(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】電気エネルギー貯蔵装置の販売、充電及び2方向配給のための装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220216BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20220216BHJP
B60L 53/65 20190101ALI20220216BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20220216BHJP
B60L 53/68 20190101ALI20220216BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20220216BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220216BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20220216BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20220216BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
B60L53/30
B60L53/65
B60L53/67
B60L53/68
H01M10/42 A
H01M10/44 Q
H01M10/48 301
H02J7/00 P
H02J7/02 J
(21)【出願番号】P 2019123075
(22)【出願日】2019-07-01
(62)【分割の表示】P 2017510625の分割
【原出願日】2015-09-01
【審査請求日】2019-07-02
(32)【優先日】2014-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514022545
【氏名又は名称】ゴゴロ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジュンシオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン シェンチー
(72)【発明者】
【氏名】ウー ユリン
(72)【発明者】
【氏名】フアン チェンミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ツンチン
(72)【発明者】
【氏名】ヤング フェン カイ
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-150809(JP,A)
【文献】国際公開第2013/080211(WO,A1)
【文献】特開2002-208380(JP,A)
【文献】特開2010-212048(JP,A)
【文献】特開平03-226898(JP,A)
【文献】特開2011-059798(JP,A)
【文献】特開2010-146564(JP,A)
【文献】特開2010-165676(JP,A)
【文献】特開平08-138762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-15/42
B60L50/00-58/40
G07F5/00-9/10
G07F17/00-17/42
H01M10/05-10/0587
H01M10/36-10/48
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システムにおいて、
配電網及び複数のバケットを含むハウジングであって、前記バケットのそれぞれが携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュール並びに前記配電網及び前記携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールに電気的に導電接続された電力変換モジュールの可逆的で選択的な挿入に対応することができる前記ハウジングと、
前記複数のバケットのそれぞれに挿入された複数の携帯型エネルギー貯蔵装置のうちの少なくとも一部に無線通信可能に接続可能
であり、且つ、システムユーザによって担持された1つ以上の無線認証情報に無線通信可能に接続可能である第1の通信インターフェースと、
少なくとも1つのバックエンドシステムに通信可能に接続可能な第2の通信インターフェースと、
プロセッサ実行可能な命令を記憶する少なくとも1つの持続性のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体と、
前記少なくとも1つの持続性のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体に通信可能に接続された少なくとも1つの双方向分散システムコントローラとを備え、
少なくとも1つの双方向分散システムコントローラは、前記プロセッサ実行可能な命令を実行し且つ応答において、
加入者を固有に識別する加入者識別子を示すデータを前記第1の通信インターフェースを介して受信し、
前記第2の通信インターフェースを介して前記加入者識別子を示す受信したデータを前記加入者識別子の検証のために前記バックエンドシステムに送信し、
複数の占有されていない携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールのそれぞれへの複数の携帯型エネルギー貯蔵装置の挿入に応じて、前記挿入された携帯型エネルギー貯蔵装置を前記各携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールにロックし、
前記バックエンドシステムからの前記検証の成功を示すデータの受信に応じて、前記加入者識別子に論理的に関連付けられている加入に基づいて、複数の占有された携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールのそれぞれから1又は複数の携帯型携帯型エネルギー貯蔵装置をロック解除する、携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システム。
【請求項2】
前記第1の通信インターフェースが、前記携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電システムに近接した携帯型エネルギー貯蔵装置駆動車両によって担持された通信インターフェースによって双方向にデータを転送する、請求項
1に記載の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システム。
【請求項3】
前記第1の通信インターフェースが、前記携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電システムに近接した携帯型エネルギー貯蔵装置駆動車両によって担持された通信インターフェースによって車両固有データを双方向に転送する、請求項
2に記載の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに通信可能に接続された少なくとも1つの生体センサをさらに備え、
前記少なくとも1つの2方向配給システムコントローラが、プロセッサ実行可能な命令を実行し、さらに、
前記少なくとも1つの生体センサから少なくとも1つの加入者生体特性を示すデータを受信し、
前記少なくとも1つの加入者生体特性を示すデータの受信に応じて、複数の占有された携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールのそれぞれから許可された複数の充電された携帯型エネルギー貯蔵装置を選択的にロック解除する、請求項
1に記載の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システム。
【請求項5】
各携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールが、
ハウジングであって、ベースに接合された周囲ハウジング壁によって形成された内部空間への前記ハウジングの長手方向軸に沿った携帯型エネルギー貯蔵装置ケーシングの少なくとも部分的な挿入に対応するために寸法決めされた前記ハウジングと、
前記ベースから少なくとも部分的に前記ハウジングの前記内部空間に突出する複数の電気接点と、
前記ベースから少なくとも部分的に前記ハウジングの前記内部空間に突出するロック機構と、
前記ベースと反対側の前記周囲ハウジング壁に接合された入口であって、前記ハウジングの前記内部空間を前記ハウジングの周囲の外部空間に接続するオリフィスを含み、前記オリフィスの周囲が前記携帯型エネルギー貯蔵装置ケーシングの少なくとも1つの物理的態様に密接に対応する前記入口と、
前記ハウジングの内部に動作可能に接続されて前記ハウジングの内部に配置されたハウジングドアであって、前記ハウジング壁に対して垂直であり且つ前記オリフィスに近接する第1の位置から前記ハウジング壁に対して垂直であり且つ前記ハウジングの前記ベースに近接する少なくとも第2の位置まで前記ハウジングの長手方向軸の少なくとも一部分に沿って連続的に軸方向に変位可能な前記ハウジングドアと、
前記ハウジングドアを通る前記ハウジングの長手方向軸と同心の開口であって、前記ハウジングドアが前記第2の位置に変位したときに前記ロック機構の少なくとも一部及び前記複数の電気接点の少なくとも一部の通過に対応するための開口と、
前記ドアを前記ベースに動作可能に接続する少なくとも1つの付勢要素であって、前記第1の位置に向かって前記ハウジングドアを付勢する前記少なくとも1つの付勢要素と、
前記開口に近接して配置され且つ前記開口が閉塞された閉鎖位置から前記開口が閉鎖されない開放位置まで変位可能な変位可能カバーであって、前記ハウジングドアが前記第1の位置から前記第2の位置へと変位されるように、前記ハウジングドア及び前記ハウジングに動作可能に接続され、前記閉鎖位置から前記開放位置へと変位される前記変位可能カバーとを備える、請求項
1に記載の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システム。
【請求項6】
前記充電モジュールのそれぞれに配置された少なくとも1つの携帯型電気エネルギー貯蔵装置の温度センサをさらに備え、
前記プロセッサ実行可能な命令が、さらに、前記少なくとも1つのプロセッサに、各携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電しながら、前記充電モジュールによって受け入れられた前記携帯型電気エネルギー貯蔵装置の温度を規定の温度範囲内に維持させる、請求項
1に記載の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電気エネルギー貯蔵装置の販売、充電及び2方向配給に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、世界中で普及している。電気又はバッテリ駆動車両が普及することに対する主な障害の1つは、充電中に長時間運転者が孤立してしまうのを回避するための、充電式携帯型電気エネルギー貯蔵装置の迅速な利用可能性である。この問題は、配電及び/又は供給の中断の影響を受けやすい領域及び地域において特に深刻である。数多くの便利な場所に充電式携帯型蓄電装置の容易に利用可能なソースを設けることは、多くの運転者の心配を緩和することができ、特に非常に混雑した都市部において、電気自動車の普及を促進することができる。電気自動車技術を広範囲で採用すると、車両や他の最小限規制された移動発生源が普及している地域における大気質を改善するのに役立つ可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本特許出願人は、有利には、モジュール式携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって駆動される例えばスクーターなどの車両を開発した。所定地域に配置された携帯型電気エネルギー貯蔵装置の2方向配給システムのネットワークは、放電した又は消耗した携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置と交換することによって車両をサポートする。再充電プロセスを単純化して「放電したバッテリを外して充電したバッテリを入手する」という概念にすることにより、運転者は、化石燃料車が化石燃料ステーションによって提供されるものと同様の安心感を得ることができる。2方向配給システムのそれぞれは、必要に応じて、運転者にとっての価値観を改善又は向上させる追加のサービスを提供してもよい。例えば、2方向配給システムは、車両上で1つ以上の診断手順を実行し、診断手順の結果を示す出力を運転者に提供する能力を有してもよい。
【0004】
典型的な例において、運転者は、1つ以上の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって駆動される車両を取得し、製造業者のネットワーク内の任意の2方向配給システムにおいて消耗した又は部分的に/完全に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置の双方向交換を可能とする車両製造業者又は携帯型電気エネルギー貯蔵装置供給者によって提供されるプランに加入する。そのような2方向配給システムは、電力及び有線又は無線通信機能が利用可能な任意の地点に配置されることができる。
【0005】
2方向配給システムは、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラと、配電システムと、少なくとも1つの通信インターフェースと、複数の容器又は「バケット」を含む剛性構造とを含む。バケットのそれぞれは、配電システム(例えば、公共又は民間の電力網、太陽電池又は他の再生可能エネルギー源)によって供給される電力を、携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電するのに適した形態及び電圧に変換する摺動可能に挿入可能な電力変換モジュールを受け入れることができる。バケットのそれぞれは、さらに、モジュール式電力変換器に電気的に導電接続され且つモジュール式電力変換器から電力を受け取り、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに有線又は無線通信可能に接続された充電モジュールの摺動可能な挿入を受け入れることができる。
【0006】
加入者は、部分的又は完全に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置を、2方向配給システムの第1の(空の)充電モジュールに挿入する。加入者から携帯型電気エネルギー貯蔵装置を受け入れると、2方向配給システムコントローラは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された持続性記憶媒体に記憶された製造業者識別子を読み取ることによって携帯型電気エネルギー貯蔵装置を認証する。コントローラはまた、現在加入していることを確認し且つ加入者が受けることができる任意のサービスを判定するために加入者によって提供される携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された持続性記憶媒体から読み取られた加入者識別子を検証する。
【0007】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置の認証及び加入者の検証後、コントローラは、1つ以上の第2の充電モジュールから1つ以上の充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置をロック解除/解放する。加入者は、第2の充電モジュールから充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置を取り外すことができる。そのような交換を行うのに必要な時間は最小限であり、有利には、従来の車両の燃料タンクを充填するのに必要な時間に匹敵する。
【0008】
2方向配給システムのバケットに複数の充電モジュールが挿入される。充電モジュールのそれぞれは、バケット内に位置すると、充電モジュールを配電システムに通信可能に接続する1つ以上のモジュール式コネクタ又はインターフェース(例えば、バス及びラテラル)を備えている。充電モジュールのそれぞれは、充電モジュールをバケット内に位置させると、2方向配給システムコントローラに自律的に有線又は無線で通信可能に接続する有線又は無線通信モジュールのうちの少なくとも1つをさらに備えている。
【0009】
充電モジュールのモジュール式設計は、正常に動かない充電モジュールをフィールドサービスする必要性を排除し、厳しい天候が一般的であり且つ電子診断ツールへのアクセスが制限されている地域においては非常に有利である。各充電モジュールは、2方向配給システムにおける全ての他の充電モジュールから電気的に絶縁されており、それゆえに、単一の充電モジュールの故障は、他の充電モジュール、又は、2方向配給システム全体の動作に悪影響を及ぼさない。2方向配給システムは、任意数の充電モジュールを有する2方向配給システムを形成するために、モジュールが物理的、電気的且つ通信可能にリンクされるのを可能とするモジュール構成を含むことができる。そのようなモジュール式構成は、最小限の破壊的な方法で拡大する数のユーザに対応するのに有利である(すなわち、2方向配給システムは、交換されず、代わりに、加入者の増加に対応するように拡張される)。
【0010】
充電モジュールは、変位可能なハウジングドアを組み込む。バネ又は他の付勢部材は、変位可能なハウジングドアを充電モジュールの入口に向けて付勢する。変位可能なハウジングドアは、雨水、塵埃及び汚れが充電モジュールに浸入するのを制限又は防止する耐候性シールを組み込むか又は配置する。携帯型電気エネルギー貯蔵装置を挿入する動作は、充電モジュールの長手方向軸に沿ってハウジングドアを変位させる。ハウジングドアの開口は、充電モジュールのベースにあるロックハブが変位可能なドアを通過し、携帯型電気エネルギー貯蔵装置上の相補的な空洞に係合し、携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電モジュールに固定するのを可能とする。開口はまた、携帯型電気エネルギー貯蔵装置における相補的な数の電気接点と係合するための複数の電気接点の通過を可能とし、それにより、2方向配給システムから携帯型電気エネルギー貯蔵装置への電流の流れを可能とする。
【0011】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電モジュールに挿入すると、2方向配給システムコントローラは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置の有用性及び安全性を確認するために様々な診断テストを実行する。例えば、2方向配給システムは、最近受け入れた携帯型電気エネルギー貯蔵装置が許容可能な充電レベルを保持することができるかどうかを判定することができる。挿入された携帯型電気エネルギー貯蔵装置が継続的な使用に適さないと2方向配給システムコントローラが判定した場合、2方向配給システムコントローラは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電モジュールにロックすることができる。
【0012】
2方向配給システムコントローラは、必要に応じて、有線(例えば、平易な古い電話サービス又はPOTS)又は無線(例えば、GSM(登録商標)又はCDMAセルラ通信又はIEEE802.11のWiFi)通信インターフェースを介して、1つ以上のメッセージをバックエンドシステムに通信することができる。2方向配給システムコントローラはまた、携帯型電気エネルギー貯蔵装置が充電プロセス中に最適温度で維持されるのを保証するために、個々の充電モジュール内及び/又は充電モジュールに挿入された個々の携帯型電気エネルギー貯蔵装置内の環境制御(例えば、冷却、加熱、除湿)を提供することができる。
【0013】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電するための充電モジュールは、ベースに接合された周囲ハウジング壁によって形成された内部空間へのハウジングの長手方向軸に沿った携帯型エネルギー貯蔵装置の少なくとも部分的な挿入に対応するために寸法決めされたハウジングと、ベースからハウジングの内部空間内に少なくとも部分的に突出する複数の電気接点と、ベースからハウジングの内部空間内に少なくとも部分的に突出する変位可能な(例えば、回転可能に変位可能な)ロック機構と、ベースと反対側の周囲ハウジング壁に接合された入口であって、ハウジングの内部空間をハウジングの周囲の外部空間に接続するオリフィスを含み、オリフィスの周囲が携帯型エネルギー貯蔵装置ケーシングの少なくとも1つの物理的態様に密接に対応する入口と、ハウジングの内部に動作可能に接続されて配置されたハウジングドアであって、ハウジング壁に対して垂直であり且つオリフィスに近接した第1の位置からハウジング壁に対して垂直であり且つハウジングのベースに近接した少なくとも第2の位置までハウジングの長手方向軸に沿って軸方向に変位可能なハウジングドアと、ハウジングドアを通るハウジングの長手方向軸と同心の開口であって、ハウジングドアが第2の位置に変位したときにロック機構の少なくとも一部と少なくとも複数の電気接点の一部の通過に対応するための開口と、ドアをベースに動作可能に接続する少なくとも1つの付勢要素であって、ハウジングドアを第1の位置に向けて付勢する少なくとも1つの付勢要素とを含むものとして要約されることができる。
【0014】
充電モジュールは、さらに、開口に近接して配置され、開口が閉塞された閉鎖位置から開口が閉鎖されない開放位置まで変位可能な変位可能カバーを含むことができ、カバーは、ハウジングドアが第1の位置から第2の位置に変位するのにともない、カバーが閉鎖位置から開放位置に変位するように、ハウジングドア及びハウジングに動作可能に接続される。
【0015】
充電モジュールは、ロック機構に接続されたアクチュエータをさらに含み、アクチュエータは、ハウジングの内部空間における携帯型エネルギー貯蔵装置ケーシングの受け入れに応じてロック機構の変位を生じさせる。
【0016】
充電モジュールは、ハウジングのベースからハウジングの内部空間に突出する複数の電気接点に電気的に導電接続されたモジュール式電気的インターフェースをさらに含むことができる。複数の電気接点のそれぞれは、ハウジングの長手方向軸に対して同心に配置され、複数の電気接点のうちの任意の他のものから電気的に絶縁されることができる。複数の電気接点のそれぞれは、ハウジングの長手方向軸と同心に配置され、複数の電気接点のうちの任意の他の電気接点から電気的に絶縁された環状電気接点を含むことができる。複数の電気接点のそれぞれは、多角形状の環状電気接点又は丸みを帯びた多角形状の環状電気接点のうちの少なくとも1つを含むことができ、各電気接点は、ハウジングの長手方向軸と同心に配置され、複数の電気接点のうちの任意の他の電気接点から電気的に絶縁されている。携帯型電気エネルギー貯蔵装置がハウジング内に挿入されるとき、複数の電気接点は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置ケーシング上の対応する複数の外部からアクセス可能な電気接点と電気的に連続した回路を形成することができる。複数の電気接点は、ハウジングの長手方向軸を中心とする携帯型エネルギー貯蔵装置ケーシングの回転とは無関係に、携帯型エネルギー貯蔵装置ケーシングの外面上の対応する複数の電気接点と電気的に連続した回路を形成することができる。ロック機構は、複数の電気接点に対して径方向同心に配置されることができ、複数の電気接点から電気的に絶縁されている。変位可能カバーは、回転可能な変位可能カバーを含むことができる。回転可能な変位可能カバーは、ハウジングドアが第1の位置から第2の位置に変位するのにともない、閉鎖位置から開放位置に回転することができる。変位可能カバーは、摺動可能な変位可能カバーを含むことができる。摺動可能な変位可能カバーは、ハウジングドアが第1の位置から第2の位置に変位するのにともない、閉鎖位置から開放位置に摺動することができる。ハウジングドアの中央領域は、ハウジングの長手方向軸に対して相互に直交する2つの直交する横軸に関して対称な凹部を含むことができ、凹部は、携帯型エネルギー貯蔵装置ケーシングの突出部分に対応する。
【0017】
充電モジュールは、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに通信可能に接続され、各ハウジングに挿入された携帯型電気エネルギー貯蔵装置から、各充電モジュールに挿入された携帯型電気エネルギー貯蔵装置の内部温度を表すデジタルデータを含む入力信号を受信するための少なくとも1つの入力チャネルと、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに通信可能に接続され、少なくとも携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電している間に各充電モジュールに挿入された携帯型電気エネルギー貯蔵装置の内部温度を規定の範囲内に維持するように温度制御サブシステム又は温度制御装置のうちの少なくとも1つに出力信号を供給するための少なくとも1つの出力チャネルとを含む、携帯型電気エネルギー貯蔵装置の熱制御システムをさらに含むことができる。
【0018】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システムを動作させる方法は、それぞれが少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに双方向に通信可能に接続された複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールへの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の挿入を受け入れることと、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに通信可能に接続された通信インターフェースを介して、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体からデータを読み取ることと、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラを使用して、携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から読み取られたデータの第1の部分を認証することと、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラを使用して、携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から読み取られたデータの第2の部分を検証することと、データの第1の部分の認証が成功したのに応じて且つデータの第2の部分の検証が成功したのに応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラにより、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から読み取られたデータの第2の部分を、複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールに挿入された第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体に書き込むことと、複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールから第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置を取り外すのを可能とすることとを含むものとして要約されることができる。複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールへの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の挿入を受け入れることは、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールへの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも部分的な挿入を受け入れることと、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールに挿入された携帯型電気エネルギー貯蔵装置が取り外されることができない第1の(ロック)位置にロックハブを自律的に変位させることによって複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールに第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置をロックすることとを含むことができ、複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールから第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置を取り外すのを可能とすることは、複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールから携帯型電気エネルギー貯蔵装置が取り外されることができる第2の(ロック解除)位置にロックハブを自律的に変位させることによって複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールから第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置をロック解除することを含むことができる。第1の(ロック)位置にロックハブを自律的に変位させることは、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置が複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールに挿入されるのにともない、第1の(ロック)位置から複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールにおいてロックハブを回転可能に変位させることと、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置が複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールに挿入された後に、1つ以上の付勢部材を介してロックハブを第1の(ロック)位置に自律的に回転可能に戻すこととを含むことができる。第2の(ロック解除)位置にロックハブを自律的に変位させることは、第1の位置から第2の位置へとアクチュエータを自律的に変位させることを含むことができ、第1の位置から第2の位置へとアクチュエータを変位させることは、第1(ロック)位置から第2(ロック解除)位置への複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールにおいて動作可能に接続されたロックハブの対応する変位を生じさせるのに十分である。複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールへの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の挿入を可能とすることは、ケーシングの長手方向軸及び充電モジュールの長手方向軸が同一直線上にあるときにケーシングの長手方向軸の周囲のケーシングの向きにかかわらず、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールの周囲が第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の周囲に配置されたケーシングの周囲を収容するように、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールへの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも部分的な挿入を受け入れることを含むことができる。
【0019】
本方法は、さらに、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに通信可能に接続された通信インターフェースを介して第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から第1の携帯型電気エネルギー記憶装置によって電力供給される外部装置の1つ以上の動作態様を示すデータを読み取ることと、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに通信可能に接続された1つ以上の出力装置に提示するための表示出力を表すデータを生成することと、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに通信可能に接続された通信インターフェースを介して第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって電力供給される外部装置の1つ以上の動作態様を示すデータを消去することとを含むことができる。携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から読み取られたデータの第2の部分を検証することは、少なくとも1つの2方向配給コントローラにより、1つ以上のバックエンドシステムに対して携帯型電気エネルギー記憶装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体読み取られたデータの第2の部分を通信することと、少なくとも1つのバックエンドシステムにより、携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から読み取られたデータの第2の部分の有効性を確認することと、バックエンドシステムにより、携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から読み取られたデータの第2の部分の検証が成功したのに応じて、少なくとも1つの2方向配給コントローラに対して検証に成功したことを示すメッセージを通信することとを含むことができる。少なくとも1つのバックエンドシステムにより、携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から読み取られたデータの第2の部分の有効性を確認することは、少なくとも、携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された1つ以上の持続性記憶媒体から読み取られたデータの第2の部分に含まれる加入者識別データと論理的に関連付けられている加入プランを確認することを含むことができる。複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールへの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の挿入を受け入れることは、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールへの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも部分的な挿入を受け入れることを含むことができ、複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールからの第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の取り外しを受け入れることは、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールに挿入された携帯型電気エネルギー貯蔵装置が取り外されることができない第1の(ロック)位置にロックハブを自律的に変位させることによって複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールに対して第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置をロックすることと、複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールから携帯型電気エネルギー貯蔵装置が取り外されることができる第2の(ロック解除)位置にロックハブを自律的に変位させることによって複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールから第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置をロック解除することとを含むことができる。複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールへの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも部分的な挿入を受け入れることは、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールにおいて動作可能に接続されたロックハブの第1の(ロック)位置から第2の(ロック解除)位置への変位を十分に生じさせるように第1の位置から第2の位置へとアクチュエータを自律的に変位させることと、第2の(ロック解除)位置にロックハブを維持するように第2の位置にアクチュエータを自律的に維持することとを含み、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールにおいてロックハブを係合することによって複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールからの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の取り外しを防止することが、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールにおいて動作可能に接続されたロックハブの第2の(ロック解除)位置から第1の(ロック)位置への変位を十分に生じさせるように第2の位置から第1の位置へとアクチュエータを自律的に変位させることと、第1の位置にアクチュエータを自律的に維持することにより、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールからの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の取り外しを防止することとを含むことができる。第2の位置から第1の位置へとアクチュエータを自律的に変位させることは、アクチュエータを非励磁することと、少なくとも1つの付勢装置が第2の(ロック解除)位置から第1の(ロック)位置へと複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールにおいてロックハブを戻すのを可能とすることを含むことができる。
【0020】
本方法は、さらに、少なくとも1つの2方向配給コントローラにより、少なくとも1つの生体センサによって提供される少なくとも1つの出力信号を受信することと、少なくとも1つの2方向配給コントローラにより、少なくとも1つの生体センサによって提供される少なくとも1つの出力信号に含まれるデータに少なくとも部分的に基づいて第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置を選択することとを含むことができる。
【0021】
本方法は、さらに、データの第1の部分の認証に失敗したのに応じて又はデータの第2の部分の検証に失敗したのに応じて、第1の(ロック)位置から第2の(ロック解除)位置へと複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールにおいてロックハブを十分に変位させるように第1の位置から第2の位置へと複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールにおいてロックハブに動作可能に接続されたアクチュエータを変位させることにより、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールからの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の取り外しを可能とすることと、第1の(ロック)位置において複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールにおいてロックハブを十分に維持するように第1の位置において複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールにおいてロックハブに動作可能に接続されたアクチュエータを維持することにより、複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュールからの第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の取り外しを防止することとを含むことができる。
【0022】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システムは、配電網及び複数のバケットを含むハウジングであって、バケットのそれぞれが携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュール並びに配電網及び携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールに電気的に導電接続された電力変換モジュールの可逆的で選択的な挿入に対応することができるハウジングと、複数のバケットのそれぞれに挿入され且つシステムユーザによって担持された1つ以上の無線認証情報に無線通信可能に接続可能な複数の携帯型エネルギー貯蔵装置のうちの少なくとも一部に無線通信可能に接続可能な第1の通信インターフェースと、少なくとも1つのバックエンドシステムに通信可能に接続可能な第2の通信インターフェースと、プロセッサ実行可能な命令を記憶する少なくとも1つの持続性のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体と、少なくとも1つの持続性のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体に通信可能に接続され、プロセッサ実行可能な命令を実行し且つ応答において、加入者を固有に識別する加入者識別子を示すデータを第1の通信インターフェースを介して受信し、第2の通信インターフェースを介して加入者識別子を示す受信したデータをバックエンドシステムに送信し、複数の占有されていない携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールのそれぞれへの複数の携帯型エネルギー貯蔵装置の挿入に応じて、挿入された携帯型エネルギー貯蔵装置を各携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールにロックし、バックエンドシステムからの許可を示すデータの受信に応じて、複数の占有された携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールのそれぞれから許可された複数の携帯型携帯型エネルギー貯蔵装置をロック解除する少なくとも1つの双方向分散システムコントローラとを含むものとして要約されることができる。第1の通信インターフェースは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電システムに近接した携帯型エネルギー貯蔵装置駆動車両によって担持された通信インターフェースによって双方向にデータを転送することができる。第1の通信インターフェースは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電システムに近接した携帯型エネルギー貯蔵装置駆動車両によって担持された通信インターフェースによって車両固有データを双方向に転送することができる。車両固有データは、車両固有保守データ又は車両固有サービスデータのうちの少なくとも1つを含むことができる。第1の通信インターフェースは、携帯型エネルギー貯蔵装置によって担持された通信インターフェースによってデータを双方向に転送することができる。
【0023】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システムは、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに通信可能に接続された少なくとも1つの生体センサをさらに含むことができる。
【0024】
少なくとも1つの2方向配給システムコントローラは、プロセッサ実行可能な命令を実行することができ、さらに、少なくとも1つの生体センサから少なくとも1つの加入者生体特性を示すデータを受信することができ、少なくとも1つの加入者生体特性を示すデータの受信に応じて、複数の占有された携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールのそれぞれから許可された複数の充電された携帯型エネルギー貯蔵装置を選択的にロック解除することができる。
【0025】
各携帯型エネルギー貯蔵装置の充電モジュールは、ベースに接合された周囲ハウジング壁によって形成された内部空間へのハウジングの長手方向軸に沿った携帯型エネルギー貯蔵装置ケーシングの少なくとも部分的な挿入に対応するために寸法決めされたハウジングと、ベースから少なくとも部分的にハウジングの内部空間に突出する複数の電気接点と、ベースから少なくとも部分的にハウジングの内部空間に突出するロック機構と、ベースと反対側の周囲ハウジング壁に接合された入口であって、ハウジングの内部空間をハウジングの周囲の外部空間に接続するオリフィスを含み、オリフィスの周囲が携帯型エネルギー貯蔵装置ケーシングの少なくとも1つの物理的態様に密接に対応する入口と、ハウジングの内部に動作可能に接続されてハウジングの内部に配置されたハウジングドアであって、ハウジング壁に対して垂直であり且つオリフィスに近接する第1の位置からハウジング壁に対して垂直であり且つハウジングのベースに近接する少なくとも第2の位置までハウジングの長手方向軸の少なくとも一部分に沿って連続的に軸方向に変位可能なハウジングドアと、ハウジングドアを通るハウジングの長手方向軸と同心の開口であって、ハウジングドアが第2の位置に変位したときにロック機構の少なくとも一部及び複数の電気接点の少なくとも一部の通過に対応するための開口と、ドアをベースに動作可能に接続する少なくとも1つの付勢要素であって、第1の位置に向かってハウジングドアを付勢する少なくとも1つの付勢要素と、開口に近接して配置され且つ開口が閉塞された閉鎖位置から開口が閉鎖されない開放位置まで変位可能な変位可能カバーであって、ハウジングドアが第1の位置から第2の位置へと変位されるように、ハウジングドア及びハウジングに動作可能に接続され、閉鎖位置から開放位置へと変位される変位可能カバーとを含むことができる。バケットのそれぞれは、充電モジュールの可逆的で摺動可能な物理的な挿入及び取り外しに対応することができる。バケットのそれぞれは、電力変換モジュールの可逆的で摺動可能な物理的な挿入及び取り外し並びに配電網及びバケットに挿入された各充電モジュールへの電力変換モジュールの可逆的で摺動可能な電気的導電性結合に対応することができる。
【0026】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電及び2方向配給システムは、充電モジュールのそれぞれに配置された少なくとも1つの携帯型電気エネルギー貯蔵装置の温度センサをさらに含むことができ、プロセッサ実行可能な命令は、さらに、少なくとも1つのプロセッサに、各携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電しながら、充電モジュールによって受け入れられた携帯型電気エネルギー貯蔵装置の温度を規定の温度範囲内に維持させる。
【0027】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置の2方向配給、充電及び販売装置を動作させる方法は、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラに通信可能に接続された複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールに第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置を受け入れることと、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールに第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置を受け入れるのに応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラによって第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の状態を判定することと、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の状態が充電を許容可能であるとの判定に応じて、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電を開始することと、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の充電と同時に、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置内の熱状態を規定の温度範囲内に維持することとを含むものとして要約されることができる。
【0028】
本方法は、さらに、第1の(ロック)位置にある第1の充電モジュールにおけるロックハブを配置するのに十分な第1の位置における第1の充電モジュールのロックハブに動作可能に接続されたアクチュエータを配置することにより、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールからの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置の取り外しを防止することを含むことができる。
【0029】
本方法は、さらに、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュールに第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置を受け入れるのに応じて、第1の携帯型電気エネルギーによって担持された持続性記憶媒体からデータを少なくとも1つの2方向配給システムコントローラによって読み取ることを含むことができる。第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された持続性記憶媒体からデータを少なくとも1つの2方向配給システムコントローラによって読み取ることは、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された持続性記憶媒体の第1の、不変の部分のデータを少なくとも1つの2方向配給システムコントローラによって読み取ることを含むことができ、持続性記憶媒体の第1の、不変の部分のデータは、製造業者固有コードを示すデータを含む。
【0030】
第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された持続性記憶媒体からデータを少なくとも1つの2方向配給システムコントローラによって読み取ることは、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された持続性記憶媒体の第2の、書き換え可能な部分のデータを少なくとも1つの2方向配給システムコントローラによって読み取ることを含むことができ、持続性記憶媒体の第2の、書き換え可能な部分のデータは、少なくとも1つの加入者識別子を示すデータを含む。
【0031】
図面において、同一の参照符号は、同様の要素又は動作を特定する。図面における要素の大きさ及び相対的な位置は、必ずしも縮尺どおりには描かれていない。例えば、様々な要素の形状及び角度は、縮尺どおりには描かれておらず、これらの要素のいくつかは、描画の視認性を改善するために任意に拡大されて配置されている。さらに、描かれた要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関するいかなる情報も伝えるように意図されるものではなく、図面における認識を容易とするために専ら選択されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、1つの例示的な実施形態にかかる、携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって駆動される複数の車両が複数の
2方向配給及び販売システムにおいて充電した装置と放電した装置を交換する環境を示す概略図である。
【
図2A】
図2Aは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、4つの充電モジュールを有する例としての
2方向配給システムの外観を示す斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、充電モジュールを含む3つの充電モジュールバケットと1つの空の充電モジュールバケットとを露出する開放したフロントカバーを有する
図2Aにおける例としての
2方向配給システムの内部を示す斜視図である。
【
図2C】
図2Cは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、充電モジュールの1つが携帯型電気エネルギー貯蔵装置を含む、複数の充電モジュールを露出する開放したフロントカバーを有する
図2Aにおける例としての
2方向配給システムを示す斜視図である。
【
図2D】
図2Dは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、複数のロックスロット及び複数の電気的充電接点を含む例としての携帯型電気エネルギー貯蔵装置の底面の平面図である。
【
図2E】
図2Eは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、
図2Dに示された携帯型電気エネルギー貯蔵装置における対応する数の相補的なロックスロットに係合するように構成された複数のロック部材と、携帯型電気エネルギー貯蔵装置における対応する数の相補的な電気的充電接点と導電接続するように構成された複数の電気的充電接点とを含む例示的な充電モジュールロックハブの斜視図である。
【
図2F】
図2Fは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電するために有用な電流を導くように電力網及び/又は再生可能エネルギー源から受信した電力を変換するために使用される
図2Aにおける
2方向配給システムに挿入可能な例示的な電力変換モジュールの斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、例としての充電モジュールの斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、ハウジングドアと、ハウジングドアを中心とする開口とを示す例としての充電モジュールの上部の平面図である。
【
図3C】
図3Cは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、変位可能ハウジングドア、ロックハブ及び複数の電気接点の間の物理的及び空間的関係を示す断面線3Cに沿った断面図である。
【
図3D】
図3Dは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、変位可能ハウジングドア、ロックハブ、複数の電気接点及び例としての開口カバーの間の関係を示す断面線3Dに沿った断面図である。
【
図3E】
図3Eは、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、様々な通信及び電力コネクタ、ロックハブ及びロックハブ用のアクチュエータを示す例としての充電モジュールの底部の平面図である。
【
図4】
図4は、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、携帯型電気エネルギー貯蔵装置を提供するための
2方向配給システムを動作させる例示的な方法のハイレベル論理フロー図である。
【
図5】
図5は、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、
2方向配給システムから携帯型電気エネルギー貯蔵装置の
2方向配給を管理する例示的な方法のハイレベル論理フロー図である。
【
図6】
図6は、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、
2方向配給システムにおける交換プロセスにおいて使用される携帯型電気エネルギー貯蔵装置によって担持された持続性記憶媒体から取得した車両固有情報を表示する例示的な方法のハイレベル論理フロー図である。
【
図7】
図7は、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、
2方向配給システムに通信可能に接続された1つ以上のバックエンドシステムを使用して加入者識別子を検証する例示的な方法のハイレベル論理フロー図である。
【
図8】
図8は、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、
2方向配給システムによって受け入れられた第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置を充電する例示的な方法のハイレベル論理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明において、特定の具体的な詳細は、様々な開示された実施形態の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら、当業者は、実施形態がこれらの具体的な詳細のうちの1つ以上がなくても、又は、他の方法、要素、材料などがあっても、実施されることができることを認識するであろう。他の例において、コントローラ及び/又はマイクロプロセッサ及び関連するプログラミング、ロジック及び/又は命令セットに関連する周知の構造である、AC/DC電力変換器、降圧及び昇圧トランス、熱制御システム、携帯型電気エネルギー貯蔵装置(例えば、二次電池)、ネットワーク及びネットワーク通信プロトコル、無線通信プロトコルは、実施形態の不必要に曖昧な記述を回避するために詳細には示されも記載もされていない。
【0034】
本願明細書において使用される場合、「動作態様」又は車両の1つ以上の「動作態様」への言及は、示されるシステムの全て又は一部を構成するシステム又は装置の任意の組み合わせ又は数の性能又は機能を含む。例えば、車両システムの動作態様は、それらの1つ以上に限定されるものではないが、車両冷却システム、車両燃料システム、車両操舵又は方向制御システム、車両サスペンション、車両電気点火システム、車両駆動系及び動力伝達システム、車両駆動系又はモータ、車両排気装置又はエミッション、又は、車両制動部を含むことができる。車両の1つ以上の動作態様に影響を与えるイベントは、記載されているシステムのうちの1つ以上の性能又は機能に影響を与えることがある。同様に、車両電気システムの動作態様は、限定されるものではないが、バッテリ放電率、点火、タイミング、電気ランプ、電気システム、電気計装などの車両電気システムに通常含まれる1つ以上の要素の性能又は機能を含むことができる。それゆえに、車両電気システムの1つ以上の態様に影響を与えるイベントは、1つ以上の電気システム要素の性能又は機能に影響を与えることがある(例えば、車速を制限するためにバッテリの放電率を制限する、点火システムが車両を始動するのを防止するなど)。
【0035】
以下の明細書及び特許請求の範囲を通して文脈が他を要求しない限り、語「備える(comprise)」並びに「備える(comprises)」及び「備える(comprising)」などのその変形は、「含むが限定されるものではない(including, but not limited to)」のようにオープンな包括的な意味で解釈されるべきである。
【0036】
本願明細書を通して「1つの実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえに、本願明細書を通して様々な場所における表現「1つの実施形態において」又は「実施形態において」の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を指すものではない。
【0037】
第1、第2及び第3などの序数の使用は、必ずしも順序のランク付けの意味を暗示するものではなく、むしろ動作又は構造の複数の例を区別することができるのみである。
【0038】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置への言及は、限定されるものではないが、バッテリ、スーパーキャパシタ又はウルトラキャパシタを含む電力を貯蔵し且つ貯蔵された電力を放出することができる任意の装置を意味する。バッテリへの言及は、限定されるものではないが、例えば、ニッケルカドミウム合金又はリチウムイオン電池セルを含む再充電可能又は二次電池セルなどの化学的電気エネルギー貯蔵セル又は複数のセルを意味する。
【0039】
本願明細書において提供される見出しや開示の要約は、便宜上にすぎず、実施形態の範囲又は意味を解釈するものではない。
【0040】
図1は、複数の
2方向配給システム110a-110n(まとめて「
2方向配給システム110」)を含む例示的な携帯型電気エネルギー貯蔵装置分配システム100の概略図を示している。
2方向配給システム110のそれぞれは、1つの例示的な実施形態にしたがって、加入者130a-130n(まとめて「加入者130」)から携帯型電気エネルギー貯蔵装置120a-120n(まとめて「携帯型電気エネルギー貯蔵装置120」)を受け入れ、充電及び分配することができる。
2方向配給システム110のそれぞれは、任意数の充電モジュール112a-112n(まとめて「充電モジュール112」)を含む。さらに、
2方向配給システム110のそれぞれは、少なくとも1つの
2方向配給システムコントローラ114を含む。
2方向配給システム110は、必要に応じて、少なくとも1つの
2方向配給システムコントローラ114に通信可能に接続された1つ以上のユーザインターフェース116を含むことができる。いくつかの実装において、1つ以上のネットワーク150は、1つ以上のバックエンドシステム160に
2方向配給システムコントローラ114のいくつか又は全てを通信可能に接続する。1つ以上のネットワーク150は、限定されるものではないが、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、1つ以上のワイドエリアネットワーク(WAN)、1つ以上の世界規模ネットワーク(例えば、インターネット)又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0041】
車両140a-140n(まとめて「車両140」)は、例えば電気牽引モータを使用することによって動力を提供するために1つ以上の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を使用することができる。車両140のそれぞれは、単一の個人、複数の個人、ビジネス若しくは企業又は政府機関を含むことができる少なくとも1人の特定の加入者130に関連している。加入者130によって選択された加入プランに基づいて、各加入者130には、特定数の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120及び/又は特定種類(例えば、標準出力、高出力、低容量/短距離、高容量/長距離など)の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120が割り当てられる。加入者130は、第1の充電モジュール112aに少なくとも部分的に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を挿入し且つ第2の充電モジュール112bから少なくとも部分的に充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を取り外すことにより、2方向配給システム110において携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を交換する。2方向配給システム110は、各加入者130によって選択された加入プランに少なくとも部分的に基づいて加入者130に少なくとも部分的に充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を割り当てる。
【0042】
各携帯電気エネルギー貯蔵装置120は、持続性記憶媒体122を担持する。時には、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に関連付けられた製造業者固有データは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120のそれぞれによって担持された持続性記憶媒体122の第1の部分内に保持されることができる。いくつかの例において、持続性記憶媒体122の第1の部分は、不変とすることができるか又は書き換え不能とすることができる。いくつかの例において、製造業者固有データは、符号化され、暗号化され又は読み取り不能若しくは判読不能な状態とすることができる。時には、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に関連付けられた加入者識別データは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120のそれぞれによって担持された持続性記憶媒体122の第2の部分内に保持されることができる。いくつかの例において、持続性記憶媒体122の第2の部分は、例えば、2方向配給システム110によって書き換え可能とすることができる。
【0043】
2方向配給システム110は、有利には、各加入者130によって選択され且つ各加入者130に倫理的に関連付けられた加入プラン次第で必要に応じて又はオンデマンドベースで充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を取得する能力を加入者130に提供する。充電モジュール112a-112nは、それぞれ、単一の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の挿入を受け入れることができる。充電モジュール112に挿入されると、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、充電モジュール112においてロックされるか又は固定的に保持され、2方向配給システムコントローラ114によって確立されて維持された、規定されて制御された条件のもとに充電される。2方向配給システムコントローラ114は、加入者情報、加入アップグレードの提示、他の提示、それらの交換された携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に関する診断情報、加入者の車両140に関する診断情報、又は、それらの組み合わせを少なくとも1つのユーザインターフェース116において表示させる。
【0044】
2方向配給システムコントローラ114は、1つ以上のバックエンドシステム160にネットワーク150を介して通信可能に接続されることができる。2方向配給システムコントローラ114とバックエンドシステム160との間の通信可能な接続は、有線通信可能な接続(例えば、イーサネット(登録商標)を介して、平易な古い電話サービスなど)又は無線通信可能な接続(例えば、GSM(登録商標)、CDMAなどのセルラ接続を介して、又は、IEEE802.11などの無線ネットワーク接続を介して、インターネットなど)又はそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの例において、2方向配給システムコントローラ114は、冗長及び/又はフェールオーバー通信能力を提供するために、バックエンドシステム160との複数の通信可能な接続を有することができる(例えば、地上有線POTSを介した1つの接続、及び、無線セルラ又は衛星を介した第2の接続)。
【0045】
いくつかの実装において、2方向配給システム110は、必要に応じて、任意数の入力/出力(I/O)装置を含むことができる。そのようなI/O装置は、I/O装置によって読み取られた又は取得されたデータを2方向配給システムコントローラ114に通信する。例えば、現金又は通貨(すなわち、紙幣、硬貨及び/又はトークン)アクセプタは、2方向配給システム110における現金支払い(すなわち、販売時点又は加入支払い)の受け入れを可能とするように2方向配給システムコントローラ114に通信可能に接続されることができる。他の例において、磁気ストライプリーダは、クレジット及び/又はデビットカード支払いの受け入れを可能とするように、また、2方向配給システム110による加入者識別カードの使用を可能とするように、2方向配給システムコントローラ114に通信可能に接続されることができる。他の例において、近距離通信(NFC)又は他の同様の短距離無線通信インターフェースは、2方向配給システムコントローラ114に通信可能に接続されることができる。そのような短距離無線通信インターフェースは、2方向配給システムコントローラ114が加入者識別トークン(例えば、キーフォブ、カード、営業許可など)からのデータ及び/又は加入者の車両140から車両情報(例えば、保守、サービス及び同様の診断情報)を取得するのを可能とする。
【0046】
2方向配給システムコントローラ114は、バックエンドシステム160に対する動作又は保守情報を提供することができ、それにより、自律的修理/交換のスケジューリング能力を可能とする。例えば、2方向配給システムコントローラ114は、バックエンドシステム160に対して故障した充電モジュール、電力変換器又は携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を示すデータを通信することができる。いくつかの実装において、バックエンドシステム160は、特定された誤動作の2方向配給システム110の要素の制限されたトラブルシューティングを行うことができる。例えば、バックエンドシステム160は、2方向配給システムコントローラ114及び/又は1つ以上の特定された誤動作の要素を再起動又は再開することができる。他の例において、2方向配給システムコントローラ114は、バックエンドシステム160に対して(例えば、故障コード、QRコード(登録商標)、温度、動作電流、動作電圧などの形態で)動作、保守及び/又は故障状態を表すデータを通信することができ、それにより、2方向配給システム110に対する修理員の適時な派遣を可能とする。いくつかの実装において、バックエンドシステム160は、安定した動作状態で他の機能要素を保存するために、誤動作の2方向配給システムの要素を選択的に無効とすることができる。例えば、2方向配給システムコントローラ114及び/又はバックエンドシステム160は、充電モジュール112b-112nの他の機能の動作を可能とするために、2方向配給システム内の配電網から、大電流障害状態を被っている充電モジュール112aを切断することができる。
【0047】
いくつかの例において、バックエンドシステム160は、加入者130a-130nのそれぞれに関連付けられた加入プランを示すデータを保持することができる。そのような例において、2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120のそれぞれによって担持された持続性記憶媒体122の第2の部分から携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に関連付けられた加入者識別データを読み取り、バックエンドシステムに160に対して読み取ったデータの少なくとも一部を通信する。バックエンドシステム160は、2方向配給システムコントローラ114によって提供された加入者識別データを検証又は確認する。バックエンドシステム160は、2方向配給システムコントローラ114に対して加入者識別情報の成功又は失敗した検証を示すデータを通信する。成功した検証を示すデータの受信に応じて、2方向配給システムコントローラ114は、2方向配給システム110に1つ以上の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を各加入者130に放出又は分配させることができる。
【0048】
時には、バックエンドシステム160は、2方向配給システム110に対して、優良な(例えば、当座、プリペイド、不足額ゼロを示す)アカウントを有する加入者を示すデータ及び/又は優良でない(例えば、滞納、未払い、又は、期限経過不足額を示す)アカウントを有する加入者を示すデータを定期的に発行又は「プッシュ」することができる。そのような加入者アカウントデータは、各持続性記憶装置において各2方向配給システム110にローカルに保持されることができる。時には、バックエンドシステム160は、2方向配給システム110から遠隔の持続性記憶装置において加入者アカウント情報を示すデータを含むデータベース又はデータストアを維持することができる。そのような加入者アカウント情報は、2方向配給システム110の一部又は全てに対してバックエンドシステム160によって断続的に、定期的に又は連続的に通信されることができる。
【0049】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、電荷の形態でエネルギーを貯蔵又は生成することができる任意の現在又は将来開発されるシステム、装置又はシステム及び装置の組み合わせを含むことができる。例としての携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、限定されるものではないが、任意の現在又は将来開発されるバッテリの化学的性質を有する二次(すなわち、再充電可能)電池、ウルトラキャパシタ、スーパーキャパシタなどを含むことができる。例示的な携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、限定されるものではないが、鉛/酸電池、ニッケル/カドミウム電池、リチウムイオン電池及び同様の再充電可能電池の種類を含む。各携帯電気エネルギー貯蔵装置120は、各携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を放電及び充電するための複数の外部からアクセス可能な電気接点を含む弾性ケーシング、筐体又はハウジング内に含まれる。いくつかの例において、1つ以上の相変化材料は、熱管理能力を提供するために携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に一体化されることができる。
【0050】
各携帯電気エネルギー貯蔵装置120は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の持ち運びと、2方向配給システム110からの携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の挿入及び取り外しとを容易とするために1つ以上の人間工学的特徴を有するケーシング、筐体又はハウジングを有することができる。例えば、各携帯電気エネルギー貯蔵装置120は、車両140及び/又は2方向配給システム110における充電モジュール112からの携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の挿入及び取り外しを容易とするために突起、ノブ又はハンドルを含むことができる。携帯電気エネルギー貯蔵装置120のそれぞれは、同じ又は異なる電荷容量を有することができる。携帯電気エネルギー貯蔵装置120のそれぞれは、同じ又は異なる電気エネルギーの放電特性を有することができる。携帯型電気エネルギー貯蔵装置120のそれぞれによって共有される1つの特徴は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120のそれぞれによって担持された持続性記憶媒体122の第1の部分において製造業者固有識別子を示すデータを保持することである。
【0051】
いくつかの実装において、複数の充電モジュール112のうちの1つに携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を受け入れると、2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を充電する前に、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120によって担持された持続性記憶媒体122に保持される製造業者識別子を認証する。いくつかの例において、2方向配給システムコントローラ114は、充電モジュール112によって受け入れられた携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の持続性記憶媒体122に保持される製造業者識別子の認証失敗時にユーザインターフェース116を介してメッセージを提供することができる。
【0052】
図2Aは、1つの例示的な実施形態にかかる、
図1に示されるような例としての
2方向配給システム110の外観斜視図を示している。
図2Aに示される
2方向配給システム110は、ベースの
2方向配給システム110に対して複数の追加の充電モジュール112(
図2Aに示される4つ、112e-112h、より多数又はより少数も可能)を提供する拡張モジュール210に接続される。各
2方向配給システム110は、任意数の充電モジュール112を含むことができること、及び、各
2方向配給システム110は、同じ又は異なる数の充電モジュール112を有することができることが理解されるべきである。
【0053】
また、
図2Aにおいて視認可能であるものは、ハウジング202と充電モジュール112との間の耐候性シールを提供するために充電モジュール112のそれぞれを囲む外部ハウジング202及びガスケット204である。占有された充電モジュール214は、それぞれ、単一の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を含む。
【0054】
携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の制御、動作及び/又は充電のために2方向配給システム110によって消費される電力の少なくとも一部は、ローカル配電網などの電力供給部に対して1つ以上の接続220を介して提供されることができる。いくつかの実装において、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の制御、動作及び/又は充電のために2方向配給システム110によって消費される電力の少なくとも一部は、1つ以上の再生可能エネルギー源を介して代替的に又は追加的に提供されることができる。例えば、1つ以上の太陽電池アレイ230は、2方向配給システム110に電気導電的に接続されることができる。
【0055】
いくつかの例において、2方向配給システム110は、1つ以上の生体センサ206を含むことができる。そのような生体センサ206は、限定されるものではないが、2方向配給システム110において加入者130に付随する1つ以上の生体態様を検出することができる可視若しくは赤外線スチル若しくはビデオカメラ、近接検出器、超音波トランスデューサ又は任意の他のセンサ、システム又はセンサ及びシステムの組み合わせのうちの1つ以上を含むことができる。そのような生体センサ206は、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114に様々な入力信号を供給することができる。生体センサ206によって供給される信号の受信に応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、生体センサ信号によって提供されたデータに少なくとも部分的に基づいて加入者130に解放するために特定の充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を選択することができる。それゆえに、例えば、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、検出された加入者130の高さが規定された高さ閾値未満である(例えば、152cm未満又は約5フィート未満)場合には、2方向配給システム110の下部から携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を解放することができる。
【0056】
図2B及び
図2Cは、1つの例示的な実施形態にかかる、
2方向配給システム110の内部構造を露出させるために回動可能に変位する外部ハウジング202の一部を有する
図1及び
図2Aに示されるような例としての
2方向配給システム110の内部の斜視図を示している。
【0057】
図2Bは、充電モジュール112a-112cが
2方向配給システム110内の「バケット」又はパーティション230a-230cのそれぞれに設置されており、
2方向配給システム110内の1つの「バケット」又はパーティション230dが空のままである、
2方向配給システム110の内部の斜視図を示している。いくつかの実装において、個々の充電モジュール112は、バケット230からの充電モジュール112の摺動可能な挿入及び取り外しを容易とするモジュール構成からなる。そのようなモジュール構成は、有利には、新たに挿入された充電モジュール112に対する電力、制御及び/又は通信の手間と時間のかかる再配線の必要なく、充電モジュール112の全体の取り外し及び交換を容易とする。そのようなモジュール構成は、バケット230からの充電モジュール112のツールレス又はツールフリーの挿入及び取り外しを容易とすることができる。充電モジュール112のそれぞれは、充電モジュールに携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を保持するように構成された機械式ロック装置(
図2B又は
図2Cでは示していない)を含む。機械式ロック装置はまた、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120における相補的な数の外部からアクセス可能な電気接点に対応して導電的に接続する複数の電気接点又は電極(同様に
図2B又は
図2Cでも示していない)を含む。充電モジュール112の交換を有利に容易とするこれらの及び他の特徴は、
図3A-
図3Eにおいて詳細に記載される。
【0058】
図2Cは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bが
2方向配給システム110のバケット230bに配置された1つの充電モジュール112bに受け入れられた
2方向配給システム110の内部の斜視図を示している。バケット230aに配置された第2の充電モジュール112aは空であり、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120をまだ受け入れていない。また、
図2Cから明らかなものは、加入者が充電モジュール112bから携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bを挿入及び取り外しするのを可能とする携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bにおける露出したハンドルである。
【0059】
図2Dは、例示的なロックコネクタ及び電気的接続アセンブリ240を示す例としての携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の底面の平面図を示している。ロックコネクタ及び電気的接続アセンブリ240は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120が充電モジュール112によって受け入れられたとき、対応する相補的な係止部材(
図2Eを参照)をそれぞれ受ける複数の空洞242a-242d(示されるのは4つ、より多数又はより少数も可能-まとめて「空洞242」)を含む。
【0060】
アセンブリ240は、さらに、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120における凹部内に位置する複数の電気接点(示されるのは244、246の2つ、他の個数も可能)を含む。電気接点244、246は、充電モジュール112から及び互いから電気的に絶縁されている。径方向に配置されているものの、電気接点244、246は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120における任意の同様の凹部に配置されてもよい。例としての凹部は、例えば、同心三角形の窪み、正方形の窪み、丸みを帯びた正方形の窪み、多角形の窪み又は丸みを帯びた多角形の窪みなどの同心形状又は構成を有することができる窪みを含む。
【0061】
図2Eは、充電モジュール112のそれぞれに配置された例示的な相補的ロックハブ及び電気接点アセンブリ250の斜視図である。ロックハブ及び電気接点アセンブリ250は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120が充電モジュール112によって受け入れられたとき、空洞242a-242dの対応するものをそれぞれ受ける複数のロック部材253a-253d(示されるのは4つ、より多数又はより少数も可能-まとめて「ロック部材253」)を有する回転可能なロックハブ252を含む。ロックハブ252を回転させることにより、ロック部材253のそれぞれは、凹部242のそれぞれの端縁に係合し、それにより、充電モジュール112からの携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の取り外しを防止する。ロックハブ及び電気接点アセンブリ250はまた、複数の電気接点(示されるのは254、256の2つ、他の個数も可能)を含む。
【0062】
一般に、電気接点254、256は、ロックハブ252の中央に対して垂直な軸に沿ってロックハブ252の内側に同心円状に配置されている。電気接点254、256は、充電モジュール112から及び互いから電気的に絶縁されている。電気接点254、256は、
図2Eにおいて径方向に同心円状の物体として示されているが、電気接点254、256は、例えば、同心三角形、四角形、丸みを帯びた四角形、多角形及び/又は丸みを帯びた多角形などの任意の同心形状又は構成を有することができる。充電モジュール112が携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を受け入れると、電気接点254、256は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120における相補的開口内に嵌合することにより、
2方向配給システム110における配電網と携帯型電気エネルギー貯蔵装置120との間の導通経路を提供する。有利には、ロックハブ252及び電気接点254、256の同心配置は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を具体的に配向するために加入者を必要とすることなく、充電モジュール112への携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の挿入を可能とする。
【0063】
図2Fは、例示的な実施形態にかかる、充電モジュール112によって受け入れられた携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に対して直流電流を供給するために使用される少なくとも1つの充電モジュール112に導電接続可能なモジュール式電力変換器260を示している。モジュール式電力変換器260は、1つ以上のモジュール式インターフェース262(
図2Fでは示していない)を含む。1つ以上のモジュール式インターフェース262は、
2方向配給システム110内の配電網(例えば、交流電流又はAC電源)から電力を受信するための1つ以上の入力を含む。1つの以上のモジュール式インターフェースは、電気的に導電接続された充電モジュール112に対して電力(例えば、直流電流又はDC電源)を供給するための1つ以上の出力を含む。さらに、モジュール式電力変換器260は、1つ以上の
2方向配給システムコントローラ114に対して双方向通信可能に接続するための1つ以上のテザー又は無線通信インターフェースを含むことができる。
【0064】
モジュール式電力変換器260及び1つ以上のモジュール式インターフェース262の物理的構成は、2方向配給システム110に対するモジュール式電力変換器260の摺動可能な物理的挿入及び取り外しを可能とする。そのような構成は、有利には、故障したモジュール式電力変換器260の現場修復を必要とすることなく、故障したモジュール式電力変換器260の迅速な現場交換を可能とする。いくつかの例において、モジュール式電力変換器260は、バケット230からのモジュール式電力変換器260の挿入及び/又は取り外しを容易とするために1つ以上の人間工学的ハンドル又は他の装置を含むことができる。
【0065】
いくつかの実装において、2方向配給システムコントローラ114は、2方向配給システム110に設置された各モジュール式電力変換器260の性能の1つ以上の態様を監視する。いくつかの実装において、各モジュール式電力変換器260の1つ以上の性能態様の監視に加えて、2方向配給システムコントローラ114はまた、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に対してモジュール式電力変換器260によって供給される電流の1つ以上の出力態様を制御する。例えば、2方向配給システムコントローラ114は、充電中に携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の温度を規定の範囲内に維持するために、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120への電流の流れを制御することができる。他の例において、2方向配給システムコントローラ114は、電気的に接続された携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の充電レベルに基づいて、モジュール式電力変換器260のそれぞれによって供給される出力電流を調整することにより、複数のモジュール式電力変換器260の電力消費を調整することができる。それゆえに、2方向配給システムコントローラ114は、充電レベルが増加するのにともない、より低い充電状態において且つそれらの携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に対するより少ない電流に比例して携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に電気的に接続されたモジュール式電力変換器260からのより高い電流出力を可能とすることができる。いくつかの例において、2方向配給システムコントローラ114は、1つ以上のモジュール式電力変換器260における異常を検出することに応じてバックエンドシステム160に通知することができる。
【0066】
図3A-
図3Eは、例示的な実施形態にかかる、例示的な充電モジュール112を示している。
図3Aは、例示的な充電モジュール112の斜視図を示している。
図3Bは、
図3Aにおける充電モジュール112の上部の平面図を示している。
図3Cは、
図3Bにおける断面線3C-3Cに沿った
図3Aにおける例としての充電モジュール112の立断面図を示している。
図3Dは、
図3Bにおける断面線3D-3Dに沿った
図3Aにおける例としての充電モジュール112の立断面図を示している。
図3Eは、
図3Aにおける例としての充電モジュール112のベースの平面図を示している。
【0067】
充電モジュール112は、内部空間306を形成するように長手方向軸303の周囲に配置されたハウジング302を含む。充電モジュール112は、さらに、長手方向軸303に対してほぼ垂直であり且つハウジング302の第1の端部に物理的に取り付けられるベース304を含む。充電モジュール112は、長手方向軸303に対してほぼ垂直であり且つハウジング302に物理的に取り付けられる入口310を含む。入口310は、ハウジング302によって画定された内部空間306がアクセスされるオリフィス312を含む。長手方向軸303に沿って変位可能なハウジングドア320は、オリフィス312の少なくとも一部を被覆するか又は閉鎖する。長手方向軸303を中心とする任意の形状又は構成(例えば、ダイヤモンド、正方形、円形、楕円形)を有する開口330は、ハウジングドア320を貫通する。ハウジング302の1つ以上の外面に1つ以上の表面特徴308(例えば、戻り止め、スロット、溝)が形成されることができる。様々な実装において、1つ以上の凹部、戻り止め、スロット又は溝308は、2方向配給システム110におけるバケット320と充電モジュール112を整列させることができ、それにより、バケット230への充電モジュール112の摺動可能な挿入を容易とする。
【0068】
ここで
図3Cを参照すると、ハウジングドア320が2つの位置で示されており、第1の位置320は入口310に近接し、第2の位置320’はベース304に近接している。充電モジュール112がバケット230に挿入され、且つ、
2方向配給システムのハウジング202が閉鎖されると、ガスケット204は、オリフィス312の周囲に耐候性シールを形成する。充電モジュール112における携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の非存在下で、複数の付勢部材350は、入口310に近接する第1の位置へとハウジングドアを付勢する。ハウジングドア320が第1の位置にあるとき、変位可能カバー360は、開口330を閉鎖する。
【0069】
図3Cにおいてみえるものは、ロックハブ及び電気接点アセンブリ250である。回転可能なロックハブ252は、内部空間306へと少なくとも部分的に延在し、ハウジング302の長手方向軸303に沿って中央に配置されている。回転可能なロックハブ252は、1つ以上のリンク部材342を介してアクチュエータ340に対して動作可能に物理的に接続されている。いくつかの例において、アクチュエータ340は、新たな位置に移動するために信号がアクチュエータ340によって受信されるまで最後の位置のままである維持位置型のアクチュエータとすることができる。いくつかの例において、アクチュエータ340は、エネルギー源がアクチュエータ340から除去された後に1つの位置にバネ留めされるか又は付勢されることができる。少なくとも1つの実施形態において、アクチュエータ340は、回転可能なロックハブ252におけるロック部材253が充電モジュール112の内部空間に挿入された携帯型電気エネルギー貯蔵装置120における対応する空洞242に係合する位置に付勢される。他の例において、アクチュエータは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120における対応する空洞242に係合するためにロックハブ252を直線的に平行移動することができる。例えば、アクチュエータ340は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120における対応する空洞242内へのバー型のロックハブ部材の直線変位を生じさせることができる。
【0070】
充電モジュール112の内部空間306に挿入されると、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の挿入の力を使用してハウジング302の長手方向軸303に沿ってハウジングドア320を変位させる。
図3Dを参照すると、いくつかの例において、変位可能カバー360は、内部空間306の少なくとも1つの壁に、壁に沿って又は壁を通って形成された蛇行スロット352に沿って摺動する1つ以上の軸部材362を有することができる。ハウジングドア320が長手方向軸303に沿って変位するのにともない、軸362は、蛇行スロット352に沿って移動し、変位可能カバー360を離れさせ、その結果、オリフィス330を開放する。それゆえに、ロックハブ及び電気接点アセンブリ250は、ハウジングドア320が第2の位置にあるとき、オリフィス330を少なくとも部分的に通過するのが可能とされる。
【0071】
ハウジングドア320が第2の位置にあるときにオリフィス330を通るロックハブ及び電気接点アセンブリ250の通路は、モジュール式電力変換器260からの電力を供給する電気接点254、256と携帯型電気エネルギー貯蔵装置120における凹部242に配置された電気接点244、246との間の電気的接触を可能とする。そのようなものは、モジュール式電力変換器260が携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を充電するためにエネルギーを供給するのを可能とする。携帯型電気エネルギー貯蔵装置120が充電モジュール112から取り外されると、付勢部材350は、第2の位置から第1の位置へのハウジングドア320の変位を生じさせる。ハウジングドア320が長手方向軸303に沿って第2の位置から第1の位置へと移動するのにともない、変位可能カバー360に接続された軸362は、蛇行スロット352に沿って移動し、それに向かって変位可能カバー360を移動させ、その結果、ハウジングドア320が第1の位置にあるときにオリフィス330を閉塞する。
【0072】
ここで
図3D及び
図3Eを参照すると、ベース304の外側部分にモジュール式電気的インターフェース360が配置されている。モジュール式電気的インターフェース360は、モジュール式電力変換器260の出力から電気接点254、256への電力の流れを容易とする。いくつかの例において、モジュール式電気的インターフェース360は、さらに、充電モジュール112と少なくとも1つの
2方向配給システムコントローラ114との間において信号の双方向の流れを提供する。モジュール式電気的インターフェースは、有利には、電源又は信号配線の手動接続又は結合を必要とすることなく、バケット230への充電モジュール112の摺動可能な挿入及び取り外しを可能とする。
【0073】
図4は、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を提供するための
2方向配給システム110を動作させる例示的な方法400のハイレベル論理フロー図である。携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を使用して駆動される車両140の製造業者はまた、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を提供することができる。携帯型電気エネルギー貯蔵装置120はまた、車両を製造しないが携帯型電気エネルギー貯蔵装置を販売する関係者によって提供されることもできる。安全性及び操作性の理由から、製造業者は、車両性能を最適化するために、車両寿命を最大化するために及び/又は車両運転者の安全性を高めるために、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に対して厳しい製造及び品質管理を設置することができる。製造業者は、地理的領域(例えば、市、郡、州又は国)を通して便利な場所において
2方向配給システム110を提供することによって電気自動車の広範な社会的受容性を改善するように選択することができる。これらの
2方向配給システム110において、携帯型電気エネルギー貯蔵装置交換プログラムに加入している車両の運転者は、より完全に充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120と放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を交換することができる。そのような交換をサポートすることにより、製造業者は、遠隔場所において足止めされて且つ電力がないという公共の懸念を緩和することができ、それにより、環境に優しい電気自動車技術の社会的受容性を増大させることができる。携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を提供するために
2方向配給システム110を動作させる方法400は、402において開始する。
【0074】
404において、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aは、第1の充電モジュール112aによって少なくとも部分的に受け入れられる。例えば、加入者130は、車両140から少なくとも部分的に放電した第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを取り外しすることができる。加入者130は、2方向配給システム110において空の第1の充電モジュールに112aに少なくとも部分的に放電した第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを挿入する。
【0075】
406において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、少なくとも部分的に放電した第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aからデータを読み取る。いくつかの例において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、例えば、近距離通信、周波数識別(RFID)又はBluetooth(登録商標)を使用して、持続性記憶媒体122aからデータを無線で読み取る。
【0076】
408において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aが車両製造業者によって承認されていることを確認するために、少なくとも部分的に放電した第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aから読み取られたデータの第1の部分を認証する。いくつかの例において、データの第1の部分は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aの不変部分に記憶又は保持されたデータを含むことができる。いくつかの例において、データの第1の部分は、暗号化され、符号化され又は保護されている製造業者識別子を含むことができる。
【0077】
いくつかの例において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aから読み取られたデータの第1の部分をローカルに認証することができる。例えば、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、製造業者によって供給され且つ少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114によって読み取り可能な持続性記憶媒体に記憶された既知の認証コードと、持続性記憶媒体122aから読み取られたデータの全て又は一部を比較することができる。
【0078】
他の例において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aから読み取られたデータの第1の部分を遠隔に認証することができる。例えば、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、バックエンドシステム160に対して製造業者識別子を含むデータの第1の部分の少なくとも一部を通信することができる。バックエンドシステム160は、製造業者によって供給され且つバックエンドシステム160によって読み取り可能な持続性記憶媒体に記憶された既知の真正の製造業者識別子と、持続性記憶媒体122aから読み取られたデータの第1の部分を比較することができる。そして、バックエンドシステム160は、持続性記憶媒体122aから読み取られた製造業者識別子の認証の結果を示すメッセージを少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114に対して通信することができる。
【0079】
410において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを返却する加入者130の加入の有効性を確認するために、少なくとも部分的に放電した第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122a読み取られたデータの第2の部分を検証する。いくつかの例において、データの第2の部分は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aの書き換え可能部分に記憶又は保持されたデータを含むことができる。いくつかの例において、データの第2の部分は、特定の加入者130を固有に特定することができる。
【0080】
いくつかの例において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aから読み取られたデータの第2の部分に含まれる加入者識別子をローカルに検証することができる。例えば、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、全ての既知の有効な加入者識別子を示すデータベース又はデータストア内のエントリと、持続性記憶媒体122aの第2の部分から読み取られた加入者識別子の全て又は一部を比較することができる。いくつかの例において、バックエンドシステム160は、定期的に、断続的に又は時々、全ての既知の有効な加入者識別子を示すデータベース又はデータストアの全て又は一部を少なくとも1つの分配システムコントローラ114に対して通信することができる。いくつかの実装において、そのようなデータベース又はデータストアは、「ホワイトリスト」(すなわち、優良であるアカウントを有する加入者のリスト)、「ブラックリスト」(すなわち、優良でないアカウントを有する加入者のリスト)又はそれらの任意の組み合わせを示すデータを含むことができる。
【0081】
他の例において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、持続性記憶媒体122aから読み取られたデータの第2の部分に含まれる加入者識別子を遠隔に認証することができる。例えば、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、データの第2の部分に含まれる加入者識別子の少なくとも一部をバックエンドシステム160に対して通信することができる。バックエンドシステム160は、全ての既知の有効な加入者識別子を示すデータベース又はデータストア内のエントリと加入者識別子を比較することができる。そして、バックエンドシステム160は、持続性記憶媒体122aから読み取られたデータの第2の部分に含まれる加入者識別子の検証結果を示すメッセージを少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114に対して通信することができる。
【0082】
2方向配給システム110が、加入者のアカウントが優良でないと判定した場合、メッセージは、ディスプレイ116、加入者に論理的に関連付けられているハンドヘルド装置又はその双方に表示されることができる。メッセージは、充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を分配する前にそれらのアカウントを「優良な」状態にするように加入者130に要求することができる。いくつかの例において、加入者130は、2方向配給システム110における入力装置(例えば、磁気ストライプリーダ)又はスマートフォンなどの携帯無線装置を使用して電子決済(例えば、クレジットカード又はデビットカード)を提供することができる。いくつかの例において、加入者130は、キオスクを介して又はスマートフォンなどの携帯無線装置を介してバックエンドシステム160に対する入力を提供することにより、加入者アカウントを優良にするように以前に提供された(すなわち、「オンファイルの」)デビットカード又はクレジットカードから引き落とし又はチャージするようにバックエンドシステム160を許可することができる。
【0083】
正常に支払い処理した後、2方向配給システム110が加入者アカウント状態をローカル検証する場合、2方向配給システム110は、受信した支払い及び更新したアカウント状態を反映させるために持続性記憶媒体内の加入者情報を直ちに更新することができる。そのような更新された加入者アカウント情報は、直ちに又は1つ以上の規定された間隔でバックエンドシステム160によってプッシュ又はプルされることができる。遠隔検証が使用される場合、バックエンドシステム160は、加入者の改訂されたアカウント状態を反映させるために支払いが正常に完了すると加入者情報を直ちに更新することができ、2方向配給システム110に対して各加入者のアカウント状態を示すデータをプッシュすることができる。時には、バックエンドシステム160及び/又は2方向配給システム110は、各加入者130のアカウント状態に基づいて加入者130にメッセージを提供することができる。例えば、優良でないアカウントを有する加入者130には、加入者が預金口座を介して又はクレジット若しくはデビットカードを介して収集される定期的自動引き落とし支払いなどの自動支払方法へと支払い方法を変更したいかどうかを問い合わせるメッセージが表示装置116を介して提供されることができる。
【0084】
2方向配給システム110は、加入者130に携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を分配する前に携帯型電気エネルギー貯蔵装置120及び/又は加入者車両140と通信することができる。そのような通信は、例えば、分配された携帯型電気エネルギー貯蔵装置120によって担持されたセキュリティ又は他のコントローラによって少なくとも部分的に実行可能な命令を含むことができる。そのような通信は、例えば、加入者車両140に又はそれによって担持された1つ以上のコントローラによって少なくとも部分的に実行可能な命令を含むことができる。
【0085】
1つの実装において、優良でない加入者アカウントに論理的に関連付けられている加入者130は、充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、加入者のアカウント状態に少なくとも部分的に起因して利用できないことを見出すためにのみ消耗したバッテリとともに2方向配給システム110に到達することがある。加入者130を孤立させるというよりもむしろ、いくつかの例において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に対して命令を通信することができる。いくつかの例において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114によって提供される命令は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120によって達成可能な最大エネルギー放電速度未満の規定値に分配された携帯型電気エネルギー貯蔵装置120のエネルギー放電速度を制限することができる。携帯型電気エネルギー貯蔵装置120のエネルギー放電速度を制限することは、加入者130が自己のアカウントを優良にするまで、加入者の車両140の速度を効果的に制限する。
【0086】
他の例において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114によって提供される命令は、加入者の車両140にとって利用可能なエネルギーを制限するか又は上限を定めることができる。例えば、命令は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120から利用可能なエネルギーを、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120に貯蔵(すなわち、チャージ)された総エネルギーの規定された割合に制限することができる。例えば、1キロワット時(kWh)の貯蔵されたエネルギーレベルを有する携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、優良でない加入者アカウントに関連付けられている加入者に分配されるとき、50%の利用可能性(すなわち、500ワット時)に制限されることができる。そのようなエネルギーの利用可能性の制限を有する携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、規定されたエネルギーの利用可能性の制限に到達したときに加入者の車両140へのエネルギーの供給停止することができる。
【0087】
他の例において、2方向配給システム110によって分配された携帯型電気エネルギー貯蔵装置120においてエネルギーの利用可能性の上限を定めるか又は制限することは、1つ以上の外因性要因に基づくことができる。時には、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120におけるエネルギーの利用可能性の上限は、2方向配給システム110と規定された地理的点との間の距離に全体的に又は部分的に基づくことができる。例えば、2方向配給システム110は、各加入者130に論理的に関連付けられている加入者アカウントが優良でない場合、規定された場所(例えば、自宅、職場)に到達するのに加入者130にとって十分なエネルギーの利用可能性の上限を有する携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を分配することができる。時には、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、加入者130に論理的に関連付けられている加入者アカウントが優良でない場合、加入者の車両140によって担持されたコントローラと追加的又は代替的に通信することができる。時には、そのような通信は、2方向配給システム110と加入者車両140との間において無線で行うことができる。またある時には、そのような通信は、例えば、2方向配給システム110によって放電された携帯型電気エネルギー貯蔵装置120によって担持された持続性記憶媒体122を介して、2方向配給システム110と加入者車両140との間で交換される1つ以上の中間装置を介して行うことができる。少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114と加入者車両140との間の通信は、加入者130に論理的に関連付けられている加入者アカウントが優良でないとき、1つ以上の車両システムの性能を制限又は変更することができる。1つの実装において、そのような通信は、加入者130に論理的に関連付けられている加入者アカウントが優良でないことを示す方法として1つ以上の車両システム(例えば、照明、ホーン)に不規則に又は自発的に動作させることができる。そのような変更された車両システムは、例えば、加入者アカウントが良好になるまでなど、規定された期間だけ変更された状態に維持されることができる。
【0088】
重要なことに、認証及び検証プロセスは無関係である。408における認証は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aの第1の部分に記憶された製造業者識別子を比較することにより、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aが製造業者承認装置であることを保証する。410における検証は、挿入された携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの持続性記憶媒体122aに担持された加入者識別子に論理的に関連付けられた加入が有効であることを保証する。さらに、410における検証は、加入者識別子に論理的に関連付けられている加入に基づいて加入者に分配するように、充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120b-120nの数、種類及び性能に関するガイダンスを有する2方向配給システム110を提供する。
【0089】
412において、408における認証が成功し且つ410における検証が成功したのに応じて、2方向配給システム110は、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aから読み取られた加入者識別子を含むデータの第2の部分を、第2の充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bによって担持された持続性記憶媒体122bに書き込む。製造業者固有識別子は、充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bによって担持された持続性記憶媒体122bの不変又は書き換え不能な第1の部分に記憶又は保持されることを思い出されたい。それゆえに、持続性記憶媒体122bの第2の部分に加入者識別子を書き込んだ後、持続性記憶媒体122bの第1の部分は、製造業者識別子を示すデータを含み、持続性記憶媒体122bの第2の部分は、加入者識別子を示すデータを含む。
【0090】
414において、408における製造業者識別子の認証が成功し且つ410における加入者識別子の検証が成功したのに応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、2方向配給システム110からの充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bの取り外しを可能とする。携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を提供するために2方向配給システム110を動作させる方法400は、402において開始する。
【0091】
図5は、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を提供するために
2方向配給システム110を動作させる例示的な方法500のハイレベル論理フロー図を示している。ロックハブ252は、充電モジュール112に携帯型電気エネルギー貯蔵装置120をロックする。いくつかの例において、ロックハブ252は、第1の(ロック)位置に向かって付勢され、付勢は、充電モジュール112に携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を挿入することによって解消されることができる。そのような場合、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、挿入時に充電モジュール112にロックされる。他の例において、ロックハブは、第2の(ロック解除)位置に向かって付勢され、それゆえに、ロックハブ252が第1の(ロック)位置へと回転されるときまで、充電モジュール112からの携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の取り外しを可能とすることができる。挿入時に第1の充電モジュール112aに少なくとも部分的に放電した第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aをロックし且つ製造業者識別子の認証及び加入者識別子の検証成功時に第2の充電モジュール112bから充電した第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bをロック解除する方法500は、502において開始する。
【0092】
504において、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュール112aは、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を受け入れる。第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120が第1の充電モジュール112aに挿入されるのにともない、第1の充電モジュール112aにおけるロックハブ252は、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120における空洞242に係合し、第1の充電モジュール112aに第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を固定的にロックする。
【0093】
いくつかの例において、ロックハブ252は、螺旋コイルバネ又は同様のものなどの1つ以上の付勢部材を使用して第1の(ロック)位置に向かって付勢される。そのような場合、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの挿入は、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aが充電モジュール112に位置し且つロックハブが第1の(ロック)の位置に戻るように回転可能に付勢するまで、第1の位置からのロックハブ252の一時的な回転変位を生じさせる。
【0094】
他の例において、アクチュエータ340は、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aが第1の充電モジュール112aに装着されるまで、第1の(ロック)位置から第2の(ロック解除)位置へのロックハブ252の回転変位を生じさせる。第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aが第1の充電モジュール112aに装着された後、アクチュエータは、第2の(ロック解除)位置から第1の(ロック)位置へのロックハブ252の回転変位を生じさせることができ、それにより、第1の充電モジュール112aに第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを固定する。
【0095】
第1の充電モジュール112aに第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを固定した後、少なくとも1つの分配システムコントローラ114は、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aに記憶又は保持された製造業者識別子を認証して加入者識別子を検証する。
【0096】
506において、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aに記憶又は保持された製造業者識別子の認証成功及び加入者識別子の検証成功に応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、複数の充電モジュールのうちの第2の充電モジュール112bにおける充電した第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bによって担持された持続性記憶媒体122bに加入者識別子を書き込む。そして、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、第1の(ロック)位置から第2の(ロック解除)位置への第2の充電モジュール112bにおけるロックハブの回転変位を生じさせ、それにより、第2の充電モジュール112bからの第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bの取り外しを可能とする。挿入時に第1の充電モジュール112aに少なくとも部分的に放電した第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aをロックし且つ製造業者識別子の認証及び加入者識別子の検証成功時に第2の充電モジュール112bから充電した第2の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120bをロック解除する方法500は、508において終了する。
【0097】
図6は、1つの非限定的な例示的な実施形態にかかる、加入者130からの携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の受け入れ時に車両固有情報を加入者130に提供する
2方向配給システム110の例示的な方法600のハイレベル論理フロー図を示している。いくつかの実装において、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120によって担持された持続性記憶媒体122は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120が最近使用された車両140の1つ以上の動作の態様を示すデータの形態で情報を記憶することができる。そのようなデータは、限定されるものではないが、保守情報、サービス情報、動作情報及び同様のものを含むことができる。車両固有情報は、オーディオ、ビデオ又はオーディオ/ビジュアル形式でユーザインターフェース116を介して加入者130に提示されることができる。加入者130からの携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の受け入れ時に車両固有情報を加入者130に提供する
2方向配給システム110の方法600は、602において開始する。
【0098】
604において、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュール112aに第1の放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを受け入れるのに応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aからデータを読み取る。いくつかの例において、製造業者識別子及び加入者識別子に加えて、持続性記憶媒体122aは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aが最近取り外された加入者車両140の1つ以上の動作の態様を示すデータの形態で車両固有情報を含むことができる。そのような車両固有情報は、限定されるものではないが、車両に起因する現在の保守、サービス、修理又は交換に関する情報、車両リコール情報、観測された運転条件及び運転スタイルに基づく車両に起因する将来の予想される保守、サービス、修理又は交換に関する情報、及び同様のものを含むことができる。
【0099】
606において、車両固有情報を取得するのに応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、加入者130によって知覚可能な出力を生成する。そのような出力は、オーディオ形式、ビデオ形式、静止画像形式及び/又はオーディオ/ビジュアル形式で提示された情報を含むことができる。例えば、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aから取得された車両データに応じてユーザインターフェース116に対してビデオフォーマットの表示を生成することができる。
【0100】
608において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aから車両固有データを消去する。加入者130からの携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の受け入れ時に車両固有情報を加入者130に提供する2方向配給システム110の方法600は、610において終了する。
【0101】
図7は、1つの例示的な実施形態にかかる、第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aの第2の部分から少なくとも1つの
2方向配給システムコントローラ114によって読み取られた加入者識別子を検証する例示的な方法のハイレベルフロー図を示している。車両製造業者は、1つ以上のレベルを含むことができる加入プランを介して携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の交換を提供することができる。例えば、加入プランは、与えられた時間枠(1日あたり1回交換、1週あたり5回交換、1月あたり30回交換など)にわたる制限された回数の交換の形態とすることができる。
【0102】
他の例において、加入プランは、同時に加入者に利用可能とされる複数の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の形態とすることができる。特定の車両140は、同時に複数の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120を使用する能力を有することができる-そのような場合、加入者は、個々にではなく対で携帯型電気エネルギー貯蔵装置を交換することをおそらく望む。
【0103】
他の例において、加入プランは、車両性能(「範囲」プラン、「性能」プランなど)の形態とすることができる。そのような場合、異なる携帯型電気エネルギー貯蔵装置120は、特定の加入プランに合わせた異なる放電特性を有することができる。
【0104】
それゆえに、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の受け入れ時に、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aから加入者識別子を取得する。取得された加入者識別子を使用して、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、加入者アカウントを検証することができ(すなわち、アカウントが現在支払い中のものである)且つ任意の特別な加入サービス及び/又は加入レベルを確認することができる。第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aの第2の部分から少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114によって読み取られた加入者識別子を検証する方法は、702において開始する。
【0105】
704において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aの第2の部分から読み取られた加入者識別子をバックエンドシステム160に対して通信する。データは、平易な古い電話サービス(POTS)有線接続、無線ネットワーク、有線ネットワーク、インターネット又はそれらの組み合わせを含む任意数又は種類のネットワークによって又はそれにわたって通信されることができる。いくつかの例において、加入者識別子は、暗号化された又は保護された形式で通信されることができる。
【0106】
706において、バックエンドシステム160は、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114によって提供された加入者識別子を検証する。いくつかの例において、バックエンドシステム160は、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114によって提供される加入者識別子を復号(必要に応じて)し且つ既知の有効な加入者識別子のリストと比較することによってそのような検証を行う。既知の有効な加入者識別子のリストは、1つ以上のバックエンドシステムで読み取り可能な持続性記憶媒体上のデータストア又はデータベースに記憶、保持又は維持されることができる。
【0107】
必要に応じて、バックエンドシステム160は、受信した加入者識別子に論理的に関連付けられた加入プランを検索又は判定することができる。いくつかの例において、加入プラン情報は、1つ以上のバックエンドシステムで読み取り可能な持続性記憶媒体上のデータストア又はデータベースに有効な加入者識別子とともに記憶、保持又は維持されることができる。
【0108】
708において、バックエンドシステム160は、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114に対して加入者識別子検証の成功又は失敗を示すデータを通信する。加入者識別子検証の成功又は失敗を示すデータは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aから読み取られた加入者識別子に論理的に関連付けられた少なくとも加入の有効性の指標を含む。時には、加入者識別子検証の成功又は失敗を示すデータは、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114が加入者に解放すべき充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の数の指標を含むことができる。時には、加入者識別子検証の成功又は失敗を示すデータは、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114が加入者に解放すべき充電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の種類、スタイル又は動作パラメータの指標を含むことができる。第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aによって担持された持続性記憶媒体122aの第2の部分から少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114によって読み取られた加入者識別子を検証する方法は、710において終了する。
【0109】
図8は、1つの例示的な実施形態にかかる、受け入れた少なくとも部分的に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを評価し、制御された温度条件下で携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを充電する例示的な方法のハイレベルフロー図を示している。複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュール112aに挿入された少なくとも部分的に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの電荷貯蔵容量又は安全性を損なう1つ以上の障害を含むことができる。充電中における携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの潜在的な故障を回避するために、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを受け入れた後に且つ携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを充電する前に、少なくとも1つの
2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの状態を判定することができる。携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の状態が充電を許容可能であるとの判定に応じて、少なくとも1つの
2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの充電を開始することができる。少なくとも1つの
2方向配給システムコントローラ114は、充電プロセス中に1つ以上の充電状態を規定の範囲内に制御することができる。少なくとも1つの
2方向配給システムコントローラ114は、充電モジュール112内、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120a内又はその双方の状態を維持及び/又は制御することができる。受け入れた少なくとも部分的に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを評価し、制御された温度条件下で携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを充電する方法は、802において開始する。
【0110】
804において、少なくとも部分的に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aは、複数の充電モジュールのうちの第1の充電モジュール112aに受け入れられる。
【0111】
806において、第1の充電モジュール112aへの第1の携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの受け入れに応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、受け入れた携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの状態を評価する。そのような評価は、携帯電気エネルギー貯蔵装置120aの電荷貯蔵容量、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aにおける内部又は外部の電気的障害(例えば、短絡又はオープン)の存在、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aにおける充電サイクル数などを考慮することができる。
【0112】
いくつかの例において、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、規定されて記憶された許容値及び/又は充電のための携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの適合性を判定する範囲値と、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの評価条件を比較する。評価条件が許容範囲外にある場合、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、第1の充電モジュール112aを絶縁することができる。必要に応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、故障した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを示すデータを含むメッセージをバックエンドシステム160に対して通信することができる。そのようなデータは、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの識別と失敗した評価パラメータの指標を含む評価結果とを含むことができる。
【0113】
808において、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの状態の正常な評価に応じて、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aの充電を開始する。
【0114】
810において、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを充電すると同時に、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、充電プロセス中に1つ以上の充電状態を規定の範囲内に制御又は維持する。いくつかの例において、状態は、充電モジュールの変更(例えば、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aへの電流の流れを制限する)を介して維持又は制御されることができる。いくつかの例において、状態は、代替的又は追加的に、2方向配給システム110内の状態を変更する(例えば、2方向配給システム110の内部の全て又は一部を加熱、冷却及び/又は除湿する)ことによって維持又は制御されることができる。いくつかの例において、状態は、代替的又は追加的に、(例えば、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120a内の1つ以上の相変化伝熱材料の使用によって)携帯型電気エネルギー貯蔵装置120a内の状態を変更することによって維持又は制御されることができる。
【0115】
時には、2方向配給システム110内、充電モジュール112内、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120内又はそれらの組み合わせの環境状態は、再充電の速度、携帯型電気エネルギー貯蔵装置の寿命、携帯型電気エネルギー貯蔵装置の状態又はそれらの組み合わせなどの1つ以上の動作態様を最適化するように制御されることができる。
【0116】
例えば、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、初期充電速度を増加させるために、新たに挿入された少なくとも部分的に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の温度を第1の間隔についての規定された第1の温度よりも高く維持する。第1の間隔が満了した後、少なくとも1つの2方向配給システムコントローラ114は、携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の寿命を最大化するために、少なくとも部分的に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120の温度を充電期間の残りの期間中に規定された第2の温度よりも低下させる。
【0117】
受け入れた少なくとも部分的に放電した携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを評価し、制御された温度条件下で携帯型電気エネルギー貯蔵装置120aを充電する方法は、812において終了する。
【0118】
本願明細書に記載された様々な方法は、追加の動作を含むことができ、いくつかの動作を省略することができ、及び/又は、様々なフロー図に記載されたものとは異なる順序で動作を行うことができる。
【0119】
前述の詳細な説明は、ブロック図、概略図及び例示の使用によって装置及び/又はプロセスの様々な実施形態を記載している。そのようなブロック図、概略図及び例示は、1つ以上の機能及び/又は動作を含む限りにおいて、幅広いハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの実質的に任意の組み合わせにより、個々に及び/又はまとめて、そのようなブロック図、フローチャート又は例示内の各機能及び/又は動作が実現されることができることは当業者によって理解される。1つの実施形態において、本主題は、1つ以上のマイクロコントローラを介して実装されることができる。しかしながら、当業者は、本願明細書に開示された実施形態が、全体又は一部において、1つ以上のコンピュータによって実行される1つ以上のコンピュータプログラム(例えば、1つ以上のコンピュータシステムにおいて実行される1つ以上のプログラム)として、1つ以上のコントローラ(例えば、マイクロコントローラ)によって実行される1つ以上のプログラムとして、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)によって実行される1つ以上のプログラムとして、ファームウェアとして、又は、実質的にそれらの任意の組み合わせとして、標準的な集積回路(例えば、特定用途向け集積回路又はASIC)において等価的に実施されることができること、並びに、回路を設計すること及び/又はソフトウェア及び/又はファームウェアのコードを作成することは本開示の教示に照らして十分に当業者の技能の範囲内であろうことを認識するであろう。
【0120】
ロジックがソフトウェアとして実装され且つメモリに記憶されるとき、ロジック又は情報は、任意のプロセッサ関連システム若しくは方法によって又は方法に関連して使用するために持続性コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されることができる。本開示の文脈において、メモリは、電子、磁気、光又は他の物理的装置であるか、又は、持続性がコンピュータ及び/又はプロセッサのプログラムを含むか若しくは記憶することを意味する持続性コンピュータ又はプロセッサ読み取り可能な記憶媒体である。ロジック及び/又は情報は、命令実行システム、装置若しくはデバイスから命令をフェッチすることができ且つロジック及び/又は情報に関連付けられた命令を実行することができるコンピュータベースシステム、プロセッサ包含システム又は他のシステムなどの命令実行システム、装置若しくはデバイスによって又はそれらに関連して使用するために任意のコンピュータ読み取り可能な媒体において具体化されることができる。
【0121】
本願明細書の文脈において、「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、命令実行システム、装置及び/又はデバイスによって又はそれらに関連して使用するためにロジック及び/又は情報に関連付けられたプログラムを記憶することができる任意の物理的要素とすることができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、これらに限定されるものではないが、例えば、電子、磁気、光、電磁、赤外線又は半導体システム、装置又はデバイスとすることができる。コンピュータ読み取り可能な媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は以下を含む:携帯型コンピュータディスケット(磁気、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、セキュアデジタルなど)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM、EEPROM又はフラッシュメモリ)、携帯型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)及びデジタルテープ。
【0122】
上述した様々な実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。それらが本願明細書における具体的な教示及び定義と矛盾しない範囲で、限定されるものではないが、以下を含む本願明細書において参照した及び/又は特許出願データシートに記載された米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許刊行物の全ては、それらの全体が参照することによって本願明細書に組み込まれる:2012年2月22日に出願された「電力貯蔵装置収集、充電及び分配機の場所を提供する装置、方法及び物品」とタイトルが付けられた米国仮特許出願第61/601,949号(代理人整理番号170178.418P1);2011年7月26日に出願された「バッテリなどの電力貯蔵装置を収集、充電及び分配する装置、方法及び物品」とタイトルが付けられた米国仮特許出願第61/511,900号(代理人整理番号170178.401P1);2011年7月26日に出願された「電気モータ駆動車両における部品の熱管理」とタイトルが付けられた米国仮特許出願第61/511,887号(代理人整理番号170178.406P1);2013年3月14日に出願された「車両部品の認証装置、システム及び方法」とタイトルが付けられた米国仮特許出願第61/783,041号;並びに2011年7月26日に出願された「ベストエフォート型経済のための動的に制限する車両動作」とタイトルが付けられた米国仮特許出願第61/511,880号(代理人整理番号170178.407P1)。実施形態の態様は、必要に応じて、さらなる実施形態を提供するために、様々な特許、特許出願及び刊行物のシステム、回路及び概念を使用するように変更されることができる。
【0123】
全ての電動スクーター及び/又はオートバイなどの個人輸送車両によって使用するために携帯型電気エネルギー貯蔵装置の収集及び分配の環境及び文脈において一般に記載されるものの、本願明細書における教示は、他の車両及び非車両環境を含む多種多様な他の環境に適用することができる。
【0124】
開示の要約に記載されているものを含む例示された実施形態の上記説明は、網羅的であること又は開示された正確な形態に実施形態を限定することを意図するものではない。特定の実施形態及び例示が例示の目的のために本願明細書に記載されているが、当業者によって認識されるように、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な均等な変更が行われることができる。
【0125】
これらの及び他の変更は、上記詳細な説明に照らして実施形態に対して行うことができる。一般には、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、明細書に開示された特定の実施形態及び特許請求の範囲に請求項を限定するように解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲に権利が与えられる均等物の全範囲とともに全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されるものではない。