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特許7025419噴口のリザーバー/保持構造部を有するパッケージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】噴口のリザーバー/保持構造部を有するパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/24 20060101AFI20220216BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20220216BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20220216BHJP
   B65D 30/22 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
B65D33/24
B65D33/38
B65D33/25 A
B65D30/22 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019520886
(86)(22)【出願日】2017-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 US2017057760
(87)【国際公開番号】W WO2018075992
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】62/411,138
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507146843
【氏名又は名称】スティール,マーク
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】スティール,マーク
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-108011(JP,A)
【文献】特開2012-017141(JP,A)
【文献】国際公開第2016/164185(WO,A1)
【文献】実開昭61-107741(JP,U)
【文献】特開2016-132483(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0075954(US,A1)
【文献】国際公開第2009/090930(WO,A1)
【文献】特開平05-178356(JP,A)
【文献】特開2017-001738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/24
B65D 33/38
B65D 33/25
B65D 30/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の内容物キャビティを形成するように設けられる第1と第2のパネルと、
アクセス開口部を有するとともに前記内部の内容物キャビティと流体連通する噴口部分と、
1または複数の保持構造部を有する保持領域とを具備し、
前記噴口部分は、曲げ線で屈曲させることによって、前記保持領域に到達し、前記該1または複数の保持構造部が該噴口部分の一部を受けるようにしており、前記1または複数の保持構造部は、前記パッケージに形成される2つ以上のスリットを含んでおり、前記噴口部分を折り重ねてまたは屈曲させて前記2つ以上のスリットのうちの第1のスリットに挿入し、次に、前記2つ以上のスリットのうちの第2のスリットから抜き出すまたは引き出すようにした、内容物制御パッケージ。
【請求項2】
前記噴口部分は、1または複数の閉鎖機構を備える請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記1または複数の閉鎖機構はバルブ閉鎖部を含む請求項2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記1または複数の閉鎖機構はジッパー機構を含む請求項2に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記パッケージにおいて前記噴口部分に対して略平行に設けられる間隙を更に有する請求項1に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記1または複数の保持構造部は、前記パッケージに形成される少なくとも1つのスリットを含み、前記保持領域はリザーバーキャビティを含む請求項1に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記噴口部分の一部は少なくとも1つの取付け部材を備え、前記1または複数の保持構造部は少なくとも1つの受け側取付け部材を備え、それにより、前記噴口部分が、前記少なくとも1つの受け側取付け部材に取外し可能に取り付けることができるようにした請求項1に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの取付け部材および前記少なくとも1つの受け側取付け部材はフックアンドループファスナーを含む請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの取付け部材および前記少なくとも1つの受け側取付け部材のうちの少なくとも一方は接着剤を含む請求項7に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記1または複数の保持構造部はタブ構造部を含む請求項1に記載のパッケージ。
【請求項11】
内部の内容物キャビティを形成するように設けられる第1と第2のパネルと、
アクセス開口部を有するとともに前記内部の内容物キャビティと流体連通する噴口部分と、
1または複数のスリット構造部を有するリザーバー領域とを具備し、
前記噴口部分は、曲げ線において屈曲させることによって、前記リザーバー領域に到達し、前記1または複数のスリット構造部が該噴口部分の一部を受けるようにししており、前記1または複数のスリット構造部は2つ以上のスリットを含んでおり、前記噴口部分を折り重ねてまたは屈曲させて前記2つ以上のスリットのうちの第1のスリットに挿入し、次に、前記2つ以上のスリットのうちの第2のスリットから抜き出すまたは引き出すようにした、可撓性パッケージ。
【請求項12】
前記噴口部分はバルブ閉鎖部を含む請求項11に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記噴口部分はジッパー機構を備える請求項11に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記1または複数のスリット構造部はタブ構造部を含む請求項11に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記1または複数のスリット構造部は1つのスリットを含む請求項11に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記噴口部分は取外し可能な頂部シールを備える請求項11に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記1または複数のスリット構造部は、前記噴口部分の長手軸から離れるように角度付けられている請求項11に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記噴口部分の自由端部は、前記1または複数のスリット構造部の中へ、前記第1のパネルに入って前記第2のパネルから出るように延在するように適合されている請求項11に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権]
本願は、2016年10月21日に出願された米国仮特許出願第62/411,138号の優先権および利益を主張し、本願と一体をなすものとして、この米国仮特許出願を引用する。
【0002】
本発明は、包括的には、可撓性パッケージに関し、より詳細には、液垂れ防止保全構造部を有するパッケージ、および、該パッケージを形成する方法および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
可撓性パッケージは、飲料、芝生用製品および食品製品等の、固形および液状の多種多様な物品を収容するために使用される。可撓性パッケージを含むますます多くのパッケージが、食品、液体または医療用製品の収容または供給のために使用されている。
【0004】
家庭内で成人が比較的容易に使用できるが、使用者にとって接触すると不快または危険な物品または材料を収容することができるように設計された製品を提供することに、ますます多くの関心が向けられている。これの1つの例は、洗濯洗剤または洗浄液を収容する可撓性パッケージである。比較的高い粘度を有する他の液体(例えば、はちみつ、ローション等)も、パッケージから漏れた場合には不快となり得る。
【0005】
消費者は、パウチまたはパッケージを開封して内容物にアクセスし、内容物を使用または注出する。パウチ内に残った内容物は、垂れるまたは漏れる傾向を有するので、使用者が潜在的に不快または有害な内容物に触れる可能性がある。使用者が開封した後、内容物がパウチから垂れるまたは漏れることを防止するように機能することができるパウチまたはパッケージが、この産業において必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、パッケージおよび包装産業が直面する或る特定の問題に対処するものである。本発明の実施形態は、開封後の液垂れまたは液漏れにより高い耐性を有するように設計された可撓性パッケージに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパッケージまたはパウチは、パッケージをパッケージ内部とリザーバーまたは収容部分とに分割する中間シームを備えることができる。中間シームの一部は、パッケージの内容物の注出に使用される噴口部分を形成するように、スリットを有することができるかまたは別様に分断することができる。リザーバーまたは収容部分は、噴口部分の自由端部を受け入れるサイズおよび形状の1または複数のスリットまたは開口部を有することができる。リザーバーまたは収容部分は、折り曲げられた噴口を選択的に保持する役割、および/または、噴口内に残留し得る内容物若しくはパッケージから漏れ得る内容物がリザーバー内に捉えられることを確実にする役割を果たすことができる。
【0008】
噴口は、噴口の自動的または選択的な閉鎖を可能にする1または複数の閉鎖機構を備えることができる。閉鎖機構は、圧力または流体ロック、ジッパー、バルブ、接着剤等を含むことができる。
【0009】
また、本発明の装置は、噴口をパッケージの別の部分に取り付けることを可能にするように設計された1または複数の取付け機構を備えることができる。取付け機構は、フックアンドループファスナー(例えば、Velcro(商標))、スナップ、再使用可能な接着剤等を含むことができる。リザーバーにおけるスリットおよび取付け機構は、噴口からの流体の流出を制限することを支援する折曲部または捻り部を形成するために、噴口を折り重ねることを可能にする。
【0010】
本発明のために実施される詳細な技術および好ましい実施形態は、当業者が特許請求される発明の特徴を十分に理解できるように、添付図面を伴って以下の段落に記載される。上記で言及した特徴および下記に述べる特徴は、特定の組合せで使用されるのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく他の組合せでまたは単独で使用することができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】本発明の実施形態に係る、柔軟な噴口構造部およびリザーバーまたは収容部分を有するパッケージを示す図である。
図1b】本発明の実施形態に係る図1aのパッケージの上面図である。
図2a】本発明の実施形態に係る、シールが除去された柔軟な噴口構造部を有するパッケージを示す図である。
図2b】本発明の実施形態に係る、リザーバーまたは収容部分に配置された柔軟な噴口構造部を有するパッケージを示す図である。
図2c】本発明の実施形態に係る図2bの線2c-2cに沿った断面を示す図である。
図2d】本発明の実施形態に係る、パッケージに形成または付加される1または複数の材料パネルから作成されるリザーバーまたは収容部分を有する例示的な一実施形態の断面を示す図である。
図3a】本発明の実施形態に係る、シールが除去された柔軟な噴口構造部および噴口保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図3b】本発明の実施形態に係る、噴口保持構造部に配置された柔軟な噴口構造部を有するパッケージを示す図である。
図3c】本発明の実施形態に係る図3bの上面図である。
図4a】本発明の実施形態に係る、シールが除去された柔軟な噴口構造部および噴口保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図4b】本発明の実施形態に係る、噴口保持構造部に配置された柔軟な噴口構造部を有するパッケージを示す図である。
図4c】本発明の実施形態に係る図4bの上面図である。
図5a】本発明の実施形態に係る、シールが除去された柔軟な噴口構造部および噴口保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図5b】本発明の実施形態に係る、噴口保持構造部に配置された柔軟な噴口構造部を有するパッケージを示す図である。
図5c】本発明の実施形態に係る図5bの上面図である。
図6a】本発明の実施形態に係る、シールが除去された柔軟な噴口構造部、保全構造部、および噴口保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図6b】本発明の実施形態に係る、噴口保持構造部に配置された柔軟な噴口構造部を有するパッケージを示す図である。
図6c】本発明の実施形態に係る図6bの線6c-6cに沿った断面を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る、シールを伴う柔軟な噴口構造部に配置された閉鎖バルブ機構および噴口保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図8a】本発明の実施形態に係る、シールが除去された柔軟な噴口構造部に配置された閉鎖バルブ機構および噴口を備えたリザーバー/保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図8b】本発明の実施形態に係る、リザーバー収容構造部に配置された噴口および閉鎖バルブ機構を示す図である。
図8c】本発明の実施形態に係る図8bの線8c-8cにおける断面図である。
図9a】本発明の実施形態に係る、頂部シールが除去された柔軟な噴口構造部に配置された閉鎖機構を有するパッケージを示す図である。
図9b】本発明の実施形態に係る図9aの噴口の上面図である。
図10a】本発明の実施形態に係る、シールが除去された柔軟な噴口構造部および保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図10b】本発明の実施形態に係る、噴口保持構造部に有効に結合された柔軟な噴口構造部を有するパッケージを示す図である。
図11a】本発明の実施形態に係る、シールが除去された柔軟な噴口構造部および保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図11b】本発明の実施形態に係る、噴口保持構造部に有効に結合された柔軟な噴口構造部を有するパッケージを示す図である。
図12a】本発明の実施形態に係る、シールを伴わない柔軟な噴口構造部およびタブを伴う噴口保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図12b】本発明の実施形態に係る、タブを有する噴口保持構造部に有効に結合された柔軟な噴口構造部構造部を有するパッケージを示す図である。
図12c】本発明の実施形態に係る図12bの線12c-12cに沿った断面図である。
図13a】本発明の実施形態に係る、シールを伴わない頂部シームから延在する柔軟な噴口構造部およびタブを伴う噴口保持構造部を有するパッケージを示す図である。
図13b】本発明の実施形態に係る図13aの断面図である。
図13c】本発明の実施形態に係る、タブを有する噴口保持構造部に有効に結合された柔軟な噴口構造部を有するパッケージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、種々の変更および代替形態が可能であるが、その特質が例として図面に示されるとともに詳細に説明される。しかしながら、本発明を記載される特定の例示的な実施形態に限定する意図はないことが理解されるべきである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の趣旨および範囲内にある全ての変更形態、均等物および代替物を包含するものである。例示のために、図面には、パッケージのシールされた部分および/または統合された領域若しくは機構を示すようにクロスハッチング、破線罫または影付けが施されている。
【0013】
以下の記載において、本発明は、本発明の例示的な実施形態を参照して説明される。しかしながら、これらの実施形態は、本発明を、いかなる特定の例、実施形態、環境、用途、または、これらの実施形態に記載される特定の実施態様にも限定する意図はない。従って、これらの実施形態の記載は、本発明を限定するためではなく単に例示のためのものである。以下の実施形態および添付図面において、本発明に関係しない要素は、記載から省かれており、添付図面における個々の要素間の寸法の関係は、実際の縮尺に限定されず、単に理解が容易であるように示されていることが理解されるべきである。
【0014】
「頂部」、「底部」、「前面」、「側面」、「背面」等の言及は、単に例示のためのものであり、開示される本発明の範囲を限定する意図はない。
【0015】
図1a~図13cを全体的に参照すると、本発明のパッケージ10は、アクセス開口部15を通してアクセス可能な内部区画16を形成する、前面パネル部分12および背面パネル部分14を備えることができる。パッケージの部分の1つ以上は、可撓性材料、剛性材料、半剛性材料等で構築することができる。前面パネル部分12および背面パネル部分14は、単一のウェブ部材若しくは材料を成形してシールすることで、または、1または複数の別個のウェブ部材若しくは材料をシール若しくは接合することによって形成することができる。パッケージ10の部分の1つ以上には、ガセットを付けてもよい。また、底面パネル18にガセットを配置することで、製品は自立可能になる。側面パネル等の他のパネルにも、ガセットを付けることができる。
【0016】
パネルを接合および/または成形することにより、調整可能な内部容積を有する内部キャビティまたは内部16が概ね形成される。内部16は、製品または他の物体および材料をその中で保管、輸送および/または供給することが可能である。パネル部分は、多くの場合、ウェブ、フィルムまたは層と称される。
【0017】
また、パッケージ10は、内部16とリザーバーまたは収容ポケット22とを形成する中間シール20を備えることができる。図1aに示されているように、中間シール20は、パッケージ10の側部シール23とパッケージの頂部シール25との間に延在することができる。中間シール20は、パッケージ10の任意のシールの間に延在することができる。シール20は、種々の形状、サイズおよび構成をとることができる。注出端部または噴口部分26を形成するように、中間シール20の一部にまたはパッケージの一部に沿って、切欠き、間隙または離隔部24を設けることができる。パッケージ10の内部16に配置される内容物は、アクセス開口部15を介して噴口部分26から流れ出るまたは移動することができる。本発明の別の実施形態において、1または複数の材料層(例えば、パッケージ10或いは1または複数の別個の層若しくは材料)を前面パネル部分12または背面パネル部分14に付加することによって、リザーバー、保持部分または収容部分22を形成することができる。
【0018】
噴口部分26は、輸送および操作時にパッケージ10の内容物がパッケージ10から漏れることを防止する、閉鎖シール30を備えることができる。パッケージ10は、使用者がパッケージ10の内容物にアクセスするために閉鎖シールを容易に除去することを可能にする、ミシン目(例えば、レーザーまたは機械加工で形成される)、裂け目、スリット、ノッチ等の閉鎖シール30の除去構造部または機構32を有することができる。代替的には、使用者は、はさみまたは他の切断手段若しくは装置を使用して、閉鎖シール30を除去することができる。
【0019】
図1aを続けて参照すると、リザーバー22の前面パネル部分12は、頂部シール25と中間シール20との間の距離に、噴口部分26の長手軸に対して略平行に延在することができるスリットまたは開口部34を有することができる。スリット34は、リザーバー22の内部へのアクセスを提供することができる。スリット34は、任意の形状およびサイズを有することができ、本明細書に開示される保持構造部を円滑化するために任意の数の方向に配向することができる。図5a~図5cの例示的な実施形態において、例えば、スリット34は、噴口部分26の長軸に対して角度をなして配向されている。
【0020】
図2a~図2dに示されているように、閉鎖シール30が噴口部分26から除去されて、内容物または内容物の一部がパッケージから取り出されたらまたは押し出されたら、特に図2bに示されているように、噴口部分26を折り重ねてまたは捻ってスリット34に挟み込むことができる。噴口部分26の開口部または端部は、リザーバー22の中に配置される。この構成において、パッケージ10の内部16に残留している内容物は、折曲部、捻り部または屈曲部35を通過して流れないように制限される。折曲部を通過し得る内容物、または、折曲げ後に噴口部分26に残留している内容物の残滓は、リザーバー22内に漏れるまたはリザーバー22によって収容することができる。これにより、内容物がパッケージ上または周囲環境に漏れて、使用者に不快感をもたらすまたは触れる可能性が回避される。従って、リザーバーまたは収容部分22は、折り曲げられた噴口を選択的に保持する役割、および/または、噴口部分に残留し得る内容物若しくはパッケージから漏れ得る内容物がリザーバー内に捉えられることを確実にする役割を果たすことができる。
【0021】
本発明の別の実施形態において、図2dに示されているように、リザーバー22は、1または複数の材料層17(例えば、パッケージ10の材料、または別個のフィルム若しくは材料)を前面パネル部分12または背面パネル部分14に付加することによって形成することができる。
【0022】
リザーバー22の内部は、リザーバー22内に漏れた噴口部分26からの内容物または残滓が戻って外部に漏れることを防止するように、その内部に有効に配置される一方向バルブまたは同様の収容構造部を備えることができる。別の実施形態において、一方向バルブは、リザーバー22をパッケージ10の内部16に接続する中間シール20に有効に配置することができる。噴口部分26からリザーバー22内に漏れ得る内容物は、パッケージ10の内部16に戻るように流れることができる。一方向バルブは、パッケージ10の内容物が一方向バルブを通ってリザーバー22内に戻るように流れることを防止する。
【0023】
別の例示的な実施形態において、図3a~図3cに示されているように、リザーバーまたは収容領域22の前面パネル部分12は、2つ以上のスリットを有することができる。この例示的な実施形態において、噴口部分26は、折り重ねてまたは屈曲させて第1のスリット36aに挿入し、次に、第2のスリット36bから抜き出すまたは引き出すことができる。噴口部分26から内容物が流れ出ないように抑制する折曲部35を維持するために、第1のスリット36aと第2のスリット36bとの間に、前面パネル部分12の保持セクション34を形成し、噴口部分の自由端部を保持または抑制することができる。保持セクションは、単純にパッケージ材料の一部とすることができるか、または、噴口部分26の保持若しくは噴口部分26の端部を挟む或る程度の圧力の印加を支援するように、剛性若しくは半剛性の部材若しくは機構を含むことができる。他の例示的な実施形態と同様に、折曲部35および保持セクション38は、パッケージ10および噴口部分26からの内容物の流れを防止する機能を果たす。いくつかの例示的な実施形態において、収容領域22の区域における前面パネル部分12および背面パネル部分14は、ともにシールすることができるか、または、単一のパネルを含むことができる。
【0024】
図4a~図4cを参照すると、リザーバー部分22は、第1のパネル部分12を通って延在する第1のスリット40aと、背面パネル部分14を通って延在する第2のスリット40bとを有することができる。第1のスリット40aおよび第2のスリット40bは、位置合わせされても位置合わせされなくてもよい。この例示的な実施形態において、噴口部分26が折り曲げられるまたは屈曲されると、噴口部分26の自由端部は、図4cに示されているように、噴口部分の自由端部が背面パネル部分14から離れる方に延在するように、第1のスリット46aに入って第2のスリット46bから出るように送り込むまたは引き通すことができる。前面パネル部分12および背面パネル部分14は、2つの別個のパネルの代わりに単一のパネルを含んでもよい。
【0025】
図5a~図5cに示されているように、噴口部分26の限定された部分のみを、リザーバーまたは収容領域22のスリット34に送り込むまたは挿入することができる。スリット34は、噴口部分26の長手軸に対して任意の向きに配置することができる。この特定の例示的な実施形態において、スリット34は、噴口部分26の角部のみがスリット34の中に延在するように、噴口部分26の長軸に対して角度をなしている。角部は、リザーバー22の中に配置することができるか、または、パッケージ10を完全に貫通するように、背面パネル部分14における第2のスリット(図示せず)を通って延在することができる。リザーバー内部を有しないように、リザーバーまたは収容領域22の全体をシールすることができる(例えば、この領域において第1のパネル12および第2のパネル14をともにシールする)。
【0026】
また、噴口部分26は、噴口部分26をリザーバー22またはスリット34に保持するのを支援するようにその内部に形成される、1または複数の保全構造部を備えることができる。図6a~図6cに示されているように、噴口部分26は、噴口部分26の自由端部の近位の側部シーム内に形成される、1または複数のノッチ44aおよび44bを有することができる。図6bに示されているように、ノッチ44aおよび44bは、リザーバー22に挟み込まれると、スリット34の端部に係合する。ノッチ44aおよび44bは、噴口部分26がスリット34から後方に移動しないように抑制するのを支援する。他の例示的な実施形態と同様に、噴口部分26の自由端部は、パッケージ10を部分的にまたは完全に貫通することができる。噴口部分26の自由端部をパッケージまたは保持領域22に保持するのを支援するために、クリップ、部材、バー、ピン等を更に使用することができる。
【0027】
図7図9bを参照すると、1または複数の閉鎖機構を、噴口部分26のスロートまたは開口部の選択的な閉鎖を可能にするように、噴口部分26内または噴口部分26上に有効に配置することができる。これらの閉鎖機構は、種々のバルブ、ジッパーまたは同様の閉鎖部、構成および構造、並びに形成方法を含むことができ、本発明のパッケージ10の実施形態とともに提供することができる。例えば、本明細書に詳述されている閉鎖機構および再閉鎖可能な機構並びに形成方法の種々の実施形態は、米国特許出願公開第2016/0297571号、米国特許第7,207,717号、米国特許第7,883,268号および米国特許第8,613,547号に開示されているものとともに使用されることが想定されており、それらの態様を組み込むことができる。従って、上記で特定された特許開示内容は、引用することによりその全体が完全に本明細書の一部をなす。
【0028】
図7図8cを参照すると、本発明のパッケージ10は、気泡形状の閉鎖具、中空若しくは中実の突起、延出部材、凹状構造部、形状記憶構造部、または、噴口部分26のアクセス開口部の選択的な閉塞を提供する形状およびサイズを有する任意の類似の構造体若しくは構造部を含む、1または複数のバルブ閉鎖部50を備えることができる。末端使用者によってパッケージの一部に圧力が印加されると、製品は、内部キャビティ16の中から閉鎖部50を通過して押し出されるが、このような圧力が印加されるまでは(移動しても、傾けても、またはパッケージ10を完全に上下逆に配置しても)、内部キャビティ16の中に留まることができる。本明細書に記載および図示されている実施形態はいずれも、任意の噴口若しくは同様の構造部若しくは部分を含むパッケージ10の任意の部分に沿ってまたはその任意の部分において、バルブ閉鎖部50を備えることができる。
【0029】
バルブ閉鎖部50は、前面パネル部分12または背面パネル部分14の一部に適用することができ、端部52は、部分12または14に対してシールするための気泡形状の装置から延出する。上記機構50の内部54は、流体(例えば、空気または液体)を充填することができるか、または、スポンジ状材料、中実材料または形状記憶材料で少なくとも一部を構築することができる。また、上記機構50は、本明細書に記載された制限バルブ機能を提供するために事前に形成してパッケージ10の任意の部分に沿って配置することができる材料パッチに取り付けることができる。
【0030】
空気加圧気泡形状物を備えるバルブ閉鎖部50、または、許容性(forgiveness)、可撓性および形状記憶(パッケージの圧迫後にバルブを元の形状に跳ね戻す)を有するゴム等の他のタイプの閉鎖バルブを付加することにおいて、本発明のシールおよび配置システムが望ましい。このシール方法により、バルブ閉鎖部50に対向するパネル14(または12)をバルブに対して押して、(例えば、パッケージ10の一部に印加される圧力によって)選択的な注出が実行されるまで、製品または空気がバルブを通過する可能性を排除することが可能になる。本明細書に記載されるバルブおよび閉鎖機能を円滑化するために、他の材料、部材または機構を閉鎖部50と接触または係合するように設けることができる。
【0031】
さらに、一部のタイプのバルブ50を用いる際、特に、バルブが形状記憶または許容性をあまり有しないまたは全く有しない比較的中実な材料である場合、対向する材料パネルをバルブ50自体の中または上に実際にシールすることは望ましくない。このような用途において、空気または内容物(例えば、液体)がバルブ材料50を通過することを可能にするには、パッケージ10の可撓性材料に依拠して、パッケージ10が圧迫されるかまたは別様に十分な圧力を受けると、パッケージ10がバルブ材料50から離れるように撓むようにする。
【0032】
図8aおよび図8bに示されているように、不使用時に、意図されたものではない重量または他の圧力によってパッケージ10が圧迫される場合、パッケージ10の内容物が漏れるのを防止する追加の措置として、バルブ閉鎖部50を備える噴口部分26を折り重ねて、自由端部をスリット34に挿入することができる。噴口部分26の自由端部は、種々の実施形態において記載されているように、リザーバー22内に保持することができるか、または、パッケージを完全に貫通することができる。
【0033】
図9aおよび図9bに示されているように、閉鎖機構は、再閉鎖可能なジッパー60を含むことができる。或る特定の実施形態において、ジッパー60は、第1のパネル部分12の内側に取り付けられる第1の部分62と、第2のパネル部分14の内側に取り付けられる第2の部分64とを有することができる。従って、部分62、64は、機構60の選択的な係合可能性および開閉のために適合されている。
【0034】
また、パッケージ10は、噴口部分26をパッケージ10の別の部分に取り付けるように設計された1または複数の取付け機構70を備えることができる。取付け機構70は、フックアンドループファスナー(例えば、Velcro(商標))、スナップ、ボタン、クラスプ、部材、接着剤、外側ジッパー等を含むことができる。取付け機構70は、噴口部分26に固定または配置される第1の取付け部72と、保持領域22等のパッケージ10の別の部分に固定または配置される第2の取付け部74とを含むことができる。図10aおよび図10bに示されているように、第1の取付け部74は、噴口部分26に配置され、第2の取付け部74は、保持領域22の第1のパネル部分12に配置される。噴口部分26が折り重ねて第2の取付け部74に取り付けられると、パッケージ10の内容物は、折曲部35によって、噴口部分26から流れ出ないように制限される。
【0035】
図11aおよび図11bに示されているように、第2の取付け部72は、パッケージ10の領域22以外の部分に配置することができる。この例では、領域22を排除することができる。見て取ることができるように、噴口部分26は、折曲部35を形成するように折り重ねることができ、取付け部72、74は、折曲部35を維持するとともにパッケージ10の内部16から内容物が漏れるのを防止するように、互いに係合される。
【0036】
図12a~図12cに示されているように、タブ、フラップまたは他の把持部材80をリザーバーまたは収容領域22に配置することができ、タブ、フラップまたは他の把持部材80は、スリットまたは開口部34の近位にあることができる。タブ80は、噴口部分26をスリット34に挿入または挿通する間、使用者がタブを引っ張ることを可能にすることによって、使用者を支援することができる(または噴口部分26をスリット34から引き出すために使用される)。タブ80は、パッケージ10の材料から作製することができ、製造プロセス中に形成することができるか、または、タブ80は、パッケージ10に別個に付加することができる。
【0037】
別の例示的な実施形態において、図13a~図13cに示されているように、噴口部分26は、パッケージ10の頂部または上側のシールまたはシーム25から延在することができる。図13bに特に示されているように、リザーバーまたは収容領域22は、1または複数の材料層、ウェブまたはパネルを前面パネル部分12または背面パネル部分14の内面または外面に付加することによって形成または作成することができる。リザーバー22は、所望される容量に応じて、パッケージ10の一部に沿ってのみまたは全面に沿って延在することができる。図13aおよび図13cに特に示されているように、スリット34は、通常は噴口部分26の下方に配置することができ、使用者がパッケージ内容物の未使用分を保存することを望む場合、使用者は、噴口部分26を屈曲させてまたは折り曲げて、噴口部分26の自由端部をスリット34に挿入することができるようになっている。他の実施形態と同様に、噴口部分26を折り曲げるまたは捻ることにより、パッケージ10に圧力が印加されてもパッケージ10の内容物の移動に抵抗する折曲部35が形成される。また、この例示的な実施形態は、本明細書で上述されたように噴口部分26またはリザーバー22に有効に配置される任意のタイプのバルブ50を備えることができる。更に他の実施形態において、シール34および/または収容領域22は、本明細書に開示される収容構造部を円滑化するために、噴口部分26の端部を閉鎖機構に挟み込むかまたは別様に閉鎖機構の中に若しくは閉鎖機構に沿って配置することができるように、閉鎖機構(例えば、バルブ閉鎖部50)またはその一部と統合することができる。
【0038】
噴口部分26は、パッケージのシームから延在するように記載されているが、噴口部分26は、パッケージ10の任意のパネルの任意の部分とともに形成するかまたはその任意の部分から延在することができることも想定される。例えば、噴口部分26は、前面パネル部分12、背面パネル部分14、底面パネル部分18または側面パネルから延在することができる。
【0039】
本発明によって形成されるパッケージ10は、可撓性、剛性、半剛性若しくは半可撓性の材料またはパネルで全体または一部が構築されるパッケージを含むことができる。簡潔に述べると、パッケージパネル部分は、通常、ポリエチレン、ポリエステル、金属箔、ポリプロピレン、または、ナイロン、ポリエステルおよび類似のフィルム等の他の材料とラミネートされたポリエチレン若しくはポリプロピレン等の可撓性シート材料で構築される。増大したバリア特性を提供するために、実施形態は、上記材料および類似の材料の複合層またはラミネート層を使用することができる。通常、このような複合材またはラミネートの実施形態では、好ましいシール特性を有する材料を、異なる好ましい特性(例えば、有益な酸素バリア特性)を有する材料に接合、接着またはラミネートすることができる。それにも関わらず、特定の用途および製造要件に基づいて、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、単一のシート、複合材/ラミネート、並びに、当業者に既知の多数の他の材料および技法を実施することができる。本発明は、或る特定の実施形態において、他の場合に必要となるよりも少ない費用または安価な材料を用いて、可撓性パッケージを作製することを可能にする。
【0040】
本明細書に詳述された最終的なパッケージ、再閉鎖可能な機構および形成方法の種々の実施形態は、米国特許第5,461,845号、米国特許第5,782,733号、米国特許第5,806,984号、米国特許第5,902,047号、米国特許第5,951,453号、米国特許第5,954,433号、米国特許第6,019,512号、米国特許第6,820,391号、米国特許第7,207,717号、米国特許第8,613,547号および米国特許第7,883,268号に開示されるものを含む、多くの既知のパッケージ、システムおよび方法の態様とともに使用されることが想定されており、それらを組み込むことができる。従って、上記で特定された特許開示内容は、引用することによりその全体が完全に本明細書の一部をなす。
【0041】
種々の図および記載に、複数の特徴および付属物が開示されている。しかしながら、これらの特徴は、本質的に単なる例示であり、様々な位置に様々な構成および形状で配置することができ、それでもなお本発明に一致し得ることに留意されたい。パッケージの種々の領域は、ハンドル部、アクセス機構(例えば、再閉鎖可能なジッパー機構)等を備えることができる。さらに、パネル部分の形状および構成もまた、単に例示であり、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく変更することができる。パネル部分のいずれかまたはその選択された領域に、ロゴ、指示、広告、バーコード等の種々の美的および機能的な図形を含むことができる。これらの図形は、本明細書で論じられた長手方向のパネル縁部に対して、横断、平行、または更には斜めの向きに延在することができる。
【0042】
本発明は、本発明の趣旨または本質的な性質から逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができ、従って、本実施形態は、全ての観点において、限定ではなく例示であるとみなされることが望まれている。同様に、本発明を構成する上述した方法および技法は、例示的なプロセスであり、本発明を製造/形成する方法を、本明細書に具体的に規定されたものに限定する意図はない。本発明のパッケージ10を作成または形成するために、多数の様々な特定されていないステップおよび手順を実施することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 パッケージ
12 第1のパネル
14 第2のパネル
15 アクセス開口部
16 内部キャビティ
17 材料層
18 底面パネル
20 中間シール
22 リザーバー
23 側部シール
24 離隔部
25 頂部シール
26 噴口部分
30 閉鎖シール
32 除去構造部
34 スリット
35 折曲部
36a 第1のスリット
36b 第2のスリット
38 保持セクション
40a 第1のスリット
40b 第2のスリット
44a ノッチ
44b ノッチ
46a 第1のスリット
46b 第2のスリット
50 バルブ閉鎖部
52 端部
54 内部
60 ジッパー
62 第1の部分
64 第2の部分
70 取付け機構
72 取付け部
74 取付け部
80 タブ
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図12c
図13a
図13b
図13c