(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】パックまたはパックの一部分を形成する/前進させるためのユニットおよび方法
(51)【国際特許分類】
B65B 9/20 20120101AFI20220215BHJP
B65B 59/00 20060101ALI20220215BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
B65B9/20
B65B59/00
B65B57/00 H
(21)【出願番号】P 2018564207
(86)(22)【出願日】2017-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2017063341
(87)【国際公開番号】W WO2017211688
(87)【国際公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-05-25
(32)【優先日】2016-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・メランドリ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・ロッシ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィットリア・ランザ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ・ボルギ
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0127323(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0346009(US,A1)
【文献】特表2011-530201(JP,A)
【文献】特開2012-063892(JP,A)
【文献】特開2007-026230(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0230941(US,A1)
【文献】米国特許第06625517(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/20
B65B 59/00
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのパック(3)またはパック(3)の少なくとも一部分を形成する/前進させるためのユニット(1)であって:
- フレーム(12a、12b);および
- 前記フレーム(12a、12b)に対して少なくとも1つの無限軌道(13a、13b)に沿って可動であり、および前記パック(3)または前記パック(3)の少なくとも一部分を形成する/前進させるように適合される、少なくとも1つのキャリッジ(14、14b)
を含む、ユニットにおいて、
- 少なくとも1つのアンテナ(50);
- 前記キャリッジ(14a、14b)によって担持される少なくとも1つのRFIDタグ(52a、52b);および
- 前記アンテナ(50)と前記RFIDタグ(52a、52b)との間に無線認証プロトコルを使用して双方向通信を確立するように構成された無線通信手段(51)を含み、
前記アンテナ(50)は、前記無限軌道(13a、13b)と
同じ形状を有し、前記無限軌道(13a、13b)全体に沿って前記RFIDタグ(52a、52b)と電磁的に結合される、ユニット(1)。
【請求項2】
前記無線通信手段(51)は、前記アンテナ(50)から前記RFIDタグ(52a、52b)へ電力を転送するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記無線通信手段(51)は、前記アンテナ(50)から前記RFIDタグ(52a、52b)へデータを転送するように構成されている、および/またはその逆も同様であることを特徴とする、請求項1または2に記載のユニット。
【請求項4】
前記キャリッジ(14a、14b)は、前記キャリッジ(14a、14b)の動作条件に関連付けられた出力信号を生成するように構成された少なくとも1つのセンサー(53a、53b)を含み;
前記RFIDタグ(52a、52b)は、前記センサー(53a、53b)に動作可能に接続されて、少なくとも前記出力信号を受信し;
前記無線通信手段(51)は、前記出力信号を前記RFIDタグ(52a、52b)から前記アンテナ(50)へ転送するように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記RFIDタグ(52a、52b)は、前記センサー(53a、53b)に動作可能に接続されて、それに給電すること;および/または
前記センサー(53a、53b)は、前記キャリッジ(14a、14b)の加速度および/または温度に関連付けられた信号を生成するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のユニット。
【請求項6】
前記アンテナ(50)に動作可能に接続されかつ前記アンテナ(50)か
ら情報を受信しかつそれを表示するように構成されている表示ユニット(55)を含むことを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項7】
- 複数の選択的に起動可能/起動停止可能な磁気源(42)を担持する少なくとも1つの無限軌道(13a、13b);および
- 前記磁気源(42)に磁気的に結合されたそれぞれのモータ素子(40)を含み、かつ前記軌道(13a、13b)に沿って互いに独立して自走可能な複数の前記キャリッジ(14a、14b)
を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項8】
少なくとも1つのパック(3)またはパック(3)の少なくとも一部分を形成する/前進させる方法であって:
i) 少なくとも1つのキャリッジ(14a、14b)を少なくとも一つの無限軌道(13a、13b)に沿って、および静止フレーム(12a、12b)に対して前進させるステップ;および
ii) 前記キャリッジ(14a、14b)によって前記少なくとも1つのパック(3)または前記パック(3)の少なくとも一部分を形成する/前進させるステップを含む、方法において;
iii) 少なくとも1つのアンテナ(50)と、前記キャリッジ(14a、14b)によって担持されるRFIDタグ(52a、52b)との間に無線双方向通信を確立するステップを含み、
前記アンテナ(50)は、前記無限軌道(13a、13b)と
同じ形状を有し、前記無限軌道(13a、13b)全体に沿って前記RFIDタグ(52a、52b)と電磁的に結合される、方法。
【請求項9】
iv) 前記アンテナ(50)から前記RFIDタグ(52a、52b)へ電力を転送するステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
v) 前記アンテナ(50)から前記RFIDタグ(52a、52b)へデータを転送する、および/またはその逆も同様であるステップを含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
vi) 前記キャリッジ(14a、14b)に適用されかつ前記RFIDタグ(52a、52b)に動作可能に結合されたセンサー(53a、53b)によって、前記キャリッジ(14a、14b)
の動作条件に関連付けられた出力信
号を生成するステップ;および
vii) 前記出力信号を前記RFIDタグ(52a、52b)から前記アンテナ(50)へ送信するステップを含むことを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
viii) 前記アンテナ(50)によって給電される前記RFIDタグ(52a、52b)によって、前記センサー(53a、53b)に給電するステップを含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ix) 無線認証プロトコルを使用して、前記双方向通信を確立するステップを含むことを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パックまたはパックの一部分を形成する/前進させるためのユニットおよび方法に関する。
【0002】
特に、パックは、包装材料のチューブから出発して、流動食品(pourable food product)が充填され、シールされ、かつ形成されるように適合される。パックの複数の部分は、特に、開封装置である。
【背景技術】
【0003】
公知の通り、多くの液体または流動食品、例えばフルーツジュース、UHT(超高温処理した)牛乳、ワイン、トマトソースなどは、滅菌された包装材料製のパッケージに入れられて販売されている。
【0004】
典型的な例は、積層帯状包装材料に折り目をつけてシールすることによって作製される、テトラ・ブリック・アセプティック(Tetra Brik Aseptic)(登録商標)として公知の、液体または流動食品用の平行六面体形状のパッケージである。包装材料は、多層構造を有し、例えば紙の基層を含み、基層は、ヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンの複数の層で両面が被覆されている。UHT牛乳などの長期保存製品用の無菌パッケージの場合、包装材料はまた、酸素遮断性材料、例えばアルミニウム箔の層を含み、これは、ヒートシールプラスチック材料の層に重ね合わせられ、および次に、ヒートシールプラスチック材料の別の層で被覆されて、最終的に食品に接触するパッケージの内面を形成する。
【0005】
この種のパッケージは、通常、全自動包装ユニットで生産され、全自動包装ユニットでは、連続的なチューブがウェブ包装材料から形成され、包装材料のウェブが、包装ユニットにおいて、例えば化学殺菌剤、例えば過酸化水素溶液を適用することによって、滅菌され、過酸化水素溶液は、ひとたび滅菌が完了したら、例えば加熱によって蒸発させられて、包装材料の表面から除去され、その後、そのように滅菌されたウェブは、閉鎖した無菌環境に維持され、および縦方向に折り畳まれてシールされてチューブを形成し、これが、垂直の前進方向に沿って送られる。
【0006】
形成作業を完了するために、チューブは、殺菌されたまたは殺菌処理済みの食品が充填されて、シールされ、それに続いて、等間隔の横断面に沿って切断される。
【0007】
ピローパックがこのように得られ、ピローパックは、縦方向シーリングバンド、および頂部横方向シーリングバンドおよび底部横方向シーリングバンドを有する。
【0008】
最近では、包装産業において、独立型の自走可能なキャリッジが、パッケージまたは開封装置を搬送するために広く応用されてきている。
【0009】
より詳細には、各キャリッジは、実質的に、経路に沿って可動でありかつ一般的に掴み要素を備えるそれぞれの可動要素を含む。キャリッジは、定常磁場源に磁気的に結合されて、磁場に関連する磁力によって、経路に沿って前進するようにする。
【0010】
特に、国際公開第00/64741号パンフレットの
図17に示す実施形態では、チューブと相互作用するように適合されて、等間隔の断面でチューブをヒートシールし、かつチューブの前進軸に交差する横方向シーリングバンドによってチューブに接続された複数のピローパックを形成する包装ユニットが、提案されている。
【0011】
包装ユニットは:
- チューブのそれぞれの対向する側の側方箇所(opposite lateral sides)に配置される、第1の軌道および第2の軌道;および
- 第1の軌道で自走可能な複数の第1のキャリッジ、および第2の軌道で自走可能な複数のそれぞれの第2のキャリッジ
を含む。
【0012】
特に、第1のキャリッジは、第1の軌道に沿って、互いに独立して可動であり、および第2のキャリッジは、第2の軌道に沿って、互いに独立して可動である。
【0013】
各第1のキャリッジには、関連のシーリング要素および関連のハーフシェルが取り付けられる一方、対応する各第2のキャリッジには、それぞれの逆向きのシーリング要素および関連のハーフシェルが取り付けられている。
【0014】
キャリッジはまた、形成されかつ充填されたパッケージに開封装置を接着剤でつける前に、開封装置に接着剤を塗布するための装置において使用される。
【0015】
キャリッジの別の適用例は、それぞれの孔への開封装置のダイレクト成形、すなわち包装材料のウェブの、いわゆる「プレラミネートされた孔」において、見出され得る。この技術によれば、キャリッジは、包装材料のウェブ上の所望の位置でのそれぞれの成形ステーションの設定に用いられる。そのため、成形ステーションは、それぞれの開封装置を射出成形するように動作される。
【0016】
この業界では、キャリッジ自体の動作中の、キャリッジまたはユニットの動作条件、例えば温度および/または加速度値に関連付けられるある程度のデータを取得する必要性が感じられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
それゆえ、本発明の目的は、上記で特定されたニーズを満たす、パックまたはパックの一部分を形成する/前進させるためのユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、請求項1に記載されるような、パックまたはパックの一部分を形成する/前進させるためのユニットが提供される。
【0019】
本発明はまた、請求項10に記載されるような、パックまたはパックの一部分を形成する/前進させる方法に関する。
【0020】
本発明の1つの好ましい非限定的な実施形態を、例として、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明による、パックまたはパックの一部分を形成する/前進させるためのユニットの斜視図である。
【
図2】
図1のユニットのいくつかの構成要素の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1および2を参照して説明すると、符号1は、全体的に、食品、例えば低温殺菌された牛乳やフルーツジュースが充填された、少なくとも1つの密封されたパック3または密封されたパックの少なくとも一部分を、シート状包装材料のチューブ2から前進させるためのユニットを示す。
【0023】
特に、この説明の下記では、これが一般性の喪失を全く暗示することなく、流動製品(pourable product)が充填された、密封されたパック3を形成するおよび前進させるためのユニット1について明白に言及する。
【0024】
包装材料は、多層構造(図示せず)を有し、および繊維性材料、通常は紙の層を含み、両面がヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンのそれぞれの層で被覆されている。
【0025】
UHT牛乳などの長期保存製品用の無菌パッケージの場合、包装材料はまた、気体および光遮断性材料、例えばアルミニウム箔またはエチルビニルアルコール(EVOH)フィルムの層を含み、これは、ヒートシールプラスチック材料の層に重ね合わせられ、および次に、ヒートシールプラスチック材料の別の層で被覆されて、最終的に食品に接触するパッケージの内面を形成する。
【0026】
チューブ2は、ヒートシールシート材料のウェブ(図示せず)を縦方向に折り畳んでシールすることによって、公知の方法で形成され、パイプ(図示せず)によって、包装される殺菌されたまたは殺菌処理済みの食品が充填され、および図示しない公知の方法で、軸Aを有する垂直方向経路に沿って送られる。
【0027】
- 軸Aに直交し、かつ図示の実施形態では水平の方向B;および
- 軸Aおよび方向Bの双方に直交し、かつ図示の実施形態では水平の方向C
を特定することも可能である。
【0028】
より詳細には、ユニット1(
図1)は、一対の付形アセンブリ10a、10bを含み、これら付形アセンブリは、軸Aに対して互いに対向する側の側方箇所に配置され、および方向Bに沿って互いに離間され、およびチューブ2と相互作用するように適合されて、互いに分離されるいくつものピローパック3を形成する。パック3は、図示しない下流の折り畳みユニットに送られ、そこでは、パック3は、図示していない対応したパッケージへと折り畳まれる。
【0029】
付形アセンブリ10a、10bはチューブ2と相互作用して、等間隔の断面でそれをヒートシールし、かつ軸Aに交差する横方向シーリングバンドによってチューブ2に接続された、いくつものパック3(
図1)を形成する。
【0030】
さらに、付形アセンブリ10a、10bはチューブ2と相互作用して、それぞれのシーリングバンドに沿ってパック3を切断し、ピローパックを互いに分離する。
【0031】
付形アセンブリ10aは、実質的に:
- 方向Cに沿って互いに離間した、複数の、図示の実施形態では2つの無限軌道13aを規定するフレーム12a;および
- 複数のキャリッジ14a
を含む。
【0032】
付形アセンブリ10bは、実質的に:
- 方向Cに沿って互いに離間した、複数の、図示の実施形態では2つの無限軌道13bを規定するフレーム12b;および
- 複数のキャリッジ14b
を含む。
【0033】
キャリッジ14a、14bは互いに独立しており、および関連の軌道13a、13b上で自走可能である。
【0034】
各フレーム12a、12bは:
- 方向Cに直交しかつ図示の実施形態では垂直のそれぞれの平面にある、互いに対向しかつ方向Cに対して平行な2つの楕円形の平面的な端面16a、16b;および
- 方向Cに沿って面16aと16bとの間に延在する、湾曲した連続面17a、17b
を含む。
【0035】
面17a、17bは、それぞれの軌道13a、13bを規定する。
【0036】
さらに、各軌道13a、13bは、垂直面にあり、および(
図1):
- 軸Aに対して平行に延在しかつチューブ2に対面する直線部分18a、18b;
- 軸Aに対して平行に延在しかつそれぞれの部分18a、18bに対向する直線部分19a、19b;および
- 部分18a、18bと19a、19bとの間に置かれる一対の湾曲部分20a、20b
を含む。
【0037】
図示の実施形態では、部分18a、18b;19a、19bは垂直である。
【0038】
部分18a、18bは互いに対面し、および部分19aと19bとの間に配置される。
【0039】
付形アセンブリ10aの各キャリッジ14aは、付形アセンブリ10bの対応するキャリッジ14bに関連付けられている。
【0040】
図示の実施形態では、各キャリッジ14aおよび対応するキャリッジ14bは、関連のパック3を形成してシールする。
【0041】
特に、キャリッジ14a、14bは、それぞれ図示しないハーフシェル(half-shells)を含む。
【0042】
キャリッジ14aはまた、図示しないシーリング要素、および図示しない引き出し可能な切断要素を含む。
【0043】
キャリッジ14bはまた、逆向きのシーリング要素と、切断要素が引き出されるときに切断要素を受け入れるように適合された、図示しない座部とを含む。
【0044】
キャリッジ14a、14bは、それぞれの軌道13a、13b上で、互いに独立して自走可能である。
【0045】
各キャリッジ14a、14bは、実質的に(
図1):
- 方向Cに対して平行に延在するモータ素子40;
- モータ素子40の一方の側面で、側方に突出し、関連のパックと相互作用するように構成され、および関連のパックを動かすおよび/または関連のパックに作業を実施するためにモータ素子40に対して動き得るツール41(
図1において概略的にのみ示す)
を含む。
【0046】
図示の実施形態では、キャリッジ14aのツール41は、形成の際にパック3の形状を制御するためのそれぞれのハーフシェル、およびそれぞれのシーリング要素およびそれぞれの引き出し可能な切断要素を備える。
【0047】
キャリッジ14bのツール41は、キャリッジ14aによって担持されるものに対応するそれぞれのハーフシェル、およびパック3の横方向シーリングバンドを形成するために、対応するシーリング要素と相互作用するように適合されるそれぞれの逆向きのシーリング要素、およびパック3が横方向シーリングバンドに沿って切断されるときに、対応する切断要素を収容するように適合されるそれぞれの座部を備える。
【0048】
図示の実施形態では、モータ素子40は、それぞれの磁場源42(
図2)と磁気的に結合され、それら磁場源は、それぞれの面17a、17bによって定位置に担持されるため、キャリッジ14a、14bは、軌道13a、13bに沿って自走可能である。
【0049】
磁場源42は、ユニット1の動作条件に基づいて選択的に起動/起動停止され得るため、キャリッジ14a、14bは、軌道13a、13bに沿って互いに独立して可動である。
【0050】
好都合なことには、ユニット1は(特に、
図2参照):
- 電磁静止装置50;
- それぞれのキャリッジ14a、14bによって担持される複数のタグ52a、52b;および
- 装置50とタグ52a、52bとの間に双方向通信を確立するように構成された無線通信手段51
を含む。
【0051】
無線通信手段51は:
- 装置50からタグ52a、52bへ電力を転送する;
- 装置50からタグ52a、52bへデータを転送する;および
- タグ52a、52bから装置50へデータを転送する
ように構成される。
【0052】
図示の実施形態では、装置50は、アンテナであるか、または互いに接続される複数のアンテナによって形成されている。
【0053】
特に、装置50はワイヤアンテナである。
【0054】
装置50は、タグ52a、52bに電磁的に結合される。
【0055】
図示の実施形態では、装置50は、軌道13a、13bと同じ方法で付形される。従って、装置50は、軌道13a、13b全体に沿ってタグ52a、52bと電磁的に結合される。
【0056】
あるいは、装置50は、軌道13a、13bの一部分としてのみ付形され、かつ軌道13a、13bのその部分のみに沿って、それぞれのタグ52a、52bによって担持されるアンテナ54a、54bに電磁的に結合され得る。
【0057】
より詳細には、キャリッジ14a、14bは、タグ52a、52bに埋め込まれたそれぞれの電気回路を備える。
【0058】
図示の実施形態では、タグ52a、52bはパッシブであり、およびメモリレジスタを含む。
【0059】
装置50は、無線通信手段51によって、タグ52a、52bを動作させるために必要な電力を転送する。
【0060】
キャリッジ14a、14bは、それぞれ、少なくとも1つのそれぞれのセンサー53a、53bを含み、このセンサーは、キャリッジ14a、14bおよびまたはユニット1の動作条件に関連付けられた出力信号を生成するように構成されている。
【0061】
より詳細には、センサー53a、53bは、キャリッジ14a、14bの振動を測定するための加速度計、および/または温度センサーである。
【0062】
センサー53a、53bは、それぞれの電気回路を含む。
【0063】
タグ52a、52bは、それぞれのセンサー53a、53bに機能的に結合されて、それらの電気回路に給電する。
【0064】
タグ52a、52bは、それぞれのセンサー53a、53bに機能的に結合され、出力信号を受信し、かつこれらの出力信号を装置50に送信する。換言すると、タグ52a、52bから装置50へ転送されたデータは、センサー53a、53bの出力信号を含む。
【0065】
ユニット1はまた、装置50と接続されたパーソナルコンピュータ55を含み、およびそこで、タグ52a、52bから装置50へ転送されたデータは、ダウンロードされて表示される。
【0066】
パーソナルコンピュータ55は、キャリッジ14a、14bに対して静止している。
【0067】
もっと正確に言えば、ユニット1は:
- 装置50に接続された質問機56;
- パーソナルコンピュータ55に接続された受信機57;および
- 質問機56と受信機57との間のデータの交換を可能にする、接続手段58、例えばイーサネット(登録商標)ケーブルまたはWi-Fiプロトコル
を含む。
【0068】
図示の実施形態では、無線通信手段51は、RFID(無線認証)プロトコルを使用して、装置50とキャリッジ14a、14bとの間の通信を確立する。さらに、装置50はRFIDアンテナであり、およびタグ52a、52bはRFIDタグである。
【0069】
使用中、キャリッジ14a、14bは、それぞれの軌道13a、13bに沿って動き、および包装材料のチューブ2は、付形アセンブリ10aと10bとの間で、軸Aに対して平行に送られる。
【0070】
キャリッジ14a、14bが、軌道13a、13bのそれぞれに沿って動くとき、対応するツール41は、互いにおよび/またはチューブ2と相互作用し、パック3を形成し、シールし、分離し、および軸パック3に対して平行に前進する。
【0071】
図示の実施形態では、キャリッジ14a、14bのツール41のハーフシェルは互いに協働して、パック3の形状を制御する一方、キャリッジ14aのツール41のシーリング要素は、キャリッジ14bのツール41の逆向きのシーリング要素と協働して、等間隔の断面でチューブ2をヒートシールし、かつパック3のそれぞれの底部横方向シーリングバンドを形成する。
【0072】
さらに、キャリッジ14aのツール41によって担持される切断要素は、キャリッジ14bによって担持される座部内に収容されるときまで、引き出され、それぞれの横方向シーリングバンドに沿ってパック3を切断し、かつチューブ2からそれらパック3を分離する。
【0073】
無線通信手段51は、装置50から、それぞれのキャリッジ14a、14bによって担持されるタグ52a、52bへ電力を転送する。
【0074】
無線通信手段51はまた、装置50からタグ52a、52bへデータを転送する、およびその逆も同様である。
【0075】
特に、装置50から転送されたデータは、タグ52a、52bのメモリレジスタに記憶される。
【0076】
各キャリッジ14a、14bのタグ52a、52bは、同じキャリッジ14a、14bによって担持されるそれぞれのセンサー53a、53bの電気回路に給電する。
【0077】
さらに、各キャリッジ14a、14bのタグ52a、52bは、同じキャリッジ14a、14bによって担持されるセンサー53a、53bから出力信号を受信する。
【0078】
これらの出力信号は、タグ52a、52bのメモリレジスタ内に記憶され、かつ無線通信手段51によって装置50へ転送される。
【0079】
装置50は、出力信号をパーソナルコンピュータ55へ転送し、そこで、それら出力信号はダウンロードされて表示される。
【0080】
特に、出力信号は、接続手段58によって、装置50に接続される質問機56と、パーソナルコンピュータ55に接続される受信機57との間で転送される。
【0081】
本発明によるユニット1および方法の利点は、上記の説明から明らかとなる。
【0082】
特に、無線通信手段51は、装置50とタグ52a、52bとの間に双方向通信を確立する。
【0083】
さらにもっと正確に言うと、無線通信手段51は、装置50からタグ52a、52bへ電力を、および装置50とタグ52a、52bとの間でデータを転送する。
【0084】
それゆえ、タグ52a、52bを、キャリッジ14a、14bに関連付けられたセンサー53a、53bに動作可能に接続すること、それゆえ、キャリッジ14a、14bおよびユニット1の動作をリアルタイムで監視することが可能である。
【0085】
キャリッジ14a、14bおよびユニット1の動作が非常に単純な方法で実施され、ユニット1内に専用の静止センサーを提供する必要はないことを強調することが重要である。
【0086】
特に、タグ52a、52bは、装置50から受け取った電力を、センサー53へ転送し、キャリッジ14a、14bの動作条件に関するデータをセンサー53a、53bから受信し、およびこの情報を記憶する。さらに、無線通信手段51は、これらのデータを、タグ52a、52bから装置50へ転送する。
【0087】
このようにして、センサー53が加速度計である場合には、キャリッジ14a、14bの軸受の荷重履歴、それゆえ、達成した疲労レベルを評価することが可能である。
【0088】
センサー53a、53bが温度センサーである場合には、キャリッジ14a、14bの環境の温度が、ツール41によって実施されるべき動作に関して正しいかどうかを検証することが可能である。
【0089】
最後に、RFIDプロトコルは、タグ52a、52bの電気回路に重すぎる電気負荷を生成することなく、タグ52a、52bの電気回路に、動作するのに十分な電力を提供するのに効果的である。
【0090】
添付の特許請求の範囲で規定される範囲を逸脱せずに、本明細書で説明および図示したようなユニット1および方法に変更が行われてもよいことが明らかである。
【0091】
特に、ユニット1は、形成され、および充填され、および折り畳み済みのパッケージに開封装置を接着剤づけする前に、開封装置に接着剤を塗布するように適合され得る。
【0092】
この適用例では、それぞれのパッケージに接着剤で取り付けられる開封装置の面に接着剤を適切に塗布するために、キャリッジ14a、14bは、接着剤塗布器下で、三次元の軌跡に沿って動く。
【0093】
さらに、ユニット1は、プラスチックをダイレクト成形して、それぞれの孔、すなわち包装材料のウェブのいわゆる「プレラミネートされた孔」に開封装置を獲得するように適合され得る。この場合、キャリッジ14a、14bは、包装材料のウェブ上でそれぞれの所望の位置にそれぞれの成形ステーションを設定するために用いられる。そのため、成形ステーションは、開封装置を成形するように動作される。