(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤
(51)【国際特許分類】
C06D 5/00 20060101AFI20220215BHJP
C06B 45/10 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
C06D5/00 A
C06B45/10
(21)【出願番号】P 2021166994
(22)【出願日】2021-10-11
【審査請求日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】202011401084.1
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521445166
【氏名又は名称】湖北航天化学技術研究所
【氏名又は名称原語表記】Hubei Institute of Aerospace Chemical Technology
【住所又は居所原語表記】No.58 Qinghe Road,Xiangyang,Hubei,441003 P.R.China.
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 偉
(72)【発明者】
【氏名】史 ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 勝良
(72)【発明者】
【氏名】唐 根
(72)【発明者】
【氏名】王 偉
(72)【発明者】
【氏名】王 芳
(72)【発明者】
【氏名】付 暁夢
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
(72)【発明者】
【氏名】黄 譜
(72)【発明者】
【氏名】李 春涛
(72)【発明者】
【氏名】王 艶薇
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-064941(JP,A)
【文献】特開平02-157177(JP,A)
【文献】特開昭63-248791(JP,A)
【文献】特表2017-538648(JP,A)
【文献】特開2001-064091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C06D 5/00
C06B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量百分率で、
温度感受性添加剤:1%~3%と、
硬化剤:0.5%~1.5%と、
酸化剤:36%~60%と、
金属燃料:12%~20%と、
ポリエーテル接着剤:8.5%~15%と、
可塑剤:12%~22.5%と、
他の成分:1%~2%と、
を含み、
前記温度感受性添加剤は、GAP(グリシジルアジドポリエーテル)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、GAP(グリシジルアジドポリエーテル)-TDI(トルエンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、GAP(グリシジルアジドポリエーテル)-IPDI(イソホロンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、BAMO(3,3-ビスアジドメチルオキセタン)-AMMO(3-アジドメチル-3-メチルオキセタン)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、BAMO(3,3-ビスアジドメチルオキセタン)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、又はPGN(ポリグリシジルニトレート)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマーの1種又は複数種であり、
前記硬化剤は、トルエンジイソシアネートTDI、多官能性イソシアネートN-100、又はイソホロンジイソシアネートIPDIの1種又は複数種であり、
前記酸化剤は、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、硝酸アンモニウム、オクトーゲン、ヘキソーゲン、又はヘキサニトロヘキサアザイソウルチタンの1種又は複数種であり、
前記金属燃料はミクロンアルミニウム粉末であり、
前記ポリエーテル接着剤は、ポリエチレングリコールPEG、エチレンオキシド-テトラヒドロフランコポリエーテルPET、グリシジルアジドポリエーテルGAP、3,3-ビスアジドメチルオキセタン/テトラヒドロフランBAMO-THF共重合体、ポリグリシ
ジルニトレートPGN、又はヒドロキシル末端多官能基エチレンオキシド-プロピレンオキシド星形コポリエーテルPAOの1種又は複数種であり、
前記可塑剤は、ニトログリセリン/1,2,4-ブタントリオールトリニトレートNG/BTTNブレンド、ジエチレングリコールジニトレートDEGDN、トリエチレングリコールジニトレートTEGDN、トリメチロールエタントリニトラートTMETN、又はブチルニトキシエチルニトロアミンBu-NENAの1種又は複数種であり、
前記他の成分は硬化触媒および燃焼性能調節剤からなる群より選ばれる成分を含み、
前記硬化触媒は、トリフェニルビスマス、トリス(4-エトキシフェニル)ビスマス、トリス(3-エトキシフェニル)ビスマス、トリス(4-ニトロフェニル)ビスマス、又はトリス(3-ニトロフェニル)ビスマスの1種又は複数種であり、
前記燃焼性能調節剤は、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、又はクロム酸鉛の1種又は複数種であることを特徴とする温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合固体推進剤の分野に関し、具体的に、温度感受性時間変化型の高エネルギー固体推進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の固体推進剤の製造過程では、径方向の燃焼を実現するために、スラリーは1つ又は複数の縦方向のポートを有する円柱形グレインに鋳造される。鋳造過程で、所望の形状のマンドレルを型に配置し、そして固化した推進剤粒子から除去し、空洞を残す。ポートの幾何形状は、時間に伴う燃焼面の変化を決定し、よってモーターの推力時間プロファイルを決定する。従来の鋳造法で得られた製品は直接使用できず、離型、整形プロセスのような一連の後処理が必要であり、直接に手作業することが求められ、現在では機械による自動化生産を実現できず、大きな安全リスクがある。これらの過程は複雑で、製品の形状が簡単で、適応性が悪いため、推進剤の効率的な製造、エネルギー放出の制御調節可能性、及び複雑な構造などに対するモーターの要求を満たすことがますます難しくなっている。
【0003】
急速に発展している3Dプリント技術は、従来の製造技術による幾何制限を緩和し、複雑な構造の製造を実現することができる。従来の除去製造(Subtractive Manufacturing)に比べて、3Dプリントは原材料を節約し、コストを削減することができると同時に、金型や高価な切削工具を使用せずに、複雑な内部構造を有する部品を迅速に製造できる。また、3Dプリントは、必要に応じてデザインをカスタマイズしたり、プリントする構造を変更したりでき、デザインを共有することが可能であり、異なる場所で同時に製造過程を行うことができる。3Dプリントは、マンマシン分離操作を実現し、手作業対面を避け、人員の安全リスクを減らせる。
【0004】
現在、熱可塑性固体推進剤、熱硬化性固体推進剤、紫外線硬化性固体推進剤の付加製造の研究について、実験により検証されてきた。CN106346774AおよびCN106863801Bでは、溶剤の補助によりプリント温度を下げる熱可塑性固体推進剤の付加製造方法が報告された。しかし、溶剤の揮発によるサンプル収縮の問題はプリント精度の制御に不利であり、同時に、推進剤の内部で空洞が生じ、推進剤の性能を影響する可能性がある。CN109627133Aは、溶剤揮発の影響を解消したが、プリント温度が95℃と高く、安全リスクがある。Chandru R Aらは、充填密度の異なる3次元ネットワーク構造を持つHTPB(ヒドロキシル末端ポリブタジエン)複合固体推進剤の付加製造を実現し、大量の硬化剤を配合に加えて、プリントグレインの速やかな硬化を実現し、プリントグレインと注入グレインは燃焼性能及び力学性能の面で差異が小さいが、大量の硬化剤は推進剤スラリーの適用期を短縮し、推進剤の生産の中で応用を推進しにくい。McClain M.S.らは、85%の過塩素酸アンモニウム含有量、高粘度のHTPB推進剤、及び紫外線硬化性推進剤の付加製造を実現し、紫外線硬化の厚さの影響要素を研究した。CN107283826Aでは、紫外線で硬化する固体推進剤の3Dプリント成型法が報告され、低温でスラリーの速やかな硬化を実現できるが、接着剤の変性又はスクリーニング、感光性硬化剤/感光性硬化触媒系のスクリーニングを伴い、配合を決めた後にも推進剤の力学、燃焼、老化、安定、プロセスなどの性能を最適化、制御する必要があり、研究開発の周期は長く、当面では直接応用を推進できない。CN110963866Aでは、HTPB固体推進剤を基にして、推進剤の低温(60℃以下)における付加製造および室温成形を実現する温度感受性時間変化型固体推進剤が報告された。この推進剤は中エネルギー固体推進剤である。
【0005】
エネルギー性能は固体推進剤の核心的な指標である。従来の高エネルギー固体推進剤は、
一般的に、PEG(ポリエチレングリコール)、PET(エチレンオキシド-テトラヒドロフランコポリエーテル)、GAP(ポリアジドグリシジルエーテル)等の高分子ポリエーテルを接着剤として、ニトレート系エネルギー含有ものを可塑剤として用い、配合設計と制御方法はブチルヒドロキシ中エネルギー推進剤とは大きく異なっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Chandru R A,Journal of propulsion and power,2018,34(4):1090-1093
【文献】McClain M.S.,Proceedings of the Combustion Institute,2019,37(3):3135-3142
【文献】McClain M.S.,Propellants Explos.Pyrotech.,2020,45:1-12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、エネルギー含有温度感受性添加剤の種類及び含有量調節の技術アプローチにより、高分子ポリエーテル接着剤系の20℃~50℃温度範囲内の固体推進剤スラリーの粘度制御を実現し、スラリーの適用期に影響せずに、温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤が40℃以下の室温で速やかに成形する特性を有するようにし、従来の固体動力のエネルギー限界を打ち破り、従来の固体動力輸送能力を向上させる、温度感受性時間変化型の高エネルギー固体推進剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の発明目的を達成するために、本発明は以下の技術形態を提供する。
質量百分率で、
エネルギー含有温度感受性添加剤:1%~3%と、
硬化剤:0.5%~1.5%と、
酸化剤:36%~60%と、
金属燃料:12%~20%と、
アジドポリエーテル接着剤:8.5%~15%と、
可塑剤:12%~22.5%と、
他の成分:1%~2%と、
を含み、
他の成分は、硬化触媒および燃焼性能調節剤を含む、
温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤。
さらに、温度感受性添加剤は、ソフトセグメントとしてポリエーテル類化合物、ハードセグメントとしてイソシアネート類化合物を含む熱可塑性エラストマーである。
さらに、温度感受性添加剤は、GAP(グリシジルアジドポリエーテル)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、GAP(グリシジルアジドポリエーテル)-TDI(トルエンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、GAP(グリシジルアジドポリエーテル)-IPDI(イソホロンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、BAMO(3,3-ビスアジドメチルオキセタン)-AMMO(3-アジドメチル-3-メチルオキセタン)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、BAMO(3,3-ビスアジドメチルオキセタン)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、又はPGN(ポリグリシジルニトレート)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマーの1種又は複数種である。
さらに、硬化剤は、トルエンジイソシアネートTDI、多官能性イソシアネートN-10
0、又はイソホロンジイソシアネートIPDIの1種又は複数種。
さらに、酸化剤は、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、硝酸アンモニウム、オクトーゲン、ヘキソーゲン、又はヘキサニトロヘキサアザイソウルチタンの1種又は複数種。
さらに、金属燃料は、ミクロンアルミニウム粉末である。
さらに、アジドポリエーテル接着剤は、ポリエチレングリコールPEG、エチレンオキシド-テトラヒドロフランコポリエーテルPET、グリシジルアジドポリエーテルGAP、3,3-ビスアジドメチルオキセタン/テトラヒドロフランBAMO-THF共重合体、硝酸ポリグリシジルPGN、又はヒドロキシル末端多官能基エチレンオキシド-プロピレンオキシド星形コポリエーテルPAOの1種又は複数種である。
さらに、可塑剤は、ニトログリセリン/1,2,4-ブタントリオールトリニトレートNG/BTTNブレンド、ジエチレングリコールジニトレートDEGDN、トリエチレングリコールジニトレートTEGDN、トリメチロールエタントリニトラートTMETN、又はブチルニトキシエチルニトロアミンBu-NENAの1種又は複数種である。
さらに、硬化触媒は、トリフェニルビスマス、トリス(4-エトキシフェニル)ビスマス、トリス(3-エトキシフェニル)ビスマス、トリス(4-ニトロフェニル)ビスマス、又はトリス(3-ニトロフェニル)ビスマスの1種又は複数種である。
さらに、燃焼性能調節剤は、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、又はクロム酸鉛の1種又は複数種である。
【発明の効果】
【0009】
本発明は従来技術に比べて以下の有益効果がある。
(1)本発明の温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤は、付加製造プロセスに適用でき、且つ理論比推力が2544.109N・s/kgを超える。
(2)温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤は、付加製造プロセス温度が低く、安全性が比較的に高く、接着剤の変性又は補助的な条件付き刺激の必要はない。
(3)温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤配合は、力学、燃焼、エネルギーなどの基礎性能が硝酸エステル可塑化ポリエーテル固体推進剤と類似し、推進可能性が高い。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、具体的な実施形態により本発明を詳しく説明するが、保護の範囲はこれに限定されず、当業者が本発明の技術的範囲内で容易に想到できる変更又は置換は、すべて本発明の保護範囲内に含まれる。
【0011】
本発明で詳しく説明していない部分は当業者の公知常識である。
【0012】
本発明は以下の技術形態を提供する。
質量百分率で、
エネルギー含有温度感受性添加剤:1%~3%と、
硬化剤:0.5%~1.5%と、
酸化剤:36%~60%と、
金属燃料:12%~20%と、
アジドポリエーテル接着剤:8.5%~15%と、
可塑剤:12%~22.5%と、
他の成分:1%~2%と、
を含み、
他の成分は、硬化触媒および燃焼性能調節剤を含む、
温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤。
【0013】
さらに、温度感受性添加剤は、ソフトセグメントとしてポリエーテル類化合物、ハードセグメントとしてイソシアネート類化合物を含む熱可塑性エラストマーである。
【0014】
さらに、温度感受性添加剤は、GAP(グリシジルアジドポリエーテル)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、GAP(グリシジルアジドポリエーテル)-TDI(トルエンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、GAP(グリシジルアジドポリエーテル)-IPDI(イソホロンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、BAMO(3,3-ビスアジドメチルオキセタン)-AMMO(3-アジドメチル-3-メチルオキセタン)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、BAMO(3,3-ビスアジドメチルオキセタン)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマー、又はPGN(ポリグリシジルニトレート)-MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)熱可塑性エラストマーの1種又は複数種である。
【0015】
さらに、硬化剤は、トルエンジイソシアネートTDI、多官能性イソシアネートN-100、又はイソホロンジイソシアネートIPDIの1種又は複数種。
【0016】
さらに、酸化剤は、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、硝酸アンモニウム、オクトーゲン、ヘキソーゲン、又はヘキサニトロヘキサアザイソウルチタンの1種又は複数種。
【0017】
さらに、金属燃料は、ミクロンアルミニウム粉末である。
さらに、アジドポリエーテル接着剤は、ポリエチレングリコールPEG、エチレンオキシド-テトラヒドロフランコポリエーテルPET、グリシジルアジドポリエーテルGAP、3,3-ビスアジドメチルオキセタン/テトラヒドロフランBAMO-THF共重合体、硝酸ポリグリシジルPGN、又はヒドロキシル末端多官能基エチレンオキシド-プロピレンオキシド星形コポリエーテルPAOの1種又は複数種である。
【0018】
さらに、可塑剤は、ニトログリセリン/1,2,4-ブタントリオールトリニトレートNG/BTTNブレンド、ジエチレングリコールジニトレートDEGDN、トリエチレングリコールジニトレートTEGDN、トリメチロールエタントリニトラートTMETN、又はブチルニトキシエチルニトロアミンBu-NENAの1種又は複数種である。
【0019】
さらに、硬化触媒は、トリフェニルビスマス、トリス(4-エトキシフェニル)ビスマス、トリス(3-エトキシフェニル)ビスマス、トリス(4-ニトロフェニル)ビスマス、又はトリス(3-ニトロフェニル)ビスマスの1種又は複数種である。
【0020】
さらに、燃焼性能調節剤は、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、又はクロム酸鉛の1種又は複数種である。
【0021】
得られた推進剤に対して、エネルギーレベル(理論比推力、理論特性速度)、密度、安全性能、粘度、適用期の測定を行った。
エネルギーレベル:Q/Gt60-95複合固体推進剤の熱力学性能計算最小自由エネルギー法及びプログラム計算により得られる。
密度:QJ917A-97複合固体推進剤及びライナー、断熱材料の密度測定方法に従う。
粘度と適用期:QJ1813.2-2005複合固体推進剤スラリーの粘度と適用期の測定方法によって測定する。
【実施例1】
【0022】
(1)温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤の配合1
【表1】
【0023】
【実施例2】
【0024】
(1)温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤の配合2
【表3】
【0025】
【実施例3】
【0026】
(1)温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤の配合3
【表5】
【0027】
【実施例4】
【0028】
(1)温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤の配合4
【表7】
【0029】
【0030】
測定結果より、調製された温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤は、ニトレート可塑化ポリエーテル固体推進剤に相当するエネルギーレベル、5時間を超える適用期、 40℃以下の室温で速やかに成形する特性を有することを示す。
【0031】
実施例1~4によれば、本発明の温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤は、6.86MPaでの理論比推力が255sを超え、高エネルギー特徴を有する。プロセス温度は低く、安全係数は比較的に高いく、配合の温度感受性特性は明らかであり、粘度は温度
が上昇するとともに低下し、室温で粘度が高く、レイヤーバイレイヤーの積層成形を実現できる。
【0032】
以上、本発明の各実施例を説明したが、上記の説明は例示的なものであり、網羅的ではなく、開示された各実施例に限定されない。説明された各実施例の範囲および主旨から逸脱することなく、多くの修正や変更は当業者にとって自明である。よって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に準ずるべきである。
【要約】 (修正有)
【課題】固体動力輸送能力を向上させる、温度感受性時間変化型の高エネルギー固体推進剤を提供する。
【解決手段】質量百分率で、エネルギー含有温度感受性添加剤:1%~3%と、アジドポリエーテル接着剤:8.5%~15%と、可塑剤:12%~22.5%と、酸化剤:36%~60%と、硬化剤:0.5%~1.5%と、添加剤:1%~2%と、金属燃料:12~20%とを含む温度感受性時間変化型の高エネルギー固体推進剤とする。
【効果】本発明の温度感受性時間変化型高エネルギー固体推進剤は、標準理論比推力が2544.109 N・s/kgを超え、スラリー20℃~50℃温度範囲における粘度が温度に伴って変化幅が60Pa・s/℃を超え、40℃以下の室温で成形特性を有し、押出成型プロセスにより異形グレインの付加製造を実現できる。
【選択図】なし