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特許7023959カートンブランクを整列させるための装置及び方法
<図1>
  • 特許-カートンブランクを整列させるための装置及び方法 図1
  • 特許-カートンブランクを整列させるための装置及び方法 図2
  • 特許-カートンブランクを整列させるための装置及び方法 図3
  • 特許-カートンブランクを整列させるための装置及び方法 図4
  • 特許-カートンブランクを整列させるための装置及び方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】カートンブランクを整列させるための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/20 20060101AFI20220215BHJP
   B65H 1/04 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
B65B43/20
B65H1/04 320C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019530092
(86)(22)【出願日】2017-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2017080197
(87)【国際公開番号】W WO2018104064
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-11-11
(31)【優先権主張番号】16202178.6
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・パーソン
(72)【発明者】
【氏名】ラース・カールソン
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/082048(WO,A1)
【文献】欧州特許第3075688(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/20
B65H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキング装置がカートンブランクを挟持できるように、前記カートンブランクを整列させるための送り込み整列装置であって、
-前記カートンブランクの上部を押すための上部整列部材と、
-前記カートンブランクの下部を押すための下部整列部材と、を備え、
前記上部整列部材及び/又は前記下部整列部材は、前記カートンブランクが前記ピッキング装置のための挟持位置にあるように、前記カートンブランクの頂部及び/又は底部を押動方向に押すよう構成され、
前記上部整列部材及び前記下部整列部材は機械的に接続され、同時に押すよう構成され、
前記機械的接続は、前記上部整列部材及び前記下部整列部材の両方を前記押動方向に押すことができるように形成される押動部材を備え、
前記押動部材は、円形部材を備え、前記円形部材は前記記上部整列部材及び前記下部整列部材を前記押動方向に押すよう前記押動部材に影響を及ぼすように構成される、
送り込み整列装置。
【請求項2】
前記上部整列部材及び/又は前記下部整列部材は傾斜押圧面を備える、請求項1に記載の送り込み整列装置。
【請求項3】
前記上部整列部材及び/又は前記下部整列部材は前記送り込み整列装置の中心に向かって付勢される、請求項1又は2に記載の送り込み整列装置。
【請求項4】
前記送り込み整列装置は、包装容器に折り畳まれ得るように前記カートンブランクを挟持するためのピッキング装置に接続される、請求項1~3のいずれか一項に記載の送り込み整列装置。
【請求項5】
前記接続は機械的接続である、請求項4に記載の送り込み整列装置。
【請求項6】
ピッキング装置がカートンブランクを挟持できるように、前記カートンブランクを整列させるための方法であって、
-請求項1~5のいずれか一項に記載の送り込み整列装置を提供することと、
-上部整列部材によって前記カートンブランクの上部を整列させ、及び/又は、下部整列部材によって前記カートンブランクの下部を整列させることと、を含み、
前記整列させることは、前記カートンブランクの頂部及び/又は底部を押動方向に押す前記上部整列部材及び/又は前記下部整列部材によって行われ、
前記上部整列部材及び前記下部整列を同時に押すことを含み、
前記上部整列部材及び前記下部整列部材の両方を押すように押動部材を動かすことを含み、
前記押動部材は円形部材を備え、前記円形部材は前記上部整列部材及び前記下部整列部材を押すよう前記押動部材に影響を及ぼすように動かされる、
方法。
【請求項7】
前記押動方向とは反対の方向に前記上部整列部材及び前記下部整列部材を付勢することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記送り込み整列装置を前記ピッキング装置と同期させることを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記同期は機械的接続によって行われる、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送り込み装置の分野に関し、特に、充填機におけるピッキング装置のための送り込み整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カートン包装容器を製作する場合、折り畳み、液体又は半液体等の物質を充填するための充填機が用いられる。充填機は異なる種類の基材及び基材の形状を用いることができる。ある種の包装容器は、その後折り畳まれ、所望の物質で充填されるベース形状としてのカートンブランクを用いることによって製作される。これらのカートンブランクは、通常、他の場所で作成され、それらが送り込み装置によって機械に装填され得るように充填機の所在地に箱で出荷される。カートンブランクは別の場所で作成され、充填機の所在地に出荷されるため、必ずしも次々と用いられる同じバッチではないが、より一般には、オペレータは単にパレット上にある次の積み重ねられたカートンブランクの箱を装填するだけである。また、そのため、箱の内部でカートンブランクはある程度動く可能性があり、従って、周囲に移動している可能性がある。また、各ブランクが幅及び高さとしてどれ程のばらつきを有することができるかという公差も存在する。今日、これらの要因は、カートンブランクが送り込み装置に正しく装填され、充填機に行き渡るように、送り込み装置及び充填機の傍に立って目視検査するオペレータによって扱われる。送り込み装置から充填機への振り分けは、1秒当たり少なくとも2、3個のブランクの極めて高速であり、そのため、ブランク位置の精度はかなり重要である。その上、万一の場合、充填機がブランクを用いることができるように、オペレータはカートンブランクを所定の位置まで押すか又はそれらを送り込み装置において整列させる必要がある。これには時間がかかり、充填機の運転を望ましくない方法で中断させる。
【0003】
故に、上記欠点のうちの少なくとも幾つか又は全てを解決する改良された送り込み整列装置が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の概念の目的は、上記で確認した当該技術分野における不備及び欠点のうちの1つ以上を単独又は組み合わせて緩和、軽減、又は解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概念の第1の態様によれば、ピッキング装置がカートンブランクを挟持できるように、カートンブランクを整列させるための送り込み整列装置は、カートンブランクの上部を押すための上部整列部材と、カートンブランクの下部を押すための下部整列部材とを備え、上部及び/又は下部整列部材は、カートンブランクがピッキング装置のための挟持位置にあるように、カートンブランクの頂部及び/又は底部を押動方向に押すよう構成される。
【0006】
本発明の概念の第2の態様によれば、ピッキング装置がカートンブランクを挟持できるように、前記カートンブランクを整列させるための方法は、送り込み整列装置を提供することを含む。上部整列部材によってカートンブランクの上部を整列させること、及び/又は、下部整列部材によってカートンブランクの下部を整列させることであって、当該整列は、カートンブランクの頂部及び/又は底部を押動方向に押す上部及び/又は下部整列部材によって行われる。
【0007】
本開示の更なる実施例は従属クレームにおいて定義され、開示の第3及び後続の態様のための特徴は必要な変更を加えて第1から第2までの態様と同様である。
【0008】
本開示の幾つかの実施例は、カートンブランクの上部及び/又は下部を押すことを提供する。
【0009】
本開示の幾つかの実施例は、カートンブランクを2つの位置においてそれぞれ調整することを提供する。
【0010】
本開示の幾つかの実施例は、小さい力の使用によって正しい進入位置に容易に押されるカートンブランクを提供する。
【0011】
本開示の幾つかの実施例は、カートンブランクが正しい位置にあり、望みの時間に挟持され得ることを提供する。
【0012】
本開示の幾つかの実施例は、カートンブランクのいずれかの傾きも防ぐよう頂部及び底部の両方において押されるカートンブランクを提供する。
【0013】
本開示の幾つかの実施例は、ブランクの押動方向とは反対に動かされる上部及び下部整列部材を提供する。
【0014】
本開示の幾つかの実施例は、押動部材に印加される外力を提供する。
【0015】
本開示の幾つかの実施例は、ピッキング装置に接続される送り込み整列装置を提供する。
【0016】
本開示の幾つかの実施例は、ピッキング装置と同期される送り込み整列装置を提供する。
【0017】
本開示の幾つかの実施例は、ピッキング装置がカートンブランクを挟持する準備ができた時に、正しい位置にあるカートンブランクを提供する。
【0018】
本開示の幾つかの実施例は、ピッキング装置がカートンブランクを挟持する場合、いずれかのカートンブランクも押さない送り込み整列装置を提供する。
【0019】
本開示の幾つかの実施例は、信頼性のある接続を提供する。
【0020】
本開示の幾つかの実施例は、よりロバストでフェイルセーフな接続を提供する。
【0021】
本開示の幾つかの実施例は、押動方向とは反対の方向に付勢される上部及び下部整列部材を提供する。
【0022】
開示の幾つかの実施例は、同時に押される上部及び下部整列部材を提供する。
【0023】
本発明/本発明の概念上の、並びに、追加の目的、特徴、及び利点は、添付図面を参照して、本発明/発明概念の異なる実施形態の以下の図面及び非制限的な詳細な説明を通じて良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、送り込み整列装置の斜視図を示す。
図2図2は、送り込み整列装置の側面図を示す。
図3図3は、送り込み整列装置の別の側面図を示す。
図4図4は、送り込み整列装置の平面図を示す。
図5図5は、送り込み整列装置を用いる方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、ピッキング装置がカートンブランクを挟持できるように、カートンブランク14を整列させるための送り込み整列装置10の一実施例を示している。送り込み整列装置10は、カートンブランクの上部を押すための上部整列部材11と、カートンブランクの下部を押すための下部整列部材12とを備えている。その上、上部整列部材11及び/又は下部整列部材12は、カートンブランクがピッキング装置のための正しい進入位置にあるように、カートンブランクの頂部及び/又は底部を押動方向に押すよう構成されている。上部整列部材11及び/又は下部整列部材12にカートンブランクの上部及び/又は下部を押させることによって、送り込み装置10はカートンブランクを2つの位置においてそれぞれ調整することができる。
【0026】
例えば、図4に示す一実施例において、上部整列部材11及び/又は下部整列部材12は傾斜した押圧面15を備えている。傾斜面15を有する上部整列部材11及び/又は下部整列部材12によって、カートンブランク14は小さい力の使用によって正しい進入位置に容易に押される。カートンブランク14を長い距離押す必要があるために力が大きくなる場合、前後にある他のブランクにおける外乱は悪影響を受け、所定位置から外れて動かされる。従って、これはカートンブランクを正しい位置に載置するよう望むものとは反対に作用する可能性がある。
【0027】
例えば、図4に示す一実施例において、上部整列部材11及び/又は下部整列部材12は送り込み装置10の中心に向かって付勢される。上部整列部材11及び/又は下部整列部材12を送り込み装置10の中心に向かって付勢させることによって、カートンブランクが正しい位置にあり、望みの時間に挟持され得ることを保証する。一実施例において、上部整列部材11及び/又は下部整列部材12は異なって付勢される。一実施例において、上部整列部材11及び/又は下部整列部材12は送り込み装置10の中心から外側に付勢される。実施例において、付勢はばね19によって行われ、材料は、弾性変形又は、可撓性であり、元の位置から離れて移動された後、そこに戻ることができる他の種類の機構を有している。
【0028】
例えば、図2に示す一実施例において、上部整列部材11及び下部整列部材12は機械的に接続20され、同時に押動するよう構成される。上部整列部材11及び下部整列部材12を機械的に接続20すること及び同時に押動するようそれらを構成することによって、カートンブランクは頂部及び底部の両方において押され、カートンブランクのいずれかの傾きも防ぎ、従って、所望のピッキング位置に配置される。
【0029】
例えば、図1に示す一実施例において、機械的接続20は、ブランクの押動方向に上部整列部材11及び下部整列部材12の両方を押すよう構成される押動部材16を備えている。押動部材16を用いることによって、上部整列部材11及び下部整列部材12は機械的に接続されるが、同時に、それらはブランクの押動方向に動かされ得る。一実施例において、機械的接続20は、押動部材16及び上部整列部材11及び/又は下部整列部材12が、例えば、図1及び2において見て取ることができるように、機械的に接続され、互いに対して枢動できるように、ピン、ねじ、等のような枢動機構を更に備えている。
【0030】
例えば、図1~3に示す一実施例において、押動部材16は、円形部材17が、ひいてはブランクの押動方向に押されるよう押動部材16に影響を及ぼすように、押されるよう構成される円形部材17を備えている。円形部材17を有することによって、上部整列部材11及び/又は下部整列部材12がブランクを押すように、外力がブランクの押動方向において押動部材16に印加されてもよい。一実施例において、回動部材23が円形部材17を押動する。
【0031】
例えば、図4に示す一実施例において、上部整列部材11及び/又は下部整列部材12は、更に、整列付勢部材22によって送り込み装置の中心から離れて付勢される。上部整列部材11及び/又は下部整列部材12を付勢することによって、ブランクを所望の位置に配置する場合に、大きすぎる力で押してブランクを損傷することなく、調整され得る力で押す。一実施例において、整列付勢部材はばね又は力を調整することが可能な任意の他の機構である。また図4に示すのは、整列付勢部材22が押動部材16及び上部整列部材11の両方に接続されることである。下部整列部材12は同じ方法で押動部材16に接続されている。
【0032】
一実施例において、送り込み整列装置10はピッキング装置に接続されている。送り込み整列装置10をピッキング装置に接続することによって、送り込み整列装置10はピッキング装置と同期されている。これは、ピッキング装置がカートンブランクを挟持する準備ができた時に、送り込み整列装置10が正しい位置にカートンブランクを有することを可能にしている。更に、送り込み整列装置10は、ピッキング装置がカートンブランクを挟持する場合にいずれかのブランクも押さず、そのため、容易に挟持することができるように同期されることも可能にしている。
【0033】
一実施例において、送り込み整列装置10とピッキング装置との間の接続は機械的接続18である。機械的接続を用いることによって、接続の信頼性は、簡単、ロバスト、フェイルセーフであり、ピッキング装置の機構が動く場合に動く。一実施例において、機械的接続18は、それらが機械的に接続されるようにピッキング装置から類似の接続へ接続されるよう構成されるはめ歯歯車を有するロッドを備えている。一実施例において、回動部材23は機械的接続18の一部であるか又はそれに接続される。
【0034】
一実施例において、接続は、所望の時間において任意の操作を行うよう送り込み整列装置10とピッキング装置とを同期させる電気的接続である。一実施例において、充填機は送り込み整列装置10及び/又はピッキング装置を備えている。
【0035】
カートンブランクを整列させる例示的な方法を以下に説明する。かかる方法は、ピッキング装置が上部整列部材11によりカートンブランクの上部を整列させること200によってカートンブランクを挟持できるように、カートンブランクを整列させることを含んでいる。更に、下部整列部材12によってカートンブランクの下部を整列させること210を含み、ここで整列は、カートンブランクの頂部及び/又は底部を押動方向に押す上部整列部材11及び/又は下部整列部材12によって行われる。
【0036】
一実施例において、上部整列部材11及び下部整列部材12は押動方向とは反対の方向に付勢される。
【0037】
一実施例において、上部整列部材11及び下部整列部材12は同時に押される。
【0038】
実施例において、押動部材16は、それが上部整列部材11及び下部整列部材12の両方を押動方向とは反対側に押すように押される。
【0039】
一実施例において、押動部材16は円形部材17を備え、円形部材17は、円形部材17がひいては押動部材16に影響を及ぼして上部整列部材11及び下部整列部材12を押動方向に押すように動かされる。
【0040】
一実施例において、送り込み整列装置10はピッキング装置と同期される。一実施例において、同期は機械的接続によって行われる。
【0041】
発明の様々な実施形態を説明し、示してきたが、上記の説明から当然ながら、発明はそれらに制限されないが、添付の特許請求の範囲において定義される主題の適用範囲内にある他の方法でも具現化されてもよいことになる。
図1
図2
図3
図4
図5