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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】画像検査システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20220216BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20220216BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20220216BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20220216BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20220216BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220216BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
H04L67/02
G01N21/88 Z
G06F21/31
G06F21/44
H04N21/258
H04N7/18 D
H04N5/232 300
H04N5/232 060
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018066249
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019175406
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000106221
【氏名又は名称】パナソニック デバイスSUNX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡嘉敷 潔
(72)【発明者】
【氏名】石井 翔平
(72)【発明者】
【氏名】椎名 浩司
(72)【発明者】
【氏名】大野 有美
(72)【発明者】
【氏名】野田 直昭
(72)【発明者】
【氏名】白井 秀典
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-339499(JP,A)
【文献】特開2003-329542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G01N 21/88
G06F 21/31
G06F 21/44
H04N 21/258
H04N 7/18
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物を撮像して撮像画像の画像処理及び所定の画像検査を実行する画像検査装置と、前記画像検査装置に通信インタフェースを介して接続される端末と、を有する画像検査システムであって、
前記画像検査装置は、
前記検査対象物を撮像する撮像部と、
前記検査対象物の撮像画像の画像処理を行い、所定の画像検査を実行する制御部と、
前記制御部が入出力する情報を前記端末との間で通信する通信部と、を有し、
前記通信部は、汎用プロトコルを用いた通信が可能であり、
前記制御部は、 前記端末からのアクセス要求に応答してWebコンテンツを配信するWebサーバ機能を有し、
前記端末から送信される認証情報を取得し、前記認証情報によってユーザ又は端末の認証を行い、
前記端末からの前記汎用プロトコルによる前記画像検査に関するモニタ画面のアクセス要求を受け付け、前記認証されたユーザ又は端末に応じたモニタ画面のWebコンテンツを生成し、前記端末に送信するものであり、
前記端末は、
表示デバイスと、前記画像検査装置から配信されるWebコンテンツを表示するブラウザ機能を有する処理部と、を有し、
前記画像検査装置に認証情報を送信し、前記認証情報に基づいて自端末に配信されるモニタ画面のWebコンテンツを受信し、前記表示デバイスに前記画像検査に関するモニタ画面を表示するとともに
前記端末は、複数の前記画像検査装置と接続され、
第1の画像検査装置に対して認証情報及びアクセス要求を送信して前記第1の画像検査装置からの画像検査に関する第1のモニタ画面のWebコンテンツを受信し、
第2の画像検査装置に対して認証情報及びアクセス要求を送信して前記第2の画像検査装置からの画像検査に関する第2のモニタ画面のWebコンテンツを受信し、
前記第1のモニタ画面及び前記第2のモニタ画面を含む複数のモニタ画面を前記ブラウザ機能によって同時に画面分割して前記表示デバイスに表示する、
画像検査システム。
【請求項2】
請求項に記載の画像検査システムであって、
前記画像検査装置は、複数の前記端末と接続され、
前記モニタ画面として、前記画像検査における撮像画像及び検査結果を含む検査画像情報を表示する検査画像画面を生成し、
第1の端末からの認証情報及びアクセス要求に対して前記第1の端末用のモニタ画面のWebコンテンツを生成して前記第1の端末に送信し、
第2の端末からの認証情報及びアクセス要求に対して前記第2の端末用のモニタ画面のWebコンテンツを生成して前記第2の端末に送信する、
画像検査システム。
【請求項3】
請求項に記載の画像検査システムであって、
前記画像検査装置は、
前記モニタ画面として、前記画像検査に関する検査設定情報の表示並びに入力が可能な検査設定画面を生成し、
前記第1の端末からの検査設定情報と前記第2の端末からの検査設定情報とを同じタイミングで受信した場合、排他制御を行って一方の端末からの検査設定情報を受け付ける、
画像検査システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の画像検査システムであって、
前記画像検査装置は、
前記検査画像画面を所定時間間隔で常時更新生成する、
画像検査システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の画像検査システムであって、
前記画像検査装置は、
前記モニタ画面として、前記画像検査システムに関するシステム設定情報の表示並びに入力が可能なシステム設定画面を生成する、
画像検査システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の画像検査システムであって、
前記画像検査装置は、
前記認証情報としてパスワード情報を前記端末から取得して認証を行い、前記認証されたユーザ又は端末に応じた専用のモニタ画面を生成する、
画像検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば工場等の生産設備における生産工程上の製品の良否判断などの検査として、撮像した画像の画像処理及び検査を実行する画像検査装置及び画像検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場等の生産設備として、人の視覚に頼っていた各種目視検査を正確に、高速にかつ自動的に行うことができる画像検査システムが数多く導入されている。例えば、特許文献1には、画像処理検査装置とコンピュータとを通信インタフェースを介して双方向通信可能に接続して構成される画像処理検査システムが開示されている。
【0003】
上記従来例では、画像処理検査装置は第1表示手段と第1入力手段とを備え、第1入力手段を用いて設定された検査条件下で、撮像により得られた画像に対する画像処理を通じ、検査対象物についての各種検査測定を実行する。また、コンピュータは第2表示手段と第2入力手段とを備え、画像処理検査装置から得られる検査測定結果を第2表示手段に表示する。このような画像処理検査システムによれば、コンピュータ側で、検査対象物の状態を動画像で監視しながら検査測定に必要な検査条件の設定が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-076978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例のような画像検査システムでは、画像検査システム用に専用に設計されたモニタ及びソフトウェアを用いて、通信インタフェースを介して画像検査装置とコンピュータ等の各機器とが接続される。この場合、専用モニタ及び専用ソフトウェアを使用して、カメラの設定、検査画像のモニタリングを行う必要があり、システムの導入コストが高くなるという課題があった。また、ユーザの移動先や遠隔地などの所望の場所において、カメラの撮像設定、画像検査項目やパラメータなどの設定操作を行う、或いは検査画像のモニタリングを行うことは困難であった。このため、ユーザの使用環境や使用端末、或いはユーザの要望等の使用条件に柔軟に対応した画像検査を実行できないという課題を有していた。
【0006】
本発明は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、専用モニタ及び専用ソフトウェアを使用することなく、使用条件に応じた検査画像のモニタリング及び設定を実行可能にできる画像検査装置及び画像検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
また、本発明は、検査対象物を撮像して撮像画像の画像処理及び所定の画像検査を実行する画像検査装置と、前記画像検査装置に通信インタフェースを介して接続される端末と、を有する画像検査システムであって、前記画像検査装置は、前記検査対象物を撮像する撮像部と、前記検査対象物の撮像画像の画像処理を行い、所定の画像検査を実行する制御部と、前記制御部が入出力する情報を前記端末との間で通信する通信部と、を有し、前記通信部は、汎用プロトコルを用いた通信が可能であり、前記制御部は、前記端末からのアクセス要求に応答してWebコンテンツを配信するWebサーバ機能を有し、前記端末から送信される認証情報を取得し、前記認証情報によってユーザ又は端末の認証を行い、前記端末からの前記汎用プロトコルによる前記画像検査に関するモニタ画面のアクセス要求を受け付け、前記認証されたユーザ又は端末に応じたモニタ画面のWebコンテンツを生成し、前記端末に送信するものであり、前記端末は、表示デバイスと、前記画像検査装置から配信されるWebコンテンツを表示するブラウザ機能を有する処理部と、を有し、前記画像検査装置に認証情報を送信し、前記認証情報に基づいて自端末に配信されるモニタ画面のWebコンテンツを受信し、前記表示デバイスに前記画像検査に関するモニタ画面を表示するとともに前記端末は、複数の前記画像検査装置と接続され、第1の画像検査装置に対して認証情報及びアクセス要求を送信して前記第1の画像検査装置からの画像検査に関する第1のモニタ画面のWebコンテンツを受信し、第2の画像検査装置に対して認証情報及びアクセス要求を送信して前記第2の画像検査装置からの画像検査に関する第2のモニタ画面のWebコンテンツを受信し、前記第1のモニタ画面及び前記第2のモニタ画面を含む複数のモニタ画面を前記ブラウザ機能によって同時に画面分割して前記表示デバイスに表示する、画像検査システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、専用モニタ及び専用ソフトウェアを使用することなく、使用条件に応じた検査画像のモニタリング及び設定を実行可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る画像検査システムの構成例を示す図
図2】本実施形態に係る画像検査装置の構成例を示すブロック図
図3】本実施形態に係る画像検査装置の外観構成の一例を示す斜視図
図4】本実施形態に係る画像検査装置の外観構成の一例を示す底面図
図5】本実施形態の画像検査システムの接続構成の第1例を示すブロック図
図6】本実施形態の画像検査システムにおける検査画像画面の第1例を示す図
図7】本実施形態の画像検査システムにおける検査設定画面の一例を示す図
図8】本実施形態の画像検査システムにおけるシステム設定画面の一例を示す図
図9】本実施形態の画像検査システムにおける検査画像画面の第2例を示す図
図10】本実施形態の画像検査システムの接続構成の第2例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、本発明に係る画像検査装置及び画像検査システムを具体的に開示した各実施形態を詳細に説明する。
【0012】
本実施形態では、画像検査装置及び画像検査システムとして、例えば工場等に設けられるプログラマブルロジックコントローラ(PLC)によって制御される生産設備において、生産ライン上の対象物などの画像検査を行う構成の一例を示す。
【0013】
(画像検査システムの構成例)
図1は、本実施形態に係る画像検査システムの構成例を示す図である。画像検査システムは、複数(例えばN個)の画像検査装置10A、10B、10C、…、10Nを備える。なお、複数の画像検査装置10A~10Nを代表して画像検査装置10と称することもある。画像検査装置10は、画像センサ、画像処理装置などとも呼ばれ、対象物を撮像し、所定の画像検査プログラムに従って撮像画像の画像処理及び検査を実行する機能を有する。画像検査装置10A~10Nは、通信インタフェースとしての有線又は無線のネットワーク21に接続され、画像情報、設定情報、検査結果情報などの各種情報を入出力する。
【0014】
画像検査装置10A~10Nは、ネットワーク21を経由し、ハブ(HUB)20を介して通信インタフェースとしての他の有線又は無線のネットワーク22に接続される。ネットワーク22には、パーソナルコンピュータ(PC)31、モニタ端末32、無線LAN(Local Area Network)ルータ33、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)40が接続される。
【0015】
通信インタフェースを構成するネットワーク21、22は、図示例では、イーサネット(登録商標)等の有線LANによるネットワークに接続されている構成を示している。通信インタフェースは、後述する汎用プロトコルによる通信が可能であれば、各種の有線又は無線のネットワーク、通信回線を用いることができる。なお、ここでは、画像検査装置10A~10Nは、複数のネットワーク21、22を介してPC31、モニタ端末32等の各種端末や機器と接続される構成例を示しているが、接続態様はこれに限定されない。画像検査装置10は、端末又は機器と単一のネットワークによって接続されていてもよいし、端末又は機器を直接接続することも可能である。
【0016】
PC31は、プロセッサ、メモリ、ディスプレイ等の表示デバイス、及びキーボード等の入力デバイスを有し、ブラウザ、及び画像検査プログラムの作成ツール等のアプリケーションを動作させる機能を持つ処理部を有している。PC31は、画像検査装置10の設定、画像検査装置10からの検査画像の表示、検査画像の保存などの処理を行う。画像検査装置10により取得される検査画像は、撮像画像の画像情報だけでなく、画像処理による各種の検査結果情報も含まれる。なお、PC31の代わりに、タブレット端末、スマートフォン等のブラウザ表示機能及び通信機能を有する情報処理装置を接続して用いてもよい。
【0017】
モニタ端末32は、画像検査システム専用のモニタ装置、又は他の用途にも使用可能なモニタ装置であり、ディスプレイ等の表示デバイス、メモリ、タッチパネル等の入力デバイスを有し、ブラウザ等のアプリケーションを動作させる機能を持つ処理部を有している。モニタ端末32は、画像検査装置10からの検査画像の表示、画像検査装置10のパラメータ変更などの処理を行う。
【0018】
PC31及びモニタ端末32に搭載されるブラウザは、Webブラウザとも呼ばれ、IP(Internet Protocol)ネットワーク上の所定のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスし、HTTP(HyperText Transfer Protocol)に代表される汎用プロトコルによる通信を行い、HTML(HyperText Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)などの言語によって記述されたコンテンツ(Webコンテンツ)を表示するものである。PC31及びモニタ端末32は、ブラウザによって画像検査装置10A~10Nにアクセスし、検査画像の表示、画像検査装置の設定、画像検査に関するパラメータ変更が可能となっている。
【0019】
無線LANルータ33は、無線LANのアクセスポイントとして機能し、無線ネットワークによってPC、タブレット端末等の各種端末に接続可能である。無線LANルータ33は、画像検査装置10からの検査画像の表示、画像検査装置10のパラメータ変更などに関するデータ伝送を行う。
【0020】
PLC40は、ネットワーク21、22を介してPLC通信を行い、画像検査システムの各機器に対してシーケンス制御を行う機能を有する。画像検査装置10は、例えばPLC40からの検査開始指示の制御信号(トリガ信号)によって画像検査を開始するなど、所定のシーケンス制御に従って動作可能である。
【0021】
(画像検査装置の構成例)
図2は、本実施形態に係る画像検査装置の構成例を示すブロック図である。画像検査装置10は、撮像部11、制御部12、記憶部13、通信部14を備える。また、画像検査装置10は、レンズ装着部18に撮像レンズ101と照明ユニット102とを装着可能に構成される。画像検査装置10は、設置場所や検査対象の被写体に応じて、適切な光学特性を有する撮像レンズ101を装着し、必要に応じて適切な照明特性を有する照明ユニット102を装着した状態で、画像検査に使用する。
【0022】
撮像部11は、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等による固体撮像素子を有する。撮像部11は、制御部12の制御に従って撮像レンズ101により結像された被写体の検査対象物を撮像し、撮像信号を出力する。
【0023】
制御部12は、CPU等のプロセッサを有し、画像検査装置10の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、画像検査装置10と外部の端末又は機器との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。記憶部13は、RAM、ROM等のメモリを有し、画像検査装置10の動作を司るファームウェアプログラム、画像検査を実行するための所定の画像検査プログラム、画像検査に関する各種設定項目及びパラメータを含む設定データ、撮像部11にて撮像した撮像画像の画像データ、画像検査によって取得された検査結果データなどの各種情報を記憶する。
【0024】
制御部12は、撮像部11により撮像された検査対象物の撮像信号を処理し、動画像又は静止画像の撮像画像として出力する。制御部12は、所定の画像検査プログラムに従って撮像画像の画像処理、及び検査項目の検査を実行し、撮像画像の画像情報及び検査結果情報を含む検査画像を生成する。なお、複数の撮像部11を設けて制御部12に接続し、制御部12によって複数の撮像部11を制御する構成としてもよい。
【0025】
制御部12は、Webサーバの機能を有し、PC31又はモニタ端末32からのHTTP等の汎用プロトコルを用いたアクセス要求に基づき、撮像画像及び検査結果などを表示する検査画像を含む検査画像情報、画像検査に関する画像検査関連情報などを画面表示するWebコンテンツを生成して出力する。画像検査関連情報としては、画像検査に関する各種設定項目及びパラメータを含む検査設定情報、画像検査システムの各種設定情報を含むシステム設定情報が含まれる。
【0026】
制御部12は、PC31、モニタ端末32等の外部の端末又は機器からのアクセスに対して、所定の認証情報に基づいて処理を実行する。認証情報としては、例えばパスワード等のキャラクタ入力情報を用いればよい。認証情報は、バーコードや二次元コード、或いは暗号鍵による認証鍵情報や電子証明書など、ネットワークを介した各種の認証に使用可能な識別情報を用いてもよい。なお、認証情報は、機器のMACアドレス、機器に固有に割り当てたIPアドレス、機器のシリアル番号、端末識別番号など、特定の端末又は機器を識別可能な機器ID情報を用いてもよい。また、認証情報は、ユーザのIDカード等のID情報、ユーザの顔認証情報、ユーザの指紋、静脈パターン、虹彩パターンなどの生体認証情報など、特定のユーザを識別可能なユーザID情報を用いてもよい。
【0027】
通信部14は、イーサネット(登録商標)等のネットワークに接続するためのネットワークインタフェースを有し、ネットワークを介して接続される外部の端末又は機器との間で通信を行い、認証情報、画像情報、設定情報、検査結果情報などを伝送する。通信部14は、PC31、モニタ端末32等との間でHTTP等の汎用プロトコルによる通信を行う。
【0028】
なお、通信部14は、無線LAN又はモバイル通信ネットワーク等の無線ネットワークに接続するための無線通信インタフェースを有してもよい。また、通信部14は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって外部の端末又は機器と接続するための無線通信インタフェースを有してもよい。
【0029】
画像検査装置10は、外部との接続端子として、通信端子15、電源・信号入力端子16、照明電源入力端子17を有する。通信端子15は、外部通信用の入出力端子であり、通信部14に接続され、ネットワークケーブルを接続可能なコネクタを有して構成される。通信部14は、通信端子15を介してネットワーク21と接続される。電源・信号入力端子16は、画像検査装置10の電源入力用及び外部信号入力用の入力端子であり、制御部12に接続され、信号ケーブルを接続可能なコネクタを有して構成される。画像検査装置10の電源は電源・信号入力端子16を介して供給される。また、外部のPLC40等からの制御信号が電源・信号入力端子16を介して入力される。照明電源入力端子17は、照明電源入力用の入力端子であり、制御部12、レンズ装着部18を介して外部装着した照明ユニット102と接続され、電源ケーブルを接続可能なコネクタを有して構成される。照明ユニット102の電源は照明電源入力端子17を介して供給される。
【0030】
図3は、本実施形態に係る画像検査装置の外観構成の一例を示す斜視図、図4は、本実施形態に係る画像検査装置の外観構成の一例を示す底面図である。
【0031】
画像検査装置10は、略直方体形状(箱型形状)の筐体19を有して構成され、筐体19の内部に制御部12、記憶部13、通信部14を実装した基板が収納される。筐体19の一側面には、レンズ装着部18が設けられ、レンズ装着部18の内部に撮像部11が配置される。筐体19の底面には、通信端子15、電源・信号入力端子16、照明電源入力端子17が配設されている。
【0032】
(画像検査システムの接続構成の第1例)
図5は、本実施形態の画像検査システムの接続構成の第1例を示すブロック図である。第1例は、画像検査装置10に複数の端末を接続する例を示している。画像センサとしての画像検査装置10には、ネットワーク21、ハブ20、ネットワーク22を介して、モニタ端末32と、タブレット端末34とが接続される。本例では、タブレット端末34を使用するユーザAは管理者権限を有し、モニタ端末32を使用するユーザBは一般ユーザ権限を持つものとする。
【0033】
タブレット端末34は、認証情報Aとしてパスワード情報を画像検査装置10に送信する。この際、タブレット端末34はログイン画面等のパスワード入力画面を表示し、ユーザ操作によるパスワード入力を受け付け、入力されたパスワード情報を送信する。画像検査装置10は、タブレット端末34からの認証情報Aを受信し、タブレット端末34を使用してアクセスしているユーザAの認証を行う。なお、認証情報Aによってタブレット端末34の端末自体を認証してもよい。画像検査装置10は、認証の結果、アクセス許可を判断した場合、タブレット端末34に対して認証情報Aに紐付くモニタ画面Aを送信する。すなわち、画像検査装置10はユーザA又はタブレット端末34に対応するモニタ画面Aをタブレット端末34に対して送信する。ここで、モニタ画面Aは、画像検査装置10による検査画像情報を表示する検査画像画面、画像検査に関する検査設定情報の表示並びに入力が可能な検査設定画面、画像検査システムのシステム設定情報の表示並びに入力が可能なシステム設定画面を含むものとする。初期状態では、タブレット端末34にはモニタ画面AとしてユーザA向けの検査画像画面が表示される。
【0034】
モニタ端末32は、認証情報Bとしてパスワード情報を画像検査装置10に送信する。この際、モニタ端末32はログイン画面等のパスワード入力画面を表示し、ユーザ操作によるパスワード入力を受け付け、入力されたパスワード情報を送信する。画像検査装置10は、モニタ端末32からの認証情報Bを受信し、モニタ端末32を使用してアクセスしているユーザBの認証を行う。なお、認証情報Bによってモニタ端末32の端末自体を認証してもよい。画像検査装置10は、認証の結果、アクセス許可を判断した場合、モニタ端末32に対して認証情報Bに紐付くモニタ画面Bを送信する。すなわち、画像検査装置10はユーザB又はモニタ端末32に対応するモニタ画面Bをモニタ端末32に対して送信する。ここで、モニタ画面Bは、画像検査装置10による検査画像情報を表示する検査画像画面、画像検査に関する検査設定情報の表示並びに入力が可能な検査設定画面を含むものとする。初期状態では、モニタ端末32にはモニタ画面BとしてユーザB向けの検査画像画面が表示される。
【0035】
タブレット端末34及びモニタ端末32は、それぞれ、ブラウザによってHTTP等の汎用プロトコルを用いて画像検査装置10にアクセスし、画像検査装置10は、Webコンテンツとしてモニタ画面A、モニタ画面Bをそれぞれの端末に対して配信する。
【0036】
図6は、本実施形態の画像検査システムにおける検査画像画面の第1例を示す図である。この第1例は、タブレット端末34に表示される上記のモニタ画面Aに対応する検査画像画面51Aの例を示している。図6は、モニタ画面Aにおいて検査画像を含む検査画像画面51Aが表示された状態を示すものである。検査画像画面51Aは、タブレット端末34のブラウザによって表示部に表示される。
【0037】
検査画像画面51Aには、第1の画像検査装置10A(Sensor01)にて撮像された撮像画像52が表示される。撮像画像52は、対象物の現在の状態を示すライブの撮像画像、画像検査の指標等を含む検査実行後の撮像画像、など種々の形態を表示可能である。撮像画像52の側部には、検査結果を示す結果表示57が表示される。図示例では、結果表示57において、検査結果が良好である「OK」の状態表示が示されている。また、結果表示57の下側には、データモニタ1、データモニタ2のように、画像検査において取得された検査データが表示される。
【0038】
検査画像画面51Aの上部には、検査モニタボタン53、設置設定ボタン54、システム設定ボタン55、本体情報ボタン56が設けられる。検査モニタボタン53をユーザが操作すると、この撮像画像52及び結果表示57を含む検査画像画面51Aが表示される。設置設定ボタン54をユーザが操作すると、後述するような検査設定画面が表示される。システム設定ボタン55をユーザが操作すると、後述するようなシステム設定画面が表示される。本体情報ボタン56をユーザが操作すると、第1の画像検査装置10Aの本体情報が表示される。
【0039】
なお、画像検査装置10において過去に取得した検査画像を示すサムネイル画像を一覧表示し、過去に遡って一括に検査画像を確認できるようにしてもよい。また、特定のサムネイル画像を指定することにより、対応する検査画像の撮像画像及び検査結果を詳細表示するようにしてもよい。また、サムネイル画像に関連付けられた画像検査の良否判定結果を表示するようにしてもよい。
【0040】
ユーザAがタブレット端末34において画像検査に関する設定操作を行うと、タブレット端末34は、ユーザAの操作に応じて、画像検査装置10に対して検査設定画面の表示要求を送信する。画像検査装置10は、タブレット端末34からの検査設定画面の表示要求を受信すると、ユーザA又はタブレット端末34に対応する検査設定画面をタブレット端末34に対して送信する。同様に、ユーザAがタブレット端末34において画像検査システムの設定操作を行うと、画像検査装置10はユーザA又はタブレット端末34に対応するシステム設定画面をタブレット端末34に対して送信する。
【0041】
このようにして、タブレット端末34には、ユーザA向けの検査設定画面又はシステム設定画面が表示される。ユーザAがタブレット端末34において検査設定画面の操作又はシステム設定画面の操作を行うと、タブレット端末34は、ユーザAの操作に応じた設定情報Aを画像検査装置10に対して送信する。画像検査装置10は、タブレット端末34からの設定情報Aを受信し、画像検査に関する各種設定又は画像検査システムの各種設定の設定変更等の設定処理を行う。
【0042】
ユーザBがモニタ端末32において画像検査に関する設定操作を行うと、モニタ端末32は、ユーザBの操作に応じて、画像検査装置10に対して検査設定画面の表示要求を送信する。画像検査装置10は、モニタ端末32からの検査設定画面の表示要求を受信すると、ユーザB又はモニタ端末32に対応する検査設定画面をモニタ端末32に対して送信する。これにより、モニタ端末32には、ユーザB向けの検査設定画面が表示される。ユーザBがモニタ端末32において検査設定画面の操作を行うと、モニタ端末32は、ユーザBの操作に応じた設定情報Bを画像検査装置10に対して送信する。画像検査装置10は、モニタ端末32からの設定情報Bを受信し、画像検査に関する各種設定の設定変更等の設定処理を行う。
【0043】
図7は、本実施形態の画像検査システムにおける検査設定画面の一例を示す図である。図示例は画像検査装置10のカメラ設定を行う検査設定画面の例を示している。図6に示した検査画像画面51Aの設置設定ボタン54をユーザが操作すると、タブレット端末34のブラウザ表示画面が、検査設定表示を含む検査設定画面61Aの表示状態となる。
【0044】
検査設定画面61Aには、撮像画像52の側部に検査設定表示58が表示される。図示例では、検査設定表示58として、画像検査装置10のカメラ設定に関するシャッタスピード及びカメラゲインを設定するための設定画像が表示されている。ユーザが検査設定表示58のスイッチやスライドバー等のアイテムの操作、又は設定値の入力操作を行い、OKボタン59を操作すると、設定情報Aとして、画像検査に関する各種設定項目及びパラメータを含む検査設定情報が画像検査装置10に送信される。画像検査装置10は、タブレット端末34からの検査設定情報を含む設定情報Aを受け付け、画像検査の設定処理を行う。図示例では、撮像部11のカメラのシャッタスピード及びカメラゲインの設定を行う。
【0045】
図8は、本実施形態の画像検査システムにおけるシステム設定画面の一例を示す図である。図示例は画像検査システムの認証パスワード等の設定を行うシステム設定画面の例を示している。図6に示した検査画像画面51Aのシステム設定ボタン55をユーザが操作すると、タブレット端末34のブラウザ表示画面が、システム設定画面65の表示状態となる。システム設定画面65には、画像検査システムに関する時刻設定、言語選択、設定保存、認証パスワード等を設定するための設定画像が表示されている。ユーザがシステム設定画面65の入力操作を行い、OKボタン66を操作すると、設定情報Aとして、画像検査システムに関するシステム設定情報が画像検査装置10に送信される。画像検査装置10は、タブレット端末34からのシステム設定情報を含む設定情報Aを受け付け、画像検査システムの設定処理を行う。
【0046】
このとき、画像検査装置10は、タブレット端末34に配信するモニタ画面Aと、モニタ端末32に配信するモニタ画面Bとで、ユーザ毎のアクセス権限又は設定に応じて、異なるものを送信する。例えば、モニタ画面Aの管理者用の検査画像画面には詳細な検査結果が表示され、モニタ画面Bの一般ユーザ用の検査画像画面には簡易な検査結果が表示される。また、例えば、モニタ画面Aの管理者用の検査設定画面には画像検査に関する詳細な設定項目が表示され、モニタ画面Bの一般ユーザ用の検査設定画面にはカメラのパラメータなどの簡易な設定項目が表示される。また、モニタ画面Aにはシステム設定画面が表示され、モニタ画面Bにはシステム設定画面が表示されない。なお、画像検査装置10は、初期状態では認証完了前にゲストユーザ向けのモニタ画面を端末に送信して表示させてもよい。
【0047】
図9は、本実施形態の画像検査システムにおける検査画像画面の第2例を示す図である。この第2例は、モニタ端末32に表示される上記のモニタ画面Bに対応する検査画像画面51Bの例を示している。図9は、モニタ画面Bにおいて検査画像を含む検査画像画面51Bが表示された状態を示すものである。検査画像画面51Bは、モニタ端末32のブラウザによって表示部に表示される。
【0048】
モニタ端末32の検査画像画面51Bには、タブレット端末34の検査画像画面51Aと同様に、撮像画像52、結果表示57が表示される。検査画像画面51Bでは、結果表示57においてデータモニタ1のみでデータモニタ2が表示されないなど、一般ユーザ向けの簡易な結果表示が表示される。また、検査画像画面51Bでは、システム設定ボタン55が表示されず、システム設定画面を表示できない状態となっている。
【0049】
検査画像画面51Bにおいて、設置設定ボタン54をユーザが操作すると、モニタ端末32のブラウザ表示画面が、タブレット端末34の検査設定画面61Aと同様な検査設定画面の表示状態となる。ユーザが検査設定画面の入力操作を行うと、設定情報Bとして、画像検査に関する各種パラメータを含む検査設定情報が画像検査装置10に送信される。画像検査装置10は、モニタ端末32からの検査設定情報を含む設定情報Bを受け付け、画像検査の設定処理を行う。
【0050】
画像検査装置10は、タブレット端末34からの設定情報Aとモニタ端末32からの設定情報Bとを同じタイミングで受け付けた場合、排他制御を行い、一方の端末からの検査設定情報を受け付け、異なる端末からの同時設定入力を禁止する。なお、画像検査装置10は、検査設定画面及び/又はシステム設定画面の表示に関して、端末から設定画面の表示要求を受けたときにパスワード等の認証情報による認証を行い、認証許可となった場合に設定画面の情報を送信して表示させるようにしてもよい。また、画像検査装置10は、タブレット端末34及びモニタ端末32からの設定情報を受けて設定処理を行った際に、各種設定に関する設定処理の履歴をログ情報等によって記憶部13に保存してよい。また、画像検査装置10は、各種設定に関する設定処理の履歴情報を検査設定画面又はシステム設定画面において表示してよい。また、画像検査装置10は、画像検査の各種設定に関する検査設定情報、或いは画像検査システムの各種設定に関するシステム設定情報について、現在の設定状況を検査設定画面又はシステム設定画面において表示してよい。
【0051】
画像検査装置10は、制御部12のWebサーバ機能において、端末に送信するWebコンテンツの検査画像画面に関して、リアルタイムに検査画像を更新して配信してよい。例えば、数十msec~数secの間隔で検査画像の撮像画像と検査結果の少なくとも一方を更新することにより、リアルタイムで検査画像画面を更新するモニタ画面を生成する。或いは、数分毎に撮像画像及び/又は検査結果を更新するなど、リアルタイムを含めて所定時間間隔で検査画像を常時更新して生成すればよい。これにより、タブレット端末34の検査画像画面51A、モニタ端末32の検査画像画面51Bにおいて、ユーザが端末を操作することなく、自動的に検査画像の表示内容が更新される。なお、検査画像画面51A、検査画像画面51Bにおいて、画面内に更新ボタンを設け、ユーザの更新操作によって随時検査画像を更新可能にしてもよい。また、検査画像画面51A、検査画像画面51Bにおいて、画面内に停止ボタンを設け、ユーザの停止操作によって検査画像画面の表示内容を停止可能にしてもよい。この場合、ユーザが停止ボタンを操作すると、検査画像画面の更新動作が停止し、その時点の検査画像画面の表示内容が継続して表示される。例えば、検査結果がNG判定となった場合に、ユーザが検査画像画面を停止させて詳細を確認することが可能となる。
【0052】
このように、画像検査装置10は、接続される複数の端末に対して、それぞれユーザアカウント別又は端末別のモニタ画面を送信して表示させる。このとき、画像検査装置10は、パスワード等の認証情報に基づいてユーザ又は端末を識別し、ユーザ又は端末に個別に対応したモニタ画面を送信する。また、画像検査装置10は、複数の端末からの設定画面の要求に対して、それぞれユーザアカウント別又は端末別の設定画面を含むモニタ画面を送信して表示させる。そして、画像検査装置10は、複数の端末からの設定情報を受け付け、画像検査に関する各種設定又は画像検査システムの各種設定の設定処理を行う。
【0053】
本実施形態によれば、画像検査装置から端末に対して、汎用プロトコルの通信によってWebコンテンツとして検査画像画面等のモニタ画面を配信し、端末のブラウザ画面に表示させることができる。このため、ユーザはネットワークを介した所望の場所の端末から画像検査装置にアクセスし、検査画像画面や検査設定画面を取得して表示でき、任意の場所での検査画像のモニタリング、遠隔操作による画像検査関連の設定などを容易に実施できる。また、専用モニタ及び専用ソフトウェアを使用する必要が無く、画像検査システムの導入コストを低減できる。
【0054】
また、画像検査装置に対して複数の端末からアクセスして検査画像画面や検査設定画面を取得できるので、1つの画像検査装置の画像検査について複数箇所から検査画像のモニタリング及び画像検査関連の設定が可能である。また、複数の端末から画像検査関連の設定を行う場合、排他制御を行うことにより、設定時の齟齬を防止し、意図しない設定となる不具合を削減できる。また、パスワード等の認証情報によってユーザ又は端末を認証することによって、ユーザ又は端末毎に異なる検査画像画面や検査設定画面を配信できる。このため、ユーザ又は端末毎に設定されたアクセス権限に応じた検査画像のモニタリング及び画像検査関連の設定を実行可能である。
【0055】
(画像検査システムの接続構成の第2例)
図10は、本実施形態の画像検査システムの接続構成の第2例を示すブロック図である。第2例は、複数の画像検査装置10を端末に接続する例を示している。複数(図示例では4個)の画像センサとしての画像検査装置10A~10Dは、ネットワーク21、ハブ20、ネットワーク22を介して、モニタ端末32に接続される。モニタ端末32は、ブラウザによってHTTP等の汎用プロトコルを用いて画像検査装置10A~10Dにアクセスする。第1の画像検査装置(画像検査装置A)10Aは、Webコンテンツとしてモニタ画面Aをモニタ端末32に対して配信する。第2の画像検査装置(画像検査装置B)10Bは、Webコンテンツとしてモニタ画面Bをモニタ端末32に対して配信する。第3の画像検査装置(画像検査装置C)10Cは、Webコンテンツとしてモニタ画面Cをモニタ端末32に対して配信する。第4の画像検査装置(画像検査装置D)10Dは、Webコンテンツとしてモニタ画面Dをモニタ端末32に対して配信する。
【0056】
モニタ端末32の表示画面50には、第1例と同様にして、モニタ端末32のブラウザによって検査画像画面が表示される。モニタ端末32は、画像検査装置10A~10Dより取得した複数の検査画像画面として、モニタ画面Aの検査画像画面71A、モニタ画面Bの検査画像画面71B、モニタ画面Cの検査画像画面71C、モニタ画面Dの検査画像画面71Dを表示する。
【0057】
このように、画像検査装置10A~10Dよりそれぞれモニタ画面A~Dを配信することによって、モニタ端末32では、1画面に複数の画像検査装置10A~10Dにて取得した検査画像画面71A、71B、71C、71Dを同時に画面分割して表示可能である。また、検査画像画面71A~71Dはブラウザにより表示するため、各モニタ画面の大きさ、配置、重ね合わせなど、複数のモニタ画面のレイアウトを自由に設定可能である。
【0058】
本実施形態によれば、複数の画像検査装置から端末に対して、汎用プロトコルの通信によってWebコンテンツとして検査画像画面等のモニタ画面を配信し、端末のブラウザ画面に表示させることができる。このため、ユーザは複数の画像検査装置からのモニタ画面を同時に画面分割等により表示でき、複数の検査画像のモニタリングなどを一箇所で実施できる。また、複数の検査画像画面等のモニタ画面について、端末において各画面の配置を柔軟に設定、変更することが可能であり、ユーザの視認性を向上できる。
【0059】
以上のように、本実施形態の画像検査装置10は、検査対象物を撮像する撮像部11と、検査対象物の撮像画像の画像処理を行い、所定の画像検査を実行する制御部12と、制御部12が入出力する情報を端末との間で通信する通信部14と、を有し、通信部14は汎用プロトコルを用いた通信が可能となっている。制御部12は、自装置に接続される端末31、32、34からのアクセス要求に応答してWebコンテンツを配信するWebサーバ機能を有し、端末31、32、34から送信される認証情報を取得し、認証情報によってユーザ又は端末の認証を行い、端末31、32、34からの汎用プロトコルによる画像検査に関するモニタ画面のアクセス要求を受け付け、認証されたユーザ又は端末に応じた専用のモニタ画面のWebコンテンツを生成し、端末31、32、34に送信する。
【0060】
これにより、画像検査装置10に接続した端末31、32、34において、検査画像画面、検査設定画面等のモニタ画面を取得してブラウザ画面に表示でき、ユーザは所望の場所の端末から画像検査装置にアクセスして検査画像のモニタリング、遠隔操作による画像検査関連の設定などを容易に実施できる。また、認証情報によってユーザ又は端末を認証することによって、ユーザ又は端末毎に異なる検査画像画面や検査設定画面を配信し、端末31、32、34においてそれぞれユーザ又は端末に応じた個別のモニタ画面を表示できる。したがって、専用モニタ及び専用ソフトウェアを使用することなく、画像検査システムにおいて、ユーザの使用条件に応じた検査画像のモニタリング及び設定を容易に実行することができる。
【0061】
また、画像検査装置10において、制御部12は、端末に配信するモニタ画面として、画像検査における撮像画像及び検査結果を含む検査画像情報を表示する検査画像画面を生成する。これにより、画像検査装置10に接続した端末において、ユーザ又は端末に応じた検査画像画面を表示でき、ユーザが所望の検査画像を容易にモニタリングすることができる。
【0062】
また、画像検査装置10において、制御部12は、検査画像画面を所定時間間隔で常時更新生成する。これにより、端末において特に更新操作などを行わなくとも、自動的に検査画像の内容が常時更新される検査画像画面のモニタ画面を配信し、ユーザが確認することができる。
【0063】
また、画像検査装置10において、制御部12は、端末に配信するモニタ画面として、画像検査に関する検査設定情報の表示並びに入力が可能な検査設定画面を生成する。これにより、画像検査装置10に接続した端末において、ユーザ又は端末に応じた検査設定画面を表示でき、ユーザが容易に画像検査に関する各種設定を実行できる。
【0064】
また、画像検査装置10において、制御部12は、端末に配信するモニタ画面として、画像検査装置及び端末を含む画像検査システムに関するシステム設定情報の表示並びに入力が可能なシステム設定画面を生成する。これにより、画像検査装置10に接続した端末において、ユーザ又は端末に応じたシステム設定画面を表示でき、ユーザが容易に画像検査システムに関する各種設定を実行できる。
【0065】
また、画像検査装置10において、制御部12は、認証情報としてパスワード情報を端末から取得して認証を行い、認証されたユーザ又は端末に応じた専用のモニタ画面を生成する。これにより、画像検査装置10に接続した端末において、ユーザ又は端末毎に専用の検査画像画面等のモニタ画面を表示でき、各端末において用途に合わせた検査画像のモニタリング及び設定を実行できる。
【0066】
また、本実施形態の画像検査システムは、検査対象物を撮像して撮像画像の画像処理及び所定の画像検査を実行する画像検査装置10と、画像検査装置10に通信インタフェースを介して接続される端末31、32、34と、を有する画像検査システムである。画像検査装置10は、検査対象物を撮像する撮像部11と、検査対象物の撮像画像の画像処理を行い、所定の画像検査を実行する制御部12と、制御部12が入出力する情報を端末31、32、34との間で通信する通信部14と、を有し、通信部14は、汎用プロトコルを用いた通信が可能となっている。制御部12は、端末31、32、34からのアクセス要求に応答してWebコンテンツを配信するWebサーバ機能を有し、端末31、32、34から送信される認証情報を取得し、認証情報によってユーザ又は端末の認証を行い、端末31、32、34からの汎用プロトコルによる画像検査に関するモニタ画面のアクセス要求を受け付け、認証されたユーザ又は端末に応じたモニタ画面のWebコンテンツを生成し、端末31、32、34に送信する。端末31、32、34は、表示デバイスと、画像検査装置から配信されるWebコンテンツを表示するブラウザ機能を有する処理部と、を有し、画像検査装置10に認証情報を送信し、認証情報に基づいて自端末に配信されるモニタ画面のWebコンテンツを受信し、表示デバイスに画像検査に関するモニタ画面を表示する。
【0067】
また、本実施形態の画像検査システムにおいて、画像検査装置10は、複数の端末32、34と接続され、モニタ画面として、画像検査における撮像画像及び検査結果を含む検査画像情報を表示する検査画像画面を生成し、第1の端末34からの認証情報及びアクセス要求に対して第1の端末用のモニタ画面のWebコンテンツを生成して第1の端末34に送信し、第2の端末32からの認証情報及びアクセス要求に対して第2の端末用のモニタ画面のWebコンテンツを生成して第2の端末32に送信する。これにより、複数箇所の端末32、34において、検査画像画面を取得してブラウザ画面に表示でき、複数箇所から画像検査装置にアクセスして検査画像のモニタリングを容易に実施できる。また、第1の端末34、第2の端末32のそれぞれにおいて、専用の検査画像画面を表示でき、各端末において用途に合わせた検査画像のモニタリングを実行できる。
【0068】
また、本実施形態の画像検査システムにおいて、画像検査装置10は、モニタ画面として、画像検査に関する検査設定情報の表示並びに入力が可能な検査設定画面を生成し、第1の端末34からの検査設定情報と第2の端末32からの検査設定情報とを同じタイミングで受信した場合、排他制御を行って一方の端末からの検査設定情報を受け付ける。これにより、複数箇所の端末32、34において、検査設定画面を取得してブラウザ画面に表示でき、複数箇所から画像検査装置にアクセスして遠隔操作による画像検査関連の設定を容易に実施できる。また、第1の端末34、第2の端末32のそれぞれにおいて、専用の検査設定画面を表示でき、各端末において用途に合わせた画像検査関連の設定を実行できる。また、排他制御を行うことにより、複数の端末からの設定情報が競合した場合に意図しない設定となる不具合を削減できる。
【0069】
また、本実施形態の画像検査システムにおいて、端末32は、複数の画像検査装置10A~10Dと接続され、第1の画像検査装置10Aに対して認証情報及びアクセス要求を送信して第1の画像検査装置10Aからの画像検査に関する第1のモニタ画面のWebコンテンツを受信し、第2の画像検査装置10B、10C、10Dに対して認証情報及びアクセス要求を送信して第2の画像検査装置10B、10C、10Dからの画像検査に関する第2のモニタ画面のWebコンテンツを受信し、第1のモニタ画面及び第2のモニタ画面を含む複数のモニタ画面をブラウザ機能によって表示デバイスに表示する。これにより、1つの端末において複数の画像検査装置からのモニタ画面を同時に画面分割等により表示でき、ユーザは複数の検査画像のモニタリングなどを一箇所で実施できる。また、複数の検査画像画面71A~71D等のモニタ画面について、端末32において各画面の配置を柔軟に設定、変更することが可能であり、ユーザの視認性を向上できる。
【0070】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、専用モニタ及び専用ソフトウェアを使用することなく、使用条件に応じた検査画像のモニタリング及び設定を実行可能にできる画像検査装置及び画像検査システムとして有用である。
【符号の説明】
【0072】
10、10A、10B、10C、10D、10N 画像検査装置
11 撮像部
12 制御部
13 記憶部
14 通信部
20 ハブ(HUB)
21、22 ネットワーク
31 パーソナルコンピュータ(PC)
32 モニタ端末
33 無線LANルータ
34 タブレット端末
40 プログラマブルロジックコントローラ(PLC)
101 撮像レンズ
102 照明ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10