(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】表示装置、表示装置の表示コントラストを適応的に変調するためのアセンブリ、および表示装置の表示コントラストを適応的に変調する方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20220215BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20220215BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220215BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220215BHJP
G09G 3/3225 20160101ALI20220215BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
G09F9/00 313
G02B26/08 E
G09F9/00 366G
G09F9/30 338
G09G3/20 642E
G09G3/20 642F
G09G3/20 642P
G09G3/20 680H
G09G3/3225
G09G3/36
(21)【出願番号】P 2018565346
(86)(22)【出願日】2017-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2017116196
(87)【国際公開番号】W WO2019113892
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512116114
【氏名又は名称】北京京▲東▼方▲顯▼示技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE DISPLAY TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.118 Jinghaiyilu,BDA,Beijing 100176,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】カン・ジャン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-015123(JP,A)
【文献】特開2001-311946(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0328754(US,A1)
【文献】中国実用新案第206301074(CN,U)
【文献】特開2003-280090(JP,A)
【文献】特開2006-133394(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101551977(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B5/00-5/136
6/35
26/00-26/12
G02F1/1335
1/13363
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12-3/26
3/30-3/38
H04N5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、
複数のサブピクセルを有する表示パネルと、
該表示パネルに配列され、前記表示装置の表示コントラストを適応的に変調するように構成される複数のマイクロ光変調器の配列と、を備え、
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において前記表示パネルの発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度レベルに基づいて適応的に変調するように構成され
、
前記表示パネルは、前記複数のマイクロ光変調器の配列から遠い位置にある第1側と、前記第1側に対向し、かつ前記複数のマイクロ光変調器の配列に近い位置にある第2側と、を有し、
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において前記表示パネルの前記第1側から射出された第1光の第1光度を、該領域において前記表示パネルの前記第2側から射出された第2光の第2光度に基づいて適応的に変調するように構成される
表示装置。
【請求項2】
前記複数のマイクロ光変調器のそれぞれに対応する領域は、前記複数のサブピクセルのうち1つまたはそれ以上を含む
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1光度は、前記第2光度と正に相関する
請求項
1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記第1光度を上げるように前記第2側に向けて前記第2光の第1部分を反射することにより、前記第1光の前記第1光度を適応的に変調するように構成される
請求項
1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記第2側から離れる方向に沿って前記第2光の第2部分を反射するように構成される
請求項
4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2光度に基づいて前記第1光度を適応的に変調するように、前記第2光度の変化に応答して、前記第2部分に対する前記第1部分の比率を適応的に調整して構成される適応制御回路をさらに備える
請求項
5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記第2光の前記第2部分を検出するように構成される光センサをさらに含む
請求項
6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記光センサの抵抗は、前記第2光度の変化に応答して変化し、
前記適応制御回路は、前記光センサの抵抗の変化に応答して、前記第2部分に対する前記第1部分の比率を適応的に調整するように構成される
請求項
7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数のマイクロ光変調器のうち1行のマイクロ光変調器にそれぞれ接続される複数の第1走査線と、
前記複数のマイクロ光変調器のうち1列のマイクロ光変調器にそれぞれ接続される複数の第2走査線と、
前記複数の第1走査線のうち1つに接続されたソース、前記複数の第2走査線のうち1つに接続されたゲート、および前記複数のマイクロ光変調器のうち1つにおける光センサに接続されたドレインをそれぞれ有する複数のスイッチトランジスタと、をさらに備える
請求項
7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の第1走査線は、前記表示装置において、複数のサブピクセルで画像表示を駆動するための複数のゲート線である
請求項
9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記複数の第2走査線は、前記表示装置において、複数のサブピクセルで画像表示を駆動するための複数のゲート線である
請求項
9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記適応制御回路は、前記光センサの抵抗の変化に応答して電圧制御信号を生成するように構成される差動増幅器を含む
請求項
7に記載の表示装置。
【請求項13】
前記適応制御回路は、
前記差動増幅器に接続されたゲート、および繰り返し周波数のランプ電圧が供給されるように構成されたソースを有する第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレインに接続された第1電極を有するコンデンサと、
前記コンデンサの前記第1電極に接続されたゲート、および制御電圧が供給されるように構成されたソースを有する第2トランジスタと、をさらに含み、
前記コンデンサの前記第1電極において維持される電圧レベルは、前記第2トランジスタにおけるソースおよびドレインを流れる電流を制御するように構成される
請求項
12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記繰り返し周波数は、前記表示パネルにおける画像表示のフレーム周波数と実質的に同じである
請求項
13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記電圧制御信号は、前記光センサの抵抗が基準抵抗値の範囲内である場合、前記ランプ電圧の前記コンデンサへの充電を中止するために前記第1トランジスタをオフにするように構成される
請求項
13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、マイクロミラーを含み、
前記マイクロミラーは、前記表示パネルの前記第2側にある面に対して第1角度をなす反射面を有し、
前記反射面は、前記第2光の第1部分を前記第2側に向けて反射するとともに、前記第2光の第2部分を前記第2側から離れる方向に沿って反射するように構成され、
前記表示装置は、前記第2光度に基づいて前記第1光度を適応的に変調するように、前記第1角度を制御することで、前記第2光度の変化に応答して、前記第2部分に対する前記第1部分の比率を適応的に調整して構成される適応制御回路をさらに備える
請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記表示パネルの前記第2側にある面に対する前記反射面の前記第1角度を制御するように構成されるアクチュエータをさらに含む
請求項
16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記アクチュエータは、電磁コイルであり、
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記マイクロミラーに取り付けられた磁石を含み、
前記第1角度は、前記電磁コイルおよび前記磁石間の磁気力の大きさにより制御される
請求項
17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記マイクロミラーに接続されたヒンジをさらに含み、
前記マイクロミラーは、前記第1角度を変化させるように、前記磁気力の変化に応答して、前記ヒンジに対して回転するように構成される
請求項
18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示パネルは、透明表示パネルである
請求項1~
19のいずれかに記載の表示装置。
【請求項21】
表示パネルの表示コントラストを適応的に変調するためのアセンブリであって、
複数のマイクロ光変調器の配列を備え、
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において前記表示パネルの発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度に基づいて適応的に変調するように構成され
、
前記表示パネルは、前記複数のマイクロ光変調器の配列から遠い位置にある第1側と、前記第1側に対向し、かつ前記複数のマイクロ光変調器の配列に近い位置にある第2側と、を有し、
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において前記表示パネルの前記第1側から射出された第1光の第1光度を、該領域において前記表示パネルの前記第2側から射出された第2光の第2光度に基づいて適応的に変調するように構成される
アセンブリ。
【請求項22】
表示パネルの表示コントラストを適応的に変調するための方法であって、
前記表示パネルは、複数のマイクロ光変調器の配列から遠い位置にある第1側と、前記第1側に対向し、かつ前記複数のマイクロ光変調器の配列に近い位置にある第2側と、を有し、
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において前記表示パネルの前記第1側から射出された第1光の第1光度を、該領域において前記表示パネルの前記第2側から射出された第2光の第2光度に基づいて適応的に変調するように構成され、
前記方法は、前記複数のマイクロ光変調器のそれぞれに対応する領域において前記表示パネルの発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度に基づいて適応的に変調することを含む
、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術に関し、特に、表示装置、表示装置の表示コントラストを適応的に変調するためのアセンブリ、および表示装置の表示コントラストを適応的に変調する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示(LCD)装置や有機発光ダイオード(OLED)表示装置などの表示装置は幅広く用いられている。LCDやOLED表示装置は、表示パネルにおいて、薄膜トランジスタ(TFT)を用いてピクセルを制御する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様は、複数のサブピクセルを有する表示パネルと、該表示パネルに配列され、前記表示装置の表示コントラストを適応的に変調するように構成される複数のマイクロ光変調器の配列と、を備え、前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において前記表示パネルの発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度レベルに基づいて適応的に変調するように構成される表示装置を提供する。
【0004】
前記複数のマイクロ光変調器のそれぞれに対応する領域は、前記複数のサブピクセルのうち1つまたはそれ以上を含んでもよい。
【0005】
前記表示パネルは、前記複数のマイクロ光変調器の配列から遠い位置にある第1側と、前記第1側に対向し、かつ前記複数のマイクロ光変調器の配列に近い位置にある第2側と、を有し、前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において前記表示パネルの前記第1側から射出された第1光の第1光度を、該領域において前記表示パネルの前記第2側から射出された第2光の第2光度に基づいて適応的に変調するように構成されてもよい。
【0006】
前記第1光度は、前記第2光度と正に相関してもよい。
【0007】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記第1光度を上げるように前記第2側に向けて前記第2光の第1部分を反射することにより、前記第1光の前記第1光度を適応的に変調するように構成されてもよい。
【0008】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記第2側から離れる方向に沿って前記第2光の第2部分を反射するように構成されてもよい。
【0009】
前記第2光度に基づいて前記第1光度を適応的に変調するように、前記第2光度の変化に応答して、前記第2部分に対する前記第1部分の比率を適応的に調整して構成される適応制御回路をさらに備えてもよい。
【0010】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記第2光の前記第2部分を検出するように構成される光センサをさらに含んでもよい。
【0011】
前記光センサの抵抗は、前記第2光度の変化に応答して変化し、前記適応制御回路は、前記光センサの抵抗の変化に応答して、前記第2部分に対する前記第1部分の比率を適応的に調整するように構成されてもよい。
【0012】
前記複数のマイクロ光変調器のうち1行のマイクロ光変調器にそれぞれ接続される複数の第1走査線と、前記複数のマイクロ光変調器のうち1列のマイクロ光変調器にそれぞれ接続される複数の第2走査線と、前記複数の第1走査線のうち1つに接続されたソース、前記複数の第2走査線のうち1つに接続されたゲート、および前記複数のマイクロ光変調器のうち1つにおける光センサに接続されたドレインをそれぞれ有する複数のスイッチトランジスタと、をさらに備えてもよい。
【0013】
前記複数の第1走査線は、前記表示装置において、複数のサブピクセルで画像表示を駆動するための複数のゲート線であってもよい。
【0014】
前記複数の第2走査線は、前記表示装置において、複数のサブピクセルで画像表示を駆動するための複数のゲート線であってもよい。
【0015】
前記適応制御回路は、前記光センサの抵抗の変化に応答して電圧制御信号を生成するように構成される差動増幅器を含んでもよい。
【0016】
前記適応制御回路は、前記差動増幅器に接続されたゲート、および繰り返し周波数のランプ電圧が供給されるように構成されたソースを有する第1トランジスタと、前記第1トランジスタのドレインに接続された第1電極を有するコンデンサと、前記コンデンサの前記第1電極に接続されたゲート、および制御電圧が供給されるように構成されたソースを有する第2トランジスタと、をさらに含み、前記コンデンサの前記第1電極において維持される電圧レベルは、前記第2トランジスタにおけるソースおよびドレインを流れる電流を制御するように構成されてもよい。
【0017】
前記繰り返し周波数は、前記表示パネルにおける画像表示のフレーム周波数と実質的に同じであってもよい。
【0018】
前記電圧制御信号は、前記光センサの抵抗が基準抵抗値の範囲内である場合、前記ランプ電圧の前記コンデンサへの充電を中止するために前記第1トランジスタをオフにするように構成されてもよい。
【0019】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、マイクロミラーを含み、前記マイクロミラーは、前記表示パネルの前記第2側にある面に対して第1角度をなす反射面を有し、前記反射面は、前記第2光の第1部分を前記第2側に向けて反射するとともに、前記第2光の第2部分を前記第2側から離れる方向に沿って反射するように構成され、前記表示装置は、前記第2光度に基づいて前記第1光度を適応的に変調するように、前記第1角度を制御することで、前記第2光度の変化に応答して、前記第2部分に対する前記第1部分の比率を適応的に調整して構成される適応制御回路をさらに備えてもよい。
【0020】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記表示パネルの前記第2側にある面に対する前記反射面の前記第1角度を制御するように構成されるアクチュエータをさらに含んでもよい。
【0021】
前記アクチュエータは、電磁コイルであり、前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記マイクロミラーに取り付けられた磁石を含み、前記第1角度は、前記電磁コイルおよび前記磁石間の磁気力の大きさにより制御されてもよい。
【0022】
前記複数のマイクロ光変調器の各々は、前記マイクロミラーに接続されたヒンジをさらに含み、前記マイクロミラーは、前記第1角度を変化させるように、前記磁気力の変化に応答して、前記ヒンジに対して回転するように構成されてもよい。
【0023】
前記表示パネルは、透明表示パネルであってもよい。
【0024】
本発明の他の一態様は、表示パネルの表示コントラストを適応的に変調するためのアセンブリであって、複数のマイクロ光変調器の配列を備え、前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において前記表示パネルの発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度に基づいて適応的に変調するように構成されるアセンブリを提供する。
【0025】
本発明の別の一態様は、表示パネルの表示コントラストを適応的に変調するための方法であって、前記複数のマイクロ光変調器のそれぞれに対応する領域において前記表示パネルの発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度に基づいて適応的に変調することを含む方法を提供する。
【0026】
以下の図面は、単なる開示された各実施形態を説明するための例であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置の構成を説明する模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器のうち1つの作動原理を説明する模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器のうち1つの作動原理を説明する模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器のうち1つの作動原理を説明する模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器を説明する模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における適応制御回路の構成を説明する模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置の適応制御回路に含まれる様々な信号の波形を描く。
【
図8】
図8は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器のうち1つを説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明について、幾つかの実施形態を参照しながらより具体的に説明する。なお、以下で説明される実施形態は、例示または説明を目的とするものに過ぎず、本発明の構成などについても網羅や限定することを意図しない。
【0029】
従来の表示パネル、特に透明表示パネルにおいて、例えば屋外環境のような環境光度が比較的高い場合や表示パネルが透明表示パネルである場合には、表示コントラストが低下する。これにより、表示された画像を見ることは読者にとって困難である。読者は、画像表示をより良く見るために、屋外で表示パネルの輝度を上げる場合がある。しかしながら、これは、はるかに高い消費電力をもたらす。
【0030】
したがって、本発明は、関連技術の制限や欠点に起因する1つまたは複数の問題を実質的に解決すべき、とりわけ、表示装置、表示装置の表示コントラストを適応的に変調するためのアセンブリ、および表示装置の表示コントラストを適応的に変調する方法を提供する。一態様において、本発明は、複数のサブピクセルを有する表示パネルと、該表示パネルに配列され、前記表示装置の表示コントラストを適応的に変調するように構成される複数のマイクロ光変調器の配列と、を備える表示装置を提供する。幾つかの実施形態において、前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において前記表示パネルの発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度レベルに基づいて適応的に変調するように構成される。
【0031】
ここで、「適応的」という用語とは、一連の新しい条件に適するように変更する能力を意味し、例えば、1つまたは複数の、取得された入力または検出された条件からのフィードバックに基づいて自動的に変更することがあり得る動的変調または動的調整をいえる。一例としては、ある領域において前記表示パネルの発光側から射出された光の光度は、該領域で表示されている画像の輝度レベルからのフィードバックに基づいて適応的に変調可能である。表示装置の表示コントラストは、複数の領域における光度を適応的に変調することで適応的に変調可能になる。
【0032】
図1は、本発明の幾つかの実施形態における表示装置の構成を説明する模示図である。
図1を参照すれば、幾つかの実施形態において、表示装置は、表示パネル10と、表示パネル10にある複数のマイクロ光変調器Mの配列と、を備える。複数のマイクロ光変調器Mは、表示装置の表示コントラストを適応的に変調するように構成される。複数のマイクロ光変調器Mの各々は、複数のマイクロ光変調器Mそれぞれに対応する領域において表示パネル10の発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度レベルに基づいて適応的に変調するように構成される。複数の領域における光度は、均一に変調されなくてもよい。複数のマイクロ光変調器Mは、複数のマイクロ光変調器Mに対応する複数の領域において表示パネル10の発光側から射出された光の光度を適応的に変調することで、より高い輝度レベルを有する領域が、より低い輝度レベルを有する領域と比べて光度がより大きく(例えば、より大きいパーセンテージで)増加されるように構成されてもよい。これにより、表示パネル10で表示される画像の表示コントラストを大幅に向上させることができる。変調は、該領域に表示されている画像の輝度レベルに基づいて適応的に実行されるので、その光度の変調は動的プロセスである。例えば、画像の次フレームでは、同じ領域における輝度レベルが減少しており、該領域における光度は、相応に少しだけ増加され、または増加されない。
【0033】
表示装置の表示コントラストと表示パネル10の第1側S1から射出された第1光の第1光度を適応的に変調するには、様々な適切な光変調器が用いられる。適切な光変調器の例としては、微小電気機械システム(MEMS)、光電式光変調器(例えば、液晶)、電気機械式光変調器、エレクトロクロミック方式の光変調器、反射型光変調器、または他のタイプの光変調器が挙げられる。MEMSの例としては、デジタルマイクロミラー装置のようなマイクロミラーアレイシステムが挙げられる。以下、例として、複数のマイクロ光変調器は、複数のマイクロミラーを含んでよい。
【0034】
複数のマイクロ光変調器のそれぞれに対応する領域には、1つまたは複数のサブピクセルが含まれる。領域ごとには、単一のサブピクセルが含まれてもよい。表示パネルは、それぞれが複数のサブピクセル(例えば、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および青色サブピクセル)を含む複数のピクセルを備え、各領域には1つまたは複数のピクセルが含まれてもよい。複数のマイクロ光変調器のそれぞれに対応する領域の各々は、1~1000個のサブピクセル、例えば、1~100個のサブピクセル、100~200個のサブピクセル、200~300個のサブピクセル、300~400個のサブピクセル、400~500個のサブピクセル、500~600個のサブピクセル、600~700個のサブピクセル、700~800個のサブピクセル、800~800個のサブピクセル、および900~1000個のサブピクセルを含む。
【0035】
図1に示すように、幾つかの実施形態において、表示パネルは、複数のマイクロ光変調器Mの配列から遠い第1側S1と、第1側S1に対向し、かつ複数のマイクロ光変調器Mの配列に近い第2側S2と、を有する。複数のマイクロ光変調器Mの各々は、複数のマイクロ光変調器Mそれぞれに対応する領域において表示パネル10の第1側S1から射出された第1光L1の第1光度を、該領域において表示パネル10の第2側S2から射出された第2光の第2光度に基づいて適応的に変調するように構成される。
【0036】
幾つかの実施形態において、第1光度は、第2の光度と正に相関する。画像の現フレームにおける輝度レベルによって定義される、表示パネル10の第1側S1から射出された第1光L1の光度の初期値からの増加量は、第2光度と正に相関してもよい。画像の現フレームにおける、該画像が表示される領域で表示パネル10の第2側S2から射出された第2光L2の光度が大きいほど、同じ領域で表示パネル10の第1側S1から射出された第1光L1の光度が大きく増加されてもよい。該領域で表示パネル10の第2側S2から射出された第2光L2の光度は、最大値と最小値との間の範囲にて変化しており、同じ領域で表示パネル10の第1側S1から射出された第1光L1の第1光度は、第2光L2の光度がこの最小値に等しい場合に、最小限に増加されるか、または増加されなくてもよく、第2光L2の光度がこの最大値に等しい場合に、最大限に増加されてもよい。該領域で表示パネル10の第2側S2から射出された第2光L2の光度が第1値以下である場合には、同じ領域で表示パネル10の第1側S1から射出された第1光L1の光度が増加されなくてもよい。該領域で表示パネル10の第2側S2から射出された第2光L2の光度が第2値以上である場合には、同じ領域で表示パネル10の第1側S1から射出された第1光L1の光度が最大限に増加されてもよい。
【0037】
図2は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器のうち1つの作動原理を説明する模式図である。
図2を参照すれば、複数のマイクロ光変調器Mのうちの1つは、表示パネル10の第2側S2から射出された第2光L2を反射するための手段(例えば、マイクロミラー20)を含む。
図2に示すように、複数のマイクロ光変調器Mの各々は、第1光L1の光度を上げるように、第2光L2の第1部分L2-1を第2側S2に向けて反射することで、第1光L1の第1光度を適応的に変調するように構成される。第1部分L2-1は、続いて表示パネル10を通過して第1側S1に伝達されてもよい。したがって、本明細書において、幾つかの実施形態では、第1光L1は、表示パネル10から(例えば、発光層または液晶層から)、直接に表示パネル10の第1側S1に放出される光である第1成分と、複数のマイクロ光変調器Mのうち1つのよって第2側S2に向けて反射され、表示パネル10を通過して第1側S1に伝達される第2光L2の第1部分L2-1である第2成分との2つの成分を含む。第1光L1の光度は、これらの第1成分と第2成分の合計光度である。
【0038】
図2を参照すれば、幾つかの実施形態において、複数のマイクロ光変調器Mの各々は、第2側S2から離れる方向に沿って第2光L2の第2部分L2-2を反射するように構成される。一例としては、第2部分L2-2は、第2側S2と実質的に平行な方向に沿って反射される。幾つかの実施形態において、第2部分L2-2の量または強度が測定されており、測定された第2部分L2-2の量または強度は、例えば画像の現フレームにおいて表示パネル10の第1側S1から射出された第1光L1の第1光度を適応的に変調するためのフィードバックとして用いられる。
【0039】
第1光度の適応変調には、様々な適切な適応フィードバック機構が用いられてもよい。説明の便宜上、幾つかの実施形態において、表示装置は、第2光度に基づいて第1光度を適応的に変調するように、第2光度の変化に応答して、第2部分L2-2に対する第1部分L2-1の比率を適応的に調整して構成される適応制御回路を含む。例えば、画像の現フレームにおける第1時点において、第2部分L2-2は、基準値よりも大きい測定量または強度を有し、適応制御回路は、複数のマイクロ光変調器Mのうち1つを制御することで、第2部分L2-2に対する第1部分L2-1の比率を調整して第2部分L2-2の測定量または強度を下げるように構成される。他の例としては、画像の現フレームにおける第2時点において、第2部分L2-2は、基準値よりも小さい測定量または強度を有し、適応制御回路は、複数のマイクロ光変調器Mのうち1つを制御することで、第2部分L2-2に対する第1部分L2-1の比率を調整して第2部分L2-2の測定量または強度を上げるように構成される。適応プロセスは、第2部分L2-2の測定量または強度が基準値と実質的に同じ(または基準範囲内)である第3時点まで続ける。別の例としては、適応制御回路は、マイクロミラー20の反射面と表示パネル10の第2側S2の表面との間でなす第1角度αを調整することにより、複数のマイクロ光変調器Mのうち1つを制御するように構成される。
【0040】
図3は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器のうち1つの作動原理を説明する模式図である。
図3を参照すれば、幾つかの実施形態において、複数のマイクロ光変調器Mの各々は、第2光L2の第2部分L2-2を検出するように構成される光センサ30をさらに含む。
図3は、第2光L2の第2光度が比較的小さい例を示す。適応プロセスは、第2部分L2-2の測定量または強度が基準値と実質的に同じ(または基準範囲内)である状態に到達するように、(例えば、適応制御回路を介して)実行されてもよい。第2光L2の第2光度は比較的小さいので、この状態を達成するために、第1角度αを比較的大きな値に調整する必要がある。
【0041】
図4は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器のうち1つの作動原理を説明する模式図である。
図4は、第2光L2の第2光度が比較的大きい例を示す。適応プロセスは、第2部分L2-2の測定量または強度が基準値と実質的に同じ(または基準範囲内の)である状態に到達するように、(例えば、適応制御回路を介して)実行されてもよい。第二光L2の第2光度が比較的大きいので、この状態を達成するために、第1角度αを比較的小さい値に調整する必要がある。
【0042】
第2部分L2-2の量または強度を測定するのには、様々な適切な方法や装置が用いられる。一例としては、第2部分L2-2の量または強度は、
図3、4に示されるような光センサ30によって測定される。光センサ30は、抵抗RLを有してもよい。第2光L2の第2光度の変化(例えば、
図3の状態から
図4の状態への変化、またはその逆)に応答して、光センサによって受光される光の量も変化して、光センサ30の抵抗RLの変化をもたらす。
【0043】
一例としては、複数のマイクロ光変調器Mのうち1つに対応する領域は、
図3に示される状態から、
図4に示される状態へ変化し、例えば、領域内の低い輝度レベルに対応する第1状態から、より高い輝度レベルに対応する第2状態へ変化する。第1時点において、
図3に示すように、第2光L2の第2光度は、基準光度と実質的に同じであり、光センサ30の抵抗RLは、基準抵抗と実質的に同じである。領域内の輝度レベルが増加すると、それに対応して第2光L2の第2光度が増加しつつ、光センサ30の抵抗RLが減少する。適応制御回路は、マイクロミラー20の反射面と表示パネル10の第2側S2の表面との間でなす第1角度αが減少するように、マイクロミラー20を適応的に制御するように構成される(例えば、
図4の状態まで)。第1角度αが減少すると、第2部分L2-2に対する第1部分L2-1の比率が増加し、例えば、第2部分L2-2によって照射される光センサ30の面積が減少し、第2部分L2-2の光量が減少する。第2部分L2-2の光量が減少すると、光センサ30の抵抗RLが増加する。適応プロセスは、光センサ30の抵抗RLが基準抵抗と実質的に同じレベルに増加するまで続ける。
【0044】
他の例としては、複数のマイクロ光変調器Mのうち1つに対応する領域は、
図4に示される状態から、
図3に示される状態へ変化し、例えば、領域内のより高い輝度レベルに対応する第1状態から、より低い輝度レベルに対応する第2状態へ変化する。第1時点において、
図4に示すように、第2光L2の第2光度は、基準光度と実質的に同じであり、光センサ30の抵抗RLは、基準抵抗と実質的に同じである。領域内の輝度レベルが減少すると、それに応じて第2光L2の第2光量が減少し、光センサ30の抵抗RLが相応に増加する。適応制御回路は、マイクロミラー20の反射面と表示パネル10の第2側S2の表面との間でなす第1角度αが増加するように、マイクロミラー20を適応的に制御するように構成される(例えば、
図3の状態まで)。第1角度αが増加すると、第2部分L2-2に対する第1部分L2-1の比率が減少し、例えば、第2部分L2-2によって照射される光センサ30の面積が増加し、第2部分L2-2の光量が増加する。第2部分L2-2の光量が増加すると、光センサ30の抵抗RLが減少する。適応プロセスは、光センサ30の抵抗RLが基準抵抗と実質的に同じレベルに減少するまで続ける。
【0045】
図5は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器を説明する模式図である。
図5を参照すれば、表示装置は、幾つかの実施形態において、それぞれが光センサ30を含む複数のマイクロ光変調器Mを含む。光センサ30は抵抗RLを有する。表示装置は、それぞれが複数のマイクロ光変調器Mのうち1行のマイクロ光変調器に接続された複数の第1走査線SL1をさらに含む。表示装置は、それぞれが複数のマイクロ光変調器Mのうち1列のマイクロ光変調器に接続された複数の第2走査線SL2をさらに含む。表示装置は、それぞれが複数の第1走査線SL1のうち1つに接続されたソースと、複数の第2走査線SL2のうち1つに接続されたゲートと、複数のマイクロ光変調器Mのうち1つにおける光センサ30に接続されたドレインと、を有する複数のスイッチトランジスタT1(例えば、薄膜トランジスタ)をさらに含む。動作中では、複数のマイクロ光変調器Mのうち1行のマイクロ光変調器において複数のスイッチトランジスタT1のソース電極に供給される第1走査信号は、行ごとに複数のスイッチトランジスタT1に供給される。複数のマイクロ光変調器Mのうち1列のマイクロ光変調器において複数のスイッチトランジスタT1のゲート電極に供給される第2走査信号は、列ごとに複数のスイッチトランジスタT1に供給される。スイッチトランジスタT1のうち1つが第1走査信号および第2走査信号によってオンされると、光センサ30の抵抗RLは、測定可能になる(例えば、第2部分L2-2の光センサ30に照射された光の光量は測定可能になる)。複数の第1走査線SL1は、表示装置における複数のサブピクセルで画像表示を駆動するための複数のゲート線と同じであってもよい。複数の第2走査線SL2は、表示装置における複数のサブピクセルで画像表示を駆動するための複数のゲート線と同じであってもよい。
【0046】
図5に示すように、適応制御回路は、幾つかの実施形態において、光センサ30の抵抗RLの変化に応答して電圧制御信号V1を生成するように構成される差動増幅器80を含む。基準電圧信号REFが電圧信号Rxと実質的に同じである場合、電圧制御信号V1は実質的にゼロである。一例としては、RL/R3がR1/R2と実質的に同じである場合、電圧制御信号V1は実質的にゼロである。基準電圧信号REFが電圧信号Rxと異なる場合、電圧制御信号V1はゼロではなく、第2部分L2-2に対する第1部分L2-1の比率を適応的に制御するように構成され、これにより、次に抵抗RLが変化するようにする。
【0047】
図6は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における適応制御回路の構成を説明する模式図である。
図6を参照すれば、適応制御回路は、幾つかの実施形態において、差動増幅器80に接続されたゲート、および繰り返し周波数のランプ電圧V-Rampが供給されるように構成されたソースを有する第1トランジスタM1と、第1トランジスタM1のドレインに接続された第1電極を有するコンデンサC1と、コンデンサC1の第1電極に接続されたゲート、および制御電圧VDDが供給されるように構成されたソースを有する第2トランジスタM2と、を含む。コンデンサC1の第1電極で維持された電圧レベルは、第2トランジスタM2のソースおよびドレインを流れる電流を制御するように構成される。
【0048】
幾つかの実施形態において、光センサ30は、例えば前述のように第2光の第2部分L2-2の第2光度を検出することにより、複数のマイクロ光変調器Mのうち1つに対応する領域において輝度レベルの変化を検出するように構成される。波長差動増幅器80は、光センサ30によって検出された輝度レベルの変化に基づいて、第1トランジスタにフィードバックを提供するように構成される。一例としては、差動増幅器80は、第1トランジスタM1のゲートに制御電圧信号V1を出力する。第1トランジスタM1のソースには、ランプ電圧V-Rampが供給される。一例としては、制御電圧信号V1は、第1トランジスタM1をオンにするように、基準電圧レベルよりも大きい電圧レベルを有する。ランプ電圧V-Rampは、第1トランジスタM1を流れてコンデンサC1の第1電極を充電する。コンデンサの第2電極には、接地電圧が供給されてもよい。コンデンサC1の第1電極で維持された電圧レベルは、第2トランジスタM2のソースおよびドレイン間の抵抗、例えば、第2トランジスタM2のソースおよびドレインを流れる電流を制御する。第2トランジスタM2のドレイン電極は、アクチュエータ100に接続される。一例としては、アクチュエータ100は、マイクロミラー20の反射面の表示パネル10の第2側の表面に対する第1角度αを制御することにより、次に光センサ30の抵抗を決定するように構成される。したがって、第2トランジスタM2のソースおよびドレインを流れる電流のレベルは、第1角度αの大きさを決定する。
【0049】
幾つかの実施形態において、ランプ電圧V-Rampは、コンデンサC1の第1電極を充電し続け、第2トランジスタM2のソースおよびドレインを流れる電流は上昇し続ける。これにより、マイクロミラー20の反射面の表示パネル10の第2側の表面に対する第1角度αが変化し続けることで、光センサ30の抵抗が変化する。そして、光センサ30の抵抗の変化は、差動増幅器80からの制御電圧信号V1を変化させる(例えば、減少させる)。光センサの抵抗が標準抵抗値の範囲内(例えば、標準値と実質的に同じ)である場合、制御電圧信号V1は、第1トランジスタM1をオフにしてランプ電圧V-RampのコンデンサC1への充電を中止するように構成される(例えば、制御電圧信号V1の電圧レベルが閾値電圧レベルよりも低い場合)。
【0050】
ランプ電圧V-Rampは、繰り返し周波数を有してもよい。繰り返し周波数は、表示パネルにおける画像表示のフレーム周波数と実質的に同じであってもよい。
【0051】
図7は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置の適応制御回路に含まれる様々な信号の波形を描く。
図7を参照すれば、制御電圧信号V1が実線で示され、ランプ電圧V-Rampが長い点線で示され、コンデンサC1の第1電極で維持された電圧が小さな点線で示されている。
図7に示すように、ランプ電圧V-Rampの繰り返しの各サイクルにおいて、ランプ電圧V-Rampは上昇し続ける。各サイクルにおける最初の制御電圧信号V1は、高いレベルであって第1トランジスタM1をオンにすることで、V-RampがコンデンサC1の第1電極を充電し続け、コンデンサC1の第1電極での電圧レベルが上昇し続ける。上述したように、コンデンサC1の第1電極での電圧レベルが上昇すると、第2トランジスタM2のソースおよびドレインを流れる電流が増加し続け、これにより、光センサ30の抵抗が変化する。光センサ30の抵抗値が基準抵抗値の範囲内(例えば、基準値と実質的に同じ)であれば、制御電圧信号V1は閾値電圧(例えば、
図7に示すように実質的にゼロ)よりも低くなる。その時点で、第1トランジスタM1はオフにされ、コンデンサC1の第1電極での電圧レベルは安定に維持される。マイクロミラー20の反射面の表示パネル10の第2側の方面に対する第1角度αは、次のサイクルまで一定の角度に維持される。
【0052】
図3および
図4を参照すれば、幾つかの実施形態において、アクチュエータ100は、電磁コイル40であり、複数のマイクロ光変調器Mの各々は、マイクロミラー20に取り付けられた磁石50を含む。第1角度αは、電磁コイル40と磁石50との間での磁気力の大きさにより制御される。
【0053】
幾つかの実施形態において、
図3および
図4を参照すれば、複数のマイクロ光変調器Mの各々は、マイクロミラー20に接続されたヒンジ60をさらに含む。マイクロミラー20は、第1角度αを変化するように、磁気力の変化に応答して、ヒンジ60に対して回転するように構成される。
【0054】
幾つかの実施形態において、表示パネル10は、透明表示パネルです。ここで、「透明表示パネル」という用語とは、グラフィック画像を表示する同時に、表示パネルの裏側から入射された光が通過可能な表示パネルをいう。本明細書に記載の透明表示パネルは、少なくとも20%の透過率を有してもよい。本発明に係る透明表示パネルは、透明液晶表示パネルと透明有機発光ダイオード表示パネルを含む。透明表示パネルの例としては、部屋の窓、建物、器具、車のフロントガラス、車両ヘッドアップディスプレイ、眼鏡、双眼鏡、バイザー、ヘルメットなどの形での透明表示パネルが挙げられる。
【0055】
幾つかの実施形態において、
図3および
図4を参照すれば、複数のマイクロ光変調器Mの各々は、マイクロミラー20の反射面とは反対側にマイクロミラー20に取り付けられた遮光体70をさらに含む。上述したように、
図4は、第2光L2の第2光度が比較的大きい例を示す。
図4における状態において、遮光体70は、表示パネル10が透明表示パネルである場合、表示パネル10の裏側からの環境光の大部分を遮蔽することができる。
図3は、第2光L2の第2光度が比較的小さい例を示す。
図3における状態において、環境光は、遮光体70により遮蔽されてわずかになる。これにより、表示コントラストをより向上させることができる。
【0056】
表示装置は、液晶表示装置であってもよい。表示装置は、有機発光ダイオード表示装置であってもよい。適切な表示装置の例としては、電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビジョン、モニタ、ノートブックコンピュータ、デジタルアルバム、GPSなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
本発明の様々な代替実施形態が実施されてもよい。一例としては、
図3および
図4に示すように、電磁コイル40は、マイクロミラー20を保持するラックに取り付けられる。
図8は、本発明の幾つかの実施形態に係る表示装置における複数のマイクロ光変調器のうち1つを説明する模式図である。
図8を参照すれば、電磁コイル40は、例えば独立型のユニットとして、マイクロミラー20を保持するラックに取り付けられていない。電磁コイル40は、磁石50と略同じレベルで配置されてもよい。同様に、光センサ30は、表示装置内の任意の適切な位置に配置されてもよい。一例としては、光センサ30は、表示装置のサブピクセル間領域、例えば、表示装置のブラックマトリクスに対応する領域に配置される。
【0058】
他の態様において、本発明は、表示パネルの表示のコントラストを適応的に変調するアセンブリを提供する。幾つかの実施形態において、装置は、複数のマイクロ光変調器の配列を含む。前記複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において表示パネルの発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度レベルに基づいて適応的に変調してもよい。例えば、複数のマイクロ光変調器のそれぞれに対応する領域には、表示パネルにおいて複数のサブピクセルのうち1つまたは複数のサブピクセルが含まれる。
【0059】
幾つかの実施形態において、表示パネルは、複数のマイクロ光変調器の配列から遠い第1側と、該第1側に対向し複数のマイクロ光変調器の配列に近い第2側と、を有する。複数のマイクロ光変調器の各々は、それぞれに対応する領域において表示パネルの第1側部から射出された第1光の第1光度を、該領域において表示パネルの第2側から射出された第2光の光度に基づいて適応的に変調してもよい。第1光度は、第2光度と正に相関してもよい。複数のマイクロ光変調器の各々は、第1光度を上げるように、第2光の第1部分を第2側に向けて反射することで、第1光の第1光度を適応的に変調するように構成されてもよい。複数のマイクロ光変調器の各々は、第2側から離れる方向に沿って第2光の第2部分を反射するように構成されてもよい。
【0060】
幾つかの実施形態において、表示パネルの表示コントラストを適応的に変調するためのアセンブリは、第2光度に基づいて第1光度を適応的に変調するように、第2光度の変化に応答して、第2部分に対する第1部分の比率を適応的に調整して構成される適応制御回路をさらに備える。複数のマイクロ光変調器の各々は、第2光の第2部分を検出するように構成される光センサをさらに含んでもよい。光センサの抵抗は、第2光度の変化に応答して変化してもよい。適応制御回路は、光センサの抵抗の変化に応答して、第2部分に対する第1部分の比率を適応的に調整するように構成されてもよい。
【0061】
幾つかの実施形態において、表示パネルの表示のコントラストを適応的に変調するためのアセンブリは、複数のマイクロ光変調器のうち1行のマイクロ光変調器にそれぞれ接続される複数の第1走査線と、複数のマイクロ光変調器のうち1列のマイクロ光変調器にそれぞれ接続される複数の第2走査線と、複数の第1走査線のうち1つに接続されたソース、複数の第2走査線のうち1つに接続されたゲート、および複数のマイクロ光変調器のうち1つにおける光センサに接続されたドレインをそれぞれ有する複数の第3薄膜ランジスタと、をさらに含む。複数の第1走査線は、表示パネルにおける複数のサブピクセルで画像表示を駆動するための複数のゲート線と同じであってもよい。複数の第2走査線は、表示パネルにおける複数のサブピクセルで画像表示を駆動するための複数のゲート線と同一であってもよい。
【0062】
適応制御回路は、光センサの抵抗の変化に応答して電圧制御信号を生成するように構成される差動増幅器を含んでもよい。
【0063】
適応制御回路は、差動増幅器に接続されたゲート、および繰り返し周波数の繰り返しランプ電圧が供給されるように構成されたソースを有する第1トランジスタと、第1トランジスタのドレインに接続された第1電極を有するコンデンサと、コンデンサの第1電極に接続されたゲート、および制御電圧が供給されるように構成されたソースを有する第2トランジスタと、を含んでもよい。コンデンサの第1ノードにおいて維持される電圧レベルは、第2トランジスタにおけるソースおよびドレインを流れる電流を制御するように構成されてもよい。繰り返し周波数は、表示パネルにおける画像表示のフレーム周波数と実質的に同じであってもよい。電圧制御信号は、光センサの抵抗が基準抵抗値の範囲内である場合、ランプ電圧のコンデンサへの充電を中止するために第1トランジスタをオフにするように構成されてもよい。
【0064】
幾つかの実施形態において、複数のマイクロ光変調器の各々は、マイクロミラーを含む。マイクロミラーは、表示パネルの第2側にある面に対して第1角度をなす反射面を有してもよい。反射面は、第2光の第1部分を第2側に向けて反射するとともに、第2光の第2部分を第2側から離れる方向に沿って反射するように構成されており、適応制御回路は、第2光度に基づいて第1光度を適応的に変調するように、第1角度を制御することで、第2光度の変化に応答して、第2部分に対する第1部分の比率を適応的に調整して構成されてもよい。
【0065】
幾つかの実施形態において、複数のマイクロ光変調器の各々は、表示パネルの第2側にある面に対する反射面の第1角度を制御するように構成されるアクチュエータをさらに含む。アクチュエータは、第2トランジスタのドレインに接続されてもよい。アクチュエータは、電磁コイルであり、複数のマイクロ光変調器Mの各々は、マイクロミラーに取り付けられた磁石を含んでもよい。第1角度は、電磁コイルおよび磁石間の磁気力の大きさにより制御されてもよい。
【0066】
複数のマイクロ光変調器の各々は、マイクロミラーに接続されたヒンジをさらに含んでもよい。マイクロミラーは、第1角度を変化させるように、磁気力の変化に応答して、ヒンジに対して回転するように構成されてもよい。
【0067】
別の態様において、本発明は、表示パネルの表示のコントラストを適応的に変調する方法を提供する。幾つかの実施形態において、該方法は、複数のマイクロ光変調器のそれぞれに対応する領域において表示パネルの発光側から射出された光の光度を、該領域で表示されている画像の輝度に基づいて適応的に変調することを含む。
【0068】
幾つかの実施形態において、表示パネルは、表示パネルの発光側である第1側と、該第1側に対向する第2側と、を有する。該方法は、所定の領域において表示パネルの第1側から射出された第1光の第1光度を、該所定の領域において表示パネルの第2側から射出された第2光の第2光度に基づいて適応的に変調することを含んでもよい。適応変調の結果、第1光度は、第2光度と正に相関してもよい。
【0069】
該方法は、第1光度を上げるように第2側に向けて第2光の第1部分を反射することにより、第1光の第1光度を適応的に変調することを含んでもよい。該方法は、第2側から離れる方向に沿って第2光の第2部分を反射することを含んでもよい。
【0070】
幾つかの実施形態において、該方法は、第2光度に基づいて第1光度を適応的に変調するように、第2光度の変化に応答して、第2部分に対する第1部分の比率を適応的に調整することを含んでもよい。該方法は、光センサによって第2光の第2部分を検出することをさらに含んでもよい。光センサの抵抗は、第2光度の変化に応答して変化する。該方法は、光センサの抵抗の変化に応答して、第2部分に対する第1部分の比率を適応的に調整することを含んでもよい。該方法は、差動増幅器によって光センサの抵抗の変化に応答して電圧制御信号を生成することをさらに含んでもよい。
【0071】
該方法は、第2光度に基づいて第1光度を適応的に変調するように、第2光度の変化に応答して、第2部分に対する第1部分の比率を適応的に調整することをさらに含んでもよい。
【0072】
本発明の実施形態について前述した説明は、例示または説明するためのものである。前述した説明は、本発明を網羅すること、または、詳細な形態や例示的実施例に限定することを意図していない。従って、前述した説明は、限定ではなく例示とみなされるべきである。当業者であれば、様々な変形や変更が行えることは明らかであろう。実施形態は、本発明の原理または本発明を実行する最良の態様を説明する目的で提供されたものであり、それにより、当業者にとっては、実際的または意図的な適用に応じて、本発明が様々な実施形態および変更態様として実施することができることは明らかである。本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲及びその均等物によって定義されることが意図されており、ここで使用されるすべての用語は特に説明しない限り、それらの最も広くで合理的な意味を表す。従って、「発明」、「本発明」などのような用語は、必ずしも請求の範囲を特定の実施形態に限定するものではない。本発明の実施形態に関する記載は、特に限定する意味ではなく、そのような限定も推測されるべきではない。本発明は、添付した特許請求の範囲の精神や範囲のみによって限定されるものである。また、これらの請求項は、名詞または構成要素が続く「第1」、「第2」などを使用する場合がある。数を特定しない限り、そのような用語は、名称と理解されるべき、構成要素の数量を制限するように解釈されるものではない。上記した利点および効果のいずれかは、すべての実施形態に適用されない場合がある。当業者であれば、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなしに、前述した実施形態に様々な変更を行うことができるのが好ましい。また、本開示における構成要素または部品は、クレームされているかどうかに関係なく、公衆に献呈されたとはいえない。
【符号の説明】
【0073】
10 表示パネル
20 マイクロミラー
30 光センサ
40 電磁コイル
50 磁石
60 ヒンジ
70 遮光体
80 波長差動増幅器
100 アクチュエータ