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▶ プレジス・イノベーティブ・パッケージング・エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】アイドラーローラー
(51)【国際特許分類】
   B31D 5/00 20170101AFI20220216BHJP
   B65B 9/04 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
B31D5/00
B65B9/04
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018550762
(86)(22)【出願日】2017-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-11
(86)【国際出願番号】 US2017024626
(87)【国際公開番号】W WO2017172834
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-27
(31)【優先権主張番号】62/314,209
(32)【優先日】2016-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507365695
【氏名又は名称】プレジス・イノベーティブ・パッケージング・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウェッシュ, トーマス ディー.
(72)【発明者】
【氏名】オストワルド, ポール エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ワッツ, ウィリアム ジェームズ
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06460313(US,B1)
【文献】米国特許第8128770(US,B2)
【文献】実開昭54-98462(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0261871(US,A1)
【文献】米国特許第7950433(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2002/0092279(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31D 5/00
B65B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置であって、前記膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置は、
流体フィルムの第1の層と第2の層とが重なる部分の間に配置される緩衝材の空洞を膨張させ、前記第1の層と前記第2の層が協同して可撓性構造物を形成する膨張アセンブリと、
シーリング機構と、を有し、
前記シーリング機構は、
前記可撓性構造物の周辺を曲げる動作が可能な曲面を有する第1の圧縮要素と、
前記第1の圧縮要素に対向して配置され、第1のピンチ領域で前記可撓性構造物を間に挟む第2の圧縮要素と、
前記第1のピンチ領域の位置に隣接して配置され、前記フィルムが前記第1のピンチ領域を通過するときに、前記第1の層と前記第2の層を互いにシールして長手方向のシールを製造するために前記フィルムを十分に加熱する加熱要素と、
前記第1のピンチ領域の下流の第2のピンチ領域で前記可撓性構造物を挟むために前記第1の圧縮要素に接触して配置される第3の圧縮要素と、
を有し、
前記第2の圧縮要素および第3の圧縮要素は、前記第1のピンチ領域と第2のピンチ領域との間にある冷却経路に沿って、前記第1の圧縮要素と接触して、前記シーリング機構に接触のない、前記第1の圧縮要素とは向かい側の前記フィルムの表面で前記可撓性構造物を保持し、前記長手方向のシールが冷却されつつ前記緩衝材の空洞に前記流体を保持するように、前記フィルムが前記第1の圧縮要素の前記曲面に対して十分に保持されることを特徴とする
膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項2】
前記第1の圧縮要素、前記第2の圧縮要素および前記第3の圧縮要素は、それぞれ第1のニップローラー、第2のニップローラー、および第3のニップローラーである、
請求項1に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項3】
前記第1のニップローラーは回転軸を有し、
前記第1のピンチ領域と前記第2のピンチ領域とは、前記回転軸に対して測定したときに30°より大きな角度で離れている、
請求項2に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項4】
前記第1のニップローラー、第2のニップローラーおよび第3のニップローラーは、それぞれほぼ同じ半径を有する、
請求項に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項5】
前記第1のピンチ領域と前記第2のピンチ領域とは、前記回転軸に対して測定したときに60°より大きな角度で離れている、
請求項に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項6】
前記第1のピンチ領域と前記第2のピンチ領域とは、前記回転軸に対して測定したときに180°以下の角度で離れている、
請求項に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項7】
前記第1のニップローラーは、前記第1のニップローラーと前記第2のニップローラーとがその間に前記フィルムを装填し、または除去するために離れることができるように、前記第2のニップローラーに対して移動することができる、
請求項に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項8】
前記第3のニップローラーは、前記第3のニップローラーが前記第2のニップローラーと前記第1のニップローラーとの間に前記フィルムを装填し、またはその間から前記フィルムを除去するために、前記第2のニップローラーと前記第1のニップローラーとのうち少なくとも1つから離れることができるように、前記第2のニップローラーと前記第1のニップローラーとのうち少なくとも1つに対して移動することができる、
請求項に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項9】
前記第3のニップローラーは、前記第3のニップローラーの回転軸とは異なる位置に配置される旋回点を有する第3のニップローラーレバーの上に配置され、前記旋回点に対する前記第3のニップローラーレバーの回転により、前記第3のニップローラーは、前記第1のニップローラーに向かって、または前記第1のニップローラーから離れるように移動する、
請求項に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項10】
前記第3のニップローラーレバーは、前記第3のニップローラーレバーが前記第3のニップローラーを前記第1のニップローラーに向けて付勢するバネ式であり、前記第3のニップローラーはバネの力により前記第1のニップローラーに対して前記可撓性構造物を圧縮する動作をすることができる、
請求項9に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項11】
前記第1のニップローラーは、前記第1のニップローラーの回転軸とは異なる位置に配置される旋回点を有する第1のニップローラーレバーの上に配置され、前記旋回点は、前記旋回点に対する前記第1のニップローラーレバーの回転により、前記第1のニップローラーが前記第2のニップローラーに向かって、または前記第2のニップローラーから離れるように移動するように配置される、
請求項10に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項12】
第1のニップローラーレバーは、
前記第1のニップローラーレバーが前記バネの力により前記第2のニップローラーに対して前記可撓性構造物を圧縮する前記第2のニップローラーに向けて前記第1のニップローラーを付勢するバネ式である、
請求項11に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項13】
前記旋回点は、前記旋回点に対する前記第1のニップローラーレバーの回転により前記第1のニップローラーが前記第3のニップローラーを有する前記第2のピンチ領域に対して略接線方向に移動するように配置される、
請求項11に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項14】
前記第1のニップローラーレバーは、前記第1のニップローラーが前記第2のニップローラーから離れるように前記第1のニップローラーレバーが回転するときに、前記第3のニップローラーが前記第2のピンチ領域から離れるように前記第1のニップローラーレバーが前記第3のニップローラーレバーの回転を引き起こす第3のニップローラーレバーに係合する、
請求項13に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項15】
前記第3のニップローラーレバーは、ノッチの表面に対する前記第1のニップローラーレバーからの力が前記第3のニップローラーレバーの回転を引き起こす前記第1のニップローラーレバーに係合する表面を備えるノッチを有し、第3のニップローラー軸は、前記ノッチと第3のニップローラーレバー旋回軸との間に配置される、
請求項14に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【請求項16】
前記シーリング機構は、ベルトを備えない、
請求項1に記載の膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2016年3月28日に出願された「アイドラーローラー」という発明の名称である米国仮特許出願第62/314,209号に関する優先権を主張し、その開示は本明細書の一部を構成するものとしてここに組み込まれる。
【0002】
本開示は、包装材料に関する。より詳細には、本開示は、包装材料として使用される膨張可能な緩衝材を製造するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の膨張した緩衝材がよく知られており、種々の包装用途に使用されている。例えば、膨張した緩衝材は、発泡ピーナッツ(foam peanuts)、揉紙(crumpled paper)、および類似製品と同様またはそれに代わる方法により、空隙充填包装として使用されることが多い。また例えば、膨張した緩衝材は、成形または押し出された包装要素の代わりに保護包装として使用されることが多い。一般に、膨張した緩衝材は、シールにより互いに接合された2層のフィルムから形成される。シールは、空気を中に取り込みながら膨張すると同時に形成され、または、膨張前に膨張可能な空洞(chamber)を有するフィルムの構成を画定すると同時に形成される。膨張可能な空洞は、空気もしくは他の気体で膨張させることができ、または膨張させた後にシールして空気もしくは気体の放出を防止または抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8128770号明細書
【文献】米国特許第7950433号明細書
【文献】米国特許出願公開第13/844658号明細書
【文献】米国特許第8061110号明細書
【文献】米国特許第8128770号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0172072号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装産業で使用される多くの装置は多くのローラーにより動作し、いくつかのローラーはベルトを利用してベルトを通過するフィルムの進行を制御する。例えば、米国特許第8,128,770号明細書は、ベルトおよびローラーを利用して緩衝材の膨張およびシールを制御するシステムを開示している。これらの装置にベルトや他の追加要素があると、製造コストが高くなり使用が難しくなることがある。他の例として、米国特許第7,950,433号明細書は、その周りに巻かれたヘッディング要素(heading element)が他のローラーに直接押し付けられるローラーを開示している。この種のシステムでは、機械から取り外される前にフィルムを十分に冷却することができない。このように、包装産業では、膨張およびシールする機構の改善が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態によると、膨張シーリング装置(inflation and sealing device)は、流体を含む第1のフィルム層と第2のフィルム層とが重なる部分の間に配置される緩衝材の空洞(cushion cavity)を膨張させ、層が可撓性構造物を形成する膨張アセンブリを有する。この装置はまた、シーリング機構を有し、シーリング機構は可撓性構造物をその周りで曲げる動作可能な曲面を有する第1の圧縮要素を有する。シーリング機構はまた、第1のピンチ領域で可撓性構造物を間に挟む前記第1の圧縮要素に対して配置される第2の圧縮要素を有する。シーリング装置はまた、前記フィルムが前記第1のピンチ領域を通過するときに、前記フィルムを十分に加熱し前記層を互いにシールして長手方向のシールを製造する前記第1のピンチ領域の位置に隣接して配置される加熱要素を有する。シーリング装置はまた、前記第1のピンチ領域の下流の前記第2のピンチ領域で前記可撓性構造物を間に挟む前記第1の圧縮要素に対して配置される第3の圧縮要素を有する。第1、第2および第3の圧縮要素は、第1および第2のピンチ領域の間の冷却経路に沿って、第1の圧縮要素に対して可撓性構造物を保持する。第1の圧縮要素に対して反対側のフィルムの表面は、シーリング機構とは実質的に接触しない。フィルムは、長手方向のシールが冷却されているときに、緩衝材の空洞で前記流体を保持する前記第1の圧縮要素に対して十分に保持される。
【0007】
いくつかの実施形態によると、第1、第2および第3の圧縮要素はニップローラー(nip roller)である。一実施形態では、第1のニップローラーは回転軸を有し、第1および第2のピンチ領域は、回転軸の周りで測定して30°より大きな角度で離れている。いくつかの実施形態では、第1のニップローラー、第2のニップローラーおよび第3のニップローラーは、それぞれ、ほぼ同じ半径を有する。他の実施形態では、第1および第2のピンチ領域は、回転軸の周りで測定して60°より大きな角度で離れている。いくつかの実施形態では、第1および第2のピンチ領域は、回転軸の周りに測定して180°までの角度で離れている。
【0008】
いくつかの実施形態によると、第1のニップローラーは、第1および第2のニップローラーの間でフィルムの装填または除去のために分離できるように、第2のニップローラーに対して移動可能である。第1および第2のニップローラーの間にフィルムを装填または除去するために、第3のニップローラーを第2のニップローラーと第1のニップローラーとの少なくとも一方から離すことができるように、第3のニップローラーは第2のニップローラーと第1のニップローラーとの少なくとも一方に対して相対的に移動可能である。第3のニップローラーはバネの力のもとで第1のニップローラーに対して可撓性構造物を圧縮するように動作可能であり、第3のニップローラーレバーは第3のニップローラーを第1のニップローラーに向けて付勢する(biased)ように、第3のニップローラーレバーはバネ式(spring loaded)である。第1のニップローラーは、第1のニップローラーの回転軸とは異なる位置に配置される旋回点を有するレバーの上に配置され、旋回点を中心としたレバーの回転により第1のニップローラーを第2のニップローラーに向けて、または第2のニップローラーから離れるように移動可能に配置される旋回点を有する。第1のニップローラーレバーは、第1のニップローラーレバーが第2のニップローラーから離れて回転するように、第3のニップローラーレバーに係合し、第1のニップローラーレバーは、第3のニップローラーが第2のピンチ領域から離れるように、第3のニップローラーレバーの回転を引き起こす。第1のニップローラーレバーからノッチ(notch)表面への力が第3のニップローラーレバーを回転させるように、第3のニップローラーレバーは、第1のニップローラーレバーと係合する表面があるノッチを有する。第3のニップローラー軸は、ノッチと第3のニップローラーレバー旋回軸との間に配置される。
【0009】
いくつかの実施形態によると、シーリング機構はベルトレスである。いくつかの実施形態によると、膨張可能な緩衝材の膨張シーリング装置はまた、第1、第2、または第3のローラーの1つ以上を覆うカバーを有してもよく、可撓性構造物が第2のピンチ領域を出た後に可撓性構造物を方向転換するように動作可能なスロットを備える。
【0010】
いくつかの実施形態によると、膨張シーリング装置は、可撓性構造物を形成するフィルムの第1および第2の層が重なる部分の間に配置された緩衝材の空洞を流体で膨張させる膨張アセンブリを有する。装置はまた、シーリング機構を有し、第1の圧縮要素は、その周りで可撓性構造物を曲げるように動作可能な曲面を有する。シーリング機構はまた、第1の圧縮要素に対して第1のピンチ領域で可撓性構造物を挟むように配置された第2の圧縮要素を有する。シーリング機構はまた、第1の圧縮要素に対して配置され、第1のピンチ領域の下流の第2のピンチ領域で可撓性構造物を挟む第3の圧縮要素を有する。シーリング機構はまた、第1の圧縮要素と第2の圧縮要素とに隣接して配置された加熱要素を有する。第1の圧縮要素は第2の圧縮要素に対して調整可能であり、第3の圧縮要素は第1の圧縮要素に対して調整可能である。第1圧縮要素は、第1圧縮要素が第2圧縮要素から離れるように調整されると、第3圧縮要素が自動的に第1の圧縮要素から離れるように、第3圧縮要素と係合する。
【0011】
いくつかの実施形態によると、第1、第2および第3の圧縮要素は、それぞれ第1、第2および第3のニップローラーを有する第1、第2および第3のニップローラーアセンブリである。第3のニップローラーは、第3のニップローラーレバーの回転軸とは異なる位置に配置された旋回点を有する第3のニップローラーレバーの上に配置される。旋回点は、旋回点を中心としたレバーの回転により第3のニップローラーを第1のニップローラーに向けて、または第1のニップローラーから離れるように移動可能に配置される。第3のニップローラーレバーはバネ付勢され、第3のニップローラーレバーは第3のニップローラーを第1のニップローラーに向けて付勢し、第3のニップローラーはバネの力により可撓性構造物を第1のニップローラーに対して圧縮する。第1のニップローラーは、第1のニップローラーの回転軸とは異なる位置に位置する旋回点を有するレバーの上に配置される。旋回点は、旋回点を中心としたレバーの回転が第1のニップローラーを第2のニップローラーに向けて、または第2のニップローラーから離れて動かすように配置される。第1のニップローラーがバネの力のもとで第2のニップローラーに対して可撓性構造物を圧縮する動作を可能にし、第1のニップローラーレバーが第3のニップローラーを第2のニップローラーに向けて付勢するように、第1のニップローラーレバーはバネ式である。旋回点は、旋回点を中心としたレバーの回転が第3のニップローラーを用いてピンチ領域に対して略接線方向である第1のニップローラーを移動させるように配置される。第1のニップローラーレバーからノッチ表面への力が第3のニップローラーレバーを回転させ、第3のニップローラー軸がノッチと第3のニップローラーレバー旋回軸との間に位置するように、第3のニップローラーレバーは、第1のニップローラーレバーと係合する表面があるノッチを有する。
【0012】
いくつかの実施形態によると、第1、第2および第3ニップローラーは、第1および第2のピンチ領域の間の冷却経路に沿って可撓性構造物を第1のニップローラーで保持し、フィルムの第1の圧縮要素と反対側の面はシーリング機構と実質的に接触しない。フィルムは、第1の圧縮要素に対して十分に保持され、長手方向のシールが冷却されている間、流体を緩衝材の空洞内に保持する。いくつかの実施形態によると、シーリング機構はベルトレスである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態による非膨張状態材料の可撓性構造物の平面図である。
図2A】第1の実施形態による膨張シーリング装置の透視図である。
図2B】第1の実施形態による膨張シーリング装置のカバー有りの正面図である。
図2C】第1の実施形態による膨張シーリング装置のカバーなしの正面図である。
図2D】第1の実施形態による膨張シーリング装置の側面図である。
図3A】第2の実施形態による膨張シーリング装置の透視図である。
図3B】第2の実施形態による膨張シーリング装置のカバー有りの正面図である。
図3C】第2の実施形態による膨張シーリング装置のカバーなしの正面図である。
図4A】種々の実施形態による膨張シーリングアセンブリのカバー有りの詳細な正面図である。
図4B】種々の実施形態による膨張シーリングアセンブリのカバーなしの正面透視図である。
図4C】種々の実施形態による圧縮機構の正面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、非膨張状態の材料を、包装および輸送用の緩衝材および保護材として使用される膨張緩衝材に変換する保護包装、システムおよび方法に関する。
【0015】
図1に示されるように、膨張可能な緩衝材のために多層の可撓性構造物100が提供される。可撓性構造物100は、第1の長手方向の縁部102と第2の長手方向の縁部104とを有する第1のフィルム層105と、第1の長手方向の縁部106と第2の長手方向の縁部108とを有する第2のフィルム層107とを有する。第2の層107は、第1の層105と重なってほぼ同一の広がりを有するような位置に整列される。すなわち、少なくともそれぞれの第1の長手方向の縁部102、106は互いに整列し、および/または、第2の長手方向の縁部104、108は互いに整列する。いくつかの実施形態では、層は、重なり合う領域において膨張領域が部分的に重なってもよい。
【0016】
図1は、可撓性構造物100の平面図を示し、可撓性構造物100は、フィルム100の第1の長手方向の縁部110と第2の長手方向の縁部112とを画定するために接合された第1および第2の層105、107を有する。第1および第2の層105、107は、可撓性構造物100材料の単一のシート、縁部にスリット(slit)または開口部を有する可撓性構造物100の平坦なチューブ、または可撓性構造物100の2枚のシートから形成されてもよい。例えば、第1および第2の層105、107は、接合された第2の縁部104、108(例えば、「c重フィルム(c-fold film)」)を画定するために折り畳まれた可撓性構造物100の単一のシートを有してもよい。また例えば、第1および第2の層105、107は、第1の長手方向の縁部102、106に沿って整列したスリットを有する可撓性構造物のチューブ(例えば、平坦なチューブ)を有してもよい。また例えば、第1および第2の層105、107は、整列した第2の縁部104、108に沿って互いに接合、シール、または他の方法でくっつけられた2つの独立した可撓性構造物のシートを有してもよい。
【0017】
可撓性構造物100は、当業者に公知の種々のウェブ材料から任意に形成することができ、本明細書では、そのような可撓性構造物100をウェブまたはウェブ100と呼ぶことがある。このようなウェブ材料は、エチレンビニルアセテート(EVAs)、メタロセン、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン樹脂、およびそれらを組合せたものを含んでもよいが、これに限られるものではない。他の材料および構成が使用されてもよい。開示された可撓性構造物100は、中空チューブ(hollow tube)、固形芯(solid core)に巻かれたり、もしくは扇状に折り畳まれたボックス(fan-folded box)に折り畳まれたり、または保管および出荷のために他の所望の形態で巻かれたり、折り畳まれたりしてもよい。
【0018】
図1に示されるように、可撓性構造物100は、可撓性構造物100の長手方向に沿って配置された一連の横方向のシール118を有してもよい。各横方向のシール118は、長手方向の縁部112から、膨張経路(inflation channel)114と、図示された実施形態では第1の長手方向の縁部110とに向かって延びる。各横方向のシール118は、第2の長手方向の縁部112に近接する第1の端部122と、可撓性構造物100の第1の長手方向の縁部110から横方向に距離dだけ離れた第2の端部124とを有する。空洞120は、長手方向のシール112と、一対の隣接する横方向のシール118とにより形成される境界内で画定される。
【0019】
図1に示される実施形態では、各横方向のシール118は、略直線であり、第2の長手方向の縁部112に対して略垂直に延びる。しかし、横方向のシール118の配置は、異なる配置が可能であることも理解される。例えば、いくつかの実施形態では、横方向のシール118は波状パターンまたはジグザグパターンを有してもよい。
【0020】
シールされた長手方向の縁部110、112と同様に横方向のシール118は、当業者に公知の種々の技術のいずれかから形成されてもよい。このような技術は、接着、摩擦、溶接、融着、熱シール、レーザーシール、および超音波溶接を含むが、これに限定されるものではない。
【0021】
また、長手方向の膨張経路114になり得る閉鎖経路のような膨張領域が設けられてもよい。図1に示されるように、長手方向の膨張経路114は、横方向のシール118の第2の端部124と、フィルムの第1の長手方向の縁部110との間に配置される。好ましくは、長手方向の膨張経路114は、長手方向の側部110に沿って長手方向に延び、膨張開口部116は、長手方向の膨張経路114の少なくとも1つの端部に配置される。長手方向の膨張経路114は、横方向の幅Dを有する。好ましい実施形態では、横方向の幅Dは、長手方向の縁部101と第2の端部124との間の横方向の距離dと実質的に同じ幅である。しかし、他の構成では、他の適切な横方向の幅Dを使用できることが理解される。
【0022】
第2の長手方向の縁部112と横方向のシール118とは、膨張可能な空洞120の境界を協働して画定する。図1に示されるように、各膨張可能な空洞120は、長手方向の膨張経路114に向かって開口する開口部125を介して長手方向の膨張経路114と流体連通(fluid communication)しており、本明細書でさらに説明するように膨張可能な空洞120の膨張を可能にする。
【0023】
いくつかの実施形態では、横方向のシール118は、膨張可能な空洞120に向かって延びる1つ以上のノッチ(notch)128を有する。図1に示されるように、対向するノッチ128は、隣接する一対の横方向のシール118に沿って長手方向に整列し、膨張可能な空洞120内の複数の空洞部分130を画定する。ノッチ118は、容易に曲げられ、または折り畳まれる可撓性構造物100の可撓性を高める屈曲可能な線を形成する。このような可撓性により、フィルム100は、規則的および不規則な形状の物体を包むことができる。空洞部分130は、隣接する空洞部分130と膨張経路114で流体連通している。
【0024】
一連の弱い線126(lines of weaknesses)は、フィルムの長手方向の範囲に沿って配置され、フィルム100の第1および第2の層を横切って横方向に延びる。各横方向の弱い線126は、第2の長手方向の縁部112から第1の長手方向の縁部110に向かって延びる。可撓性構造物100の各横方向の弱い線126は、一対の隣接する空洞120の間に配置される。好ましくは、図1に示されるように、各弱い線126は、2つの隣接する横方向のシール118の間に配置され、2つの隣接する空洞120との間に配置される。横方向の弱い線126は、隣接する膨張可能な緩衝材120の分離を容易にする。
【0025】
横方向の弱い線126は、当業者に公知の種々の弱い線を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、横方向の弱い線126は、ミシン目の列を有し、ミシン目の列は、スリットとスリットを有しない領域(land)とを列の横方向の広がりに沿って交互に有する。スリットを有しない領域とスリットとは、列の横方向の範囲に沿って規則的または不規則な間隔で配置されてもよい。また例えば、いくつかの実施形態では、横方向の弱い線126は、可撓性構造物に形成された分割線(score line)などを有してもよい。
【0026】
また、横方向の弱い線126は、当業者に公知の種々の技術から形成されてもよい。このような技術は、切断(例えば、バー、ブレード、ブロック、ローラー、ホイールなどの切断要素または歯付き要素を使用する技術)、および/または、スコアリング(scoring)(例えば、電磁的(例えば、レーザー)スコアリングおよび機械的スコアリングなどのように第1および第2の層の材料の強度または厚さを減少させる技術)を含んでもよいが、これに限られるものではない。
【0027】
好ましくは、膨張可能な空洞120の横方向の幅129は、幅3インチから幅約40インチであり、より好ましくは幅約6インチから幅約30インチであり、最も好ましくは幅約12インチである。弱い領域126の間の長手方向の長さ127は、少なくとも約2インチから約30インチであり、より好ましくは少なくとも約5インチから約20インチであり、最も好ましくは少なくとも約6インチから約10インチでもよい。さらに、空洞120の各膨張した高さは、少なくとも約1インチから約3インチであり、最も好ましくは約6インチでもよい。他の適切な寸法を使用してもよいことが理解される。
【0028】
本特許請求の範囲に示される可撓性構造物の実施例については本明細書に記載されているが、他の膨張可能な可撓性構造物を本明細書に記載の他の実施形態と実施例とに組み合わせて使用してもよいことが理解される。
【0029】
ここで図2A-3Cを参照すると、非膨張状態の材料の可撓性構造物100を一連の膨張ピロー(pillow)または緩衝材120に変換する膨張シーリング装置102が設けられている。図2Aに示されるように、非膨張状態の可撓性構造物100は、ロール軸136の上に設けられた材料134のロールでもよい。ロール軸136は、材料134のロールの中心を収容する。トレイ、固定スピンドル、または複数のローラーのような、ロールを支持するための代替構造を使用してもよい。
【0030】
可撓性構造物100は、駆動機構により引っ張られる。いくつかの実施形態では、ガイドローラーなどの中間部材がロール134と駆動機構との間に配置されてもよい。例えば、オプションのガイドローラーは、ハウジング141から略垂直に延びてもよい。ガイドローラーは、材料のロール134から離れて材料が処理される材料経路「B」に沿って可撓性構造物100をガイドするように配置されてもよい。一実施例では、ガイドローラーは、膨張ノズル140とロール134との間にたるみが生じないように、材料134の制御を補助することができるダンサーローラーでもよい。
【0031】
ロール134からほどけるときに可撓性構造物100が束になることを防止または抑制するために、ロール軸136には、ロール134から自由にほどけることを防止または抑制し、ロール134から安定して制御された速度でほどけることを保証するためのブレーキが設けられている。しかし、本明細書で説明されるように、ブレーキ、ガイドローラー、または可撓性構造物の供給機構の使用に加えてまたはその代替として、可撓性構造物100をシーリング機構103の一部であるピンチ領域176に向かってガイドするために、他の構造が使用されてもよい。いくつかの実施形態によると、図2-4に示されるように、可撓性構造物100は、ロール134からノズル140に直接引っ張られてもよい。この構成は簡略化の点で好ましいが、他の構成が設けられてもよい。例えば、可撓性構造物100は、ガイドローラー138に沿って垂れ下がったり、跳ね上がったり、流れたり、ピンチ領域176との整列から外れたり、張ったり緩んだりと交互に変化したり、進行中の他の変動を受けやすくなるので、膨張シーリングアセンブリ132は、これらの変動を補償するために適切な調整機能を備えてもよい。例えば、ノズル140は少なくとも部分的に可撓性を有してもよく、これにより構造物がノズル140に向かっておよびその上に供給されるときに、可撓性構造物100が近づく方向にノズル140を適合させることができ、可撓性構造物100をノズル140に向かって、またはノズル140の上に供給されるときに生じる供給角度、方向、および他の変動を補償するか、または、それに適合するようにノズル140を動作させることができる。
【0032】
膨張シール装置102は、膨張シーリングアセンブリ132を有する。好ましくは、膨張シーリングアセンブリ132は、可撓性構造物100がロール134からほどけるにつれて、可撓性構造体100を連続的に膨張させるように構成される。好ましくは、ロール134は、直列に配置された複数の空洞120を有する。可撓性構造物100から膨張ピローを製造し始めるために、可撓性構造物100の膨張開口部116は、膨張ノズル140のような膨張アセンブリの周りに挿入され、材料経路「E」に沿って進行する。図2A-3Cに示されるいくつかの実施形態では、好ましくは、可撓性構造物100は膨張ノズル140の上を進行し、空洞120は膨張ノズル140と側部排出口(side outlets)146とに対して横方向に延びる。可撓性構造物100が材料経路「E」に沿って長手方向に進行するときに、側部排出口146は、ノズル基部144に対して横方向の流体を空洞120に向けて空洞120を膨張させる。そして、膨張した可撓性構造物100は、シール領域174内のシーリングアセンブリ103によりシールされ、膨張ピローまたは膨張材がつながったものを形成する。
【0033】
また、側部膨張領域168は、側部排出口146に隣接する経路「E」に沿った膨張シーリングアセンブリの一部として示されており、側部排出口146では、側部排出口146からの空気が空洞120を膨張させている。いくつかの実施形態では、膨張領域168は、膨張先端部142とピンチ領域176との間に配置された領域である。可撓性構造物100は、ノズル先端部142で膨張ノズル140の周囲に挿入され、ノズル先端部142は膨張ノズル140の最先端部に配置される。膨張ノズル140は、ノズル排出口を通じて非膨張状態の可撓性構造物100に圧縮空気のような流体を送り込み、材料を膨張ピローまたは緩衝材120に膨張させる。例えば、図6Aと6Dとに示されるように、膨張ノズル140は、流体注入口(fluid inlet)143aから注入される流体供給源(fluid source)と1つ以上のノズル排出口(例えば、側部排出口146)とを流体的に接続するノズル膨張経路143を有してもよい。他の構成では、流体は他の適切な加圧ガス、発泡体、または液体でもよいことが理解される。ノズルは、延長部分を有してもよい。延長部分は、ノズル基部144、可撓性部分142a、および先端部142のうちの1つ以上を有してもよい。延長部分は、可撓性構造体をピンチ領域176にガイドしてもよい。同時に、ノズルは、1つ以上の排出口を通じて可撓性構造体を膨張させてもよい。1つ以上の排出口は、膨張経路143からノズル基部144(例えば、排出口146)、可撓性部分142a、または先端部142のうちの1つ以上から外に出ていてもよい。
【0034】
図4A-Bに示されるように、側部排出口146は、ノズル基部144に沿って膨張先端部142から長手方向に向かって延びてもよい。いくつかの実施形態では、側部排出口146は、膨張可能な空洞120をシーリングするまで膨張させ続けるシーラーアセンブリに近接しまたは一部の構成では重なっている。これにより、シール前に膨張可能な空洞120に送り込む流体の量を最大にすることができ、デッド空洞(dead chambers)、すなわち十分な量の空気を有しない空洞の量を最小にすることができる。しかし、他の実施形態では、スロット排出口146は、入口ピンチ領域176を通じて下流に延びてもよく、排出口146から出る流体の部分は可撓性構造物100に向けられてもよい。本明細書で使用される上流および下流という用語は、可撓性構造物100の移動方向に対して使用される。可撓性構造物の始点は上流であり、可撓性構造物が膨張し、シールされ、冷却され、膨張シール装置から取り外されるときに下流に流れる。
【0035】
側部排出口146の長さは、先端部142と入口ピンチ領域176との間の膨張ノズル140の長さの一部に重なって延びる長さを有するスロットでもよい。一実施例では、スロットの長さは、入口ピンチ領域176の先端部142からの距離の半分未満でもよい。他の実施形態では、スロットの長さは、先端部142からピンチ領域176までの距離の半分より大きくてもよい。他の実施形態では、スロットの長さは、先端部142からピンチ領域176までの距離の約半分でもよい。例えば、側部排出口146は、膨張ノズル140の長さの少なくとも約30%、いくつかの実施形態では、膨張ノズル140の長さの少なくとも約50%の長さ、または膨張ノズル140の長さの約80%膨張ノズル140の長さ169を有するが、他の関連性のある長さを使用してもよい。側部排出口146は、空洞120および空洞部分130を膨張させるために、各空洞120の開口部125を通じて膨張ノズル140に対して横方向にノズル基部144の側面から流体を排出する。
【0036】
また、ノズル140を通る流体の流量は、典型的には約2cfmから15cfmであり、例示的な実施形態では、約3cfmから5cfmである。例示的な実施形態では、約14cfmから20cfmの送風機を有する。しかし、はるかに大きな風量を使用してもよく、例えば、より高い流量の流体が使用されるときは、1100cfmの風量を有する送風機などが使用されてもよい。
【0037】
ノズル140は、固定された長手方向軸Xを有する部分と移動可能な長手方向軸Yを有する部分とをさらに有してもよい。ノズル140は、ノズル140を移動経路「E」に対して調整可能にする可撓性部分142aを有してもよい。可撓性構造物100が近づき膨張開口部116が先端部142に係合すると、可撓性芯(flexible core)147は、たわみ、膨張経路114がノズル140の上を容易に横に移動するような膨張開口部116の向きに適合してもよい。同様に、動作中に可撓性構造物100が整列から外れて移動すると、可撓性芯147はたわみ、膨張チャネル114の向きに適合してもよい。ノズル140と膨張アセンブリとは、他の実施形態にしたがって構成されてもよい。
【0038】
材料が先端部の上に押し込まれるとき、膨張ノズルの先端部は、先端部の膨張経路内の層を開き、層を分離するために使用されてもよい。例えば、可撓性構造物が従来の膨張ノズルの上に引っ張られると、伝統的な膨張ノズルの先端部が層を互いに分離する。
【0039】
側部排出口146のような側部の排出口に加えて、またはそれがない場合には、長手方向の排出口を設けてもよく、長手方向の排出口は、長手方向の排出口の下流で、膨張ノズル140のノズル基部144のノズル壁の長手方向の縁部に沿っていてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、膨張ノズル140は、水平に、上方に角度をつけて、下方に角度をつけて、またはそれらの間の変形態様で配置されてもよい。他の実施形態では、ロール134が可撓性材料100を分配し、シーリングアセンブリ134が可撓性材料100を処理する角度に適合する方向に向けてシーリングアセンブリの材料経路「E」をノズル140に近づけて配置するように、膨張ノズル140は角度をつけてもよい。膨張ノズル基部144およびその長手方向軸Xは、シーリングアセンブリに対して接線方向に整列されてもよい。ノズル140は可撓性でもよく、その結果、可撓性構造物100が近づく態様を変形することが可能となる。
【0041】
図2A-4Bは、膨張シーリングアセンブリ132の側面図を示す。図に示されるように、流体供給源は、ハウジングプレート184、またはノズルおよびシーリングアセンブリのための他の構造支持体の後方に配置されてもよく、好ましくは、膨張ノズル140の後ろに配置されてもよい。図4Aに示されるように、ハウジングプレート184は、シーリングおよび膨張アセンブリ開口部184aを有する。流体供給源は、流体膨張ノズル導管143(fluid inflation nozzle conduit)に接続され、流体膨張ノズル導管143に供給される。可撓性構造物100は、膨張ノズル140の上に供給される。膨張ノズル140は、可撓性構造物を膨張シーリングアセンブリ132の方向に向ける。
【0042】
可撓性構造物100は、駆動機構160により膨張シーリングアセンブリ132を通って前進または駆動される。駆動機構160は、可撓性構造物がシステムを通じて駆動するように動作可能な1つ以上の装置を有する。例えば、駆動機構は、可撓性材料100を材料経路「E」に沿って下流方向に駆動するように動作可能な1つ以上のモーター駆動ローラーを有する。1つ以上のローラーまたはドラムが駆動モーターに接続され、1つ以上のローラーがシステムを駆動する。いくつかの実施形態によると、駆動機構160は、ベルトが可撓性構造物に接触することなく可撓性構造物100を駆動する。一実施例では、システム全体はベルトレスである。他の実施例では、システムは、可撓性構造体100と接触しない駆動要素の上にベルトを有する。他の実施例では、その他の実施例はさておき、システムはいくつかの駆動要素の上にベルトを有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、シーリングアセンブリ132は、駆動機構160を有する。駆動機構160は、少なくとも1つの圧縮要素162を有する。少なくとも1つの圧縮要素162は、曲げ軸162bの周りに沿って可撓性構造物を曲げるように動作可能な曲面162aを有してもよい。駆動機構160は、圧縮要素162に隣接して配置された他の圧縮要素161を有する。2つの圧縮要素161、162が一緒にピンチ領域176で可撓性材料100を受ける動作をするよう、圧縮要素162に対して圧縮要素161の位置が決められる。ピンチ領域176は、圧縮要素161と圧縮要素162とが可撓性構造物100に対して、その間に可撓性構造物100を挟むように配置される領域により画定される。
【0044】
また、駆動機構160は、他の圧縮要素163を有してもよい。圧縮要素163も、圧縮要素162に隣接して配置される。圧縮要素163と圧縮要素162との間の関係は、2つの圧縮要素162、163が、圧縮要素163と圧縮要素162とが接触して可撓性材料100に圧力を加える第2のピンチ178領域を形成する関係である。
【0045】
いくつかの実施形態によると、駆動システムは、第1のピンチ160の下流に配置される冷却経路を形成する。一実施例では、冷却経路は、曲面162aにより画定される。圧縮要素162に沿った曲面162aの周辺領域は、可撓性材料と直接係合する接触領域を形成する。以下により詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、周辺領域は円筒形であり、したがって周辺領域は円筒の外周領域である。他の実施形態では、周辺領域は、圧縮要素162を画定する形状の表面の外側領域である。いくつかの実施形態によると、圧縮要素162は、可撓性材料100の上に新たに形成された長手方向のシール112を可能にするピンチ領域176とピンチ領域178との間の経路を形成する。長手方向のシール112は、シーリングアセンブリ132の一部である加熱アセンブリ400により形成される。ピンチ領域178は、可撓性構造物を圧縮要素162の曲面162aに対して十分に隙間なく保持し、長手方向のシール112が冷却するにつれて流体を空洞120内に保持する。長手方向のシール112を冷却領域で保持することにより、長手方向のシール112での膨張した空洞内の空気圧により引き起こされる伸張および変形を制限する。曲面162aに沿った冷却領域に対するピンチ領域176および178により生じる保持圧力がないと、膨張した空洞内の空気圧のために長手方向のシール112の有効性が低下する。いくつかの実施形態によると、冷却領域は、シールするときに設定する長手方向のシール112が十分に冷却される程度に十分に長いので、膨張した空洞120内の空気圧は、長手方向のシール112’がその中に空気圧を保持する能力を超えて、長手方向のシール112を伸張または変形させない。冷却領域が十分に長くないときは、長手方向のシールは適切に設定されない。ピンチ領域176とピンチ領域178との間の角度が大きすぎると、膨張した材料はそれ自身の上に折り返される。したがって、湾曲面162aの周囲で測定された圧縮要素163と圧縮要素161との互いに対する位置は、可撓性材料がそれ自体と干渉することなく空洞圧力を保持するのに十分なシールを生成する位置でなければならない。
【0046】
いくつかの実施形態によると、湾曲表面162aと接触していないフィルムの表面は、冷却領域内の膨張シーリング装置の他の駆動構成と接触しない。このような構成により、こちらの側から材料の熱を逃がすことが可能となる。例えば、接触しない表面(free surface)は、ローラー、ベルト、加熱要素などと接触しない。接触しない表面を有するこれらいくつかの実施形態では、接触しない表面とカバーなどのガイド要素との間に何らかの偶発的な接触が生じることがあるが、冷却領域を通るフィルムと表面162aとの間の隙間のない表面により、これを最小限に抑えることができる。
【0047】
いくつかの実施形態によると、ピンチ領域178は、軸162aの周りで測定されたとき、ピンチ領域176から15°より大きい角度で配置される。このような実施形態では、圧縮要素161および163の曲率は、圧縮要素162の湾曲領域162aの半径よりも小さい。いくつかの実施形態では、ピンチ領域178は、軸162aの周囲で測定したときにピンチ領域176から少なくとも60°以上の角度で配置される。このような実施形態では、圧縮要素161および163の曲率の半径は、圧縮要素162の湾曲領域162aとほぼ同じ半径でもよい。他の実施形態では、圧縮要素161、163の曲率半径は、圧縮要素162の湾曲領域162aの半径より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、ピンチ領域178は、軸162aの周りで測定されたとき、ピンチ領域176から30°と180°との間に位置する。このような実施形態では、曲面162aは、約1と1/2cmと3cmとの間の半径を有するピンチ領域176と178との間で円筒形である。特定の例では、ピンチ領域178は、軸162aの周りで測定されたとき、ピンチ領域176から約90°に位置する。この例では、曲面162aまたは冷却ゾーンの半径は約3と1/4cmである。圧縮要素162の外面は、滑らかで連続的であることが好ましい。しかし、他の実施形態では、外面は、円錐形、凹形、または輪郭のある表面を有してもよい。
【0048】
また、上述の各実施形態および実施例において、ピンチ領域176および178は、圧縮要素161、162および163の互いに対する位置により画定することが理解される。このように、圧縮要素161と圧縮要素163との間の位置は、これらの位置が上述のピンチの位置にかかる相対位置を生成するように、その間の角度により同様に画定されてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態によると、圧縮要素161および163の一方または両方とも曲面を有する。一実施例によると、3つの圧縮要素161、162、および163は全て円筒形である。さらに特定の実施例では、圧縮要素161、162、および163のうちの1つ以上がローラーである。これらのローラーは、可撓性材料100を挟むニップローラーでもよい。このように、いくつかの実施例では、圧縮要素161もまた、軸162bの周りの回転軸を有するローラーである圧縮要素162とともに、第1のピンチ領域176を形成するローラーであってもよい。同様に、同じ実施例では、圧縮要素163もまた、軸162bを中心とする回転軸を有するローラーである圧縮要素162とともに、第2のピンチ領域178を形成するローラーであてもよい。この実施例では、ニップローラー161および162は、可撓性材料100をピンチ領域176に挟み、可撓性材料100とニップローラー162の外側周辺162aとの間の直接的な接触を維持しながら、ニップローラー163および162の間のピンチ領域178に当該材料を押し込む。
【0050】
いくつかの実施形態によると、各圧縮要素は、他の圧縮要素に対して様々に調整可能でもよい。このように、圧縮要素161は、圧縮要素162または163の少なくとも1つに対して調整可能でもよい。圧縮要素162は、圧縮要素161または163の少なくとも1つに対して調整可能でもよい。圧縮要素163は、圧縮要素161または162の少なくとも1つに対して調整可能でもよい。好ましい実施形態では、圧縮要素162は固定されており、1つまたは複数の圧縮要素161と163とが圧縮要素162に対して調整可能である。例えば、圧縮要素161は、圧縮要素162に対して調整可能である。他の実施例では、圧縮要素163は、圧縮要素162に対して調整可能である。第3の実施例では、圧縮要素161と163との両方は、圧縮要素162に対して調整可能である。種々の圧縮要素がその間に可撓性材料100を挟むために、種々の圧縮要素は互いに関連して調整され、開いている状態では圧縮要素の各々の間に隙間を形成し、閉じている状態では隙間を除去しまたは十分に小さな隙間を形成する。
【0051】
いくつかの実施形態によると、1つ以上の圧縮要素161、162、および163は、種々の圧縮要素161、162、および163の間で上述した調整を可能にする調整機構を有してもよい。互いに関連する様々な圧縮要素161、162、および163の調整は、手動、機械的、またはその2つの組み合わせにより達成されてもよい。この調整は、直線的、曲線的、または様々な圧縮要素間の制御された移動を可能にする任意の経路の組み合わせを有してもよい。
【0052】
図4A-Cに示されるようにいくつかの実施例によると、圧縮要素163は調整機構165の上に配置される。調整機構165は、圧縮要素163を、圧縮要素162のような他の圧縮要素に近づけたり遠ざけたりするように動かすことができる装置である。この調整により、可撓性材料100が隙間に嵌め込まれ圧縮要素163および162の間に挟まれるため、上述の隙間が生成されまたは減少する。種々の実施例では、調整機構165はレバー510を有する。レバー510は、軸512を中心に旋回可能である。例えば、レバー510はスタッド516に取り付けられた穴を有し、スタッド516およびレバーの穴は軸512において共通の軸を有する。圧縮要素163は、軸512から第1の距離に配置された第2の軸163bと共通の軸に取り付けられている。第2の軸163bは、圧縮要素163が旋回する実施形態では、圧縮要素163がその周りを回転することができるスタッド514により画定されてもよい。いくつかの実施形態によると、軸512の回りのレバー510の回転が圧縮要素163をピンチ領域178の圧縮要素162に対してほぼ半径方向に移動するように、軸512が配置される。
【0053】
いくつかの実施形態によると、圧縮要素163は、圧縮要素162に向かって付勢される。例えば、付勢機構520は、圧縮要素163が圧縮要素162に向かって付勢されるように、調整機構165を圧縮要素162に向かって付勢する。一実施例では、付勢機構520は、スタッド516の周りに配置されたねじりバネ(torsion spring)であり、ねじりバネの第1の端部は、ハウジング(例えば、ハウジングプレート184)から延びるスタッド518に接続し、ねじりバネ520の第2の端部は、レバー510に接続する。ねじりバネ520は、ねじりバネ520がスタッド516の反対側のレバーの端部を圧縮要素162の方に押すように配置される。圧縮要素163がスタッド516と反対側のレバーの端部に配置された状態で、圧縮要素163はスタッド516で軸512を中心に旋回し、圧縮要素162に押し付けられる。バネにより加えられる力は、圧縮要素163と圧縮要素162との間のバネの力のもとで可撓性材料を圧縮するように働く。この実施例および図4A-Cに示されるように、コイルバネ、引張りバネ、可撓性レバー、釣り合いおもり(counterweights)、または当該技術分野で公知または開発された任意の装置を有する他の付勢機構も使用できると理解される。
【0054】
図4A-Cに示されるようにいくつかの実施例によると、圧縮要素162は、調整機構164と同様の又は他の調整機構の上に配置される。調整機構164は、圧縮要素162を、圧縮要素162のような他の圧縮要素に近づけたり遠ざけたりするように動かすことができる装置である。この調整により可撓性材料100が隙間に嵌め込まれ圧縮要素162および161の間に挟まれるため、上述の隙間が生成されまたは減少する。いくつかの実施例では、調整機構164はレバー530を有する。レバー530は、単一の一体構造、または図4A-Cに示されるように複数の連結構造で作られてもよい。レバー530は、軸532を中心に旋回可能である。例えば、レバー530は、スタッド536に取り付けられた第1の端部に穴を有し、スタッド536およびレバーの穴は、軸532において共通の軸を有する。圧縮要素162は、軸532から第1の距離に配置された第2の軸162bと共通の軸に取り付けられている。種々の実施形態において、圧縮要素162は、レバー530(セクション530aまたは530bのいずれか)に直接取り付けられず、代わりにレバー530に対してクリアランス542に配置される。一実施例では、留め具(fastener)544は、レバー530に駆動モーター332(またはギアボックス、取り付けブラケットなど)を取り付け、圧縮要素162は、駆動軸162bに沿って駆動モーター332に取り付けられる。いくつかの実施形態によると、軸532の周りでレバー530が回転することにより、圧縮要素162をピンチ領域178で圧縮要素163にほぼ接線方向に、ピンチ領域176で圧縮要素161に略半径方向に移動するように、軸532が配置される。
【0055】
いくつかの実施形態によると、圧縮要素162は、圧縮要素161に向かって付勢される。例えば、付勢機構540は、圧縮要素162が圧縮要素161に向かって付勢されるように、調整機構164を圧縮要素161に向けて付勢する。一実施例では、付勢機構540は、スタッド539とスタッド538との間に配置された1つ以上の引張りバネを有する。スタッド538は、ハウジング(例えば、ハウジングプレート184)から延びて取り付けられ、スタッド539は、レバー530から延びて取り付けられる。このようにして、引張りバネは、スタッド538をスタッド539に向かって付勢する。引張バネ540は、引張バネ540がスタッド536の反対側でレバーの端部を圧縮要素161に向かって押し込むように配置される。スタッド536と反対側のレバー530の端部に配置された圧縮要素162とともに、圧縮要素162は、スタッド536で軸532を中心に旋回し、圧縮要素161に押し付けられる。付勢部材540によりおよぼされる力により、圧縮要素162と圧縮要素161とは、付勢部材540の力のもとで可撓性材料100を圧縮する。この実施例と図4A-Cに示されるように、コイルバネ、ねじりバネ、可撓性レバー、釣り合いおもり、または機械システムを付勢するのに適した当該技術分野で公知または開発された任意の装置を有する他の付勢機構も使用できると理解される。
【0056】
一実施形態によると、レバー530は、ブラケット530aとブラケット530bとを有してもよい。2つのブラケットは、ブラケット530aがプレート184の背後で軸532を中心に旋回し、ブラケット530bがプレート184を貫通して、またはプレート184とほぼ同一平面上に延在する少なくとも1つの面で旋回するように、互いに接続される。例えば、プレート184は、そこを通って延びる開口531を有してもよい。ブラケット530bは、この開口部531の途中まで、または開口部531を通って延びてもよい。好ましい実施形態では、ブラケット530の前面から延びる特徴部(feature)がプレート185の前面から延びる特徴部とほぼ同じ平面にある表面から延びるように、ブラケット530bの前面は、プレート185の前面とほぼ面一である。レバー530は、本明細書に記載された方法で動作する異なる前面を有する単一の一体形成されたレバーで作られてもよいことも理解される。他の実施形態では、レバー530は、プレート185の完全に後ろ、前、またはプレート185がない状態で動作可能である。
【0057】
いくつかの実施形態によると、調整機構164と調整機構165とは互いに係合して、一方の調整機構が移動して隙間を形成したり圧縮要素間の隙間を減少させたりすると、圧縮要素間に隙間を形成したり、または隙間を減少させたりする。例えば、図4Cに示されるように、レバー510は、旋回軸512と反対側のレバーの端部に形成された凹状ノッチ522とを有する。ノッチ522の一方の側面はランプ(ramp)524を有する。ノッチは十分大きいので、スタッド548がノッチ522の凹部に入りランプ524に係合することができる。一実施例では、軸163bは、ノッチ522と旋回軸512との間に配置される。種々の実施形態によると、スタッド548は、レバー530から旋回軸532の反対側のレバーの端部に延びる。図4Cに示されるように、レバー530が時計回りに回転すると、スタッド548がランプ524と係合して、レバーを時計回りにも回転させる力をレバー510に発生させる。レバー530を時計回りに回転させる力が解放されると、レバー530と510の両方がそれらの付勢部材により、それらの元の付勢位置に戻るように付勢される。このようにして、ユーザーがレバー530を回転させると、それぞれの圧縮要素の間のピンチ領域176および178とが解放され、これらのピンチ領域に隙間を形成する。隙間は、可撓性材料100が駆動機構160に挿入されるか、または除去されることを可能にする。メカニズム165の調整機構が、上述したものと逆の機構164の調整を自動的に引き起こすように、調整機構165および164の間の係合を逆転させてもよいことが理解される。
【0058】
いくつかの実施形態では、1つ以上の圧縮要素は、上述したニップローラーでもよい。各ニップローラーは、モーターにより直接駆動されてもよい。一実施例では、ニップローラー162は、モーター332により直接駆動される。一実施例では、ニップローラー161は、モーター330により直接駆動される。一実施例では、両方のニップローラー161および162は、各モーター330および332により直接駆動される。いくつか実施形態では、ニップローラーは、ニップローラー16と組み合わせて、ニップローラー162と組み合わせて、または両方のニップローラー161および162を組み合わせて、単独で駆動されてもよい。他の実施形態では、1つのモーターが、タイミングベルトのようなトランスミッションを介して1つ以上のニップローラーを駆動してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、膨張シーリング装置102は、膨張シーリングアセンブリ132の上に1つ以上のカバー(例えば、181および182)を有してもよい。カバー(例えば、181および182)は、可撓性構造物が第2のピンチ領域178を出た後に可撓性構造物を方向転換するように動作可能でもよい。例えば、カバーは、ピンチ領域178を出るときに可撓性材料100と接触し、可撓性材料100を圧縮要素162および163から分離して、可撓性材料100を任意の所望の方向に向けるたわみ面183を有する。カバーは、ローラーより硬い材料でもよく、可撓性材料100との係合または付着の傾向が比較的小さいように十分に滑らかで連続的なものでもよい。
【0060】
図2Dのように側面から見ると、圧縮要素161の別々の要素の間に延びる横方向において、加熱アセンブリ400は、ノズル140と空洞120との間に横方向に配置され、各横方向のシールを横切ってシールするように膨張する。いくつかの実施形態では、中央膨張経路を有してもよく、この場合、第2のシーリングアセンブリと膨張排出口が、ノズルの反対側に設けられてもよい。可撓性構造物に関する他の既知の配置、膨張ノズルおよびシーリングアセンブリの横方向の配置を使用してもよい。
【0061】
本明細書のいくつかの実施形態で説明したように、加熱アセンブリ400は、モーターまたは類似の動力源(motivational source)を通じて駆動される1つ以上の圧縮要素161および162に隣接して配置される。膨張後、可撓性構造物100は材料経路「E」に沿ってピンチ領域176に向かって進行し、ピンチ領域176はシーリングアセンブリ103に入る。ピンチ領域176は、隣接する圧縮要素161および162の間に配置される。ピンチ領域176は、流体が空洞120から漏れるのを防止し、加熱アセンブリ400によるシールを容易にするために、第1と第2の層105、107が一緒に押圧されまたは挟まれる領域である。
【0062】
加熱アセンブリ400は、ピンチ領域176を加熱するために、ピンチ位置に隣接して配置された加熱要素410を有してもよい。好ましい実施形態では、加熱要素410は、ピンチ領域176に配置される。本明細書に開示されたいくつかの実施形態では、ピンチ領域176に隣接する圧縮要素が回転してもよいが、一実施形態では、加熱要素410は固定された加熱要素である。しかし、他の実施形態では、加熱要素410は、圧縮要素とともに移動してもよく、圧縮要素とともに静止していてもよく、または圧縮要素の動きに対して動いてもよい。上述したように、ピンチ領域176は、圧縮要素161と162とが互いに接触している領域、または可撓性材料100と接触している領域である。圧縮要素161と162とは、層105と107とを隙間なく挟むまたは圧迫するのに十分な張力を有する。この圧縮はまた、層105、107を加熱アセンブリ400に押し付けてもよい。ピンチ領域176を通る間、前または後に、第1と第2の層105、107は、加熱アセンブリ400により一緒にシールされ、ピンチ領域176から出る。加熱要素410は、2つの層105、107、または他のタイプの溶接またはシーリング要素を溶融、融着、接合、結合、または一体化する熱電対で形成することができる。好ましい実施形態では、加熱要素410は静止している。他の実施形態では、加熱アセンブリは、加熱要素410が移動可能なローラーでもよい。他の実施形態では、加熱アセンブリは、シールを形成するように動作可能な加熱ベルトを有してもよい。例えば、ベルトは、圧縮要素の1つ以上を包んでもよい。ベルトはまた、シールの冷却領域における接触を回避してもよい。
【0063】
好ましくは、可撓性構造物100は、シーリングアセンブリ103を通って材料経路「E」に沿って連続的に進行し、第1と第2の層105、107を一緒にシールすることにより可撓性構造物100に沿って連続的に長手方向のシール170を形成するために、領域176の加熱アセンブリ400を通過する。可撓性構造物100は、圧縮要素162との接触を維持しながら、ピンチ領域176を出る。可撓性構造体100は、圧縮要素162の表面に沿って、図2A-Dに示されるように、第1のピンチ領域176の下流に配置された第2のピンチ領域178まで続く。シーリング領域174は、可撓性構造物100が加熱アセンブリ400によりシールされている第1のピンチ領域176に近接する領域である。図1では、長手方向のシール112は、仮想線として示されている。好ましくは、長手方向シール112は、第1の長手方向縁部102、106から横方向に離れて配置され、最も好ましくは、長手方向のシール112は、各空洞120の開口部125に沿って配置される。
【0064】
好ましい実施形態では、加熱アセンブリ400と1つ以上の圧縮要素161、162は、第1のピンチ領域176で第1と第2の層105、107を加熱アセンブリ400に対して協働して押圧または挟み込んで2つの層をシールする。シーリングアセンブリ103は、加熱要素400に対して圧縮要素162からの圧力を利用して、間に層105、107を十分に押圧または挟み込んでもよい。いくつかの実施形態ではば、圧縮要素161、162および/または163は、圧縮要素と可撓性構造物100との間の圧力が可撓性構造物の位置を制御することを可能にする可撓性弾性材料を有する。いくつかの実施形態では、圧縮要素の外面はエラストマー材料でもよい。例えば、圧縮要素の外面は、約1/4インチの厚さを有する高温ショアA45デュロメーターシリコーンゴム(high temperature shore A45 durometer silicone rubber)でもよい。他の材料または厚さを使用してもよい。例えば、1つ以上の圧縮要素は、ポリテトラフルオロエチレンもしくは同様のポリマー、または低摩擦材料などの低摩擦外面を有してもよい。
【0065】
図2A-Dに示されるようにいくつかの実施形態では、可撓性構造物100は、第1ピンチ領域176でシールアセンブリ103に下向きの角度で入る。しかし、他の実施形態では、可撓性構造物100は、水平に対して代替的な角度でピンチ領域176においてシーリングアセンブリ103に入ってもよい。例えば、図3A-Cは、ピンチ領域176への経路をより水平にすることを示す。さらに、可撓性構造物100は、水平面に対して上方に傾いた角度でシールアセンブリ103を出て、可撓性構造物100がユーザーに向かって上向きに出ている(図2A-D参照)。図3A-Cに示されるように、水平方向及び垂直方向への離脱も本明細書では意図される。
【0066】
いくつかの実施形態によると、膨張シーリングアセンブリ132は、可撓性構造を切断するための切断アセンブリ300をさらに有してもよい。切断アセンブリ300は、空洞の第1の長手方向の縁部101と開口部125との間で第1および第2の層105、107を切断してもよい。いくつかの構成では、切断アセンブリ300は、可撓性構造物100を切断して可撓性構造物100の膨張経路114を開き、第1および第2の層105、107を膨張ノズル140から取り外してもよい。
【0067】
図4Bに示されるように、切断アセンブリ300は、切断エッジ312を有するブレード310と、ブレード310を保持する切断トレイ320などの切断装置または切断部材とを有してもよい。好ましくは、切断部材は、トレイ320の上に取り付けられる。他の実施形態では、切断トレイ320を省略してもよく、ブレード310を膨張ノズル140に隣接して配置するために他の適切な機構を使用することができることが理解される。好ましくは、切断部材は、可撓性構造物100が材料経路「E」に沿って縁部を通過して移動するときに可撓性構造物100を切断するのに十分なものである。いくつかの実施形態では、ブレード310またはナイフは、ブレード310の離れた端に、鋭利な刃先312と先端部314とを有する。実施形態に示されるように、好ましくは、刃先312は膨張ノズル140に向かって上方に傾斜しているが、他の構成の刃先312を使用してもよい。
【0068】
図4Bに示されるように、切断トレイ320は、ブレード310を保持する。これは、磁気的に、留め具で、または既知の他の方法により行うことができる。いくつかの実施形態では、切断アセンブリ300は、米国特許出願公開第13/844,658号明細書に記載されているような固定アセンブリまたは可動アセンブリでもよい。ブレード310は、ノズル基部144の上のスロット211と係合してもよい。この係合により、ノズル基部144に対してブレード310の位置が決まり、可撓性構造物100がノズル基部144の上を移動するときに、可撓性構造物がブレード310と係合し、これにより切断される。本明細書で提供される開示とともに、他の切断システムを利用することができると理解される。切断アセンブリ300が示されているが、他の実施形態では、固定カッター、回転カッター、または当該技術分野でよく知られている他のカッターのような従来のカッター構成を使用してもよい。
【0069】
本明細書に記載された、いくつかの他の実施形態または実施形態の組み合わせは、他のタイプのフィルムの取扱い装置および膨張シーリング装置にも使用できることが理解される。一例は、米国特許第8,061,110号明細書および米国特許第8,128,770号明細書、米国特許出願公開第2011/0172072号明細書および米国特許出願公開第13/844,658号明細書に開示されている。
【0070】
本願明細書において具体的に特定された任意のおよび全ての参考文献は、その全体を参照することにより明示的に本明細書を構成する。本明細書で使用される「約」という用語は、一般に、対応する数およびある範囲の数の両方を指すと理解すべきである。さらに、本明細書におけるすべての数値範囲は、範囲内の各整数全体を含むと理解すべきである。
【0071】
本明細書のいくつかの実施形態を説明したが、当業者であれば、様々な変更、代替構成、および均等物を使用できることを理解できる。いくつかの例および実施形態は、別々に使用されてもよく、またはそれらを混合し組み合わせて、代替案の反復(iteration)を形成してもよい。また、多くの周知のプロセスおよび要素は、本開示の焦点を不必要に不明瞭にすることを避けるために記載されていない。したがって、上記の説明は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者であれば、本開示の実施形態は、限定ではなく例として教示することが理解される。したがって、上記の説明に含まれるか、または添付の図面に示される事項は、例示的なものであり、限定的な意味ではないと解釈されるべきである。以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された全ての一般的かつ具体的な特徴を含むとともに、文言上、本発明の方法およびシステムの範囲に含まれる全ての記述を含むものといえる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C