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特許7024482パンク修理液収容容器及びパンク修理キット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】パンク修理液収容容器及びパンク修理キット
(51)【国際特許分類】
   B29C 73/02 20060101AFI20220216BHJP
   B60S 5/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
B29C73/02
B60S5/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018025158
(22)【出願日】2018-02-15
(65)【公開番号】P2019137020
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】関口 巧
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3212106(JP,U)
【文献】登録実用新案第3202129(JP,U)
【文献】特開2014-125240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 73/02
B60S 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンク修理液が収容される収容部と該収容部の一端に設けられた開口部とを有する容器本体と、前記開口部に装着されたキャップとからなり、前記キャップが、外部から圧縮空気を導入するための導入路と、前記パンク修理液を外部に排出するための排出路と、前記導入路と前記排出路との間に配設された2系統の流路を切り替える切替バルブと、該切替バルブを操作するための切替ノブとを備えるパンク修理液収容容器において、
該切替ノブを構成する円板状の切替ノブ本体にその厚さ方向に突出したつまみ部が設けられ、該つまみ部の高さが最大となる最大高さ位置が前記切替ノブ本体の中心位置より径方向外側にあり、前記切替ノブ本体が少なくとも1つの凹部又は凸部を有し、前記つまみ部が前記切替ノブ本体の凹部又は凸部に嵌合する凸部又は凹部を有し、前記つまみ部が前記切替ノブ本体に対して取付可能に構成されていることを特徴とするパンク修理液収容容器。
【請求項2】
前記つまみ部の一部又は全部が前記切替ノブ本体の外径よりも径方向外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパンク修理液収容容器。
【請求項3】
パンク修理液が収容される収容部と該収容部の一端に設けられた開口部とを有する容器本体と、前記開口部に装着されたキャップとからなり、前記キャップが、外部から圧縮空気を導入するための導入路と、前記パンク修理液を外部に排出するための排出路と、前記導入路と前記排出路との間に配設された2系統の流路を切り替える切替バルブと、該切替バルブを操作するための切替ノブとを備えるパンク修理液収容容器において、
該切替ノブを構成する円板状の切替ノブ本体にその厚さ方向に突出したつまみ部が設けられ、該つまみ部の高さが最大となる最大高さ位置が前記切替ノブ本体の中心位置より径方向外側にあり、
前記切替ノブ本体に前記つまみ部を収納する収納部が設けられ、この収納部は前記切替ノブ本体の表面に凹部として設けられ、前記つまみ部が軸回りに回転可能に構成された回転機構を有し、この回転機構によって前記つまみ部が回転することにより前記収納部に収納されることを特徴とするパンク修理液収容容器。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のパンク修理液が収容される容器と、該容器に接続されてパンク修理液をタイヤ内に導入するホースと、該ホースを通じて前記容器内のパンク修理液を圧送するための圧縮空気を供給するコンプレッサとを備えることを特徴とするパンク修理キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンク修理液収容容器及びパンク修理キットに関し、更に詳しくは、切替ノブの形状を工夫して、パンク修理作業時に容易に切替ノブを回転することを可能にしたパンク修理液収容容器及びパンク修理キットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に装着されたタイヤがパンクした際に、タイヤバルブを介してタイヤ内にパンク修理液を注入することにより、パンクを応急的に修理することが行われている。このような応急的な修理を可能にする装置としては、例えば、パンク修理キットが用いられる。パンク修理キットを用いた場合、車両にスペアタイヤを搭載する必要が無くなり、省資源化や車両の軽量化が可能になる。また、車両のスペアタイヤ搭載スペースを別の目的に活用できるという利点もある。
【0003】
パンク修理キットとしては、例えば、パンク修理液収容容器内に収容されたパンク修理液をエアーコンプレッサー等から供給される圧縮空気によってタイヤ内に注入する所謂圧送式のパンク修理キットが提案されている(例えば、特許文献1)。このような圧送式のパンク修理キットに用いられるパンク修理液収容容器は、パンク修理液が収容される収容部とこの収容部の一端に設けられた開口部とを有する容器本体と、この容器本体の開口部に装着されたキャップとで構成される。そして、キャップには、外部から圧縮空気を導入するための導入路と、パンク修理液を外部に排出するための排出路とが設けられている。また、キャップには、導入路と排出路との間に圧縮空気のみを通過させるための流路と、圧縮空気と共にパンク修理液を送り出すための流路とが配設され、これら2系統の流路を切り替える切替バルブを設けることがある。このようなパンク修理液収容容器の場合、切替バルブの気密性を高くすると、その切替バルブを操作するための切替ノブを回転させることが難しくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-177389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、切替ノブの形状を工夫して、パンク修理作業時に容易に切替ノブを回転することを可能にしたパンク修理液収容容器及びパンク修理キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためのパンク修理液収容容器は、パンク修理液が収容される収容部と該収容部の一端に設けられた開口部とを有する容器本体と、前記開口部に装着されたキャップとからなり、前記キャップが、外部から圧縮空気を導入するための導入路と、前記パンク修理液を外部に排出するための排出路と、前記導入路と前記排出路との間に配設された2系統の流路を切り替える切替バルブと、該切替バルブを操作するための切替ノブとを備えるパンク修理液収容容器において、該切替ノブを構成する円板状の切替ノブ本体にその厚さ方向に突出したつまみ部が設けられ、該つまみ部の高さが最大となる最大高さ位置が前記切替ノブ本体の中心位置より径方向外側にあり、前記切替ノブ本体が少なくとも1つの凹部又は凸部を有し、前記つまみ部が前記切替ノブ本体の凹部又は凸部に嵌合する凸部又は凹部を有し、前記つまみ部が前記切替ノブ本体に対して取付可能に構成されていることを特徴とすることを特徴とするものである。
また、本発明のパンク修理液収容容器は、パンク修理液が収容される収容部と該収容部の一端に設けられた開口部とを有する容器本体と、前記開口部に装着されたキャップとからなり、前記キャップが、外部から圧縮空気を導入するための導入路と、前記パンク修理液を外部に排出するための排出路と、前記導入路と前記排出路との間に配設された2系統の流路を切り替える切替バルブと、該切替バルブを操作するための切替ノブとを備えるパンク修理液収容容器において、該切替ノブを構成する円板状の切替ノブ本体にその厚さ方向に突出したつまみ部が設けられ、該つまみ部の高さが最大となる最大高さ位置が前記切替ノブ本体の中心位置より径方向外側にあり、前記切替ノブ本体に前記つまみ部を収納する収納部が設けられ、この収納部は前記切替ノブ本体の表面に凹部として設けられ、前記つまみ部が軸回りに回転可能に構成された回転機構を有し、この回転機構によって前記つまみ部が回転することにより前記収納部に収納されることを特徴とすることを特徴とするものである。
【0007】
上記目的を達成するためのパンク修理キットは、上述したパンク修理液が収容される容器と、該容器に接続されてパンク修理液をタイヤ内に導入するホースと、該ホースを通じて前記容器内のパンク修理液を圧送するための圧縮空気を供給するコンプレッサとを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、切替ノブを構成する切替ノブ本体にその厚さ方向に突出したつまみ部が設けられているので、パンク修理作業時に切替ノブを操作する際、切替ノブに設けられたつまみ部を把持して切替ノブを簡単に回転させることができる。ここで、つまみ部の最大高さ位置が切替ノブ本体の中心位置にある場合又はつまみ部の高さが一定である場合、つまみ部を把持して切替ノブを回転させるには不利な構造である。そのため、つまみ部の最大高さ位置が切替ノブ本体の中心位置より径方向外側になるようにつまみ部を設けることで、つまみ部を回転させる力が切替ノブに伝わり易くなり、容易に切替ノブを回転させることできる。
【0009】
本発明では、つまみ部の一部又は全部は切替ノブ本体の外径よりも径方向外側に配置されていることが好ましい。通常、切替ノブ全体を大きくすると切替ノブを把持し易くなり、切替ノブを回転させるには有利であるが、切替ノブ全体を大きくすると収納性やコスト性が悪化する傾向がある。そのため、上述のようにつまみ部を構成することにより、収納性やコスト性の悪化を抑制しながら、つまみ部を回転させる力を切替ノブに効果的に伝達することができ、より簡単に切替ノブを回転させることができる。
【0010】
本発明では、切替ノブ本体は少なくとも1つの凹部又は凸部を有し、そのつまみ部が切替ノブ本体の凹部又は凸部に嵌合する凸部又は凹部を有することが好ましい。これにより、必要に応じてつまみ部を取付可能な構造にすることができる。また、保管中に意図せずに切替ノブが回転することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器の一例を示す斜視図である。
図2図1のパンク修理液収容容器の断面図である。
図3図1のパンク修理液収容容器の第一の流路が開放された状態の一例を示すキャップ近傍の拡大図である。
図4図1のパンク修理液収容容器の第二の流路が開放された状態の一例を示すキャップ近傍の拡大図である。
図5図1のパンク修理液収容容器の切替ノブを示す平面図である。
図6】(a),(b)は本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器の切替ノブの変形例を示すものであり、各変形例は側面図である。
図7】本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器の切替ノブの他の変形例を示すものであり、上図は切替ノブの平面図であり、下図は切替ノブの径方向に切り欠いた断面図である。
図8】本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器の切替ノブの他の変形例を示すものであり、上図は切替ノブの平面図であり、下図は切替ノブの径方向に切り欠いた断面図である。
図9】本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器の切替ノブの他の変形例を示す断面図である。
図10】(a),(b)は本発明の実施形態からなるパンク修理キットの一例を示すものであり、(a)は平面図であり、(b)はパンク修理キットを延在方向に切り欠いた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1~4は本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器を示すものである。図5は本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器の切替ノブを示すものである。
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明のパンク修理液収容容器1(以下、「容器1」という。)は容器本体10とキャップ20から構成される。図1,2では、容器1を高圧空気圧送装置と接続するためのホースと、容器1をタイヤと接続するためのホースとは本発明では特に限定されないため、詳細な説明は省略する。
【0014】
容器本体10は、図1及び図2に示すように、例えばゴムラテックスを含むパンク修理液Lを収容する円筒状の収容部11と、容器本体10を正立したときに収容部11の上部側に位置し、使用時にパンク修理液Lが吐出される円筒状の開口部12とを有する。容器1を正立したとき、収容部11の底面は、開口部12の反対側に位置する。この実施形態では、開口部12の外周面にねじ切りが施され、後述するキャップ20側のねじと螺合するようになっている。収容部11及び開口部12は、例えばポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂から一体的に構成される。開口部12は、キャップ20が取り付けられる前には、例えば、不図示のフィルムにより密封して、パンク修理液Lの劣化や開口部12からの漏出を防止するようにしても良い。
【0015】
キャップ20は、キャップ本体21と装着部22と切替バルブ23と切替ノブ24から構成される。略円筒状のキャップ本体21には、容器1外から圧縮空気を導入するための導入路30と、容器1内のパンク修理液Lを排出するための排出路40が設けられている。装着部22は、キャップ本体21と同じ外径の略円筒状の形状を有し、その内周面に開口部12側のネジと螺合するねじ切りが施されている。
【0016】
導入路30は、キャップ本体21内を容器1の軸に対して直交する方向に延びる流路である。導入路30は、容器1外に開口する開口端30aと、キャップ20(キャップ本体21)内に開口する開口端30bとを有する。導入路30の開口端30aは、キャップ本体21から突き出しており、容器1を圧送装置と接続するためのホースを連結可能に構成されている。
【0017】
排出路40は、キャップ本体21内を容器1の軸に対して直交する方向に延びる流路である。排出路40は、容器1外に開口する開口端40aと、キャップ20(キャップ本体21)内に開口する開口端40bとを有する。排出路40の開口端40aは、キャップ本体21から突き出しており、容器1をタイヤと接続するためのホースと連結可能に構成されている。
【0018】
切替バルブ23は、導入路30と排出路40との間に配設された2系統の流路を切り替えるための弁である。切替バルブ23は、円柱状のバルブ本体23aと、密閉性を担持する円筒状の密閉体23bとを有する。バルブ本体23aの外周面には密閉体23bが嵌合するように円環状の溝が設けられ、この溝に密閉体23bが嵌め込まれて切替バルブ23が構成される。密閉体23bの材料としてはゴムが例示される。これらバルブ本体23a及び密閉体23bには、それぞれ第一の流路50及び第二の流路60が設けられている。これら第一の流路50及び第二の流路60は、いずれもバルブ本体23a及び密閉体23b内を貫通する。
【0019】
第一の流路50は、導入路30と排出路40との間で圧縮空気と共にパンク修理液Lを送り出すための流路である。第一の流路50は、図3に示すように、容器1の軸に対して直交する方向に延びる直進部51,53と、この直進部51,53の一方の端部から容器1の軸方向に延びる分岐部52,54から構成されている。直進部51,53の他方の端部は、それぞれ導入路30の開口端30bと排出路40の開口端40bに連結可能に構成されている。分岐部54は、容器本体10の内部に向かって延在し、容器本体10(収容部11)の底面近傍まで達している。パンク修理作業時には、この分岐部54を通じてパンク修理液Lを排出路40に送られる。また、分岐部54を容器本体10の底面近傍まで延在させる替わりに、容器本体10の内部に向かって延びるチューブを装着して構成しても良い。この場合、チューブの材質は特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、軟質ポリエチレンが例示される。
【0020】
第二の流路60は、導入路30と排出路40との間で圧縮空気のみを通過させるための流路である。第二の流路60は、図4に示すように、バルブ本体23a及び密閉体23b内を容器1の軸に対して直交する方向に延びる流路である。第二の流路60は、一方の端部が導入路30の開口端30bに連結可能に構成され、他方の端部が排出路40の開口端40bに連結可能に構成されている。
【0021】
切替ノブ24は、切替バルブ23を操作するための把持部材である。切替ノブ24は、円板状の切替ノブ本体25とつまみ部26から構成されている。つまみ部26は、容器本体10を正立したときに上方側に突き出している。つまみ部26において、図5に示すように、切替ノブ本体25の中心位置をP1とし、つまみ部26の高さh(図2参照)が最大となる最大高さ位置をP2とする。このとき、つまみ部26の最大高さ位置P2は切替ノブ本体25の中心位置P1より径方向外側にある。即ち、切替ノブ本体25の中心位置P1におけるつまみ部26の高さhは最大高さよりも低くなっている。特に、最大高さ位置P2は、中心位置P1を基点に切替ノブ本体25の外径Rの25%の位置よりも径方向外側にあると良い。つまみ部26の高さhは、つまみ部26を把持し易くするために、10mm~15mmの範囲に設定することが好ましい。なお、つまみ部26の高さhは、切替ノブ本体25の上端面からつまみ部26の上端部までの高さである。
【0022】
上記容器1を用いてパンク修理作業を行う場合、切替ノブ24に設けられたつまみ部26を操作することにより、切替バルブ23を回転させ、第一の流路50と第二の流路60とを互いに切り替えることができる。即ち、第一の流路50が開放された状態(図3の状態)と第二の流路60が開放された状態(図4の状態)とが切り替わるようになっている。容器1の保管時には、第二の流路60が開放された状態で保管されているため、パンク修理の作業を行う際には、つまみ部26を操作して第一の流路50が開放された状態にすることで、圧縮空気と共にパンク修理液Lを排出路40に送り出すことが可能になる。
【0023】
上述したパンク修理液収容容器では、切替ノブ24を構成する切替ノブ本体25にその厚さ方向に突出したつまみ部26が設けられているので、パンク修理作業時に切替ノブ24を操作する際、切替ノブ24に設けられたつまみ部26を把持して切替ノブ24を簡単に回転させることができる。ここで、つまみ部26の最大高さ位置P2が切替ノブ本体25の中心位置P1にある場合又はつまみ部26の高さhが一定である場合、つまみ部26を把持して切替ノブ24を回転させるには不利な構造である。そのため、つまみ部26の最大高さ位置P2が切替ノブ本体25の中心位置P1より径方向外側になるようにつまみ部26を設けることで、つまみ部26を回転させる力が切替ノブ24に伝わり易くなり、容易に切替ノブ24を回転させることできる。
【0024】
上述した図1~5の実施形態では、つまみ部26は、その断面視においてつまみ部26の中央部が凹んだ略M字形状を有する例を示したが、つまみ部26の形状は特に限定されるものではなく、図1~5に示す形状の他に、図6(a)に示すように三角形状を有する一対のつまみ部26や、図6(b)に示すように先端部が半円形状を有する一対のつまみ部26を採用することができる。
【0025】
図7は本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器の切替ノブの他の変形例を示すものである。図7に示すように、一対のつまみ部26は、それぞれが部分的に切替ノブ本体25の外径よりも径方向外側に配置されている。即ち、つまみ部26の一部は、切替ノブ本体25の径方向外側に突き出している。このようにつまみ部26を構成することで、収納性やコスト性の悪化を抑制しながら、つまみ部26を回転させる力を切替ノブ24に効果的に伝達することができ、より簡単に切替ノブ24を回転させることができる。また、一対のつまみ部26は、切替ノブ本体25の中心を基準として互いに点対称の位置に配置されていると良い。
【0026】
図8は本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器の切替ノブの他の変形例を示すものである。図8に示すように、切替ノブ本体25には一対のつまみ部26を収納するための一対の収納部27が設けられている。これら収納部27は切替ノブ本体25の表面に凹部として設けられ、つまみ部26は軸回りに回転可能に構成された回転機構28を備えている。つまみ部26は切替ノブ本体25に対して収納自在に構成されている。なお、図8において、一対のつまみ部26は、収納部27に収納した状態とパンク修理作業時に使用可能な状態のそれぞれを示している。
【0027】
図9は本発明の実施形態からなるパンク修理液収容容器の切替ノブの他の変形例を示すものである。図9に示すように、切替ノブ本体25の表面には1つの凹部又は凸部25a(図9では凹部)が設けられている一方で、つまみ部26には切替ノブ本体25の凹部又は凸部25aに嵌合する凸部又は凹部26a(図9では凸部)が設けられている。つまみ部26は、容器本体10を正立したときに上方に突き出した2つの先端部を有し、その先端部はそれぞれ半円形状を有している。上述のように切替ノブ本体25及びつまみ部26を構成することで、必要に応じてつまみ部26を取付可能な構造にすることができると共に、保管中に意図せずに切替ノブ24が回転することを防止することができる。
【0028】
また、図9の実施形態では、切替ノブ本体25に凹部を形成し、つまみ部26に凸部を形成した例を示したが、これに限定されるものではなく、切替ノブ本体25に凸部を設けると共に、つまみ部26に切替ノブ本体25の凸部に嵌合する凹部を設けても良い。なお、切替ノブ本体25に設けた凹部又は凸部25aの個数及び形状は特に限定されるものではなく、任意の個数及び形状を採用することができる。
【0029】
図10(a),(b)は本発明の実施形態からなるパンク修理キットの一例を示すものである。図10(a),(b)に示すように、パンク修理キット2は、排出路40を介して容器1に接続されてパンク修理液Lをタイヤ内に導入するホース3と、このホース3を通じてパンク修理液Lを圧送するための圧縮空気を供給するコンプレッサ4とを備えている。コンプレッサ4は筐体5の内部に一体的に内蔵されている。筐体5の上部にはコンプレッサ4の圧力計4aとスイッチ4bが配設され、筐体5の側面にはコンプレッサ4に接続して電力を供給する電源用ケーブル4cが配設されている。また、筐体5には容器1を収納するためのボトル収納部5aと、容器1を覆う蓋部5bが形成されている。蓋部5bは筐体5に対して揺動自在に取り付けられており、切替ノブ24に対応する位置に貫通孔5cを有している。また、容器1はボトル収納部5aに収納された状態において導入路30を介してコンプレッサ4に接続される。
【0030】
この実施形態では、容器1をボトル収納部5aに収容すると蓋部5bの貫通孔5cからつまみ部26が突出した状態となるため、パンク修理作業時にはつまみ部26を操作して切替バルブ23を回転させることができる。パンク修理キット2をコンパクトな構成とするにあたって、つまみ部26を可及的に小さくすることが求められるが、つまみ部26の構造を工夫することにより、切替バルブ23の操作を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
1 パンク修理液収容容器
10 容器本体
11 収容部
12 開口部
20 キャップ
21 キャップ本体
22 装着部
23 切替バルブ
24 切替ノブ
25 切替ノブ本体
26 つまみ部
30 導入路
40 排出路
50 第一の流路
60 第二の流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10