(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】画像処理装置、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0813 20220101AFI20220216BHJP
【FI】
H04L41/0813
(21)【出願番号】P 2018098833
(22)【出願日】2018-05-23
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】田島 宏樹
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-109356(JP,A)
【文献】特開2012-156910(JP,A)
【文献】特開2017-188076(JP,A)
【文献】特開2016-185635(JP,A)
【文献】特開2011-010359(JP,A)
【文献】特開2007-156691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定アドレスを用いて通信する通信手段と、
内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を前記設定アドレスとして設定する設定手段と、
前記内部ネットワークおよび前記外部ネットワークのいずれかからの切断を検出する切断検出手段と、を備え、
前記設定手段は、前記内部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、前記設定アドレスとして前記外部アドレスを設定し、前記外部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、前記設定アドレスとして前記内部アドレスを設定する、画像処理装置。
【請求項2】
前記内部ネットワークおよび前記外部ネットワークのいずれかとの接続を検出する接続検出手段を、さらに備え、
前記設定手段は、前記設定アドレスとして前記内部アドレスが設定されている状態で、前記内部ネットワークとの接続が検出されない場合、前記設定アドレスとして前記外部アドレスを設定し、前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている状態で、前記外部ネットワークとの接続が検出されない場合、前記設定アドレスとして前記内部アドレスを設定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
設定アドレスを用いて通信する通信手段と、
内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を前記設定アドレスとして設定する設定手段と、
前記内部ネットワークおよび前記外部ネットワークのいずれかとの接続を検出する接続検出手段と、を備え、
前記設定手段は、前記設定アドレスとして前記内部アドレスが設定されている状態で、前記内部ネットワークとの接続が検出されない場合、前記設定アドレスとして前記外部アドレスを設定し、前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている状態で、前記外部ネットワークとの接続が検出されない場合、前記設定アドレスとして前記内部アドレスを設定する、画像処理装置。
【請求項4】
無線を用いて通信する無線通信手段を、さらに備え、
前記接続検出手段は、前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている間、前記無線通信手段を制御して、前記外部ネットワークに接続されたアクセスポイントと接続させる、請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている状態で受信される前記サーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行する代理実行手段を、さらに備えた請求項1~4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
設定アドレスを用いて通信する通信手段と、
サーバーが接続される内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスが前記設定アドレスとして設定されている間に前記サーバーと通信不可能な状態になることに応じて、外部ネットワークにおいて前記サーバーに割り当てられた外部アドレスを前記設定アドレスとして設定する設定手段と、
前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている状態で前記通信手段により受信される前記サーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行する代理実行手段と、を備えた画像処理装置。
【請求項7】
前記サーバーが提供するサービスに対して割り当てられた通信識別情報を前記サーバーから取得する取得手段を、さらに備え、
前記代理実行手段は、前記サーバー宛てのパケットデータで特定される前記通信識別情報に割り当てられた前記サービスが予め定められた特定サービスの場合、前記サーバー宛てのパケットデータに基づいて処理を実行する、請求項5または6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記代理実行手段は、前記サーバー宛てのパケットデータで特定される前記通信識別情報に割り当てられた前記サービスが前記特定サービスでない場合、前記サーバー宛てのパケットデータの送信元にエラー情報を送信する、請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている状態で、前記外部アドレスが競合していることを検出する競合検出手段と、
前記競合が検出される場合、前記通信手段の接続先の変更をユーザーに依頼する依頼手段を、さらに備えた請求項1~8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記サーバーにおいて前記外部アドレスが変更される場合、前記サーバーから変更後の前記外部アドレスを取得する取得手段を、さらに備えた請求項1~9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記設定アドレスとして前記内部アドレスが設定されている状態で受信されるパケットデータに基づいて処理を実行する通常実行手段を、さらに備えた請求項1~10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記内部ネットワークにより前記サーバーと通信可能な状態で、前記サーバーに割り当てられた前記外部アドレスを前記サーバーから取得して記憶する記憶手段を、さらに備えた請求項1~11のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置で実行されるネットワーク接続方法であって、
内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を前記設定アドレスとして設定する設定ステップと、
前記内部ネットワークおよび前記外部ネットワークのいずれかからの切断を検出する切断検出ステップと、を含み、
前記設定ステップは、前記内部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、前記設定アドレスとして前記外部アドレスを設定するステップと、
前記外部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、前記設定アドレスとして前記内部アドレスを設定するステップと、を含む、ネットワーク接続方法。
【請求項14】
設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置で実行されるネットワーク接続方法であって、
前記設定アドレスを、内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を前記設定アドレスとして設定する設定ステップと、
前記内部ネットワークおよび前記外部ネットワークのいずれかとの接続を検出する接続検出ステップと、を含み、
前記設定ステップは、前記設定アドレスとして前記内部アドレスが設定されている状態で、前記内部ネットワークとの接続が検出されない場合、前記設定アドレスとして前記外部アドレスを設定するステップと、
前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている状態で、前記外部ネットワークとの接続が検出されない場合、前記設定アドレスとして前記内部アドレスを設定するステップと、を含む、ネットワーク接続方法。
【請求項15】
設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置で実行されるネットワーク接続方法であって、
サーバーが接続される内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスが前記設定アドレスとして設定されている間に前記サーバーと通信不可能な状態になることに応じて、外部ネットワークにおいて前記サーバーに割り当てられた外部アドレスを前記設定アドレスとして設定する設定ステップと、
前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている状態で前記通信手段により受信される前記サーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行する代理実行ステップと、を含むネットワーク接続方法。
【請求項16】
設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置を制御するコンピューターで実行されるネットワーク接続プログラムであって、
前記設定アドレスを、内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方に切り換える設定ステップと、
前記内部ネットワークおよび前記外部ネットワークのいずれかからの切断を検出する切断検出ステップと、を前記コンピューターに実行させ、
前記設定ステップは、前記内部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、前記設定アドレスとして前記外部アドレスを設定するステップと、
前記外部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、前記設定アドレスとして前記内部アドレスを設定するステップと、を含む、ネットワーク接続プログラム。
【請求項17】
設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置を制御するコンピューターで実行されるネットワーク接続プログラムであって、
内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を前記設定アドレスとして設定する設定ステップと、
前記内部ネットワークおよび前記外部ネットワークのいずれかとの接続を検出する接続検出ステップと、を前記コンピューターに実行させ、
前記設定ステップは、前記設定アドレスとして前記内部アドレスが設定されている状態で、前記内部ネットワークとの接続が検出されない場合、前記設定アドレスとして前記外部アドレスを設定するステップと、
前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている状態で、前記外部ネットワークとの接続が検出されない場合、前記設定アドレスとして前記内部アドレスを設定するステップと、を含む、ネットワーク接続プログラム。
【請求項18】
設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置を制御するコンピューターで実行されるネットワーク接続プログラムであって、
サーバーが接続される内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスが前記設定アドレスとして設定されている間に前記サーバーと通信不可能な状態になることに応じて、外部ネットワークにおいて前記サーバーに割り当てられた外部アドレスを前記設定アドレスとして設定する設定ステップと、
前記設定アドレスとして前記外部アドレスが設定されている状態で前記通信手段により受信される前記サーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行する代理実行ステップと、を前記コンピューターに実行させるネットワーク接続プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラムに関し、特に、ネットワークに接続される画像処理装置、その画像処理装置で実行されるネットワーク接続方法およびその画像処理装置が備えるコンピューターで実行されるネットワーク接続プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機(MFP)で代表される画像処理装置は、ローカルエリアネットワーク(LAN)等のネットワークに接続される場合が多い。この場合、複数のパーソナルコンピューターからLANを介してプリントジョブ等を受信するために、固定IP(Internet Protocol)アドレスが割り当てられる場合が多い。
【0003】
特開2006-128874号公報には、固定IPが設定されているプリンターにおいてプリンターの置き場所を変えてプリンターが通信不可能状態となった場合に、デバイス自身が一度DHCPの利用により通信可能状態に変換し、ネットワークボード或いは、デバイスに設定されている管理者に変更が必要になったことを通知し、管理者がプリンターのアドレスを変更後、そのデバイスを利用しているユーザーに設置場所が変更になったことと、使用可能状態になったことを通知するプリンターが記載されている。
【0004】
しかしながら、特開2006-128874号公報に記載のプリンターは、固定IPアドレスが、DHCPにより割り当てられたIPアドレスに変更されるため、固定IPアドレスでプリンターを使用していたPCからは、プリンターを識別することができなくなる。このため、PCからプリンターを識別するために、固定IPアドレスをDHCPによりプリンターに割り当てられたIPアドレスに変更する必要があり、PCを操作するユーザーの作業が発生し、操作が煩雑になるといった問題がある。
【文献】特開2006-128874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的の1つは、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にすることが可能な画像処理装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、サーバーが動作しなくなった場合に、サーバー宛てに送信されるデータを処理することが可能な画像処理装置を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にしたネットワーク接続方法を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、サーバーが動作しなくなった場合に、サーバー宛てに送信されるデータを処理することが可能なネットワーク接続方法を提供することである。
【0009】
この発明のさらに他の目的は、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にしたネットワーク接続プログラムを提供することである。
【0010】
この発明のさらに他の目的は、サーバーが動作しなくなった場合に、サーバー宛てに送信されるデータを処理することが可能なネットワーク接続プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明のある局面によれば、画像処理装置は、設定アドレスを用いて通信する通信手段と、内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を設定アドレスとして設定する設定手段と、内部ネットワークおよび外部ネットワークのいずれかからの切断を検出する切断検出手段と、を備え、設定手段は、内部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、設定アドレスとして外部アドレスを設定し、外部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、設定アドレスとして内部アドレスを設定する。
【0012】
この局面に従えば、内部ネットワークとの接続が切断されたことが検出されることに応じて、設定アドレスとして外部アドレスが設定されるので、外部ネットワークに接続されると外部ネットワークに接続された装置と通信することができる。また、外部ネットワークとの接続が切断されたことが検出されることに応じて、設定アドレスとして内部アドレスが設定されるので、内部ネットワークに接続されるとサーバーと通信することができる。このため、内部ネットワークおよび外部ネットワークのいずれかに接続する際に設定アドレスが自動的に切り換わるので、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にすることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0013】
好ましくは、内部ネットワークおよび外部ネットワークのいずれかとの接続を検出する接続検出手段を、さらに備え、設定手段は、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている状態で、内部ネットワークとの接続が検出されない場合、設定アドレスとして外部アドレスを設定し、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で、外部ネットワークとの接続が検出されない場合、設定アドレスとして内部アドレスを設定する。
【0014】
この局面に従えば、外部ネットワークに接続されると外部アドレスが設定され、内部ネットワークに接続されると内部アドレスが設定される。その結果、2つのネットワークのいずれかに接続される場合に、接続されたネットワークで使用可能なアドレスを設定することができる。
【0015】
この発明の他の局面によれば、画像処理装置は、設定アドレスを用いて通信する通信手段と、内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を設定アドレスとして設定する設定手段と、内部ネットワークおよび外部ネットワークのいずれかとの接続を検出する接続検出手段と、を備え、設定手段は、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている状態で、内部ネットワークとの接続が検出されない場合、設定アドレスとして外部アドレスを設定し、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で、外部ネットワークとの接続が検出されない場合、設定アドレスとして内部アドレスを設定する。
【0016】
この局面に従えば、外部ネットワークに接続されると外部アドレスが設定され、内部ネットワークに接続されると内部アドレスが設定される。したがって、2つのネットワークのいずれかに接続される場合に、接続されたネットワークで使用可能なアドレスを設定することができる。その結果、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にすることが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0017】
好ましくは、無線を用いて通信する無線通信手段を、さらに備え、接続検出手段は、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている間、無線通信手段を制御して、外部ネットワークに接続されたアクセスポイントと接続させる。
【0018】
この局面に従えば、設定アドレスが外部アドレスに設定されている間、外部ネットワークに接続されたアクセスポイントと無線で接続させるので、外部ネットワークに容易に接続することができる。
【0019】
好ましくは、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で受信されるサーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行する代理実行手段を、さらに備える。
【0020】
この局面に従えば、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で受信されるサーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行するので、サーバーに代わって受信されたパケットデータを、サーバーに代わって処理することができる。
【0021】
この発明のさらに他の局面によれば、画像処理装置は、設定アドレスを用いて通信する通信手段と、サーバーが接続される内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスが設定アドレスとして設定されている間にサーバーと通信不可能な状態になることに応じて、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスを設定アドレスとして設定する設定手段と、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で通信手段により受信されるサーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行する代理実行手段と、を備える。
【0022】
この局面に従えば、内部アドレスが設定されている間にサーバーと通信不可能な状態になることに応じて、設定アドレスを外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスに設定するので、外部ネットワークに接続された装置と通信することができる。また、設定アドレスとして外部アドレスに設定している状態で受信されるサーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行するので、サーバーに代わって受信されたパケットデータを、サーバーに代わって処理することができる。その結果、サーバーが動作しなくなった場合に、サーバー宛てに送信されるデータを処理することが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0023】
好ましくは、サーバーが提供するサービスに対して割り当てられた通信識別情報をサーバーから取得する取得手段を、さらに備え、代理実行手段は、サーバー宛てのパケットデータで特定される通信識別情報に割り当てられたサービスが予め定められた特定サービスの場合、サーバー宛てのパケットデータに基づいて処理を実行する。
【0024】
この局面に従えば、特定サービスに宛てたパケットデータに基づいて処理を実行するので、外部ネットワークに接続された装置から自装置宛てに送信されたデータを処理することができる。
【0025】
好ましくは、代理実行手段は、サーバー宛てのパケットデータで特定される通信識別情報に割り当てられたサービスが特定サービスでない場合、サーバー宛てのパケットデータの送信元にエラー情報を送信する。
【0026】
この局面に従えば、特定サービス宛てでないパケットデータの送信元にエラー情報を送信するので、サービスを提供できないことを通知することができる。
【0027】
好ましくは、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で、外部アドレスが競合していることを検出する競合検出手段と、競合が検出される場合、通信手段の接続先の変更をユーザーに依頼する依頼手段を、さらに備える。
【0028】
この局面に従えば、外部アドレスの競合が検出される場合、接続先の変更をユーザーに依頼するので、外部ネットワークとの接続が不適切であることをユーザーに通知することができる。
【0029】
好ましくは、サーバーにおいて外部アドレスが変更される場合、サーバーから変更後の外部アドレスを取得する取得手段を、さらに備える。
【0030】
この局面に従えば、サーバーから変更後の外部アドレスを取得するので、サーバーに最後に割り当てられた外部アドレスを取得することができる。
【0031】
好ましくは、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている状態で受信されるパケットデータに基づいて処理を実行する通常実行手段を、さらに備える。
【0032】
この局面に従えば、設定アドレスとして内部アドレスに設定されている状態で受信されるパケットデータに基づいて処理を実行するので、サーバーから受信されるパケットデータを処理することができる。
【0033】
好ましくは、内部ネットワークによりサーバーと通信可能な状態で、サーバーに割り当てられた外部アドレスをサーバーから取得して記憶する記憶手段を、さらに備える。
【0034】
この局面に従えば、内部ネットワークによりサーバーと通信不可能な状態で、設定アドレスとして外部アドレスを設定することができる。
【0035】
この発明のさらに他の局面によれば、ネットワーク接続方法は、設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置で実行されるネットワーク接続方法であって、内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を設定アドレスとして設定する設定ステップと、内部ネットワークおよび外部ネットワークのいずれかからの切断を検出する切断検出ステップと、を含み、設定ステップは、内部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、設定アドレスとして外部アドレスを設定するステップと、外部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、設定アドレスとして内部アドレスを設定するステップと、を含む。
【0036】
この局面に従えば、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にしたネットワーク接続方法を提供することができる。
【0037】
この発明のさらに他の局面によれば、ネットワーク接続方法は、設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置で実行されるネットワーク接続方法であって、設定アドレスを、内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を設定アドレスとして設定する設定ステップと、内部ネットワークおよび外部ネットワークのいずれかとの接続を検出する接続検出ステップと、を含み、設定ステップは、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている状態で、内部ネットワークとの接続が検出されない場合、設定アドレスとして外部アドレスを設定するステップと、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で、外部ネットワークとの接続が検出されない場合、設定アドレスとして内部アドレスを設定するステップと、を含む。
【0038】
この局面に従えば、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にしたネットワーク接続方法を提供することができる。
【0039】
この発明のさらに他の局面によれば、ネットワーク接続方法は、設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置で実行されるネットワーク接続方法であって、サーバーが接続される内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスが設定アドレスとして設定されている間にサーバーと通信不可能な状態になることに応じて、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスを設定アドレスとして設定する設定ステップと、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で通信手段により受信されるサーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行する代理実行ステップと、を含む。
【0040】
この局面に従えば、サーバーが動作しなくなった場合に、サーバー宛てに送信されるデータを処理することが可能なネットワーク接続方法を提供することができる。
【0041】
この発明のさらに他の局面によれば、ネットワーク接続プログラムは、設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置を制御するコンピューターで実行されるネットワーク接続プログラムであって、設定アドレスを、内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方に切り換える設定ステップと、内部ネットワークおよび外部ネットワークのいずれかからの切断を検出する切断検出ステップと、をコンピューターに実行させ、設定ステップは、内部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、設定アドレスとして外部アドレスを設定するステップと、外部ネットワークからの切断が検出されることに応じて、設定アドレスとして内部アドレスを設定するステップと、を含む。
【0042】
この局面に従えば、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にしたネットワーク接続プログラムを提供することができる。
【0043】
この発明のさらに他の局面によれば、ネットワーク接続プログラムは、設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置を制御するコンピューターで実行されるネットワーク接続プログラムであって、内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスと、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスとのいずれか一方を設定アドレスとして設定する設定ステップと、内部ネットワークおよび外部ネットワークのいずれかとの接続を検出する接続検出ステップと、をコンピューターに実行させ、設定ステップは、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている状態で、内部ネットワークとの接続が検出されない場合、設定アドレスとして外部アドレスを設定するステップと、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で、外部ネットワークとの接続が検出されない場合、設定アドレスとして内部アドレスを設定するステップと、を含む。
【0044】
この局面に従えば、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にしたネットワーク接続プログラムを提供することができる。
【0045】
この発明のさらに他の局面によれば、ネットワーク接続プログラムは、設定アドレスを用いて通信する通信手段を備えた画像処理装置を制御するコンピューターで実行されるネットワーク接続プログラムであって、サーバーが接続される内部ネットワークにおいて自装置に割り当てられた内部アドレスが設定アドレスとして設定されている間にサーバーと通信不可能な状態になることに応じて、外部ネットワークにおいてサーバーに割り当てられた外部アドレスを設定アドレスとして設定する設定ステップと、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で通信手段により受信されるサーバー宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行する代理実行ステップと、をコンピューターに実行させる。
【0046】
この局面に従えば、サーバーが動作しなくなった場合に、サーバー宛てに送信されるデータを処理することが可能なネットワーク接続プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の第1の実施の形態の1つにおける情報処理システムの全体概要の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態の1つにおける複合装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】第1の実施の形態における複合装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施の形態における切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1の変形例における切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】外部切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】第2の実施の形態の1つにおける情報処理システムの全体概要の一例を示す図である。
【
図9】第2の実施の形態における複合装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。
【
図11】第2の実施の形態における切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】第2の変形例における切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2の変形例における外部切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0049】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態の1つにおける情報処理システムの全体概要の一例を示す図である。
図1を参照して、情報処理システム1は、複合装置10と、パーソナルコンピューター(以下「PC」という)15,15A~15Cと、クラウドサーバー17と、中継装置として機能するゲートウェイ(G/W)装置13と、を含む。複合装置10、ゲートウェイ装置13およびPC15,15A,15Bそれぞれは、ローカルエリアネットワーク(LAN)3と接続されている。このため、複合装置10およびPC15,15A,15Bそれぞれは、LAN3を介して、互いに通信可能である。クラウドサーバー17、PC15Cおよびゲートウェイ装置13それぞれは、インターネット5に接続されている。ゲートウェイ装置13は、LAN3とインターネット5とを中継する。このため、複合装置10およびPC15,15A,15Bそれぞれは、ゲートウェイ装置13を介して、クラウドサーバー17およびPC15Cと通信可能である。
【0050】
図2は、第1の実施の形態の1つにおける複合装置の外観を示す斜視図である。
図2を参照して、複合装置10は、画像処理装置として機能するMFP(Multi Function Peripheral)100と、MFP100の下方に配置されたサーバー200と、を含む。
【0051】
MFP100は、自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、操作パネル160と、を含む。自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイに排出する。
【0052】
原稿読取部130は、その上面に原稿を読み取るための矩形状の読取面を有する。読取面は、例えばプラテンガラスにより形成される。自動原稿搬送装置120は、読取面の1つの辺に平行な軸を中心に回転可能にMFP100の本体に接続され、開閉可能である。自動原稿搬送装置120の下方に、原稿読取部130が配置されており、自動原稿搬送装置120が回転して開いた状態で、原稿読取部130の読取面が露出する。このため、ユーザーは、原稿読取部130の読取面に原稿を載置可能である。
【0053】
原稿読取部130は、光を照射する光源と、光を受光する光電変換素子とを含み、読取面に載置された原稿に形成されている画像を走査する。読取領域に原稿が載置されている場合、光源から照射された光は原稿で反射し、反射した光が光電変換素子で結像する。光電変換素子は、原稿で反射した光を受光すると、受光した光を電気信号に変換した画像データを生成する。
【0054】
給紙部150は、用紙を収容するための2つの給紙トレイを含む。給紙部150は、2つの給紙トレイのいずれかに収容された用紙を画像形成部140に搬送する。画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像を形成した用紙を排紙トレイ155に排出する。
【0055】
図3は、第1の実施の形態における複合装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3を参照して、複合装置10は、MFP100と、サーバー200と、を含む。MFP100とサーバー200とは、LAN7で接続される。
【0056】
サーバー200は、サーバー200の全体を制御するためのCPU(中央演算装置)201と、CPU201が実行するためのプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)202と、CPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)203と、CPU201をLAN3に接続する外部通信部204と、CPU201をLAN7に接続する内部通信部205と、データを不揮発的に記憶するハードディスクドライブ(HDD)206と、外部記憶装置207と、を含む。CPU201、ROM202、RAM203、外部通信部204、内部通信部205、HDD206、外部記憶装置207はバス221に接続される。
【0057】
ROM202は、CPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM203は、CPU201がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0058】
HDD206は、大容量記憶装置であり、CPU201により制御される。CPU201は、HDD206に記憶されたデータを読出し可能であり、また、HDD206にデータを書き込み可能である。
【0059】
外部記憶装置207は、CPU201により制御され、CD(Compact Disk)-ROM、または半導体メモリが装着される。CPU201は、外部記憶装置207を制御して、CD-ROMまたは半導体メモリに記憶されたデータの読出し、または、CD-ROMまたは半導体メモリにデータを書き込みが可能である。
【0060】
外部通信部204は、CPU201を、外部ネットワークであるLAN3に接続するためのインターフェースである。外部通信部204は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、LAN3に接続されたPC15,15A,15Bおよびゲートウェイ装置13と通信する。また、外部通信部204は、ゲートウェイ装置13を介して、インターネット5に接続されたPC15Cおよびクラウドサーバー17と通信可能である。
【0061】
内部通信部205は、CPU201を、内部ネットワークであるLAN7に接続するためのインターフェースである。内部通信部205は、TCPまたはFTP等の通信プロトコルで、LAN7に接続されたMFP100と通信する。
【0062】
CPU201は、内部通信部205を介してMFP100と通信可能であり、外部通信部204を介して、PC15,15A~15Bおよびクラウドサーバー17と通信可能である。CPU201は、MFP100が、PC15,15A~15Cおよびクラウドサーバー17との通信を可能とするために、アドレス変換処理を実行する。アドレス変換処理は、LAN3においてサーバー200に割り当てられたIPアドレスを、MFP100にLAN7において割り当てられたIPアドレスに変換するサービスである。
【0063】
サーバー200は、複数種類のサービスを提供する。サーバー200が提供するサービスは、MFP100に対するジョブを受け付け、MFP100にジョブを実行させるプリントサービス、LAN3を管理するネットワーク管理サービスを少なくとも含む。プリントサービスは、LAN3に接続されたPC15,15A,15Bまたはインターネット5に接続されたPC15Aから送信されるジョブを受信し、MFP100に実行させるサービスである。サーバー200は、プリントサービスを提供するために、アドレス変換処理を実行する。ネットワーク管理サービスは、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)のプロトコルを用いて、LAN3の状態を監視する処理である。具体的には、ネットワーク管理サービスは、LAN3に接続されたリソースを監視する処理、LAN3のパフォーマンスを監視する処理、LAN3のトラフィックを監視する処理を含む。さらに、サーバー200が提供するサービスは、プリントサービスおよびネットワーク管理サービスの他に、他のサービスを含んでもよい。他のサービスは、限定するものではないが、Webサーバーとして機能するWebサービスを含む。このため、CPU201は、複数種類のサービスそれぞれに対応する複数種類のアプリケーションプログラムを実行する。CPU201が、アプリケーションプログラムを実行するタスクは、他のタスクと通信するために、通信識別情報が付与される。通信識別情報は、例えば、ポート番号である。
【0064】
MFP100は、CPU111と、通信部112と、ROM113と、RAM114と、ファクシミリ部115と、HDD116と、外部記憶装置117と、自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、操作パネル160と、を含む。CPU111は、通信部112、ROM113、RAM114、ファクシミリ部115、HDD116、外部記憶装置117、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0065】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0066】
ファクシミリ部115は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部115は、受信したファクシミリデータを画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部115により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部115は、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0067】
通信部112は、CPU111をネットワークに接続するためのインターフェースである。通信部112は、TCPまたはFTP等の通信プロトコルで通信する。通信部112は、CPU111により制御され、CPU111により指定されたIP(Internet Protocol)アドレスを設定し、設定されたIPアドレスを用いてパケットを送受信する。通信部112は、内部ネットワークであるLAN7と物理的に接続される場合、内部ネットワークであるLAN7においてMFP100に割り当てられたIPアドレスが設定された状態で、サーバー200と通信する。通信部112は、外部ネットワークであるLAN3と物理的に接続される場合、LAN3においてサーバー200に割り当てられたIPアドレスが設定された状態で、LAN3に接続されたPC15,15A,15Cと通信可能になり、さらに、インターネット5に接続されたPC15A、クラウドサーバー17とゲートウェイ装置13を介して通信可能となる。なお、通信部112が接続されるネットワークの接続形態は有線または無線を問わない。
【0068】
HDD116は、大容量記憶装置であり、CPU111により制御される。CPU111は、HDD116に記憶されたデータを読出し可能であり、また、HDD116にデータを書き込み可能である。
【0069】
外部記憶装置117は、CPU111により制御され、CD-ROM118、または半導体メモリが装着される。CPU111は、外部記憶装置117を制御して、CD-ROM118または半導体メモリに記憶されたデータの読出し、または、CD-ROM118または半導体メモリにデータを書き込みが可能である。
【0070】
本実施の形態においては、CPU111はROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、HDD116または外部記憶装置117に装着されたCD-ROM118等からプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。
【0071】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM118に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。
【0072】
さらに、CPU111がLAN3またはインターネット5に接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD116に記憶する、または、LAN3またはインターネット5に接続されたコンピューターがプログラムをHDD116に書込みするようにしてもよい。この場合、CPU111は、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行する。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0073】
操作パネル160は、表示部161と、操作部163と、を含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。操作部163は、タッチパネルと、複数のハードキーとを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネルは、表示部161の上面または下面に重畳して設けられる。タッチパネルは、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標を示す位置情報をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネルが出力する位置情報で特定される座標を、表示部161の表示面の座標に置き換えることができる。
【0074】
図4は、第1の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。
図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD116またはCD-ROM118に記憶されたネットワーク接続プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
【0075】
図4を参照して、CPU111は、設定部51と、取得部53と、切断検出部55と、接続検出部57と、依頼部59と、競合検出部61と、通常実行部63と、代理実行部65と、を含む。
【0076】
設定部51は、通信部112を制御し、内部アドレスと外部アドレスとのいずれかを設定アドレスとして設定する。設定アドレスは、通信部112に設定されるIPアドレスである。内部アドレスは、内部ネットワークであるLAN7においてMFP100に割り当てられたIPアドレスである。外部アドレスは、外部ネットワークであるLAN3においてサーバー200に割り当てられたIPアドレスである。なお、設定部51は、予め切換モードが設定されている場合に、設定アドレスとして設定されている内部アドレスを外部アドレスに切り換えるようにしてもよい。切換モードが設定されていない場合、設定部51は、設定アドレスとして設定されている内部アドレスを外部アドレスに切り換えない。
【0077】
取得部53は、通信部112を制御して、サーバー200から外部アドレスを取得する。取得部53は、通信部112が内部ネットワークであるLAN7に接続されており、かつ、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている状態で、サーバー200から外部アドレスを取得する。取得部53は、取得された外部アドレスを、例えば、HDD116に記憶する。サーバー200は、外部アドレスが変更される場合、変更後の外部アドレスをMFP100に送信するように設定されている。取得部53は、サーバー200において外部アドレスが変更される場合、サーバー200から変更後の外部アドレスを取得する。取得部53は、変更後の外部アドレスを取得する場合、HDD116に記憶されている外部アドレスを、変更後の外部アドレスで更新する。さらに、取得部53は、通信部112を制御して、サーバー200が提供するサービスに対して割り当てられた通信識別情報をサーバー200から取得する。取得部53は、取得された通信識別情報を、例えば、HDD116に記憶する。取得部53は、サーバー200から通信識別情報を取得するごとに、取得された通信識別情報をHDD116に記憶する。取得部53は、先に取得された通信識別情報を、最後に取得された通信識別情報で更新する。通信識別情報は、サーバー200がサービスを提供するために実行されるアプリケーションプログラムに割り当てられたポート番号である。具体的には、サーバー200が提供するサービスを識別するためのサービス識別情報と、そのサービスに対応するポート番号とを関連付けたポート番号テーブルを取得する。取得部53は、サーバー200から取得された外部アドレスを設定部51に出力し、外部アドレスおよびポート番号テーブルを代理実行部65に出力する。
【0078】
切断検出部55は、通信部112を制御して、ネットワークからの切断を検出する。切断検出部55は、ネットワークからの切断を検出する場合、接続検出部57に切断信号を出力する。切断検出部55は、通信部112がパケットを受信しない状態が所定時間継続すると、ネットワークからの切断を検出する。具体的には、切断検出部55は、通信部112がARPリクエストを所定時間受信しない場合には、ネットワークから切断されたことを検出する。ARPリクエストは、ARP(Address Resolution Protocol)のプロトコルによって定められた、MAC(Media Access Control)アドレスの要求である。なお、切断検出部55は、ARPリクエストの検出に限らず、ネットワークに接続された装置が、自装置の存在を他の装置に通知するために送信するパケットを検出するようにしてもよい。また、自装置の存在を他の装置に通知するために送信するパケットとは別に、ネットワークに接続された装置がネットワークにブロードキャストで送信されるパケットを検出するようにしてもよい。
【0079】
通信部112がLAN7から物理的に切断された状態では、通信部112がLAN7からARPリクエストを受信しない。通信部112がLAN7に物理的に接続されているがサーバー200が電源のOFF等などで動作していない状態では、通信部112がLAN7からARPリクエストを受信しない。したがって、切断検出部55は、通信部112がLAN7と物理的に接続されていない状態、または、通信部112がLAN7に物理的に接続されているがサーバー200の電源がOFFの状態で、LAN7から切断されていることを検出する。また、通信部112がLAN3から物理的に切断された状態では、通信部112がLAN3からARPリクエストを受信しない。したがって、切断検出部55は、通信部112がLAN3と物理的に接続されていない状態で、LAN3から切断されていることを検出する。
【0080】
接続検出部57は、通信部112を制御して、ネットワークとの接続を検出する。接続検出部57は、切断検出部55によりネットワークからの切断が検出された後に、ネットワークとの接続を検出する。接続検出部57は、通信部112がパケットを受信すると、ネットワークとの接続を検出する。具体的には、接続検出部57は、通信部112がARPリクエストを受信する場合に、ネットワークとの接続を検出する。ここでのARPリクエストは、ネットワークに接続された装置がブロードキャストで送信するARPリクエストである。なお、接続検出部57は、ARPリクエストの検出に限らず、ネットワークに接続された装置がブロードキャストで送信するパケットを検出するようにしてもよい。接続検出部57は、ネットワークとの接続を検出する場合、検出されたネットワークを識別するためのネット識別情報を設定部51、競合検出部61、通常実行部63および代理実行部65に出力する。
【0081】
通信部112がLAN7に物理的に接続された状態で、かつ、サーバー200が動作している状態で、通信部112がサーバー200からARPリクエストを受信する。したがって、接続検出部57は、通信部112がLAN7と物理的に接続されており、かつ、サーバー200が動作している状態で、ネットワークとの接続を検出する。通信部112がLAN7に物理的に接続されている状態で、かつ、サーバー200が電源のOFF等などで動作しない状態では、通信部112がLAN7からARPリクエストを受信しない。したがって、接続検出部57は、通信部112がLAN7と物理的に接続されており、かつ、サーバー200が動作していない状態で、ネットワークとの接続を検出しない。
【0082】
通信部112が、LAN3に物理的に接続された状態で、通信部112は、LAN3に接続された装置、例えば、サーバー200、PC15,15A、15Bおよびゲートウェイ装置13のいずれかからARPリクエストを受信する。したがって、接続検出部57は、通信部112がLAN3と物理的に接続されている状態で、ネットワークとの接続を検出する。
【0083】
接続検出部57は、ネットワークとの接続を検出する場合、接続されたネットワークがLAN3およびLAN7のいずれであるかを確認する。具体的には、通信部112に設定アドレスとして内部アドレスを設定し、pingコマンドをサーバー200に送信し、サーバー200から応答があった場合にLAN7に接続されたことを確認する。また、通信部112に設定アドレスとして外部アドレスを設定し、ARPリクエストを送信してきた任意の装置にpingコマンドを送信し、pingコマンドに対する応答がある場合に、LAN3に接続されたことを確認する。逆に、通信部112に設定アドレスとして内部アドレスを設定した状態で、pingコマンドをサーバー200に送信し、サーバー200から応答がない場合にLAN7に接続されていないと判断する。また、通信部112に設定アドレスとして外部アドレスを設定し、ARPリクエストを送信してきた任意の装置にpingコマンドを送信し、pingコマンドに対する応答がない場合に、LAN7に接続されていないと判断する。
【0084】
したがって、接続検出部57は、通信部112がLAN7に物理的に接続されており、サーバー200が動作している状態であって、設定アドレスにとして内部アドレスが設定されている状態において、LAN7に接続されていることを検出する。また、接続検出部57は、通信部112がLAN3に物理的に接続されており、設定アドレスにとして外部アドレスが設定されている状態において、LAN3に接続されていることを検出する。
【0085】
接続検出部57は、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている状態で、ネットワークとの接続を検出しない場合、または、ネットワークとの接続を検出するがLAN7と接続されていないと判断する場合、切換指示を設定部51に出力する。また、接続検出部57は、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で、ネットワークとの接続を検出しない場合、または、ネットワークとの接続を検出するがLAN3と接続されていないと判断する場合、切換指示を設定部51に出力する。
【0086】
また、接続検出部57は、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている状態で、LAN7との接続を検出する場合、通常実行部63に実行指示を出力する。接続検出部57は、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で、LAN3との接続を検出する場合、競合検出部61に競合検出指示を出力する。
【0087】
競合検出部61は、外部アドレスの競合を検出する。競合検出部61は、サーバー200が動作している場合に外部アドレスの競合を検出する。具体的には、競合検出部61は、通信部112がLAN3から受信するARPリクエストのうちに、内部アドレスと同じIPアドレスが送信元のIPアドレスとして設定されているARPリクエストが存在する場合に、サーバー200が動作していると判断する。競合検出部61は、サーバー200が動作していると判断する場合、接続検出部57および依頼部59に競合信号を出力する。
【0088】
接続検出部57は、競合検出部61から競合信号が入力される場合、次に切断検出部55から切断信号が入力されるまで、通信部112を制御してパケットの送信を停止させる。接続検出部57は、競合検出部61に競合検出指示を出力した後に、競合検出部61から競合信号が入力されない場合、代理実行部65に代理実行指示を出力する。
【0089】
依頼部59は、競合信号が入力されることに応じて、通信部112の物理的な接続先の変更をユーザーに依頼する。具体的には、通信部112が接続されるLANケーブルを、サーバー200への接続を促すメッセージを表示部161に表示する。また、管理者に、そのメッセージを含む電子メールを送信するようにしてもよい。
【0090】
設定部51は、設定アドレスとして内部アドレスを設定している状態で、接続検出部57から切換指示が入力されることに応じて、内部アドレスを外部アドレスに切り換える。具体的には、設定部51は、設定アドレスとして内部アドレスを設定している状態で切換指示が入力されることに応じて、設定アドレスとして外部アドレスを設定する。また、設定部51は、設定アドレスとして外部アドレスを設定している状態で、接続検出部57から切換指示が入力されることに応じて、外部アドレスを内部アドレスに切り換える。具体的には、設定部51は、設定アドレスとして外部アドレスを設定している状態で切換指示が入力されることに応じて、設定アドレスとして内部アドレスを設定する。
【0091】
通常実行部63は、接続検出部57から実行指示が入力される場合、通信部112により受信されるパケットに基づいて、処理を実行する。接続検出部57から実行指示が入力される場合は、接続検出部57によってLAN7との接続が検出される場合である。この場合、通信部112がサーバー200からパケットを受信する。サーバー200は、外部のPC15,15A~15Cからプリントジョブを受信する場合、プリントジョブを複数のパケットに分割してMFP100に送信する。このため、通常実行部63は、通信部112が、サーバー200が外部のPC15,15A~15Cのいずれかから受信するプリントジョブをサーバー200から受信することに応じて、受信されたプリントジョブを実行する。
【0092】
代理実行部65は、接続検出部57から代理実行指示が入力される場合、通信部112により受信されるパケットに基づいて、処理を実行する。接続検出部57から代理実行指示が入力される場合は、接続検出部57によってLAN3との接続が検出される場合である。この場合、通信部112は、設定アドレスとして外部アドレスが設定されているので、通信部112は、宛先をサーバー200とするパケットを受信する。このパケットは、サーバー200が提供するサービスに割り当てられたポート番号を含む。
【0093】
代理実行部65は、取得部53からポート番号テーブルが入力される。代理実行部65は、取得部53から入力されるポート番号テーブルを参照して、通信部112が受信するパケットに含まれるポート番号と関連付けられたサービスを特定する。代理実行部65は、特定されたサービスが予め定められた特定処理の場合に、受信されたパケットで特定されるデータに対する処理を実行する。ここでは、特定処理は、MFP100に対するジョブを受け付け、MFP100にジョブを実行させるプリントサービスとしている。また、代理実行部65は、特定されたサービスが特定処理でない場合に、パケットの送信元にエラー情報を送信する。エラー情報は、サーバー200が停止していることを示す情報である。また、エラー情報は、サーバー200がサービスを提供できないことを示す情報であってもよい。特定処理でないサービスは、例えば、ネットワーク管理サービスを含む。例えば、代理実行部65は、通信部112がMIB(Management Infomation Base)情報を要求するパケットを受信する場合、MIB情報にサーバー200がダウンしていることを示す情報を付加して、MIB情報を要求してきた装置に返信する。
【0094】
図5は、第1の実施の形態における切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。切換処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD116またはCD-ROM118に記憶されたネットワーク接続プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。切換処理が実行される前の段階で、通信部112に設定アドレスとして内部アドレスが設定されている。この場合、通信部112は、サーバー200と通信可能であり、サーバー200が送信するサーバーデータをサーバー200から受信する。
【0095】
図5を参照して、MFP100が備えるCPU111は、通信部112がサーバー200からサーバーデータを受信したか否かを判断する(ステップS01)。サーバーデータを受信したならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければステップS02をスキップして処理をステップS03に進める。ステップS02においては、サーバーデータを処理し、処理をステップS03に進める。例えば、サーバーデータがプリントジョブの場合、プリントジョブを実行し、プリントジョブに含まれる画像データの画像を形成する。また、サーバー200からサーバーデータとして外部アドレスまたは通信識別情報を受信する場合、HDD116に記憶しているそれらを更新する。
【0096】
ステップS03においては、通信部112がネットワークから切断されたか否かを判断する。ネットワークから切断されたならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。通信部112がARPリクエストを所定時間継続して受信しない場合、ネットワークから切断されたと判断する。通信部112がLAN7に物理的に接続されている状態から、物理的に切断されると、ARPリクエストを受信しなくなる。また、通信部112がLANに物理的に接続されている状態で、サーバー200の電源がOFFになるとARPリクエストを受信しなくなる。したがって、ステップS03においては、通信部112がLAN7から物理的に切断される場合、または、サーバー200の電源がOFFになる場合に、ネットワークから切断されたと判断する。
【0097】
ステップS04においては、通信部112がネットワークに接続されたか否かを判断する。通信部112がARPリクエストを受信したならばネットワークに物理的に接続されたと判断する。ネットワークに物理的に接続されるまで待機状態となり(ステップS04でNO)、ネットワークに物理的に接続されると(ステップS04でYES)、処理をステップS05に進める。ステップS05においては、設定アドレスを内部アドレスに設定し、処理をステップS06に進める。ステップS06においては、内部ネットワークであるLAN7に接続されたか否かを確認する。サーバー200にpingコマンドを送信し、応答を受信したならばLAN7に接続されたと判断する。LAN7に接続されたならば処理をステップS01に戻すが、そうでなければ処理をステップS07に進める。内部アドレスは、内部ネットワークにおいてMFP100に割り当てられたIPアドレスである。このため、内部アドレスが設定されている状態でpingコマンドを送信する場合、通信部112が内部ネットワークであるLAN7に接続されていればサーバー200からpingコマンドに対する応答を受信するが、通信部112が外部ネットワークであるLAN3に接続されていればpingコマンドに対する応答を受信しない。
【0098】
ステップS07においては、設定アドレスを外部アドレスに設定し、処理をステップS08に進める。ステップS08においては、外部ネットワークであるLAN3に接続されたか否かを確認する。ステップS04において受信されたARPリクエストを送信してきた装置にpingコマンドを送信し、応答を受信する場合にLAN3に接続されたと判断する。LAN3に接続されたならば処理をステップS09に進めるが、そうでなければ処理をステップS05に戻す。外部アドレスは、外部ネットワークにおいてサーバー200に割り当てられたIPアドレスである。このため、外部アドレスが設定されている状態でpingコマンドを送信する場合、通信部112が外部ネットワークであるLAN3に接続されていればpingコマンドに対する応答を受信するが、通信部112が内部ネットワークに接続されていればpingコマンドに対する応答を受信しない。
【0099】
ステップS09においては、外部アドレスが競合するか否かを判断する。ステップS04において受信されるARPリクエストのうちに、送信元のIPアドレスに外部アドレスが設定されたARPリクエストが存在するならば外部アドレスが競合すると判断する。外部アドレスが競合するならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。LAN3にサーバー200が物理的に接続されている状態で、サーバー200が動作していれば、サーバー200はARPリクエストを送信する。このため、サーバー200が動作している状態では、MFP100とサーバー200とで同じ外部アドレスが設定されているので、IPアドレスが競合する。一方、LAN3にサーバー200が物理的に接続されている状態で、サーバー200が電源OFFなどで動作しなければサーバー200はARPリクエストを送信しない。このため、サーバー200が動作していない状態では、MFP100にサーバー200と同じ外部アドレスが設定されている状態で、IPアドレスが競合しない。
【0100】
ステップS10においては、ユーザーにネットワークの接続先の変更を依頼し、処理をステップS11に進める。例えば、通信部112をLAN3に接続する操作を、ユーザーに促すメッセージを表示部161に表示する。または、MFP100の管理者に、メッセージを電子メールで送信する。また、パケットを送信しないように通信部112を制御する。ステップS11においては、通信部112がLAN3から切断されたか否かを判断する。LAN3から切断されるまで待機状態となり(ステップS11でNO)、LAN3から切断されたならば処理をステップS04に戻す。通信部112がARPリクエストを所定時間継続して受信しない場合、LAN3から切断されたと判断する。
【0101】
ステップS12においては、通信部112がサーバー200宛てのパケットを受信したか否かを判断する。サーバー宛てのパケットは、送信先に外部アドレスが設定されたパケットである。サーバー200宛てのパケットを受信したならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS16に進める。ステップS16においては、通信部112がLAN3から切断されたか否かを判断する。LAN3から切断されたならば処理をステップS04に戻すが、そうでなければ処理をステップS12に戻す。通信部112がARPリクエストを所定時間継続して受信しない場合、ネットワークから切断されたと判断する。
【0102】
ステップS13においては、通信部112が受信したパケットが、特定処理か否かを判断する。サーバー200から取得されたポート番号テーブルを参照して、パケットに含まれるポート番号と関連付けられたサービスを特定し、特定されたサービスが特定処理か否かを判断する。特定処理は、MFP100に対するジョブを受信し、MFP100にジョブを実行させるプリントサービスである。特定処理ならば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に進める。ステップS14においては、受信されたパケットで特定されるデータに対する処理を実行し、処理をステップS12に戻す。具体的には、画像形成部140を制御して、パケットから生成されるジョブで特定される画像データの画像を形成させる。
【0103】
一方、ステップS15においては、サーバー宛てのパケットの送信元にエラー情報を送信し、処理をステップS12に戻す。エラー情報は、サーバー200が停止していることを示す情報である。また、エラー情報は、サーバー200サービスを提供できないことを示す情報であってもよい。
【0104】
<第1の変形例>
上述した第1の実施の形態においては、ネットワークとの接続が検出されることに応じて、内部アドレスと外部アドレスとを切り換えるようにした。第1の変形例においては、ネットワークとの切断が検出されることに応じて、内部アドレスと外部アドレスとを切り換えるようにしたものである。
【0105】
図6は、第1の変形例における切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6を参照して、ステップS21~ステップS23は、
図5に示したステップS01~ステップS03と同じである。したがって、ここでは説明を繰り返さない。ステップS23において、LAN7からの切断が検出される場合、処理をステップS24に進め、そうでなければ処理をステップS21に戻す。
【0106】
ステップS24においては、設定アドレスを外部アドレスに設定し、処理をステップS25に進める。ステップS25においては、通信部112がネットワークに接続されたか否かを判断する。通信部112がARPリクエストを受信したならばネットワークに接続されたと判断する。ネットワークに接続されるまで待機状態となり(ステップS25でNO)、ネットワークに接続されると(ステップS25でYES)、処理をステップS25に進める。ステップS25においては、外部ネットワークであるLAN3に接続されたか否かを確認する。ステップS25において受信されたARPリクエストの送信元に、pingコマンドを送信し、応答を受信したならばLAN3に接続されたと判断する。LAN3に接続されたならば処理をステップS30に進めるが、そうでなければ処理をステップS27に進める。ステップS30においては、外部切換処理を実行し、処理をステップS21に戻す。外部切換処理の詳細は後述する。
【0107】
ステップS27においては、設定アドレスを内部アドレスに設定し、処理をステップS28に進める。ステップS28においては、通信部112が内部ネットワークであるLAN7に接続されたか否かを判断する。通信部112がサーバー200からARPリクエストを受信したならばLAN7に接続されたと判断する。LAN7に接続されたならば処理をステップS21に戻すが、そうでなければ処理をステップS29に進める。ステップS29においては、設定アドレスを外部アドレスに設定し、処理をステップS26に戻す。
【0108】
図7は、外部切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。外部切換処理は、
図6のステップS30において実行される処理である。外部切換処理が実行される前の段階で、設定アドレスが外部アドレスに設定されている。
【0109】
図7を参照して、CPU111は、外部アドレスが競合するか否かを判断する。外部アドレスが競合するならば処理をステップS32に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に進める。
【0110】
ステップS32においては、ユーザーにネットワークの接続先の変更を依頼し、処理をステップS33に進める。ステップS33においては、通信部112がLAN3から切断されたか否かを判断する。LAN3から切断されるまで待機状態となり(ステップS33でNO)、LAN3から切断されたならば(ステップS33でYES)、処理をステップS39に進める。通信部112がARPリクエストを所定時間継続して受信しない場合、LAN3から切断されたと判断する。
【0111】
ステップS34においては、通信部112がサーバー200宛てのパケットを受信したか否かを判断する。サーバー200宛てのパケットを受信したならば処理をステップS35に進めるが、そうでなければ処理をステップS38に進める。
【0112】
ステップS35においては、通信部112が受信したパケットが、特定処理か否かを判断する。サーバー200から取得されたポート番号テーブルを参照して、パケットに含まれるポート番号と関連付けられたサービスを特定し、特定されたサービスが特定処理か否かを判断する。特定処理ならば処理をステップS36に進めるが、そうでなければ処理をステップS37に進める。ステップS36においては、受信されたパケットで特定されるデータに対する処理を実行し、処理をステップS34に戻す。具体的には、画像形成部140を制御して、パケットから生成されるジョブで特定される画像データの画像を形成させる。一方、ステップS37においては、パケットの送信元にエラー情報を送信し、処理をステップS34に戻す。
【0113】
ステップS38においては、通信部112がLAN3から切断されたか否かを判断する。LAN3から切断されたならば処理をステップS39に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に戻す。通信部112がARPリクエストを所定時間継続して受信しない場合、LAN3から切断されたと判断する。
【0114】
ステップS39においては、設定アドレスとして内部アドレスを設定し、処理をステップS40に進める。ステップS40においては、通信部112がネットワークに接続されたか否かを判断する。通信部112がARPリクエストを受信したならばネットワークに接続されたと判断する。ネットワークに接続されるまで待機状態となり(ステップS40でNO)、ネットワークに接続されると(ステップS40でYES)、処理をステップS41に進める。ステップS41においては、内部ネットワークであるLAN7に接続されたか否かを確認する。サーバー200に、pingコマンドを送信し、応答を受信したならばLAN7に接続されたと判断する。LAN7に接続されたならば処理を切換処理に戻すが、そうでなければ処理をステップS42に進める。
【0115】
ステップS42においては、設定アドレスとして外部アドレスを設定し、処理をステップS43に進める。ステップS43においては、通信部112が外部ネットワークであるLAN3に接続されたか否かを判断する。ステップS40において受信されたARPアドレスの送信元にpingコマンドを送信し、応答を受信したならばLAN3に接続されたと判断する。LAN3に接続されたならば処理をステップS31に戻すが、そうでなければ処理をステップS44に進める。ステップS44においては、設定アドレスとして内部アドレスを設定し、処理をステップS41に戻す。
【0116】
<第2の実施の形態>
図8は、第2の実施の形態の1つにおける情報処理システムの全体概要の一例を示す図である。
図8を参照して、
図1に示した情報処理システム1の全体概要と異なる点は、外部ネットワークであるLAN3が外部無線LAN3Aに変更された点である。具体的には、ゲートウェイ装置13にアクセスポイント(AP)19が接続される。複合装置10およびPC15,15A~15Cそれぞれは、無線LANインターフェースを備えており、AP19を介してゲートウェイ装置13に接続される。このため、複合装置10、ゲートウェイ装置13およびPC15,15A,15Cそれぞれは、外部無線LAN3Aを介して、互いに通信可能である。また、複合装置10およびPC15,15A,15Cそれぞれは、ゲートウェイ装置13を介して、クラウドサーバー17およびPC15Cと通信可能である。
【0117】
図9は、第2の実施の形態における複合装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9を参照して、
図3に示したブロック図と異なる点は、サーバー200において外部通信部204および内部通信部205が外部無線通信部204Aおよび内部無線通信部205Aにそれぞれ変更された点、MFP100において、通信部112が無線通信部112Aに変更された点である。その他のハードウェアは、
図3に示したハードウェイと同じなので、ここでは説明を繰り返さない。サーバー200とMFP100とは、内部ネットワークである内部無線LAN7Aで接続される。
【0118】
外部無線通信部204Aは、サーバー200を外部ネットワークである外部無線LAN3Aに接続するためのインターフェースである。具体的には、サーバー200には、AP19に割り当てられたSSID(Service Set IDentifier)が記憶されている。サーバー200の管理者が、AP19のSSIDを登録するようにしてもよいし、サーバー200がAP19を探索して、AP19からSSIDを取得するようにしてもよい。CPU201は、外部無線通信部204Aを制御して、AP19のSSIDを用いて外部無線通信部204AをAP19と接続させる。
【0119】
サーバー200が備える内部無線通信部205Aは、内部ネットワークである内部無線LAN7Aに接続するためのインターフェースである。MFP100が備える無線通信部112Aは、内部無線LAN7Aに接続するためのインターフェースである。
【0120】
CPU111は、通信部112を介して、サーバー200からAP19のSSIDを取得する。無線通信部112Aは、CPU111をネットワークに接続するためのインターフェースである。無線通信部112Aは、CPU111により制御され、CPU111により設定されたSSIDで特定されるアクセスポイントに接続し、CPU111により指定されたIP(Internet Protocol)アドレスを設定し、設定されたIPアドレスを用いてパケットをアクセスポイントに送受信する。具体的には、MFP100は、サーバー200の内部無線通信部205Aに割り当てられたSSIDが予め記憶されている。無線通信部112Aは、内部無線通信部205AのSSIDが指定される場合、内部無線LAN7Aと接続するために、指定されたSSIDで特定される内部無線通信部205Aと接続する。そして、無線通信部112Aは、内部ネットワークである内部無線LAN7AにおいてMFP100に割り当てられたIPアドレスが設定された状態で、サーバー200の内部無線通信部205Aと通信する。無線通信部112Aは、AP19のSSIDが指定される場合、外部無線LAN3Aと接続するために、AP19のSSIDを用いてAP19と接続する。そして、無線通信部112Aは、外部ネットワークである外部無線LAN3Aにおいてサーバー200に割り当てられたIPアドレスが設定された状態で、AP10と通信する。
【0121】
図10は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。
図10を参照して、
図4に示した機能と異なる点は、依頼部59が削除された点、設定部51、取得部53、切断検出部55、接続検出部57、競合検出部61および代理実行部65が、設定部51A、取得部53、切断検出部55A、接続検出部57A、競合検出部61Aおよび代理実行部65Aにそれぞれ変更された点である。その他の機能は
図4に示した機能と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0122】
設定部51Aは、無線通信部112Aを制御し、内部アドレスと外部アドレスとのいずれかを設定アドレスとして設定する。設定アドレスは、無線通信部112Aが通信するために設定されるIPアドレスである。内部アドレスは、内部ネットワークである内部無線LAN7AにおいてMFP100に割り当てられたIPアドレスである。外部アドレスは、外部ネットワークである外部無線LAN3Aにおいてサーバー200に割り当てられたIPアドレスである。なお、設定部51Aは、予め切換モードが設定されている場合に、設定アドレスとして設定されている内部アドレスを外部アドレスに切り換えるようにしてもよい。切換モードが設定されていない場合、設定部51は、設定アドレスとして設定されている内部アドレスを外部アドレスに切り換えない。
【0123】
取得部53Aは、無線通信部112Aを制御して、サーバー200から外部アドレス、およびAP19のSSIDを取得する。サーバー200は、外部アドレスが変更される場合、変更後の外部アドレスをMFP100に送信するように設定されており、AP19のSSIDが変更される場合、変更後のSSIDをMFP100に送信するように設定されている。取得部53Aは、サーバー200において外部アドレスが変更される場合、サーバー200から変更後の外部アドレスを取得し、サーバー200においてAP19のSSIDが変更される場合、サーバー200から変更後のSSIDを取得する。さらに、取得部53Aは、無線通信部112Aを制御して、サーバー200が提供するサービスに対して割り当てられた通信識別情報をサーバー200から取得する。具体的には、取得部53Aは、ポート番号テーブルをサーバー200から取得する。取得部53Aは、サーバー200から取得された外部アドレスを設定部51Aに出力し、外部アドレスおよびポート番号テーブルを代理実行部65Aに出力する。
【0124】
切断検出部55Aは、無線通信部112Aを制御して、ネットワークからの切断を検出する。切断検出部55Aは、ネットワークからの切断を検出する場合、接続検出部57Aに切断信号を出力する。切断検出部55Aは、無線通信部112Aが通信コネクションの切断を検出すると、ネットワークからの切断を検出する。無線通信部112Aが内部無線LAN7Aに接続されている場合、内部無線通信部205Aとの間で確立された通信コネクションが切断されると、内部無線LAN7Aからの切断を検出する。また、無線通信部112Aが外部無線LAN3Aに接続されている場合、AP19との間で確立された通信コネクションが切断されると、外部無線LAN3Aからの切断を検出する。
【0125】
接続検出部57Aは、無線通信部112Aを制御して、ネットワークとの接続を検出する。接続検出部57Aは、切断検出部55Aによりネットワークからの切断が検出された後に、ネットワークとの接続を検出する。接続検出部57Aは、無線通信部112AがSSIDを用いて内部無線通信部205AまたはAP19と通信セッションを確立すると、ネットワークとの接続を検出する。接続検出部57Aは、ネットワークとの接続を検出する場合、検出されたネットワークを識別するためのネット識別情報を設定部51A、競合検出部61A、通常実行部63Aおよび代理実行部65Aに出力する。
【0126】
サーバー200が動作している状態では、無線通信部112Aが内部無線LAN7Aと通信コネクションを確立する。したがって、接続検出部57Aは、無線通信部112Aが内部無線通信部205Aと通信コネクションを確立すると、内部無線LAN7Aとの接続を検出する。また、接続検出部57Aは、無線通信部112AがAP19と通信コネクションを確立すると、外部無線LAN3Aとの接続を検出する。
【0127】
また、接続検出部57Aは、内部無線LAN7Aとの接続を検出する場合、通常実行部63に実行指示を出力する。接続検出部57は、外部無線LAN3Aとの接続を検出する場合、競合検出部61に競合検出指示を出力する。
【0128】
競合検出部61Aは、外部アドレスの競合を検出する。競合検出部61Aは、サーバー200が動作している場合に外部アドレスの競合を検出する。具体的には、競合検出部61Aは、無線通信部112AがAP19から受信するARPリクエストのうちに、外部アドレスと同じIPアドレスが送信元のIPアドレスとして設定されているARPリクエストが存在する場合に、サーバー200が動作していると判断する。競合検出部61Aは、サーバー200が動作していると判断する場合、接続検出部57Aおよび依頼部59に競合信号を出力する。接続検出部57Aは、競合検出部61Aから競合信号が入力される場合、無線通信部112Aを制御して、AP19との接続を切断させる。
【0129】
接続検出部57Aは、競合検出部61Aに競合検出指示を出力した後に、競合検出部61Aから競合信号が入力されない場合、代理実行部65Aに代理実行指示を出力する。
【0130】
設定部51Aは、設定アドレスとして内部アドレスを設定している状態で、接続検出部57Aから切換指示が入力されることに応じて、内部アドレスを外部アドレスに切り換える。具体的には、設定部51Aは、設定アドレスとして内部アドレスを設定している状態で切換指示が入力されることに応じて、設定アドレスとして外部アドレスを設定する。また、設定部51Aは、設定アドレスとして外部アドレスを設定している状態で、接続検出部57から切換指示が入力されることに応じて、外部アドレスを内部アドレスに切り換える。具体的には、設定部51Aは、設定アドレスとして外部アドレスを設定している状態で切換指示が入力されることに応じて、設定アドレスとして内部アドレスを設定する。
【0131】
代理実行部65Aは、接続検出部57Aから代理実行指示が入力される場合、無線通信部112Aにより受信されるパケットに基づいて、処理を実行する。接続検出部57Aから代理実行指示が入力される場合は、接続検出部57Aによって外部ネットワークとの接続が検出される場合である。この場合、無線通信部112Aは、設定アドレスとして外部アドレスが設定されているので、宛先をサーバー200とするパケットを受信する。パケットには、サーバー200が提供するサービスに割り当てられたポート番号を含む。
【0132】
代理実行部65Aは、取得部53Aからポート番号テーブルが入力される。代理実行部65Aは、取得部53から入力されるポート番号テーブルを参照して、無線通信部112Aが受信するパケットに含まれるポート番号と関連付けられたサービスを特定する。代理実行部65Aは、特定されたサービスが予め定められた特定処理の場合に、受信されたパケットで特定されるデータに対する処理を実行する。ここでは、特定処理は、MFP100に対するジョブを受け付け、MFP100にジョブを実行させるプリントサービスである。また、代理実行部65Aは、特定されたサービスが特定処理でない場合に、パケットの送信元にエラー情報を送信する。エラー情報は、サーバー200が停止していることを示す情報である。また、エラー情報は、サーバー200サービスを提供できないことを示す情報であってもよい。
【0133】
図11は、第2の実施の形態における切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11を参照して、
図5に示した処理と異なる点は、ステップS04およびステップS11が削除された点、ステップS06、ステップS08、ステップS10およびステップS16が、ステップS06A、ステップS08A、ステップS10AおよびステップS16Aに変更された点である。その他の処理は
図5に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0134】
ステップS05において、設定アドレスとして内部アドレスが設定されると、次のステップS06Aにおいては、内部ネットワークに接続されたか否かを確認する。無線通信部112Aを制御して、内部無線通信部205AのSSIDを用いて、内部無線通信部205Aとの間で通信コネクションが確立される場合に内部ネットワークである内部無線LAN7Aに接続されたと判断する。内部無線LAN7Aに接続されたならば処理をステップS07に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。
【0135】
ステップS07においては、設定アドレスとして外部アドレスを設定し、処理をステップS08Aに進める。ステップS08Aにおいては、外部ネットワークに接続されたか否かを確認する。無線通信部112Aを制御して、AP19のSSIDを用いて、AP19との間で通信コネクションが確立される場合に外部ネットワークである外部無線LAN3Aに接続されたと判断する。外部ネットワークに接続されたならば処理をステップS09に進めるが、そうでなければ処理をステップS05に戻す。
【0136】
ステップS09において、外部アドレスが競合すると判断される場合、ステップS10Aにおいて、無線通信部112Aを制御して、AP19との間で確立された通信コネクションを切断させ、処理をステップS05に戻す。
【0137】
ステップS16Aにおいては、無線通信部112AによってAP19との間で確立された通信コネクションが切断されたか否かを判断する。通信コネクションが切断されたならば処理をステップS05に戻すが、そうでなければ処理をステップS12に戻す。
【0138】
<第2の変形例>
上述した第2の実施の形態においては、ネットワークとの接続が検出されることに応じて、内部アドレスと外部アドレスとを切り換えるようにした。第2の変形例においては、ネットワークとの切断が検出されることに応じて、内部アドレスと外部アドレスとを切り換えるようにしたものである。
【0139】
図12は、第2の変形例における切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12を参照して、
図6に示した処理と異なる点は、ステップS25が削除された点、ステップS23およびステップS26が、ステップS23AおよびステップS26Aに変更された点である。その他の処理は、
図6に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0140】
ステップS23においては、内部ネットワークからの切断を検出したか否かを判断する。外部ネットワークからの切断を検出したならば処理をステップS23に進めるが、そうでなければ処理をステップS21に戻す。無線通信部112Aがサーバー200の内部無線通信部205Aとの間で確立した通信コネクションが切断されたならば内部ネットワークからの切断を検出する。
【0141】
ステップS24において、外部アドレスを設定した後、ステップS26Aにおいて、外部ネットワークとの接続が確認できたか否かを判断する。無線通信部112Aを制御して、サーバー200から取得されたSSIDでAP19との間に通信コネクションが確立されたならば外部ネットワークとの接続が確認できたと判断する。外部ネットワークとの接続が確認できたならば処理をステップS30に進めるが、そうでなければ処理をステップS27に進める。
【0142】
図13は、第2の変形例における外部切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13を参照して、
図7に示した処理と異なる点は、ステップS33およびステップS40が削除された点、ステップS32、ステップS38およびステップS43がステップS32A、ステップS38AおよびステップS419にそれぞれ変更された点である。その他の処理は、
図7に示した処理と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0143】
ステップS31において、自装置のIPアドレスが競合すると判断される場合、ステップS32Aにおいて、無線通信部112Aを制御して、AP19との間で確立されている通信コネクションを切断し、処理をステップS39に進める。
【0144】
ステップS34において、無線通信部112Aがサーバー200宛てのパケットを受信したならば処理をステップS35に進めるが、そうでなければ処理をステップS38Aに進める。ステップS38Aにおいては、外部ネットワークから切断されたか否かを判断する。無線通信部112AとAP19との間で確立された通信コネクションが切断される場合、外部ネットワークから切断されたと判断する。外部ネットワークから切断されたならば処理をステップS39に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に戻す。
【0145】
ステップS42において、外部アドレスが設定されると、次のステップS43Aにおいて、外部ネットワークに接続されたか否かを確認する。無線通信部112Aを制御して、AP19のSSIDを用いて、AP19との間で通信コネクションが確立される場合に外部ネットワークに接続されたと判断する。AP19に接続されたならば処理をステップS31に戻すが、そうでなければ処理をステップS44に進める。
【0146】
<第3の変形例>
第2の実施の形態においては、サーバー200とMFP100とを内部無線LAN7Aで接続するようにしたが、サーバー200とMFP100とを有線で接続するようにしてもよい。
【0147】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、サーバー200の電源がOFFになる等してLAN7との接続が切断されたことが検出されることに応じて、設定アドレスとして外部アドレスを設定するので、通信部112がLAN3に接続されると、LAN3に接続されたPC15,15A,15Bまたはゲートウェイ装置13と通信することができる。また、LAN3との接続が切断されたことが検出されることに応じて、設定アドレスとして外部アドレスを設定するので、通信部112がLAN7と接続されるとサーバー200と通信することができる。このため、LAN7およびLAN3のいずれかに接続する際に設定アドレスが自動的に切り換わるので、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にすることができる。
【0148】
また、MFP100は、通信部112がLAN3に接続されると外部アドレスを設定し、LAN7に接続されると内部アドレスを設定する。このため、2つのネットワークのいずれかに接続される場合に、接続されたネットワークで使用可能なアドレスを設定するので、ネットワークに接続された他の装置と通信するための設定を容易にすることができる。
【0149】
また、MFP100は、設定アドレスとして外部アドレスが設定されている状態で受信されるサーバー200宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行するので、サーバー200に代わって受信されたパケットデータを、サーバー200に代わって処理することができる。
【0150】
また、MFP100は、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている間にサーバー200と通信不可能な状態になることに応じて、設定アドレスとしてLAN3においてサーバー200に割り当てられた外部アドレスに設定するので、LAN3に接続されたPC15,15A,15Bおよびゲートウェイ装置13と通信することができる。また、設定アドレスとして外部アドレスを設定している状態で受信されるサーバー200宛てのパケットデータに基づいて、処理を実行するので、サーバー200に代わって受信されたパケットデータを、サーバー200に代わって処理することができる。このため、サーバー200が動作しなくなった場合に、サーバー200宛てに送信されるデータを処理することができる。
【0151】
また、MFP100は、サーバー200宛てのパケットデータに含まれるポート番号に割当られたサービスが特定サービスの場合、サーバー200宛てのパケットデータに基づいて処理を実行する。このため、特定サービスを要求するパケットデータに基づいて処理を実行するので、LAN3に接続されたPC15,15A,15Bおよびゲートウェイ装置13からMFP100宛てに送信されたデータを処理することができる。
【0152】
また、MFP100は、特定サービス宛てでないパケットデータの送信元にエラー情報を送信するので、LAN3に接続されたPC15,15A,15Bおよびゲートウェイ装置13にサービスを提供できないこと、または、サーバー200が停止していることを通知することができる。
【0153】
また、MFP100は、外部アドレスの競合が検出される場合、接続先の変更をユーザーに依頼するので、LAN3との接続が不適切であることをユーザーに通知することができる。
【0154】
また、MFP100は、サーバー200から変更後の外部アドレスを取得するので、サーバー200に最後に割り当てられた外部アドレスを取得することができる。
【0155】
また、MFP100は、設定アドレスとして内部アドレスが設定されている状態で受信されるパケットデータに基づいて処理を実行するので、サーバー200から受信されるパケットデータを処理することができる。
【0156】
また、MFP100は、LAN7によりサーバー200と通信可能な状態で、サーバー200から外部アドレスを取得して記憶するので、LAN7によりサーバー200と通信不可能な状態で、設定アドレスとして外部アドレスを設定することができる。
【0157】
また、第2の実施の形態におけるMFP100は、無線通信部112Aを備え、自装置のIPアドレスとして外部アドレスが設定されている間、無線通信部112Aを制御して、外部ネットワークに接続されたAP19と接続させる。このため、外部ネットワークに容易に接続することができる。
【0158】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0159】
<付記>
(1) 前記競合が検出される場合、前記通信手段を制御してデータの送信を禁止させる、請求項9に記載の画像処理装置。
(2) 前記設定手段は、前記設定アドレスを、ユーザーによる操作を受け付けることを条件に切り換える、請求項1~11のいずれかに記載の画像処理装置。
(3) 前記切断検出手段は、前記通信手段が所定時間継続してパケットデータを検出しない場合、前記切断を検出する、請求項1に記載の画像処理装置。
(4) 前記接続検出手段は、前記通信手段が所定のコマンドに対する応答を受信する場合、前記接続を検出する、請求項2または3に記載の画像処理装置。
(5) 前記接続検出手段は、前記無線通信手段を制御して、前記設定アドレスが前記内部アドレスに設定されている間、前記サーバーと接続させる、請求項4に記載の画像処理装置。
(6)前記エラー情報は、前記サーバーが停止していることを示す、請求項8に記載の画像処理装置。
(7) 前記代理時実行手段は、MIB(Management Infomation Base)情報が要求される場合、前記MIB情報に前記サーバーがダウンしていることを示す情報を付加して応答する、請求項5または6に記載の画像処理装置。
【符号の説明】
【0160】
1 情報処理システム、3 LAN、5 インターネット、10 複合装置、13 ゲートウェイ装置、17 クラウドサーバー、51,51A 設定部、53,519 取得部、55,55A 切断検出部、57,57A 接続検出部、59 依頼部、61,61A 競合検出部、63 通常実行部、65,65A 代理実行部、100 MFP、111 CPU、112 通信部、112A 無線通信部、113 ROM、114 RAM、115 ファクシミリ部、116 HDD、117 外部記憶装置、118 CD-ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、161 表示部、163 操作部、200 サーバー、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 外部通信部、204A 外部無線通信部、205 内部通信部、205A 内部無線通信部、206 HDD、207 外部記憶装置、221 バス。