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  • 特許-巾着袋の製造装置および製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】巾着袋の製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/81 20170101AFI20220216BHJP
   B65D 30/10 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
B31B70/81
B65D30/10 W
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017194068
(22)【出願日】2017-10-04
(65)【公開番号】P2019064211
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】宝性 彰
(72)【発明者】
【氏名】寺井 亮
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04792241(US,A)
【文献】実開昭49-115327(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/81
B65D 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反シートを折込んで紐通路を形成する折込み手段と、
紐供給部に保持される絞り紐を案内して、前記紐通路内に一対の絞り紐を導入する導入手段と、
前記紐通路内に導入された前記絞り紐を前記紐通路の端部に接着する接着手段とを備え、
前記導入手段は、絞り紐を案内する案内部が設けられた一対のガイドバーと、前記一対のガイドバーを前記原反シートの搬送方向と交差する方向に移動させるガイドバー移動手段とを有し、前記各絞り紐が前記紐通路の端部に接着された状態で、前記一対のガイドバーを移動させて前記原反シートの幅方向における各ガイドバーの案内部の位置を入れ替えることによって、前記紐通路内で前記各絞り紐を交差させることを特徴とする巾着袋の製造装置。
【請求項2】
前記原反シートを原反ロールから引き出して搬送する搬送手段を備え、
前記折込み手段は前記原反シートが搬送される間に前記原反シートを折り込み、前記導入手段は、前記接着手段よりも、前記搬送手段による搬送方向の上流側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の巾着袋の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絞り紐により開口部を絞ることができるように構成された、巾着袋の製造装置および巾着袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、巾着袋として特許文献1に開示された構成が知られている。この巾着袋は、袋状容器本体の開口部の縁部に形成された筒状の挿通部に、上側帯状閉鎖具(紐)と下側帯状閉鎖具(紐)を挿通して構成されている。上側帯状閉鎖具と下側帯状閉鎖具は挿通部から、相互に反対方向に引出され、これにより開口部が絞られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-192043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の構成によると、開口部を絞る動作において、上側帯状閉鎖具と下側帯状閉鎖具が反対方向に引出されることにより、巾着袋に回転モーメントが作用するので、開口部をスムーズに絞れず、また開口部を固く閉鎖することが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は、開口部をスムーズに絞ることができ、かつ強固に閉鎖することができる巾着袋を製造する装置および製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る巾着袋の製造装置は、原反シートを折込んで紐通路を形成する折込み手段と、紐供給部に保持される絞り紐を案内して、紐通路内に一対の絞り紐を導入する導入手段と、紐通路内に導入された絞り紐を紐通路の端部に接着する接着手段とを備え、導入手段は、絞り紐を案内する案内部が設けられた一対のガイドバーと、一対のガイドバーを原反シートの搬送方向と交差する方向に移動させるガイドバー移動手段とを有し、各絞り紐が紐通路の端部に接着された状態で、一対のガイドバーを移動させて原反シートの幅方向における各ガイドバーの案内部の位置を入れ替えることによって、紐通路内で各絞り紐を交差させることを特徴としている。
【0007】
巾着袋の製造装置は例えば、原反シートを原反ロールから引き出して搬送する搬送手段を備えており、折込み手段は原反シートが搬送される間に原反シートを折り込み、導入手段は、接着手段よりも、搬送手段による搬送方向の上流側に設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、開口部をスムーズに絞ることができ、かつ強固に閉鎖することができる巾着袋を製造する装置および製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態である巾着袋の製造装置に設けられ、原反シートに紐通路を形成する折込み機構を示す斜視図である。
図2】折込み機構を示す正面図である。
図3】折込み機構を示す側面図である。
図4】折込み機構により原反シートを折込む作用を示す図である。
図5】巾着袋の製造装置の概略的な構成を示す斜視図である。
図6】巾着袋を示す平面図である。
図7】第1および第2ガイドバーにより紐通路内に導かれた絞り紐が平行である状態を示す図である。
図8】第1および第2ガイドバーにより紐通路内に導かれた絞り紐が交差した状態を示す図である。
図9】紐通路内に挿通された絞り紐を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図示された実施形態を参照して本発明を説明する。本実施形態の製造装置および製造方法により製造される巾着袋は半完成品であり、一端がM字状に折込まれて紐通路が形成されるとともに、紐通路に絞り紐が挿通され、他端が開放状態のまま次工程へ搬送され、次工程において他端の開口から物品が収容される。
【0013】
図1~3は、原反シートSの一端をM字状に折込んで紐通路を形成する折込み機構(折込み手段)10を示している。原反シートSは樹脂製シートであり、原反ロールRから水平方向に引き出され、支持ローラ11において斜め下方に方向転換されて折込み機構10に送り込まれる。折込み機構10の下方には、原反シートSを下方へ引出す一対の送りローラ12が設けられ、送りローラ12はモータ15により回転駆動される。原反ロールRの巻き芯13はモータ14の出力軸に連結される。支持ローラ11と巻き芯13との間には、モータ14とモータ15の速度差が生じた場合でも原反シートSが緩むことがないように、原反シートSに張力を付与するためのテンションローラが配置されている。
【0014】
支持ローラ11の上方にはミシン目カッタ20が設けられる。ミシン目カッタ20は図示しないモータにより回転駆動され、送りローラ12と連動して回転する。ミシン目カッタ20は原反シートSの長手方向の中心線である内側折込み線Lに当接し、原反シートSが支持ローラ11に沿って移動することにより、内側折込み線Lにミシン目を形成する。原反シートSは、内側折込み線Lが折込み機構10の中心位置、すなわち後述する一対の棒状部材17の間に合致するように定められ、折込み機構10に送り込まれる。
【0015】
折込み機構10は支持ローラ11の下方に位置し、支持ローラ11に直交する水平方向に延びる一対の棒状部材17と2つ折りガイド18を有する。一対の棒状部材17は折込まれた原反シートSが通過可能な隙間を空けて設けられ、回転しない。2つ折りガイド18は、棒状部材17の直上に位置する中央ガイド18aと、下端が中央ガイド18aに近接し、支持ローラ11の端部に向かって延びる板状の一対の側部ガイド18bとを有する。図2に示すように、正面から見て一対の側部ガイド18bと中央ガイド18aの外縁部は下方に窄まり、中央ガイド18aの下縁部18cは水平である。
【0016】
2つ折りガイド18の下側にはM字折りガイド16(図1では不図示)が設けられる。図3に示すように、2つ折りガイド18は傾斜しており、M字折りガイド16は中央ガイド18aの下縁部18cの近傍に設けられる。M字折りガイド16は2つ折りガイド18に対して略垂直方向に延び、M字折りガイド16の下端は2つ折りガイド18の下側に位置する。M字折りガイド16の先端16aは鋭角を成し、原反シートSの内側折込み線Lに係合する。原反シートSは2つ折りガイド18の上面に摺接して搬送され、M字折りガイド16の先端によって内側折込み線Lが内側に折込まれた状態で、一対の棒状部材17の間を通ることにより、2つに折り畳まれる。
【0017】
図4は、折込み機構10により原反シートSを折込む作用を示し、図1において折込み機構10を上方から見た図である。図4に示すように、原反シートSは内側折込み線Lにおいて内側に折込まれるとともに、内側折込み線Lの両側で平行に延びる外側折込み線M1、M2において山折りされ、原反シートSの内側には一対の紐通路P1、P2が形成される。なお以下の説明において、原反シートSの内側折込み線Lと外側折込み線M1、M2の間の領域を折込み部Nと呼ぶ。
【0018】
図5は、原反シートSの紐通路P1、P2(図4参照)内にそれぞれ絞り紐Hを導入するとともに、原反シートSを切断して巾着袋を成形する製造装置の概略的な構成を示している。原反シートSの搬送方向は送りローラ12(図1参照)において水平方向に変換され、後述するシート送りチャック(搬送手段)42により原反シートSは矢印X方向に1ピッチずつ間欠的に搬送される。1ピッチの長さは、図5において、横シールヒートシーラ43とカッタ44の間の距離に等しい。
【0019】
タブ形成機構30は送りローラ12(図1参照)の下流側に設けられ、折込み部N(図1参照)にミシン目を入れて第1および第2タブT1、T2を形成する。これらのタブT1、T2は原反シートSの長手方向に沿う矩形であり、各矩形の一辺は外側折込み線M1、M2に一致する。また、これらのタブT1、T2は隣接しており、後述するカッタ44によって原反シートSが切断されることにより、分離される。この切断により巾着袋G(図6参照)が形成されるが、第1タブT1は上流側に隣接する巾着袋Gの一部となり、第2タブT2は下流側に隣接する巾着袋Gの一部となる。すなわちタブ形成機構30は、上流側の巾着袋Gの第1タブT1と下流側の巾着袋Gの第2タブT2とを同時に形成する。
【0020】
タブ形成機構30の下流側には第1および第2ガイドバー(導入手段)31、32が設けられる。ガイドバー31、32は、タブ形成機構30から1ピッチ下流側に位置するタブT1、T2の直ぐ上流側に位置する。ガイドバー31、32は原反シートSの搬送方向(X方向)と交差する方向に延び、各ガイドバー31、32の先端には、絞り紐Hを案内するための貫通孔(案内部)33、34が設けられる。ガイドバー31、32はガイドバー移動機構(ガイドバー移動手段)35に駆動され、原反シートSの幅方向に進退動自在である。
【0021】
ガイドバー移動機構35の側方には一対のボビン(紐供給部)36、37が設けられる。ボビン36、37にはそれぞれ絞り紐Hが巻回されて保持されており、絞り紐Hはボビン36、37から繰り出され、第1および第2ガイドバー31、32の貫通孔33、34を通される。絞り紐Hは後述するように、紐通路P1、P2(図4参照)内において交差して下流側へ延びる。
【0022】
図5では、原反シートSの上側に位置する紐通路P1(図4参照)に絞り紐Hを挿通するためのガイドバー31、32とガイドバー移動機構35とボビン36、37を示しているが、原反シートSの下側に位置する紐通路P2(図4参照)に絞り紐Hを挿通するために、ガイドバー31、32等の下方にも、同様な構成が設けられる。
【0023】
ガイドバー31、32の下流側には縦シールヒートシーラ40が設けられる。縦シールヒートシーラ40は原反シートSの搬送方向に延び、折込み部Nにおいて、内側折込み線L(図1参照)と外側折込み線M1、M2の間を熱溶着し、これにより紐通路P1、P2(図4参照)は、原反シートSにおいて外側折込み線M1、M2側に形成される。
【0024】
縦シールヒートシーラ40の下流側には、タブT1、T2およびその近傍を熱溶着して絞り紐Hを原反シートSに固定する接着機構(接着手段)41が設けられる。接着機構41は、ガイドバー31、32の直ぐ下流側に位置するタブT1、T2から1ピッチ下流側に位置する。後述するように、接着機構41によって一対の絞り紐Hが原反シートSに固定された状態で、接着機構41よりも上流側に設けられた第1および第2ガイドバー31、32が作用することにより、一対の絞り紐Hは平行状態から交差状態になる。
【0025】
接着機構41の下流側にはシート送りチャック(搬送手段)42が設けられる。シート送りチャック42は原反シートSの幅方向に延び、原反シートSを上下に挟んで原反シートSを矢印X方向に1ピッチ搬送し、開放して矢印Xとは反対方向に後退する。この動作を繰り返すことにより、シート送りチャック42は原反シートSを原反ロールR(図1参照)から引き出して搬送する。なお図5では、シート送りチャック42は1つだけ示されているが、実際には、このシート送りチャック42の上流側と下流側にも同じ構造のシート送りチャックが設けられる。これらのシート送りチャックは同期して駆動され、原反シートSに所定のテンションが付与される。
【0026】
シート送りチャック42の下流側には横シールヒートシーラ43が設けられる。横シールヒートシーラ43はタブT1、T2が停止する位置に設けられ、原反シートSの全幅にわたって延びる。横シールヒートシーラ43は原反シートSを上下に挟んで原反シートSを加熱し、隣接する2つのタブ1、T2Tの間を通る直線に沿って原反シートSを熱溶着する。
【0027】
横シールヒートシーラ43の下流側にはカッタ44が設けられる。カッタ44はタブT1、T2が停止する位置に設けられ、原反シートSの全幅にわたって延びる。カッタ44は、隣接する2つのタブTの間を通る直線に沿って原反シートSを切断し、これにより巾着袋Gが得られる。
【0028】
なお原反シートSの下側には、支持部材(図示せず)が適宜配置され、原反シートSが大きく撓まないように考慮されている。
【0029】
図6は本実施形態の製造装置および製造方法により製造される巾着袋Gを示している。図6は巾着袋Gの平面図であり、一対の紐通路P1、P2のうち、表側に位置する紐通路P1のみが示されている。裏側に位置する紐通路P2については、同様の構成であるので、説明を省略する。図6において、紐通路P1は巾着袋Gの上方に位置し、巾着袋Gの下側縁部Fは開口である。縦シールヒートシーラ40により熱溶着される縦シール部Vは、紐通路P1の縁部であり、巾着袋Gを紐通路P1と収容部Qとに区画する。横シールヒートシーラ43により熱溶着される横シール部Wは紐通路P1の下端から巾着袋Gの下縁の開口まで延びる。
【0030】
紐通路P1には、一対の絞り紐Hが相互に交差した状態で挿通される。各絞り紐Hは紐通路P1の両端部に、接着機構41により熱溶着されて固定される。この絞り紐Hが固定された接着部Jのうち、外側折込み線M1に近接した部位にタブT1、T2が設けられ、タブT1、T2にはそれぞれ絞り紐Hが固定される。具体的には、紐通路P1の下流側端部において、一方の絞り紐Hが第1タブT1に固定されるとともに他方の絞り紐Hが第1タブT1の外側の接着部Jに固定され、紐通路P1の上流側端部において、他方の絞り紐Hが第2タブT2に固定されるとともに一方の絞り紐Hが第2タブT2の外側の接着部Jに固定される。
【0031】
図7、8を参照して、第1および第2ガイドバー31、32による、紐通路P1内において絞り紐Hを交差させる作用を説明する。第1および第2ガイドバー31、32の先端は、一対の紐通路P1、P2のうち、上側の紐通路P1に挿入される。紐通路P1、P2の間には、折込みガイド38が係合する。折込みガイド38は原反シートSに沿って、第1および第2ガイドバー31、32から接着機構41まで延び、原反シートSのM字状の折込み状態を維持する。
【0032】
ボビン36、37(図5参照)から繰り出された絞り紐Hは、ガイド45、46を介して第1および第2ガイドバー31、32に導かれ、貫通孔33、34を通って紐通路P1内に挿通される。図7では、一対の絞り紐Hは相互に平行であり、第1ガイドバー31の貫通孔33が第2ガイドバー32の貫通孔34よりも相対的に外側折込み線M1に近い。したがって第1ガイドバー31により導かれる絞り紐HがタブT1、T2を通り、第2ガイドバー32により導かれる絞り紐HはタブT1、T2の外側を通る。この状態では既に、接着機構41によって、タブT1、T2とその近傍が熱溶着されている。すなわち第1ガイドバー31により導かれる絞り紐HはタブT1、T2に固定され、第2ガイドバー32により導かれる絞り紐HはタブT1、T2の外側に固定されている。
【0033】
なお絞り紐Hは、第1および第2ガイドバー31、32の上から下へ向けて貫通孔33、34を通ることが好ましい。ガイドバー32の貫通孔34を上から通り抜けた絞り紐Hはガイドバー31の下を通って搬送方向に延ばすことができ、これにより、一対の絞り紐Hを交差させる動作において、絡みあう可能性を低減させることができる。
【0034】
図7に示す状態において、原反シートSが1ピッチ搬送される間に、ガイドバー移動機構35が駆動され、第1ガイドバー31が後退するとともに、第2ガイドバー32が前進する。これにより、図8に示されるように、第2ガイドバー32の貫通孔34が第1ガイドバー31の貫通孔33よりも相対的に外側折込み線M1に近くに定められ、一対の絞り紐Hは紐通路P1内において交差する。
【0035】
本実施形態の作用を説明する。以下の各工程は原反シートSが搬送される間、あるいは停止している間に実行される。
【0036】
原反ロールRから引き出された原反シートSは、折込み機構10により実行される折込み工程において折込まれ、紐通路P1、P2が形成される。導入工程では、第1および第2ガイドバー31、32を介して、一対の絞り紐Hが案内されて紐通路P1、P2内に導入される。接着工程では、接着機構41により、紐通路P1、P2内に導入された一対の絞り紐Hが紐通路P1、P2の端部(タブTに対応した部分)に接着される。また接着工程では、縦シールヒートシーラ40により、内側折込み線Lと外側折込み線M1、M2の間が熱溶着され、縦シール部Vが形成される。
【0037】
接着工程の直後において、第1ガイドバー31を介して導かれる絞り紐Hは、図9(a)に示すように外側折込み線M1、M2に近接した位置にあり、各紐通路P1、P2内において一対の絞り紐Hは平行状態にある。その後、ガイドバー移動機構35が作動して、第1および第2ガイドバー31、32を原反シートSの搬送方向と交差する方向に移動させて貫通孔33、34の位置を入れ替え、これにより、各絞り紐Hが紐通路P1、P2の端部に接着された状態で、紐通路P1、P2内で交差する。
【0038】
この後、原反シートSが1ピッチ下流側へ搬送され、次のタブT1、T2に対応した部分が接着機構41により接着されると、交差した一対の絞り紐Hの両端が原反シートSに固定されることになる。原反シートSはさらに下流側へ搬送され、横シールヒートシーラ43により、原反シートSが熱溶着され、横シール部Wが形成される。この後、原反シートSがさらに1ピッチ下流側へ搬送され、カッタ44により切断工程が実行される。すなわち紐通路P1、P2の端部において、原反シートSと絞り紐Hが切断され、巾着袋Gが得られる。
【0039】
巾着袋Gは図9(b)に示されるように、紐通路P1、P2とは反対側の縁部Fが開口しており、次の工程では、縁部Fから物品が収容部Qに収容され、縁部Fがシールされる。なお、物品を収容部Qへ収容する工程は、カッタ44による切断工程の前に実行されてもよい。
【0040】
本実施形態の製造装置または製造方法により得られた巾着袋Gは、図6から理解されるように、紐通路P1内において一対の絞り紐Hが交差している。収容部Qに物品が収容され、縁部Fがシールされた状態で巾着袋Gの開口部(紐通路P1、P2の部分)を絞る作業では、まず、巾着袋Gの両角部にあるタブTをミシン目に沿って切断する。そして2つのタブTを外側へ引っ張ることにより一対の絞り紐Hを引出して巾着袋Gの開口部を縛ればよい。
【0041】
以上のように巾着袋Gの開口部を絞る作業において、一対の絞り紐Hは交差しているので、巾着袋Gに対して相互に反対方向のモーメントが作用する。したがって巾着袋Gが傾くことはなく、開口部をスムーズに絞ることができ、また開口部を固く閉鎖することができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、縦シールヒートシーラ40、接着機構41、横シールヒートシーラ43はそれぞれ、熱溶着により原反シートSを接着するように構成されていたが、熱溶着に代えて、超音波シールを採用することも可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 折込み機構(折込み手段)
31 第1ガイドバー(導入手段)
32 第2ガイドバー(導入手段)
33、34 貫通孔(案内部)
35 ガイドバー移動機構(ガイドバー移動手段)
36、37 ボビン(紐供給部)
41 接着機構(接着手段)
H 絞り紐
P1、P2 紐通路
R 原反ローラ
S 原反シート



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9