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特許7025065少なくとも1つのボウリングピンを配置するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】少なくとも1つのボウリングピンを配置するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63D 5/08 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
A63D5/08 A
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020544105
(86)(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 EP2018069050
(87)【国際公開番号】W WO2019086150
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-09-14
(31)【優先権主張番号】17199791.9
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520153992
【氏名又は名称】ピン マーケティング エセエレ
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホーネッカー スヴェン
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-14511(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1002558(EP,A2)
【文献】特開平11-139558(JP,A)
【文献】特開平6-182021(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107096211(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63D 5/02-5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのボウリングピン(2)を配置するための器具(1)であって、
前記ボウリングピン(2)及び前記ボウリングピン(2)の向きを検出するための物体認識装置と、
前記ボウリングピン(2)を把持及び保持し、前記ボウリングピン(2)を所定の所望の位置(5、12)に配置するために設計された少なくとも1つのロボットアームと、
前記物体認識装置のデータ及び/又は信号を評価し、前記ボウリングピン(2)の前記所定の所望の位置(5、12)及び/又は前記ボウリングピン(2)の検出された向きに応じて、前記ロボットアーム(3、4)を作動させるように設計された制御ユニットと、を備え、
前記ボウリングピン(2)の前記向きは、前記ボウリングピン(2)の縦向き及び横向きを含み、
前記物体認識装置は、ボウリングボール(9)及び前記ボウリングボール(9)の位置を検出するために設計され、
前記少なくとも1つのロボットアーム(3、4)は、前記ボウリングボール(9)を把持及び保持し、前記ボウリングボール(9)を所定の所望の位置に移動させるために設計され、
前記制御ユニットは、前記ボウリングボール(9)の検出位置に応じて、前記ロボットアーム(3、4)を作動させるように設計される器具。
【請求項2】
前記ロボットアーム(3、4)は、前記レーンに亘って前記ボウリングピンを把持及び/又は配置するために設計される、請求項1に記載の器具(1)。
【請求項3】
前記ロボットアーム(3、4)は、静止して配置され、隣接するボウリングレーン(10)に位置する前記ボウリングピン(2)を把持するために設計される、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記ロボットアーム(3)は、移動可能に設計されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の器具。
【請求項5】
前記ロボットアーム(3)は、移動可能な車両上に又は移動可能な車両に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の器具。
【請求項6】
前記制御ユニットに接続され、前記移動可能なロボットアーム(3、4)の位置を認識するための位置センサを備え、前記制御ユニットは、前記位置センサによって認識された前記移動可能なロボットアーム(3、4)の位置に応じて、前記移動可能なロボットアーム(3、4)を作動させるように設計されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の器具。
【請求項7】
前記物体認識装置は、前記ボウリングピン(2)の位置を検出するために設計され、前記制御ユニットは、前記ボウリングピン(2)の検出位置に応じて、前記ロボットアーム(3、4)を作動させるように設計され、前記検出位置は、所望の位置(5、12)及び/又は前記所望の位置(5、12)に対して水平に移動した実際の位置(11)を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の器具。
【請求項8】
多数のボウリングピン(2)をピット(6)内に押し込むように設計されたプッシャーを備え、前記制御ユニットは、第1の数のボウリングピン(2)が横向きの場合、前記プッシャーが第2の数の縦向きボウリングピン(2)を含むすべてのボウリングピン(2)を前記ピット(6)内に押し込み、前記ロボットアーム(3、4)が前記第2の数の縦向きボウリングピン(2)を前記ピット(6)から把持し、それらを前記所定の所望の位置(5、12)及び/又は前記検出位置に配置するように、前記プッシャー及び前記ロボットアーム(3、4)を作動させるように設計されることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の器具(1)。
【請求項9】
前記物体認識装置は、一群のボウリングピン(2)から特定のボウリングピン(7)を認識するために設計されており、前記特定のボウリングピン(7)は、検出特徴(8)を備える、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の器具(1)。
【請求項10】
前記物体認識装置は、前記ロボットアーム(3、4)及び/又は前記ロボットアーム(3、4)の上方及び/又は隣に配置されることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の器具(1)。
【請求項11】
前記物体認識装置は、移動可能に設計されることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の器具(1)。
【請求項12】
前記ロボットアーム(3、4)は、少なくとも1つのアイドル位置と1つの把持位置とを備えることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の器具(1)。
【請求項13】
前記ロボットアーム(3、4)を他のロボットアーム(3、4)と交換するために、前記ロボットアーム(3、4)は、非破壊的な方法で分解可能であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の器具(1)。
【請求項14】
2つのロボットアーム(3、4)を備えることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の器具(1)。
【請求項15】
前記制御ユニットは、前記ロボットアームの動作状態に応じて、当該ロボットアーム及び/又は他のロボットアームを作動させることを特徴とする、請求項14に記載の器具(1)。
【請求項16】
前記物体認識装置は、センサ、レーザスキャナ、スイッチボタン、又は、カメラを備えることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の器具(1)。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか1項に記載の器具(1)と、実質的に水平に延在するボウリングレーン(10)と、を備えるボウリングシステム。
【請求項18】
少なくとも2つの実質的に水平に延在するボウリングレーン(10)を備え、前記ロボットアーム(3、4)は、前記レーンに亘りボウリングピン(2)を把持及び/又は配置するように設計される、請求項17に記載のボウリングシステム。
【請求項19】
移動可能な車両(34)を備え、前記ロボットアーム(3、4)は、前記車両(34)上に又は前記車両(34)に配置される、請求項18に記載のボウリングシステム。
【請求項20】
前記車両が移動可能である少なくとも1つのレール(36、37)又はガイドを備える、請求項19に記載のボウリングシステム。
【請求項21】
前記ロボットアーム(3、4)は、前記ボウリングレーンに対して静止して配置される、請求項18に記載のボウリングシステム。
【請求項22】
前記ボウリングレーンに対する前記ロボットアームの比率は、1よりも小さい、請求項17乃至20のいずれか1項に記載のボウリングシステム。
【請求項23】
前記ボウリングレーンに対する前記ロボットアームの比率は、1よりも大きい、請求項17乃至20のいずれか1項に記載のボウリングシステム。
【請求項24】
請求項を参照し、前記ボウリングレーン(10)に沿って延在する傾斜路を備え、前記傾斜路は、前記水平面に向かって傾斜し、前記ボウリングボール(9)のためのガイドレールを備え、前記ロボットアーム(3、4)は、前記ボウリングボール(9)を前記傾斜路に配置するように設計される、請求項16に記載のボウリングシステム。
【請求項25】
少なくとも1つのボウリングピン(2)を配置するための方法であって、
前記ボウリングピン(2)及び前記ボウリングピン(2)の向きを検出するステップと、
ロボットアーム(3、4)によって前記ボウリングピン(2)を把持するステップと、
前記ロボットアーム(3、4)によって前記ボウリングピン(2)を所定の所望の位置(5、12)に配置するステップと、
ボウリングボール及び前記ボウリングボールの位置を検出するステップと、
前記ロボットアームによって、前記ボウリングボールを把持及び保持するステップと、
前記ロボットアームによって、前記ボウリングボールを所定の所望の位置に移動させるステップと、を備え、
前記ボウリングピン(2)の前記向きは、前記ボウリングピン(2)の縦向き及び横向きを含む方法。
【請求項26】
追加のステップを備え、
前記追加のステップは、
第2の数の縦向きボウリングピン(2)の位置を検出するステップと、
第1の数の横向きボウリングピン(2)と前記第2の数の縦向きボウリングピン(2)とをピット(6)内に押し込むステップと、
前記ロボットアーム(3、4)によって、前記ピット(6)から前記第2の数のボウリングピン(2)を把持するステップと、
前記ロボットアーム(3、4)によって、検出位置に前記ボウリングピン(2)を配置するステップと、を備える、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具、ボウリングシステム、及び、ボウリングピンを配置するための方法に関する。ここで、ロボットアームは、ボウリングピンを所定の位置に配置するように設計される。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、ボウリングピンを配置するための異なるタイプの器具が知られている。このような装置は、ピンセッターと呼ばれることもあり、例えば、多くの倒れたボウリングピンを30秒未満で立て所定の位置に戻す必要がある。
【0003】
これらの既知の器具の欠点は、個々の構成部分の比較的早い摩耗及び器具の大規模なメンテナンスである。これにより、器具は、しばしば誤動作する傾向がある。さらに、交換部品は、一般的に、ボウリングレーンのトラブルなく動作させるために、常に、購入され、交換される必要がある。全体として、ボウリングピンを位置決めするためのこのような器具のメンテナンスには、コスト及び時間がかかる。ピンセッターが故障すると、ほとんどの場合、関係するボウリングレーンは、原因が改善されるまで又は修理が完了するまで、動作に戻ることはできず、再び使用することはできない。さらに、既存のピンセッターの重さは、最大1000kg又はそれ以上である。さらに、既存のピンセッターは、かなりの騒音を引き起こすことから、それらの設置場所を著しく制限する。
【0004】
現在まで、従来の配置器具では、利用者に簡単な方法で、任意のピン構成をボウリングレーンに配置することは不可能であった。
【0005】
さらに、倒れたピンが取り除かれた後、投球後に移動したが立ったままのピンをレーンの同じ移動位置に戻すことは困難であることが分かっている。
【0006】
米国特許第6524192号公報では、ボウリングピンは、多数の把持手段によって受け入れられ、その後、所定の位置に配置される。
【0007】
国際公開第2012/091550号公報は、ボウリングピンを配置するための器具を開示する。ここでは、ボウリングピンは、ケーブルによってプーリに固定されている。さらに、ボウリングピンの動きを検出することができる検出手段が設けられている。
【0008】
米国特許第6027411号公報は、プッシャーによって、ボウリングレーンから掃き出されるボウリングピンを配置するための器具を開示する。ボウリングピンは、比較的複雑な機構によって、ボウリングレーンに再び戻される。
【0009】
さらに、米国特許出願公開第2006/0211508号公報は、ボウリングピンを配置するための油圧駆動装置を備えた電気機械装置を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、従来技術の問題を少なくとも部分的に克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、主請求項に係る器具、独立請求項に係るボウリングシステム、及び、別の独立請求項に係る方法によって達成される。別の改良点は、以下の説明及び従属請求項によって記載される。
【0012】
少なくとも1本のボウリングピンを配置するための器具が、本明細書によって提示される。装置は、ボウリングピン及びボウリングピンの向きを検出するための物体認識装置と、ボウリングピンを把持及び保持し、ボウリングピンを所定の所望の位置に配置するために設計された少なくとも1つのロボットアームと、物体認識装置のデータを評価し、ボウリングピンの所定の所望の位置及び/又はボウリングピンの検出された向きに応じて、ロボットアームを作動させるように設計された制御ユニットと、を備え、ボウリングピンの向きは、ボウリングピンの縦向きと横向きとを含む。
【0013】
従来技術の既知の器具と比較して、ボウリングピンを配置するために提案される本器具の典型的な特徴は、そのコンパクトさ、省エネルギー、及び、軽量な構成である。従来、ボウリングピンの配置には複雑かつ大型の機械が必要であった。しかしながら、提案される本器具は、1つの物体認識装置、1つのロボットアーム、及び、1つの制御ユニットのみで行うことができる。
【0014】
さらに、ロボットアームによって、ボウリングピンを所定の所望の位置に高精度に配置することができる。ボウリングゲームの場合、一般的に、10本のボウリングピンが二等辺三角形又は正三角形に配置される。三角形の頂点は、ボウリングプレーヤの方向に向いている。ロボットアームがボウリングピンの配置に使用されることから、ボウリングピンの配置に大きな柔軟性が得られる。例えば、多数のボウリングピンを所定の配置でレーンに配置することができる。したがって、ボウリングピンを様々な幾何学形状に配置することができる。例えば、9本のボウリングピンを正方形に配置することができる。あるいは、ボウリングピンを、例えば、線に沿って配置することもできる。所定の配置を、完全な基本的な配置、又は、このような配置の部分的な配置とすることができる。完全な基本的な配置は、例えば、10本のボウリングピンによる三角形、又は、9本のボウリングピンによる正方形である。さらに、提案される本器具によって、三角形又は正方形とは異なるように、ボウリングピンをレーンに配置することができる。これにより、ボウリングピンの数は、9本若しくは10本であってもよいし、又は、10本より多くてもよいし若しくは9本より少なくてもよい。したがって、提案される本器具は、レーンのボウリングピンの任意の所定の所望の位置及び配置を可能にする。この方法によって、従来の配置器具では今まで不可能であった新しいタイプのゲームでさえも設計することができる。
【0015】
ボウリングピンが配置されるレーンの領域は、ピンデッキと呼ばれることが多い。ボウリングピンの所定の位置、又は、ボウリングピンの所定の配置、又は、ボウリングピンの数は、例えば、制御ユニットに接続された入力手段を用いて利用者によって特定され得る。例えば、利用者がボウリングピンの特定の配置で投球技術の練習を望む場合、利用者は、入力手段を用いて、ボウリングピンの所定の位置、ボウリングピンの配置、若しくは、ボウリングピンの数を入力又は変更することができる。
【0016】
提案される本器具は、さらに、ボウリングピンを迅速に配置することができ、すなわち、器具は、30秒以内で確実に配置することができる。好ましい実施例では、ロボットアームの重さは、最大で200kg、最大で175kg、又は、最大で150kgである。
【0017】
本明細書におけるボウリングピンは、ボールを用いてユーザによって一般的に倒される円錐形状、円筒形状、及び/又は、棒形状の物体として理解されるべきである。したがって、「ボウリングピン」とは、特に、「ピン」、「スキットル」、「ボウリングスキットル」、及び、「ボウリングピン」を含む。ボウリングボールは、単に、ボールと呼ばれることが多い。ボウリングピンが横向きの場合、これを「倒れたボウリングピン」と呼ぶこともできる。ボウリングピンが縦向きの場合、「立っているボウリングピン」と呼ぶこともできる。
【0018】
ボウリングレーンは、一般的に、アプローチ、ファウルライン、レーン(走行面)、ピンデッキ、ピット、及び/又は、少なくとも1つのガターを備える。
【0019】
ここで、アプローチは、プレーヤが投球のために移動する領域である。ファウルラインは、通常、黒でマークされ、アプローチとレーンとを区切るラインである。ファウルラインは、多くの場合、光バリアによって制御ユニットに接続されている。光バリアが作動すると、F(ファウル)が記録され、倒れたピンはカウントされない。レーンは、通常、アプローチとピンデッキとの間の60フィートの長さの領域である。この領域は、通常、プレーヤによって踏み込まれない。ボールは、ピンデッキに立っているピンへの経路のこの領域を通過する。レーンは、通常、レーンのコーティングを保護するために、領域において油が塗られている。ピンデッキは、ボウリングピンが立っている領域、又は、倒れたボウリングピンが再び配置される領域である。ピットは、縦方向へピンデッキの領域に接続する。ピットは、倒れたボウリングピンがプッシャーによって押し込まれる領域、又は、ボウリングピンがボールによって押し込まれる領域である。少なくとも1つのガターは、レーン及びピンデッキの隣で側方に(右又は左に)延在する。
【0020】
別の改良点では、物体認識装置は、ボウリングピンの位置を検出するために設計される。特に、検出位置は、横向きボウリングピンの位置を含む。特定の状況下において、横向きボウリングピンの正確な位置を検出する必要はない。しかしながら、任意選択的に、物体認識装置によって、横向きボウリングピンの位置も検出することができる。ボウリングピンの位置は、例えば、レーン若しくはボウリングレーン又はピットのような平面へのボウリングピンの重心の位置の投影として理解することができる(下記参照)。したがって、ボウリングピンの向きは、ボウリングピンが立っているか又は横になっているかに関する情報を提供するが、ボウリングピンの位置は、ボウリングピンのレーン又はピット内の位置を特定する(下記参照)。
【0021】
制御ユニットは、ボウリングピンの検出位置に応じて、ロボットアームを作動させるように設計され得る。検出位置は、所定の所望の位置及び/又は所望の位置に対して水平に移動した実際の位置を含むことができる。
【0022】
ボウリングプレーヤ又は利用者は、一般的に、多数のボウリングピン(主に、10本)を倒すために2回の投球を行う。ボウリングピンは、1回目の投球によって、倒れることなく元の位置から移動することが起こり得る。しかしながら、2回目の投球前、ボウリングピンは、1回目の投球で押し出された位置に立つ必要がある。制御ユニットは、ボウリングピンの検出位置に応じてロボットアームを作動させることができる。その結果、2回目の投球の際に、ボウリングピンが1回目の投球後に移動した位置に正確に配置されるか、又は、正確にそこに留まることを保証することができる。ケーブルピンセッターのような現在利用可能なピンセッターは、これを達成しないか、満足できる方法ではなく、又は、比較的大きな許容範囲内でのみ行う。
【0023】
器具は、さらに、プッシャーを備えることができる。プッシャーは、例えば、レーンに配置された多数のボウリングピンを、ピット内に、例えば、ガター内に押し込むように設計され得る。
【0024】
従来技術のプッシャーによってボウリングピンがレーン(ピンデッキ)からピット内にどのように押し込まれるかについて、以下に簡単に説明する。ボウリングボールの1回目の投球後、最初のボウリングボールが押され/投げられ、数本のボウリングピンが立ったままの状態であると、すぐに、通常、ピンサーが下方に移動し、残っているボウリングピンを把持する。ピンサーはボウリングピンを引き上げ、プッシャーはレーンにある倒れたボウリングピンを後方のピット内に押し込む。その後、ボウリングピンは、ピンサーによってレーン又はピンデッキに配置され、空のピンサーは再び上方に移動する。2回目の投球後、ピンサーは、再び下方に移動するが、ボウリングピンを把持せずに再び上方に移動する。プッシャーは、その後、2回目の投球から最後のボウリングピンを後方のピット内に押し込む。横になっているボウリングピンがピンデッキ又はガターに位置していることから、これらは、プッシャーによってピット内に押し込まれる。ピンデッキ又はガターにボウリングピンが存在しない限り、2回目の投球を直ちに行うことができる。
【0025】
これとは対照的に、本出願の実施例によると、1回目の投球後、レーンのすべてのボウリングピン、したがって、倒れたボウリングピン及び立っているボウリングピンは、プッシャーによってピット内に押し込まれる。実施例によると、制御ユニットは、プッシャー及びロボットアームを作動させるように設計される。これにより、第1の数のボウリングピンが横向きの場合、プッシャーは、第2の数の縦向きボウリングピンを含むすべてのボウリングピンをピット内に押し込む。
【0026】
ロボットアームは、例えば、第2の数の縦向きボウリングピンのみをピットから把持し、それらを所定の所望の位置に、又は、物体認識装置によって検出される位置に配置することができる。これにより、一般的に、どのボウリングピンがロボットアームによってピットから把持され、レーン(ピンデッキ)に戻されるかは問題ではなく、1回目の投球後に立ったままのボウリングピンの数だけが再び配置される。
【0027】
例えば、1回目の投球後、全てのボウリングピンをレーンからピット内に押し込み、その後、ロボットアームによって個々のボウリングピンをピットから把持し、それらを配置することは、ロボットアームによって、立っているボウリングピンの間で倒れたボウリングピンを把持し、それらをピット内に置くことよりも簡単であることが分かっている。これは、場合によっては、把持時にロボットアームが立っているボウリングピンを不注意に倒してしまうからである。
【0028】
2回目の投球後、レーンに残っている全てのボウリングピンは、プッシャーによってピット内に押し込まれる。その後、ロボットアームは、ピットからボウリングピンを把持し、ロボットアームは、再びレーンの所定の所望の位置にボウリングピンを配置する。
【0029】
実施例では、上述のプッシャーを省略することもできる。この場合、制御ユニットは、ロボットアームを作動させる。その結果、ロボットアームは、横向きボウリングピンを引き上げ、それらをピット内に配置し、縦向きボウリングピンを立ったままにする。これにより、ロボットアームの上述の作動は、特に、ボウリングボールの1回目の投球後、ボウリングボールの2回目の投球前に行うことができる。
【0030】
さらに、ロボットアームは、2回目の投球後、倒れたボウリングピンとピット内のボウリングピンとを所定の位置に配置し、2回目の投球後、所定の所望の位置に立ったままのボウリングピンを残すことができる。これにより、2回目の投球後、ボウリングピンを配置するために必要な時間を短縮することができる。
【0031】
別の実施例によると、物体認識装置は、一群のボウリングピンから特定のボウリングピンを認識するために設計され得る。このために、特定のボウリングピンは、好ましくは、検出特徴を備える。器具及び特定のボウリングピンのこのような設計によって、別のゲームの変形例を考えることができる。検出特徴は、例えば、ボウリングピンの特定の色、材料選択、又は、形であってもよい。重要なことは、物体認識装置が検出特徴によって特定のボウリングピンを認識できることである。例えば、「金色のボウリングピン」は、所定の位置、例えば、最前の位置でボウリングプレーヤに対向する位置に配置され得る。競技において、利用者又はボウリングプレーヤは、金色のボウリングピンを最初に倒すことを試みることができる。
【0032】
別の設計では、ボウリングボール及びボウリングボールの位置を検出するために設計された物体認識装置を想定することができる。物体認識装置は、さらに、ロボットアーム及び/又はロボットアームの位置及び/又はロボットアームの向き及び/又はロボットアームの回転位置(旋回位置)を検出するために設計され得る。さらに、物体認識装置は、レーン、ピット、傾斜路(下記参照)及び/又はプッシャー及び/又は人間及び/又は動物を検出するために設計され得る。別の変形例では、物体認識装置は、ボウリングレーンの物体を検出し、物体がボウリングピンであるか又はボウリングボールであるかを認識することができる。物体がボウリングボールでもボウリングピンでもなく、ロボットアームから安全距離内に存在することを物体認識装置が認識すると、制御ユニットは、ロボットアームのスイッチをオフするように設計され得る。特に、物体認識装置は、人間又は動物を認識するように設計され得る。人間又は動物がロボットアームから安全距離内に存在する場合、制御ユニットは、ロボットアームのスイッチをオフにするように設計され得る。このような安全対策によって、例えば、サービススタッフ及びロボットアームが互いに干渉することを防止することができる。
【0033】
さらに、少なくとも1つのロボットアームは、ボウリングボールの把持及び保持、並びに、ボウリングボールを所定の所望の位置に動かすために設計され得る。さらに、制御ユニットは、ボウリングボールの検出位置に応じてロボットアームを作動するように設計され得る。
【0034】
ロボットアーム及び/又はロボットアームの上方及び/又はロボットアームの隣に配置される物体認識装置を想定することができる。ピンデッキ又はレーンの上、上方、後、前、又は、隣に物体認識装置を配置することもできる。物体認識装置の位置は、一般的に、それぞれのボウリングレーン又はレーンの特別な状況に応じて正確に選択される。
【0035】
実施例では、制御ユニットは、ロボットアームの現在の向き及び/又は現在の位置に応じて、ロボットアームを作動させるように設計される。例えば、ロボットアームは、少なくともアイドル位置及び把持位置を有することができる。アイドル位置におけるロボットアームがボウリングプレーヤ又は利用者の投球を阻害しないように、ロボットアームのアイドル位置を設計する必要がある。
【0036】
ロボットアーム又はボウリングピン又はボウリングボールが物体認識装置の視界を遮断又は制限する場合、制御ユニットは、ロボットアームが別の位置に移動するようにロボットアームを作動させることができる。代替的に又は追加的に、物体認識装置を移動可能に設計することが有利である。ロボットアームが物体認識装置の視界を遮断する場合、物体認識装置は、視界が明瞭になる位置に移動することができる。このために、物体認識装置は、移動(進行)配置に配置され得る。物体認識装置は、アイドル位置から少なくとも1つの測定位置に移動することができ、戻ることができる。移動配置は、制御ユニットに接続することができ、これによって作動可能である/作動され得る。
【0037】
通常、ロボットアームは、ボウリングピンを把持及び保持するための把持装置を備える。把持装置は、例えば、機械式、空気式、及び/又は、磁気式把持装置である。
【0038】
磁気式把持装置の使用は、正確な把持が不要であるという点において有益である。さらに、磁気式把持装置は、通常、ボウリングピンの異なる把持点で把持することができる。このために、ボウリングピンは、少なくとも1つの磁石、及び/又は、鉄、コバルト又はニッケルのような少なくとも強磁性材料を含む必要がある。機械式又は空気式把持装置は、ボウリングピンが正確な方法で把持可能であるという点において有益であることから、ボウリングピンを所定の位置に正確に配置することができる。同様に、磁気式、機械式、及び/又は、空気式把持装置の組み合わせも考えられる。
【0039】
把持装置は、ボウリングピン及び/又はボウリングボールの保持を認識するために設計されたセンサを備えることができる。把持装置のセンサは、制御ユニットに接続することができる。したがって、実施例において、ボウリングピン又はボウリングボールがロボットアームの把持装置によって保持されることをセンサが示すまで、ロボットアームは、制御ユニットの対応する制御によって、さらに動くことも、回転することもできない。
【0040】
別の実施例では、ロボットアーム/把持装置を別のロボットアーム/別の把持装置と交換するために、ロボットアーム又は把持装置を非破壊的な方法で分解することができる。ロボットアーム又は把持装置のようなロボットアームの一部が故障した場合、ロボットアームを完全に又は部分的に分解し、ロボットアーム又はそれぞれの部品を交換することができる。器具は、さらに、トラブルなく動作させるために、少なくとも2つのロボットアームを備えることができる。作業中にいずれかのロボットアームが故障した場合でも、他方のロボットアーム又は別のロボットアームによってボウリングピンを配置することができる。さらに、2つ以上のロボットアームが存在する場合、ボウリングピンを配置する速度を上げることができる。実施例では、ロボットアーム及び/又はプッシャーの動きは、制御ユニットによって互いに同期又は調整される。例えば、この方法によって、ロボットアームの衝突は防止できる。
【0041】
物体認識装置は、少なくとも1つのボウリングピン及び/又はボウリングボール及び/又はロボットアーム及び/又はピット及び/又はプッシャー及び/又はランプ及び/又は人間を認識するためのセンサ、例えば、フォトセンサ、又は、レーザスキャナ、例えば、3Dレーザスキャナ、スイッチボタン、又は、カメラ、又は、上述の要素のいくつかの組み合わせを含む(下記参照)。本明細書では、物体認識装置は、好ましくは、それぞれの物体の3D物体認識を可能にする。本明細書では、複数のセンサ、レーザスキャナ、及び/又は、フォトセンサ、及び/又は、カメラ、及び/又は、1つ又は複数の3Dレーザスキャナ、カメラ、及び、フォトセンサの組合せをさらに使用することもできる。
【0042】
制御ユニットは、物体認識装置の上述のセンサ又は上述の複数のセンサ(レーザスキャナ、3Dレーザスキャナ、スイッチボタン、カメラ、フォトセンサ、又は、それらの組み合わせ)の信号又はデータを処理する又は扱うように設計され得る。
【0043】
実施例では、ロボットアームは、1つ又は複数のレーンに亘る(1つ又は複数のボウリングレーンに延在する)ボウリングピンを把持及び/又は配置するように設計される。実施例では、ロボットアームは、少なくとも2つのボウリングレーンに位置するボウリングピンを把持するために、及び/又は、ボウリングピンを少なくとも2つの異なるボウリングレーンに配置するために設計される。特に、ロボットアームは、異なるボウリングレーンからのボウリングピンを、順番に又は交互に(したがって、複数のボウリングピンを同時にではなく)把持し、それらを保持し、それらを異なるボウリングレーンに配置することができる。本明細書における「位置する」は、一般的に、立っているボウリングピン及び横になっているボウリングピンを含む。例えば、ロボットアームは、異なるボウリングレーンからボウリングピンを把持し、及び/又は、それらを異なるレーンに配置することができるように、寸法決め可能及び/又は位置決め可能である。本明細書において、当業者は、ロボットアームの特定の寸法及び/又は位置がそれぞれのボウリングレーンの寸法に依存することを認識する。ボウリングピンの把持後、ロボットアームは、ボウリングピンを保持し、続いて、これを、特定の、所望の又は所定の位置(例えば、ボウリングレーン上又はピット内)に配置又は位置することができる。
【0044】
実施例では、ロボットアームは静止して配置される。ロボットアームは、例えば、隣接するボウリングレーンに位置するボウリングピンを把持するために、及び/又は、隣接するボウリングレーンの1つにボウリングピンを配置するために、設計され得る。例えば、ロボットアームを2つのボウリングレーンの間に位置決めすることが考えられる。その結果、ロボットアームは、両方のボウリングレーン又は隣接するボウリングレーンのボウリングピンを把持及び/又は配置することができる。
【0045】
別の実施例では、ロボットアームは移動可能に設計され得る。例えば、キャリッジのような移動可能な車両上又は車両に配置されるロボットアームを想定することができる。車両は、例えば、ホイール、タイヤ、又は、ローラを備えることができる。この場合、ロボットアームは、ボウリングピンが引き上げられ、所定の位置に置かれ、及び/又は、配置されるボウリングレーンに必要に応じて移動することができる。この場合、ボウリングレーンは、隣接している必要はなく、したがって、1つ又は複数のボウリングレーンをこれらのボウリングレーンの間に配置することができる。車両は、例えば、ステップモータによって移動させることができる。ステップモータは、好ましくは、制御ユニットによって作動される。
【0046】
器具は、さらに、制御ユニットに接続され、移動可能なロボットアームの位置を認識するための位置センサを備えることができる。位置センサは、物体認識装置と異なるユニットとすることができる。このユニットは、例えば、それぞれのロボットアームに固定されるGPSセンサである。位置センサをステップモータに組み込むこともできる。車両の位置/相対位置は、ステップモータのステップをカウントすることによって決定することができる。また、位置センサは、物体認識装置自体であってもよい。制御ユニットは、その実際の位置に応じて移動可能なロボットアームを、作動させるように、及び/又は、所望の位置に移動させ、その後、作動させるように、設計され得る。
【0047】
静止又は移動可能なロボットアームは、例えば、一定の高さでボウリングレーン又はボウリングレーンの上方に配置され得る。この場合、ボウリングレーンの1つからボウリングピンを取るために、ロボットアームは下向きに把持する。この目的のために、静止ロボットアームは、一定の高さでボウリングレーン又はボウリングレーンの上方に配置されたキャリアに固定され得る。移動可能なロボットアームの車両は、例えば、一定の高さでボウリングレーン又はボウリングレーンの上方に配置されたレール又はガイド(下記参照)に連結され得る。
【0048】
複数のロボットアームが存在する場合、制御ユニットは、ロボットアームの動作状態に応じて、このロボットアーム及び/又はそれぞれの他のロボットアーム及び/又はそれぞれの他の複数のロボットアームを作動させることができる。例えば、ロボットアームが完全に動作している又は動作していない場合、動作状態は、それぞれ、「良好」又は「不良」によって特徴付けることができる。ロボットアームが動作不可能な場合、制御ユニットは、他のロボットアーム又は他の複数のロボットアームを作動させることができる。その結果、他のロボットアーム又は他の複数のロボットアームは、動作不可能なロボットアームの動作を引き受ける。例えば、制御ユニットは、動作不可能な移動可能なロボットアーム、又は、この移動可能なロボットアームの車両、又は、車両のモータに、停止位置に移動するように指示することができる。さらに、制御ユニットは、動作不可能な静止ロボットアームに、そのアイドル位置をとるように指示することができる。さらに、制御ユニットは、動作ロボットアームに、動作不可能なロボットアームの位置をとり、その動作を引き受けるように指示することができる。動作状態は、さらに、「オン」及び「オフ」含むことができる。ロボットアームのスイッチが、例えば、オン又はオフの場合、さらなる動作状態「オン」及び「オフ」がそれぞれ存在し得る。実施例では、器具は、ロボットアームの動作状態を検出するための手段を備える。動作状態を検出するための手段は、制御ユニットに接続され得るか又は制御ユニットの一部であり得る。代替的又は追加的に、制御ユニットに接続される上述の入力手段によって、利用者は、それぞれのロボットアームの動作状態(したがって、特に、「オン」又は「オフ」、及び、「良好」又は「不良」)を特定することができる。
【0049】
さらに、本明細書において、ボウリングシステムが提案されている。特に、ボウリングシステムは、少なくとも1つのボウリングピンを配置するための上述の器具及び/又は上述のロボットアームを備えることができる。さらに、ボウリングシステムは、実質的に水平に延在するボウリングレーンを備える。
【0050】
ボウリングシステムは、少なくとも2つの実質的に水平に延在するボウリングレーンを備えることができる。ボウリングレーンの長軸は、好ましくは、互いに平行に整列される。実施例では、ロボットアームは、レーンに亘る(延在する)ボウリングピンを把持及び/又は配置するように設計される。少なくとも2つのボウリングレーンに位置するボウリングピンを把持するために設計されるロボットアームを想定することができる。実施例では、ロボットアームは、ボウリングレーンに対して静止して配置され、例えば、2つの隣接するボウリングレーンの上方又は間に配置される。この場合、ロボットアームは、隣接するボウリングレーンに位置するボウリングピンを、例えば、順番に又は交互に把持することができる。ロボットアームが移動可能に設計される場合、ロボットアームは、ロボットアームが隣接するボウリングレーンのボウリングピンを把持及び/又は配置できるような位置に移動することができる。
【0051】
ボウリングシステムは、車両が移動可能なレール又はガイドを備えることができる。それにより、レールをレールシステムの一部とすることができる。ロボットアームは、レール又はガイドによって、所定の通路に沿ってのみ移動することができる。あるいは、車両は、このために想定される経路を移動可能である。経路は、通常、ボウリングレーンに隣接している。経路は、好ましくは、少なくとも2つの車両が2つの車両の衝突が発生することなく、互いに反対方向に隣り合って走行できるように寸法決めされる。車両は、自己駆動方式で設計され得る。すなわち、車両は、ロボットアームをボウリングレーンからボウリングレーンに事故なく移動させるために、適切なソフトウェア及びハードウェアを備えることができる。
【0052】
実施例では、ボウリングレーンに対するロボットアームの比率は、1より小さい。例えば、N個のロボットアームとM個のボウリングレーンとが存在する場合、NはMより小さい。例えば、1つのロボットアームを2つのボウリングレーンに設けることができる。本実施例によれば、コストを低減することができる。
【0053】
別の実施例では、ボウリングレーンに対するロボットアームの比率は、1より大きい。例えば、N個のロボットアームとM個のボウリングレーンとが存在する場合、NはMより大きい。例えば、2つ以上のロボットアームを1つのボウリングレーンに設けることができる。この場合、冗長性を提供することができる。これにより、ボウリングシステムのトラブル及び中断のない動作を保証することができる。例えば、あるボウリングレーンのロボットアームが動作不可能な場合、別のロボットアームを対応するボウリングレーンに動かすことができ、又は、隣接する静止ロボットアームが、動作不可能なロボットアームのボウリングピンを把持、保持、及び、配置することができる。これとは対照的に、従来のシステムでは、それぞれの配置器具に欠陥があれば、ボウリングレーンは完全に稼働を停止する。したがって、特に、提案された器具及び/又は提案されたボウリングシステムによって、中断することなく動作を行うことができる。さらに、ボウリングレーンのトラブル及び中断のない動作を保証するために、サービススタッフの数を減らすことができることから、冗長性によってメンテナンスコストを下げることができる。
【0054】
ボウリングシステムは、ボウリングレーンに沿って延在する傾斜路を備えることができる。傾斜路は、例えば、水平ボウリングレーンの水平面に対して傾斜している。傾斜路は、通常、ボウリングボール用のガイドレールを備える。ロボットアームは、ボウリングボールを傾斜路に配置するように設計される。傾斜路は、さらに好ましくは、ボールテーブルまで延在する。ボウリングボールは、自重の影響でボールテーブルへ傾斜路上を転がることができる。ボールテーブルは、次の投球のために利用者によって使用され得る。
【0055】
従来技術では、ボウリングボールは、投球後、ボール加速器の前で転がり、加速器によって高速になり、ボール保管所まで転がることが想定される。ボウリングボールは、ボール保管室の前でブレーキがかけられ、ボール保管室のハウジング内に配置された搬送ベルトによってボールテーブルに戻される。従来技術の別の変形例では、搬送ベルトとボールリフタとが設けられる。ボールリフタは、搬送ベルトに接続され、ボールを傾斜路に持ち上げる。ボウリングボールは、ボールテーブルへ傾斜路を転がる。
【0056】
したがって、ボウリングボールを把持するロボットアームと組み合わせて傾斜路を比較的簡単に配置することにより、従来技術の欠陥が生じやすい複雑な構造(ボール加速器、搬送ベルト、ボールリフタ等)を不要とすることができる。
【0057】
ボウリングシステムの全ての特徴は、これらの特徴が互いに矛盾したり除外されたりしない限り、器具の特徴と組み合わせることができ、逆もまた同様である。
【0058】
さらに、本明細書では、少なくとも1つのボウリングピンを配置する方法が提示されている。この方法は、ボウリングピン及びボウリングピンの向きを検出するステップと、ロボットアームによってボウリングピンを把持するステップと、ロボットアームによって、ボウリングピンを所定の所望の位置に配置するステップと、を備え、ボウリングピンの向きは、ボウリングピンの縦向き及び横向きを含む。
【0059】
本方法は、さらに、 ボウリングピンの位置を検出するステップと、ボウリングピンの検出位置に応じて、ロボットアームを移動させるステップと、を備える。検出位置は、所望の位置及び/又は所望の位置に対して水平に移動した実際の位置を含む。
【0060】
さらに、この方法に関して、追加のステップを設けることができる。追加のステップは、第2の数の縦向きボウリングピンの位置を検出するステップと、第1の数の横向きボウリングピンと第2の数の縦向きボウリングピンとをピット内に押し込むステップと、ロボットアームによって、第2の数のボウリングピンを把持するステップと、ロボットアームによって、ボウリングピンを検出位置に配置するステップと、を備える。
【0061】
本方法の実施例では、ボウリングボール及びボウリングボールの位置を検出するステップと、ロボットアームによって、ボウリングボールを把持及び保持するステップと、ロボットアームによって、ボウリングボールを所定の所望の位置に移動させるステップと、が実現される。
【0062】
この方法は、一群のボウリングピンから特定のボウリングピンを認識するステップを備え、特定のボウリングピンは、検出特徴を備える。
【0063】
特に、この方法は、ボウリングピンを配置するための器具を説明する上で上述した1つ以上のステップを備えることができる。この方法は、例えば、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのようなコンピュータ可読媒体のコンピュータプログラムの形態でのコードとして実施することができる。
【0064】
特に、この方法は、ボウリングピンを配置するための上述の器具を用いて実施することができる。上述のボウリングシステムは、同様に、上述の方法を実行するのに適している。
【0065】
ここで、ボウリングピンを配置するための器具に関して、又は、ボウリングシステムに関してのみ言及された特徴は、ボウリングピンを配置するために言及された方法についても特許請求することができ、逆もまた同様である。
【0066】
以下、添付図面を参照して本発明を説明する。以下の図面が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1図1は、ボウリングピンを配置するための器具の斜視図である。
図2図2は、ボウリングピンを配置するための器具の別の図である。
図3図3は、ボウリングピンを配置するための器具の別の図である。
図4図4は、ボウリングピンの様々な所望の位置を示す図である。
図5図5は、図1~3に係るボウリングピンを配置するための器具の概略図である。
図6図6は、複数のボウリングレーンを有するボウリングシステムの概略図である。
図7図7は、複数のボウリングレーンを有する別のボウリングシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図面において、同じ特徴には同じ参照符号が付されている。
【0069】
図1図3は、ボウリングピン2を配置するための器具1の異なる図を示している。器具1は、レベルレーン10の一端に配置される。レベルレーン10は、走行面10又はボウリングレーン10と呼ばれることもある。多くのボウリングピン2が認識される。多くのボウリングピン2は、走行レーン10の領域13、いわゆるピンデッキ13に配置される又は配置され得る。ピット又はガター6として設計され、倒れたボウリングピン2が搬送され得る深溝部6は、領域13に隣接している。プッシャー(図示せず)を設けることができる。プッシャーは、倒れた及び/又は立っているボウリングピン2をピンデッキ13からピット6内に押し込むことができる。一般的に、ボウリングピン2は、ボウリングボール9によって倒される。一般的に、ボウリングボール9は、プラスチック材料から製造され、ボウリングボールの重さは、3.5~7.3kgである。さらに、ボウリングピン2の重さは、通常、1300~1640グラムの間であり、ボウリングピン2の高さは、約35~40cm、例えば、約38cmである。ボウリングピン2は、主に、プラスチックコーティングが施された木製コアを有する。
【0070】
器具1は、2つのロボットアーム3、4を備える。2つのロボットアームのそれぞれの重さは、約100~150kgである。また、2つ以上のロボットアーム又は1つのロボットアームを設けることもできる。ロボットアーム3、4は、ボウリングピン2を把持及び保持するために設計される。さらに、ロボットアーム3、4は、ボウリングピン2を所定の所望の位置5、12に配置するために設計される。ロボットアーム3、4を多軸ロボットにすることができる。このために、ロボットアーム3、4は、複数のアームセグメント22、23、24を備えることができる。図示の実施例では、ロボットアーム3、4は、それぞれベース20を備える。プラットフォーム21は、垂直回転軸を中心として回転可能にベース20に配置される。回転アームセグメント22は、プラットフォーム21に回転可能に配置される。別のアームセグメント23は、回転アームセグメント22に配置される。アームセグメント23は、例えば、回転アームセグメントとして設計され得る。回転軸を有する把持アームセグメント24は、別のアームセグメント23に配置されている。把持装置25は、把持アームセグメント24に配置され得る。把持装置25は、ロボットアームセグメント22、23、24の移動軸の作動によって、空間を移動し、回転することができる。把持装置25を、例えば、空気式、機械式、及び/又は、磁気式把持装置とすることができる。図1図3から認識できるように、ロボットアーム3、4は、さらに、ボウリングボール9を把持及び保持するために設計される。把持装置25は、ボウリングピン2及び/又はボウリングボール9の保持を認識するために設計されたセンサを備えることができる。ロボットアーム3、4は、少なくとも1つのアイドル位置及び把持位置を有する。これにより、ロボットアーム3、4がボウリングプレーヤ又はレーン10の利用者の投球を妨げないことを保証することができる。
【0071】
図示の実施例では、器具1は、2つのロボットアーム3、4を備える。あるいは、1つのロボットアームだけ又は2つ以上のロボットアームを想定することもできる。ロボットアーム3、4は、好ましくは、同じ種類である。あるいは、器具1に対して2つの異なる種類のロボットアーム3、4を使用することもできる。ロボットアーム3、4及び/又は把持装置25は、それぞれ非破壊的な方法で分解され得る。その結果、ロボットアーム及び/又は把持装置は、欠陥機能を有する場合、部分的又は完全に分解され、別のロボットアーム又は別の把持装置25と入れ替えられ得る。
【0072】
図示されていない傾斜路は、ボウリングレーン10に沿って側方に延在することができる。傾斜路は、ボウリングボールのためのガイドレールを備えることができる。ロボットアーム3、4の少なくとも1つは、ボウリングボール9を傾斜路に配置するように設計され得る。傾斜路は、水平レーン10に対して傾斜している。この手段によって、ボウリングボール9は、自重によって、レーン10の始点に位置するボールテーブルに転がり戻る。ここで、ボウリングプレーヤは、ボールテーブルからボウリングボール9を取り出し、次のゲームに使用することができる。
【0073】
器具1は、さらに、図示されていない物体認識装置(図5参照)を有する。物体認識装置は、ボウリングピン2及び/又はボウリングボール9及び/又はロボットアーム3、4及び/又はピット6及び/又はレーン10及び/又は人間及び/又は動物を検出するために設計される。物体認識装置は、さらに、ボウリングピン2の向きを認識することができる。すなわち、物体認識装置は、ボウリングピン2が倒れているか又は立っているかを検出することができる。
【0074】
物体認識装置は、さらに、レーン10上のボウリングピン2の位置を検出するために設計され得る。物体認識装置は、例えば、ロボットアーム3、4に、及び/又は、ロボットアーム3、4の上方に、及び/又は、ロボットアーム3、4の隣に配置され得る。このために、物体認識装置は、異なる位置に配置された複数のモジュールを備えることができる。物体認識装置は、移動可能に配置され得る。その結果、物体認識装置は、ボウリングピン2の位置及び/又は向きを常に認識することができる。したがって、ロボットアーム3、4の1つが物体認識装置の視界を遮る場合は、物体認識装置を移動させる(動かす)ことができる。物体認識装置は、さらに、ロボットアーム3、4若しくはロボットアーム3、4の一部、及び/又は、ロボットアーム3、4の位置、及び/又は、ロボットアーム3、4の向き、及び/又は、ロボットアーム3、4の回転位置を検出するために設計され得る。
【0075】
物体認識装置は、ボウリングピン2及び/又はボウリングボール9及び/又はロボットアーム3、4を検出する少なくとも1つのセンサを備える。レーザスキャナは、例えば、センサとして使用することができる。ここで、スキャナは、短い距離で複数のレーザービームを出射することができる。その結果、扇形のレーザービームが生じる。次に、検出領域、一般的に、少なくとも領域13(ピンデッキ13)及びピット6において、センサを回転させることによって、扇形のレーザービームは回転する。この手段によって、検出領域の空間的検出が行われる。ここで、幾何学データは、レーザービームによる距離測定によって収集される。ボウリングピン2及び/又はボウリングボール9及び/又はロボットアーム3、4を検出するためのカメラは、レーザスキャナの代わりに又はそれに加えて使用することができる。物体認識装置は、1つのボウリングレーンに1つのセンサ又は複数のセンサを備えることができる。
【0076】
物体認識装置は、さらに、一群のボウリングピン2から特定のボウリングピン7を認識するために設計され得る。特定のボウリングピン7は、一群の他のボウリングピン2と比較して、検出特徴8を有する。特徴は、図示の実施例では、ボウリングピン7の着色された円周線8として設計される。
【0077】
人間及び/又は動物がロボットアーム3、4から所定の安全距離内に位置していることを物体認識装置が認識した場合、物体認識装置に接続された制御ユニットは、ロボットアーム3、4のスイッチを切るように設計され得る。このようにして、例えば、サービススタッフとロボットアーム3、4とが互いに干渉しないことを保証することができる。
【0078】
器具1は、さらに、図示されていない制御ユニットを備える(図5参照)。制御ユニットは、物体認識装置のデータ及び/又は信号を評価し、ボウリングピン2、7の所定の所望の位置5、12及び/又はボウリングピン2の検出された向きに応じて、ロボットアーム3、4を作動させて、ボウリングピン2、7を引き上げ、それらをボウリングレーン10に配置するか、又は、それらをピット6内に配置するように設計される。
【0079】
例えば、ボウリングピン2が倒れていることを物体検出装置が検出した場合、制御ユニットは、ロボットアーム3、4を作動させ、ボウリングピン2を所定の所望の位置5に再び配置する。さらに、制御ユニットは、通常、ボウリングピン2の検出位置に応じてロボットアーム3、4を作動させるように設計される。検出位置は、所望の位置5、12及び/又は所望の位置5、12に対して水平に移動した実際の位置11を含む。さらに、制御ユニットは、ボウリングボール9の検出位置に応じてロボットアーム3、4を制御し、ボウリングボールを把持するように設計され得る。
【0080】
ボウリングピン2、7は、1回目の投球によって、倒れることなく初期位置から移動することが起こり得る。この場合を図4B及び4Dに概説する。所望の位置12は、図4B及び図4Dに破線で示されている。ボウリングプレーヤ又はレーン10の利用者の1回目の投球後、ボウリングピン2は、ボウリングボール9によって、又は、別のボウリングピン2によって、ここで倒れることなく、新しい位置11に移動される。ボウリングピン2、7のこの移動位置11は、物体認識装置によって検出され、制御ユニットに転送される。しかしながら、2回目の投球前、ボウリングピン2、7は、そこに、即ち、1回目の投球によって押し出された移動位置11に立つ必要がある。制御ユニット3、4は、ボウリングピン2、7の検出位置に応じてロボットアーム3、4を作動させることができる。その結果、2回目の投球によって、ボウリングピン2、7が1回目の投球後に押された位置に正確に配置され、又は、立ったままであることを確実にすることができる。
【0081】
一般的に、制御ユニットは、プッシャー(図5参照)に接続され、プッシャーを作動させる。制御ユニットは、第1の数のボウリングピン2、7が倒れた場合、プッシャーが第2の数の立っているボウリングピン2を含む全てのボウリングピン2、7をピット6内に押し込むように、プッシャー及びロボットアーム3、4を作動させるように設計され得る。立っているボウリングピン2がピンデッキから持ち上げられ、倒れたボウリングピンのみがピット内に押し込まれる従来技術とは対照的に、本出願によれば、ピンデッキ13に位置する全てのボウリングピン2は、ピット6内に押し込まれる。ロボットアーム3、4は、その後、ピット6からボウリングピン2を把持し、ボウリングピン2を物体認識装置によって検出されるボウリングピン2の位置5、11に配置する。
【0082】
あるいは、上述のプッシャーなしで行うこともできる。この場合、制御ユニットは、ロボットアーム3、4がボウリングレーン10から倒れたボウリングピン2、7を回収し、それらをピット6内に搬送する一方、ロボットアーム3、4が立っているボウリングピン2、7をボウリングレーン10に立たせたままにするように、ロボットアーム3、4を作動させることができる。特に、ロボットアーム3、4の上述した作動は、ボウリングボール9の1回目の投球後であって、ボウリングボール9の2回目の投球前に行うことができる。
【0083】
制御ユニットは、ロボットアーム3、4を現在の向きと位置とに応じて作動させるように設計され得る。特に、ロボットアーム3、4及びプッシャーの動きが、制御ユニットによって互いに同期又は協調している場合には有利である。制御ユニットは、ロボットアーム3、4がアイドル位置に移動するように、ロボットアーム3、4を作動させることができる。さらに、物体認識装置によるボウリングピン2及びボウリングボール9の認識を改善するために、ロボットアーム3、4を作動させることができる。制御ユニットは、さらに、物体認識装置の移動位置を制御することができる。
【0084】
別の変形例では、制御ユニットは、把持装置のセンサに接続される。
【0085】
制御ユニットは、上述のセンサのデータ及び/又は信号を処理する及び/又は扱うためのマイクロコントローラ、プロセッサ、マイクロプロセッサ、及び/又は、デジタル信号プロセッサを備えることができる。したがって、デジタル信号プロセッサ(DSP)は、デジタル信号、例えば、上述のセンサのデジタル信号を連続的に処理するために設計され得る。さらに、制御ユニットが上記センサのうちの1つ又は複数を作動させるように設計されることを想定することができる。
【0086】
さらに、制御ユニットは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスク、磁気記憶媒体、及び/又は、光学式ドライブなどの1つ以上のメモリを備えることができる。上述のセンサ又は複数のセンサのデータ及び/又は信号を処理する又は扱うためのプログラム、例えば、ソフトウェアをメモリに格納することができる。
【0087】
さらに、図示されておらず、制御ユニットに接続された入力手段を設けることができる(図5参照)。利用者は、ボウリングピン2、7の所定の所望の位置5、12、又は、レーン上のボウリングピン2、7の所定の配置(三角形、長方形、菱形、線、形線など)を特定し、入力手段によって、それを制御ユニットに送ることができる。制御ユニット及び入力手段は、例えば、ガラスファイバによって光学的に、ケーブルによって電気的に、又は、無線通信装置によって互いに接続することができる。
【0088】
ボウリングピン2、7の異なる配置の可能性を図4に示す。図4Aによると、10本のボウリングピン2、7が二等辺三角形に配置されている。図4Cによると、9本のボウリングピンが正方形に配置されている。もちろん、ボウリングピン2、7の多くの異なる配置が可能であり、本出願は、ボウリングピン2、7の特定の配置に限定されない。
【0089】
少なくとも1つボウリングピン2、7を配置するための方法が本明細書によって提供される。この方法は、ボウリングピン2、7及びボウリングピン2、7の向きを検出するステップと、ロボットアーム3、4によって、ボウリングピン2、7を把持するステップと、ロボットアーム3、4によって、ボウリングピン2、7を所定の所望の位置に配置するステップと、を備え、ボウリングピン2、7の向きは、縦向き及び横向きを含む。
【0090】
本方法は、さらに、ボウリングピン2、7の位置を検出するステップと、ボウリングピン2、7の検出位置に応じて、ロボットアーム3、4を移動させるステップと、を備え、検出位置は、所望の位置及び/又は所望の位置に対して水平に移動した実際の位置を含む。
【0091】
本方法によって追加のステップを想定することができる。追加のステップは、第2の数の縦向きボウリングピン2、7の位置を検出するステップと、倒れたボウリングピン2、7と立っているボウリングピン2、7とをピット6内に押し込むステップと、ロボットアーム3、4によって、ピット6からボウリングピン2、7を把持するステップと、ロボットアーム3、4によって、ボウリングピン2、7を検出位置11に配置するステップと、を備える。
【0092】
特に、上述の方法は、上述の器具1を用いて実施することができる。
【0093】
図5は、ボウリングピン2、7を配置するための器具1の概略図を示す。図5において、制御ユニット30は、物体認識装置31、入力手段32、プッシャー33、及び、ロボットアーム4に接続されている。さらに、図5では、破線により、制御ユニット30が車両34のステップモータ(下記参照)に接続されていることが示されている。制御ユニット30及び物体認識装置31、入力手段32、プッシャー33、ロボットアーム4及び/又は車両34のステップモータは、例えば、ガラスファイバによって光学的に、ケーブルによって電気的に、又は、無線通信装置によって互いに接続することができる。
【0094】
入力手段 32によって、ロボットアーム3、4の動作状態を制御ユニット30に伝えることができる。欠陥のためロボットアーム3、4の一方がもはや動作していない場合、「動作不可能」又は「不良」の動作状態を、例えば、入力手段32によって入力することができる。次に、制御ユニット30は、この動作状態に応じて、それぞれの他のロボットアーム3、4を作動させる。その結果、他のロボットアーム3、4は、動作不可能なロボットアーム3、4の動作を想定する。入力手段32としては、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、スマートフォン等の携帯端末を用いることができる。なお、入力手段32は、これらに限定されるものではない。代替的に又は追加的に、ロボットアーム3、4の動作状態を検出するための手段(図示せず)を設けることができ、この手段は、それぞれのロボットアーム3、4の動作状態を表示する。上述の方法によって、これらの検出手段を制御ユニット30に接続することもできる。
【0095】
図6は、縦軸が互いに平行に整列された複数のボウリングレーン(レーン)111、112、113、114を備えるボウリングシステム100の概略図を示す。4つのボウリングレーン111、112、113、114が図示の例に示されている。もちろん、4つより多い又は少ないボウリングレーンを設けることができる。ボウリングシステム100は、ボウリングレーン111、112、113、114に対して静止して配置された5つのロボットアーム101、102、103、104、105を備える。例えば、少なくともロボットアーム102、103、104は、ボウリングレーン111、112、113、114の間に配置される。ロボットアーム101、102、103、104、105は、それぞれ、ボウリングレーン111、112、113、114の上方で一定の高さに配置された図示しないキャリアに固定され得る。ロボットアーム101、102、103、104、105は、全て制御ユニット30に接続されている。したがって、制御ユニット30は、ロボットアーム101、102、103、104、105を個別に作動させ、ロボットアームの動作シーケンスを調整することができる。中央の3つのロボットアーム102、103、104は、それぞれ、2つの隣接するボウリングレーンに位置するボウリングピン2を把持、保持、及び、配置するために設計される。例えば、誤作動によってロボットアーム101及び103が故障した場合、ボウリングレーン111、112のボウリングピン2は、ロボットアーム102によって、把持及び配置され得る。余剰のロボットアームを設けることによって、1つのロボットアーム又は複数のロボットアームが故障し、修理が必要な場合でも、ボウリングレーン111、112、113、114を確実に使用することができる。あるいは、コストを下げるために、ロボットアーム101、103、105なしで行うこともできる。この場合、ロボットアーム102及び104は、レーン111、112及び113、114に亘るそれぞれのボウリングピン2を、引き上げ、配置することができる。
【0096】
図7は、互いに平行に延在する複数のボウリングレーン(レーン)211、212、213、214を備える別のボウリングシステム200の概略図を示す。ボウリングシステム200は、レールシステム35及び移動可能なロボットアーム201、202、203、204及び205が設けられている点で、ボウリングシステム100と異なる。あるいは、ボウリングシステム200は、ロボットアーム201、202、203、204、205のための1つ又は複数のガイドを備えることができる。制御ユニット30に接続されるロボットアーム201、202、203、204、205は、それぞれ、移動可能な車両34に配置される。車両34は、車輪、タイヤ、又は、ローラを備え、レールシステム35に組み付けられ、レールシステム35は、ボウリングレーン211、212、213、214と同じ高さに(例えば、ボウリングレーンの隣に)、又は、ボウリングレーン211、212、213、214の上方で一定の高さに位置され得る。レールシステム35は、メインレール36と、5つのサイドレール37とを備える。メインレール36は、例えば、それぞれのボウリングレーン211、212、213、214の長軸に対して直交するする方向に延在する。5つのサイドレール37は、それぞれ、ボウリングレーン211、212、213、214の長軸に対して平行に延び、メインレール36に接続される。
【0097】
図7において、ロボットアーム204は、サイドレール37に位置することが示されている。例えば、ロボットアーム201が動作状態「不良」に応じて動作不可能であることが確認される場合、制御ユニット30は、ロボットアーム201をサイドレール37のうちの1つに移動させ、その後、動作状態「オフ」及び「不良」に応じて、ロボットアーム201のスイッチをオフすることができる。これは図7に矢印38で示されている。現在存在しないロボットアーム201は、メインレール36でロボットアーム202を移動させることによって補償することができる。移動可能なロボットアーム201、202、203、204、205の位置を認識するための位置センサを設けることができる。その結果、制御ユニット30は、個々のロボットアーム又は車両34がどこに位置するかを認識することができる。それぞれの位置センサは、例えば、ロボットアーム201、202、203、204、205又はステップモータの構成要素に固定され得る。あるいは、物体認識装置33は、ロボットアーム201、202、203、204、205の位置を検出するために使用される。制御ユニット30は、ロボットアーム201、202、203、204、205、又は、ロボットアーム201、202、203、204、205の車両34のステップモータをそれらの位置に応じて制御する。
【0098】
図示の実施例では、ボウリングレーン213は、現在使用されていない。このため、関連するロボットアーム204は、サイドレール37に移動され、制御ユニット30を作動させることによって一時的にスイッチオフされる。図示の例では、したがって、その動作状態が「良好」及び「オフ」である。別のロボットアーム202、203及び205は、それぞれ、動作状態が「良好」及び「オン」である。
【0099】
別の実施例では、車両34は、このために設けられた経路(図示せず)上を移動することができる。経路は、通常、ボウリングレーン211、212、213、214に隣接している。経路は、例えば、図7に示されたレールシステム35と同様又は同じコースを有することができる。経路は、好ましくは、少なくとも2つの車両34が衝突することなく互いに反対方向に隣り合って動くことができるような方法で寸法決めされる。この場合、車両は、ボウリングレーン211、212、213、214の1つから他のボウリングレーン211、212、213、214の1つに事故なくロボットアーム201、202、203、204、205を移動させるために、自己駆動方式で設計され得る、すなわち、車両34は、適切なソフトウェア及びハードウェアを備えることができる。
【0100】
ここで、上述のボウリングシステム100、200の特徴は、互いに矛盾しないか、又は、互いに排除しない限り、器具1の特徴と組み合わせることができ、又は、上述の方法の特徴と組み合わせることができ、逆もまた同様であることが強調される。
【符号の説明】
【0101】
1 ボウリングピンを配置するための装置
2 ボウリングピン
3 ロボットアーム
4 ロボットアーム
5 所望の位置
6 ピット
7 所定のボウリングピン
8 検出特徴
9 ボウリングボール
10 レーン
11 移動位置
12 所望の位置
13 ピンデッキ
20 ベース
21 スタンド
22 回転アームセグメント
23 別のアームセグメント
24 把持アームセグメント
25 把持セグメント
30 制御ユニット
31 物体認識装置
32 入力手段
33 プッシャー
34 車両
35 レールシステム
36 メインレール
37 サイドレール
38 矢印
100 ボウリングシステム
101 ロボットアーム
102 ロボットアーム
103 ロボットアーム
104 ロボットアーム
105 ロボットアーム
111 ボウリングレーン
112 ボウリングレーン
113 ボウリングレーン
114 ボウリングレーン
200 ボウリングシステム
201 ロボットアーム
202 ロボットアーム
203 ロボットアーム
204 ロボットアーム
205 ロボットアーム
211 ボウリングレーン
212 ボウリングレーン
213 ボウリングレーン
214 ボウリングレーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7