(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】歪み検出装置、歪み検出方法及び歪み検出プログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 24/08 20060101AFI20220216BHJP
G01N 24/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
G01N24/08 510N
G01N24/08 510D
G01N24/00 530G
(21)【出願番号】P 2018053128
(22)【出願日】2018-03-20
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 進
【審査官】横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-181503(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0322864(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0001422(US,A1)
【文献】国際公開第2017/211504(WO,A1)
【文献】歪み分布観察の新提案:核スピンによるGaN歪み観察,応用物理学会秋季学術講演会講演予稿集(CD-ROM),2016年09月13日,77th,13a-A21-7
【文献】GaAs半導体中格子歪み分布の核スピンによる観察,応用物理学会秋季学術講演会講演予稿集(CD-ROM),2015年09月13日,76th,14a-4D-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 22/00 - G01N 22/04
G01N 24/00 - G01N 24/14
G01R 33/28 - G01R 33/64
H01L 21/66
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の周囲に静磁場を生成する静磁場生成部と、
前記試料に電波を送信する送信部と、
前記送信部からの前記電波の送信後に信号を受信する受信部と、
受信した前記信号について周波数解析を行う周波数解析部と、
前記周波数解析部による周波数解析結果に基づき複数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがある旨判別し、単数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがない旨判別する歪み有無判別部と、を備える、
歪み検出装置。
【請求項2】
前記周波数解析結果に基づき前記複数のピークの間の周波数差に応じて前記試料の歪み量を検出する歪み量検出部を備える、
請求項1に記載の歪み検出装置。
【請求項3】
前記複数のピークは、
最大の信号強度を有するメインピークと、
前記メインピークよりも信号強度が弱いサテライトピークと、を備え、
前記歪み検出装置は、さらに、前記サテライトピークの幅に応じて前記試料における歪みの空間的な分布を検出する歪み分布検出部を備える、
請求項1又は2に記載の歪み検出装置。
【請求項4】
前記複数のピークは、
最大の信号強度を有するメインピークと、
前記メインピークよりも信号強度が弱いサテライトピークと、を備え、
前記歪み検出装置は、さらに、前記メインピークの積分強度と前記サテライトピークの積分強度に基づき前記試料の全域に占める歪みが存在しない割合又は歪みが存在する割合を検出する歪み割合検出部を備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の歪み検出装置。
【請求項5】
前記送信部は、前記電波としてラーモア周波数のπ/2パルスとπパルスを所定の時間間隔で送信し、
前記受信部は、前記信号としてスピンエコー信号を受信し、
前記周波数解析部は、前記ラーモア周波数を変化させつつ、前記スピンエコー信号のピーク強度を検出することにより前記周波数解析を行う、
請求項1から4の何れか一項に記載の歪み検出装置。
【請求項6】
静磁場生成部を通じて試料の周囲に静磁場を生成する静磁場生成ステップと、
送信部を通じて
前記試料に電波を送信する送信ステップと、
前記送信部からの前記電波の送信後に受信部を通じて信号を受信する受信ステップと、
受信した前記信号について周波数解析を行う周波数解析ステップと、
前記周波数解析ステップによる周波数解析結果に基づき複数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがある旨判別し、単数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがない旨判別する歪み有無判別ステップと、を備える、
歪み検出方法。
【請求項7】
コンピュータに、
静磁場生成部を通じて試料の周囲に静磁場が生成された状態で、送信部を通じて
前記試料に電波を送信した後に受信部を通じて受信した信号について周波数解析を行う周波数解析機能と、
前記周波数解析機能による周波数解析結果に基づき複数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがある旨判別し、単数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがない旨判別する歪み有無判別機能と、を実現させるための歪み検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歪み検出装置、歪み検出方法及び歪み検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1に記載されるように、試料の歪みを観察する手法として、試料の拡大像を生成する電子顕微鏡が知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の電子顕微鏡においては、歪みが観察可能な範囲は、試料の表面及びその近傍に限られており、試料の内部の歪みを観察することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、試料の広範囲の歪みを検出することができる歪み検出装置、歪み検出方法及び歪み検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る歪み検出装置は、試料の周囲に静磁場を生成する静磁場生成部と、前記試料に電波を送信する送信部と、前記送信部からの前記電波の送信後に信号を受信する受信部と、受信した前記信号について周波数解析を行う周波数解析部と、前記周波数解析部による周波数解析結果に基づき複数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがある旨判別し、単数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがない旨判別する歪み有無判別部と、を備える。
【0007】
また、前記歪み検出装置は、前記周波数解析結果に基づき前記複数のピークの間の周波数差に応じて前記試料の歪み量を検出する歪み量検出部を備える、ようにしてもよい。
【0008】
また、前記複数のピークは、最大の信号強度を有するメインピークと、前記メインピークよりも信号強度が弱いサテライトピークと、を備え、前記歪み検出装置は、さらに、前記サテライトピークの幅に応じて前記試料における歪みの空間的な分布を検出する歪み分布検出部を備える、ようにしてもよい。
【0009】
また、前記複数のピークは、最大の信号強度を有するメインピークと、前記メインピークよりも信号強度が弱いサテライトピークと、を備え、前記歪み検出装置は、さらに、前記メインピークの積分強度と前記サテライトピークの積分強度に基づき前記試料の全域に占める歪みが存在しない割合又は歪みが存在する割合を検出する歪み割合検出部を備える、ようにしてもよい。
【0010】
また、前記送信部は、前記電波としてラーモア周波数のπ/2パルスとπパルスを所定の時間間隔で送信し、前記受信部は、前記信号としてスピンエコー信号を受信し、前記周波数解析部は、前記ラーモア周波数を変化させつつ、前記スピンエコー信号のピーク強度を検出することにより前記周波数解析を行う、ようにしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る歪み検出方法は、静磁場生成部を通じて試料の周囲に静磁場を生成する静磁場生成ステップと、送信部を通じて前記試料に電波を送信する送信ステップと、前記送信部からの前記電波の送信後に受信部を通じて信号を受信する受信ステップと、受信した前記信号について周波数解析を行う周波数解析ステップと、前記周波数解析ステップによる周波数解析結果に基づき複数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがある旨判別し、単数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがない旨判別する歪み有無判別ステップと、を備える。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る歪み検出プログラムは、コンピュータに、静磁場生成部を通じて試料の周囲に静磁場が生成された状態で、送信部を通じて前記試料に電波を送信した後に受信部を通じて受信した信号について周波数解析を行う周波数解析機能と、前記周波数解析機能による周波数解析結果に基づき複数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがある旨判別し、単数のピークが検出された場合には前記試料に歪みがない旨判別する歪み有無判別機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、歪み検出装置、歪み検出方法及び歪み検出プログラムにおいて、試料の広範囲の歪みを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る歪み検出装置のブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る周波数解析処理の手順を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施形態に係る歪み検出処理の手順を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態に係る周波数解析結果を模式的に示すグラフである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る(a)は試料が歪みのないアルミニウムである場合に予想される周波数解析結果を示すグラフであり、(b)は試料が歪みのあるGaAsとGa0.7Al0.3ASとの超格子構造中のアルミニウムである場合に予想される周波数解析結果を示すグラフである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る試料が歪みのあるGaAsとGa0.7Al0.3ASとの超格子構造である場合の周波数解析結果を示すグラフである。
【
図7】本発明の一実施形態に係るスピンエコー法における各種信号の送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る歪み検出装置、歪み検出方法及び歪み検出プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1に示すように、歪み検出装置1は、制御部10と、静磁場生成部20と、送信部30と、受信部40と、ディスプレイ50と、試料台60と、を備える。
【0017】
静磁場生成部20は、試料台60に設置される試料61の周囲に外部磁場として静磁場を生成する。詳しくは、静磁場生成部20は、静磁場磁石21と、静磁場電源22と、を備える。
静磁場電源22は、制御部10による制御のもと、静磁場磁石21に電流を供給することで静磁場磁石21を励磁する。
静磁場磁石21は、例えば、永久磁石、電磁石又は超伝導磁石により構成され、励磁されることにより試料61の周囲に静磁場を生成する。
【0018】
試料61は、例えば、イオン結合性が無視でき、共有結合又は金属結合によって構成される異なる2種類の物質からなる材料において、両者の結晶構造又は格子定数(構成原子間の距離)が異なる物質が接することにより構成される材料である。言い換えると、試料61は、2種類の物質の界面での格子の歪みが存在すると予想される材料である。試料61は、例えば、基板上に薄膜を蒸着させたデバイス、基板上に点状に付着された量子ドット、又は様々な特性の評価を目的として試料台60に接着剤などで固定された材料であってもよい。後述する実験では、試料61は、ヒ化ガリウム(GaAs)基板とその基板上に積層されるヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs)薄膜とからなる材料である。
【0019】
送信部30は、RF(Radio Frequency)パルス信号を電波として試料61に送信する。詳しくは、送信部30は、送信コイル31と、送信回路32と、を備える。
送信回路32は、制御部10による制御のもと、試料61を構成する原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルス信号を電源からの入力電力に基づき生成し、そのRFパルス信号を送信コイル31に出力する。送信回路32は、RFパルス信号を生成するための入力電力を調整する電力調整部32aを備える。電力調整部32aにより入力電力が高く調整されることにより、後述する
図5等の周波数解析結果(周波数スペクトル)において広い周波数帯を励起することができる一方、周波数分解能は低下する。送信コイル31は、送信回路32からのRFパルス信号を電波として送信する。これにより、試料台60に設置される試料61の周囲に高周波磁場が発生する。
【0020】
受信部40は、電波の送信後に試料61から発せられる磁気共鳴信号(以下、「MR信号」と呼ぶ)を受信する。詳しくは、受信部40は、受信コイル41と、受信回路42と、を備える。
受信コイル41は、例えば、複数のコイルエレメントを有する。受信コイル41は、高周波磁場の影響によって試料61から発せられるMR信号を受信する。受信コイル41は、MR信号を受信すると、受信したMR信号を受信回路42へ出力する。
受信回路42は、受信コイル41を通じて受信したMR信号をデジタル変換し、そのデジタル変換したMR信号を制御部10に出力する。
【0021】
本例では、歪み検出装置1はスピンエコー法を採用している。スピンエコー法においては、歪み検出装置1は、
図7に示すように、送信部30を介して励起(π/2)パルス信号Sg90°と再収束(πパルス)パルス信号Sg180°を一定時間(エコー時間TE/2)間隔で送信する。そして、πパルス信号Sg180°の送信後、一定時間(エコー時間TE/2)を経過したとき、受信部40を介してMR信号としてのスピンエコー信号Sspを受信する。ここで、エコー時間TEは、π/2パルス信号Sg90°の送信からスピンエコー信号Sspを受信するまでの時間をいう。
また、本例では、歪み検出装置1は、試料61に送信される電波(スピンエコー法においてはπ/2パルス信号Sg90°及びπパルス信号Sg180°)のラーモア周波数を連続的に変化させながら受信する信号(スピンエコー法においてはスピンエコー信号Ssp)の信号強度を検出及び記録することにより周波数スペクトルを生成するPoint-by-point法を採用している。
【0022】
図1に示すように、ディスプレイ50は、制御部10による制御のもと、試料61の歪みに関する情報画像を表示する。
【0023】
制御部10は、歪み検出装置1、具体的には、その静磁場電源22、送信部30、受信部40及びディスプレイ50を制御する。制御部10は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ等から構成される。
制御部10は、周波数解析部10aと、歪み有無判別部10bと、歪み量検出部10cと、歪み分布検出部10dと、歪み割合検出部10eと、表示制御部10fと、記憶部10gと、を備える。
【0024】
記憶部10gは、ROM及びRAMからなる。ROMには、周波数解析処理に係る周波数解析プログラム及び歪み検出処理に係る歪み検出プログラム等が記憶される。RAMは、制御部10のワークエリアとして機能する。
【0025】
周波数解析部10aは、後述する
図2のフローチャートに沿って周波数解析処理を実行することにより、
図4等にグラフで示す周波数解析結果(周波数スペクトル)のデータを生成する。歪み有無判別部10bは、周波数解析結果に基づき試料61に歪みがあるか否かを判別する。歪み量検出部10cは、周波数解析結果に基づき試料61の歪み量(歪みの大きさ)を検出する。歪み分布検出部10dは、周波数解析結果に基づき試料61における歪みの空間的な分布を検出する。歪み割合検出部10eは、周波数解析結果に基づき試料61の全域に占める歪みが存在しない割合を検出する。表示制御部10fは、ディスプレイ50を介して試料61の歪みに関する情報画像を表示する。
なお、周波数解析部10a、歪み有無判別部10b、歪み量検出部10c、歪み分布検出部10d、歪み割合検出部10e及び表示制御部10fの詳細な処理内容については後述する
図2及び
図3のフローチャートとともに説明する。
【0026】
次に、
図2のフローチャートを参照しつつ周波数解析処理について説明する。例えば、ユーザは、試料台60に試料61を設置した後に周波数解析処理を開始する旨のスイッチ操作を行う。周波数解析部10aは、このスイッチ操作をトリガとして周波数解析処理を開始する。
【0027】
まず、周波数解析部10aは、静磁場電源22を介して静磁場磁石21に電流を供給することで試料61の周囲に均一な静磁場を生成する(ステップS101)。
【0028】
そして、周波数解析部10aはラーモア周波数を設定し(ステップS102)、設定されたラーモア周波数のπ/2パルス信号Sg90°とπパルス信号Sg180°をエコー時間TEの半分の時間間隔にて試料61に送信する(ステップS103)。
【0029】
次に、周波数解析部10aは、πパルス信号Sg180°の送信からエコー時間TEの半分の時間を経過したときスピンエコー信号Sspを受信する(ステップS104)。そして、そのスピンエコー信号Sspのピーク強度を検出し、そのピーク強度を記憶部10gに記憶させる(ステップS105)。これにより、
図4に模式的に示すように、ラーモア周波数とスピンエコー信号の信号強度との関係を示すグラフにおいて黒点で示すようにプロットされる。
【0030】
周波数解析部10aは、ラーモア周波数の変更が全て完了したか否かを判別する(ステップS106)。ラーモア周波数の変更が全て完了しない旨判別したとき(ステップS106:NO)、現在、設定されるラーモア周波数に所望の周波数値を加算することにより新たなラーモア周波数を設定する(ステップS107)。その後、新たなラーモア周波数にて、上記と同様に、ステップS103,S104,S105に係る処理が行われる。よって、
図4のグラフにおいて、新たなラーモア周波数に対応する信号強度がプロットされる。ステップS103~S107の処理が繰り返されることにより、所望のラーモア周波数帯域におけるプロットが行われ、プロット間は例えば直線補間、それが不十分な場合には,スペクトルの形状に適切な手法でフィットされる。
【0031】
そして、周波数解析部10aは、ラーモア周波数の変更が全て完了した旨判別したとき(ステップS106:YES)、周波数解析処理に係るフローチャートを終了する。以上のように、周波数解析処理により、
図4のグラフに示す周波数解析結果がデータとして記憶部10gに記憶される。
【0032】
次に、
図3のフローチャートを参照しつつ歪み検出処理について説明する。制御部10は、例えば、上述した周波数解析処理の終了後に、自動で歪み検出処理を開始する。
【0033】
まず、歪み有無判別部10bは、記憶部10gに記憶される
図4のグラフに示す周波数解析結果からピークPの数が複数であるか否かを判別する(ステップS201)。具体的には、歪み有無判別部10bは、
図4に示すように、信号強度が予め設定される閾値Thを超えた後、当該閾値Thを再び下回る波形を一つのピークPとしてカウントする。
【0034】
歪み有無判別部10bは、ピークPの数が複数でない旨判別したとき(ステップS201:NO)、
図5(a)に示すように、ピークPの数が単数であるとして、試料61に歪みがない旨判別する(ステップS202)。この場合、ピークPはメインピークPmのみからなる。そして、表示制御部10fは、試料61に歪みがない旨を示す画像をディスプレイ50に表示し(ステップS207)、歪み検出処理に係るフローチャートを終了する。
【0035】
一方、歪み有無判別部10bは、ピークPの数が複数である旨判別したとき(ステップS201:YES)、試料61に歪みがある旨判別する(ステップS203)。一例として、複数のピークPは、
図4に示すように、最大の信号強度を有するメインピークPmと、メインピークPmよりも信号強度が弱い一対のサテライトピークPs1,Ps2と、を備える。サテライトピークPs1はメインピークPmよりも低周波数側に位置し、サテライトピークPs2はメインピークPmよりも高周波数側に位置する。
【0036】
図3のフローチャートに戻って、歪み量検出部10cは、一対のサテライトピークPs1,Ps2間の第1の周波数差Δf1に応じて試料61の歪み量を検出する(ステップS204)。具体的には、歪み量検出部10cは、第1の周波数差Δf1が大きいほど試料61の歪み量が大きい旨検出する。本例では、第1の周波数差Δf1は、
図4に示すように、一対のサテライトピークPs1,Ps2の中心値C1,C2間の差分である。
【0037】
次に、歪み分布検出部10dは、各サテライトピークPs1,Ps2の幅に応じて試料61における歪みの空間的な分布を検出する(ステップS205)。
具体的には、歪み分布検出部10dは、各サテライトピークPs1,Ps2の半値幅W1,W2が小さいほど試料61の空間的に歪みの差が少なく、試料61の全域に均一に歪みが生じている傾向がある。一方、各サテライトピークPs1,Ps2の半値幅W1,W2が大きいほど試料61の空間的に歪みの差が多く、試料61の歪みが空間的に広く分布している傾向がある。
例えば、歪み分布検出部10dは、複数の半値幅W1,W2の平均値を算出し、その算出した平均値に基づき歪みの空間的な分布を検出する。
ここで、半値幅W1,W2と歪みの空間的な分布を関連づけることができる原理について説明する。
図4に示すように、各サテライトピークPs1,Ps2の互いに対向する斜辺L1,L2間の差分を第2の周波数差Δf2と規定する。半値幅W1,W2が大きいほど、各サテライトピークPs1,Ps2の頂点に近い第2の周波数差Δf2と各サテライトピークPs1,Ps2の底辺に近い第2の周波数差Δf2との差が大きくなる。第2の周波数差Δf2は、上記第1の周波数差Δf1と同様に、歪みの量を示す値であるため、この場合には、試料61において歪みが大きい箇所と歪みが小さい箇所が存在すること、言い換えると、歪みが空間的に広く分布していることが予想される。よって、半値幅W1,W2により歪みの空間的な分布が検出可能となる。
図3のフローチャートに戻って、歪み割合検出部10eは、試料61の全域に占める歪みが存在しない割合Aを検出する(ステップS206)。この具体的な検出方法については、
図6に示す実験結果とともに後述する。最後に、表示制御部10fは、歪み量、歪み分布及び歪みが存在しない割合Aを示す画像をディスプレイ50に表示し(ステップS207)、歪み検出処理に係るフローチャートを終了する。
【0038】
(実験結果)
次に、本願発明者は、試料61がヒ化ガリウム基板とその基板上に積層されるヒ化アルミニウムガリウム薄膜とを有する場合について上述した
図2のフローチャートに示す周波数解析処理に関する実験を行った。
なお、
図5(a)は、試料が歪みのないアルミニウム金属である場合に予想される周波数解析結果を示すグラフである。
図5(b)は、GaAs基板上にMBE(Molecular Beam Epitaxy)法によってつくられた歪みがあるGaAsとGa0.7Al0.3ASとの超格子構造中のアルミニウムが試料である場合に予想される周波数解析結果を示すグラフである。
図6は、実験により求められたGaAs基板上にMBE法によってつくられた歪みがあるGaAsとGa0.7Al0.3ASとの超格子構造が試料である場合の周波数解析結果を示すグラフである。
【0039】
本願発明者は、歪みが存在しない場合、
図5(a)に示すように、メインピークPmのみが観測されると予想し、歪みが存在する場合、
図5(b)に示すように、5つのサテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5が観測されると予想する。
詳しくは、サテライトピークPs5は、メインピークPmと同一周波数帯で、メインピークPmのピーク値よりも弱い信号強度のピーク値を有する。サテライトピークPs1は、サテライトピークPs5よりも低周波数側に隣接して位置し、サテライトピークPs5のピーク値よりも弱い信号強度のピーク値を有する。サテライトピークPs3は、サテライトピークPs1よりも低周波数側に隣接して位置し、サテライトピークPs1のピーク値よりも弱い信号強度のピーク値を有する。サテライトピークPs2は、サテライトピークPs5よりも高周波数側に隣接して位置し、サテライトピークPs5のピーク値よりも弱い信号強度のピーク値を有する。サテライトピークPs4は、サテライトピークPs2よりも高周波数側に隣接して位置し、サテライトピークPs2のピーク値よりも弱い信号強度のピーク値を有する。
【0040】
本願発明者は、実際に、当該試料61に関して
図2のフローチャートに示す周波数解析処理の実験を行った。このとき、アルミニウム(Al)の核スピンにて試料61の歪みを検出する。この実験結果においては、
図6に示すように、メインピークPmと5つのサテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5が重畳して観測されている。当該実験結果について上述した
図3のフローチャートに示す歪み検出処理が実行された場合、歪み有無判別部10bは、ピークPの数が複数である旨判別し(ステップS201:YES)、試料61に歪みがある旨判別する(ステップS203)。そして、ステップS204~S206に係る処理により、歪み量、歪み分布、歪みが存在しない割合Aが検出され、その検出結果がディスプレイ50に表示される(ステップS207)。よって、歪み検出装置1により、従来では検出が困難であった僅かな当該試料61の歪みの検出が可能となる。
なお、5つのサテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5が観測される場合、歪み量検出部10cは、サテライトピークPs1,Ps2間の第1の周波数差Δf1及びサテライトピークPs3,Ps4間の第1の周波数差Δf1に基づき、例えば、2つの第1の周波数差Δf1の平均値をとることにより、歪み量を検出する。この例に限らず、第1の周波数差Δf1をとるサテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5の組み合わせは適宜変更可能であり、例えば、歪み量検出部10cは、互いに隣接するサテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5間の第1の周波数差Δf1に基づき歪み量を検出してもよい。すなわち、歪み量検出部10cは、サテライトピークPs1,Ps3間の第1の周波数差Δf1、サテライトピークPs1,Ps5間の第1の周波数差Δf1、サテライトピークPs2,Ps5間の第1の周波数差Δf1及びサテライトピークPs2,Ps4間の第1の周波数差Δf1に基づき、例えば、それら第1の周波数差Δf1の平均値をとることにより、歪み量を検出してもよい。
また、サテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5は、共有する1つの積分強度S3を有する。歪み割合検出部10eは、メインピークPmの面積である積分強度Smと積分強度S3に基づき試料61の全域に占める歪みが存在しない割合Aを検出する(ステップS206)。例えば、歪みが存在しない割合Aは、以下の式により導出される。
A=Sm/(S3+Sm)
【0041】
次に、メインピークPmとサテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5が検出される原理について説明する。
試料61の内部の核スピンは、当該の核スピンの位置における磁場の大きさに応じて、電波を吸収する。これが周波数スペクトルのメインピークPmを与える。核スピンの中には、磁場以外に電場勾配の大きさに比例して電波を吸収するものが少なからず存在する。この電場勾配により、試料61を構成する原子の4つのエネルギー準位におけるエネルギーの差が等間隔でなくなるため、周波数スペクトルにおいてメインピークPmの両側に偶数本のサテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5が現れる。隣接するサテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5同士の間隔が電場勾配の大きさに比例する。
試料61の内部に歪みが存在しない場合には、結晶構造の高い対称性を反映して、電場勾配はゼロである。よって、サテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5が現れない。
一方、例えば, GaAs基板上のGa0.7Al0.3ASの超格子構造等のように、異種の物質が界面で接合している場合は明らかに歪みが存在すると考えられる。試料61の内部の界面に歪みが生じることで、結晶構造の対称性が低下するため、電場勾配がゼロではない値を発生させる。これにより、サテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5が現れる。
このような原理に着目して、上記実施形態に係る歪み検出装置1は、サテライトピークの有無、サテライトピーク同士の周波数差を通じて、試料61の歪みを検出している。
【0042】
(効果)
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0043】
(1)歪み検出装置1は、試料61に電波(π/2パルス信号Sg90°及びπパルス信号Sg180°)を送信する送信部30と、送信部30からの電波の送信後に信号(スピンエコー信号Ssp)を受信する受信部40と、受信した信号について周波数解析を行う周波数解析部10aと、周波数解析部10aによる周波数解析結果に基づき複数のピークPが検出された場合には試料61に歪みがある旨判別し、単数のピークPが検出された場合には試料61に歪みがない旨判別する歪み有無判別部10bと、を備える。
この構成によれば、試料61の広範囲の歪みを検出することができる。例えば、試料61の表面から遠い内部に歪みが存在する場合であっても、その歪みを非破壊で検出することができる。
特に、試料61が基板とその基板に積層される半導体である場合には、基板と半導体の格子定数の違いに起因して基板と半導体の界面に歪みが生じ易い。上記構成によれば、この界面の歪みを非破壊で検出することができる。
【0044】
(2)歪み検出装置1は、周波数解析結果に基づき複数のピークPの間、例えば、一対のサテライトピークPs1,Ps2の間の第1の周波数差Δf1に応じて試料61の歪み量を検出する歪み量検出部10cを備える。
この構成によれば、試料61の広範囲の歪み量を検出することができる。例えば、試料61の表面から遠い内部に歪みが存在する場合であっても、その歪み量を検出することができる。特に、試料61が基板と半導体である場合には、基板と半導体の界面における歪み量を検出することができる。
【0045】
(3)複数のピークPは、最大の信号強度を有するメインピークPmと、メインピークPmよりも信号強度が弱いサテライトピークPs1,Ps2と、を備える。歪み検出装置1は、さらに、サテライトピークPs1,Ps2の半値幅W1,W2に応じて試料61における歪みの空間的な分布を検出する歪み分布検出部10dを備える。
この構成によれば、試料61における歪みの空間的な分布を検出することができる。よって、試料61の歪みの詳細を知ることができる。
例えば、歪み分布検出部10dは、半値幅W1,W2が小さいほど試料61の全域に生じている歪みの均一度が高い旨検出し、半値幅W1,W2が大きいほど均一度が低く、試料61の全域における歪みの大きさのバラツキが大きい旨検出する。このように、試料61における歪みの空間的な分布を検出することができる。
【0046】
(4)複数のピークPは、最大の信号強度を有するメインピークPmと、メインピークPmよりも信号強度が弱いサテライトピークPs1,Ps2と、を備える。歪み検出装置1は、さらに、メインピークPmの積分強度SmとサテライトピークPs1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5の積分強度S3に基づき試料61の全域に占める歪みが存在しない割合Aを検出する歪み割合検出部10eを備える。
この構成によれば、試料61の全域に占める歪みが存在しない割合Aを検出することができる。よって、試料61の歪みの詳細を知ることができる。
【0047】
(5)歪み検出装置1は、試料61の周囲に静磁場を生成する静磁場生成部20を備え、送信部30は、電波としてラーモア周波数のπ/2パルス信号Sg90°とπパルス信号Sg180°を予め設定される時間(エコー時間TE/2)間隔で送信し、受信部40は、信号としてスピンエコー信号Sspを受信し、周波数解析部10aは、ラーモア周波数を変化させつつ、スピンエコー信号Sspのピーク強度を検出することにより周波数解析を行う。
この構成によれば、スピンエコー法により周波数解析が行われるため、より正確な歪みの検出を実現することができる。
【0048】
(6)歪み検出方法は、送信部30を通じて試料61に電波(π/2パルス信号Sg90°及びπパルス信号Sg180°)を送信する送信ステップと、送信部30からの電波の送信後に受信部40を通じて信号(スピンエコー信号Ssp)を受信する受信ステップと、受信した信号について周波数解析を行う周波数解析ステップと、周波数解析ステップによる周波数解析結果に基づき複数のピークPが検出された場合には試料61に歪みがある旨判別し、単数のピークが検出された場合には試料61に歪みがない旨判別する歪み有無判別ステップと、を備える。なお、送信ステップは
図2のステップS103に相当し、受信ステップはステップS104に相当し、周波数解析ステップはステップS105に相当し、歪み有無判別ステップは
図3のステップS201~S203に相当する。
この方法によれば、上述したように、試料61の広範囲の歪み量を検出することができる。
【0049】
(7)歪み検出プログラムは、コンピュータである制御部10に、送信部30を通じて試料61に電波を送信した後に受信部40を通じて受信した信号について周波数解析を行う周波数解析機能と、周波数解析機能による周波数解析結果に基づき複数のピークPが検出された場合には試料61に歪みがある旨判別し、単数のピークPが検出された場合には試料61に歪みがない旨判別する歪み有無判別機能(歪み有無判別部10b)と、を実現させる。周波数解析機能は周波数解析部10aの処理により実現され、歪み有無判別機能は歪み有無判別部10bの処理により実現される。
この歪み検出プログラムによれば、上述したように、試料61の広範囲の歪み量を検出することができる。
【0050】
(変形例)
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
【0051】
上記実施形態における歪み検出装置1においては、Point-by-point法による周波数スペクトルが採用されていたが、FT-NMR(フーリエ変換 NMR、Fourier transform)が採用されてもよい。このFT-NMRが採用された場合、歪み検出装置1は、共鳴周波数範囲のあらゆる周波数成分を含む電波を試料61に送信した後に、自由誘導減衰(FID、free induction decay)信号を受信し、この自由誘導減衰信号をフーリエ変換することで周波数解析結果として周波数スペクトルを生成することができる。
【0052】
上記実施形態においては、第1の周波数差Δf1は、
図4に示すように、一対のサテライトピークPs1,Ps2の中心値C1,C2間の差分であったが、これに限らず、例えば、一対のサテライトピークPs1,Ps2のピーク値間の差分であってもよいし、第2の周波数差Δf2と同一であってもよい。
また、歪み分布検出部10dは、各サテライトピークPs1,Ps2の傾きに基づき試料61の歪み量を検出してもよい。歪み分布検出部10dは、各サテライトピークPs1,Ps2の傾きの絶対値が大きい場合、各サテライトピークPs1,Ps2の幅が小さいとして、試料61の空間的に歪み量の差が少ない旨検出し、各サテライトピークPs1,Ps2の傾きの絶対値が小さい場合、各サテライトピークPs1,Ps2の幅が大きいとして、試料61の空間的に歪み量の差が大きい旨検出してもよい。
【0053】
上記実施形態においては、歪み量検出部10cは、一対のサテライトピークPs1,Ps2間の第1の周波数差Δf1に応じて試料61の歪み量を検出していたが、これに限らず、サテライトピークPs1,Ps2の少なくとも何れか一方とメインピークPmとの周波数差に応じて試料61の歪み量を検出してもよい。
【0054】
上記実施形態においては、静磁場磁石21は、超電導磁石もしくは電磁石であったが,これに限らず、永久磁石であってもよい。この場合、歪み検出装置1は、静磁場電源22を備えなくてもよい。
【0055】
試料61は、上記実施形態に限らず、磁性体等であってもよい。
【0056】
上記実施形態においては、歪み割合検出部10eは、周波数解析結果に基づき試料61の全域に占める歪みが存在しない割合Aを検出していたが、試料61の全域に占める歪みが存在する割合を検出してもよい。例えば、歪みが存在する割合は、以下の式により導出される。
A=S3/(S3+Sm)
また、歪みが存在しない割合及び歪みが存在する割合は、計算式により算出されていたが、記憶部10gに記憶される積分強度S3,Smと歪みが存在しない割合又は歪みが存在する割合とが対応づけられたデータテーブルに基づき求められてもよい。
【0057】
上記実施形態においては、歪み分布検出部10dは、各サテライトピークPs1,Ps2の半値幅W1,W2に基づき試料61における歪みの空間的な分布を検出していたが、幅であれば、半値幅W1,W2に限らず、例えば、各サテライトピークPs1,Ps2の底辺の長さであってもよい。
【0058】
上記実施形態においては、歪み検出装置1は、それぞれ独立した送信コイル31と受信コイル41を備えていたが、送受信機能を備えた共通のコイルを備えていてもよい。
【0059】
上記実施形態においては、制御部10は、
図2に示す周波数解析処理の終了後に、自動で、
図3に示す歪み検出処理を開始していたが、周波数解析処理の終了後、ユーザのスイッチ操作をトリガとして歪み検出処理を開始してもよい。
【0060】
上記実施形態においては、歪み検出装置1は、π/2パルス信号Sg90°及びπパルス信号Sg180°を連続的に送信するスピンエコー法を採用していたが、これに限らず、例えば、πパルスSg180°を省略して、π/2パルスSg90°を送信後に信号を受信してもよい。
【0061】
上記実施形態における歪み量検出部10c、歪み分布検出部10d及び歪み割合検出部10eのうち少なくとも何れか一つを省略してもよい。また、表示制御部10f及びディスプレイ50は、歪み検出装置1とは別に設けられていてもよい。
【0062】
本発明の対象は、歪み検出装置1に限らず、歪み検出装置1の機能を実現するための歪み検出プログラムであってもよい。この歪み検出プログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、HDD(Hard Disk Drive)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 歪み検出装置
10 制御部
10a 周波数解析部
10b 歪み有無判別部
10c 歪み量検出部
10d 歪み分布検出部
10e 歪み割合検出部
10f 表示制御部
10g 記憶部
20 静磁場生成部
21 静磁場磁石
22 静磁場電源
30 送信部
31 送信コイル
32 送信回路
32a 電力調整部
40 受信部
41 受信コイル
42 受信回路
50 ディスプレイ
60 試料台
P ピーク
Pm メインピーク
Ps1,Ps2,Ps3,Ps4,Ps5 サテライトピーク
S1,S2,S3,Sm 積分強度
W1,W2 半値幅
Δf1 第1の周波数差
Δf2 第2の周波数差