位置R5に移送される間に、当該袋5の温度状態を状態検出装置56によって検出してもよい。
【0096】
また上述の実施形態では、シール不良を有する袋5は分類装置44によって自動的に放出コンベア41から取り除かれるが、これには限定されない。例えば、制御盤19の制御下でシール不良を有する袋5に対してアラーム(例えばランプや警報)が発せられ、作業者によって当該袋5が放出コンベア41から手動的に取り除かれてもよい。またシール不良を有する袋5は、移送機構58によって移送されている間に排出されてもよいし、中継保持部77によって排出されてもよい。例えば、シール不良を有する袋5は、状態検出装置56によって状態が検出された後に、制御盤19の制御下で第2グリッパー51又は中継保持部77(例えば第2熱板ユニット74)から解放されることで、放出コンベア41以外の箇所に向けて下方に落下させられて排出されてもよい。
【0097】
また上述の実施形態の移動体57は、
図5に示す四角形の軌道に沿って移動するが、移動体57の移動軌道は限定されない。移動体57は、例えば、三角形等の他の多角形の軌道に沿って移動してもよいし、他の形状の軌道に沿って移動してもよい。
【0098】
また上述の実施形態のシール整形部14では、熱板シール方式のシール処理が複数の位置(すなわち第3停止位置R3及び第4停止位置R4)において行われているが、1つの位置(例えば第3停止位置R3)においてのみ熱板シール方式のシール処理が行われてもよい。
【0099】
また上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また、本発明によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書、要約書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0100】
5…袋、10…真空包装機、11…貯留部、12…内容物充填部、13…真空処理部、14…シール整形部、15…放出部、19…制御盤、20…マガジン、21…第1グリッパー、22…印刷デバイス、23…開口デバイス、24…追従式開口ガイドデバイス、25…固形物充填デバイス、26…液状物注入デバイス、29…充填ローター、31…真空チャンバー、31a…チャンバー本体、31b…チャンバー蓋部、32…第1シールユニット、32a…熱線、32b…受け台、34…チャンバーチャック、34a…固定側チャック、34b…可動側チャック、39…真空ローター、41…放出コンベア、42…排出レバー、43…袋受け部、44…分類装置、45…第1架台、46…第2架台、51…第2グリッパー、51a…開閉保持部、52…支持チャック部、53…第1ヒートシール装置、54…第2ヒートシール装置、55…冷却装置、56…状態検出装置、57…移動体、58…移送機構、59…チャックユニット、60…受渡装置、61…回転体、62a…第1支持ブロック、62b…第2支持ブロック、63…エアシリンダ、64…可動チャック、64a…弾性体、65…固定チャック、66…保持部、67…スタンド、70…支持チャック、71…第1熱板保持部、72…第1熱板ユニット、73…第2熱板保持部、74…第2熱板ユニット、75…冷却板保持部、76…冷却板ユニット、77…中継保持部、81…固定ブロック、82…可動ブロック、83…進退駆動部、84…進退軸、101…口部、102…側縁部、103…底部、111…内容物領域、112…第1シール領域、113…第2シール可能領域、114…第2シール領域、120…検査範囲、121…検査可能範囲、A1…充填回転軸線、A2…包装回転軸線、D1…第1方向、D2…第2方向、P1~P8…ステーション、Pa…押し付け位置、Pb…離間位置、Q1~Q12…ステーション、R1…第1停止位置、R2…第2停止位置、R3…第3停止位置、R4…第4停止位置、R5…第5停止位置