(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】遊技球振分装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
(21)【出願番号】P 2018038916
(22)【出願日】2018-03-05
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100112531
【氏名又は名称】伊藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】末廣 義典
【審査官】武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-144578(JP,A)
【文献】特開2005-287644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に遊技球が流入するように配置されるスリ鉢形の皿に複数の流落口を形成し、該流落口のうちの少なくとも一つを特定流落口とし、該特定流落口の下流に遊技球の球重量によって他の一般流落口に入った遊技球の少なくとも一つの流路を切り替える流路切替機構が設けられていることを特徴とする遊技球振分装置。
【請求項2】
流入した遊技球がスリ鉢形の皿の上にて転動する状態、および、前記流路切替機構の流路切替状態が遊技者に視認可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載した遊技球振分装置。
【請求項3】
前記流路切替機構は、前記特定流落口に入った遊技球の球重量により回転する制動体と、前記一般流落口の直下に開閉可能に設けられた流路切替羽根とからなり、前記特定流落口に遊技球が入る度に前記制動体が所定角度ずつ回転し、前記流路切替羽根が該制動体の回転状態に従い開状態または閉状態になるものであることを特徴とする請求項1または2に記載した遊技球振分装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機,アレンジボール遊技機,雀球遊技機等のパチンコ球を遊技媒体とする遊技機において、遊技球が転動する遊技領域に設けられ、流入した遊技球を複数の通路に振り分ける遊技球振分装置に関するもので、特には、複数の流落口が形成されたスリ鉢形の皿に遊技球を流入させて遊技球を振り分ける装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技板の遊技領域に設けられる遊技球振分装置は、流入した遊技球を複数の通路のうちのいずれかに誘導するものであり、液晶表示装置の表示と連動させることにより演出効果を増大させる遊技機も知られている。
下記特許文献1に示された遊技球振分装置は、クルーンと称されるスリ鉢状の皿が上下2段に配置され、該各皿の中央部には3つの流落口が形成されていて、上段のクルーンに流入した遊技球はその3つの流落口のうちの特定の流落口に入ると下段のクルーンに導かれ、さらにその遊技球が3つの流落口のうちの特定の流落口に入ると、特定遊技状態(確変遊技状態)に移行するように構成され、該各クルーンにおける遊技球の動きは遊技者が視認できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に示された遊技球振分装置は、上下の各クルーンにおいて特定の流落口に遊技球が入る確率は3分の1であるので、特定遊技状態になる確率は常に9分の1という一定の確率にしかならないものであった。このため、遊技中の状況変化が乏しく、面白味が少ないという問題がある。つまり、遊技者にとって有利性が増すとか、不利になるような状況もないので、遊技が単調になり易いという問題がある。
また、近時の弾球遊技機は、電子回路によって常に一定の確率で大当たりや確変等の遊技者にとって有利な状況が到来するように構成されているので、こうした構成もまた遊技を単調にする要因であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る遊技球振分装置は上記問題点を解決しようとするもので、遊技領域に遊技球が流入するように配置されるスリ鉢形の皿に複数の流落口を形成し、該流落口のうちの少なくとも一つを特定流落口とし、該特定流落口の下流に遊技球の球重量によって他の一般流落口に入った遊技球の少なくとも一つの流路を切り替える流路切替機構が設けられていることを特徴とする。
このため、遊技球が特定流落口に入らない限り、一般流落口に入った遊技球の流路は変わることはなく、遊技者にとって有利な状況または不利な状況が継続し、遊技状況が変化に富んだものになる。
【0006】
本発明は上記遊技球振分装置において、流入した遊技球がスリ鉢形の皿の上にて転動する状態、および、前記流路切替機構の流路切替状態が遊技者に視認可能に設けられていることを特徴とする。
遊技者が現況の流路切替状態を常に認識して遊技できるとともに、その遊技者はスリ鉢形の皿の上で遊技球が転動する状況を一層興味深く見られるようになり、遊技性が向上する。
【0007】
本発明は上記遊技球振分装置において、前記流路切替機構は、前記特定流落口に入った遊技球の球重量により回転する制動体と、前記一般流落口の直下に開閉可能に設けられた流路切替羽根とからなり、前記特定流落口に遊技球が入る度に前記制動体が所定角度ずつ回転し、前記流路切替羽根が該制動体の回転状態に従い開状態または閉状態になるものであることを特徴とする。
流路切替羽根が開状態であるか閉状態であるかによって、遊技者にとって有利な状況であるのか不利な状況であるのかが容易に判るようになるとともに、特定流落口に遊技球が入ることによりその状況が確実に切り替わるようになる。
【発明の効果】
【0008】
電子回路や電気的駆動源を用いることなく、機械的構成により弾球遊技機の遊技性を向上させ、遊技者にとって真に面白い遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る遊技球振分装置を前方から見た斜視図。
【
図3】本発明に係る遊技球振分装置を前方から見た斜視図。
【
図4】本発明に係る遊技球振分装置を後方から見た斜視図。
【
図5】本発明に係る遊技球振分装置を前方から見た分解斜視図。
【
図6】本発明に係る遊技球振分装置を後側下方から見た分解斜視図。
【
図7】本発明に係る遊技球振分装置の流路切替機構の分解斜視図。
【
図8】本発明に係る遊技球振分装置の流路切替機構の横断面図。
【
図9】本発明に係る遊技球振分装置の作動状態を示す正面図。
【
図11】本発明に係る遊技球振分装置の作動状態を示す縦断面図。
【
図12】本発明に係る遊技球振分装置の流路切替機構の作動状態を示す斜視図。
【
図13】本発明に係る遊技球振分装置の作動状態を示す縦断面図。
【
図14】本発明に係る遊技球振分装置の作動状態を示す正面図。
【
図15】本発明に係る遊技球振分装置の流路切替機構の作動状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この実施形態に示す遊技球振分装置は、クルーンと称されるスリ鉢形の皿10と、該皿10を水平に支持するケース体20と、該ケース体20内に設けられる流路切替機構30(
図12,
図15)とからなる。皿10は、平面略円形で、その外周部に接線方向に連なる流入路11が一体に形成され、該皿10の中央部にそれぞれ遊技球が流落し得る大きさの3つの流落口12,13,14が形成され、そのうちの流落口12は特定流落口、流落口13,14は一般流落口となる。なお、該皿10の両側下縁に前記ケース体20に対しビス15によって固定するために取付縁16が形成されている。なお、前記流入路11から皿10内に流入した遊技球の状況は遊技中の遊技者が常に視認できるように配置される。
【0011】
また、前記ケース体20は、ケース本体21と、該ケース本体21の前面にビス22により固着される表板23と、該ケース本体21の裏面にビス24により固着される裏板25とからなる。ケース本体21は
図7,
図8にも示すように内部を前後に仕切る隔壁26が形成され、該隔壁26の前面に中央排出樋27を形成している。該隔壁26の左右対称には真鍮製の支軸28a,28bを貫挿するための軸受孔29a,29bが形成され、さらに該各軸受孔29a,29bを曲率中心とする円弧状の透孔30a,30bが形状され、該透孔30a,30bに真鍮製の連結軸31a,31bを貫挿し得るようにしている。また、該ケース本体21の上面の前半部は前記一般流落口13,14へ落下した遊技球が入るように左右に大きい開口32が形成され、該ケース本体21の上面の後半部は前記特定流落口12へ落下した遊技球が入る開口33が形成されている。また、左右両側壁の前半部に球排出樋34a,34bをそれぞれ形成している。
【0012】
そして、前記支軸28aおよび連結軸31aの前端部に流路切替羽根35aを係止し、前記支軸28bおよび連結軸31bの前端部に流路切替羽根35bを係止するとともに、前記支軸28aおよび連結軸31aの後端部に切替作動片36aを係止し、前記支軸28bおよび連結軸31bの後端部に切替作動片36bを係止する。このため一対の該流路切替羽根35a,35bは、それぞれ支軸28a,28bを支点とし円弧状の前記透孔30a,30bの範囲内にて回転自在に支持され、前記一般流落口13,14の直下、前記中央排出樋27の真上にて開閉可能に配置される。即ち、一対の流路切替羽根35a,35bが、
図3,
図9,
図12に示したように八字状の形態になると遊技球が該流路切替羽根35a,35bの間に入ることは困難となって前記中央排出樋27が閉じられる。一方、該流路切替羽根35a,35bが
図14,
図15に示したように外側に傾倒して間隔を広げるとその間に遊技球が落下可能となり前記中央排出樋27が開かれる。なお、切替作動片36a,36bの下端部の相対する内面に凹窪状の当接部36a′,36b′が形成される。
【0013】
また、
図5に示すように前記表板23の上半部にケース本体21内を透視し得るように透明板37が嵌着され、該透明板37を通して遊技中の遊技者は内部の流路切替羽根35a,35bの開閉状況を常に視認できる。また、該表板23の下半部には前記中央排出樋27を突出させる角孔38および前記支軸28a,28bの前端部を軸支する軸受孔39a,39bが形成される。
【0014】
また、前記裏板25の中央部に前面が開口した角形の包囲室40が形成され、該包囲室40は底面41が前方に向けて傾斜状に形成され、該包囲室40内に普通のパチンコ球(直径11mm)より少し小径の直径10mm程度の鋼球からなる重り球42が転動可能に配設される。該包囲室40の上部両側には前記支軸28a,28bの後端部を軸支する軸受孔43a,43bが形成される。さらに該包囲室40の両側に水平方向に延びる軸受部44a,44bが形成され、該軸受部44a,44bに制動体45の回転軸46が回転自在に貫挿され該回転軸46の両端がEリング47a,47bにより止着される。
図11に示されるように該制動体45は、周囲に突状部48aと切欠部49aと突状部48bと切欠部49bとが90度間隔にて形成され、
図10にも示されるように軸方向から見て略分銅形を呈する。なお、該突状部48a,48bの外周面は遊技球が受けられるように中央に凹部48a′,48b′が形成されている。該制動体45は、前記開口33の直下に配置され、特定流落口12へ落下した遊技球が該制動体45の凹部48a′,48b′または切欠部49a,49bに当たると該遊技球の自重により該制動体45を矢印の方向に回転させ、該遊技球は該制動体45の下方に形成された排出路50より外部に排出される。
【0015】
なお、前記重り球42は、底面41が傾斜しているので自重により常に制動体45に接近し圧接する。このため、特定流落口12から落下した遊技球が該制動体45を90度回転させたところで、該重り球42が切欠部49a,49bまたは前記凹部48a′,48b′に介入し、制動体45を90度以上無用に回転することがないようにする。即ち、特定流落口12から遊技球が落下する度に制動体45は確実に90度づつ回転し、流路切替羽根35a,35bが閉状態にあったときは開状態にし、開状態にあったとき閉状態にする。
前記流路切替羽根35a,35bおよび切替作動片36a,36bは、支軸28a,28bの内側よりも外側が大きく形成され、該支軸28a,28bの外側に真鍮製で比較的重い連結軸31a,31bを配置したことで該流路切替羽根35a,35bを該支軸28a,28bの外側に向けて透孔30a,30bの範囲内で傾倒させ、常には自重で開状態となる構成としている。なお、この開状態においては切替作動片36a,36bの支軸28a,28bより下方部が互いに接近した状態にある。この開状態のとき特定流落口12から遊技球Pが落下すると該遊技球Pは該切替作動片36a,36bの下方部の間を落下し該下方部の間隔を球重量によって広げ、該流路切替羽根35a,35bを閉方向に回動させ、この状態から該遊技球Pは更に落下して制動体45に衝突し該制動体45を90度回転させ、該制動体45の突状部48aまたは突状部48bが切替作動片36a,36b下端の当接部36a′,36b′間に介入して停止することで、該流路切替羽根35a,35bを上記のように八字状の閉状態にする。即ち、この流路切替機構30は閉状態となる。(
図12参照)。
一方、このように流路切替機構30が閉状態であるときに、特定流落口12に遊技球Pが落下した場合は、該遊技球Pは流路切替羽根35a,35bおよび切替作動片36a,36bに特に作用することなく該切替作動片36a,36bの下端部間を落下し制動体45に衝突して該制動体45を更に90度回転させる。このように制動体45が更に90度回転すると、該制動体45の切欠部49a,49bが切替作動片36a,36bの下端部に相対するようになり、該制動体45の突状部48aまたは突状部48bは当接部36a′,36b′間から拔脱するので、流路切替羽根35a,35bは該制動体45に拘束されることなく自重で再び支軸28a,28bの外側に向けて傾倒し開状態となる。即ち、この流路切替機構30は開状態となる。(
図15参照)。
【0016】
この遊技球振分装置では、流入路11から流入した遊技球は、遠心力の作用で皿10上にて数秒間乃至数十秒間回転し続け、該遊技球がやがては3つの流落口12,13,14のいずれかに入るのかを楽しみながら観察することができる。このとき例えば流路切替羽根35a,35bが閉状態であると、流落口13または流落口14等の一般流落口に入った遊技球Pは常に球排出樋34a,34bに導かれ、ケース体20の左右いずれかの側方に排出される。(
図9,
図10参照)。一方、
図13,
図14に示したように流路切替羽根35a,35bが開状態であると、流落口13または流落口14等の一般流落口に入った遊技球Pは中央排出樋27に導かれケース体20前方に排出される。ここで例えば中央排出樋27から排出された遊技球Pが大当り等の特別遊技状態の抽選を始動させる始動入賞口に入賞し易いような配置に設定されておれば、流路切替羽根35a,35bが開状態であることは遊技者にとって非常に有利な状況である一方、流路切替羽根35a,35bが閉状態であるとこのような有利な状況でないこととなる。このような流路切替羽根35a,35bの状態は、前記透明板37を通して視認できることから、遊技者は有利または不利といった現在の状況が常に分かる。
【0017】
なお、流路切替羽根35a,35bが開状態のときに遊技球Pは該流路切替羽根35a,35bの間を通って中央排出樋27に導かれる。この際、該流路切替羽根35a,35bの支軸28a,28bよりも下方部分が内方に向けて突出した形状に形成されているので、遊技球Pが該流路切替羽根35a,35bの間を通過する際に該遊技球Pは該流路切替羽根35a,35bの下方部分に当たる。このため、遊技球Pが該流路切替羽根35a,35bの間を通過する度に流路切替羽根35a,35bは開閉動する。このような動作は、該流路切替羽根35a,35bおよび切替作動片36a,36bの支軸28a,28bの内側よりも外側を大きく形成し、支軸28a,28bの外側に真鍮製で比較的重い連結軸31a,31bを連結し、該流路切替羽根35a,35bおよび切替作動片36a,36bの重心が支軸28a,28bの外側にあるようにすることで達成され、前記制動体45の突状部48a,48bが切替作動片36aと切替作動片36bとの間に介入していないときは、遊技球Pが通過してしまうと該流路切替羽根35a,35bは前記透孔30a,30bの範囲内で常に外側に傾倒して開動し、該流路切替羽根35a,35bの開状態が継続する。
【0018】
上記のように遊技者にとって有利な状況または不利な状況は皿10上で転動する遊技球が3つの流落口12,13,14のうちの特定流落口12に入るまで続く。即ち、特定流落口12に遊技球が入ると、該遊技球Pは前記制動体45を90度回転させ、閉状態であった流路切替羽根35a,35bは開状態にし、開状態であった流路切替羽根35a,35bは閉状態にする。このため、流路切替羽根35a,35bが遊技者にとって有利な状況にあるときは、遊技者は遊技球が特定流落口12になるべく入らないように願うのに対し、流路切替羽根35a,35bが遊技者にとって不利な状況にあるときは、遊技者は早く遊技球が特定流落口12に入ることを願うようになる。このようにこの遊技球振分装置では、特定流落口12に遊技球が入らない限り有利または不利な状況が変化しないので、有利な状況が長期間継続することもあれば、有利な状況が短期間で終わることもある。このため有利な状況または不利な状況が続く期間は常に不特定であり、そのために遊技性が増す。なお、皿10上で転動する遊技球が複数の流落口12,13,14のうちのどの流落口に入るかもまた偶然性に依存するので、遊技者にとって有利な状況が長期間続く場合や、遊技者にとって不利な状況となった場合でも運良く直ぐに遊技球が特定流落口12に入り不利な状況を短時間で回避できる場合もある。このように、この遊技球振分装置を設けることによっては、偶然性によって有利な状況または不利な状況が続く期間が決定されるので、弾球遊技機の趣向性を今までになく向上させることができ、従来の電子回路によって抽選が行われ常に一定の確率で有利または不利な状況となるもののような単調性が回避される。
【0019】
またこの遊技球振分装置は、遊技球Pの自重により制動体45の回転により流路切替羽根35a,35bを開閉させる構造であるので、モータやソレノイド等の電気的駆動源やその制御用電子回路等を設ける必要もなく簡単に構成し得る。ただし、モータやソレノイド等の電気的駆動源やその制御手段等を追加的に設けることによってはさらなる改良も可能となる。
【0020】
なお、この遊技球振分装置では、前記中央排出樋27から排出された遊技球Pが前述のように常に始動入賞口に入賞し易くなるように配置したが、本発明では必ずしもこのような配置にしなくてもよい。例えば、始動入賞口の替わりに遊技球Pが入球すると複数の賞球を獲得することができる入賞装置を前記中央排出樋27の下方に入球し易く配置してもよく、或いは、中央排出樋27,球排出樋34a,34b,排出路50等から排出された遊技球Pを遊技領域の特定の部位に戻すようにしても、入賞球として処理するようにしてもよい。要するに、振分後の遊技球をどのような扱いにするかは自由である。
またこの実施形態では、表板23に透明板37を設けて流路切替羽根35a,35bの状態を視認できるようにしたが、全体を透明または開口を設けて流路切替羽根35a,35bの状態を遊技者から視認できるようにしてもよい。さらに、この実施形態では、皿10に3つの流落口12,13,14を設けたが、要するに皿10には特定流落口と一般流落口とを設ければよく、流落口の数は2つでも、或いは3つ以上にしてもよい。
【0021】
なお、一般流落口13,14に入った遊技球Pの流路は、特定流落口12に遊技球Pが落下することを契機として流路切替機構30が作動することにより流下の状況が変化するが、全ての一般流落口の流下の状況が変化しなくてもよい。つまり、流路が切り替えられない一般流落口がある構成としてもよい。
また、前記制動体45は、特定流落口12から遊技球Pが落下する度に90度ずつ回転し突状部48a,48bと切欠部49a,49bが順次移動することで、流路切替羽根35a,35bが開動と閉動を繰り返すが、この順番を制動体45の外周に例えば90度ずつ切欠部、突状部、突状部、突状部を形成するようにすれば、制動体45を90度ずつ回転させるにしても、特定流落口12から4個の遊技球Pが落下しない限り流路切替羽根35a,35bが開状態にならないようになる。このように制動体45における切欠部と突状部の配置を様々に組み合わせることにより、流路切替羽根35a,35bの開閉のタイミングは自由に設定することができる。また、制動体45の回転角度も遊技球Pが落下する度に90度ずつ回転するに限らず、90度以下や90度以上に設定してもよく、これによって流路切替羽根35a,35bの開閉動を所望に制御することができる。
【符号の説明】
【0022】
10…皿、 11…流入路、 12…特定流落口、 13,14…一般流落口、 15…ビス、 16…取付縁、 20…ケース体、 21…ケース本体、 22…ビス、 23…表板、 24…ビス、 25…裏板、 26…隔壁、 27…中央排出樋、 28a,28b…支軸、 29a,29b…軸受孔、 30…流路切替機構、 30a,30b…透孔、 31a,31b…連結軸、 32…開口、 33…開口、 34a,34b…球排出樋、 35a,35b…流路切替羽根、 36a,36b…切替作動片、 36a′,36b′…当接部、 37…透明板、 38…角孔、 39a,39b…軸受孔、 40…包囲室、 41…底面、 42…重り球、 43a,43b…軸受孔、 44a,44b…軸受部、 45…制動体、 46…回転軸、 47a,47b…Eリング、 48a,48b…突状部、 48a′,48b′…凹部、 49a,49b…切欠部、 50…排出路、 P…遊技球