(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】水素供給システム
(51)【国際特許分類】
A61H 33/14 20060101AFI20220216BHJP
C01B 3/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A61H33/14 B
C01B3/00 Z
(21)【出願番号】P 2016153173
(22)【出願日】2016-08-03
【審査請求日】2019-08-01
(31)【優先権主張番号】P 2015217158
(32)【優先日】2015-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515307102
【氏名又は名称】永井 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100147740
【氏名又は名称】保坂 俊
(72)【発明者】
【氏名】永井 秀明
【審査官】田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0190604(US,A1)
【文献】特開2014-061275(JP,A)
【文献】特開昭59-167602(JP,A)
【文献】特開平10-099124(JP,A)
【文献】登録実用新案第3149166(JP,U)
【文献】特開2016-000081(JP,A)
【文献】国際公開第2015/155848(WO,A1)
【文献】特開平02-245256(JP,A)
【文献】特開2010-082212(JP,A)
【文献】特開2015-037531(JP,A)
【文献】特開2012-170468(JP,A)
【文献】特開2009-112754(JP,A)
【文献】特開2005-087257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/00-37/00
C01B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素発生装置で発生した水素を身体に供給することを特徴とする水素発生装置を含む水素供給システムであって、
霧発生装置および/または空気供給装置を含み、前記水素発生装置で発生した水素、あるいは、前記霧発生装置で発生した霧および/または前記空気供給装置から供給した空気を水素発生装置で発生した水素と混合した気体(これらを総称して水素混合気体等という)を身体に供給することを特徴とする水素供給システムであって、
前記水素は、前記水素発生装置で発生した水素を、水素導入管を通して水素捕集用容器に入った水中へ導くことにより、水素捕集用容器で捕集した水素であり、
前記水素導入管の水素出口にバブラーを配置したことを特徴とし、
さらに、前記水素発生装置で発生した水素、前記霧発生装置で発生した霧、および/または前記空気供給装置から供給した空気を、加熱または冷却する機構をそなえていることを特徴とし、
前記水素供給システムは、前記水素混合気体等を噴出する水素混合気体等噴出装置であり、
先端に水素を噴出するノズル(水素噴出ノズル)を設けた略筒形の水素通路筒部、
水素通路筒部の軸芯部に沿って水素噴出ノズルの水素噴出ノズル口を開閉するニードルが軸方向へ進退可能に挿通されており、
前記水素混合気体等噴出装置の内部に配置された空気通路に空気弁を介して空気(圧搾空気)および/または霧(ミスト)を供給し、空気通路を通った空気および/または霧(ミスト)は水素噴出ノズルの出口に配置された水素混合気体等混合部に導入され、前記水素混合気体等混合部で水素噴出ノズル口から出る水素および/または、空気および/または霧(ミスト)を混合し、
水素混合気体等に接続したノズル(水素混合気体等噴出ノズル)から水素混合気体等を身体へ噴出することを特徴とし、
ここで、水素通路筒部の水素圧力が高くならないように前記水素噴出ノズルの水素噴出ノズル口に押し込まれるニードルが前記水素噴出ノズル口を完全に閉じない構造であることを特徴とする、
水素供給システム。
【請求項2】
前記ニードルの先端部は円錐形であることを特徴とする、請求項1に記載の水素供給システム。
【請求項3】
水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素霧空気混合気体導入管を吸入マスクに接続し、前記吸入マスクに口および/または鼻を当てて、口および/または鼻から水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を吸入可能にしたことを特徴とする、請求項1または2に記載の水素供給システム。
【請求項4】
水素捕集用容器で生成した水素水を健康用水として使用することを特徴とする、請求項1~3のいずれかの項に記載の水素供給システム。
【請求項5】
水素噴出ノズル口を開閉するニードルを軸方向に進退可能に移動する操作レバー(ニードル移動操作レバー)、および水素混合気体等噴出装置の内部に導入する空気量を調節する空気弁を開閉する操作レバー(空気弁操作レバー)を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれかの項に記載の水素供給システム。
【請求項6】
前記ニードルの水素噴出ノズル口の停止位置を調節可能な調節装置(ニードル位置調節装置)が備わっていることを特徴とする、請求項1~5のいずれかの項に記載の水素供給システム。
【請求項7】
前記調節装置は前記ニードル移動レバーに接続している、請求項6に記載の水素供給システム。
【請求項8】
前記水素供給システムは、水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素混合気体等導入管を接続した開口部を有するサウナであり、前記サウナ内に前記水素混合気体等を供給することができるようにし、前記開口部から身体をサウナ内に入れて、サウナ内に入れた身体に前記水素混合気体等を接触できるようにしたことを特徴とする、請求1~7のいずれかの項に記載の水素供給システム。
【請求項9】
前記水素供給システムは、水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素混合気体等導入管を接続したヘアブラシまたは目洗浄容器またはゴーグルメガネであることを特徴とする、請求項1~
7のいずれかの項に記載の水素供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガスを用いた健康システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年水素は水素自動車の燃料として注目されているが、水素を水に溶かした水素水が健康増進に有用であることが報告されている。たとえば、水素水を日常的に飲料すると細胞が若返るなどエイジングケアなどとして美容への効果だけでなく、様々な疾患への改善効果が認められ、一部の病院では治療の一環として水素の摂取等が取り入れられている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水素水以上に健康増進に有用な方法を提供することである。特に水素を身体に吸収しやすい方法を提供し、水素による健康の増進効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、水素ガス、水素と霧および/または空気を混合した水素混合ミスト、水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を供給する水素供給システムであり、それを用いて水素ガス、水素混合ミスト、水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を身体に供給し、身体の健康増進をはかる健康器具であり、具体的には以下の特徴を有する。
(1)本発明は、水素発生装置で発生した水素を身体に供給することを特徴とする水素発生装置を含む水素供給システム、或いは、水素発生装置で発生した水素を身体に供給することを特徴とする水素発生装置を含む水素供給システムであって、さらに霧発生装置および/または空気供給装置を含み、前記霧発生装置で発生した霧および/または前記空気供給装置から供給した空気を水素発生装置で発生した水素と混合した気体を身体に供給することを特徴とする水素供給システムであり、前記水素は、前記水素発生装置で発生した水素であり、前記水素発生装置で発生した水素を水素導入管を通して容器(水素捕集用容器)に入った水中へ導き、前記容器(水素捕集用容器)で捕集した水素であり、前記水素導入管の水素出口にバブラーを配置し、水素捕集用容器で生成した水素水を健康用水として使用することを特徴とする。
【0006】
(2)本発明は、水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素霧空気混合気体導入管を、吸入マスクに接続し、前記吸入マスクに口および/または鼻を当てて、口および/または鼻から水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を吸入可能にしたことを特徴とする。
(3)本発明は、水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素霧空気混合気体導入管を、開口部を有する目洗浄容器に接続し、前記目洗浄容器の開口部を目に向けて、水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を、目に接触させることを可能にしたことを特徴とし、あるいは、水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素霧空気混合気体導入管を、ゴーグルに接続し、前記ゴーグルの内側に、水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を、供給することができるようにし、眼にゴーグルを装着したときに、眼に水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を接触できるようにしたことを特徴とする。
【0007】
(4)本発明は、水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素霧空気混合気体導入管を、ヘアキャップに取り付け、前記ヘアキャップの内側に水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を供給することができるようにし、頭にヘアキャップを装着したときに、頭部に水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を接触できるようにし、またヘアキャップにヘアバンドが取り付けられ、頭にヘアキャップを装着しヘアバンドでヘアキャップを頭に締め付けることができることを特徴とし、さらに、ヘアキャップにヘアキャップと頭の間の水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体をガス抜きする出口を取り付けたことを特徴とする。
(5)本発明は、水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素霧空気混合気体導入管を、開口部を有するボックスに接続し、ボックス内に水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を供給することができるようにし、開口部から脚部をボックス内に入れたときに、ボックス内に入れた脚部に水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を接触できるようにし、ボックスの開口部において、開口部から脚部をボックス内に入れた後に脚部を締めつける機構を有することを特徴とし、またボックスにボックス内の水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体をガス抜きする出口を取り付け、さらにボックスにボックス内に生じた水を排出する排気口を取り付けたことを特徴とする。
【0008】
(6)本発明は、水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素霧空気混合気体導入管を、開口部を有するスカートに接続し、前記スカートの内側に水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を供給することができるようにし、開口部から下半身をスカート内に通して、スカート内に入れた下半身に水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を接触できるようにし、スカートの開口部において、開口部から下半身をボックス内に入れた後に下半身を締めつける機構を有することを特徴とし、またスカートの裾部は閉じており、スカートにスカートへ導入された水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体をガス抜きする出口を取り付け、さらにスカートにスカート内に生じた水を排出する排水口を取り付けたことを特徴とする。
(7)本発明は、水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素霧空気混合気体導入管を、開口部を有するサウナに接続し、前記サウナ内に水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を供給することができるようにし、開口部から身体をサウナ内に入れて、サウナ内に入れた身体に水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を接触できるようにしたことを特徴とし、またサウナの開口部において、開口部から身体(下半身および上半身)をサウナ内に入れた後に首部または上半身を締めつける機構を有し、サウナにサウナ内へ導入された水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体をガス抜きする出口を有することを特徴とする。
【0009】
(8)本発明は、開口部を有するボックスに水素を導入する導入管、または水素と霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入管、または水素と空気を混合した水素空気混合気体を導入する水素空気混合気体導入管、または水素と霧と空気を混合した水素霧空気混合気体を導入する水素霧空気混合気体導入管を接続し、前記ボックス内に開口部から挿入した手、指、および爪に前記導入管から供給した水素、または水素混合ミスト、または水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を当てることを特徴とする。
(9)本発明は、前記吸入マスク、前記ゴーグル、前記ヘアキャップ、前記ボックス、前記スカート、または前記サウナの一部または全部の材質は、金属、プラスチック、或いはアルミ箔または金属箔でラミネートしたものであることを特徴とする。
【0010】
(10)本発明は、水素および空気を混合して、水素空気混合気体を噴出可能な水素空気混合気体噴出装置であって、先端に水素を噴出するノズル(水素噴出ノズル)を設けた略筒形の水素通路筒部、水素通路筒部の軸芯部に沿って水素噴出ノズルの水素噴出ノズル口を開閉するニードルが軸方向へ進退可能に挿通されており、水素空気混合気体噴出装置の内部に配置された空気通路に空気弁を介して空気(圧搾空気)を供給し、空気通路を通った空気は水素噴出ノズルの出口に配置された水素空気混合部に導入され、水素空気混合部で水素噴出ノズル口から出る水素および空気を混合し、水素空気混合部に接続したノズル(水素空気混合気体噴出ノズル)から水素空気混合気体を外部へ噴出することを特徴とする水素空気混合気体噴出装置である。
(11)本発明は、(10)に加えて、水素噴出ノズル口を開閉するニードルを軸方向に進退可能に移動する操作レバー(ニードル移動操作レバー)、および水素空気混合気体噴出装置の内部に導入する空気量を調節する空気弁を開閉する操作レバー(空気弁操作レバー)を備え、さらに前記ニードルの水素噴出ノズル口の停止位置を調節可能な調節装置(ニードル位置調節装置)が備わっており、前記調節装置は前記ニードル移動レバーに接続していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水素、水素混合ミスト、水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を口や鼻から吸入することにより、口、のど、鼻、器官、肺等から水素を身体へ吸収することができる。この結果、血圧の低下、血糖値等の低減を期待できる。また、本発明の水素、水素混合ミスト、水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を眼に接触することにより、眼の疲労を防止することも期待できる。本発明の水素、水素混合ミスト、水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を頭部に接触することによって、頭部の血流をスムーズにさせ、頭の回転を良くすることが期待できる。水素だけでも効果があるが、さらに水素混合ミスト、水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を用いても各種の健康増進効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2の実施形態を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の第4の実施形態を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の第5の実施形態を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の第6の実施形態を示す図である。
【
図7】
図7は、バブラーの実施形態を示す図である。
【
図8】
図8は、手、つめに水素等を接触させる装置を示す図である。
【
図9】
図9は、水素注入前後の手の毛細血管の血流を示す図である。
【
図10】
図10は、水素および空気を混合して、水素空気混合気体をノズルから噴出可能な水素空気混合気体噴出装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、水素あるいは、小さな水滴が集まった霧に水素ガスを混合したシステム(以下、水素霧化システムと記載)とそれを用いた健康増進法に関するものであり、また水素と空気の混合気体を用いた健康増進法に関するものであり、さらに水素と空気と霧の混合気体を用いた健康増進法に関するものである。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す図である。本発明の第1の実施形態における水素霧化システム10は、水素発生装置11、水素発生装置11で発生した水素を水素導入管(第1の水素導入管)15を通して導入する水素水容器(水素捕集容器)17、水素水容器から集められた水素をさらに水素導入管(第2の水素導入管)19を通して、ミスト(霧)発生装置22から発生したミスト(霧)と混合させ、その霧と水素の混合ガス(水素混合ミストと称する)を口および/または鼻で吸入する吸入マスク23および吸入口24を含む。
【0014】
水素発生器11において、酸化カルシウム剤(CaO)およびアルミニウム(Al)を入れた水素発生剤ホルダー12を水素発生容器11に入れた後、水素発生容器11内に水を入れると、アルミニウム(Al)が水素発生反応促進剤になり水素(H2)が発生する。水素発生容器11にはキャップ13で蓋がされている。水素(H2)が発生すると水素は水素発生容器11の上部である蓋(キャップ)13の下部の空間に集まり、水素発生容器11のキャップ13の下部の空間の圧力が高まる。キャップ13には気体出口14が形成されており、水素発生容器11内の水素は気体出口14から押し出される。気体出口14には水素導入管15が接続されているので、気体出口14から押し出された水素は水素導入管15を通る。
【0015】
水素水容器17には水が入っており、その入り口は蓋25で閉じられており、蓋25と水素水容器17内の水の間には空間が存在する。水素導入管15は蓋25に形成された水素導入入口18に接続しており、さらに水素導入入口18は水素水容器17内の水素吸入管16に接続して、水素吸入管16は水素水容器17の水中に入って、水中に入れられた水素吸入管16の出口から水素水容器17の水中に出ていく。水素水容器17の水中に出た水素は、水素水容器(水素捕集容器)17の上部の空間に集まり、水素が捕集される。水素捕集容器に集められた水素は、水素水容器17の蓋25に形成された出口26から出ていく。水素水容器17の蓋25の出口26には第2の水素導入管19が接続し、この第2の水素導入管19の出口20はミスト(霧)発生装置22の導入管81と吸入マスク23との接続部(接続管)27の水素入口21につながる。水素水容器17内に入れられた水は、水素が溶け込み水素水となり、飲料できる。
【0016】
また、空気供給装置29から空気導入管82から供給される空気を接続部(接続管)27に接続すれば、水素および霧(ミスト)の混合気体(水素混合ミスト)にさらに空気を混合することができ、この混合気体(水素霧空気混合気体)を吸入マスク23から出すことができる。空気供給装置29としてたとえばエアーコンプレッサーが挙げられる。ミスト(霧)発生装置22を接続しなければ、水素と空気が混合した水素空気混合気体を吸入マスク23から出すことができる。また、ミスト(霧)発生装置22も空気供給装置29も接続しなければ水素を吸入マスク23から出すことができる。水素発生器から出る水素量、ミスト(霧)発生装置22から出るミスト(霧)量、空気供給装置29から出る空気量を調節することによって、それぞれの混合割合を調節することができる。また、水素導入管、ミスト(霧)導入管、および/または空気供給管に、ヒーター等の加熱装置または冷却装置を付設して水素、ミスト(霧)、および/または空気を加温または冷却することもできる。ヒーターとして電熱線や赤外線等を用いることができる。冷却装置としてペルティエ法を使用することができる。
【0017】
水素吸入管16の出口にバブラー28を接続して、バブラー28を通して多数の水素気泡を発生させることもできる。多数の水素気泡を発生させることにより、水素水容器17内に入れられた水に効率良く水素を溶かすことができる。すなわち、濃度の高い水素水を作ることができる。1気圧の水の水素飽和濃度は約1.6ppmであるが、バブラー28を用いれば、この値に効率良く短時間で近づけることができる。水素水容器17内の圧力を増加すれば、水の水素飽和濃度をさらに高くすることができる。尚、バブラー28を取り付けても、水素水容器17の上部の空間に出ていく水素量は殆ど変わらないことは当然である。
【0018】
図7は、バブラーの実施形態を示す図である。
図7(a)は第1のバブラーの実施形態であり、水素吸入管16の出口に水平管51を接続し、水平管51の水素出口にバブラー55を取り付けた状態を示している。バブラー55の下部が水平管51の水素出口に接続し、水素がバブラー55の下部からバブラー55の内部に入り、フィルター53を通って、さらに多数の細孔が形成されたメッシュ54を抜けて水素が水中へ出ていく。多数の細孔により水素は分散され、水素は細かい気泡(バブル)61となって水中に入る。バブラー55の上部の出口を広げれば、広い範囲の水中にバブルを分散することができる。フィルター53は水素吸入管16および水平管51に入った水素に異物が入っていた場合に、それらの異物を除去するためのものであるが、
図1に示すシステムでは、水素に異物が混入することがないので、フィルター53を取り付けなくても良い。水素の分子は非常に小さい(1~3オングストローム)ので、このサイズ以上の細孔を持つメッシュ54を作製すれば、よりサイズの小さな水素気泡を発生させることができる。メッシュ54として、たとえば、各種金属メッシュ、各種多孔質体(たとえば、多孔質繊維、スポンジ体、多孔質セラミック)がある。バブラー55は交換可能であり、種々のサイズのバブラーや、種々のメッシュ・フィルターを有するバブラーに変更したり、あるいは、バブラー55が汚れたり、破損したりした場合に交換できる。
【0019】
図7(b)は、第2のバブラーの実施形態であり、水素吸入管16の出口に水平管57が接続し、水平管57には多数の細孔58が形成されている。たとえば、水素吸入管16の材質が、ガラス、石英、プラスチック、金属、またはセラミックであり、水平管57もガラス、石英、プラスチック、金属、またはセラミックである。水平管57に入った水素は多数の細孔58から水中に出ていき、小さな気泡61となる。所望の気泡サイズにより、細孔58のサイズは1nm~数mmで形成できる。種々の細孔サイズを有する水平管57を種々用意して、所望の気泡サイズに合わせて、水平管57を交換することもできる。水平管57の中にメッシュやフィルターを入れても良い。10~100nm以下の細孔から得られる100nm以下のサイズの水素ナノバブルは水中の飽和濃度が高くなるとともに、水中へ溶け込んだ水素は外へ抜けにくいので、水素水としての効果を長く持続できる。
【0020】
図7(c)は、第3のバブラーの実施形態であり、水素吸入管16の出口に直接メッシュ状体59を取り付ける。メッシュ状態59は小さな細孔がつながっているので、水素吸入管16の出口から出た水素はその繋がった細孔を通して水中へ出て行き、小さなバブル(気泡)61となって出ていく。水素吸入管16から出る水素はクリーンで異物は存在しないので、メッシュ状体59はつまることはないが、逆に水中の異物や化合物が形成されてメッシュ状体59がつまった場合は交換すれば良い。メッシュ状体59として、たとえば、各種金属メッシュ、各種多孔質体(たとえば、多孔質繊維、スポンジ体、多孔質セラミック)がある。尚、
図7(a)~(c)に記載したバブラー以外にも種々のバブラーを採用することができる。また、バブラーに布やスポンジ等のカバーを被せることもできる。
【0021】
第2の水素導入管19を通ってきた水素は接続部27の水素入口21から接続部27に入り、ミスト(霧)発生装置22から出てくる霧と混合して吸入マスク23の吸入口24から出ていく。また、空気供給装置29から出てくる空気も混合して吸入マスク23の吸入口24から出ていく。以下では主に水素混合ミスト(水素霧混合気体)について説明するが、水素のみの気体、または水素と空気を混合した水素空気混合気体、または水素と霧(ミスト)と空気を混合した水素霧空気混合気体についても同様である。吸入口24に口を開けて付けておけば、口の中に霧と水素ガスとの混合ガス(正確に言えば、霧はガスではないので、水素混合ミスト(霧)またはスチーム水素と呼んでも良い)が入る。霧は口の中や喉の粘膜を適度に湿らせるが、水素はその湿った粘膜を通して身体の中に入り、血液状態を良好にする。また喉の奥の方の器官や肺などまで達した水素も身体の中に入り、血管や細胞を元気にさせる。特に水素は活性酸素と結合しやすいので、身体中の活性酸素を無害にさせて、老化現象を抑制できると考えられる。さらにはがん予防効果も期待できる。吸引口24に鼻をつけて鼻から水素を含む霧(霧と水素ガスとの混合ガス)を吸引すれば、鼻の粘膜からも水素を効率的に吸収できる。
図1に示す装置から出る水素等を顔や身体の皮膚に当てることによっても、皮膚に疲れや老化を防止することができる。特に吸入口24を皮膚に直接当てることによってその効果を高めることができる。
【0022】
水素水容器17に入った水には水素が溶け込んでいるので、水素吸入の役目を終えた後に、この水素水を飲むこともできる。水中に溶け込んだ水素が抜けないうちの早期に飲んだ方が効果が高い。また、この水素水容器17を使用せずに、水素発生容器11で生じた水素を直接ミスト(霧)発生装置22に接続しても良い。すなわち、第1の水素導入管15をミスト(霧)発生装置22と吸入口24との接続部27の水素入口21に接続する。水素発生器11では、酸化カルシウムに水を加えて水素を発生したが、他の水素発生方法を利用しても良い。たとえば、水素ボンベ内の水素を圧力を下げて使用する方法、水の電気分解による発生した水素を用いる方法、メタノールやエタノール等のアルコール改質により発生した水素を用いる方法である。将来多数設置予定の水素ステーションから水素を取る方法も有力である。ミスト発生装置として通常の市販のミスト発生装置を使用できる。
【0023】
図2は、本発明の第2の実施形態を示す図で、本発明の水素霧化システム(スチーム水素システム)をヘアキャップに適用したものである。ミスト(霧)発生装置31の出口部39に水素ガス導入口32を備えて水素ガスを導入する。水素ガスは水素発生装置42で発生し、水素発生装置42の出口部43に接続した水素ガスチューブ44を通って、水素ガスチューブ44に接続した水素ガス導入口32へ入る。ミスト(霧)発生装置31の出口部39でミスト(霧)発生装置31で発生した霧と水素が混合して、その混合ガス(水素混合ミスト)が(霧)発生装置31の出口部39に接続した混合ガスチューブ33を通っていく。混合ガスチューブ33は人間35の頭に被せた水素ガス注入用ヘアキャップ36の水素ガス導入口38に接続しているので、霧と水素の混合ガス(水素混合ミスト)は水素ガス注入用ヘアキャップ36内へ導入される。水素ガス注入用ヘアキャップ36は、キャップシート40とその周囲端に取り付けられたヘアバンド37で構成される。
【0024】
水素ガス注入用ヘアキャップ36を頭に被せて、ヘアバンド37で頭の周囲を締め付けると、頭と水素ガス注入用ヘアキャップ36の間は密閉状態になる。従って、霧と水素の混合ガス(水素混合ミスト)を水素ガス注入用ヘアキャップ36内へ入れると、水素ガスは頭とヘアキャップ36の間に入り、水素ガス注入用ヘアキャップ36は膨らんで来て、頭に霧と水素の混合ガスによる圧力がかかる。頭は霧により程よく濡れた状態になり、頭皮がやわらかくなる。また、水素ガスは分子の大きさが小さいので、圧力がかかった水素ガスはやわらかくなった頭皮から頭の中へ水素ガスが浸入する。この結果、血流が良くなり、頭の状態がリラックスし、ダメッジヘア対策および抜毛・切毛予防効果があり、育毛効果や美容効果も期待される。水素混合ミスト(スチーム水素)を加熱する機構を備えることによって、頭部を適度に温めることができ、上記の効果を高めることもできる。尚、水素混合ミストの圧力は水素発生器42やミスト発生装置31の圧力により調節することができ、さらにコンプレッサー等を接続することによっても圧力調整できる。また、水素混合ミストの上流側で圧力を上げておき、減圧弁や減圧計を介在して圧力調整することもできる。
【0025】
キャップシート40は水素を漏らさず(通さない)、濡れても変質しない材料であれば良い。たとえば、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、チタン等の金属、これらの合金、これらの金属を主体とした材料、またはポリエチレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリプレン等のプラスチックである。あるいはこれらを組み合わせた材料でも良い。たとえばアルミ箔等の金属箔でラミネートしたプラスチックでも良い。金属は水素を透過しにくいがプラスチックは水素を透過しやすいので、これらを組み合わせることによって、プラスチックの利点(軽い等)と金属の利点(水素が透過しにくい等)を活用できる。ただし、数時間程度の保持であればプラスチックでも水素の透過量はそれほど大きくはないので、プラスチック単独でも本発明の適用上は特に問題ない。
【0026】
図2の説明では、水素ガス注入用ヘアキャップ36には水素と霧の混合ガスを導入したが、これら以外のガス(たとえば、空気、酸素、窒素)や液体(たとえば、アルコール)等を含んでも良い。あるいは、霧を含まなくても良い(すなわち、このときはミスト(霧)発生装置22を使用しない。)が、霧による頭皮の軟化度が下がるので、頭の中に入る水素の割合が少し減少する可能性がある。あるいは、
図1と同様に空気供給装置を設けて水素、または水素混合ミストに空気を混合させても良い。あるいは、水素と空気を混合させても良い。また、水素ガス注入用ヘアキャップ36内の圧力が高まると頭が適度に圧迫されるので心地良さも感じられ、好ましいが、余りに高くなると圧迫感が強くなりすぎたり、水素ガス注入用ヘアキャップ36が破裂したり、ヘアバンド37が外れて壊れたりするので、逆止弁(一方向弁)を水素ガス注入用ヘアキャップ36に取り付けたり、ある圧力以上になるとヘアバンド37が(壊れずに)外れるようにしても良い。あるいは、ヘアキャップ36に水素混合ミストをガス抜きする出口管や出口穴41を設けると良い。出口管41にバルブを備えてヘアキャップ36と頭の間の圧力を調節することもできる。本発明のキャップシートを頭に装着して水素または混合ガスを頭の中に注入すれば、頭がリラックスし、頭の回転も良くなり、記憶力も向上する。さらに、痴呆症対策にもなり、医療費等の社会保障費の削減もできる。
【0027】
本発明の霧と水素ガスとの混合ガスを眼に供給すれば、眼の疲れも回復しやすくなる。たとえば、ゴーグルメガネのように眼を被うメガネを眼に付けて、そのメガネに霧と水素ガスを供給し、適度な圧力(たとえば、1atm~2.0atm)をかければ、眼は霧で潤いながら水素が眼球、水晶体、網膜、それらを取り巻く細胞や血管、リンパ管等に吸収され、眼の疲れを取ることができる。霧によりメガネが曇ったり、メガネ内に水がたまる可能性があるので、霧の量を少なくする機能や水を排出する機能を取り付けることもできる。また、余り圧力が上がらないように(たとえば、2atm以上)、逆止弁を取り付けても良い。
【0028】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す図で、水素ガスと霧を混合した水素混合ミストを用いた目洗浄容器(洗眼容器)システム(これを眼部水素混合ミスト接触洗眼容器と称する)を示す図である。本発明の眼部水素混合ミスト接触洗眼容器110は、目(眼部)に向ける開口部113および水素ガスと霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入口112を有する容器であり、容器本体111の水素混合ミスト導入口112に水素混合ミスト導入管(導入部)114が接続し、水素混合ミスト導入管(導入部)114には霧(ミスト)が通るミスト通管117がつながり、ミスト通管117はミスト(霧)発生装置115のミスト出口部116が接続している。また、水素混合ミスト導入管(導入部)114には水素通管122も接続し、水素通管122は水素発生装置120の水素出口部121に接続する。従って、ミスト(霧)発生装置115で発生したミスト(霧)Mはミスト通管117を通って、水素混合ミスト導入管(導入部)114に入り、また水素発生装置120で発生した水素H2は水素通管122を通って水素混合ミスト導入管(導入部)114に入る。
【0029】
この結果、水素混合ミスト導入管(導入部)114でミスト(霧)Mと水素H2は混合する。容器本体111は水素混合ミスト導入口112から広がった空間を有し、開口部112を目の方向に向けたり、目の周囲の皮膚(眼部)に当てたりする。従って、水素混合ミスト導入管(導入部)114から出て容器本体111に広がった水素混合ミストは目に接触する。目に接触した水素混合ミストにより、ゴーグルメガネで説明した様に、眼の疲れ等が回復しやすくなる。また、目薬を水素混合ミストに混合することにより、目の治療も可能である。眼薬は、たとえばミスト(霧)発生装置115にミスト原料である水に混合して、ミスト(霧)発生装置115で発生するミスト(霧)に混合することができる。あるいは、霧を含まなくても良い(すなわち、このときはミスト(霧)発生装置115を使用しない。)あるいは、
図1と同様に空気供給装置を設けて水素、または水素混合ミストに空気を混合させても良い。あるいは、水素と空気の混合気体を供給することもできる。開口部113が眼部に密着する場合、容器本体111内の空間の圧力が高まり目を圧迫するので、容器本体111に水素混合ミストをガス抜きする出口管や出口穴を設けると良い。開口部112が眼部に密着しても開口部112と眼部の接触部から水素混合ミストが漏れて容器本体111内の圧力が目に影響を与えるほど高くならなければ、容器本体111に水素混合ミストをガス抜きする出口管や出口穴を設けなくても良い。
【0030】
図4は、本発明の第4の実施形態を示す図で、本発明の水素ガスと霧を混合した水素混合ミストを用いた脚部水素混合ミスト接触ボックスのシステム130を示す図である。
図4では、ボックス131内の脚133の状態が分かるようにボックス131を透視図で描いている。本発明の脚部水素混合ミスト接触ボックス131は、水素ガスと霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入口134および開口部132を有し、開口部132から脚部133をボックス131内に入れて、水素混合ミスト導入口134からボックス131内に入ってボックス131内を充満した水素混合ミストに脚部133が接触する。水素混合ミストに接触した脚部133は、脚部133の疲労が癒されるとともに潤いを感じる。また、脚部や足の血流が良くなり、冷症改善や高血圧改善も可能である。特に水素が脚部の皮膚を通して脚部内に侵入して脚部の状態を良好にすることが期待される。ボックス131内に加熱機構、たとえば電熱ヒーターや赤外線ヒーター、または遠赤外線ヒーターを備えて、脚部を適度な温度に温めれば、その効果も高まる。加熱機構は足裏を載せる部分(すなわち、ボックス131の底)に配置することもできる。あるいは、ミスト(霧)発生装置138に加熱機構を取り付けて、ミスト(霧)を温めても良い。この場合はミスト(霧)をスチームと呼ぶこともでき、本発明の脚部水素混合ミスト接触ボックスのシステムをスチーム水素温足サウナと呼んでも良い。
【0031】
開口部132が広ければ脚部133は入れやすいが、水素混合ミスト特に水素が開口部132から抜けやすいので、開口部132を小さくすることが望ましい。特に脚部133を入れる部分145だけを開口して狭くしておけば、水素混合ミストはボックス131内に長く滞留して効果を持続させることができるとともに、水素混合ミストの量も少なくすることができる。狭くなった開口部145の脚部133の締め付けを適度に調節すれば、水素混合ミストによりボックス131内の圧力が高まっても開口部145の脚部133の締め付け部から水素混合ミストが外側へ出ていき、過度にボックス131内の圧力が高まることはない。開口部145の脚部133の締め付けは、たとえば開口部145に調節用バンドを備えて締め付け程度を調節できる。尚、ボックス131内へ導入された水素混合ミストをガス抜きする出口135をボックス131に取り付けても良く、さらに出口管135にガス抜き調節用バルブを設けてボックス131内の圧力を調節しても良い。また、水素混合ミストによりボックス131の底に水滴が貯まるので、その貯水を外へ排出する排水口136を備えて良い。この排水管136にもバルブを取り付けておけば適宜排水することができる。
【0032】
水素混合ミスト導入口134には霧(ミスト)が通るミスト通管140がつながり、ミスト通管140はミスト(霧)発生装置138のミスト出口部139が接続している。また、ミスト出口部139やミスト通管140、または水素混合ミスト導入口部134には水素通管143も接続し、水素通管143は水素発生装置141の水素出口部142に接続する。従って、ミスト(霧)発生装置138で発生したミスト(霧)はミスト通管140を通って、水素混合ミスト導入管(導入部)134に入り、また水素発生装置141で発生した水素H2は水素通管143を通って水素混合ミスト導入管(導入部)134等に入って、そこで水素混合ミストとなる。あるいは、霧を含まなくても良い(すなわち、このときはミスト(霧)発生装置138を使用しない。)あるいは、
図1と同様に空気供給装置を設けて水素、または水素混合ミストに空気を混合させても良い。ボックス131の材質はアクリル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプレン等のプラスチックや各種セラミック、またはアルミ、亜鉛、銅、各種合金等の金属、これらの複合体、アルミ等の金属箔でラミネートしたプラスチックや各種セラミック、材木である。プラスチックは水素を透過するが、脚のボックス内に保持する時間はせいぜい数時間程度であるから、この程度の時間で透過する水素量は少ないので、特に問題はない。金属製や金属箔でラミネートしたものは水素の透過量は極めて小さいので全く問題はない。その他の水素やミストを通る部分についても上記の材料で作製すれば良い。
【0033】
図5は、本発明の第5の実施形態を示す図で、本発明の水素ガスと霧を混合した水素混合ミストを導入する導入口および開口部(ウエスト部)を有する下半身水素混合ミスト接触スカートのシステム150を示す図である。
図5では、スカート151内の下半身158の状態が分かるようにスカート151を透視図で描いている。本発明の下半身水素混合ミスト接触スカート151は、水素ガスと霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入口157および開口部(ウエスト部)152を有し、開口部152から下半身158をスカート151内に入れて、水素混合ミスト導入口157からスカート151内に入ってスカート151内を充満した水素混合ミストに下半身158が接触する。(ここで下半身158は裸が望ましい。)水素混合ミストに接触した下半身158は、下半身158の疲労が癒され潤いを感じる。特に水素が下半身158の皮膚を通して下半身内に侵入して下半身の状態を良好にすることが期待される。スカート151内に加熱機構、たとえば電熱ヒーターや赤外線ヒーター、または遠赤外線ヒーターを備えて、下半身を適度な温度に温めれば、その効果も高まる。加熱機構はスカートの生地部分に組み込むこともできる。
【0034】
スカート151の開口部152にはベルト等の締め付け部材154を備えて締め付け部材154を適度に締め付ければ、水素混合ミストがスカート内に充満し、溢れた水素混合ミストはスカート151の下端(裾部)153から外側へ出ていく。裾部153を閉じて塞ぐこともできる。その場合は、スカート151内に水素混合ミストが充満して圧力が高まっていくが、締め付け部材154の締め付け程度により開口部152から水素混合ミストが外側に出ていく。また、スカート151に水素混合ミストをガス抜きする出口管や出口穴155を設けると良い。出口管155にバルブを設けてスカート151内の圧力を調節することもできる。裾部153を閉じた場合、スカート151の底部に水が貯まるので、水分排出口や排出管156を設けておき、貯留した水分を排出することができる。水分排出口や排出管156に排水調整用バルブを設けて排水時期や排水量を調整することができる。水素混合ミスト導入口157には、(水素混合)ミスト通管140が接続するが、この先は
図4に示す水素混合ミスト発生機構と同じなので、
図4と同じ符号を付している。あるいは、霧を含まなくても良い(すなわち、このときはミスト(霧)発生装置138を使用しない。)あるいは、
図1と同様に空気供給装置を設けて水素、または水素混合ミストに空気を混合させても良い。
【0035】
図6は、本発明の第6の実施形態を示す図で、本発明の水素ガスと霧を混合した水素混合ミストを導入する導入口および開口部を有する水素混合ミスト接触サウナ(スチーム水素風呂と呼んでも良い)のシステム160を示す図である。本発明の水素混合ミスト接触サウナ161は、水素ガスと霧を混合した水素混合ミストを導入する水素混合ミスト導入口165および開口部163を有し、開口部163から身体(下半身および上半身)168をサウナ161内に入れて、水素は水素混合ミスト導入口165からサウナ161内に入っているので、サウナ161内を充満した水素混合ミストに身体(下半身および上半身)168が接触する。
【0036】
水素混合ミストに接触した下半身および上半身168は、下半身および上半身168の疲労が癒され潤いを感じる。特に水素が下半身および上半身168の皮膚を通して身体(下半身および上半身168)内に侵入して下半身および上半身の状態を良好にすることが期待される。サウナ161内に加熱機構、たとえば電熱ヒーターや赤外線ヒーター、または遠赤外線ヒーターを備えて、下半身を適度な温度に温めれば、その効果も高まる。および/または水素混合ミスト(スチーム水素)を加熱して、その加熱スチーム水素をサウナ161内に導入することもできる。たとえば、ミスト発生装置138に加熱機構(温熱霧化機構)を設けてミスト(霧)を温めることもできる。サウナ161の開口部163にファスナー等の開口部調整機構164を備えて開口部163の大きさを調整することによって、水素混合ミスト導入口165からサウナ161内に入った水素混合ミストの滞留時間を長くすることができ、水素混合ミスト料を節約することができる。首部分または身体部分で開口部163を締め付ける締めつけ部を備えれば、さらに水素混合ミスト導入口165からサウナ161内に入った水素混合ミストの滞留時間を長くすることができる。
【0037】
この場合は、サウナ161内の水素混合ミストによる圧力が高まるので、サウナ161に水素混合ミストをガス抜きする出口管や出口穴167を設けると良い。出口管167にバルブを設けてサウナ161内の圧力を調節することもできる。サウナ161の底部に水が貯まるので、水分排出口や排出管166を設けておき、貯留した水分を排出することができる。水分排出口や排出管166に排水調整用バルブを設けて排水時期や排水量を調整することができる。水素混合ミスト導入口165には、(水素混合)ミスト通管140が接続するが、この先は
図4に示す水素混合ミスト発生機構と同じなので、
図4と同じ符号を付している。あるいは、霧を含まなくても良い(すなわち、このときはミスト(霧)発生装置138を使用しない。)あるいは、
図1と同様に空気供給装置を設けて水素、または水素混合ミストに空気を混合させても良い。
【0038】
小型水素ボンベ(圧縮水素や液体ヘリウムを入れる)や小型水素発生器を携帯すれば、ウエアラブルでいつでもどこでも携帯でき、身体や眼、頭等に水素を吸収できる。圧力調整器を取り付ければ、適度な圧力で水素を供給できる。また、ヘアーブラシへ霧と水素ガスとの混合ガスを供給するようにすれば、髪のつやを増したり、毛根等から水素を吸収することもできる。育毛作用やはげ防止も期待できる。
【0039】
上記説明した様に、本発明の水素霧化システムは、霧と一緒に水素を身体に吸収することができ、身体の水素吸収効率が高まり、血圧低下、血圧安定化、血糖値低減、ストレス解消等の効果により健康増進をはかることができる。スポーツ前、スポーツ中、およびスポーツ後に本発明の水素霧化システムを使用すれば、トレーニング効果が増大する。また、お年寄りが本発明の水素霧化システムを使用すれば、老化防止や痴ほう症改善等にも効果がある。本発明の水素霧化システムを使用して水素混合ミストを10分間吸入すると、ストレスチェッカーを用いたデータとしてストレスが改善し、高血圧の人(血圧170以上)は血圧が150以下に低下した。霧の中に香りを含ませることによりさらに心地良くリラックスさせることもできる。
【0040】
これまで、水素発生装置とミスト発生装置を組み合わせた水素霧化システムを説明してきたが、ミスト発生装置に加えて、空気発生装置を加えても良い。たとえば、
図1の接続部(接続管)27に空気発生装置29の導入管82を接続して、水素、ミスト、および空気を混合した空気混合水素霧化システムとすることができる。この空気混合水素霧化システムも水素霧化システムと同様な効果を発揮することができる。また、ミスト発生装置を使用せずに水素と空気の混合気体を供給することもできる。この場合は水素空気混合気体システムと呼ぶことができる。ミスト発生装置も空気発生装置も使用しなければ水素だけを供給する水素供給システムとなる。また、他の実施例についても同様である。空気発生装置としては、たとえばエアーコンプレッサーであり、エアーコンプレッサーからの供給される空気の量を調節しても良い。
【0041】
図8は、手、つめに水素、または水素に加えてミスト、および/または空気(Air)を接触させる装置71を示す図である。ボックス72内に気体導入管73、78が接続し、この気体導入管73、78を通してボックス72内に水素、または水素に加えてミスト、および/または空気(Air)を導入する。気体導入管73は、たとえば、ミスト発生器、エアーコンプレッサー等に接続し、ミストや空気をボックス72内に導入し、またこれらの流量を調整する調整器もそれぞれ備えても良い。気体導入管78は、たとえば、水素発生器と接続し、水素をボックス72内に導入し、またこれらの流量を調整する調整器もそれぞれ備えても良い。気体導入管78から導入した水素と気体導入管73から導入したミストおよび/または空気はボックス72内で混合する。あるいは、気体導入管73および78を一つにして水素、ミストや空気をミックスしてボックス72内に導入しても良い。ボックス72の開口側74から手76および前腕(手首)75を入れて、指の爪側をボックス72の奥側に配置する。ボックス72の奥側には気体導入管73、78が接続していて、指の爪側に最初に水素等(水素、ミスト、空気、これらの混合(ミックス)気体)が接触する。ボックス72内に充満した水素等は開口部74から押し出される。手76および前腕75に水素、または水素に加えてミスト、および/または空気(Air)を当てて、これらの皮膚を通じて特に水素が身体中に入っていき、皮膚の疲れや老化を防止し、血流を良くすることができる。また、指の爪77および指の爪77の裏側も水素等に晒されて、指の爪77の血色やつやを改善できる。
【0042】
本発明は、ミストおよび/または空気を水素と混合したものについて説明してきたが、水素だけでも効果がある。たとえば、
図2に示すような実施形態において、ミスト発生装置31を用いずに、水素発生装置42から供給される水素を水素ガス注入用ヘアキャップ36へ導入し、頭に水素を供給した場合の効果を
図9に示す。すなわち、
図9は、水素注入前後の手の毛細血管および血管の血流を示す図で、手の毛細血管や血管の血流を特殊な顕微鏡で見たものである。この種の特殊顕微鏡としてたとえば毛細血管スコープがある。水素注入前(
図9(a)における手の毛細血管の血流に対して、水素注入後1分(
図9(b)で毛細血管の先の方まで血流が伸び、かつ新たな毛細血管への血流が出てきており、毛細血管の血流が改善している。水素注入後10分(
図9(c))では、さらに毛細血管の先の方まで血流が伸び、毛細血管の血流が大幅に改善している。このように、頭に水素を供給すると、頭から遠く離れた手の毛細血管の血流がかなり改善され、水素の供給効果が明確に分かる。すなわち、水素が身体の一部から侵入すると血管やリンパ管等に入り、血管等の血流やリンパ流等に乗り身体のあちこちに運ばれる。水素の分子は小さいので、毛細血管が細くてもその内部に入っていくが、このときに血流が身体中に存在する毛細血管の奥まで一緒に入っていくと考えられる。活動していない毛細血管も水素供給により復活できる。また水素供給により、新しい毛細血管も形成できる。リンパ流についても同様であると考えられる。この結果から、頭だけでなく身体の一部や全部に水素等(水素、または水素とミストの混合気体、または水素と空気の混合気体、水素とミストと空気の混合気体、あるいはこれらに他の気体や液体を加えたものを含む)を当てると身体各部の毛細血管の血流が改善され、疲労回復、老化改善、身体各所や臓器等のむくみ改善、痴呆症・認知症改善、他の病気や症状の改善などを実現できる。
【0043】
図10は、水素および空気を混合して、水素空気混合気体をノズルから噴出可能な水素空気混合気体噴出装置301を示す図である。水素空気混合気体噴出装置301は、内部に水素通路筒部312を含み、水素通路筒部312は、略筒形状であり、内側が略筒状の空洞となった水素通路328を有し、先端に水素を噴出するノズル(水素噴出ノズル)311を備えている。水素通路328は水素供給口324に接続し、水素供給口に接続した水素導入管を通して水素供給装置から水素が供給されて、水素通路328は水素で充満される。
【0044】
水素通路筒部312の軸芯部329に沿ってニードル314が配置されており、このニードル314が軸芯329方向に進退(移動)可能に挿通され、水素噴出ノズル311のノズル口(水素噴出ノズル口)313を開閉でき、水素通路328に入っている水素を水素噴出ノズル口313から噴出することができる。また、
図10に示すように、ニードル314の先端部は円錐形になっており、この円錐形の先端部が水素噴出ノズル口313に出入するので、水素噴出ノズル口313から噴出する水素の量を調節することができる。すなわち、ニードル314の円錐形先端部を水素噴出ノズル口313に押し込んで、水素噴出ノズル口313から水素が噴出を止めることができ、ニードル314の円錐形先端部を水素噴出ノズル口313から徐々に抜き出せば、水素噴出ノズル口313から出る水素量を少しずつ増大させることができる。水素供給口324から水素通路328に入る水素の圧力を高めておけば、水素通路328内の圧力が水素噴出ノズル口313の外側に配置される水素空気混合部315の圧力より高くなるので、水素噴出ノズル口313から水素を水素空気混合部315に噴出させることができる。
【0045】
ニードル314はニードル移動操作レバー319に繋がっており、ニードル移動操作レバー319を操作することにより、ニードル314を軸芯329の方向へ移動することができる。たとえば、ニードル移動操作レバー319を矢印330の方向に回転することによってニードル314を軸芯方向に移動させることができる。通常ニードル操作レバー319に力を加えないときは、ニードル314の円錐形先端部が水素噴出ノズル口313に完全に押し込まれた状態になり、水素噴出ノズル口313が閉じて水素の噴出が止まっている。水素の噴出が止まった場合、水素供給口324に水素を供給する水素供給装置が一定の圧力で水素を供給する装置(たとえば、水素ボンベから圧力調整器を通して供給する場合)の場合は、水素通路328等の水素が入っている部分の圧力が高くなることがなく、水素導入管と水素供給口324との接続部等が外れることがない。しかし、水素供給装置が水素発生器である場合は、水素量が増加していくため、水素通路328等の水素が入っている部分の圧力が高くなっていき、水素導入管と水素供給口324との接続部等が外れるなどの問題が発生する可能性がある。
【0046】
そこで、ニードル移動操作レバー319に力を加えない場合でも、ニードル314の円錐形先端部が水素噴出ノズル口313に完全に押し込まれた状態にならないようにし、水素通路328へ入る水素を少しずつ水素噴出ノズル口313から逃がすようにすれば良い。たとえば、ニードル移動操作レバー319にコイルスプリング321を設けて、ニードル移動操作レバー319に力を加えない場合でも、ニードル314の円錐形先端部が水素噴出ノズル口313に完全に押し込まれた状態にならないようにする。コイルスプリング321の長さを調整すれば、水素噴出ノズル口313から出る水素量を調整することができる。或いは、ニードル移動操作レバー319にストッパーを設けて、ニードル移動操作レバー319に力を加えない場合にニードル移動操作レバー319が完全にストップ状態に戻らないようにすれば良い。ストッパーの程度を調整すれば、水素噴出ノズル口313から出る水素量を調整することができる。
【0047】
水素空気混合気体噴出装置301の内部には空気通路317が配置され、空気通路317には空気吸入口325から空気(Air)が導入される。空気吸入口325には空気導入開閉弁(空気弁)316が取り付けられており、空気導入開閉弁(空気弁)316の開閉により空気が空気通路317に入ったり入らなかったりする。また、空気吸入口325は空気供給口326に繋がっており、この空気供給口326に空気導入管を介して空気供給装置から空気が送られる。空気供給装置はたとえばエアーコンプレッサー(空気圧搾装置)であり、圧搾空気を供給できる。
【0048】
空気通路317の出口(空気噴出出口)323は水素空気混合部315へ接続し、水素空気混合部315で水素噴出ノズル口313から噴出する水素と空気噴出出口323から噴出する空気と混合し、水素空気混合気体が生成される。水素空気混合部315にはノズル(水素空気混合気体噴出ノズル)318に接続し、水素空気混合部315で生成した水素空気混合気体は水素空気混合気体噴出ノズル口322を通って水素空気混合気体噴出装置301の外側へ噴出される。
【0049】
空気導入開閉弁(空気弁)316は空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320が接続し、空気導入開閉弁(空気弁)316を開閉できる。空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320はニードル移動操作レバー319に接続させることもできる。ニードル移動操作レバー319には操作ボタン327が取り付けられ、操作ボタン327を下方に押すことにより、ニードル移動操作レバー319および空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320を下方へ押し下げて、空気導入開閉弁(空気弁)316を下方に押し下げ、空気吸入口325から空気を空気通路317へ入れることができる。操作ボタン327にかかる力を取り除けば、自動的に操作ボタン327が上がり、ニードル移動操作レバー319および空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320も上方へ上がって、空気導入開閉弁(空気弁)316が上方へ上がって空気吸入口325から入る空気を止めることができる。操作ボタン327の押し下げ量を調整することによって、空気吸入口325から空気通路317へ入る空気量を調節することができる。
【0050】
操作ボタン327に親指を載せて親指だけでニードル移動操作レバー319および/または空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320を操作することもでき、片手だけで水素空気混合気体噴出装置301を操作することができる。たとえば、親指で操作ボタン327を押して空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320を操作でき、親指で操作ボタン327を矢印330の方向に回転すればニードル314を操作することができる。このように、水素および空気を適量ずつ混合して水素空気混合気体を水素空気混合気体噴出装置301水素空気混合気体噴出ノズル318から噴出させることができる。
【0051】
水素空気混合気体噴出装置301内では、水素通路328は水素噴出ノズル口313以外では空気通路317等の空間とは繋がらず、気密空間を有している。
図10からも分かるようにニードル314は水素通路328の外側にも可動自在に配置されており、たとえば、水素通路328と他の空間(たとえば、操作レバーが配置される空間)との間に存在する境界壁の中をニードル314が移動する。境界壁とニードル314との間にはシール材が介在し、水素が外側に漏れないような構造になっている。同様に、空気通路317も空気噴出出口323以外では水素通路328等の空間とは繋がらず、気密空間を有している。
【0052】
空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320は、
図10では空気通路317の空間に配置されているので、空気通路17と他の空間(たとえば、操作レバーが配置される空間)との間に存在する境界壁が存在するから、その境界壁と空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320との間にシール材を配置すれば、空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320が移動しても、空気通路17の空気が外側へ漏れないようにすることができる。尚、空気導入開閉弁開閉操作レバー(空気弁操作レバー)320は空気通路17内へ配置しないようにすることもできるから、その場合はシール材等の存在は不要となる。
【0053】
水素空気混合気体噴出装置301の水素空気混合気体噴出ノズル318を身体の患部、たとえば皮膚、顔、頭等に当てて、水素空気混合気体を吹きかけることができる。水素空気混合気体中の水素は皮膚等を通して皮膚の内側へ入っていき、患部の疲れや老化防止に効果を発揮する。また、歯や歯茎に当てて、歯の劣化防止や歯槽膿漏の改善にも効果がある。水素空気混合気体噴出装置301の水素空気混合気体噴出ノズル318が口の中に入れられないほどサイズが大きい場合は、アダプターとしての細いノズルやニードルを水素空気混合気体噴出ノズル318に接続させて、口の中の患部に届くようにすれば良い。これらのアダプターをフレキシブルにすれば水素空気混合気体を噴出する部分を自由に変えることもでき、必要な患部に水素空気混合気体等を当てることができる。噴射の勢いを適度に高めれば、(ノズル口を患部に密着させるか近づけることによっても高まる)患部の奥にまで水素が侵入し、水素による効果を患部の奥まで及ぼすことができる。本発明の水素空気混合気体噴出装置301から出る水素等をノズル等を用いたりして水やお茶等の飲料水中で噴射すれば簡単に水素水を作成できる。
【0054】
水素空気混合気体噴出装置301にさらにミスト(霧)発生装置を接続する部分およびミスト(霧)通路部を設けて、水素空気混合部315にミスト(霧)を導入できるようにすれば、水素霧空気混合気体を作製して噴出させることができる。ミスト(霧)導入を導入弁で操作できるようにすれば、ミスト量を調節することもできる。あるいは、前もって空気とミスト(霧)を混入させて空気供給口326から空気ミスト混合気体を導入することもできる。以上のように、本発明の水素空気(ミスト)混合気体噴出装置を用いて、水素のみの気体、水素空気混合気体、水素ミスト混合気体、水素ミスト空気混合気体を水素空気混合気体噴出ノズル318から噴出させることができる。
【0055】
水素、水素混合ミスト(水素と霧を混合したもの)、水素空気混合気体、または水素霧空気混合気体を口や鼻で吸引したり、頭部、眼や各種身体部所に圧力をかけて水素を吸収させたりするには、個別には簡単な設備で可能であるが、全体をまとめて実施するにはそれなりの大掛かりな設備や環境を整えたりする必要がある。そこで、これらの水素の力を最大限に利用したサロンを作ることによって、多数の人の健康増進に役立てることができる。それを水素ヘルスステーションと名付ける。水素ヘルスステーションでは、大小種々の水素発生器を備え、種々の水素吸入系へ水素を供給する。たとえば、大小の液体水素タンクや圧縮ボンベ、大規模な電気分解水素発生装置、アルコール由来水素発生装置、酸化カルシウム等による水素発生器などを備えておき、大衆浴場風呂への水素供給、多数の水素吸引・吸収システム、多数の水素水飲料装置などを用意する。サロン形式で利用できるので、人はリラックスし休憩した状態で水素を身体中へ吸収し、多数の人が同時に健康増進をはかることができる。尚、各実施形態でも説明しているが、上記の吸入マスク、ゴーグル、ヘアキャップ、ボックス、スカート、またはサウナ、またはその他の水素混合ミスト(スチーム水素)が通る部材の一部または全部の材質は、金属、プラスチック等、或いはアルミ箔または金属箔でラミネートしたもの、或いはこれらの組合せで構成することができる。
【0056】
近年の複雑化した世界ではうつ病などの精神疾患を治療したり予防したりすることが活発に行なわれており、ストレスチェックも義務化されつつある。本水素ヘルスステーションでは、ストレスチェックメータを備えて、常時ストレス度合をチェックし、各種の水素健康システムにより、精神的ストレスを緩和することができる。水素健康システムとして、たとえば水素ガスの利用、水素や水素混合ミストの照射・吸引・吸収、飲料用水素水の利用、水素バスへの利用、スチームシャワー・、ヘッドキャップ・スチームヘアブラシに水素を供給して使用することなどが挙げられる。この水素ヘルスステーションと既存技術・設備(たとえば、エステテックサロン、美容院、水素バー・ホテル)との融合も効果がある。さらに、水素サロンの開業支援として、水素サロン運用トレーニング、水素関連機器のメンテナンス、水素関連機器の販売、水素関連の情報提供などへ展開することも可能である。このように、本発明の水素ヘルスステーションは水素を活用した健康と美容ビジネスへの展開が可能である。将来水素自動車が普及して水素ステーションが多数設置されれば、その水素ステーションから簡単に水素を獲得することもできる。
【0057】
以上詳細に説明したように、本発明は水素、水素および霧を混合した水素霧混合気体(この場合は水素霧化システム)、水素および空気を混合した水素空気混合気体、または水素および霧および空気を混合した水素霧空気混合気体を身体に供給する水素供給システムであり、水素供給システムを用いることによって、身体の各所に水素を供給し身体に吸収させることができる。尚、本明細書において、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
水素は分子が小さく身体の皮膚や細胞を通して浸入するので、本発明は身体のすべての部所に供給することによって、健康増進を高めることができる。
【符号の説明】
【0059】
10水素霧化システム、11水素発生装置、12水素発生剤ホルダー、13キャップ、
14気体出口、15(第1の)水素導入管、16水素吸入管、17水素水容器、
18水素導入入口、19(第2の)水素導入管、20出口、21水素入口、
22ミスト(霧)発生装置、23吸入マスク、24吸入口、25蓋、26出口、
27接続部、31ミスト(霧)発生装置、32水素ガス導入口、33混合ガスチューブ、
35人間、36水素ガス注入用ヘアキャップ、37ヘアバンド、38水素ガス導入口、
39出口部、40キャップシート