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特許7025320オンライン空隙検出を有するセメント質ボードを製造するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】オンライン空隙検出を有するセメント質ボードを製造するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B28B 1/30 20060101AFI20220216BHJP
   B28B 17/00 20060101ALI20220216BHJP
   G01N 25/72 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
B28B1/30 101
B28B17/00 B
G01N25/72 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018504998
(86)(22)【出願日】2016-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-10-04
(86)【国際出願番号】 US2016045244
(87)【国際公開番号】W WO2017027276
(87)【国際公開日】2017-02-16
【審査請求日】2019-07-31
(31)【優先権主張番号】62/203,130
(32)【優先日】2015-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/199,124
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596172325
【氏名又は名称】ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ラッシュ
(72)【発明者】
【氏名】スコット・エム・デランジェロ
(72)【発明者】
【氏名】レスリー・エヴァゾール
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/059728(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/061308(WO,A1)
【文献】特開平06-003303(JP,A)
【文献】国際公開第2010/046967(WO,A1)
【文献】特表2002-527745(JP,A)
【文献】特開昭59-196452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B
G01N
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント質ボードを製造するためのシステムであって、前記セメント質ボードが、一対のカバーシートの間に挿入されたセメント質コアを有し、前記セメント質ボードが、第1及び第2の縁部セグメントを有し、前記システムが、
形成ステーションであって、前記セメント質ボードが所定の厚さの範囲内になるように前記セメント質ボードを形成するように構成された、形成ステーションと、
コンベアであって、前記形成ステーションから離れた機械方向に沿って、前記セメント質ボードの前記縁部セグメントが前記機械方向に沿って延び、かつ機械交差方向に沿って互いに横方向に離間した関係で配置されるように、前記セメント質ボードを搬送するように構成され、前記機械交差方向が前記機械方向に垂直である、コンベアと、
熱撮像装置であって、前記熱撮像装置が、前記機械方向に沿った前記形成ステーションの下流に配置され、前記熱撮像装置が、前記コンベアに対して位置決めされ、前記セメント質ボードが前記熱撮像装置を通過して搬送されるときに前記セメント質ボードの一部分に対応する熱画像データを生成するように構成され、前記熱撮像装置が、前記機械交差方向に沿って測定された機械交差視距離を有する視野を有し、前記熱撮像装置の前記機械交差視距離が、前記熱画像データが、前記セメント質ボードの前記一部分の両方の前記縁部セグメントについての熱縁部データを含むように構成されている、熱撮像装置と、
非一時的なコンピュータ可読媒体であって、空隙検出プログラムを有する、非一時的なコンピュータ可読媒体と、
プロセッサであって、前記プロセッサが、前記熱画像データを受信するように前記熱撮像装置と動作可能に配設され、かつ前記非一時的なコンピュータ可読媒体と動作可能に配設され、前記プロセッサが、前記非一時的なコンピュータ可読媒体に含まれる前記空隙検出プログラムを実行するように構成されている、プロセッサと、を備え、
前記空隙検出プログラムが、前記熱画像データを分析して、所定のサイズを超える、前記一対のカバーシートの間の前記セメント質ボードの前記一部分内に画定された各々の空隙を特定するように構成された熱分析モジュールを含み、
前記空隙検出プログラムが、各々の空隙の、前記セメント質ボードの前記一部分の前記縁部セグメントに対し前記機械交差方向に沿って横方向の場所を検出し、かつ、各々識別された空隙を、第1の縁部領域、第2の縁部領域、及びフィールド領域のうちの1つにグループ化するように構成され、前記第1の縁部領域が、前記第1の縁部セグメントから前記第2の縁部セグメントに向かって所定の距離だけ前記機械交差方向に沿って延び、前記第2の縁部領域が、前記第2の縁部セグメントから前記第1の縁部セグメントに向かって所定の距離だけ前記機械交差方向に沿って延び、前記フィールド領域が、前記機械交差方向に沿って、前記第1の縁部領域と前記第2の縁部領域との間に横方向に挿入され、前記第1の縁部領域、前記第2の縁部領域、及び前記フィールド領域の各々が、前記セメント質ボードの前記一部分の前端から後端に前記機械方向に沿って延びる、
セメント質ボードを製造するためのシステム。
【請求項2】
前記熱撮像装置が、前記セメント質ボードに対して位置決めされ、前記熱撮像装置の前記視野が、前記熱撮像装置の前記機械交差視距離が、前記セメント質ボードの前記一部分の機械交差ボード距離を超え、前記機械交差ボード距離が、前記セメント質ボードの前記一部分の前記縁部セグメントの間で前記機械交差方向に沿って測定され、前記熱画像データが、前記機械方向に沿って延びる一対の側方サーモグラム縁部のうちの1つと、前記セメント質ボードの前記側方サーモグラム縁部に最も近い部分のそれぞれの縁部セグメントとの間に画定された少なくとも1つの縁部クロップ部分を含むように構成され、前記空隙検出プログラムが、前記熱画像データの空隙検出分析から各々の縁部クロップ部分を除外するように構成されたデジタルサーモグラムサイズ分類モジュールを含む、請求項1に記載の製造するためのシステム。
【請求項3】
前記熱画像データが、前記視野内の複数のデジタル画素の各々の温度値を含み、前記空隙検出プログラムの前記熱分析モジュールが、
前記視野の分析された部分を覆う前記デジタル画素のセットに対応する複数の前記温度値の平均温度を計算することと、
前記デジタル画素の前記セット内の各々の温度値を前記平均温度と比較することと、
前記デジタル画素の前記セット内の各々のデジタル画素に対して、前記デジタル画素の前記温度値が前記平均温度よりも所定量低いとき、前記デジタル画素を空隙画素として識別することと、
隣接する空隙画素をまとめてグループ化して、所与の空隙のサイズを決定することと、を行うように構成されている、請求項1または2に記載の製造するためのシステム。
【請求項4】
前記セメント質ボードの前記一部分が第1の部分を含み、前記セメント質ボードの前記第1の部分の前記熱画像データが、熱画像データの第1のセットを含み、前記システムが、
コントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記熱撮像装置と動作可能に配置され、前記コントローラが、前記セメント質ボードの第2の部分に対応する熱画像データの第2のセットを生成するように前記熱撮像装置を選択的に動作させるように構成され、前記セメント質ボードの前記第2の部分が、前記機械方向に沿って前記第1の部分とオフセットした長手方向関係にあり、前記コントローラが、前記セメント質ボードが前記熱撮像装置の下を通過するときに、前記セメント質ボードの複数の連続的に順序付けられた部分の一連のデジタルサーモグラムを生成するように前記熱撮像装置を選択的に動作させるように構成され、前記セメント質ボードの各々の部分が、前端及び後端を含み、各々の部分の前記前端が、前記機械方向に沿ってそれぞれの前記後端に対して離間した関係にあり、前記連続的に順序付けられた部分の各々のそれぞれの後部分の前記前端が、前記連続的に順序付けられた部分のそれぞれの前部分の前記後端と実質的に整列している、請求項1~のいずれか1項に記載の製造するためのシステム。
【請求項5】
前記熱撮像装置が、前記セメント質ボードに対して位置決めされ、前記熱撮像装置の前記視野が、前記熱撮像装置の前記機械交差視距離が、前記セメント質ボードの前記一部分の機械交差ボード距離を超えるように構成され、前記コンベアが、コンベア長手方向中間線を有し、前記機械交差視距離が、前記機械交差方向に沿った横断中間点を有し、前記熱撮像装置の前記視野の前記横断中間点が、前記コンベアの前記コンベア長手方向中間線と実質的に整列している、請求項1~のいずれか1項に記載の製造するためのシステム。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の製造システムを使用したセメント質ボードの製造方法であって、
形成ステーションから離れた機械方向に沿って前記セメント質ボードを搬送することであって、前記セメント質ボードが、一対の縁部セグメントを有し、前記縁部セグメントが、機械交差方向に沿って互いに横方向に離間した関係で配置され、前記機械交差方向が、前記機械方向に垂直であり、前記セメント質ボードの前記縁部セグメントが、前記機械方向に沿って延び、前記セメント質ボードが、一対のカバーシートの間に挿入されたセメント質コアを有する、搬送することと、
熱撮像装置を使用して、前記セメント質ボードが前記熱撮像装置を通過して搬送されるときに、前記セメント質ボードの一部分のデジタルサーモグラムを生成することであって、前記熱撮像装置が、前記機械方向に沿った前記形成ステーションの下流に配置され、前記熱撮像装置が、前記機械交差方向に沿って測定された機械交差視距離を有する視野を有し、前記熱撮像装置の前記機械交差視距離が、前記デジタルサーモグラムが前記セメント質ボードの前記一部分の両方の前記縁部セグメントを含むように構成される、生成することと、
前記デジタルサーモグラムをプロセッサに送信することと、
非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された空隙検出プログラムを、前記プロセッサを使用して実行し、前記デジタルサーモグラムを空隙検出分析に供することであって、前記空隙検出分析が、所定のサイズを超える前記一対のカバーシートの間の前記セメント質ボードの前記一部分内に画定された各々の空隙を識別することを含む、供することと、を含む、製造方法。
【請求項7】
前記セメント質ボードの前記一部分が、第1の部分を備え、前記セメント質ボードの前記第1の部分の前記デジタルサーモグラムが、第1のデジタルサーモグラムを備え、前記方法が、
前記熱撮像装置を使用して、前記セメント質ボードの第2の部分の第2のデジタルサーモグラムを生成することをさらに含み、前記セメント質ボードの前記第2の部分が、前記機械方向に沿って前記第1の部分とオフセットした長手方向関係にあり、
前記セメント質ボードを前記機械方向に沿って搬送することは、前記セメント質ボードの前記第2の部分の第2の縁部セグメントが、前記セメント質ボードの前記第1の部分が前記視野内にあるときのそれぞれの前記第1の縁部セグメントに対して、前記第2の部分が前記熱撮像装置の前記視野内にあるときに異なる横方向位置を有するように、前記セメント質ボードの前記機械交差方向内の横方向移動を含み、前記熱撮像装置の前記視野が、前記セメント質ボードの前記第2の部分内の前記セメント質ボードの前記第2の縁部セグメントの両方が前記第2のデジタルサーモグラムに含まれるよう構成される、請求項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記熱撮像装置を使用して、前記セメント質ボードが前記熱撮像装置の下を通過するときに、前記セメント質ボードの複数の連続的に順序付けられた部分の一連のデジタルサーモグラムを生成することをさらに含み、前記セメント質ボードの各々の部分が、前端及び後端を含み、各々の部分の前記前端が、前記機械方向に沿ってそれぞれの前記後端と離間した関係であり、前記連続的に順序付けられた部分の各々のそれぞれの後部分の前記前端が、前記連続的に順序付けられた部分のそれぞれの前部分の前記後端と実質的に整列し、
前記連続的に順序付けられた部分が、前記機械方向及び前記機械交差方向に沿って測定された凝集領域を有し、前記空隙検出分析が、前記連続的に順序付けられた部分の各々に所定のサイズを超える各々の空隙を凝集させて、前記凝集領域の凝集空隙数を決定することを含む、請求項またはに記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
この特許出願は、2015年8月10日に出願され、「System and Method for Manufacturing Cementitious Boards With On-Line Void Detection」と題する、米国仮特許出願第62/203,130号、及び2016年6月30日に出願され、「System and Method for Manufacturing Cementitious Boards With On-Line Void Detection」と題する、米国特許出願第15/199,124号の優先権の利益を主張し、これらはその全体がこの参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、連続ボード製造プロセスに関し、より詳細には、製造中のセメント質物品内の空隙を検出するためのシステム及び方法に関する。
【0003】
セメント質物品の多くのタイプでは、固化石膏(硫酸カルシウム二水和物)が主成分であることが多い。例えば、固化石膏は、伝統的なプラスター(例えば、プラスター表面の内部の建造物壁)の使用により、及び典型的な建造物の内壁及び天井の典型的な乾式壁構造に使用される石膏ボードにおいても作成される最終製品の主成分である。さらに、固化石膏は、例えば、米国特許第5,320,677号に記載されているように、石膏/セルロース繊維複合ボード及び製品の主成分である。また、モデリング及び金型作りに役立つ材料などの多くの特殊材料は、過半量の固化石膏を含有する製品を生産する。典型的には、このような石膏含有セメント質製品は、セメント質スラリーを形成するために適切な、焼成石膏(硫酸カルシウムアルファまたはベータ半水和物及び/または無水硫酸カルシウム)、水及び他の成分の混合物を調製することによって製造される。セメント質物品の製造において、セメント質スラリー及び所望の添加剤は、例えば、米国特許第3,359,146号に記載されているように、連続ミキサー中でしばしばブレンドされる。
【0004】
壁ボードのような典型的なセメント質物品製造プロセスでは、焼成石膏(一般に「スタッコ」と呼ばれる)を水中に均一に分散させて、水性焼成石膏スラリーを形成することによって石膏ボードが製造される。水性焼成石膏スラリーは、典型的には、内容物を攪拌して均一な石膏スラリーを形成する手段を含むミキサー内に、スタッコ及び水及び他の添加剤を挿入することによって、連続的に製造される。スラリーは、ミキサーの排出口に向かって通り、ミキサーの排出口に接続された排出導管内に連続的に導かれる。水性泡は、ミキサー内及び/または排出導管内の水性焼成石膏スラリーと結合することができる。発泡スラリーの流れは、排出導管を通過し、そこから形成用テーブルによって支持されたカバーシート材料の移動ウェブ上に連続的に堆積される。
【0005】
発泡スラリーを前進ウェブ上に広げることができる。カバーシート材料の第2のウェブが、発泡スラリーを覆い、連続壁ボードプリフォームのサンドイッチ構造を形成するように適用され、従来の形成ステーションなどでの形成に供されて所望の厚さが得られる。
【0006】
焼成石膏は壁ボードプリフォームの水と反応し、コンベアが壁ボードプリフォームを製造ラインに移動させるとセットされる。壁ボードプリフォームは、プリフォームが十分にセットされたラインに沿ったポイントでセグメントに切断される。セグメントを裏返し、乾燥させ(例えば、キルンで)、余分な水を追い出し、所望の寸法の最終壁ボード製品を提供するように加工する。水性泡は、固化石膏中に気泡を生成し、それにより、同様のスラリーを使用するが発泡剤を使用せずに製造された製品と比較して最終製品の密度を低下させる。
【0007】
セメント質ボードの製造中、製造されたボード内には、例えば、一緒になって泡が合体し、及び/または空気がスラリー内に持ち込まれるなど、比較的大きな空隙が形成されることがある。大きな空隙は、例えば、カバーシートの吹き飛ばし及びブリスターなど、最終製品に品質上の問題を引き起こす可能性がある。また、ボードの縁部に配置されたより大きな空隙は、ボードのインストーラにとって、インストーラが通常、ボードの縁部に沿って複数の締結具を適用するために問題を引き起こす可能性がある。ボードの縁部でのより大きな空隙は、締結具が例えば縁部に位置するより大きな空隙を通って、またはその近くに挿入されたときに、縁部を崩壊させるか破損させる構造的弱点を生じ得る。
【0008】
この背景説明は、読者を助けるために発明者によって生成されたものであり、示された問題のすべてが当該技術分野で認識されたことを示すものではないことが理解されよう。記載された原理は、いくつかの態様及び実施形態では、他のシステムに固有の問題を緩和することができるが、保護された革新の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるが、任意の開示された特徴が本明細書に記載された特定の問題を解決する能力によってではない。
【発明の概要】
【0009】
一態様では、本開示は、セメント質ボード中の空隙を検出するためのシステムを含むセメント質ボードを製造するためのシステムの実施形態に関する。例えば、一実施形態では、セメント質ボードを製造するためのシステムが記載され、セメント質ボードは、一対のカバーシートの間に挿入されたセメント質コアを有する。セメント質ボードは一対の縁部を有する。このシステムは形成ステーションと、コンベアと、熱撮像装置と、非一時的なコンピュータ可読媒体と、プロセッサと、を含む。
【0010】
形成ステーションは、セメント質ボードが所定の厚さの範囲内になるようにセメント質ボードを形成するように構成される。コンベアは、形成ステーションから離れた機械方向に沿ってセメント質ボードを搬送してセメント質ボードの縁部が機械方向に沿って延びるように構成され、機械交差方向に沿って互いに横方向に離間した関係で配置される。機械交差方向は、機械方向に垂直である。
【0011】
熱撮像装置は、機械方向に沿った形成ステーションの下流に配置される。熱撮像装置は、コンベアに対して位置決めされ、セメント質ボードが熱撮像装置を通過して搬送されるときに、セメント質ボードの一部分に対応する熱画像データを生成するように構成される。熱撮像装置は、機械交差方向に沿って測定された機械交差視距離を有する視野を有する。熱撮像装置の機械交差視距離は、熱画像データがセメント質ボードの一部分の両方の縁部セグメントについての熱縁部データを含むように構成されている。
【0012】
非一時的なコンピュータ可読媒体は、空隙検出プログラムを有する。プロセッサは、熱画像データを受信するために熱撮像装置と動作可能な構成であり、非一時的なコンピュータ可読媒体と動作可能な構成である。プロセッサは、非一時的なコンピュータ可読媒体に含まれる空隙検出プログラムを実行するように構成される。空隙検出プログラムは、熱画像データを分析して、所定のサイズを超える一対のカバーシートの間のセメント質ボードの一部分内に画定された各々の空隙を識別するように構成された熱分析モジュールを含む。
【0013】
本開示の別の態様では、セメント質ボード中の空隙を検出するステップを含むセメント質ボードの製造方法の実施形態が記載される。例えば、一実施形態では、セメント質ボードの製造方法が記載される。
【0014】
この方法では、セメント質ボードは、形成ステーションから離れた機械方向に沿って搬送される。セメント質ボードは、機械方向に垂直な機械交差方向に沿って互いに横方向に離間した関係で配置された一対の縁部を有する。セメント質ボードの縁部は、機械方向に沿って延びている。セメント質ボードは、一対のカバーシートの間に挿入されたセメント質コアを有する;
【0015】
熱撮像装置は、セメント質ボードが熱撮像装置を通過して搬送されるときに、セメント質ボードの一部分のデジタルサーモグラムを生成するために使用される。熱撮像装置は、機械方向に沿った形成ステーションの下流に配置される。熱撮像装置は、機械交差方向に沿って測定された機械交差視距離を有する視野を有する。熱撮像装置の機械交差視距離は、デジタルサーモグラムがセメント質ボードの一部分の両方の縁部セグメントを含むように構成される。
【0016】
デジタルサーモグラムがプロセッサに送信される。プロセッサは、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された空隙検出プログラムを実行して、デジタルサーモグラムを空隙検出分析に供する。空隙検出分析は、所定のサイズを超える一対のカバーシートの間のセメント質ボードの一部分内に画定された各々の空隙を識別することを含む。
【0017】
開示された原理のさらなる及び代替の態様及び特徴は、以下の詳細な説明及び添付図面から理解されるであろう。理解されるように、本明細書に開示されたセメント質ボード中の空隙の数及びまたはサイズを決定するためのシステム及び技術は、他の異なる実施形態において実施及び使用することができ、様々な点で変更することができる。したがって、前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的及び説明的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の原理に従って構成されている連続製造中のセメント質ボードの空隙を検出するシステムの実施形態を含む石膏壁ボード製造ラインの形態のセメント質ボードを製造するためのシステムの実施形態の断片的概略立面図である。
図2】石膏壁ボードセグメントの例示的な試料の断片的概略図であり、そこに複数の空隙を示している。
図3】本開示の原理に従う連続製造中のセメント質ボード中の空隙を検出する方法の実施形態のステップを示すフローチャートである。
【0019】
図面は、必ずしも縮尺通りではなく、開示された実施形態は時に図式的に及び部分的に示されていることを理解されたい。場合によっては、本開示を理解するために必要でない、または他の詳細を認識しにくくする詳細は省略されている場合がある。この開示は、本明細書に示す特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。
【0020】
例示的な実施形態の詳細な説明
本開示は、セメント質製品、例えば石膏壁ボードを含む製品の製造に関連して使用することができる連続製造中のセメント質ボード中の空隙を検出するためのシステム及び方法の様々な実施形態を提供する。本開示の原理に従う連続製造中のセメント質ボード中の空隙を検出するためのシステム及び方法の実施形態は、連続製造プロセスにおいてオンラインで使用することができ、生成されるセメント質ボード(例えば、石膏壁ボード)内に含まれる大きな空隙スペースの数及び/またはサイズを効果的に決定し、閾値空隙限界を超えたときにオペレータアラートを発する。
【0021】
本開示の原理に従う連続製造中のセメント質ボード中の空隙を検出するためのシステム及び方法の実施形態は、生産されるボードの所定の量における所与のサイズ範囲の空隙の数(例えば、ボードの1000平方フィート(「msf」)当たりのボードの数)を定量化する目的の数値を生成するために使用することができる。実施形態では、本開示の原理に従う連続製造中のセメント質ボード中の空隙を検出するためのシステム及び方法は、空隙を検出するために生産されるボードの領域にわたる熱変動を識別することができる。実施形態では、本開示の原理を使用して生成した数値空隙カウントを使用して、ラインオペレータが作成されるボードの品質を制御するのを助けることができる。
【0022】
一実施形態では、セメント質ボードを製造するためのシステムは、形成ステーションと、コンベアと、熱撮像装置と、非一時的なコンピュータ可読媒体と、プロセッサと、を含む。セメント質ボードは、一対のカバーシートの間に挿入されたセメント質コアを有する。セメント質ボードは一対の縁部を有する。
【0023】
形成ステーションは、セメント質ボードが所定の厚さの範囲内になるようにセメント質ボードを形成するように構成される。コンベアは、形成ステーションから離れた機械方向に沿ってセメント質ボードを搬送してセメント質ボードの縁部が機械方向に沿って延びるように構成され、機械交差方向に沿って互いに横方向に離間した関係で配置される。機械交差方向は、機械方向に垂直である。
【0024】
熱撮像装置は、機械方向に沿った形成ステーションの下流に配置される。熱撮像装置は、セメント質ボードが熱撮像装置を通過して搬送されるときに、セメント質ボードの一部分に対応する熱画像データを生成するように構成される。熱撮像装置は、機械交差方向に沿って測定された機械交差視距離を有する視野を有する。熱撮像装置の機械交差視距離は、熱画像データがセメント質ボードの一部分の両方の縁部セグメントについての熱縁部データを含むように構成されている。
【0025】
非一時的なコンピュータ可読媒体は、空隙検出プログラムを有する。プロセッサは、熱画像データを受信するために熱撮像装置と動作可能な構成であり、そこに含まれる空隙検出プログラムを実行するために非一時的なコンピュータ可読媒体と動作可能な構成である。空隙検出プログラムは、熱画像データを分析して、所定のサイズを超える一対のカバーシートの間のセメント質ボードの一部分内に画定された各々の空隙を識別するように構成された熱分析モジュールを含む。
【0026】
一実施形態では、セメント質ボードの製造方法は、セメント質ボードを形成ステーションから離れた機械方向に沿って搬送することを含む。セメント質ボードは一対の縁部を有する。縁部は、機械方向に垂直な機械交差方向に沿って互いに横方向に離間した関係で配置されている。セメント質ボードの縁部は、機械方向に沿って延びている。セメント質ボードは、一対のカバーシートの間に挿入されたセメント質コアを有する。
【0027】
熱撮像装置は、セメント質ボードが熱撮像装置を通過して搬送されるときに、セメント質ボードの一部分のデジタルサーモグラムを生成するために使用される。熱撮像装置は、機械方向に沿った形成ステーションの下流に配置される。熱撮像装置は、機械交差方向に沿って測定された機械交差視距離を有する視野を有する。熱撮像装置の機械交差距離は、デジタルサーモグラムがセメント質ボードの一部分の両方の縁部セグメントを含むように構成される。
【0028】
デジタルサーモグラムがプロセッサに送信される。非一時的なコンピュータ可読媒体上に格納された空隙検出プログラムが、プロセッサを使用して実行され、デジタルサーモグラムを空隙検出分析に供する。空隙検出分析は、所定のサイズを超える一対のカバーシートの間のセメント質ボードの一部分内に画定された各々の空隙を識別することを含む。
【0029】
図を参照すると、本開示の原理に従って構成されたセメント質ボード25を製造するためのシステム20の実施形態が、図1に示されている。図示されたシステム20は、ウェットエンドシステム28、形成ステーション30、コンベア32、熱画像化装置34、コントローラ36、空隙検出プログラムを有する非一時的なコンピュータ可読媒体と動作可能な構成のプロセッサ38、及び切断ステーション40、を含む。
【0030】
ウェットエンドシステム28及び形成ステーション30は、所定の公称厚さを有する連続セメント質ボード25がコンベア32に沿って形成ステーション30から機械方向50に切断ステーション40に向かって供給されるように、構成材料を一緒に混合して組み立てるように構成されている。
【0031】
図1及び図2を参照すると、セメント質ボード25は、一対のカバーシート54、55の間に挿入されたセメント質コア52を有する。セメント質ボードは、機械方向50に沿って延びる一対の縁部58、59を有する。縁部58、59は、機械方向50に垂直な機械交差方向51に沿って互いに横方向の離間した関係で配置される。セメント質ボード25は、カバーシート54、55間のセメント質ボード25内に画定された複数の空隙71、72、73を有する。
【0032】
実施形態では、熱撮像装置34は、赤外線カメラの形態である。セメント質ボード25の一部分80に対応する熱画像データが、熱撮像装置34によって取得されて空隙検出プロセッサ38に送信され得るように、セメント質ボード25は、熱撮像装置34の下のコンベア32によって搬送され得る。空隙検出プロセッサ38は、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された空隙検出プログラムを実行して、セメント質ボード25内の所定のサイズを超える空隙71、72、73の数を決定するために熱撮像装置34によって生成した熱画像データを評価するよう構成される。実施形態では、複数の空隙サイズ範囲の各々におけるセメント質ボード25内の空隙71、72、73の数を決定することができる。
【0033】
図1を参照すると、ウェットエンドシステム28は、セメント質ボード25を形成する構成材料を混合及び/または組み立てるために適合される任意の好適な機器を含むことができる。実施形態では、ウェットエンドシステム28は、石膏壁ボードウェットエンドシステムとして構成される。
【0034】
実施形態では、ウェットエンドシステム28は、スラリー分配システム86と流体連通するスラリーミキサー84を有するセメント質スラリー混合及び分配システム82を含む。スラリーミキサー84は、水とセメント質材料(例えば焼成石膏など)とを攪拌して水性セメント質スラリーを形成するように適合される。水及びセメント質材料の両方は、当該技術分野で知られているように、1つ以上の入口を介してミキサー84に供給することができる。実施形態では、セメント製品を製造する当該技術分野において知られているように、任意の他の好適なスラリー添加剤を、ミキサー84に供給することができる。任意の好適なミキサー(例えば、当該技術分野で知られており、様々な供給源から市販されているようなピンミキサー)を使用することができる。
【0035】
使用時には、例えば水及び焼成石膏などのセメント質材料をミキサー84内で攪拌して水性セメント質スラリーを形成することができる。いくつかの実施形態では、水と焼成石膏は、約0.5~約1.3、及び他の実施形態では約0.75以下の水と焼成石膏比でミキサー84に連続的に添加することができる。
【0036】
スラリー分配システム86は、スラリーミキサー84と流体連通しており、セメント質スラリー混合及び分配システム82及び形成ステーション30の間に延びる形成テーブル上のスラリーミキサー84からの主流のセメント質スラリーを分配するように構成されている。実施形態では、スラリー分配システム86は、当技術分野で知られているように、好適な排出導管を含むことができる。排出導管は、任意の好適な材料で作ることができ、異なる形状を有することができる。いくつかの実施形態では、排出導管は可撓性導管を含むことができる。セメント質スラリーは、実質的に機械方向50に沿って出口流方向にスラリー分配システム86から排出され得る。
【0037】
1つ以上の流れ変更要素を排出導管に関連付けることができ、スラリーミキサー84から排出導管86を通る水性セメント質スラリーの流れを変更するように適合させることができる。流れ変更要素は、水性セメント質スラリーの流れの動作特性を制御するために使用することができる。好適な流れ変更要素の例には、例えば米国特許第6,494,609号、同第6,874,930号、同第7,007,914号、及び同第7,296,919号に記載されているものを含む、体積制限器、減圧器、圧縮器バルブ、キャニスタなどが含まれる。
【0038】
異なるスラリー分配器またはブーツを有する他の排出導管を含む他の排出導管も、セメント質スラリー混合及び分配システム82の他の実施形態において使用することができると考えられる。例えば、他の実施形態では、排出導管86は、例えば米国特許出願第2012/0168527号、同第2012/0170403号、同第2013/0098268号、同第2013/0099027号、同第2013/0099418号、同第2013/0100759号、同第2013/0216717号、同第2013/0233880号、及び同第2013/0308411号に示され記載されているものの1つと同様のスラリー分配器をその末端に含むことができる。そのような実施形態のいくつかでは、排出導管86は、主流のセメント質スラリーを2つの流れに分割するための好適な構成要素を含むことができ、これらの流れはスラリー分配器内で再結合される。
【0039】
カバーシート材料の第1のロール88は、第1のカバーシート54がスラリー分配システム86の上流の第1のロール84から、スラリーミキサー及び分配システム82と形成ステーション30との間に延びる形成テーブル上に分配されるように選択的に分配されるように構成される。カバーシート材料の第2のロール89は、第2のカバーシート55が、第2のロール89から、セメント質スラリー混合及び分配システム82のスラリー分配システム86と第1のカバーシート54及びスラリー分配システム86から分配されたスラリー上の形成ステーション30との間の位置で形成テーブル上に分配されるように選択的に分配されるように構成される。石膏ボード製品は、典型的には、形成テーブル上を移動する第1のロール88から分配された第1のカバーシート54が、完成セメント質ボード25の「面」カバーシート54として機能するように、「フェイスダウン」で形成される。
【0040】
実施形態において、泡注入システム90は、ミキサー84及びスラリー分配システム86のうちの少なくとも1つと共に配置されてもよい。泡注入システム90は、泡源(例えば、当該技術分野で知られているように構成された泡生成システムなど)及び泡供給導管を含むことができる。
【0041】
実施形態では、任意の好適な泡源を使用することができる。好ましくは、水性泡は、発泡剤と水との混合物の流れが泡発生器に導かれ、得られた水性泡の流れが発生器から出て、セメント質スラリーに導かれ混合される連続的な形態で生産される。実施形態では、任意の好適な発泡剤を使用することができる。好ましくは、水性泡は、発泡剤と水との混合物の流れが泡発生器に導かれ、得られた水性泡の流れが発生器から出て、スラリーに導かれ混合される連続的な形態で生産される。好適な発泡剤のいくつかの例は、例えば、米国特許第5,683,635号及び同第5,643,510号に記載されている。
【0042】
水性泡供給導管は、スラリーミキサー84及びスラリー分配システム86のうちの少なくとも1つと流体連通することができる。供給源からの水性泡は、ミキサー84の下流の任意の好適な場所で泡供給導管を介して、及び/または発泡セメント質スラリーを形成するためにミキサー84自体において、構成材料に添加することができる。実施形態では、泡供給導管は、スラリーミキサー84の下流に配置され、排出導管86の主送達トランクに関連付けられる。いくつかの実施形態では、水性泡供給導管は、例えば、米国特許第6,874,930号に記載されているように、泡供給導管の終端に配置され、かつ排出導管86に関連付けられた注入リングまたはブロック内に画定された複数の泡注入ポートに泡を供給するためのマニフォールド型構成を有する。実施形態では、ミキサー84から排出導管86を通るセメント質スラリー流の流れの方向に対して、泡注入本体及び水性泡供給導管の下流に流れ変更要素が配置される。
【0043】
他の実施形態では、ミキサー84と流体連通する1つ以上の泡供給導管を設けることができる。さらに他の実施形態では、水性泡供給導管は、スラリーミキサー84のみと流体連通することができる。当業者には理解されるように、セメント質スラリー混合及び分配システム82内のセメント質スラリーに水性泡を導入するための手段は、システム内のその相対的場所を含み、セメント質スラリー中の水性泡の均一な分散を提供するために変更及び/または最適化することができ、意図された目的に適合するボードを生産する。
【0044】
セメント質スラリーが石膏スラリーを含む実施形態では、カバーシート54、55の一方または両方を(コアを含む石膏スラリーに対して)非常に薄い比較的高密度の石膏スラリー層、当該分野においてしばしば「スキムコート」と称される、及び/または必要に応じて、硬化縁部で前処理することができる。そのために、実施形態では、ミキサー84は、排出導管86に送達される水性焼成石膏スラリーの主流よりも相対的に密度が高い高密度水性セメント質スラリーの流れ(すなわち、「面スキムコート/硬化縁部流」を堆積させるように適合されている、第1の補助導管を含むことができる。
【0045】
実施形態では、硬化縁部/面スキムコートローラが、セメント質スラリー混合及び分配システム82のスラリー分配システム86の上流に配置され、第1のロール88から分配される第1のカバーシート54が、それらの間に配置されるように形成テーブル上に支持される。第1の補助導管は、当該技術分野で知られているように、第1のカバーシート54が、移動する第1のカバーシート54にスキムコート層を塗布し、移動する第1のカバーシート54の幅よりも小さいローラの幅により、移動する第1のカバーシート54の周囲に硬化縁部を画定するように適合されているスキムコートローラの上流の第1のロール88から分配されるとき、面スキムコート/硬化縁部流を堆積させることができる。高密度層を第1のカバーシート54に塗布するために使用されるローラの端部の周りに高密度スラリーの一部分を導くことによって、薄い高密度層を形成するのと同じ高密度スラリーから硬化縁部を形成することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、第2のロール89から分配される第2のカバーシート55がその間に配置されるように、支持要素の上にバックスキムコートローラが配置される。ミキサーは、排出導管86に送達される水性焼成石膏スラリーの主流よりも相対的に密度が高い高密度水性焼成石膏スラリーの流れ(すなわち、「バックスキムコート流」を堆積させるように適合されている、第2の補助導管を含むことができる。第2の補助導管は、当該技術分野では既知のように、スキムコート層を第2のロール89から分配される第2のカバーシート55に塗布するように適合された、バックスキムコートローラの上流(第2のカバーシート55の移動方向)の移動する第2のカバーシート55上にバックスキムコート層を堆積させることができる。
【0047】
他の実施形態では、別個の補助導管をミキサー84に接続して、1つ以上の別個の縁部流を移動するカバーシートに送達することができる。スラリー中の泡を機械的に壊すことによって、及び/またはスラリー中の好適な脱泡剤の使用によって泡を化学的に壊すことによって、その中のスラリーをより高密度にするのを助けるために、補助導管内に補助ミキサーのような他の好適な機器を設けることができる。
【0048】
スキムコートローラ、形成テーブル、及び支持要素は全て、当該技術分野で知られているように、それぞれの意図された目的に好適な機器を含むことができる。ウェットエンドシステム28には、当該技術分野で知られている他の好適な機器を装備することができる。
【0049】
使用時には、第1のカバーシート54が第1のロール84から分配され、機械方向50に沿って移動する。セメント質スラリーは、移動する第1のカバーシート54上の排出導管86から排出される。面スキムコート/硬化縁部流は、機械方向50内の第1のカバーシート54の移動方向に対して移動する第1のカバーシート54上でセメント質スラリーが排出導管86から排出される上流の点でミキサー84から堆積させることができる。第2ロール89から分配される第2カバーシート55には、バックスキムコート流(排出導管86から排出されるセメント質スラリーの主流に対してより高密度スラリーの層)を塗布することができる。バックスキムコート流は、移動する第2のカバーシート55の移動方向に対してバックスキムコートローラの上流の点でミキサー84から堆積させることができる。実施形態では、面スキムコート及び/またはバックスキムコートを含むスラリーに、水性泡または他の薬剤を添加して、密度を低下させるが、放出導管から分配される発泡スラリーを超える高い密度で加えることができる。
【0050】
移動する第2のカバーシート55は、前進する第1のカバーシート54上に堆積されたスラリーの上に置かれて、プリフォームを所望の厚さに形成するために形成ステーション30に供給されるサンドイッチ型壁ボードプリフォームを形成することができる。
【0051】
形成ステーション30は、セメント質ボード25が所定の厚さの範囲内になるようにセメント質ボード25を形成するように構成される。形成テーション30は、当該技術分野で知られているように、意図された目的に適した任意の好適な機器を含むことができる。
【0052】
コンベア32は、形成ステーション30から離れた機械方向50に沿ってセメント質ボード25を搬送してセメント質ボードの縁部が機械方向50に沿って延びるように構成される。実施形態では、コンベア32は、セメント質ボード25が切断され得るように切断ステーション40に到達する前に、セメント質コア52を構成するセメント質スラリーが適切に設定されるのに十分な長さを機械方向50に沿って測定するのに十分な長さを有するように構成される。セメントスラリーの温度は、硬化プロセス中に上昇し、これは熱を発生する発熱反応である。
【0053】
実施形態では、熱撮像装置34は、セメント質ボード25に対応する熱データを生成するように構成された任意の好適な装置とすることができる。図示の熱撮像装置34は、機械方向50に沿った形成ステーション30の下流に配置され、形成ステーション30と切断ステーション40との間に配置される。図示された熱撮像装置34は、セメント質ボードが形成ステーション30から機械方向50に沿って切断ステーション40に向かって熱撮像装置34を通過して搬送されるときに、熱撮像装置34の視野95内でセメント質ボード25の一部分80に対応する熱画像データを生成するように構成される。
【0054】
熱撮像装置は、コントローラ36及びプロセッサ38と動作可能な構成である。熱撮像装置34は、コントローラからの周期的な指令信号を受信することに応答して、セメント質ボード25の隣接する一部分の連続的な一連の熱画像(またはサーモグラム)を取得するように選択的に動作するように構成することができる。熱撮像装置34は、熱撮像装置によって得られた各々のサーモグラムに対応する熱画像データをプロセッサ38に送信するように構成することができる。
【0055】
実施形態では、熱撮像装置34は、赤外線カメラ34を通過する際にセメント質ボード25のデジタル熱画像を生成するように構成された赤外線カメラの形態である。実施形態では、熱撮像装置34は、例えば、オレゴン州ウィルソンビルのFLIR Systems、Inc.からのものなど、好適な市販の赤外線カメラであってもよい。
【0056】
赤外線カメラ34は、赤外線放射エネルギー(熱)を検出し、検出された熱エネルギー値を電子信号に変換するように構成することができ、次いで電子信号を処理して熱画像データを生成する。プロセッサ38は、例えば、空隙検出分析を実行し、及び/またはビデオモニタのような表示装置に熱画像を表示するために、熱画像データを使用することができる。
【0057】
実施形態において、赤外線カメラ34は、例えば、レンズ102、赤外線検出素子のアレイ104、及び信号処理ユニット108を含むことができる。
【0058】
レンズ102は、赤外線カメラ34の視野95内の全ての物体によって放射される赤外光を集束させるように構成することができる。レンズ102は、視界95内の物体によって放射された赤外線エネルギーを赤外線検出素子のアレイ104に送信するように構成されている。
【0059】
赤外線検出素子のアレイ104は、各々が赤外線カメラ34の視野95の対応する領域内の物体からの赤外線を検出するように構成された好適な赤外線検出素子のマトリクスを含むことができる。実施形態では、赤外線カメラ34は、焦点面アレイ(FPA)などの任意の好適なタイプの赤外線検出器配置を含むことができる。集束された赤外光は、赤外線検出素子のアレイ104によって走査される。赤外線検出素子のアレイ104は、視野95上にサーモグラムと呼ばれる非常に詳細な温度パターンを生成する。実施形態において、赤外線検出素子のアレイ104は、セメント質ボード25がコンベア32に沿って機械方向50に移動するときに、検出器アレイ104がセメント質ボード25の所与の部分80の温度情報を取得できるように構成することができる。
【0060】
検出器アレイ104は、視野95にわたって均一に配置された複数のデジタル画素点を有するサーモグラムを生成するために温度情報を得るように構成することができる。検出器アレイ104は、視野95内で検出した赤外光を電気熱画像信号に変換するように構成することができる。赤外線検出素子のアレイ104内の全ての素子からの電気的インパルスを使用して、電気熱画像信号を生成することができる。熱画像信号は、信号処理ユニット108に送達することができる。
【0061】
信号処理108は、当業者によって理解されるように、例えば、固有のオフセット、利得ドリフトなどの補正などの信号調整ステップを遂行するように構成することができる。信号処理ユニット108は、検出器アレイ104から受信した熱画像信号を、プロセッサ38の温度測定データを含む熱画像データに変換するように構成することができる。赤外線カメラ34は、赤外線カメラ34の構成要素を選択的に動作させるように構成された好適な電源を含むか、または接続され得る。
【0062】
実施形態では、信号処理ユニット108は、熱画像データを表示装置に送信することができる。表示装置では、サーモグラムは、所与の位置での赤外線放射の強度に応じて様々な色として表示される。表示装置は、表示される特定の熱画像データに好適な温度範囲に可能な色のセットを相関させる凡例を含むことができる。
【0063】
実施形態では、サーモグラムは、線形、非線形であるか、色分布アルゴリズムに従って割り当てられた色スパンを有する熱画像の温度間の色分布で表示することができる。実施形態では、色分布アルゴリズムは、熱画像コンテンツ全体または熱画像コンテンツ全体のサブセットのいずれかに基づいて色分布を生成するように適合させることができる。
【0064】
実施形態では、赤外線カメラ34は、検出器アレイ104によって検出された赤外線エネルギーに基づいて赤外線カメラ34によって生成した熱画像(またはサーモグラム)をユーザが見るための表示装置を含むこともできる。赤外線カメラ34は、赤外線検出器アレイ104によって検知された赤外線放射(または熱)の量を、視野95内に配置されたセメント質ボード25の一部分80の好適なデジタル画像に変換するように構成することができる。実施形態では、熱画像は、赤外線カメラ34の格納装置に格納され得、遠隔視聴及び/または格納のためにプロセッサ38に(例えば、無線または有線ネットワークを介して)送信され得る。
【0065】
実施形態において、信号処理ユニット108は、1つの物理的ユニットとして、あるいは複数の論理的に相互接続されたユニットとして提供され得る。信号処理ユニット108は、コンピュータプログラムによって実装することができる赤外線カメラ34の機能を遂行するためのロジックを含むことができる。信号処理ユニット108は、コンピュータプログラムを格納するための格納装置またはメモリユニット、及びコンピュータプログラムを実行するための処理手段またはマイクロプロセッサなどの処理ユニットを含むことができる。格納装置は、信号処理ユニット108に接続された読み取り可能な格納媒体を含むことができる。
【0066】
図1及び図2を参照すると、熱撮像装置34の視野95は、機械交差方向51に沿って測定される機械交差視距離120を有する。視野95内のセメント質ボード25の一部分80は、機械交差方向51に沿って測定される機械交差ボード距離122を有する。熱撮像装置34はセメント質ボード25に対して位置決めされ、熱撮像装置34の視野95は、視野95の機械交差視距離120が、視野95内のセメント質ボード25の一部分80の機械交差ボード距離122を超えるように構成されている。
【0067】
コンベア32は、回転するように軸支されたコンベア32の複数のローラ129によって画定された支持面127の横方向中間点(機械交差方向51に沿って)で機械方向500に沿って延びるコンベア長手方向中間線125を有する。機械交差視距離120は、機械交差方向51に沿って横断中間点131を有する。実施形態では、熱撮像装置34の視野95の横断中間点131は、コンベア32のコンベア長手方向中間線125と実質的に整列している。
【0068】
図1を参照すると、熱撮像装置34は、熱撮像装置34とコンベア32の支持面127との間で測定された所定の熱撮像装置の高さ134でコンベア32上に配置される。実施形態では、(1)熱撮像装置の高さ134と(2)視野95内のセメント質ボード25の一部分80の機械交差ボード距離122との比は、2.5以下であり、他の実施形態では、2以下であり、さらに他の実施形態では、1.5以下である。さらに他の実施形態では、(1)熱撮像装置の高さ134と(2)視野95内のセメント質ボード25の一部分80の機械交差ボード距離122との比は、他の実施形態では、1~2.5の範囲内であり、さらに他の実施形態では、1~2の範囲内である。一実施形態では、熱撮像装置の高さ134は約6フィートであり、機械交差ボード距離122は48インチ~54インチの範囲内である。
【0069】
図2を参照すると、視野95内のセメント質ボード25の一部分80は、機械方向50に沿って互いに長手方向に離間した関係で配置された前端140及び後端142と、機械交差方向51に沿って互いに横方向に離間した関係で配置された一対の縁部セグメント144、145を含む。熱撮像装置34の視野95の機械交差視距離120は、熱画像データが視野95内のセメント質ボード25の一部分80の両方の縁部セグメント144、145についての熱縁部データを含むように構成されている。言い換えれば、熱撮像装置34の視野95は、熱撮像装置34によって分析されるセメント質ボード25の一部分80の機械交差方向51に沿って測定された全幅にわたって熱画像データが得られるように構成されている。
【0070】
図1を参照すると、コントローラ36は、熱撮像装置34と動作可能な構成である。実施形態では、コントローラ36は、セメント質ボード25が熱撮像装置34の下を通過するときに、セメント質ボード25の一連の部分80、81、82、83に対応する熱画像データを生成するように熱撮像装置34を選択的に動作させるように構成される。セメント質ボード25の一部分80、81、82、83は、機械方向50に沿って互いに対してオフセットされた長手方向関係にある。
【0071】
実施形態では、コントローラ36は、セメント質ボード25の複数の連続的に順序付けられた部分80、81、82、83の一連のデジタルサーモグラムを生成するために、熱撮像装置34を選択的に動作させるように構成される。実施形態では、コントローラ36は、熱画像データが機械方向50に沿って中断されていない流れ150で得られるように部分80、81、82、83が配置されるように構成することができる。実施形態では、コントローラ36には、ボードラインの動作を監視し制御するように構成されたボードラインプロセッサなどを介してライン速度センサが配置される。コントローラ36は、連続的な熱画像データが熱撮像装置34によって得られるようにライン速度センサを介して受け取られたセメント質ボード25の測定された速度に基づいて、連続的な熱画像取得動作の間の時間間隔を決定することができる。
【0072】
実施形態では、連続的に順序付けられた部分80、81、82、83の各々のそれぞれの後部分の前端140は、連続的に順序付けられた部分80、81、82、83のそれぞれの前部分の後端142と実質的に整列している。例えば、第2の一部分81の前端180は、第1の一部分80の後端142と実質的に整列し、第3の一部分82の前端180は、第2の一部分81の後端142と実質的に整列している。
【0073】
実施形態では、コントローラ36は、1つ以上のユーザ作動入力制御信号を生成するように適合された1つ以上のユーザ作動機構(例えば、1つ以上のプッシュボタン、スライドバー、回転可能なノブ、キーボード、及びマウス)を有するユーザ入力及び/またはインターフェース装置を含むことができる。実施形態では、コントローラ36は、当業者によって理解されるであろうオートフォーカス、視野調整、明るさ、コントラスト、ゲイン、オフセット、空間的、時間的、及び/または様々な他の特徴及び/またはパラメータなどのような熱撮像装置34のための様々な他の制御機能を提供するための1つ以上の他のユーザ作動機構を含むように構成することができる。コントローラ36は、グラフィカルユーザインタフェースを表示するように適合された表示装置を含むことができる。グラフィカルユーザインタフェースは、実施形態において、ユーザ入力装置と表示装置の両方として機能するように構成することができる。実施形態では、表示装置は、表示画面の異なる部分に触れるユーザからの入力信号を受信するように適合されたタッチ画面装置を備えることができる。実施形態では、コントローラ36は、スマートフォン、タブレット、パーソナルデジタルアシスタント(例えば、無線、モバイル装置)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、または他のタイプの装置の形態であってもよい。
【0074】
空隙検出プロセッサ38は、熱画像データを受信するために熱撮像装置34と動作可能な構成であり、そこに含まれる空隙検出プログラムを実行するために非一時的なコンピュータ可読媒体と動作可能な構成である。空隙検出プログラムは、熱画像データを分析して、所定のサイズを超える一対のカバーシートの間のセメント質ボードの一部分内に画定された各々の空隙を識別するように構成された熱分析モジュールを含む。プロセッサ38は、コントローラ36から入力信号を受信し、コントローラ36に入力制御信号を送り、及び/またはコントローラ36に出力情報を送信するように構成することができる。
【0075】
空隙検出プロセッサ38は、熱撮像装置34からデジタル熱画像情報を受け取るように熱撮像装置34と動作可能な構成である。空隙検出プロセッサ38は、熱撮像装置34から受信した熱画像情報を操作して、その情報を空隙検出プロセッサ38と動作可能に配置されたデータ格納装置に格納され得る熱画像に変換し、熱画像データを空隙検出プログラムに送信して、熱画像データが関連するセメント質ボード25の一部分80内の空隙71、72、73の数を分析するように構成される。
【0076】
実施形態では、空隙検出プロセッサ38は、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティング装置、パーソナルオーガナイザ、装置コントローラ、ロジック装置(例えば、処理機能を遂行するように構成されたプログラマブルロジック装置)、デジタル信号処理(DSP)装置、または器具内の計算エンジンなどの任意の好適なコンピューティング装置を備えることができる。実施形態では、空隙検出プロセッサ38は、1つ以上の入力装置(たとえば、キーボード及びマウス)及び表示装置を含む。
【0077】
空隙検出プロセッサ38は、データ及び情報を格納するためにそれに関連する1つ以上のメモリ装置を有することができる。1つ以上のメモリ装置は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み出し専用メモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ)、フラッシュメモリなどの揮発性及び不揮発性メモリ装置を含む、任意の好適なタイプを含むことができる。一実施形態では、空隙検出プロセッサ38は、本開示の原理に従う形態で、様々な方法、プロセス、及び動作モードを実行するために、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されたプログラミングを実行するように適合される。
【0078】
実施形態では、本開示の原理に従う空隙検出プログラムは、本開示の原理による空隙検出システムの実施形態を実装するように構成することができる。実施形態では、空隙検出プログラムは、表示装置によって表示可能なグラフィカルユーザインタフェースを含む。グラフィカルユーザインタフェースは、ユーザによる空隙検出プログラムへのコマンド及びデータの入力を容易にし、空隙検出プログラムによって生成した出力を表示するために使用することができる。
【0079】
空隙検出プログラムは、任意の好適なコンピュータ可読格納媒体に格納することができる。例えば、実施形態では、本開示の原理に従う空隙検出プログラムは、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD-ROMドライブ、テープドライブ、ジップドライブ、フラッシュドライブ、光学格納装置、磁気格納装置、などに格納することができる。
【0080】
実施形態では、空隙検出プログラムは、各々識別された空隙71、72、73を複数の異なるサイズ範囲の1つにグループ化するように構成されている。例えば、実施形態では、空隙検出プログラムは、識別された空隙71、72、73を、以下のグループのうちの1つにグループ化し、空隙71は、0.5~1平方インチの間の空隙領域を有し、空隙72は、1~1.5平方インチの間の空隙領域を有し、空隙73は、1.5平方インチを超える空隙領域を有する。実施形態では、所定のサイズを超える(例えば、2.5平方インチを超える)空隙領域を有すると判定されたセメント質ボード25の領域は、空隙分析から除外することができ、セメント質ボード25内の実際の空隙ではなく、熱画像の変形(例えば、ボードの上に集められた水のプールによって引き起こされるもの)を引き起こす異常に起因する可能性が高い。
【0081】
図2を参照すると、視野95は、一対の側方サーモグラム縁部170、171を含む。視野95の側方サーモグラム縁部170、171とセメント質ボード25の一部分80の縁部セグメント144、145との間に一対のクロップ部分174、175がそれぞれ画定される。各々のクロップ部分174、175は、視野95内のセメント質ボード25の一部分80の前端140と後端142との間で機械方向50に沿って長手方向に延びている。実施形態では、空隙検出プログラムは、熱画像データの空隙検出分析から各々の縁部クロップ部分174、175を除外するように構成されたデジタルサーモグラムサイズ分類モジュールを含む。
【0082】
実施形態では、熱画像データは、視野95内の複数のデジタル画素の各々の温度値を含む。空隙検出プログラムの熱分析モジュールは、視野の分析された部分を覆うデジタル画素のセットに対応する複数の温度値の平均温度を計算し、1セットのデジタル画素の各々のデジタル画素について、デジタル画素のセットにおける各々の温度値を平均温度と比較し、デジタル画素の温度値が平均温度より所定量低い場合に、デジタル画素を空隙画素として識別し、所定の空隙71、72、73のサイズを決定するために隣接する空隙画素をまとめてグループ化するように構成することができる。
【0083】
セメント質ボード25の一部分80の縁部セグメント144、145に対して機械交差方向51に沿う各々の空隙71、72、73の横方向の場所を追跡するように構成することができる。実施形態では、空隙検出プログラムは、各々識別された空隙を、第1の縁部領域181、第2の縁部領域182、及びフィールド領域185のうちの1つにグループ化するように構成される。フィールド領域185は機械交差方向51に沿って、第1の縁部領域181と第2の縁部領域182との間に横方向に挿入される。第1の縁部領域181、第2の縁部領域182、及びフィールド領域185の各々は、セメント質ボード25の一部分80の前端140から後端141まで機械方向50に沿って延びている。
【0084】
実施形態では、第1の縁部領域181は、機械交差方向51に沿って、第1の縁部セグメント144から第2の縁部セグメント145に向かって第1の縁部距離187に延びる。実施形態では、第2の縁部領域182は、機械交差方向51に沿って、第2の縁部セグメント145から第1の縁部セグメント144に向かって第2の縁部距離188に延びる。実施形態では、第1の縁部距離187は、第2の縁部距離188と実質的に同じである。他の実施形態では、第2の縁部距離188は、第1の縁部距離187とは異なることができる。実施形態では、フィールド領域185は、同様に、より小さいセグメントに分割することができる。
【0085】
実施形態では、空隙検出プログラムは、例えば、セメント質ボードの所定のサイズのセメント質ボードの空隙の数が所定数を超えるとき、グラフィカルユーザインタフェースを介して表示装置に表示される警告を発するように構成することができる。空隙検出プログラムは、所定のサイズのセメント質ボードの空隙数が、第1の縁部領域181、第2の縁部領域182、及びフィールド領域185のうちの1つについて所定数を超えたときに警告を発することができる。
【0086】
例えば、実施形態では、空隙検出プログラムは、機械方向及び機械交差方向に沿って(例えば、1000平方フィート)測定された凝集領域を有する複数の連続的に順序付けられた部分を凝集するように構成される。空隙検出プログラムは、連続的に順序付けられた部分の各々において所定のサイズを超える各々の空隙を凝集して、凝集された領域の凝集空隙数を決定するように構成することができる。例えば、実施形態では、空隙検出プログラムは、調製されたセメント質ボード25の1000平方フィート当たりの特定のサイズ範囲を有する空隙の数を計算するように構成することができる。実施形態では、空隙検出プログラムは、凝集領域内で検出された空隙71、72、73を複数の空隙サイズ範囲の1つにグループ化するように構成することができる。
【0087】
図1を参照すると、切断ステーション40は、機械方向50に沿った形成ステーション30の下流に配置されている。切断ステーション40は、コンベア32が切断ステーション40を通過してセメント質ボード25を運ぶように、コンベア32に対して配置される。切断ステーション40は、セメント質ボード25が切断ステーション40を過ぎて機械方向50に沿って移動するときに、ボードセグメント内の一連のセグメントを画定するために、機械交差方向51に沿ってセメント質ボード25を定期的に切断するように構成されたナイフを含むことができる。実施形態において、ナイフは、当該技術分野で一般的に知られているような回転ナイフであってもよい。
【0088】
実施形態では、セメント質ボード25を製造するためのシステム20は、他の構成要素及びステーションを含むことができる。例えば、実施形態では、システム20は、全て切断ステーション40の下流にあるボードインバータ、キルン、バンドラ及びテーピングステーション、を含む搬送システムを含むことができる。
【0089】
本開示の原理に従うセメント質ボードの製造方法の実施形態において、本開示の原理による空隙検出システムは、空隙の数及び/またはサイズをセメント質ボードの連続製造中にオンラインの形態で監視するため使用することができる。図3を参照すると、本開示の原理に従うセメント質ボードの製造方法100の実施形態のステップが示されている。実施形態では、本開示の原理に従うセメント質ボードの製造方法は、本明細書で論じる原理による空隙検出システムの任意の実施形態と共に使用することができる。
【0090】
セメント質ボードの製造方法100は、形成ステーションから離れた機械方向に沿ってセメント質ボードを搬送することを含む(ステップ110)。セメント質ボードは一対の縁部を有する。縁部は、機械方向に垂直な機械交差方向に沿って互いに横方向に離間した関係で配置されている。セメント質ボードの縁部は、機械方向に沿って延びている。セメント質ボードは、一対のカバーシートの間に挿入されたセメント質コアを有する。
【0091】
熱撮像装置は、セメント質ボードが熱撮像装置を通過して搬送されるときに、セメント質ボードの一部分のデジタルサーモグラムを生成するために使用される(ステップ120)。熱撮像装置は、機械方向に沿った形成ステーションの下流に配置される。熱撮像装置は、機械交差方向に沿って測定された機械交差視距離を有する視野を有する。熱撮像装置の機械交差距離は、デジタルサーモグラムがセメント質ボードの一部分の両方の縁部セグメントを含むように構成される。
【0092】
デジタルサーモグラムがプロセッサに送信される(ステップ130)。非一時的なコンピュータ可読媒体上に格納された空隙検出プログラムが、プロセッサを使用して実行され、デジタルサーモグラムを空隙検出分析に供する(ステップ140)。空隙検出分析は、一対のカバーシートの間のセメント質ボードの所定のサイズを超える一部分内に画定された各々の空隙を識別することを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、セメント質ボードの一部分は、第1の部分を含み、セメント質ボードの第1の部分のデジタルサーモグラムは、第1のデジタルサーモグラムを含む。実施形態では、この方法は、セメント質ボードの第2の部分の第2のデジタルサーモグラムを生成するために熱撮像装置を使用することをさらに含む。セメント質ボードの第2の部分は、機械方向に沿って第1の部分とオフセットした長手方向関係にある。
【0094】
実施形態では、デジタルサーモグラムは、デジタルサーモグラムにおける複数のデジタル画素の各々の温度値を含む。空隙検出分析は、デジタルサーモグラムの分析された部分を覆うデジタル画素のアレイ内のデジタル画素にそれぞれ対応して生成した複数の温度値の平均温度を計算することと、デジタル画素のアレイ内の各々のデジタル画素について、デジタル画素のアレイにおける各々の温度値を平均温度と比較することと、デジタル画素の温度値が平均温度よりも所定量低いときに、デジタル画素を空隙画素として識別することと、隣接する空隙画素をまとめてグループ化して、所与の空隙のサイズを決定することと、を含むことができる。
【0095】
実施形態では、空隙検出分析は、各々識別された空隙を複数の異なるサイズ範囲の1つにグループ化することを含む。いくつかの実施形態では、空隙検出分析は、セメント質ボードの一部分の縁部セグメントに対して機械交差方向に沿う各々の空隙の横方向の場所を追跡することを含む。
【0096】
実施形態において、セメント質ボードの縁部セグメントは、第1及び第2の縁部セグメントを含む。空隙検出分析は、各々識別された空隙を、第1の縁部領域、第2の縁部領域、及びフィールド領域のうちの1つにグループ化することを含むことができる。第1の縁部領域は、機械交差方向に沿って第1の縁部セグメントから第2の縁部セグメントに向かって所定の距離だけ延び、第2の縁部領域は、機械交差方向に沿って第2の縁部セグメントから第1の縁部セグメントに向かって所定の距離だけ延びる。フィールド領域は機械交差方向に沿って、第1の縁部領域と第2の縁部領域との間に横方向に挿入される。第1の縁部領域、第2の縁部領域、及びフィールド領域の各々は、セメント質ボードの一部分の前端から後端まで機械方向に沿って延びている。
【0097】
実施形態では、熱撮像装置はセメント質ボードに対して位置決めされ、熱撮像装置の視野は、視野の機械交差視距離が、セメント質ボードの部分の縁部セグメント間の機械交差方向に沿って測定されるセメント質ボードの一部分の機械交差ボード距離を超えるように構成されている。実施形態では、デジタルサーモグラムは、機械方向に沿って延びる一対の側方サーモグラム縁部の1つと、セメント質ボードの側方サーモグラム縁部に最も近い部分のそれぞれの縁部セグメントとの間に画定される少なくとも1つの縁部クロップ部分を含む。空隙検出プログラムは、各々の縁部クロップ部分をデジタルサーモグラムの空隙検出分析から除外する。
【0098】
実施形態では、セメント質ボードが熱撮像装置の下を通過するときに、セメント質ボードの連続的に順序付けられた部分の一連のデジタルサーモグラムを生成するために熱撮像装置が使用される。セメント質ボードの各々の部分は、前端及び後端を含む。各々の部分の前端は、機械方向に沿ってそれぞれの後端と離間した関係にある。前端及び後端は各々、第1の縁部セグメントの間で機械交差方向に沿って延びる。連続的に順序付けられた部分の各々の後部分の前端は、連続的に順序付けられた部分のそれぞれの前部分の後端と実質的に整列している。
【0099】
実施形態では、連続的に順序付けられた部分は、機械方向及び機械交差方向に沿って測定された凝集領域を有する。空隙検出分析は、凝集した領域の凝集空隙数(例えば、セメント質ボードの1000平方フィート(空隙/msf)当たりの空隙)を決定するために、連続的に順序付けられた部分の各々に所定のサイズを超える各々の空隙を凝集させることを含むことができる。
【0100】
実施形態では、セメント質ボードを機械方向に沿って搬送することは、セメント質ボードのその他の部分が視野の範囲内にあるときその部分がセメント質ボードの別の部分のそれぞれの縁部セグメントに対して熱撮像装置の視野内にあるときセメント質ボードの1つの部分の第2の縁部セグメントが、異なる横方向位置を有するように、セメント質ボードの横方向の移動を含む。熱撮像装置の視野は、セメント質ボードの両部分内のセメント質ボードの縁部セグメントがそれぞれのデジタルサーモグラムに含まれるように構成することができる。言い換えれば、熱撮像装置は、その連続製造中のセメント質ボードの様々な部分の相対的な横方向の動きに適応するように構成することができ、一方、熱撮像装置の視野内にセメント質ボードのそれぞれの縁部セグメントを維持して、機械交差方向に沿って測定したセメント質ボードの幅全体にわたる熱データを得る。
【0101】
本明細書中に引用された全ての参考文献は、各々の参考文献が個別に且つ具体的に参照により組み入れられるように示され、その全体が本明細書に記載されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
本発明を説明する文脈における(特に添付の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」及び「an」及び「the」ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書中に別段の指示がない限り、または文脈と明確に矛盾しない限り、単数及び複数の両方である。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including」及び「含有する(containing)」という用語は、別段の記載がない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中に別段の指示がない限り、範囲内の各々の別個の値を個々に参照する略式の方法として役立つことを意図するだけであり、各個別の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他に指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で遂行され得る。本明細書で提供される任意の及び全ての例、または例示的な言語(例えば、「~など」)の使用は、単に本発明をよりよく示すことを意図しており、別段の主張がない限り本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に不可欠な非請求の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0103】
本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。これらの好ましい実施形態の変形形態は、前述の説明を読むことによって当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がこのような変形を適切に使用することを予想しており、本発明者らは本発明が本明細書に具体的に記載されたものとは別の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題の全ての改変及び均等物を含む。さらに、本明細書中で他に指示されない限り、あるいは文脈によって明らかに否定されない限り、それらの全ての可能な変形における上記の要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。
[付記]
[付記1]
セメント質ボードを製造するためのシステムであって、前記セメント質ボードが、一対のカバーシートの間に挿入されたセメント質コアを有し、前記セメント質ボードが、一対の縁部を有し、前記システムが、
形成ステーションであって、前記セメント質ボードが所定の厚さの範囲内になるように前記セメント質ボードを形成するように構成された、形成ステーションと、
コンベアであって、前記形成ステーションから離れた機械方向に沿って、前記セメント質ボードの前記縁部が前記機械方向に沿って延び、かつ機械交差方向に沿って互いに横方向に離間した関係で配置されるように、前記セメント質ボードを搬送するように構成され、前記機械交差方向が前記機械方向に垂直である、コンベアと、
熱撮像装置であって、前記熱撮像装置が、前記機械方向に沿った前記形成ステーションの下流に配置され、前記熱撮像装置が、前記コンベアに対して位置決めされ、前記セメント質ボードが前記熱撮像装置を通過して搬送されるときに前記セメント質ボードの一部分に対応する熱画像データを生成するように構成され、前記熱撮像装置が、前記機械交差方向に沿って測定された機械交差視距離を有する視野を有し、前記熱撮像装置の前記機械交差視距離が、前記熱画像データが、前記セメント質ボードの前記一部分の両方の縁部セグメントについての熱縁部データを含むように構成されている、熱撮像装置と、
非一時的なコンピュータ可読媒体であって、空隙検出プログラムを有する、非一時的なコンピュータ可読媒体と、
プロセッサであって、前記プロセッサが、前記熱画像データを受信するように前記熱撮像装置と動作可能に配設され、かつ前記非一時的なコンピュータ可読媒体と動作可能に配設され、前記プロセッサが、前記非一時的なコンピュータ可読媒体に含まれる前記空隙検出プログラムを実行するように構成されている、プロセッサと、を備え、
前記空隙検出プログラムが、前記熱画像データを分析して、所定のサイズを超える、前記一対のカバーシートの間の前記セメント質ボードの前記一部分内に画定された各々の空隙を特定するように構成された熱分析モジュールを含む、セメント質ボードを製造するためのシステム。
[付記2]
前記熱撮像装置が、前記セメント質ボードに対して位置決めされ、前記熱撮像装置の前記視野が、前記熱撮像装置の前記機械交差視距離が、前記セメント質ボードの前記一部分の機械交差ボード距離を超え、前記機械交差ボード距離が、前記セメント質ボードの前記一部分の前記縁部セグメントの間で前記機械交差方向に沿って測定され、前記熱画像データが、前記機械方向に沿って延びる一対の側方サーモグラム縁部のうちの1つと、前記セメント質ボードの前記側方サーモグラム縁部に最も近い部分のそれぞれの縁部セグメントとの間に画定された少なくとも1つの縁部クロップ部分を含むように構成され、前記空隙検出プログラムが、前記熱画像データの前記空隙検出分析から各々の縁部クロップ部分を除外するように構成されたデジタルサーモグラムサイズ分類モジュールを含む、付記1に記載の製造するためのシステム。
[付記3]
前記熱画像データが、前記視野内の複数のデジタル画素の各々の温度値を含み、前記空隙検出プログラムの前記熱分析モジュールが、
前記視野の分析された部分を覆う前記デジタル画素のセットに対応する複数の前記温度値の平均温度を計算することと、
前記デジタル画素の前記セット内の各々の温度値を前記平均温度と比較することと、 前記デジタル画素の前記セット内の各々のデジタル画素に対して、前記デジタル画素の前記温度値が前記平均温度よりも所定量低いとき、前記デジタル画素を空隙画素として識別することと、
隣接する空隙画素をまとめてグループ化して、所与の空隙のサイズを決定することと、を行うように構成されている、付記1または2に記載の製造するためのシステム。
[付記4]
前記空隙検出プログラムが、
前記セメント質ボードの前記一部分の前記縁部セグメントに対して前記機械交差方向に沿う各々の空隙の横方向の場所を追跡するように構成されている、付記1~3のいずれか1つに記載の製造するためのシステム。
[付記5]
前記セメント質ボードの前記縁部セグメントが、第1及び第2の縁部セグメントを含み、前記空隙検出プログラムが、
各々識別された空隙を、第1の縁部領域、第2の縁部領域、及びフィールド領域のうちの1つにグループ化するように構成され、前記第1の縁部領域が、前記第1の縁部セグメントから前記第2の縁部セグメントに向かって所定の距離だけ前記機械交差方向に沿って延び、前記第2の縁部領域が、前記第2の縁部セグメントから前記第1の縁部セグメントに向かって所定の距離だけ前記機械交差方向に沿って延び、前記フィールド領域が、前記機械交差方向に沿って、前記第1の縁部領域と前記第2の縁部領域との間に横方向に挿入され、前記第1の縁部領域、前記第2の縁部領域、及び前記フィールド領域の各々が、前記セメント質ボードの前記一部分の前端から後端に前記機械方向に沿って延びる、付記4に記載の製造するためのシステム。
[付記6]
前記セメント質ボードの前記一部分が第1の部分を含み、前記セメント質ボードの前記第1の部分の前記熱画像データが、熱画像データの第1のセットを含み、前記システムが、
コントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記熱撮像装置と動作可能に配置され、前記コントローラが、前記セメント質ボードの第2の部分に対応する熱画像データの第2のセットを生成するように前記熱撮像装置を選択的に動作させるように構成され、前記セメント質ボードの前記第2の部分が、前記機械方向に沿って前記第1の部分とオフセットした長手方向関係にあり、前記コントローラが、前記セメント質ボードが前記熱撮像装置の下を通過するときに、前記セメント質ボードの複数の連続的に順序付けられた部分の一連のデジタルサーモグラムを生成するように前記熱撮像装置を選択的に動作させるように構成され、前記セメント質ボードの各々の部分が、前端及び後端を含み、各々の部分の前記前端が、前記機械方向に沿って前記それぞれの後端に対して離間した関係にあり、前記連続的に順序付けられた部分の各々のそれぞれの後端の前記前端が、前記連続的に順序付けられた部分の前記それぞれの前部分の前記後端と実質的に整列している、付記1~5のいずれか1つに記載の製造するためのシステム。
[付記7]
前記熱撮像装置が、前記セメント質ボードに対して位置決めされ、前記熱撮像装置の前記視野が、前記熱撮像装置の前記機械交差視距離が、前記セメント質ボードの前記一部分の機械交差ボード距離を超えるように構成され、前記コンベアが、コンベア長手方向中間線を有し、前記機械交差視距離が、前記機械交差方向に沿った横断中間点を有し、前記熱撮像装置の前記視野の前記横断中間点が、前記コンベアの前記コンベア長手方向中間線と実質的に整列している、付記1~6のいずれか1つに記載の製造するためのシステム。
[付記8]
付記1~7のいずれか1つに記載の製造システムを使用したセメント質ボードの製造方法であって、
形成ステーションから離れた機械方向に沿って前記セメント質ボードを搬送することであって、前記セメント質ボードが、一対の縁部を有し、前記縁部が、機械交差方向に沿って互いに横方向に離間した関係で配置され、前記機械交差方向が、前記機械方向に垂直であり、前記セメント質ボードの前記縁部が、前記機械方向に沿って延び、前記セメント質ボードが、一対のカバーシートの間に挿入されたセメント質コアを有する、搬送することと、
熱撮像装置を使用して、前記セメント質ボードが前記熱撮像装置を通過して搬送されるときに、前記セメント質ボードの一部分のデジタルサーモグラムを生成することであって、前記熱撮像装置が、前記機械方向に沿った前記形成ステーションの下流に配置され、前記熱撮像装置が、前記機械交差方向に沿って測定された機械交差視距離を有する視野を有し、前記熱撮像装置の前記機械交差視距離が、前記デジタルサーモグラムが前記セメント質ボードの前記一部分の両方の縁部セグメントを含むように構成される、生成することと、
前記デジタルサーモグラムをプロセッサに送信することと、
非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された空隙検出プログラムを、前記プロセッサを使用して実行し、前記デジタルサーモグラムを空隙検出分析に供することであって、前記空隙検出分析が、所定のサイズを超える前記一対のカバーシートの間の前記セメント質ボードの前記一部分内に画定された各々の空隙を識別することを含む、供することと、を含む、製造方法。
[付記9]
前記セメント質ボードの前記一部分が、第1の部分を備え、前記セメント質ボードの前記第1の部分の前記デジタルサーモグラムが、第1のデジタルサーモグラムを備え、前記方法が、
前記熱撮像装置を使用して、前記セメント質ボードの第2の部分の第2のデジタルサーモグラムを生成することをさらに含み、前記セメント質ボードの前記第2の部分が、前記機械方向に沿って前記第1の部分とオフセットした長手方向関係にあり、
前記セメント質ボードを前記機械方向に沿って搬送することは、前記セメント質ボードの前記第2の部分の第2の縁部セグメントが、前記セメント質ボードの前記第1の部分が前記視野内にあるときの前記それぞれの第1の縁部セグメントに対して、前記第2の部分が前記熱撮像装置の前記視野内にあるときに異なる横方向位置を有するように、前記セメント質ボードの前記機械交差方向内の横方向移動を含み、前記熱撮像装置の前記視野が、前記セメント質ボードの前記第2の部分内の前記セメント質ボードの前記第2の縁部セグメントの両方が前記第2のデジタルサーモグラムに含まれるよう構成される、付記8に記載の製造方法。
[付記10]
前記熱撮像装置を使用して、前記セメント質ボードが前記熱撮像装置の下を通過するときに、前記セメント質ボードの複数の連続的に順序付けられた部分の一連のデジタルサーモグラムを生成することをさらに含み、前記セメント質ボードの各々の部分が、前端及び後端を含み、各々の部分の前記前端が、前記機械方向に沿って前記それぞれの後端と離間した関係であり、前記連続的に順序付けられた部分の各々のそれぞれの後部分の前記前端が、前記連続的に順序付けられた部分の前記それぞれの前部分の前記後端と実質的に整列し、
前記連続的に順序付けられた部分が、前記機械方向及び前記機械交差方向に沿って測定された凝集領域を有し、前記空隙検出分析が、前記連続的に順序付けられた部分の各々に所定のサイズを超える各々の空隙を凝集させて、前記凝集領域の凝集空隙数を決定することを含む、付記8または付記9に記載の製造方法。
図1
図2
図3