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特許7025405反応性ガラス及びガラスセラミックの溶融方法並びにその溶融装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】反応性ガラス及びガラスセラミックの溶融方法並びにその溶融装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/235 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
C03B5/235
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019505408
(86)(22)【出願日】2017-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 US2017044833
(87)【国際公開番号】W WO2018026775
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】62/370,013
(32)【優先日】2016-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】コウルズ,カーティス リチャード
(72)【発明者】
【氏名】デ アンジェリス,ギルバート
(72)【発明者】
【氏名】ルブロン,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】マッケンロー,デヴィッド ジョン
(72)【発明者】
【氏名】メリマン,ジェフリー リー
(72)【発明者】
【氏名】マーナン,ランド アラン
(72)【発明者】
【氏名】ロシントン,キャサリン ローズ
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー,マイケル ジョシュア
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0144185(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B5/00-7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法において、
原材料のバッチを、液冷壁と床とを有する液中燃焼溶融装置内へと搬送する工程;
火炎を十分なエネルギーで前記原材料のバッチへと方向付けて、前記原材料を溶融バッチへと形成する工程であって、前記溶融バッチが、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む耐火材料に対して実質的に反応性である、ガラス又はガラスセラミック組成物を含む、工程;及び
及び、前記液中燃焼溶融装置の床内の送達オリフィスアセンブリを加熱して、該オリフィスアセンブリを通して前記溶融バッチを搬送する工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記搬送、方向付け、及び加熱する工程が、さらに、前記溶融バッチが格納容器内へと連続して搬送されるように制御されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
火炎を前記原材料のバッチ及び前記溶融バッチへと方向付ける工程が、さらに、格納容器内の溶融バッチが実質的な均質性によって特徴付けられるように、前記溶融バッチを攪拌するのに十分なエネルギーで行われ、かつ、前記火炎を方向付ける工程が、前記ガラス又はガラスセラミック組成物中の少なくとも1つの金属の酸化状態に少なくとも部分的に基づいて設定される、酸素の燃料に対する比に従って行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
液中燃焼溶融装置のための送達オリフィスアセンブリにおいて、
液中燃焼溶融装置に連結するためのスリーブ端部を含む、サセプタスリーブ;
インダクタ及び冷却液搬送として構成される、前記サセプタスリーブを取り囲むコイル;
前記スリーブ内に配置された、第1の耐火組成物を有するインナーライナであって、さらに、溶融バッチを前記溶融装置から搬送するように構成されており、かつ、前記スリーブ端部に近接しているか又は接触しているライナ端部を含む、ライナ;
前記スリーブ端部及び前記ライナ端部の上に位置付けられた頂部キャップであって、前記第1の耐火組成物を有し、前記溶融装置内の前記溶融バッチと接触するように構成されており、かつ、前記ライナ端部と実質的に一致するオリフィスをさらに含む、キャップ;及び
前記サセプタを誘導加熱して前記オリフィス及び前記インナーライナを通る前記溶融バッチの流れを制御するための、前記コイルに連結された誘導加熱コントローラ
を含む、送達オリフィスアセンブリ。
【請求項5】
各々、金属合金及び水冷素子を含む、複数の壁及び床を備えた、溶融バッチを調製するための溶融容器;
原材料のバッチを前記溶融バッチへと搬送するための、1つの前記壁内のポート;
火炎を十分なエネルギーで前記原材料のバッチ及び前記溶融バッチへと方向付けて、前記溶融バッチを形成するための、前記床内のバーナ;及び
前記溶融バッチを送達するための前記床内の請求項4に記載の送達オリフィスアセンブリ
を含む、液中燃焼溶融装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、その全体がここに参照することによって本願に援用される、2016年8月2日出願の米国仮特許出願第62/370013号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、ガラス及びガラス-セラミックを溶融する方法、並びにそのための溶融装置に関し、さらに具体的には、反応性ガラス及びガラスセラミックの溶融方法、並びにそのための液中燃焼溶融(「SCM」)装置及び送達オリフィスアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの反応性ガラス及びガラスセラミック組成物は、製造スケールでの使用に適した溶融方法の開発に重大な課題を提示している。これらの組成物は耐火物及び貴金属加熱炉ライニングを劣化させうるが、それらはしばしば実験室規模又はパイロット規模で首尾よく溶融することができる。少量の材料では、実験室又はパイロット規模で溶融を行う場合、腐食の影響を受けやすい加熱炉ライニングによって、これらの組成物の曝露時間を制限することができる。さらには、実験室及びパイロット規模で用いられる比較的小さいサイズの溶融装置は、反応性ガラス及びガラスセラミックを溶融する場合に、コストの観点から使い捨て加熱炉ライニングを使用することができる。
【0004】
反応性ガラス及びガラスセラミック組成物の処理は、製造に適したバッチ及び容量に合わせて規模調整されるため、加熱炉ライニングの腐食及び劣化は、深刻な問題となる。簡潔に言えば、ある特定のガラス及びガラスセラミック組成物は、特に、溶融物の均一性を確実にするために、温度における曝露時間を長くしなければならないため、溶融及び清澄の間に加熱炉ライニングを腐食及び破壊してしまう。例えば、高銅含有抗菌性ガラス組成物は、耐火物(例えば、シリカ、ジルコニア、アルミナ及びそれらの組合せから実質的に構成される材料)及び貴金属加熱炉ライニング材料の両方に対して反応性である。高銅含有抗菌ガラスは実験室で首尾よく溶融することができるが、従来技術の溶融手法及び装置は大量での溶融に使用することができないことから、このガラスの製造には、法外な費用がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、製造に適した量へのスケーリングに好適な反応性ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法が、そのための溶融装置とともに、必要とされている。処理中に反応性ガラス及びガラスセラミックと接触する加熱炉構成要素の劣化及腐食を最小限に抑える方法及び溶融装置もまた必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある態様は、原材料のバッチを、液冷壁及び床を有する液中燃焼溶融装置内へと搬送する工程;火炎を十分なエネルギーで原材料のバッチ及び溶融バッチへと方向付けて、原材料を溶融バッチへと形成する工程;及び、液中溶融装置の床内の送達オリフィスアセンブリを加熱して、オリフィスアセンブリを通じて溶融バッチを格納容器内へと搬送する工程を含む、ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法に関する。さらには、溶融バッチは、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む耐火材料に対して実質的に反応性のガラス又はガラスセラミック組成物を有する。
【0007】
本方法の幾つかの実施形態では、溶融バッチは、液中燃焼溶融装置の壁及び底部と接触するスカル層を含む。本方法の間に生じたスカル層はまた、厚さ約0.1~約5インチ(約2.54mm~約12.7cm)の厚さ範囲でありうる。
【0008】
本方法の他の実施形態では、搬送、方向付け、及び加熱工程は、さらに、溶融バッチが格納容器へと連続して搬送されるか、又は定期的に搬送されるするように制御される。溶融バッチは、加熱工程によって、送達オリフィスアセンブリを通じて格納容器へと連続的に搬送されうる。好ましくは、オリフィスアセンブリは、酸化スズライナ要素でライニングされている。誘導加熱プロセスを用いて送達オリフィスを加熱する工程を行うこともまた、好ましい。
【0009】
別の態様では、搬送工程は、原材料のバッチが溶融バッチのガラスラインの下に搬送されるように行われうる。他の態様では、搬送する工程は、原材料のバッチが溶融バッチのガラスラインの上に搬送されるように行われうる。
【0010】
本方法のさらなる実施形態では、ガラス又はガラスセラミック組成物は、銅を、銅含有酸化物の形態で含む。例えば、ガラス又はガラスセラミック組成物は、約10~約50モル%の範囲の銅含有酸化物を含む、抗菌性ガラス組成物でありうる。
【0011】
本方法の追加の態様では、原材料のバッチ及び溶融バッチへと火炎を方向付ける工程は、格納容器内の溶融バッチが実質的に均質になるように、溶融バッチを攪拌するのに十分なエネルギーで行われうる。火炎を方向付ける工程はまた、ガラス又はガラスセラミック組成物中の少なくとも1つの金属(例えば銅)の酸化状態に少なくとも部分的に基づいて設定される、酸素の燃料に対する比に従って行われる。さらには、火炎を方向付ける工程で用いられる燃料は天然ガスであってよく、酸素の天然ガスに対する比は、約2:1~約3:1で設定することができる。
【0012】
本開示の別の態様は、液中溶融装置に連結するためのスリーブ端部を含む、サセプタスリーブ;インダクタ及び冷却液搬送として構成される、サセプタスリーブを取り囲むコイル;及び、スリーブ内に構成された第1の耐火組成を有するインナーライナであって、さらに、溶融バッチを溶融装置から搬送するように構成されており、かつ、スリーブ端部に近接しているか又は接触しているライナ端部を含む、インナーライナを備えた、液中燃焼溶融装置のための送達オリフィスアセンブリに関する。溶融バッチは、ガラス又はガラスセラミック組成物を有する。送達オリフィスアセンブリはまた、スリーブ端部及びライナ端部の上に位置付けられた頂部キャップも含み、該キャップは、第1の耐火組成を有し、溶融装置内の溶融バッチと接触するように構成され、かつ、ライナ端部と実質的に一致したオリフィスをさらに含む。送達オリフィスアセンブリはさらに、サセプタを誘導加熱するコイルに連結してオリフィス及びインナーライナを通る溶融バッチの流れを制御する、誘導加熱コントローラを含む。
【0013】
送達オリフィスアセンブリの実施形態では、ガラス又はガラスセラミック組成物は、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む耐火材料に対して実質的に反応性である。ガラス又はガラスセラミック組成物は、銅を、銅含有酸化物の形態で含みうる。例えば、ガラス又はガラスセラミック組成物は、約10~約50モル%の範囲の銅含有酸化物を含む抗菌性ガラス組成物でありうる。
【0014】
送達オリフィスアセンブリのさらなる実施形態では、第1の耐火組成物は、石英、酸化スズ、酸化クロム、アルミナ、溶融ジルコニア、ジルコニア、ジルコニア-シリカ、及びこれらの耐火物の組合せからなる耐火物から選択されうる。好ましい態様では、第1の耐火組成物は、酸化スズを含む。
【0015】
送達オリフィスアセンブリの別の実施形態は、サセプタスリーブが、鋼、貴金属、及び貴金属合金からなる群より選択される組成物を有するように構成される。さらには、サセプタスリーブは、インナーライナが内フランジの上にあるように構成された内フランジを含みうる。
【0016】
本開示のさらなる態様は、溶融バッチを調製するための溶融容器であって、各々、金属合金及び水冷素子を含む、複数の壁及び床を備えた容器;原材料のバッチを溶融バッチへと搬送するための、1つの壁内のポート;火炎を十分なエネルギーで容器へと方向付けて溶融バッチを形成するための床内のバーナ;及び、溶融バッチを格納容器内へと送達するための床内の送達オリフィスアセンブリを含む、液中燃焼溶融装置に関する。さらには、溶融バッチは、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む耐火材料に対して実質的に反応性のガラス又はガラスセラミック組成物を有する。
【0017】
液中燃焼溶融装置に関する本開示の態様では、送達オリフィスアセンブリは、上記概説された若しくはそれらを活気づける原理と一致した送達オリフィスアセンブリの態様のいずれかに従って構成されうる。例えば、第1の耐火組成物は、石英、酸化スズ、酸化クロム、アルミナ、溶融ジルコニア、ジルコニア、ジルコニア-シリカ、及びこれらの耐火物の組合せからなる耐火物から選択されうる。さらには、サセプタスリーブは、鋼、貴金属、及び貴金属合金からなる群より選択される組成物を有しうる。サセプタスリーブはまた、インナーライナが内フランジの上にあるように構成された、内フランジも含みうる。
【0018】
液中燃焼溶融装置の別の実施形態では、ポートは、原材料のバッチを溶融バッチのガラスラインの下に搬送するために1つの壁内の位置に配置される。他の態様では、ポートは、原材料のバッチを溶融バッチ内のガラスラインより上に搬送するために1つの壁内の位置に配置されうる。
【0019】
追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載され、その説明から当業者に容易に明らかとなり、あるいは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含めた本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識されよう。
【0020】
前述の概要及び後述する詳細な説明はいずれも単なる例示であり、特許請求の範囲の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することが意図されていることが理解されるべきである。添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に取り込まれてその一部を構成する。図面は、1つ以上の実施形態を例示しており、その説明とともに、さまざまな実施形態の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の一態様に従う液中燃焼溶融装置の概略的な断面図
図1A】本開示の一態様に従う相分離可能な銅含有ガラスを溶融する方法の後の液中燃焼溶融装置の壁の断面の光学顕微鏡写真
図2】本開示の一態様に従うガラス及びガラスセラミックを溶融する方法の概略的なフローチャート
図3A】本開示の一態様に従う送達オリフィス・サブアセンブリの分解概略図
図3B図3Aに示す送達オリフィス・サブアセンブリの断面の概略図
図3C図3Aに示す送達オリフィス・サブアセンブリを含む、送達オリフィスアセンブリの断面の概略図
図4】本開示の一態様に従う複数のバーナ及び送達オリフィスアセンブリを有する液中燃焼溶融装置の概略的な平面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
これより、その例が添付の図面に示されるさまざまな実施形態について、詳細に言及する。
【0023】
本開示の態様は、概して、抗菌特性を有するガラス組成物を含む第2相粒子を含む、銅含有抗菌ガラスを製造する方法及びそのための装置に関する。本明細書に開示されるガラスの抗菌特性は、抗ウイルス及び/又は抗細菌特性を含む。本明細書で用いられる場合、用語「抗菌」とは、細菌、ウイルス及び/又は菌類を死滅させる、若しくはそれらの増殖を抑える、材料又は該材料の表面を意味する。本明細書で用いられる用語は、材料又は該材料の表面がこのようなファミリ内のすべての種の微生物を死滅させるか又はその増殖を阻害することは意味しないが、このようなファミリに由来する1つ以上の種の微生物を死滅させるか若しくはその増殖を阻害することを意味する。
【0024】
本明細書で用いられる場合、用語「対数減少」とは、-log(C/C)を意味し、ここで、Ca=抗菌表面のコロニー形成単位(CFU)数であり、C=抗菌表面ではない対照表面のコロニー形成単位(CFU)である。例として、「3log」の減少は、細菌、ウイルス及び/又は菌類の約99.9%が死滅するのに等しい。同様に、「5log」の減少は、細菌、ウイルス及び/又は菌類の約99.999%が死滅するのに等しい。
【0025】
本開示の態様は、概して、加熱炉ライニング及び耐火材料を含む他の加熱炉構成要素に対して反応性のガラス及びガラスセラミック組成物を製造する方法、並びにそのための装置に関する。本明細書で用いられる場合、「耐火材料に対して実質的に反応性のガラス又はガラスセラミック組成物」は、ガラス及びガラスセラミック組成物の費用対効果の高い製造には総体的に不十分な1つ以上のバッチ溶融ラン時間又は定期的な溶融ラン時間の経過後に、従来の耐火材料を腐食、反応、劣化又は他の接触によって使用不可能にするガラス及びガラスセラミック組成物を含む。従来の耐火材料は、シリカ、ジルコニア、アルミナ、並びに白金及び白金合金の1つ以上を含む貴金属のうちの1つ以上を含む耐火材料を含むがこれらに限られない。
【0026】
耐火材料に対して実質的に反応性であり、本開示の方法に従った及び/又は溶融装置を用いた溶融に適した好ましいガラス又はガラスセラミック組成物は、銅を含有する相分離可能な抗菌性ガラス組成物(「Cu含有AMガラス」)を含む。これらのCu含有AMガラス組成物は、これらの組成物に関連する際立った部分は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月20日に公開された米国特許出願公開第2015/0230476号明細書(「US‘476」)に開示されるものを含む。典型的には、US‘476のCu含有AMガラス組成物は、銅含量が高く、好ましくは、約10~約50モル%の範囲の銅酸化物及び約40~約70モル%の範囲のシリカを含む。これらの組成物はまた、典型的には、赤銅鉱相及びガラス相も含む。ある特定の実施形態は、複数の銅イオン、B、P、及びKOを含む分解性相、並びにSiOを含む耐久性相を含む。
【0027】
耐火材料に対して実質的に反応性の、開示されるガラス及びガラスセラミック組成物は、少なくとも2つの機構に従ってこのような材料を劣化させうる。第1に、耐火セラミックとして分類される耐火材料(例えば、シリカ、ジルコニア、アルミナ及びそれらの組合せ)については、これらの材料は、溶融温度において非常に流動性であり、より高温のガラス形成剤(例えば、SiO及びAl)と比較して、大量の融剤及び/又は低温ガラス形成剤(例えば、B及びP)を有するガラス組成物に溶解することができる。シリカ及びアルミナと比較して大量のアルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素、リン酸塩、ハロゲン化物、及び金属酸化物を有するガラス組成物は、セラミック耐火物に対して実質的に反応性である(が、おそらくは貴金属、耐火材料に対しては反応性ではない)ことが多い。すなわち、ガラスが、より大量の低温ガラス形成剤及び/又は融剤を有することで、シリカ及びアルミナが「欠乏」している場合、ガラスは、接触する任意の耐火物からそれを取り出す傾向にある。
【0028】
例えば、Cu含有AMガラス組成物は、典型的には、「3log」以上の対数減少レベルに見合う、細菌、ウイルス、及び/又は菌類死滅レベルを含む抗菌挙動を得るために、約20~40%の酸化銅を含む。これらのガラスは、典型的には70モル%未満のシリカレベルを有することから、それらは従来の耐火材料に対して実質的に反応性である。他の実質的に反応性のガラスとしては、高屈折率の眼科用ガラスが挙げられる。これらのガラスで高い屈折率を達成するために、バリウム、鉛、ランタン、ゲルマニウム、及びニオブなどの重金属元素がガラスマトリクスに組み込まれる。このようなガラスが合理的な温度で溶融することを確実にし、これらのガラスが典型的には約40質量%以下の比較的低いシリカレベルを有することを確実にするために、追加のアルカリ金属及びアルカリ土類金属が添加される。
【0029】
他方では、およそ70質量%以上のシリカ濃度を有する最も市販されているガラス組成物は、耐火セラミックとして分類される従来の耐火材料に対して実質的に反応性ではない。例えば、ソーダ石灰ガラスは、典型的には、約70質量%のシリカ、15質量%の酸化ナトリウム、及び9質量%の酸化カルシウムを含み、従来の耐火材料に対して実質的に反応性ではない。同様に、Corning(登録商標)Pyrex(登録商標)ガラスは、13.2質量%の酸化ホウ素、2.3質量%のアルミナとともに、約81質量%のシリカ含量を有し、従来の耐火材料に対して実質的に反応性ではない。
【0030】
第2に、貴金属(例えば、白金、白金合金、金、及びその他)として分類される耐火材料については、本開示の実質的に反応性ガラス及びガラスセラミック組成物のための腐食機構は、貴金属と合金を形成することができ、その融点を低下させる、ガラス又はガラスセラミック組成物内の多価イオン(例えば、Fe、Cr、Mn、Cu、Sn、Sb、As、Se、及びAg)の低減を包含する。貴金属の融点が、溶融装置内のガラス又はガラスセラミック組成物の溶融バッチの温度未満の温度まで低下する場合、貴金属は、分解し、しまいには、ガラス又はガラスセラミック組成物の溶融バッチ内に混ざる。多価イオンが約1質量パーセント以下の比較的低レベルにある場合、それらは、貴金属耐火材料(例えば加熱炉ライニング)との合金を形成することができ、ほとんど悪影響なしに、貴金属耐火材料を有する構造内で溶融する。他方では、多価イオンが、ガラス又はガラスセラミック組成物内に1質量パーセント超の高レベルで含まれる場合、これらの組成物は実質的に反応性である、すなわち、それらは、貴金属耐火材料と合金を形成することができ、貴金属耐火材料(例えば加熱炉ライニング)から製造された構造を容易に破壊する。
【0031】
例えば、1質量パーセントをはるかに超える銅レベルを有するCu含有AMガラス組成物は、貴金属含有耐火材料に対して実質的に反応性である。貴金属含有耐火材料(例えば加熱炉ライニング)と接触して溶融する場合、Cu含有AMガラス組成物は、貴金属と合金のを形成し、それらの融点を顕著に低下させることができ、加工及び製造の目的でこれらのガラスを溶融している間に貴金属で製造された構造の劣化及び腐食を生じさせる。別の例として、ファイバ増幅器用途に用いられる高アンチモンガラスは、典型的には、約20質量パーセントのアンチモンレベルを含む。よって、ガラス中のアンチモンが低下すると、貴金属を含む任意の耐火材料との合金を形成する可能性が高く、処理中にガラスと接触する貴金属を含む構造の時期尚早の破壊を生じかねない。
【0032】
図1を参照すると、本開示の一態様に従う液中燃焼溶融装置100が示されている。SCM装置100は、従来の耐火材料に対して実質的に反応性のガラス又はガラスセラミック組成物を有する溶融バッチ20を調製するための溶融容器10を含む。幾つかの態様では、従来の耐火材料は、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含みうる。SCM装置100の溶融容器10は、さまざまな容積の溶融バッチ20を収容するのに十分なさまざまな形状をとることができる。図1に示されるように、容器10は、4つの平面形状の壁12及び床14を有する直方体形状に製造される。容器10の他の適切な形状としては、1つの壁12を有する円筒形状、典型的には4つの平面形状の壁を有するさまざまな直方体形状、及びこれらの形状のその他の変形が挙げられる。
【0033】
図1に示されるSCM装置100の溶融容器10の壁12及び床14は、SCM装置100の動作中に容器10の壁及び床の冷却のため、関連した導管及びコントローラ(図示せず)とともに、水冷素子を含む。水の他に、他の液体冷却媒体も、当業者に理解されるように、壁12及び床14の冷却素子に用いることができる。さらには、壁12及び床14は、容器10の十分な構造的完全性をもたらすさまざまな金属及び金属合金から製造することができ、また、冷却素子を収容するように製造することもできる。図1に示されるように、壁12及び床14は、概して溶融バッチ20と接触するライナ15も備えている。幾つかの実施形態では、ライナ15は、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む従来の耐火材料から製造される。ライナ15はまた、ガラス及びガラスセラミック組成物の溶融に適した他の従来の耐火材料から製造することもできる。
【0034】
集合的に、SCM装置100に用いられる溶融容器10の壁12、床14及びライナ15によって、溶融バッチ20とライナ15との間にスカル層20aの形成が可能となる。特に、容器10の壁12及び床14は、ライナ15に近接した溶融バッチ20がその融点未満に冷却されるように、水冷素子によって冷却される。よって、スカル層20aは溶融バッチ20の固形皮膜であり、実質的に反応性のガラス又はガラスセラミック組成物を有する溶融バッチ20と、従来の耐火材料から製造されたライナ15との間の保護障壁として機能する。ある特定の態様では、SCM装置100内に生じるスカル層20aは、例えば、約0.5インチ(1.27cm)、1インチ(2.54cm)、1.5インチ(3.81cm)、2インチ(5.08cm)、2.5インチ(6.35cm)、3インチ(7.62cm)、3.5インチ(8.89cm)、4インチ(10.16cm)、4.5インチ(11.43cm)、5インチ(12.7cm)及びこれらの量の間のすべての厚さの値など、厚さ約0.1~約5インチ(約2.54mm~約12.7cm)の厚さ範囲でありうる。
【0035】
再び図1を参照すると、溶融容器10が、溶融バッチ20のガラスライン22より下に、原材料34のバッチを搬送するための1つの壁12内にポート30を有する例示的な形態で示されている。他の実施形態(図示せず)では、ポート30は、ガラスライン22の上に位置している。図1の描写と一致する他の態様では、ポート30は、ガラスライン22の約1~20インチ(約2.54~50.8cm)下の位置にある。好ましくは、ポート30は、ガラスライン22の約2~10インチ(約2.54~25.4cm)下の位置にある。原材料34のバッチは、溶融バッチ20のガラス又はガラスセラミック組成物の構成成分を含む。図1に示されるように、ポート30は、原材料34を溶融バッチ20へと移動させるためのオーガ32を含む。ポート30は、原材料34を溶融バッチ20へと駆動するためのさまざまな機械的又は電気機械的な特徴又は要素を含みうる。有利には、原材料34を溶融バッチ20のガラスライン22の下へと強制送給する(例えば、オーガ32による)ことにより、原材料34が溶融形態でガラスライン22の上のライナ15への直接的な曝露なしに、溶融バッチ20内で混合及び溶融されることを確実にする。ガラスライン22の下では、ライナ15は、容器10内で溶融バッチ20自体から直接形成されるスカル層20aによって保護される。よって、ガラスライン22の下に原材料34のバッチを送給するポート30を有するSCM装置100の構成は、容器10のライナ15の劣化を排除するか、又は少なくとも大幅に低減する。ガラスライン22の上にポート30を有する容器10の実施形態については、ポート30は、容器10へ及び溶融バッチ20へと押し出される際に原材料34がライナ15から位置ずれすることを確実にすることによって、ガラスライン22の上のライナ15への原材料34の曝露を最小限に抑えるように構成されうる。
【0036】
また、例示的な形態の図1に示されるように、SCM装置100は、溶融容器10の床14内に単一のバーナ40を含む。SCM装置100の他の構成は、容器10の大きさ及び1つ以上の送達オリフィスアセンブリ300が利用可能なスペースに応じて、容器10の床14内に複数のバーナを採用することもできる。バーナ40は、火炎42を十分なエネルギーで容器10内の原材料34のバッチへと方向付けるように構成され、溶融バッチ20を形成する。同様に、バーナ40は、原材料34の追加のバッチがポート30を通じて溶融バッチ20内へと供給されるように、溶融バッチ20に火炎42を供給し続ける。バーナ40及び火炎42を制御するための他の構成要素(図示せず)は、当業者に理解されるように、SCM装置100内に配置されるか、又はそれに連結される。火炎42を直接、溶融バッチ20に直に供給することができるようなバーナ40の構成は、他の従来の溶融装置よりも有利な点をSCM装置100にもたらす。バーナ40に由来する火炎42への溶融バッチ20の直接曝露は、最大入力エネルギーが原材料34に直接供給されて、溶融バッチ20を高効率で形成することを確実にする。さらには、火炎42への溶融バッチ20の直接曝露は、溶融バッチ20が、混合され、分離を避けるために攪拌され、溶融バッチ20の高度な均質性を確保することを確実にする。またさらには、火炎42への溶融バッチ20の直接曝露は、火炎42を生成する際にバーナ40に用いられる燃料の酸素に対する比に応じて、要望の通りに、原材料34のバッチ及び溶融バッチ20中の金属を酸化又は還元できるようにする。
【0037】
再び図1を参照すると、SCM装置100はまた、溶融容器10の床14内に送達オリフィスアセンブリ300も含む。送達オリフィスアセンブリ300は、容器10から格納容器50へと溶融バッチ20を送給するように構成される。ある特定の実施形態では、送達オリフィスアセンブリ300は、格納容器50への溶融バッチ20の送給を制御するために加熱される。送達オリフィスアセンブリ300とともに、誘導、抵抗巻き線、エアーパージ付きバーナ、及び適応冷却を備えた直火式金属を含むがこれらに限定されない、さまざまな加熱及び冷却装置を用いて、制御された速度で格納容器50へと流れるように溶融バッチ20の粘度を制御することができる。より詳細には、容器10のバーナ40に近接した床14内の送達オリフィスアセンブリ300の位置及び構成は、スカル層20aがその上に形成されないように、アセンブリ300が水冷床14を貫通することを確保しつつ、SCM装置100がライナ15を溶融バッチ20による劣化から保護するために十分に連続したスカル層20aを維持できるようにする。その後、送達オリフィスアセンブリ300は、該アセンブリ300にごく近接した溶融バッチ20の粘度の局所的低下によって、溶融バッチ20を格納容器50へと送給することができる。送達オリフィスアセンブリ300が床14内に(例えば、壁12ではなく)位置付けることによって、重力を用いて、格納容器50への溶融バッチ20の流れを補助することができる。対照的に、SCM装置の壁内に送達オリフィスアセンブリを位置付けることは、そうすることによってアセンブリのオリフィス上にスカル層が形成される可能性が大幅に高まるため、好ましくない。溶融バッチの流れを確実にするためには、溶融容器10に送達オリフィスアセンブリのインナーライナ(例えば、図3Aに示されるインナーライナ320)の拡張を加えるなど、さらなる技術的調整が必要であろう。それでもなお、このインナーライナの拡張は、実質的に反応性の溶融バッチに曝露されることになり、したがって、短時間で劣化するであろう。よって、送達オリフィスアセンブリ300は、機能の最適化のためには、バーナ40に近接した床14内に配置されるべきである。結果として、溶融バッチの流れに必要な溶融バッチ20の局所的な粘度低下(すなわち、送達オリフィスアセンブリ300による加熱による)の程度は低くなり、したがって、スカル層20aの保存に役立つ。さらには、送達オリフィスアセンブリ300を床14内にバーナ40及び火炎42に比較的近接して位置づけることによって、送達オリフィスアセンブリ300は、容器50の残りの部分におけるスカル層20aの完全性を維持しつつ、格納容器50への溶融バッチ20の流れを促進または阻止するために、火炎42からの局所的な熱及び水冷床14へのその浸透を利用することができる。
【0038】
さらに図1を参照すると、SCM装置100の格納容器50は、バッチラン又は定期ランのためのさまざまな形態をとることができる。例えば、容器50は、溶融バッチ20を受け取り、それを所望の形状に成形するためのグラファイト壁を有する鋳型、例えばプレートでありうる。容器50はまた、溶融バッチ20が容器50内の水中に直接送給されるように、水を保持するための格納装置であってもよい(例えば、図1に概略的に示されている)。格納容器50はまた、下流の切断装置(図示せず)によって切断される前に、溶融バッチ20を受け取り、それを例えば連続プレートなどの所望の形状に圧延するための水冷ローラを含む、装置であってもよい。
【0039】
図1Aを参照すると、相分離可能な、銅含有抗菌性ガラス組成物の溶融バッチ20を形成するために用いられる定期的ラン又はバッチランの完了後のSCM装置100の溶融容器10の壁12の断面の光学顕微鏡写真が示されている。図1Aに示されるように、壁12は、従来の耐火材料であるアルミナから製造されたライナ15を含む。さらには、図1Aは、相分離可能な銅含有抗菌性ガラス組成物のスカル層20aがライナ15上に形成され、よって、それを銅含有抗菌性ガラス組成物による実質的な劣化から保護することを示している。より詳細には、最初に、初期溶融バッチ20がSCM装置100の容器10内に形成され、スカル層20aが形成されなければならない。したがって、スカル層20aの初期形成中に、ライナ15への幾らかの限定された劣化が起こりうる。しかしながら、スカル層20aが形成された後は、それは、SCM装置100の連続動作中に、ライナ15のさらなる劣化に対する耐性をもたらす。
【0040】
幾つかの態様では、図1及び1Aに示されるスカル層20aは、SCM装置100のその後の使用又は該装置の再構築の前に、容器10から機械的に除去されうる。このような手法は、SCM装置100を用いてさまざまなガラス及びガラスセラミック組成物を経時的に溶融させる場合に、保証することができる。他の態様では、スカル層20aは、SCM装置100を繰り返し使用する前後に、容器10のライナ15上に残っている。
【0041】
図2を参照すると、例えば、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む従来の耐火材料に対して実質的に反応性のガラス及びガラスセラミック、特にガラス及びガラスセラミック組成物を溶融する方法200が提供される。方法200は、溶融バッチ20のガラスライン22より下のポート30を介して、原材料のバッチ(例えば、図1に示される原材料34)をSCM装置100内へと搬送するための搬送工程220を含む。前述の通り、溶融バッチ20のガラスライン22より下に原材料を送給することは、原材料の追加の混合、及び方法200の間にSCM装置100において生じたスカル層の保護を含めた利点をもたらす。しかしながら、幾つかの実施では、搬送工程220は、例えばポート30が溶融バッチ20のガラスライン22の上に位置するSCM装置の構成を用いて、原材料のバッチがSCM装置のガラスライン22の上に搬送されるように行われる。他の態様では、搬送工程は、オーガ装置を含むがそれらに限定されない機械的又は電気機械的手段によって、原材料のバッチがポート30を通じて溶融バッチ20内へと押し出されるように行われる。
【0042】
図2に示されるガラス及びガラスセラミックを溶融する方法200は、任意選択的に、工程220におけるSCM装置100への搬送用に原材料のバッチを調製する、調製工程210を含む。調製工程210は、特に、意図される溶融バッチ20のガラス又はガラスセラミック組成物用に原材料を計量及び混合する工程を含みうる。相分離可能な銅含有抗菌ガラスなど、ある特定の特に反応性の組成物については、原材料は、他のガラス及びガラスセラミック組成物に由来する原材料、あるいは最終又はほぼ最終形態の他のガラス及びガラスセラミック組成物との交差汚染を回避するために隔離されうる。さらには、調製工程210は、本開示の分野の当業者に理解されるように、袋、容器、又はこの機能に適した他の容器によって原材料をSCM装置100へと輸送する工程をさらに含みうる。
【0043】
再び図2を参照すると、ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法200は、十分なエネルギーでSCM装置100のバーナ40に由来する火炎(例えば、図1に示される火炎42)を原材料のバッチ及び溶融バッチ20へと方向付けて、原材料を溶融バッチ20へと形成するための方向付け工程230を含む。前述の通り、バーナ40に由来する火炎への溶融バッチ20の直接曝露は、最大入力エネルギーが原材料34に直接供給されて(図1参照)、原材料を高効率で溶融バッチ20へと形成することを確実にする。さらには、火炎への溶融バッチ20の直接曝露は、溶融バッチ20が混合され、分離を避けるために攪拌され、溶融バッチ20の高度な均質性を確保することを確実にする。またさらには、火炎への溶融バッチ20の直接曝露は、火炎を生成する際にバーナ40に用いられる燃料の酸素に対する比に応じて、要望の通りに、原材料34のバッチ及び溶融バッチ20中の金属の酸化又は還元を可能にする。
【0044】
方法200のある特定の態様では、火炎を原材料のバッチ及び溶融バッチ20へと方向付けるための方向付け工程230は、格納容器(例えば、図1に示される容器50)内の溶融バッチが実質的に均質になるように溶融バッチ20を攪拌するのに十分なエネルギーで行われうる。方向付け工程230はまた、溶融バッチ20のガラス又はガラスセラミック組成物中の少なくとも1つの金属(例えば銅)の酸化状態に少なくとも部分的に基づいて設定される、酸素の燃料に対する比に従って行われうる。さらには、火炎を原材料のバッチ及び溶融バッチ20へと方向付ける方向付け工程230に用いられる燃料は、天然ガスであってよく、酸素の天然ガスに対する比は、約2:1~約3:1で設定されうる。他の態様では、火炎(例えば、図1に示される火炎42)を原材料のバッチ及び溶融バッチ20へと方向付ける方向付け工程230は、アルゴン及び窒素などの他の不活性ガスとともに、水素及びプロパンなどの他の燃焼ガスを含みうる。
【0045】
ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法200の好ましい態様によれば、搬送及び方向付け工程220及び230は、溶融バッチ20が、SCM装置100の溶融容器10の壁12及び床14と接触したスカル層20a(図1及び1A参照)を含むように行われる。特に、容器10の壁12及び床14は、溶融バッチ20が、溶融容器10の壁12及び床14の上で、耐火ライナ(例えば、図1に示されるライナ15)に接触又はごく近接して、その融点未満に冷却されるように、搬送及び方向付け工程220及び230の間に、壁及び床に近接した水冷素子によって冷却されうる。よって、スカル層20aは、搬送及び方向付け工程220及び230中に溶融バッチ20の固形皮膜として形成されうる。さらには、初期スカル層(又はスカル層20aの一部分)は、方法200の搬送及び方向付け工程220及び230の前の溶融バッチ20の形成における、容器50内での原材料34の初期溶融時に最初に形成されうる。スカル層20aは、実質的に反応性のガラス又はガラスセラミック組成物を有する溶融バッチ20と、従来の耐火材料から製造されたライナ15との間の、保護障壁として機能する。ある特定の態様では、方法200に従って生じたスカル層20aは、例えば、約0.5インチ(1.27cm)、1インチ(2.54cm)、1.5インチ(3.81cm)、2インチ(5.08cm)、2.5インチ(6.35cm)、3インチ(7.62cm)、3.5インチ(8.89cm)、4インチ(10.16cm)、4.5インチ(11.43cm)、5インチ(12.7cm)及びこれらの量の間のすべての厚さの値など、厚さ約0.1~約5インチ(約2.54mm~約12.7cm)の厚さ範囲でありうる。
【0046】
図2に示されるガラス及びガラスセラミックを溶融する方法200はまた、SCM装置100の底部又は床に位置する送達オリフィスアセンブリ300を加熱して、オリフィスアセンブリを通じて溶融バッチ200を格納容器50へと搬送するための加熱工程240も含む。さまざまな加熱及び冷却装置は、送達オリフィスアセンブリ300に近接した溶融バッチ20の粘度を、それが制御された速度で格納容器50へと流れるように制御するために、加熱工程240に用いられうる。これらの加熱装置は、誘導、抵抗巻き線、バーナ、及び直火式(例えば、白金などの抵抗性金属を通じて電流を伝達することによる)を含むが、それらに限定されない。さらには、幾つかの態様では、加熱工程240は、送達オリフィスアセンブリ300を介して格納容器50内の冷却媒体52(例えば、水)へと溶融バッチ20を搬送するために行われうる。
【0047】
前述の通り、容器10の床14内の送達オリフィスアセンブリ300を介して溶融バッチ20の搬送をもたらすことにより、送達オリフィスアセンブリ300に近接した溶融バッチ20の局所的な粘度の低下によって溶融バッチ20を格納容器50へと送給する必要性のバランスを取りつつ、方法200が、SCM装置100を用いて該SCM装置100の耐火ライナ及び加熱炉構成要素を溶融バッチ20による劣化から保護するために十分に連続したスカル層20aを維持することを可能にする。方法200のある特定の態様では、送達オリフィスアセンブリ300を加熱する加熱工程240は、誘導加熱プロセスで行われる。方法200の別の実施では、加熱工程240で用いられる送達オリフィスアセンブリ300は、酸化スズライナ要素でライニングされている。
【0048】
図2にも示されているように、ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法200は、該方法200が連続的な方式で実施される場合に、任意選択的な圧延工程250を含みうる。例えば、溶融バッチ20は、水冷ローラ(図示せず)によって溶融バッチ20を搬送し、それを下流の切断装置(図示せず)によって切断する前に、例えば連続プレートなど、所望の形状へと圧延することによって、圧延工程250に供されうる。さらには、任意選択的な加工工程260は、圧延した溶融バッチ20を乾燥し、次いで最終形態又は最終形態に近い大きさにするために、方法200に従って行われうる。
【0049】
ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法200の追加の態様では、搬送、方向付け、及び/又は加熱する工程220~240は、さらに、溶融バッチ20が、格納容器50内へと連続して(例えば、連続したプレート又はシートとして)搬送されるように制御される。ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法200の別の態様では、搬送、方向付け、及び/又は加熱する工程220~240は、溶融バッチ20が、格納容器50内へと定期的に(例えば、バッチで)搬送されるようにさらに制御される。前述の通り、方法200で用いられる格納容器50は、バッチランまたは定期ランのためのSCM装置100の配置に応じて、さまざまな形態をとることができる。
【0050】
ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法200のある特定の態様では、溶融バッチ20のガラス及びガラスセラミック組成物は、例えば、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む従来の耐火材料に対して実質的に反応性である。例えば、方法200は、ガラス又はガラスセラミック組成物が銅含有酸化物を含む溶融バッチ20を形成するために用いられうる。好ましい態様では、方法200は、ガラス又はガラスセラミック組成物が銅含有酸化物を約10~約50モル%の範囲で含む抗菌性ガラス組成物である、溶融バッチ20を形成するために用いられる。さらには、火炎を方向付けるための方向付け工程230は、抗菌性ガラス組成物内の銅の酸化状態に少なくとも部分的に基づいて設定される、酸素の燃料に対する比に従って行われうる。
【0051】
図3A~3Cを参照すると、溶融バッチをガラス又はガラスセラミック組成物を有するSCM装置から搬送するための送達オリフィスアセンブリ300が、本開示の一態様に従って描かれている。ある特定の態様では、ガラス又はガラスセラミック組成物は、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む耐火材料に対して実質的に反応性である。送達オリフィスアセンブリ300は、SCM装置(例えば、図1に示されるSCM装置100の床14)に連結するためのスリーブ端部312を含むサセプタスリーブ310を含む。幾つかの実施形態では、サセプタスリーブ310は、鋼、貴金属、貴金属合金、金属合金、及び誘導加熱装置のサセプタとしての使用に適した他の高温耐熱材料から製造されうる。
【0052】
再び図3A~3Cを参照すると、サセプタスリーブ310は、幾つかの態様では、約0.5~4インチ(約1.27~10.16cm)の範囲の内径、約0.02~0.50インチ(約0.508mm~1.27cm)の壁厚、及び約0.5~20インチ(約1.27~50.8cm)の範囲の高さを有しうる。例えば、サセプタスリーブ310の内径は、0.5インチ(1.27cm)、0.6インチ(1.524cm)、0.7インチ(1.778cm)、0.8インチ(2.032cm)、0.9インチ(2.286cm)、1インチ(2.54cm)、1.5インチ(3.81cm)、2インチ(5.08cm)、2.5インチ(6.35cm)、3インチ(7.62cm)、3.5インチ(8.89cm)、4インチ(10.16cm)、及びこれらの値の間にあるすべての直径でありうる。サセプタスリーブ310の壁厚に関しては、例えば、それは、0.02インチ(0.508mm)、0.04インチ(1.016mm)、0.06インチ(1.524mm)、0.08インチ(2.032mm)、0.1インチ(2.54mm)、0.2インチ(5.08mm)、0.3インチ(7.62mm)、0.4インチ(10.16mm)、0.5インチ(1.27cm)、及びこれらの値の間のすべての厚さ値でありうる。サセプタスリーブ310の高さは、例えば、0.5インチ(1.27cm)、1インチ(2.54cm)、2インチ(5.08cm)、3インチ(7.62cm)、4インチ(10.16cm)、5インチ(12.7cm)、6インチ(15.24cm)、7インチ(17.78cm)、8インチ(20.32cm)、9インチ(22.86cm)、10インチ(25.4cm)、12インチ(30.48cm)、14インチ(35.56cm)、16インチ(40.64cm)、18インチ(45.72cm)、20インチ(50.8cm)、及びこれらの値の間のすべての高さ値でありうる。好ましい態様では、サセプタスリーブ310は、約0.5~1.5インチの内径(約1.27~3.81cm)、約0.05~約0.15インチ(約1.27mm~約3.81mm)の厚さ、及び約1~2.5インチ(約2.54~6.35cm)の高さを有する。別の好ましい態様では、サセプタスリーブ310は白金から製造され、壁厚は、構造的剛性と誘導加熱応答時間の増加のバランスをとるために、約0.025~0.05インチ(約0.635~1.27mm)に設定することができる。すなわち、白金サセプタリーブ310の壁厚を薄くすると、誘導加熱の応答時間を改善できるが、SCM装置100内のスリーブの機械的完全性を保つためには、少なくとも幾らかの厚さも必要である。
【0053】
送達オリフィスアセンブリ300はまた、図3A~3Cに示されるように、サセプタスリーブ310を取り囲むコイル340も含む。コイル340は、インダクタ及び冷却液搬送の両方として構成される。ある特定の態様では、銅管(例えば、3/8インチ銅管)が、コイル340に用いられる。より詳細には、コイル340は、誘導加熱コントローラ360に接続するバスバー362(例えば、Ambrell(登録商標)Easyheat 10kWヒートステーション)に連結され、コイル340の内部に振動磁場を発生して、サセプタスリーブ310に渦電流を生じさせることによって、その誘導加熱機能を実行することができる。同様に、コイル340は、その冷却機能を実行するために冷却コントローラ370に連結することができる。コイル340はまた、1つ以上の巻線342も含みうる(図3C参照)。好ましい態様では、コイル340及び3つの巻線342は、コイル340がサセプタスリーブ310と直接、物理的に接触しないように、耐火セメント350によってサセプタリーブ310と接合されている(図3C参照)。よって、耐火セメント350は、コイル340とサセプタリーブ310との間に電気的結合が存在しないことを確実にするために、実質的に電気的に絶縁性でなければならない。サセプタスリーブ310は、図3A~3Cに示されるように、コイル340のさらなる支持を提供するためにフランジ316も含みうる。
【0054】
図3A~3Cに示されるように、送達オリフィスアセンブリ300は、サセプタスリーブ310内に構成されたインナーライナ320を含む。インナーライナ320は、溶融バッチ20と接触することになり、したがって、耐火組成を有するべきである。より詳細には、インナーライナ320は、SCM装置から溶融バッチ20を搬送するように構成される。インナーライナ320はまた、サセプタスリーブ310のスリーブ端部312に近接した、あるいはそれと接触しているライナ端部322も含む。好ましい態様では、サセプタスリーブ310はまた、インナーライナ320が内フランジ314の上に位置付けられるように構成された内フランジ314も含む。
【0055】
再び図3A~3Cを参照すると、送達オリフィスアセンブリ300はまた、サセプタスリーブ端部312及びライナ端部322の上に位置付けられた頂部キャップ330も含む。頂部キャップ330もまた、溶融バッチ20と接触するようになり、したがって、耐火組成を有するべきである。頂部キャップ330もまた、インナーライナ320のライナ端部322と実質的に一致するオリフィス334を伴って構成されている。
【0056】
幾つかの実施形態では、インナーライナ320及び頂部キャップ330の耐火組成物は、石英、酸化スズ、酸化クロム、アルミナ、溶融ジルコニア、ジルコニア、ジルコニア-シリカ、及びこれらの耐火物の組合せのうちの1つ以上を含む。好ましい実施形態では、インナーライナ320及び頂部キャップ330は、酸化スズを含む組成物から製造される。
【0057】
このように、コントローラ360、370の誘導加熱及び冷却は、サセプタスリーブ310を誘導加熱して、オリフィス334及びインナーライナ320を通る溶融バッチ20の流れを制御するために、コイル340に連結させることができる。特に、加熱コントローラ360は、コイル340内に振動磁場を発生させ、それによってサセプタスリーブ310内の渦電流を誘導し、それを加熱する。コントローラ360、370の誘導加熱及び冷却は、独立して配置されてもよく、あるいは、同じ筐体又は構造内に配置されてもよい。
【0058】
再び図3A~3Cを参照すると、送達オリフィスアセンブリ300は、ガラス又はガラスセラミック組成物、特に、従来の耐火材料に対して実質的に反応性の組成物の溶融バッチの流れを制御するために、SCM装置内で動作させることができる。例えば、上述のこのようなガラス及びガラスセラミックを溶融する方法200(図2参照)を使用して、SCM装置100の溶融容器10内に溶融バッチ20(図1参照)を形成することができる。溶融バッチ20の形成に必要とされる方法200の工程の間に、送達オリフィスアセンブリ300の冷却コントローラ370は、オリフィス334に近接した溶融バッチ20の局所粘度がオリフィスを通る溶融バッチの流れを妨げるのに十分に高いことを確実にするために、コイル340を通る冷却剤の流れを維持するように構成されうる。
【0059】
ある特定の態様では、誘導加熱コントローラ360は、溶融バッチ20の形成の間にコイル340が誘導加熱されないように設定することができる。十分な量の溶融バッチ20が生じると、誘導加熱コントローラ360は、システムに電力を供給するように調整することができ、それによってサセプタスリーブ310を加熱することができる。その後、熱は、サセプタスリーブ310からインナーライナ320へ、そして溶融バッチ20へと伝導される。オリフィスを通る溶融バッチの流れが得られるように、インライナ320がオリフィス334に近接した溶融バッチ20の粘度を低下させるのに十分な温度に達すると、誘導加熱コントローラ360は、オリフィス334を通る溶融バッチ20の安定した流れを達成するために、コイル340への電力を下方に調整することができる。同時に、SCM装置内のスカル層が無傷のままであることを確実にするために、コントローラ360によってコイル340を介して冷却剤の流れを維持することができる。加えて、オリフィス334及びインナーライナ330を通る溶融バッチ20の流量及び該流量を制御することにより、インナーライナ320と接触する溶融バッチ20が、それを著しく劣化させたり、腐食させたりしないことを確実にする。
【0060】
さらに図3A~3Cを参照すると、送達オリフィスアセンブリ300はまた、さらなる実施において、そのオリフィス334を通って流れる溶融バッチ20の温度を維持するか、そうでなければ制御することもできる。特に、誘導加熱コントローラ360は、2つの方法、すなわち、自動及び手動で溶融バッチ20の温度を維持することができる。自動制御では、温度などの設定点がユーザによって選択され、この温度を維持するためにコントローラ360からの電力が上下に調整される。溶融バッチ20がオリフィス334を通って流れるときに、溶融バッチ自体が熱を供給することから、コントローラ360は電力を「下方」に低下させることができる。それでも、オリフィス334を通る溶融バッチ20の安定した流れは、誘導加熱コントローラ360からの電力の上向き及び下向きの変動を頻繁に生じる。反対に、手動制御では、特定の出力がコントローラ360用に選択され、該コントローラ360は、溶融バッチ20で測定された温度とは無関係に、この出力に留まる。加えて、コントローラ370を介したコイル340の水冷は、インナーライナ320を通過する溶融バッチの粘度を増減することによって、溶融バッチ20の流れを調整するために用いられるか、あるいは、インナーライナ320内にスカル層20aを形成するのに役立ちうる。前述の通り、アセンブリ300がバーナ40にごく近接すると、オリフィス334の上にスカル層が存在しないことが確保されることから、オリフィスアセンブリ300の冷却態様は、SCM装置100のスカル層20aが無傷のままであることを確実にするものではないことに留意されたい。
【0061】
図3A~3Cに例示的な方式で示される送達オリフィスアセンブリ300は、実質的な利点を提供する。特に、アセンブリ300は、最小の応答時間で、誘導によって、インナーライナ310を急速に加熱及び冷却する能力を提供する。このレベルの制御は、SCM装置からのガラス又はガラスセラミック組成物を有する溶融バッチ20の迅速、頑強かつ一定の送給を確実にする。送達オリフィスアセンブリ300のもう1つのキーとなる利点は、溶融バッチ20の反応性ガラス又はガラスセラミック組成物と接触するSCM装置内の加熱炉ライニング及び構成要素の保護を維持することができることである。特に、オリフィス334に近接した溶融バッチ20を誘導加熱するために使用している間に、同時にコイル340を冷却する送達オリフィスアセンブリ300の能力は、溶融バッチ20がオリフィスアセンブリ300から流出している間、オリフィスアセンブリ300に近接したスカル層(例えば、壁12及び床14)が維持されることを確実にする。
【0062】
他のSCM装置及び送達オリフィスアセンブリは、本開示の態様を考慮して構成することができる。図4に示されるように、例えば、SCM装置400は、さまざまな位置、典型的には装置の床414に間隔をあけて配置された複数のバーナ440及び送達オリフィスアセンブリ300で構成することができる。SCM装置400はまた、液冷壁412及び床414も含む。床414内に複数のバーナ440を位置付けることによって、SCM装置400を用いて、ガラス又はガラスセラミック組成物、好ましくは従来の耐火材料に対して実質的に反応性の組成物の溶融バッチを、高い均質性で形成することができる。特に、複数のバーナ440は、溶融バッチのより均一な撹拌、粘度の均一性、及び溶融バッチ内の金属構成成分のより均一な酸化又は還元を容易にする。
【0063】
さらには、複数の送達オリフィスアセンブリ300は、各オリフィスアセンブリ300に近接した溶融バッチの粘度を過度に低下させる必要性を最小限に抑えつつ、高レベルの製造スループットを維持して、特定の溶融バッチ流量で溶融バッチを送達するために、図4に示されるSCM装置400に用いられうる。すなわち、単一のオリフィスアセンブリ300と比較して多くのオリフィスアセンブリ300を使用することで、同じ製造スループットを達成しつつ、各オリフィスを通る流量の低減を可能にする。結果として、オリフィスアセンブリ300の各々を通る、より低流量の溶融バッチは、各オリフィスアセンブリ300に近接した、比較的高い粘度レベルの溶融バッチへと変換されうる。溶融バッチ20のこれらのより高い粘度レベル(すなわち、より低い局所溶融バッチ温度が示すように)により、そうでなければ溶融バッチと直接接触するであろうSCM装置400の加熱炉ライニング及び構成要素を保護する役割をする固体スカル層との干渉が少なくなる。
【0064】
また、さらには、図4に示されるSCM装置400は、原材料のバッチを装置内の溶融バッチに送達するか、他の手段で強制的に導入するように構成された複数のポート430で構成されることによる利益を得ることもできる。特に、複数のポート430は、原材料のバッチのより良い制御及び溶融バッチへの均一な供給を可能にする。複数のポート430を有する、装置400などのSCM装置は、複数のポート430によってより大量の原材料のバッチを溶融バッチに送給することができることを所与として、より高い製造スループット用に構成することもできる。
【0065】
本開示の態様(1)は、原材料のバッチを、液冷壁及び床を有する液中燃焼溶融装置内へと搬送する工程;火炎を十分なエネルギーで原材料のバッチへと方向付けて、原材料を溶融バッチへと形成する工程;及び、液中溶融装置の床内の送達オリフィスアセンブリを加熱して、オリフィスアセンブリを通して前記溶融バッチを搬送する工程を含む、ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法に関する。
【0066】
本開示の態様(2)は、溶融バッチが、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む耐火材料に対して実質的に反応性のガラス又はガラスセラミック組成物を含む、態様(1)の方法に関する。
【0067】
本開示の態様(3)は、溶融バッチが、シリカ及び酸化銅を含むガラス又はガラスセラミック組成物を含む、態様(1)の方法に関する。
【0068】
本開示の態様(4)は、溶融バッチが、液中燃焼溶融装置の壁及び床と接触するスカル層を含む、態様(1)~(3)のいずれかの方法に関する。
【0069】
本開示の態様(5)は、搬送、方向付け、及び加熱する工程が、溶融バッチが格納容器内へと連続して搬送されるように、さらに制御される、態様(4)の方法に関する。
【0070】
本開示の態様(6)は、搬送する工程が、さらに、原材料のバッチが溶融バッチのガラスラインの下に搬送されるように行われる、態様(4)の方法に関する。
【0071】
本開示の態様(7)は、原材料のバッチ及び溶融バッチへと火炎を方向付ける工程が、格納容器内の溶融バッチが、実質的な均質性によって特徴付けられるように、さらに、溶融バッチを攪拌するのに十分なエネルギーで行われる、態様(1)~(6)のいずれかの方法に関する。
【0072】
本開示の態様(8)は、ガラス又はガラスセラミック組成物が、銅含有酸化物を含む、態様(1)~(7)のいずれかの方法に関する。
【0073】
本開示の態様(9)は、ガラス又はガラスセラミック組成物が、銅含有酸化物を約10~約50モル%の範囲で含む抗菌性ガラス組成物である、態様(8)の方法に関する。
【0074】
本開示の態様(10)は、火炎を方向付ける工程が、ガラス又はガラスセラミック組成物内の1つの金属の酸化状態に少なくとも部分的に基づいて設定される、酸素の燃料に対する比に従って行われる、態様(1)~(9)のいずれかの方法に関する。
【0075】
本開示の態様(11)は、火炎を方向付ける工程が、抗菌性ガラス組成物内の銅の酸化状態に少なくとも部分的に基づいて設定される、酸素の燃料に対する比に従って行われる、態様(9)の方法に関する。
【0076】
本開示の態様(12)は、燃料が天然ガスであり、かつ、酸素ガスの天然ガスに対する比が約2:1~約3:1である、態様(11)の方法に関する。
【0077】
本開示の態様(13)は、送達オリフィスアセンブリを加熱する工程が、誘導加熱プロセスで行われる、態様(12)の方法に関する。
【0078】
本開示の態様(14)は、送達オリフィスアセンブリが、酸化スズライナ要素でライニングされている、態様(13)の方法に関する。
【0079】
本開示の態様(15)は、液中溶融装置に連結するためのスリーブ端部を含む、サセプタスリーブ;インダクタ及び冷却液搬送として構成されている、サセプタスリーブを取り囲むコイル;スリーブ内に配置された第1の耐火組成物を有するインナーライナであって、さらに、溶融バッチを溶融装置から搬送するように構成されており、かつ、スリーブ端部に近接しているか又は接触しているライナ端部を含む、ライナ;スリーブ端部及びライナ端部の上に位置付けられた頂部キャップであって、第1の耐火組成物を有し、溶融装置内の溶融バッチと接触するように構成され、かつ、ライナ端部と実質的に一致したオリフィスをさらに含む、キャップ;及び、サセプタを誘導加熱するコイルに連結されて、オリフィス及びインナーライナを通る溶融バッチの流れを制御する、誘導加熱コントローラを含む、液中燃焼溶融装置のための送達オリフィスアセンブリに関する。
【0080】
本開示の態様(16)は、溶融バッチが、ガラス又はガラスセラミック組成物を有する、態様(15)の送達オリフィスアセンブリに関する。
【0081】
本開示の態様(17)は、ガラス又はガラスセラミック組成物が、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む耐火材料に対して実質的に反応性である、態様(16)の送達オリフィスアセンブリに関する。
【0082】
本開示の態様(18)は、溶融バッチが、シリカ及び酸化銅を含むガラス又はガラスセラミック組成物を含む、態様(16)の送達オリフィスアセンブリに関する。
【0083】
本開示の態様(19)は、第1の耐火組成物が、石英、酸化スズ、酸化クロム、アルミナ、溶融ジルコニア、ジルコニア、ジルコニア-シリカ、及びこれらの耐火物の組合せからなる耐火物から選択される、態様(17)の送達オリフィスアセンブリに関する。
【0084】
本開示の態様(20)は、第1の耐火組成物が、酸化スズを含む、態様(15)~(19)のいずれかの送達オリフィスアセンブリに関する。
【0085】
本開示の態様(21)は、サセプタスリーブが、鋼、貴金属、及び貴金属合金からなる群より選択される組成物を有する、態様(15)~(20)のいずれかの送達オリフィスアセンブリに関する。
【0086】
本開示の態様(22)は、サセプタスリーブが、内フランジをさらに含み、さらに、インナーライナが内フランジの上にある、態様(21)の送達オリフィスアセンブリに関する。
【0087】
本開示の態様(23)は、コイルが、サセプタスリーブと耐火セメントで実質的に接触して結合している、態様(22)の送達オリフィスアセンブリに関する。
【0088】
本開示の態様(24)は、溶融バッチを調製するための溶融容器であって、各々、金属合金及び水冷素子を含む、複数の壁及び床を備えた容器;原材料のバッチを溶融バッチへと搬送するための、1つの壁内のポート;火炎を十分なエネルギーで容器へと方向付けて、溶融バッチを形成するための床内のバーナ;及び、溶融バッチを送達するための床内の送達オリフィスアセンブリを含む、液中燃焼溶融装置に関する。
【0089】
本開示の態様(25)は、送達オリフィスアセンブリが、溶融容器の床に連結するためのスリーブ端部を含む、サセプタスリーブ;インダクタ及び冷却液搬送として構成されているサセプタを取り囲むコイル;第1の耐火組成物を有するスリーブ内に構成されたインナーライナであって、スリーブ端部に近接しているか又は接触しているライナ端部を含み、かつ、溶融バッチを溶融容器から搬送するように構成された、ライナ;スリーブ端部及びライナ端部の上に位置付けられた頂部キャップであって、第1の耐火組成物を有し、溶融容器内の溶融バッチと接触するように構成され、かつ、ライナ端部と実質的に一致したオリフィスをさらに含む、キャップ;及び、コイルを誘導加熱するためにコイルに連結され、格納容器内へとオリフィス及びインナーライナを通る溶融バッチの流れを制御する、誘導加熱コントローラを含む、態様(24)の液中燃焼溶融装置に関する。
【0090】
本開示の態様(26)は、ポートが、溶融バッチのガラスラインの下の原材料のバッチを搬送するために1つの壁内の位置に配置される、態様(24)の液中燃焼溶融装置に関する。
【0091】
本開示の態様(27)は、第1の耐火組成物が、石英、酸化スズ、酸化クロム、アルミナ、溶融ジルコニア、ジルコニア、ジルコニア-シリカ、及びこれらの耐火物の組合せからなる耐火物から選択される、態様(25)の液中燃焼溶融装置に関する。
【0092】
本開示の態様(28)は、第1の耐火組成物が酸化スズを含む、態様(27)の液中燃焼溶融装置に関する。
【0093】
本開示の態様(29)は、サセプタスリーブが、鋼、貴金属、及び貴金属合金からなる群より選択される組成物を有する、態様(27)の液中燃焼溶融装置に関する。
【0094】
本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、本発明にさまざまな修正及び変形がなされうることは、当業者にとって明らかであろう。
【0095】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0096】
実施形態1
ガラス及びガラスセラミックを溶融する方法であって、
原材料のバッチを、液冷壁と床とを有する液中燃焼溶融装置内へと搬送する工程;
火炎を十分なエネルギーで前記原材料のバッチへと方向付けて、前記原材料を溶融バッチへと形成する工程;及び
前記液中溶融装置の床内の送達オリフィスアセンブリを加熱して、該オリフィスアセンブリを通して前記溶融バッチを搬送する工程
を含む、方法。
【0097】
実施形態2
前記溶融バッチが、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む耐火材料に対して実質的に反応性である、ガラス又はガラスセラミック組成物を含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0098】
実施形態3
前記溶融バッチが、シリカ及び酸化銅を含むガラス又はガラスセラミック組成物を含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0099】
実施形態4
前記溶融バッチが、液中燃焼溶融装置の前記壁及び前記床と接触するスカル層を含むことを特徴とする、実施形態1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
実施形態5
前記搬送、方向付け、及び加熱する工程が、さらに、前記溶融バッチが前記格納容器内へと連続して搬送されるように制御されることを特徴とする、実施形態4に記載の方法。
【0101】
実施形態6
前記搬送する工程が、さらに、前記原材料のバッチが、前記溶融バッチのガラスラインの下に搬送されるように行われることを特徴とする、実施形態4に記載の方法。
【0102】
実施形態7
火炎を前記原材料のバッチ及び前記溶融バッチへと方向付ける工程が、さらに、格納容器内の溶融バッチが、実質的な均質性によって特徴付けられるように、前記溶融バッチを攪拌するのに十分なエネルギーで行われることを特徴とする、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0103】
実施形態8
前記ガラス又はガラスセラミック組成物が、銅含有酸化物を含むことを特徴とする、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0104】
実施形態9
前記ガラス又はガラスセラミック組成物が、銅含有酸化物を約10~約50モル%の範囲で含む抗菌性ガラス組成物であることを特徴とする、実施形態8に記載の方法。
【0105】
実施形態10
前記火炎を方向付ける工程が、前記ガラス又はガラスセラミック組成物中の少なくとも1つの金属の酸化状態に少なくとも部分的に基づいて設定される、酸素の燃料に対する比に従って行われることを特徴とする、実施形態1から9のいずれか一項に記載の方法。
【0106】
実施形態11
前記火炎を方向付ける工程が、前記抗菌性ガラス組成物中の銅の酸化状態に少なくとも部分的に基づいて設定される、酸素の燃料に対する比に従って行われることを特徴とする、実施形態9に記載の方法。
【0107】
実施形態12
前記燃料が天然ガスであり、酸素ガスの天然ガスに対する比が約2:1~約3:1であることを特徴とする、実施形態11に記載の方法。
【0108】
実施形態13
前記送達オリフィスアセンブリを加熱する工程が、誘導加熱プロセスで行われることを特徴とする、実施形態12に記載の方法。
【0109】
実施形態14
前記送達オリフィスアセンブリが、酸化スズライナ要素でライニングされていることを特徴とする、実施形態13に記載の方法。
【0110】
実施形態15
液中燃焼溶融装置のための送達オリフィスアセンブリにおいて、
液中溶融装置に連結するためのスリーブ端部を含む、サセプタスリーブ;
インダクタ及び冷却液搬送として構成される、前記サセプタスリーブを取り囲むコイル;
前記スリーブ内に配置された第1の耐火組成物を有するインナーライナであって、さらに、溶融バッチを前記溶融装置から搬送するように構成されており、かつ、前記スリーブ端部に近接しているか又は接触しているライナ端部を含む、ライナ;
前記スリーブ端部及び前記ライナ端部の上に位置付けられた頂部キャップであって、前記第1の耐火組成物を有し、前記溶融装置内の前記溶融バッチと接触するように構成され、かつ、前記ライナ端部と実質的に一致するオリフィスをさらに含む、キャップ;及び
前記サセプタを誘導加熱して前記オリフィス及び前記インナーライナを通る前記溶融バッチの流れを制御するための、前記コイルに連結された誘導加熱コントローラ
を含む、送達オリフィスアセンブリ。
【0111】
実施形態16
前記溶融バッチが、ガラス又はガラスセラミック組成物を有することを特徴とする、実施形態15に記載の送達オリフィスアセンブリ。
【0112】
実施形態17
前記ガラス又はガラスセラミック組成物が、シリカ、ジルコニア、アルミナ、白金、及び白金合金のうちの1つ以上を含む耐火材料に対して実質的に反応性であることを特徴とする、実施形態16に記載の送達オリフィスアセンブリ。
【0113】
実施形態18
前記溶融バッチが、シリカ及び酸化銅を含むガラス又はガラスセラミック組成物を含むことを特徴とする、実施形態16に記載の送達オリフィスアセンブリ。
【0114】
実施形態19
前記第1の耐火組成物が、石英、酸化スズ、酸化クロム、アルミナ、溶融ジルコニア、ジルコニア、ジルコニア-シリカ、及びこれらの耐火物の組合せからなる耐火物から選択されることを特徴とする、実施形態17に記載の送達オリフィスアセンブリ。
【0115】
実施形態20
前記第1の耐火組成物が酸化スズを含むことを特徴とする、実施形態15~19のいずれか一項に記載の送達オリフィスアセンブリ。
【0116】
実施形態21
前記サセプタスリーブが、鋼、貴金属、及び貴金属合金からなる群より選択される組成物を有することを特徴とする、実施形態15~20のいずれか一項に記載の送達オリフィスアセンブリ。
【0117】
実施形態22
前記サセプタスリーブが、内フランジをさらに含み、さらに、前記インナーライナが前記内フランジの上にあることを特徴とする、実施形態21に記載の送達オリフィスアセンブリ。
【0118】
実施形態23
前記コイルが、前記サセプタスリーブと耐火セメントで実質的に接触して結合していることを特徴とする、実施形態22に記載の送達オリフィスアセンブリ。
【0119】
実施形態24
液中燃焼溶融装置であって、
各々、金属合金及び水冷素子を含む、複数の壁及び床を備えた、溶融バッチを調製するための溶融容器;
原材料のバッチを前記溶融バッチへと搬送するための、1つの前記壁内のポート;
火炎を十分なエネルギーで前記容器へと方向付けて、前記溶融バッチを形成するための、前記床内のバーナ;及び
前記溶融バッチを送達するための前記床内の送達オリフィスアセンブリ
を含む、装置。
【0120】
実施形態25
前記送達オリフィスアセンブリが、
前記溶融容器の床に連結するためのスリーブ端部を含む、サセプタスリーブ;
インダクタ及び冷却液搬送として構成されている、前記サセプタを取り囲むコイル;
第1の耐火組成物を有する、前記スリーブ内に構成されたインナーライナであって、前記スリーブ端部に近接しているか又は接触しているライナ端部を含み、かつ、前記溶融バッチを前記溶融容器から搬送するように構成された、ライナ;
前記スリーブ端部及び前記ライナ端部の上に位置付けられた頂部キャップであって、前記第1の耐火組成物を有し、前記溶融容器内の前記溶融バッチと接触するように構成され、かつ、前記ライナ端部と実質的に一致するオリフィスをさらに含む、キャップ;及び
前記コイルを誘導加熱して、前記格納容器内へと前記オリフィス及び前記インナーライナを通る前記溶融バッチの流れを制御するための、前記コイルに連結された誘導加熱コントローラ
を含むことを特徴とする、実施形態24に記載の溶融装置。
【0121】
実施形態26
前記ポートが、前記溶融バッチのガラスラインの下に前記原材料のバッチを搬送するための1つの前記壁の位置に配置されることを特徴とする、実施形態24に記載の溶融装置。
【0122】
実施形態27
前記第1の耐火組成物が、石英、酸化スズ、酸化クロム、アルミナ、溶融ジルコニア、ジルコニア、ジルコニア-シリカ、及びこれらの耐火物の組合せからなる耐火物から選択されることを特徴とする、実施形態25に記載の溶融装置。
【0123】
実施形態28
前記第1の耐火組成物が、酸化スズを含むことを特徴とする、実施形態27に記載の溶融装置。
【0124】
実施形態29
前記サセプタスリーブが、鋼、貴金属、及び貴金属合金からなる群より選択される組成物を有することを特徴とする、実施形態27に記載の溶融装置。
【符号の説明】
【0125】
10 溶融容器
12 壁
14 床
15 ライナ
20 溶融バッチ
20a スカル層
22 ガラスライン
30 ポート
32 オーガ
34 原材料
40 バーナ
42 火炎
50 格納容器
52 冷却媒体
100 液中燃焼溶融装置
300 送達オリフィスアセンブリ
310 サセプタスリーブ
312 スリーブ端部
316 フランジ
320 インナーライナ
322 ライナ端部
330 頂部キャップ
334 オリフィス
340 コイル
342 巻線
350 耐火セメント
360 誘導加熱コントローラ
362 バスバー
370 冷却コントローラ
400 SCM装置
412 液冷壁
414 床
430 複数のポート
440 バーナ
図1
図1A
図2
図3A
図3B
図3C
図4