(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20220216BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20220216BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
H04N7/15 150
H04N21/442
H04M3/56 C
(21)【出願番号】P 2018182484
(22)【出願日】2018-09-27
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 寧
(72)【発明者】
【氏名】竹原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】長沼 立巳
(72)【発明者】
【氏名】須山 明昇
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 智
(72)【発明者】
【氏名】青木 雄士
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-079390(JP,A)
【文献】特開平10-191245(JP,A)
【文献】特開2000-023130(JP,A)
【文献】特開2011-019034(JP,A)
【文献】特開2013-126223(JP,A)
【文献】特開2014-090379(JP,A)
【文献】特開2015-061194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/10
H04N 7/14 - 7/173
H04N 7/20 - 7/56
H04N 21/00 -21/858
H04M 3/00
H04M 3/16 - 3/20
H04M 3/38 - 3/58
H04M 7/00 - 7/16
H04M 11/00 -11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像情報及び音声情報を含む配信情報の出力を停止する旨の停止信号が取得されてから、前記配信情報の出力を再開する旨の再開信号が取得されるまでの停止時間において、前記配信情報の出力を停止する配信情報出力部と、
前記停止時間における前記映像情報及び前記音声情報の少なくとも一方に基づき、前記停止時間の長さに応じて情報量が異なる補助情報を生成する補助情報生成部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記補助情報生成部は、前記停止時間が第1時間範囲よりも短い場合、前記停止時間における前記映像情報を含む情報を前記補助情報として生成し、前記停止時間が前記第1時間範囲よりも長く、かつ、前記第1時間範囲より長い第2時間範囲よりも短い場合、前記停止時間における音声情報のテキストデータを取得して、前記映像情報を含まず前記テキストデータを含む情報を、前記補助情報として生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記補助情報生成部は、前記停止時間が前記第2時間範囲よりも長い場合、前記停止時間において音声を発している話者のうち特定の話者の音声情報のテキストデータである特定テキストデータを取得して、前記映像情報を含まず前記特定テキストデータを含む情報を、前記補助情報として生成する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
所定の停止時間において、映像情報及び音声情報を含む配信情報の表示を停止する配信情報表示部と、
前記停止時間における前記映像情報及び前記音声情報の少なくとも一方に基づく情報であって、前記停止時間の長さに応じて情報量が異なる情報である補助情報を、前記停止時間の経過後に、前記配信情報と同時に表示する補助情報表示部と、を有する、表示装置。
【請求項5】
映像情報及び音声情報を含む配信情報の出力を停止する旨の停止信号を取得してから、前記配信情報の出力を再開する旨の再開信号を取得するまでの停止時間の間には、前記配信情報の出力を停止する配信情報出力ステップと、
前記停止時間における前記映像情報及び前記音声情報の少なくとも一方に基づき、前記停止時間の長さに応じて情報量が異なる補助情報を生成する補助情報生成ステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項6】
映像情報及び音声情報を含む配信情報の出力を停止する旨の停止信号を取得してから、前記配信情報の出力を再開する旨の再開信号を取得するまでの停止時間の間には、前記配信情報の出力を停止する配信情報出力ステップと、
前記停止時間における前記映像情報及び前記音声情報の少なくとも一方に基づき、前記停止時間の長さに応じて情報量が異なる補助情報を生成する補助情報生成ステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、表示装置、情報処理方法、及びプログラム
に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔のユーザ同士でコミュニケーションを図る際に用いられる遠隔コミュニケーションツールにおいて、映像データ及び音声データを記録しておき、記録したデータを抽出してプレイバック再生して、ユーザに提供する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、音声と操作の開始時刻及び終了時刻に基づき、データを再生する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば遠隔会議などでは、ユーザ間の情報の送受信が停止した際にも、一方の拠点において会議が進行する場合がある。この場合、他方の拠点にいるユーザは、情報の送受信が停止している間のデータを取得することができず、内容を理解することができなくなる。特許文献1では、音声と操作の開始時刻及び終了時刻に基づきデータを再生しているため、情報の送受信が停止した時間帯の内容をユーザに提供することができない。従って、情報の送受信が停止した際にも、ユーザに適切に内容を確認させることが求められている。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑み、情報の送受信が停止した際にも、ユーザに適切に内容を確認させることが可能な情報処理装置、表示装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる情報処理装置は、映像情報及び音声情報を含む配信情報の出力を停止する旨の停止信号が取得されてから、前記配信情報の出力を再開する旨の再開信号が取得されるまでの停止時間において、前記配信情報の出力を停止する配信情報出力部と、前記停止時間における前記映像情報及び前記音声情報の少なくとも一方に基づき、前記停止時間の長さに応じて情報量が異なる補助情報を生成する補助情報生成部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様にかかる表示装置は、所定の停止時間において、映像情報及び音声情報を含む配信情報の表示を停止する配信情報表示部と、前記停止時間における前記映像情報及び前記音声情報の少なくとも一方に基づく情報であって、前記停止時間の長さに応じて情報量が異なる情報である補助情報を、前記停止時間の経過後に、前記配信情報と同時に表示する補助情報表示部と、を有する。
【0008】
本発明の一態様にかかる情報処理方法は、映像情報及び音声情報を含む配信情報の出力を停止する旨の停止信号を取得してから、前記配信情報の出力を再開する旨の再開信号を取得するまでの停止時間の間には、前記配信情報の出力を停止する配信情報出力ステップと、前記停止時間における前記映像情報及び前記音声情報の少なくとも一方に基づき、前記停止時間の長さに応じて情報量が異なる補助情報を生成する補助情報生成ステップと、
を有する。
【0009】
本発明の一態様にかかるプログラムは、映像情報及び音声情報を含む配信情報の出力を停止する旨の停止信号を取得してから、前記配信情報の出力を再開する旨の再開信号を取得するまでの停止時間の間には、前記配信情報の出力を停止する配信情報出力ステップと、前記停止時間における前記映像情報及び前記音声情報の少なくとも一方に基づき、前記停止時間の長さに応じて情報量が異なる補助情報を生成する補助情報生成ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、情報の送受信が停止した際にも、ユーザに適切に内容を確認させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る表示装置の模式的なブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
【
図4】
図4は、停止時間データベースの一例を示す表である。
【
図5】
図5は、配信情報と補助情報の出力タイミングを示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る表示装置の模式的なブロック図である。
【
図7】
図7は、総停止時間を設定するフローを説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、補助情報の出力フローを説明するフローチャートである。
【
図9】
図9は、表示装置による配信情報と補助情報との表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、表示装置による配信情報と補助情報との表示例を示す図である。
【
図11】
図11は、表示装置による配信情報と補助情報との表示例を示す図である。
【
図12】
図12は、表示装置による配信情報と補助情報との表示例を示す図である。
【0012】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、離れた場所にある場所AR1と場所AR2とで情報の送受信を行うものである。具体的には、情報処理システム1は、場所AR1にいるユーザH1の音声と映像とを、場所AR2にいるユーザH2に伝達し、場所AR2にいるユーザH2の音声と映像とを、場所AR1にいるユーザH1に伝達する。本実施形態では、場所AR1にいるユーザH1が複数であり、場所AR2にいるユーザH2が単数である。情報処理システム1は、場所AR1と場所AR2とで情報の送受信を行うことで、複数のユーザH1による場所AR1での会議への、ユーザH2の遠隔からの参加を可能としている。ただし場所AR1及び場所AR2のユーザの人数は任意である。
【0014】
情報処理システム1は、場所AR1と場所AR2との情報の送受信が停止した場合において、停止していた間の場所AR1での会議の内容を、送受信の再開後に場所AR2のユーザH2に伝達することで、ユーザH2に停止していた時間での会議の内容を理解させるものである。
図1に示すように、情報処理システム1は、場所AR1に設置される情報取得装置10、表示装置12、及び情報処理装置14と、場所AR2に設置される情報取得装置16、表示装置18、及び検出装置19と、ネットワークNとを備える。なお、情報処理装置14は、場所AR1に設置されることに限られず、任意の位置にあってもよい。また、情報取得装置10と表示装置12と情報処理装置14とは、本実施形態では個別の装置であるが、情報取得装置10と表示装置12と情報処理装置14との少なくとも2つが一体の装置であってもよい。同様に、情報取得装置16と表示装置18と検出装置19とは、本実施形態では個別の装置であるが、情報取得装置16と表示装置18と検出装置19との少なくとも2つが一体の装置であってもよい。また、情報取得装置16と表示装置18とが一体の装置であってもよい。
【0015】
情報取得装置10は、場所AR1の音声情報と映像情報とを取得する装置である。情報取得装置10が取得する音声情報は、場所AR1で生じている音であり、場所AR1にいるユーザH1が発する音声を含む。情報取得装置10が取得する映像情報は、場所AR1を撮像した動画像であり、本実施形態では、場所AR1にいるユーザH1を撮像した動画像を含む。情報取得装置10は、例えば録音機能付きのビデオカメラであり、マイク10Aと撮像部10Bとを有する。マイク10Aは、場所AR1で録音することで音声情報を取得する。撮像部10Bは、場所AR1を撮像することで撮像情報を取得する。情報取得装置10は、情報処理装置14と接続されており、取得した場所AR1の音声情報及び映像情報を、情報処理装置14に出力する。情報取得装置10は、場所AR1の音声情報と映像情報とを連続して取得し続けており、取得した音声情報と映像情報とを、随時、情報処理装置14に出力する。すなわち、情報取得装置10は、取得した音声情報と映像情報とを、リアルタイムで情報処理装置14に出力する。詳しくは後述するが、情報処理装置14は、音声情報及び映像情報に基づいた配信情報と補助情報とを、ネットワークNを介して場所AR2の表示装置18に出力する。
【0016】
情報取得装置16は、場所AR2の音声情報と映像情報とを取得する装置である。情報取得装置16が取得する音声情報とは、場所AR2で生じている音であり、場所AR2にいるユーザH2が発する音声を含む。情報取得装置16が取得する映像情報は、場所AR2の動画像であり、場所AR2にいるユーザH2を撮像した動画像を含む。情報取得装置16は、例えば録音機能付きのビデオカメラであり、マイク16Aと撮像部16Bとを有する。マイク16Aは、場所AR2で録音することで音声情報を取得する。撮像部16Bは、場所AR2を撮像することで撮像情報を取得する。情報取得装置16は、ネットワークNと接続されており、取得した音声情報及び撮像情報を、ネットワークNを介して、場所AR1の表示装置12に出力する。情報取得装置16は、場所AR2の音声情報と映像情報とを連続して取得し続けており、取得した音声情報と映像情報とを、随時、表示装置12に出力する。すなわち、情報取得装置16は、取得した音声情報と映像情報とを、リアルタイムで表示装置12に出力する。
【0017】
検出装置19は、ネットワークNを介して、情報処理装置14に接続されている。検出装置19は、ユーザH2以外の人が、場所AR2に、さらに言えば場所AR2の表示装置18に、接近しているかを検出する装置である。以下、表示装置18に接近するユーザH2以外の人を、接近者と記載する。検出装置19は、検出部19Aと検出情報出力部19Bとを有する。
【0018】
検出部19Aは、表示装置18が出力する情報を認識可能な程度に近い位置に、接近者がいることを検出する機構であり、例えば近接センサである。検出部19Aは、表示装置18の所定距離の範囲内に人がいるかを検出し、所定距離の範囲内にユーザH2以外の人がいる場合、接近者がいると検出し、所定距離の範囲内にユーザH2以外の人がいない場合、接近者がいると検出しない(接近者がいないとする)。検出部19Aは、例えば、表示装置18に対向する位置にあるユーザH2の椅子よりも後方に設けられることで、ユーザH2を除いた人の接近を検出可能である。ただし、検出部19Aは、接近者を検出可能な装置であれば、このような構成の近接センサに限られない。例えば、検出部19Aは、映像を撮像する撮像部であってもよく、撮像した映像にユーザH2以外の人が写っている場合に、表示装置18に接近者がいると検出し、撮像した映像にユーザH2以外の人が写っていない場合に、表示装置18に接近者がいると検出しない(接近者がいないとする)。
【0019】
検出情報出力部19Bは、検出部19Aの検出結果を取得する。検出情報出力部19Bは、検出部19Aから、接近者がいるとの検出結果を取得した場合に、停止信号を生成して、生成した停止信号を、情報処理装置14に送信する。検出情報出力部19Bは、検出部19Aが接近者の検出を解除した旨の結果を取得した場合に、すなわち、接近者がいると検出した後に接近者がいると検出しなくなった場合に、再開信号を生成して、生成した再開信号を、情報処理装置14に送信する。言い換えれば、検出情報出力部19Bは、場所AR2に接近者が現れた場合に、停止信号を出力し、接近者が場所AR1からいなくなった場合に、再開信号を出力する。詳しくは後述するが、停止信号は、情報処理装置14に配信情報の出力を停止させるトリガとなる信号であり、再開信号は、情報処理装置14に配信情報の出力停止を解除させる、すなわち配信情報の出力を再開させるためのトリガとなる信号である。
【0020】
なお、検出装置19は、例えば、図示しない制御部、すなわちCPU(Central Processing Unit)と、記憶部を備えていてよい。例えば、検出情報出力部19Bは、制御部が記憶部に記憶されたプログラムを読み出すことによって後述する処理を実行する。また、検出部19Aの制御も、制御部が記憶部に記憶されたプログラムを読み出すことによって実行されてもよい。ただし、検出装置19は、このようにCPUを備えることに限られず、接近者を検出した場合に停止信号を送信し、接近者がいなくなった場合に再開信号を送信する処理を、ハードウェア回路によって実現してもよい。
【0021】
本実施形態では、このように、接近者の有無に応じて、停止信号及び再開信号を情報処理装置14に出力している。すなわち、本実施形態では、配信情報を出力停止及び出力再開するためのトリガを、接近者の有無に設定している。これにより、配信情報がユーザH2以外の人に認識されて、会議の情報が漏れることが抑制される。ただし、配信情報を出力停止及び出力再開するためのトリガは、接近者の有無に限られない。例えば、ユーザH2が場所AR2から離れたかをトリガとしてもよい。この場合、検出装置19は、ユーザH2が場所AR2から離れたかを検出して、ユーザH2が場所AR2を離れた場合に、停止信号を出力し、ユーザH2が場所AR2に戻ってきた場合に、再開信号を出力する。また例えば、ユーザH2の入力を、トリガとしてもよい。この場合、検出装置19は、ユーザH2による配信情報を停止させる旨の入力を検出することをトリガとして、停止信号を生成、出力する。また、検出装置19は、ユーザH2による配信情報を再開させる旨の入力を検出することをトリガとして、再開信号を生成、出力する。このように、停止信号及び再開信号の出力のトリガは、任意に設定可能である。
【0022】
図2は、本実施形態に係る表示装置の模式的なブロック図である。表示装置12は、ネットワークNを介して、場所AR2の情報取得装置16に接続されており、情報取得装置16から、場所AR2の音声情報及び映像情報を取得する。表示装置12は、取得した場所AR2の音声情報及び映像情報を、場所AR1で出力する。
図2に示すように、表示装置12は、入力部20と、出力部22と、記憶部24と、制御部26とを有する。入力部20は、ユーザH1の操作(入力)を受け付ける。出力部22は、場所AR2の音声情報及び映像情報を出力する。すなわち、出力部22は、映像情報を表示するディスプレイである表示部22Aと、音声情報を音声として出力するスピーカ22Bとを有する。記憶部24は、制御部26の演算内容、プログラムの情報、及び、取得した音声情報及び映像情報などを記憶するメモリである。記憶部24は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0023】
制御部26は、表示装置12の全体を制御する演算装置、すなわちCPUである。制御部26は、出力情報取得部26Aと、出力制御部26Bとを有する。出力情報取得部26Aと出力制御部26Bとは、制御部26が記憶部24に記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで実現されて、後述する処理を実行する。
【0024】
出力情報取得部26Aは、場所AR2の映像情報及び音声情報を、情報取得装置16から取得する。出力情報取得部26Aは、場所AR2の映像情報及び音声情報を、随時、すなわちリアルタイムで取得する。出力制御部26Bは、出力情報取得部26Aが取得した場所AR2の映像情報及び音声情報を、リアルタイムで出力部22に出力させる。すなわち、出力制御部26Bは、場所AR2の映像情報を、リアルタイムで表示部22Aに表示させ、場所AR2の音声情報を、リアルタイムでスピーカ22Bに音声として出力させる。このように、出力部22は、離れた場所AR2の映像情報及び音声情報を、場所AR1においてリアルタイムで出力する。ただし、出力部22は、場所AR2において映像及び音声が取得されたタイミングから若干遅れて、映像情報及び音声情報を出力してもよい。
【0025】
次に、情報処理装置14について説明する。
図1に示すように、情報処理装置14は、ネットワークNを介して表示装置18及び検出装置19に接続されており、情報取得装置10にも接続されているコンピュータ、ここではサーバである。情報処理装置14は、情報取得装置10から取得した場所AR1の映像情報及び音声情報である配信情報を、リアルタイムで表示装置18に出力する。また、情報処理装置14は、場所AR1の映像情報及び音声情報に基づき生成した補助情報を、表示装置18に出力する。
【0026】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置14は、入力部30と、通信部31と、記憶部32と、制御部34とを有する。入力部30は、ユーザH1の操作(入力)を受け付ける。通信部31は、通信インターフェイスであり、制御部34の制御により、他の装置、例えば情報取得装置10、表示装置18及び検出装置19と通信することで、データの送受信をするよう構成される。記憶部32は、制御部34の演算内容やプログラムの情報などを記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMと、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部32は、例えば外部記憶装置に、映像音声情報データベース40と、停止時間データベース42と、優先話者データベース44と、分類情報データベース46と、テキストデータベース48とを有する。
【0027】
制御部34は、情報処理装置14の全体を制御する演算装置、すなわちCPUである。制御部34は、情報取得部50と、停止時間取得部52と、優先話者設定部54と、分類情報生成部56と、テキストデータ生成部58と、補助情報生成部60と、出力制御部62とを有する。出力制御部62は、配信情報出力部64と、補助情報出力部66とを有する。情報取得部50と、停止時間取得部52と、優先話者設定部54と、分類情報生成部56と、テキストデータ生成部58と、補助情報生成部60と、出力制御部62とは、制御部34が記憶部32に記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで実現されて、後述する処理を実行する。
【0028】
情報取得部50は、通信部31を介して、情報取得装置10から、場所AR1の映像情報及び音声情報を取得する。情報取得部50は、場所AR1の映像情報及び音声情報を、随時、すなわちリアルタイムで取得する。情報取得部50は、リアルタイムで取得した場所AR1の映像情報及び音声情報を、随時、映像音声情報データベース40に記憶させる。
【0029】
停止時間取得部52は、通信部31を介して、検出装置19から、停止信号及び再開信号を取得する。上述のように、検出装置19は、所定のタイミングにおいて、本実施形態では接近者を検出したタイミングにおいて、停止信号を生成して情報処理装置14に送信する。停止時間取得部52は、この所定のタイミングで送信された停止信号を取得するため、接近者を検出したタイミングとほぼ同じタイミングで、停止信号を取得する。停止時間取得部52は、停止信号を取得した時刻を、停止信号取得時刻として、停止時間データベース42に記憶させる。また、検出装置19は、停止信号を生成した後の所定のタイミングにおいて、本実施形態では接近者がいなくなったタイミングにおいて、再開信号を生成して情報処理装置14に送信する。停止時間取得部52は、この所定のタイミングで送信された再開信号を取得するため、接近者がいなくなったタイミングとほぼ同じタイミングで、再開信号を取得する。停止時間取得部52は、再開信号を取得した時刻を、再開信号取得時刻として、停止時間データベース42に記憶させる。すなわち、停止時間取得部52は、停止時刻を取得した時刻と再開信号を取得した時刻とを、タイムスタンプ情報として停止時間データベース42に記憶させる。
【0030】
ここで、配信情報出力部64は、映像音声情報データベース40に記憶された場所AR1の映像情報及び音声情報を読み出す。配信情報出力部64は、読み出した場所AR1の映像情報及び音声情報を、配信情報として、通信部31を介して、随時、表示装置18に出力する。言い換えれば、配信情報出力部64は、場所AR1の映像情報及び音声情報である配信情報を、リアルタイムで表示装置18に配信する。一方、配信情報出力部64は、停止時間取得部52が停止信号を取得すると、配信情報の出力を停止する。すなわち、配信情報出力部64は、停止信号取得時刻において、停止信号の出力を停止する。配信情報出力部64は、停止信号を取得してから再開信号を取得するまでの間、配信情報の出力の停止を続ける。配信情報出力部64は、停止時間取得部52が再開信号を取得すると、配信情報の出力を再開する。すなわち、配信情報出力部64は、再開信号取得時刻において、配信情報の出力を再開する。配信情報出力部64は、配信情報の出力を再開する際には、停止信号取得時刻から再開信号取得時刻までの、出力を停止した期間における配信情報を出力することなく、再開信号取得時刻以降の配信情報をリアルタイムで出力する。配信情報出力部64は、次に停止信号が取得されるまで、配信情報の出力を続ける。
【0031】
このように、配信情報出力部64は、表示装置18にリアルタイムで配信情報を出力しつつ、停止信号取得時刻から再開信号取得時刻までの間の時間である停止時間において、配信情報の出力を停止する。
【0032】
停止時間取得部52の説明に戻る。
図4は、停止時間データベースの一例を示す表である。停止時間取得部52は、停止信号取得時刻と、その直後の再開信号取得時刻とを紐付けて、1つのレコードRとして、停止時間データベース42に記憶させる。停止時間取得部52は、停止信号及び再開信号が複数回取得された場合は、すなわち配信情報の出力が複数回停止された場合は、停止信号取得時刻及び再開信号取得時刻毎に、レコードRを記憶させる。
図4の例では、レコードR1、R2、R3、R4が記憶されている。レコードR1は、停止信号取得時刻がTS11であり、再開信号取得時刻がTS12である。レコードR1は、停止信号取得時刻TS11から再開信号取得時刻TS12までの間が、配信情報の配信が停止された停止時間であることを示している。レコードR2は、停止信号取得時刻が、再開信号取得時刻TS12より後のTS21であり、再開信号取得時刻がTS22である。レコードR2は、停止信号取得時刻TS21から再開信号取得時刻TS22までの間が、配信情報の配信が停止された停止時間であることを示している。レコードR3は、停止信号取得時刻が、再開信号取得時刻TS22より後のTS31であり、再開信号取得時刻がTS32である。レコードR3は、停止信号取得時刻TS31から再開信号取得時刻TS32までの間が、配信情報の配信が停止された停止時間であることを示している。レコードR4は、停止信号取得時刻が、再開信号取得時刻TS32より後のTS41であり、再開信号取得時刻がTS42である。レコードR4は、停止信号取得時刻TS41から再開信号取得時刻TS42までの間が、配信情報の配信が停止された停止時間であることを示している。なお、
図4における「状態」は、停止時間における映像情報又は音声情報が、後述の補助情報として送信済みか、送信中か、又は未送信であるかを、レコードR毎に示す情報である。
【0033】
図3に戻り、優先話者設定部54は、会議に参加している場所AR1の複数のユーザH1から、優先話者を設定し、設定した優先話者の情報を、優先話者データベース44に記憶させる。優先話者として設定されたユーザH1の音声情報は、全てのユーザH1の音声情報の中から、後述する補助情報として優先して抽出される。優先話者設定部54は、任意の方法で優先話者を設定してよいが、本実施形態では、例えば場所AR1に集合するユーザH1の情報に基づき、優先話者を設定する。例えば、優先話者設定部54は、場所AR1に集合するユーザH1の情報(例えばIDや名前)を取得しておき、取得したユーザH1の情報に基づき、優先話者とするユーザH1を選択し、選択したユーザH1の情報を優先話者データベース44に記憶させる。この場合、優先話者設定部54は、例えばユーザH1の情報に基づき、役職が高かったり、この会議で重要であったりするユーザH1(例えば会議の招集者)を選択して、優先話者に設定してもよい。また、例えば、優先話者設定部54は、音声情報又は映像情報に基づき、優先話者を設定してよい。例えば、優先話者設定部54は、音声情報又は映像情報から、ユーザH1毎に音声を発した時間を算出し、音声を発した時間が長いユーザH1を、優先話者に設定してもよい。また、優先話者設定部54は、ユーザによる入力部30の入力により、優先話者を設定してもよい。もしくは、ネットワークNを介して、入力部20、または入力部70の入力により、優先話者を設定してもよい。なお、優先話者設定部54が設定する優先話者の人数は、任意であり、1人でもよいし2人以上であってもよい。すなわち、優先話者は、全てのユーザH1のうち一部のユーザH1であればよい。また、優先話者設定部54は、優先話者を複数設定する場合、複数の優先話者に、更に優先順位を付けることが好ましい。
【0034】
分類情報生成部56は、映像音声情報データベース40から、場所AR1の音声情報を読み出す。分類情報生成部56は、読み出した場所AR1の音声情報を解析して、音声情報を、音声を発したユーザH1毎に分割、すなわち分類する。分類情報生成部56は、分類したユーザH1毎の音声情報を、分類情報として、分類情報データベース46に記憶する。分類情報は、音声情報を分割して抽出されているため、音声情報の一部の情報であるといえる。すなわち、映像音声情報データベース40に記憶されている音声情報は、複数のユーザH1の音声が含まれて録音開始時から現在までの音声情報であるのに対し、分類情報データベース46に記憶される分類情報は、ユーザH1毎に分類された音声情報であり、そのユーザH1が音声を発した時間の音声情報となる。例えば、時刻T1から時刻T2までユーザH1Aが音声を発し、時刻T2から時刻T3までユーザH1Bが音声を発し、時刻T3から時刻T4までユーザH1Aが再度音声を発していた場合、分類情報生成部56は、時刻T1から時刻T2の音声情報と時刻T3から時刻T4の音声情報とを、ユーザH1Aの音声情報として抽出し、時刻T2から時刻T3の音声情報を、ユーザH1Bの音声情報として抽出する。なお、分類情報生成部56は、音声情報に加えて、音声情報と同じ時間における映像情報も、分類情報に加えてもよい。
【0035】
分類情報生成部56は、例えば、音声情報に含まれる音声波形(時間毎の振幅や波長など)を解析することで、音声情報をユーザH1毎に分類する。分類情報生成部56は、例えば、音声波形の特徴を、ユーザH1の情報(IDなど)毎に予め記憶させる。そして、分類情報生成部56は、場所AR1の音声情報の音声波形を検出して、予め記憶させた音声波形の特徴と一致又は類似する音声波形の音声情報を、そのユーザH1の分類情報として抽出する。また、分類情報生成部56は、映像情報に基づき、分類情報を抽出してもよい。この場合、例えば、分類情報生成部56は、予めユーザH1の情報(IDなど)とユーザH1の顔とを関連付けて記憶させる。分類情報生成部56は、映像情報からどのユーザH1が音声を発しているかを特定して、そのユーザH1が音声を発していると特定した時間における音声情報を、そのユーザH1の分類情報として抽出する。分類情報生成部56は、ユーザH1が音声を発しているかを特定するために、例えば、映像情報から口が動いているユーザH1を検出して、そのユーザH1の口が動いている時間の音声情報を抽出する。そして、分類情報生成部56は、そのユーザH1の顔に関連付けられているユーザH1の情報を、抽出した音声情報に紐付けることで、ユーザH1毎の分類情報を抽出する。ただし、ユーザH1毎の分類情報の抽出方法は任意であり、これらの方法に限られない。
【0036】
なお、分類情報生成部56は、例えば同じ時間に複数のユーザH1が音声を発していた場合、その時間の音声情報を、音声を発していた全てのユーザH1の分類情報に割り当ててよい。また例えば、あるユーザH1の音声が終了してから所定時間が経過する前にそのユーザH1の音声が再度発せられた場合、分類情報生成部56は、ユーザH1の音声が終了してから再開するまでの時間の音声情報も、そのユーザH1の分類情報に割り当ててもよい。このようにすると、そのユーザH1が他のユーザH1と対話している際に、対話の音声の全体が分類情報に含まれることになり、内容の理解がし易くなる。また、分類情報生成部56は、映像音声情報データベース40に記憶されている全ての時間における音声情報から分類情報を生成することに限られず、少なくとも、配信情報が配信されない停止時間における音声情報から分類情報を生成すればよい。
【0037】
テキストデータ生成部58は、映像音声情報データベース40から、場所AR1の音声情報を読み出す。分類情報生成部56は、読み出した音声情報から、その音声情報のテキストデータを生成する。テキストデータは、その音声情報に含まれる音声として発せられた文を含む文字データである。テキストデータ生成部58は、生成した音声情報のテキストデータを、テキストデータベース48に記憶させる。また、テキストデータ生成部58は、分類情報データベース46から、分類情報を読み出す。テキストデータ生成部58は、読み出した分類情報のテキストデータを生成して、特定テキストデータとしてテキストデータベース48に記憶させる。テキストデータは、音声情報の文字データであるため、音声を発した全てのユーザH1の音声の文字データを含む。一方、特定テキストデータは、分類情報の文字データであるため、一人のユーザH1の音声の文字データを含むものである。なお、テキストデータ生成部58は、全てのユーザH1の分類情報についての特定テキストデータを生成してもよいし、優先話者として設定されたユーザH1の分類情報の特定テキストデータのみを生成してもよい。
【0038】
テキストデータ生成部58は、例えば、音声情報から、時間毎の振幅や波長などによる音声波形を検出する。そして、テキストデータ生成部58は、音声波形と、文字との関係を記憶したテーブルに基づき、時間毎の音声波形をそれぞれ文字に置き換えることで、音声情報をテキストデータに変換する。ただし、テキストデータ生成部58は、音声情報をテキストデータに変換できるものであれば、変換の方法は任意である。
【0039】
補助情報生成部60は、配信情報の出力が停止されている停止時間における、場所AR1の映像情報及び音声情報の少なくとも一方に基づき、補助情報を生成する。補助情報生成部60は、停止時間の長さに応じて内容が異なるように、補助情報を生成する。
【0040】
本実施形態においては、補助情報生成部60は、停止時間が、より詳しくは後述の総停止時間が、第1時間範囲よりも短い場合に、映像音声情報データベース40から、停止時間における場所AR1の映像情報を読み出し、テキストデータベース48から、停止時間におけるテキストデータを読み出す。そして、補助情報生成部60は、停止時間における映像情報と、停止時間におけるテキストデータとを、補助情報とする。以下、この停止時間における映像情報とテキストデータとを含む補助情報を、適宜、第1補助情報と記載する。テキストデータは、音声情報から生成されるため、映像情報とテキストデータとを含む第1補助情報は、場所AR1の映像情報及び音声情報に基づく情報であるといえる。なお、補助情報生成部60は、停止時間における映像情報及びテキストデータの代わりに、停止時間における映像情報及び音声情報を、第1補助情報としてもよい。なお、第1時間範囲の長さは任意に設定される。
【0041】
また、補助情報生成部60は、停止時間、より詳しくは後述の総停止時間が、第1時間範囲よりも長く(又は第1時間範囲以上であり)、かつ、第2時間範囲よりも短い場合に、テキストデータベース48から、停止時間におけるテキストデータを読み出し、停止時間におけるテキストデータを、補助情報とする。第2時間範囲は、第1時間範囲より長い時間である。以下、停止時間におけるテキストデータを含むこの補助情報を、適宜、第2補助情報と記載する。このように、補助情報生成部60は、停止時間が第2時間範囲より短い場合には、映像情報を含まずテキストデータを含む情報を、第2補助情報とする。言い換えれば、補助情報生成部60は、停止時間が第1閾値以下である場合は、停止時間における映像情報及びテキストデータを補助情報(第1補助情報)とし、停止時間が第1閾値より長い場合は、停止時間におけるテキストデータを補助情報(第2補助情報)とする。
【0042】
また、補助情報生成部60は、停止時間、より詳しくは後述の総停止時間が、第2時間範囲より長い場合(又は第2時間範囲以上である場合)、ここでは第3時間範囲内である場合に、テキストデータベース48から、停止時間における優先話者の特定テキストデータを読み出し、停止時間における優先話者の特定テキストデータを、補助情報とする。第3時間範囲は、第2時間範囲より長い時間である。以下、停止時間における優先話者の特定テキストデータを含むこの補助情報を、適宜、第3補助情報と記載する。このように、補助情報生成部60は、停止時間が第3時間範囲内である場合には、映像情報及びテキストデータを含まず、優先話者の特定テキストデータを含む情報を、第3補助情報とする。言い換えれば、補助情報生成部60は、停止時間が第1閾値より長く第2閾値以下である場合は、停止時間におけるテキストデータを補助情報(第2補助情報)とし、停止時間が第2閾値より長い場合は、停止時間における優先話者の特定テキストデータを、補助情報(第3補助情報)とする。
【0043】
補助情報生成部60は、このように停止時間の長さに応じて補助情報を生成する。言い換えれば、補助情報生成部60は、停止時間における映像情報と音声情報のテキストデータとのうち、少なくとも一部を含むように、停止時間の長さに応じて、情報量、言い換えればデータ量が異なる補助情報を生成しているといえる。さらに言えば、補助情報生成部60は、停止時間が長いほど、補助情報の情報量を少なくしているともいえる。ただし、補助情報は、上述のように第1補助情報から第3補助情報のいずれかとして生成されることに限られない。例えば、第1補助情報から第3補助情報以外の方法で補助情報が作成されてもよい。また例えば、補助情報生成部60は、第1補助情報から第3補助情報のうち、いずれか2つを作成するものであってもよい。すなわち、補助情報生成部60は、第1補助情報と第2補助情報とのいずれかを生成してよいし、第2補助情報と第3補助情報とのいずれかを生成してよいし、第1補助情報と第3補助情報のいずれかを生成してよい。
【0044】
なお、補助情報生成部60は、配信情報の出力が複数回停止されることにより、停止時間が複数設定される場合には、停止時間毎に補助情報を生成する。すなわち、補助情報生成部60は、
図4に示すレコードRが複数設定されている場合には、レコードR毎に、補助情報を生成する。
【0045】
補助情報出力部66は、補助情報生成部60が生成した補助情報を、通信部31を介して表示装置18に出力する。本実施形態では、補助情報出力部66は、補助情報生成部60が第1補助情報を生成した場合、第1補助情報を出力し、補助情報生成部60が第2補助情報を生成した場合、第2補助情報を出力し、補助情報生成部60が第3補助情報を生成した場合、第3補助情報を出力する。
【0046】
図5は、配信情報と補助情報の出力タイミングを示す図である。補助情報出力部66は、再開信号を取得した後に、すなわち停止時間が経過した後に、補助情報を出力する。さらに言えば、補助情報出力部66は、停止時間が経過した後に、配信情報出力部64による配信情報の出力中に、配信情報と同じ出力先である表示装置18に、補助情報を出力する。
図5は、時刻TS1において、停止信号が取得され、時刻TS2において、再開信号が取得された例を示している。この場合、配信情報出力部64は、時刻TS1までは、時刻TS1までの配信情報を、リアルタイムで表示装置18に出力する。そして、配信情報出力部64は、時刻TS1から時刻TS2までの停止時間においては、配信情報の出力を停止している。そして、配信情報出力部64は、時刻TS2からは、時刻TS2からの配信情報を、リアルタイムで表示装置18に出力する。すなわち、配信情報出力部64は、時刻TS1から時刻TS2までの停止時間の配信情報を、表示装置18に出力しない。
【0047】
一方、補助情報出力部66は、時刻TS2の経過後に、時刻TS1から時刻TS2までの停止時間における補助情報を、表示装置18に出力する。すなわち、時刻TS2以降では、配信情報出力部64が時刻TS2からの配信情報をリアルタイムで出力しつつ、補助情報出力部66が、時刻TS1から時刻TS2までの過去の情報である補助情報を、時刻TS2からの配信情報の出力と同時に、表示装置18に出力する。
【0048】
図5の例では、補助情報出力部66は、時刻TS2から、すなわち再開信号を取得した時刻から、補助情報を出力する。すなわち、補助情報出力部66は、再開信号の取得をトリガとして、補助情報を出力する。ただし、補助情報出力部66は、再開信号の取得をトリガとして補助情報を出力することに限られない。例えば、再開信号を取得してから所定時間経過したことをトリガとしてもよいし、ユーザの要求、すなわちユーザH2による表示装置18への入力などをトリガとしてもよい。ただし、補助情報出力部66は、停止時間中に補助情報を配信することはない。
【0049】
次に、場所AR2の表示装置18について説明する。
図6は、本実施形態に係る表示装置の模式的なブロック図である。表示装置18は、ネットワークNを介して、場所AR1の情報処理装置14に接続されており、情報処理装置14から、場所AR1の配信情報及び補助情報を取得する。表示装置18は、取得した場所AR1の配信情報及び補助情報を、場所AR2で出力する。
図6に示すように、表示装置18は、入力部70と、出力部72と、記憶部74と、制御部76とを有する。入力部70は、ユーザH2の操作(入力)を受け付ける。出力部72は、場所AR1の配信情報及び補助情報を出力する。すなわち、出力部72は、映像情報及び補助情報を表示するディスプレイである表示部72Aと、音声情報を音声として出力するスピーカ72Bとを有する。記憶部74は、制御部76の演算内容、プログラムの情報、及び、取得した配信情報及び補助情報などを記憶するメモリである。記憶部74は、例えば、RAMと、ROMと、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0050】
制御部76は、表示装置18の全体を制御する演算装置、すなわちCPUである。制御部76は、配信情報取得部76Aと、補助情報取得部76Bと、出力制御部76Cとを有する。配信情報取得部76Aと、補助情報取得部76Bと、出力制御部76Cとは、制御部76が記憶部74に記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで実現されて、後述する処理を実行する。
【0051】
配信情報取得部76Aは、場所AR1の配信情報を、情報処理装置14から取得する。配信情報取得部76Aは、場所AR1の配信情報を、随時、すなわちリアルタイムで取得する。補助情報取得部76Bは、場所AR1の補助情報を、情報処理装置14から取得する。
【0052】
出力制御部76Cは、配信情報取得部76Aが取得した配信情報を、リアルタイムで出力部72に出力させる。すなわち、出力制御部76Cは、配信情報に含まれる場所AR1の映像情報を、リアルタイムで表示部72Aに表示させ、配信情報に含まれる場所AR1の音声情報を、リアルタイムでスピーカ72Bに音声として出力させる。配信情報取得部76Aは、停止時間中には配信情報を取得しない。従って、出力制御部76Cは、停止時間の間には、出力部72に配信情報の出力を停止させる。
【0053】
また、出力制御部76Cは、補助情報取得部76Bが取得した補助情報を、停止時間の経過後に、出力部72に出力させる。すなわち、出力制御部76Cは、補助情報に含まれる映像情報、テキストデータ、又は特定テキストデータを、表示部72Aに表示させる。また、補助情報に音声情報が含まれる場合、出力制御部76Cは、配信情報に含まれる音声情報を、リアルタイムでスピーカ72Bに音声として出力させる。
【0054】
出力制御部76Cは、補助情報取得部76Bから補助情報を取得したタイミングで、補助情報を出力させる。すなわち、出力制御部76Cは、
図5に示す配信情報及び補助情報の出力と同様のタイミングで、配信情報と補助情報とを出力させる。例えば、出力制御部76Cは、時刻TS1までは、時刻TS1までの配信情報を、リアルタイムで出力部72に出力させ、時刻TS1から時刻TS2までの間は、配信情報の出力を停止させる。そして、出力制御部76Cは、時刻TS2からは、時刻TS2からの配信情報を、リアルタイムで出力部72に出力させる。すなわち、出力制御部76Cは、時刻TS1から時刻TS2までの停止時間の配信情報を出力させない。このように、出力制御部76Cは、配信情報をライブ配信するといえる。ただし、情報の送受信のタイムラグなどにより、若干出力が遅れてもよい。
【0055】
また、出力制御部76Cは、時刻TS2の経過後に、時刻TS1から時刻TS2までの停止時間における補助情報を、出力部72に出力させる。すなわち、出力制御部76Cは、時刻TS2以降では、時刻TS2からの配信情報をリアルタイムで出力しつつ、時刻TS1から時刻TS2までの過去の情報である補助情報を、時刻TS2からの配信情報の出力と同時に出力する。
【0056】
ただし、出力制御部76Cは、補助情報取得部76Bから補助情報を取得したタイミングで、補助情報を出力させなくてよく、任意のタイミングで補助情報を出力させてよい。例えば、出力制御部76Cは、補助情報を取得してから所定時間経過後に補助情報を出力させてよいし、ユーザH2の入力部70への入力を検出したことをトリガとして、補助情報を出力させてよい。
【0057】
(補助情報の出力フロー)
情報処理システム1は、以上のような構成となっている。次に、情報処理装置14による補助情報の出力フローを、フローチャートに基づき説明する。情報処理装置14は、停止時間の合計値である総停止時間に基づき、補助情報を生成するため、最初に総停止時間の設定方法について説明する。
【0058】
図7は、総停止時間を設定するフローを説明するフローチャートである。
図7に示すように、補助情報生成部60は、総停止時間を初期化し(ステップS10)、停止時間データベース42に、状態が未確認のレコードRがあるか確認する(ステップS12)。レコードRの状態とは、そのレコードRに紐づいた停止時間における音声情報及び映像情報が、補助情報として表示装置18に送信されているかを示す情報である。停止時間取得部52は、補助情報を送信していないレコードRの状態を送信済みに設定し、補助情報を送信中のレコードRの状態を送信中に設定し、補助情報を送信済みのレコードRの状態を送信済みに設定する。
図4の例では、レコードR1が、補助情報として送信済みであり、レコードR2が、補助情報として送信中(送信の最中)であり、レコードR3、R4が、補助情報として未送信となっている。
【0059】
補助情報生成部60は、ステップS12において、状態が未確認のレコードRがあるか、すなわち、状態が未送信であるか送信中であるか送信済みであるかを確認していないレコードRがあるかを、確認する。状態が未確認のレコードRがない場合(ステップS12;No)、補助情報生成部60は、全てのレコードRの状態が確認済みであり総停止時間のアップデートが不要であると判断して、本処理を終了する。一方、状態が未確認のレコードRがある場合(ステップS12;Yes)、補助情報生成部60は、状態が未確認のレコードRのうちで最も古い(最も過去)レコードRの状態が、送信中又は未送信であるかを確認する(ステップS14)。すなわち、補助情報生成部60は、状態が未確認のレコードRが、補助情報として表示装置18に送信が完了していないものであるかを確認する。補助情報生成部60は、このステップS14で状態を確認したレコードRを、状態が未確認であるものから状態が確認済みのものに変更する。状態が未確認だった最も古いレコードRの状態が送信中又は未送信でない場合(ステップS14;No)、すなわち送信済みである場合、補助情報生成部60は、ステップS12に戻り処理を繰り返す。
【0060】
状態が未確認だった最も古いレコードRの状態が、送信中又は未送信である場合(ステップS14;Yes)、補助情報生成部60は、そのレコードRの停止時間を算出する(ステップS16)。補助情報生成部60は、そのレコードRに紐づいた再開信号取得時刻と停止信号取得時刻との差分を、そのレコードRの停止時間として算出する。停止時間を算出したら、補助情報生成部60は、算出した停止時間を合計して、総停止時間を算出する(ステップS18)。すなわち、補助情報生成部60は、状態が未送信または送信中のレコードRの停止時間の合計値を、総停止時間として算出する。総停止時間を算出したら、補助情報生成部60は、状態が未確認のレコードRが残っていないか確認し(ステップS20)、残っていない場合(ステップS20;Yes)、本処理を終了して総停止時間の算出を終了する。状態が未確認のレコードが残っている場合(ステップS20;No)、ステップS14に戻って処理を繰り返し、総停止時間の算出を続ける。
【0061】
このように、補助情報生成部60は、状態が未送信または送信中のレコードRの停止時間の合計値を、総停止時間として算出する。すなわち、補助情報生成部60は、停止時間における音声情報及び映像情報が補助情報として出力済みである場合、その停止時間を総停止時間に含めず、音声情報及び映像情報が補助情報として出力済みでない停止時間の合計値を、総停止時間とする。なお、本実施形態に係る補助情報生成部60は、
図7に示す手順で総停止時間を算出したが、総停止時間の算出手順はこれに限られない。
【0062】
図8は、補助情報の出力フローを説明するフローチャートである。
図8に示すように、情報処理装置14は、補助情報生成部60により、優先話者データベース44から、優先話者を設定し(ステップS30)、
図7のように算出した総停止時間を取得する(ステップS32)。そして、情報処理装置14は、補助情報生成部60により、総停止時間が第1時間範囲より短いかを確認し(ステップS34)、第1時間範囲よりも短い場合(ステップS34;Yes)、未送信のテキストデータ及び映像情報を、補助情報(第1補助情報)として生成する(ステップS36)。未送信のテキストデータ及び映像情報とは、補助情報として表示装置18に出力済みでない停止時間のテキストデータ及び映像情報を指し、言い換えれば、状態が未送信のレコードRに紐づいた停止時間のテキストデータ及び映像情報である。
【0063】
総停止時間が第1時間範囲より短くない場合、ここでは総停止時間が第1時間範囲よりも長い場合(ステップS34;No)、情報処理装置14は、補助情報生成部60により、総停止時間が第2時間範囲より短いかを確認し(ステップS38)、第2時間範囲より短い場合(ステップS38;Yes)、未送信のテキストデータを、補助情報(第2補助情報)として生成する(ステップS40)。すなわち、補助情報生成部60は、総停止時間が第2時間範囲より短い場合、補助情報として出力済みでない停止時間のテキストデータ(状態が未送信のレコードRに紐づいた停止時間のテキストデータ)を、第2補助情報として生成する。
【0064】
総停止時間が第2時間範囲より短くない場合、ここでは総停止時間が第2時間範囲よりも長い場合(ステップS38;No)、補助情報生成部60は、総停止時間が第3時間範囲内であると判断して、未送信の優先話者の特定テキストデータを、補助情報(第3補助情報)として生成する(ステップS42)。すなわち、補助情報生成部60は、総停止時間が第3時間範囲内である場合、テキストデータベース48に記憶されているユーザH1毎の特定テキストデータに、優先話者の特定テキストデータがあるかを確認する。補助情報生成部60は、優先話者の特定テキストデータがある場合、その優先話者の特定テキストデータのうち、補助情報として出力済みでない停止時間の特定テキストデータ(状態が未送信のレコードRに紐づいた停止時間の特定テキストデータ)を、第3補助情報として生成する。なお、優先順位を付けて優先話者を複数設定している場合、補助情報生成部60は、最も優先順位の高い優先話者の特定テキストデータがあるか確認して、最も優先順位の高い優先話者の特定テキストデータがある場合は、その優先話者の未送信の特定テキストデータを、第3補助情報とする。最も優先順位の高い優先話者の特定テキストデータが無い場合、補助情報生成部60は、次に優先順位の高い優先話者の特定テキストデータがあるかを確認し、同様の処理を続けて、優先話者の特定テキストデータを抽出する。また、補助情報生成部60は、優先話者を複数設定している場合、複数の優先話者の特定テキストデータを、第3補助情報としてもよい。
【0065】
情報処理装置14は、ステップS36、S40、S42のいずれかで生成した補助情報を、補助情報出力部66によって、表示装置18に出力させて(ステップS44)、本処理を終了する。
【0066】
なお、補助情報出力部66は、未送信のレコードRが複数ある場合、言い換えれば未送信の補助情報が複数ある場合、未送信の補助情報のうち、最も古い(過去の)補助情報から順に出力する。すなわち、補助情報出力部66は、時系列に沿って補助情報を出力する。ただし、補助情報の出力の順番は、これに限られず、設定した所定の順所であればよい。例えば、補助情報出力部66は、最も新しい(直近の)補助情報から、時系列を遡る順番で出力してもよい。また、補助情報出力部66は、停止時間が長い補助情報から順に出力してもよい。すなわち、補助情報出力部66は、停止時間が長い補助情報ほど、先に出力してもよい。また、補助情報出力部66は、配信情報に基づき、出力する補助情報を選択し、選択した補助情報を優先して出力してもよい。例えば、補助情報出力部66は、現在出力されている配信情報において発言しているユーザH1を検出して、そのユーザH1が発言している補助情報を選択して、優先して出力する。また、補助情報出力部66は、ユーザH2の要求、すなわちユーザH2による表示装置18への入力に基づき、出力する補助情報を設定してもよい。すなわち、補助情報出力部66は、ユーザH2がどの時間帯の補助情報を求めているかの情報を、表示装置18から取得して、その情報における時間帯の補助情報を、表示装置18に出力する。また、補助情報出力部66は、重要な情報を含む補助情報を選択して、選択した補助情報を優先して出力してもよい。この場合、例えば、補助情報出力部66が、停止時間における音声情報及び映像情報に基づき、重要な情報を含む補助情報を選択する。重要な情報を含む補助情報とは、例えば、優先話者が発言している際の補助情報や、ユーザH1がホワイトボードに書き込みを行っている際の補助情報など、任意に設定可能である。
【0067】
また、本実施形態では、特定のユーザH1のテキストデータ(特定テキストデータ)を第3補助情報として提供するために、優先話者設定部54が、集合するユーザH1の情報を予め取得することで優先話者を設定していた。ただし、情報処理装置14は、第3補助情報を提供する際に、優先話者の設定を行わなくてもよい。この場合、分類情報生成部56は、場所AR1の音声情報を、異なるユーザH1毎に分類して分類情報を生成するが、その分類情報がどのユーザH1のものであるかを同定しなくてよい。例えば、音声波形の特徴はユーザH1毎に異なるため、分類情報生成部56は、音声情報の音声波形を解析することで、音声情報を、異なるユーザH1毎に分類することが可能である。そして、テキストデータ生成部58は、このように分類された分類情報毎に、特定テキストデータを生成する。補助情報出力部66は、それぞれの分類情報に基づき生成された特定テキストデータのうちから、任意の特定テキストデータを読み出して、補助情報として出力する。ユーザH2は、例えば、出力された特定テキストデータを表示装置18から確認して、別のユーザH1の特定テキストデータが見たいと判断すれば、表示装置18の入力部70などを介して、特定テキストデータを切り替えることを要求する。補助情報出力部66は、この要求を受けると、別の特定テキストデータを出力する。これにより、補助情報出力部66は、優先話者を予め設定しない場合にも、ユーザH2が必要とする特定のユーザH1のテキストデータを、補助情報として送信することができる。
【0068】
(配信情報及び補助情報の表示)
次に、表示装置18による配信情報と補助情報との表示例を説明する。
図9から
図12は、表示装置による配信情報と補助情報との表示例を示す図である。
図9は、映像情報とテキストデータとを含む第1補助情報を表示している場合の例である。表示装置18は、表示部72Aに、配信情報に含まれる映像情報と第1補助情報とを同時に表示しつつ、図示しないスピーカ72Bに、配信情報に含まれる音声情報を出力させる。
図9の例では、表示装置18は、ウィンドウW1に配信情報を表示し、ウィンドウW1より狭いウィンドウW2Aに、第1補助情報を表示している。ウィンドウW2Aには、映像情報P1と、テキストデータP2とが表示されている。テキストデータP2は、映像情報P1と連動しているため、映像情報P1が表示されている時刻のものが表示され、時間経過に応じて切り替わる。また、第1補助情報として、映像情報と音声情報とが含まれる場合、表示装置18は、配信情報に含まれる音声情報と、第1補助情報に含まれる音声情報とを、例えばユーザH2の入力によって切り替え可能にスピーカ72Bに出力させてよい。
【0069】
図10は、テキストデータを含む第2補助情報を表示している場合の例である。表示装置18は、第2補助情報を表示する場合でも、配信情報については、第1補助情報を表示する場合と同様に出力している。
図10の例では、表示装置18は、ウィンドウW2Bに、テキストデータP3を表示する。
図9のテキストデータP2は、映像情報P1と連動したものであり、時間経過に応じて内容が切り替わっていた。それに対し、
図10のテキストデータP3は、映像情報P1と連動しない。従って、テキストデータP3は、時間経過に応じて内容が切り替わらず、停止時間全体のテキストデータを含むものであってよい。
【0070】
図11は、優先話者の特定テキストデータを含む第3補助情報を表示している場合の例である。表示装置18は、第3補助情報を表示する場合でも、配信情報については、第1補助情報を表示する場合と同様に出力している。
図11の例では、表示装置18は、ウィンドウW2Cに、特定テキストデータP4を表示する。特定テキストデータP4は、
図10の例では「Aさんのコメント」と記載があるように、どのユーザH1の発言であるかを示す情報を表示させてもよい。また、特定テキストデータP4も、時間経過に応じて内容が切り替わらず、停止時間全体の特定テキストデータを含むものであってよい。
【0071】
図12は、ユーザH2が表示する補助情報を切り替え可能である場合の例である。この場合、
図12に示すように、表示装置18は、ウィンドウW3に、補助情報のリストを表示する。補助情報のリストは、補助情報毎に割り当てられた番号や記号など、補助情報毎を識別可能な情報と、その補助情報がどの時間の情報であるかを示す情報と、が含まれる。ユーザH2は、入力部70に入力することで、補助情報のリストから、必要な補助情報を選択する。表示装置18は、ユーザH2に選択された補助情報を、ウィンドウW2Aに表示する。なお、
図12では、補助情報として第1補助情報が表示された例を説明しているが、第1補助情報に限られず、第2補助情報や第3補助情報が表示されていてもよい。
【0072】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置14は、情報取得部50と、配信情報出力部64と、補助情報生成部60と、補助情報出力部66とを有する。情報取得部50は、所定の場所AR1の映像情報と音声情報とを取得する。配信情報出力部64は、映像情報及び音声情報を配信情報としてリアルタイムで出力しつつ、配信情報の出力を停止する旨の停止信号が取得されてから、配信情報の出力を再開する旨の再開信号が取得されるまでの停止時間の間には、配信情報の出力を停止する。補助情報生成部60は、停止時間における映像情報及び音声情報の少なくとも一方に基づき、停止時間の長さに応じて情報量が異なる補助情報を生成する。補助情報出力部66は、再開信号を取得した後に、補助情報を出力する。
【0073】
情報処理装置14は、場所AR1にいるユーザH1の映像や音声を、配信情報としてリアルタイムで出力している。従って、場所AR2にいるユーザH2は、場所AR2で配信情報を視聴することで、ユーザH1同士の会議内容など、ユーザH1が提供する情報を、リアルタイムで確認することができる。しかし、例えば場所AR2に部外者が接近するなど、配信情報を場所AR2で表示しない方が適切な場合がある。この場合、情報処理装置14は、停止信号を取得することで、配信情報の配信を停止する。これにより、配信情報を場所AR2で表示しない方が適切な場合に、好適に配信情報の配信を停止できる。ただし、配信情報の配信が停止されている時間帯にも、場所AR1にいるユーザH1同士の会議が進行するなど、ユーザH1の情報が蓄積されるケースが考えられる。このようなケースが生じると、例え配信情報の配信が再開されたとしても、ユーザH2は、配信が停止されていた時間帯の情報を得ることが出来ず、ユーザH1の会議進行についていけず、会議の内容を適切に理解できなくなるおそれがある。
【0074】
それに対し、本実施形態に係る情報処理装置14は、配信が停止していた停止時間における映像情報及び音声情報の少なくとも一方に基づき生成した補助情報を、配信が再開してから送信する。従って、ユーザH2は、この補助情報を確認することで、配信が停止されていた時間帯の情報を好適に得ることが可能となり、会議の内容をキャッチアップして、会議の内容を、すなわちユーザH1の情報を、適切に確認することができる。また、情報処理装置14は、配信が停止されていた停止時間の長さに応じて、補助情報の内容を変化させる。これにより、情報処理装置14は、停止時間の長さに応じて、補助情報の情報量を調整することが可能となるため、ユーザH2に、配信情報と補助情報との両方を好適に確認可能とすることができる。
【0075】
また、補助情報出力部66は、配信情報出力部64による配信情報の出力中に、配信情報と同じ出力先に、補助情報を出力する。情報処理装置14は、配信情報と同時に補助情報を出力するため、ユーザH2は、配信情報と補助情報とを同時に確認することが可能となり、配信情報で現在の会議などの進行を確認しつつ、補助情報で配信が停止していた時間の内容を確認することができる。従って、この情報処理装置14によると、ユーザH2は、ユーザH1の情報を好適に確認することができる。
【0076】
また、補助情報生成部60は、停止時間が長いほど、補助情報の情報量を少なくする。停止時間が長い場合、表示装置18に補助情報を表示する時間も長くなり、結果として補助情報の情報量が増える。この場合、ユーザH2は、補助情報の確認が長引き、配信情報をフォローできなくなるおそれがある。それに対し、情報処理装置14は、停止時間が長いほど、補助情報の情報量を少なくする。従って、ユーザH2は、配信情報と補助情報との両方を、好適に確認することができる。
【0077】
また、補助情報生成部60は、停止時間が第1時間範囲より短い場合、停止時間における映像情報を含む情報を補助情報(第1補助情報)として生成する。そして、補助情報生成部60は、停止時間が第1時間範囲より長く、かつ第2時間範囲より短い場合、停止時間における音声情報のテキストデータを取得して、映像情報を含まずテキストデータを含む情報を、補助情報(第2補助情報)として生成する。この情報処理装置14は、停止時間が短い場合には、情報量の多い映像情報を提供し、停止時間がある程度長い場合には、情報量が比較的少ないテキストデータを提供する。従って、ユーザH2は、停止時間の長さに応じて、配信情報と補助情報との両方を、好適に確認することができる。
【0078】
また、補助情報生成部60は、停止時間が第2時間範囲より長い場合、停止時間において音声を発しているユーザH1のうち特定のユーザH1の音声情報のテキストデータである特定テキストデータを取得する。補助情報生成部60は、映像情報を含まず特定テキストデータを含む情報を、補助情報(第3補助情報)として生成する。この情報処理装置14は、停止時間がさらに長い場合には、情報量がさらに少ない特定テキストデータを提供する。従って、ユーザH2は、停止時間の長さに応じて、配信情報と補助情報との両方を、好適に確認することができる。
【0079】
また、補助情報生成部60は、配信情報の出力が複数回停止されることにより停止時間が複数設定される場合に、停止時間毎に、すなわちレコードR毎に、補助情報を生成する。補助情報出力部66は、複数の補助情報を、設定した所定の順序で出力する。この情報処理装置14は、配信情報の出力が複数回停止されても、このように補助情報を生成するため、停止時間の長さに応じて、配信情報と補助情報との両方を、好適に確認させることができる。
【0080】
また、情報処理システム1は、情報処理装置14と、配信情報及び補助情報を表示する表示装置18とを有する。この情報処理システム1は、情報処理装置14と表示装置18とを有するため、配信情報と補助情報との両方を、好適に確認させることができる。なお、本実施形態においては、情報処理装置14は、場所AR1の配信情報及び補助情報を、場所AR2の表示装置18に提供していた。ただし、情報処理装置14は、場所AR2の配信情報及び補助情報を場所AR1の表示装置12に提供することも行ってよい。
【0081】
また、情報処理システム1は、表示装置18への接近者を検出する検出部19Aを更に有する。情報処理装置14は、検出部19Aが接近者を検出した場合に停止信号を取得し、接近者の検出が解除された場合に再開信号を取得する。この情報処理システム1によると、接近者がいると情報提供が停止されるため、部外者への情報漏えいが抑制される。
【0082】
また、本実施形態に係る表示装置18は、離れた場所AR1の映像情報及び音声情報を配信情報としてリアルタイムで表示しつつ、所定の停止時間の間には、配信情報の表示を停止する配信情報表示部(表示部72A)を有する。また、表示装置18は、停止時間における映像情報及び音声情報の少なくとも一方に基づく情報であって、停止時間の長さに応じて内容が異なる情報である補助情報を、停止時間の経過後に配信情報と同時に表示する補助情報表示部(表示部72A)を有する。この表示装置18は、配信情報及び補助情報を表示するため、ユーザH2が、ユーザH1の情報を、適切に確認することができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0084】
1 情報処理システム
10、16 情報取得装置
12、18 表示装置
14 情報処理装置
19 検出装置
50 情報取得部
52 停止時間取得部
54 優先話者設定部
56 分類情報生成部
58 テキストデータ生成部
60 補助情報生成部
64 配信情報出力部
66 補助情報出力部
72A 表示部(配信情報表示部、補助情報表示部)
AR1、AR2 場所
H1、H2 ユーザ