(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】車両退出阻止装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/42 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
E04H6/42 G
(21)【出願番号】P 2017143679
(22)【出願日】2017-07-25
【審査請求日】2020-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】593060931
【氏名又は名称】株式会社 英田エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】万殿 貴志
(72)【発明者】
【氏名】三宅 正道
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-186883(JP,A)
【文献】特開2005-248647(JP,A)
【文献】特開2000-213196(JP,A)
【文献】特開2008-088665(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0811741(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入庫位置にある車両を退出不可能にロックする車両退出阻止装置(1)において、
往復回転可能のフラップ部(3)と、
フラップ部駆動機構(2)であって、駆動源(23)と、該駆動源(23)からの駆動力による駆動機構(9)の直線運動を前記フラップ部(3)の回転運動に変換する運動方向変換機構(13)と、前記駆動機構(9)の一端部に対向するショックアブソーバ(25)とを少なくとも有する前記フラップ部駆動機構(2)とを備え、
不正退出する車両が、上限位置にある前記フラップ部(3)に乗り上げて該フラップ部を下方向へ所定角度だけ回転させることにより、前記駆動機構(9)及び運動方向変換機構(13)が連動的に移動されるとき、前記ショックアブソーバ(25)が該駆動機構(9)及び運動方向変換機構(13)の移動ショックを吸収する、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記フラップ部(3)の前記上限位置を検出する検出装置(27;28、29)を更に備え、
駐車場に車両が入庫した後に、前記フラップ部(3)が前記駆動機構(9)及び運動方向変換機構(13)により回転駆動されて車両底部(31)に当接した上限位置に至ったとき、
該上限位置に至ったときより僅少時間後の時点で前記検出装置(27;28、29)が前記当接を検出して信号を出力することにより、前記駆動源(23)の駆動を停止させる、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、
前記フラップ部(3)の前記上限位置を検出する検出装置(27;28、29)を更に備え、
駐車場に車両が入庫した後に、前記フラップ部(3)が前記駆動機構(9)及び運動方向変換機構(13)により回転駆動されて車両底部(31)に当接する以前にストッパ(30)に当接した上限位置に至ったとき、
該上限位置に至ったときより僅少時間後の時点で前記検出装置(27;28、29)が前記当接を検出して信号を出力することにより、前記駆動源(23)の駆動を停止させる、装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の装置において、
前記駆動機構(9)は、少なくとも1つの直線方向へ移動する部材(11)を備え、前記ショックアブソーバ(25)は前記直線方向移動部材(11)に近接して配置されて、車両の不正退出時に前記直線方向移動部材(11)の移動ショックを吸収し得る、装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の装置において、
前記駆動機構(9)は、少なくとも
ピストン‐シリンダ機構(9;10、11)を備え、
前記ショックアブソーバ(25)は前記シリンダ(11)に近接して配置されて、車両の不正退出時に該シリンダ(11)の移動ショックを吸収し得る、装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の装置において、
前記ショックアブソーバ(25)は、ゴム又はバネ等の弾性材料から形成されている、装置。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の装置において、
前記ショックアブソーバ(25)は、油圧又は空圧のシリンダ・ピストン機構である、装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の装置において、
前記フラップ部(3)に一体回転可能に設けられた第1の回転部材(7)と、
前記フラップ部駆動機構(2)に駆動回転可能に設けられた第2の回転部材(12A)と、前記第1の回転部材(7)に固定され且つ前記第2の回転部材(12A)に周方向所定角度だけ相対的回転可能に係合され、前記フラップ部駆動機構(2)の駆動力を前記フラップ部(3)に伝達するよう設けられた連結部材(8A)とを更に備え、
不正退出する車両から、上限位置にある前記フラップ部(3)に対して水平方向荷重(F1)が押圧的に作用されて該フラップ部(3)が起立する方向へ回転されたとき、該フラップ部(3)及び前記第1の回転部材(7)と一体的に同方向へ回転して所定のストッパ(41、42)に当接して停止し、このとき前記第2の回転部材(12A)が前記フラップ部駆動機構(2)により前記同方向へ回転駆動されて前記連結部材(8A)に当接し、前記第2の回転部材(12A)及び前記ストッパ(41、42)間で前記連結部材(8A)を挟持した構成により、前記水平方向荷重(F1)に耐える、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、
前記第1の回転部材(7)は雄側部材で、且つ前記第2の回転部材(12A)は該雄側部材が嵌合される雌側部材であり、前記連結部材(8A)は前記雄側部材に一体回転可能に固定され且つ前記雌側部材に周方向所定角度だけ相対回転可能に係合されて、前記第1の回転部材(7)及び第2の回転部材(12A)間に回転力を伝達する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が進入するとフラップ板が車両退出阻止位置まで回転駆動される車両退出阻止装置に関し、特に、不正退出等によるフラップ板及びフラップ板駆動機構部の破損を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駐車場には、各駐車区画において、起立して車両の退出を阻止する起立位置(上限位置)と、倒伏して車両の退出を可能にする倒伏位置(下限位置)との間で回動可能なフラップ板を、車両の入庫に伴い車両検知部の検知信号の発生により上記起立位置に駆動制御し、次に車両の退出時に精算終了信号の発生によりフラップ板を上記倒伏位置に駆動制御するフラップ板駆動機構部を備えた車両退出阻止装置がある。
【0003】
この種の車両退出阻止装置において、フラップ板が起立して車両の退出を阻止している状態にもかかわらず、駐車料金の精算をせずにフラップ板を乗り越えて不正退出しようとする利用者がいる。このように、不正退出等によりフラップ板に過大な外力が作用すると、フラップ板が変形したり、フラップ板駆動機構部内の部品が破損するおそれがあるため、この種の車両退出阻止装置においては、過大な外力が作用した場合であっても、フラップ板やフラップ板駆動機構部内の部品の破損を抑制するように、過大な外力を吸収する機構を設ける必要がある。このような機構を有する車両退出阻止装置としては、例えば、特許文献1等に記載されたものがある。
特許文献1の車両退出阻止装置は、フラップ板の回動軸の一端に設けた嵌合孔部をフラップ板駆動機構部の出力軸の一端部に同軸的に嵌合させると共に、出力軸に取付けた連結ピンを上記嵌合孔部の周方向溝部に係合させておき、フラップ板が起立位置のままで車両が不正退出するときに、フラップ板が押圧されて嵌合孔部の周方向溝の一端部により、上記連結ピンが剪断的に破断され、これにより前記回動軸及び出力軸の動作的連結が解除されて車両の退出を許容するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載される従来の車両退出阻止装置は、車両の不正退出の都度、連結ピンが破損されるので新しい連結ピンに取り替える作業が発生して、管理が面倒で且つコストも高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、不正退出等によるフラップ板及びフラップ板駆動機構部の破損を簡単な構成で容易に抑制することが可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明による車両退出阻止装置は、
入庫位置にある車両を退出不可能にロックする車両退出阻止装置(1)において、
往復回転可能のフラップ部(3)と、フラップ部駆動機構(2)であって、駆動源(23)と、該駆動源(23)からの駆動力による直線運動を前記フラップ部(3)の回転運動に変換する運動方向変換機構(9;10、11)と、ショックアブソーバ(25)とを少なくとも有する前記フラップ部駆動機構(2)とを備え、
不正退出する車両が、上限位置にある前記フラップ部(3)に乗り上げて該フラップ部を下方向へ所定角度だけ回転させることにより、前記運動方向変換機構(9;10、11)が連動的に移動されるとき、前記ショックアブソーバ(25)が該運動方向変換機構(9;10、11)の移動ショックを吸収することを特徴とする。
好ましくは、前記フラップ部(3)の前記上限位置を検出する検出装置(27;28、29)を更に備え、駐車場に車両が入庫した後に、前記フラップ部(3)が前記運動方向変換機構(9;10、11)により回転駆動されて車両底部(31)に当接した上限位置に至ったとき、該上限位置に至ったときより僅少時間後の時点で前記検出装置(27;28、29)が前記当接を検出して信号を出力することにより、前記駆動源(23)の駆動を停止させる。
また、好ましくは、前記フラップ部(3)の前記上限位置を検出する検出装置(27;28、29)を更に備え、駐車場に車両が入庫した後に、前記フラップ部(3)が前記運動方向変換機構(9;10、11)により回転駆動されて車両底部(31)に当接する以前にストッパ(30)に当接した上限位置に至ったとき、該上限位置に至ったときより僅少時間後の時点で前記検出装置(27;28、29)が前記当接を検出して信号を出力することにより、前記駆動源(23)の駆動を停止させる。
また、好ましくは、前記運動方向変換機構(9;10、11)は、少なくとも1つの直線方向へ移動する部材(11)を備え、前記ショックアブソーバ(25)は前記直線方向移動部材(11)に近接して配置されて、車両の不正退出時に前記直線方向移動部材(11)の移動ショックを吸収し得る。
また、好ましくは、前記運動方向変換機構(9;10、11)は、少なくともピストン-シリンダ機構(9;10、11)を備え、前記ショックアブソーバ(25)は前記シリンダ(11)に近接して配置されて、車両の不正退出時に該シリンダ(11)の移動ショックを吸収し得る。
また、好ましくは、前記ショックアブソーバ(25)は、ゴム又はバネ等の弾性材料から形成されている。
また、好ましくは、前記ショックアブソーバ(25)は、油圧又は空圧のシリンダ・ピストン機構から形成されている。
また、好ましくは、前記フラップ部(3)に一体回転可能に設けられた第1の回転部材(7)と、前記フラップ部駆動機構部(2)に駆動回転可能に設けられた第2の回転部材(12A)と、前記第1の回転部材(7)に固定され且つ前記第2の回転部材(12A)に周方向所定角度だけ相対的回転可能に係合され、前記フラップ部駆動機構部(2)の駆動力を前記フラップ部(3)に伝達するよう設けられた連結部材(8A)とを更に備え、
不正退出する車両から、上限位置にある前記フラップ部(3)に対して水平方向荷重(F1)が押圧的に作用されて該フラップ部(3)が起立する方向へ回転されたとき、該フラップ部(3)及び前記第1の回転部材(7)と一体的に同方向へ回転して所定のストッパ(41、42)に当接して停止し、このとき前記第2の回転部材(12A)が前記フラップ部駆動機構部(2)により前記同方向へ回転駆動されて前記連結部材(8A)に当接し、前記第2の回転部材(12A)及び前記ストッパ(41、42)間で前記連結部材(8A)を挟持した構成により、前記水平方向荷重(F1)に耐える。
また、好ましくは、前記第1の回転部材(7)は雄側部材で、且つ前記第2の回転部材は該雄側部材が嵌合される雌側部材であり、前記連結部材(8A)は前記雄側部材に一体回転可能に固定され且つ前記雌側部材に周方向所定角度だけ相対回転可能に係合されて、前記第1の回転部材(7)及び第2の回転部材(12A)間に回転力を伝達する。
【発明の効果】
【0008】
以下は、本発明から得られる効果である。
(1) 不正退出する車両が、上限位置にある前記フラップ部(3)に乗り上げて該フラップ部を下方向へ所定角度だけ回転させることにより、前記運動方向変換機構(9;10、11)が連動的に移動されるとき、前記ショックアブソーバ(25)が該運動方向変換機構(9;10、11)の移動ショックを吸収するため、不正退出時のフラップ部(3)及びフラップ部駆動機構(2)の破損を防止し得る。
(2) 駐車場に車両が入庫した後に、前記フラップ部(3)が運動方向変換機構(9;10、11)により回転駆動されて車両底部(31)に当接した上限位置に至ったとき、該上限位置に至ったときより僅少時間後の時点で検出装置(27;28、29)が前記当接を検出して信号を出力することにより、前記駆動源(23)の駆動を停止させるため、特に車両底部が低い車両に対して有効に作動し得る。
(3) 駐車場に車両が入庫した後に、前記フラップ部(3)が前記運動方向変換機構(9;10、11)により回転駆動されて車両底部(31)に当接する以前にストッパ(30)に当接した上限位置に至ったとき、該上限位置に至ったときより僅少時間後の時点で前記検出装置(27;28、29)が前記当接を検出して信号を出力することにより、前記駆動源(23)の駆動を停止させるため、特に車両底部が高い車両に対しても有効に作動し得る。
(4) ショックアブソーバ(25)は前記運動方向変換機構(9;10、11)の直線方向移動部材(11)に近接して配置されて、車両の不正退出時に直線方向移動部材(11)の移動ショックを吸収し得、部材の破損を防止し得る。
(5) 前記運動方向変換機構(9;10、11)は、ピストン-シリンダ機構(9;10、11)であるため、簡単な構成で、車両の不正退出時に該シリンダ(11)の移動ショックを吸収し得る。
(6) 前記ショックアブソーバ(25)は、油圧又は空圧のゴム又はバネ等の弾性材料から形成されているため、構成が簡単である。
(7) 前記ショックアブソーバ(25)は、油圧又は空圧のシリンダ・ピストン機構から形成されているため、ショック吸収機能を十分に発揮し得る。
(8) 不正退出する車両から、上限位置にある前記フラップ部(3)に対して水平方向荷重(F1)が押圧的に作用されて該フラップ部(3)が起立する方向へ回転されたとき、該フラップ部(3)及び前記第1の回転部材(7)と一体的に同方向へ回転して所定のストッパ(41、42)に当接して停止し、このとき前記第2の回転部材(12A)が前記フラップ部駆動機構部(2)により前記同方向へ回転駆動されて前記連結部材(8A)に当接し、前記第2の回転部材(12A)及び前記ストッパ(41、42)間で前記連結部材(8A)を挟持した構成により、前記水平方向荷重(F1)に耐えるため、簡単な構成で不正退出時の水平方向荷重に耐えることができ、且つ連結部材(8A)が従来例の如く破断されて交換する必要が生ずる等のこともない。
(9) 前記第1の回転部材(7)は雄側部材で、且つ前記第2の回転部材は該雄側部材が嵌合される雌側部材であり、前記連結部材(8A)は前記雄側部材に一体回転可能に固定され且つ前記雌側部材に周方向所定角度だけ相対回転可能に係合されて、前記第1の回転部材(7)及び第2の回転部材(12A)間に回転力を伝達するため、簡単な構成で上記見かけ上一体の挟持構成を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る車両退出阻止装置を示す斜視図である。
【
図3】上記車両退出阻止装置のカバーをはずした状態の平面図である。
【
図4】上記車両退出阻止装置の第1の実施形態の連結ピン及びカップリング部分の斜視図である。
【
図5】
図5(A)は、上記車両退出阻止装置の第1の実施形態の車両入庫前のフラップ板下限位置状態の駆動機構部を示すための、
図3中、V-V線に沿った断面図、及び
図5(B)及び(C)は夫々、
図5(A)中のB部分及びC部分の拡大部分図である。
【
図6】
図6(A)は、上記第1の実施形態の車両入庫後にフラップ板が車両底部に当接した上限位置状態の駆動機構部を示すための、
図5(A)と同様の図、及び
図6(B)及び(C)は夫々、
図5(B)及び(C)と同様の図である。
【
図7】
図7(A)は、上記第1の実施形態のフラップ板の上限位置状態のままで駆動機構部が動作停止した状態を示すための、
図5(A)と同様の図、及び
図7(B)及び(C)は夫々、
図5(B)及び(C)と同様の図である。
【
図8】
図8(A)は、上記第1の実施形態の不正退出時にフラップ板の上限位置状態のままで車両に人が乗ったためフラップ板が僅かに下動した状態を示すための、
図5(A)と同様の図、及び
図8(B)及び(C)は夫々、
図5(B)及び
図5(C)と同様の図である。
【
図9】
図9(A)は、上記第1の実施形態のフラップ板の上限位置状態のままで車両が不正退出したためにフラップ板に乗り上げたタイヤから該フラップ板に最大荷重が作用した状態を示すための、
図5(A)と同様の図、及び
図9(B)及び(C)は夫々、
図5(B)及び(C)と同様の図である。
【
図10】
図10は、前記駆動機構部の、フラップ板上限位置検出装置を省略した状態の部分平面図である。
【
図11】
図11は、
図10中、XI-XI線に沿ったフラップ板上限位置検出装置を示す断面図である。
【
図12】
図12(A)乃至(C)は夫々、上記第1の実施形態の車両入庫後にフラップ板が車両底部に当接する以前にストッパブロックに当接した上限位置状態の駆動機構部を示すための、
図6(A)乃至(C)と同様の図である。
【
図13】
図13(A)及び(B)は夫々、上記車両退出阻止装置の第2の実施形態の車両入庫前のフラップ板下限位置状態の駆動機構部を示すための、
図5(A)及び(B)と同様の図である。
【
図14】
図14(A)及び(B)は夫々、上記第2の実施形態の車両入庫後にフラップ板が車両底部に当接した上限位置状態の駆動機構部を示すための、
図6(A)及び(B)と同様の図である。
【
図15】
図15(A)及び(B)は夫々、上記第2の実施形態の車両が不正退出を開始して、タイヤがフラップ板を退出方向へ押圧開始した状態を示すための図である。
【
図16】
図16(A)及び(B)は夫々、上記第2の実施形態のカップリングが
図15(A)及び(B)の位置から反時計方向へ回転して連結ピンに当接した状態を示す図である。
【
図17】
図17(A)及び(B)は夫々、上記第2の実施形態の車両の不正退出途中にフラップ板に乗り上げたタイヤから該フラップ板に下方向最大荷重が作用した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る車両退出阻止装置の各実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る車両退出阻止装置の第1の実施形態を示す斜視図、
図2はその平面図、
図3は上記車両退出阻止装置のカバーをはずした状態の平面図である。
【0012】
図1乃至
図3中、本第1実施形態の車両退出阻止装置は、矢印X方向に進入した駐車車両が、フラップ板が上限位置にあるにかかわらず矢印Y方向へ不正退出するのを阻止するものであり、フラップ板駆動機構部2、フラップ板3(板状に限らず棒状等種々の形状を取り得る)を有して地面6(
図5(B)参照)上に置かれたベース4を有し、フラップ板駆動機構部2はカバー2aにより覆われている。またフラップ板3は、
図5(A)に示す如く、ストッパ片3aを有する。
【0013】
フラップ板3と一体回転する回動軸7は、その一端7a(
図4参照)がフラップ板駆動機構部2の後述するカップリング12内に嵌入され且つ他端がベース4の反対側部に設けられた軸受(図示せず)に支承されていることにより、フラップ板3は回動軸7中心軸の周りに該回動軸7と一体に回転される。
【0014】
8は連結ピンで、回動軸7の一端7a(以下、単に回動軸7という)に半径方向に伸びるよう挿通固定されている。(
図4、
図5参照)
9はフラップ板3を回転駆動させるピストン駆動機構で、
図5(A)に示す如く、フラップ板駆動機構部2のフレーム2bに設けた電動モータ23により減速機構24を介して駆動されるピストン10及びシリンダ11からなる。なお、電動モータ23は油圧モータ等でもよい。
12はフレーム2bに枢動自在に取付けられたスリーブ状カップリングで、
図4、
図5(A)及び(B)に示す如く、その周方向180度離れた位置に所定幅の1対の軸方向溝部12a(時計方向溝端部12a1、反時計方向溝端部12a2を有する)を有し、回動軸7がカップリング12に嵌入されたとき、連結ピン8の両端部がこの1対の周方向溝部12aに挿通係合される。
ピストン駆動機構9のピストン10は、カップリング12と一体のリンク板13にピン14を介して枢動自在に接続され、ピストン10がシリンダ11に対して挿入及び退出方向に往復移動するときに、リンク板13、カップリング12及び連結ピン8の連結係合、及び回動軸7を順次介してフラップ板3を倒伏方向又は起立方向に回動駆動させる。従って、ピストン駆動機構9及びリンク板13は、ピストン駆動機構9の直線運動をフラップ板3の回転運動へ変換する運動方向変換機構の役割を果たす。
また、シリンダ11の後端部11aは、
図5(A)、
図10及び
図11に示す如く、フレーム2bの長孔2c(図中X-Y方向に延びる)に対して直交する方向に挿通した可動ピン15に支承されている。また、シリンダ11は、可動ピン15と、フレーム2bに固定した1対のピン21との間に張設した1対のコイルバネ22により、常に前方(矢印Y方向)へ付勢されているため、
図5及び
図10の状態では可動ピン15は長孔2cの前方端部に付勢的当接する。
25はゴム材料等からなるショックアブソーバ(
図5(A)及び
図10中斜線を付して示す)で、フレーム2bの後端ブロック26に固着され、シリンダ後端部11aに離間対向している。
27はフラップ板3の上限位置検出センサで、
図5(C)及び
図11に示す如く、フレーム2b後端に取付けたフレーム片2dのホルダ2eに設けた光学検出装置28(発光素子28a及び受光素子28b)と、可動ピン15に同軸的に取付けた光遮断円板29とを備える。
30はベース4に取付けたストッパブロックである。
次に、本発明の車両退出阻止装置の動作について説明する。
最初に、
図5(A)及び(B)中、車両が矢印X方向へ入庫する前の状態では、ピストン駆動機構9のピストン10はシリンダ11内に挿入された、いわゆる縮んだ状態にあり、カップリング12及び連結ピン8は時計方向(矢印P方向)の回動限界にあって、フラップ板3は倒伏した下限位置にある。なお、フラップ板3は自重により一層倒伏方向に回動するから、連結ピン8はカップリング12の1対の周方向溝部12aの各時計方向溝端部12a1に当接しており、連結ピン8が水平面から時計方向(矢印P方向)へ角度θ1(
図5(B)参照;例えばθ1=9.5°)だけ回転した位置にある。このとき、フラップ板3の上限位置検出センサ27では、
図5(C)及び
図11に示す如く、発光素子28aから受光素子28bへの光が光遮断円板29により遮断されてスイッチオフの状態となっている。
次に、
図6(A)及び(B)中、車両底部31の地面からの高さh1が比較的低い車両が矢印X方向へ、下限位置にあるフラップ板3を乗り越えて正規の駐車位置に入庫すると、入庫検出装置(図示せず)がこれを検出して、タイマーにより車両の入庫時期から例えば3分乃至5分程度経過した後(通常これ以前に乗員は降車している)にピストン駆動機構9へ駆動信号を出力する。従って、電動モータ23の作動によりピストン駆動機構9のピストン10がシリンダ11から退出移動して、いわゆる伸びた状態になる。これにより、カップリング12が
図5(B)に示す位置から反時計方向(矢印Q方向)へ回動して、
図6(B)に示す如く水平面から反時計方向へ角度θ2(例えばθ2=54.5°)の位置まで合計角度θ1+θ2(9.5°+45°=54.5°)だけ回動する。
この間連結ピン8もカップリング12の1対の周方向溝部12aの各時計方向溝端部12a1により押圧されて同方向へカップリング12と見かけ上一体的に回動する。これにより、フラップ板3も同方向へ同一角度だけ回動して、
図6(A)に示す如く、車両底部31(地面からの高さh1(同図(A)参照))に当接した上限起立位置に至る。このとき、フラップ板3のストッパ片3aはストッパブロック30に対して所定の隙間t1を有して当接しない。
ここで、ピストン駆動機構9の電動モータ23は直ちに停止することはできず引き続き僅かの時間だけ作動する。
従って、次に、
図7(A)及び(B)中、ピストン10は
図6(A)に示す位置のままであるが、相対的にシリンダ11のみが後方(矢印X方向)へ可動ピン15が長孔2cにより案内されつつバネ22に抗して寸法d1(
図7(A)及び(C)参照;例えばd1=3mm)スライド移動する。このため、同図(C)中、発光素子28aからの光が光遮断円板29から外れて受光素子28bにより受光されてスイッチオンに切り替わって、上限位置検出信号が出力されて、電動モータ23がオフとなり、ピストン駆動機構9は停止する。
次に、駐車場へ戻って来た乗員が、駐車場の精算機で精算することなく車両に乗ったとすると、フラップ板3は依然として
図7(A)に示す如く、上限位置にある。
従って、
図8(A)及び(B)中、乗員が車両に乗ったことにより重量が増して、車体底部31(即ち、フラップ板3上端)は地面からの高さ寸法h2(例えばh2=149mm)の位置まで寸法h1―h2(=9mm)だけ下動する。このため、フラップ板3は下方へ押圧されて、
図7(B)に示す位置から時計方向(矢印P方向)へ連結ピン8と一体的に回動して、
図8(B)に示す如く水平面から反時計方向に角度θ3(例えばθ3=39.36)の位置まで角度θ2―θ3(45°-39.36°=5.64°)だけ回動する。このため、カップリング12も連結ピン8により押圧されて同方向へ同一角度だけ回動するので、ピストン駆動機構9のシリンダ11(可動ピン15)が、カップリング12、リンク板13、ピストン10を順次介して
図6に示す当初位置から寸法d2(d2=10mm)だけ後方(矢印X方向)へ移動した
図8(A)に示す位置まで、即ち
図7に示す位置からd2-d1(10mm-3mm=7mm)だけ同方向へ移動する。このとき、シリンダ後端部11aの後面が丁度ショックアブソーバ25の前面に当接して、これ以後、後述する如く車両の不正退出時にシリンダ11が更に後方へ移動するときに、ショックアブソーバ25のショック吸収機能が発揮される。なお、上記フラップ板3の時計方向回動により、フラップ板3のストッパ片3aはストッパブロック30から僅かに離間方向へ移動して隙間はt2(t2>t1)となる。また、
図8に示す状態は、駐車場の精算機で正規に精算して退出する場合に、同乗者の誰かが、精算作業直前のフラップ板3の上限位置時に車両に乗り込んでも同様に生じ得るが、この場合もシリンダ11が後方へ移動してフラップ板3の下方向移動を許容するからフラップ板3により車両の底部31に傷を付けることはない
次に、
図9(A)及び(B)中、車両が不正退出開始して、その車輪32がフラップ板3に乗り上げたことによりフラップ板3に下方向への最大荷重力Fが作用する。このため、フラップ板3上端は地面からの寸法h3(例えばh3=145mm)までh2―h3(=4mm)だけ更に下動する。これに伴い、フラップ板3は
図8(B)に示す位置から時計方向(矢印P方向)へ連結ピン8と一体的に回動して、
図9(B)に示す如く水平面から反時計方向へ角度θ4(θ4=37°)の位置まで、θ3-θ4(39.36°-37°=2.36°)だけ回動する。このため、カップリング12も連結ピン8により押圧されて同方向へ同一角度だけ回動するので、ピストン駆動機構9のシリンダ11(可動ピン15)が
図6に示す当初位置から寸法d3(d3=14mm)だけ後方(矢印X方向)へ移動した
図9(A)に示す位置まで、即ち
図8に示す位置から更にd3-d2(14mm-10mm=4mm)だけ同方向へ移動する。このため、シリンダ後端部11aの後面がショックアブソーバ25の前面側に寸法4mm分だけ該ショックアブソーバ25を可撓的且つ弾性的に変形させながら没入移動する。なお、上記フラップ板3の更なる時計方向回動により、フラップ板3のストッパ片3aはストッパブロック30から更に離間方向へ移動して隙間はt3(t3>t2>t1)となる。
これにより、上記不正退出に伴う下方向荷重力Fに起因するショックを減衰し得、不正退出に伴うフラップ板3やピストン駆動機構9の破損を防止し得る。これにより、部品取り替えの手間、コストが不要で時間及び材料コストが低減される。
なお、上記第1の実施形態では、車両底部31の地面からの高さh1が比較的低い車両が入庫するので、フラップ板3が車両底部31に当接する場合について説明したが、これに限らず、以下、
図12(A)乃至(C)により、車両底部31の地面からの高さh1´が比較的高い車両が入庫したため、フラップ板3が車両底部31に当接しない上限位置で停止する場合について説明する。
図12(A)乃至(C)中、
図6(A)乃至(C)と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図12(A)乃至(C)中、車両底部31の地面からの高さh1´が比較的高い(h1´>h1)車両が矢印X方向へ、下限位置のフラップ板3を乗り越えて正規の駐車位置に入庫すると、車両の入庫時期から所定時間経過後にピストン駆動機構9のピストン10が退出移動して伸びた状態になり、カップリング12が
図5(B)に示す位置から反時計方向(矢印Q方向)へ回動して、
図12(B)に示す如く水平面から反時計方向へ角度θ2´(θ2´>θ2)の位置まで合計角度θ1+θ2´だけ回動する。
この間連結ピン8もカップリング12と見かけ上一体的に反時計方向へ回動するため、フラップ板3も同方向へ同一角度だけ回動する。しかるにこの場合、車両底部31の高さh1´が大きいため、フラップ板3が車両底部31に当接する以前に、フラップ板3のストッパ片3aが先にストッパブロック30に当接するので、フラップ板3はこの時点で上限起立位置に至る。(このときフラップ板3の上端位置は
図6中のフラップ板3上端位置より僅かに高い)これ以後の動作については、大略、
図8及び9と同様である。この場合ストッパ片3aがストッパブロック30に当接することにより、フラップ板3の上昇限位置規制するだけでなく、車両が不正退出する際の負荷を受け持つ役割も果たす。
上記の如く、第1の実施形態の上記構成によれば、フラップ板3が車両底部に当接して停止するか又は当接する以前にストッパブロック30に当接して停止するかが車両底部の高さの変化に応じて自動的に選択適用されるから、種々の車両に適用し得て便利である。
【0015】
次に、
図13乃至
図17により本発明の第2の実施形態について説明するが、各図中、
図1乃至
図11と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。なお、上限位置検出センサ27等の図示は省略するが、第1の実施形態と同様に、シリンダ11の後端部11aに近接してショックアブソーバ25(図示を省略)が設けられている。
【0016】
この第2の実施形態では、上記第1の実施形態に比して、連結ピン8Aの長さが連結ピン8より長く、しかも連結ピン8Aの回動を阻止するために、フレーム2bにストッパボルト41が設けられ、且つベース4(図示せず)にベース側ストッパ42が設けられている。
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
最初に、13(A)及び(B)中、車両がX方向へ入庫する前の状態では、ピストン駆動機構9のピストン10はシリンダ11内に挿入された、いわゆる縮んだ状態にあり、カップリング12A及び連結ピン8Aは時計方向(矢印P方向)の回動限界にあって、フラップ板3は下限位置にある。なお、フラップ板3は自重により一層倒伏方向に回動するから、連結ピン8Aはカップリング12Aの1対の周方向溝部12aの各時計方向溝端部12a1に当接しており、このとき連結ピン8Aが水平面から時計方向(矢印P方向)へ角度φ1(φ1=9.5°)だけ傾斜した位置にある。
次に、
図14(A)及び(B)中、車両が矢印X方向へ進入してフラップ板3を乗り越えて正規の駐車位置に入庫するとこの入庫を検知した検知信号が出力される。従って、ピストン駆動機構9のピストン10がシリンダ11から相対的に退出移動していわゆる伸びた状態になる。このため、カップリング12Aが反時計方向(矢印Q方向)へ回動して水平面から反時計方向へ角度φ2(φ2=15°)の位置まで合計角度φ1+φ2(9.5+15=24.5°)だけ回動する。このため、連結ピン8Aもカップリング12Aの1対の周方向溝部12aの各時計方向溝端部12a1により押圧されて同方向へカップリング12Aと一体的に回動する。これにより、フラップ板3も同方向へ同一角度だけ回動して、
図14(A)に示す如く、車両の底部31に当接する上限位置に至り、車両の退出を阻止する。同時に、上限位置検出センサ(図示せず)がこれを検出してオフに切り替わってピストン駆動機構9の動作を停止するから、フラップ板3も前記上限位置で停止する。
次に、
図15(A)及び(B)中、駐車場へ戻って来た乗員が、駐車場の精算機で精算することなく車両に乗って矢印Y方向へ不正退出しようとすると、車両のタイヤ32がフラップ板3の上端部に当接して矢印Y方向へ水平方向荷重力F1を作用させる。このため、フラップ板3及びこれと一体の回動軸7及び連結ピン8Aが
図14(B)に示す位置から反時計方向(矢印Q方向)へ回動して、
図15(B)に示す如くストッパボルト41及びベース側ストッパ42と共通に当接する角度位置φ3(=45°)まで、角度φ3-φ2(45-15=30°)だけ回動する。
このとき同時に、上限位置検出センサ(図示せず)がこれを検出してオンに切り替わるのでピストン駆動機構9が動作開始してカップリング12Aを反時計方向(矢印Q方向)へ回転駆動させる。
次に、
図16(A)及び(B)中、カップリング12Aは上記の如く反時計方向(矢印Q方向)へ同じ30°だけ回転駆動されて、カップリング12Aの1対の溝の12aの各時計方向溝端部12a1が、すでにストッパボルト41及びベース側ストッパ42に当接している連結ピン8Aに共通に当接する。これにより連結ピン8A、カップリング12A及びストッパ41及び42の三部材は強固な見かけ上一体構成になって、タイヤ32からの上記水平方向荷重力F1に対して強固に耐える。
続いて、
図17(A)及び(B)中、車両のタイヤ32が上限位置にあるフラップ板3の上端部に乗り上げたときに、フラップ板3に対して下方向の最大荷重力F2を作用させる。この荷重力F2のため、フラップ板3と一体の連結ピン8A及びカップリング12Aは僅かに時計方向(矢印P方向)へ戻り回動される。
このため、第1の実施形態の場合と同様に、シリンダ後端部11aの後面がショックアブソーバ25の前面側に寸法4mm分だけ該ショックアブソーバ25を可撓的且つ弾性的に変形させながら没入移動する。
これにより、上記不正退出に伴う下方向荷重力F2に起因するショックを減衰し得、不正退出に伴うフラップ板3やピストン駆動機構9の破損を防止し得る。これにより、部品取り替えの手間、コストが不要で時間及び材料コストが低減される。
これによれば、車両の不正退出時に連結ピン8A又はカップリング12A更にはフラップ板駆動機構部2及びフラップ板3が何ら破損されることがないので、部品取り替えの手間、コストが不要で時間及び材料コストが低減される。
なお、上記第2の実施形態において、第1の実施形態の
図12の例と同様に、フラップ板3が車両底部に当接する以前にストッパに当接した上限位置で停止するようにすることにより、種々の高さの車両底部の車両に適用し得るようにしても良い。
なお、上記第2の実施形態において、連結ピン8Aは二つのストッパ41及び42に共通に当接しているが、少なくとも一つのストッパに当接するようにしても良い。
また、上記第1及び第2の実施形態において夫々、上述の如く、ピストン駆動機構9及びリンク板13は、直線方向運動を回転運動へ変換させる運動方向変換機構として機能しているが、これに限らず、運動方向変換機構として作用するものであれば、ピニオン・ラック機構、クランク機構、又はネジ・ナット機構等他の種々の機構を適用し得る。
また、上記第1及び第2の実施形態において夫々、シリンダ端部11aの移動ショックを吸収し得るショックアブソーバ25はゴム材料から形成されているが、これに限ることなく移動ショック吸収し得るものであれば、他の弾性材料でもよく、又はバネ、又はピストン・シリンダ機構等でもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態において夫々、連結ピン8(又は8A)はこの形状に限ることなく、回動軸7と一体的に該回動軸7の半径方向に伸びる部材であれば何でも良い。
また、上記第1及び第2の実施形態において夫々、フラップ板3に雄側部材としての回動軸7(連結ピン8又は8Aを取付ける)を設け且つフラップ板駆動機構部2に雌側部材としてのカップリング12(又は12A)を設けて、これらの部材8(8A)、12(12A)を係合させる構成であったが、逆に、フラップ板3に雌側部材としてのカップリングを設け且つフラップ板駆動機構部2に雄側部材としての回動軸(連結ピンを取付ける)を設けて、これらの部材を係合させる構成にしても良いことは勿論である。
また、上記第1及び第2の実施形態において夫々、連結ピン8(又は8A)はカップリング12(又は12A)の1対の周方向溝12aに共通係合しているが、少なくとも一つの周方向溝12aに係合すれば良い。
また、上記第1及び第2の実施形態において夫々、連結ピン8(8A)8Aはカップリング12(又は12A)の周方向溝12aに係合して各周方向溝端部12a1、12a2に当接するが、必ずしも周方向溝に限ることなく、例えばカップリング12Aの内周の周方向所定角度離れた位置に夫々半径方向内方へ突出形成した1対の係止凸部を設け、この係止凸部に適宜係合当接するようにしてもよい。
【0017】
また、第1及び第2の実施形態において、光学検出装置28は発光素子及び受光素子からなるフォトマイクロセンサであるが、これに限らず、位置を検出しうるものであれば、磁気、超音波等を利用した検出装置でもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 車両退出阻止装置
2 フラップ板駆動機構部
2a カバー
2b フレーム
2c 長孔
2d フレーム片
2e ホルダ
3 フラップ板
3a ストッパ片
4 ベース
6 地面(GL)
7 回動軸
8、8A 連結ピン
9 ピストン駆動機構
10 ピストン
11 シリンダ
11a シリンダ後端部
12、12A カップリング
12a 周方向溝部
12a1、12a2 溝端部
13 リンク板
14、21 ピン
15 可動ピン
22 コイルバネ
23 電動モータ
24 減速機構
25 ショックアブソーバ
26 後端ブロック
27 フラップ板の上限位置検出センサ
28 光学検出装置
28a 発光素子
28b 受光素子
29 光遮断円板
30 ストッパブロック
31 車両底部
32 タイヤ
41 ストッパボルト
42 ベース側ストッパ
F、F1、F2 力