(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】排気浄化装置
(51)【国際特許分類】
F01N 3/023 20060101AFI20220216BHJP
F01N 3/033 20060101ALI20220216BHJP
F02D 43/00 20060101ALI20220216BHJP
F02P 5/145 20060101ALI20220216BHJP
F02D 41/04 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
F01N3/023 A
F01N3/033 Z
F02D43/00 301H
F02D43/00 301A
F02P5/145 B
F02D41/04
F02D43/00 301K
(21)【出願番号】P 2018016090
(22)【出願日】2018-02-01
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(72)【発明者】
【氏名】末廣 和雅
【審査官】齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-057308(JP,A)
【文献】特開平06-264720(JP,A)
【文献】特開2010-223187(JP,A)
【文献】特開2010-274756(JP,A)
【文献】特開2002-285897(JP,A)
【文献】特開2002-317621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/023
F01N 3/033
F02D 43/00
F02P 5/145
F02D 41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排出する煤を捕集する捕集フィルタと、
燃料噴射装置及び点火装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、エンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて規定される制御マップの再生促進領域において、燃料噴射及び/又は点火を所定時間間隔で休止するフィルタ再生促進制御を実施
し、前記再生促進領域よりエンジン回転数及び/又はエンジン負荷が大きい再生促進禁止領域において、前記フィルタ再生促進制御をしない、又は強制終了し、
前記再生促進領域は、第1領域を有し、
前記制御装置は、前記第1領域において、点火のみを所定時間間隔で休止することを特徴とする排気浄化装置。
【請求項2】
前記再生促進領域は、前記第1領域よりエンジン回転数及び/又はエンジン負荷が大きい第2領域を更に有し、
前記制御装置は、前記第2領域において、燃料噴射を所定時間間隔で休止することを特徴とする請求項
1に記載の排気浄化装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記フィルタ再生促進制御が完了した場合、
前記フィルタ再生促進制御を禁止する第1禁止時間を設定
し、前記フィルタ再生促進制御の完了前に強制終了した場合、前記第1禁止時間より短い第2禁止時間を設定し、当該第2禁止時間の間、前記フィルタ再生促進制御を禁止することを特徴とする請求項
1又は2に記載の排気浄化装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記フィルタ再生促進制御を実施する場合、前記捕集フィルタの温度に基づいて、前記所定時間間隔を制御
し、前記捕集フィルタの温度が目標温度よりも低い所定温度以上であり、且つ時間に対する温度上昇量が所定量以上である場合、前記所定時間間隔を延長することを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれかに記載の排気浄化装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記フィルタ再生促進制御を実施する場合、エンジン回転数及び/又はエンジン負荷が小さい程、燃料噴射又は点火の休止回数を増やすことを特徴とする請求項1から請求項
4のいずれかに記載の排気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用のエンジンにおいては、排気浄化装置の一部として、排気ガス中の粒子状物質(パティキュレート)を捕集する捕集フィルターが設けられることがある。このような捕集フィルターにおいては、内部に一定量の粒子状物質が溜まった場合に当該粒子状物質の燃焼を促進して捕集フィルターを再生処理する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、捕集フィルターに作用する排気ガス温度を上昇させるステップと、エンジンへの吸入空気量及び燃料噴射量を調節して、捕集フィルターに捕集された粒子状物質の燃焼を促進するステップとを、所定のタイミングで複数回切替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、捕集フィルター再生のためにエンジン回転数やエンジン負荷を増加させている結果、燃費に影響を与えるおそれがあった。
【0006】
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、燃費に影響を与えることなく、粒子状物質を捕集する捕集フィルタを適切に再生することができる排気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の排気浄化装置は、エンジンの排出する煤を捕集する捕集フィルタと、燃料噴射装置及び点火装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、エンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて規定される制御マップの再生促進領域において、燃料噴射及び/又は点火を所定時間間隔で休止するフィルタ再生促進制御を実施し、前記再生促進領域よりエンジン回転数及び/又はエンジン負荷が大きい再生促進禁止領域において、前記フィルタ再生促進制御をしない、又は強制終了し、前記再生促進領域は、第1領域を有し、前記制御装置は、前記第1領域において、点火のみを所定時間間隔で休止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、燃費に影響を与えることなく、粒子状物質を捕集する捕集フィルタを適切に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係るエンジンの制御システムの全体構成図である。
【
図2】エンジン回転数とエンジン負荷に基づく制御マップを示す図である。
【
図3】本実施の形態に係るGPF再生制御フローの一例を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係るフィルタ再生促進判定フローの一例を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係るフィルタ再生促進制御フローの一例を示す図である。
【
図6】本実施の形態におけるGPF温度(排気温度)の経時変化を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係るエンジンの制御システムが適用される車両として、四輪車を例にして説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明を二輪車等、他のタイプの車両に適用してもよい。
【0011】
図1を参照して、本実施の形態に係るエンジンの制御システムについて説明する。
図1は、本実施の形態に係るエンジンの制御システムの全体構成図である。なお、エンジンの制御システムは、以下に示す構成に限定されず、適宜変更が可能である。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態に係るエンジンの制御システム1は、内燃機関としてのエンジン2及びその周辺構成の動作を、ECU3(Electronic Control Unit)で制御するように構成されている。詳細は後述するが、ECU3は、本願の制御装置を構成する。エンジン2は、例えば、直動式多気筒のDOHC(Double OverHead Camshaft)エンジンで構成される。エンジン2は、不図示のクランクケース内にクランクシャフト20を収容し、シリンダ21及びシリンダヘッド22等を備えて構成される。
【0013】
シリンダ21内には、ピストン23が所定方向(
図1では上下)に往復可能に収容されている。クランクシャフト20とピストン23とはコンロッド24によって連結されている。エンジン2では、ピストン23が所定方向に往復運動することでクランクシャフト20がコンロッド24を介して回転される。
【0014】
シリンダヘッド22の内部空間は、燃焼室25を構成する。燃焼室25の上部には、点火装置としてのスパークプラグ26が設けられている。スパークプラグ26は、ECU3から出力される点火信号に基づいて所定のタイミングで点火し、燃焼室25内の混合気を着火する。
【0015】
シリンダヘッド22には、燃焼室25に連通する吸気ポート27a及び排気ポート27bが形成されている。また、シリンダヘッド22には、吸気ポート27a及び排気ポート27bに対応して、吸気バルブ28a及び排気バルブ28bが設けられている。吸気バルブ28a及び排気バルブ28bの上端には、吸気カムシャフト29a及び排気カムシャフト29bが設けられている。
【0016】
クランクシャフト20、吸気カムシャフト29a及び排気カムシャフト29bには、不図示のカムチェーンが架け渡されている。クランクシャフト20の回転は、カムチェーンを介して吸気カムシャフト29a及び排気カムシャフト29bに伝達される。吸気カムシャフト29a及び排気カムシャフト29bが回転されることで、吸気バルブ28a及び排気バルブ28bは所定タイミングで燃焼室25に向けて往復動される。
【0017】
吸気ポート27aの上流端には、不図示の吸気マニホールドを介して吸気管10が接続される。吸気管10内の通路及び吸気ポート27aは、吸入空気の吸気路を構成する。吸気管10の途中には、上流側からエアクリーナ11、スロットルバルブ12、及びサージタンク13が設けられている。エアクリーナ11及びスロットルバルブ12の間の吸気管10には、空気量センサ40が設けられている。空気量センサ40は、エアクリーナ11を通過して吸気管10内を流れる吸入空気量(質量流量)を検出し、その検出値をECU3に出力する。
【0018】
スロットルバルブ12は、例えばバタフライバルブを含んで構成され、ECU3の指令に応じて開閉されることで、吸気管10内を流れる吸入空気の流量(吸入空気量)を調整する。サージタンク13は、吸気管10に比べて十分に大きい容積を有し、吸入空気の脈動を防止するものである。サージタンク13には、吸気圧センサ41が設けられている。吸気圧センサ41は、サージタンク13内の吸入空気の圧力(吸気圧)を検出し、その検出値をECU3に出力する。ECU3は、上記した吸入空気量や吸気圧からエンジン負荷を推定することが可能である。
【0019】
サージタンク13の下流側における吸気管10(又は吸気ポート27a)には、燃料を噴射する燃料噴射装置としてのインジェクタ14が設けられている。インジェクタ14は、ECU3の指令に応じて吸気管10内(又は吸気ポート27a内)に所定量の燃料を噴射する。すなわち、本実施の形態に係るエンジン2は、いわゆるポート噴射式のエンジンで構成される。
【0020】
排気ポート27bの下流端には、不図示の排気マニホールドを介して排気管15が接続される。排気ポート27b及び吸気管10内の通路は、排気ガスの排気路を構成する。排気管15の途中には、排気浄化装置の一部として、排気ガスを浄化する触媒16が設けられている。触媒16は、例えば、三元触媒で構成され、排気ガス内の汚染物質(一酸化炭素、炭化水素や窒素酸化物等)を無害な物質(二酸化炭素、水、窒素等)に変換する。エンジン2がディーゼルエンジンの場合、触媒16には例えば酸化触媒が用いられる。
【0021】
触媒16の下流側の排気管15は、エンジン2の燃焼によって発生する煤等の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集する捕集フィルタとして、GPF17(Gasoline Particulate Filter)が設けられている。GPF17の前後(上流及び下流)には、温度センサ18a、18bが設けられている。温度センサ18a、18bは、GPF17の前後における排気ガス温度を検出し、その検出値をECU3に出力する。
【0022】
また、GPF17には、差圧センサ19が設けられている。差圧センサ19は、GPF17の前後の圧力差を検出し、その検出値をECU3に出力する。ECU3は、当該圧力差からGPF17の目詰まり状態、すなわち、PMの捕集量を推定することが可能である。
【0023】
このように構成されるエンジン2においては、エアクリーナ11を通過した吸入空気が、スロットルバルブ12でその流量が調整された後、サージタンク13を通じて吸気ポート27aに流れ込む。このとき、インジェクタ14から所定のタイミングで燃料が噴射され、吸気ポート27a内で吸入空気と燃料が混合される。吸入空気と燃料の混合気は、吸気バルブ28aが開かれたタイミングで燃焼室25内に流れ込み、燃焼室25内で圧縮された後、スパークプラグ26によって所定のタイミングで点火される。点火されて燃焼した後の排気ガスは、排気ポート27bから排気管15を通じて外に排出される。このとき、排気ガスは、触媒16によって浄化され、GPF17によってPMが捕集された後、図示しないマフラによってその排気音が低減される。
【0024】
また、エンジン2には、エンジン水温を検出する水温センサ42と、クランクシャフト20の位相を検出するクランクセンサ43が設けられている。水温センサ42及びクランクセンサ43の各検出値は、ECU3に出力される。クランクセンサ43の出力からエンジン回転数を算出することが可能である。
【0025】
また、車両には、車速を検出する車速センサ44と、ブレーキペダル45と、アクセルペダル46とが設けられている。車速センサ44の検出値は、ECU3に出力される。ブレーキペダル45は、車両に制動力を発生する制動手段を構成し、その踏み込み量(踏力)に応じた所定の電気信号をECU3に出力する。アクセルペダル46は、車両に加速力を発生する加速手段を構成し、その踏み込み量(踏力)に応じた所定の電気信号をECU3に出力する。
【0026】
ECU3は、エンジン2内外の各種構成を含む車両全体の動作を統括制御する。ECU3は、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体で構成される。メモリには、上記した各種構成を制御する制御プログラム等が記憶されている。
【0027】
例えばECU3は、車両内に設けられた各種センサから車両の状態を判断し、スパークプラグ26、インジェクタ14、スロットルバルブ12等の駆動の制御を実施する。詳細は後述するが、ECU3は、GPF17の温度やエンジン回転数、エンジン負荷(吸入空気量)等に基づいてインジェクタ14やスパークプラグ26を制御し、後述するフィルタ再生促進制御を実施する。詳細は後述するが、ECU3は、フィルタ再生促進制御を実施するために、エンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて規定される制御マップ(
図2参照)を予め記憶している。ECU3は、当該制御マップに基づいて燃料噴射及び点火を制御することにより、GPF17の再生を促進することが可能である。
【0028】
なお、本実施の形態における排気浄化装置は、上記したエンジン2及びその周辺構成(触媒16、GPF17、ECU3、各種センサ等)を含んで構成される。
【0029】
ところで、ディーゼルエンジンの排気浄化装置においては、排気ガス中のPMを捕集する捕集フィルタとしてDPF(Diesel Particulate Filter)が設けられる。DPFでは、PMの蓄積によって目詰まりが生じ得る。このため、DPFの温度を上昇させてPMを燃焼させることでDPFの目詰まりを解消する、いわゆるフィルタ再生制御が実施される。
【0030】
この種の制御として、例えば、DPFにおけるPM蓄積量が所定量以上となった場合、ポスト噴射を実施して排気側に燃料を送り込み、PM燃焼を促進するものが提案されている。しかしながら、上記制御の場合、主噴射とは別にフィルタ再生のためだけに燃料を噴射するため、余計に燃料を消費してしまい、燃費に影響を与える要因と成り得る。また、昨今の排ガス規制の強化に伴い、ガソリンエンジンにおいても上記のような捕集フィルタを設けることが求められている。
【0031】
そこで、本件発明者は、このような事情に鑑みて、ガソリンエンジンに捕集フィルタを適用した場合に、燃費に影響を与えることなく捕集フィルタを適切に再生することができる排気浄化装置に想到した。
【0032】
具体的に本実施の形態において、ECU3は、エンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて規定される制御マップの再生促進領域において、燃料噴射及び/又は点火を所定時間間隔で休止するフィルタ再生促進制御を実施する。ここで、「再生促進領域」とは、排気温度が比較的低く、エンジン2が比較的低負荷状態で運転している領域を表している。再生促進領域の詳細は後述する。また、「フィルタ再生促進制御」は、燃料噴射及び/又は点火を所定時間間隔で間引く「間引き制御」とも呼ぶことができる。
【0033】
この構成によれば、低負荷走行時(市街地における低速走行等)の比較的安定した運転状況において、燃料噴射及び/又は点火を所定時間間隔で休止する(間引く)ことにより、触媒16やGPF17等の排気側の構成の温度を上昇させることができ、GPF17の自然再生を促進することが可能である。
【0034】
例えば、点火を間引くことにより、燃焼室で燃焼することのない燃料を含む混合気を排気側に送り込むことができ、排気下流側の触媒16で燃料を燃焼させることが可能である。この結果、GPF17の昇温を図ることができ、PMを燃焼させて(除去して)GPF17の再生を促進することが可能である。また、燃料噴射を間引くことにより、空気のみを排気側に送り込むことができ、GPF17の昇温を図ることが可能である。
【0035】
このように、GPF17の再生のためだけに燃料を噴射する必要がないため、燃費に影響を与えることなく、GPF17を適切に再生することができる。
【0036】
次に、
図2を参照して、本実施の形態に係る制御マップについて説明する。
図2は、エンジン回転数とエンジン負荷に基づく制御マップを示す図である。
図2において、横軸はエンジン回転数を示し、縦軸はエンジン負荷を示している。エンジン回転数及びエンジン負荷は、通常、アクセルペダルの踏み込みによって車速が上昇するに従って大きくなる。逆にエンジン回転数及びエンジン負荷は、減速によって車速が小さくなるに従って小さくなる。
【0037】
上記したように、ECU3は、フィルタ再生促進制御を実施するために、エンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて規定される制御マップを予め記憶している。
図2に示すように、制御マップは、エンジン回転数及びエンジン負荷に応じて複数の領域に区画されている。具体的に
図2では、3つの領域が設けられており、エンジン回転数及び/又はエンジン負荷の小さい領域から順に第1領域A1、第2領域A2、第3領域A3と呼ぶ。特に第1領域A1と第2領域A2とを合わせて再生促進領域Rと呼び、第3領域A3は、再生促進禁止領域と呼ばれてもよい。
【0038】
再生促進領域Rは、上記したように、排気温度が比較的低く、エンジン2が比較的低負荷状態で運転している領域を表しており、GPF17にPMが蓄積し得る領域である。すなわち、再生促進領域Rは、GPF17の積極的な再生を促すべき領域であるといえる。
【0039】
再生促進領域Rの中でも、エンジン回転数及びエンジン負荷が小さい第1領域A1は、特にPMがGPF17に蓄積し易い領域といえ、GPF17の積極的な再生が必要な領域である。第1領域A1に属するエンジン2の運転状況としては、例えば、アイドリング中であることや、車両が比較的低車速で走行をしている運転状態である場合が考えられる。
【0040】
エンジン2の運転状況が第1領域A1に属する場合、ECU3は、点火のみを所定時間間隔で休止する。点火の休止は、例えば1サイクル中の所定の気筒で実施される。なお、所定の気筒は1つに限らず、2つ以上、更には全ての気筒であってもよい。
【0041】
点火を休止することにより、燃焼室に導入された混合気(燃料)は燃焼することなく排気側に流れ込む。当該混合気は排気下流側の触媒16で燃焼するため、触媒16及びその下流のGPF17の温度が上昇する。この結果、GPF17内のPMを燃焼させて除去することができ、GPF17の再生を促進することが可能である。
【0042】
第1領域A1よりエンジン回転数及び/又はエンジン負荷が大きい第2領域A2は、第1領域A1よりも排気温度が高い状態であるが、未だGPF17の再生に十分な温度までは達していない領域といえ、GPF17の積極的な再生が必要な領域である。第2領域A2に属するエンジン2の運転状況としては、例えば、第1領域A1よりも高車速で車両が走行している場合が考えられる。
【0043】
エンジン2の運転状況が第2領域A2に属する場合、ECU3は、燃料噴射を所定時間間隔で休止する。燃料噴射の休止は、上記した点火の休止と同様に、例えば1サイクル中の所定の気筒で実施される。第2領域A2では、第1領域A1よりも排気温度が上昇しており、GPF17の温度も第1領域より高くなっている。
【0044】
燃料噴射を休止することにより、空気のみが燃焼室内に導入され、比較的高温の排気ガスが排気側に流れ込む。この結果、排気下流側のGPF17の昇温を図ることができ、GPF17の再生を促進することが可能である。すなわち、第2領域A2は、第1領域A1のように燃料を排気側に供給することなく、空気の供給のみでGPF17の昇温が可能な領域といえる。このように、燃料噴射を休止することで、燃費の向上も図ることが可能である。
【0045】
第1領域A1及び第2領域A2よりエンジン回転数及び/又はエンジン負荷が大きい第3領域A3は、排気温度が十分に高い状態であり、GPF17の積極的な再生を促さなくても自然に再生し得る領域である。すなわち、第3領域A3は、GPF17の再生促進が不要な領域(再生促進禁止領域)である。第3領域A3に属するエンジン2の運転状況としては、例えば、車両が急加速している場合や高速走行中が考えられる。
【0046】
エンジン2の運転状況が第3領域A3に属する場合、ECU3は、上記した燃料噴射及び/又は点火を休止するフィルタ再生促進制御をしない、又は強制終了する。すなわち、ECU3は、通常通り、アクセルペダル46の踏み込みに応じた要求トルクに基づいて燃料噴射及び点火を実施する。上記したように、第3領域では、燃料噴射や点火の休止によってGPF17の再生を促進しなくとも、GPF17の温度が十分に高いと推定できるためである。
【0047】
このように、本実施の形態では、上記制御マップに基づいて燃料噴射や点火の制御を切り換えることにより、GPF17の再生を促進することが可能である。なお、ECU3は、上記したフィルタ再生促進制御を実施する場合、GPF17の温度に基づいて所定時間間隔を制御し、エンジン回転数及び/又はエンジン負荷に基づいて燃料噴射及び/又は点火の休止回数を制御する。これらについての詳細は後述する。
【0048】
次に、
図3から
図5を参照して、本実施の形態に係る制御フローについて説明する。
図3は、本実施の形態に係るGPF再生制御フローの一例を示す図である。
図4は、本実施の形態に係るフィルタ再生促進判定フローの一例を示す図である。
図5は、本実施の形態に係るフィルタ再生促進制御フローの一例を示す図である。なお、以下に示す制御フローでは、特に明示が無い限り、動作(算出(演算)や判定等)の主体はECUとする。
【0049】
図3に示すように、GPF再生制御が開始されると、ステップST101において、ECU3は、エンジン水温が所定温度以上であるか否かを判定する。エンジン水温は、水温センサ42の出力から検出することができる。また、所定温度は、例えば、エンジン2の暖機が完了する温度に設定することが可能である。エンジン水温が所定温度以上である場合(ステップST101:)、エンジン2の暖機が完了したとして、ステップST102の処理に進む。エンジン水温が所定温度に満たない場合(ステップST101:NO)、制御は終了する。
【0050】
ステップST102において、ECU3は、フィルタ再生促進判定フローを実施する(
図4参照)。詳細は後述するが、フィルタ再生促進判定フローは、フィルタ再生促進制御を実施するか否かを判定するフローである。次に、ステップST103の処理に進む。
【0051】
ステップST103において、ECU3は、フィルタ再生促進制御が可能であるか否かを判定する。具体的にECU3は、フィルタ再生促進制御実施許可のフラグがあるか否かを判定する。フラグがある場合(ステップST103:YES)、フィルタ再生促進制御が可能であるとして、ステップST104の処理に進む。フラグがない場合(ステップST103:NO)、フィルタ再生促進制御ができないとして、制御は終了する。
【0052】
ステップST104において、ECU3は、エンジン2の運転状況が再生促進領域Rに属するか否かを判定する。エンジン2の運転状況が再生促進領域Rに属する場合、すなわち、エンジン2の運転状況が第1領域A1又は第2領域A2に属する場合(ステップST104:YES)、ステップST105の処理に進む。エンジン2の運転状況が再生促進領域Rに属さない場合、すなわち、エンジン2の運転状況が再生促進禁止領域(第3領域A3)に属する場合(ステップST104:NO)、制御は終了する。
【0053】
ステップST105において、ECU3は、車速が一定か否かを判定する。車速は、車速センサ44の出力から検出することができる。車速が一定である場合(ステップST105:YES)、ステップST106の処理に進む。車速が一定でない場合(ステップST105:NO)、制御は終了する。なお、ステップST105では、車速が一定であるか否かを判定する場合に限らず、車速が所定速度以下(例えばエンジン2がアイドリング中であること)であるか否かを判定してもよい。
【0054】
ステップST106において、ECU3は、フィルタ再生促進制御フローを実施する(
図5参照)。次に、ステップST107の処理に進む。
【0055】
ステップST107において、ECU3は、フィルタ再生促進制御が完了したか否かを判定する。具体的にECU3は、フィルタ再生促進制御完了のフラグがあるか否かを判定する。フラグがある場合(ステップST107:YES)、フィルタ再生促進制御が正常に完了したとして、ステップST108の処理に進む。フラグがない場合(ステップST107:NO)、フィルタ再生促進制御の完了前に途中で強制終了したとして、ステップST109の処理に進む。
【0056】
ステップST108において、ECU3は、燃料噴射及び点火の休止を禁止する第1禁止時間を設定し、当該第1禁止時間のカウントを開始する。ECU3は、これ以後、カウントが満了するまで燃料噴射及び点火の休止を禁止する。すなわち、ECU3は、第1禁止時間の間、フィルタ再生促進制御を禁止する。そして、制御は終了する。
【0057】
ステップST109において、ECU3は、第1禁止時間より短い第2禁止時間を設定し、当該第2禁止時間のカウントを開始する。ECU3は、これ以後、カウントが満了するまで燃料噴射及び点火の休止を禁止する。すなわち、ECU3は、第2禁止時間の間、フィルタ再生促進制御を禁止する。そして、制御は終了する。
【0058】
本実施の形態では、特にステップST107において、フィルタ再生促進制御が完了したか否かを判定し、その判定結果に応じて、その後の禁止時間を設定している(ステップST108、109)。正常にフィルタ再生促進制御が完了した場合は、十分にGPF17が昇温されたとして第1禁止時間を設けることにより、再度のフィルタ再生促進制御によってGPF17の過熱を防止することが可能である。
【0059】
一方、制御の途中で条件が外れて強制終了した場合は、GPF17の温度が低下し易い状態にあると推定することができる。このため、第1禁止時間より短い第2禁止時間を設けることで、より早期に再度のフィルタ再生促進制御が可能となり、GPF17の温度低下を抑制することが可能である。
【0060】
次に、フィルタ再生促進判定フローについて説明する。当該判定フローは、
図3のステップST102の処理に対応している。
図4に示すように、判定が開始されると、ステップST201において、ECU3は、エンジン2の運転状況が第3領域A3に属するか否かを判定する。エンジン2の運転状況が第3領域A3に属する場合(ステップST201:YES)、ステップST202の処理に進む。エンジン2の運転状況が第3領域A3に属さない場合(ステップST201:NO)、ステップST203の処理に進む。
【0061】
ステップST202において、ECU3は、フィルタ再生促進制御実施許可のフラグを立てずに当該制御を禁止するとして判定を終了し、
図3のステップST103の処理に進む。
【0062】
ステップST203において、ECU3は、エンジン2の高負荷運転後の冷却時間が経過したか否かを判定する。エンジン2が高負荷運転から低負荷運転に移行した直後、すなわち第3領域A3から第1領域A1又は第2領域A2に移行した直後において、GPF17はまだ比較的高温状態にあると考えられる。このため、所定の冷却時間を設け、GPF17の温度が安定するのを待ってからフィルタ再生促進制御を実施するようにしている。この結果、制御ハンチングやGPF17の過熱を防止することが可能である。なお、ステップST203は、冷却時間に限らず、GPF17の温度に基づいて判定が実施されてもよい。
【0063】
冷却時間が経過していない場合(ステップST203:NO)、ステップST202の処理に進む。冷却時間が経過した場合(ステップST203:YES)、ステップST204の処理に進む。なお、冷却時間は、エンジン2の運転状況に応じて適宜変更が可能である。
【0064】
ステップST204において、ECU3は、所定の禁止時間が経過したか否かを判定する。所定の禁止時間とは、上記した第1禁止時間又は第2禁止時間のことである。所定の禁止時間が経過していない場合(ステップST204:NO)、ステップST202の処理に進む。所定の禁止時間が経過した場合(ステップST204:YES)、ステップST205の処理に進む。
【0065】
ステップST205において、ECU3は、フィルタ再生促進制御実施許可のフラグを立てて判定を終了し、
図3のステップST103の処理に進む。
【0066】
次に、フィルタ再生促進制御フローについて説明する。当該制御フローは、
図3のステップST106の処理に対応している。
図5に示すように、制御が開始されると、ステップST301において、ECU3は、燃料噴射又は点火の休止条件を設定する。
【0067】
ここで、休止条件とは、休止の所定時間間隔や休止回数である。休止の所定時間間隔は、GPF17の温度に基づいて設定することが可能である。例えばECU3は、GPF17の温度が低い程、休止の所定時間間隔を短くすることが可能である。休止の所定時間間隔を短くすることで、早期にGPF17を昇温させることが可能である。GPF17の温度が比較的高い場合は、休止の所定時間間隔を長くすることで、GPF17の昇温を緩慢化させることが可能である。
【0068】
また、休止の所定時間間隔を設定するに際し、GPF17の時間に対する温度上昇率を考慮してもよい。具体的にECU3は、GPF17の温度が目標温度(
図6に示す温度D2)よりも低い所定温度(
図6に示す温度D1)以上であり、且つ時間に対する温度上昇量が所定量以上である場合、休止の所定時間間隔を延長する。休止の所定時間間隔を長くとることで、温度の上昇率を低下させることができ、GPF17の温度上昇の緩慢化をはかることができる。この結果、GPF17の過熱を抑制することが可能である。なお、休止の所定時間間隔の設定例としては、1点火毎、2点火毎等が挙げられ、サイクル単位で設定可能である。
【0069】
また、休止回数は、エンジン回転数及び/又はエンジン負荷に基づいて設定することが可能である。例えば、ECU3は、エンジン回転数及び/又はエンジン負荷が小さい程、燃料噴射又は点火の休止回数を増やす。エンジン回転数及び/又はエンジン負荷が小さい場合は、GPF17の温度が低いと推定できるため、休止回数を増やすことで、好適にGPF17の昇温を促進することが可能である。
【0070】
なお、上記した休止の所定時間間隔及び休止回数の設定は組み合わせて実施が可能である。ドライバビリティに対する影響を考慮して休止条件を設定することにより、適切にGPF17の昇温制御を実施することが可能である。
【0071】
休止条件を設定したら、ステップST302の処理に進む。ステップST302において、ECU3は、車速が一定か否かを判定する。車速が一定である場合(ステップST302:YES)、ステップST303の処理に進む。車速が一定でない場合(ステップST302:NO)、ステップST307の処理に進む。なお、ステップST302では、車速が一定であるか否かを判定する場合に限らず、車速が所定速度以下であるか否かを判定してもよい。
【0072】
ステップST303において、ECU3は、燃料噴射及び/又は点火の休止を実施する。また、ECU3は、スロットルバルブ12の開度を調整する。前記休止に伴って低下し得るトルクを補填するためである。ここで、調整後のスロットルバルブ12の開度は、「通常のスロットル開度」+「休止に伴う補正開度」+「実トルクの変動に伴うフィードバック補正開度」で設定することが可能である。上記したように、休止が実施されることでトルク低下が予想されるため、その低下分を見越してスロットル開度を調整する(増やす)ことにより、吸入空気量を増やすことができる。この結果、休止に伴うトルク変動を極力なくすことが可能である。
【0073】
次にステップST304の処理に進む。ステップST304において、ECU3は、休止回数nをn+1にインクリメントする。そして、ステップST305の処理に進む。
【0074】
ステップST305において、ECU3は、休止回数が所定回数に達したか否かを判定する。休止回数が所定回数に達した場合(ステップST305:YES)、ステップST306の処理に進む。休止回数が所定回数に満たない場合(ステップST305:NO)、ステップST302の処理に戻る。
【0075】
ステップST306において、ECU3は、フィルタ再生促進制御が完了したことを示す制御完了フラグを立てる。そして、ステップST307の処理に進む。
【0076】
ステップST307において、ECU3は、スロットル開度を通常の開度に戻してフィルタ再生促進制御を終了する。そして、
図3のステップST107の処理に進む。
【0077】
次に、
図6を参照して、本実施の形態に係る制御(GPF再生制御)を適用した場合のGPF温度(排気温度)の経時変化について説明する。
図6は、本実施の形態におけるGPF温度(排気温度)の経時変化を示すタイムチャートである。
【0078】
図6に示すように、GPF17の温度が比較的低い温度D0の場合において、所定のタイミングT1でフィルタ再生促進制御が開始されると、GPF17の温度は徐々に上昇する。T1以後、T2のタイミングでGPF17の温度が所定の温度D1に達すると、休止条件が変更される。例えば、休止の所定時間間隔が延長される。これにより、T2以後はGPF17の温度上昇率が低下し、昇温の緩慢化が図られる。その後、T3のタイミングでGPF17の温度が目標温度D2に達する。そして、フィルタ再生促進制御が完了するまでGPF17の温度はD2の状態で維持される。このように、GPF17の過熱が防止されている。その後、T4のタイミングでフィルタ再生促進制御が完了すると、GPF17内のPMが適切に除去される。このとき、所定の禁止時間(第1禁止時間)が設定されるため、T4以後は、GPF17の温度が徐々に低下していく。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態では、エンジン回転数及びエンジン負荷に基づいて規定される制御マップの再生促進領域において、燃料噴射及び/又は点火を所定時間間隔で休止するフィルタ再生促進制御を実施することにより、燃費に影響を与えることなく、GPF17を適切に再生することができる。特に、燃料噴射や点火の休止だけでGPF17の自然再生を促進することができるため、GPF17におけるPMの蓄積量を監視する必要がなく、制御を簡略化することが可能である。
【0080】
なお、上記実施の形態では、ポート噴射式のエンジン2を例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。例えば、直噴式のエンジン2であってもよい。
【0081】
また、上記実施の形態では、ガソリンエンジンを例にして説明したが、これに限定されない。ディーゼルエンジンであっても、本制御を適用可能である。
【0082】
また、上記実施の形態では、DOHCエンジンを例にして説明したが、これに限定されない。エンジン2は、SOHC(Single OverHead Camshaft)エンジンであってもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、再生促進領域Rが2つの領域に分けられる場合について説明したが、これに限定されない。再生促進領域Rは、1つの領域で構成されてもよく、また、3つ以上の領域に分けられてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態では、制御マップにおいて各領域を規定する境界線が曲線で示される場合について説明したが、これに限定されない。当該境界線は適宜変更が可能であり、例えば、直線であってもよい。
【0085】
また、本実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0086】
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。従って、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上説明したように、本発明は、燃費に影響を与えることなく、粒子状物質を捕集する捕集フィルタを適切に再生することができるという効果を有し、特に、排気浄化装置に有用である。
【符号の説明】
【0088】
1 :エンジンの制御システム
2 :エンジン
3 :ECU(制御装置)
10 :吸気管
11 :エアクリーナ
12 :スロットルバルブ
13 :サージタンク
14 :インジェクタ(燃料噴射装置)
15 :排気管
16 :触媒
17 :GPF(捕集フィルタ)
18a :温度センサ
18b :温度センサ
19 :差圧センサ
20 :クランクシャフト
21 :シリンダ
22 :シリンダヘッド
23 :ピストン
24 :コンロッド
25 :燃焼室
26 :スパークプラグ(点火装置)
27a :吸気ポート
27b :排気ポート
28a :吸気バルブ
28b :排気バルブ
29a :吸気カムシャフト
29b :排気カムシャフト
40 :空気量センサ
41 :吸気圧センサ
42 :水温センサ
43 :クランクセンサ
44 :車速センサ
45 :ブレーキペダル
46 :アクセルペダル
A1 :第1領域(再生促進領域)
A2 :第2領域(再生促進領域)
A3 :第3領域(再生促進禁止領域)
D1 :所定温度
D2 :目標温度
R :再生促進領域