(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】POS装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20220215BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/00 301Z
(21)【出願番号】P 2020188201
(22)【出願日】2020-11-11
(62)【分割の表示】P 2016124699の分割
【原出願日】2016-06-23
【審査請求日】2020-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】寺原 利安
(72)【発明者】
【氏名】志村 高広
(72)【発明者】
【氏名】山田 孝一
(72)【発明者】
【氏名】服部 大祐
(72)【発明者】
【氏名】原口 竜太
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓也
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】並木 大
(72)【発明者】
【氏名】丹原 崇宏
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-207119(JP,A)
【文献】特開平8-55264(JP,A)
【文献】特開2007-148632(JP,A)
【文献】特開2003-79929(JP,A)
【文献】特開2002-203271(JP,A)
【文献】特開2015-153220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグが付されている商品を収容する収容室を有し、前記収容室内へ前記商品を入れるための開口部が形成されている筐体と、
鉛直方向に沿った回転軸を中心に回動し、前記開口部を開閉する蓋体と、
POS装置に正対する人がいるか否かを検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部による
前記POS装置に正対する人の検出に基づいて、前記蓋体が前記開口部を閉じている閉状態から前記蓋体が前記開口部を開けている開状態へ遷移させる第1の駆動機構と、
前記蓋体の前記閉状態または前記開状態を検出する第2の検出部と、
電波を放射するアンテナと、
前記第2の検出部による前記閉状態の検出に基づいて、前記アンテナを介して前記RFIDタグから価格情報を読み取る読取部と、
前記読取部で読み取られた前記価格情報に基づいて決済処理を行う決済処理部と、
を備えるPOS装置。
【請求項2】
前記収容室を形成する載置面に置かれた物の重量の計測に基づいて前記収容室内に商品が入っているか否かを検出する第3の検出部と、
前記重量が変化した後に安定したことによる前記第3の検出部による前記収容室内に前記商品が入っていることの検出に基づいて、前記蓋体を前記開状態から前記閉状態へ遷移させる第2の駆動機構と、
を備える、請求項1に記載のPOS装置。
【請求項3】
前記第1の駆動機構は、前記決済処理部が前記決済処理を終えた後、前記蓋体を前記閉状態から前記開状態へ遷移させ、
前記第2の駆動機構は、前記決済処理部が前記決済処理を終えた後に、前記重量が変化した後に安定したことによる前記第3の検出部による前記収容室内に前記商品が入っていないことの検出に基づいて、前記蓋体を前記開状態から前記閉状態へ遷移させる、請求項2に記載のPOS装置。
【請求項4】
前記第2の駆動機構は、前記第3の検出部による前記収容室内に前記商品が入っていないことの検出に基づいて前記蓋体を前記開状態から前記閉状態へ遷移させた後、前記第1の駆動機構が前記第1の検出部による前記POS装置に正対する人の検出に基づいて前記蓋体を前記閉状態から前記開状態へ遷移させるまで、前記蓋体を前記開状態のままロックする、請求項3に記載のPOS装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、POS(Point Of Sales)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
客自身の操作に基づいて商品の決済処理を行うPOS装置(商品販売データ処理装置、チェックアウト装置、レジ装置ともいう)が存在する。このようなPOS装置には、各商品に付されているRFID(Radio Frequency Identifier)タグ(RFIDチップともいう)から商品情報を一括で読み取るRFIDアンテナを備える読取装置が搭載されている。
【0003】
客がこのようなPOS装置を用いて買い物をする際の流れの一例を示す。客は、読取装置の扉を自ら開き、読取装置内に商品を入れる。客は自ら扉を閉じる。POS装置は、RFIDタグから情報を読み取る。POS装置は、客による入金に基づいて決済処理を行う。その後、客は、読取装置の扉を自ら再び開き、読取装置から商品を取り出す。客は、読取装置の扉を自ら閉じて、買い物を終える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
客は、商品の決済処理をPOS装置で行う際に、RFIDタグが付された商品を読取装置内に入れる必要がある。しかしながら、客は、読取装置における扉の位置が分からなかったり、扉の開け方が分からなかったりすることがある。
【0006】
さらに、客は、POS装置で商品の決済処理を済ませたが、読取装置から商品を取り出すことを忘れて立ち去ることもある。
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、操作性を向上させるPOS装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、POS装置は、筐体と、蓋体と、第1の検出部と、第1の駆動機構と、第2の検出部と、アンテナと、読取部と、決済処理部とを備えている。前記筐体は、RFIDタグが付されている商品を収容する収容室を有し、前記収容室内へ前記商品を入れるための開口部が形成されている。前記蓋体は、前記開口部を開閉する。前記第1の検出部は、前記収容室の近傍に人がいるか否かを検出する。前記第1の駆動機構は、前記第1の検出部による人の検出に基づいて、前記蓋体が前記開口部を閉じている閉状態から前記蓋体が前記開口部を開けている開状態へ遷移させる。前記第2の検出部は、前記蓋体の前記閉状態または前記開状態を検出する。前記アンテナは、電波を放射する。前記読取部は、前記第2の検出部による前記閉状態の検出に基づいて、前記アンテナを介して前記RFIDタグから価格情報を読み取る。前記決済処理部は、前記読取部で読み取られた前記価格情報に基づいて決済処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】本実施形態に係るPOS装置の機能ブロック図。
【
図6】本実施形態に係るPOS装置による処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、いくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る一例となるPOS装置1の外観図である。本実施形態で説明するPOS装置1は、例えば、客自身の操作に基づいて少なくとも決済(会計)処理を行うための装置である。決済処理とは、客自身によるPOS装置1の操作に基づいて、客が購入しようとする商品の代金を決済する処理である。本実施形態では、商品(対象物ともいう)は、RFIDタグが付されているものとする。RFIDタグは、これが付されている商品の価格情報を記憶している。RFIDタグは、これを識別するための識別情報(シリアルコードともいう)を記憶していることもある。なお、RFIDタグは、価格情報や識別情報以外の情報を記憶していてもよい。
【0011】
POS装置1は、読取装置101、カード挿入口102、レシート発行口103、紙幣入出口104、硬貨投入口105、硬貨取出口106、表示部107及び第1の検出部108を備えている。なお、POS装置1においてこれらが設けられている位置をPOS装置1の正面という。
【0012】
読取装置101は、POS装置1の下段に配置されている。読取装置101は、客が購入しようとする商品をそのまま、または、商品が入れられたカゴごと収容可能である。読取装置101の形状及び読取装置101が備えている要素については後述する。読取装置101は、各商品に付されている各RFIDタグから、各RFIDタグに記憶されている各種情報を一括で読み取る。例えば、読取装置101は、各商品に付されている各RFIDタグから価格情報を一括で読み取る。例えば、読取装置101は、各商品に付されている各RFIDタグから識別情報を一括で読み取る。
【0013】
読取装置101は、商品に付されているRFIDタグに決済終了情報を書き込むこともできる。決済終了情報は、POS装置1による商品の決済処理が終了したことを示す情報である。決済終了情報は、店舗内の防犯に寄与する。例えば、店舗に設置されている防犯ゲートは、これを通過する商品に付されているRFIDタグから決済終了情報を読み取る。防犯ゲートが決済終了情報を読み取ることができなければ、防犯ゲートは警報を鳴らす。なお、読取装置101は、決済終了情報以外の情報をRFIDタグに書き込むこともできる。
【0014】
カード挿入口102は、決済処理時に客がクレジットカードを挿入するためのユニットである。
レシート発行口103は、決済処理時にレシートを発行するユニットである。
紙幣入出口104は、決済処理時に客が紙幣を入れるユニットである。紙幣入出口104は、決済処理時に紙幣を排出されるユニットでもある。
硬貨投入口105は、決済処理時に客が硬貨を投入するためのユニットである。
【0015】
硬貨取出口106は、決済処理時にPOS装置1から返却される硬貨を客が受け取るためのユニットである。
表示部107は、POS装置1の上段に配置されている。表示部107は、決済処理時に各種情報を表示する。例えば、表示部107は、液晶ディスプレイである。
【0016】
第1の検出部108は、POS装置1の上段に配置されている。第1の検出部108は、表示部107の近傍に配置されている。第1の検出部108は、読取装置101の近傍に人がいるか否かを検出(検知)する。第1の検出部108は、読取装置101から所定の距離以内に人がいるか否かを検出する。第1の検出部108が人を検出するPOS装置1近傍の範囲は特に限定されない。例えば、第1の検出部108は人感センサである。第1の検出部108による検出手法は例えば赤外線などを用いる手法があるが、これ以外の手法であってもよく特に限定されない。
【0017】
次に、読取装置101の構成について説明する。
図2は、一例となる読取装置101の外観図である。
読取装置101は、載置台1011、筐体1012、蓋体1013、第2の検出部1014、第1の駆動機構1015及び第2の駆動機構1016を備えている。
【0018】
載置台1011は、載置面1011aが形成されている板状部材である。載置面1011aは、RFIDタグが付されている商品をそのまま、または、商品が入れられたカゴを載置する。載置面1011aは、水平面である。載置台1011は、電波透過性を有する材料で構成されている。例えば、載置台1011は、絶縁体である。載置台1011は、木材やガラス材等で構成されている。載置台1011がこのような材料で構成されている理由は、RFIDに対して読み書きするための電波を透過させるためである。
【0019】
筐体1012は、読取装置101の外装である。筐体1012は、その内部に商品を収容する収容室1012aを備えている。収容室1012aは、商品をそのまま、または、商品が入れられたカゴごと収容可能な大きさで構成されている。収容室1012aは、複数の面で形成されている。収容室1012a内の空間は、複数の面によって読取装置101外と分離されている。例えば、収容室1012aは、6面で構成されている箱型形状である。なお、収容室1012aを形成する面の数はこれに限定されない。筐体1012は、その内部に載置台1011を収容する。載置面1011aは、収容室1012aを形成する複数の面に含まれる。
【0020】
筐体1012は、第1の内面1012b及び開口部1012cを備えている。
第1の内面1012bは、複数の面を含む。第1の内面1012bは、収容室1012aを形成する複数の面に含まれる。
【0021】
開口部1012cは、収容室1012a内へ商品を入れるために筐体1012に形成されている。開口部1012cは、収容室1012a内へとつながる。開口部1012cは、カゴを出し入れ可能な大きさで筐体1012に形成されている。開口部1012cは、筐体1012を構成する略鉛直方向に延びる面に形成されている。なお、開口部1012cは、筐体1012の何れの位置に形成されていてもよい。
【0022】
蓋体1013は、開口部1012cを開閉する。蓋体1013は、一端側に設けられている鉛直方向に沿った回転軸を中心に回動する。蓋体1013が開口部1012cを開けている状態(以下、開状態という)にある場合、客は、開口部1012cから収容室1012a内へ商品を入れることができる。蓋体1013は、第2の内面1013aを備えている。蓋体1013が開口部1012cを閉じている状態(以下、閉状態という)にある場合、第2の内面1013aは、収容室1012aを形成する複数の面に含まれる。
【0023】
上述のように、収容室1012aは、載置面1011a、第1の内面1012b及び第2の内面1013aで形成されている。
【0024】
筐体1012及び蓋体1013は、電波を反射する材料(以下、電波反射材料という)又は電波を吸収する材料(以下、電波吸収材料という)で構成されている。例えば、筐体1012及び蓋体1013は金属である。電波反射材または電波吸収材は、外部の電波が収容室1012a内に届くことを防ぐ。加えて、電波反射材または電波吸収材は、読取装置101内で発生した電波が読取装置101外へ漏れることを防ぐ。これにより、読取装置101は、外部からの電波を読み取ることはない。さらに、読取装置101は、外部のRFIDタグから情報を読み取ることもない。
【0025】
第2の検出部1014は、蓋体1013が閉状態にある場合における筐体1012と蓋体1013との勘合面にある。なお、第2の検出部1014の位置はこれに限定されない。第2の検出部1014は、蓋体1013の閉状態または開状態を検出(検知)する。第2の検出部1014は、任意の手法を利用したセンサである。第2の検出部1014による検出手法は例えば赤外線センサなどを用いる手法があるが、これ以外手法であってもよく特に限定されない。
【0026】
第1の駆動機構1015は、蓋体1013が閉状態にある場合における筐体1012と蓋体1013との勘合面にある。なお、第1の駆動機構1015の位置はこれに限定されない。第1の駆動機構1015は蓋体1013を動かす。第1の駆動機構1015は、蓋体1013が閉状態にある場合において、蓋体1013を閉状態から開状態へ遷移させる。第1の駆動機構1015は蓋体1013を動かす機構を備えていればよい。第1の駆動機構1015の構成は電磁式または機械式などであるが特に限定されない。
【0027】
第2の駆動機構1016は、蓋体1013の回転軸近傍にある。なお、第2の駆動機構1016の位置はこれに限定されない。第2の駆動機構1016は蓋体1013を動かす。第2の駆動機構1016は、蓋体1013が開状態にある場合において、蓋体1013を開状態から閉状態へ遷移させる。第2の駆動機構1016は蓋体1013を動かす機構を備えていればよい。第2の駆動機構1016の構成は機械式などであるが特に限定されない。例えば、第2の駆動機構1016は、モータにより蓋体1013を動かす機構である。
【0028】
図3は、
図2における読取装置101のX-X断面図である。蓋体1013は閉状態にある。収容室1012aは、複数の商品201が入れられたカゴ202を収容している。各商品201は、それぞれRFIDタグ203が付されている。
【0029】
載置台1011は、載置面1011aと対向する面1011bを備えている。筐体1012内には、載置台1011の面1011bと筐体1012の第1の内面1012bにより形成されている空間がある。筐体1012内のこの空間は、載置台1011を挟んで収容室1012aと反対側に形成されている。
【0030】
図3に示すように、読取装置101は、アンテナ1017を備えている。アンテナ1017は、面状のRFIDアンテナである。アンテナ1017は、電力が供給されることにより、UHF帯等の電波を放射(出射ともいう)する。アンテナ1017は、収容室1012a内に向けて電波を放射する。
【0031】
アンテナ1017は、載置台1011において載置面1011aと対向する面1011b側にある。アンテナ1017は、載置面1011aと直交する方向において、載置面1011aよりも収容室1012aから離れた位置にある。アンテナ1017は、収容室1012a内に向けて電波を放射する。上述したように載置台1011は電波透過性を有する材料で構成されているため、アンテナ1017が放射する電波は、載置台1011を透過し、収容室1012a内に収容されている各商品201に付されている各RFIDタグ203に届く。なお、読取装置101は、アンテナ1017の位置を移動させる駆動機構を備えていてもよい。読取装置101は、2つ以上のアンテナを備えていてもよい。
【0032】
図4は、一例となるPOS装置1の制御系の構成を示すブロック図である。POS装置1は、上述の要素のほかに、制御部11、記憶部12、入力部13、カード読取部14、硬貨投入処理部15、紙幣入出処理部16、硬貨排出処理部17、プリンタ18、通信I/F(interface)19、リーダライタ1018及び第3の検出部1019を備えている。
【0033】
制御部11は、POS装置1の各部に接続されている。制御部11は、各部の動作を制御する。例えば、制御部11は、CPU(Central Processing Unit)である。
記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを記憶するROM (Read Only Memory)を含むことができる。記憶部12は、制御部11がプログラムを実行する際に一時的にデータを記憶するRAM (Random Access Memory)を含むこともできる。記憶部12は、各種データを記憶するHDD (Hard Disk Drive)を含むこともできる。
【0034】
入力部13は、POS装置1を利用する客が各種情報を入力可能または選択可能な要素である。例えば、入力部13は、表示部107と一体のタッチパネルである。
カード読取部14は、カード挿入口102で挿入されたクレジットカードから情報を読み取る。
【0035】
硬貨投入処理部15は、決済処理時に客が硬貨投入口105に投入した硬貨の額を計算処理する。
紙幣入出処理部16は、決済処理時に客が紙幣入出口104に入金した紙幣の額を計算処理する。紙幣入出処理部16は、決済処理時に釣りとして返却する紙幣の排出を処理する。
硬貨排出処理部17は、決済処理時に釣りとして返却する硬貨の硬貨取出口106への排出を処理する。
【0036】
プリンタ18は、決済処理時にレシートを発行し、レシート発行口103からのレシートの排出を処理する。
通信I/F19は、POS装置1に有線又は無線で接続されている外部装置とデータを送受するためのインターフェースである。
【0037】
リーダライタ1018は読取装置101内にある。リーダライタ1018は、アンテナ1017に電力を供給する。リーダライタ1018は、RFIDタグ203に記憶されている情報を読み取るための電波をアンテナ1017から放射させる。リーダライタ1018は、アンテナ1017で受けるRFIDタグ203からの電波によって伝達される信号(以下、受信信号という)に含まれている情報を読み取る。このようにして、リーダライタ(読取部)1018は、アンテナ1017を介して、RFIDタグ203から情報を読み取る。リーダライタ1018は、受信信号から読み取った情報を制御部11へ送信する。リーダライタ1018は、RFIDタグ203に情報(例えば上述の決済終了情報)を書き込むための信号をアンテナ1017へ送信することもできる。リーダライタ1018は、この信号を伝達するための電波をアンテナ1017から放射させる。このようにして、リーダライタ1018は、アンテナ1017を介して、RFIDタグ203に情報を書き込むことができる。
【0038】
第3の検出部1019は、読取装置101にある。第3の検出部1019は、収容室1012a内に商品が入っているか否か検出(検知)する。例えば、第3の検出部1019は、載置面1011a上に置かれた物の重量を検出する重量センサである。この場合、第3の検出部1019は、重量の検出に基づいて、収容室1012a内に商品が入っていることを検出することができる。第3の検出部1019は光センサであってもよい。第3の検出部1019による検出手法はこれら以外の手法であってもよく特に限定されない。
【0039】
次に、POS装置1における制御部11の主な機能を説明する。
図5は、POS装置1における一例となる機能ブロック図である。制御部11は、読取制御部111、開閉制御部112及び決済処理部113を備えている。
【0040】
読取制御部111は、リーダライタ1018を用いて収容室1012a内のRFIDタグから情報を読み取るように制御する。例えば、読取制御部111は、価格情報を読み取るように制御する。読取制御部111は、RFIDタグから価格情報以外の情報を読み取るように制御してもよい。
【0041】
開閉制御部112は、第1の駆動機構1015を用いて蓋体1013を閉状態から開状態へ遷移させるように制御する。開閉制御部112は、第2の駆動機構1016を用いて蓋体1013を開状態から閉状態へ遷移させるように制御する。
【0042】
決済処理部113は、リーダライタ1018で読み取られた情報に基づいて決済処理を行う。例えば、決済処理部113は、カード読取部14を用いて客がカード挿入口102へ挿入したクレジットカードを処理する。または、決済処理部113は、硬貨投入処理部15及び紙幣入出処理部16を用いて紙幣入出口104及び硬貨投入口105へ投入された現金を処理する。次に、決済処理部113は、リーダライタ1018で読み取られた価格情報に基づいて、クレジットカードまたは現金による商品の決済処理を行う。次に、決済処理部113は、クレジットカードをカード挿入口102から返却する。または、決済処理部113は、紙幣入出処理部16を用いて釣りとして返却する紙幣を紙幣入出口104から排出する。または、決済処理部113は、硬貨排出処理部17を用いて釣りとして返却する硬貨を硬貨取出口106へ排出する。
【0043】
次に、POS装置1による処理を説明する。
図6は、POS装置1による処理の一例となるフローチャートである。なお、蓋体1013は閉状態にあるものとする。
【0044】
第1の検出部108は、POS装置1(特に収容室1012a)の近傍に人がいるか否かを検出する(Act1001)。一般的に、POS装置1の近傍にいる人は、POS装置1を利用しようとする客である。
【0045】
第1の検出部108がPOS装置1の近傍で人を検出しない場合(Act1001、No)、第1の検出部108は人を検出するまで処理を継続する。
【0046】
第1の検出部108がPOS装置1の近傍で人を検出した場合(Act1001、Yes)、開閉制御部112は、蓋体1013を開らくように制御する(Act1002)。つまり、Act1002では、第1の駆動機構1015は、第1の検出部108による人の検出に基づいて、蓋体1013を閉状態から開状態へ遷移させる。このように、POS装置1は、客がPOS装置1に近づくだけで蓋体1013を自動で開く。POS装置1は、購入しようとする商品を入れるべき場所を物理的に客へ知らせることができる。さらに、POS装置1は、収容室1012a内に商品を入れることを客へ促すことができる。
【0047】
次に、制御部11は、収容室1012a内に商品が入っているか否かを判断する(Act1003)。Act1003では、制御部11は、第3の検出部1019による商品の検出に基づいて収容室1012a内に商品が入っていると判断できる。なお、第3の検出部1019が重量センサである場合には、制御部11は、以下のようにAct1003を処理してもよい。客が収容室1012a内に商品を入れている途中では、第3の検出部1019が計測する重量は変化する。客が収容室1012a内に商品を入れ終わると、第3の検出部1019が計測する重量は安定する。そのため、第3の検出部1019で計測される重量が安定した時に、制御部11は、収容室1012a内に商品が入っていると判断してもよい。POS装置1が重量センサを備えていることで、制御部11は客が収容室1012a内に全ての商品を入れ終わった時を高精度に判断することができる。
【0048】
制御部11が収容室1012a内に商品が入っていないと判断した場合(Act1003、No)、制御部11は、収容室1012a内に商品が入ったと判断するまで処理を継続する。
【0049】
制御部11が収容室1012a内に商品が入っていると判断した場合(Act1003、Yes)、開閉制御部112は、蓋体1013を閉じるように制御する(Act1004)。Act1004では、第2の検出部1014による開状態の検出、及び、第3の検出部1019による収容室1012a内に商品が入っていることの検出に基づいて、第2の駆動機構1016は、蓋体1013を開状態から閉状態へ遷移させる。
【0050】
次に、読取制御部111は、収容室1012a内の全ての商品に付されているRFIDタグから価格情報を読み取るように制御する(Act1005)。Act1005では、リーダライタ1018は、第2の検出部1014による閉状態の検出に基づいて、アンテナ1017を介してRFIDタグから価格情報を読み取る。なお、制御部11は、リーダライタ1018で読み取られた価格情報に基づいて、商品の価格の合計額を表示部107に表示するように制御してもよい。
【0051】
次に、決済処理部113は、リーダライタ1018で読み取られた価格情報に基づいて決済処理を行う(Act1006)。なお、制御部11は、決済処理の終了後に、リーダライタ1018を用いて各RFIDタグに決済終了情報を書き込むように制御してもよい。決済処理部113が決済処理を終えていない場合(Act1006、No)、決済処理部113は決済処理を継続する。
【0052】
決済処理部113が決済処理を終えた場合(Act1006、Yes)、開閉制御部112は、蓋体1013を開くように制御する(Act1007)。つまり、Act1007では、決済処理部113が決済処理を終えた後、第1の駆動機構1015は、蓋体1013を閉状態から開状態へ遷移させる。このように、POS装置1は、決済処理を終えると蓋体1013を自動で開く。POS装置1は、収容室1012aからの商品の取り出しを客へ促すことができる。さらに、POS装置1は、客が収容室1012aから商品を取り出すことなく立ち去ることを防ぐことができる。なお、制御部11は、収容室1012aからの商品の取出しを促す情報を表示部107に表示するように制御してもよい。
【0053】
次に、制御部11は、収容室1012a内に商品が入っていないか否かを判断する(Act1008)。Act1008では、制御部11は、第3の検出部1019による商品の不検出に基づいて収容室1012a内に商品が入っていないと判断できる。なお、第3の検出部1019が重量センサである場合には、制御部11は、以下のようにAct1008を処理してもよい。客が収容室1012a内から商品を取り出す途中では、第3の検出部1019が計測する重量は変化する。客が収容室1012a内から全ての商品を取り終えると、第3の検出部1019が計測する重量は安定する。そのため、第3の検出部1019で計測される重量が安定した時に、制御部11は、収容室1012a内に商品が入っていないと判断してもよい。POS装置1が重量センサを備えていることで、制御部11は客が収容室1012a内から全ての商品を取り出し終えた時を高精度に判断できる。
【0054】
次に、開閉制御部112は、蓋体1013を閉じるように制御する(Act1009)。つまり、Act1009では、決済処理部113が決済処理を終えた後に、第3の検出部1019による収容室1012a内に商品が入っていないことの検出に基づいて、第2の駆動機構1016は、蓋体1013を開状態から閉状態へ遷移させる。このように、POS装置1は、客が収容室1012aから商品を持ち帰った後に蓋体1013を自動で閉じることができる。そのため、客は、安全にPOS装置1の周囲を歩くことができる。
【0055】
なお、POS装置1は、以下に示すような場合にはAct1003の処理を省略してもよい。例えば、客は、収容室1012a内に商品を入れた後に、処理の開始ボタンを入力部13で押下することがある。制御部11は、Act1002の処理の後にこのボタンの押下を検出すると、次に、Act1004の処理をしてもよい。
【0056】
なお、POS装置1は、以下に示すような場合にはAct1003及びAct1004の処理を省略してもよい。例えば、客は、収容室1012a内に商品を入れた後に、自ら蓋体1013を閉じることがある。この場合、第2の検出部1014は、蓋体1013の閉状態を検出する。制御部11は、Act1002の処理の後に蓋体1013の閉状態を検出すると、次に、Act1005の処理をしてもよい。
【0057】
なお、POS装置1は、以下に示すような場合にはAct1008の処理を省略してもよい。例えば、制御部11は、Act1007の処理の後の一定時間経過後に、蓋体1013を閉じてもよい。つまり、決済処理部113が決済処理を終えた後において蓋体1013が閉状態から開状態へ遷移した時から一定時間経過後に、Act1009において第2の駆動機構1016は、蓋体1013を開状態から閉状態へ遷移させる。この一定時間は、客が収容室1012aから商品を取り出すことを想定した時間である。そのため、客が収容室1012aから商品を全て取り出す前に蓋体1013が閉まることはない。なお、この一定時間は、任意に設定可能である。この例では、POS装置1は、第3の検出部1019を備えていなくてもよく、構成が簡略化される。
【0058】
なお、POS装置1は、以下に示すような場合にはAct1008の処理を省略してもよい。例えば、制御部11は、Act1007の処理の後において第1の検出部108が人を検出しなくなった時に、蓋体1013を閉じてもよい。つまり、決済処理部113が決済処理を終えた後において第1の検出部108が人を検出しなくなった時に、Act1009において第2の駆動機構1016は、蓋体1013を開状態から閉状態へ遷移させる。第1の検出部108が人を検出しなくなった時は、客が収容室1012aから商品を取り出してPOS装置1から離れた時に相当する。そのため、客が収容室1012aから商品を全て取り出す前に蓋体1013が閉まることはない。この例では、POS装置1は、第3の検出部1019を備えていなくてもよく、構成が簡略化される。
【0059】
本実施形態によれば、POS装置1は、蓋体1013の開閉により、客にPOS装置1の利用の仕方を物理的に知らせることができる。したがって、客にとってのPOS装置1の操作性は向上する。
【0060】
なお、第2の駆動機構1016は、Act1009で閉じた後、再びAct1002で開くまで、蓋体1013を閉状態のままロックしてもよい。これは、POS装置1の決済利用時以外に客が勝手に蓋体1013を開けることを防ぐためである。蓋体1013がロックされていれば、不必要に蓋体1013が開くことによる悪影響を防ぐことができる。
【0061】
なお、第1の駆動機構1015はソレノイドであってもよい。ソレノイドは、蓋体1013を閉状態から開状態へゆっくりと遷移させることができる。そのため、蓋体1013の近傍にいる客は、安全に商品を出し入れすることができる。
【0062】
なお、第1の検出部108は、POS装置1に正対する人がいるか否かを検出するようにしてもよい。例えば、第1の検出部108は、顔の正面の認識によりPOS装置1に正対する人がいるか否かを検出することができる。第1の検出部108によるPOS装置1に正対する人の検出に基づいて、第1の駆動機構1015は、蓋体1013を閉状態から開状態へ遷移させる。これは、POS装置1の利用者以外もPOS装置1の前を横切ることがあるからである。第1の検出部108がPOS装置1の近傍に人がいるか否かだけを検出するだけでは、蓋体1013は不必要に開いてしまう。POS装置1を利用したい人は、通常POS装置1に正対する。POS装置1は、これを利用したい人がPOS装置1の近傍にいるときにのみ蓋体1013を開くことができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1…POS装置、11…制御部、12…記憶部、13…入力部、14…カード読取部、15…硬貨投入処理部、16…紙幣入出処理部、17…硬貨排出処理部、18…プリンタ、19…通信I/F、101…読取装置、102…カード挿入口、103…レシート発行口、104…紙幣入出口、105…硬貨投入口、106…硬貨取出口、107…表示部、108…第1の検出部、111…読取制御部、112…開閉制御部、113…決済処理部、201…商品、202…カゴ、203…RFIDタグ、1011…載置台、1011a…載置面、1011b…面、1012…筐体、1012a…収容室、1012b…第1の内面、1012c…開口部、1013…蓋体、1013a…第2の内面、1014…第2の検出部、1015…第1の駆動機構、1016…第2の駆動機構、1017…アンテナ、1018…リーダライタ、1019…第3の検出部。