(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】バイオ試料採取装置
(51)【国際特許分類】
G01N 1/04 20060101AFI20220215BHJP
G01N 1/28 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
G01N1/04 H
G01N1/04 V
G01N1/28 J
G01N1/04 G
(21)【出願番号】P 2020542702
(86)(22)【出願日】2017-10-24
(86)【国際出願番号】 KR2017011750
(87)【国際公開番号】W WO2019083052
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】520141151
【氏名又は名称】バイオニア コーポレーション
【住所又は居所原語表記】8-11, Munpyeongseo-ro Daedeok-gu Daejeon 34302 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】パク ハン オ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョン ド
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-006367(JP,U)
【文献】特開平10-070974(JP,A)
【文献】特開2010-213660(JP,A)
【文献】国際公開第2009/139317(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0074022(US,A1)
【文献】国際公開第2012/150713(WO,A1)
【文献】特開平08-015254(JP,A)
【文献】特開2007-170997(JP,A)
【文献】特開平05-034340(JP,A)
【文献】韓国特許第10-0662124(KR,B1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2016-0001613(KR,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0473307(KR,Y1)
【文献】特開2010-091479(JP,A)
【文献】特表2010-525330(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016004686(DE,A1)
【文献】国際公開第2007/069731(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/016676(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00 - 3/10 、
G01N 1/00 - 1/44 、33/48 -33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに脱着可能であるように取り付けられ、バイオ試料を採取するためのバイオ試料採取部を含むキャップ部と、
バイオ試料処理液を貯蔵するバイオ試料処理液貯蔵部であって、前記バイオ試料が採取された後、前記キャップ部が前記ハウジングに締結される時に破損され、該バイオ試料処理液を該バイオ試料と混合させるように形成されたバイオ試料処理液貯蔵部と、を含
み、
前記キャップ部及び前記ハウジングは、夫々互いに対応するネジ山を有し、前記キャップ部は、前記ハウジングに回転によって取り外し可能であり、
前記キャップ部及び前記ハウジングのネジ山には阻止部が形成され、前記バイオ試料が採取される前には、該キャップ部と該ハウジングとが該阻止部まで締結され、
前記バイオ試料が前記バイオ試料採取部によって採取された後は、前記阻止部を通過して、該キャップ部と該ハウジングとが完全に締結されるように形成されており、
前記キャップ部は、
ネジ山が形成され前記ハウジングに締結される蓋部と、
上部が前記蓋部の下部に連結され、下部が開放されるシリンダー部と、を含み、
前記バイオ試料採取部は、前記シリンダー部に移動可能に連結され、該シリンダー部外面に沿って上下移動するものであり、
開放された前記シリンダー部の下部は密閉膜によってカバーされ、前記バイオ試料処理液は該シリンダー部内部に溜められるようにして、前記バイオ試料処理液貯蔵部を構成するものであり、
前記バイオ試料採取部はパンチング部を含み、
前記キャップ部及び前記ハウジングが完全に締結されるとき、前記パンチング部が前記密閉膜を打ち抜くことで、前記バイオ試料処理液を前記ハウジング内部に流入させるものであり、
前記バイオ試料採取部は、前記ハウジングの底面に向かって突出される複数の突出部材を含むことを特徴とするバイオ試料採取装置。
【請求項2】
ハウジングと、
前記ハウジングに脱着可能であるように取り付けられ、バイオ試料を採取するためのバイオ試料採取部を含むキャップ部と、
バイオ試料処理液を貯蔵するバイオ試料処理液貯蔵部であって、前記バイオ試料が採取された後、前記キャップ部が前記ハウジングに締結される時に破損され、該バイオ試料処理液を該バイオ試料と混合させるように形成されたバイオ試料処理液貯蔵部と、を含み、
前記キャップ部及び前記ハウジングは、夫々互いに対応するネジ山を有し、前記キャップ部は、前記ハウジングに回転によって取り外し可能であり、
前記キャップ部及び前記ハウジングのネジ山には阻止部が形成され、前記バイオ試料が採取
される前には、
該キャップ部と該ハウジングとが該阻止部まで締結され、
前記バイオ試料が前記バイオ試料採取部によって採取された後は、前記阻止部を通過して、該キャップ部と該ハウジングとが完全に締結されるように形成され
ており、
前記ハウジングの下部は密閉膜によってカバーされ、該ハウジングの下部に前記バイオ試料処理液が溜められて前記バイオ試料液貯蔵部を構成されており、
前記キャップ部及び前記ハウジングが完全に締結されるとき、前記バイオ試料採取部が前記密閉膜を打ち抜くことで、前記バイオ試料処理液を前記ハウジング内部に流入させるものであり、
前記バイオ試料採取部は、前記ハウジングの底面に向かって突出される複数の突出部材を含むことを特徴とする請求項1に記載のバイオ試料採取装置。
【請求項3】
前記キャップ部の上面には、ピペットによって打ち抜かれ得るようにピペット流入部が形成されたことを特徴とする請求項1
又は2に記載のバイオ試料採取装置。
【請求項4】
前記ピペット流入部は、互いに交差する少なくとも2個以上の線分領域で、前記キャップ部の厚さを他の領域に比べて薄く形成したことを特徴とする請求項
3に記載のバイオ試料採取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料採取装置に関わり、より詳細にはバイオ試料採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
健康に対する関心度が増加することによって、周辺の多様なバイオ試料を採取して検査する過程が進歩している。下水処理場のスラッジなどを採取して検査する過程だけではなく、食中毒検査のための飲食物のサンプルを採取、健康検診のための大便などのサンプルを採取する検査が進歩している。
【0003】
このようなバイオ試料は大体的に非衛生的であるので、衛生的な採取のための多様な研究が進行されている。このようなバイオ試料採取のための採取装置として、韓国登録実用新案第20-0473307、"大便試料採取機"及び韓国実用新案公報第20-0001613、"大便試料採取及び検査用容器"などの装置が開示されている。
【0004】
しかし、このようなバイオ試料採取装置は衛生的採取のみに主眼点を置き、採取後処理に不十分な点があった。例えば、従来のバイオ試料採取装置は、腸内微生物検査のために大便を採取する場合、採取された大便を空気中に露出させることで、採取直後の腸内微生物の分布に変化をもたらすようになる。即ち、腸内微生物は好気性微生物と嫌気性微生物があるが、これらを採取する間に空気に露出されることによって嫌気性微生物と好気性微生物の生存に影響を及ぼし、それらの分布に変化をもたらす。このため、検査まで採取時間が遅滞されるとき、腸内微生物分布及び個体数が変化され、個人の疾病診断及び微生物測定のための正確な検査を難しくするという問題点が発生される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明はこのような問題点を解決するためのもので、バイオ試料に対する検査をより正確に遂行できるバイオ試料採取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によるバイオ試料採取装置はハウジング、キャップ部及びバイオ試料処理液貯蔵部を含む。前記キャップ部は前記ハウジングと脱着可能であるように締結され、バイオ試料を採取するためのバイオ試料採取部が形成される。前記バイオ試料処理液貯蔵部は、バイオ試料処理液を貯蔵しており、前記バイオ試料が前記バイオ試料採取部によって採取された後、前記キャップ部が前記ハウジングに締結される時に破損され、該バイオ試料処理液を該バイオ試料と混合させるように形成される。
【0007】
例えば、キャップ部及びハウジングはそれぞれ互いに対応するネジ山が形成され、キャップ部は、ハウジングに回転によって脱付着され、キャップ部及びハウジングのネジ山には阻止部が形成され、バイオ試料の採取前には阻止部までのみ蓋部及びハウジングが締結され、バイオ試料がバイオ試料採取部によって収集された後、蓋部が前記ハウジングに締結される時に、阻止部を通過して、キャップ部及びハウジングが完全に締結されるように形成されてもよい。
【0008】
この際、前記キャップ部はカバー部及びシリンダー部を含んでいてよい。キャップ部はネジ山が形成されハウジングに締結される。シリンダー部は上部が蓋部の下部に連結され、下部が開放されてもよい。この場合、バイオ試料採取部は、シリンダー部の外面に沿って上下に移動するように締結されてもよい。
【0009】
また、開放されたシリンダー部の下部は密閉膜によってカバーされ、シリンダー部内部にバイオ試料処理液が溜められてバイオ試料処理液貯蔵部を構成してもよい。
【0010】
この場合、バイオ試料採取部はパンチング部を含み、キャップ部及び蓋部及びハウジングが完全に締結されるとき、パンチング部が密閉膜に孔を開けることで、バイオ試料処理液をハウジング内部に流入させる。
【0011】
これとは異なり、ハウジングの下部が密閉膜によってカバーされ、ハウジングの下部にバイオ試料処理液が溜められてバイオ試料処理液貯蔵部を構成してもよい。
【0012】
この場合、キャップ部及びハウジングが完全に締結されたとき、バイオ試料採取部が密閉膜を打ち抜くことで、バイオ試料処理液をハウジング内部に流入させることができる。
【0013】
一方、バイオ試料採取部は、ハウジングの下面に向かって突出される複数の突出部材を含んでいてもよい。
【0014】
また、キャップ部の上面には、ピペットによって打ち抜かれるようにピペット流入部が形成されてもよい。
【0015】
この際、ピペット流入部は、互いに交差する少なくとも2個以上の線分領域を、キャップ部の厚さを他の領域に比べて薄く形成することで構成される。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明のバイオ試料採取装置は、バイオ試料が採取された後、キャップ部がハウジングに締結される時に破損されて、バイオ試料処理液をバイオ試料と混合させるように形成することで、バイオ試料の検査の正確性を図ることができる。
【0017】
また、バイオ試料採取前にバイオ試料処理液が使用者に露出されることを防止することで、使用者の安全を図れる。
【0018】
また、キャップ部及びハウジングのネジ山に阻止部を形成することで、試料採取前にキャップ部がハウジングに完全に締結されてバイオ試料処理液貯蔵部が破損されることを防止することができる。
【0019】
また、バイオ試料採取部は、ハウジングの下面に向かって突出される複数の突出部材を含む場合、バイオ試料を採取するために、突出部材は下に向かって押さえ、バイオ試料は突出部材の間に保持されるようにすることで、従来のスプーン形式の掬い上げるバイオ試料採取部に比べて衛生的である。また、キャップ部を回転させハウジンに締結させる過程で、バイオ試料処理液とバイオ試料が混ぜられることをより促進させることができる。
【0020】
また、キャップ部の上面には、ピペットによって打ち抜かれるようにピペット流入部を形成することで、キャップ部の開封なしにバイオ試料を採取することができるようになり、より衛生的な検査が可能である。
【0021】
また、ピペット流入部を、互いに交差する少なくとも2個以上の線分領域で、キャップ部の厚さを他領域に比べて薄く形成する場合、別途の追加的な工程なしに、キャップ部の成型工程でピペット流入部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の例示的な一実施形態によるバイオ試料採取装置の分解断面図である。
【
図2】
図1で示されたバイオ試料採取装置が、バイオ試料を採取する前に、阻止部までのみキャップ部及びハウジングが締結された状態を示す断面図である。
【
図3】
図1で示されたバイオ試料採取装置が、バイオ試料を採取した後にキャップ部及びハウジングが締結された状態を示す断面図である。
【
図4】
図1に示されたバイオ試料採取装置のキャップ部及びハウジングに形成された阻止部を示した概念図である。
【
図5】
図1に示されたバイオ試料採取装置のキャップ部を示した分解切断斜視図である。
【
図6】
図1で示されたバイオ試料採取装置のキャップ部を示した分解斜視図である。
【
図7】ピペットが挿入される概念を示した斜視図である。
【
図8】
図7で示されたピペットが挿入されて抽出する過程を進行することを示した断面図である。
【
図9】本発明の例示的な他の実施形態によるバイオ試料採取装置を示す分解断面図である。
【
図10】
図9に示されたバイオ試料採取装置のキャップ部を示した分解切断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することできる。ここでは、特定の実施形態を図面に例示し本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。
【0024】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するのに使用されることがあるが、構成要素は前記用語によって限定解釈されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみとして使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れることなく第1構成要素を第2構成要素ということができ、同様に第2構成要素も第1構成要素ということができる。
【0025】
本出願において使用した用語は単なる特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に示さない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味し、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないこととして理解されるべきである。また、AとBが'連結される'、'結合される'という意味はAとBが直接的に連結されるか結合すること以外に他の構成要素CがAとBとの間に含まれてAとBが連結されるか結合されることを含むのである。
【0026】
異なるように定義しない限り、技術的か科学的な用語を含んでここで使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有するものによって一般的理解されるのと同一意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているのと同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈され、本出願で明白に定義しない限り、理想的か過度に形式的な意味で解釈されない。また、方法発明に対する特許請求範囲で、各段階が明確に順序に拘束されない限り、各段階はその順序が体外に変わってもよい。
【0027】
以下、図面を参照して本発明の好適な一実施形態をより詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の例示的な一実施形態によるバイオ試料採取装置の分解断面図であり、
図2は
図1で示されたバイオ試料採取装置が、バイオ試料の採取前に阻止部までのみキャップ部及びハウジングが締結された状態を示す断面図である。
図3は
図1で示されたバイオ試料採取装置が、バイオ試料の採取後にキャップ部及びハウジングが完全に締結された状態を示す断面図であり、
図4は
図1で示されたバイオ試料採取装置のキャップ部及びハウジングに形成された阻止部を示す概念図であり、
図5は
図1で示されたバイオ試料採取装置のキャップ部を示す分解切断斜視図である。
【0029】
図1乃至
図5を参照すると、本発明の例示的な一実施形態によるバイオ試料採取装置100はハウジング110、キャップ部120及びバイオ試料処理液貯蔵部130を含む。
【0030】
例えば、ハウジング110は下部が密閉された円筒形状で形成され、キャップ部120は、ハウジング110に対応する円筒形状で形成されてもよい。例えば、ハウジング110及びキャップ部120はプラスチックで形成されてもよい。
【0031】
キャップ部120はハウジング110と脱着可能であるように締結され、バイオ試料を採取するためのバイオ試料採取部121が形成される。バイオ試料採取部121は、例えば、キャップ部120の下部に形成され、キャップ部120がハウジング110に締結されたとき、ハウジング110内部に挿入されるように形成されて外部に露出されない。このように、バイオ試料採取部121がキャップ部120に形成される場合、バイオ試料採取部121を別途に形成することに比べて使用が便利である。即ち、キャップ部120をハウジング110から分離させることでバイオ試料採取部121が分離され、バイオ試料採取後、キャップ部120をハウジング110に締結させる場合、バイオ試料採取部121がハウジング110内部に入って衛生的である。
【0032】
一方、キャップ部120及びハウジング110はそれぞれ互いに対応するネジ山が形成され、キャップ部120はハウジング110に回転によって脱付着されるように形成される。
【0033】
バイオ試料処理液貯蔵部130は、バイオ試料処理液を貯蔵する。バイオ試料処理液はバイオ試料が診断される際の検査の正確性を図るために、例えば、バイオ試料内部の微生物を全部殺すこともでき、それとは異なって、微生物の活動を中止させることもできる。一方、バイオ試料処理液はその用途によって多様な種類が使用されてもよい。
【0034】
この際、バイオ試料処理液貯蔵部130は、バイオ試料がバイオ試料採取部121によって採取された後、キャップ部120がハウジング110に締結される時に破損され、バイオ試料処理液をバイオ試料と混合させるように形成される。
【0035】
このように、本発明によるバイオ試料採取装置100は、バイオ試料が採取された後、キャップ部120がハウジング110に締結される時、バイオ試料処理液貯蔵部130が破損されて、バイオ試料処理液をバイオ試料と混合させるように形成することで、バイオ試料の検査の正確性を図ることができる。例えば、糞の嫌気性微生物と好気性微生物の相対的な消滅及び増殖を抑制することで、嫌気性微生物及び好機性微生物の種類及び分布を正確に把握することができる。
【0036】
一方、バイオ試料処理液を、例えば、なんの処理もなしにハウジング内部に入れて置く場合、キャップ部120の分離の際にバイオ試料処理液が外部に流出されることがあり得る。この場合、バイオ試料処理液が人体に有害なとき、人体に損傷を加えるようになる。しかし、本発明では、バイオ試料が採取された後、キャップ部120がハウジング110に締結される時、バイオ試料処理液貯蔵部130が破損されて、バイオ試料処理液をバイオ試料と混合させるように形成し、バイオ試料採取前にバイオ試料処理液が使用者に露出されることを防止することで、使用者の安全を図れる。
【0037】
一方、
図4で示されるように、キャップ部120及びハウジング110のネジ山には阻止部122が形成されている。
図2に示されるように、バイオ試料の採取前には阻止部122までのみキャップ部120及びハウジング110が締結され、バイオ試料がバイオ試料採取部122によって採取された後、
図3で示されたように、阻止部122を通過して、キャップ部120及びハウジング110が完全に手結される。
【0038】
阻止部122は、例えば、
図4に示されたように、線形で形成され、使用者が強くキャップ部120を回転させる場合に、破損されるように形成されてもよい。また、阻止部122は、丸みを帯びた形状のロッキングステップを有し、ロッキングステップを通過することができるように形成されてもよい。
【0039】
このように、キャップ部120及びハウジング110のネジ山に阻止部を形成する場合、試料採取前にキャップ部120がハウジング110に完全に締結されてバイオ使用処理液貯蔵部130が破損されることを防止することができる。
【0040】
一方、キャップ部120は蓋部123及びシリンダー部124を含んでいてもよい。蓋部123にはネジ山が形成されハウジング110に締結されてもよい。
【0041】
シリンダー部124は、蓋部123の下部に連結される上部を有し、下部が開放されてもよい。例えば、シリンダー部124は上部が蓋部123と一体に形成されてもよく、別個に形成されて蓋部123に締結されてもよい。例えば、シリンダー部124は下部が開放された円筒形状に形成してもよい。
【0042】
また、解放されたシリンダー部124の下部は密閉膜125によってカバーされ、シリンダー部124内部にバイオ試料処理液が溜められてバイオ試料処理液貯蔵部130を構成してもよい。
【0043】
一方、バイオ試料採取部121が、シリンダー部124の外周面に沿って上下に移動できるように、バイオ試料採取部121は、シリンダー部124に可動的に締結される。そのために、バイオ試料採取部121の上部は、頂上が解放された円筒状に形成され、バイオ試料採取部121の下部はハウジングの下面に向かって突出される複数の突出部材127を含んでいてもよい。このように、バイオ試料採取部がハウジングの下面に向かって突出される複数の突出部材を含む場合、突出部材はバイオ試料を採取するために垂下し、バイオ試料は突出部材の間に保持され、従来のスプーンによる採取部に比べて衛生面が改善される。また、キャップ部120を回転させハウジング110に連結させる時、バイオ試料が効率的にバイオ試料処理液と混合されることが可能となる。
【0044】
一方、バイオ試料採取部121はパンチング部126を含む。キャップ部120及びハウジング110が完全に締結される時、バイオ試料採取部121がシリンダー部124の外面に沿って上昇し、パンチング部126が密閉膜125を押し抜き、バイオ試料処理液をハウジング110内部に流入させることができる。この際、バイオ試料処理液はシリンダー部124の外面とバイオ試料採取部121の内面との間の隙間を流れる。また、バイオ試料採取部121に別途の貫通ホールを形成し、貫通ホールを通じてバイオ試料処理液が流れ出すようにしてもよい。
【0045】
図6は
図1に示されたバイオ試料採取装置のキャップ部を示す分解斜視図であり、
図7はピペットが挿入される概念を示す斜視図であり、
図8は
図7で示されたピペットが挿入されて抽出過程を進行することを示す断面図である。
【0046】
図6に示すように、キャップ部120の上面に、ピペットによって打ち抜かれるピペット流入部128が形成されてもよい。より詳細には、ピペット流入部128は、キャップ部20の蓋部123の中央部に形成される。
【0047】
例えば、ピペット流入部128は、キャップ部120の他の領域に比べて薄い厚みを有する、互いに交差する少なくとも2個以上の線分領域を形成してもよい。即ち、ピペット流入部128は
図6に示されたように、互いに交差する3個の線分で形成され、3個の線分領域の厚さは他の領域に比べて薄く形成されてピペット流入部128を構成してもよい。
【0048】
また、ピペット流入部128は、
図7のように、蓋部123の他の領域に比して、相対的に薄い厚さを有する円形によって形成してもよい。
【0049】
しかし、ピペット流入部128は、互いに交差する少なくとも2個以上の線分領域で、キャップ部120の他の領域よりも相対的に薄く形成することがより望ましい。なぜならば、この場合、ピペットPが挿入されてバイオ試料を採取した後、及び、ピペットPがキャップ部120から離脱された後、キャップ部120の開口領域を最小化することで、バイオ試料の流出を最小化することができるからである。
【0050】
このように、キャップ部120の上面に、ピペットによって押し抜かれるペット流入部128を形成する場合、キャップ部120の開封を行わないでバイオ試料が採取できるようになって、より衛生的な検査が可能となる。
【0051】
図9は本発明の例示的な他の実施形態によるバイオ試料採取装置を示す分解断面図であり、
図10は
図9で示されたバイオ試料採取装置のキャップ部を示す分解切断斜視図である。
図9乃至
図10で示されたバイオ試料採取装置は、前述した実施形態に示されたバイオ試料採取装置と比較して、バイオ試料処理液貯蔵部の構成を除外すると、実質的に同一である。従って、同一または類似した構成要素は同一の参照符号を併記し、重複される説明は省略する。
【0052】
図9及び
図10を参照すると、本発明の例示的な一実施形態によるバイオ試料採取装置100は、ハウジング110、キャップ部120及びバイオ試料処理液貯蔵部130を含む。
【0053】
ハウジング110の下部は密閉膜125によってカバーされ、ハウジング110の下部内にバイオ試料処理液が溜められて、バイオ試料処理液貯蔵部130を構成してもよい。
【0054】
この場合、キャップ部120及びハウジング110が完全に締結されるとき、キャップ部120に形成されたバイオ試料採取部121が密閉膜125を打ち抜くことで、バイオ試料処理液をハウジング110内部に流入させることができる。
【0055】
上述のように、本発明の実施形態によるバイオ試料採取装置100は、バイオ試料が採取された後、キャップ部120がハウジング110に締結される時に破損されて、バイオ試料処理液をバイオ試料と混合させるように形成することで、バイオ試料の検査の正確性を図ることができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と範囲を離れることなく、本発明を修正または変更できる。