(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】内視鏡再処理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20220215BHJP
A61B 1/01 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
A61B1/12 510
A61B1/01 513
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019078255
(22)【出願日】2019-04-17
(62)【分割の表示】P 2016514529の分割
【原出願日】2014-05-21
【審査請求日】2019-04-24
(32)【優先日】2013-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506272769
【氏名又は名称】スマート・メディカル・システムズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ターリウク,ガド
(72)【発明者】
【氏名】ルーリア,ギラッド
(72)【発明者】
【氏名】ホクマン,エレズ
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04721123(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0023920(US,A1)
【文献】特表平08-507947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00- 1/32
A61M 25/00-25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーン内視鏡の前方部分にバルーンを有するバルーン内視鏡を再処理するようになっているバルーン内視鏡再処理システムであり、前記バルーンは前記バルーン内視鏡の外側シース上に封止可能に取り付けられ、前記バルーンの内部容積は前記バルーン内視鏡の外側シース内に形成された少なくとも1つの開口部を介して前記バルーン内視鏡の内側容積と流体連通している、前記バルーン内視鏡再処理システムであって、該バルーン内視鏡再処理システムは、
弁を介して前記バルーンの前記内部容積と連通し、かつ、前記バルーン内視鏡の前記内側容積に真空を印加することにより、前記内部容積を負圧状態にさせる働きをする、バルーン収縮制御機能であって、前記バルーンを前記少なくとも1つの開口部と密閉係合した状態に保持し、この密閉係合した状態により再処理中に前記内側容積に入る可能性があるいかなる再処理流体も、外部から前記バルーン内視鏡の前記内部容積には入らないことを確実にする、バルーン収縮制御機能と、
前記バルーンの前記内部容積が負圧状態に維持されているときに前記バルーン内視鏡を受け入れて洗浄および殺菌のうちの少なくとも一方を行うためのバルーン内視鏡再処理機能と
を含む、バルーン内視鏡再処理システム。
【請求項2】
前記バルーン内視鏡再処理機能が、自動内視鏡再処理機能を含む、請求項1に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項3】
前記バルーンの前記内部容積と前記バルーン内視鏡の内部容積との間に流体連通が存在し、
前記バルーン内視鏡の前記内部容積が、前記バルーン内視鏡再処理機能により前記再処理のうちの少なくとも一部の間負圧状態に維持される、
請求項1または2に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項4】
前記弁が、前記バルーン内視鏡の前記内部容積と流体連通する常時閉の漏れ検査ポートを含み、
前記バルーン収縮制御機能が、前記漏れ検査ポートを通じて前記バルーン内視鏡の前記内部容積を収縮させることにより、前記再処理のうちの少なくとも一部の間前記バルーン内視鏡の前記内部容積を前記負圧状態に維持する、
請求項3に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項5】
前記バルーン収縮制御機能が、前記再処理中に引き起こされる温度上昇にかかわらず前記バルーンの収縮を維持するのに十分な負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項3または4に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項6】
前記バルーン収縮制御機能が、-5mbarから-300mbarの範囲内の負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項3から5のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項7】
前記バルーン収縮制御機能が、-100mbarから-250mbarの範囲内の負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項3から6のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項8】
前記バルーン収縮制御機能が、-150mbarよりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項3から7のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項9】
前記バルーン収縮制御機能が、再処理中に経時的に変化する負圧閾値よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項3から8のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項10】
前記バルーン収縮制御機能が、前記再処理中に前記バルーン内視鏡の温度の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項3から9のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項11】
前記バルーン収縮制御機能が、前記再処理の前または前記再処理中の特定の時点において測定された前記バルーン内部の負圧の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項3から10のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項12】
前記バルーン収縮制御機能が、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをし、ここで、
PT(t)=F(Tt,T0,P0)
であって、式中、
Ttは、時点tにおける前記バルーン内視鏡の温度であり、
T0は、初期時点t0における前記バルーン内視鏡の温度であり、
P0は、前記初期時点t0における前記バルーン内視鏡の前記バルーンの前記内部容積の圧力である、
請求項3から11のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項13】
前記バルーン収縮制御機能が、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをし、ここで、
PT(t)=F1(Tt,T0,P0)+F2(t-t0)
であって、式中、
Ttは、時点t0における前記バルーン内視鏡の温度であり、
T0は、初期時点t0における前記バルーン内視鏡の温度であり、
P0は、前記初期時点t0における前記バルーン内視鏡の前記バルーンの前記内部容積の圧力であり、
F2は、時点t0からtまでの経過時間の関数である、
請求項3から12のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項14】
F1=(Tt/T0)・P0であり、式中、TtおよびT0は、ケルビン度で測定され、P0は、PT(t)に対して使用されるゼロ圧力よりも高い絶対圧力の単位で測定される、請求項13に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項15】
F2=K・(t-t0)であり、式中、Kは、経時的な圧力の変化を表す定数である、請求項13または14に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項16】
Kが、毎秒0.01~0.20の範囲内である、請求項15に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項17】
Kが、毎秒0.02~0.10の範囲内である、請求項15に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項18】
バルーン内視鏡の前方部分にバルーンを有するバルーン内視鏡を再処理するようになっているバルーン内視鏡再処理システムであり、前記バルーンは前記バルーン内視鏡の外側シース上に封止可能に取り付けられ、前記バルーンの内部容積は前記バルーン内視鏡の外側シース内に形成された少なくとも1つの開口部を介して前記バルーン内視鏡の内側容積と流体連通している、前記バルーン内視鏡再処理システムであって、該バルーン内視鏡再処理システムは、
前記バルーン内視鏡を受け入れて洗浄および殺菌のうちの少なくとも一方を行うための自動バルーン内視鏡再処理機能と、
前記バルーン内視鏡の前記内側容積に真空を印加することにより、前記自動バルーン内視鏡再処理機能の動作のうちの少なくとも一部の間前記バルーンの内部容積を負圧状態に維持する働きをし、弁を介して前記バルーンの内部容積と連通するバルーン収縮制御機能であって、前記バルーンを前記少なくとも1つの開口部と密閉係合した状態に保持し、この密閉係合した状態により再処理中に前記内側容積に入る可能性があるいかなる再処理流体も、外部から前記バルーン内視鏡の前記内部容積には入らないことを確実にする、バルーン収縮制御機能と
を含む、バルーン内視鏡再処理システム。
【請求項19】
前記バルーン収縮制御機能が、前記自動バルーン内視鏡再処理機能の前記動作の全てにおいて前記バルーンの前記内部容積を負圧状態に維持する働きをする、請求項18に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項20】
前記バルーンの前記内部容積と前記バルーン内視鏡の前記内部容積との間に流体連通が存在し、
前記バルーン内視鏡の前記内部容積が、前記自動バルーン内視鏡再処理機能により前記再処理のうちの少なくとも一部の間負圧状態に維持される、
請求項18または19に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項21】
前記弁が、前記バルーン内視鏡の前記内部容積と流体連通する常時閉の漏れ検査ポートを含み、
前記バルーン収縮制御機能が、前記漏れ検査ポートを通じて前記バルーン内視鏡の前記内部容積を収縮させることにより、前記再処理のうちの少なくとも一部の間前記バルーン内視鏡の前記内部容積を前記負圧状態に維持する、
請求項20に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項22】
前記バルーン収縮制御機能が、前記再処理中に引き起こされる温度上昇にかかわらず前記バルーンの収縮を維持するのに十分な負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項20または21に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項23】
前記バルーン収縮制御機能が、-5mbarから-300mbarの範囲内の負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項20から22のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項24】
前記バルーン収縮制御機能が、-100mbarから-250mbarの範囲内の負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項20から23のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項25】
前記バルーン収縮制御機能が、-150mbarよりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項20から24のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項26】
前記バルーン収縮制御機能が、再処理中に経時的に変化する負圧閾値よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項20から24のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項27】
前記バルーン収縮制御機能が、前記再処理中に前記バルーン内視鏡の温度の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項20から26のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項28】
前記バルーン収縮制御機能が、前記再処理の前または前記再処理中の特定の時点において測定された前記バルーン内部の負圧の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをする、請求項20から27のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項29】
前記バルーン収縮制御機能が、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをし、ここで、
PT(t)=F(Tt,T0,P0)
であって、式中、
Ttは、時点tにおける前記バルーン内視鏡の温度であり、
T0は、初期時点t0における前記バルーン内視鏡の温度であり、
P0は、前記初期時点t0における前記バルーン内視鏡の前記バルーンの前記内部容積の圧力である、
請求項20から28のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項30】
前記バルーン収縮制御機能が、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧まで前記バルーンを収縮させる働きをし、ここで、
PT(t)=F1(Tt,T0,P0)+F2(t-t0)
であって、式中、
Ttは、時点tにおける前記バルーン内視鏡の温度であり、
T0は、初期時点t0における前記バルーン内視鏡の温度であり、
P0は、前記初期時点t0における前記バルーン内視鏡の前記バルーンの前記内部容積の圧力であり、
F2は、時点t0からtまでの経過時間の関数である、
請求項20から29のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項31】
F1=(Tt/T0)・P0であり、式中、TtおよびT0は、ケルビン度で測定され、P0は、PT(t)に対して使用されるゼロ圧力よりも高い絶対圧力の単位で測定される、請求項30に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項32】
F2=K・(t-t0)であり、式中、Kは、経時的な圧力の変化を表す定数である、請求項30または31に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項33】
Kが、毎秒0.01~0.20mbarの範囲内である、請求項32に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項34】
Kが、毎秒0.02~0.10mbarの範囲内である、請求項32に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項35】
再処理中に負圧下での前記バルーン内視鏡における漏れを検出する働きをする負圧漏れ検査機能をも含む、請求項1から34のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項36】
前記負圧漏れ検査機能が、負圧下での前記バルーン内視鏡における漏れを検知するために前記バルーン内視鏡の漏れ検査ポートに連結されるように構成され、かつ、前記負圧漏れ検査機能の動作に応答して前記バルーン内視鏡における漏れの有無を表示する働きをするインジケータを含む、請求項35に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項37】
前記負圧漏れ検査機能が、前記再処理中の複数の時点において漏れを検知する働きをする、請求項35または36に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項38】
前記複数の時点が、周期的に現れる、請求項37に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項39】
前記複数の時点が、相次いで即時に現れる、請求項37に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項40】
非バルーン内視鏡再処理機能をも含む、請求項1から39のいずれか一項に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【請求項41】
バルーン内視鏡の再処理に適した機能または非バルーン内視鏡の再処理に適した機能をオペレータが選択することを可能にするオペレータ選択インタフェースをも含む、請求項40に記載のバルーン内視鏡再処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2013年5月21日に出願され「ENDOSCOPE REPROCESSING ASSEMBLY AND METHODS」と題された米国特許仮出願第61/855,688号、および、2013年11月6日に出願され「ENDOSCOPIC REPROCESSING SYSTEM UTILIZING NEGATIVE AIR PRESSURE」と題された米国特許仮出願第61/962,383号が参照され、それらの開示は参照により本明細書に援用され、それらの優先権は37CFR1.78(a)(4)および(5)(i)に従って本明細書より主張される。
【0002】
本出願に関連すると考えられる、以下の本出願人の公開されたPCT特許出願も参照され、それらの内容は参照により本明細書に援用される:
WO2005/074377、WO2007/017854、WO2007/135665、WO2008/004228、WO2008/142685、WO2009/122395、WO2010/046891、WO2010/137025、WO2011/111040、およびWO2014/068569。
【0003】
本発明は、内視鏡再処理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
様々な内視鏡再処理システムおよび方法が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、改善された内視鏡再処理方法およびシステムの提供を試みる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン内視鏡を再処理するための方法が提供され、この方法は、バルーン内視鏡のバルーンをその臨床的使用に続いて負圧状態に収縮させるステップと、その後で前述のバルーン内視鏡を再処理するうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップとを含む。
【0007】
再処理は、洗浄するステップを含み、バルーン内視鏡を再処理するうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップは、洗浄するステップのうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップを含むことが好ましい。さらに、洗浄するステップは、少なくとも自動化された洗浄をするステップを含み、バルーン内視鏡を再処理するうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップは、自動化された洗浄をするステップのうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップを含む。
【0008】
本発明の好ましい一実施形態によれば、再処理は、殺菌するステップを含み、バルーン内視鏡を再処理するうちの少なくとも一部の間バルーンを負圧状態に維持するステップは、殺菌するステップのうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップを含む。洗浄するステップは、少なくとも自動化された殺菌をするステップを含み、バルーン内視鏡を再処理するうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップは、自動化された殺菌をするステップのうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップを含むことが好ましい。
【0009】
バルーンの内部とバルーン内視鏡の内部容積との間に流体連通が存在し、バルーン内視鏡を再処理するうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップは、再処理のうちの少なくとも一部の間バルーン内視鏡の内部容積を負圧状態に維持するステップを含むことが好ましい。
【0010】
本発明の好ましい一実施形態によれば、常時閉の漏れ検査ポートが、バルーン内視鏡と流体連通して設けられ、再処理のうちの少なくとも一部の間バルーン内視鏡の内部容積を負圧状態に維持するステップは、漏れ検査ポートを通じてバルーン内視鏡の内部容積を収縮させるステップを含む。さらに、漏れ検査ポートを通じてバルーン内視鏡の内部容積を収縮させるステップは、負圧デバイスを漏れ検査ポートに連結し、負圧デバイスを作動させて、内視鏡の内部容積に真空を印加するステップと、その後で、常時閉の漏れ検査ポートを負圧ポンプから分離するステップと、常時閉の漏れ検査ポートによりバルーン内視鏡の内部容積内の負圧を維持するステップとを含む。
【0011】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップは、再処理中に引き起こされる温度上昇にかかわらずバルーンの収縮を維持するのに十分な負圧までバルーンを収縮させるステップを含む。バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップは、-5mbarから-300mbarの範囲内の負圧までバルーンを収縮させるステップを含むことが好ましい。バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップは、-100mbarから-250mbarの範囲内の負圧までバルーンを収縮させるステップを含むことがより好ましい。本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップは、-150mbarよりも低い負圧までバルーンを収縮させるステップを含む。
【0012】
バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップは、再処理中に経時的に変化する負圧閾値よりも低い負圧までバルーンを収縮させるステップを含むことが好ましい。それに加えて、または代替として、バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップは、再処理中にバルーン内視鏡の温度の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧までバルーン収縮させるステップを含む。代替として、またはそれに加えて、バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップは、再処理の前または再処理中の特定の時点において測定されたバルーン内部の負圧の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧までバルーンを収縮させるステップを含む。
【0013】
バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップは、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧までバルーンを収縮させるステップを含むことが好ましく、ここで、
PT(t)=F(Tt,T0,P0)
であって、式中、Ttは、時点tにおける内視鏡の温度であり、T0は、初期時点t0における内視鏡の温度であり、P0は、初期時点t0における内視鏡のバルーンの内部の圧力である。
【0014】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップは、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧までバルーンを収縮させるステップを含み、ここで、
PT(t)=F1(Tt,T0,P0)+F2(t-t0)
であって、式中、Ttは、時点tにおける内視鏡の温度であり、T0は、初期時点t0における内視鏡の温度であり、P0は、初期時点t0における内視鏡のバルーンの内部の圧力であり、F2は、時点t0からtまでの経過時間の関数である。
【0015】
本発明の好ましい一実施形態によれば、F1=(Tt/T0)・P0であり、式中、T
tおよびT0は、ケルビン度で測定され、P0は、PT(t)に対して使用されるゼロ圧力よりも高い絶対圧力の単位で測定される。それに加えて、または代替として、F2=K・(t-t0)であり、式中、Kは、経時的な圧力の変化を表す定数である。Kは、毎秒0.01~0.20mbarの範囲内であることが好ましい。Kは、毎秒0.02~0.10mbarの範囲内であることがより好ましい。
【0016】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン内視鏡を再処理するための方法はまた、バルーンを負圧状態に収縮させるステップの前に、以下のステップ、すなわち、バルーンをその臨床的使用に続いて正圧状態に膨張させるステップと、バルーンが正圧状態にあるときにバルーンを洗浄するステップとを含む。
【0017】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、内部容積を有するバルーン、およびバルーンの内部容積と連通する弁を含むバルーン内視鏡と、弁を介してバルーンの内部容積と連通し、かつ、内部容積を負圧状態にさせる働きをするバルーン収縮制御機能と、バルーンの内部容積が負圧状態に維持されているときにバルーン内視鏡を受け入れて洗浄および殺菌のうちの少なくとも一方を行うためのバルーン内視鏡再処理機能とを含むバルーン内視鏡再処理システムも提供される。
【0018】
バルーン内視鏡再処理機能は、自動内視鏡再処理機能を含むことが好ましい。
【0019】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーンの内部とバルーン内視鏡の内部容積との間に流体連通が存在し、バルーン内視鏡の内部容積は、バルーン内視鏡再処理機能により、再処理のうちの少なくとも一部の間、負圧状態に維持される。さらに、弁は、バルーン内視鏡の内部容積と流体連通する常時閉の漏れ検査ポートを含み、バルーン収縮制御機能は、漏れ検査ポートを通じてバルーン内視鏡の内部容積を収縮させることにより、再処理のうちの少なくとも一部の間、バルーン内視鏡の内部容積を負圧状態に維持する。
【0020】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン収縮制御機能は、再処理中に引き起こされる温度上昇にかかわらずバルーンの収縮を維持するのに十分な負圧までバルーンを収縮させる働きをする。バルーン収縮制御機能は、-5mbarから-300mbarの範囲内の負圧までバルーンを収縮させる働きをすることが好ましい。バルーン収縮制御機能は、-100mbarから-250mbarの範囲内の負圧までバルーンを収縮させる働きをすることがより好ましい。本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン収縮制御機能は、-150mbarよりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをする。
【0021】
バルーン収縮制御機能は、再処理中に経時的に変化する負圧閾値よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをすることが好ましい。それに加えて、または代替として、バルーン収縮制御機能は、再処理中にバルーン内視鏡の温度の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをする。代替として、またはそれに加えて、バルーン収縮制御機能は、再処理の前または再処理中の特定の時点において測定されたバルーン内部の負圧の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをする。
【0022】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン収縮制御機能は、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをし、ここで、
PT(t)=F(Tt,T0,P0)
であって、式中、Ttは、時点tにおける内視鏡の温度であり、T0は、初期時点t0における内視鏡の温度であり、P0は、初期時点t0における内視鏡のバルーンの内部の圧力である。
【0023】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン収縮制御機能は、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをし、ここで、
PT(t)=F1(Tt,T0,P0)+F2(t-t0)
であって、式中、Ttは、時点tにおける内視鏡の温度であり、T0は、初期時点t0における内視鏡の温度であり、P0は、初期時点t0における内視鏡のバルーンの内部の圧力であり、F2は、時点t0からtまでの経過時間の関数である。
【0024】
好ましくは、F1=(Tt/T0)・P0であり、式中、TtおよびT0は、ケルビン度で測定され、P0は、PT(t)に対して使用されるゼロ圧力よりも高い絶対圧力の単位で測定される。それに加えて、または代替として、F2=K・(t-t0)であり、式中、Kは、経時的な圧力の変化を表す定数である。Kは、毎秒0.01~0.20mbarの範囲内であることが好ましい。Kは、毎秒0.02~0.10mbarの範囲内であることがより好ましい。
【0025】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、バルーン内視鏡を受け入れて洗浄および殺菌のうちの少なくとも一方を行うための自動バルーン内視鏡再処理機能と、自動バルーン内視鏡再処理機能の動作のうちの少なくとも一部の間バルーンの内部容積を負圧状態に維持する働きをするバルーン収縮制御機能とを含む、バルーン内視鏡再処理システムがさらに提供される。
【0026】
バルーン収縮制御機能は、自動バルーン内視鏡再処理機能の動作の全てにおいてバルーンの内部を負圧状態に維持する働きをすることが好ましい。
【0027】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーンの内部とバルーン内視鏡の内部容積との間に流体連通が存在し、バルーン内視鏡の内部容積は、バルーン内視鏡再処理機能により、再処理のうちの少なくとも一部の間、負圧状態に維持される。さらに、弁は、バルーン内視鏡の内部容積と流体連通する常時閉の漏れ検査ポートを含み、バルーン収縮制御機能は、漏れ検査ポートを通じてバルーン内視鏡の内部容積を収縮させることにより、再処理のうちの少なくとも一部の間、バルーン内視鏡の内部容積を負圧状態に維持する。
【0028】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン収縮制御機能は、再処理中に引き起こされる温度上昇にかかわらずバルーンの収縮を維持するのに十分な負圧までバルーンを収縮させる働きをする。バルーン収縮制御機能は、-5mbarから-300mbarの範囲内の負圧までバルーンを収縮させる働きをすることが好ましい。バルーン収縮制御機能は、-100mbarから-250mbarの範囲内の負圧までバルーンを収縮させる働きをすることがより好ましい。本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン収縮制御機能は、-150mbarよりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをする。
【0029】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン収縮制御機能は、再処理中に経時的に変化する負圧閾値よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをする。それに加えて、または代替として、バルーン収縮制御機能は、再処理中にバルーン内視鏡の温度の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをする。代替として、またはそれに加えて、バルーン収縮制御機能は、再処理の前または再処理中の特定の時点において測定されたバルーン内部の負圧の関数として変化する負圧閾値よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをする。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン収縮制御機能は、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをし、ここで、
PT(t)=F(Tt,T0,P0)
であって、式中、Ttは、時点tにおける内視鏡の温度であり、T0は、初期時点t0に
おける内視鏡の温度であり、P0は、初期時点t0における内視鏡のバルーンの内部の圧力である。
【0031】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン収縮制御機能は、負圧閾値PT(t)よりも低い負圧までバルーンを収縮させる働きをし、ここで、
PT(t)=F1(Tt,T0,P0)+F2(t-t0)
であって、式中、Ttは、時点tにおける内視鏡の温度であり、T0は、初期時点t0における内視鏡の温度であり、P0は、初期時点t0における内視鏡のバルーンの内部の圧力であり、F2は、時点t0からtまでの経過時間の関数である。
【0032】
好ましくは、F1=(Tt/T0)・P0であり、式中、TtおよびT0は、ケルビン度で測定され、P0は、PT(t)に対して使用されるゼロ圧力よりも高い絶対圧力の単位で測定される。それに加えて、または代替として、F2=K・(t-t0)であり、式中、Kは、経時的な圧力の変化を表す定数である。Kは、毎秒0.01~0.20mbarの範囲内であることが好ましい。Kは、毎秒0.02~0.10mbarの範囲内であることがより好ましい。
【0033】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン内視鏡再処理システムはまた、再処理中に負圧下でのバルーン内視鏡における漏れを検出する働きをする負圧漏れ検査機能を含む。
【0034】
負圧漏れ検査機能は、負圧下での内視鏡における漏れを検知するために内視鏡の漏れ検査ポートに連結されるように構成され、かつ、負圧漏れ検査機能の動作に応答して内視鏡における漏れの有無を表示する働きをするインジケータを含むことが好ましい。それに加えて、または代替として、負圧漏れ検査機能は、再処理中の複数の時点において漏れを検知する働きをする。本発明の好ましい一実施形態によれば、複数の時点は、周期的に現れる。あるいは、複数の時点は、相次いで即時に現れる。
【0035】
本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン内視鏡再処理システムはまた、非バルーン内視鏡再処理機能を含む。
【0036】
バルーン内視鏡再処理システムはまた、バルーン内視鏡の再処理に適した機能または非バルーン内視鏡の再処理に適した機能をオペレータが選択することを可能にする、オペレータ選択インタフェースを含むことが好ましい。
【0037】
本発明の好ましい一実施形態によれば、負圧漏れ検査機能は、内視鏡の内部容積が漏れ検査が行われていないときの再処理中の内視鏡の内部容積の負圧とは異なる負圧であるときに漏れ検査を実行する働きをする。さらに、漏れ検査中の内視鏡の内部容積の負圧は、漏れ検査が行われていないときの再処理中の内視鏡の内部容積の負圧よりも強い真空である。
【0038】
本発明のなおも別の好ましい実施形態によれば、漏れ検査ポートを有する内視鏡とともに使用するための漏れ検査デバイスがさらに提供され、この漏れ検査デバイスは、内視鏡の漏れ検査ポートに連結されて負圧下での内視鏡における漏れを検知するように構成された負圧漏れ検査機能と、負圧漏れ検査機能の動作に応答して内視鏡における漏れの有無を表示する働きをするインジケータとを含む。
【0039】
負圧漏れ検査機能は、負圧が-5mbarから-300mbarの範囲内であるときに漏れ検査を実行する働きをすることが好ましい。負圧漏れ検査機能は、負圧が-100mbarから-250mbarの範囲内であるときに漏れ検査を実行する働きをすることが
より好ましい。本発明の好ましい一実施形態によれば、負圧漏れ検査機能は、負圧が-150mbarよりも低いときに漏れ検査を実行する働きをする。
【0040】
本発明の好ましい一実施形態によれば、内視鏡とともに使用するための漏れ検査デバイスは、内部容積を有するバルーン内視鏡の再処理に併せて使用するのに適し、デバイスはまた、少なくとも1回の漏れ検査の後でバルーン内視鏡の再処理に適した負圧をバルーン内視鏡の内部容積内に確立する働きをする負圧確立機能を含む。
【0041】
内視鏡とともに使用するための漏れ検査デバイスはまた、正圧漏れ検査機能を含むことが好ましい。さらに、正圧漏れ検査機能は、漏れ検査中の経時的な内視鏡バルーンの膨張からもたらされる誤った漏れの表示を排除するための機能を含む。
【0042】
本発明の好ましい一実施形態によれば、内視鏡とともに使用するための漏れ検査デバイスはまた、自動的なバルーン内視鏡/非バルーン内視鏡検知機能を含む。さらに、内視鏡とともに使用するための漏れ検査デバイスはまた、漏れ検査デバイスがバルーン内視鏡に接続されているのか非バルーン内視鏡に接続されているのかに応じて漏れ検査デバイスに異なる動作をさせるためのコンピュータ化された制御装置を含む。
【0043】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、漏れ検査ポートを有する内視鏡とともに使用するための漏れ検査方法がさらに提供され、この方法は、負圧漏れ検査機能を内視鏡の内部容積に連結するステップと、負圧漏れ検査機能を用いて負圧下での内視鏡における漏れを検知するステップと、負圧漏れ検査機能の動作に応答して内視鏡における漏れの有無を表示するステップとを含む。
【0044】
負圧漏れ検査機能は、負圧が-5mbarから-300mbarの範囲内であるときに漏れ検査を実行する働きをすることが好ましい。負圧漏れ検査機能は、負圧が-100mbarから-250mbarの範囲内であるときに漏れ検査を実行する働きをすることがより好ましい。本発明の好ましい一実施形態によれば、負圧漏れ検査機能は、負圧が-150mbarよりも低いときに漏れ検査を実行する働きをする。
【0045】
本発明の好ましい一実施形態によれば、内部容積を有するバルーン内視鏡の再処理に併せて使用するのに適した、内視鏡とともに使用するための漏れ検査方法はまた、少なくとも1回の漏れ検査を実行した後でバルーン内視鏡の再処理に適した負圧をバルーン内視鏡の内部容積内に確立するステップを含む。
【0046】
内視鏡とともに使用するための漏れ検査方法はまた、正圧漏れ検査を含むことが好ましい。さらに、正圧漏れ検査は、漏れ検査中の経時的な内視鏡バルーンの膨張からもたらされる誤った漏れ表示を排除するステップを含む。
【0047】
本発明の好ましい一実施形態によれば、内視鏡とともに使用するための漏れ検査方法はまた、バルーン内視鏡または非バルーン内視鏡への接続を自動的に検知するステップを含む。さらに、内視鏡とともに使用するための漏れ検査方法はまた、漏れ検査デバイスがバルーン内視鏡に接続されているのか非バルーン内視鏡に接続されているのかに応じて漏れ検査デバイスに異なる動作をさせるステップを含む。
【0048】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、デュアルモード漏れ検査ポート接続機能を有する内視鏡再処理システムも提供され、デュアルモード漏れ検査ポート接続機能は、再処理中の非バルーン内視鏡の漏れ検査ポートに加圧ガスが供給される第1の非バルーン内視鏡再処理モードと、バルーン内視鏡の漏れ検査ポートに加圧ガスが供給されない第2のバルーン内視鏡再処理モードとを有する。
【0049】
本発明のなおも別の好ましい実施形態によれば、加圧ガスの供給源を有する、バルーン内視鏡の再処理に適さない従来の自動再処理機械とともに使用するための改良された自動バルーン内視鏡再処理システムがさらに提供され、この改良されたシステムは、再処理前バルーン内視鏡収縮検証機構と、バルーン内視鏡の漏れ検査ポートが加圧ガスの供給源と加圧ガス連通していない間は従来の自動再処理機械の通常動作を可能にする、バルーン内視鏡再処理可能化機構とを含む。
【0050】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、加圧ガスの供給源を有する、バルーン内視鏡の再処理に適さない従来の自動再処理機械とともに使用するための改良された自動バルーン内視鏡再処理システムがさらに提供され、この改良されたシステムは、再処理前バルーン内視鏡バルーン収縮検証機構と、他の場合には従来の自動再処理機械の通常動作を可能としながらもバルーン内視鏡の漏れ検査ポートを介したバルーン内視鏡のバルーンの膨張を防止する働きをする再処理中バルーン内視鏡漏れ検査ポート膨張防止機構とを含む。
【0051】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、漏れ検査ポート連結器と、漏れ検査ポート連結器を介して内視鏡の漏れ検査ポートに負圧を印加するように構成された、コンピュータ化された負圧印加器と、漏れ検査ポートが負圧下にあるときの内視鏡の漏れ検査ポートにおける経時的な圧力の変化を検知するように構成された、コンピュータ化された圧力センサとを含む内視鏡漏れ検査デバイスがなおもさらに提供される。
【0052】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、漏れ検査ポート連結器と、漏れ検査ポート連結器を介して異なる時点で内視鏡の漏れ検査ポートに正圧および負圧を印加するように構成された、コンピュータ化された圧力印加器と、漏れ検査ポートが正圧下にあるときと漏れ検査ポートが負圧下にあるときの両方の時点で内視鏡の漏れ検査ポートにおける経時的な圧力の変化を検知するように構成された、コンピュータ化された圧力センサとを含む内視鏡漏れ検査デバイスも提供される。
【0053】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、正圧源と、負圧源と、異なる時点で内視鏡の漏れ検査ポートに正圧源からの正圧および負圧源からの負圧を印加するように構成された、コンピュータ化された圧力制御装置と、漏れ検査ポートが正圧下にあるときと漏れ検査ポートが負圧下にあるときの両方の時点で内視鏡の漏れ検査ポートにおける経時的な圧力の変化を検知するように構成されたコンピュータ化された圧力センサとを含む内視鏡漏れ検査デバイスがさらに提供される。
【0054】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、再処理される内視鏡を受け入れるように構成された内視鏡再処理チャンバと、内視鏡再処理チャンバに再処理材料の流れを提供する働きをする流体供給サブシステムと、再処理される内視鏡の漏れ検査ポートに接続するように構成された漏れ検査サブシステムであって、内視鏡の負圧漏れ検査を実現するための負圧漏れ検査機能を有する漏れ検査サブシステムとを含む自動内視鏡再処理装置がなおもさらに提供される。
【0055】
自動内視鏡再処理装置はまた、流体供給サブシステムおよび漏れ検査サブシステムの動作の相対的なタイミングを調整するコンピュータ化された制御装置を含むことが好ましい。
【0056】
本発明の好ましい一実施形態によれば、流体供給サブシステムは、再処理装置の動作のうちの少なくとも1つの段階中に内視鏡再処理チャンバに流体を高温で提供し、コンピュータ化された制御装置は、再処理装置の動作のうちの先の少なくとも1つの段階中に内視
鏡の内部容積が少なくとも所定の負圧にあることを確実にする。さらに、コンピュータ化された制御装置は、バルーン内視鏡再処理モードならびに非バルーン内視鏡処理モードにおいて、流体供給システムおよび漏れ検査サブシステムの動作を選択的に管理する働きをする。コンピュータ化された制御装置は、バルーン内視鏡再処理モードにおいて、バルーン内視鏡が減圧された状態にありそれによりバルーン内視鏡のバルーンが収縮した状態にある間にのみ漏れ検査を実行する働きをすることが好ましい。それに加えて、または代替として、コンピュータ化された制御装置は、バルーン内視鏡再処理モードにおいて、バルーン内視鏡が減圧された状態にありそれによりバルーン内視鏡のバルーンが収縮した状態にある間にのみ再処理を実行する働きをする。
【0057】
本発明のなおも別の好ましい実施形態によれば、内視鏡内部容積を有し、かつ、バルーン内部容積を有するバルーンを含み、内視鏡内部容積およびバルーン内部容積が通常は少なくとも1つの開口部を介して流体連通するバルーン内視鏡を再処理する方法がなおもさらに提供され、この方法は、バルーン内視鏡の再処理のうちの少なくとも一部の間少なくとも1つの開口部を密閉するステップを含む。
【0058】
密閉するステップは、少なくとも1つの開口部を機械的に密閉するステップによって行われることが好ましい。さらに、密閉するステップは、内視鏡内部容積に真空を印加するステップによって行われ、それによりバルーンが少なくとも1つの開口部との密閉係合にしっかりと保持される。好ましくは、バルーンは、バルーン内視鏡の外側シース上に取り付けられ、密閉するステップは、少なくとも1つの開口部の周りで円周方向にバルーンを外側シースに押し付けてそれにより少なくとも1つの開口部を密閉する働きをする外部クリップを適用するステップによって行われる。密閉するステップは、少なくとも1つの開口部を閉塞しそれにより少なくとも1つの開口部を密閉してそこを通る流体の流れを妨げる働きをする機械式密閉要素を適用するステップによって行われることがより好ましい。機械式密閉要素は、バルーンの内部に配置されることがさらに好ましい。
【0059】
本発明のなおも別の好ましい実施形態によれば、内視鏡内部容積を有するバルーン内視鏡であって、バルーン内視鏡の外側シース上に封止可能に取り付けられ、かつ、バルーン内部容積を有するバルーンと、バルーンの下で外側シースに配置されかつ通常は内視鏡内部容積とバルーン内部容積との間の流体連通を提供する少なくとも1つの開口部と、バルーン内視鏡の再処理のうちの少なくとも一部の間少なくとも1つの開口部を密閉する働きをする密閉要素とを含むバルーン内視鏡がなおもさらに提供される。密閉要素は、少なくとも1つの開口部の周りで円周方向にバルーンを外側シースに押し付けてそれにより少なくとも1つの開口部を密閉する働きをする外部クリップを含むことが好ましい。あるいは、密閉要素は、少なくとも1つの開口部を閉塞しそれにより少なくとも1つの開口部を密閉してそこを通る流体の流れを妨げる働きをする機械式密閉要素を含む。機械式密閉要素は、前述のバルーンの内部に配置されることが好ましい。
【0060】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、再使用のためにバルーン内視鏡を準備する方法がさらに提供され、この方法は、バルーン内視鏡のバルーンをその臨床的使用に続いて正圧状態に膨張させるステップと、バルーンが正圧状態にあるときにバルーンを洗浄するステップと、その後でバルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップと、その後でバルーン内視鏡を再処理するうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持しながら、バルーン内視鏡を再処理するステップとを含む。
【0061】
本発明は、図面と併せ以下に詳細に説明することからより完全に理解されかつ明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1A】本発明の好ましい一実施形態に従って実施される再処理方法の簡易化した図である。
【
図1B】本発明の好ましい一実施形態に従って実施される再処理方法の簡易化した図である。
【
図1C】本発明の好ましい一実施形態に従って実施される再処理方法の簡易化した図である。
【
図1D】本発明の好ましい一実施形態に従って実施される再処理方法の簡易化した図である。
【
図2】
図1Bに示されたステップのうちの1つのステップの詳細の簡易化した図である。
【
図3】
図1Aおよび1Bの再処理方法の一実施形態で有用な漏れ検査器の簡易化したブロック図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による
図3の漏れ検査器の動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による
図3の漏れ検査器の動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図4C】本発明の一実施形態による
図3の漏れ検査器の動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図5A】本発明の別の実施形態による
図3の漏れ検査器の動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図5B】本発明の別の実施形態による
図3の漏れ検査器の動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図6】本発明の好ましい一実施形態に従って構成されかつ実施される自動再処理システムの簡易化したシステムブロック図である。
【
図7A】本発明の一実施形態による
図6の再処理システムの動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図7B】本発明の一実施形態による
図6の再処理システムの動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図8A】本発明の別の実施形態による
図6の再処理システムの動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図8B】本発明の別の実施形態による
図6の再処理システムの動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図8C】本発明の別の実施形態による
図6の再処理システムの動作の簡易化した流れ図の一部分の図である。
【
図9A】本発明の好ましい一実施形態に従って実施される再処理方法の簡易化した図である。
【
図9B】本発明の好ましい一実施形態に従って実施される再処理方法の簡易化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本明細書においては、そうでないと明確に示されていない限り、負圧または真空は以下において、周囲の圧力、通常は大気の圧力よりも低い圧力として定義される。したがって、真空の減少は、絶対圧力の増大を意味し、これは周囲圧力よりも低いままである。より具体的には、より高い負圧とは、より弱い真空を意味し、所与の圧力閾値よりも低い負圧とは、その絶対値(ゼロ圧力を上回る)において所与の圧力閾値よりも低い圧力を意味する。
【0064】
次に、本発明の好ましい一実施形態に従って実施される再処理方法の簡易化した図である
図1A~1Dと、
図1Dに示されたステップのうちの1つのステップの詳細の簡易化した図である
図2とを参照する。
【0065】
図1A~2に見られるように、バルーン内視鏡のための再処理方法が提供され、この方法は、
バルーン内視鏡のバルーンをその臨床的使用に続いて負圧状態に収縮させるステップと、その後で、
前述のバルーン内視鏡を再処理するうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップと
を含むことを特に特徴とする。
【0066】
通常は少なくとも1つの開口部を介して流体連通するバルーン内部容積と内視鏡内部容積とを有するバルーン内視鏡を再処理するための方法も提供され、この方法は、バルーン内視鏡の再処理のうちの少なくとも一部の間少なくとも1つの開口部を密閉するステップを含む。
【0067】
図1Aは、内視鏡検査室内で行われるステップを示す。
図1Aに示されるステップAは、結腸内視鏡検査などの内視鏡的処置に続いて患者の身体から除去された後の、10 Hayetsira street、Raanana 43663、IsraelのSmart Medical Systemsから市販されているモデルG-EYE(商標)3890i結腸内視鏡などのバルーン内視鏡100を示す。この段階では、バルーン内視鏡100のバルーンは、膨張している場合もあれば収縮している場合もある。
【0068】
内視鏡的処置中ならびにそのすぐ後のステップAおよびBにおいて、バルーン内視鏡100は、Raanana、IsraelのSmart Medical Systemsから市販されているSPARK2C膨張システムなどの膨張/収縮システム102に動作可能に接続される。具体的には、可撓性膨張/収縮チューブ104が、その一方の端部においては拡大部Aに見られるようにバルーン内視鏡100の常時閉の漏れ検査ポート106に封止可能に接続され、その反対側の端部においては膨張/収縮システム102の膨張/収縮チューブ接続ポート108に封止可能に接続される。
【0069】
さらに
図1Aに見られるように、バルーン内視鏡100は、その前方部分にバルーン110を含み、バルーン110は、バルーン内視鏡100の外側シース112上に封止可能に取り付けられている。バルーン110の内部容積113が、内視鏡100の外側シース112に形成された少なくとも1つの開口部116を介して、通常はバルーン内視鏡100の内部容積114と流体連通する。したがって、バルーン110は、全体で膨張/収縮システム102とバルーン110の内部容積113との間に連続的な流体連通経路を形成している可撓性膨張/収縮チューブ104、漏れ検査ポート106、バルーン内視鏡100の内部容積114、および少なくとも1つの開口部116を介して、膨張/収縮システム102によって膨張されかつ収縮され得ることが理解される。
【0070】
外側シース112の内側のバルーン内視鏡100の容積は、光学および照明のバンドル、電子装置、操縦ワイヤ、機器チャネル、ならびに他の適切な構成要素などの、それを通過する様々な導管ならびにチャネル(図示せず)を含み得ることが理解される。膨張/収縮空気が、そのような導管およびチャネルに占有されていない外側シース112に対する内側の容積である内部容積114を通って自由に流れることができることが理解される。
【0071】
図1Aに示されるステップBにおいて、拡大部Bに見られるように内視鏡100のバルーン110がまだ完全には収縮されていない場合、オペレータが膨張/収縮システム102の膨張/収縮制御ユニット118の収縮制御ボタン117を押して、膨張/収縮システム102にバルーン110を完全に収縮させることが分かる。
【0072】
本発明の一実施形態の特有の特徴は、拡大部Cに示されるように、バルーン110の収縮が、バルーン内視鏡の再処理のうちの少なくとも一部の間、内視鏡100の外側シース112に形成された少なくとも1つの開口部116の密閉をもたらすことであり、この開口部は、通常はバルーン110の内部容積113と内視鏡100の内部容積114との間の流体連通を提供する。これは、再処理中に何らかの形で外部からバルーン110の内部容積113に入る可能性のあるいかなる再処理流体も内視鏡の内部容積114には入らないことを確実とするために重要である。
【0073】
バルーン内視鏡の再処理のうちの少なくとも一部の間のそのような少なくとも1つの開口部116の密閉は、バルーン110の収縮によって実現されるのでない場合には、少なくとも1つの開口部116を閉塞してそこを通る流体の流れを妨げる機械式密閉要素またはシャッタなどによって実現され得ることが理解される。そのような機械式密閉要素またはシャッタは、外側シース112および/もしくはバルーン110の外側または内側のどちらにでも配置され得ることがさらに理解される。
【0074】
図1Bは、外部クリップ120による開口部116の機械的な密閉を示し、この外部クリップ120は、少なくとも1つの開口部116の周りで円周方向にバルーン110を外側シース112に押し付けて、それにより少なくとも1つの開口部116を密閉してそこを通る流体の流れを遮断する働きをする。
図1BのステップAは、バルーン110および外側シース112と係合する働きをする前の外部クリップ120を示し、
図1BのステップBは、開口部116の周りでバルーン110および外側シース112と係合してそれにより開口部116を密閉するように圧迫する働きをしているクリップ120を示す。
【0075】
図1Cは、内視鏡100の一部を形成しかつ少なくとも1つの開口部116に近接してまたバルーン110の内側に配置された機械式シャッタ122による、少なくとも1つの開口部116の機械的な密閉を示す。
図1Cの例では、機械式シャッタ122は、少なくとも1つの開口部116の周りでまたその上で外側シース112を取り囲む、長円形シャッタ開口部124が形成された円形バンドの形状を成す。シャッタ開口部124の寸法は、少なくとも1つの開口部116の寸法よりも大きいことが好ましい。
【0076】
図1Cに示されるステップAにおいて、機械式シャッタ122は、非密閉配向をとり、この配向では、シャッタ開口部124は、開口部116上に位置決めされ、それにより流体が内視鏡100の臨床的使用での規定通りに開口部116を通って流れるのを可能とする。
図1CのステップBは、シャッタ開口部124を開口部116に対して径方向にずらしてシャッタ122により開口部116を密閉するために、柔軟なバルーン110を通してオペレータが手動で機械式シャッタ122を回転させることなどにより、反時計方向に回転されている機械式シャッタ122を示す。
【0077】
次に
図1Aに戻り参照すると、ステップCにおいて、オペレータは、可撓性膨張/収縮チューブ104をバルーン内視鏡100の常時閉の漏れ検査ポート106から分離する。漏れ検査ポート106の常時閉の動作により、内視鏡100の内部容積114は、真空状態のままであり、バルーン110は、完全に収縮したままである。
【0078】
図1AのステップDは、その後の膨張/収縮システム102の停止を示す。
【0079】
図1Aを参照しながら説明された本発明の実施形態の特有の特徴は、バルーン110が収縮した状態にある間にバルーン内視鏡100は膨張/収縮システム102から分離されるが、膨張/収縮システム102は電源が入っており、それにより内視鏡100の内部容積114における真空とバルーン110の収縮とが維持されることであり、システム102は内視鏡100から分離された後でのみ電源が切られることである。
【0080】
図1Dは、医療施設の再処理室で行われる後続のステップを示し、再処理室は、内視鏡検査室とは分けられており、通常は内視鏡検査室に隣接している。
図1Dに示されるステップAは、再処理室に運び込まれているバルーン内視鏡100を示し、この段階では、バルーン110は、拡大部Aに見られるように完全に収縮した状態であることが留意される。
【0081】
図1Dに示されるステップBは、好ましくは
図3~5Bを参照して以下で説明されるタイプの漏れ検査器126を使用して行われる、任意選択の漏れ検査手順を示す。
【0082】
図1Dに示されるステップCは、好ましくはRaanana、IsraelのSmart Medical Systemsから市販されているバルーン内視鏡モデルG-EYE(商標)3890i結腸内視鏡とともに提供される使用説明(Instructions For Use、IFU)書に記載された手順に従って手によってバルーン内視鏡100が洗浄および殺菌される、任意選択の手動再処理手順を示すが、再処理は、拡大部Aに見られるように、バルーン110が完全に収縮した状態である間に行われることが留意される。
【0083】
図1Dに示されるステップDは、Edisonring 9、6669 NA、Dodewaard、the NetherlandsのWassenburg Medical Devices B.V.から市販されているModel WASSENBURG(登録商標)WD440 Endoscope Washer Disinfectorなどの自動再処理機械128を通常用いる、代替的なまたは追加的な自動再処理手順を示す。ステップCが用いられる場合にはステップDは不要とされてもよく、またその逆の場合もあるが、両方のステップが用いられてもよいことが理解される。再処理は、拡大部Aに見られるように、バルーン110が完全に収縮した状態である間に行われることが留意される。
【0084】
図1Dに示されるステップEは、再処理されたバルーン内視鏡100の保管を示すが、これらのバルーン内視鏡100は好ましくは、拡大部Aに見られるように、それらのバルーン110を完全に収縮した状態にして保管されることが留意される。
【0085】
次に、
図1Dに示されたステップのうちの1つのステップの詳細の簡易化した図である
図2を参照する。
図2に見られるように、Edisonring 9、6669 NA、Dodewaard、the NetherlandsのWassenburg Medical Devices B.V.から市販されているモデルWASSENBURG(登録商標)WD44O内視鏡洗浄殺菌装置などの自動再処理機械128が用いられる。自動再処理機械128は、通常、チューブ150を含み、このチューブ150は、従来技術では、漏れ検査ポート接続子155を介して非バルーン内視鏡の漏れ検査ポートに接続される。従来の自動再処理機械128による非バルーン内視鏡の従来の再処理中、非バルーン内視鏡の内部容積は、非バルーン内視鏡における潜在的な漏れの監視および検出のために、チューブ150を通して加圧され得る。
【0086】
本発明の好ましい一実施形態によれば、従来の自動再処理機械128は、好ましくはチューブ150の対応する端部にある漏れ検査ポート接続子155に密閉プラグ160を取り付けてそれによりチューブ150を密閉することにより、バルーン110が収縮した状態にありまたバルーン内視鏡100の内部容積が真空状態にある間にバルーン内視鏡100を再処理するために用いられ得る。
【0087】
チューブ150が内視鏡100の漏れ検査ポートに接続されていると、再処理中にバル
ーン110が膨張することによりバルーン110の破損が生じるであろうことが理解される。チューブ150が分離されていると、それは自動再処理機械128により、再処理される内視鏡における漏れとして認識されて、異常表示を生じさせることになり、自動再処理機械128の動作を妨げる。
【0088】
図2のステップAは、従来の再処理機械128の再処理チャンバ165内に配置されているバルーン内視鏡100と、チューブ150の漏れ検査ポート接続子155に挿入され、それによりチューブ150を密閉して、
図2のステップBに見られるようにバルーン110が収縮されている間に従来の態様でバルーン内視鏡100を再処理することができる改良された再処理システムを提供する密閉プラグ160とを示す。
【0089】
図1A~2の実施形態では、漏れ検査器126は、再処理の前のバルーン内視鏡100のバルーン110の収縮を確実なものにする再処理前バルーン内視鏡バルーン収縮検証機構として機能し、密閉プラグ160は、バルーン内視鏡100の漏れ検査ポート106が従来の自動再処理機械128の加圧ガスの供給源と加圧ガス連通していない間は従来の自動再処理機械128の通常動作を可能にするバルーン内視鏡再処理可能化機構として機能することが理解される。
【0090】
次に、
図1A~1Dの再処理方法の一実施形態で有用な漏れ検査器126の簡易化したブロック図である
図3を参照する。
【0091】
図3に見られるように、漏れ検査器は、従来の非バルーン内視鏡または従来のバルーン内視鏡の漏れ検査ポートと接続するように構成された漏れ検査ポート連結器200を含む。
【0092】
空気ポンプ202などの正のガス圧力源、および真空ポンプ204などの負のガス圧力源が、好ましくは、マニホルド206、ならびに自動制御可能弁208および210、ならびに可撓性チューブ212を介して、漏れ検査ポート連結器200に接続される。コンピュータ化された制御装置220が、漏れ検査ポート連結器200を介して異なる時点で内視鏡の漏れ検査ポートに正圧および負圧を印加するために、ポンプ202および204ならびに/または弁208および210の動作を制御する働きをする。あるいは、異なる時点で正圧および負圧を提供する単一のポンプが用いられてもよい。そのようなポンプの一例は、Am Lichtbogen 7、45141 Essen、GermanyのSchwarzer Precision GmbH + Co.KGから市販されているモデル250 ECである。
【0093】
コンピュータ化された圧力センサ230が、好ましくは漏れ検査ポート連結器200に連結され、弁232を介してポンプ202および204に連結されてもよく、漏れ検査ポートが正圧下にあるときと漏れ検査ポートが負圧下にあるときの両方の時点で内視鏡の漏れ検査ポートにおける経時的な圧力の変化を検知するように構成される。
【0094】
弁208および210のそれぞれは、2つの状態-対応するポンプとマニホルド206との間でのガス流をその弁が可能とする「開」状態と、ポンプとマニホルド206との間のガス流をその弁が遮断する「閉」状態とを有する自動制御可能弁であることが好ましい。
【0095】
弁232は、弁232がパージチューブ238を介してチューブ212およびマニホルド206を周囲環境に接続する「開」状態、ならびに弁232がマニホルド206およびチューブ212をパージチューブ238から分離して周囲環境との空気連通を防止すると同時にそれらを互いに接続する「閉」状態のどちらかに位置決めされ得る、自動制御可能
な2状態弁であることが好ましい。
【0096】
本発明の好ましい一実施形態によれば、コンピュータ化された制御装置220は、コンピュータ化された圧力センサ230と協働して、正圧および負圧の漏れ検査プロトコルを実行するが、そのプロトコルの2つの好ましい実施形態が、
図4A~4Cおよび5A~5Bに記載される。
【0097】
ユーザインタフェース240が、好ましくは漏れ検査器126と一体に設けられ、好ましくは、検査の合格または不合格をそれぞれ示す第1の可視インジケータ242および第2の可視インジケータ244を含む。
【0098】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、負圧漏れ検査のみが行われ、そのような場合には、正圧ポンプ202およびその関連する接続は排除され得ることが理解される。
【0099】
次に、全体で本発明の一実施形態による
図3の漏れ検査器の動作の簡易化した流れ図である
図4A~4Cを参照する。
【0100】
図4A~4Cに見られるように、最初のステップは、内視鏡100の内部容積114が漏れ検査器126と流体連通するように、漏れ検査ポート連結器200を内視鏡100の漏れ検査ポート106に封止可能に連結することである。
【0101】
その後で、漏れ検査器126を介して内視鏡の内部容積を周囲圧力に連結するために、弁280、210、および232(
図3)の全てが開かれる。内視鏡100の内部容積114が周囲圧力に達すると、それに応じてセンサ230が較正される。
【0102】
その後で、センサ230によって検知される典型的には50mbarの好ましい圧力まで内視鏡100の内部容積を加圧してそれにより内視鏡100のバルーン110を膨張させるために、制御装置220により、弁210および232が閉じられ、正圧ポンプ202が作動される。しかし、加圧開始から10秒以内に典型的には50mbarの好ましい圧力が実現されなかった場合、制御装置220により正圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ244が作動される。
【0103】
この段階において正圧検査不合格が表示されなかった場合、コンピュータ化された制御装置220により任意選択のステップが行われてもよく、このステップは、センサ230からの読取り値を用いて内部容積の加圧中の内視鏡の内部容積における経時的な圧力変化のプロフィルを検知および分析し、それにより、漏れ検査ポート連結器200に接続されているのは従来の非バルーン内視鏡であるのかバルーン内視鏡であるのかを判定する。
【0104】
例えば、バルーン内視鏡が漏れ検査器126に接続されていた場合、バルーンの分の追加の容積も加圧されなければならないことにより、予め設定された圧力まで内視鏡の内部容積を加圧するのに、非バルーン内視鏡に比べてより長く時間がかかる。さらに、弾性バルーンを有するバルーン内視鏡の加圧に続いて、圧力はバルーンの膨張により経時的に低下することになるが、この圧力変化プロフィルは、非バルーン内視鏡では起こらない。
【0105】
この任意選択のステップが行われ、それにより非バルーン内視鏡が漏れ検査されていることが確認された場合には、次いで、典型的には200mbarの正圧を用いる従来技術の正圧漏れ検査器と同じように、従来の漏れ検査手順が行われる。しかし、バルーン内視鏡が漏れ検査されていることが確認された場合には、次いで、下記のようにバルーン内視鏡漏れ検査手順が行われる。
【0106】
本発明の一実施形態によれば、
図1CのステップBを参照しながら上述されたように開口部116を密閉するために、バルーン内視鏡100の漏れ検査に先立って機械式シャッタ122が用いられる。これは、漏れ検査器126にバルーン内視鏡100を非バルーン内視鏡であると認識させて、内視鏡100の従来の正圧漏れ検査を行わせる。あるいは、開口部116の密閉により、バルーン110を破裂させるまたは損傷することなしに、200mbarの比較的高い正圧を用いる従来技術の漏れ検査器によるバルーン内視鏡100の漏れ検査の実行が可能とされることが理解される。
【0107】
この段階において、典型的にはさらに25秒経過してから、内視鏡100の内部容積における圧力がもう一度監視される。25秒経過した後の圧力が典型的には30mbarの好ましい閾値よりも低く下がっていた場合、制御装置220により正圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ244が作動される。本発明の特有の特徴は、このパラグラフで説明される手順が、バルーン110の機械的特性および弾性特性のために起こり得るバルーン110のさらなる膨張に対応しかつそれを考慮に入れることである。そのようなバルーン110の漏れ検査手順中の経時的なさらなる膨張は、センサ230によって監視される圧力の低下をもたらす可能性があり、バルーン内視鏡100における漏れとして誤解されることはない。そのような手順は、非バルーン内視鏡には適用されない。
【0108】
この段階において正圧検査不合格が表示されなかった場合、典型的にはさらに20秒経過してから、内視鏡100の内部容積114における圧力がもう一度監視される。このさらに20秒経過した後の圧力が1mbarより多く下がっていた場合、制御装置220により正圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ244が作動される。
【0109】
この段階において正圧検査不合格が表示されなかった場合、典型的には弁208および弁232を閉状態に維持したままで弁210を開き、そして負圧ポンプ204を作動させて、内視鏡100の内部容積をセンサ230によって検知される典型的には-200mbarの好ましい負圧まで減圧し、それにより内視鏡100のバルーン110を収縮させることにより、負圧漏れ検査が開始される。場合により、減圧開始の10秒以内に典型的には-200mbarの好ましい圧力が実現されなかった場合、制御装置220により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ244が作動される。
【0110】
この任意選択の段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、弁232が閉じられ、次いで、典型的には20秒経過してから、内視鏡100の内部容積における負圧がもう一度監視される。20秒経過した後の負圧が典型的には-150mbarの好ましい閾値を超えて高くなっていた場合、制御装置220により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ244が作動される。
【0111】
この段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、典型的にはさらに20秒経過してから、内視鏡100の内部容積における圧力がもう一度監視される。このさらに20秒経過した後の圧力が2mbarより多く高くなっていた場合、制御装置220により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ244が作動される。
【0112】
この段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、制御装置220により正圧および負圧検査成功表示が提供され、それに応じて合格インジケータ242が作動される。
【0113】
本発明の一実施形態の特有の特徴は、この段階において、好ましくは連結器200が内視鏡100の常時閉の漏れ検査ポート106から外され、それにより負圧下の内視鏡の内
部容積と収縮した状態のバルーン110とが維持されることである。この特徴は、非バルーン内視鏡には必要ではない。バルーン110の収縮は、内視鏡100の内部容積を-5mbarから-300mbarの範囲内の負圧まで減圧することによって行われることが好ましい。バルーン110の収縮は、内視鏡100の内部容積を-100mbarから-250mbarの範囲内の負圧まで減圧することによって行われることがより好ましい。本発明の最も好ましい実施形態によれば、バルーン110は、-150mbarよりも低い負圧まで収縮される。
【0114】
本発明の特有の特徴は、上述された負圧検査手順が提供されることである。
【0115】
本発明のさらなる特有の特徴は、上述された負圧漏れ検査手順後の内視鏡の内部容積において維持される負圧が、再処理中の内視鏡の内部容積における真空レベルの低下をもたらす高温での再処理中に内視鏡の内部容積における負圧を維持するのに十分に低いことである。
【0116】
具体的には、摂氏60度の高温で再処理されるバルーン内視鏡の内部容積は、好ましくは再処理の前に周囲温度にあるときに、-150mbarよりも低い負圧に維持されるべきである。
【0117】
あるいは、負圧検査は、正圧検査の前に行われてもよいことが理解される。また、内視鏡100の内部容積の加圧および減圧の両方を実現するために、単一のポンプが選択的に使用されてもよいことが理解される。さらに、漏れ検査器126は、非バルーン内視鏡およびバルーン内視鏡の両方の漏れ検査に適していることが理解される。
【0118】
次に、全体で本発明の別の実施形態による
図3の漏れ検査器の動作の簡易化した流れ図である
図5Aおよび5Bを参照する。
【0119】
図5Aおよび5Bに見られるように、最初のステップは、内視鏡の内部容積が漏れ検査器119と流体連通するように、漏れ検査ポート連結器200を内視鏡100の漏れ検査ポート106に封止可能に連結することである。
【0120】
その後で、漏れ検査器126を介して内視鏡の内部容積を周囲圧力に連結するために、弁208、210、および232(
図3)の全てが開かれる。内視鏡100の内部容積が周囲圧力に達すると、それに応じてセンサ230が較正される。
【0121】
その後で、典型的には弁208および232を閉じ、負圧ポンプ204を動作させて、センサ230によって検知される典型的には-200mbarの好ましい負圧まで内視鏡100の内部容積114を減圧してそれにより内視鏡100のバルーン110を収縮させることにより、負圧漏れ検査が開始される。場合により、減圧開始から10秒以内に典型的には-200mbarの好ましい圧力が実現されなかった場合、制御装置220により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ244が作動される。
【0122】
この任意選択の段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、弁210が閉じられ、次いで、典型的には20秒経過してから、内視鏡100の内部容積における負圧がもう一度監視される。20秒経過した後の負圧が典型的には-150mbarの好ましい閾値を超えて高くなっていた場合、制御装置220により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ244が作動される。
【0123】
この段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、典型的にはさらに20秒経過してから、内視鏡100の内部容積における圧力がもう一度監視される。このさらに2
0秒経過した後の圧力が2mbarより多く高くなっていた場合、制御装置220により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ244が作動される。
【0124】
この段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、制御装置220により正圧および負圧検査成功表示が提供され、それに応じて合格インジケータ242が作動される。
【0125】
本発明の一実施形態の特有の特徴は、この段階において、好ましくは連結器200が内視鏡100の常時閉の漏れ検査ポート106から外され、それにより負圧下の内視鏡の内部容積と収縮した状態のバルーン110とが維持されることである。この特徴は、非バルーン内視鏡には必要ではない。バルーン110の収縮は、内視鏡100の内部容積を-5mbarから-300mbarの範囲内の負圧まで減圧することによって行われることが好ましい。バルーン110の収縮は、内視鏡100の内部容積を-100mbarから-250mbarの範囲内の負圧まで減圧することによって行われることがより好ましい。本発明の最も好ましい実施形態によれば、バルーン110は、-150mbarよりも低い負圧まで収縮される。
【0126】
本発明の特有の特徴は、上述された負圧検査手順が提供されることである。
【0127】
本発明の特有の特徴は、上述された負圧漏れ検査手順後の内視鏡の内部容積において維持される負圧が、再処理中の内視鏡の内部容積における真空レベルの低下をもたらす高温での再処理中に内視鏡の内部容積における負圧を維持するのに十分に低いことである。
【0128】
具体的には、摂氏60度の高温で再処理されるバルーン内視鏡の内部容積は、好ましくは再処理の前に周囲温度にあるときに、-150mbarよりも低い負圧に維持される。
【0129】
漏れ検査器126は、非バルーン内視鏡およびバルーン内視鏡の両方の漏れ検査に適していることがさらに理解される。
【0130】
次に、本発明の好ましい一実施形態に従って構成されかつ実施される自動再処理システム300の簡易化したシステムブロック図である
図6を参照する。
【0131】
図6に見られるように、自動再処理システムは、好ましくは、再処理される内視鏡304が再処理中に配置される再処理チャンバ302を含む。内視鏡は、104 Julius-Vosseler St.、22527 Hamburg、GermanyのPentax Europe GmbHから市販されているEC 3890i結腸内視鏡などの従来の非バルーン内視鏡か、または、Raanana、IsraelのSmart Medical Systemsから市販されているG-EYE(商標)3890i結腸内視鏡などのバルーン内視鏡であってもよい。
【0132】
完全に従来型であってもよくまた内視鏡洗浄機能308および内視鏡殺菌機能310を有する流体供給サブシステムを典型的に備える再処理機能306が、再処理チャンバ302に動作可能に関連付けられる。好ましくは温度センサ312が再処理チャンバ302内に配置されて、再処理チャンバ302内に配置された洗浄流体または殺菌流体の温度を、再処理中の任意選択の時点または全ての時点で測定する。
【0133】
本発明の好ましい一実施形態によれば、漏れ検査サブシステム314が設けられて、内視鏡304の漏れ検査ポートと連通する。本発明の特有の特徴は、漏れ検査サブシステム314が、バルーン内視鏡に重要でありまた非バルーン内視鏡に対して使用することもできる負圧漏れ検査機能を提供することである。
【0134】
本発明のさらなる特有の特徴は、漏れ検査サブシステム314が、自動バルーン内視鏡再処理機能306の動作のうちの少なくとも一部の間、また好ましくは自動バルーン内視鏡再処理機能306の動作の全てにわたってバルーンの内部容積を負圧状態に維持する働きをする、バルーン収縮制御機能を提供することである。
【0135】
好ましくはオペレータ係合可能スイッチ322を含むユーザインタフェース320(
図6ではUIで示される)が設けられて、バルーン内視鏡に適した再処理モードまたは非バルーン内視鏡に適した再処理モードをオペレータが選択することを可能にする。ユーザインタフェース320はまた、好ましくは、オペレータに漏れ検査の不合格を警告するインジケータ324、および、内視鏡304の再処理が成功裏に完了したことをオペレータに知らせるインジケータ326を含む。
【0136】
漏れ検査サブシステム314は、好ましくは、従来の非バルーン内視鏡または従来のバルーン内視鏡の漏れ検査ポート316と接続するように構成された漏れ検査ポート連結器330を含む。
【0137】
空気圧力ポンプ332などの正のガス圧力源、および真空ポンプ334などの負のガス圧力源が、好ましくは、マニホルド336、ならびに自動制御可能弁338および340、ならびに可撓性チューブ342を介して、漏れ検査ポート連結器330に接続される。コンピュータ化された制御装置350が、漏れ検査ポート連結器330を介して異なる時点で内視鏡304の漏れ検査ポート316に正圧および負圧を印加するために、ポンプ332および334ならびに/または弁338および340の動作を制御する働きをする。あるいは、異なる時点で正圧および負圧を提供する単一のポンプが用いられてもよい。そのようなポンプの一例は、Am Lichtbogen 7、45141 Essen、GermanyのSchwarzer Precision GmbH + Co.KGから市販されているモデル250ECである。
【0138】
コンピュータ化された制御装置350はまた、再処理機能306の動作などの、自動再処理システム300の他の構成要素および機能の動作を制御し、かつ、流体供給サブシステムおよび漏れ検査サブシステムの動作の相対的なタイミングを調整していることが好ましい。
【0139】
コンピュータ化された圧力センサ360が、好ましくは漏れ検査ポート連結器330に連結され、弁362を介してポンプ332および334に連結され、漏れ検査ポートが正圧下にあるときと漏れ検査ポートが負圧下にあるときの両方の時点で内視鏡の漏れ検査ポートにおける経時的な圧力の変化を検知するように構成される。
【0140】
弁362は、弁362がパージチューブ364を介してチューブ342およびマニホルド336を周囲環境に接続する「開」状態、ならびに弁362がマニホルド336およびチューブ342をパージチューブ364から分離して周囲環境との空気連通を防止すると同時にそれらを互いに接続する「閉」状態のどちらかに位置決めされ得る、自動制御可能な2状態弁であることが好ましい。
【0141】
本発明の好ましい一実施形態によれば、コンピュータ化された制御装置350は、コンピュータ化された圧力センサ360と協働して、負圧漏れ検査プロトコルを実行するが、そのプロトコルの2つの例が、
図7A~7Bおよび8A~8Cを参照しながら以下に説明される。
【0142】
次に、全体で本発明の一実施形態による
図6の再処理システムの動作の簡易化した流れ
図である
図7Aおよび7Bを参照する。
【0143】
図7Aおよび7Bに見られるように、最初のステップは、内視鏡の内部容積が漏れ検査サブシステム314と流体連通するように、漏れ検査ポート連結器330を内視鏡304の漏れ検査ポート316に封止可能に連結することである。
【0144】
その後で、オペレータは、好ましくはスイッチ322を使用して、再処理されている内視鏡に適した再処理モードを選択する。非バルーン再処理モードが選択された場合、自動再処理システム300は、従来技術の自動再処理システムで実行されるような、従来の非バルーン内視鏡再処理手順を実行する。
【0145】
本発明の一実施形態によれば、再処理されている内視鏡304は、バルーン110と、通常はバルーン110の内部容積と内視鏡100の内部容積との間の空気流を可能とする開口部116と、開口部116を密閉するために用いられ得る機械式シャッタ122とを含む、
図1A~2を参照しながら上述されたバルーン内視鏡100である。
【0146】
本発明のこの実施形態によれば、機械式シャッタ122は、自動再処理システム300によりバルーン内視鏡100の再処理の前に用いられて、
図1CのステップBを参照しながら上述されたように開口部116を密閉し、オペレータは、スイッチ322を使用して、非バルーン内視鏡再処理モードを選択する。したがって、自動再処理機械300は、バルーン110を破裂させるまたは損傷することなしに、バルーン内視鏡100の正圧漏れ検査を含み得る従来の再処理を行うために用いられる。あるいは、開口部116の密閉により、バルーン110を破裂させるまたは損傷することなしに、再処理手順中に漏れを監視しながら比較的高い正圧を用いる従来技術の自動再処理機械による従来のバルーン内視鏡100の再処理が可能になることが理解される。
【0147】
以下の説明においては、別段明確に示されていない限り、バルーン内視鏡の再処理が選択されていることを前提とするが、このバルーン内視鏡再処理は、本発明の特有の特徴である。
【0148】
その後で、コンピュータ化された制御装置350の制御の下、漏れ検査サブシステム314を介して内視鏡の内部容積を周囲圧力に連結するために、弁338、340、および362(
図6)の全てが開かれる。内視鏡304の内部容積が周囲圧力に達すると、それに応じて圧力センサ360が較正される。
【0149】
典型的には弁338および362を閉じ、負圧ポンプ334を作動させて、圧力センサ360によって検知される典型的には-200mbarの好ましい負圧まで内視鏡304の内部容積を減圧してそれにより内視鏡304のバルーンを収縮させることにより、負圧漏れ検査が開始される。場合により、減圧開始から10秒以内に典型的には-200mbarの好ましい圧力が実現されなかった場合、制御装置350により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ324が作動され、再処理が終了される。
【0150】
この任意選択の段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、弁340が閉じられ、次いで、典型的には20秒経過してから、内視鏡304の内部容積における負圧がもう一度監視される。20秒経過した後の負圧が典型的には-150mbarの好ましい閾値を超えて高くなっていた場合、制御装置350により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ324が作動され、再処理が終了される。
【0151】
この段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、典型的にはさらに20秒経過してから、内視鏡304の内部容積における圧力がもう一度監視される。このさらに2
0秒経過した後の圧力が2mbarより多く高くなっていた場合、制御装置350により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ324が作動され、再処理が終了される。
【0152】
この段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、好ましくは弁338、340、および362(
図6)の全てが開かれて、圧力センサ360により、内視鏡304の内部容積における圧力が引き続き監視される。圧力センサ360によって測定される内視鏡304の内部容積における圧力が典型的には-30mbarまで上昇すると、この内視鏡304の内部容積における負圧を維持するために、弁338、340、および362が閉じられる。
【0153】
漏れ検査サイクル中、および各漏れ検査サイクルの合間のバルーン内視鏡304のバルーンの収縮は、内視鏡304の内部容積を-5mbarから-300mbarの範囲内の負圧まで減圧することによって実行および維持されることが好ましい。漏れ検査サイクル中、および各漏れ検査サイクルの合間のバルーン内視鏡304のバルーンの収縮は、内視鏡304の内部容積を-100mbarから-250mbarの範囲内の負圧まで減圧することによって実行および維持されることがより好ましい。本発明の好ましい一実施形態によれば、バルーン内視鏡304のバルーンは、-150mbarよりも低い負圧まで収縮される。
【0154】
本発明の一実施形態の特有の特徴は、内視鏡の内部容積が典型的には-150mbarから-200mbarの間の比較的強い真空にあるときにバルーン内視鏡の漏れ検査が行われ、内視鏡の内部容積が典型的には-10mbarから-50mbarの間、好ましくは-30mbarの比較的弱い真空にあるときに再処理手順の残りの部分が行われることである。
【0155】
前述の負圧漏れ検査手順は、2~5分毎などのほぼ一定の間隔で再処理中に繰り返されることが好ましい。
【0156】
いかなる負圧漏れ検査不合格もなく再処理が成功裏に完了すると、制御装置350により再処理成功表示が提供され、それに応じてインジケータ326が作動される。
【0157】
本発明の一実施形態の特有の特徴は、この段階において、好ましくは連結器330が内視鏡304の常時閉の漏れ検査ポート316から外され、それにより負圧下の内視鏡の内部容積と収縮した状態のバルーン内視鏡304のバルーンとが維持されることである。収縮したバルーンを含むバルーン内視鏡304の保管は、バルーンを取り扱いの誤りやパンクから保護するのに有益であり得るだけでなく、バルーン上に保護カバーを設置できるようにするのにも有益であり得ることが理解される。この特徴は、非バルーン内視鏡には必要ではない。
【0158】
次に、全体で本発明の別の実施形態による
図6の再処理システムの動作の簡易化した流れ図である
図8A~8Cを参照する。
【0159】
図8A~8Cに見られるように、最初のステップは、内視鏡の内部容積が漏れ検査サブシステム314と流体連通するように、漏れ検査ポート連結器330を内視鏡304の漏れ検査ポート316に封止可能に連結することである。
【0160】
その後で、オペレータは、好ましくはスイッチ322を使用して、再処理されている内視鏡に適した再処理モードを選択する。非バルーン再処理モードが選択された場合、自動再処理システム300は、従来技術の自動再処理システムで実行されるような、従来の非
バルーン内視鏡再処理手順を実行する。以下の説明においては、別段明確に示されていない限り、バルーン内視鏡の再処理が選択されていることを前提とするが、このバルーン内視鏡再処理は、本発明の特有の特徴である。
【0161】
その後で、コンピュータ化された制御装置350の制御の下、漏れ検査サブシステム314を介して内視鏡の内部容積を周囲圧力に連結するために、弁338、340、および362(
図6)の全てが開かれる。内視鏡304の内部容積が周囲圧力に達すると、それに応じて圧力センサ360が較正される。
【0162】
典型的には弁338および362を閉じ、負圧ポンプ334を作動させて、圧力センサ360によって検知される典型的には-200mbarの好ましい負圧まで内視鏡304の内部容積を減圧してそれにより内視鏡304のバルーンを収縮させることにより、負圧漏れ検査が開始される。場合により、減圧開始から10秒以内に典型的には-200mbarの好ましい圧力が実現されなかった場合、制御装置350により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ324が作動され、再処理が終了される。
【0163】
この任意選択の段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、弁340が閉じられ、次いで、典型的には20秒経過した後のt0と称される時点において、圧力センサ360により内視鏡304の内部容積における負圧がもう一度監視され、温度センサ312により再処理チャンバ302内の温度が測定される。この時点t0の段階において測定された負圧は、P0と称され、t0において測定された温度は、T0と称される。
【0164】
負圧P0が典型的には-150mbarの好ましい閾値よりも高かった場合、制御装置350により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ324が作動され、再処理が終了される。
【0165】
この段階において負圧検査不合格が表示されなかった場合、コンピュータ化された制御装置350によって決定される、Dtで表されるt0からのある時間間隔が経過した時点tにおいて、内視鏡304の内部容積における圧力および再処理チャンバ302内の温度がもう一度監視される。周期的で断続的な漏れ監視が必要とされる場合、時間間隔Dtは、1~60秒の範囲内の全体的に短い時間間隔、または1~5分の範囲内の全体的により長い時間間隔などの、所定の時間間隔とされ得る。あるいは、漏れ検知サイクルが相次いで即時に実行されるように連続的な漏れ監視が所望される場合、時間間隔Dtは、コンピュータ化された制御装置350の電子クロックタイム単位、またはその乗数とされ得る。
【0166】
たとえ漏れが存在しなくとも、内視鏡304の内部容積内の真空は、温度上昇に応じて弱められることが理解される。内視鏡304の内部容積内の真空は、真空下に維持されている種々の構成要素間の密閉の不完全さが原因で経過時間に応じて非常にゆっくりと弱められる場合があり、この弱化は、漏れ検査不合格と見なされるべきバルーン内視鏡における容認できない漏れを示すものではないことが、さらに理解される。
【0167】
したがって、制御装置350は、温度センサ312によって測定される温度に応じてまたt0からの経過時間に応じて変動する、許容負圧閾値PT(t)を設定する。いかなる時点tにおいても、センサ360によって測定された圧力P(t)が、対応する許容負圧閾値PT(t)を超えることがあれば、不合格が表示される。
【0168】
時点t0の後の所与の時点で測定される、時点tにおける負圧閾値PT(t)は、好ましくは以下の一般式によって与えられる:
PT(t)=F(Tt,T0,t,t0,P0)
FはTt、T0、t、t0、およびP0の関数であり、式中、
Ttは、温度センサ312によって測定される、時点tにおける再処理チャンバ302の内部の温度であり、
T0は、温度センサ312によって測定される、時点t0における再処理チャンバ302の内部の温度であり、
P0は、圧力センサ360によって測定される、時点t0における内視鏡304の内部容積における負圧である。
【0169】
本発明の好ましい一実施形態によれば、F(Tt,T0,t,t0,P0)は、コンピュータ化された制御装置350に記憶される所定の較正表に組み入れられる。制御装置350は、Tt、T0、t、t0、およびP0の特定の値の各組に対して適切な負圧閾値PT(t)を取り出す。
【0170】
再処理手順全体にわたって用いられる溶液に対して所定の加熱プロフィルが用いられることなどにより、温度センサ312によって測定される再処理手順全体にわたる再処理チャンバにおける温度プロフィルが先験的に分かっている場合、PT(t)は、P0およびtの関数として計算するかまたは取り出すことができ、温度センサ312による温度T(t)の実測は、排除されてもよいことが理解される。
【0171】
より具体的には、本発明の好ましい一実施形態によれば、所与の時点tにおける負圧閾値PT(t)は、以下の関数で表される:
PT(t)=F1(Tt,T0,P0)+F2(t-t0)
式中、
F1は、所与の時点tにおいて温度センサ312によって測定された温度Ttと、それぞれ時点t0において温度センサ312によって測定された温度および圧力センサ360によって測定された圧力であるT0およびP0との関係の関数であり、
F2は、時点t0からtまでの経過時間の関数である。
【0172】
好ましくは、F1は、式:F1=(Tt/T0)・P0によって与えられ、式中、TtおよびT0は、ケルビン度で測定され、P0は、PT(t)に対して使用されるような、mbarまたは気圧などのゼロ圧力よりも高い絶対圧力の単位で測定される。
【0173】
好ましくは、F2は、式:F2=K・(t-t0)によって与えられ、式中、Kは、経時的な圧力の変化を表す定数である。本発明の好ましい一実施形態によれば、Kは、毎秒0.01~0.20mbarの範囲内である。本発明のより好ましい一実施形態によれば、Kは、毎秒0.02~0.10の範囲内である。本発明の目下最も好ましい実施形態によれば、Kは、毎秒約0.05mbarである。
【0174】
時点tにおける圧力P(t)および温度T(t)は、必要に応じて連続的または断続的に、それぞれ圧力センサ360および温度センサ312によって測定される。測定された負圧P(t)が負圧閾値PT(t)よりも高いことがあれば、制御装置350により負圧検査不合格表示が提供され、それに応じて不合格インジケータ324が作動され、再処理が終了される。
【0175】
いかなる負圧漏れ検査不合格もなく再処理が成功裏に完了すると、制御装置350により再処理成功表示が提供され、それに応じてインジケータ326が作動される。
【0176】
本発明の一実施形態の特有の特徴は、この段階において、好ましくは連結器330が内視鏡304の常時閉の漏れ検査ポート316から外され、それにより負圧下の内視鏡の内部容積と収縮した状態のバルーン内視鏡304のバルーンとが維持されることである。収縮したバルーンを含むバルーン内視鏡304の保管は、バルーンを取り扱いの誤りやパン
クから保護するのに有益であり得るだけでなく、バルーン上に保護カバーを設置できるようにするのにも有益であり得ることが理解される。この特徴は、非バルーン内視鏡には必要ではない。
【0177】
次に、本発明の別の好ましい一実施形態に従って実施される再処理方法の簡易化した図である
図9Aおよび9Bを参照する。
【0178】
図9Aおよび9Bに見られるように、バルーン内視鏡のための再処理方法が提供され、この方法は、
バルーン内視鏡のバルーンをその臨床的使用に続いて正圧状態に膨張させるステップと、
その後で、バルーンが正圧状態に膨張されている間にバルーンの外側表面を洗浄および/または殺菌するステップと、
その後で、バルーン内視鏡のバルーンを負圧状態に収縮させるステップと、その後で、
前述のバルーン内視鏡を再処理するうちの少なくとも一部の間バルーンの内部を負圧状態に維持するステップと
を含むことを特に特徴とする。
【0179】
通常は少なくとも1つの開口部を介して流体連通するバルーン内部容積と内視鏡内部容積とを有するバルーン内視鏡を再処理するための方法も提供され、この方法は、バルーン内視鏡の再処理のうちの少なくとも一部の間少なくとも1つの開口部を密閉するステップを含む。
【0180】
図9Aおよび9Bは、内視鏡検査室内で行われるステップを示す。
図9Aに示されるステップAは、結腸内視鏡検査などの内視鏡的処置に続いて患者の身体から除去された後の、Raanana、IsraelのSmart Medical Systemsから市販されているモデルG-EYE(商標)3890i結腸内視鏡などのバルーン内視鏡400を示す。この段階では、バルーン内視鏡400のバルーンは、膨張している場合もあれば収縮している場合もある。
【0181】
内視鏡的処置中ならびにそのすぐ後のステップA、B、およびCにおいて、バルーン内視鏡400は、Raanana、IsraelのSmart Medical Systemsから市販されているSPARK2C膨張システムなどの膨張/収縮システム402に動作可能に接続される。具体的には、可撓性膨張/収縮チューブ404が、その一方の端部においては、拡大部Bに見られるようにバルーン内視鏡400の常時閉の漏れ検査ポート406に封止可能に接続され、その反対側の端部においては、膨張/収縮システム402の膨張/収縮チューブ接続ポート408に封止可能に接続される。
【0182】
さらに
図9Aおよび9Bに見られるように、バルーン内視鏡400は、その前方部分にバルーン410を含み、バルーン410は、バルーン内視鏡400の外側シース412上に封止可能に取り付けられる。バルーン410の内部容積413が、内視鏡400の外側シース412に形成された少なくとも1つの開口部416を介して、通常はバルーン内視鏡400の内部容積414と流体連通する。したがって、バルーン410は、全体で膨張/収縮システム402とバルーン410の内部容積413との間に連続的な流体連通経路を形成している可撓性膨張/収縮チューブ404、漏れ検査ポート406、バルーン内視鏡400の内部容積414、および少なくとも1つの開口部416を介して、膨張/収縮システム402によって膨張されかつ収縮され得ることが理解される。
【0183】
外側シース412の内側のバルーン内視鏡400の容積は、光学および照明のバンドル、電子装置、操縦ワイヤ、機器チャネル、ならびに他の適切な構成要素などの、それを通
過する様々な導管ならびにチャネル(図示せず)を含み得ることが理解される。膨張/収縮空気が、そのような導管およびチャネルに占有されていない外側シース412の内側の容積である内部容積414を通って自由に流れることができることが理解される。
【0184】
図9Aに示されるステップBにおいて、内視鏡400のバルーン410がまだ完全には収縮されていない場合、オペレータは膨張/収縮システム402の膨張/収縮制御ユニット418の膨張制御ボタン417を押して、膨張/収縮システム402にバルーン410を完全に膨張させることが分かる。この段階において、拡大部Aに示されるようにバルーン410を洗浄溶液および/もしくは殺菌溶液に浸して柔らかいスポンジもしくはクロスでそれを拭き取ること、または、任意選択の他の適切な洗浄手順および/もしくは殺菌手順などにより、膨張したバルーン410が洗浄および/または殺菌される。
【0185】
図9Aに示されるステップCにおいて、バルーン410が膨張した状態にある間のバルーン410の洗浄および/または殺菌に続いて、オペレータは膨張/収縮システム402の膨張/収縮制御ユニット418の収縮制御ボタン419を押して、拡大部Cに見られるように膨張/収縮システム402にバルーン410を完全に収縮させることが分かる。
【0186】
本発明の一実施形態の特有の特徴は、拡大部Dに示されるように、バルーン410の収縮が、バルーン内視鏡の再処理のうちの少なくとも一部の間、内視鏡400の外側シース412に形成された少なくとも1つの開口部416の密閉をもたらすことであり、この開口部は、通常はバルーン410の内部容積413と内視鏡400の内部容積414との間の流体連通を提供する。これは、再処理中に何らかの形で外部からバルーン410の内部容積413に入る可能性のあるいかなる再処理流体も内視鏡の内部容積414には入らないことを確実とするために重要である。
【0187】
バルーン内視鏡の再処理のうちの少なくとも一部の間のそのような少なくとも1つの開口部416の密閉は、バルーン410の収縮によって実現されるのでない場合には、
図1Bおよび1Cを参照しながら上述されたように、少なくとも1つの開口部416を閉塞してそこを通る流体の流れを妨げる機械式密閉要素またはシャッタなどによって実現され得ることが理解される。
【0188】
次に
図9Bを参照すると、ステップDにおいて、オペレータは、可撓性膨張/収縮チューブ404を、バルーン内視鏡400の常時閉の漏れ検査ポート406から分離する。漏れ検査ポート406の常時閉の動作により、内視鏡400の内部容積414は、真空状態のままであり、バルーン410は、完全に収縮したままである。
【0189】
図9BのステップEは、その後の膨張/収縮システム402の停止を示す。
【0190】
図9Aおよび9Bを参照しながら説明された本発明の実施形態の特有の特徴は、バルーン410が収縮した状態にある間にバルーン内視鏡400は膨張/収縮システム402から分離されるが、膨張/収縮システム402は電源が入っており、それにより内視鏡400の内部容積414における真空とバルーン410の収縮とが維持されることであり、システム402は内視鏡400から分離された後でのみ電源が切られることである。
【0191】
本発明は、ここまで具体的に示されかつ説明されてきたことに限定されるものではないことが、当業者には理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述された様々な特徴の組合せおよび部分的組合せ、ならびに、上述の説明を読めば当業者に思い浮かぶであろうものでありかつ従来技術にはないものである上述された様々特徴の修正および変更の、両方を含む。