(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】圃場センサ
(51)【国際特許分類】
A01G 25/00 20060101AFI20220216BHJP
G01F 23/00 20220101ALI20220216BHJP
G01C 13/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A01G25/00 501D
G01F23/00 Z
G01C13/00 D
(21)【出願番号】P 2017111868
(22)【出願日】2017-06-06
【審査請求日】2020-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 生吹樹
(72)【発明者】
【氏名】谷口 輝行
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-123027(JP,A)
【文献】特開2011-234696(JP,A)
【文献】中国実用新案第205561975(CN,U)
【文献】特開2015-190935(JP,A)
【文献】特開平08-280276(JP,A)
【文献】特開平09-292272(JP,A)
【文献】特開2016-059364(JP,A)
【文献】登録実用新案第3110832(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 25/00
E02B 13/02
G01F 23/00
G01C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の地面に設置される圃場センサにおいて、
前記圃場の状況を計測するセンサ部と、
前記センサ部が取り付けられる本体部と、
前記本体部から外向きに突出する鍔状部と、
前記鍔状部を前記地面に押さえつける接地部と
、
前記センサ部と接続され、外部との通信を行うための通信部と、
前記通信部を支持する棒状の支持部材とを備え、
前記接地部は棒状部材で構成されており、
前記鍔状部に
複数の貫通孔が形成されており、
前記接地部は前記貫通孔
の1つを貫通しており、
前記接地部の先端側が前記地面に刺さるように構成され
、
前記支持部材は、前記貫通孔の他の1つを貫通して前記地面に突き刺さっている、
圃場センサ。
【請求項2】
前記鍔状部は、前記本体部において前記センサ部よりも前記地面側に構成される、請求項1に記載の圃場センサ。
【請求項3】
前記鍔状部は、前記本体部の前記地面側の端部に構成される、請求項1または2に記載の圃場センサ。
【請求項4】
前記接地部は杭で構成されており、
前記接地部の頭部が、前記貫通孔の周縁部に接している、請求項1~3のいずれか1項に記載の圃場センサ。
【請求項5】
前記本体部は内部に中空を有し、
当該中空に前記センサ部が配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の圃場センサ。
【請求項6】
前記本体部に接続された収容部をさらに備え、
前記収容部に前記センサ部の少なくとも一部が収容されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の圃場センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に設置される圃場センサに関し、例えば、水田の水位を検知するための水位センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水田の水位を検知するための水位センサが用いられている(例えば、下記の特許文献1)。水位センサが検知した水位に基づいて、用水路からの水供給の開始または停止を制御することにより、水田の管理を効率化することができる。
【0003】
図10は、特許文献1に開示された水位センサ101の模式図である。水位センサ101は、本体を構成する筒体102を備えており、筒体102の内部に、水田の水位を検知するための電極等が設けられている。水位センサ101を水田に安定して設置するために、水位センサ101は、その3分の1が地面内に埋められており、さらに、筒体102の外周面に形成された鍔(つば)103によって、垂直に立つように支えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された従来技術では、例えば、水位センサ101の高さが60cmであるとすると、水位センサ101を埋め込むために、深さ20cmの穴を形成する必要がある。しかし、水田の地面が硬い場合、水位センサ101を十分に深く埋め込むための穴を形成することは困難である。また、設置される水位センサ101が多いほど、水位センサ101を埋め込むための穴を多数形成する必要がある。さらに、水位センサ101の設置箇所を変更したい場合は、さらに多くの穴を形成する必要が生じる。このように水田の地面に多数の穴を形成すると、水田の土壌に悪影響を与えることとなる。
【0006】
また、現在は農業従事者の高齢化が進んでいるため、水田の地面に穴を形成して水位センサ101を設置するという作業は、多くの農業従事者にとって負担が大きい。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、設置作業が容易であり、土壌への悪影響を抑えることができる圃場センサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、圃場センサの本体部に鍔状部を形成し、さらに当該鍔状部を地面に接触させる部材を用いることで、圃場センサの設置作業を容易にすることができ、圃場の土壌への悪影響を抑えることができることを見出した。本発明者らは、かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
圃場の地面に設置される圃場センサにおいて、
前記圃場の状況を計測するセンサ部と、
前記センサ部が取り付けられる本体部と、
前記本体部から外向きに突出する鍔状部と、
前記鍔状部を前記地面に接触させる接地部とを備えた圃場センサ。
項2.
前記鍔状部は、前記本体部において前記センサ部よりも前記地面側に構成される、項1に記載の圃場センサ。
項3.
前記鍔状部は、前記本体部の前記地面側の端部に構成される、項1または2に記載の圃場センサ。
項4.
前記接地部は棒状部材で構成されており、
前記鍔状部に貫通孔が形成されており、
前記接地部は前記貫通孔を貫通しており、
前記接地部の先端側が前記地面に刺さっている、項1~3のいずれか1項に記載の圃場センサ。
項5.
前記接地部は杭で構成されており、
前記接地部の頭部が、前記貫通孔の周縁部に接している、項4に記載の圃場センサ。
項6.
前記本体部は内部に中空を有し、
当該中空に前記センサ部が配置されている、項1~5のいずれか1項に記載の圃場センサ。
項7.
前記本体部に接続された収容部をさらに備え、
前記収容部に前記センサ部の少なくとも一部が収容されている、項1~5のいずれか1項に記載の圃場センサ。
項8.
前記センサ部と接続され、外部との通信を行うための通信部をさらに備えた、項1~7のいずれか1項に記載の圃場センサ。
項9.
前記圃場は水田である、項1~8のいずれか1項に記載の圃場センサ。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、設置作業が容易であり、土壌への悪影響を抑えることができる圃場センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)および(b)はそれぞれ、本発明の一実施形態に係る圃場センサの斜視図および側面図である。
【
図2】上記圃場センサを水田の地面に設置した一例を示している。
【
図3】上記圃場センサを水田の地面に設置した他の例を示している。
【
図5】(a)は、接地部を途中まで地面に突き刺した状態を示す部分拡大図であり、(b)は、接地部を完全に地面に打ち込んだ状態を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
(圃場センサの全体構成)
図1(a)および(b)はそれぞれ、本発明の一実施形態に係る圃場センサ1の斜視図および側面図である。圃場センサ1は、圃場の地面に設置されるセンサである。例えば、
図2に示すように、圃場センサ1は、水田の地面10に設置され、水田の水位(地面10からの水面11の高さ)を計測する水位センサとして機能する。
【0014】
圃場センサ1は、センサ部2と、本体部3と、鍔状部4と、接地部5と、通信部6とを主に備えている。センサ部2は、圃場の状況を計測する部材であり、本体部3に取り付けられる。本実施形態においてセンサ部2は、圃場の状況として、水田の水位を計測する。センサ部2の具体的な構成例は、後述する。
【0015】
本体部3は、内部に中空を有する筒状部材であり、当該中空にセンサ部2が配置されている。センサ部2を本体部3に内蔵することにより、センサ部2を圃場に存在する異物から保護することができる。また、本体部3には、複数の連通孔31が形成されている。
図2に示すように、圃場センサ1を水田の地面10に設置すると、連通孔31から本体部3の中空に水が浸入する。本体部3の断面形状は特に限定されないが、本実施形態では円形である。本体部3の直径および高さ(長さ)も特に限定されないが、例えば直径は50mmであり、高さは450mmである。
【0016】
鍔状部4は、本体部3から外向きに突出した部材であり、本実施形態では、本体部3の外周面から垂直方向に突出している。鍔状部4の断面は本体部3の断面と同心円である。
【0017】
図2に示すように、鍔状部4を地盤12の地面10に載置することにより、本体部3が地面10に直立する。鍔状部4の直径は、本体部3よりも大きく、例えば140mmである。鍔状部4の直径が大きいほど、本体部3を安定して直立させることができる。しかし、稲の生育を阻害しないように、鍔状部4の直径は本体部3の外周の1.5~2倍程度であることが望ましい。鍔状部4の厚さ及び材質は、圃場センサ1を設置した状態において、鍔状部4が通常受ける外力に対して変形しない程度であれば、特に限定されない。
【0018】
また、
図2に示す地盤12は、本体部3および鍔状部4が自重によって沈み込まない程度の硬さを有している。一方、
図3に示すように、地盤12が、ぬかるんだ地盤12aと硬い地盤12bとからなる場合、本体部3および鍔状部4は、自重によってぬかるんだ地盤12aに沈み込むことがある。このとき、本体部3および鍔状部4が沈み込んだ状態において、鍔状部4の底面に接触している面を地面10とする。あるいは、人手によって本体部3を下方に押さえつけることにより本体部3および鍔状部4が沈み込んだ状態において、鍔状部4の底面と接触している面を地面10と定義してもよい。
【0019】
本実施形態において、鍔状部4は本体部3の下端、すなわち地面側の端部に構成されている。すなわち、本体部3は、鍔状部4より下方には突き出していない。そのため、鍔状部4が地面10に接触した状態では、本体部3は地面10に埋め込まれていない。
【0020】
なお、鍔状部4を構成する位置は、本体部3の下端に限定されないが、本体部3の上部に構成するほど、本体部3を地面10に深く埋め込む必要がある。そのため、鍔状部4は、本体部3においてセンサ部2よりも地面10側に構成されることが好ましい。
【0021】
接地部5は、鍔状部4を地面10に接触させる部材であり、本実施形態では、杭のような棒状部材で構成されている。より具体的には、杭として例えばペグが挙げられる。接地部5の断面形状は、特に限定されないが、本実施形態では円形である。
【0022】
図4の平面図で示されるように、鍔状部4には4つの貫通孔41~44が形成されており、接地部5は、図中左側の貫通孔41を貫通している。貫通孔41~44の断面形状は特に限定されないが、本実施形態では円形である。接地部5の細長部分の直径は、貫通孔41を通過でき、かつ、接地部5にある程度の強度を与えられる大きさであれば、特に限定されない。なお、
図4では、通信部6の図示が省略されている。
【0023】
図2に示すように、接地部5の先端51側、すなわち、接地部5の鍔状部4よりも下方の部分は、地面10に突き刺さっている。接地部5を突き刺す深さは、長期間にわたって接地部5と地盤12との摩擦力によって接地部5が抜けない深さであればよく、地盤12の硬さ、および接地部5を突き刺す作業の負荷によって適宜変更可能である。
【0024】
また、接地部5を地面10に突き刺す方法は特に限定されないが、例えば、ハンマー等を用いることができる。具体的には、
図5(a)に示すように、接地部5を鍔状部4の貫通孔41に通し、地面10からある程度の深さまで、人手によって突き刺しておく。この状態で、圃場センサ1の設置作業を完了してもよいが、ハンマーHを用いて接地部5をさらに打ち込むことによって、
図5(b)に示すように、接地部5の頭部52が貫通孔41の周縁部41aに接する状態とすることが好ましい。この状態では、接地部5の頭部52によって鍔状部4が地面10に押さえつけられているため、本体部3に何らかの外力が加わっても、鍔状部4が本体部3に連動して浮き上がることを防止できる。なお、接地部5を突き刺す作業を容易にするため、接地部5の先端51は、テーパー状に形成されていることが好ましい。
【0025】
本実施形態では、鍔状部4が地面10に接触している状態を常に保持する必要は無く、本体部3が転倒しないのであれば、一時的に鍔状部4が地面10から浮き上がってもよい。例えば、
図5(a)に示すように、接地部5の頭部52と鍔状部4とが多少離間している場合、本体部3に何らかの外力が加わると、鍔状部4が地面10から浮き上がる可能性があるが、鍔状部4が接地部5の頭部52に押し当たることにより、本体部3の転倒を防ぐことができる。
【0026】
また、接地部5の直径を貫通孔41と同程度としてもよい。これにより、接地部5の貫通孔41に貫通している部分が貫通孔41と密着するので、貫通孔41と接地部5との間に摩擦力が生じる。よって、接地部5の頭部52と鍔状部4とが離間していたとしても、鍔状部4は、接地部5と地盤12との摩擦力、および貫通孔41と接地部5との摩擦力によって常時、地面10に押さえつけられるので、本体部3の転倒を防ぐことができる。
【0027】
また、本実施形態では、1本の接地部5を用いたが、接地部5の個数は複数であってもよい。例えば、さらに2本の接地部5を
図4に示す貫通孔43および44を介して地面10に突き刺すことにより、鍔状部4をさらに安定して地面10に接触させることができる。
【0028】
通信部6は、外部との通信を行う機能を有する部材であり、本実施形態では、汎用の無線機で構成されている。通信部6は、棒状の支持部材8によって支持されており、リード線7によってセンサ部2と接続されている。これにより、センサ部2によって計測された水位を示す信号は、通信部6から、水田の管理者が有する通信端末や、水田への水の供給を制御する自動給水装置等に送信される。
【0029】
支持部材8は、通信部6を安定して支持可能なものであれば特に限定されないが、本実施形態では、
図4に示すように、鍔状部4の貫通孔42を貫通して、地面10に突き刺さっている。
図2に示すように、支持部材8は接地部5よりも深く突き刺さっているが、接地部5と同じ、またはそれよりも浅く支持部材8を突き刺してもよい。
【0030】
通信部6は、本発明に必須の構成ではなく、通信部6、リード線7および支持部材8は省略することができる。この場合、センサ部2によって計測した水位を、小型の液晶表示装置等に表示してもよい。
【0031】
(本実施形態の効果)
このように、本実施形態では、本体部3に鍔状部4を構成し、さらに、杭等の接地部5によって鍔状部4を地面10に接触させる。よって、本体部3に外力が加わっても、鍔状部4が接地部5によって押さえつけられるので、本体部3の転倒を防止できる。また、接地部5は、杭などの棒状部材で構成することができ、これを地面10に打ち込むことにより、鍔状部4を地面10に接触させることができる。そのため、従来技術のように、本体部3を十分に深く埋め込むための穴を形成することなく、圃場センサ1を設置できる。したがって、本実施形態によれば、圃場センサ1の設置作業が容易であり、土壌への悪影響を抑えることができる。
【0032】
(センサ部の構成例)
上述のように、本実施形態におけるセンサ部2は、水田の水位を計測する部材である。以下では、センサ部2がフロート式の水位センサである場合の具体的な構成例について説明する。
【0033】
図6は、センサ部2の側面図である。センサ部2は、フロート21と、シャフト22と、上部フロート止め23と、下部フロート止め24と、コネクタ25と、センサ固定ナット26と、センサ固定ボルト27と、を主に備えている。フロート21は、上下方向に延びるシャフト22に通されている。シャフト22の上端付近に上部フロート止め23が形成されており、シャフト22の下端22a付近に下部フロート止め24が形成されている。これにより、フロート21は水面に追随しながら上部フロート止め23と下部フロート止め24との間を上下に移動することができる。なお、シャフト22の下端22aは、センサ部2の下端を構成している。
【0034】
コネクタ25は、シャフト22とリード線7とを接続する部材である。コネクタ25の一端はリード線7を固定するための固定端25aとなっており、コネクタ25の他端には、センサ固定ナット26およびセンサ固定ボルト27が接続されている。センサ固定ナット26とセンサ固定ボルト27とが本体部3の筐体を挟持することにより、コネクタ25は本体部3に固定される。
【0035】
フロート21によって水位を検知できる上下方向の範囲は、上部フロート止め23と下部フロート止め24との間の300mmの範囲である。実線で示すフロート21は、計測可能範囲の下限に位置しており、破線で示すフロート21は、計測可能範囲の上限に位置している。センサ部2は、フロート21の位置に応じた電圧信号をリード線7に出力する。本実施形態では、センサ部2は、例えばフロート21が実線で示す下限に位置しているときは、1.2Vの電圧信号を出力し、フロート21が破線で示す上限に位置しているときは0Vの電圧信号を出力する。センサ部2から出力された電圧信号は、通信部6において変調され、水位を示す無線信号として、通信部6から通信端末等の外部機器に送信される。
【0036】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0037】
上記実施形態では、センサ部2が本体部3の中空に配置されていたが、
図7に示す圃場センサ1’のように、収容部9をさらに備え、収容部9にセンサ部2の少なくとも一部が収容されている構成としてもよい。圃場センサ1’は、
図1および
図2に示す圃場センサ1において、本体部3を本体部3’に置き換え、収容部9をさらに備えた構成である。本体部3’は、本体部3と同様、下端に鍔状部4が形成された円柱部材であり、鍔状部4および接地部5によって地面に設置される。一方、本体部3’は、センサ部2を内蔵しておらず、その代わりに、上端から水平方向に延びる支持部32を有している。支持部32には、円筒状の収容部9が下方に延びるように取り付けられており、収容部9の中空にセンサ部2の少なくとも一部が収容されている。このように、収容部9を介してセンサ部2を本体部3に取り付けてもよい。
【0038】
なお、
図7では、センサ部2の一部が収容部9からはみ出ているが、センサ部2の全体が収容部9の中空に収容されていてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、接地部5として杭を用いているが、鍔状部4を地面10に接触させることができる部材であれば、接地部5の構成は特に限定されない。例えば、接地部5として、杭以外の細長の棒状部材(例えば、アンカー等)を用い、当該棒状部材を鍔状部4の貫通孔を介して地面10に突き刺してもよい。
【0040】
あるいは、接地部5として、比重の大きな重りを用い、当該重りを鍔状部4上に設置してもよい。これにより、鍔状部4を地面に押さえつけることができる。この場合、鍔状部4に貫通孔を形成する必要はないが、重りが鍔状部4から脱落しないように、重りを本体部3に括りつけたり、鍔状部4に接着することが好ましい。
【0041】
また、上記実施形態では、
図4に示すように、鍔状部4の形状は、平面視の外周が円形であったが、鍔状部4が地面に接触することにより本体部3を安定させることができる形状であれば、特に限定されない。例えば、
図8に示す鍔状部4’ように、平面視の外周が円弧状であってもよい。つまり、鍔状部は本体部3を完全に取り囲む必要は無い。さらに、鍔状部の外周形状を、楕円形、矩形、多角形などの円形以外の形状としてもよい。また、上記実施形態では、鍔状部4は本体部3の外周面に接触しているが、
図9に示す鍔状部4”のように、本体部3の内周面を起点に外向きに突出してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る圃場センサは、圃場の状況として、水田の水位の他、水温、気温、風速などを計測するセンサにも適用できる。また、本発明に係る圃場センサは、水田の他、地盤の安定しない圃場(例えば、沼、海浜等)に設置されるセンサに好適である。
【符号の説明】
【0043】
1 圃場センサ
1’ 圃場センサ
2 センサ部
3 本体部
3’ 本体部
4 鍔状部
4’ 鍔状部
5 接地部
6 通信部
7 リード線
8 支持部材
9 収容部
10 地面
11 水面
12 地盤
12a ぬかるんだ地盤
12b 硬い地盤
41~44 貫通孔
41a 周縁部
52 頭部