(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20220216BHJP
A61J 15/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A61M39/10 100
A61M39/10 110
A61J15/00 A
(21)【出願番号】P 2018025983
(22)【出願日】2018-02-16
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 辰也
(72)【発明者】
【氏名】森田 友恵
(72)【発明者】
【氏名】山口 健志
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-043840(JP,A)
【文献】特表2013-529478(JP,A)
【文献】特開2013-180049(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0158925(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
A61J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オスコネクタの管状凸部を受け入れる管状の接続部と、
前記接続部に装着され、前記オスコネクタとの接続をロックするロック部とを備え、
前記ロック部は、前記接続部に装着される胴部と、前記胴部を挟んで互いに反対側に設けられた一対のハンドル部とを有し、
前記ハンドル部は、軸方向に延びる板状部と、前記板状部の軸方向中央部に設けられ、前記板状部を前記胴部と連結する連結部と、前記板状部の基端側に設けられ、前記オスコネクタ
に設けられた被係合部と係合し、前記オスコネクタが前記接続部から分離することを防止する係合部と
、前記板状部の基端から離間した位置において、板状部の主面を貫通して設けられ、前記係合部と前記被係合部との係合を視認可能な窓部とを有し、
前記係合部は、
前記窓部よりも基端側に設けられ、前記被係合部の基端面と当接する先端面を有する、ロック付コネクタ。
【請求項2】
前記
係合部の基端面は、外側よりも内側が先端側に位置する傾斜面である、請求項1に記載のロック付コネクタ。
【請求項3】
前記係合部は、
前記窓部の基端側に設けられた基端部と、前記基端部の両側方に設けられ、内側に突出した一対の係合爪
とを有し、
前記係合爪は、基端面が傾斜面である、請求項1又は2に記載のロック付コネクタ。
【請求項4】
前記係合部は、それぞれの前記係合爪と前記基端部との間に設けられた境界部を有し、
前記境界部は、前記板状部の中央部に向かって互いの間隔が狭くなるように傾斜した傾斜面である、請求項3に記載のロック付コネクタ。
【請求項5】
前記ロック部は、前記板状部の前記連結部よりも先端側に設けられ、内側方向へ突出した可動範囲制限部を有している、請求項1~4のいずれか1項に記載のロック付コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関し、特に経管栄養療法等に用いることができるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
経管栄養療法は、経管栄養剤の容器(パウチ)にチューブを接続して栄養剤を患者の体内に注入する。通常は、パウチにオスコネクタが設けられており、チューブに設けられたメスコネクタを接続する。
【0003】
経管栄養療法の場合、メスコネクタはゴム等の弾性体により形成することが一般的である。弾性体のメスコネクタに、オスコネクタを挿入すると、メスコネクタがある程度弾性変形するため、容易には抜けない程度の接続強度を得ることができる。また、オスコネクタの形状の差異をある程度吸収することができるので、種々のパウチに接続することができる。
【0004】
しかし、患者がチューブを引っ張った場合など、オスコネクタとメスコネクタとの接続部に予期しない大きな力が加わると、オスコネクタとメスコネクタとの接続が不用意に解除されて、栄養剤が流出する等の不具合を生じるおそれがある。このため、爪状部等によりオスコネクタとメスコネクタとの接続をロックするロック手段を有するロック付きコネクタが検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のロック手段を有するメスコネクタの場合、ロックされているかどうかがわかりにくいという問題がある。経管栄養用のコネクタの場合、ロックされていなくても、メスコネクタの弾性力だけである程度の強度で接続されるため、ロックされているかを判別し難い。また、パウチのメーカーによりオスコネクタの形状が微妙に異なっており、爪状部が係合する位置が変化するため、爪状部の位置や角度等によりロックされているかどうかを判断し難い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の経腸栄養用のロック付コネクタの一態様は、オスコネクタの管状凸部を受け入れる管状の接続部と、接続部に装着され、オスコネクタとの接続をロックするロック部とを備え、ロック部は、接続部に装着される胴部と、胴部を挟んで互いに反対側に設けられた一対のハンドル部とを有し、ハンドル部は、軸方向に延びる板状部と、板状部の軸方向中央部に設けられ、板状部を胴部と連結する連結部と、板状部の基端側に設けられ、オスコネクタの一部と係合し、前記オスコネクタが前記接続部から分離することを防止する係合部とを有し、係合部は、板状部の基端から離間した位置において、板状部の主面を貫通して設けられた窓部と、窓部の基端側に設けられた基端部とを有する。
【0008】
ロック付コネクタの一態様によれば、係合部が窓部を有しており、窓部はロック部がオスコネクタと係合したかどうかを外部から目視可能に標示する。係合部がオスコネクタの一部に係合すると、窓部からオスコネクタの一部を目視することができる。これにより、ロック部がオスコネクタと係合したかどうかを目視により容易に判断できる。
【0009】
ロック付コネクタの一態様において、基端部の基端面は、外側よりも内側が先端側に位置する傾斜面とすることができる。このようにすることにより、オスコネクタの一部が板状部端面に当接した際に、板状部が自然と外側に押し拡げられるようになる。従って、使用者は、窓部と窓部に差し込まれるオスコネクタの一部とがメスコネクタの軸方向に一致するように位置合わせした状態でロック部とオスコネクタの一部とを近づけるだけでよく、窓部にオスコネクタの一部を差し込みやすくできる。
【0010】
ロック付コネクタの一態様において、係合部は、基端部の両側方に設けられ、内側に突出した一対の係合爪を有し、係合爪は、基端面を傾斜面とすることができる。このようにすることで、強固な固定と操作性の向上とを両立させることができる。
【0011】
ロック付コネクタの一態様において、係合部は、それぞれの係合爪と基端部との間に設けられた境界部を有し、境界部は板状部の中央部に向かって互いの間隔が狭くなるように傾斜した傾斜面とすることができる。このような構成とすることにより、オスコネクタの一部を一対の境界部内に入れやすく、且つ、オスコネクタの一部を所定の位置にガイドすることができる。
【0012】
ロック付コネクタの一態様において、ロック部は、板状部の接続部よりも先端側に設けられ、内側方向へ突出した可動範囲制限部を有していてもよい。このような構成とすることすることにより、接続部が所定の角度を超えて曲げられて、ハンドル部が元に戻らなくなることを生じにくくすることができる。なお、本開示のロック付コネクタは窓部を有さない構成とすることもでき、その場合においても種々の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0013】
本開示のロック付コネクタによれば、ロックされているかどうかを目視により容易に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態に係るロック付コネクタのロック部を示す斜視図である。
【
図2】
図1のロック部を拡大して示す側面図である。
【
図3】
図1のロック部を拡大して示す上面図である。
【
図4】一実施形態に係るロック付きコネクタにオスコネクタを接続した状態の一例を示す断面図である。
【
図5】一実施形態に係るロック付きコネクタにオスコネクタを接続した状態の一例を示す断面図である。
【
図7】
図1のロック部の押圧部を押圧した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示において基端側とはパウチ側を意味し、先端側とは患者側を意味する。例えば、
図1は、基端側が上側、先端側が下側となるようにして記載している。また、基端側と先端側とを結ぶ方向を高さ方向という。
【0016】
図1~
図5に示すように、本実施形態のロック部101は、経管栄養剤の容器(パウチ)等に設けられたオスコネクタ200A、200B等と接続されるロック付きメスコネクタの一部であり、オスコネクタ200A、200Bの管状凸部221を受け入れる接続部102に外嵌させて、接続部102に装着する。
【0017】
ロック部101は、接続部102に外嵌する筒状の胴部111と、胴部111を挟んで互いに反対側に設けられた一対のハンドル部112とを有している。ハンドル部112は、胴部111の側面と間隔をおいて配置された板状部121と、板状部121の高さ方向の中央部に設けられ、板状部121を胴部111と連結する連結部122と、板状部121の基端側に設けられ、オスコネクタの一部と解除可能に係合する係合部123とを有している。
【0018】
係合部123は、板状部121の基端から離間した位置において、板状部121の主面を貫通して設けられた開口部である窓部152と、窓部152よりも基端側に設けられた基端部156と、基端部156の幅方向の両側方にそれぞれ設けられ、胴部111側(内側)に突出する一対の係合爪157とを有している。
【0019】
基端部156の基端面の少なくとも一部は、外側よりも内側が先端側に位置する傾斜面である。このような傾斜面とすることにより、管状凸部221を接続部102挿入してオスコネクタ200Aのフック状部211や、オスコネクタ200Bの鍔状部212が基端部156の基端面に当接すると、板状部121は自然と外側に押し拡げられる。これにより、フック状部211や鍔状部212は、基端部156を容易に乗り越えて窓部152側に容易に移動する。フック状部211や鍔状部212は窓部152内に位置すると同時に板状部の窓部152周辺部に当たり、ロック音が生じる。使用者は、目視又はロック音により、ハンドル部とオスコネクタの正確な位置決めが完了したことを判別できる。
【0020】
図4及び
図5に示すように、オスコネクタ200Aのフック状部211や、オスコネクタ200Bの鍔状部212の端部は、窓部152に挿入され、係合部123と係合する。このように、本実施形態のロック付コネクタは、ハンドル部112を手で操作しなくてもロックすることができる。
【0021】
オスコネクタ200Aのフック状部211が窓部152に挿入されると、窓部152により挿入を視認することができる。また、オスコネクタ200Bの鍔状部212のように窓部152に完全に挿入されない部材であっても、窓部152の位置にその部材が位置していることを視認することができる。このため、係合部123がオスコネクタ200A、200Bと係合しているかどうかを目視により容易に判断できる。なお、オスコネクタの窓部から見える部分の色や形状等で係合しているかどうかを目視により判別できるようにしてもよく、窓部152は係合部123がオスコネクタ200A、200Bと係合しているかどうかの標示機能として機能する。
【0022】
内側に突出した係合爪157の先端面は、例えばオスコネクタ200Bの鍔状部212の基端側の面と当接する。このため、窓部152に深く挿入される部分が無いオスコネクタ200B等においても、簡単に引っ張っただけでは接続が解除されないようにロックすることができる。
【0023】
図3に拡大して示すように、係合部123を基端側から見た場合に長手方向の両端部、つまり板状部121の幅方向両側端に当たる部分にそれぞれ係合爪157が設けられ、その間に基端部156が設けられている。係合爪157は、基端部156よりも内側に突出している。また、
図2に拡大して示すように、窓部152は一対の係合爪157の間に設けられている。
【0024】
基端部156の内側への突出量が小さいため、
図4に示すフック状部211のような形状の部材は、基端側から基端部156に当接させることにより係合部123を外側に開かせて、窓部152と係合させることが容易となる。また、
図5に示す鍔状部212のような形状の部材は、係合爪157により接触面積が大きくなるため係合強度を大きくできる。さらに、基端部156の内側への突出を小さくすることにより、係合部123を大きく外側に開かなくてもロックの解除が可能になるという利点も得られる。
【0025】
図3に拡大して示すように、各係合部157の基端部156との境界部159は、それぞれ基端部156側に向かって広がるように傾斜した(板状部211の中央部に向かって互いの間隔が狭くなるように傾斜した)傾斜面とすることができる。このような境界部159を設けることにより、窓部152に挿入されるオスコネクタの一部は境界部159により窓部152に挿入されやすい位置にガイドされるので、ロック操作が容易となる。
【0026】
また、基端部156は、係合爪157よりも外側に拡がっている形状とすることができる。基端部156を外側に拡げることにより、オスコネクタ200A、200Bの窓部152に挿入される部分が、基端部156よりも外側にはみ出さないようにすることができる。これにより、フック状部211又は鍔状部212等の部分が、基端部156を外側に容易に押し拡げることができる。また、基端部156の強度を確保することも可能となる。
【0027】
本実施形態において、係合爪157が、板状部121よりも側方に突出している例を示した。このようにすることにより、係合爪157の先端面と鍔状部212の基端側の面等との接触面積を大きくして、係合強度を向上さえることができる。しかし、係合爪157は、板状部121よりも側方に突出していなくてもよい。
【0028】
本実施形態において、係合部123の両側端部に係合爪157をそれぞれ設けた例を示したが、係合爪157は、必要に応じて設ければよく、設けなくてもよい。係合爪157を設けた場合においても、基端部156との境界部159を傾斜面としなくてもよい。また、基端部156を外側に拡げなくてもよい。
【0029】
窓部152の基端面は基端部156の基端面に形成されている傾斜面より角度が小さい面とされており、本実施形態においては傾斜が無い平坦面となっている。このように窓部152の基端面が平坦面であると、窓部152に挿入されるオスコネクタの一部と窓部152の基端面とが面接触するようになるためロックが外れにくくなできる。また、本実施形態において、係合爪157の先端面は平坦面となっている。このため、鍔状部212の幅が係合爪157の幅よりも広い場合においても、係合爪157を鍔状部212と容易に係合させることができる。
【0030】
図6に示すように、ハンドル部112に、板状部121の連結部122よりも先端側に設けられ、内側方向へ突出した可動範囲制限部113を設けることができる。
図7に示すように、板状部121の先端側を内側に押圧すると、可動範囲制限部113が胴部111に当接するため、板状部121の移動が制限される。可動範囲制限部113を設けることにより、板状部121の先端側を内側に押圧した際に、連結部122が曲がり、連結部122に過剰な負荷がかかり、連結部が白化、変色、損傷、元に戻らなくなるといった事態を防止することができる。可動範囲制限部113は、板状部121の可動範囲を制限できればどのような構成としてもよく、例えば、板状部121から内側に突出する可撓片であってもよい。また、ハンドル部112側ではなく、胴部111側に設けることもでき、その場合は可動制限部は胴部からハンドル側に延びる。なお、可動範囲制限部113を連結部からハンドル先端側に向かって延びるリブ状とすることで、連結部の強度を向上させ、白化等の現象を生じにくくすることができる。また、可動範囲制限部113は、
図7に示すようにハンドル部112の板状部121の基端側が最も開いた際に、各板状部の仮想延長線によって形成される交叉角度が25度以下となるようにすることが好ましい。このような構成とすることにより連結部122の弾性力が低下し、板状部121の先端側を内側に押圧した状態から板状部121の先端側を内側に押圧される前の状態に戻らなくなってしまう事態を低減することができる。本実施形態においては、
図7の状態における各板状部の交叉角度は20度に設定されている。
【0031】
本実施形態において板状部121は、押圧部となる連結部122よりも先端側の部分を、先端側において外側に拡がった形状とし、さらに先端に大きく外側に曲がった湾曲部126を設けている。このような形状とすることにより、押圧部に指がかかりやすくなり、操作が容易となる。但し、板状部121は連結部122を支点とする開閉の操作ができれば、どのような構成としてもよい。
【0032】
本実施形態において連結部122は、胴部111と板状部121とを連結する可撓性の板状の部材とした。しかし、板状部121の押圧部を押圧することにより、係合部123を外側に拡げることができればどのような構成としてもよい。
【0033】
本実施形態においては、胴部111のハンドル部112が設けられていない部分に、胴部111よりも基端側に突出したガード部115を設けている。ガード部115は、オスコネクタ200Aのフック状部211や、オスコネクタ200Bの鍔状部212と干渉するため、ロックがかからない方向にオスコネクタを挿入するような誤操作を生じにくくすることができる。また、本実施形態においては、フック状部211又は鍔状部212が係合部123と係合した状態で、メスコネクタ全体を左右いずれかにひねり、無理矢理係合を解除させた場合に、フック状部211又は鍔状部212がガード部115の傾斜側面に当接し、オスコネクタとメスコネクタが分離する方向にガイドする。左右のひねり方向の力は自然と軸方向の力に変換され、オスコネクタとメスコネクタとの分離を補助する。なお、ガード部115の幅及び胴部111からの突出高さ等は、接続するオスコネクタの形状に合わせて設計することができる。また、ガード部115は必要に応じて設ければよく、設けなくてもよい。
【0034】
本実施形態において、胴部111のハンドル部112が設けられていない部分に、平板状の把持部116を設けている。把持部116を設けることにより、コネクタを接続する際にハンドル部112を掴んで大きな力を加え、ハンドル部112を壊してしまうような誤操作を生じにくくすることができる。把持部116は、指で把持しやすいように、上下両端部が膨れ、中央部が凹んだ形状とすることができる。また、コネクタの操作方向がわかるような表示をこの部分に設けることができる。
【0035】
ロック部101は、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、及びポリカーボネート等の比較的硬質の樹脂により形成することができる。また、強度の観点から胴部111及びハンドル部112を含めて全体を一体成形することが好ましい。
【0036】
接続部102は、ロック部101に内嵌し、オスコネクタ200A、200Bの管状凸部221が管状凹部に挿入されて接続できればよい。接続部102は、先端側に向かって次第に小径となる雌ルアーテーパを有する管状とすることができる。接続部102の先端側には、チューブを接続することができる。接続部102とチューブとは、融着又は接着等により接続することができるし、一体成形することもできる。接続部102とロック部101とは、接合又は突起による係止等によって、径方向に相対回転しないようにすることが好ましい。接続部102の基端部には、外周側に広がるフランジ部を設けることができる。また、接続部102の先端側にもフランジや突起を設けることができる。このようにすれば、接続部102をロック部101から脱落しにくくすることができる。なお、接続部102の先端側にフランジや突起を設けず、ロック部101がメスコネクタに対して軸方向に移動可能としてもよい。
【0037】
接続部102の形成材料は特に限定されないが、ロック部101及びオスコネクタ200A、200Bと比べて軟質の弾性材料が望ましく、例えば、天然ゴムや合成ゴムの他、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びエチレン-酢酸ビニル共重合体等を用いることができる。
【0038】
本実施形態のロック付コネクタを接続するオスコネクタは、経管栄養用のパウチ等に設けられるオスコネクタであれば特に限定されない。例えば、
図4に示すような、パウチに取り付けられる固着部201から、フック状部211が先端側に突出しているオスコネクタ200Aと接続することができる。
図4において、フック状部211は管状凸部221を挟んで互いに反対側に一対設けられている。また、
図5に示すような、固着部202と間隔をおいて、管状凸部221を囲むように鍔状部212が設けられているオスコネクタ200Bと接続することもできる。
図5において、鍔状部212は長手方向と短手方向とを有する楕円形状又は長円形状等であり、鍔状部212の長手方向を2つのハンドル部112を結ぶ方向と一致させている。このようなオスコネクタに限らず、種々のオスコネクタと接続することができる。
【0039】
オスコネクタの材質は特に限定されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレンテレフタレート等の比較的硬質の樹脂により形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本開示の、ロック付コネクタは、ロックされているかどうかを目視により容易に判断することができ、経管栄養等に用いるコネクタとして有用である。
【符号の説明】
【0041】
101 ロック部
102 接続部
111 胴部
112 ハンドル部
113 可動範囲制限部
115 ガード部
116 把持部
121 板状部
122 連結部
123 係合部
126 湾曲部
152 窓部
156 基端部
157 係合爪
159 境界部
200A オスコネクタ
200B オスコネクタ
201 固着部
202 固着部
211 フック状部
212 鍔状部
221 管状凸部