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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】光学的に向上された固体状態の光変換器
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20220215BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20220215BHJP
   F21V 7/26 20180101ALI20220215BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20220215BHJP
【FI】
G02B5/20
G03B21/14 A
F21V7/26
F21V7/28
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020020559
(22)【出願日】2020-02-10
(62)【分割の表示】P 2017546990の分割
【原出願日】2015-04-07
(65)【公開番号】P2020074047
(43)【公開日】2020-05-14
【審査請求日】2020-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】508348680
【氏名又は名称】マテリオン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ファン ユヨン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ シモン
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-185980(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101539270(CN,A)
【文献】特開2013-130605(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0257264(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
G03B 21/14
F21V 7/26
F21V 7/28
F21Y 115/30
F21W 102/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変換器であって、前記光変換器は、
固体状態の光変換材料であって、前記固体状態の光変換材料は、前記固体状態の光変換材料の第1の表面に入射する励起光から放出光を発生させ、前記固体状態の光変換材料は、セラミック材料を含み、かつ、有孔性である、固体状態の光変換材料と、
前記固体状態の光変換材料の前記第1の表面上の第1の充填材層と、
前記固体状態の光変換材料の第2の表面上の第2の充填材層であって、前記第2の表面は、前記第1の表面の反対側にある、第2の充填材層と、
前記第1の充填材層の表面上の反射防止コーティングと、
前記第2の充填材層の表面上の高反射コーティングと、
前記高反射コーティングの表面上の金属性コーティングと
を備え、
前記第1の充填材層および前記第2の充填材層は、前記固体状態の光変換材料の光学的屈折率より低い光学的屈折率を有する、光変換器。
【請求項2】
前記第1の充填材層および前記第2の充填材層各々、400~1000nmの厚さを有する、請求項1に記載の光変換器。
【請求項3】
前記反射防止コーティングおよび前記高反射コーティングはそれぞれ、薄フィルムコーティングである、請求項1~2のいずれか一項に記載の光変換器。
【請求項4】
前記金属性コーティングは、反射性である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光変換器。
【請求項5】
光学デバイスであって、前記光学デバイスは、
基板と、
前記基板上の、請求項1~のいずれか一項に記載の光変換器と
を備える、光学デバイス。
【請求項6】
前記光学デバイスは、カラーホイール、蛍光体ホイール、プロジェクションディスプレイ、または自動車のヘッドライトのうちの1つである、請求項に記載の光学デバイス。
【請求項7】
前記金属性コーティングは、前記基板に結合される、請求項のいずれか一項に記載の光学デバイス。
【請求項8】
光変換器を製造する方法であって、前記方法は、
第1の充填材層を固体状態の有孔性セラミック光変換材料の第1の表面上に堆積することであって、前記固体状態の有孔性セラミック光変換材料は、前記第1の表面に入射する励起光から放出光を発生させる、ことと、
第2の充填材層を前記固体状態のセラミック光変換材料の前記第1の表面と反対の第2の表面上に堆積することと、
反射防止コーティングを前記第1の充填材層の表面上に付与することと、
高反射コーティングを前記第2の充填材層の表面上に付与することと、
金属性コーティングを前記高反射コーティングの表面上に付与することと
を含み、前記第1の充填材層は、前記固体状態のセラミック光変換材料の光学的屈折率より低い光学的屈折率を有する、方法。
【請求項9】
前記反射防止コーティングおよび前記高反射コーティングはそれぞれ、薄フィルムコーティングである、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、蛍光体ホイールなどの光学デバイスの一部を形成し得る、固体状態の光変換材料を備える光変換器に関連する。光変換器を製造する方法もまた、提供される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
蛍光体などの光変換(または波長変換)材料は、様々な適用(特に光学デバイス)に使われる。1つのそのような適用が、蛍光体ホイールであり、1つまたは典型的には複数の異なる波長の放出光を(典型的には、狭い範囲の波長の)単一の光源の励起光から発生させるための光学デバイスである。例の蛍光体ホイールは、共通の発明者要件を有するWO2014/016574(特許文献1)に記載される。
【0003】
知られている蛍光体ホイール構造の例が、図1に示されている。光変換器101は、ディスク基板102上に提供される。励起光103a(源の光)は、それが光変換器101に入射する場合、放出光103bの発生を引き起こす。光変換器101は、光スペクトルを第1の範囲のスペクトル波長の励起光から第2の異なる範囲のスペクトル波長の放出(または再放出)光に変換する。典型的には、ディスク基板102は、使用中回転させられるが、このデバイスは、静的な(非回転の)構成で使われ得、その場合、それは蛍光体ホイールとして知られなくあり得る。光変換器101は、従来、(シリコーンなどの)ポリマーバインダーにおいて蛍光体粒子を備えるコーティングとして形成される。
【0004】
より高出力の入射光に対処し得る、光学デバイス、特に蛍光体ホイールが、例えば、レーザー出力が50W/mmより大きくあり得る高出力レーザープロジェクターにおける使用のために開発されている。この高出力光に対処するために、セラミック変換器などの固体状態の光変換材料が考慮されている。波長変換に加えて、セラミック変換器が、改善された光学性能のための薄フィルムで(通常は、直接)コーティングされ得る。これは、ポリマーバインダーにおいて蛍光体から作られる以前の光変換器に対する顕著な利点である。
【0005】
しかし、そのようなセラミック材料を使うことには課題がある。第1に、励起光および/または放出光の伝送を向上させるために、光学コーティングを最適化することが望ましい。反射防止コーティングは、典型的には、励起光を処理することに使われる一方、高反射コーティングは、放出光出力を改善し得る。セラミック材料は、反射表面を生成するために使われ得る、金属性コーティングなどの他のタイプのコーティングとともに、両方を取り扱うことができるべきである。また、セラミック材料の熱放散は、過熱を避けるために、考慮されるべきである。セラミック光変換器の性能を向上させるために、セラミックコーティングをこれらの事項のすべてに適合させることは、顕著な関心事である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2014/016574号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の概要)
この背景に対して、光変換器が請求項1に従って提供される。光変換器を製造する方法もまた、請求項14に則して提供される。他の好ましい特徴は、請求項に関しておよび以下の記載において開示される。
【0008】
充填材層が、セラミックまたは光セラミック材料(セラミック蛍光体)などの固体状態の光変換材料の表面と(充填材層の一部であり得る)光学コーティングとの間に提供される。製造中、充填材層は、コーティングの前に堆積させられ得る。固体状態の光変換材料、特にセラミック変換器が、必ずしも光学表面を有さないことは、認識されてきた。むしろ、それらは有孔性であり得、研磨は役に立たない。そのような有孔性は、任意の光学コーティング、特に(干渉の)薄フィルムコーティングの機能を部分的にまたは完全に無効にし得る。充填材層、特にその厚さは、微小寸法において光学的に平滑であるように構成され得る。典型的には、充填材層は、低光学的屈折率を有し、固体状態の光変換材料と比較して特に低い。あまり好ましくないが、低光学的屈折率を有する光学コーティングは、代替的に充填材層に付与され得る。
【0009】
光学コーティングは、反射防止コーティング、高反射コーティングおよび金属性コーティングのうちの1つまたはより多くを備え得る。光学コーティングは、堆積によって付与され得る。単一または複数層の反射防止(AR)コーティングは、変換された光の低反射損失および/または高抽出のために付与され得る。このコーティングを直接固体状態の光変換材料に付与することは、難しくあり得る。充填材層を固体状態の光変換材料とARコーティングとの間に提供することは、そのような事項を軽減し得、変換された光の大抽出を可能にし得る。
【0010】
それに加えて、または代わりに、よりよい有効性のために(入射光方向で)変換された光を収集および利用することが望ましい。1つまたは複数の高反射(HR)コーティング(ミラーコーティングとも呼ばれる)が、変換された光を反射することによって、これを達成するために使われ得る。しかし、そのように変換された光は概して等方性でランダム偏光されるので、これが、放出された光と非常に近くあり得る、HRの薄フィルムコーティングの設計に対して課題を提示し得ることが、さらに理解されている。充填材層を固体状態の光変換材料とHRコーティングとの間に提供することは、これらの問題をさらに緩和し得る。HRコーティングは、典型的には約100μmまたはそれより少なくしかなくあり得る、光放出中心と反射表面との間の近い近接のために、広角度の入射を有し得る。これは、近接場コーティングと呼ばれ得る。低屈折率層(好ましくは充填材層)とHRコーティングとの組み合わせは、全内部反射(TIR)によって、大角度の入射の光(表面に対する法線に対して少なくとも30、40または45度)を反射し得る。それに加えて、または代わりに、金属性ミラーコーティングが、使われ得(SilFlex(TM)などのAgベース、AlFlex(TM)などのAlベース)、大角度での放出光の収集を可能にする。HRコーティングは、有利に広帯域である。HRおよびARコーティングは、固体状態の光変換材料の対向表面に付与され得る。
【0011】
発明者によって特定されたさらなる事項は、固体状態の光変換材料の熱放散能力に関連する。これを改善することは、変換器の熱消失を最小限にするために望ましくあり得る。金属性コーティングは、(オプションで別のコーティング上に)付与され得る。これは、固体状態の光変換材料の表面への大角度での放出光の漏れを減らし得る。
【0012】
光変換器は、ディスクなどの基板上に提供され得る。光変換器上の金属性コーティングは、それを基板に結合するために使われ得る。光変換器は、例えば、プロジェクションディスプレイまたは自動車のヘッドライトにおける使用のための、カラーホイールおよび蛍光体ホイールなどの光学デバイスの一部を形成し得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
光変換器であって、該光変換器は、
固体状態の光変換材料であって、該固体状態の光変換材料は、放出光を該固体状態の光変換材料の表面に入射する励起光から発生させる、固体状態の光変換材料と、
該固体状態の光変換材料の該表面上の充填材層と、
該充填材層上の少なくとも1つの光学コーティングと
を備える、光変換器。
(項目2)
前記充填材層は、光学的に平滑であるように構成されている、項目1に記載の光変換器。
(項目3)
前記充填材層は、前記固体状態の光変換材料の光学的屈折率より低い光学的屈折率を有する、項目1または項目2に記載の光変換器。
(項目4)
前記固体状態の光変換材料は、有孔性である、任意の前述の項目に記載の光変換器。
(項目5)
前記固体状態の光変換材料は、セラミック材料を含む、任意の前述の項目に記載の光変換器。
(項目6)
前記少なくとも1つの光学コーティングは、薄フィルムコーティングである、任意の前述の項目に記載の光変換器。
(項目7)
前記少なくとも1つの光学コーティングは、反射防止コーティング、高反射コーティングおよび金属性コーティングのうちの1つまたはそれより多くを備える、任意の前述の項目に記載の光変換器。
(項目8)
前記少なくとも1つの光学コーティングは、前記固体状態の光変換材料の前記表面への大角度での放出光の漏れを減らすように配置された、第1のコーティングおよび該第1のコーティング上の金属性コーティングを備える、項目7に記載の光変換器。
(項目9)
前記固体状態の光変換材料の前記表面は、第1の表面であり、前記光変換器は、さらに、
該固体状態の光変換材料の第2の表面上の第2の充填材層と、
該第2の充填材層上の少なくとも1つの第2の光学コーティングと
を備える、任意の前述の項目に記載の光変換器。
(項目10)
前記第2の表面は、前記第1の表面と反対である、項目9に記載の光変換器。
(項目11)
光学デバイスであって、該光学デバイスは、
基板と、
該基板上の、任意の前述の項目に従った光変換器と
を備える、光学デバイス。
(項目12)
前記光変換器の前記少なくとも1つの光学コーティングは、金属性コーティングを備え、該金属性コーティングは、前記基板に結合される、項目11に記載の光学デバイス。
(項目13)
前記光学デバイスは、カラーホイール、蛍光体ホイール、プロジェクションディスプレイおよび自動車のヘッドライトのうちの1つである、項目12に記載の光学デバイス。
(項目14)
光変換器を製造する方法であって、該方法は、
充填材層を固体状態の光変換材料の表面上に堆積することであって、該固体状態の光変換材料は、放出光を該表面に入射する励起光から発生させる、ことと、
少なくとも1つの光学コーティングを該充填材層に付与することと
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0013】
発明は、多くの方法で実施され得、次に、好ましい実施形態が、例としてのみ添付の図面を参照して記載される。
【0014】
図1図1は、知られている蛍光体ホイール構造の例を示す。
図2図2は、開示に従って、第1の実施形態の断面図を概略的に示す。
図3図3は、開示に従って、第2の実施形態の断面図の概略を示す。
図4図4は、ホイール基板に結合された、開示に則した光変換器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
まず図2を参照すると、光変換器200の第1の実施形態の断面図が概略的に示されている。セラミック光変換材料201、第1の充填材層230、第1の光学コーティング220、第2の充填材層240および第2の光学コーティング250が示されている。
【0016】
セラミック光変換材料201は、典型的には、空隙210を含む有孔材料である。セラミック光変換材料201は、高温、高出力の入射光を有益に取り扱い、熱消失が有利に使われ得る。セラミック光変換材料201の厚さは、その有効性に影響し得る。200μmと250μmとの間の厚さが、材料の工程能力により、現在好ましいが、これは、処理の考慮点および性能有効性を考慮して、自身の特性を最適化するために変わり得る。
【0017】
セラミック光変換材料201のうちの入射励起光103aに面している側で、充填材層230が表面に堆積され、励起光103aのために設計された第1の反射防止コーティング230が後に続く。変換された光がすべての可能な方向から収集されることを可能にするために、放出光103bのための第2の高反射コーティング250が、追加的に付与される。大角度の光収集(表面に対する法線に対して少なくとも30度)は、非常に望ましい。有孔効果を最小限にするために、第2の充填材層240が、第2の高反射コーティング250の堆積の前に、コーティングされる。この第2の充填材層240は、低光学的屈折率を有する。これは、表面に対して大角度での、特に表面に対する法線に対してプラスまたはマイナス30度での、光の反射を可能にし得る。この設計は、コーティングされていないセラミック光変換材料201と比べて、少なくとも10%多い光変換で、高温抵抗および/または改善された光学性能を提供し得る。
【0018】
充填材層230および/または第2の充填材層240のための材料は、下にある光変換材料のために使われる材料に依存し得、特にそれの屈折率に依存し得る。低吸収および低屈折率は、望ましい特性である。特に、充填材材料の屈折率は、セラミック光変換材料201の屈折率より低く、好ましくはできる限り低い(1.3、1.25、1.2、1.1または1.05より低い)が、依然として信頼できる光学フィルムを可能にする。低屈折率は、TIR角度を改善し得る。1つの材料における低屈折率コーティングおよび充填材層コーティングの使用、すなわち、光学表面を達成するためにTIRおよび充填材コーティングの両方の機能を統合することは、顕著な利点を提供する。セラミック光変換材料201に対して、充填材層230および第2の充填材層240は、SiOおよび/またはAlを含む。充填材層(単数または複数の層)の厚さは、単数または複数の充填材層を光学的に平滑にするのに十分にされ、典型的には400nmから1000nmである。
【0019】
反射防止コーティング230および高反射コーティング250は、PVDを使って堆積される。これらのコーティングの厚さは、設計性能、使われる薄フィルム材料、および、充填材層などの隣接した材料の特性に基づいている。
【0020】
高反射コーティング250は、光放出中心の非常に近く(典型的には0-100μm)で機能する。さらに、これは、望ましくは広帯域スペクトルを有する。これらの事項を念頭に置いて、高反射コーティング250は、近接場(または近接源)広帯域高反射コーティングと呼ばれ得る。高反射コーティング250はその反射表面の非常に近くで放出される光を反射するため、それは、通常の反射体が使われる態様とは非常に異なって作用する。したがって、この高反射コーティング250の設計および機能原理も、多くの点で全く異なる。第1に、それは外部反射というよりも内部反射を使うように構成され、大角度で性能を改善し得る。第2に、(放出体が反射の近接場であるから)広角度の反射が提供される。第3に、高反射コーティング250は、(光変換器が、広い放出スペクトルを有する蛍光体を組み入れるため)広帯域反射スペクトルを有する。
【0021】
概括的な言い方では、光変換器が提供され、該光変換器は、固体状態の光変換材料の表面に入射する励起光から放出光を発生させるための固体状態の光変換材料と、該固体状態の光変換材料の該表面上の充填材層と、該充填材層上の少なくとも1つの光学コーティングとを備える。それに加えて、または代わりに、光変換器を製造する方法は、固体状態の光変換材料の表面上に充填材層を堆積することであって、該固体状態の光変換材料は、該表面に入射する励起光から放出光を発生させる、ことと、少なくとも1つの光学コーティングを該充填材層に付与することとを含み得る。この方法は、光変換器の特徴に対応する任意のオプショナルな特徴を有し得る。
【0022】
典型的には、固体状態の光変換材料は、少なくとも2つの(別個の)表面を有するが、固体状態の光変換材料のための特定の寸法はない。充填材層および/または光学コーティングは、固体状態の光変換材料の1つまたは複数の表面であり得る。光源からの励起光は、光変換器に入射し得、特に、光学コーティングに入射し得る。固体状態の光変換材料によって発生させられた励起光は、その後、光変換器から出てき得る。
【0023】
次に図3を参照すると、光変換器300の第2の実施形態の断面図の概略が示されている。光変換器300は図2の実施形態と類似しており、同じ特徴が示されるところでは、同一の参照番号が採用されている。簡潔さのために、図2と共通した特徴は、記載されない。
【0024】
この実施形態では、AlFlex(TM)またはSilFlex(TM)などの金属性コーティング260が、高反射コーティング250の上に追加的に堆積される。金属性コーティング260は、反射性であり得、ミラーとして振舞う。金属性コーティング260は、典型的には、変換器表面への大角度での放出光の漏れを減らす。この場合、第2の充填材層240は、低光学的屈折率を有する必要はない。金属性コーティング260は、熱管理を改善し得、特に、以下に説明されるように、励起光スポットからの取り付けられたヒートシンクへの熱放散を増加させ得る。概括的な言い方では、光変換器のうちの入射励起光とは反対の裏側にある金属性ミラーコーティング260が、熱放散機能(金属性ミラーコーティング260は、それ自体比較的高い熱伝導性を有する金属ベースのコーティングであるため)および/または反射機能を提供し得ることが見てとられ得る。この2つの組み合わせは、非常に有利である。
【0025】
次に図4を参照すると、ディスクまたはホイール基板に結合された光変換器が示されている。これは、蛍光体ホイール実施形態であると考えられ得る。光変換器410、および、ディスクまたはホイール基板420が示されている。光変換器410の詳細のすべてが示されているわけではないが、光変換器410の設計は、図3で詳細に述べられている光変換器300の設計により近い(または、図面で提案された構造に基づく代替物が使われ得る)。
【0026】
光変換器410上に統合された(示されていない)金属性ミラーコーティングは、ホイール基板420に結合され、ヒートシンクとしても働く。励起光403の入射スポットからの熱放散は、増加させられ、光変換器410上の光スポット領域430の温度は、それによって下がる。改善された変換された放出光402が、結果として提供される。
【0027】
特定の実施形態が記載されているが、当業者は、変形および修正が可能であることを理解する。例えば、設計は、すべての固体状態の光変換器に適用可能であり得、必ずしもセラミック材料を使ったものだけではなく、例えば、ガラスベースまたはプラスチックベースの材料が使われ得る。ガラスベースまたはプラスチックベースの材料は、蛍光体でコーティングされた基板として振舞い得る。利点は、より有孔な材料に対してより顕著であり得る。有益に、固体状態の光変換器は、ポリマーバインダーを必要とせず、運転温度を改善し、劣化を除去し得る。特に自身のタイプ、数および順序という点で、上記に記載されたものとは異なる構成のコーティングが、固体状態の光変換器に付与され得る。また、固体状態の光変換器の1つの側面または表面のみが、コーティングされ得る。その代わりに、本明細書中で示されているものと異なる複数の表面が、コーティングされ得る。充填材材料は低屈折率を有さなくあり得、その代わりに、低屈折率がそれに付与され得、TIRをもたらす。
【0028】
例えば、特に表面が新しい場合、セラミック光変換材料201の表面または表面を清掃することなく、異なる製造方法が使われ得る。高反射コーティング250は、上記で特定された特定の区別する特性のうちのいくつかのみを有し得るか、その特性を何も有さなくあり得る。充填材層(単数または複数)のための材料および製造方法は、変更され得る。例えば、他の材料が、上記で特定された考慮点に則して使われ得る。それに加えて、または代わりに、ゾル-ゲル/ディップコーティング、CVD、マグネトスパッタリングPVD(よいフィルム密度を提供し得る)または他の技術が、充填材層(単数または複数)を堆積するために使われ得る。いくつかの実施形態では、Ag、AlまたはAuコーティングなどの追加的な広帯域反射体が、提供され得る。他の技術が、反射防止コーティング230および/または高反射コーティング250を堆積するために使われ得る(例えば、反射防止コーティング230のためのディップコーティング)。
【0029】
図4は、具体的には、図3の実施形態に基づく設計に関連している一方で、当業者は、図2の設計(または、本明細書中で提案されている設計に基づく任意の他の設計)もまた、基板に取り付けられ得ることを理解する。図4は、ディスク基板を示すが、基板の他のタイプ、形状および大きさが、特に異なる適用のために、使われ得ることを理解されたい。可能な適用は、カラーホイール、(例えば、投影ディスプレイにおける使用のための)蛍光体ホイールおよび自動車のヘッドライトを含み得る。
図1
図2
図3
図4