(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】スケジューリング方法、情報の送信方法、装置、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 60/02 20090101AFI20220216BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20220216BHJP
H04W 8/02 20090101ALI20220216BHJP
H04W 36/32 20090101ALI20220216BHJP
【FI】
H04W60/02
H04W4/029
H04W8/02
H04W36/32
(21)【出願番号】P 2020528086
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(86)【国際出願番号】 CN2018114440
(87)【国際公開番号】W WO2019109773
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-05-21
(31)【優先権主張番号】201711267636.2
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】李楠
(72)【発明者】
【氏名】李▲セイ▼
(72)【発明者】
【氏名】侯蓉▲キ▼
(72)【発明者】
【氏名】韓志強
(72)【発明者】
【氏名】位寧
(72)【発明者】
【氏名】盧有雄
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-003355(JP,A)
【文献】特開2009-271843(JP,A)
【文献】特開2011-124739(JP,A)
【文献】特開2002-217821(JP,A)
【文献】特開2003-188802(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121676(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0269964(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定することと、
基地局が前記設定情報を前記端末に送信するために、前記設定情報を前記端末が現在属している前記基地局に送信することと、
を含むスケジューリング方法であって、
前記設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含
み、
所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定することは、
端末の走行状態情報に基づいて前記端末がハンドオーバ実行領域まで移動するのに必要な時間を確定し、前記走行軌跡におけるターゲット基地局のネットワーク状態情報に基づいて前記ターゲット基地局の空きの時間領域リソースおよび空きの周波数領域リソースを前記端末に割り当てることを含み、
前記ハンドオーバ実行領域は、前記端末がハンドオーバを開始する領域であり、前記ターゲット基地局は、前記端末が現在属している基地局に隣接する基地局であり、
所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定することは、
前記走行軌跡に基づいて前記走行軌跡に対応するN個の道路位置を取得することと、
道路位置と平均チャネルゲインとの対応関係を含む第2プリセットマッピング関係から、N個の前記道路位置に対応するN個の平均チャネルゲインを取得することと、
前記平均チャネルゲインの値がプリセットされた平均チャネルゲインの閾値よりも小さい道路位置を能動的再送位置として確定することと、
確定されたM個の能動的再送位置を前記設定情報に添加することと、
を含み、
Nは1以上の整数であり、Mは0以上の整数であり、MはN以下である、
スケジューリング方法。
【請求項2】
所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定する前に、
所定の時間帯内の端末の走行軌跡を取得することを更に含
み、
所定の時間帯内の端末の走行軌跡を取得することは、
前記端末の走行状態情報に基づいて所定の時間帯内の前記端末の走行軌跡を予測することを含む、
請求項1に記載のスケジューリング方法。
【請求項3】
前記端末の走行状態情報に基づいて所定の時間帯内の前記端末の走行軌跡を予測する前に、
前記基地局から送信された、走行状態情報を少なくとも含む伝送リソース割当要求を受信することを更に含む、請求項
2に記載のスケジューリング方法。
【請求項4】
所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定することは、
端末の走行状態情報、および、走行状態情報における走行速度と伝送周期との対応関係を含む第1プリセットマッピング関係に基づいて前記端末の伝送周期を確定することを含む、請求項1に記載のスケジューリング方法。
【請求項5】
前記端末が更新した走行状態情報および前記第1プリセットマッピング関係に基づいて前記端末の新たな伝送周期を確定することと、
前記新たな伝送周期が前記端末の前記伝送周期と同じであるか否かを判断することと、
前記新たな伝送周期が前記伝送周期と異なる場合、前記設定情報における前記伝送周期を前記新たな伝送周期に置き換えることと、
を更に含む、請求項
4に記載のスケジューリング方法。
【請求項6】
前記走行状態情報は、現在の走行速度、現在の位置座標、および経路計画情報を少なくとも含む、請求項
2~5のいずれか1項に記載のスケジューリング方法。
【請求項7】
前記設定情報は、伝送再設定周期を更に含む、請求項1に記載のスケジューリング方法。
【請求項8】
端末の走行状態情報および第1プリセットマッピング関係に基づいて前記端末の伝送周期を確定した後、
前記伝送周期に基づき、前記伝送周期に対応するプリセット再設定区間内の整数である前記端末の伝送再設定周期を確定することを更に含む、請求項
7に記載のスケジューリング方法。
【請求項9】
基地局から送信された、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む設定情報を受信することと、
前記設定情報に基づいて走行状態情報を送信することと、
を含
み、
前記設定情報を確定することは、
端末の走行状態情報に基づいて前記端末がハンドオーバ実行領域まで移動するのに必要な時間を確定し、走行軌跡におけるターゲット基地局のネットワーク状態情報に基づいて前記ターゲット基地局の空きの時間領域リソースおよび空きの周波数領域リソースを前記端末に割り当てることを含み、
前記ハンドオーバ実行領域は、前記端末がハンドオーバを開始する領域であり、前記ターゲット基地局は、前記端末が現在属している基地局に隣接する基地局であり、
前記走行状態情報は、所定の時間帯内の端末の走行軌跡を予測することに用いられ、
基地局から送信された設定情報を受信した後、
前記設定情報に前記能動的再送位置が含まれているか否かを判断することと、
前記設定情報に前記能動的再送位置が含まれている場合、前記能動的再送位置まで走行する時刻を計算することと、
前記時刻に基づいて再送スロットを確定することと、
前記再送スロットを前記基地局に送信することと、
を更に含み、
前記時刻に基づいて再送スロットを確定した後、
前記再送スロットに達したか否かを判断することと、
前記再送スロットに達した場合、前記基地局へ連続したT個(Tは2以上の整数)のスロットで同じ走行状態情報を送信することと、
を更に含む、
情報の送信方法。
【請求項10】
基地局から送信された設定情報を受信する前に、
走行状態情報を少なくとも含む伝送リソース割当要求を基地局に送信することを更に含む、請求項
9に記載の情報の送信方法。
【請求項11】
前記設定情報は、伝送再設定周期を更に含む、請求項
9に記載の情報の送信方法。
【請求項12】
前記端末が走行状態情報を送信する回数である送信回数を統計することと、
前記送信回数が前記伝送再設定周期に達する前に、設定情報を受信したか否かを判断することと、
設定情報を受信せずに送信回数が前記伝送再設定周期に達した場合、前記基地局に走行状態情報を送信することを停止し、前記端末が現在使用している伝送リソースを解放することと、
設定情報を受信して送信回数が前記伝送再設定周期に達した場合、前記設定情報に基づいて前記基地局に走行状態情報を送信し、計数を再開することと、
を含む、請求項
11に記載の情報の送信方法。
【請求項13】
前記設定情報に基づいて前記基地局に走行状態情報を送信することは、
前記設定情報に新たな伝送リソースが含まれている場合、前記端末が新たな伝送リソースに従って前記基地局に走行状態情報を送信することと、
前記設定情報に元の設定を変更しないことを前記端末に通知する識別子が含まれている場合、前記端末が元の設定情報に基づいて前記基地局に走行状態情報を送信することと、
を含む、請求項
12に記載の情報の送信方法。
【請求項14】
所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定するように構成される設定モジュールと、
基地局が前記設定情報を前記端末に送信するために、前記設定情報を前記端末が現在属している
前記基地局に送信するように構成される送信モジュールと、
を備えるスケジューリング装置であって、
前記設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含
み、
前記設定モジュールは、
端末の走行状態情報に基づいて前記端末がハンドオーバ実行領域まで移動するのに必要な時間を確定し、前記走行軌跡におけるターゲット基地局のネットワーク状態情報に基づいて前記ターゲット基地局の空きの時間領域リソースおよび空きの周波数領域リソースを前記端末に割り当てるように構成され、
前記ハンドオーバ実行領域は、前記端末がハンドオーバを開始する領域であり、前記ターゲット基地局は、前記端末が現在属している基地局に隣接する基地局であり、
前記設定モジュールは、
前記走行軌跡に基づいて前記走行軌跡に対応するN個の道路位置を取得し、
道路位置と平均チャネルゲインとの対応関係を含む第2プリセットマッピング関係から、N個の前記道路位置に対応するN個の平均チャネルゲインを取得し、
前記平均チャネルゲインの値がプリセットされた平均チャネルゲインの閾値よりも小さい道路位置を能動的再送位置として確定し、
確定されたM個の能動的再送位置を前記設定情報に添加するように構成され、
Nは1以上の整数であり、Mは0以上の整数であり、MはN以下である、
スケジューリング装置。
【請求項15】
基地局から送信された、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む設定情報を受信するように構成され
る情報受信モジュールと、
前記設定情報に基づいて走行状態情報を送信するように構成され
る情報送信モジュールと、
を備え
、
前記走行状態情報は、所定の時間帯内の端末の走行軌跡を予測することに用いられ、
前記設定情報を確定することは、
端末の走行状態情報に基づいて前記端末がハンドオーバ実行領域まで移動するのに必要な時間を確定し、前記走行軌跡におけるターゲット基地局のネットワーク状態情報に基づいて前記ターゲット基地局の空きの時間領域リソースおよび空きの周波数領域リソースを前記端末に割り当てることを含み、
前記ハンドオーバ実行領域は、前記端末がハンドオーバを開始する領域であり、前記ターゲット基地局は、前記端末が現在属している基地局に隣接する基地局であり、
前記情報送信モジュールは、更に、
前記設定情報に前記能動的再送位置が含まれているか否かを判断し、
前記設定情報に前記能動的再送位置が含まれている場合、前記能動的再送位置まで走行する時刻を計算し、
前記時刻に基づいて再送スロットを確定し、
前記再送スロットを前記基地局に送信するように構成され、
前記情報送信モジュールは、更に、
前記再送スロットに達したか否かを判断し、
前記再送スロットに達した場合、前記基地局へ連続したT個(Tは2以上の整数)のスロットで同じ走行状態情報を送信するように構成される、
情報の送信装置。
【請求項16】
前
記情報送信モジュールは、更に、走行状態情報を少なくとも含む伝送リソース割当要求を基地局に送信するように構成される、請求項
15に記載の情報の送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が201711267636.2、出願日が2017年12月05日である中国特許出願に基づいて提出され、且つ該中国特許出願に対して優先権の利益を主張するものであり、該中国特許出願の全ての内容を参照として本願に援用する。
【0002】
本発明は、無線通信分野に関し、特に、スケジューリング方法、情報の送信方法、装置、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
ロングタームイボリューション技術(LTE、Long Term Evolution)の半持続的スケジューリング(SPS、Semi-Persistence Schedule)とは、スケジューリング伝送過程において、基地局は、初期スケジューリング時に物理下り制御チャネル(PDCCH、Physical Downlink Control Channel)を介してユーザに現在のスケジューリング情報を示し、ユーザが半持続的スケジューリングであると識別すれば、現在のスケジューリング情報を保存し、固定の周期おきに同じリソース位置で該トラフィックデータの送信または受信を行うことである。そのため、半持続的スケジューリング伝送を用いることにより、パケットの周期性の特徴を十分に用いることができ、1回のグラントで周期的に使用し、LTEシステムのスケジューリング指示のためのPDCCHリソースを効果的に節約することができる。従来の半持続的スケジューリング方式は、主に周期性特徴を有するトラフィック、例えば、ネットワーク音声トラフィック(VoIP、Voice over Internet Protocol)に向け、1つのSPS段階内で基地局によりランダムに選択されて割り当てられた固定の伝送周期およびリソースを用いるとともに、ハイブリッド自動再送(HARQ、Hybrid Automatic Repeat Request)メカニズムにより伝送の信頼性の保障を提供する。
【0004】
交通運送通信分野において、端末側(車両、船舶、飛行機、電気自動車、自転車、または端末を持っている人であってもよい)は、主に自己位置、速度、加速度等を含むリアルタイム状態情報をネットワーク側(例えば、基地局、サーバ等)に報告する必要があり、このようなパケットサイズが相対的に固定であるが、端末の移動速度が速く、状態更新が迅速であるため、関連技術のスケジューリング過程において、パラメータの設定が柔軟でなく、端末の高速運動状態での端末状態のタイムリーな更新を満足できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、関連技術のスケジューリング方法のパラメータの設定が柔軟でなく、端末状態の更新が遅いという問題を解決するためのスケジューリング方法、情報の送信方法、装置、および記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、第1態様において、本発明は、所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定することと、前記設定情報を前記端末が現在属している基地局に送信することとを含むスケジューリング方法であって、前記設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含むスケジューリング方法を提供する。
【0007】
第2態様において、本発明は、サーバから送信された、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む設定情報を受信することと、前記設定情報を端末に送信することとを含むスケジューリング方法を更に提供する。
【0008】
第3態様において、本発明は、基地局から送信された、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む設定情報を受信することと、前記設定情報に基づいて走行状態情報を送信することとを含む情報の送信方法を更に提供する。
【0009】
第4態様において、本発明は、所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定するための設定モジュールと、前記設定情報を前記端末が現在属している基地局に送信するための送信モジュールとを備えるスケジューリング装置であって、前記設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含むスケジューリング装置を更に提供する。
【0010】
第5態様において、本発明は、サーバから送信された、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む設定情報を受信するように構成される第1情報受信モジュールと、前記設定情報を端末に送信するように構成される第1情報送信モジュールとを備えるスケジューリング装置を更に提供する。
【0011】
第6態様において、本発明は、基地局から送信された、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む設定情報を受信するように構成される第2情報受信モジュールと、前記設定情報に基づいて走行状態情報を送信するように構成される第2情報送信モジュールとを備える情報の送信装置を更に提供する。
【0012】
第7態様において、本発明は、プロセッサにより実行されると、上記スケジューリング方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている記憶媒体を更に提供する。
【0013】
第8態様において、本発明は、プロセッサにより実行されると、上記情報の送信方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている記憶媒体を更に提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、端末の所定の時間帯内の走行軌跡に対する予測結果と組み合わせることにより、端末に対して端末自体の走行状態に合わせるスケジューリング情報パラメータの設定を行い、端末状態の取得をよりタイムリーにさせ、関連技術におけるスケジューリング方法のパラメータの設定が柔軟でなく、端末状態の更新が遅いという問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例のスケジューリング方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例における基地局のカバー範囲およびハンドオーバ実行領域の模式図である。
【
図3】本発明の実施例における伝送周期の調整模式図である。
【
図4】関連技術におけるデータ衝突の模式図である。
【
図5】本発明の実施例における道路領域の分割および位置インデックス識別子の模式図である。
【
図6】本発明の実施例におけるスケジューリング方法のフローチャートである。
【
図7】本発明の実施例における情報の送信方法のフローチャートである。
【
図8】本発明の実施例における端末が能動的に再送する模式図である。
【
図9】本発明の実施例におけるスケジューリング装置の1つの好ましい構造模式図である。
【
図10】本発明の実施例におけるスケジューリング装置の別の好ましい構造模式図である。
【
図11】本発明の実施例における情報の送信装置の構造模式図である。
【
図12】本発明の実施例におけるカーネットワーキングシステムの構成の模式図である。
【
図13】本発明の実施例におけるサーバプラットフォームの模式図である。
【
図14】本発明の実施例に係る電子機器のハードウェア構成の構造模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
関連技術におけるスケジューリング方法のパラメータの設定が柔軟でなく、端末状態の更新が遅いという問題を解決するために、本発明は、スケジューリング方法、情報の送信方法、装置、および記憶媒体を提供し、以下、図面および実施例を参照しながら、本発明について更に詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0017】
本発明の実施例は、スケジューリング方法を提供し、そのフローチャートは
図1に示すように、具体的に、ステップS101およびS102を含む。
【0018】
S101において、所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定する。
【0019】
S102において、設定情報を端末が現在属している基地局に送信し、ここで、設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む。
【0020】
本実施例において、端末は、車両、船舶、飛行機、電気自動車または自転車等の交通機関に取り付けられ、または人が持って移動や走行する独立した装置であってもよく、他の機器に集積されて上記交通機関に取り付けられてもよい。端末は、走行ニーズに応じて走行ルートを計画してもよく、他の機器から走行ルートを取得してもよく、例えば、他の機器と共有するルート等を取得してもよい。本実施例に係る方法は、サーバまたはネットワークコントローラ等の基地局を管理・制御する機器のようなネットワーク側機器に適用され、該ネットワーク側機器に複数の基地局が接続され、または該ネットワーク側機器の機能を実現するエンティティは、ある基地局の内部に位置する。以下、サーバを例とし、サーバが基地局を介して端末の走行状態情報を取得し、基地局を介してサーバによりスケジューリングされて確定された設定情報を端末に送信する。
【0021】
サーバが設定情報を確定する前に、まず、所定の時間帯内の端末の走行軌跡を取得する必要があり、該走行軌跡は、サーバ自体により端末の走行状態情報に基づいて予測されてもよく、他の中間機器(例えば、路側ユニット(RSU、Road Side Unit))等が基地局に送信した走行軌跡予測結果を受信することにより取得されてもよく、ここで、走行状態情報は、現在の走行速度、現在の位置座標、および経路計画情報等を含んでもよく、端末の加速度、走行時間等の情報を更に含んでもよい。所定の時間帯内の走行軌跡の予測を行う場合、該所定の時間帯は、実際の状況に応じて設定されてもよく、例えば、始点から終点まで端末が要する総時間と設定してもよく、シグナリングの送信を節約し、ひいてはエアインタフェースを節約する。あるいは、固定の間隔(例えば、30分間ごとに)で走行軌跡予測を1回行うことにより、走行軌跡の予測をより正確にさせ、更に後続の伝送パラメータの設定をより柔軟にさせることができる。走行軌跡予測結果は、特定の時刻における端末の地理位置座標、特定の時刻に端末が位置する基地局識別情報を含んでもよい。
【0022】
端末の走行軌跡を確定した後、該走行軌跡に基づいて設定情報の確定を行い、ここで、設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置を含んでもよい。具体的には、サーバが伝送リソースを確定するとき、各基地局がカバーするセルは同じ周波数領域リソースを用い、まず、端末の走行状態情報に基づいて端末がハンドオーバ実行領域まで移動するのに必要な時間を確定し、その後、走行軌跡におけるターゲット基地局のネットワーク状態情報に基づいてターゲット基地局の空きの時間領域リソースおよび空きの周波数領域リソースを設定情報として割り当てて基地局に送信する。時間周波数領域リソースは、一般的に、具体的に占有するサブフレーム番号、占有する周波数領域リソース位置、またはリソースブロック、サブチャネル情報等と表現される。ターゲット基地局は、端末が現在属している基地局に隣接する基地局であり、ターゲット基地局のネットワーク状態情報は、ターゲット基地局の無線リソースの設定状況、サービスユーザ識別子および現在のネットワーク負荷等を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0023】
実際の端末の移動過程において、端末が走行状態情報を周期的にアップロードするため、その中に含まれる現在位置情報に基づき、端末が間もなく現在属しているセルのハンドオーバ実行領域に移動すると判断すると、現在のターゲット基地局の使用可能なリソースを再び確認し、具体的な過程は以下のとおりであってもよい。ターゲット基地局に該端末の現在リソースの設定状況を送信し、ターゲット基地局により、該端末の現在リソースがターゲット基地局のカバーするセル内で使用可能であるか否かを判断し、使用可能であれば、ターゲット基地局はリソースが使用可能であることを確認してサーバに通知し、使用不能であれば、ターゲット基地局は現在の空きリソースからリソースを再選択し、リソース設定結果をサーバに通知する。ハンドオーバの前に端末のために伝送リソースを確定することにより、端末がハンドオーバ後にリソースの申し込みを再び行うことを回避し、伝送の中断確率を低減し、端末が頻繁なハンドオーバ過程において複数回のリソース再選択を行うことをできるだけ回避し、更に伝送リソースの再設定の回数を減少し、ネットワークリソース設定の最適化に寄与し、頻繁な再設定によるシグナリングのオーバーヘッドおよびリソースの浪費等の問題を緩和する。
【0024】
1つの好ましい実施例において、ハンドオーバ実行領域は、一般的にセルの端に位置し、端末がハンドオーバ実行領域に達したか否かを判断する方法は以下のとおりであってもよい。端末の現在の位置座標情報および予め記憶されたセル座標情報に基づき、端末がハンドオーバ実行領域に達したか否かを判断し、または、端末が現在の基地局の下り信号の受信強度を継続的に測定し、測定値がプリセットされた閾値よりも低くなると、端末がハンドオーバ実行領域に入ったことを示す。
【0025】
以下、車両端末の走行を例とし、
図2を参照しながら車両端末がハンドオーバ実行領域に移動した場合のリソース割当過程について説明する。ここで、サーバには、基地局1および基地局2が1次元座標区間の形式で示す範囲分布情報が予め記憶され、それぞれ(0,500m)および(500,1000m)であり、ハンドオーバ実行領域の範囲を(450,550m)と確定する。
【0026】
S11において、サーバは、まず、車両Aの座標形式で示す走行軌跡予測結果を取得し、車両Aの走行軌跡を判断するには、基地局1および基地局2がカバーするセルを通過した後、基地局1および基地局2の現在のリソース設定情報を取得する必要がある。
【0027】
S12において、基地局1の空きリソースから、車両Aのために伝送リソースを選択して割り当て、1回目の伝送に用いられるサブフレーム番号をpと記すと、リソース選択は、p+s/vサブフレームで選択されたリソースが基地局2(すなわち、ターゲット基地局)で占有されないことを満足すべきであり、ただし、sは車両Aの現在位置からハンドオーバ領域の境界までの距離であり、vは車両Aの現在速度であり、両者の比はミリ秒を単位とする。
【0028】
S13において、車両Aがハンドオーバ実行領域に入ると、サーバは基地局2の現在の使用可能なリソースを再び確認し、車両Aの基地局1における現在使用しているリソースが基地局2で依然として使用可能であるか否かを判断する。
【0029】
S14において、使用可能であれば、基地局2はリソースが使用可能であることを確認し、使用不能であれば、基地局2は、現在の空きリソースからリソースをランダムに再選択し、リソース設定結果をサーバに通知し、また、サーバにより基地局1を介して車両Aに更に通知することで、車両Aがハンドオーバ実行領域から離れる場合にタイムリーに基地局2の使用可能なリソースにハンドオーバできることを確保する。
【0030】
サーバが伝送周期を確定する場合、端末の走行状態情報および第1プリセットマッピング関係に基づいて伝送周期を確定する。ここで、第1プリセットマッピング関係は、走行状態情報における走行速度と伝送周期との対応関係を含み、具体的には、履歴データまたは経験値に基づいて予め確立された第1マッピング表であってもよく、マッピング関係に合致した関数式であってもよい。ここで、走行状態情報における走行速度は、端末の現在の走行速度であってもよく、連続した複数回受信した走行速度を平均計算し、平均走行速度を用いて伝送周期を確定してもよい。本実施例において、第1マッピング表を、伝送周期を確定する根拠として用い、該第1マッピング表は表1に示すとおりである。表1は、本実施例における1つの好ましい対応関係だけを示し、表における具体的な数値は端末のトラフィックタイプの異なりに応じて修正できることが理解されるべきである。
【0031】
【0032】
端末に伝送リソースおよび伝送周期を割り当てた後、端末は伝送周期を間隔として該伝送リソースを占有して伝送を行う。異なる走行状態の端末に対し、ネットワーク側(サーバ)が要求する状態情報の更新頻度は異なる。端末の走行速度が速い場合、端末位置等の状態変化が速く、それに対応してより速い状態情報の更新頻度を設定すべきであり、従って、該端末がより小さい時間粒度でデータ生成および報告伝送を行う必要があり、ネットワーク側が相関予測および決定プロセスを実行するときにより高い時効性および信頼性を有することを確保する。一方、端末が徐行または一時停止の状態にある場合、自己位置、速度等の状態更新が遅いため、高頻度で繰り返して報告する必要がない。
【0033】
伝送を端末の走行状態により合わせるために、本実施例に係る伝送周期の最適化の形態は以下のとおりである。サーバは、端末から報告された最近の複数回(例えば、5回)の走行速度の平均速度に基づき、伝送周期を再確定し、新たに確定した伝送周期が端末の現在使用している伝送周期と同じであるか否かを判断し、同じであれば、伝送周期を修正する必要がなく、同じでなければ、新たな伝送周期を用いて設定周期における元の伝送周期を置き換え、端末が新たな伝送周期に基づいて走行状態情報の送信を行うようにさせることで、端末が要求する状態情報の更新頻度を満足する。
図3は、伝送周期の値を調整する過程の模式図であり、図において、端末の伝送周期は100msから50msに変更される。
【0034】
端末が伝送周期に従って伝送して一定の回数に達した後、端末の走行速度は変化する可能性があり、最初に設定された伝送周期は、現在の走行速度の時効性を確保できない可能性があり、または現在の速度が遅く、走行状態情報を急速に報告する必要がないため、伝送周期の値を再設定してもよく、該回数は伝送再設定周期である。本発明の実施例において、サーバは、異なる伝送周期値に対応する再設定区間を予め設定し、再設定区間値の範囲の設定は、「伝送周期が短いほど、伝送回数が多くなる」という規則に従い、伝送再設定周期は伝送周期に対応するプリセット再設定区間内の整数である。実際に端末のために設定された伝送周期に基づき、対応するプリセット再設定区間内から1つの数を伝送再設定周期としてランダムに選択する。端末による走行状態情報の報告は長期持続的なトラフィック(VoIPと異なる)であるため、端末がネットワークから切断されない限り、エンドユーザは上り伝送を能動的に停止せず、再設定周期が短すぎると、頻繁に再設定し、制御シグナリングのオーバーヘッドを増やすが、伝送再設定周期が長すぎると、パラメータの設定の柔軟性を低減し、伝送性能の向上に影響を与えるため、伝送再設定周期の区間は、上記2点の因素をトレードオフして設定すべきである。設定された伝送再設定周期は、設定情報として共に端末に送信されてもよいことが理解されるべきである。
【0035】
更に、関連技術におけるHARQ技術を使用する過程が煩雑であり、
図4に示すような上りデータ衝突の問題が生じやすいことについては、本実施例に係る最適化形態は以下のとおりである。能動的再送位置を設けることにより解決し、走行軌跡および履歴データを予測することにより伝送誤りを早期に回避する。端末の走行軌跡を取得した後、走行軌跡に基づいて該走行軌跡が通過したN個の道路位置を取得し、第2プリセットマッピング関係からN個の道路位置に対応するN個の平均チャネルゲインを取得し、平均チャネルゲインの値がプリセットされた平均チャネルゲインの閾値よりも小さい道路位置を能動的再送位置として確定し、且つ、設定情報を送信する際に、確定されたM個の能動的再送位置を設定情報に添加して共に端末に送信し、ここで、Nは1以上の整数であり、Mは0以上の整数であり、MはN以下である。第2マッピング表を第2プリセットマッピング関係として好ましく用いることができ、路側の建築物等の信号遮蔽体の位置が相対的に固定し、且つ、基地局と道路との間の距離が固定するため、大量のチャネル品質観測サンプルに対する統計分析に基づき、端末が位置する道路における各位置点から基地局までの間のチャネルの大規模フェージング情報を予測し、潜在的な通信リンクの平均チャネルゲインを計算することにより、各セルがカバーする道路セグメントの「道路位置-平均チャネルゲイン」マッピング表を更に構築することができることが理解されるべきである。第2マッピング表として、主に道路位置と平均チャネルゲインとの対応関係を含む。
【0036】
第2マッピング表を構築および更新するステップは以下のとおりである。
【0037】
S21において、各基地局がカバーする道路セグメントを複数のX×Y(例えば、4m×2m)の矩形領域に分割し、順次番号を付けて位置インデックス識別子とし、
図5に示すとおりである。
【0038】
S22において、各矩形領域内で、基地局は、上り通信を行う全ての移動端末に対して上りチャネル検出を行い、各移動端末から基地局までの間のチャネルゲイン値を取得し、基地局は、上記各矩形領域内の端末の上りチャネル情報を収集する動作を固定の時間間隔(例えば、1min)でZ回(例えば、20回)繰り返して実行し、道路位置インデックスを対応する1組のチャネルゲイン値と共にネットワーク側にアップロードする。
【0039】
S23において、ネットワーク側がデータサンプルをまとめて検出し、且つ統計分析を行い、各道路位置インデックスに対応する平均チャネルゲインを計算し、第2プリセットマッピング表を構築し、表2に示すとおりである。
【0040】
S24において、移動端末が道路セグメント内でランダムに分布するため、いくつかの矩形領域の統計時刻における移動端末数がゼロである場合が存在する可能性があり、このようなサンプルデータが欠落した矩形領域の場合、ネットワーク側は、それに隣接する全ての矩形領域の平均チャネルゲインを平均し平均値を取得し、該矩形領域の平均チャネルゲインの平滑化推定値として第2プリセットマッピング表に記入する。
【0041】
S25において、固定の周期の間隔をあけてステップS2~S4を繰り返して実行し、第2プリセットマッピング表を更新し、表の内容の時効性を確保する。
【0042】
【0043】
端末の実際の移動過程において、道路渋滞または臨時イベントにより走行の軌跡が変わる可能性があり、このとき、サーバは、端末の走行軌跡を改めて取得するため、新たな走行軌跡に基づいて能動的再送位置を再確定し、新たに確定した複数の能動的再送位置を端末に送信する必要がある。車両端末の走行を例とし、1つの能動的再送位置を確定して更新する具体的な実施例は以下のとおりである。
【0044】
S31において、車両位置を全地球測位システム(GPS、Global Positioning System)座標で表し、サーバは、基地局からアップロードされた車両の位置速度情報および経路計画情報を収集する。
【0045】
S32において、現在位置を始点とし、tを時間粒度とし、ナビゲーション経路で時刻がt、2t、3t、……、n×tである際の車両の位置座標を計算し、ここで、nは、n×t=floor(プリセットされた予測距離/現在の車速)という関係式を満足し、ここで、プリセットされた予測距離は、100mであることが好ましい。
【0046】
S33において、車両が走行している時間内に、位置座標列で表される車両の実際の走行軌跡、位置および速度情報を継続的に受信し、更新した走行軌跡予測結果を取得する。車両の実際位置が予測軌跡からずれたことを検出した場合、S32を繰り返して軌跡予測結果の修正を行い、車両が予測軌跡からずれることなく走行する場合、車両がn個目の予測位置に位置することを検出すると、S32ステップを繰り返して軌跡予測結果の新規追加を行う。
【0047】
車両の更新後の軌跡予測結果に基づき、表2を照会して新たな能動的に再送する位置点を確定し、結果を車両が属している基地局に送信する。
【0048】
本実施例において、サーバは、基地局からアップロードされた伝送リソース割当要求を受信することができ、ここで、伝送リソース割当要求は端末の走行状態情報を含んでもよく、端末のトラフィックデータ量、時間オフセット、トラフィック周期および優先度等の情報を更に含んでもよく、サーバは伝送リソース割当要求に応じて端末のために設定情報を確定する。
【0049】
本実施例は、端末の所定の時間帯内の走行軌跡に対する予測結果と組み合わせることにより、端末に対して端末自体の走行状態に合わせるスケジューリング情報パラメータの設定を行い、端末状態の取得をよりタイムリーにさせ、関連技術におけるスケジューリング方法のパラメータの設定が柔軟でなく、端末状態の更新が遅いという問題を解決する。
【0050】
本発明の第2実施例は、スケジューリング方法を提供し、そのフローチャートは
図6に示すように、主にステップS601およびS602を含む。
【0051】
S601において、サーバから送信された設定情報を受信し、ここで、設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む。
【0052】
S602において、設定情報を端末に送信する。
【0053】
本実施例に係るスケジューリング方法は基地局に適用され、基地局の上流に設定情報を提供するサーバが接続され、下流に複数の端末が接続されている。基地局は、端末から送信された走行状態情報を受信し、走行状態情報をサーバに送信し、サーバが設定情報を生成した後、設定情報を基地局に送信し、基地局により設定情報を対応する端末に送信し、ここで、端末からアップロードされた走行状態情報には、現在の走行速度、現在の位置座標、および経路計画情報等が含まれてもよく、端末の加速度、走行時間等の情報が更に含まれてもよい。設定情報には、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置等が含まれてもよい。端末が走行状態情報を送信する周期を端末の移動状態により合わせるために、サーバは端末の現在の走行速度に基づいて伝送周期を更新し、新たな伝送周期を含む設定情報を基地局に送信し、基地局が受信した後、設定情報を端末に送信することで、端末は新たな伝送周期に基づいて走行状態情報を送信する。
【0054】
いくつかの好ましい実施例において、サーバから送信された設定情報を受信する前に、基地局は更に、端末が能動的に送信した伝送リソース割当要求を受信するし、該伝送リソース割当要求をサーバに送信することができ、ここで、該伝送リソース割当要求は端末の走行状態情報を含んでもよく、端末のトラフィックデータ量、時間オフセット、トラフィック周期および優先度等情報を更に含んでもよく、サーバは伝送リソース割当要求に応じて端末のために設定情報を確定する。
【0055】
関連技術におけるHARQ技術を使用する過程が煩雑で、
図4に示すような上りデータ衝突の問題が生じやすいことについては、サーバから送信された設定情報に能動的再送位置が含まれてもよく、端末が受信した設定情報に能動的再送位置が含まれていると、端末は能動的再送位置に基づき、自体の走行状態と合わせて能動的再送を行う必要のある再送スロットを取得し、該再送スロットを基地局に送信し、基地局は、該再送スロットを受信した後、再送スロットに達したか否かを判断し、再送スロットに達していない場合、基地局は通常の1回の受信を行い、再送スロットに達した場合、連続したT個のスロットは端末から送信された走行状態情報を受信し、且つ、連続したT個のスロットで受信した端末から送信された走行状態情報を統合復号化した後、サーバに送信し、統合復号化が失敗すれば、今回受信した走行状態情報を直接破棄し、再送しない。いくつかの好ましい実施例において、Tは2以上の整数であり、基地局は再送スロットを受信した後、自体の時間周波数リソースに対して空き判断を行い、再送スロットの最後のT-1個のスロットに対応する時間周波数リソースが空いている場合、基地局は端末のために、この部分のリソースを再送するために保留し、再送スロットの最後のT-1個のスロットに対応する時間周波数リソースが占有された場合、基地局は端末のために再送リソースを再割り当て、端末に再送リソース指示情報を送信する。
【0056】
端末が伝送周期に従って伝送して一定の回数に達した後、端末の走行速度は変化する可能性があり、最初に設定された伝送周期は、現在の走行速度の時効性を確保できない可能性があり、または現在の速度が遅く、走行状態情報を急速に報告する必要がないため、伝送周期の値を再設定してもよく、該回数は伝送再設定周期(Qと記す)である。サーバから送信された設定情報に伝送再設定周期が含まれている場合、基地局は、端末が走行状態情報を送信する回数である伝送回数を統計し、伝送回数が、サーバにより確定された伝送再設定周期に達する前(通常、Q-1回目の伝送の後、Q回目の伝送の前)に、基地局はリソースの再設定を行う必要があるか否かを判断し、リソースの再設定を行う必要がある場合、サーバに伝送リソースの再設定を要求し、サーバから送信された新たな伝送リソースを含む設定情報を端末に送信し、且つ、伝送回数がQに達した後、設定情報における伝送再設定周期に基づいて再計数する。リソースの再設定を行う必要がない場合、元の設定を変更しないことを端末に通知する識別子を含む設定情報を端末に送信し、伝送回数がQに達した後、既存の伝送再設定周期に基づいて再計数する。元の設定を変更しない識別子は1ビットの情報ビットであってもよく、設定が変化したか否かを指示するために用いられ、設定が変化した場合、設定情報において新たな設定パラメータ情報(例えば、新たな伝送リソース等)を担持し、設定が変化していない場合、設定が変化していないことのみを指示し、設定パラメータ情報を担持しない。
【0057】
本実施例において、基地局は、リソースの再設定を行う必要があるか否かを判断する方法は、主に現在の周波数領域リソースのチャネル品質、例えば、基地局が受信した信号の信号強度、平均信号対干渉プラス雑音比等を判断することである。基地局が受信した信号の平均信号対干渉プラス雑音比を判断することを例とし、平均信号対干渉プラス雑音比がプリセット平均信号対干渉プラス雑音比よりも大きければ、現在の周波数領域リソースのチャネル品質が良く、元の伝送パラメータの設定を変更せずに維持することができることを示し、受信した平均信号対干渉プラス雑音比がプリセット平均信号対干渉プラス雑音比よりも小さければ、現在の周波数領域リソースのチャネル品質が既に伝送要求を満足しにくいことを示し、サーバに伝送リソースの再設定を要求する。また、サーバまたは基地局が、端末による走行状態情報の送信を必要としない場合、基地局から送信された設定情報には送信停止識別子が更に含まれ、端末は、送信停止識別子付きの設定情報を受信した後、基地局に走行状態情報を送信することを能動的に停止し、伝送リソースを解放する。
【0058】
本実施例に係るスケジューリング方法は、サーバから送信された設定情報を端末にタイムリーに送信し、且つ、伝送周期、伝送リソース、能動的再送位置等のパラメータが変化した場合、設定情報により、新たな伝送パラメータに基づいて走行状態情報の報告を行うことをタイムリーに端末に通知することで、スケジューリングが端末の移動状態により合わせ、報告された情報がよりリアルタイム性を有するようにする。
【0059】
本発明の実施例は、情報の送信方法を提供し、そのフローチャートは
図7に示すように、主にステップS701およびS702を含む。
【0060】
S701において、基地局から送信された設定情報を受信し、ここで、設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む。
【0061】
S702において、設定情報に基づいて走行状態情報を送信する。
【0062】
本実施例に係る方法は端末に適用され、本実施例において、端末は、車両、船舶、飛行機、電気自動車または自転車等の交通機関に取り付けられ、または人が持って移動や走行する独立した装置であってもよく、他の機器に集積されて上記交通機関に取り付けられてもよい。端末は、走行ニーズに応じて走行ルートを計画してもよく、他の機器から走行ルートを取得してもよく、例えば、他の機器と共有するルート等を取得してもよい。
【0063】
端末がスケジューリングされる前に、伝送リソース割当要求を能動的に基地局に送信してもよく、該伝送リソース割当要求には、走行状態情報が含まれてもよく、端末のトラフィックデータ量、時間オフセット、トラフィック周期、および優先度等の情報が更に含まれてもよく、サーバは伝送リソース割当要求に応じて端末のために設定情報を確定することができる。端末は、伝送リソース割当要求を能動的に送信しない場合、サーバによる設定情報の確定を受動的に待ってから、設定情報に基づいて自体の走行状態情報を規則的にアップロードしてもよい。
【0064】
端末は、自体の走行状態情報を送信する場合、走行状態情報を直接現在の基地局に送信し、基地局によりサーバに送信してもよく、走行状態情報を中間機器に送信し、中間機器により走行軌跡予測を行った後、予測結果および走行状態情報を直接基地局に送信し、更に基地局により予測結果および走行状態情報をサーバに送信してもよい。更に、端末は、自体の経路計画情報のみを中間機器に送信し、中間機器により、センサ、速度計、路側ユニット、GPS装置等を介して端末の現在の走行速度および位置座標情報を取得してもよい。
【0065】
端末は、設定情報を受信した後、設定情報に基づいて走行状態情報を送信し、例えば、設定情報における伝送リソースに基づき、対応する時間領域リソースおよび周波数領域リソースで走行状態情報を送信し、あるいは、設定情報における伝送周期に基づき、伝送周期ごとに自体の走行状態情報を1回アップロードし、あるいは、設定情報に能動的再送位置が含まれている場合、該能動的再送位置に達した際に能動的再送を開始する。端末は、設定情報に能動的再送位置が含まれていると判断すると、まず、端末が現在位置から能動的再送位置まで走行する時刻を計算し、その後、該時刻に基づき、現在の走行速度および伝送周期と組み合わせて能動的再送を実行する必要のある再送スロットを確定し、該再送スロットを基地局に送信し、再送スロットに達していない場合、一般的な1回の伝送を行い、再送スロットに達した場合、基地局へ連続したT個のスロットで同じ走行状態情報を送信することが理解されるべきであり、ここで、Tは2以上の整数であり、
図8は、T=2である場合の端末が能動的に再送する模式図である。端末は、能動的再送メカニズムにより、情報の伝送品質を向上させ、伝送過程における信頼性を高め、且つ、関連技術における上りデータの継続的な再送による可能性のあるデータ衝突の問題を回避する。
【0066】
端末の走行軌跡が予測された走行軌跡からずれた場合、サーバは、端末が継続的にアップロードしている走行状態情報に基づいて走行軌跡を再予測し、再予測した走行軌跡に基づいて能動的再送位置を再確定し、基地局により端末に通知し、端末が新たな能動的再送位置を受信した後、再送スロットを再確定し、再確定した再送スロットを基地局に送信し、再確定した再送スロットに達した際に能動的再送を開始する。
【0067】
サーバは、伝送周期を確定した後、更に伝送周期に基づいて伝送再設定周期を確定し、伝送再設定周期を基地局により共に端末に送信する。端末は、伝送再設定周期を含む設定情報を受信すると、自体が走行状態情報を送信する送信回数を統計し、送信回数が伝送再設定周期に達する前に、基地局から送信された設定情報を受信したか否かを判断する。設定情報を受信せずに送信回数が伝送再設定周期に達した場合、端末は、基地局に走行状態情報を送信することを停止し、端末が現在使用している伝送リソースを解放し、設定情報を受信して送信回数が伝送再設定周期に達した場合、設定情報に基づいて基地局に走行状態情報を送信し、送信回数を再統計する。具体的には、端末は、設定情報における具体的な内容に基づき、基地局に走行状態情報を送信し、設定情報に新たな伝送リソースが含まれている場合、端末は、新たな伝送リソースに従って基地局に走行状態情報を送信し、設定情報に元の設定を変更しないことを端末に通知する識別子が含まれている場合、端末は元の設定情報に従って基地局に走行状態情報を送信する。
【0068】
端末側は、送信回数を統計することにより、端末が送信回数に達すると送信を自律的に停止できるようにし、例えば、車両がセルのカバー範囲から離れて基地局から送信された設定情報を受信できない場合、伝送をタイムリーに自律的に終了することができる。また、端末側が送信回数を統計することにより、エンドユーザは、現在の段階の伝送が終了する前に次の段階の伝送パラメータを取得することができ、ユーザが現在の伝送を完了してから再設定のグラントを能動的に要求することを回避し、スケジューリングの連続性を確保し、隣接する2段階の伝送がシームレスに繋がり、スケジューリングの信頼性を高めることができる。
【0069】
本実施例に係る情報の送信方法は、端末がサーバから送信された設定情報に基づいて走行状態情報の送信を行うようにさせ、情報の送信過程を端末の移動特徴により合わせ、スケジューリング過程をより完全かつより柔軟にさせる。
【0070】
本発明の実施例は、スケジューリング装置を提供し、その構造模式図は
図9に示すように、主に設定モジュール901および送信モジュール902を備え、ここで、設定モジュール901は、所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定するように構成され、送信モジュール902は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む設定情報を端末が現在属している基地局に送信するように構成される。
【0071】
本実施例において、端末は、車両、船舶、飛行機、電気自動車または自転車等の交通機関に取り付けられ、または人が持って移動や走行する独立した装置であってもよく、他の機器に集積されて上記交通機関に取り付けられてもよい。端末は、走行ニーズに応じて走行ルートを計画してもよく、他の機器から走行ルートを取得してもよく、例えば、他の機器と共有するルート等を取得してもよい。本実施例に係るスケジューリング装置は、サーバまたはネットワークコントローラ等の基地局を管理・制御する機器のようなネットワーク側機器に取り付けられ、該ネットワーク側機器に複数の基地局が接続され、または該ネットワーク側機器の機能を実現するエンティティは、ある基地局の内部に位置する。以下、サーバを例とし、サーバが基地局を介して端末の走行状態情報を取得し、基地局を介してサーバによりスケジューリングされて確定された設定情報を端末に送信する。
【0072】
設定モジュール901は、設定情報を確定する前に、まず、取得モジュールにより所定の時間帯内の端末の走行軌跡を取得する必要があり、該走行軌跡は、取得モジュール自体により端末の走行状態情報に基づいて予測されてもよく、他の中間機器等が基地局に送信した走行軌跡予測結果を受信することにより取得されてもよく、ここで、走行状態情報は、現在の走行速度、現在の位置座標、および経路計画情報等を含んでもよく、端末の加速度、走行時間等の情報を更に含んでもよい。取得モジュールが所定の時間帯内の走行軌跡の予測を行う場合、該所定の時間帯は、実際の状況に応じて設定されてもよく、例えば、始点から終点まで端末が要する総時間と設定してもよく、シグナリングの送信を節約し、ひいてはエアインタフェースを節約する。あるいは、固定の間隔(例えば、30分間ごとに)で走行軌跡予測を1回行うことにより、走行軌跡の予測をより正確にさせ、更に後続の伝送パラメータの設定をより柔軟にさせることができる。走行軌跡予測結果は、特定の時刻における端末の地理位置座標、特定の時刻に端末が位置する基地局識別情報を含んでもよい。
【0073】
取得モジュールが端末の走行軌跡を確定した後、設定モジュール901は、該走行軌跡に基づいて設定情報の確定を行い、ここで、設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置を含んでもよい。具体的には、設定モジュール901は、伝送リソースを確定するとき、各基地局がカバーするセルは同じ周波数領域リソースを用い、まず、端末の走行状態情報に基づいて端末がハンドオーバ実行領域まで移動するのに必要な時間を確定し、その後、走行軌跡におけるターゲット基地局のネットワーク状態情報に基づいてターゲット基地局の空きの時間領域リソースおよび空きの周波数領域リソースを設定情報として割り当てて基地局に送信する。時間周波数領域リソースは、一般的に、具体的に占有するサブフレーム番号、占有する周波数領域リソース位置、またはリソースブロック、サブチャネル情報等と表現される。ターゲット基地局は、端末が現在属している基地局に隣接する基地局であり、ターゲット基地局のネットワーク状態情報は、ターゲット基地局の無線リソースの設定状況、サービスユーザ識別子および現在のネットワーク負荷等を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0074】
実際の端末の移動過程において、端末が走行状態情報を周期的にアップロードするため、設定モジュール901は、その中に含まれる現在位置情報に基づき、端末が間もなく現在所属セルのハンドオーバ実行領域に移動すると判断すると、現在のターゲット基地局の使用可能なリソースを再び確認し、具体的な過程は以下のとおりである。ターゲット基地局に該端末の現在のリソース設定状況を送信し、ターゲット基地局により、該端末の現在リソースがターゲット基地局のカバーするセル内で使用可能であるか否かを判断し、使用可能であれば、ターゲット基地局はリソースが使用可能であることを確認して設定モジュール901に通知し、使用不能であれば、ターゲット基地局は現在の空きリソースからリソースを再選択し、リソース設定結果を設定モジュール901に通知する。ハンドオーバの前に端末のために伝送リソースを確定することにより、端末がハンドオーバ後にリソースの申し込みを再び行うことを回避し、伝送の中断確率を低減し、端末が頻繁なハンドオーバ過程において複数回のリソース再選択を行うことをできるだけ回避し、更に伝送リソースの再設定の回数を減少し、ネットワークリソース設定の最適化に寄与し、頻繁な再設定によるシグナリングのオーバーヘッドおよびリソースの浪費等の問題を緩和する。
【0075】
いくつかの好ましい実施例において、ハンドオーバ実行領域は、一般的にセルの端に位置し、端末がハンドオーバ実行領域に達したか否かを判断する方法は以下のとおりである。端末の現在の位置座標情報および予め記憶されたセル座標情報に基づき、端末がハンドオーバ実行領域に達したか否かを判断し、または、端末が現在の基地局の下り信号の受信強度を継続的に測定し、測定値がプリセットされた閾値よりも低くなると、端末がハンドオーバ実行領域に入ったことを示す。車両端末の走行を例とし、車両端末がハンドオーバ実行領域に移動した場合のリソース割当過程は、本発明の第1実施例におけるステップS11~S14と同様であり、ここで説明を省略する。
【0076】
設定モジュール901は、伝送周期を確定する場合、端末の走行状態情報および第1プリセットマッピング関係に基づいて伝送周期を確定する。ここで、第1プリセットマッピング関係は、走行状態情報における走行速度と伝送周期との対応関係を含み、具体的には、履歴データまたは経験値に基づいて予め確立された第1マッピング表であってもよく、マッピング関係に合致した関数式であってもよい。ここで、走行状態情報における走行速度は、端末の現在の走行速度であってもよく、連続した複数回受信した走行速度を平均計算し、平均走行速度で伝送周期を確定してもよい。本実施例において、第1マッピング表を、伝送周期を確定する根拠として用い、該第1マッピング表は表1に示すとおりである。表1は、本実施例における1つの好ましい対応関係だけを示し、表における具体的な数値は端末のトラフィックタイプの異なりに応じて修改できることが理解されるべきである。
【0077】
端末に伝送リソースおよび伝送周期を割り当てた後、端末は伝送周期を間隔として該伝送リソースを占有して伝送を行う。異なる走行状態の端末に対し、ネットワーク側が要求する状態情報の更新頻度は異なる。端末の走行速度が速い場合、端末位置等の状態変化が速く、それに対応してより速い状態情報の更新頻度を設定すべきであり、従って、該端末がより小さい時間粒度でデータ生成および報告伝送を行う必要があり、ネットワーク側が相関予測および決定プロセスを実行するときにより高い時効性および信頼性を有することを確保する。一方、端末が徐行または一時停止の状態にある場合、自己位置、速度等の状態更新が遅いため、高頻度で繰り返して報告する必要がない。
【0078】
伝送を端末の走行状態により合わせるために、本実施例に係る伝送周期の最適化の形態は以下のとおりである。設定モジュール901は、端末から報告された最近の複数回(例えば、5回)の走行速度の平均速度に基づき、伝送周期を再確定し、新たに確定した伝送周期が端末の現在使用している伝送周期と同じであるか否かを判断し、同じであれば、伝送周期を修正する必要がなく、同じでなければ、新たな伝送周期を用いて設定周期における元の伝送周期を置き換え、端末が新たな伝送周期に基づいて走行状態情報の送信を行うようにさせることで、端末が要求する状態情報の更新頻度を満足する。
【0079】
端末が伝送周期に従って伝送して一定の回数に達した後、端末の走行速度は変化する可能性があり、最初に設定された伝送周期は、現在の走行速度の時効性を確保できない可能性があり、または現在の速度が遅く、走行状態情報を急速に報告する必要がないため、伝送周期の値を再設定してもよく、該回数は伝送再設定周期である。本発明の実施例において、設定モジュール901は、異なる伝送周期値に対応する再設定区間を予め設定し、再設定区間値の範囲の設置は、「伝送周期が短いほど、伝送回数が多くなる」という規則に従い、伝送再設定周期は伝送周期に対応するプリセット再設定区間内の整数である。実際に端末のために設定された伝送周期に基づき、対応するプリセット再設定区間内から1つの数を伝送再設定周期としてランダムに選択する。端末による走行状態情報の報告は長期持続的なトラフィック(VoIPと異なる)であるため、端末がネットワークから切断されない限り、エンドユーザは上り伝送を能動的に停止せず、再設定周期が短すぎると、頻繁に再設定し、制御シグナリングのオーバーヘッドを増やすが、伝送再設定周期が長すぎると、パラメータの設定の柔軟性を低減し、伝送性能の向上に影響を与えるため、伝送再設定周期の区間は、上記2点の因素をトレードオフして設定すべきである。設定された伝送再設定周期は、設定情報として共に端末に送信されてもよいことが理解されるべきである。
【0080】
更に、関連技術におけるHARQ技術を使用する過程が煩雑であり、
図4に示すような上りデータ衝突の問題が生じやすいことについては、本実施例に係る最適化形態は以下のとおりである。能動的再送位置を設けることにより解決し、走行軌跡および履歴データを予測することにより伝送誤りを早期に回避する。取得モジュールが端末の走行軌跡を取得した後、設定モジュール901は、走行軌跡に基づいて該走行軌跡が通過したN個の道路位置を取得し、第2プリセットマッピング関係からN個の道路位置に対応するN個の平均チャネルゲインを取得し、平均チャネルゲインの値がプリセットされた平均チャネルゲインの閾値よりも小さい道路位置を能動的再送位置として確定し、且つ、送信モジュール902が設定情報を送信する際に、確定されたM個の能動的再送位置を設定情報に添加して共に端末に送信し、ここで、Nは1以上の整数であり、Mは0以上の整数であり、MはN以下である。第2マッピング表を第2プリセットマッピング関係として好ましく用いることができ、路側の建築物等の信号遮蔽体の位置が相対的に固定し、且つ、基地局と道路との間の距離が固定するため、大量のチャネル品質観測サンプルに対する統計分析に基づき、端末が位置する道路における各位置点から基地局までの間のチャネルの大規模フェージング情報を予測し、潜在的な通信リンクの平均チャネルゲインを計算することにより、各セルがカバーする道路セグメントの「道路位置-平均チャネルゲイン」マッピング表を更に構築することができることが理解されるべきである。第2マッピング表として、主に道路位置と平均チャネルゲインとの対応関係を含む。第2マッピング表の構築および更新ステップは、本発明の第1実施例のステップS21~S25と同様であり、ここで説明を省略する。
【0081】
端末の実際の移動過程において、道路渋滞または臨時イベントにより走行の軌跡が変わる可能性があり、このとき、取得モジュールは、端末の走行軌跡を改めて取得するため、設定モジュール901は新たな走行軌跡に基づいて能動的再送位置を再確定し、新確定の複数の能動的再送位置を送信モジュール902により端末に送信する必要がある。車両端末の走行過程において、能動的再送位置の確定および更新の具体的なステップは、本発明の第1実施例におけるステップS31~S33と同様であり、ここで説明を省略する。
【0082】
本実施例において、スケジューリング装置は、基地局がアップロードした伝送リソース割当要求を受信するように構成される受信モジュールを更に備え、ここで、伝送リソース割当要求は端末の走行状態情報を含んでもよく、端末のトラフィックデータ量、時間オフセット、トラフィック周期および優先度等情報を更に含んでもよく、設定モジュール901は伝送リソース割当要求に応じて端末のために設定情報を確定する。
【0083】
本実施例は、端末の所定の時間帯内の走行軌跡に対する予測結果と組み合わせることにより、端末に対して端末自体の走行状態に合わせるスケジューリング情報パラメータの設定を行い、端末状態の取得をよりタイムリーにさせ、関連技術におけるスケジューリング方法のパラメータの設定が柔軟でなく、端末状態の更新が遅いという問題を解決する。
【0084】
本発明の実施例は、別のスケジューリング装置を提供し、該スケジューリング装置は基地局に取り付けられ、主に走行状態情報および設定情報の伝送スケジューリングを行うために用いられ、その構造模式図は
図10に示すように、主に第1情報受信モジュール1001および第1情報送信モジュール1002を備え、ここで、第1情報受信モジュール1001は、サーバから送信された、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む設定情報を受信するように構成され、第1情報送信モジュール1002は、設定情報を端末に送信するように構成される。
【0085】
第1情報受信モジュール1001は、端末から送信された走行状態情報を受信し、第1情報送信モジュール1002により走行状態情報をサーバに送信し、サーバが設定情報を生成した後、設定情報を基地局の第1情報受信モジュール1001に送信し、第1情報送信モジュール1002により設定情報を対応する端末に送信し、ここで、端末からアップロードされた走行状態情報には、現在の走行速度、現在の位置座標、および経路計画情報等が含まれてもよく、端末の加速度、走行時間等の情報が更に含まれてもよい。設定情報には、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置等が含まれてもよい。端末が走行状態情報を送信する周期を端末の移動状態により合わせるために、サーバは端末の現在の走行速度に基づいて伝送周期を更新し、新たな伝送周期を含む設定情報を基地局に送信し、スケジューリング装置が新たな伝送周期を含む設定情報を受信した後、設定情報を第1情報送信モジュール1002により端末に送信することで、端末は新たな伝送周期に基づいて走行状態情報を送信する。
【0086】
更に、第1情報受信モジュール1001は、サーバから送信された設定情報を受信する前に、更に端末が能動的に送信する伝送リソース割当要求を受信し、該伝送リソース割当要求を第1情報送信モジュール1002によりサーバに送信することができ、ここで、該伝送リソース割当要求は端末の走行状態情報を含んでもよく、端末のトラフィックデータ量、時間オフセット、トラフィック周期および優先度等情報を更に含んでもよく、これにより、サーバは伝送リソース割当要求に応じて端末のために設定情報を確定する。
【0087】
関連技術におけるHARQ技術を使用する過程が煩雑で、上りデータ衝突の問題が生じやすいことについては、サーバから送信された設定情報に能動的再送位置が含まれてもよく、端末が受信した設定情報に能動的再送位置が含まれていると、端末は能動的再送位置に基づき、自体の走行状態と合わせて能動的再送を行う必要のある再送スロットを取得し、該再送スロットを第1情報受信モジュール1001に送信し、第1情報受信モジュール1001は、該再送スロットを受信した後、再送スロットに達したか否かを判断し、再送スロットに達していない場合、第1情報受信モジュール1001は通常の1回の受信を行い、再送スロットに達した場合、第1情報受信モジュール1001の連続したT個のスロットは端末から送信された走行状態情報を受信し、連続したT個のスロットで受信した端末から送信された走行状態情報を統合復号化した後、第1情報送信モジュール1002によりサーバに送信し、統合復号化が失敗すれば、今回受信した走行状態情報を直接破棄し、再送しない。いくつかの好ましい実施例において、Tは2以上の整数であり、第1情報受信モジュール1001は再送スロットを受信した後、自体の基地局の時間周波数リソースに対して空き判断を行い、再送スロットの最後のT-1個のスロットに対する時間周波数リソースが空いている場合、端末のために、この部分リソースを再送するために保留し、再送スロットの最後のT-1個のスロットに対応する時間周波数リソースが占有された場合、端末のために再送リソースを再割り当て、端末に再送リソース指示情報を送信する。
【0088】
端末が伝送周期に従って伝送して一定の回数に達した後、端末の走行速度は変化する可能性があり、最初に設定された伝送周期は、現在の走行速度の時効性を確保できない可能性があり、または現在の速度が遅く、走行状態情報を急速に報告する必要がないため、伝送周期の値を再設定してもよく、該回数は伝送再設定周期(Qと記す)である。サーバから送信された設定情報に伝送再設定周期が含まれている場合、第1統計モジュールは、端末が走行状態情報を送信する回数である伝送回数を統計し、伝送回数が、サーバにより確定された伝送再設定周期に達する前(通常、Q-1回目の伝送の後、Q回目の伝送の前)に、第1統計モジュールはリソースの再設定を行う必要があるか否かを判断し、リソースの再設定を行う必要がある場合、サーバに伝送リソースの再設定を要求し、第1情報送信モジュール1002によりサーバから送信された新たな伝送リソースを含む設定情報を端末に送信し、伝送回数がQに達した後、設定情報における伝送再設定周期に基づいて再計数する。リソースの再設定を行う必要がない場合、第1情報送信モジュール1002により元の設定を変更しないことを端末に通知する識別子を含む設定情報を端末に送信し、伝送回数がQに達した後、既存の伝送再設定周期に基づいて再計数する。元の設定を変更しない識別子は1ビットの情報ビットであってもよく、設定が変化したか否かを指示するために用いられ、設定が変化した場合、設定情報において新たな設定パラメータ情報を担持し、設定が変化していない場合、設定が変化していないことのみを指示し、設定パラメータ情報を担持しない。
【0089】
本実施例において、第1統計モジュールは、リソースの再設定を行う必要があるか否かを判断する方法は、主に現在の周波数領域リソースのチャネル品質、例えば、基地局が受信した信号の信号強度、平均信号対干渉プラス雑音比等を判断することである。基地局が受信した信号の平均信号対干渉プラス雑音比を判断することを例とし、平均信号対干渉プラス雑音比がプリセット平均信号対干渉プラス雑音比よりも大きければ、現在の周波数領域リソースのチャネル品質が良く、元の伝送パラメータの設定を変更せずに維持することができることを示し、受信した平均信号対干渉プラス雑音比がプリセット平均信号対干渉プラス雑音比よりも小さければ、現在の周波数領域リソースのチャネル品質が既に伝送要求を満足しにくいことを示し、サーバに伝送リソースの再設定を要求する。また、サーバまたは基地局が、端末による走行状態情報の送信を必要としない場合、第1情報送信モジュール1002から送信された設定情報には送信停止識別子が更に含まれ、端末は、送信停止識別子付きの設定情報を受信した後、基地局に走行状態情報を送信することを能動的に停止し、伝送リソースを解放する。
【0090】
本実施例に係るスケジューリング方法は、サーバから送信された設定情報を端末にタイムリーに送信し、且つ、伝送周期、伝送リソース、能動的再送位置等のパラメータが変化した場合、設定情報により、新たな伝送パラメータに基づいて走行状態情報の報告を行うことをタイムリーに端末に通知することで、スケジューリングが端末の移動状態により合わせ、報告された情報がよりリアルタイム性を有するようにする。
【0091】
本発明の1つの好ましい実施例は、情報の送信装置を提供し、その構造模式図は
図11に示すように、主に第2情報受信モジュール1101および第2情報送信モジュール1102を備え、ここで、第2情報受信モジュール1101は、基地局から送信された、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む設定情報を受信するように構成され、第2情報送信モジュール1102は、設定情報に基づいて走行状態情報を送信するように構成される。
【0092】
本実施例に係る情報の送信装置は端末に直接取り付けられてもよく、または交通機関に直接取り付けられてもよく、本実施例において、端末は、車両、船舶、飛行機、電気自動車または自転車等の交通機関に取り付けられ、または人が持って移動や走行する独立した装置であってもよく、他の機器に集積されて上記交通機関に取り付けられてもよい。端末は、走行ニーズに応じて走行ルートを計画してもよく、他の機器から走行ルートを取得してもよく、例えば、他の機器と共有するルート等を取得してもよい。
【0093】
端末がスケジューリングされる前に、第2情報送信モジュール1102により伝送リソース割当要求を能動的に基地局に送信してもよく、該伝送リソース割当要求には、走行状態情報が含まれてもよく、端末のトラフィックデータ量、時間オフセット、トラフィック周期、および優先度等の情報が更に含まれてもよく、サーバは伝送リソース割当要求に応じて端末のために設定情報を確定することができる。端末は、伝送リソース割当要求を能動的に送信しない場合、サーバによる設定情報の確定を受動的に待ってから、設定情報に基づいて自体の走行状態情報を規則的にアップロードしてもよい。
【0094】
第2情報送信モジュール1102は、自体の走行状態情報を送信する場合、走行状態情報を直接現在の基地局に送信し、基地局によりサーバに送信してもよく、走行状態情報を中間機器に送信し、中間機器により走行軌跡予測を行った後、予測結果および走行状態情報を直接基地局に送信し、更に基地局により予測結果および走行状態情報をサーバに送信してもよい。更に、第2情報送信モジュール1102は、自体の経路計画情報のみを中間機器に送信し、中間機器により、センサ、速度計、路側ユニット、GPS装置等を介して端末の現在の走行速度および位置座標情報を取得してもよい。
【0095】
第2情報受信モジュール1101は、設定情報を受信した後、設定情報に基づいて第2情報送信モジュール1102により走行状態情報を送信し、例えば、設定情報における伝送リソースに基づき、対応する時間領域リソースおよび周波数領域リソースで走行状態情報を送信し、あるいは、設定情報における伝送周期に基づき、伝送周期ごとに自体の走行状態情報を1回アップロードし、あるいは、設定情報に能動的再送位置が含まれている場合、該能動的再送位置に達した際に能動的再送を開始する。第2情報送信モジュール1102は、設定情報に能動的再送位置が含まれていると判断すると、まず、端末が現在位置から能動的再送位置まで走行する時刻を計算し、その後、該時刻に基づき、現在の走行速度および伝送周期と組み合わせて能動的再送を実行する必要のある再送スロットを確定し、該再送スロットを基地局に送信し、再送スロットに達していない場合、一般的な1回の伝送を行い、再送スロットに達した場合、基地局へ連続したT個のスロットで同じ走行状態情報を送信することが理解されるべきであり、ここで、Tは2以上の整数である。端末は、能動的再送メカニズムにより、情報の伝送品質を向上させ、伝送過程における信頼性を高め、且つ、関連技術における上りデータの継続的な再送による可能性のあるデータ衝突の問題を回避する。
【0096】
端末の走行軌跡が予測された走行軌跡からずれた場合、サーバは、端末が継続的にアップロードしている走行状態情報に基づいて走行軌跡を再予測し、再予測した走行軌跡に基づいて能動的再送位置を再確定し、基地局により端末に通知し、第2情報受信モジュール1101が新たな能動的再送位置を受信到した後、第2情報送信モジュール1102により再送スロットを再確定し、再確定した再送スロットを基地局に送信し、再確定の再送スロットに達した際に能動的再送を開始する。
【0097】
サーバは、伝送周期を確定した後、更に伝送周期に基づいて伝送再設定周期を確定し、伝送再設定周期を基地局により共に端末に送信する。端末は、伝送再設定周期を含む設定情報を受信すると、第2統計モジュールにより自体が走行状態情報を送信する送信回数を統計し、送信回数が伝送再設定周期に達する前に、基地局から送信された設定情報を受信したか否かを判断する。設定情報を受信せずに送信回数が伝送再設定周期に達した場合、端末は、基地局に走行状態情報を送信することを停止し、端末が現在使用している伝送リソースを解放し、設定情報を受信して送信回数が伝送再設定周期に達した場合、設定情報に基づいて基地局に走行状態情報を送信し、送信回数を再統計し、第2情報送信モジュール1102により設定情報に基づいて基地局に走行状態情報を送信する。具体的には、第2情報送信モジュール1102は、設定情報における具体的な内容に基づいて基地局に走行状態情報を送信し、設定情報に新たな伝送リソースが含まれている場合、新たな伝送リソースに従って基地局に走行状態情報を送信し、設定情報に元の設定を変更しないことを端末に通知する識別子が含まれている場合、元の設定情報に従って基地局に走行状態情報を送信する。
【0098】
端末側は、第2統計モジュールにより送信回数を統計することにより、端末が送信回数に達すると送信を自律的に停止できるようにし、例えば、車両がセルのカバー範囲から離れて基地局から送信された設定情報を受信できない場合、伝送をタイムリーに自律的に終了することができる。また、端末側が送信回数を統計することにより、エンドユーザは、現在の段階の伝送が終了する前に次の段階の伝送パラメータを取得することができ、ユーザが現在の伝送を完了してから再設定のグラントを能動的に要求することを回避し、スケジューリングの連続性を確保し、隣接する2段階の伝送がシームレスに繋がり、スケジューリングの信頼性を高めることができる。
【0099】
本実施例に係る情報の送信装置は、端末がサーバから送信された設定情報に基づいて走行状態情報の送信を行うようにさせ、情報の送信過程を端末の移動特徴により合わせ、スケジューリング過程をより完全かつより柔軟にさせる。
【0100】
以上の実施形態の説明により、当業者は、上記実施例による方法が、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームとを併用する方式を介して実現でき、もちろん、ハードウェアにより実現できるが、多くの場合、前者の方がより好ましい実施形態であることを明らかに理解できる。このような理解に基づき、本発明の技術案は、本質的または関連技術に貢献する部分がソフトウェア製品の形態で具現化でき、該コンピュータソフトウェア製品が1つの記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、1台の端末装置(携帯電話機、コンピュータ、サーバ、またはネットワーク機器等であり得る)に本発明の各実施例の方法を実行させるための複数の命令を含む。
【0101】
本発明の実施例は、サーバに取り付けられた記憶媒体を提供する。記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶され、本実施例において、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、以下のステップを実現する。
【0102】
S71において、所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定する。
【0103】
S72において、設定情報を端末が現在属している基地局に送信し、ここで、設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む。
【0104】
好ましくは、コンピュータプログラムは、所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定するステップをプロセッサにより実行する前に、更に、所定の時間帯内の端末の走行軌跡を取得するステップをプロセッサにより実行する。コンピュータプログラムは、所定の時間帯内の端末の走行軌跡を取得するステップをプロセッサにより実行する場合、具体的には、端末の走行状態情報に基づいて所定の時間帯内の端末の走行軌跡を予測することができ、走行状態情報は、現在の走行速度、現在の位置座標、および経路計画情報を含んでもよく、現在の加速度情報、走行時間等を含んでもよい。且つ、コンピュータプログラムは、端末の走行状態情報に基づいて所定の時間帯内の端末の走行軌跡を予測するステップをプロセッサにより実行する前に、基地局から送信された伝送リソース割当要求を受信し、ここで、伝送リソース割当要求は走行状態情報を少なくとも含む。
【0105】
記憶媒体におけるコンピュータプログラムは、所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定するステップをプロセッサにより実行する場合、具体的には、端末の走行状態情報に基づいて端末がハンドオーバ実行領域まで移動するのに必要な時間を確定し、走行軌跡におけるターゲット基地局のネットワーク状態情報に基づいてターゲット基地局の空きの時間領域リソースおよび空きの周波数領域リソースを端末に割り当てるステップを実現し、ここで、ハンドオーバ実行領域は、端末がハンドオーバを開始する領域であり、ターゲット基地局は、端末が現在属している基地局に隣接する基地局である。
【0106】
記憶媒体におけるコンピュータプログラムは、所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定するステップをプロセッサにより実行する場合、端末の走行状態情報、および、走行状態情報における走行速度と伝送周期との対応関係を含む第1プリセットマッピング関係に基づいて端末の伝送周期を確定するステップを更に実現することができる。更に、コンピュータプログラムは、端末が更新した走行状態情報および第1プリセットマッピング関係に基づいて端末の新たな伝送周期を確定するステップと、新たな伝送周期が端末の伝送周期と同じであるか否かを判断するステップと、新たな伝送周期が伝送周期と異なる場合、設定情報における伝送周期を新たな伝送周期に置き換えるステップとをプロセッサにより実行する。好ましくは、設定情報には、伝送再設定周期が更に含まれてもよく、コンピュータプログラムは、端末の走行状態情報および第1プリセットマッピング関係に基づいて端末の伝送周期を確定するステップをプロセッサにより実行した後、更に、伝送周期に基づいて端末の伝送再設定周期を確定するステップをプロセッサにより実行し、ここで、伝送再設定周期は伝送周期に対応するプリセット再設定区間内の整数である。
【0107】
更に、コンピュータプログラムは、所定の時間帯内の端末の走行軌跡に基づいて設定情報を確定するステップをプロセッサにより実行する場合、具体的には、走行軌跡に基づいて走行軌跡に対応するN個の道路位置を取得するステップと、道路位置と平均チャネルゲインとの対応関係を含む第2プリセットマッピング関係からN個の道路位置に対応するN個の平均チャネルゲインを取得するステップと、平均チャネルゲインの値がプリセットされた平均チャネルゲインの閾値よりも小さい道路位置が能動的再送位置であると確定するステップとを実現し、ここで、Nは1以上の整数であり、Mは0以上の整数であり、MはN以下である。
【0108】
本実施例は、端末の所定の時間帯内の走行軌跡に対する予測結果と組み合わせることにより、端末に対して端末自体の走行状態に合わせるスケジューリング情報パラメータの設定を行い、端末状態の取得をよりタイムリーにさせ、関連技術におけるスケジューリング方法のパラメータの設定が柔軟でなく、端末状態の更新が遅いという問題を解決する。
【0109】
本発明の実施例は、基地局に取り付けられた第2種の記憶媒体を提供する。記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶され、本実施例において、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、以下のステップを実現する。
【0110】
S81において、サーバから送信された設定情報を受信し、ここで、設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む。
【0111】
S82において、設定情報を端末に送信する。
【0112】
好ましくは、コンピュータプログラムは、サーバから送信された設定情報を受信するステップをプロセッサにより実行する前に、更に、端末から送信された走行状態情報を少なくとも含む伝送リソース割当要求を受信するステップと、伝送リソース割当要求をサーバに送信するステップとをプロセッサにより実行する。サーバから送信された設定情報を受信するステップを実行する前に、更に、端末から送信された走行状態情報を受信し、走行状態情報をサーバに送信することができる。更に、コンピュータプログラムは、端末から送信された走行状態情報を受信するステップをプロセッサにより実行する場合、具体的に、端末が能動的再送位置に基づいて確定した再送スロットを受信するステップと、再送スロットに達した場合、連続した2つのスロットで端末から送信された走行状態情報を受信するステップと、連続した2つのスロット受信端末から送信された走行状態情報を統合復号化するステップとを実現する。
【0113】
設定情報に伝送再設定周期が含まれている場合、本実施例に係る記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムは、更に、端末が走行状態情報を送信する回数である伝送回数を統計するステップと、伝送回数が伝送再設定周期に達する前に、リソースの再設定を行う必要があるか否かを判断するステップと、リソースの再設定を行う必要がある場合、サーバに伝送リソースの再設定を要求し、新たな伝送リソースを含む設定情報を端末に送信し、計数を再開するステップと、リソースの再設定を行う必要がない場合、伝送回数をゼロにし、元の設定を変更しないことを端末に通知する識別子を含む設定情報を端末に送信し、計数を再開するステップとをプロセッサにより実行する。
【0114】
本実施例に係る記憶媒体は、サーバから送信された設定情報を端末にタイムリーに送信し、且つ、伝送周期、伝送リソース、能動的再送位置等のパラメータが変化した場合、設定情報により、新たな伝送パラメータに基づいて走行状態情報の報告を行うことをタイムリーに端末に通知することで、スケジューリングが端末の移動状態により合わせ、報告された情報がよりリアルタイム性を有するようにする。
【0115】
本発明の実施例は、端末に取り付けられた第3種の記憶媒体を提供する。記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶され、本実施例において、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、以下のステップを実現する。
【0116】
S91において、基地局から送信された設定情報を受信し、ここで、設定情報は、伝送リソース、伝送周期、能動的再送位置の少なくとも1つを含む。
【0117】
S92において、設定情報に基づいて走行状態情報を送信する。
【0118】
好ましくは、コンピュータプログラムは、基地局から送信された設定情報を受信するステップをプロセッサにより実行する前に、更に、走行状態情報を少なくとも含む伝送リソース割当要求を基地局に送信するステップをプロセッサにより実行する。基地局から送信された設定情報を受信するステップをプロセッサにより実行した後、設定情報に能動的再送位置が含まれているか否かを判断するステップと、設定情報に能動的再送位置が含まれている場合、能動的再送位置まで走行する時刻を計算するステップと、時刻に基づいて再送スロットを確定するステップと、再送スロットを基地局に送信するステップとをプロセッサにより実行する。更に、コンピュータプログラムは、時刻に基づいて再送スロットを確定するステップをプロセッサにより実行した後、更に、再送スロットに達したか否かを判断するステップと、再送スロットに達した場合、基地局へ連続した2つのスロットで同じ走行状態情報を送信するステップとをプロセッサにより実行する。
【0119】
設定情報に伝送再設定周期が含まれている場合、本実施例に係る記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムは、更に、端末が走行状態情報を送信する回数である送信回数を統計するステップと、送信回数が伝送再設定周期に達する前に、設定情報を受信したか否かを判断するステップと、設定情報を受信していない場合、基地局に走行状態情報を送信することを停止し、端末が現在使用している伝送リソースを解放するステップと、設定情報を受信した場合、送信回数をゼロにし、設定情報に基づいて基地局に走行状態情報を送信し、計数を再開するステップとをプロセッサにより実行する。更に、コンピュータプログラムは、設定情報に基づいて基地局に走行状態情報を送信するステップをプロセッサにより実行する場合、具体的に、設定情報に新たな伝送リソースが含まれている場合、端末が新たな伝送リソースに従って基地局に走行状態情報を送信するステップと、設定情報に元の設定を変更しないことを端末に通知する識別子が含まれている場合、端末は元の設定情報に従って基地局に走行状態情報を送信するステップとを実現する。
【0120】
本実施例に係る記憶媒体は、端末がサーバから送信された設定情報に基づいて走行状態情報の送信を行うようにさせ、情報の送信過程を端末の移動特徴により合わせ、スケジューリング過程をより完全かつより柔軟にさせる。
【0121】
好ましくは、上記実施例における記憶媒体は、USB、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、リムーバブルハードディスク、磁気ディスク、または光ディスク等のプログラムコードを記憶可能な媒体を含んでもよいが、これらに限定されない。好ましくは、本実施例において、プロセッサは、記憶媒体に記憶されたプログラムコードに基づいて上記実施例に記載の方法ステップを実行することができる。もちろん、上記本発明の各モジュールまたは各ステップは汎用の計算装置で実現でき、それらが単一の計算装置に集中されてもよく、または複数の計算装置からなるネットワークに分布されてもよく、好ましくは、それらが計算装置実行可能なプログラムコードで実現できることにより、それらを記憶装置に記憶して計算装置で実行されてもよく、且つ、ある場合、ここでの順序と異なる順序で示されたまたは説明されたステップを実行してもよく、または、それらをそれぞれ個々の集積回路モジュールに作製してもよく、あるいは、それらのうちの複数のモジュールまたはステップを単一の集積回路モジュールに作製して実現してもよいことは、当業者により理解されるべきである。このように、本発明は任意の特定のハードウェアとソフトウェアとの組み合わせに限定されない。
【0122】
本発明の1つの好ましい実施例は、カーネットワーキングを環境とし、カーネットワーキングシステム(Car networking system)を提供し、主にサーバ、基地局および車両端末からなり、そのシステム構成図は
図12に示すように、ここで、サーバは独立して無線アクセスネットワークに配置され、路側の複数の基地局と有線または無線接続を確立し、ユーザ情報および無線ネットワーク情報の収集、処理および予測と、スケジューリングパラメータの相関設定機能との実現を担当し、車両軌跡予測モジュール(本発明の上記実施例における取得モジュール部分の機能に相当する)、チャネルデータ処理モジュール(本発明の上記実施例における設定モジュール部分の機能に相当する)、ネットワーク情報管理モジュール、および設定実行モジュール(本発明の実施例における設定モジュールに相当する)という4つのモジュールを少なくとも含む。各基地局とサーバとの間は、1つの論理インタフェースを介してリアルタイムな情報のインタラクションを行う。サーバの内部の上位層の設定実行モジュールは、論理インタフェースを介して下位層の車両軌跡予測モジュール、チャネルデータ処理モジュール、ネットワーク情報管理モジュールとインタラクションを行う。
【0123】
いくつかの好ましい実施例において、モバイルエッジコンピューティング(MEC、Mobile Edge Computing)に基づき、より低コストで無線アクセスネットワークに配置された小型MECサーバを使用することにより、その配下の基地局とともに、高効率、低遅延を有するキャリア級のサービス環境を作ることができ、伝送ネットワークの帯域幅消費を低減し、ネットワーク中心の負荷圧力を分担し、コンテンツ配信システムの反応時間を短縮し、エンドユーザに連続的な高品質のネットワーク体験を享有させることができる。
【0124】
本実施例は、MECに基づくネットワーク配置方式を講じることができる。1つの小規模MECサーバクラスタと隣接する複数の基地局とが高速光ファイバにより接続され、MECサーバクラスタは同時に上位層コアネットワークにアクセスする。
図13は、MECサーバプラットフォームの模式図であり、ここで、アプリケーションプラットフォームサービスの機能は、開放したアプリケーションプログラミングインターフェイス(API、Application Programming Interface)を介して上位層に提供され、アプリケーション層は複数の仮想マシン(VM、Virtual Machine)を含み、各VMにおいて、いずれもアプリケーション(APP、Application)が実行されて仮想ネットワーク機能(VNF、Virtual Network Function)を実現でき、アプリケーションプラットフォームサービスからデータを取得して設定する機能を実現する。アプリケーション管理プラットフォーム層は、仮想化管理およびサービスとしてのインフラストラクチャー(IaaS、Infrastructure as a Service)を更に含み、ハードウェア施設層とインタラクションを行う。前記スケジューリング方法は、ソフトウェアプログラミングの形態により、MEC APPとして仮想マシンの形態でMECサーバのアプリケーション層で実行することができ、対応する車両軌跡を予測し、第1マッピング表(すなわち、本発明の第1実施例における第1マッピング表)、第2マッピング表(すなわち、本発明の第1実施例における第2マッピング表)を構築し、基地局ネットワーク情報管理機能は、プラットフォーム機能コンポーネントとしてMECサーバのアプリケーションプラットフォーム層に搭載され、機能コンポーネントは、更に組み合わせてパッケージ化することにより、プラットフォームサービスの形で開放したAPIを介して上位層に提供され、上位層伝送周期等のパラメータの設定(およびアプリケーション層に搭載された他のタイプのカーネットワーキング機能およびアプリケーション)等の操作に関する実現を共にサポートする。
【0125】
本実施例におけるサーバがスケジューリングを行う過程は、本発明の第1実施例の過程と同じであり、本実施例における基地局のスケジューリング過程は、本発明の第2実施例の過程と同じであり、本実施例の端末の情報をまとめて送信する過程は、本発明の上記実施例の過程と同じであり、ここで説明を省略する。
【0126】
図14は、本発明の実施例の電子機器(スケジューリング装置または情報の送信装置)のハードウェア構成の構造模式図であり、電子機器700は、少なくとも1つのプロセッサ701、メモリ702、および少なくとも1つのネットワークインタフェース704を含む。電子機器700における各コンポーネントは、バスシステム705により結合されている。バスシステム705がこれらのコンポーネントの間の接続通信を実現するために用いられることが理解できる。バスシステム705は、データバスに加え、電源バス、制御バス、およびステータス信号バスを更に含む。しかし、説明を明らかにするために、
図14において、各種のバスを全てバスシステム705と表記する。
【0127】
本発明の実施例におけるメモリ702は、電子機器700の動作をサポートするように様々なタイプのデータを記憶するために用いられる。これらのデータの例として、アプリケーション7022のような電子機器700で動作するための任意のコンピュータプログラムが挙げられる。本発明の実施例の方法を実現するプログラムはアプリケーション7022に含まれてもよい。
【0128】
上記本発明の実施例に係る方法は、プロセッサ701に適用できるか、またはプロセッサ701により実現され得る。プロセッサ701は、信号の処理能力を有する1種の集積回路チップであってもよい。実現過程において、上記方法の各ステップは、プロセッサ701におけるハードウェアの集積論理回路またはソフトウェア形式の命令により完成できる。上記プロセッサ701は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP、Digital Signal Processor)、または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートやトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネント等であってもよい。プロセッサ701は、本発明の実施例に開示された各方法、ステップおよび論理ブロック図を実現や実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の通常のプロセッサ等であってもよい。本発明の実施例に開示された方法のステップを参照し、ハードウェアデコードプロセッサが実行して完成するか、またはデコードプロセッサにおけるハードウェアとソフトウェアモジュールとを組み合わせて実行して完成するとして具現化され得る。ソフトウェアモジュールは記憶媒体に位置してもよく、該記憶媒体はメモリ702に位置し、プロセッサ701はメモリ702における情報を読み出し、ハードウェアと合わせて前記方法のステップを完成する。
【0129】
例示的な実施例において、電子機器700は、前記方法を実行するために、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)、DSP、プログラマブル論理デバイス(PLD、Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD、Complex Programmable Logic Device)、FPGA、汎用プロセッサ、コントローラ、MCU、MPU、または他の電子素子により実現できる。
【0130】
例示のために、本発明の好ましい実施例を既に開示したが、当業者は、様々な改良、追加、置換も可能であることを意識するため、本発明の範囲は上記実施例に限定されない。