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特許7025363カテーテルを直線化する手段を含むカテーテルパッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】カテーテルを直線化する手段を含むカテーテルパッケージ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/01 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
A61M25/01
【請求項の数】 1
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019030702
(22)【出願日】2019-02-22
(62)【分割の表示】P 2017522989の分割
【原出願日】2015-10-29
(65)【公開番号】P2019115674
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2019-03-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】62/073,710
(32)【優先日】2014-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】エドワード エイチ.カリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エル.ゴーフリッチ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ジー.ハーディー
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド ピー.トーレス
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】井上 哲男
【審判官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-527295(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2106821(EP,A1)
【文献】特許第4131608(JP,B2)
【文献】特表2016-510640(JP,A)
【文献】国際公開第02/15970(WO,A1)
【文献】特開2005-312976(JP,A)
【文献】特表2010-512964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシャフトを直線化するための装置であって、前記装置は
カテーテルシャフトを収容するように形成されたカテーテルパッケージ、ここで、前記カテーテルシャフトの少なくとも一部が第一の方向に曲げられていて、第一の曲げ半径を画定する;および
前記カテーテルパッケージに物理的に結合しているカテーテルシャフト経路部分、ここで、前記カテーテルシャフト経路部分は、少なくとも1つの隆起部を有する少なくとも1つのリバーサルを含むヒンジで連結されたまたは折り畳み可能なフラップを含み、前記ヒンジで連結されたまたは折り畳み可能なフラップは、前記ヒンジで連結されたまたは折り畳み可能なフラップが閉じて、前記カテーテルシャフトの片側に1つの隆起部が位置し、そして反対側に他の隆起部が位置するのに応じて、前記カテーテルシャフトが前記カテーテルシャフト経路部分を通過するときに、第一の方向とは反対の第二の方向にカテーテルシャフトを曲げるように構成されている、
を含む装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カテーテルパッケージ、より特にカテーテルを直線化するためのカテーテルパッケージおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最小限に抑えた侵襲性の血管手術において使用されるデバイスは一般的に、患者の循環系への遠隔からの接近および送達のためのカテーテルに備え付けられる。接近部位が治療部位またはデバイス送達部位に対して意図的に遠隔にあるので、カテーテルの長さはかなり長い。渦巻き形状で長いカテーテルをパッケージし、そして保存することにはいくつかの利点がある。渦巻き状態でパッケージ化カテーテルは、長くまっすぐ伸びた状態よりむしろ、製造において、滅菌チャンバー内で、運搬および出荷において、ならびに使用場所にて棚上でスペースを節約する。より小さいパッケージはまた病院の廃棄物も削減する。
【0003】
カテーテルおよびカテーテルパッケージは、熱可塑性物質ファミリーの生体適合材から一般的に製造されている。本明細書の目的のために、「熱可塑性物質」という用語は、特定の温度を上回ると繰り返し柔らかく、柔軟になり、そして冷めた時点でより硬い状態に戻り得る可塑性材料を指す。熱可塑性物質は、ストレス下で変形する傾向があり、これにより、渦を巻いた状態でパッケージ化カテーテルは時間と共にパッケージの形状を有するようになる傾向があり、そして、曲げ歪みがついて曲げ半径を有することが多い。結果として生じた変形は、滅菌チャンバーや、貯蔵期限の間にさえ見られる環境などの温熱環境下で加速することもある。
【0004】
典型的な血管内手術において、患者の血管系への最初の導入部位には、イントロデューサーシースおよび留置ガイドワイヤーが含まれる。意図したインプラントおよびその送達カテーテルが、ガイドワイヤーに備え付けられ、そして、イントロデューサーを通り抜けて渡ってゆく。湾曲状態に歪められたまたは湾曲形状を有する堅いカテーテルシャフトは、この時点での制御された挿入を困難にし、その結果、宿主血管に対する不注意な傷害および外傷の危険に患者を晒す。そのため、湾曲形状でパッケージ化カテーテルから曲げ歪みを取り除くためのデバイス、システム、および方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、カテーテルパッケージから取り出す間またはその後にカテーテルシャフトの曲げ歪みを取り除く、あるいは直線化する(straightening)ためのカテーテルパッケージ、ツール、および方法に概ね関する。
【0006】
いくつかの実施形態において、曲げ歪みを有するカテーテルシャフト(すなわち、湾曲を呈する傾向があるもの)を直線化することは、曲げ歪みに対して逆方向にカテーテルを曲げる傾向があるリバーサル(reversal)(カテーテル直線化装置)を含むパッケージの経路部分にシャフトを通すことによって達成される。カテーテルシャフト経路には、例えばカテーテルシャフトの曲げ歪みおよび湾曲に逆らってまたはその逆方向にシャフトを曲げるのを助ける、例えば隆起、細長い隆起、ピン、ローラー、または管部材などの様々なリバーサル機構を組み込んでもよい。いくつかの実施形態において、リバーサル機構は、(例えば、自由に回転するローラーの場合に)曲げプロセス中に生じる摩擦を低減する。いくつかの実施形態において、カテーテルパッケージは、カテーテルパッケージに入れたカテーテルシャフトの曲げ半径を増大する、または渦巻き状のまたは別の形での湾曲部分を直線化することを更に助ける熱源を含む。他の実施形態において、曲げ歪みがカテーテルシャフトの1若しくは複数の部分で所望される場合(すなわち、カテーテルシャフトが1若しくは複数の部分で湾曲を呈することが所望される場合)、カテーテルシャフト経路は、実際にはカテーテルシャフトの一部に湾曲を与えるのに使用されてもよい。
【0007】
「カテーテルシャフトの湾曲部分を実質的に直線化する」という語句は、本明細書中で使用される場合、所定の曲げ半径を有するパッケージ化カテーテルシャフトの湾曲部分が、カテーテルパッケージのリバーサルまたは直線化装置に湾曲部分を通すことによって、曲げ半径または曲率半径が少なくとも倍になる程度まで直線化する手段を意味する。「カテーテルシャフトの湾曲部分を少なくとも部分的に直線化する」という語句は、本明細書中で使用される場合、所定の曲げ半径を有するパッケージ化カテーテルシャフトの湾曲部分が、カテーテルパッケージのリバーサルまたは直線化装置に湾曲部分を通すことによって、少なくとも曲げ半径または曲率半径が少なくとも10パーセント増大するという程度まで直線化される手段を意味する。
【0008】
本開示は、カテーテルシャフトを直線化するための装置を含み、そして、その装置は、カテーテルシャフトを含むように形成されたカテーテルパッケージ、ここで、該カテーテルシャフトの少なくとも一部が第一の方向に曲げられるかまたは湾曲して第一の曲げ半径を画定する;およびカテーテルパッケージに物理的に結合しているカテーテルシャフト経路であって、カテーテルシャフトが該カテーテルシャフト経路を通過するときに、第一の方向とは反対の第二の方向にカテーテルシャフトを曲げるように構成された少なくとも1つのリバーサルを含むカテーテルシャフト経路、を含む。本開示は:曲げ半径を有する湾曲状態に歪んだカテーテルシャフトを有するカテーテル;湾曲形状でカテーテルシャフトを保持するように構成されたカテーテルパッケージ;およびカテーテルシャフトをスライド可能に受けるストレイテナー(straightener)であって、かつ、カテーテルシャフトが該ストレイテナーを通過してスライドする際に曲げ半径を増大するように構成された少なくとも1つのリバーサルを含むストレイテナー、を含むカテーテルパッケージを含む。
【0009】
当該開示はまた、ある曲げ半径を有する湾曲部分を画定する湾曲状態に歪んだカテーテルシャフトを有するカテーテルの入ったカテーテルパッケージであって、直線化装置を含んでいるカテーテルパッケージを選択し、そして、該直線化装置を通してカテーテルシャフトの湾曲部分を引き出して、曲げ半径を増大させること、を含むカテーテルパッケージに含まれたカテーテルシャフトを直線化する方法も含む。
【0010】
様々な特徴および利点を先にまとめたが、更なる機能および利点もまた、当該開示において企図される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付図面は、開示の更なる理解を提供するために含まれ、そして、この明細書の中に組み込まれ、かつ、その一部を構成し、実施形態を例示し、および明細書と共に開示の様々な原理について説明するのに役立つ。
【0012】
図1図1は、直線化装置を含む血管内デバイスパッケージ(例えば、カテーテルパッケージ)に関する透視図を示す。
【0013】
図1A図1Aは、直線化装置に利用された成形隆起部の詳細図を示す。
【0014】
図1B図1Bは、直線化装置に利用された一連のピンの詳細図を示す。
【0015】
図1C図1Cは、直線化装置に利用された一連のローラーの詳細図を示す。
【0016】
図1D図1Dは、凹凸を付けたローラーの詳細図を示す。
【0017】
図2A図2Aは、パッケージ内の渦巻き状のカテーテルの平面図を示す。
【0018】
図2B図2Bは、パッケージから引き出されるカテーテルの平面図を示す。
【0019】
図2C図2Cは、パッケージから取り出されたカテーテルの平面図を示す。
【0020】
図3図3は、直線化装置を含むカテーテルパッケージの概略図を含む。
【0021】
図4図4は、いくつかの実施形態による取り外し可能な直線化装置の概略図である。
【0022】
図5図5は、いくつかの実施形態による直線化装置の概略図である。
【0023】
図6図6は、いくつかの実施形態による発熱体を伴った直線化装置の概略図である。 詳細な説明
【0024】
当業者は、本開示の種々の態様が、意図した機能を発揮するように構成されたいろいろな方法および装置によって実現され得ることを容易に理解する。本明細書中で言及された添付図面が必ずしも原寸に比例して描かれているわけではなく、本開示の種々の態様を例示するために誇張されている可能性があり、そのことに関して、図面が制限するものとして理解されるべきではないことにも注意しなければならない。
【0025】
いくつかの実施形態によると、図1はパッケージ100を示す。カテーテルは、カテーテルを保持するかまたは含む形状をしたパッケージ100の部分を用いてこのパッケージ100内に配置されてもよい。例えば、カテーテルの長さの大部分がカテーテルホルダー110内に渦巻き状の形状で保存されてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルハブまたはハンドルは、隣接するくぼみ120の中でパッケージ100内に配置される。
【0026】
図1に見られるように、パッケージ100の一部が溝130を含んでおり、そこから、カテーテルシャフトはカテーテルホルダー110を出て、くぼみ120に接続する。この領域では、直線化装置(例えば図1A~1Cで示した直線化装置200など)を収容するためのスペース208がパッケージ100に組み込まれる。カテーテルを取り出す間、技術者、臨床医、または他の使用者が、ハブまたはハンドルをくぼみ120から取り出し、そして、パッケージ100からカテーテルを引き出し始める。適用される張力が、カテーテルホルダー110内のカテーテルシャフトがほどかれ、そして、スペース208内に配置された直線化装置を通過する原因となる。
【0027】
図1Aで更に詳細に見られるように、直線化装置200は、一連の隆起部210、柱、節、またはリバーサルを含んでもよく、そしてカテーテルがそれらを通過するとき、カテーテルを歪ませる原因となる。本明細書中、「リバーサル」という用語は、カテーテルシャフトがこれまで巻きついていたのと反対側に対向する力をかける手段を示すことを意味し、そしてそれは、湾曲または渦巻き形状への歪みをカテーテルシャフトから完全または部分的に取り除く。言い換えれば、リバーサルを通してカテーテルシャフトの一部を引き出すことで、カテーテルシャフトのその部分のそれまでの湾曲したまたは渦巻き形状は完全または部分的に打ち消される。これらの隆起部210のサイズ、形状、および配置は、例えば、カテーテル外径のサイズ、渦巻き半径、およびカテーテル材料に合わせられる。隆起部210について固定された位置が一般的に示されているが、調節可能な配置、調節可能なサイズ(例えば、異なった直径の隆起部への置換)、およびその組み合わせも所望であれば適切であることが企図される。カテーテルに張力をかけることによって、カテーテルが直線化装置200を通して引き出される、そこでは、湾曲状態への歪みまたは湾曲形状が打ち消される。
【0028】
「渦巻き」、「渦を巻いた」、「曲がった」、「カールした」、「湾曲させる」、または「湾曲した」といった用語は、カテーテルシャフトおよびそれらがパッケージされる様式を記載しているこの文書を通じて使用されるが、パッケージの設置面積を低減するあらゆる形状が開示の範囲内にあることが理解されるべきである。例えば、折り返されて、180度曲げられたカテーテルシャフトの長さは、カテーテルシャフトに与えられた望ましくない湾曲をもたらし(すなわち、カテーテルシャフトはひとりでに湾曲形状を呈するように歪められる)、そしてそれは、直線化装置200によって直線化の利益を受ける可能性がある。このように、「渦巻き」、「渦を巻いた」、「曲がった」、「カールした」、「湾曲させる」、または「湾曲した」といった用語は、カテーテル全体の最大長より短い長さのパッケージ内にパッケージされるのを可能にするカテーテルシャフトのあらゆる操作を含むように広く読まれなければならない。「渦巻き」、「渦を巻いた」、「カールした」、「湾曲させる」、または「湾曲した」といった用語としては、これだけに限定されるものではないが、カテーテルが少なくとも約270度の湾曲によって、ならびに2以上の完全な360度のカーブによって曲げられる形状が挙げられる。螺旋状に曲がった形状もまた渦巻きであると見なす。
【0029】
図1Bは、固定化ピン220としてのリバーサルを示す。先に記載したように、固定化ピン220は、図1Aの成形隆起部210と同様の機能を有する。図1Cは、軸の周りを回転できるローラー230の形態でのリバーサルを示す。ローラー230の直径は、それらがカテーテルの経路に影響し得るように設計されている。いくつかの実施形態において、カテーテルシャフトがローラー230伝いに通過するとき、曲げ歪みは、少なくとも部分的に打ち消され、そして、カテーテルは比較的直線形状で出てくる。図1Dに示されているように、ローラー230は、平滑仕上げを有してもよく、またはカテーテル材料が伸びるまたは縮むのを助けるような構造250を含んでもよい。内径(内弧)に沿った材料の延伸、外径(外弧)に沿った材料の圧縮、またはカテーテルシャフトの反対側での同時の延伸および圧縮の両方の実施が、カテーテルシャフトの湾曲状態または渦巻き形状を伴うそれまでの歪みを打ち消すのを助ける。
【0030】
ピン、隆起部、およびローラーの組み合わせが一緒に使用されてもよいこともまた明らかである。例えば、カテーテルシャフトの反対側に一つの対立するローラーと共に、一対のピンがカテーテルシャフトの片側で使用されてもよい。加えて、例えば曲率半径の増大などの所望の曲げ半径の増大または曲率の低減のために使用者によって選択されるリバーサル機構(例えば、様々な直径の軸受筒または様々な直径のローラー)の選択を含み得ることが企図される。使用者がそうすることを所望するはずであるが、所望であれば、カテーテルシャフトの一部だけが直線化されても、またはカテーテルシャフトの1若しくは複数の部分に、湾曲形状に向かってより大きい歪みを選択的に持たせてもよいことも理解されなければならない。例えば、カテーテルシャフトは180度回転させて、リバーサル機構を通して引き出されて、所望であれば、カテーテルシャフトに湾曲または曲げ歪みを与えてもよい。
【0031】
リバーサルまたは直線化装置200がモジュールであってもよく、そしてそれは、モジュール要素としてカテーテルパッケージ100内に配置されても、そしてそれがまた、カテーテルパッケージ100から取り除かれてもよいことを意味する。これは、異なったカテーテルシャフト直径に好適な様々な寸法の直線化装置200が、ただ一つのカテーテルパッケージ100に利用されることを可能にする。(例えば、カテーテルパッケージ100と直線化装置200が一つの、一体化したユニットとして成形される場合)直線化装置200がパッケージ100から脱着可能でないように、直線化装置200はまた、カテーテルパッケージ100の一部として直接提供されてもよい。そのうえ、直線化装置200は、パッケージ100と一体化した、かつ、モジュール要素の組み合わせとして適宜形成される。
【0032】
リバーサルが、直線化装置200を通過してカテーテルシャフトを通すのを容易にするための寸法を示し、および配置され得ることが想像される。例えばハブ、ハンドル、または他の機構などの他のカテーテル要素は通常、直線化装置200を通り抜けない。別の実施例として、(通常、ハブまたはハンドルの反対側の端部に備え付けられる)カテーテルによって担持された埋め込み型デバイスは通常、直線化装置200を通り抜けない。カテーテルおよび体内プロテーゼを無傷に維持することを確実にするのは、取り外し様式で直線化装置200を備え付けられることによって達成される。直線化装置200は、(カテーテルシャフトを直線化するのに十分な)特定の大きさの力を許容し得る。より強い力では、経路は、埋め込み型デバイスまたはカテーテル要素に対する損害の危険を予防するためにパッと開くように設計されてもよい。一般的に、この「より強い力」は、カテーテル、カテーテル要素、様々な要素の取り付け結合、または体内プロテーゼ自体に損害を与えるのに必要ないずれかの力よりかなり弱い力になるように選択される。
【0033】
場合によっては、カテーテルシャフトは、螺旋状の渦巻きチューブ(例えば、半径またはヘリックスが常に変化する一律の螺旋)、または細長い楕円形のパッケージに配置されてもよい。そうしたカテーテルパッケージは、直線化の量を変えることが求められ、そうして、直線化装置200の可変バージョンが想像される。カテーテル経路内のリバーサルは、カテーテルの長さの様々な領域に関して正しい量の直線化力を提供するために必要に応じて調整するように構成され得る。場合によっては、カテーテルシャフトの一部が直線化装置200全体を迂回するのが望ましいこともある。これらの場合では、カテーテルシャフトが持ち上げられて、そして、カテーテル経路から抜き出しても、またはリバーサルを含まないバイパス経路がパッケージに組み込まれてよい。
【0034】
図2Aは、カテーテルシャフト240の少なくとも一部が曲がっていて、曲げ半径260を画定するパッケージされた形状でのカテーテルシャフト240を示す。カテーテルシャフト240は、パッケージによって湾曲形状に保持される。時間と共に、カテーテルシャフト240は形状を有するようになり、これにより、カテーテルシャフト240が拘束される曲げ半径260をひとりでに呈するように歪められ得る。移植する臨床医または他の使用者に直線化したカテーテルを提供するために、パッケージは直線化装置200を備えている。図2Bで示されるように、カテーテルシャフト240が直線化装置200を通過するとき、曲げ半径260を有するカテーテルシャフト240の曲げ歪みは、少なくとも部分的に打ち消され、そして、少なくとも部分的に直線化した領域270をもたらす。カテーテルシャフト240全体が直線化装置200をいったん通過すると、カテーテルシャフト240の曲げ歪みを取り除かれ、そして、カテーテルシャフト240は、図2Cで示されるように、実質的に直線化し、そして、患者の生体構造内へのより制御された挿入を可能にする。
【0035】
図3は、いくつかの実施形態によるカテーテルパッケージ300の特定の機構を例示する。カテーテルパッケージ300は一般的に、その中にカテーテルパッケージされ得るカテーテルホルダー305を含む。一般に、カテーテルパッケージ300は、カテーテルホルダー305および直線化装置320を含み、該カテーテルホルダー305は、曲げ半径を有する部分360を持つカールした形状でパッケージされたカテーテルシャフト340を受け入れるように構成される。直線化装置320は一般的に、カテーテルがカテーテルパッケージ300内でカールしている方向とは逆方向にカテーテルシャフト340を曲げる少なくとも1つのリバーサルを含んでいる。使用に際して、カテーテルシャフト340は直線化装置320に入り、曲げ歪みが打ち消され、そして、少なくとも部分的に直線化領域370を形成して、直線化装置320から出てくる。示されているように、カテーテルシャフト340は、矢印380によって示した方向にカテーテルシャフト340を滑らせることによって、直線化装置320を通過して進められる。カテーテルを、直線化装置320を通して進行方向に進めることによって、カテーテルシャフト340の長さは曲がっているが、半径(例えば、鋭角)はカテーテルシャフト340の与えられた湾曲または曲げ歪みのいくらかが低減されるかまたは取り除かれる。
【0036】
図3に示されているように、カテーテルにパッケージ300は、(ボックス310によって一般的に示す)直線化装置320を含んでもよいが、それは、カテーテルホルダー305と一体化して形成される。直線化装置320は、カテーテルホルダー305と同じ材料から形成される(例えば、カテーテルパッケージ300全体が一つに形成されてもよい)。例えば、カテーテルパッケージ300は、カテーテルパッケージ300を形成するように一つに成形された柱、隆起部、節、またはリバーサルを有するカテーテルホルダー305として成形された注射であってもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルホルダー305で形成される柱、隆起部、節、またはリバーサルは、直線化装置320全体を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、カテーテルパッケージ300は、カテーテルホルダー305と一体化して形成される直線化装置320の特定の部材だけを有する。例えば、カテーテルホルダー305は、その周りを1若しくは複数のローラー(例えば、図1Dのローラー230などの)が回転可能に受け入れられる軸を形成する1若しくは複数の柱またはポールと一体化して形成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、カテーテルパッケージ300の形成中、カテーテルホルダー305は、第一面においてカーブした、うねった(wound)、渦を巻いた、または他の形で曲がったカテーテルシャフト340を含むように構成される。パッケージの一部として、カテーテルシャフト340の少なくとも一部は、螺旋または他の形状が企図されるが、中心軸の周りに単一面で巻き付いていることが多い。いくつかの実施形態において、直線化装置320は、カテーテルシャフト340がカーブするのと同じ面で半径の周りにカテーテルシャフト340が曲がるように(例えば、鋭角を形成するように)配置される。先の実施形態と同様に、直線化装置320は適宜、カテーテルシャフト340がその周りに巻き付けられる中心軸に平行に配置された中心軸を有するピン、ローラー、またはその組み合わせを含む。
【0039】
示されているように、カテーテルパッケージ300は、カテーテルシャフトが曲げ歪みを取り除くのに適切な配置で受け入れられるように構成される。適切な配置のための追加または代替の手段は、所望の配置により直線化装置320を通してカテーテルシャフト340を誘導するのを助けるためにカテーテルシャフト340、カテーテルパッケージ300、またはその両方にマーカー350、ガイド、または痕跡を提供することを含む。例えば、マーカー350は、パッケージの使用者または組み立てる人が直線化装置320に対してカテーテルシャフト340の適切な配置を維持する助けとなるように適宜使用される。これにより、様々な実施形態は、直線化装置320が曲げ歪みの方向に対して反対方向にカテーテルシャフト340を曲げるのを確実にするためにマーカー350が用いられる利用方法を含む。
【0040】
代替の実施形態において、カテーテルホルダー305は、カテーテルホルダー305と一体化して形成された直線化装置320なしで形成されてもよい。直線化装置320は、カテーテルホルダー305とは別々に形成されてもよく、そして、後者はカテーテルホルダー305とつなぎ合わせられるかまたは別の方法で物理的に結合されて、完全なカテーテルパッケージ300を形成する。図4に示されているように、直線化装置320は、単独で動作する要素として形成され、ボックス310内の要素とともに、カテーテルホルダー305に後で加えられてまたは固定されて、直線化装置320を有するカテーテルパッケージ300を形成する。例えば、図1B、1C、または1Dで例示される任意の要素が、別々にカテーテルホルダー305から形成され得る。
【0041】
図5は、管部材510内に引き込まれて、カテーテルシャフト340が直線化し得るカテーテルシャフト340を受けいれるための形状を有する管部材510の形態の別の直線化装置を示す。管部材510は、それが管部材510を通過して引き出される場合に、カテーテルシャフト340を曲げるような少なくとも2つの方向変更またはリバーサルを一般的に含む、内部管状パスまたはチャンネルを画定する。
【0042】
他の実施形態との関連で記載されるように、カテーテルシャフト340には、曲げ半径を画定する曲げ歪みを有する部分360がある。直線化の間、部分360は、管部材510に入り、そして、管部材510によって少なくとも部分的に直線化されて管部材510を出て、直線化領域370を画定した。これにより、直線化操作またはリバーサル操作が、管部材510を使用することで所望のとおり達成され、ここで、カテーテルシャフト340が管部材510の管状経路の内部を通過して管部材510を通して引き出されて、カテーテルシャフト340から曲げ歪みを取り除くために、カテーテルシャフト340の一部に所望の湾曲を与えた。他の実施形態において、カテーテルシャフト340は、実際にカテーテルシャフト340に曲げ歪みを与えるために適宜180度回転させ、そして、管部材510を通して引き出されるが、一般的に、管部材510は、曲げ歪みを取り除くかまたは低減するために使用されるであろうことが企図される。
【0043】
いくつかの実施形態において、管部材510は管材料を一つに組み立てられたものとして形成されるが、別々の、接続された部品が企図される。例えば、管部材510は、一つに組み立てられる、例えば二等分などの複数の要素から適宜形成される。いくつかの実施形態において、管部材510は、一つに連結できる第一の凹形の半分と第二の凹形の半分を有するクラムシェル形状を有する。例えば、第一の半分と第二の半分は、第一の側のヒンジと第二の側のクランプまたは留め金によってつなぎ合わせられて、第一の半分と第二の半分を一つに閉じられてもよい。使用に際して、第一の半分と第二の半分は、カテーテルシャフト340が第一の半分と第二の半分の中に配置されて、第一の半分と第二の半分がヒンジによってカテーテルシャフト340を囲んで閉じられて、管部材510を形成するように、第一の側のヒンジによってつなぎ合わせられてもよい。ヒンジや留め金の配置を記載したが、あらゆる種類の組み立て方法(例えば、スナップ-フィット、ファスナ、または接着剤)が企図される。
【0044】
管部材510は、パッケージ前にカテーテルシャフト340に対して前もって組み立てられても;(例えば、カテーテルシャフトの周りに一緒に取り付けられた2つの別々の部分を有するクラムシェル形状で形成され)パッケージから取り出した後に、カテーテルシャフト340に取り付けられても;または、第一の部分がカテーテルホルダー(例えば、カテーテルホルダー305)の一部として形成され、第二の部分が第一の部分の後で組み立てられてもよい(例えば、クラムシェルの半分がカテーテルホルダーと一体化して形成される場合がある)。
【0045】
管部材510がカテーテルホルダー305から別々に形成される場合、管部材510は、カテーテルホルダー305と物理的に結合されるようにカテーテルホルダー305に対して組み立て、カテーテルパッケージ300を形成してもよい。例えば、カテーテルホルダー305は、管部材510を受け入れるような相補的なポケットを伴って適宜形成される(未掲載)。別の実施形態において、管部材510は、カテーテルホルダー305に取り付けられる脱着可能なユニットとして形成される。脱着可能なユニットは、管部材510を作り出し、かつ、カテーテルホルダー305に加えられ得る要素を含んでいる。
【0046】
いくつかの実施形態において、カテーテルシャフトは、直線化部位における熱の適用がカテーテルシャフト材料を柔らかするのを助け、直線化プロセスを助けるように、熱可塑性材料から作られる。例えば、加熱が、直線化に必要な力、および/またはカテーテルシャフトのカーブ歪みの所望の低減を達成するのに必要とされるオーバーベンディング量を低減する助けとなり得ることが企図される。直線化中の様々な様式の熱導入が企図される。例えば、図6に示されていたものなどの電線または加熱コイルを有する電気発熱体610などのヒーターが含まれ得る。発熱体610(例えば、加熱コイル)は、例えば電気コンセントまたはバッテリーなどの電源に接続される(未掲載)。発熱体610は、直線化領域の周りに配置されて、直線化領域を通過して移動するときに、カテーテルシャフト340に対して熱を送達する。
【0047】
パッケージ内に組み込まれる場合がある他の加熱手段としては、直線化領域の近くに位置する化学発熱体または化学反応体(例えば、袋またはバッグの中の化学物質)または(例えば、相変化物質を介した)発熱反応の使用を含む。発熱物質の相変化を提供できるデバイスの例としては、酢酸ナトリウムの過飽和溶液の入った袋が挙げられる。核形成部位にて結晶化を開始することによって、斯かる袋は、臨床医または彼らのスタッフからの追加の「加温」ステップを必要とせずに、直線化プロセスを促進するのに十分な熱を提供できる。他の可能な加熱機構としては、あんか、IV加温バッグ、温水の入ったボールまたはオーブンを使用してカテーテルシャフト340、あるいはパッケージ全体を加温することが挙げられる。
【0048】
更に他の実施形態において、熱は、機械的手段を介して適用される。例えば、熱は、先に記載した実施形態のものに似たローラーの摩擦を誘導することによって適宜カテーテルに適用される。いくつかの実施形態によれば、それらがその上を回転するローラーおよび柱が、ローラーが回転するときにそれらの間で摩擦を作り出すように構成されてもよい。摩擦がローラーを加熱し、これにより、カテーテルシャフトがローラーの上を通り過ぎるときに、カテーテルシャフトが加熱される。ローラーとシャフトの間の摩擦を誘導する手段としては、ローラーとそれらがその周りを回転するシャフトとの間に摩擦を作り出すための表面の粗面化または他の機構が挙げられる。
【0049】
いくつかの実施形態において、カテーテルパッケージは、カテーテルパッケージに取り付けられた部分的に脱着可能なリバーサルを含んでいる。例えば、図7で例示されるように、ヒンジで連結されたまたは折り畳み可能なフラップ660が、カテーテルパッケージに取り付けられ、そして、該フラップ660はリバーサルの一部を含んでもよい。カテーテルパッケージの表面630は、カテーテルパッケージの溝640の両側で示される。溝640は、カテーテルシャフトを受け入れるための大きさである(未掲載)。溝640は、カテーテルパッケージから溝640の中に伸びた少なくとも1つの節または隆起部650を含む。ヒンジで連結されたまたは折り畳み可能なフラップ660は、カテーテルパッケージの表面630に取り付けられ、そして、カテーテルパッケージの表面630上に折り重ねられる。フラップ660は、ピン、隆起、ノブ、またはシリンダなどの突出部680を含んでいる。突出部680は、カテーテルシャフトがその中をスライドするのに十分に大きい突出部680と隆起部650との間のスペースを維持しながら、隆起部650間の溝640の中にはまり込むような大きさと形状である。フラップ660は、フラップ660がカテーテル表面630に折り重なって、それに沿って横たわることを可能にするヒンジ670または折り畳み領域を用いてカテーテルシャフト表面に取り付けられる。
【0050】
いくつかの実施形態において、曲げ歪みを有するカテーテルは、溝640内に配置される。次に、フラップ660が、隆起部650が反対側に配置されている、カテーテルシャフトの片側の溝640内に位置する突出部680を用いて閉じられる。次に、カテーテルシャフトが溝を通過してスライドするように、カテーテルシャフトを突出部680と隆起部650の間を通す。いくつかの実施形態において、突出部680と隆起部650は、カテーテルシャフトの曲げ歪みを取り除くために少なくとも1つの鋭角の湾曲を通してカテーテルシャフトを誘導するための少なくとも1つのリバーサルを提供するための大きさおよび形状である。フラップ660は、使用者の必要に応じて開かれても、または閉じられてもよい。例えば、フラップ660は、最初に、カテーテルシャフトより大きい直径を有するカテーテルシャフトに取り付けられたデバイスを収容するために開かれ得る。プロセスの任意の時点で、例えばカテーテルシャフトの大部分が溝640を通過してスライドした後に、使用者はフラップ660を開いて溝640からカテーテルシャフトを取り出してもよい。少なくともこの様式では、使用者は、カテーテル末端のデバイスがリバーサルに達する前に、リバーサルを容易に外す、および/またはリバーサルからカテーテルシャフトを取り外すことができる。
【0051】
様々な実施形態がカテーテルシャフトと関連パッケージに関連して記載されたが、本開示はまた、フィラメント、カニューレ、静脈ライン、他のゴムまたはプラスチック製ホースなどの任意の様々な医療用チューブおよび関連パッケージにも適切であることは理解されるべきである。
【0052】
本開示の構造および機能の詳細とともに好ましい実施形態および代わりの実施形態を含めて、本開示の多くの特徴および利点を上記の記載に示してきた。本開示は例示のみを目的とし、そのため、排他的であることを意図しない。添付の特許請求の範囲において表現されている用語の広く一般的な意味により示される全範囲にまで、特に、部品の構造、材料、要素、成分、形状、サイズおよび配置の点で種々の変更を本開示の原理の範囲内で行うことができることは当業者に明らかであろう。これらの種々の変更が添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱しない範囲まで、変更が包含されることが意図される。
図1
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7