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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】金属製ブロック玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/12 20060101AFI20220215BHJP
【FI】
A63H33/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020151084
(22)【出願日】2020-09-09
【審査請求日】2021-12-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517170029
【氏名又は名称】有限会社千葉精螺
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】千葉 吉功
(72)【発明者】
【氏名】千葉 裕司郎
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3150892(JP,U)
【文献】登録実用新案第3214932(JP,U)
【文献】特開2016-83180(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0238192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/12
A63H 33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材で形成される金属製ブロック玩具であって、
上下に合同で平行な二つの面を備える直柱体であって、前記二つの面の中央を貫通する第1孔、並びに、側面中央に該第1孔に直交し、かつ、互いに直交する第2孔及び第3孔、を備え、前記第1孔、前記第2孔及び前記第3孔の直径が略同じである直柱体と、
直径が前記第1孔と略同じである棒状体であって、該棒状体の長手方向に直交し内側にらせん状の溝が刻まれた第4孔を備え、前記長手方向の両端部にらせん状の溝が刻まれた凸部又は凹部を備える棒状体と、
前記直柱体に前記棒状体を通し、前記直柱体の孔と、前記棒状体の前記第4孔、前記凸部又は前記凹部との位置を合わせた状態において、前記第4孔、凸部又は凹部に螺入することによって前記直柱体及び前記棒状体の位置関係を固定する固定部と、を有し、
前記棒状体及び前記固定部による複数の前記直柱体の連結のさせ方によって、様々な形とすることができることを特徴とする金属製ブロック玩具。
【請求項2】
前記第2孔及び前記第3孔の長さよりも前記第1孔の長さの方が長く、
前記第2孔及び前記第3孔が、等間隔に複数、かつ、同数形成され、
前記第4孔が、前記第2孔の間隔と同じ間隔で複数形成され、
前記棒状体の長さが、前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔の長さと同程度であることを特徴とする請求項1に記載の金属製ブロック玩具。
【請求項3】
前記直柱体が、前記第1孔方向の長さが異なり、かつ、所定の単位長の整数倍となる複数種類のものを含み、
前記棒状体が、前記所定の単位長の整数倍となる複数種類のものを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属製ブロック玩具。
【請求項4】
前記第1孔、前記第2孔又は前記第3孔のうちの何れか2つの孔の外周が交差する部位の角が除去されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の金属製ブロック玩具。
【請求項5】
前記直柱体が、立方体、直方体又は円柱であることを特徴とする請求項1乃至4に何れか一に記載の金属製ブロック玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
金属製のブロック玩具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロック玩具とは、小型の接続可能な部品を組み合わせ、いろいろな造形をするために使用する玩具を指す。ブロック玩具は、乳幼児向けのものから、メカニカルな部品や電子制御を行ない、完成した作品を動作させられるような大人向けのものまである。
そのような背景下、ブロック玩具は、子供が単純に楽しめ、また、知育玩具としても有意義であり、大人にとっても趣味の一環として楽しめるものである。
【0003】
ところで従来、ブロック玩具に関しては、種々の技術的な提案がなされており、例えば、特許文献1では、磁力で二十七個のブロックを吸着させ、その吸着面を利用して各ブロックを回転させることによって、様々な配列を実現できる磁力連結式キューブ玩具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3078815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術は、磁石を利用するため、使用場所、造形物の形状に制限が課されるという問題点がある。
【0006】
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、使用場所を選ばず、ブロックどうしを自由度高く組み合わせ、多様な造形物を形成可能な金属製ブロック玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する金属製ブロック玩具の一形態は、金属材で形成される金属製ブロック玩具であって、上下に合同で平行な二つの面を備える直柱体であって、前記二つの面の中央を貫通する第1孔、並びに、側面中央に該第1孔に直交し、かつ、互いに直交する第2孔及び第3孔、を備え、前記第1孔、前記第2孔及び前記第3孔の直径が略同じである直柱体と、直径が前記第1孔と略同じである棒状体であって、該棒状体の長手方向に直交し内側にらせん状の溝が刻まれた第4孔を備え、前記長手方向の両端部にらせん状の溝が刻まれた凸部又は凹部を備える棒状体と、前記直柱体に前記棒状体を通し、前記直柱体の孔と、前記棒状体の前記第4孔、前記凸部又は前記凹部との位置を合わせた状態において、前記第4孔、凸部又は凹部に螺入することによって前記直柱体及び前記棒状体の位置関係を固定する固定部と、を有し、前記棒状体及び前記固定部による複数の前記直柱体の連結のさせ方によって、様々な形とすることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する金属製ブロック玩具は、使用場所を選ばず、ブロックどうしを自由度高く組み合わせ、多様な造形物を形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る直柱体の一例を示す図である。
図2】本実施の形態に係る直柱体の一例を示す図である。
図3】本実施の形態に係る直柱体の一例を示す図である。
図4】本実施の形態に係る直柱体におけるバリ取り部を説明する図である。
図5】本実施の形態に係る棒状体の一例を示す図である。
図6】本実施の形態に係る固定部の一例を示す図である。
図7】本実施の形態に係る金属製ブロック玩具の連結例を示す図である。
図8】本実施の形態に係る金属製ブロック玩具の連結例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る金属製ブロック玩具の構造)
【0011】
図1乃至8を用いて、本実施の形態に係る金属製ブロック玩具(以下、単に「本玩具」という。)1の構造について説明する。図1乃至6は、本玩具1を構成する各部品の構造を説明する図であり、図7及び8は、本玩具1の連結例を示す図である。
【0012】
本玩具1は、真鍮、アルミニウム、鉄、ステンレス、チタンのような金属材で形成される玩具である。本玩具1は、金属材でありながらも、以下で説明するような構造を有するため、本玩具1の製造には、高度な金属加工技術を必要とする。図1乃至6で示すように、本玩具1は、直柱体2、棒状体12、固定部20を有する。
【0013】
直柱体2は、上下に合同で平行な二つの面(底面)4を備える所謂直柱体である。図1及び2で示すように、直柱体2は、立方体(直方体)であっても良く、円柱であっても良い。直柱体2は、二つの底面4の中央を貫通する第1孔6と、直柱体2の側面中央に第1孔6に直交し、かつ、互いに直交する第2孔8と第3孔10と、を備える。なお、第1孔6、第2孔8、第3孔10の直径は、略同じ大きさに加工される。また、第1孔6、第2孔8、第3孔10には、雌螺子のらせん状の溝が刻まれる形態であっても良く、その様な溝が無い形態であっても良い。
【0014】
図3で示すように、直柱体2は、直方体であって、第2孔8及び第3孔10の長さよりも、第1孔6の長さの方が長く、第2孔8及び第3孔10が、等間隔に複数、かつ、同数形成される形態であっても良い。
【0015】
図1及び3で示すように、直柱体2は、第1孔6方向の長さが異なる複数の種類のものによって構成され、かつ、第1孔6方向の長さが所定の単位長の整数倍となる複数の種類のものによって構成される形態としても良い。例えば、図3で示す直柱体2の長さは、図1で示す直柱体2の長さ(所定の単位長)の4倍の長さを備えている。
【0016】
直柱体2は、金属製部材であるため、孔6、8、10を形成する工程において、孔6、8、10のうちの何れか2つの孔の外周が交差する部位に、バリと呼ばれる不要な突起が意図せず形成され、後述する棒状体12の挿入・取外しがスムーズに行われなくなる。そこで、図4で示すように、直柱体2においては、第1孔6、第2孔8又は第3孔10のうちの何れか2つの孔の外周が交差する部位の角が除去され(バリ取りが行われ)、バリ取り部22が形成される。バリ取り部22は、やすりによる研磨加工ではなく、工具による切削加工によって形成されることが好適である。
【0017】
棒状体12は、直径が直柱体2に形成される孔6、8、10と略同じである棒状の部材である。図5で示すように、棒状体12は、自身の長手方向に直交し、内側にらせん状の溝が刻まれた第4孔14を備える。つまり、第4孔14は、雌螺子の役割を果たす。また、棒状体12は、自身の長手方向の両端部に、らせん状の溝が刻まれた凸部16又は凹部18を備える。凸部16は、雄螺子の役割を果たし、凹部18は、雌螺子の役割を果たす。なお、凸部16は、第4孔14及び凹部18に螺入することが可能である。
【0018】
図5(a)乃至(d)で示すように、第4孔14は、第2孔8及び第3孔10の間隔と同じ間隔で1個以上形成される。また、棒状体12は、第1孔6、第2孔8又は第3孔10の長さと同程度の長さを備える複数の種類のものによって構成される。
【0019】
すなわち、棒状体12は、直柱体2の第1孔6方向の長さと同じく、所定の単位長の整数倍となる複数の種類のものによって構成される形態としても良い。つまり、棒状体12は、異なる複数の種類のものによって構成される形態として良い。
棒状体12は、一の棒状体12の凸部16と、他の棒状体12の第4孔14及び凹部18と、を連結すると、その長さを長くすることができる。
【0020】
直柱体2内に棒状体12を通し、直柱体2の孔6、8、10と、棒状体12の第4孔14、凸部16又は凹部18と、の位置を合わせた状態を想定する。固定部20は、その状態において、第4孔14、凸部16又は凹部18に螺入することによって、直柱体2及び棒状体12の位置関係を固定するための部材である。
【0021】
図6(a)で示すように、固定部20は、凸部16と螺合する凹部を備える形態であっても良い。また、図6(b)で示すように、第4孔14又は凹部18と螺合する凸部を備える形態であっても良い。なお、棒状体12は、凸部16と螺合する凹部、第4孔14又は凹部18と螺合する凸部を備えるため、固定部20の機能を果たすことも有り得る。つまり、棒状体12は、使用方法に応じ、固定部20と考えることができる場合もある。
本玩具1は、棒状体12及び固定部20を利用して、複数の直柱体2を自由に連結させることによって、様々な造形物を形成することができる。
【0022】
図7で示すように、真っすぐ並べた3つの直柱体2の第1孔6に同長の棒状体12を通し、棒状体12両端の凸部16又は凹部18に固定部20を螺入することによって、直柱体2及び棒状体12の位置関係を固定することができる。同様にして、2つや4つ以上の直柱体2及び棒状体12の位置関係も固定することができる。
【0023】
図8で示すように、一の直柱体2と他の直柱体2とを固定部20を利用して連結することができる。このとき、一の直柱体2及び他の直柱体2の中には棒状体12が挿入されており、挿入された棒状体12を固定部20として使用することによって、2つの直柱体2を連結している。また、直柱体2の中に挿入された棒状体12の第4孔14と、直柱体2の第2孔8又は第3孔10と、は、孔の方向が一致するように棒状体12が配置される。
図7及び8で示すような直柱体2の連結を繰り返すことによって、本玩具1は、いろいろな形を造ることができる。
【0024】
このように本玩具1は、直柱体2の中に通す棒状体12及び固定部20の螺子止めによって直柱体2を連結し、そのような連結を繰り返すことによって、いろいろな形を造ることができる。つまり、本玩具1は、磁石等の使用場所を限定するような連結手段を利用しないため、使用場所を選ばず、ブロック2どうしを自由度高く組み合わせ、多様な造形物を形成可能である。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 金属製ブロック玩具
2 直柱体
4 底面
6 第1孔
8 第2孔
10 第3孔
12 棒状体
14 第4孔
16 凸部
18 凹部
20 固定部
22 バリ取り部
【要約】      (修正有)
【課題】使用場所を選ばず、ブロックどうしを自由度高く組み合わせ、多様な造形物を形成可能な金属製ブロック玩具を提供する。
【解決手段】上下に合同で平行な二つの面を備える直柱体2であって、二つの面の中央を貫通する第1孔、並びに、側面中央に第1孔に直交し、かつ、互いに直交する第2孔及び第3孔、を備え、第1孔、第2孔及び第3孔の直径が略同じである直柱体2と、直径が第1孔と略同じである棒状体であって、棒状体の長手方向に直交し内側にらせん状の溝が刻まれた第4孔を備え、長手方向の両端部にらせん状の溝が刻まれた凸部又は凹部を備える棒状体と、直柱体2に棒状体を通し、直柱体2の孔と、棒状体の第4孔、凸部又は凹部との位置を合わせた状態において、第4孔、凸部又は凹部に螺入することによって直柱体2及び棒状体の位置関係を固定する固定部20と、を有し、直柱体2の連結のさせ方で、様々な形とすることができる。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8