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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20220216BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20220216BHJP
   A23F 5/24 20060101ALN20220216BHJP
   A23C 9/152 20060101ALN20220216BHJP
   A23L 5/00 20160101ALN20220216BHJP
【FI】
B41J2/01 121
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J2/165 201
B41J2/01 301
A23F5/24
A23C9/152
A23L5/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018005037
(22)【出願日】2018-01-16
(65)【公開番号】P2019123142
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】江藤 義郎
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第1868754(CN,A)
【文献】特開2015-142699(JP,A)
【文献】特開2015-196254(JP,A)
【文献】特表2017-521276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
A23F 5/24
A23C 9/152
A23L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元状の被印刷物の一部を押し切るヘラ状の整面部材と、
前記整面部材が押し切ることによって整面した前記被印刷物の印刷対象面にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
前記被印刷物の高さを検出する被印刷物検出センサーと、
前記被印刷物検出センサーが検出する結果に基づいて、前記整面部材が前記被印刷物を押し切る高さを決める制御部と、を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
三次元状の被印刷物の一部を押し切りながら吸引する整面部材と、
前記整面部材が吸引により整面した前記被印刷物の印刷対象面にインクを吐出するインクジェットヘッドと、を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記被印刷物の高さを検出する被印刷物検出センサーと、
前記被印刷物検出センサーが検出する結果に基づいて、前記整面部材が前記被印刷物を押し切る高さを決める制御部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記ヘラ状の整面部材は、押し切った前記被印刷物の一部を保持する保持領域をその上面に有していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記インクジェットヘッドは、ノズル表面をクリーニングするクリーニング部材を備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタは、インクジェットヘッドからインクの液滴を吐出して被印刷物に画像を印刷する。インクジェットプリンタは、被印刷物に対して非接触で画像を印刷できるので、印刷用紙などのシート状のもの限らず、例えば飲食物などの柔らかいものを印刷対象物とすることができる。具体例として、カップに注いだエスプレッソやコーヒーの液面にミルクで模様を描くラテ・アートを、インクジェットプリンタで実現したものがある。
【0003】
近年においては、エスプレッソの液面を覆った泡立ミルクの表面に可食性インクで画像を印刷するラテ・アートが提供されている。しかしながら、泡立ミルクの表面は、必ずしも平坦になっていない。インクジェットヘッドから泡立ミルクの表面までのギャップが不均一であると、ギャップが大きいところでは吐出したインクの液滴が目的の位置に飛翔せずに印刷が乱れる場合がある。また、ギャップが狭すぎるとインクを吐出するノズル面が泡立ミルクに触れるなどして吐出不良を起こす場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-142699号公報
【文献】特開2017-110178号公報
【文献】特表2007-526765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、三次元状の柔らかいものでも印刷対象物とすることができ、しかも印刷の乱れを抑えることのできるインクジェットプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、実施形態のインクジェットプリンタは、ヘラ状の整面部材インクジェットヘッド、被印刷物検出センサー、及び制御部を備える。ヘラ状の整面部材は、三次元状の被印刷物の一部を押し切る。インクジェットヘッドは、整面部材が押し切ることによって整面した被印刷物の印刷対象面にインクを吐出する。被印刷物検出センサーは、被印刷物の高さを検出する。制御部は、被印刷物検出センサーが検出する結果に基づいて、整面部材が被印刷物を押し切る高さを決める。
【0007】
また、他の実施形態のインクジェットプリンタは、整面部材とインクジェットヘッドを備える。整面部材は、三次元状の被印刷物の一部を押し切りながら吸引する。インクジェットヘッドは、整面部材が吸引により整面した被印刷物の印刷対象面にインクを吐出する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のインクジェットプリンタの全体構成を示す斜視図である。
図2】第1実施形態のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの概略構成を示す斜視図である。
図3】第1実施形態のインクジェットプリンタの制御系のブロック図である。
図4】第1実施形態のインクジェットプリンタで被印刷物に画像を印刷する工程を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態のインクジェットプリンタの被印刷物検出センサーが被印刷物の高さを検出する工程の説明図である。
図6】第1実施形態のインクジェットプリンタの被印刷物検出センサーが検出する高さ情報を説明する説明図である。
図7】第1実施形態のインクジェットプリンタの整面部材が被印刷物を整面する工程の説明図である。
図8】第1実施形態のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドが被印刷物の印刷対象面に画像を印刷する工程の説明図である。
図9】第1実施形態のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドが被印刷物の印刷対象面に画像を印刷する工程の説明図である。
図10】第1実施形態のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドが被印刷物の印刷対象面に画像を印刷する工程の説明図である。
図11】第1実施形態のインクジェットプリンタが画像を印刷する印刷対象物の他の例を示す説明図である。
図12】第1実施形態のインクジェットプリンタが画像を印刷する印刷対象物の他の例を示す説明図である。
図13】第1実施形態のインクジェットプリンタが画像を印刷する印刷対象物の他の例を示す説明図である。
図14】第1実施形態のインクジェットプリンタの整面部材の他の例を示す斜視図である。
図15】第2実施形態のインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。
図16】第2実施形態のインクジェットプリンタの整面部材が被印刷物を整面する工程の説明図である。
図17】第2実施形態のインクジェットプリンタの制御系のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に従うインクジェットプリンタについて、添付図面を参照しながら詳述する。なお、各図において、同一構成は同一の符号を付している。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ1の一例として、飲食物を被印刷物とし、その表面に画像を印刷するフードプリンタの全体構成を示す。図2は、インクジェットプリンタ1が備えるインクジェットヘッド2の概略構成を示す。図3は、インクジェットプリンタ1の制御系のブロック図である。
【0011】
図1は、三次元状の被印刷物10の一例として、カップ11に注いだエスプレッソの液面を覆う泡立ミルク(泡状物)12を図示している。この場合、インクジェットプリンタ1は、可食性インクを吐出して泡立ミルク12の表面に画像を印刷するラテ・アートを提供する。なお、例えばコーヒーに模様を描くことをコーヒー・アートと称したり、例えば携帯端末で撮影した写真を印刷することをフォト・ラテと称したりすることがあるが、本実施形態で称する「ラテ・アート」はこれらを区別することなく包含する。
【0012】
インクジェットプリンタ1は、例えば樹脂材で外装を形成した本体部3を備える。被印刷物10を設置するステージ31,ステージ31をX方向(左右方向)に移動させるXステージ32,及びステージ31をY方向(前後方向)に移動させるYステージ33は、本体部3の上面に配置している。ステージ31は、例えば樹脂材で形成した矩形状の平板である。ステージ31の表面の例えば中央部に、ユーザーが被印刷物10を置く際の目印となるマークを付してもよい。
【0013】
X方向に延びるXステージ32は、ステージ31のX方向の座標位置を検知するX軸リニアスケール34、及びステージ31をX方向にスライド移動させる駆動装置としてX軸モータ35を備えている(図3参照)。ステージ31の移動は、例えばX軸モータ35でボールネジ(不図示)を駆動することによって行う。Y方向に延びるYステージ33は、ステージ31のY方向の座標位置を検知するY軸リニアスケール36、及びステージ31をY方向にスライド移動させる駆動装置としてY軸モータ37を備えている(図3参照)。ステージ31の移動は、例えばY軸モータ37でボールネジ(不図示)を駆動することによって行う。
【0014】
可食性インクを吐出するインクジェットヘッド2は、第1のZステージであるZ1ステージ21を介して本体部3の立設した部分3Aに支持されている。Z1ステージ21は、インクジェットヘッド2をZ方向に移動させる昇降装置である。Z1ステージ21は、インクジェットヘッド2のZ方向の座標位置を検知するZ1軸リニアスケール22、及びインクジェットヘッド2をZ方向に昇降させる駆動装置としてZ1軸モータ23を備えている(図3参照)。インクジェットヘッド2のZ方向の移動は、例えばZ1軸モータ23でボールネジ(不図示)を駆動することによって行う。
【0015】
可食性インクを貯留するインクタンク24は、例えば本体部3の立設した部分3Aに配置している。インクタンク24とインクジェットヘッド2は、インク供給路25を介して連通している。インク供給路25は、例えば樹脂材で形成したフレキシブルチューブである。インクタンク24に貯留した液状の可食性インクは、送液装置の一例であるインク供給圧力調整装置26によってインクジェットヘッド2に供給する。インクは、インクタンク24とインクジェットヘッド2の間を循環させるようにしてもよい。可食性インクは、食用色素を色材とし、すべての成分が食品や食品添加物などで構成した食品衛生法に基づくインクである。インクジェットヘッド2を複数配置し、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)及びブラック(BK)のインクを用いてカラー印刷を行う構成としてもよい。また、インクタンク24は、着脱自在なカートリッジ式にしてもよい。
【0016】
インクジェットヘッド2は、オンデマンド方式のインクジェットヘッド又はコンティニュアス方式のインクジェットヘッドのいずれであってもよい。図1及び図2は、オンデマンド方式のインクジェットヘッド2を図示している。オンデマンド方式のインクジェットヘッド2は、好ましい一例として、ピエゾタイプ,シェアウォールタイプ,又はシェアモードタイプのいずれかの吐出方式のアクチュエータを備える。可食性インクであるため、安全と衛生面から、アクチュエータの駆動電極を絶縁材料で覆うことが望ましい。また、鉛非含有圧電材料で圧電素子を形成したアクチュエータを用いるのが望ましい。
【0017】
インクジェットヘッド2は、外形が概ね矩形状になっており、長辺がX方向に沿うように配置している。インクジェットヘッド2のサイズは、一例として、X方向の長さ80~90mm、Y方向の幅60~70mm、Z方向の高さ20~30mmである。図2に示すように、インクジェットヘッド2は、底面に配置したノズルプレート27に吐出孔である複数のノズル28を配列している。ノズル密度は、例えば150~1200dpiの範囲内である。
【0018】
ノズルプレート27は、例えばステンレス等の金属で形成している。ラテ・アートの場合、ノズルプレート27の例えば上面側に、クリーニング部材の一例としてヒータ29を配置してもよい。ヒータ29は、例えば印刷実行中にノズルプレート27を加熱することによって、例えばエスプレッソの湯気がノズルプレート27の表面で結露するのを抑制する。或いは、印刷終了後にノズルプレート27を加熱することによって、ノズルプレート27の表面についた結露を蒸発させる。クリーニング部材の他の例として、印刷終了後に空気などの気体をノズルプレート27の表面に向けて噴き付ける乾燥装置を例えばインクジェットヘッド2の側面に設けるようにしてもよい。
【0019】
被印刷物検出センサー4は、インクジェットヘッド2の長辺のうち前方側に位置する長辺の側面に配置している。被印刷物検出センサー4のX方向の配置位置は、インクジェットヘッド2の長辺の中央が好ましい。被印刷物検出センサー4は、ステージ31上の被印刷物10の設置位置,被印刷物10の平面視の輪郭,及び被印刷物10の高さを検出する。具体例は後述するが、被印刷物検出センサー4を走査し、X座標及びY座標と対応付けて被印刷物10までの距離を検出することによって、ステージ31上の被印刷物10の設置位置,被印刷物10の平面視の輪郭,及び被印刷物10の高さを検出する。被印刷物検出センサー4は、例えば発光素子と受光素子を備えた赤外線距離センサーを用いる。被印刷物検出センサー4は、一つに限らず、インクジェットヘッド2の長辺に複数配列してもよい。
【0020】
被印刷物10の不要な部分を切り取って印刷対象面を整面する整面部材5は、第2のZステージであるZ2ステージ51を介して本体部3の立設した部分3Aに支持されている。整面部材5は、インクジェットヘッド2よりもY方向前方側に配置するのが好ましい。Z2ステージ51は、整面部材5をZ方向に移動させる昇降装置である。Z2ステージ51は、整面部材5のZ方向の座標位置を検知するZ2軸リニアスケール52、及び整面部材5をZ方向に移動させる駆動装置としてZ2軸モータ53を備えている(図3参照)。整面部材5の移動は、例えばZ2軸モータ53でボールネジ(不図示)を駆動させることによって行う。
【0021】
整面部材5は、例えば板状の部材であり、ヘラとして使用する。すなわち、ヘラ状の整面部材5である。整面部材5は、平面視が長方形状であり、長辺がX方向に沿うように配置している。整面部材5は、底面54及び上面55が前方側から後方側に向かって上方に傾斜した傾斜姿勢で配置している。さらに上面55の前方側に、後方側よりも傾斜が大きい傾斜面55aを形成している。整面部材5のサイズは、一例として、X方向の長さ100~120mm、Y方向の幅80~90mm、Z方向の厚み1~5mmである。底面54及び上面55の傾斜角度は、一例として、5°以内である。整面部材5の材質は、例えばフッ素樹脂などの樹脂材或いはステンレスなどの金属材である。
【0022】
また、整面部材5は被印刷物10の不要な部分を切り取って整面するので、図示は省略するが、切り取った被印刷物10を回収する回収部(例えば、回収容器)や、整面部材5に例えば水道水などの洗浄水を噴き付けて洗浄する洗浄装置を、本体部3に設けるようにしてもよい。
【0023】
ユーザーがインクジェットプリンタ2を操作する操作部6は、本体部3の立設した部分3Aの前面に配置している。操作部6は、例えばタッチパネルディスプレイである。ユーザーは、操作部6を操作してインクジェットプリンタ1の起動・停止、印刷メニューの選択などを行う。印刷する画像の作成・選択、印刷ジョブの実行などは、例えばパーソナルコンピュータ(PC)や携帯端末などの外部の情報端末から行うようにしてもよい。
【0024】
インクジェットプリンタ1の印刷動作を制御する制御部7は、本体部3の立設した部分3Aの内部に配置している。図3に示すように、インクジェットプリンタ1の制御部7は、CPU71,ROM72,RAM73を備えている。CPU71は、ROM72からプログラム及び各種制御条件などの情報を読み出して、インクジェットプリンタ1の全体動作を制御する。ROM72は、プログラムや設定値などの各種制御条件のデータを格納する。RAM73は、CPU71がROM72に格納されているプログラムを実行するときに例えば各種検出回路からの情報を一時的に格納するワークエリアとなる。CPU71、ROM72、RAM73は、制御部7の中枢を構成するコンピュータである。なお、制御部7内の各構成は、バスライン74によって接続している。
【0025】
制御部7は、X軸駆動回路75、Y軸駆動回路76、Z1軸駆動回路77及びZ2軸駆動回路78を備えている。X軸駆動回路75、Y軸駆動回路76、Z1軸駆動回路77及びZ2軸駆動回路78は、夫々駆動系のデバイスであるX軸モータ35、Y軸モータ37、Z1軸モータ23及びZ2軸モータ53と電気的に接続されている。CPU71は、ステージ31とインクジェットヘッド2、又はステージ31と整面部材5の時系列の位置データをX軸駆動回路75、Y軸駆動回路76、Z1軸駆動回路77及びZ2軸駆動回路78に送る。X軸駆動回路75、Y軸駆動回路76、Z1軸駆動回路77及びZ2軸駆動回路78は、時系列の位置データに基づいてX軸モータ35、Y軸モータ37、Z1軸モータ23及びZ2軸モータ53の起動・停止などの動作を制御する。
【0026】
制御部7は、X座標位置検出回路81、Y座標位置検出回路82、Z1座標位置出回路83及びZ2座標位置検出回路84を備えている。X座標位置検出回路81、Y座標位置検出回路82、Z1座標位置出回路83及びZ2座標位置検出回路84は、夫々センサー系のデバイスであるX軸リニアスケール34、Y軸リニアスケール36、Z1軸リニアスケール22及びZ2軸リニアスケール52と通信可能に接続されている。
【0027】
X座標位置検出回路81は、X軸リニアスケール34から出力されるパルス信号をカウントすることによりステージ31のX座標を検出する。Y座標位置検出回路82は、Y軸リニアスケール36から出力されるパルス信号をカウントすることによりステージ31のY座標を検出する。Z1座標位置検出回路83は、Z1軸リニアスケール22から出力されるパルス信号をカウントすることによりインクジェットヘッド2のノズルプレート27表面のZ座標を検出する。Z2座標位置検出回路84は、Z2軸リニアスケール52から出力されるパルス信号をカウントすることにより整面部材5の底面54のZ座標を検出する。CPU71は、X座標位置検出回路81、Y座標位置検出回路82、Z1座標位置出回路83及びZ2座標位置検出回路84が検出する各座標に基づき、ステージ31とインクジェットヘッド2、及びステージ31と整面部材5の3次元の相対的な位置関係を検出する。さらに、CPU71は、印刷実行時に、ステージ31とインクジェットヘッド2、及びステージ31と整面部材5の時系列の位置データを生成して、X軸駆動回路75、Y軸駆動回路76、Z1軸駆動回路77及びZ2軸駆動回路78に夫々出力する。
【0028】
制御部7は、被印刷物検出センサー位置検出回路41を備えている。被印刷物検出センサー位置検出回路41は、被印刷物検出センサー4と通信可能に接続している。CPU71は、Xステージ32とYステージ33を制御してステージ31を前後左右に順次移動させることにより、被印刷物検出センサー4を走査させる。被印刷物検出センサー位置検出回路41は、被印刷物検出センサー4からの情報に基づき、被印刷物10のZ方向の高さを検出する。
【0029】
制御部7は、被印刷物10に印刷する画像データを一時的に格納する画像メモリ85を備えている。画像データは、例えばインタフェース(I/F)86を介して情報通信可能に接続された外部の情報端末9から受信する。外部の情報端末9は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)や携帯端末などである。CPU71は、外部の情報端末9から画像データを受信すると、受信した画像データを画像メモリ85へ出力する。さらにCPU71は、画像データを画像転送回路87へ出力する。画像転送回路87は、印刷実行時に制御されるステージ31とインクジェットヘッド2の時系列の位置データと同期する画像データに並び替え、並び替えた画像データをインクジェットヘッド2に転送する。画像の転送は、例えば画像転送ケーブルを通じて行う。なお、画像データは、例えばROM72に予め複数格納しておき、ユーザーが例えば操作部6に表示される複数の画像データの中から選択するようにしてもよい。
【0030】
インクジェットヘッド2は画像転送回路87からの時系列の吐出データに基づいてアクチュエータを動作させ、ノズルプレート27の所定のノズル28からインクを吐出するか、及び吐出するインク量や吐出回数を制御しながら液滴を吐出する。
【0031】
続いて、図4図10を参照しながら、インクジェットプリンタ2が被印刷物10に画像を印刷する処理の流れについて説明する。
【0032】
ユーザーは、被印刷物10をステージ31上に設置した後、例えば操作部6を操作してインクジェットプリンタ2に印刷ジョブを実行させる(Act10)。印刷する画像は、外部の情報端末9から送信する。或いはインクジェットプリンタ2内に予め格納されている画像の中からユーザーが選択する。印刷ジョブを実行させる操作は、外部の情報端末9から行ってもよい。
【0033】
ラテ・アートの場合、カップ11にエスプレッソを注いだ後、さらに泡立ミルク12を注いだものを被印刷物10とする。ステージ31に設置する際、泡立ミルク12がカップ11の縁よりも上方に盛り上がっている状態で構わない。
【0034】
続いて、制御部7は、被印刷物10が所定位置にあるか或いは自由位置にあるかを判別する(Act11)。すなわち、ユーザーがステージ31上に被印刷物10を設置する位置は、インクジェットヘッド2及び整面部材5のX方向及びY方向の相対的な移動範囲と移動時間を考慮すると、ステージ31上の予め決められた位置とすることが望ましい。しかしながら、例えばユーザーが被印刷物10を所定の位置から外れたところに設置しても印刷可能なように、所定位置にあるか或いは自由位置にあるか判別を行う。さらに、サイズや形が異なるカップ11を用いても印刷が可能なように、所定位置にあるか或いは自由位置にあるか判別を行う。
【0035】
所定位置にあるか或いは自由位置にあるかの判別は、一例として、被印刷物検出センサー4を使って行う。制御部7は、被印刷物10に衝突しないようインクジェットヘッド2を例えば上限位置まで上昇させてから、ステージ31を移動させて被印刷物検出センサー4を所定の位置(例えば、ステージ31の中央の上方)に位置させる。そして、制御部7は、被印刷物検出センサー4を使って下方に被印刷物10が在るか否かを検出する。すなわち、被印刷物検出センサー4が検出する距離が、被印刷物検出センサー4からステージ31までの距離よりも短い場合には下方に被印刷物10が在ると判別する(Act11,所定位置)。他方、被印刷物検出センサー4が検出する距離が、被印刷物検出センサー4からステージ31までの距離と一致する場合は、下方に被印刷物10が無いと判別する(Act11,自由位置)。
【0036】
所定位置である場合、制御部7は、被印刷物検出センサー4の走査範囲をステージ31の所定範囲とする(Act12)。具体的には、制御部7は、被印刷物10を検出した位置からステージ31を前後左右に順次動かしながら被印刷物検出センサー4からの高さ情報を受け取り、X軸リニアスケール34及びY軸リニアスケール36からのX軸座標とY軸座標の情報に対応付けることによって、ステージ31上の被印刷物10の設置位置,被印刷物10の平面視の輪郭,及び被印刷物10の高さの情報を取得する(Act14)。ステージ31上の被印刷物10の設置位置,被印刷物10の平面視の輪郭,及び被印刷物10の高さの解析は、制御部7が行うようにしてもよく、ユーザーが操作する外部の情報端末9が行うようにしてもよい。
【0037】
図5は、インクジェットヘッド2を水平方向に移動させることによって被印刷物検出センサー4を走査する様子を示している。図6は、被印刷物検出センサー4を走査して得た高さ情報を波形で示している。被印刷物検出センサー4が図6(a)のようにカップ11の中心線上を走査すると、被印刷物10の断面形状が図6(b)の場合、高さ情報を例えば波形100で示すと図6(c)のようになる。すなわち、波形100は、ステージ31上面の高さからカップ11の縁の高さまで上昇し、カップ11の縁の部分で平坦となる。そして、泡立ミルク12の表面に沿って高さが変動した後、反対側のカップ11の縁の部分で平坦な波形が表れ、最後にステージ31の上面の高さまで戻る。カップ11の縁の部分は、被印刷物10の平面視の輪郭を示す。被印刷物検出センサー4の走査を、例えば被印刷物10の全範囲に対して行えば、ステージ31上の被印刷物10の設置位置,被印刷物10の平面視の輪郭,及び被印刷物10の高さの情報を取得することができる。但し、時間短縮のために、X方向の走査間隔を拡げるなどして走査回数を減らすようにしてもよい。或いは、図6(a)のようにカップ11の中心線上のみ走査するようにしてもよい。
【0038】
一方、自由位置である場合、制御部7は、被印刷物検出センサー4の走査範囲をステージ31の全範囲とする(Act13)。具体的には、制御部7は、ステージ31の一端部(例えば角部)の上方に被印刷物検出センサー4が位置するようにステージ31を移動させた後、ステージ31を前後左右に順次動かしてステージ31の他端部(例えば対角線上の角部)まで被印刷物検出センサー4を走査する。そして、被印刷物検出センサー4から順次受け取る高さ情報を、X軸リニアスケール34及びY軸リニアスケール36からのX軸座標とY軸座標の情報に対応付けることによって、ステージ31上の被印刷物10の設置位置,被印刷物10の平面視の輪郭,及び被印刷物10の高さの情報を取得する(Act14)。
【0039】
続いて、制御部7は、取得した被印刷物10の設置位置,被印刷物10の平面視の輪郭,及び被印刷物10の高さの情報に基づいて、整面部材5を水平方向に走査する高さと範囲を決定する(Act15)。整面部材5を水平方向に走査する高さと範囲を決定は、制御部7が行うようにしてもよく、ユーザーが外部の情報端末9を操作して行うようにしてもよい。
【0040】
ラテ・アートの場合、制御部7は、取得した情報からカップ11の高さと泡立ミルク12の高さを判別し、どのレベルで不要な泡立ミルク12を除去すればよいか算出する。具体的には、制御部7は、同じ高さに検出される円形の部分がカップ11であると判別し、その高さをカップ11の高さとする。さらに、制御部7は、円形の部分の内側にある領域の高さを泡立ミルク12の高さとする。平坦な泡面を広く確保して画像を印刷するには、できるだけカップ11の縁の高さに近い高さで整面部材5を走査して、高さ方向の余分な泡立ミルク12を除去するのが望ましい。好ましい一例として、図6(c)に示すように、カップ11の縁の高さから例えば2mm高い高さで整面部材5を水平方向に走査し、その高さよりも上にある泡立ミルク12を切り取って整面する。
【0041】
整面部材5の走査は、ステージ31をY方向に移動させることによって行う(Act16)。走査開始の指令は、制御部7が自動で出力してもよく、ユーザーが操作部6又は外部の情報端末9を操作して出力してもよい。整面部材5のX方向の長さよりも被印刷物10が小さい場合、整面部材5のX方向の長さの中央が被印刷物10の中心線上を通過するように、ステージ31をY方向に移動させることによって、1回の走査で整面する。整面部材5のX方向の長さよりも被印刷物10が大きい場合、X方向に分割して複数回走査することによって整面する。図7は、ヘラ状の整面部材5が高さ方向の余分な泡立ミルク12を押し切って整面する様子を模式的に示している。ヘラ状の整面部材5をY方向に移動させると、押し切った泡立ミルク12は整面部材5の上面55に保持する。すなわち、整面部材5は、押し切った泡立ミルク12を保持する保持領域を有する。しかも移動方向に対して後方側が高くなるように上面55が傾斜しているので、押し切った泡立ミルク12が後方側から垂れるのを抑えることができる。
【0042】
整面が終了すると、制御部7は、インクジェットヘッド2を走査する高さと範囲を決定する(Act17)。インクジェットヘッド2を走査する高さは、前工程で整面部材5が整面した泡面の高さに、印刷に必要なギャップを加えた高さとする。印刷に必要なギャップは、一例として、1~3mmである。画質を高める場合、ギャップは1mmとする。インクジェットヘッド2を走査する範囲は、印刷する画像の形状と被印刷物10の設置位置に基づいて決定する。さらに、被印刷物10の平面視の輪郭内に画像が収まるように、画像のサイズを調整する。また、被印刷物10の高さの検出において平面視に表れるカップ11の持ち手の部分が画像の例えば右側に位置するように、印刷する画像を回転させるようにしてもよい。すなわち、右手でカップ11を持ったときに画像が上を向くようにする。インクジェットヘッド2を走査する高さと範囲の決定は、制御部7が行うようにしてもよく、ユーザーが外部の情報端末9を操作して行うようにしてもよい。
【0043】
続いて制御部7は、インクジェットヘッド2が印刷開始位置に位置するようにステージ31を移動させ、前工程で決定した高さにインクジェットヘッド2を位置させる。インクジェットヘッド2の走査は、ステージ31をY方向に移動させることによって行う(Act18)。走査開始の指令は、制御部7が自動で出力してもよく、ユーザーが操作部6又は外部の情報端末9を操作して出力してもよい。インクジェットヘッド2のX方向の長さよりも被印刷物10が小さい場合、インクジェットヘッド2のX方向の長さの中央が被印刷物10の中心線上を通過するように、ステージ31をY方向に移動させることによって、1回の走査で印刷する。図8に示すように、例えばサイズの小さいインクジェットヘッド2を用いた場合には、X方向に分割して複数回走査して印刷する。
【0044】
図9は、インクジェットヘッド2が模様101を印刷する様子を模式的に示している。印刷対象面である泡立ミルク12の泡面は、前工程において整面部材5によって高さと粗さが一定以下に整面されているので、インクジェットヘッド2と泡面までのギャップは均一となっている。従って、インクジェットヘッド2をY方向に移動させて印刷することができ、ノズル28が泡面に接触して吐出不良を起こすのを抑えることができる。さらに、均一なギャップで印刷することによって、画像の乱れが生じるのを抑えることができる。印刷が終了すると、ステージ31及びインクジェットヘッド2を待機位置に戻して印刷工程を終了する(Act19)。
【0045】
なお、泡状物である泡立ミルク12は、整面部材5によって整面しても印刷用紙のようには平坦にならない。そこで、図10に示すように、被印刷物検出センサー4で泡面までの距離Lを検出しながらインクジェットヘッド2を走査して印刷するようにしてもよい。すなわち、制御部7は、被印刷物検出センサー4が検出する泡面までの距離Lであるギャップが一定となるようにインクジェットヘッド2をZ方向に移動させながら印刷を実行する。従って、均一なギャップで印刷することができ、画像の乱れが生じるのを抑えることができる。このように泡面までの距離を検出しながらインクジェットヘッド2を走査することは、整面後に泡が成長する可能性がある場合に対して有効である。
【0046】
ラテ・アートの場合、カップ11の大きさが変わるとカップ11の縁と泡立ミルク12の泡面との高さが変化する、常に一定のエスプレッソと泡立ミルク12が注がれることが確約されていない、気温湿度等で泡立ミルク12の泡の高さが変わる場合があるといった外部要因が多く発生してしまう。また、特に人がエスプレッソと泡立ミルク12を注ぎ、カップ11内の泡面高さを一定にすることは難しい。このような外的要因に対し、上述の実施形態によれば、ヘラ状の整面部材5で高さ方向の余分な泡立ミルク12を押し切って除去することにより、平坦な印刷対象面とすることができる。切り取った泡立ミルク12は、整面部材5の上面55に保持するので、カップ11から垂れるのを抑えることができる。さらに、整面部材5で印刷対象面を整面することによって、均一なギャップで印刷することができ、画像の乱れが生じるのを抑えることができる。
【0047】
さらに、インクジェットプリンタ2の印刷用途は、ラテ・アートに限らない。インクジェットプリンタ2は、図11に示すように、ジョッキ102に注いだビールを被印刷物10とすることができる。制御部7は、ジョッキ102の縁に近い高さレベルで整面部材5を走査し、高さ方向の余分な泡103を切り取って整面する。
【0048】
また、図12に示すように、ケーキの表面に塗ったクリーム104を被印刷物10とすることができる。制御部7は、例えばクリーム104の平均高さレベルで整面部材5を走査し、高さ方向の余分なクリーム104を切り取って整面する。ケーキに代えて、アイスクリームを被印刷物10としてもよい。
【0049】
また、図13に示すように、ゼリー105を被印刷物10とすることができる。制御部7は、例えば画像が収まる面積の印刷対象面が形成できる高さレベルで整面部材5を走査し、ゼリー105の上部を切り取って印刷対象面を形成する。整面部材5を例えば左右に微振動させる振動発生装置を設け、半固体物であるゼリー105を押し切る作用を促進させるようにしてもよい。
【0050】
勿論、図11図13は一例であり、ビールの泡103,クリーム104,ゼリー105以外にも整面部材5で押し切ることのできる三次元状の柔らかいものを被印刷物10とすることができる。すなわち、インクジェットヘッド2は、泡等の発泡物、クリーム等の粘度の高い液体物、アイスクリームやゼリー等の半固体物を被印刷物10とすることができる。さらには、整面部材5で押し切ることのできる三次元状の柔らかいものであれば、被印刷物10は飲食物に限らない。
【0051】
整面部材5は、図14(a)に示すように、例えば前方側を水平面とし後方側を傾斜面とした断面「くの字」形状としてもよい。さらに、平面視は長方形状でなくともよく、図14(b)に示すように、例えば中央が後方に凹んだU字状としてもよい。
【0052】
また、第1実施形態では、インクジェットヘッド2と整面部材5がZ方向に移動し、ステージ31がX方向とY方向に移動する構成としたが、この構成に限らない。例えば、ステージ31を固定とし、インクジェットヘッド2及び整面部材5がXYZ方向に各々移動する構成としてもよい。或いは、インクジェットヘッド2と整面部材5を固定とし、被印刷物10を設置したステージ31をXYZ方向に移動する構成としてもよい。すなわち、インクジェットヘッド2と整面部材5が、被印刷物10に対して相対的にXYZ方向に移動可能な構成であればよい。
【0053】
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態のインクジェットプリンタ200について説明する。第2実施形態のインクジェットプリンタ200は、整面部材の構成が異なることを除けば、第1実施形態のインクジェットヘッド1と同じ構成である。従って、第1実施形態のインクジェットヘッド1と同様の構成については、同じ符号を付すことによって詳しい説明は省略する。
【0054】
第2実施形態のインクジェットプリンタ200の整面部材201は、図15及び図16に示すように、外形が概ね矩形状になっており、長辺がX方向に沿うように配置している。整面部材201の大きさは、一例として、X方向の長さ100~120mm、Y方向の幅60~70mm、Z方向の高さ20~30mmである。整面部材201は、底面に吸引口202を有している。すなわち、整面部材201は、中空のヘラ状である。吸引口202は、X方向に延びるように形成している。整面部材201の吸引口202は、吸引路203の一端と連通している。吸引路203は、例えば樹脂材で形成したフレキシブルチューブである。吸引装置204は、例えば本体部3の上面に配置している。吸引路203の他端は、吸引装置204に接続している。整面部材201の材質は、例えばフッ素樹脂などの樹脂材或いはステンレスなどの金属材である。
【0055】
吸引装置204は、図16に示すように、例えば減圧ポンプ等の吸引ポンプ205を備えている。吸引ポンプ205は、トラップ装置206を介して吸引路203と連通している。吸引ポンプ205を駆動させて整面部材201の吸引口202から吸引した泡立ミルク12は、トラップ装置206に回収する。図17に示すように、制御部7は、吸引回路207を備えている。吸引回路207は、整面時において吸引ポンプ205の起動・停止などの動作を制御する。
【0056】
整面部材201は、図16に示すように、泡立ミルク12を押し切りながら吸引することによって整面する。整面部材201を移動させる高さレベルは、第1実施形態と同様にして決定する。
【0057】
上述の実施形態によれば、吸引口202を備えた整面部材201で不要な泡立ミルク12を押し切りながら吸引することにより、平坦な印刷対象物とすることができる。泡立ミルク12は、吸引装置204に回収するので、整面時にカップ11から泡立ミルク12が垂れるのを抑えることができる。さらに、整面部材201で印刷対象面を整面することによって、均一なギャップで印刷することができ、画像の乱れが生じるのを抑えることができる。
【0058】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1 インクジェットプリンタ
2 インクジェットヘッド
3 本体部
4 被印刷物検出センサー
5 整面部材
6 操作部
7 制御部
201 整面部材
202 吸引口
204 吸引装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17