(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】収納容器及び集積体
(51)【国際特許分類】
G21F 9/36 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
G21F9/36 501H
G21F9/36 501J
(21)【出願番号】P 2018075420
(22)【出願日】2018-04-10
【審査請求日】2021-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(73)【特許権者】
【識別番号】000198307
【氏名又は名称】株式会社IHI建材工業
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】木作 友亮
(72)【発明者】
【氏名】岩本 浩祐
(72)【発明者】
【氏名】都知木 邦裕
(72)【発明者】
【氏名】出田 武臣
(72)【発明者】
【氏名】石川 温士
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 孝三
(72)【発明者】
【氏名】棚橋 功
(72)【発明者】
【氏名】中山 壮一郎
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-211856(JP,A)
【文献】特開2000-65994(JP,A)
【文献】特開2001-305275(JP,A)
【文献】米国特許第5852643(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャスクを収納する収納容器であって、
前記キャスクを内部に収納する6角柱状の筒状体と、
前記筒状体の下部に配置され前記筒状体を支持する基台と、を備え、
前記基台は、
周方向に離隔した6つのブロック体と、
前記6つのブロック体を連結する連結部材と、を備える、収納容器。
【請求項2】
前記6つのブロック体は、それぞれ、6角柱状の前記筒状体の内角部分の下部に配置される、請求項1に記載の収納容器。
【請求項3】
前記6つのブロック体は、それぞれ、
前記筒状体の内部の空間に一部が面する上面と、
前記上面の反対側にある底面と、
を含む、請求項1又は2に記載の収納容器。
【請求項4】
前記6つのブロック体のうち互いに周方向で対向するブロック体同士の間隔は、一定、又は、前記ブロック体同士の外側面の側から内側面の側に向かって広がる、請求項1~3のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項5】
前記連結部材は、前記6つのブロック体のうち互いに周方向で対向するブロック体同士を、それぞれ周方向で連結する6つの連結体を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項6】
前記6つの連結体の鉛直方向の長さは、前記6つのブロック体の鉛直方向の長さよりも短い、請求項5に記載の収納容器。
【請求項7】
前記6つの連結体は、鉛直方向視で、前記筒状体の投影領域内に含まれる、請求項5又は6に記載の収納容器。
【請求項8】
前記連結部材は、放射状に延伸する6つの腕部を備え、
前記6つの腕部は、それぞれ、前記6つのブロック体のそれぞれの上面に取り付けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項9】
前記腕部と前記ブロック体とは、板体を介して取付けられている、請求項8に記載の収納容器。
【請求項10】
前記腕部は、他の前記腕部に接続している、請求項8又は9に記載の収納容器。
【請求項11】
前記連結部材は、周方向に隣接する2つの前記腕部を連結する補助連結部材を備える、請求項8又は9に記載の収納容器。
【請求項12】
前記腕部は、前記補助連結部材の接続位置より外周側まで延伸している、請求項11に記載の収納容器。
【請求項13】
前記基台の側に支持され、かつ、前記キャスクを載置する板状部材を備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の収納容器。
【請求項14】
第1キャスクを収納する第1収納容器と、
第2キャスクを収納する第2収納容器と、
第3キャスクを収納する第3収納容器と、を含み、
前記第1収納容器、前記第2収納容器及び前記第3収納容器は、それぞれ、請求項1~13のいずれか1項に記載の収納容器であり、
前記第1収納容器が備える前記筒状体、前記第2収納容器が備える前記筒状体、及び、前記第3収納容器が備える前記筒状体は、それぞれ、他の2つの前記筒状体に対面し、ハニカム状に配置される、集積体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャスクを収納する収納容器、及び、収納容器を集積した集積体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用済み核燃料集合体を収納するキャスクがある。特許文献1は、このようなキャスクを収納可能とする収納容器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されている収納容器は、キャスクを内部に収納する筒状体を支持する基台を備える。ここで、キャスクが使用済み核燃料集合体である場合、収納容器は、大型化する。また、収納容器は、使用済み核燃料集合体の性質等を考慮し、コンクリート材で構成されている。そのため、基台が一個体であると、基台の重量が大きくなり、収納容器を組み立てる際、クレーンの能力によっては、基台を持ち上げることが難しい場合がある。
【0005】
そこで、本開示は、軽量化に有利となる収納容器及び集積体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る収納容器は、キャスクを収納する収納容器であって、キャスクを内部に収納する6角柱状の筒状体と、筒状体の下部に配置され筒状体を支持する基台と、を備え、基台は、周方向に離隔した6つのブロック体と、6つのブロック体を連結する連結部材と、を備える。
【0007】
また、上記の収納容器では、6つのブロック体は、それぞれ、6角柱状の筒状体の内角部分の下部に配置されるものとしてもよい。6つのブロック体は、それぞれ、筒状体の内部の空間に一部が面する上面と、上面の反対側にある底面と、を含むものとしてもよい。6つのブロック体のうち互いに周方向で対向するブロック体同士の間隔は、一定、又は、ブロック体同士の外側面の側から内側面の側に向かって広がるものとしてもよい。連結部材は、6つのブロック体のうち互いに周方向で対向するブロック体同士を、それぞれ周方向で連結する6つの連結体を備えるものとしてもよい。6つの連結体の鉛直方向の長さは、6つのブロック体の鉛直方向の長さよりも短いものとしてもよい。6つの連結体は、鉛直方向視で、筒状体の投影領域内に含まれるものとしてもよい。連結部材は、放射状に延伸する6つの腕部を備え、6つの腕部は、それぞれ、6つのブロック体のそれぞれの上面に取り付けられるものとしてもよい。腕部とブロック体とは、板体を介して取付けられているものとしてもよい。腕部は、他の腕部に接続しているものとしてもよい。連結部材は、周方向に隣接する2つの腕部を連結する補助連結部材を備えるものとしてもよい。腕部は、補助連結部材の接続位置より外周側まで延伸しているものとしてもよい。収納容器は、基台の側に支持され、かつ、キャスクを載置する板状部材を備えるものとしてよい。
【0008】
また、本開示の一態様に係る集積体は、第1キャスクを収納する第1収納容器と、第2キャスクを収納する第2収納容器と、第3キャスクを収納する第3収納容器と、を含み、第1収納容器、第2収納容器及び第3収納容器は、それぞれ、上記の収納容器であり、第1収納容器が備える筒状体、第2収納容器が備える筒状体、及び、第3収納容器が備える筒状体は、それぞれ、他の2つの筒状体に対面し、ハニカム状に配置される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、軽量化に有利となる収納容器及び集積体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る収納容器の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1のII-II断面に相当する、収納容器の断面図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る収納容器の構成を示す分解図である。
【
図6】本開示の第2実施形態に係る収納容器の構成を示す断面図である。
【
図7】本開示の第3実施形態に係る収納容器の構成を示す斜視図である。
【
図8】第3実施形態における基台の構成を示す斜視図である。
【
図9】本開示の一実施形態に係る集積体の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここで、各実施形態に示す寸法、材料、その他、具体的な数値等は、例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。また、実質的に同一の機能及び構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、本開示に直接関係のない要素については、図示を省略する。更に、以下の各図では、鉛直方向にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内において、X軸と、X軸に垂直な方向にY軸とを取る。
【0012】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る収納容器10について説明する。
図1は、本実施形態に係る収納容器10の構成を示す斜視図である。
図2は、収納容器10の鉛直方向の断面図である。収納容器10は、キャスクCを収納する。
【0013】
キャスクCは、例えば、使用済み核燃料集合体を収納する金属製の乾式キャスクである。ここで、使用済み核燃料集合体とは、原子炉での反応を終えた複数の使用済み核燃料棒を連結した集合体をいう。なお、各図では、使用済み核燃料集合体を収納しているキャスクCの外形を、概略的に全長LC及び外径DCの円柱で示している。
【0014】
本実施形態に係る収納容器10は、全体として、鉛直軸AXを中心軸とした略6角柱状の外形を有する。収納容器10は、内部に形成されている収納空間S1にキャスクCを縦置きに収納する。なお、各図では、収納容器10の外形を、全長L1、並びに、水平面上の6角形の寸法である二面幅W1及び対角距離W2の略6角柱で示している。
【0015】
キャスクCを収納した収納容器10は、例えば、屋外の地盤上に設置される。収納容器10を略6角柱状としているため、地盤上への設置時に、複数の収納容器10を外側面同士で近接あるいは締結させて、いわゆるハニカム構造で集積配置させることができる。
【0016】
収納容器10は、筒状体12と、蓋体14と、基台16とを備える。ここで、キャスクC内の使用済み核燃料集合体からは、微量の中性子線等の放射線が漏出することも懸念される。ただし、微量の放射線の漏出に短期的に暴露されることが問題になることはない。しかし、キャスクCの周辺では、長期的に暴露されることもあり得ることから、キャスクCを収納する容器の材質をコンクリートとする場合がある。そこで、本実施形態では、筒状体12、蓋体14及び基台16を構成する主材料は、コンクリートである。収納容器10は、全体としてコンクリート製となることから、コンクリートオーバパック(COP)とも表現される。
【0017】
筒状体12は、内側の空間を収納空間S1とする6角柱状である。筒状体12は、6角柱の6つの側面からなる外側面12aと、円筒状の内側面12bとを有する。なお、各図では、収納空間S1の形状を、全長L2及び内径D2の円筒で示している。筒状体12の全長L2は、収納空間S1の全長に相当する。キャスクCが筒状体12に対して同軸状に収納空間S1内に配置されているとすると、キャスクCの外壁面と、筒状体12の内側面12bとの間に、間隔Gの隙間空間が生じる。
【0018】
また、筒状体12は、外側面12aを構成する6つの側面上のそれぞれに、水平方向の中央部で鉛直方向に沿って伸びる溝部12cを有する。溝部12cは、複数の収納容器10を上記のようにハニカム構造で集積配置した際に、隣り合う収納容器10同士で互いに向かい合うことで、空気の流路となり得る。つまり、収納容器10をハニカム構造に集積配置した場合、溝部12cは、対面する別の収納容器10の側面に設けられた溝部12cと対向する。
【0019】
蓋体14は、筒状体12の鉛直方向上部の開口部を覆う平板である。蓋体14の平面形状は、筒状体12の外側面12aに合わせた6角形である。蓋体14は、不図示のボルト等により、筒状体12の上部に取り付けられる。
【0020】
また、蓋体14は、収納空間S1を流れる空気を収納容器10の外部に排出するための複数の排出口14aを有する。本実施形態の排出口14aは、それぞれ、蓋体14の6つの側面上で、水平方向の中央部で鉛直方向に切り欠かれた切り欠き部である。更に、筒状体12の上端には、蓋体14の排出口14aと連続する切り欠き部12dを有してもよい。なお、排出口14aは、このような切り欠き部で構成されるものではなく、蓋体14の外周部近傍で鉛直方向に沿って貫通する貫通孔で構成されるものでもよい。又は、蓋体14に排出口14aを設けることに代えて、筒状体12の上端部に形成された切り欠き部等の排出口だけが存在するものとしてもよい。
【0021】
また、排出口14aや切り欠き部12dが上記例示した位置に設けられている場合、筒状体12の外側面12aに形成されている複数の溝部12cは、それぞれ、排出口14aや切り欠き部12dと連続するものとしてもよい。これにより、収納容器10の外部と収納空間S1との間で、空気の流通経路が形成されやすくなる。
【0022】
基台16は、筒状体12の下方に配置され、筒状体12を支持する部材である。筒状体12は、不図示のボルト等により、基台16の上面、すなわち、後述する各ブロック体の上面161a~166aに取り付けられる。なお、基台16の構成については、以下で詳説する。
【0023】
図3は、収納容器10の分解図である。収納容器10が収納するキャスクCは、大型である。また、収納容器10の材質は、コンクリートである。そのため、筒状体12、蓋体14又は基台16がそれぞれ一個体で形成されていると、それぞれの重量が大きくなる。その結果、例えば、収納容器10を組み立てる際に、現場にあるクレーンの能力によっては、筒状体12等の各部材を持ち上げることができないこともあり得る。そこで、筒状体12、蓋体14及び基台16は、
図3に示すように、それぞれ、更に複数の部材の組み合わせで構成されていてもよい。
【0024】
例えば、筒状体12は、鉛直方向に積層される複数の層で構成されてもよい。本実施形態では、筒状体12は、第1層121、第2層122、第3層123及び第4層124の4つの層で構成されている。更に、第1層121等の各層は、鉛直方向に沿って分割された複数の部材を組み合わせたものであってもよい。本実施形態では、第1層121は、第1部材121aと第2部材121bとに2等分されている。同様に、第2層122は、第3部材122aと第4部材122bとに2等分されている。第3層123は、第5部材123aと第6部材123bとに2等分されている。第4層124は、第7部材124aと第8部材124bとに2等分されている。つまり、筒状体12は、第1部材121aから第8部材124bまでの計8つの部材で構成されている。第1層121等の各層、及び、第1部材121aと第2部材121b等の各部材同士は、ボルト等により接続される。
【0025】
この場合、第1層121等の各層における2つの部材同士のつなぎ位置が、
図3に示すように、略6角柱の鉛直軸AXを基準として、層ごとに60°ずれるように、各層同士を組み合わせてもよい。これにより、収納容器10は、つなぎ位置に影響されることなく強度を均一化させることができる。また、層ごとに60°ずれる配置に限らず、上下方向に隣接する部材のつなぎ位置が周方向に重ならない配置としてもよい。
【0026】
また、蓋体14は、鉛直方向に沿って分割された複数の部材を組み合わせたものであってもよい。本実施形態では、蓋体14は、第1平板141と、第2平板142とに2等分されている。第1平板141と第2平板142の各平板同士は、ボルト等により接続される。
【0027】
さらに、基台16は、以下のような構成を有するものとしてもよい。
【0028】
図4は、基台16の構成を示す斜視図である。
図5は、基台16の構成を示す平面図である。なお、
図4及び
図5では、基台16のみを示し、基台16上に支持されている筒状体12等の図示は省略している。また、
図5では、キャスクCが載置されている領域と、筒状体12の内側面12bの位置とを、それぞれ二点鎖線の円で表記している。すなわち、本実施形態では、筒状体12及びキャスクCともに、基台16に載置されている。
【0029】
基台16は、周方向に離隔した6つのブロック体と、6つのブロック体を連結する連結部材とを備える。6つのブロック体は、第1ブロック体161、第2ブロック体162、第3ブロック体163、第4ブロック体164、第5ブロック体165及び第6ブロック体166である。以下、単に「ブロック体」と表記するものは、これらの6つのブロック体を示す。一方、本実施形態における連結部材は、6つのブロック体のうち互いに周方向で対向するブロック体同士を、それぞれ周方向で連結する6つの連結体を備える。6つの連結体は、第1連結体18a、第2連結体18b、第3連結体18c、第4連結体18d、第5連結体18e及び第6連結体18fである。以下、単に「連結体」と表記するものは、これらの6つの連結体を示す。
【0030】
まず、6つのブロック体について説明する。各ブロック体は、それぞれ、1つの鉛直軸を中心として放射状に配置される。ここで、1つの鉛直軸とは、筒状体12の6角形状の基準となる鉛直軸AXと同一視可能である。ただし、ここでいう鉛直軸は、鉛直軸AXと厳密に一致するものではなく、互いに多少のずれが生じていてもよい。
【0031】
本実施形態の各ブロック体の形状は、以下の条件を満たすように決定されている。ただし、条件すべてを満たさずとも、本開示の目的を達成することは可能である。
【0032】
第1条件として、各ブロック体の形状は、それぞれ略同一である。第1条件によれば、基台16を製作する際には、1つの種類のブロック体を準備するだけでよい。
【0033】
第2条件として、各ブロック体の一部は、鉛直方向視で、収納空間S1に収納されているキャスクCの投影領域内にある。
図5を参照すると、キャスクCが載置されている領域が、ここでの投影領域内に相当する。第2条件によれば、収納空間S1内に収納されたキャスクCの下方には、少なくとも各ブロック体の一部が位置することになるので、基台16は、キャスクCの自重を、各ブロック体に分散させつつ受けることができる。
【0034】
第3条件として、各ブロック体は、それぞれ、キャスクCが収納される収納空間S1に一部が面する上面161a~166aと、上面161a~166aの反対側にある底面161b~166bとを含む。なお、底面161b~166bについては、底面162b~164bのみを
図2に明示している。上面161a~166aにおいて、収納空間S1に面する一部とは、筒状体12の内側面12bの位置よりも内側の領域をいう。上面161a~166aは、それぞれ、筒状体12を面接触で支持し、また、キャスクCの自重を受けるので、水平面であることが望ましい。また、収納容器10は、例えば屋外の地盤上に設置されるので、底面161b~166bも、それぞれ水平面である。
【0035】
第4条件として、各ブロック体は、それぞれ、空気の流路となり得る開口部や、場合によっては人の通路となり得る溝部などを有しない。第4条件によれば、各ブロック体は、開口部や溝部などを有しない分、簡易的な形状となり、製作の容易性で有利となる。
【0036】
第5条件として、各ブロック体は、互いに接触しない。第5条件によれば、第4条件で各ブロック体が開口部等を有しないのに代えて、基台16では、各ブロック体同士の間に形成される第1流通空間S2と第2流通空間S3とが、空気の流路や人の通路となる。ここで、第1流通空間S2は、互いに周方向で対向するブロック体同士の間に形成される空間である。第2流通空間S3は、鉛直軸AXを基準としてブロック体同士が互いに向かい合い、基台16の中心部分に形成される空間である。
【0037】
第6条件として、各ブロック体の外側面は、筒状体12の6角形状の一部に合う。例えば、第1ブロック体161は、第1外側面161cと第2外側面161dとを含む。基台16における6角形の寸法は、筒状体12の6角形状に合わせ、二面幅W1及び対角距離W2である。すなわち、6角形状の筒状体12のコーナ部分は、隣接するブロック体と対向する2つの側面の間の周方向に位置で、ブロック体に載置されている。
【0038】
第7条件として、各ブロック体は、それぞれ、6角柱状の筒状体12の内角部分の下部に配置される。例えば、第1ブロック体161については、第1外側面161cと第2外側面161dとのなす120°の内角部分が第1ブロック体161に含まれる。また、第2ブロック体162については、第1外側面162cと第2外側面162dとのなす120°の内角部分が第2ブロック体162に含まれる。つまり、第1ブロック体161の第1外側面161cと、第2ブロック体162の第2外側面162dとは、筒状体12の外側面12aの1つが存在する同一平面上で並ぶ。
【0039】
ここで、上記の各条件を満たす場合、周方向で対向するブロック体同士は、第1流通空間S2を形成するために、間隔W3だけ離隔して配置される。例えば、第1ブロック体161については、鉛直軸AXを中心として、おおよそ放射状に伸びる2つの側面、すなわち、第1側面161eと第2側面161fとを含む。また、第2ブロック体162については、同様に、第1側面162eと第2側面162fとを含む。つまり、例えば、第1ブロック体161と第2ブロック体162との間では、第1ブロック体161の第1側面161eと、第2ブロック体162の第2側面162fとが、間隔W3だけ離隔し、平行な状態で対向する。
【0040】
また、本実施形態の6つのすべての第1流通空間S2は、鉛直軸AXに向かういずれかの直線上にある。本実施形態では、第1ブロック体161と第2ブロック体162との間に形成される第1流通空間S2と、第4ブロック体164と第5ブロック体165との間に形成される第1流通空間S2とは、鉛直軸AXを基準として対向する。つまり、鉛直軸AXを基準として対向する第1流通空間S2同士は、鉛直軸AXを通る同一直線上に並ぶ。
【0041】
また、本実施形態では、各ブロック体は、それぞれ、鉛直軸AXに対向する内側面161g~166gを含む。あるブロック体の内側面は、鉛直軸AXを基準として、他のブロック体の内側面に対向しつつ、離隔している。これにより、基台16の中心部分には、6つのブロック体と6つの連結体とに周方向を囲まれた第2流通空間S3が形成される。すべての第1流通空間S2は、第2流通空間S3に連通する。各ブロック体が内側面161g~166gを含むことで、第2流通空間S3をより大きく取ることができる。
【0042】
したがって、本実施形態では、基台16に含まれる1つのブロック体の平面形状は、五角形となる。
図5を参照すると、例えば、第1ブロック体161は、第1外側面161c、第2外側面161d、第1側面161e、第2側面161f及び内側面161gの5つの側面を有する。
【0043】
なお、第1流通空間S2を形成する各側面、例えば、第1ブロック体161の第1側面161eと、第2ブロック体162の第2側面162fとは、上記説明では、互いに平行であるものとした。しかし、これらの側面は、必ずしも完全な平行ではなく、例えば、間隔W3が外側面の側から内側面の側に向かって広がるような形状であってもよい。この場合、第1流通空間S2において、鉛直軸AXから放射状に伸びる方向に対して垂直となる開口面積は、外側面の側よりも内側面の側の方が大きくなる。したがって、外部から第1流通空間S2内に流入した空気が、第1流通空間S2内で滞りづらくなる。更に、これらの側面は、必ずしも一平面で構成されるものでなくてもよい。例えば、第1流通空間S2の開口面積が外側面の側よりも内側面の側の方が大きくなるのであれば、互いに連続する複数の平面を組み合わせた側面であってもよい。ただし、この場合には、1つのブロック体の平面形状は、厳密には五角形ではなくなる。
【0044】
また、
図1に示すように、筒状体12に形成されている溝部12cの溝幅は、第1流通空間S2の間隔W3と同一であってもよい。この場合、溝部12cと第1流通空間S2とは、連通してもよい。これにより、収納容器10の外部と収納空間S1との間で、空気の流通経路が形成されやすくなる。
【0045】
また、各ブロック体の鉛直方向の長さL3は、
図2に示すように、筒状体12に含まれる第1層121等の1つの層の鉛直方向の長さと同等とし得る。
【0046】
次に、6つの連結体について説明する。各連結体は、例えば、鋼材で形成された平板状の部材である。例えば、第1連結体18aについては、第1連結体18aの1つの面が、第1ブロック体161の第1側面161eに接続される。一方、第1連結体18aの当該面とは反対側にある面が、第2ブロック体162の第2側面162fに接続される。これにより、第1連結体18aは、第1ブロック体161と第2ブロック体162とを連結することができる。なお、各連結体と各ブロック体とは、不図示であるが、ボルト等により接続されてもよい。
【0047】
各連結体の一部は、第1流通空間S2の間隔W3と同一寸法を有する。これにより、連結体が、互いに周方向で対向するブロック体同士の間に配置されることで、間隔W3の第1流通空間S2が形成される。つまり、各連結体の間隔W3に相当する部分の寸法を適宜変更することで、第1流通空間S2の間隔W3、引いては、基台16の外形の6角形の大きさを調整することができる。
【0048】
また、
図2に示すように、各連結体の鉛直方向の長さL4は、各ブロック体の鉛直方向の長さL3よりも短い。例えば、長さL4は、長さL3の半分程度としてもよい。これにより、外部から第1流通空間S2に流入した空気を、第2流通空間S3にも流入させて、キャスクCの底面に到達させることができる。なお、本実施形態の例では、各連結体が、一部がキャスクCに接触するように各ブロック体に接続されているが、キャスクCに接触しないように各ブロック体に接続されてもよい。これにより、キャスクCの底面近傍の空気の流れを増やすことができるので、キャスクCの除熱に、より有利となる場合がある。
【0049】
また、各連結体は、
図5に示すように、鉛直方向視で、キャスクCの投影領域内に含まれるように、基台16に配置される。これにより、第1連通空間S2において、間隔Gで表される収納空間S1内の隙間空間に面する開口領域R(
図5中、一例を太枠で表示)を広く設けることができる。
【0050】
次に、本実施形態による作用及び効果について説明する。
【0051】
本実施形態に係るキャスクCを収納する収納容器10は、キャスクCを内部に収納する6角柱状の筒状体12と、筒状体12の下部に配置され筒状体12を支持する基台16とを備える。基台16は、周方向に離隔した6つのブロック体、例えば、第1ブロック体161~第6ブロック体166と、6つのブロック体を連結する連結部材とを備える。
【0052】
このような収納容器10によれば、基台16では、ブロック体同士が周方向に間隔W3を持って互いに離隔しているので、各ブロック体同士の間に、第1流通空間S2及び第2流通空間S3が形成される。第1流通空間S2及び第2流通空間S3は、
図2に示すように、収納容器10の外部から導入した空気を、キャスクC又は収納容器10の除熱用空気として、収納空間S1に導入可能である。このように導入された空気は、キャスクCの外壁面に沿いながら、収納空間S1内の隙間空間を下方から上方に通過し、最終的に蓋体14に形成されている排出口14a、又は、筒状体12に形成されている切り欠き部12dから外部に排出される。つまり、基台16の構成によれば、各ブロック体同士の間の空間がそのまま空気の流路となる。そのため、例えば、全体として1つの構造体とみなせ、かつ、空気を流通させるための開口部や通路が切り欠き等で形成された基台よりも、本実施形態における基台16を軽量化させることができる。また、基台16の軽量化が実現されることで、収納容器10全体の軽量化も実現される。
【0053】
また、収納容器10によれば、基台16では、多数の開口部や通路が形成されている基台よりも空間領域が増え、外部からより多くの空気を導入することが可能となるので、除熱性能を向上させることができる。
【0054】
更に、収納容器10によれば、基台16では、各ブロック体の形状が単純化され、結果として、基台16、引いては、基台16を備える収納容器10の構造の簡略化に有利となる。また、このような構造の簡略化は、製作コストを抑える点でも有利となる。更に、各ブロック体の形状が単純化されることから、ブロック体の大きさを比較的容易に変更して製作し直すことができるので、第1流通空間S2や第2流通空間S3の大きさを規定する間隔W3などの寸法を容易に調整することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る収納容器10では、6つのブロック体は、それぞれ、6角柱状の筒状体12の内角部分の下部に配置されるものとしてもよい。
【0056】
このような収納容器10によれば、各ブロック体が、それぞれ、6角柱状の筒状体12の内角部分の下部に配置されない場合に比べて、例えば、収納容器10を地盤上に立設させているときの収納容器10の姿勢の安定性の点で有利となる。
【0057】
また、本実施形態に係る収納容器10では、6つのブロック体は、それぞれ、筒状体12の内部の空間に一部が面する上面161a~166aと、上面161a~166aの反対側にある底面161b~166bとを含むものとしてもよい。
【0058】
このような収納容器10によれば、基台16は、上下の複数の層に分割された構造とならない。したがって、基台16は、有効高さを十分に確保することができるので、強度上有利となる。
【0059】
また、本実施形態に係る収納容器10では、6つのブロック体のうち互いに周方向で対向するブロック体同士の間隔W3は、一定、又は、ブロック体同士の外側面の側から内側面の側に向かって広がるものとしてもよい。
【0060】
ここで、ブロック体同士の外側面とは、上記例示の外側面161c~166c又は外側面161d~166dに相当する。また、ブロック体同士の内側面とは、上記例示の内側面161g~166gに相当する。上記の各条件を満たす場合、周方向で対向するブロック体同士は、第1流通空間S2を形成するために、間隔W3だけ離隔して配置される。ここで、周方向とは、具体的には、鉛直軸AXを中心として水平面上に円を描いたと想定したときの周方向をいう。例えば、第1ブロック体161については、鉛直軸AXを中心として、おおよそ放射状に伸びる2つの側面、すなわち、第1側面161eと第2側面161fとを含む。また、第2ブロック体162については、同様に、第1側面162eと第2側面162fとを含む。つまり、例えば、第1ブロック体161と第2ブロック体162との間では、第1ブロック体161の第1側面161eと、第2ブロック体162の第2側面162fとが、間隔W3だけ離隔し、平行な状態で対向する。
【0061】
このような収納容器10によれば、基台16では、第1流通空間S2に導入された空気は、滞ることなく、収納空間S1又は第2流通空間S3に導入される。したがって、収納容器10は、除熱性能をより向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る収納容器10では、連結部材は、6つのブロック体のうち互いに周方向で対向するブロック体同士を、それぞれ周方向で連結する6つの連結体、すなわち、第1連結体18a~第6連結体18fを備える。
【0063】
このような収納容器10によれば、基台16では、連結体の大きさ自体が間隔W3を規定するものとなるので、連結体の大きさを許容される範囲で小型化することで、基台16引いては収納容器10の軽量化に寄与する。
【0064】
また、本実施形態に係る収納容器10では、6つの連結体の鉛直方向の長さL4は、6つのブロック体の鉛直方向の長さL3よりも短いものとしてもよい。
【0065】
このような収納容器10によれば、基台16では、第1流通空間S2に導入された空気は、第2流通空間S3に導入される。そのため、外部から導入された空気は、第2流通空間S3に面するキャスクCの底面に触れることができ、また、鉛直軸AXを基準として向かい合う第2流通空間S3同士で行き来することができる。したがって、収納容器10は、除熱性能をより向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態に係る収納容器10では、6つの連結体は、鉛直方向視で、筒状体12の投影領域内に含まれるものとしてもよい。
【0067】
このような収納容器10によれば、複数の収納容器10を、外側面同士で近接等させて集積配置させようとした場合に、隣り合うもの同士の収納容器10に備わる連結体が互いに衝突することを抑制することができる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る収納容器について説明する。
図6は、本実施形態に係る収納容器30の構成を示す鉛直方向の断面図である。なお、収納容器30では、第1実施形態に係る収納容器10と同一構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0069】
第1実施形態に係る収納容器10では、収納空間S1において、キャスクCは、基台16の上面161a~166a上に直接載置されるものとした。これに対して、本実施形態に係る収納容器30は、更に、基台16を構成するブロック体に支持され、かつ、キャスクCを載置する板状部材20を備える。
【0070】
板状部材20は、金属製の円板22と、金属製の複数の脚部24とを備える。円板22の外径は、キャスクCの外径DCと同一か、又は、外径DCよりも大きく、筒状体12の内径D2よりも小さい。円板22の厚さTは、キャスクCの自重に耐え得るものとする。複数の脚部24は、円板22の鉛直方向下面の外周に、互いに等間隔すなわち非接触で配置される。円板22に接続していない方の脚部24の端部は、基台16を構成する各ブロック体の上面161a~166aのいずれかに接触する。円板22の鉛直方向上面は、キャスクCに接触する面であり、各ブロック体の上面161a~166aから高さHの位置にある。ただし、高さHの寸法は、円板22の厚さTの寸法よりも大きい。
【0071】
このような収納容器30によれば、第1流通空間S2から第2流通空間S3に導入された空気は、
図6に示すように、円板22の鉛直方向下面に接触し、その後、隣り合う脚部24同士の間を抜けて、収納空間S1内の隙間空間に導かれる。つまり、外部から第1流通空間S2に導入された空気が、第1流通空間S2内で、より滞りづらくなる。したがって、収納容器30は、除熱性能をより向上させることができる。
【0072】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る収納容器について説明する。
図7は、本実施形態に係る収納容器40の構成を示す斜視図である。なお、
図7では、筒状体12及び蓋体14の描画を省略している。
図8は、収納容器40に含まれる基台46の構成を示す斜視図である。なお、収納容器40では、第1実施形態に係る収納容器10と同一構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0073】
上記の各実施形態では、基台16において、6つのブロック体を連結する連結部材は、互いに周方向で対向するブロック体同士をそれぞれ周方向で連結する6つの連結体、すなわち第1連結体18a~第6連結体18fを備えるものとした。これに対して、本実施形態における連結部材は、6つの連結体に代えて、連結構造体48を備える。
【0074】
本実施形態における基台46は、6つのブロック体、すなわち、第1ブロック体261~第6ブロック体266と、連結構造体48とを備える。第1ブロック体261~第6ブロック体266の形状及び配置は、上記の各実施形態における第1ブロック体161~第6ブロック体166と同様である。
【0075】
連結構造体48は、例えば、複数のH形鋼を組み合わせて構成される架台である。本実施形態における連結構造体48は、放射状に延伸する6つの腕部、すなわち、第1腕部481、第2腕部482、第3腕部483、第4腕部484、第5腕部485及び第6腕部486を備える。第1腕部481~第6腕部486は、水平面上で、鉛直軸AXを基準として60°間隔で放射状に延伸する。本実施形態の6つの腕部の一端は、それぞれ、鉛直軸AX近傍で連接する。一方、6つの腕部の他端は、それぞれ、6つのブロック体のいずれかに接続される。
【0076】
一般に、H形鋼は、互いに対向する上下のフランジと、両フランジを連結するウェブとを含む。6つの腕部を形成するそれぞれのH形鋼において、上方のフランジは、収納空間S1に対向し、
図7に示すように、キャスクCを載置する円板22を支持する。円板22は、一例として、第2実施形態における板状部材20に含まれるものと同一である。本実施形態では、円板22は、溶接等により、6つの腕部の上方の各フランジ面48aに取り付けられている。
【0077】
一方、6つの腕部を形成するそれぞれのH形鋼において、下方のフランジの一部は、
図7及び
図8に示すように、各ブロック体のいずれかの上面261a~266a上に支持される。つまり、6つの腕部は、それぞれ、6つのブロック体のそれぞれの上面に取り付けられる。例えば、第1腕部481は、第1ブロック体261の上面261aに取り付けられる。本実施形態では、6つの腕部の外端部が、それぞれ、複数のボルト44を用いて、各ブロック体のいずれかの上面261a~266aに締結されている。
【0078】
また、本実施形態の連結構造体48は、周方向に隣接する2つの腕部を接続する補助連結部材42を備える。すなわち、連結構造体48は、6つの補助連結部材42を備える。また、本実施形態においては、周方向に隣接する2つの補助連結部材42の端部は、腕部を挟み対向している。すなわち、2つの補助連結部材42の延長線は、腕部の位置で交差している。そのため、6つの補助連結部材42は、おおよそ6角形の形状をなす。また、腕部は、補助連結部材42の延長線の交差位置より内周側まで延伸している。つまり、本実施形態の腕部は、補助連結部材42の接続位置から内周側と外周側との両側に延伸している。また、第1腕部481~第6腕部486は、補助連結部材42の接続位置の内周側で、他の腕部と接続している。また、第1腕部481~第6腕部486は、補助連結部材42の接続位置より外周側で、ブロック体の上面に取付けられている。6つの補助連結部材42は、例えば、6つの腕部を構成するH形鋼よりも小型のH形鋼で構成され得る。
【0079】
このような収納容器40によれば、上記の各実施形態における基台16に含まれるような第1連結体18a~第6連結体18fに代えて、H形鋼で構成された連結構造体48を含む基台46を用いることで、基台46全体を補剛することができる。
【0080】
また、基台46では、補剛に寄与する連結構造体48を用いることで、
図8に示すように、第1ブロック体261~第6ブロック体266の鉛直方向の長さL13を、第1実施形態の基台16での鉛直方向の長さL3よりも短くすることができる。
【0081】
更に、連結構造体48は、6つのブロック体をそれぞれに対応した6つの腕部で連結させるので、基台46内の各ブロック体同士の間の空間は、第1実施形態における基台16と同程度の広さに維持される。したがって、収納容器40によれば、第1実施形態に係る収納容器10と同様に、除熱性能を向上させることができる。
【0082】
また、本実施形態に係る収納容器40では、基台46は、
図7及び
図8に示すように、6つの腕部と6つのブロック体とは、板体49を介して取付けられているものとしてもよい。板体49は、例えば金属製である。例えば第1腕部481に関して見ると、第1腕部481の外端部側の下方のフランジと、第1ブロック体261の上面261aとの間には、1つの板体49が配置される。なお、第2腕部482~第6腕部486についても同様である。つまり、本実施形態では、基台46には、計6つの板体49が備えられている。ただし、高さ調整等のために、一の腕部とその腕部を支持する一のブロック体との間に、複数の板体49が積層されて設置されるものとしてもよい。
【0083】
また、複数の板体49は、それぞれ、
図8に示すように、第1ブロック体261~第6ブロック体266の上面261a~266aの重心上にあるものとしてもよい。なお、
図8では、上面261a~266aのそれぞれの重心を通る重心軸CGを一点鎖線で例示している。つまり、本実施形態では、板体49の水平面は、重心軸CGと交差する。
【0084】
この場合、6つの腕部は、それぞれ、板体49を介して6つのブロック体に取り付けられる。このとき、6つの腕部のうちそれぞれ板体49と接触していない部分は、各ブロック体の上面261a~266aから、板体49を設置した高さ分だけ浮き上がっている。そのため、キャスクCの自重は、板体49が配置されている位置から、各ブロック体に伝達することになる。一方、6つの板体49は、上記のとおり、各ブロック体の上面の重心上にあるので、各ブロック体は、板体49から受けた荷重を、底面全体でおおよそ均等に地盤側へ伝達する。すなわち、各ブロック体の底面と地盤との接触面圧は、おおよそ均等になる。また、基台46全体で見ても、基台46の底面全体と地盤との接触面圧は、おおよそ均等になる。
【0085】
このような収納容器40によれば、基台46上にキャスクCを載置しているとき、基台46の底面全体と地盤との間の接触面圧は、水平面の中心領域に高領域が寄らずに、おおよそ均等になるので、基台46の安定性を向上させることができる。
【0086】
また、本実施形態に係る収納容器40では、腕部は、他の腕部に接続しているものとしてもよい。ここで、腕部とは、例えば、第1腕部481~第6腕部486のうちの少なくとも1つの腕部をいう。なお、腕部については、以下同様である。
【0087】
このような収納容器40によれば、基台46全体の補剛をより強化することができる。
【0088】
また、本実施形態に係る収納容器40では、連結部材は、第1腕部481~第6腕部486のうちの周方向に隣接する2つの腕部を連結する補助連結部材42を備えるものとしてもよい。
【0089】
このような収納容器40によれば、基台46全体の補剛をより強化することができる。
【0090】
また、本実施形態に係る収納容器40では、腕部は、補助連結部材42の接続位置より外周側まで延伸しているものとしてもよい。
【0091】
このような収納容器40によれば、結果として、補助連結部材42大きさや形状を、基台46内の各ブロック体同士の間の空間から導入された空気の流れに影響を与えづらいものとすることができる。したがって、収納容器40によれば、第1実施形態に係る収納容器10と同様に、除熱性能を向上させることができる。
【0092】
また、本実施形態に係る収納容器40では、収納容器10は、基台46の側に支持され、かつ、キャスクCを載置する板状部材を備える。なお、本実施形態では、板状部材は、円板22に相当する。
【0093】
このような収納容器40によれば、キャスクCは板状部材上に載置されるので、連結構造体48上でのキャスクCの安定性を向上させる点で有利となり得る。
【0094】
(集積体)
次に、一実施形態に係る集積体について説明する。
図9は、本実施形態に係る集積体100の構成を示す斜視図である。
【0095】
集積体100は、上記の各実施形態に係る複数の収納容器10等を地盤上に集積して配置した収納容器群である。例えば、集積体100は、互いに隣り合う、第1キャスクを収納する第1収納容器10aと、第2キャスクを収納する第2収納容器10bと、第3キャスクを収納する第3収納容器10cとを含むものとする。第1収納容器10a、第2収納容器10b及び第3収納容器10cは、全体形状が略6角柱状である。そのため、集積体100では、第1収納容器10aが備える筒状体12、第2収納容器10bが備える筒状体12、及び、第3収納容器10cが備える筒状体12は、それぞれ、他の2つの筒状体12に対面し、ハニカム状に配置される。
【0096】
上記のとおり、収納容器10において、蓋体14は複数の排出口14aを有し、筒状体12は外側面12aに溝部12cを有する。そのため、複数の収納容器10が、
図9に示すように互いに近接して集積配置された場合でも、隣り合う収納容器10同士の溝部12cが互いに対向し、空気の流路FPが形成される。
【0097】
このような集積体100によれば、複数の収納容器10を外側面同士で近接させて、ハニカム構造で集積配置させることができるので、より少ない占有スペースで多くの収納容器10を配置することができる。
【0098】
また、集積体100によれば、軽量化に有利となる収納容器10等を集積するので、集積体100全体としても軽量化に有利となる。したがって、例えば、集積体100を構築するときの収納容器10等の設置の容易性などの点で有利となり得る。
【0099】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0100】
10,30,40 収納容器
12 筒状体
16,46 基台
18a~18f 連結体
20 板状部材
22 円板
42 補助連結部材
48 連結構造体
49 板体
100 集積体
161~166 ブロック体
161a~166a 上面
161b~166b 下面
161c~166c 第1外側面
161d~166d 第2外側面
161g~166g 内側面
481~486 腕部
C キャスク