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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】パイプインパイプ用運搬台車
(51)【国際特許分類】
   F16L 1/00 20060101AFI20220216BHJP
   F16L 55/18 20060101ALI20220216BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20220216BHJP
   B62B 3/04 20060101ALI20220216BHJP
   B62B 3/10 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
F16L1/00 H
F16L55/18 B
F16L1/00 V
B62B3/00 D
B62B3/04 B
B62B3/10 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018075056
(22)【出願日】2018-04-09
(65)【公開番号】P2019183952
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】特許業務法人MTS国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭
(74)【代理人】
【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑
(74)【代理人】
【識別番号】100144299
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100150223
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 修三
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】岩井 博
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-024819(JP,A)
【文献】実開平03-055338(JP,U)
【文献】特開2001-099352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 1/00
F16L 55/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設管内に新設管を搬入するためのパイプインパイプ用運搬台車であって、
新設管の管内を挿通する柄体と、
該柄体を管内で支持して前進及び後退させるための伸縮可能な走行機構と、
前記柄体に配設された、新設管をその前後方向複数箇所で内側から支持して上下左右方向に移動及び前後方向に傾動させるための管支持機構と、
前記柄体の先端に配設された芯合せ機構と、
前記柄体の後端に配設された操舵機構と、
を備え、
前記操舵機構が、前記柄体の後端に接続される操舵台車と、
該操舵台車を移動自在に支持する、前方2輪の固定式キャスター及び後方1輪の旋回式キャスターと、
該旋回式キャスターを旋回させるためのハンドルと、
を備えたことを特徴とするパイプインパイプ用運搬台車。
【請求項2】
既設管内に新設管を搬入するためのパイプインパイプ用運搬台車であって、
新設管の管内を挿通する柄体と、
該柄体を管内で支持して前進及び後退させるための伸縮可能な走行機構と、
前記柄体に配設された、新設管をその前後方向複数箇所で内側から支持して上下左右方向に移動及び前後方向に傾動させるための管支持機構と、
前記柄体の先端に配設された芯合せ機構と、
を備え、
前記管支持機構が、伸縮可能な芯出しジャッキを備え
前記管支持機構の芯出しジャッキが、水平方向の芯出しジャッキを含み、該水平方向の芯出しジャッキの先端に弾性体が配設されていることを特徴とするパイプインパイプ用運搬台車。
【請求項3】
既設管内に新設管を搬入するためのパイプインパイプ用運搬台車であって、
新設管の管内を挿通する柄体と、
該柄体を管内で支持して前進及び後退させるための伸縮可能な走行機構と、
前記柄体に配設された、新設管をその前後方向複数箇所で内側から支持して上下左右方向に移動及び前後方向に傾動させるための管支持機構と、
前記柄体の先端に配設された芯合せ機構と、
を備え、
前記管支持機構が、伸縮可能な芯出しジャッキを備え
前記管支持機構の芯出しジャッキが、上下方向の芯出しジャッキを含み、該上下方向の芯出しジャッキの上端にローラー式キャスターが配設されていることを特徴とするパイプインパイプ用運搬台車。
【請求項4】
前記走行機構が、伸縮可能なキャスターを備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のパイプインパイプ用運搬台車。
【請求項5】
前記芯合せ機構が、引き込み可能な芯出しジャッキを備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のパイプインパイプ用運搬台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプインパイプ用運搬台車に係り、特に、パイプインパイプ(PIP)工法において、狭隘な曲管部でも円滑に運搬可能で、且つ、容易に芯出し接合可能なパイプインパイプ用運搬台車に関する。
【背景技術】
【0002】
上下水道管等の既設管が古くなった際に新設管に更新する方法として、非開削で行う更新方法の一つに、既設管内に新設管を搬入して布設するPIP工法がある(特許文献1~3参照)。
【0003】
このPIP工法において新設管を既設管内に搬入するための運搬台車が種々提案されている(特許文献4~8参照)。
【0004】
PIP工法の新設管は、水運用の関係で、できるだけ既設管管径に近い口径が望ましく、非常に狭隘な場所(既設管と新設管の最低間隔が、例えば40mm)での作業となるため、例えば特許文献8では、管運搬用の車輪を直接新設管の管口にセットしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開昭61-249623号公報
【文献】特開2012-241727号公報
【文献】特開2015-151735号公報
【文献】特開2003-83470号公報
【文献】特開2007-231965号公報
【文献】特開2007-269179号公報
【文献】特開2010-78142号公報
【文献】特開2016-7910号公報
【文献】実開平3-40356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献8に記載された技術では、新設管の牽引又は押し込み時の操舵機能がないため、狭隘な曲管部で既設管壁と新設管とが競って、円滑に通過できない事態が発生していた。
【0007】
又、PIP工法独特の管種として巻込み管がある(特許文献9参照)。巻き込み管は、管の軸方向の溶接を行わず、管を「の」の字に加工して所定の位置にセットした後、管状に成形し、軸方向の溶接を行う。この巻き込み管の特徴として、鋼板を「の」の字に形成するため跳ね出し部が生じる。そのため、曲がり部を通過する場合、跳ね出し部が既設管と干渉し、通過を妨げていた。そこで、現地で跳ね出し部を回転させ、管を通過させることに大きな労力を費やしていた。
【0008】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、パイプインパイプ工法における新設管の搬入に際し、狭隘な曲管部の通過を円滑に行えるようにすると共に、新設管同士の芯出しを容易に行えるようにすることを第1の課題とする。
【0009】
本発明は、又、巻き込み管跳ね出し部の曲管部通過を容易とすることを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、既設管内に新設管を搬入するためのパイプインパイプ用運搬台車であって、新設管の管内を挿通する柄体と、該柄体を管内で支持して前進及び後退させるための伸縮可能な走行機構と、前記柄体に配設された、新設管をその前後方向複数箇所で内側から支持して上下左右方向に移動及び前後方向に傾動させるための管支持機構と、前記柄体の先端に配設された芯合せ機構と、前記柄体の後端に配設された操舵機構と、を備え、前記操舵機構が、前記柄体の後端に接続される操舵台車と、該操舵台車を移動自在に支持する、前方2輪の固定式キャスター及び後方1輪の旋回式キャスターと、該旋回式キャスターを旋回させるためのハンドルと、を備えることにより、前記第1の課題を解決するものである。
本発明は、又、既設管内に新設管を搬入するためのパイプインパイプ用運搬台車であって、新設管の管内を挿通する柄体と、該柄体を管内で支持して前進及び後退させるための伸縮可能な走行機構と、前記柄体に配設された、新設管をその前後方向複数箇所で内側から支持して上下左右方向に移動及び前後方向に傾動させるための管支持機構と、前記柄体の先端に配設された芯合せ機構と、を備え、前記管支持機構が、伸縮可能な芯出しジャッキを備え、前記管支持機構の芯出しジャッキが、水平方向の芯出しジャッキを含み、該水平方向の芯出しジャッキの先端に弾性体を配設することにより、前記第1の課題を解決するものである。
本発明は、又、既設管内に新設管を搬入するためのパイプインパイプ用運搬台車であって、新設管の管内を挿通する柄体と、該柄体を管内で支持して前進及び後退させるための伸縮可能な走行機構と、前記柄体に配設された、新設管をその前後方向複数箇所で内側から支持して上下左右方向に移動及び前後方向に傾動させるための管支持機構と、前記柄体の先端に配設された芯合せ機構と、を備え、前記管支持機構が、伸縮可能な芯出しジャッキを備え、前記管支持機構の芯出しジャッキが、上下方向の芯出しジャッキを含み、該上下方向の芯出しジャッキの上端にローラー式キャスターを配設することにより、前記第1の課題に加えて前記第2の課題を解決するものである。
【0014】
ここで、前記走行機構が、伸縮可能なキャスターを備えることができる。
【0015】
又、前記芯合せ機構が、引き込み可能な芯出しジャッキを備えることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、管体に直接駆動装置(車輪)を設けた管運搬方法から管を運搬台車で担ぐ構造とすることで、管体の前後左右の可動領域の自由度を高め、更に、ジャッキ等による、上下左右方向に移動及び前後方向に傾動可能な管支持機構、芯合せ機構により、既設管内を円滑に運搬できると共に、芯出し接合を容易とすることができる。
【0020】
更に、操舵機構を備えて自由度を高めることができる。
【0021】
又、管支持機構の上下方向の芯出しジャッキの上端にローラー式キャスターを配設することにより、巻き込み管跳ね出し部の曲管部通過を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態における新設管搬入状態を示す正面図及び横断面図
図2】第1実施形態を用いた新設管設置手順を示す流れ図
図3】同じく発進立坑への新設管の吊り降ろし状態を示す正面図
図4】同じく運搬台車の発進立坑への引き込み状態を示す正面図
図5】同じく管運搬状態を示す正面図
図6】同じく水平曲管部運搬状態を示す水平断面図
図7】同じく巻き込み管の曲管部内の状態を示す横断面図
図8】同じく運搬台車先端の先行新設管内への引き込み状態を示す正面図
図9】同じく先行新設管と後続新設管の芯合せ状態を示す正面図及び横断面図
図10】同じく新設管からの運搬台車引き抜き状態を示す正面図
図11】同じく運搬台車の発進立坑への帰還状態を示す正面図
図12】第1実施形態の縦断曲管部通過状態を示す正面図
図13】第2実施形態の要部を示す(A)平面図及び(B)正面図
図14】第2実施形態の縦断曲管部通過状態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
【0024】
本発明に係る運搬台車20の第1実施形態は、既設管10内に新設管12を搬入した状態を示す図1に示す如く、新設管12の管内を挿通する柄体22と、該柄体22を管内で支持して前進及び後退させるための伸縮可能な走行機構30と、前記柄体22に配設された、新設管12をその前後方向2箇所で内側から支持して上下左右方向に移動及び前後方向に傾動させるための管支持機構40と、前記柄体22の先端に配設された芯合せ機構50と、前記柄体22の後端に配設された操舵機構60とを備えている。
【0025】
前記走行機構30は、柄体22の前後端近傍に、図1のA-A断面によく示されるように、伸縮治具34の先端にローラ36が配設され、下向きのV字状に配設された、前後一対の伸縮可能な伸縮治具付キャスター32を備えている。
【0026】
前記管支持機構40は、図1のB-B断面によく示されるように、先端に弾性体44が配設された、水平方向に伸縮する2台の芯出しジャッキ42と、先端(図の上端)にローラー式キャスター48が配設された、上下方向に伸縮する回転用治具兼芯出しジャッキ46とを備えている。
【0027】
前記芯合せ機構50は、シリンダ54の先端にローラ56が配設された新管引き込み治具兼芯出しジャッキ52と、該芯出しジャッキ52を引き込むためのシリンダ58とを備えている。
【0028】
前記操舵機構60は、接続具24を介して前記柄体22の後端と接続される操舵台車62と、該操舵台車62を移動自在に支持する、前方2輪の固定式キャスター64及び後方1輪の旋回式キャスター66と、該旋回式キャスター66を旋回させるためのハンドル68とを備えている。
【0029】
前記伸縮治具34や芯出しジャッキ42、46、52等は、例えば電動とすることができる。又、ローラー式キャスター48、固定式キャスター64、旋回式キャスター66や、伸縮治具付キャスター32、および芯出しジャッキ52の管と接するローラ36、およびローラ56等は、例えばナイロン製とし、前記弾性体44は、例えばゴム製とすることができる。
【0030】
以下、図2を参照して、運搬台車20を用いた新設管12の設置方法について詳細に説明する。
【0031】
まず、ステップ110で、図3に示す如く、発進立坑2内の基礎4上に載置されたベース6上に、クレーン14を用いて新設管12を吊り降ろす。この際、運搬台車20は既設管10内で待機している。図において、8は、既設管10とベース6間の段差を解消するためのスロープである。
【0032】
次いで、ステップ120で、図4に示す如く、発進立坑2内に設置された新設管12の中を通して、運搬台車20を引き込む。このとき運搬台車20は、芯合せ機構50のシリンダ58を伸ばすことにより直立された芯出しジャッキ52と、操舵機構60のキャスター64、66で支持されており、キャスター64、66は新設管12に乗り上げて通過する。
【0033】
なお、操舵台車62と柄体22は分割可能であり、両者の接続を既設管10内で行うようにすれば発進立坑2を小さくすることも可能である。この場合は新設管12を既設管10内に送り込んだ状態で、所定の位置に操舵台車62をセットする。
【0034】
次いで、ステップ130で、図5に示す如く、運搬台車20の走行機構30のキャスター32を伸ばして、図1のA-A断面に示したように支持した状態の新設管12の後続管12Bを、既設管10内のベース11上に既に設置されている新設管12の先行管12Aのところまで運搬する。このとき、芯合せ機構50の芯出しジャッキ52はシリンダ58により引き込まれ、運搬台車20は伸ばされた状態のキャスター32により支持されている。
【0035】
水平方向に曲がった水平曲管部内の運搬台車20の移動状態を図6に示す。管支持機構40の水平方向の芯出しジャッキ42の出し入れと操舵機構60の旋回式キャスター66の旋回により水平曲管部を円滑に通過できる。既設管10が上下方向に曲がっている縦断曲管部は、該縦断曲管部に新設管12が差し掛かると曲管部中央底面部において、既設管10と新設管12が競ってしまうので、それを解消するため、管支持機構40の上下方向の芯出しジャッキ46の伸縮量を前後で変えることで新設管12を前傾又は後傾させて対応することができる。なお、必要に応じて操舵機構60を省略したり、あるいは、操舵機構60に、更に例えば砲台のように柄体22の仰角と伏角を変える傾動機構を追加して、縦断曲管部に対する対応能力を高めることもできる。
【0036】
又、巻き込み管15を運搬する際には、図7に示す如く、水平方向の芯出しジャッキ42を縮めて、上下方向の芯出しジャッキ46のみで巻き込み管15を支持し、そのローラー式キャスター48を利用して巻き込み管15を回転させることで、跳ね出し部15Aの位置を移動させて既設管10との干渉を回避することができる。この際、ローラー式キャスター48による一点支持なので回転が容易になる。
【0037】
先行管12Aに接近したら、ステップ140で、図8に示す如く、芯合せ機構50のシリンダ58を伸ばして芯出しジャッキ52が立つように付勢すると共に、前方のキャスター32Aを縮めて運搬台車20の前方を先行管12A内に引き込む。
【0038】
後続管12Bが先行管12Aに到達したら、ステップ150で、図9に示す如く、先行管12Aと後続管12Bの芯合せを行う。具体的には、芯合せ機構50のシリンダ58を伸ばして、図9のD-D断面に示す如く、芯出しジャッキ52を直立させた状態で、走行機構30の前方のキャスター32Aを縮め、図9のC-C断面に示す如く、芯出しジャッキ52及び管支持機構40の前後の芯出しジャッキ42、46を伸縮することにより、後続管12Bを上下左右に移動及び前後方向に傾動させて先行管12Aとの芯合せを行う。
【0039】
芯合せが終了してベース11上に後続管12Bを設置し、新設管12同士の仮付けが終わった段階で、ステップ160に進み、図10に示す如く、管支持機構40の芯出しジャッキ46を縮めて管の支持を開放し、芯合せ機構50の芯出しジャッキ52を縮めつつシリンダ58を縮めて引き込んで、後続管12Bから運搬台車20を引き抜いて、前方のキャスター32Aを既設管10と接触する位置まで伸ばす。
【0040】
次いで、ステップ170で、図11に示す如く、走行機構30のキャスター32と操舵機構60のキャスター64、66で支持した運搬台車20を発進立坑2へ戻して次の新設管12を担ぐ。
【0041】
上記工程を繰り返すことで、新設管12を接続していく。
【0042】
第1実施形態においては、平面曲管部に対応する操舵機構のみが設けられていたが、操舵機構を省略したり、縦断曲管部に対応する操舵機構を追加することも可能である。
【0043】
なお、第1実施形態のような単純な接続具24では、曲がりの大きな縦断曲管部を通過する際に、図12に示す如く、操舵台車62が持ち上がってしまい、縦断曲管部をうまく通過できない場合が生じるおそれがある。
【0044】
そこで本発明の第2実施形態では、図13に例示する如く、接続具24に上下スライド装置70を付加することによって、曲がりの大きな縦断曲管部の通過性能を高めている。
【0045】
前記上下スライド装置70は、例えば運搬台車20の柄体22の後端に上下方向に配設される、図13(A)に示される水平断面がC字形状のガイドレール72と、該ガイドレール72に挟まれて、その中を上下方向に走行するボール式キャスター74とで構成されている。
【0046】
なお、上下スライド装置の構成は、これに限定されない。
【0047】
第2実施形態の縦断曲管部通過状態を図14に示す。
【0048】
上下スライド装置70の作用により、曲がりの大きな縦断曲管部であっても円滑な通過が可能になる。
【0049】
本発明の適用対象は、上下水道管に限定されない。
【符号の説明】
【0050】
2…発進立坑
10…既設管
11…ベース
12…新設管
12A…先行管
12B…後続管
15…巻き込み管
15A…跳ね出し部
20…運搬台車
22…柄体
24…接続具
30…走行機構
32…伸縮治具付キャスター
40…管支持機構
42…芯出しジャッキ
44…弾性体
46…回転用治具兼芯出しジャッキ
48…ローラー式キャスター
50…芯合せ機構
52…新管引き込み治具兼芯出しジャッキ
58…シリンダ
60…操舵機構
62…操舵台車
64…固定式キャスター
66…旋回式キャスター
68…ハンドル
70…上下スライド装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14