(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】有機電界発光表示装置の発光時間を制御するステージ及びこれを用いた有機電界発光表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3266 20160101AFI20220216BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220216BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
G09G3/3266
G09G3/20 611J
G09G3/20 622E
G09G3/20 622G
G09G3/20 670E
G09G3/20 670J
H05B33/14 A
(21)【出願番号】P 2017117652
(22)【出願日】2017-06-15
【審査請求日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】10-2016-0075527
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】特許業務法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】李 承 珪
(72)【発明者】
【氏名】車 承 智
(72)【発明者】
【氏名】賈 智 鉉
(72)【発明者】
【氏名】權 泰 勳
(72)【発明者】
【氏名】李 敏 九
(72)【発明者】
【氏名】鄭 鎭 泰
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-41337(JP,A)
【文献】特開2010-211905(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0035733(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105321491(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ノード及び第2ノードの電圧に応じて第1電源または第2電源の電圧を出力端子に供給するための出力部と、
第1入力端子及び第2入力端子に供給される信号に応じて第3ノード及び第4ノードの電圧を制御するための入力部と、
前記第2ノードの電圧に応じて前記第1ノードの電圧を制御するための第1信号処理部と、
第5ノードに接続され、第3入力端子に供給される信号に応じて前記第1ノードの電圧を制御するための第2信号処理部と、
前記第3ノードの電圧及び前記第3入力端子に供給される信号に応じて前記第4ノードの電圧を制御するための第3信号処理部と、
前記第2信号処理部と前記入力部の間に接続され
る第1安定化部と、を備え
、
前記第1安定化部は、
前記第3ノードと前記第5ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第2電源に接続される第1トランジスタと、
前記第2ノードと前記第4ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第2電源に接続される第2トランジスタと、を備え、
前記入力部は、
前記第1入力端子と前記第4ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第2入力端子に接続される第7トランジスタと、
前記第3ノードと前記第2入力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第4ノードに接続される第8トランジスタと、
前記第3ノードと前記第2電源の間に接続され、ゲート電極が前記第2入力端子に接続される第9トランジスタと、を備え、
前記出力部は、
前記第1電源と前記出力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第1ノードに接続される第10トランジスタと、
前記第2電源と前記出力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第2ノードに接続される第11トランジスタと、を備え、
前記第1信号処理部は、
前記第1電源と前記第1ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第2ノードに接続される第12トランジスタと、
前記第1電源と前記第1ノードの間に接続される第3キャパシタと、を備え、
前記第2信号処理部は、
前記第2ノードと前記第3入力端子の間に接続される第1キャパシタと、
第1端子が前記第5ノードに接続される第2キャパシタと、
前記第2キャパシタの第2端子と前記第1ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第3入力端子に接続される第5トランジスタと、
前記第2キャパシタの第2端子と前記第3入力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第5ノードに接続される第6トランジスタと、を備え、
前記第3信号処理部は、
第1電源と前記第4ノードの間に直列接続される第13トランジスタ及び第14トランジスタを備え、
前記第13トランジスタのゲート電極は前記第3ノードに接続され、前記第14トランジスタのゲート電極は前記第3入力端子に接続される、
ことを特徴とする
有機電界発光表示装置の発光時間を制御するステージ。
【請求項2】
前記第1電源はゲートオフ電圧に設定され、前記第2電源はゲートオン電圧に設定されることを特徴とする請求項1に記載のステージ。
【請求項3】
前記第1入力端子は、前段のステージの出力信号またはスタートパルスの供給を受けることを特徴とする請求項1に記載のステージ。
【請求項4】
前記第1入力端子に供給される前段のステージの出力信号またはスタートパルスは、前記第2入力端子に供給されるクロック信号と少なくとも一度重なることを特徴とする請求項3に記載のステージ。
【請求項5】
前記第2入力端子は第1クロック信号の供給を受け、第3入力端子は第2クロック信号の供給を受けることを特徴とする請求項1に記載のステージ。
【請求項6】
前記第1クロック信号及び第2クロック信号は同じ周期を有し、前記第2クロック信号は前記第1クロック信号から半周期分だけシフトされた信号に設定されることを特徴とする請求項5に記載のステージ。
【請求項7】
前記第1電源、前記第1ノード、及び前記第3入力端子に接続され、前記出力端子に前記第1電源の電圧が出力される間前記第2ノードの電圧を一定に保持するための第2安定化部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のステージ。
【請求項8】
前記第2安定化部は、
前記第1電源と第6ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第1ノードに接続される第3トランジスタと、
前記第6ノードと前記第3入力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第2ノードに接続される第4トランジスタと、
前記第2ノードと前記第6ノードの間に接続される第1キャパシタと、を備えることを特徴とする請求項
7に記載のステージ。
【請求項9】
走査線、データ線及び発光制御線と接続される画素と、
前記走査線に走査信号を供給するための走査駆動部と、
前記データ線にデータ信号を供給するためのデータ駆動部と、
前記発光制御線に発光制御信号を供給するために複数のステージを含む発光駆動部と、を備え、
前記ステージのそれぞれは、
第1ノード及び第2ノードの電圧に応じて第1電源または第2電源の電圧を出力端子に供給するための出力部と、
第1入力端子及び第2入力端子に供給される信号に応じて第3ノード及び第4ノードの電圧を制御するための入力部と、
前記第2ノードの電圧に応じて前記第1ノードの電圧を制御するための第1信号処理部と、
第5ノードに接続され、第3入力端子に供給される信号に応じて前記第1ノードの電圧を制御するための第2信号処理部と、
前記第3ノード及び前記第3入力端子に供給される信号に応じて前記第4ノードの電圧を制御するための第3信号処理部と、
前記第2信号処理部と前記入力部の間に接続され
る第1安定化部と、を備え
、
前記第1安定化部は、
前記第3ノードと前記第5ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第2電源に接続される第1トランジスタと、
前記第2ノードと前記第4ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第2電源に接続される第2トランジスタと、を備え、
前記入力部は、
前記第1入力端子と前記第4ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第2入力端子に接続される第7トランジスタと、
前記第3ノードと前記第2入力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第4ノードに接続される第8トランジスタと、
前記第3ノードと前記第2電源の間に接続され、ゲート電極が前記第2入力端子に接続される第9トランジスタと、を備え、
前記出力部は、
前記第1電源と前記出力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第1ノードに接続される第10トランジスタと、
前記第2電源と前記出力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第2ノードに接続される第11トランジスタと、を備え、
前記第1信号処理部は、
前記第1電源と前記第1ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第2ノードに接続される第12トランジスタと、
前記第1電源と前記第1ノードの間に接続される第3キャパシタと、を備え、
前記第2信号処理部は、
前記第2ノードと前記第3入力端子の間に接続される第1キャパシタと、
第1端子が前記第5ノードに接続される第2キャパシタと、
前記第2キャパシタの第2端子と前記第1ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第3入力端子に接続される第5トランジスタと、
前記第2キャパシタの第2端子と前記第3入力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第5ノードに接続される第6トランジスタと、を備え、
前記第3信号処理部は、
第1電源と前記第4ノードの間に直列接続される第13トランジスタ及び第14トランジスタを備え、
前記第13トランジスタのゲート電極は前記第3ノードに接続され、前記第14トランジスタのゲート電極は前記第3入力端子に接続される、
ことを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項10】
前記第1電源はゲートオフ電圧に設定され、前記第2電源はゲートオン電圧に設定され、
前記出力端子に供給される前記第1電源の電圧が発光制御信号として使用されることを特徴とする請求項
9に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項11】
前記第1入力端子は、前段のステージの出力信号またはスタートパルスの供給を受け、
j(jは奇数または偶数)番目のステージの前記第2入力端子は第1クロック信号、前記第3入力端子は第2クロック信号の供給を受け、
j+1番目のステージの前記第2入力端子は第2クロック信号、前記第3入力端子は第1クロック信号の供給を受けることを特徴とする請求項
9に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項12】
前記第1電源、前記第1ノード、及び前記第3入力端子に接続され、前記出力端子に前記第1電源の電圧が出力される間前記第2ノードの電圧を一定に保持するための第2安定化部をさらに備え、
前記第2安定化部は、
前記第1電源と第6ノードの間に接続され、ゲート電極が前記第1ノードに接続される第3トランジスタと、
前記第6ノードと前記第3入力端子の間に接続され、ゲート電極が前記第2ノードに接続される第4トランジスタと、
前記第2ノードと前記第6ノードの間に接続される第1キャパシタと、を備えることを特徴とする請求項
9に記載の有機電界発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージ及びこれを用いた有機電界発光表示装置に関する。特に、発光制御信号を供給することができるステージ及びこれを用いた有機電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化技術が発達するにつれて、ユーザーと情報の間の接続媒体である表示装置の重要性が浮き彫りになっている。これに応じて、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)及び有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device)などの表示装置(Display Device)の使用が増えている。
【0003】
平板表示装置のうち有機電界発光表示装置は、電子と正孔の再結合により光を発生させる有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)を用いて映像を表示する。このような有機電界発光表示装置は、速い応答速度を有するとともに低い消費電力で駆動されるという利点がある。
【0004】
有機電界発光表示装置は、データ線にデータ信号を供給するためのデータ駆動部と、走査線に走査信号を供給するための走査駆動部と、発光制御線に発光制御信号を供給するための発光駆動部と、データ線、走査線及び発光制御線に接続するように配置される画素と、を備える。
【0005】
画素は、走査線に走査信号が供給されるときに選択され、データ線からデータ信号の供給を受ける。データ信号の供給を受けた画素は、データ信号に応じて所定の輝度の光を生成しながら映像を実現する。ここで、画素の発光時間は発光駆動部から供給される発光制御信号によって制御される。
【0006】
このため、発光駆動部は発光制御線のそれぞれと接続されるステージを備える。ステージは複数のクロック信号に応じて発光制御信号を生成し、生成された発光制御信号を発光制御線に供給する。
【0007】
上述のように、ステージは発光時間を制御する発光制御信号を生成する。ここで、発光制御信号が不安定な場合、望まない地点の画素が発光する恐れがある。したがって、安定的に発光制御信号を生成することができるステージが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0025149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、安定的に発光制御信号を生成することができるステージ及びこれを用いた有機電界発光表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によるステージは、第1ノード及び第2ノードの電圧に応じて第1電源または第2電源の電圧を出力端子に供給するための出力部と、第1入力端子及び第2入力端子に供給される信号に応じて第3ノード及び第4ノードの電圧を制御するための入力部と、上記第2ノードの電圧に応じて上記第1ノードの電圧を制御するための第1信号処理部と、第5ノードに接続され、第3入力端子に供給される信号に応じて上記第1ノードの電圧を制御するための第2信号処理部と、上記第3ノードの電圧及び上記第3入力端子に供給される信号に応じて上記第4ノードの電圧を制御するための第3信号処理部と、上記第2信号処理部と上記入力部の間に接続され、上記第3ノード及び第4ノードの電圧の下降幅を制限するための第1安定化部と、を備える。
【0011】
また、上記第1電源はゲートオフ電圧に設定され、上記第2電源はゲートオン電圧に設定されてもよい。
【0012】
また、上記第1入力端子は、前段のステージの出力信号またはスタートパルスの供給を受けてもよい。
【0013】
また、上記第1入力端子に供給される前段のステージの出力信号またはスタートパルスは、上記第2入力端子に供給されるクロック信号と少なくとも一度重なってもよい。
【0014】
また、上記第2入力端子は第1クロック信号の供給を受け、第3入力端子は第2クロック信号の供給を受けてもよい。
【0015】
また、上記第1クロック信号及び第2クロック信号は同じ周期を有し、上記第2クロック信号は上記第1クロック信号から半周期分だけシフトされた信号に設定されてもよい。
【0016】
また、上記第1安定化部は、上記第3ノードと上記第5ノードの間に接続され、ゲート電極が上記第2電源に接続される第1トランジスタと、上記第2ノードと上記第4ノードの間に接続され、ゲート電極が上記第2電源に接続される第2トランジスタと、を備えてもよい。
【0017】
また、上記入力部は、上記第1入力端子と上記第4ノードの間に接続され、ゲート電極が上記第2入力端子に接続される第7トランジスタと、上記第3ノードと上記第2入力端子の間に接続され、ゲート電極が上記第4ノードに接続される第8トランジスタと、上記第3ノードと上記第2電源の間に接続され、ゲート電極が上記第2入力端子に接続される第9トランジスタと、を備えてもよい。
【0018】
また、上記出力部は、上記第1電源と上記出力端子の間に接続され、ゲート電極が上記第1ノードに接続される第10トランジスタと、上記第2電源と上記出力端子の間に接続され、ゲート電極が上記第2ノードに接続される第11トランジスタと、を備えてもよい。
【0019】
また、上記第1信号処理部は、上記第1電源と上記第1ノードの間に接続され、ゲート電極が上記第2ノードに接続される第12トランジスタと、上記第1電源と上記第1ノードの間に接続される第3キャパシタと、を備えてもよい。
【0020】
また、上記第2信号処理部は、上記第2ノードと上記第3入力端子の間に接続される第1キャパシタと、第1端子が上記第5ノードに接続される第2キャパシタと、上記第2キャパシタの第2端子と上記第1ノードの間に接続され、ゲート電極が上記第3入力端子に接続される第5トランジスタと、上記第2キャパシタの第2端子と上記第3入力端子の間に接続され、ゲート電極が上記第5ノードに接続される第6トランジスタと、を備えてもよい。
【0021】
また、上記第3信号処理部は、第1電源と上記第4ノードの間に直列接続される第13トランジスタ及び第14トランジスタを備え、上記第13トランジスタのゲート電極は上記第3ノードに接続され、上記第14トランジスタのゲート電極は上記第3入力端子に接続されてもよい。
【0022】
また、上記第1電源、上記第1ノード、及び上記第3入力端子に接続され、上記出力端子に上記第1電源の電圧が出力される間上記第2ノードの電圧を一定に保持するための第2安定化部をさらに備えてもよい。
【0023】
また、上記第2安定化部は、上記第1電源と第6ノードの間に接続され、ゲート電極が上記第1ノードに接続される第3トランジスタと、上記第6ノードと上記第3入力端子の間に接続され、ゲート電極が上記第2ノードに接続される第4トランジスタと、上記第2ノードと上記第6ノードの間に接続される第1キャパシタと、を備えてもよい。
【0024】
また、上記第2信号処理部は、第1端子が上記第5ノードに接続される第2キャパシタと、上記第2キャパシタの第2端子と上記第1ノードの間に接続され、ゲート電極が上記第3入力端子に接続される第5トランジスタと、上記第2キャパシタの第2端子と上記第3入力端子の間に接続され、ゲート電極が上記第5ノードに接続される第6トランジスタと、を備えてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置は、走査線、データ線及び発光制御線と接続される画素と、上記走査線に走査信号を供給するための走査駆動部と、上記データ線にデータ信号を供給するためのデータ駆動部と、上記発光制御線に発光制御信号を供給するために複数のステージを含む発光駆動部と、を備え、上記ステージのそれぞれは、第1ノード及び第2ノードの電圧に応じて第1電源または第2電源の電圧を出力端子に供給するための出力部と、第1入力端子及び第2入力端子に供給される信号に応じて第3ノード及び第4ノードの電圧を制御するための入力部と、上記第2ノードの電圧に応じて上記第1ノードの電圧を制御するための第1信号処理部と、第5ノードに接続され、第3入力端子に供給される信号に応じて上記第1ノードの電圧を制御するための第2信号処理部と、上記第3ノード及び上記第3入力端子に供給される信号に応じて上記第4ノードの電圧を制御するための第3信号処理部と、上記第2信号処理部と上記入力部の間に接続され、上記第3ノード及び第4ノードの電圧の下降幅を制限するための第1安定化部と、を備える。
【0026】
また、上記第1電源はゲートオフ電圧に設定され、上記第2電源はゲートオン電圧に設定され、上記出力端子に供給される上記第1電源の電圧が発光制御信号として使用されてもよい。
【0027】
また、上記第1入力端子は、前段のステージの出力信号またはスタートパルスの供給を受け、j(jは奇数または偶数)番目のステージの上記第2入力端子は第1クロック信号、上記第3入力端子は第2クロック信号の供給を受け、j+1番目のステージの上記第2入力端子は第2クロック信号、上記第3入力端子は第1クロック信号の供給を受けてもよい。
【0028】
また、上記第1安定化部は、上記第3ノードと上記第5のノードの間に接続され、ゲート電極が上記第2電源に接続される第1トランジスタと、上記第2ノードと上記第4ノードの間に接続され、ゲート電極が上記第2電源に接続される第2トランジスタと、を備えてもよい。
【0029】
また、上記第1電源、上記第1ノード、及び上記第3入力端子に接続され、上記出力端子に上記第1電源の電圧が出力される間上記第2ノードの電圧を一定に保持するための第2安定化部をさらに備え、上記第2安定化部は、上記第1電源と第6ノードの間に接続され、ゲート電極が上記第1ノードに接続される第3トランジスタと、上記第6ノードと上記第3入力端子の間に接続され、ゲート電極が上記第2ノードに接続される第4トランジスタと、上記第2ノードと上記第6ノードの間に接続される第1キャパシタと、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態に係るステージ及びこれを用いた有機電界発光表示装置によれば、キャパシタを利用してトランジスタのゲート電極の電圧を周期的に下降することにより、トランジスタの駆動特性を向上することができる。
【0031】
また、本発明の一実施形態では、上記キャパシタにより下げられた電圧によって、特定トランジスタのソース電極及びドレイン電極の電圧差が大きくなることを防止することができ、これにより、特定トランジスタの特性が変化することを防止することができる。また、本発明の一実施形態では、発光制御信号が供給される間、特定ノードの電圧を一定に保持することによって駆動の信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置を示す図である。
【
図2】
図1に示した画素の一実施形態を示す図である。
【
図3】
図1に示した発光駆動部の一実施形態を示す図である。
【
図4】
図3に示したステージの一実施形態を示す図である。
【
図5】
図4に示したステージの駆動方法の一実施形態を示す波形図である。
【
図6】
図3に示したステージの他の実施形態を示す図である。
【
図7】
図3に示したステージのさらに他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施形態及びその他に当業者が本発明の内容を容易に理解するために必要な事項について詳細に記載する。ただし、本発明は、請求の範囲に記載された範囲内で様々な異なる形態で実現されることができるため、以下に説明する実施形態は、表現有無に関わらず、例示的なものに過ぎない。
【0034】
即ち、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、異なる多様な形態で実現されてもよい。以下の説明において、ある部分が他の部分と接続されているというときは、直接接続されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで電気的に接続されている場合も含む。また、図面における同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に示されているとしても、できる限り同じ参照番号及び符号で示していることに留意すべきである。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置を示す図である。
【0036】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置は、走査駆動部10、データ駆動部20、発光駆動部30、画素部40、及びタイミング制御部60を備える。
【0037】
タイミング制御部60は、外部から供給される同期信号に応じて、データ駆動制御信号DCS、走査駆動制御信号SCS及び発光駆動制御信号ECSを生成する。タイミング制御部60で生成されたデータ駆動制御信号DCSはデータ駆動部20に供給され、走査駆動制御信号SCSは走査駆動部10に供給され、発光駆動制御信号ECSは発光駆動部30に供給される。
【0038】
走査駆動制御信号SCSにはスタートパルス及びクロック信号が含まれる。スタートパルスは走査信号の最初のタイミングを制御する。クロック信号はスタートパルスをシフトさせるために用いられる。
【0039】
発光駆動制御信号ECSにはスタートパルス及びクロック信号が含まれる。スタートパルスは発光制御信号の最初のタイミングを制御する。クロック信号はスタートパルスをシフトさせるために用いられる。
【0040】
データ駆動制御信号DCSにはソーススタートパルス及びクロック信号が含まれる。ソーススタートパルスはデータのサンプリングの開始時点を制御する。クロック信号はサンプリング動作を制御するために用いられる。
【0041】
走査駆動部10は、タイミング制御部60から走査駆動制御信号SCSの供給を受ける。走査駆動制御信号SCSの供給を受けた走査駆動部10は、走査線S1~Snに走査信号を供給する。例えば、走査駆動部10は、走査線S1~Snに走査信号を順に供給することができる。走査線S1~Snに走査信号が順に供給されると、画素50が水平ライン単位で選択される。
【0042】
発光駆動部30は、タイミング制御部60から発光駆動制御信号ECSの供給を受ける。発光駆動制御信号ECSの供給を受けた発光駆動部30は、発光制御線E1~Enに発光制御信号を供給する。例えば、発光駆動部30は発光制御線E1~Enに発光制御信号を順に供給することができる。このような発光制御信号は画素50の発光時間を制御するために用いられる。例えば、発光制御信号の供給を受ける特定の画素50は、発光制御信号が供給される期間は非発光状態に設定され、それ以外の期間は発光状態に設定されてもよい。
【0043】
また、発光制御信号は、画素50に含まれたトランジスタがターンオフできるゲートオフ電圧(例えば、ハイ電圧)に設定され、走査信号は、画素50に含まれたトランジスタがターンオンできるゲートオン電圧(例えば、ロー電圧)に設定されてもよい。
【0044】
データ駆動部20はタイミング制御部60からデータ駆動制御信号DCSの供給を受ける。データ駆動制御信号DCSの供給を受けたデータ駆動部20は、データ線D1~Dmにデータ信号を供給する。データ線D1~Dmに供給されたデータ信号は、走査信号により選択された画素50に供給される。このため、データ駆動部20は、走査信号と同期するようにデータ線D1~Dmにデータ信号を供給することができる。
【0045】
画素部40は、走査線S1~Sn、データ線D1~Dm、及び発光制御線E1~Enと接続される画素50を備える。画素部40は、外部から第1駆動電源ELVDD及び第2駆動電源ELVSSの供給を受ける。
【0046】
図には示さなかったが、画素50のそれぞれは、駆動トランジスタ及び有機発光ダイオードを備える。駆動トランジスタは、データ信号に応じて、第1駆動電源ELVDDから有機発光ダイオードを経由して第2駆動電源ELVSSに流れる電流量を制御する。
【0047】
一方、
図1には、n個の走査線S1~Sn及びn個の発光制御線E1~Enが示されているが、本願の発明はこれに限定されない。例えば、画素50の回路構造に応じて、画素部40には1つ以上のダミー走査線及びダミー発光制御線がさらに形成されてもよい。
【0048】
図2は
図1に示した画素の一実施形態を示す図である。
図2では、説明の便宜上、第n走査線Sn及び第mデータ線Dmと接続された画素を図示する。
【0049】
図2を参照すると、本発明の一実施形態による画素50は、有機発光ダイオードOLED、第1トランジスタ(駆動トランジスタ)T1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、及びストレージキャパシタCstを備える。
【0050】
有機発光ダイオードOLEDのアノード電極は第3トランジスタT3の第2電極に接続され、有機発光ダイオードOLEDのカソード電極は第2駆動電源ELVSSに接続される。このような有機発光ダイオードOLEDは、第1トランジスタT1から供給される電流量に応じて所定輝度の光を生成する。
【0051】
第1トランジスタT1の第1電極は第1駆動電源ELVDDに接続され、第1トランジスタT1の第2電極は第3トランジスタT3の第1電極に接続される。また、第1トランジスタT1のゲート電極は第10ノードN10に接続される。この第1トランジスタT1は、第10ノードN10の電圧に応じて、第1駆動電源ELVDDから第3トランジスタT3及び有機発光ダイオードOLEDを経由して第2駆動電源ELVSSに供給される電流量を制御する。
【0052】
第2トランジスタT2の第1電極はデータ線Dmに接続され、第2トランジスタT2の第2電極は第10ノードN10に接続される。また、第2トランジスタT2のゲート電極は走査線Snに接続される。この第2トランジスタT2は、走査線Snに走査信号が供給されるときターンオンし、データ線Dmからのデータ信号を第10ノードN10に供給する。
【0053】
第3トランジスタT3の第1電極は第1トランジスタT1の第2電極に接続され、第3トランジスタT3の第2電極は有機発光ダイオードOLEDのアノード電極に接続される。また、第3トランジスタT3のゲート電極は発光制御線Enに接続される。この第3トランジスタT3は、発光制御線Enに発光制御信号が供給されるときにターンオフし、発光制御信号が供給されないときにはターンオンする。
【0054】
第3トランジスタT3がターンオフすると、第1トランジスタT1と有機発光ダイオードOLEDが電気的に遮断されるため、画素50が非発光状態に設定される。第3トランジスタT3がターンオンすると、第1トランジスタT1と有機発光ダイオードOLEDが電気的に接続されるため、画素50は発光可能な状態に設定される。
【0055】
ストレージキャパシタCstは第1駆動電源ELVDDと第10ノードN10の間に接続される。このようなストレージキャパシタCstは第10ノードN10の電圧を充電する。
【0056】
一方、本発明の一実施形態における画素50は
図2に限定されない。例えば、本発明における画素50は、発光制御信号によって発光期間が制御できる様々な形態の回路で実現されてもよい。
【0057】
図3は
図1に示した発光駆動部の一実施形態を示す図である。
図3では、説明の便宜上、4個のステージを図示する。
【0058】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による発光駆動部30は複数のステージST1~ST4を備える。ステージST1~ST4は発光制御線E1~E4のいずれか1つと接続され、クロック信号CLK1、CLK2に応じて駆動される。ここで、ステージST1~ST4は同じ回路で実現されてもよい。
【0059】
ステージST1~ST4のそれぞれは、第1入力端子101、第2入力端子102、第3入力端子103、及び出力端子104を備える。
【0060】
第1入力端子101は、前段のステージの出力信号(即ち、発光制御信号)またはスタートパルスSSPの供給を受ける。例えば、最初のステージST1の第1入力端子101はスタートパルスSSPの供給を受け、残りのステージST2~ST4の第1入力端子101は前段のステージの出力信号の供給を受けることができる。
【0061】
j(jは奇数または偶数)番目のステージSTjの第2入力端子102は第1クロック信号CLK1の供給を受け、第3入力端子103は第2クロック信号CLK2の供給を受ける。そして、j+1番目のステージ(STj+1)の第2入力端子102は第2クロック信号CLK2の供給を受け、第3入力端子103は第1クロック信号CLK1の供給を受ける。
【0062】
第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は同じ周期を有し、位相が重ならない。例えば、第2クロック信号CLK2は第1クロック信号CLK1から半周期分だけシフトした信号に設定されてもよい。
【0063】
さらに、ステージST1~ST4は第1電源VDD及び第2電源VSSの供給を受ける。第1電源VDDはゲートオフ電圧に設定され、第2電源VSSはゲートオン電圧に設定されてもよい。この場合、出力端子104に供給された第1電源VDDが発光制御信号に用いられる。
【0064】
図4は
図3に示したステージの一実施形態を示す図である。
図4では、説明の便宜上、第1ステージST1及び第2ステージST2を図示する。
【0065】
図4を参照すると、本発明の一実施形態による第1ステージST1は、入力部210、出力部220、第1信号処理部230、第2信号処理部240、第3信号処理部250、及び第1安定化部260を備える。
【0066】
出力部220は、第1ノードN1及び第2ノードN2の電圧に応じて、第1電源VDDまたは第2電源VSSの電圧を出力端子104に供給する。このため、出力部220は第10トランジスタM10及び第11トランジスタM11を備える。
【0067】
第10トランジスタM10は第1電源VDDと出力端子104の間に接続される。また、第10トランジスタM10のゲート電極は第1ノードN1に接続される。この第10トランジスタM10は、第1ノードN1の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。ここで、第10トランジスタM10がターンオンするとき出力端子104に供給される第1電源VDDの電圧は、第1発光制御線E1の発光制御信号に用いられる。
【0068】
第11トランジスタM11は出力端子104と第2電源VSSの間に接続される。また、第11トランジスタM11のゲート電極は第2ノードN2に接続される。この第11トランジスタM11は第2ノードN2の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。
【0069】
入力部210は、第1入力端子101及び第2入力端子102に供給される信号に応じて、第3ノードN3及び第4ノードN4の電圧を制御する。このため、入力部210は第7トランジスタM7~第9トランジスタM9を備える。
【0070】
第7トランジスタM7は第1入力端子101と第4ノードN4の間に接続される。また、第7トランジスタM7のゲート電極は第2入力端子102に接続される。この第7トランジスタM7は、第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給されるときターンオンし、第1入力端子101と第4ノードN4を電気的に接続する。
【0071】
第8トランジスタM8は第3ノードN3と第2入力端子102の間に接続される。また、第8トランジスタM8のゲート電極は第4ノードN4に接続される。この第8トランジスタM8は第4ノードN4の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。
【0072】
第9トランジスタM9は第3ノードN3と第2電源VSSの間に接続される。また、第9トランジスタM9のゲート電極は第2入力端子102に接続される。この第9トランジスタM9は、第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給されるときターンオンし、第3ノードN3に第2電源VSSの電圧を供給する。
【0073】
第1信号処理部230は、第2ノードN2の電圧に応じて第1ノードN1の電圧を制御する。このため、第1信号処理部230は第12トランジスタM12及び第3キャパシタC3を備える。
【0074】
第12トランジスタM12は第1電源VDDと第1ノードN1の間に接続される。また、第12トランジスタM12のゲート電極は第2ノードN2に接続される。この第12トランジスタM12は、第2ノードN2の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。
【0075】
第3キャパシタC3は第1電源VDDと第1ノードN1の間に接続される。この第3キャパシタC3は第1ノードN1に印加される電圧を充電する。また、第3キャパシタC3は第1ノードN1の電圧を安定的に保持する。
【0076】
第2信号処理部240は第5ノードN5に接続され、第3入力端子103に供給される信号に応じて第1ノードN1の電圧を制御する。このため、第2信号処理部240は、第5トランジスタM5、第6トランジスタM6、第1キャパシタC1、及び第2キャパシタC2を備える。
【0077】
第1キャパシタC1は第2ノードN2と第3入力端子103の間に接続される。この第1キャパシタC1は第2ノードN2に印加される電圧を充電する。また、第1キャパシタC1は、第3入力端子103に供給される第2クロック信号CLK2に応じて第2ノードN2の電圧を制御する。
【0078】
第2キャパシタC2の第1端子は第5ノードN5に接続され、第2端子は第5トランジスタM5に接続される。
【0079】
第5トランジスタM5は第2キャパシタC2の第2端子と第1ノードN1の間に接続される。また、第5トランジスタM5のゲート電極は第3入力端子103に接続される。この第5トランジスタM5は、第3入力端子103に第2クロック信号CLK2が供給されるときターンオンし、第2キャパシタC2の第2端子と第1ノードN1を電気的に接続する。
【0080】
第6トランジスタM6は第2キャパシタC2の第2端子と第3入力端子103の間に接続される。また、第6トランジスタM6のゲート電極は第5ノードN5に接続される。この第6トランジスタM6は、第5ノードN5の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。
【0081】
第3信号処理部250は、第3ノードN3の電圧及び第3入力端子103に供給される信号に応じて第4ノードN4の電圧を制御する。このため、第3信号処理部250は、第13トランジスタM13及び第14トランジスタM14を備える。
【0082】
第13トランジスタM13及び第14トランジスタM14は、第1電源VDDと第4ノードN4の間に直列接続される。また、第13トランジスタM13のゲート電極は第3ノードN3に接続される。この第13トランジスタM13は、第3ノードN3の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。
【0083】
また、第14トランジスタM14のゲート電極は第3入力端子103に接続される。この第14トランジスタM14は、第3入力端子103に第2クロック信号CLK2が供給されるときターンオンする。
【0084】
第1安定化部260は第2信号処理部240と入力部210の間に接続される。この第1安定化部260は第3ノードN3及び第4ノードN4の電圧の下降幅を制限する。このため、第1安定化部260は、第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2を備える。
【0085】
第1トランジスタM1は第3ノードN3と第5ノードN5の間に接続される。また、第1トランジスタM1のゲート電極は第2電源VSSに接続される。この第1トランジスタM1はターンオン状態に設定される。
【0086】
第2トランジスタM2は第2ノードN2と第4ノードN4の間に接続される。また、第2トランジスタM2のゲート電極は第2電源VSSに接続される。この第2トランジスタM2はターンオン状態に設定される。
【0087】
一方、第2ステージST2は、第1入力端子101~第3入力端子103に供給される信号を除いた構成が第1ステージST1と同様である。したがって、第2ステージST2に関する詳細な説明は省略する。
【0088】
図5は
図4に示したステージの駆動方法の一実施形態を示す波形図である。
図5では、説明の便宜上、第1ステージST1を参照して動作過程を説明する。
【0089】
図5を参照すると、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は2水平期間2Hの周期を有し、異なる水平期間に供給される。即ち、第2クロック信号CLK2は、第1クロック信号CLK1から半周期(即ち、1水平期間1H)分だけシフトされた信号に設定される。
【0090】
スタートパルスSSPが供給されるとき、第1入力端子101は第1電源VDDの電圧に設定され、スタートパルスSSPが供給されないとき、第1入力端子101は第2電源VSSの電圧に設定されてもよい。
【0091】
クロック信号CLK1、CLK2が供給されるとき、第2入力端子102及び第3入力端子103は第2電源VSSの電圧に設定され、クロック信号CLK1、CLK2が供給されないとき、第2入力端子102及び第3入力端子103は第1電源VDDの電圧に設定されてもよい。
【0092】
また、第1入力端子101に供給されるスタートパルスSSPは、第2入力端子102に供給される第1クロック信号CLK1と少なくとも一度重なるように設定される。このため、スタートパルスSSPは第1クロック信号CLK1より広い幅、例えば、4水平期間4Hの間供給されることができる。この場合、第2ステージST2の第1入力端子101に供給される最初の発光制御信号も、第2ステージST2の第2入力端子102に供給される第2クロック信号CLK2と少なくとも一度重なる。
【0093】
動作過程を説明すると、まず、第1時点t1に第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給される。第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給されると、第7トランジスタM7及び第9トランジスタM9がターンオンする。
【0094】
第7トランジスタM7がターンオンすると、第1入力端子101と第4ノードN4が電気的に接続される。ここで、第2トランジスタM2がターンオン状態を保持するために、第1入力端子101は第4ノードN4を経由して第2ノードN2とも電気的に接続される。このとき、第1時点t1の間、第1入力端子101にはスタートパルスSSPが供給されず、これにより、第4ノードN4及び第2ノードN2にロー電圧(例えば、VSS)が供給される。
【0095】
第2ノードN2及び第4ノードN4にロー電圧が供給されると、第8トランジスタM8、第11トランジスタM11、及び第12トランジスタM12がターンオンする。
【0096】
第12トランジスタM12がターンオンすると、第1ノードN1に第1電源VDDの電圧が供給され、これにより、第10トランジスタM10がターンオフする。このとき、第3キャパシタC3には、第10トランジスタM10のターンオフに対応する電圧が充電される。
【0097】
第11トランジスタM11がターンオンすると、第2電源VSSの電圧が出力端子104に供給される。したがって、第1時点t1の間、第1発光制御線E1に発光制御信号が供給されない。
【0098】
第8トランジスタM8がターンオンすると、第3ノードN3に第1クロック信号CLK1が供給される。ここで、第1トランジスタM1がターンオン状態を保持するため、第1クロック信号CLK1は第3ノードN3を経由して第5ノードN5にも供給される。
【0099】
一方、第9トランジスタM9がターンオンすると、第2電源VSSの電圧が第3ノードN3及び第5ノードN5に供給される。ここで、第1クロック信号CLK1は第2電源VSSの電圧に設定され、これにより、第3ノードN3及び第5ノードN5は安定的に第2電源VSSの電圧に設定される。
【0100】
第3ノードN3及び第5ノードN5が第2電源VSSの電圧に設定されると、第13トランジスタM13及び第6トランジスタM6がターンオンする。
【0101】
第6トランジスタM6がターンオンすると、第3入力端子103からのハイ電圧(例えば、VDD)が第2キャパシタC2の第2端子に供給される。このとき、第5トランジスタM5がターンオフ状態に設定されるため、第1ノードN1は、第5ノードN5及び第2キャパシタC2の第2端子電圧とは関係なく第3電源VDDの電圧を保持する。
【0102】
第13トランジスタM13がターンオンすると、第1電源VDDの電圧が第14トランジスタM14に供給される。このとき、第14トランジスタM14はターンオフ状態に設定され、これにより、第4ノードN4はロー電圧を保持する。
【0103】
第2時点t2では、第2入力端子102への第1クロック信号CLK1の供給が中断される。第1クロック信号CLK1の供給が中断されると、第7トランジスタM7及び第9トランジスタM9がターンオフする。このとき、第1キャパシタC1及び第3キャパシタC3により第2ノードN2及び第1ノードN1は前期間の電圧を保持する。
【0104】
第2ノードN2がロー電圧を保持する場合、第8トランジスタM8、第11トランジスタM11、及び第12トランジスタM12がターンオンする。
【0105】
第8トランジスタM8がターンオンすると、第2入力端子102からのハイ電圧が第3ノードN3及び第5ノードN5に供給される。そうすると、第13トランジスタM13及び第6トランジスタM6がターンオフ状態に設定される。
【0106】
第12トランジスタM12がターンオンすると、第1ノードN1に第1電源VDDの電圧が供給され、これにより、第10トランジスタM10はターンオフ状態を保持する。
【0107】
第11トランジスタM11がターンオンすると、出力端子104は第2電源VSSの電圧の供給を受ける。
【0108】
第3時点t3では、第3入力端子103に第2クロック信号CLK2が供給される。第3入力端子103に第2クロック信号CLK2が供給されると、第14トランジスタM14及び第5トランジスタM5がターンオンする。
【0109】
第5トランジスタM5がターンオンすると、第2キャパシタC2の第2端子と第1ノードN1が電気的に接続される。このとき、第1ノードN1は第1電源VDDの電圧を保持する。
【0110】
第14トランジスタM14がターンオンすると、第13トランジスタM13の第2電極と第2ノードN2が電気的に接続される。このとき、第13トランジスタM13がターンオフ状態に設定されるため、第1電源VDDの電圧は第4ノードN4及び第2ノードN2に供給されない。
【0111】
また、第3入力端子103に第2クロック信号CLK2が供給されると、第1キャパシタC1のカップリングにより、第2ノードN2は第2電源VSSより低い電圧に下降する。そうすると、第11トランジスタM11及び第12トランジスタM12のゲート電極に印加される電圧が第2電源VSSより低い電圧に下降するため、トランジスタの駆動特性が向上することができる。
【0112】
一方、第4ノードN4は、第2トランジスタM2により、第2ノードN2の電圧の下降とは関係なくほぼ第2電源VSSの電圧を保持する。即ち、第2トランジスタM2のゲート電極に第2電源VSSの電圧が印加されるため、第2ノードN2の電圧の下降とは関係なく第4ノードN4はほぼ第2電源VSSの電圧を保持する。この場合、第7トランジスタM7の第1電極及び第2電極の電圧差、即ち、ソース電極とドレイン電極の電圧差が最小化し、第7トランジスタM7の特性が変化することを防止することができる。
【0113】
第4時点t4では、第1入力端子101にスタートパルスSSPが供給され、第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給される。
【0114】
第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給されると、第7トランジスタM7及び第9トランジスタM9がターンオンする。
【0115】
第7トランジスタM7がターンオンすると、第1入力端子101と第4ノードN4及び第2ノードN2が電気的に接続される。そうすると、第2入力端子102に供給されたスタートパルスSSPによって、第4ノードN4及び第2ノードN2がハイ電圧に設定される。第4ノードN4及び第2ノードN2がハイ電圧に設定されると、第8トランジスタM8、第11トランジスタM11、及び第12トランジスタM12がターンオフする。
【0116】
第9トランジスタM9がターンオンすると、第3ノードN3及び第5ノードN5に第2電源VSSの電圧が供給される。第3ノードN3及び第5ノードN5に第2電源VSSの電圧が供給されると、第13トランジスタM13及び第6トランジスタM6がターンオンする。
【0117】
このとき、第13トランジスタM13がターンオンしても第14トランジスタM14がターンオフ状態に設定されるため、第4ノードN4の電圧は変わらない。
【0118】
第6トランジスタM6がターンオンすると、第2キャパシタC2の第2端子と第3入力端子103が電気的に接続される。このとき、第5トランジスタM5がターンオフ状態に設定されるため、第1ノードN1はハイ電圧を保持する。
【0119】
第5時点t5では、第3入力端子103に第2クロック信号CLK2が供給される。第3入力端子103に第2クロック信号CLK2が供給されると、第14トランジスタM14及び第5トランジスタM5がターンオンする。また、第5時点t5では第3ノードN3及び第5ノードN5が第2電源VSSの電圧に設定されるため、第13トランジスタM13及び第6トランジスタM6がターンオン状態を保持する。
【0120】
第5トランジスタM5及び第6トランジスタM6がターンオンすると、第2クロック信号CLK2が第1ノードN1に供給される。第1ノードN1に第2クロック信号CLK2が供給されると、第10トランジスタM10がターンオンする。第10トランジスタM10がターンオンすると、第1電源VDDの電圧が出力端子104に供給される。出力端子104に供給された第1電源VDDの電圧は、発光制御信号として第1発光制御線E1に供給される。
【0121】
第13トランジスタM13及び第14トランジスタM14がターンオンすると、第4ノードN4及び第2ノードN2に第2電源VDDの電圧が供給される。そうすると、第8トランジスタM8及び第11トランジスタM11は安定的にターンオフ状態を保持する。
【0122】
一方、第2キャパシタC2の第2端子に第2クロック信号CLK2が供給されると、第2キャパシタC2のカップリングにより、第5ノードN5の電圧が第2電源VSSより低い電圧に下降する。そうすると、第6トランジスタM6のゲート電極に印加される電圧が第2電源VSSより低い電圧に下降するため、第6トランジスタM6の駆動特性が向上することができる。
【0123】
また、第1トランジスタM1により、第5ノードN5の電圧とは関係なく第3ノードN3の電圧はほぼ第2電源VSSの電圧を保持する。即ち、第1トランジスタM1のゲート電極には第2電源VSSの電圧が印加されるため、第5ノードN5の電圧の下降とは関係なく第3ノードN3はほぼ第2電源VSSの電圧を保持する。この場合、第8トランジスタM8のソース電極とドレイン電極の電圧差が最小化し、第8トランジスタM8の特性が変化することを防止することができる。
【0124】
第6時点t6では、第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給される。第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給されると、第7トランジスタM7及び第9トランジスタM9がターンオンする。
【0125】
第7トランジスタM7がターンオンすると、第4ノードN4及び第2ノードN2が第1入力端子101と電気的に接続され、これにより、第1入力端子101からのロー電圧が第4ノードN4及び第2ノードN2に供給される。第4ノードN4及び第2ノードN2がロー電圧に設定されると、第8トランジスタM8、第11トランジスタM11及び第12トランジスタM12がターンオンする。
【0126】
第8トランジスタM8がターンオンすると、第3ノードN3及び第5ノードN5に第1クロック信号CLK1が供給される。
【0127】
第12トランジスタM12がターンオンすると、第1ノードN1に第1電源VDDの電圧が供給され、これにより、第10トランジスタM10がターンオフする。第11トランジスタM11がターンオンすると、出力端子104に第2電源VSSの電圧が供給される。出力端子104に供給された第2電源VSSの電圧は第1発光制御線E1に供給され、これにより、第1発光制御線E1への発光制御信号の供給が中断される。
【0128】
一方、第1ステージST1の出力端子104から発光制御信号の供給を受ける第2ステージST2も、上述した過程を繰り返しながら第2発光制御線E2に発光制御信号を供給する。即ち、本発明の一実施形態による発光ステージSTは、上述した過程を繰り返しながら発光制御線E1~Enに発光制御信号を順に供給することができる。
【0129】
図6は
図3に示したステージの他の一実施形態を示す図である。
図6を説明するにあたって、
図4と同じ構成に対しては同じ図面符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0130】
図6を参照すると、本発明の他の一実施形態による第1ステージST1’は、入力部210’、出力部220、第1信号処理部230、第2信号処理部240、第3信号処理部250、及び第1安定化部260を備える。
【0131】
入力部210’は、第1入力端子101及び第2入力端子102に供給される信号に応じて、第3ノードN3及び第4ノードN4の電圧を制御する。このため、入力部210は第7トランジスタM7~第9トランジスタM9を備える。
【0132】
第7トランジスタM7は第1入力端子101と第4ノードN4の間に接続される。また、第7トランジスタM7のゲート電極は第2入力端子102に接続される。この第7トランジスタM7は、第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給されるときターンオンし、第1入力端子101と第4ノードN4を電気的に接続する。
【0133】
第3ノードN3と第2入力端子102の間には複数の第8トランジスタM8_1、M8_2が直列接続される。第8トランジスタM8_1、M8_2のゲート電極は第4ノードN4に接続される。この第8トランジスタM8_1、M8_2は、第4ノードN4の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。
【0134】
第9トランジスタM9は第3ノードN3と第2電源VSSの間に接続される。また、第9トランジスタM9のゲート電極は第2入力端子102に接続される。この第9トランジスタM9は、第2入力端子102に第1クロック信号CLK1が供給されるときターンオンして第3ノードN3に第2電源VSSの電圧を供給する。
【0135】
このような本発明の他の一実施形態では、リーク電流を最小化するために複数の第8トランジスタM8_1、M8_2を形成することを除いた構成は
図4と同じである。したがって、動作過程に対する詳細な説明は省略する。なお、第2ステージST2’も入力端子101、102、103に供給される信号を除いた構成が第1ステージST1’と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0136】
図7は
図3に示したステージのさらに他の一実施形態を示す図である。
図7では、説明の便宜上、第1ステージST1”及び第2ステージST2”を図示する。また、
図7において、
図4と同じ構成に対しては同じ図面符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0137】
図7を参照すると、本発明のさらに他の一実施形態による第1ステージST1”は、入力部210、出力部220、第1信号処理部230、第2信号処理部240’、第3信号処理部250、第1安定化部260、及び第2安定化部270を備える。
【0138】
第2安定化部270は、第1電源VDD、第1ノードN1、及び第3入力端子103に接続される。この第2安定化部270は、出力端子104に発光制御信号が供給される間第2ノードN2の電圧を一定に保持する。このため、第2安定化部270は、第3トランジスタM3、第4トランジスタM4、及び第1キャパシタC1’を備える。
【0139】
第3トランジスタM3は第1電源VDDと第6ノードN6の間に接続され、ゲート電極が第1ノードN1に接続される。この第3トランジスタM3は、第1ノードN1の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。
【0140】
第4トランジスタM4は第6ノードN6と第3入力端子103の間に接続され、ゲート電極が第2ノードN2に接続される。この第4トランジスタM4は第2ノードN2の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。
【0141】
第1キャパシタC1’は第6ノードN6と第2ノードN2の間に接続される。
【0142】
第2信号処理部240’は第5ノードN5に接続され、第3入力端子103に供給される信号に応じて第1ノードN1の電圧を制御する。このため、第2信号処理部240’は第5トランジスタM5、第6トランジスタM6、及び第2キャパシタC2を備える。
【0143】
第2キャパシタC2の第1端子は第5ノードN5に接続され、第2キャパシタC2の第2端子は第5トランジスタM5に接続される。
【0144】
第5トランジスタM5は第2キャパシタC2の第2端子と第1ノードN1の間に接続される。また、第5トランジスタM5のゲート電極は第3入力端子103に接続される。この第5トランジスタM5は、第3入力端子103に第2クロック信号CLK2が供給されるときターンオンし、第2キャパシタC2の第2端子と第1ノードN1を電気的に接続する。
【0145】
第6トランジスタM6は第2キャパシタC2の第2端子と第3入力端子103の間に接続される。また、第6トランジスタM6のゲート電極は第5ノードN5に接続される。この第6トランジスタM6は、第5ノードN5の電圧に応じてターンオンまたはターンオフする。
【0146】
この第2信号処理部240’は、
図4と比べて第1キャパシタC1がないだけであり、その他の構成は同様である。
【0147】
上述した本発明の他の一実施形態によるステージは
図5の駆動波形によって駆動される。したがって、第2安定化部270を中心に動作過程を説明する。
【0148】
第4トランジスタM4は第2ノードN2の電圧に応じてターンオンする。即ち、第4トランジスタM4は、第2ノードN2がロー電圧に設定される間ターンオン状態を保持する。この場合、第4トランジスタM4は、
図5の第4時点t4の以前及び第6時点t6の以後にターンオン状態に設定される。
【0149】
第4トランジスタM4がターンオン状態に設定される場合、第2クロック信号CLK2が供給されると、第1キャパシタC1’のカップリングによって第2ノードN2の電圧が第2電源VSSより低い電圧に下降する。(t3時点など)
【0150】
一方、第3トランジスタM3は第1ノードN1の電圧に応じてターンオンする。即ち、第3トランジスタM3は、第1ノードN1がロー電圧に設定される間ターンオン状態を保持する。この場合、第3トランジスタM3は、
図5の第5時点t5及び第6時点t6の間ターンオン状態を保持する。
【0151】
第3トランジスタM3がターンオンすると、第6ノードN6に第1電源VDDの電圧が供給される。即ち、発光制御線E1に発光制御信号が供給される間、第6ノードN6は第1電源VDDの電圧を保持する。この第6ノードN6が第1電源VDDの電圧を保持すると、第2ノードN2が安定的にハイ電圧を保持することができる。
【0152】
より詳細に説明すると、
図4のステージの場合、第1キャパシタC1は第3入力端子103に供給される第2クロック信号CLK2の供給を受けるため、第2ノードN2の電圧は第2クロック信号CLK2によって電圧が変動する。特に、
図5の第5時点t5及び第6時点t6の間でも第2クロック信号CLK2によって第2ノードN2の電圧が揺れ、これにより動作の信頼性が低下する恐れがある。
【0153】
一方、
図6のステージの場合、
図5の第5時点t5及び第6時点t6の間、第1キャパシタC1’の第1端子は第1電源VDDの電圧に保持されるため、第2ノードN2の電圧を安定的に保持することができる。
【0154】
本発明の技術思想は上記好ましい実施形態を参照して具体的に述べたが、上記した実施形態はその説明のためのものであり、これに限定するためのものではないことに注意すべきである。また、本発明の技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の技術思想の範囲内で多様な変形例が可能であることが理解できるだろう。
【0155】
上述した発明の権利範囲は添付の特許請求の範囲により定められるものであって、明細書の本文の記載に拘束されず、請求の範囲に記載の発明に属する変形や変更はすべて本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0156】
10 走査駆動部
20 データ駆動部
30 発光駆動部
40 画素部
50 画素
60 タイミング制御部
210 入力部
220 出力部
230、240、250 信号処理部
260、270 安定化部