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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】医用画像処理装置及びX線CT装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20220216BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220216BHJP
   G06T 5/30 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A61B6/03 360D
A61B6/03 360J
G06T1/00 290
G06T5/30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017079108
(22)【出願日】2017-04-12
(65)【公開番号】P2018175374
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2020-02-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000125381
【氏名又は名称】学校法人藤田学園
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】市原 隆
(72)【発明者】
【氏名】池田 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】坂口 卓弥
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-042998(JP,A)
【文献】特開2015-167790(JP,A)
【文献】特表2006-500099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
G01T 1/161-1/166
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに含まれる心臓の断面において心筋に対応する環状領域に第1の関心領域を設定する第1の設定部と、
前記環状領域を含む領域に対して前記第1の関心領域よりも広い第2の関心領域を設定する第2の設定部と、
前記第1の関心領域における信号値の度数分布に基づいて、前記画像データに対する血流動態解析に用いる信号値の範囲における上限値を定めるための閾値を決定する決定部と、
前記第2の関心領域について、前記閾値に基づく範囲に含まれる信号値を用いた血流動態解析を実行する解析部と、
を備える、医用画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の設定部は、前記心筋に流入した造影剤に基づく信号以外の信号を除外するように前記心臓の断面における前記心筋の境界を設定することで、前記第1の関心領域を設定する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記第1の設定部は、前記心臓の断面における前記心筋を抽出し、抽出した前記心筋の内壁に対応する内側の輪郭に対して膨張処理を施し、前記心筋の外壁に対応する外側の輪郭に対して縮小処理を施すことで、前記第1の関心領域を設定する、請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
操作者による入力操作を受け付ける受付部をさらに備え、
前記第1の設定部は、前記受付部によって受け付けられた入力操作に応じて前記膨張処理及び前記縮小処理を施す、請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記第1の設定部は、前記心臓の断面における前記心筋を抽出し、抽出した前記心筋の輪郭に囲まれた領域における信号値の度数分布が正規分布に近似するように前記輪郭に囲まれた領域を変形させ、変形後の領域を前記第1の関心領域として設定する、請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記第1の設定部は、前記心筋によって囲まれた内腔に基づく信号を前記心筋の境界に囲まれた領域内から除外するように、前記心筋の内壁に対応する内側の境界を設定する、請求項2又は3に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記第1の設定部は、前記心筋によって囲まれた内腔に隣接する内腔に基づく信号を前記心筋の境界に囲まれた領域内から除外するように、前記心筋の外壁に対応する外側の境界を設定する、請求項2、3又は6に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記第1の設定部は、前記環状領域を複数の部分領域に区分し、前記複数の部分領域に対して前記第1の関心領域をそれぞれ設定し、
前記第2の設定部は、前記複数の部分領域について、前記第2の関心領域をそれぞれ設定する、請求項1~7のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記決定部は、前記第1の関心領域における信号値の度数分布において、平均値、標準偏差または分散を用いて閾値として決定し、
前記解析部は、前記第2の関心領域について、前記閾値よりも低い信号値を用いた血流動態解析を実行する、請求項1~8のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
心臓を含む画像データを収集する収集部と、
前記画像データに含まれる心臓の断面において心筋に対応する環状領域に第1の関心領域を設定する第1の設定部と、
前記環状領域を含む領域に対して前記第1の関心領域よりも広い第2の関心領域を設定する第2の設定部と、
前記第1の関心領域における信号値の度数分布に基づいて、前記画像データに対する血流動態解析に用いる信号値の範囲における上限値を定めるための閾値を決定する決定部と、
前記第2の関心領域について、前記閾値に基づく範囲に含まれる信号値を用いた血流動態解析を実行する解析部と、
を備える、X線CT装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像処理装置及びX線CT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線CT(Computed Tomography)装置を用いて心筋の血流動態(パーフュージョン:perfusion)の検査が実施されている。かかる検査では、例えば、血管に造影剤が投与され、X線CT装置によって収集された心臓のCT画像を画像解析することにより、心筋に到達した造影剤量を推定し、推定した造影剤量から心筋に流入する血流量を推定する心筋血流量計測が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-256175号公報
【文献】国際公開第2016/157457号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、精度よく血流量を推定することができる医用画像処理装置及びX線CT装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る医用画像処理装置は、第1の設定部と、第2の設定部と、決定部と、解析部とを含む。第1の設定部は、画像データに含まれる心臓の断面において心筋に対応する環状領域に第1の関心領域を設定する。第2の設定部は、前記環状領域を含む領域に対して前記第1の関心領域よりも広い第2の関心領域を設定する。決定部は、前記第1の関心領域における信号値の度数分布に基づいて、前記画像データに対する血流動態解析に用いる信号値の範囲を定めるための閾値を決定する。解析部は、前記第2の関心領域について、前記閾値に基づく範囲に含まれる信号値を用いた血流動態解析を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る第1の設定機能による処理の一例を説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る心筋の断面ごとの第1の関心領域の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る決定機能による閾値の決定の一例を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る第1の設定機能による第1の関心領域の他の例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る第2の設定機能によって設定される第2の関心領域の一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る解析機能による血流量の推定結果の一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置による処理手順を示すフローチャートである。
図10図10は、第2の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、本願に係る医用画像処理装置及びX線CT装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本願に係る医用画像処理装置及びX線CT装置は、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、本願が開示する技術を医用画像処理装置に適用した場合の例を説明する。なお、以下、医用画像処理装置を含む医用画像処理システムを例に挙げて説明する。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る医用画像処理システムは、X線CT(Computed Tomography)装置100と、画像保管装置200と、医用画像処理装置300とを備える。
【0010】
例えば、医用画像処理システムにおいては、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300が、図1に示すように、ネットワーク400を介して、X線CT装置100と、画像保管装置200に接続される。なお、医用情報処理システムは、ネットワーク400を介して、MRI(magnetic resonance imaging)装置や超音波診断装置、PET(Positron Emission Tomography)装置等の他の医用画像診断装置がさらに接続されてもよい。
【0011】
X線CT装置100は、被検体のCT画像データ(ボリュームデータ)を収集する。具体的には、X線CT装置100は、被検体を略中心にX線管及びX線検出器を旋回移動させ、被検体を透過したX線を検出して投影データを収集する。そして、X線CT装置100は、収集された投影データに基づいて、時系列のCT画像データを生成する。例えば、X線CT装置100は、心臓を含む領域を対象とした時系列のCT画像データを生成する。
【0012】
ここで、X線CT装置100は、インジェクター及び心電計が接続される。インジェクターは、X線CT装置100による制御に応じて被検体に造影剤を注入する。具体的には、インジェクターは、X線CT装置100から受信する制御信号によって制御され、予め決められた条件に基づいて、被検体に造影剤を注入する。なお、インジェクターは、操作者の操作に応じて、被検体に対して造影剤を注入することもできる。また、心電計は、被検体に付けられた電極を介して被検体のECG(electro cardiogram)信号を検出して心電図を生成し、生成した心電図をX線CT装置100に送信する。X線CT装置100は、心電計から受信した心電図に基づいてX線の照射を制御することで、心電波形の所定の位相に同期したCT画像データを生成することができる。例えば、X線CT装置100は、造影剤が注入された被検体について、心電図に基づく同期により、造影剤が注入された拡張期の心臓のCT画像データを1心拍ごとに収集する。
【0013】
画像保管装置200は、ネットワーク400を介して、各種の医用画像診断装置によって収集された画像データを保管する。例えば、画像保管装置200は、サーバ装置等のコンピュータ機器によって実現される。本実施形態では、画像保管装置200は、ネットワーク400を介してX線CT装置100からCT画像データ(ボリュームデータ)を取得し、取得したCT画像データを装置内又は装置外に設けられた記憶回路に記憶させる。
【0014】
医用画像処理装置300は、ネットワーク400を介して各種の医用画像診断装置から画像データを取得し、取得した画像データを処理する。例えば、医用画像処理装置300は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。本実施形態では、医用画像処理装置300は、ネットワーク400を介してX線CT装置100又は画像保管装置200からCT画像データを取得し、取得したCT画像データに対して各種画像処理を行う。そして、医用画像処理装置300は、画像処理後のCT画像や、画像処理によって得られる解析結果等をディスプレイ等に表示する。
【0015】
図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300の構成の一例を示す図である。例えば、図2に示すように、医用画像処理装置300は、I/F(インターフェース)回路310と、記憶回路320と、入力回路330と、ディスプレイ340と、処理回路350とを有する。
【0016】
I/F回路310は、処理回路350に接続され、ネットワーク400を介して接続された各種の医用画像診断装置又は画像保管装置200との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、I/F回路310は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。本実施形態では、I/F回路310は、X線CT装置100又は画像保管装置200からCT画像データを受信し、受信したCT画像データを処理回路350に出力する。
【0017】
記憶回路320は、処理回路350に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路320は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。本実施形態では、記憶回路320は、X線CT装置100又は画像保管装置200から受信したCT画像データを記憶する。例えば、記憶回路320は、X線CT装置100によって経時的に収集されたCT画像データを記憶する。一例を挙げると、記憶回路320は、造影剤が注入され、1心拍ごとに収集された拡張期の心臓のCT画像データを記憶する。
【0018】
入力回路330は、処理回路350に接続され、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路350に出力する。例えば、入力回路330は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。
【0019】
ディスプレイ340は、処理回路350に接続され、処理回路350から出力される各種情報及び各種画像を表示する。例えば、ディスプレイ340は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。例えば、ディスプレイ340は、処理回路350による表示制御のもと、CT画像データに基づく解析結果や、CT画像などを表示する。
【0020】
処理回路350は、入力回路330を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、医用画像処理装置300が有する各構成要素を制御する。例えば、処理回路350は、プロセッサによって実現される。本実施形態では、処理回路350は、I/F回路310から出力されるCT画像データを記憶回路320に記憶させる。また、処理回路350は、記憶回路320からCT画像データを読み出し、読み出したCT画像データから生成したCT画像をディスプレイ340に表示させる。また、処理回路350は、CT画像データに対して種々の解析処理を実行して、解析結果をディスプレイ340に表示させる。
【0021】
このような構成のもと、本実施形態に係る医用画像処理装置300は、精度よく血流量を推定することを可能にする。具体的には、医用画像処理装置300は、心臓を含む医用画像(例えば、3次元のCT画像データ等)を用いたパーフュージョン(Perfusion)解析において、画像データに含まれるノイズを除去することにより、心筋における血流量を精度よく推定する。ここで、心筋の血流量は、心筋の造影剤濃度(心筋における信号値)に基づいて推定されることから、CT画像データにおける心筋領域にノイズが含まれる場合、このノイズが血流量の推定の結果に誤差を与えることとなる。そこで、本願に係る医用画像処理装置300は、心筋における信号値からノイズを除去することで、その後の血流量の推定を精度よく行うことを可能にする。
【0022】
以下、本実施形態に係る医用画像処理装置300の詳細について説明する。本実施形態に係る医用画像処理装置300においては、処理回路350が、図2に示すように、制御機能351と、第1の設定機能352と、第2の設定機能353と、決定機能354と、解析機能355とを実行する。ここで、第1の設定機能352は、特許請求の範囲における第1の設定部の一例である。また、第2の設定機能353は、特許請求の範囲における第2の設定部の一例である。また、決定機能354は、特許請求の範囲における決定部の一例である。また、解析機能355は、特許請求の範囲における解析部の一例である。
【0023】
制御機能351は、医用画像処理装置300の全体制御を実行する。例えば、制御機能351は、I/F回路310を介して、X線CT装置100、或いは、画像保管装置200からCT画像データを取得する。一例を挙げると、制御機能351は、造影剤が注入され、1心拍ごとに収集された拡張期の心臓のCT画像データを取得する。そして、制御機能351は、取得したCT画像データを記憶回路320に格納する。また、制御機能351は、CT画像データからCT画像を生成し、生成したCT画像をディスプレイ340にて表示するように制御する。また、制御機能351は、解析機能355による解析結果をディスプレイ340にて表示するように制御する。
【0024】
第1の設定機能352は、画像データに含まれる心臓の断面において心筋に対応する環状領域に第1の関心領域を設定する。具体的には、第1の設定機能352は、心筋に流入した造影剤に基づく信号以外の信号を除外するように心臓の断面における心筋の境界を設定することで、第1の関心領域を設定する。すなわち、第1の設定機能352は、心筋のみが含まれる第1の関心領域を設定する。上述したように、医用画像処理装置300は、心筋における信号値からノイズを除去することで、その後の血流量の推定を精度よく行う。そこで、第1の設定機能352は、CT画像データにおける心筋の信号値に対するノイズ除去の処理に用いる閾値を決定するための第1の関心領域を設定する。すなわち、第1の設定機能352は、CT画像データにおける心筋の信号値として適切か否かを判定するための閾値の決定に用いる第1の関心領域を設定する。
【0025】
図3は、第1の実施形態に係る第1の設定機能352による処理の一例を説明するための図である。ここで、図3においては、心軸に直交する断面の左心室の心筋に対して第1の関心領域を設定する場合について示す。例えば、第1の設定機能352は、図3に示すように、左心室の断面において、左心室の心筋の内壁を示す輪郭52と外壁を示す輪郭51とで挟まれた環状の領域に対して、心筋に流入した造影剤に基づく信号以外の信号を除外するように第1の関心領域を設定する。
【0026】
例えば、第1の設定機能352は、図3の中段の左側の図に示すように、心筋の外壁を示す輪郭51の内側に境界61を設定する。そして、第1の設定機能352は、図3の中段の右側の図に示すように、心筋の内壁を示す輪郭52の外側に境界62を設定する。これにより、第1の設定機能352は、図3の下段の図に示すように、境界61と境界62とで挟まれた第1の関心領域R1を設定する。ここで、境界61及び境界62は、心筋に流入した造影剤に基づく信号以外の信号を除外するように設定される。
【0027】
例えば、第1の設定機能352は、心筋によって囲まれた内腔に隣接する内腔に基づく信号を心筋の境界に囲まれた領域内から除外するように、心筋の外壁に対応する外側の境界61を設定する。すなわち、第1の設定機能352は、左心室の心筋に対して第1の関心領域R1を設定する場合に、右心室の内腔に基づく信号が第1の関心領域R1内に含まれないように、境界61を設定する。右心室の内腔に造影剤が含まれる場合、この造影剤に起因するアーチファクトが左心室の心筋の領域に生じることがある。そこで、第1の設定機能352は、右心室の内腔内の信号及び内腔の信号に基づく心筋領域上の信号を、第1の関心領域から除外するように境界61を設定する。
【0028】
また、例えば、第1の設定機能352は、心筋によって囲まれた内腔に基づく信号を心筋の境界に囲まれた領域内から除外するように、心筋の内壁に対応する内側の境界62を設定する。すなわち、第1の設定機能352は、左心室の心筋に対して第1の関心領域を設定する場合、左心室の内腔に基づく信号が第1の関心領域R1内に含まれないように、境界62を設定する。図3の中段右側の図の領域521に示すように、左心室の内壁を示す輪郭52は、右心室と同様の造影剤に起因するアーチファクトや、左心室の内膜の形態に基づく信号により、ひだ状(凹凸状)となる場合がある。そこで、第1の設定機能352は、このようなひだ状となる部分の信号が含まれないように、心筋の内側の境界62を設定する。
【0029】
上述したように、第1の設定機能352は、心筋に流入した造影剤に基づく信号以外の信号を除外するように境界61及び境界62を設定することで形成される環状領域を、第1の関心領域R1として設定する。ここで、第1の設定機能352は、上述した第1の関心領域を種々の方法によって設定することができる。以下、第1の関心領域の設定方法の例について説明する。
【0030】
例えば、第1の設定機能352は、心臓の断面における心筋を抽出し、抽出した心筋の内壁に対応する内側の輪郭に対して膨張処理を施し、心筋の外壁に対応する外側の輪郭に対して縮小処理を施すことで、第1の関心領域を設定する。すなわち、第1の設定機能352は、まず、既存の心筋抽出アルゴリズムにより心筋の輪郭51、52をそれぞれ抽出する。そして、第1の設定機能352は、抽出した輪郭51及び輪郭52に対してモルフォロジー(morphology)処理を施すことで、境界61及び境界62を設定する。例えば、第1の設定機能352は、輪郭51によって囲まれた領域に対してエロージョン(erosion)処理を施すことで領域を縮小させ、縮小後の領域の外郭を境界61として設定する。また、例えば、第1の設定機能352は、輪郭52によって囲まれた領域に対してダイレーション(dilation)処理を施すことで領域を膨張させ、膨張後の領域の外郭を境界62として設定する。なお、上述したモルフォロジー処理の対象となる周辺の画素数は、任意に設定することができ、例えば、2又は3画素に設定される。
【0031】
また、第1の設定機能352は、心臓の断面における心筋を抽出し、抽出した心筋の輪郭に囲まれた領域における信号値の度数分布が正規分布に近似するように輪郭に囲まれた領域を変形させ、変形後の領域を第1の関心領域として設定する。すなわち、第1の設定機能352は、まず既存の心筋抽出アルゴリズムにより心筋の輪郭51、52をそれぞれ抽出する。そして、第1の設定機能352は、抽出した輪郭51及び輪郭52によって囲まれた環状の領域についてヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムが正規分布に近似するように環状の領域を小さくすることで第1の関心領域を設定する。例えば、第1の設定機能352は、ヒストグラムが正規分布に近似するように、輪郭51を縮小させたり、輪郭52を拡大させたりする。そして、第1の設定機能352は、ヒストグラムが正規分布に近似した際の環状の領域を第1の関心領域R1として設定する。
【0032】
また、第1の設定機能352は、操作者による操作に応じて第1の関心領域を設定することもできる。かかる場合には、例えば、入力回路330が、操作者による入力操作を受け付ける。第1の設定機能352は、入力回路330によって受け付けられた操作に応じて処理を実行する。一例を挙げると、まず、ディスプレイ340が、図3に示すような心筋の断面画像を表示する。操作者は、ディスプレイ340に表示された断面画像を参照しながら、入力回路330を介して、境界61及び境界62を指定する指定操作を行う。第1の設定機能352は、入力回路330によって受け付けられた境界61及び境界62によって囲まれた環状領域を第1の関心領域R1として設定する。
【0033】
また、例えば、入力回路330は、上述したモルフォロジー処理を実行させるための操作を受け付ける。第1の設定機能352は、入力回路330によって受け付けられた操作に応じてモルフォロジー処理を実行する。一例を挙げると、まず、ディスプレイ340が、図3に示すような心筋の断面画像上に輪郭51及び輪郭52を示す楕円を表示させる。操作者は、ディスプレイ340に表示された断面画像上の輪郭51及び輪郭52を示す楕円を参照しながら、入力回路330を介して、エロージョン処理を実行させるための入力操作や、ダイレーション処理を実行させるための入力操作を行う。第1の設定機能352は、入力回路330によって受け付けられた入力操作に応じてモルフォロジー処理を実行し、第1の関心領域R1を設定する。
【0034】
なお、上述した第1の関心領域を直接設定させるために、既存の心筋抽出アルゴリズムを改変させる場合であってもよい。例えば、隣接する内腔に基づく信号を心筋の領域内から除外するように、心筋の外壁に対応する輪郭51を抽出し、内腔に基づく信号を心筋の領域内から除外するように、心筋の内壁に対応する輪郭52を抽出するように、既存の心筋抽出アルゴリズムを改変する。これにより、第1の設定機能352は、改変後の心筋抽出アルゴリズムに基づいて心筋を抽出することで、上述した処理を行うことなく、第1の関心領域R1を設定することができる。
【0035】
そして、第1の設定機能352は、上述した第1の関心領域R1を、心筋の断面ごとに設定する。図4は、第1の実施形態に係る心筋の断面ごとの第1の関心領域の一例を示す図である。ここで、図4においては、拡張期ごとに収集された複数のCT画像データのうちの1つのCT画像データについて、心軸に直交する12の断面に対して第1の関心領域を設定する場合について示す。例えば、第1の設定機能352は、上述した種々の設定方法により、図4に示すように、左心室の12の断面について第1の関心領域R1をそれぞれ設定する。
【0036】
さらに、第1の設定機能352は、拡張期ごとに収集された複数のCT画像データについて、第1の関心領域R1をそれぞれ設定する。すなわち、第1の設定機能352は、各時点のCT画像データについて、図4に示すように、各断面に対して第1の関心領域を設定する。ここで、第1の設定機能352は、上述した設定方法により、複数のCT画像データに対して第1の関心領域をそれぞれ設定することもできるが、CT画像データ間での位置合わせ結果を利用して第1の関心領域R1を設定することもできる。
【0037】
上述したように、第1の関心領域R1が設定される複数のCT画像データは、心電同期によって特定の心位相(例えば、拡張期)で撮影された心臓を含むものである。CT画像データ間で心臓の形状の違いは、わずかであると考えられる。そこで、第1の設定機能352は、1つのCT画像データに対して設定した第1の関心領域R1を、CT画像データ間での位置合わせ結果に基づいて変形することで、その他のCT画像データに対して第1の関心領域R1を設定する。例えば、第1の設定機能352は、1つのCT画像データ(第1のCT画像データ)について、断面ごとに第1の関心領域R1を設定する。そして、第1の設定機能352は、第1のCT画像データとその他のCT画像データ(第2のCT画像データ)との位置合わせ結果に応じて、設定した第1の関心領域R1を変形することで、第2のCT画像データに対して第1の関心領域R1を設定する。すなわち、第1の設定機能352は、位置合わせの結果に応じて、第1のCT画像データの断面ごとの第1の関心領域R1を変形して、第2のCT画像データの各断面に設定する。なお、CT画像データ間の位置合わせの結果は、第1の設定機能352が位置合わせを実施することで取得される場合であってもよいが、血流動態解析において実施される位置合わせの結果が流用される場合であってもよい。
【0038】
また、第1の設定機能352は、複数のCT画像データ間のずれがないものとして、第1のCT画像データに対して設定した第1の関心領域R1をその他のCT画像データに対して適用させることもできる。
【0039】
また、第1の設定機能352は、操作者による操作に応じて第1の関心領域を設定することもできる。一例を挙げると、まず、ディスプレイ340が、CT画像データごとに、図3に示すような心筋の断面画像を表示する。操作者は、ディスプレイ340に表示された断面画像を参照しながら、入力回路330を介して、CT画像データごとに、各断面上に境界61及び境界62を指定する指定操作を行う。第1の設定機能352は、入力回路330によって受け付けられた境界61及び境界62によって囲まれた環状領域を第1の関心領域R1として設定する。
【0040】
ここで、操作者は、入力回路330を介して、第1の関心領域R1を修正することもできる。例えば、第1の設定機能352が、複数のCT画像データに対して第1の関心領域R1をそれぞれ設定する。操作者は、第1の設定機能352によって設定されたCT画像データごとの第1の関心領域R1を参照して、設定された領域が不適切であると判断した場合に、入力回路330を介して修正を行うことができる。
【0041】
なお、上記した例では、特定の心位相(例えば、拡張期)のCT画像データに対して第1の関心領域R1を設定する場合について説明した。しかしながら、第1の設定機能352は、異なる心位相のCT画像データに対しても第1の関心領域R1を設定することができる。かかる場合には、例えば、第1の設定機能352は、まず、1つの心位相のCT画像データに対して第1の関心領域R1を設定する。そして、第1の設定機能352は、パターンマッチングにより心筋の変形パターンを特定し、特定した変形パターンに応じて設定済みの第1の関心領域R1を変形することで、異なる心位相のCT画像データに対して第1の関心領域R1を設定する。なお、異なる心位相のCT画像データに対して第1の関心領域R1を設定する場合も、操作者は、入力回路330を介して、第1の関心領域R1を修正することができる。
【0042】
図2に戻って、第2の設定機能353は、環状領域を含む領域に対して第1の関心領域よりも広い第2の関心領域を設定する。具体的には、第2の設定機能353は、心筋全体を含む環状領域を第2の関心領域として設定する。換言すると、第2の設定機能353は、後述する血流値の推定の対象となる領域を設定する。例えば、第2の設定機能353は、既存の心筋抽出アルゴリズムによって第2の関心領域を設定する。なお、第2の関心領域が設定されるタイミングは、第1の関心領域が設定される前及び後のどちらでもよく、後述する血流動態解析を実行した後でもよい。第2の関心領域の例については、後述する。
【0043】
決定機能354は、第1の関心領域における信号値の度数分布に基づいて、画像データに対する血流動態解析に用いる信号値の範囲を定めるための閾値を決定する。具体的には、決定機能354は、CT画像データにおける心筋の信号値として適切か否かを判定するための閾値を決定する。換言すると、決定機能354は、血流値を推定するために用いるCT値の対象範囲を設定するための閾値を決定する。例えば、決定機能354は、第1の設定機能352によって設定された第1の関心領域ごとに、CT値のヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムに基づいて閾値を設定する。
【0044】
図5は、第1の実施形態に係る決定機能354による閾値の決定の一例を説明するための図である。例えば、決定機能354は、第1の関心領域R1におけるCT値のヒストグラムを正規分布と仮定する。そして、決定機能354は、図5に示すように、「平均+2SD」を閾値として設定する。すなわち、第1の関心領域R1は、心筋に流入した造影剤に基づく信号以外の信号を除くように設定されていることから、第1の関心領域R1におけるCT値のヒストグラムは、心筋における造影剤に起因する信号のみの分布を示す。従って、このヒストグラムに基づいて閾値を設定することで、心筋における造影剤の信号を残しつつ、ノイズのみを除去することができる閾値が設定されることとなる。なお、本実施形態では、例として平均値を用いて閾値を定める場合を示したが、閾値の設定方法はこれに限定されない。例えば、平均値の代わりに標準偏差や、分散を用いてヒストグラム上の代表値を定め、代表値を閾値として設定しても構わない。
【0045】
こで、決定機能354は、第1の関心領域R1における信号値のヒストグラムにおいて、平均値よりも高い値のみを閾値として決定する。すなわち、心筋において虚血が生じている領域(CT値が低い領域)を除外しないようにするため、決定機能354は、平均値よりも高い側にのみ閾値を設定し、平均値よりも低い側には閾値を設定しない。
【0046】
決定機能354は、複数のCT画像データにおける各断面に設定された第1の関心領域R1ごとにヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムに基づいて閾値を決定する。すなわち、決定機能354は、複数のCT画像データにおける各断面について、血流値の推定に用いるCT値の対象範囲を設定する。
【0047】
なお、上述した例では、環状領域に対して第1の関心領域を1つ設定する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、環状領域に対して第1の関心領域を複数設定する場合であってもよい。具体的には、第1の設定機能352は、環状領域を複数の部分領域に区分し、複数の部分領域に対して第1の関心領域をそれぞれ設定する。図6は、第1の実施形態に係る第1の設定機能352による第1の関心領域の他の例を示す図である。例えば、第1の設定機能352は、図6に示すように、心筋に対応する環状領域に対して領域の一部を含む第1の関心領域R2を設定する。同様に、第1の設定機能352は、心筋に対応する環状領域に沿って、領域の一部を含む第1の関心領域R2を複数設定する。
【0048】
このように、第1の設定機能352が、1つの環状領域に対して複数の第1の関心領域を設定すると、第2の設定機能353は、複数の第1の関心領域について、第2の関心領域をそれぞれ設定する。そして、決定機能354は、第1の関心領域ごとに閾値を決定する。
【0049】
図2に戻って、解析機能355は、閾値に基づく範囲に含まれる信号値を用いた血流動態解析を実行する。具体的には、解析機能355は、CT画像データの断面ごとに、閾値を用いたノイズ除去を行い、ノイズ除去後のCT画像データを用いて血流動態解析を実行する。すなわち、解析機能355は、元のCT画像データの各断面において、決定された閾値「平均+2SD」を超えるCT値を除外し、除外した後の各断面を用いて血流動態解析を実行する。なお、CT値を除外した画素については、欠損とした画素としてもよく、或いは、周辺の画素のCT値によってCT値を補間する場合であってもよい。周辺の画素のCT値によって補間する場合、例えば、周辺画素の平均値によって補間してもよい。
【0050】
例えば、解析機能355は、例えば、拡張期に収集された複数のCT画像データ間で位置合わせを行うことで、各CT画像データ間で断面を対応付ける。そして、解析機能355は、ノイズ除去後の断面において、各CT画像データ間で対応付けられた画素ごとに造影剤の時間濃度曲線(TDC:Time Density Curve)を生成する。すなわち、解析機能355は、心筋のみの領域における造影剤の濃度変化(造影剤に基づくCT値の時間変化)を示すTDCを生成する。
【0051】
また、解析機能355は、断面が対応付けられた各CT画像データにおいて、左心室の内腔における造影剤の時間濃度曲線を生成する。さらに、解析機能355は、左心室の内腔におけるTDC、毛細血管から心筋細胞に造影剤が移行する際の移行定数などに基づいて、心筋におけるCT値を血流量に変換する変換テーブルを算出する。解析機能355は、心筋におけるTDCと変換テーブルによって血流量を推定することができる。
【0052】
ここで、解析機能355は、第2の設定機能353によって設定された第2の関心領域を対象として、血流量を推定する。図7は、第1の実施形態に係る第2の設定機能353によって設定される第2の関心領域の一例を示す図である。ここで、図7においては、拡張期ごとに収集された複数のCT画像データのうちの1つのCT画像データについて、心軸に直交する12の断面に対して第2の関心領域を設定する場合について示す。例えば、第2の設定機能353は、図7に示すように、左心室の12断面について第2の関心領域R3をそれぞれ設定する。
【0053】
ここで、第2の設定機能353は、例えば、心筋の外壁に対応する境界71及び内壁に対応する境界72を、既存の心筋抽出アルゴリズムによって抽出する。そして、第2の設定機能353は、境界71と境界72とで挟まれた領域を第2の関心領域R3として設定する。なお、心筋に対応する環状領域に対して第1の関心領域が複数設定された場合には、第2の設定機能353は、各第1の関心領域を含むように、複数の第2の関心領域をそれぞれ設定する。ここで、第1の関心領域及び第2の関心領域が複数設定される場合、例えば、AHA(American Heart Association)によって規定されたセグメントごとに設定される。
【0054】
解析機能355は、第2の設定機能353によって設定された第2の関心領域における血流量を推定する。具体的には、解析機能355は、第2の関心領域について、閾値に基づく範囲に含まれる信号値を用いた血流動態解析を実行することで、血流量を推定する。より具体的には、解析機能355は、心筋におけるCT値を血流量に変換する変換テーブルを用いて、ノイズ除去後の心筋のみの領域におけるTDCに基づくCT値を血流量に変換することで、心筋における血流量を推定する。すなわち、解析機能355は、ノイズを除去した後のTDCに基づくCT値を用いて血流量を推定することで、精度よく血流量を推定することができる。
【0055】
ここで、解析機能355は、血流量の推定結果を種々の形態で表すことができる。図8は、第1の実施形態に係る解析機能355による血流量の推定結果の一例を示す図である。なお、図8においては、図7において設定された第2の関心領域R3について、血流量を推定した場合の例を示す。例えば、解析機能355は、第2の関心領域R3に含まれる画素ごとに、図8に示す時点でのCT値をTDCから抽出し、抽出したCT値に対応する血流量を変換テーブルから取得する。そして、解析機能355は、血流量の値に色を対応付けたカラーバーに基づいて、図8の下段に示すように、第2の関心領域R3に含まれる各画素を色で示した血流値画像を生成する。制御機能351は、解析機能355によって生成された血流値画像をディスプレイ340に表示するように制御する。
【0056】
なお、解析機能355は、複数の時点で取集された各CT画像データに対して、上述した血流動態解析を実行し、図8に示すような血流値画像をそれぞれ生成することができる。また、解析機能355は、上述したカラーバーに基づく血流値画像だけではなく、血流量の値の違いをグレースケールによって示した血流値画像を生成することもできる。また、解析機能355は、第2の関心領域R3上に血流量の値「ml/100g/min」を重畳させた血流値画像を生成することもできる。
【0057】
次に、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300による処理の手順について説明する。図9は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300による処理手順を示すフローチャートである。ここで、図9におけるステップS101、ステップS109は、例えば、処理回路350が制御機能351に対応するプログラムを記憶回路320から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS102、ステップS103は、例えば、処理回路350が第1の設定機能352に対応するプログラムを記憶回路320から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS104、ステップS105は、例えば、処理回路350が決定機能354に対応するプログラムを記憶回路320から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS106、ステップS107は、例えば、処理回路350が解析機能355に対応するプログラムを記憶回路320から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS108は、例えば、処理回路350が、第2の設定機能353に対応するプログラムを記憶回路320から読み出して実行することにより実現される。
【0058】
本実施形態に係る医用画像処理装置300では、まず、処理回路350が、X線CT装置100或いは画像保管装置200からCT画像データを取得する(ステップS101)。そして、処理回路350が、取得したCT画像データに含まれる心臓の断面における心筋を抽出し(ステップS102)、心筋に対応する環状領域に第1の関心領域を設定する(ステップS103)。その後、処理回路350は、設定した第1関心領域に含まれる画素のCT値についてヒストグラムを生成して(ステップS104)、生成したヒストグラムにおける平均値よりも高い値に対する閾値を決定する(ステップS105)。
【0059】
そして、処理回路350は、元のCT画像データにおいて閾値を超えるCT値を除去して(ステップS106)、閾値を超えるCT値を除去したCT画像データを対象として血流動態解析(造影剤の時間濃度曲線の生成)を実行する(ステップS107)。そして、処理回路350は、第2の関心領域を設定して(ステップS108)、設定した第2の関心領域における血流値をディスプレイ340に表示させる(ステップS109)。
【0060】
上述したように、第1の実施形態によれば、第1の設定機能352が、CT画像データに含まれる心臓の断面において心筋に対応する環状領域に第1の関心領域を設定する。第2の設定機能353は、環状領域を含む領域に対して第1の関心領域よりも広い第2の関心領域を設定する。決定機能354は、第1の関心領域における信号値のヒストグラムに基づいて、CT画像データに対する血流動態解析に用いる信号値の範囲を定めるための閾値を決定する。解析機能355は、第2の関心領域について、閾値に基づく範囲に含まれる信号値を用いた血流動態解析を実行する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300は、心筋のみを含む領域内の信号値、すなわち、ノイズを除外した信号値に基づいて血流動態解析を実行することができ、精度よく血流量を推定することを可能にする。
【0061】
また、第1の実施形態によれば、第1の設定機能352は、心筋に流入した造影剤に基づく信号以外の信号を除外するように心臓の断面における心筋の境界を設定することで、第1の関心領域を設定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300は、画像データ内のノイズを効率よく除外することを可能にする。
【0062】
また、第1の実施形態によれば、第1の設定機能352は、心臓の断面における心筋を抽出し、抽出した心筋の内壁に対応する内側の輪郭に対して膨張処理を施し、心筋の外壁に対応する外側の輪郭に対して縮小処理を施すことで、第1の関心領域を設定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300は、第1の関心領域を容易に設定することを可能にする。
【0063】
また、第1の実施形態によれば、入力回路330が、操作者による入力操作を受け付ける。第1の設定機能352は、入力回路330によって受け付けられた入力操作に応じて膨張処理及び縮小処理を施す。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300は、モルフォロジー処理の調整を容易に行うことを可能にする。
【0064】
また、第1の実施形態によれば、第1の設定機能352は、心臓の断面における心筋を抽出し、抽出した心筋の輪郭に囲まれた領域における信号値のヒストグラムが正規分布に近似するように輪郭に囲まれた領域を変形させ、変形後の領域を第1の関心領域として設定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300は、第1の関心領域の設定を、信号値に基づいて精度よく行うことを可能にする。
【0065】
また、第1の実施形態によれば、第1の設定機能352は、心筋によって囲まれた内腔に基づく信号を心筋の境界に囲まれた領域内から除外するように、心筋の内壁に対応する内側の境界を設定する。また、第1の設定機能352は、心筋によって囲まれた内腔に隣接する内腔に基づく信号を心筋の境界に囲まれた領域内から除外するように、心筋の外壁に対応する外側の境界を設定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300は、ノイズとして含まれやすい信号を除いた第1の関心領域を設定することを可能にする。
【0066】
また、第1の実施形態によれば、第1の設定機能352は、環状領域を複数の部分領域に区分し、複数の部分領域に対して第1の関心領域をそれぞれ設定する。第2の設定機能353は、複数の部分領域について、第2の関心領域をそれぞれ設定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300は、予め設定されたセグメントごとに第1の関心領域を設定することができ、造影剤による染まり方の違いを考慮した解析を実行することを可能にする。
【0067】
また、第1の実施形態によれば、決定機能354は、第1の関心領域における信号値のヒストグラムにおいて、平均値、標準偏差または分散を用いて閾値を決定する。解析機能355は、第2の関心領域について、閾値よりも低い信号値を用いた血流動態解析を実行する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理装置300は、ノイズに相当する信号のみを除き、虚血の疑いがある領域については除外せずに血流量の情報を提供することを可能にする。
【0068】
(第2の実施形態)
さて、これまで第1の実施形態について説明したが、上述した第1の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0069】
上述した実施形態では、左心室の心筋を対象とする場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、右心室の心筋を対象とする場合であってもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、心筋の外側の境界及び内側の境界について、それぞれノイズを除去するように設定する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、いずれか一方の境界についてノイズを除去するように設定する場合であってもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、医用画像処理装置300が各種処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、X線CT装置100において各種処理が実行される場合であってもよい。図10は、第2の実施形態に係るX線CT装置100の構成の一例を示す図である。
【0072】
図10に示すように、第2の実施形態に係るX線CT装置100は、架台10と、寝台装置20と、コンソール30とを有する。なお、図示していないが、X線CT装置100は、インジェクター及び心電計を有する。架台10は、被検体P(患者)にX線を照射し、被検体Pを透過したX線を検出して、コンソール30に出力する装置であり、X線照射制御回路11と、X線発生装置12と、検出器13と、データ収集回路(DAS:Data Acquisition System)14と、回転フレーム15と、架台駆動回路16とを有する。
【0073】
回転フレーム15は、X線発生装置12と検出器13とを被検体Pを挟んで対向するように支持し、後述する架台駆動回路16によって被検体Pを中心とした円軌道にて高速に回転する円環状のフレームである。
【0074】
X線照射制御回路11は、図示しない高電圧発生装置を制御して、X線管12aに高電圧を供給する回路であり、X線管12aは、X線照射制御回路11から供給される高電圧を用いてX線を発生する。X線照射制御回路11は、後述するスキャン制御回路33の制御により、X線管12aに供給する管電圧や管電流を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量を調整する。
【0075】
また、X線照射制御回路11は、ウェッジ12bの切り替えを行う。また、X線照射制御回路11は、コリメータ12cの開口度を調整することにより、X線の照射範囲(ファン角やコーン角)を調整する。なお、本実施形態は、複数種類のウェッジを、操作者が手動で切り替える場合であっても良い。
【0076】
X線発生装置12は、X線を発生し、発生したX線を被検体Pへ照射する装置であり、X線管12aと、ウェッジ12bと、コリメータ12cとを有する。
【0077】
X線管12aは、図示しない高電圧発生装置により供給される高電圧により被検体PにX線ビームを照射する真空管であり、回転フレーム15の回転にともなって、X線ビームを被検体Pに対して照射する。X線管12aは、ファン角及びコーン角を持って広がるX線ビームを発生する。例えば、X線照射制御回路11の制御により、X線管12aは、フル再構成用に被検体Pの全周囲でX線を連続曝射したり、ハーフ再構成用にハーフ再構成可能な曝射範囲(180度+ファン角)でX線を連続曝射したりすることが可能である。また、X線照射制御回路11の制御により、X線管12aは、予め設定された位置(管球位置)でX線(パルスX線)を間欠曝射したりすることが可能である。また、X線照射制御回路11は、X線管12aから曝射されるX線の強度を変調させることも可能である。例えば、X線照射制御回路11は、特定の管球位置では、X線管12aから曝射されるX線の強度を強くし、特定の管球位置以外の範囲では、X線管12aから曝射されるX線の強度を弱くする。
【0078】
ウェッジ12bは、X線管12aから曝射されたX線のX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ12bは、X線管12aから被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管12aから曝射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ12bは、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。なお、ウェッジは、ウェッジフィルタ(wedge filter)や、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。
【0079】
コリメータ12cは、後述するX線照射制御回路11の制御により、ウェッジ12bによってX線量が調節されたX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。
【0080】
架台駆動回路16は、回転フレーム15を回転駆動させることによって、被検体Pを中心とした円軌道上でX線発生装置12と検出器13とを旋回させる。
【0081】
検出器13は、被検体Pを透過したX線を検出する2次元アレイ型検出器(面検出器)であり、複数チャンネル分のX線検出素子を配してなる検出素子列が被検体Pの体軸方向(図2に示すZ軸方向)に沿って複数列配列されている。具体的には、第2の実施形態における検出器13は、被検体Pの体軸方向に沿って320列など多列に配列されたX線検出素子を有し、例えば、被検体Pの肺や心臓を含む範囲など、広範囲に被検体Pを透過したX線を検出することが可能である。
【0082】
データ収集回路14は、DASであり、検出器13が検出したX線の検出データから、投影データを収集する。例えば、データ収集回路14は、検出器13により検出されたX線強度分布データに対して、増幅処理やA/D変換処理、チャンネル間の感度補正処理等を行なって投影データを生成し、生成した投影データを後述するコンソール30に送信する。例えば、回転フレーム15の回転中に、X線管12aからX線が連続曝射されている場合、データ収集回路14は、全周囲分(360度分)の投影データ群を収集する。また、データ収集回路14は、収集した各投影データに管球位置を対応付けて、後述するコンソール30に送信する。管球位置は、投影データの投影方向を示す情報となる。なお、チャンネル間の感度補正処理は、後述する前処理回路34が行なっても良い。
【0083】
寝台装置20は、被検体Pを載せる装置であり、図10に示すように、寝台駆動装置21と、天板22とを有する。寝台駆動装置21は、天板22をZ軸方向へ移動して、被検体Pを回転フレーム15内に移動させる。天板22は、被検体Pが載置される板である。
【0084】
なお、架台10は、例えば、天板22を移動させながら回転フレーム15を回転させて被検体Pをらせん状にスキャンするヘリカルスキャンを実行する。または、架台10は、天板22を移動させた後に被検体Pの位置を固定したままで回転フレーム15を回転させて被検体Pを円軌道にてスキャンするコンベンショナルスキャンを実行する。または、架台10は、天板22の位置を一定間隔で移動させてコンベンショナルスキャンを複数のスキャンエリアで行うステップアンドシュート方式を実行する。
【0085】
コンソール30は、操作者によるX線CT装置100の操作を受け付けるとともに、架台10によって収集された投影データを用いてCT画像データを再構成する装置である。コンソール30は、図10に示すように、入力回路31と、ディスプレイ32と、スキャン制御回路33と、前処理回路34と、記憶回路35と、画像再構成回路36と、処理回路37とを有する。
【0086】
入力回路31は、X線CT装置100の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、処理回路37に転送する。例えば、入力回路31は、操作者から、CT画像データの撮影条件や、CT画像データを再構成する際の再構成条件、CT画像データに対する画像処理条件等を受け付ける。また、入力回路31は、第1の関心領域などを指定するための指定操作を受け付ける。
【0087】
ディスプレイ32は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路37による制御のもと、CT画像データから生成されたCT画像を操作者に表示したり、入力回路31を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。また、ディスプレイ32は、血流動態解析の解析結果などを表示する。
【0088】
スキャン制御回路33は、処理回路37による制御のもと、X線照射制御回路11、架台駆動回路16、データ収集回路14及び寝台駆動装置21の動作を制御することで、架台10における投影データの収集処理を制御する。具体的には、スキャン制御回路33は、心電計から受信する心電図に同期した撮影を制御する。
【0089】
前処理回路34は、データ収集回路14によって生成された投影データに対して、対数変換処理と、オフセット補正、感度補正及びビームハードニング補正等の補正処理とを行なって、補正済みの投影データを生成する。具体的には、前処理回路34は、データ収集回路14によって生成された位置決め画像の投影データ及び本撮影によって収集された投影データのそれぞれについて、補正済みの投影データを生成して、記憶回路35に格納する。
【0090】
記憶回路35は、前処理回路34により生成された投影データを記憶する。具体的には、記憶回路35は、前処理回路34によって生成された、位置決め画像の投影データ及び本撮影によって収集される診断用の投影データを記憶する。また、記憶回路35は、後述する画像再構成回路36によって再構成されたCT画像データなどを記憶する。また、記憶回路35は、後述する処理回路37による処理結果を適宜記憶する。
【0091】
画像再構成回路36は、記憶回路35が記憶する投影データを用いてCT画像データを再構成する。具体的には、画像再構成回路36は、位置決め画像の投影データ及び本撮影によって収集された投影データから、CT画像データをそれぞれ再構成する。ここで、再構成方法としては、種々の方法があり、例えば、逆投影処理が挙げられる。また、逆投影処理としては、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法による逆投影処理が挙げられる。或いは、画像再構成回路36は、逐次近似法を用いてCT画像データを再構成することもできる。
【0092】
また、画像再構成回路36は、CT画像データに対して各種画像処理を行うことで、画像データを生成する。そして、画像再構成回路36は、再構成したCT画像データや、各種画像処理により生成した画像データを記憶回路35に格納する。
【0093】
処理回路37は、架台10、寝台装置20及びコンソール30の動作を制御することによって、X線CT装置100の全体制御を行う。具体的には、処理回路37は、スキャン制御回路33を制御することで、架台10で行なわれるCTスキャンを制御する。また、処理回路37は、画像再構成回路36を制御することで、コンソール30における画像再構成処理や画像生成処理を制御する。また、処理回路37は、記憶回路35が記憶する各種画像データを、ディスプレイ32に表示するように制御する。また、処理回路37は、インジェクターを制御して、予め設定された条件で被検体Pに造影剤を注入する。
【0094】
そして、処理回路37は、図10に示すように、制御機能37aと、第1の設定機能37bと、第2の設定機能37cと、決定機能37dと、解析機能37eとを実行する。制御機能37aは、X線CT装置100の全体を制御する。第1の設定機能37bは、上述した第1の設定機能352と同様の処理を実行する。第2の設定機能37cは、上述した第2の設定機能353と同様の処理を実行する。決定機能37dは、上述した決定機能354と同様の処理を実行する。解析機能37eは、上述した解析機能355と同様の処理を実行する。
【0095】
上述した実施形態では、CT画像データを対象とする場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、MRI装置などの他の医用画像診断装置によって収集された画像データを対象とする場合であってもよい。
【0096】
上述した実施形態では、単一の処理回路(処理回路350及び処理回路37)によって各処理機能が実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路350及び処理回路37は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路350及び処理回路37が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0097】
また、上述した各実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0098】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、後述する各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0099】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、精度よく血流量を推定することができる。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0101】
100 X線CT装置
37a、351 制御機能
37b、352 第1の設定機能
37c、353 第2の設定機能
37d、354 決定機能
37e、355 解析機能
300 医用画像処理装置
図1
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図10