(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】画像形成システム、携帯端末およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220216BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220216BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220216BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G06F3/12 304
G06F3/12 326
G06F3/12 336
G06F3/12 392
B41J29/00 E
B41J29/38
B41J29/00 Z
H04N1/00 127B
(21)【出願番号】P 2021197636
(22)【出願日】2021-12-06
(62)【分割の表示】P 2020128960の分割
【原出願日】2015-04-03
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117673
【氏名又は名称】中島 了
(72)【発明者】
【氏名】長澤 健一
(72)【発明者】
【氏名】古林 俊哉
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-278522(JP,A)
【文献】特開2012-64030(JP,A)
【文献】特開2015-1787(JP,A)
【文献】特開2014-215927(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0261389(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0139873(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0103124(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を制御するコンピュータに、
a)
前記携帯端末の連携先装置がユーザによって未だ決定されていない状態において、前記携帯端末が画像形成装置に近接したときに、前記画像形成装置との連携動作を実行するための情報が登録されているか否かを判定するステップと、
b)前記情報が登録されていない場合に、前記情報を登録することを確認するための第1の確認メッセージを前記携帯端末の操作手段に表示するステップと、
c)ユーザによる確認操作であって前記第1の確認メッセージの確認操作に応じて、前記情報の登録と前記連携動作とを実行するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
d)前記登録された前記情報を用いて前記連携動作を実行するステップ、
を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプログラムにおいて、
e)前記情報が登録されている場合に、前記画像形成装置を前記連携動作の連携先とすることを確認するための第2の確認メッセージを前記操作手段に表示するステップと、
f)ユーザによる確認操作であって前記第2の確認メッセージの確認操作に応じて、前記画像形成装置を連携先とするステップと、
を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
携帯端末であって、
前記携帯端末の連携先装置がユーザによって未だ決定されていない状態において、前記携帯端末が画像形成装置に近接したときに、前記画像形成装置との連携動作を実行するための情報が登録されているか否かを判定する制御手段と、
前記情報が登録されていない場合に、前記情報を登録することを確認するための第1の確認メッセージを表示する操作手段と、
を備え、
前記制御手段は、ユーザによる確認操作であって前記第1の確認メッセージの確認操作に応じて、前記情報の登録と前記連携動作とを実行することを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯端末において、
前記制御手段は、前記登録された前記情報を用いて前記連携動作を実行することを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の携帯端末において、
前記操作手段は、前記情報が登録されている場合に、前記画像形成装置を前記連携動作の連携先とすることを確認するための第2の確認メッセージを表示し、
前記制御手段は、ユーザによる確認操作であって前記第2の確認メッセージの確認操作に応じて、前記画像形成装置を連携先とすることを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
画像形成システムであって、
携帯端末と、
画像形成装置と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記携帯端末の連携先装置がユーザによって未だ決定されていない状態において、前記携帯端末が前記画像形成装置に近接したときに、前記画像形成装置との連携動作を実行するための情報が登録されているか否かを判定する制御手段と、
前記情報が登録されていない場合に、前記情報を登録することを確認するための第1の確認メッセージを表示する操作手段と、
を備え、
前記制御手段は、ユーザによる確認操作であって前記第1の確認メッセージの確認操作に応じて、前記情報の登録と前記連携動作とを実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御手段は、前記登録された前記情報を用いて前記連携動作を実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の画像形成システムにおいて、
前記操作手段は、前記情報が登録されている場合に、前記画像形成装置を前記連携動作の連携先とすることを確認するための第2の確認メッセージを表示し、
前記制御手段は、ユーザによる確認操作であって前記第2の確認メッセージの確認操作に応じて、前記画像形成装置を連携先とすることを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置との連携動作を行う携帯端末およびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))などの画像形成装置とその外部の携帯端末との連携を図る技術が存在する(特許文献1参照)。
【0003】
画像形成装置と携帯端末との間の通信には、各種の無線通信技術が利用され得る。たとえば、無線LAN(IEEE 802.11等)による通信、および/または近距離無線通信が利用され得る。近距離無線通信としては、Bluetooth(登録商標)規格に基づく通信、およびBluetooth(ブルートゥース)の拡張規格であるBLE(Bluetooth Low Energy)に基づく通信等が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような無線通信を画像形成装置と携帯端末との通信に利用することによって、様々な応用技術が創出される。
【0006】
たとえば、BLE等を利用して画像形成装置がその周辺に電波を発信しておき、画像形成装置の周辺に移動してきた携帯端末がBLEからの当該電波を受信することによって、当該携帯端末が画像形成装置への近接を検出することが考えられる。
【0007】
また、携帯端末は、画像形成装置への近接を検出すること等に応答して、各種の連携動作(たとえば認証動作等)を開始することが可能である。
【0008】
しかしながら、複数台(たとえば2台)の画像形成装置が並んで配置されている場合等においては、装置の配置状況および/または電波状況等に依っては、本来の意図とは異なる装置に対して認証動作が進行してしまうことがある。より詳細には、ユーザは或る画像形成装置との連携動作を進めたいとの意図を持っているにもかかわらず、携帯端末は、当該或る画像形成装置に隣接する別の画像形成装置(ユーザの所望の画像形成装置とは異なる装置)との連携動作を進めようとすることが起こり得る。この場合、ユーザの意に反して、別の画像形成装置に対する認証動作が進行してしまう。
【0009】
なお、このような状況は、認証動作のみならず、その他の連携動作に関しても同様に生じ得る。
【0010】
そこで、本願発明は、画像形成装置とユーザの携帯端末との連携動作を行う場合において、携帯端末に対する連携先の画像形成装置がユーザの所望の画像形成装置であることを確認することが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、携帯端末を制御するコンピュータに、a)前記携帯端末の連携先装置がユーザによって未だ決定されていない状態において、前記携帯端末が画像形成装置に近接したときに、前記画像形成装置との連携動作を実行するための情報が登録されているか否かを判定するステップと、b)前記情報が登録されていない場合に、前記情報を登録することを確認するための第1の確認メッセージを前記携帯端末の操作手段に表示するステップと、c)ユーザによる確認操作であって前記第1の確認メッセージの確認操作に応じて、前記情報の登録と前記連携動作とを実行するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るプログラムにおいて、d)前記登録された前記情報を用いて前記連携動作を実行するステップ、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係るプログラムにおいて、e)前記情報が登録されている場合に、前記画像形成装置を前記連携動作の連携先とすることを確認するための第2の確認メッセージを前記操作手段に表示するステップと、f)ユーザによる確認操作であって前記第2の確認メッセージの確認操作に応じて、前記画像形成装置を連携先とするステップと、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、携帯端末であって、前記携帯端末の連携先装置がユーザによって未だ決定されていない状態において、前記携帯端末が画像形成装置に近接したときに、前記画像形成装置との連携動作を実行するための情報が登録されているか否かを判定する制御手段と、前記情報が登録されていない場合に、前記情報を登録することを確認するための第1の確認メッセージを表示する操作手段と、を備え、前記制御手段は、ユーザによる確認操作であって前記第1の確認メッセージの確認操作に応じて、前記情報の登録と前記連携動作とを実行することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の発明に係る携帯端末において、前記制御手段は、前記登録された前記情報を用いて前記連携動作を実行することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明に係る携帯端末において、前記操作手段は、前記情報が登録されている場合に、前記画像形成装置を前記連携動作の連携先とすることを確認するための第2の確認メッセージを表示し、前記制御手段は、ユーザによる確認操作であって前記第2の確認メッセージの確認操作に応じて、前記画像形成装置を連携先とすることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明は、画像形成システムであって、携帯端末と、画像形成装置と、を備え、前記携帯端末は、前記携帯端末の連携先装置がユーザによって未だ決定されていない状態において、前記携帯端末が前記画像形成装置に近接したときに、前記画像形成装置との連携動作を実行するための情報が登録されているか否かを判定する制御手段と、前記情報が登録されていない場合に、前記情報を登録することを確認するための第1の確認メッセージを表示する操作手段と、を備え、前記制御手段は、ユーザによる確認操作であって前記第1の確認メッセージの確認操作に応じて、前記情報の登録と前記連携動作とを実行することを特徴とする。
【0018】
請求項8の発明は、請求項7の発明に係る画像形成システムにおいて、前記制御手段は、前記登録された前記情報を用いて前記連携動作を実行することを特徴とする。
【0019】
請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明に係る画像形成システムにおいて、前記操作手段は、前記情報が登録されている場合に、前記画像形成装置を前記連携動作の連携先とすることを確認するための第2の確認メッセージを表示し、前記制御手段は、ユーザによる確認操作であって前記第2の確認メッセージの確認操作に応じて、前記画像形成装置を連携先とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1ないし請求項12に記載の発明によれば、画像形成装置とユーザの携帯端末との連携動作を行う場合において、ユーザは、携帯端末に対する連携先の画像形成装置がユーザの所望の画像形成装置であることを確認することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】画像形成装置の機能ブロックを示す図である。
【
図3】携帯端末の概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】携帯端末がMFPに近づいていく際における電波強度の時間変化を示す図である。
【
図5】携帯端末がMFPに近づいている様子を示す図である。
【
図6】携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【
図7】携帯端末の動作を示すフローチャート(連携用プログラムがフォアグラウンド動作状態を有している場合)である。
【
図8】携帯端末の動作を示すフローチャート(連携用プログラムがバックグラウンド動作状態を有している場合)である。
【
図9】通信システムにおける動作例を示すタイミングチャートである。
【
図11】表示画面(ログイン受付画面)を示す図である。
【
図12】MFP内の装置データテーブルを示す図である。
【
図13】携帯端末内の登録データテーブルを示す図である。
【
図19】表示画面(トップメニュー画面)を示す図である。
【
図20】変形例に係る登録データテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
<1.構成概要>
図1は、本発明に係る画像形成システム1を示す図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、MFP(画像形成装置)10と携帯端末50とを備える。
【0030】
MFP10と携帯端末50とは、各種の無線通信技術を用いて互いに無線接続される。たとえば、MFP10と携帯端末との間の通信には、無線LAN(IEEE 802.11等)による通信、および近距離無線通信が利用され得る。この実施形態では、近距離無線通信として、BLE(Bluetooth Low Energy)に基づく通信が用いられ、携帯端末50とMFP10との近接判定処理等が行われる。
【0031】
<2.画像形成装置の構成>
図2は、画像形成装置10の機能ブロックを示す図である。ここでは、画像形成装置10として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。
図2においては、MFP10の機能ブロックが示されている。
【0032】
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、
図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、操作部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0033】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像ないしスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
【0034】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0035】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、各種の無線通信(BLEによる無線通信等を含む)を行うことも可能である。具体的には、通信部4は、無線LAN(IEEE 802.11等)による無線通信を行う無線LAN通信部4aと、BLEによる無線通信を行うBLE通信部4bとを備える。MFP10には、BLE通信部4bの一部または全部として機能するBLEチップ42(近距離無線通信用チップ(あるいは単に通信チップ)とも称される)が内蔵されている(
図1も参照)。BLEチップ42は、アドバタイジングデータ(Advertising Data)をブロードキャスト送信することが可能である。アドバタイジングデータには、MFP10のMACアドレス(Media Access Control address)等が含まれている。
【0036】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
【0037】
操作部6は、MFP10に対する操作入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。
【0038】
このMFP10においては、略板状の操作パネル部6c(
図1参照)が設けられている。また、操作パネル部6cは、その正面側にタッチパネル25(
図1参照)を有している。タッチパネル25は、操作入力部6aの一部としても機能するとともに、表示部6bの一部としても機能する。タッチパネル25は、液晶表示パネルに各種センサ等が埋め込まれて構成され、各種情報を表示するとともに操作者からの各種の操作入力を受け付けることが可能である。
【0039】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいは無線LAN等を介してMFP10にインストールされてもよい。
【0040】
具体的には、
図2に示すように、コントローラ9は、上記のプログラムの実行により、通信制御部11と入力制御部12と表示制御部13と動作制御部14を含む各種の処理部を実現する。
【0041】
通信制御部11は、他の装置(携帯端末50等)との間の通信動作を通信部4等と協働して制御する処理部である。通信制御部11は、各種データの送信動作を制御する送信制御部と各種データの受信動作を制御する受信制御部とを有する。
【0042】
入力制御部12は、操作入力部6a(タッチパネル25等)に対する操作入力動作を制御する制御部である。たとえば、入力制御部12は、タッチパネル25に表示された操作画面に対する操作入力(ユーザからの指定入力等)を受け付ける動作を制御する。
【0043】
表示制御部13は、表示部6b(タッチパネル25等)における表示動作を制御する処理部である。表示制御部13は、MFP10を操作するための操作画面(遠隔操作画面)200等をタッチパネル25に表示させる。
【0044】
動作制御部14は、各種の動作(認証動作、印刷出力動作、スキャン動作等)を制御する処理部である。
【0045】
<3.携帯端末の構成>
次に携帯端末50の構成について説明する。
【0046】
携帯端末50は、MFP10(画像形成装置)との連携動作を行うことが可能な装置である。
【0047】
具体的には、携帯端末50は、MFP10との間でのネットワーク通信が可能な情報入出力端末装置(情報端末)である。ここでは、携帯端末50として、スマートフォンを例示する。ただし、これに限定されず、携帯端末50は、タブレット型端末等であってもよい。
【0048】
図3は、携帯端末50の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0049】
携帯端末50は、
図3の機能ブロック図に示すように、通信部54、格納部55、操作部56、およびコントローラ59等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0050】
通信部54は、各種の無線通信(BLEによる無線通信等を含む)を行うことが可能である。具体的には、通信部54は、無線LAN(IEEE 802.11等)による無線通信を行う無線LAN通信部54aと、BLEによる無線通信を行うBLE通信部54bとを備える。BLE通信部54bは、MFP10に内蔵されたBLEチップ42からブロードキャスト送信されてくるアドバタイジングデータ(Advertising Data)を受信するとともに、そのデータ送信用電波の強度を測定する。
【0051】
格納部55は、不揮発性の半導体メモリ等の記憶装置で構成される。格納部55には、後述する各種の画面500(
図14等参照)(詳細にはその表示用データ)が格納されている。
【0052】
操作部56は、携帯端末50に対する操作入力を受け付ける操作入力部56aと、各種情報の表示出力を行う表示部56bとを備えている。この携帯端末50においては、液晶表示パネルに各種センサ等が埋め込まれて構成されたタッチパネル75(
図1参照)が設けられている。このタッチパネル75は、操作入力部56aの一部としても機能するとともに、表示部56bの一部としても機能する。
【0053】
たとえば、タッチパネル75は、画像形成装置との連携動作の実行を確認する確認メッセージ(後述)等を表示する。また、タッチパネル75は、当該確認メッセージに対する操作入力等を受け付ける。
【0054】
図3のコントローラ59は、携帯端末50に内蔵され、携帯端末50を統括的に制御する制御装置である。コントローラ59は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ59は、CPUにおいて、記憶部(半導体メモリ等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいは無線LAN等を介して携帯端末50にインストールされるようにしてもよい。
【0055】
携帯端末50には、MFP10との連携を図るためのプログラム(連携用プログラム)等がインストールされている。当該連携用プログラムは、MFP10への近接検知処理を含む各種の処理を実現するアプリケーションソフトウエアプログラム(単に、アプリケーションとも称する)である。
【0056】
具体的には、コントローラ59は、連携用プログラム等の実行により、通信制御部61と入力制御部62と表示制御部63と取得部64と動作実行部65とを含む各種の処理部を実現する。
【0057】
通信制御部61は、通信部54等と協働して、MFP10等との通信動作を制御する処理部である。
【0058】
入力制御部62は、操作入力部56a(タッチパネル75等)に対する操作入力動作を制御する制御部である。
【0059】
表示制御部63は、表示部56b(タッチパネル75等)における表示動作を制御する処理部である。表示制御部63は、たとえば、確認メッセージ(確認メッセージ表示画面とも称する)500,700(後述)の表示動作等を制御する。
【0060】
取得部64は、装置特定用情報(後述)を取得する処理部である。取得部64は、MFP10との近距離無線通信を利用して、MFP10に関する装置特定用情報を取得する。
【0061】
動作実行部65は、ユーザによる確認メッセージ500,700の確認操作(承認操作)に応じて、所定の連携動作(認証動作等)を実行する処理部である。
【0062】
<4.動作>
<4-1.装置特定用情報の取得等>
MFP10は、ログイン待機状態(ユーザのログインを待機している状態)において、
図11に示すようなログイン受付画面201をタッチパネル25に表示する。
【0063】
また、MFP10は、BLE通信用の電波を微小時間間隔で常に発信している。詳細には、MFP10に内蔵されたBLEチップ42(
図1参照)が、アドバタイジングデータ(Advertising Data)を微小時間間隔でブロードキャスト送信する。アドバタイジングデータは、近距離無線通信用電波(BLE通信用の電波)を用いて送信されるブロードキャストデータである。BLE通信用の電波は、MFP10の周辺領域(たとえば、数十センチメートル~数メートル以内)にのみ到達する。
【0064】
一方、携帯端末50は、MFP10からのBLE通信用の電波を受信するとともに、MFP10からの電波の強度をも測定する。具体的には、携帯端末50のBLE通信部54bは、BLEチップ42からブロードキャスト送信されてきたアドバタイジングデータ(Advertising Data)を受信するとともに、そのデータ送信用電波の強度を測定する。また、携帯端末50にインストールされている連携用プログラムが(フォアグラウンド動作状態あるいはバックグラウンド動作状態において)当該電波の強度を取得する。なお、連携用プログラムが電波強度の測定処理の一部をも行うようにしてもよい。
【0065】
携帯端末50の接近動作に伴い携帯端末50がMFP10に近づくにつれて(すなわち携帯端末50とMFP10との距離が小さくなるにつれて)、携帯端末50によって検出される電波強度(MFP10内のBLEチップ42から送出されてくるBLE電波の強度)は、増大する(
図4参照)。逆に、携帯端末50がMFP10に遠ざかるにつれて(すなわち、携帯端末50とMFP10との距離が大きくなるにつれて)、携帯端末50によって検出される電波強度(MFP10からのBLE電波強度)は、減少する。
【0066】
このような性質を利用して、携帯端末50によって検出される電波強度が、所定の閾値TH1を超える値へと変化(増大)すると、携帯端末50は、自装置がMFP10に近接したと判定する(
図4参照)。具体的には、携帯端末50とMFP10(より詳細にはMFP10内におけるBLEチップ42の配置場所)との距離が所定の範囲(たとえば20cm(センチメートル))内の距離(所定値D1以下の距離)である旨が判定される(
図5参照)。なお、携帯端末50とMFP10との距離が距離D1(例えば20cm程度)に近接したときの電波強度の値が予め測定され、その測定値が閾値TH1として定められればよい。
【0067】
具体的には、まず、ユーザがMFP10に近づくにつれて、携帯端末50によって検出される電波強度の強度が徐々に増大していく。たとえば、ユーザが、携帯端末50を手で保持しつつMFP10に接近するとともに、手で保持していた携帯端末50をタッチパネル25付近に向けて当該携帯端末50を移動させる状況を想定する。このような移動に伴って、携帯端末50によって検出される電波強度が、閾値TH1よりも小さな値から、閾値TH1を超える値へと増大する(時刻T11)(
図4参照)。電波強度の増大検出に応じて、携帯端末50は、自装置がMFP10に対して所定の範囲内に近接したと判定する。
【0068】
携帯端末50においては、連携用プログラムがフォアグラウンド動作状態(アクティブ状態とも称する)あるいはバックグラウンド動作状態(非アクティブ状態とも称する)にて動作中である。このような判定処理(近接判定処理)を含む各種の処理(近接判定処理以降の処理)が、当該連携用プログラムによって実行される。
図6は、当該連携用プログラムによって実行される動作を示すフローチャートである。
【0069】
まず、
図6のステップS21において、上述の近接判定処理が行われる。具体的には、MFP10からの近距離無線通信用(BLE通信用)の電波の強度が近接検出用の閾値TH1よりも更に大きくなると、携帯端末50は、自装置がMFP10に対して所定の範囲内に近接した旨を判定する。換言すれば、携帯端末50は、MFP10への近接を検出する。携帯端末50は、自装置がMFP10に対して所定の範囲内に近接したと判定すると、当該MFP10(たとえば10a)を連携先装置として仮決定し、ステップS22に進む。
【0070】
ステップS22においては、携帯端末50は、当該連携先装置(MFP10a)からの近距離無線通信用電波(詳細にはアドバタイジングデータ)に含まれている装置識別情報(各装置を互いに識別するための情報)を、当該アドバタイジングデータから抽出する。たとえば、MFP10aのMACアドレス(Media Access Control address)が装置識別情報として抽出される。このようにして、携帯端末50は、MFP10aからの近距離無線通信用電波を利用して装置識別情報を取得する。
【0071】
アドバタイジングデータには、BLEのユーザ企業ごとに自由に利用することが可能な領域(カスタマイズ可能領域)が割り当てられている。より具体的には、アドバタイジングデータには、企業IDの記述領域と当該企業IDの記述領域に引き続くカスタマイズ可能領域(当該企業ごとの独自データ領域)とが設けられている。ここでは、アドバタイジングデータの当該カスタマイズ可能領域において、MFP10(アドバタイジングデータの発信元装置)のMACアドレスが記述されている(含まれている)ものとする(
図10参照)。
【0072】
また、ステップS22においては、携帯端末50は、MFP10aとの無線通信(たとえばBLE無線通信)を確立する(
図9も参照)。
【0073】
次のステップS23,S24においては、携帯端末50は、所望の画像形成装置をユーザが特定するための情報(以下、「装置特定用情報」とも称する)を、装置識別情報に基づいて取得する。なお、「装置特定用情報」は、複数の画像形成装置の中から一の画像形成装置を特定するための情報であって、或る画像形成装置(携帯端末50と連携しようとしている画像形成装置)が所望の画像形成装置であるか否かをユーザが判定するための情報である。当該或る画像形成装置は、携帯端末50の連携先装置として仮決定されている画像形成装置(仮決定装置)である、とも表現される。
【0074】
具体的には、まず、携帯端末50は、MFP10に対して、当該MFP10の装置特定用情報の送信要求を送信する(ステップS23)。より詳細には、当該MACアドレス(装置識別情報)に対応する装置特定用情報の送信要求(当該MACアドレスを指定した送信要求)が送信される。MFP10は、当該送信要求に応答して、当該MFP10の格納部5内に格納されている装置データテーブル(装置情報)300(
図12)から、当該装置特定用情報を抽出する。
図12は、装置データテーブル300を示す図である。
図12に示すように、MFP10内の装置データテーブル300には、当該MFP10のMACアドレス、IPアドレス、モデル名、装置名等が格納されている。MFP10は、装置データテーブル300を参照し、携帯端末50から送信されてきたMACアドレスと自装置のMACアドレス(装置データテーブル300のMACアドレス)とが一致することを確認するとともに、自装置のモデル名および装置名等を装置特定用情報として装置データテーブル300から抽出する。たとえば、MFP10aのモデル名「C652」とMFP10aの装置名「6階東側1」とが、MFP10aの装置特定用情報として抽出される。
【0075】
なお、ここでは、携帯端末50は、特定のMACアドレスに対応する装置特定用情報の送信要求(特定のMACアドレスを指定した送信要求)を送信しているが、これに限定されない。たとえば、BLE通信確立先が常に単一である場合等においては、単に、(BLE通信確立先のMFP10aの)装置特定用情報の送信要求をBLE通信確立先のMFP10aに送信するようにしてもよい。そして、携帯端末50は、当該MFP10aから返信されてきた装置特定用情報を、当該MFP10a(当該特定のMACアドレス)に対応する装置特定用情報として取得するようにしてもよい。
【0076】
そして、MFP10は、抽出された当該装置特定用情報を携帯端末50に送信する。換言すれば、携帯端末50は、送信要求に応じて返信される装置特定用情報をMFP10aから受信する(ステップS24)。
【0077】
このようにして、携帯端末50は、ログイン対象のMFP10aの装置特定用情報を、MFP10aとの近距離無線通信(ここではBLE通信)を通じて取得する。
【0078】
次のステップS25においては、連携用プログラム(連携用アプリケーション)がフォアグラウンド動作状態を有しているかバックグラウンド動作状態を有しているかが判定される。
【0079】
連携用プログラムがフォアグラウンド動作状態を有している場合には、
図7のフローチャートのステップS31に進む。一方、連携用プログラムがバックグラウンド動作状態を有している場合には、
図8のフローチャートのステップS51に進む。
【0080】
なお、後述するように、連携用プログラムがフォアグラウンド動作状態を有している場合には、確認メッセージ500(
図14および
図15参照)が表示され、連携用プログラムがバックグラウンド動作状態を有している場合には、確認メッセージ700(
図17および
図18等参照)が表示される。
【0081】
<4-2.連携用プログラムがフォアグラウンド動作状態を有している場合>
まず、連携用プログラムがフォアグラウンド動作状態を有している場合における各装置の動作について、
図7を参照しつつ説明する。
【0082】
ステップS31において、携帯端末50は、MFP10a向けのユーザ認証情報が携帯端末50内に既に登録されているか否か、を判定する。具体的には、携帯端末50内に格納されている登録データテーブル(登録情報)400(401)(
図13参照)に基づいて、当該事項を判定する。携帯端末50は、登録データテーブル401内において、MFP10a(連携先装置)のMACアドレスに対応する認証情報(ユーザIDおよびパスワードの双方)が格納されている場合には、MFP10a向けのユーザ認証情報が登録済みであると判定する。一方、MFP10aのMACアドレスに対応する認証情報が揃っていない場合(ユーザIDおよびパスワードの少なくとも一方が空欄である場合)には、未登録であると判定する。
【0083】
<4-2-1.ユーザ認証情報が登録済みの場合>
連携先装置(MFP10a)向けのユーザ認証情報が携帯端末50内(詳細には、登録データテーブル400内)に既に登録されていると判定される場合には、ステップS31からステップS32に進む。たとえば、
図13に示すように、MFP10aのMACアドレス(「11:22:33:44:55:66」)に対応するユーザ認証情報(ユーザID「SUZUKI1」およびパスワード「******」)が登録データテーブル400に存在する場合には、ステップS32に進む。
【0084】
この場合、ステップS32において、携帯端末50は、
図14に示すような確認メッセージ510(500)をタッチパネル75に表示する。確認メッセージ510は、MFP10における認証動作の実行を確認するメッセージである。また、確認メッセージ510は、たとえば、「目の前のMFP(C652_6階東側1)にログインしますか?」などの文言を有しており、装置特定用情報(「C652」および「6階東側1」)を有している。換言すれば、モデル名「C652」と装置名「6階東側1」との組合せに係る情報が装置特定用情報として当該確認メッセージ510に含まれている。なお、これに限定されず、たとえば、MFP10aのモデル名「C652」と装置名「6階東側1」とのうちの装置名のみがMFP10aの装置特定用情報として用いられても良い。
【0085】
この確認メッセージ510は、本連携アプリケーションによる直接的な制御下において、タッチパネル75に表示される。具体的には、確認メッセージ510は、フォアグラウンド動作状態を有する本連携アプリケーションの画面600内にて表示される。より詳細には、確認メッセージ510は、当該連携アプリケーションの画面600に重畳されたダイアログ画面内に表示される。
【0086】
そして、携帯端末50は、確認メッセージ510に対する承認を待機する。
【0087】
ユーザは、確認メッセージ510の内容を見て、携帯端末50の連携先装置として仮決定されている画像形成装置10a(「C652_6階東側1」)が所望の画像形成装置であるか否かを判定する。当該画像形成装置10a(「C652_6階東側1」)が所望の画像形成装置である場合には、ユーザは、確認メッセージ510内の「はい」ボタン511を押下する。
【0088】
確認メッセージ510内の「はい」ボタン511が押下され、確認メッセージ510に対する承認がユーザによって付与されると、ステップS33からステップS35に進む。
【0089】
なお、確認メッセージ510内の「いいえ」ボタン512が押下され、確認メッセージ510に対する非承認がユーザによって付与される場合には、ステップS35には進まず
図6および
図7のフローチャートが一旦終了する。その後、一定期間経過後に再びステップS21(
図6)の処理が開始される。
【0090】
ステップS35においては、ユーザによる確認メッセージの確認操作(「はい」ボタン511の押下操作)(承認操作)に応じて、携帯端末50は、連携先装置として仮決定されていたMFP10aを連携先装置として確定し、MFP10aに関する認証動作を実行する。具体的には、携帯端末50は、登録データテーブル400(
図13)内に登録されているユーザ認証情報(より詳細には当該MFP10(10a)向けのユーザ認証情報)を、登録データテーブル400から抽出し、抽出した当該ユーザ認証情報をMFP10aに送信する。これに対して、MFP10aは、当該ユーザ認証情報に基づく認証処理(受信した当該ユーザ認証情報と正規のユーザ認証情報との照合処理)を実行する。
【0091】
認証に成功すると、MFP10は、タッチパネル25の表示画面を変更する。具体的には、タッチパネル25の表示画面は、
図11の表示画面201から
図19の表示画面202へと変更される。表示画面201は、ログイン前の表示画面(ログイン受付画面)であり、表示画面202は、ログイン直後の表示画面(トップメニュー画面)である。ユーザは、タッチパネル25の表示画面202あるいはタッチパネル75に表示される表示画面(たとえば、表示画面202の模擬画面)等を用いて、更なる処理を進めることが可能である。
【0092】
なお、認証に失敗すると、タッチパネル25の表示画面の変更は行われず、
図11の表示画面201が引き続き表示される。
【0093】
<4-2-2.ユーザ認証情報が未登録の場合>
一方、ステップS31(
図7)において、連携先装置(MFP10a)向けのユーザ認証情報が携帯端末50内(詳細には、登録データテーブル400内)に未だ登録されていないと判定される場合には、ステップS42に進む。たとえば、MFP10aのMACアドレス(「11:22:33:44:55:66」)に対応するユーザ認証情報が登録データテーブル400内に存在しない場合には、ステップS31からステップS42に進む。
【0094】
この場合、ステップS42において、携帯端末50は、
図15に示すような確認メッセージ520(500)をタッチパネル75に表示する。確認メッセージ520は、MFP10における認証動作(より詳細には認証情報入力動作を含む認証動作)の実行を確認するメッセージである。また、確認メッセージ520は、たとえば、「目の前のMFP(C652_6階東側1)に対応する認証情報が未登録です。認証情報を登録した上でログインしますか?」などの文言を有しており、装置特定用情報(「C652」および「6階東側1」)を有している。
【0095】
この確認メッセージ520は、フォアグラウンド動作状態を有する連携アプリケーションの画面600内にて表示される。より詳細には、確認メッセージ520は、連携アプリケーションの画面600に重畳されたダイアログ画面内に表示される。
【0096】
そして、携帯端末50は、確認メッセージ520に対する承認を待機する。
【0097】
ユーザは、確認メッセージ520の内容を見て、携帯端末50の連携先装置として仮決定されている画像形成装置10a(「C652_6階東側1」)が所望の画像形成装置であるか否かを判定する。
【0098】
確認メッセージ520内の「はい」ボタン521が押下され、確認メッセージ520に対する承認がユーザによって付与されると、ステップS43からステップS44に進む。
【0099】
なお、確認メッセージ520内の「いいえ」ボタン522が押下され、確認メッセージ520が承認されない場合(「非承認」の場合)には、ステップS44には進まず
図6および
図7のフローチャートが一旦終了する。その後、一定期間経過後に再びステップS21(
図6)の処理が開始される。
【0100】
ステップS44においては、ユーザによる確認メッセージ520(500)の確認操作(承認操作)に応じて、携帯端末50は、ユーザ認証情報の入力画面580(
図16)をタッチパネル75に表示する。入力画面580は、
図16に示すように、各種認証情報(ユーザIDおよびパスワード等)の入力欄を有する画面である。この入力画面580は、フォアグラウンド動作状態を有する連携アプリケーションの画面600内にて表示される画面(より詳細には、画面600に重畳されるダイアログ画面)である。当該入力画面580を用いてユーザ認証情報の入力が受け付けられる。
【0101】
当該入力画面580において、ユーザIDおよびパスワード等が入力された後、OKボタン581が押下されて入力内容が確定されると、携帯端末50は、入力されたユーザ認証情報を携帯端末50内の登録データテーブル400に登録(追加登録)し、ステップS45に進む。
【0102】
ステップS45においてはステップS35と同様の処理が実行される。具体的には、携帯端末50は、連携先装置として仮決定されていたMFP10aを連携先装置として確定し、ステップS44にて入力(登録)されていたユーザ認証情報をMFP10(10a)に送信する(ステップS45)。これに対して、MFP10は、当該ユーザ認証情報に基づく認証処理(受信した当該ユーザ認証情報と正規のユーザ認証情報との照合処理)等を実行する。
【0103】
以上のように、携帯端末50は、MFP10との近距離無線通信を通じて装置特定用情報(「C652」および「6階東側1」等)を取得し、当該装置特定用情報を含む確認メッセージを表示する。より詳細には、連携アプリケーションがフォアグラウンドで動作している場合には、確認メッセージ500(510,520)が当該連携アプリケーションの画面内にて表示される。当該確認メッセージ500は、当該連携アプリケーションによる直接的な制御下において表示される。そして、当該確認メッセージ500に対する承認操作が行われることを条件に、認証処理等が実行される。
【0104】
したがって、ユーザは、確認メッセージ500に含まれる装置特定用情報を閲覧し、認証対象装置が所望のMFP10(たとえば、装置名「6階東側1」のMFP10a)であることを確認した上で、当該所望のMFP10との連携処理を進めることが可能である。換言すれば、MFP10とユーザの携帯端末50との連携動作を行う場合において、携帯端末50に対する連携先のMFP10がユーザの所望のMFP10であることを確認することができる。より具体的には、たとえば2台のMFP10(装置名「6階東側1」のMFP10a、および装置名「6階東側2」のMFP10b)が互いに近接して配置されている場合において、ユーザがログインしたい一のMFP10(たとえば、装置名「6階東側1」のMFP10a)に対するログイン処理(認証処理)を確実に進めることが可能である。仮に、ユーザの所望のMFP10a以外のMFP10(たとえば、装置名「6階東側2」のMFP10b)の装置特定用情報がタッチパネル75に表示される場合には、当該MFP10bに対する認証処理を中断することが可能である。
【0105】
ところで、上記では、連携アプリケーションがフォアグラウンドで動作している場合には、確認メッセージ500が表示されること等について説明した。
【0106】
一方、連携アプリケーションがバックグラウンドで動作している場合には、当該連携アプリケーションは、当該連携アプリケーションによる直接的な制御下において、確認メッセージ500を当該連携アプリケーションの画面内にて直接的に表示することができない。換言すれば、バックグラウンドで動作している連携アプリケーションは、フォアグラウンドで動作中の別のアプリケーションの画面(あるいはホーム画面)に重畳して当該連携アプリケーションの画面を表示することができない。
【0107】
そこで、この実施形態では、連携アプリケーションがバックグラウンドで動作している場合には、後述するように、携帯端末50のオペレーティングシステム(OS)の通知機能を用いて確認メッセージ700が携帯端末50のタッチパネル75に表示される。
【0108】
<4-3.連携用プログラムがバックグラウンド動作状態を有している場合>
つぎに、連携用プログラムがバックグラウンド動作状態を有している場合における各装置の動作について、
図8を参照しつつ説明する。
【0109】
ステップS51において、携帯端末50は、当該MFP10向けのユーザ認証情報が携帯端末50内に既に登録されているか否か、を判定する。具体的には、携帯端末50内に格納されている登録データテーブル(登録情報)400(
図13参照)に基づいて、当該事項を判定する。ステップS51においては、ステップS31と同様の判定処理が行われる。
【0110】
<4-3-1.ユーザ認証情報が登録済みの場合>
連携先装置(MFP10a)向けのユーザ認証情報が携帯端末50内(詳細には、登録データテーブル400内)に既に登録されていると判定される場合には、ステップS51からステップS52に進む。たとえば、
図13に示すように、MFP10aのMACアドレス(「11:22:33:44:55:66」)に対応するユーザ認証情報(ユーザID「SUZUKI1」およびパスワード「******」)が登録データテーブル400に存在する場合には、ステップS52に進む。
【0111】
この場合、ステップS52において、携帯端末50は、
図17に示すような確認メッセージ710(700)をタッチパネル75に表示する。確認メッセージ710は、MFP10における認証動作の実行を確認するメッセージである。確認メッセージ710は、たとえば、「目の前のMFP(C652_6階東側1)にログインしますか?」などの文言を有しており、装置特定用情報(「C652」および「6階東側1」)を有している。換言すれば、モデル名「C652」と装置名「6階東側1」との組合せに係る情報が装置特定用情報として当該確認メッセージ710に含まれている。
【0112】
この確認メッセージ710は、携帯端末50のオペレーティングシステム(OS)の通知機能を用いてタッチパネル75に表示される(
図17参照)。
【0113】
携帯端末50のOSの通知機能は、当該OSによって提供される機能の1つであり、各アプリケーション(非アクティブ状態のアプリケーション)に関するメッセージをOSを介してユーザに通知する機能である。このOSの通知機能を利用することによれば、バックグラウンドで動作中の或るアプリケーションに関するメッセージをユーザに通知することが可能である。
【0114】
具体的には、バックグラウンドで実行されている連携アプリケーションが、確認メッセージ710を示すテキスト情報(文字列情報)と当該確認メッセージ710に対する操作受付時の動作内容(URLスキームで記載された実行コマンド等)とをOSに対して受け渡す。ステップS52では、「はい」ボタン押下時の動作内容として、連携アプリケーションをフォアグラウンド動作状態に遷移させる旨と連携アプリケーションにて認証動作(より詳細には、認証情報の送信動作)を実行すべき旨とが指定されている。これらの指定は、たとえば、URLスキーム「application1://auth?」を用いて行われる。なお、URLスキームは、「(アプリケーション名)://((アプリケーション内での)コマンド名)?」の書式等で指定される。
【0115】
OSは、連携アプリケーションから受け取ったテキスト情報に基づき、確認メッセージ710をタッチパネル75に表示する。たとえば、その時点でフォアグラウンドに表示されている画面(たとえば、ホーム画面あるいは他のアプリケーションの画面等)に重畳されて、当該確認メッセージ710が表示される。
【0116】
そして、携帯端末50は、確認メッセージ710に対する承認を待機する。
【0117】
ユーザは、確認メッセージ710の内容を見て、携帯端末50の連携先装置として仮決定されている画像形成装置10a(「C652_6階東側1」)が所望の画像形成装置であるか否か、を判定する。
【0118】
確認メッセージ710内の「はい」ボタン711が押下され、確認メッセージ710に対する承認がユーザによって付与されると、ステップS53からステップS54に進む。
【0119】
なお、確認メッセージ710内の「いいえ」ボタン712が押下され、確認メッセージ710に対する非承認がユーザによって付与される場合には、ステップS54には進まず
図6および
図8のフローチャートが一旦終了する。その後、一定期間経過後に再びステップS21(
図6)の処理が開始される。
【0120】
ステップS54においては、連携アプリケーションがバックグラウンド動作状態からフォアグラウンド動作状態に遷移する。また、次のステップS55において、携帯端末50は、連携先装置として仮決定されていたMFP10aを連携先装置として確定し、MFP10aに関する認証動作を実行する。
【0121】
具体的には、「はい」ボタン711の押下時に実行すべきコマンドとして指定されていたURLスキームに基づく動作が行われる。たとえば、URLスキーム「application1://auth?」に基づいて、連携アプリケーション(「application1」)がフォアグラウンド動作状態に遷移するとともに、当該連携アプリケーションにおける動作として認証動作(コマンド「auth」に対応する動作)(より詳細には、認証情報の送信動作)が実行される。当該認証動作は、ステップS35と同様である。
【0122】
詳細には、携帯端末50は、登録データテーブル400(
図13)内に登録されているユーザ認証情報(より詳細には当該MFP10(10a)向けのユーザ認証情報)を、登録データテーブル400から抽出し、抽出した当該ユーザ認証情報をMFP10aに送信する。これに対して、MFP10aは、当該ユーザ認証情報に基づく認証処理(受信したユーザ認証情報と正規のユーザ認証情報との照合処理)を実行する。
【0123】
認証に成功すると、MFP10は、タッチパネル25の表示画面を変更する。具体的には、タッチパネル25の表示画面は、
図11の表示画面201から
図19の表示画面202へと変更される。
【0124】
なお、認証に失敗すると、タッチパネル25の表示画面の変更は行われず、
図11の表示画面201が引き続き表示される。
【0125】
<4-3-2.ユーザ認証情報が未登録の場合>
一方、ステップS51において、連携先装置(MFP10a)向けのユーザ認証情報が携帯端末50内(詳細には、登録データテーブル400内)に未だ登録されていないと判定される場合には、ステップS62に進む。たとえば、MFP10aのMACアドレス(「11:22:33:44:55:66」)に対応するユーザ認証情報が登録データテーブル400内に存在しない場合には、ステップS51からステップS62に進む。
【0126】
この場合、ステップS62において、携帯端末50は、
図18に示すような確認メッセージ720(700)をタッチパネル75に表示する。確認メッセージ720は、MFP10aにおける認証動作(より詳細には認証情報入力動作を含む認証動作)の実行を確認するメッセージである。また、確認メッセージ720は、たとえば、「目の前のMFP(C652_6階東側1)に対応する認証情報が未登録です。認証情報を登録した上でログインしますか?」などの文言を有しており、装置特定用情報(「C652」および「6階東側1」)を有している。
【0127】
この確認メッセージ720は、携帯端末50のオペレーティングシステム(OS)の通知機能を用いてタッチパネル75に表示される(
図17参照)。
【0128】
具体的には、バックグラウンドで実行されている連携アプリケーションが、確認メッセージ720を示すテキスト情報(文字列情報)と当該確認メッセージ720に対する操作受付時の動作内容(URLスキームで記載された実行コマンド等)とをOSに対して受け渡す。ステップS52では、「はい」ボタン押下時の動作内容として、連携アプリケーションをフォアグラウンド動作状態に遷移させる旨と連携アプリケーションにて認証動作(より詳細には、認証情報の登録動作(入力動作))を実行すべき旨とが指定されている。これらの指定は、たとえば、URLスキーム「application1://register?」を用いて行われる。
【0129】
OSは、受け取ったテキスト情報に基づき、確認メッセージ720をタッチパネル75に表示する。たとえば、その時点で表示されている画面(たとえば、ホーム画面あるいは他のアプリケーションの画面等)に重畳されて、当該確認メッセージ720が表示される。
【0130】
そして、携帯端末50は、確認メッセージ720に対する承認を待機する。
【0131】
ユーザは、確認メッセージ720の内容を見て、携帯端末50の連携先装置として仮決定されている画像形成装置10a(「C652_6階東側1」)が所望の画像形成装置であるか否かを判定する。
【0132】
確認メッセージ720内の「はい」ボタン721が押下され、確認メッセージ720に対する承認がユーザによって付与されると、ステップS63からステップS64に進む。
【0133】
なお、確認メッセージ720内の「いいえ」ボタン722が押下され、確認メッセージ720に対する非承認がユーザによって付与される場合には、ステップS64には進まず
図6および
図8のフローチャートが一旦終了する。その後、一定期間経過後に再びステップS21(
図6)の処理が開始される。
【0134】
ステップS64においては、連携アプリケーションがバックグラウンド動作状態からフォアグラウンド動作状態に遷移する。また、次のステップS65においては、携帯端末50は、連携先装置として仮決定されていたMFP10aを連携先装置として確定し、MFP10aに関する認証情報の登録動作を実行する。
【0135】
具体的には、「はい」ボタン721の押下時に実行すべきコマンドとして指定されていたURLスキームに基づく動作が行われる。たとえば、URLスキーム「application1://register?」に基づいて、連携アプリケーションがフォアグラウンド動作状態に遷移するとともに、当該連携アプリケーションにおいて認証情報の登録動作(入力動作)が実行される。
【0136】
より具体的には、ステップS65においては、「はい」ボタン721の押下に応じて、携帯端末50は、ユーザ認証情報の入力画面580(
図16)をタッチパネル75に表示する。
【0137】
当該入力画面580を用いてユーザ認証情報が入力された後にOKボタン581が押下されると、ステップS66に進む。ステップS66においては、ステップS45と同様の動作が実行される。具体的には、携帯端末50は、入力されたユーザ認証情報をMFP10(10a)に送信する。これに対して、MFP10は、当該ユーザ認証情報に基づく認証処理(受信したユーザ認証情報と正規のユーザ認証情報との照合処理)等を実行する。
【0138】
以上のように、連携アプリケーションがバックグラウンドで動作している場合にも、携帯端末50は、MFP10との近距離無線通信を通じて装置特定用情報(「C652」および「6階東側1」等)を取得し、当該装置特定用情報を含む確認メッセージを表示する。具体的には、確認メッセージ700(710,720)が、OSの通知機能を用いてタッチパネル75に表示される。そして、当該確認メッセージ700に対する承認操作が行われることを条件に、認証処理等が実行される。
【0139】
したがって、ユーザは、確認メッセージ700に含まれる装置特定用情報を閲覧し、認証対象装置が所望のMFP10(たとえば、装置名「6階東側1」のMFP10a)であることを確認した上で、当該所望のMFP10との連携処理を進めることが可能である。換言すれば、MFP10とユーザの携帯端末50との連携動作を行う場合において、ユーザは、携帯端末50に対する連携先のMFP10がユーザの所望のMFP10であることを確認することができる。より具体的には、たとえば2台のMFP10(装置名「6階東側1」のMFP10a、および装置名「6階東側2」のMFP10b)が互いに近接して配置されている場合において、ユーザは、自らがログインしたい一のMFP10(たとえば、装置名「6階東側1」のMFP10a)に対するログイン処理(認証処理)を確実に進めることが可能である。仮に、ユーザの所望のMFP10a以外のMFP10(たとえば、装置名「6階東側2」のMFP10b)の装置特定用情報がタッチパネル75に表示される場合には、ユーザは当該MFP10bに対する認証処理を中断することが可能である。
【0140】
特に、上記においては、連携アプリケーションがバックグラウンド動作状態を有する場合には、携帯端末50のOSの通知機能を用いて、確認メッセージ700が表示される。したがって、連携アプリケーションがアクティブ状態でない場合においても、携帯端末50は、ユーザの所望のMFP10との連携処理を確実に行うことが可能である。
【0141】
また、上記においては、MFP10a向けのユーザ認証情報が登録データテーブル400内に存在する場合には、携帯端末50は、確認メッセージ710をタッチパネル75に表示する。そして、確認メッセージ710の内容が承認されると、連携アプリケーションがアクティブ状態(フォアグラウンド動作状態)に遷移するとともに認証情報の送信処理が直ちに実行される。
【0142】
一方、MFP10a向けのユーザ認証情報が登録データテーブル400内に存在しない場合には、携帯端末50は、確認メッセージ720をタッチパネル75に表示する。そして、確認メッセージ720の内容が承認されると、連携アプリケーションがアクティブ状態(フォアグラウンド動作状態)に遷移するとともにユーザ認証情報の入力画面580が表示される。また、当該入力画面580を用いて認証情報の登録処理が実行される。これによれば、確認メッセージ720の内容の承認後に直ちに入力画面580が表示されるので、ユーザは、入力画面580を表示させるためのメニュー選択操作を行うことを要さずに、ユーザ認証情報の入力を直ちに開始することが可能である。したがって、ユーザは高い操作性を得ることが可能である。
【0143】
このように、確認メッセージ700の承認に応じて連携アプリケーションがフォアグラウンド動作状態(アクティブ状態)に遷移するとともに、所定条件成立の有無(MFP10a向けのユーザ認証情報が登録データテーブル400内に存在するか否か)に応じた処理がそれぞれ直ちに実行される。具体的には、個別のURLスキーム(より詳細にはそのコマンド名(「auth」/「register」))によって指定された処理がそれぞれ実行される。したがって、バックグラウンド動作状態からフォアグラウンド動作状態に遷移した直後において、所定条件成立の有無に応じた処理が適切に実行される。
【0144】
<5.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0145】
たとえば、上記実施形態においては、MACアドレスが装置識別情報として例示されているが、これに限定されず、IPアドレス等が装置識別情報として利用されてもよい。
【0146】
また、上記実施形態においては、携帯端末50は、MFP10aから近距離無線通信用電波を用いて送信されるアドバタイジングデータを受信する(ステップS21)とともに、当該アドバタイジングデータに含まれていた装置識別情報(MACアドレス)を当該アドバタイジングデータから抽出する。また、両装置10a,50間にBLE通信が確立(ステップS22)された後、当該BLE通信を利用して、当該装置識別情報に対応する装置特定用情報の送信要求が携帯端末50からMFP10aに送信される(ステップS23)。そして、携帯端末50は、当該送信要求に応じてMFP10aから返信される装置特定用情報(装置名とモデル名との組合せ)を受信することによって、装置特定用情報を取得している(ステップS24)。端的に言えば、携帯端末50は、装置識別情報(MACアドレス)をMFP10aから受信した後に、さらにMFP10aと通信することによって装置特定用情報(装置名等)を取得している。しかしながら、本発明は、これに限定されない。
【0147】
たとえば、アドバタイジングデータのデータ容量の増大が許容される場合等においては、アドバタイジングデータ自体にMFP10aの装置名等(装置特定用情報)が含まれるようにしてもよい。そして、携帯端末50は、受信したアドバタイジングデータからMFP10aの装置名等(装置特定用情報)を抽出すればよい。換言すれば、装置識別情報(MACアドレス)を介することなく、装置特定用情報が取得されるようにしてもよい。
【0148】
あるいは、アドバタイジングデータに含まれていたMACアドレス(装置識別情報)自体が装置特定用情報として取得され、当該MACアドレスを含む確認メッセージ(たとえば「目の前のMFP(MACアドレス=11:22:33:44:55:66)にログインしますか?」などの文言を有する確認メッセージ)が表示されるようにしてもよい。すなわち、MACアドレス(装置識別情報)がそのまま装置特定用情報として用いられてもよい。換言すれば、装置特定用情報は「MACアドレス」であってもよい。より詳細には、所望のMFP10aの本体正面等に当該MFP10aのMACアドレスを記載したシール等が貼付されている場合等において、ユーザは、当該シールに記載されたMACアドレスと当該確認メッセージに含まれるMACアドレスとの同一性を確認すればよい。これにより、ユーザは、認証対象装置(連携先装置)が所望のMFP10aであることを確認することが可能である。
【0149】
また、上記実施形態においては、アドバタイジングデータにMACアドレス(装置識別情報)が含まれており、当該アドバタイジングデータの受信(ステップS21)に応じてMACアドレス(装置識別情報)が(BLE通信の確立(ステップS22)前に)取得されているが、これに限定されない。たとえば、装置識別情報(MACアドレス等)がアドバタイジングデータに含まれない場合において、携帯端末50は、MFP10aとの間でBLE通信を確立(ステップS22)した後に、当該BLE通信を用いて当該MFP10aの装置識別情報(MACアドレス等)を取得するようにしてもよい。より詳細には、BLE通信確立後に、携帯端末50からMFP10aに対して当該MFP10aの装置識別情報(MACアドレス等)の送信依頼が送出され、当該送信依頼に応じて、BLE通信を利用して当該MFP10aの装置識別情報(MACアドレス等)がMFP10aから携帯端末50に送信される。このようにして、携帯端末50が当該MFP10aの装置識別情報(MACアドレス等)を取得するようにしてもよい。
【0150】
また、上記実施形態においては、携帯端末50は、装置識別情報の取得後において、MFP10aとさらに通信することによって、MFP10aの装置特定用情報を取得しているが、これに限定されない。たとえば、携帯端末50は、その格納部55内の登録データテーブル402(400)(
図20)から抽出することによって、ログイン対象のMFP10aの装置特定用情報を取得するようにしてもよい。より詳細には、MFP10aから送信されてきたMACアドレス(当該MFP10aのMACアドレス)に対応する装置名(「6階東側1」)等が、ログイン対象のMFP10aの装置特定用情報として当該登録データテーブル402から抽出されればよい。なお、
図20に示すように、携帯端末50内の登録データテーブル402には、連携対象として予め登録された1または複数のMFP10の各種情報(具体的には、各MFP10のMACアドレス、IPアドレス、モデル名、装置名、認証情報等)がそれぞれ格納されている。
【0151】
また、上述したように、装置特定用情報は、モデル名と装置名との組合せに限定されず、たとえば「装置名」のみであってもよく、「MACアドレス」であってもよい。あるいは、装置特定用情報は「IPアドレス」であってもよい。たとえば、当該IPアドレスを含む確認メッセージ(たとえば「目の前のMFP(IPアドレス=192.168.30.1)にログインしますか?」などの文言を有する確認メッセージ)が表示されるようにしてもよい。所望のMFP10aの本体正面等に当該MFP10aのIPアドレスを記載したシール等が貼付されている場合等において、ユーザは、当該シールに記載されたIPアドレスと当該確認メッセージに含まれるIPアドレスとの同一性を確認すればよい。なお、MFP10aの「IPアドレス」は、装置識別情報としてアドバタイジングデータに含まれた状態で携帯端末50によって受信されてもよく、あるいは、BLE通信確立後の送信要求に応じてMFP10aから装置特定用情報として受信されてもよい。このように、装置特定用情報は「IPアドレス」であってもよい。
【0152】
さらには、装置特定用情報は、MACアドレス、IPアドレス、モデル名および装置名等のうちの少なくとも2つ以上の組合せ等であってもよい。
【0153】
また、上記実施形態においては、携帯端末50とMFP10との連携動作として、MFP10に関する認証動作(MFP10に対するログイン動作)を例示しているが、これに限定されない。
【0154】
たとえば、当該連携動作は、MFP10による印刷出力動作を含むものであってもよい。より詳細には、携帯端末50の連携アプリケーションにて或る印刷出力ジョブが(MFP10から離れた場所で)先ず登録(携帯端末50内にて登録)され、その後、当該連携アプリケーションがフォアグラウンドあるいはバックグラウンドで動作中である状況を想定する。このような状況において、携帯端末50がMFP10へ近接することに応じて、当該印刷出力ジョブの実行の是非をユーザに確認する確認メッセージがタッチパネル75に表示されるようにしてもよい。当該確認メッセージにおいて、装置特定用情報を含む内容が表示される。たとえば、「目の前のMFP(C652_6階東側1)にて予約済みジョブを印刷出力しますか?」の文言を含む確認メッセージが表示される。そして、ユーザによる当該確認メッセージの確認操作(「はい」ボタンの押下等)に応じて、当該印刷出力ジョブに関する印刷出力動作が当該MFP10にて実行されるようにしてもよい。
【0155】
あるいは、当該連携動作は、MFP10によるスキャン動作等を含むものであってもよい。たとえば、携帯端末50の連携アプリケーションにてスキャンジョブの格納先等が指定された後、当該連携アプリケーションがフォアグラウンドあるいはバックグラウンドで動作中である状況を想定する。このような状況において、携帯端末50がMFP10へ近接することに応じて、当該スキャンジョブの実行の是非をユーザに確認する確認メッセージであって装置特定用情報を含む確認メッセージがタッチパネル75に表示されるようにしてもよい。たとえば、「目の前のMFP(C652_6階東側1)にてスキャンジョブを実行しますか?」の文言を含む確認メッセージが表示される。そして、ユーザによる当該確認メッセージの確認操作(「はい」ボタンの押下等)に応じて、当該スキャンジョブに関するスキャン動作が当該MFP10にて実行されるようにしてもよい。
【0156】
これらの連携動作においても、装置特定用情報を含む確認メッセージを表示することによって、上記実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0157】
1 画像形成システム
6c 操作パネル部
10 MFP(画像形成装置)
25 (MFPの)タッチパネル
42 BLEチップ
50 携帯端末
75 (携帯端末の)タッチパネル
500 確認メッセージ(フォアグラウンド動作時)
700 確認メッセージ(バックグラウンド動作時)
【要約】
【課題】画像形成装置と携帯端末との連携動作を行う場合において、携帯端末に対する連携先の画像形成装置がユーザの所望の画像形成装置であることを確認することが可能な技術を提供する。
【解決手段】携帯端末50は、当該携帯端末50と連携しようとしている画像形成装置が所望の画像形成装置であるか否かをユーザが判定するための情報(装置特定用情報)を、画像形成装置とのBLE通信(近距離無線通信)を通じて取得する。そして、携帯端末50は、当該画像形成装置との連携動作の実行を確認する確認メッセージ700を表示する。当該確認メッセージ700は、当該装置特定用情報(装置名「6階東側1」等)を含む。携帯端末50は、ユーザによる確認メッセージ700の確認操作に応じて、連携動作(認証動作等)を実行する。
【選択図】
図17