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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】たばこ関連製品のための容器
(51)【国際特許分類】
   A24F 23/00 20060101AFI20220216BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A24F23/00
B65D85/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019546978
(86)(22)【出願日】2017-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 EP2017076013
(87)【国際公開番号】W WO2018086815
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2019-07-10
(31)【優先権主張番号】16198060.2
(32)【優先日】2016-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519166729
【氏名又は名称】レームツマ ツィガンレッテンファブリーケン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ノヴァーク スラヴォミール
(72)【発明者】
【氏名】マローゼ ミヒャエラ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06162516(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第02815989(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02813440(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0262870(US,A1)
【文献】特表2012-510259(JP,A)
【文献】特開2009-062084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 23/00
B65D 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
たばこ関連製品(90)のための容器(100)であって、該容器は、ベース部分(10)に取り外し可能に連結され、キャップ(30)および蓋(40)を含む頂部分(20)を含み、
前記ベース部分(10)は、たばこ関連製品(90)を貯蔵するための貯蔵区画室(11)を含み、
前記キャップ(30)は、前記貯蔵区画室(11)を十分に覆うように構成された頂壁(31)を含み、
前記蓋(40)は、少なくとも1つの閉鎖部分(43)、および、少なくとも1つの接近開口部(41)を含み、
前記蓋(40)は、前記キャップ(30)の前記頂壁(31)に配置された少なくとも1つの追加の区画室(32)を開閉するために、前記頂壁(31)と実質的に垂直に突出する中心回転軸線(H1)を中心にして回転することができ、
前記少なくとも1つの追加の区画室(32)は、前記キャップ(30)の前記頂壁(31)の窪みとして構成されている、容器(100)。
【請求項2】
前記ベース部分(10)は、底壁(12)、および、前記貯蔵区画室(11)を取り囲む第1の横方向壁(13)を含み、前記キャップ(30)は、前記頂壁(31)、および、前記第1の横方向壁(13)に連結されるように構成されている第2の横方向壁(34)を含む、請求項1に記載の容器(100)。
【請求項3】
前記キャップ(30)の前記頂壁(31)は、少なくとも1つの閉鎖部分(33)、および、前記少なくとも1つの追加の区画室(32)を含む、請求項1または2に記載の容器(100)。
【請求項4】
前記蓋(40)の前記少なくとも1つの閉鎖部分(43)は、前記キャップ(30)の追加の区画室(32)の寸法に少なくとも等しい寸法を有し、および/または、前記蓋(40)の前記少なくとも1つの接近開口部(41)は、最大で前記キャップ(30)の追加の区画室(32)の寸法を有する、請求項1に記載の容器(100)。
【請求項5】
前記キャップ(30)の前記追加の区画室(32)の少なくとも1つ、前記蓋(40)の前記接近開口部(41)、および、前記閉鎖部分(33、43)は、円形セクタ、および/または、円形セグメントとして構成されている、請求項1に記載の容器(100)。
【請求項6】
前記蓋(40)は、前記キャップ(30)に対する前記蓋(40)の最大回転角度を制限するために前記キャップ(30)と係合するように構成されている半径方向突出部(44)を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の容器(100)。
【請求項7】
前記蓋(40)は、前記キャップ(30)に対して前記蓋(40)を回転させるための把持要素(45)を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の容器(100)。
【請求項8】
前記蓋(40)は、その内側から実質的に垂直に突出するスタッド(46)を含み、前記キャップ(30)は、前記スタッド(46)と係合するための対応する凹部(35)を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の容器(100)。
【請求項9】
前記蓋(40)は、内側蓋(50)および外側蓋(60)を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の容器(100)。
【請求項10】
前記内側蓋(50)は、前記外側蓋(60)に回転可能に結合されており、前記内側蓋(50)および前記外側蓋(60)の少なくとも一方は、回転軸線(H1)を中心として旋回可能である、請求項に記載の容器(100)。
【請求項11】
前記内側蓋(50)および前記外側蓋(60)の各々は、少なくとも1つの閉鎖部分(53、63)、および、少なくとも1つの接近開口部(51、61)を含む、請求項または10に記載の容器(100)。
【請求項12】
前記内側蓋(50)は、前記外側蓋(60)に対する前記内側蓋(50)の最大回転角度を制限するために前記外側蓋(60)の接近開口部(61)の縁と係合するように構成されている軸線方向突出部(54)を有する、請求項11のいずれか1項に記載の容器(100)。
【請求項13】
前記外側蓋(60)は、前記貯蔵区画室(11)と環境との間の気体交換を提供するために前記内側蓋(50)の接近開口部(51)とオーバーラップされるように構成されている換気開口部(64)を含む、請求項12のいずれか1項に記載の容器(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこ関連製品のための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の異なるたばこ関連製品が市場で提供されており、これらの製品のいくつかは、燃焼を必要とせず、経口ないし経鼻投与されることが意図されている。かかる製品の例は、噛みたばこ、無煙嗅ぎたばこ、および、いわゆる「スヌース(snus)」を含む。スヌースは、緩い形態、或いは個々に包装されたポーチの形態で提供される無煙たばこ製品である。最も湿ったたばこ製品として、スヌースは、温度または湿度の変化のような環境的衝撃に対して特に敏感である。かかる製品の新鮮さを確保するために、かかる製品は、実質的に気密のパッケージで配給される。
【0003】
例えば、スヌースのための代表的なパッケージは、金属または弾力性プラスチック材料で作られた実質的に円筒形の容器缶である。消費後、使用済の製品は、捨てられなければならない。かくして、本発明の目的は、未使用の製品と最小の干渉で使用済の製品を便利に捨て、使用済の製品と未使用の製品が混合する危険を減らすことを可能にするたばこ関連製品のためのパッケージを提供することである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の実施形態によれば、たばこ関連製品、特にスヌースのための容器が提供される。本発明による容器は、ベース部分に取り外し可能に連結され、キャップおよび蓋を含む頂部分を含む。ベース部分は、たばこ関連製品を貯蔵するための貯蔵区画室を含む、キャップは、貯蔵区画室を十分に覆うように構成された頂壁を含む。蓋は、前記頂壁と実質的に垂直に突出する回転軸線を中心にして旋回することができ、キャップの前記頂壁に配置された少なくとも1つの追加の区画室を閉鎖するように構成されている。
【0005】
換言すると、本発明は、ベース部分と頂部分の間に十分に包囲された未使用製品を貯蔵するための貯蔵区画室を備える容器を提供する。かくして、使用者は、貯蔵区画室内の未使用製品に接近するために頂部分をベース部分から分離しなければならない。頂部分は、2つの構成要素、すなわち、キャップおよび蓋を含み、少なくとも1つの追加の区画室がキャップに配置されている。追加の区画室は、廃棄区画室、すなわち、使用済製品のための区画室であることができる。
【0006】
蓋は、特に、キャップの主平面と実質的に垂直である回転軸線を中心として回転されることによって、前記少なくとも1つの区画室を閉鎖するように構成されている。本質的に、蓋は、キャップに取り付けられている。好ましくは、蓋の回転軸線は、蓋の頂壁の中心に位置している。回転軸線は、蓋の仮想の回転軸線であることができ、蓋は、この仮想の回転軸線のまわりに回転されることができる。しかしながら、蓋の回転軸線は、蓋の平面と垂直に、好ましくは、蓋の内側、キャップおよびベース部分に向かう側と垂直に延びているスタッド等のような現実の軸線であることもできる。
【0007】
換言すると、本発明による容器は、有利には、少なくとも3つの構成要素、すなわち、ベース部分、キャップ、および、蓋を含む。未使用のたばこ関連製品は、ベース部分に貯蔵されることができる。キャップは、ベース部分に結合されており、ベース部分の底壁および第1の横方向壁によって取り囲まれている貯蔵区画室を十分に覆う。かくして、顧客は、未使用のたばこ関連製品を掴むためにベース部分からキャップを取り外さなければならない。換言すると、キャップは、ベース部分に作られている内側貯蔵区画室を十分に覆い、完成させる。蓋は、キャップの頂部上に配置されており、キャップに配置されている追加の区画室、たとえば、廃棄区画室を開閉するために回転されることができる。
【0008】
換言すると、本発明による容器は、未使用のたばこ関連製品のための貯蔵区画室、および、追加の区画室、好ましくは、使用済たばこ関連例品のための追加の区画室を含み、貯蔵区画室および追加の区画室は、空間的に、および接近に関して区別されている。かくして、使用者は、どちらの区画室が接近可能であるかを常に知ることができるであろう。かくして、貯蔵区画室または追加の区画室の誤った接近、特に未使用製品内への使用済製品の捨てを回避することができる。換言すると、貯蔵区画室の内容物を追加の区画室の内容物に接触させる危険が最小にされる。それ故、追加の区画室を、貯蔵区画室の内容物と接触してはならない物質のために使用することができる。かくして、追加の区画室の使用性が高められる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、容器のベース部分は、底壁、および、貯蔵区画室を取り囲む第1の横方向壁を含む。さらに、キャップは、貯蔵区画室を覆うための頂壁、および、第1の横方向壁に連結されように構成されている第2の横方向壁を含む。底壁および第2の横方向壁は、好ましくはしっかりと接着され、さらに好ましくは一体的である。換言すると、ベース部分およびキャップは、互いに固定され、且つ/または、互いに係合するように構成されている。固定または係合は、ねじ閉鎖、圧力嵌め、選択的接着剤、スナップ嵌め、ヒンジ連結、突出部および切欠きの組み合わせ、および、溶接連結のうちの少なくとも1つよって提供される。
【0010】
特に、キャップは、ベース部分の内側でベース部分と係合することができ、または、キャップは、ベース部分の外側面上でベース部分と係合することができる。換言すると、キャップの第2の横方向壁は、は、ベース部分の第1の横方向壁を周方向に包囲するのがよく、或いは、代替的に、ベース部分の第1の横方向壁が、キャップの第2の横方向壁を周方向に包囲してもよい。次いで、ベース部分とキャップの間の連結または結合は、2つの横方向壁がオーバーラップする領域で提供されるのがよい。
【0011】
本発明による容器では、キャップの頂壁は、少なくとも1つの閉鎖部分、および、少なくとも1つの追加の区画室部分を含むのがよい。キャップは、例えば、異なる目的で区画室を分離するために、複数の区画室をさらに含む。特に好ましくは、少なくとも1つの追加の区画櫃が、キャップの頂壁の窪みとして形成されている。換言すると、蓋に対するキャップの頂部の高さを変えることによって、少なくとも1つの追加の区画室は、頂壁の高さを下げることによって、すなわち、キャップの頂壁と蓋の間の距離を増大させることによって、形成されているのがよい。そこで、追加の区画室の容積は、貯蔵区画室の容積を減少させるのと同じ量増加し、これらの容積は、キャップの頂壁によって十分に分離される。
【0012】
キャップの頂壁は、十分に閉鎖され、ベース部分を十分に覆うように構成されている。かくして、前記少なくとも1つの窪みは、鉛直または角度付け部分によって窪まされていない部分に連結されている。本発明の文脈では、窪まされていない部分は、閉鎖部分とも呼ばれている。好ましくは、閉鎖部分は、蓋の内側と密接に接触しており、これに対して、蓋はキャップに取り付けられている。特に好ましくは、すべての閉鎖部分は、蓋に対して同じ高さを有しており、これに対して、異なる追加の区画室は、意図した目的に応じて、異なる高さ、形状、または容積を有するのがよい。
【0013】
さらに好ましくは、本発明の容器では、蓋は、好ましくは、少なくとも1つの閉鎖部分、および、少なくとも1つの接近開口部部分を含む。特に好ましくは、蓋の少なくとも1つの閉鎖部分は、少なくともキャップの追加の区画室部分の寸法を有する。回転軸線を中心として蓋を回転させることによって、蓋の閉鎖部分は、蓋の少なくとも1つの追加の区画室は、追加の区画室部分と整合される、すなわち、一致されることができる。閉鎖部分は、同じ寸法、特に好ましくは、同じ平面表面を有するので、閉鎖部分は、追加の区画室部分を十分に覆うことができる。かくして、追加の区画室部分と少なくとも同じ大きさである閉鎖部分の寸法は、この区画室を安全に閉鎖することを可能にする。好ましくは、閉鎖部分の寸法は、追加の区画室の寸法よりも大きい。かくして、追加の区画室の信頼できる密閉は、閉鎖部分によって確保されることができる。
【0014】
さらに好ましくは、蓋の前記少なくとも1つの接近開口部は、キャップの追加の区画室の最大寸法を有する。追加の区画室の寸法を越えて接近開口部の寸法を増加させることは、使用者には、利益がないか、ほとんど利益がないのに対して、閉鎖部分を形成するために利用可能な領域を最小化する。特に好ましくは、蓋の少なくとも1つの接近開口部の寸法は、キャップの少なくとも1つの追加の区画室の寸法におおよそ等しい。しかしながら、通常、蓋は、使用者が通常1度に1つだけの追加の区画室に接近することを意図しているときに、もう1つの閉鎖部分および1つまたはそれ以上の追加の区画室と順次整合される単一の接近開口部を含むであろう。
【0015】
容器のさらに別の好ましい実施形態によれば、キャップの追加の区画室、蓋の接近開口部、並びに、蓋およびキャップの閉鎖部分の少なくとも1つは、円形セクタ、および/または、円形セグメントとして構成されている。換言すると、閉鎖部分、追加の区画室部分、および、接近開口部部分のいずれか1つまたはすべては、円形セクタ、および/または、円形セグメントであるのがよい。本文脈では、円形セクタ(円セクタ)は、2つの半径および円弧によって包囲されているディスク(円)の部分である。中心角度は、セクタを包囲する2つの半径の間の角度である。180°の中心角度を備えたセクタは、半円である。他の中心角度を備えたセクタは、1/4円(90°)、1/6円(60°)、および、1/8円(45°)と呼ぶことができる。
【0016】
本願の文脈では、用語円形セクタ/部分は、キャップの頂壁および蓋の頂壁の領域の仕切りおよび寸法形状化に関する。例えば、蓋の頂壁の接近開口部は、開口部部分が位置する部分である。次いで、接近開口部は、基本的にこの部分の中央にあることになろう。同じことは、追加の区画室(例えば、廃棄区画室)部分にあてはまる。追加の区画室は、基本的に、追加の区画室部分の中央に位置していると考えられる。しかしながら、追加の区画室自体は、必ずしも追加の区画室部分全体を占めるものではなく、必ずしも接近開口部もまた接近開口部部分全体を占めるものでもない。本発明の観点によれば、典型的には、接近開口部のまわり、および、追加の区画室のまわりには或る枠または境界部がある。枠または境界部もまた、それぞれの部分の一部と考えられる。特に、追加の区画室のための窪みは、この窪みと閉鎖部分との間に滑らか且つ安定的な移行部を提供するための枠を必要とする。
【0017】
上記の定義に鑑みると、蓋の少なくとも1つの接近開口部部分の中心角度は、90°、120°、180°、または、270°であることができる。上記の定義に鑑みると、蓋の少なくとも1つの閉鎖部分の中心角度は、90°、120°、180°、または、270°であることができる。キャップの少なくとも1つの閉鎖部分の中心角度は、90°、120°、180°、または、270°であることができる。
【0018】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、蓋は、キャップと係合するように構成されており、キャップに対する蓋の回転の最大角度を制限するための半径方向突出部を含む。そこで、半径方向突出部は、好ましくは、蓋の頂壁の外側リムから軸線方向外方に延びている。半径方向突出部は、主として、キャップの頂壁の頂部上に配置されているのが特に好ましいけれども、半径方向突出部は、キャップの外側リム上に延びていてもよい。さらに好ましくは、キャップは、キャップの頂壁から上方に突出する少なくとも1つの妨害手段を含む。この少なくとも1つの妨害手段は、好ましくは、キャップの頂壁の外側リムに配置されている。特に好ましくは、蓋の頂壁は、蓋の頂壁が、キャップの外側リムを除いてキャップの頂壁の主部分を覆うように、寸法形状決めされている。さらに好ましくは、2つの妨害要素が、そのリムに配置されており、半径方向突出部は、これらの妨害手段の間のその外側リムの円形部分内に半径方向外方に延びている。かくして、妨害手段は、両回転方向で蓋の回転を制限する。代替的に好ましくは、全外側リム部分が、その外側部分および蓋が本質的に面一であるようにキャップの頂壁から外方に突出していてもよい。次いで、妨害手段は、蓋の半径方向突出部が内部に延びる外側リムの間隙によって実現されてもよい。次いで、半径方向突出部は、蓋の最大回転角度を制限するために間隙の側壁と係合する。
【0019】
さらに好ましくは、蓋は、蓋の内側からキャップに向けて実質的に垂直に突出しているスタッドを含み、キャップは、スタッドと係合するように構成されている対応する凹部を含む。この実施形態によれば、キャップに対して蓋を回転させるための回転軸線は、スタッドに実現されている現実の軸線である。特に好ましくは、スタッドと凹部の間の連結は、一旦スタッドが凹部内に挿入された後は、取り外すことができない。したがって、スタッドは、好ましくは、キャップに面する太くされた端を含み、凹部は、キャップを貫通している。太くされた端が凹部を通して押圧されたならば、蓋は、再度キャップから取り外されることが妨げられる。代替的に、スタッドは、凹部の対応する切欠き内に嵌合する周方向切欠きを含む。本質的に、スタッドは、スナップ嵌合を使用して凹部内に固定されることができる。
【0020】
本発明による容器の特に好ましい実施形態によれば、蓋は、内側蓋および外側蓋を含む。両方の蓋は、好ましくは、本質的にディスク形であり、且つ、本質的に合同形状である。内側蓋は、外側蓋とキャップの間に配置されている。さらに好ましくは、内側蓋および外側蓋の各々は、少なくとも1つの閉鎖部分、および、少なくとも1つの接近開口部部分を含む。内側蓋は、好ましくは、接近開口部部分および閉鎖部分を含む。そこで、内側蓋の閉鎖部分は、少なくとも外側蓋の接近開口部部分の形状および寸法を有するのがよい。したがって、内側蓋は、外側蓋の接近開口部を閉鎖するのに使用することができる。かくして、追加の区画室は、キャップの閉鎖部分が蓋の開口部を全体的に覆うのに十分大きくないとしても閉鎖されることができる。
【0021】
さらに好ましくは、内側蓋は、外側蓋に回転可能に結合されており、内側蓋および外側蓋の少なくとも一方は、回転軸線を中心として旋回可能である。例示的に、外側蓋は、キャップにしっかりと取り付けられているのがよく、中心回転軸線を中心として回転するようには構成されていない。次いで、内側蓋は、作動されて、キャップの追加の区画室に接近するために外側蓋の接近開口部を通過して回転されるのがよい。さらに好ましくは、外側蓋は、その内側からキャップに向けて本質的に垂直に突出しており、キャップの対応する凹部と係合するように構成されているスタッドを含む。スタッドは、回転できないように凹部に固定されているのがよい。スタッドは、スタッドの周囲に互いに間隔を隔てて位置決めされている複数の突出部を含み、凹部の周囲内で複数のインデントと係合する。内側蓋は、シャフトであって、該シャフトのまわりで内側蓋を回転させるためのシャフトとして機能するスタッドを包囲するように構成された中央開口部を含む。内側蓋はまた、外側蓋が回転されるのと同じ回転軸線を中心として回転されるように構成されているのがよい。
【0022】
さらに好ましい実施形態によれば、内側蓋は、外側蓋に対する内側蓋の最大回転角度を制限するために外側蓋の接近開口部の縁と係合するように構成されている軸線方向突出部を有する。この観点によれば、内側蓋は、中心回転軸線を中心とする回転角度が制限されており、それによって、衛生的観点のために有利であることができ、パッケージの取り扱いの簡単化もすることができる。さらに、外側蓋もまた制限された回転角度のみを有するように構成されているのがよい。これもまた、衛生的観点のために、或いは、パッケージの取り扱いの簡単化のために有用であることができる。この制限された回転角度は、外側蓋を360°以上回転させることができるようにする。
【0023】
もう1つの実施形態では、内側蓋はまた、キャップの追加の区画室を実質的に覆うように構成されているのがよい。次いで、内側蓋は、ディスク形でないことができる。次いで、内側蓋は、円セグメントの形状を有する頂壁を有するのがよい。内側蓋は、内側蓋がそれを中心として旋回することができるヒンジを提供するようにキャップに結合されているのがよい。換言すると、内側蓋は、キャップに回転可能に連結されているのがよい。内側蓋は、外側蓋の接近開口部が内側蓋と実質的に全体的に一致するときに内側蓋だけが開放されることができるように寸法形状決めされているのがよい。これにより、追加の区画室の意図しない開放が防止される。この実施形態では、パッケージは、内側蓋が開放しているときに開放した追加の区画室上で外側蓋が回転されることを防止する妨害機構を有するのがよい。
【0024】
容器のさらに別の好ましい実施形態によれば、外側蓋は、内側蓋の接近開口部とオーバーラップされるように構成されており、貯蔵開口部と環境との間で気体交換を提供するための換気開口部を含む。換気開口部は、蓋の閉鎖部分に配置されている。換気開口部は、たばこ関連製品が換気開口部を通過することができないように構成されている。これは、たばこ関連製品よりも小さく換気開口部を寸法決めし、或いは、換気開口部内にメッシュまたはグリッドを配置することによって達成されることができる。かくして、内側蓋は、接近開口部が追加の区画室と一致するように回転されるのがよく、外側蓋は、換気開口部が内側蓋の接近開口部と一致するように回転されるのがよい。かくして、追加の区画室内の使用済製品が乾燥されるようになることができる。
【0025】
本発明による容器は、蓋とキャップの間にラッチ機構をさらに含むのがよい。ラッチ機構は、蓋を特定の位置に保持するのに役立つことができる。ラッチ機構は、キャップの頂壁上、または、蓋の内側面上に少なくとも1つの表面突起(ナックルまたはバンプ)を含むのがよい。任意の突起が、凹部と係合することによってそれぞれの反対側の部品の凹部と有利に相互作用することができる。ラッチ機構は、接近開口部の1つの開放位置および少なくとも1つの閉鎖位置に蓋を維持するように構成されているのがよい。ラッチ機構は、蓋が追加の区画室を閉鎖する方に向かうよりも追加の区画室(例えば、廃棄区画室)を開放する方に向けて回転されるときにより高い抵抗を提供するように構成されているのがよい。本発明のこの観点では、突起およびそれぞれの凹部は、蓋を、追加の区画室が接近可能になる位置に回転させるのにより大きな力が必要であるように、より大きく、且つ、特定の形状を有するのがよい。
【0026】
容器は、(開放することなく)完全に閉鎖されており、蓋の上方に配置されることができる追加の頂キャップをさらに含むのがよい。この追加のキャップは、容器が販売されるときに使用されることができ、容器が初めて開放されるときに消費者によって取り外されることができる。さらに、透明な箔を使用して任意の接近開口部を密閉することができる。透明な密閉は、内容物、例えば、スヌースポーチの視覚的検査を可能にする。これは、製造および貯蔵中の光学的品質保証のために有用であることができ、購入前に消費者がたばこ関連製品を視覚的に検査することを可能にすることができる。箔はまた、たばこ関連製品の湿度および/または香りを保存するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】接近不能な追加の区画室を備えた第1の実施形態による閉鎖された容器の概略斜視図を示している。
図2】接近可能な追加の区画室を備えた第1の実施形態による閉鎖された容器の概略斜視図を示している。
図3】接近可能な追加の区画室を備えた第1の実施形態による開放された容器の概略斜視図を示している。
図4】第1の(A)および第2の(B)斜視図での第1の実施形態による容器の概略分解図を示している。
図5】接近不能な追加の区画室を備えた第2の実施形態による閉鎖された容器の概略斜視図を示している。
図6】接近可能な追加の区画室を備えた第2の実施形態による閉鎖された容器の概略斜視図を示している。
図7】第1の(A)および第2の(B)斜視図での第2の実施形態による容器の概略分解図を示している。
図8】接近不能な追加の区画室を備えた第3の実施形態による閉鎖された容器の概略斜視図を示している。
図9】接近可能な追加の区画室を備えた第3の実施形態による閉鎖された容器の概略斜視図を示している。
図10】第1の(A)および第2の(B)斜視図での第3の実施形態による容器の概略分解図を示している。
図11】接近不能な追加の区画室を備えた第4の実施形態による閉鎖された容器の概略斜視図を示している。
図12】接近可能な追加の区画室を備えた第4の実施形態による閉鎖された容器の概略斜視図を示している。
図13】第1の(A)および第2の(B)斜視図での第4の実施形態による容器の概略分解図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、添付の図面に例が示されている実施形態に詳細に言及する。例示的な実施形態の効果および特徴、並びにそれらの実施方法を、添付の図面を参照して説明する。図面では、同じ参照番号は、同じ要素を記載し、冗長な記載は省かれている。本発明は、しかしながら、種々の異なる形態で実施することができ、本願に示された実施形態のみに芸丁限定されるものと解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全且つ完璧であり、且つ本発明の観点および特徴を当業者に十分に伝えるように例として提供されている。
【0029】
したがって、本発明の観点および特徴の完全な理解のために当業者に必要と考えられない過程、要素、および、技術は、説明されないことがある。図面では、要素、層、および、領域の相対的な寸法が、明りょう化のために誇張されることがある。
【0030】
本願で使用されているように、用語「および/または」は、関連した列記されたアイテムの1つまたはそれ以上の任意のおよびすべての組み合わせを含む。さらに、本発明の実施形態を説明するときの「よい(may)」の使用は、「本発明の1つまたはそれ以上の実施形態」に言及する。本発明の実施形態の以下の説明では、単数形態の用語は、文脈が明らかに別の仕方で示さないかぎり、複数の形態を含み得る。種々の要素を説明するために、用語「第1の」および「第2の」が使用されているけれども、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでない。本願で使用されているように、用語「および/または」は、関連した列記されたアイテムの1つまたはそれ以上の任意のおよびすべての組み合わせを含む。要素のリストに先立つときの「の少なくとも1つ」のような表現は、要素の全体のリストを修飾し、リストの個々の要素を修飾しない。
【0031】
本願で使用されているように、用語「実質的に(substantially)」、「約(about)」 および同様な用語は、近似化の用語として使用されており、程度の用語としては使用されておらず、当業者によって認識されるであろう測定または計算された値の固有の偏差を説明することを意図している。さらに、用語「実質的に(substantially)」が、数値を使用して表現されることができるであろう特徴と組み合わせて使用される場合には、用語「実質的に(substantially)」は、値の中心の値の+/-5%の範囲を指示している。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施形態による閉鎖された容器100の概略斜視図を示している。図2図3、および、図4もまた、図1に示されている容器を示しており、図2は、接近可能な追加の区画室32を備えた容器100を示しており、図3は、接近可能な追加の区画室32を備えた開放された容器100の概略斜視図を示しており、図4は、第1の(A)および第2の(B)斜視図での容器100の概略分解図を示している。第1の実施形態による容器100は、第1の実施形態が適用される図1図4のそれぞれを参照して以下に説明される。
【0033】
たばこ関連製品90のための容器100は、ベース部分10および頂部分20を含み、頂部分20は、キャップ30および蓋40を含む。
【0034】
容器100の径は、好ましくは40mm~100mmであり、より好ましくは50mm~80mmである。これらの寸法形状は、有利には、本発明のすべての実施形態に適用可能である。好ましくは、容器100、および、かくして、ベース部分10は、実質的に円筒形の形状を有する。ベース部分10は、金属または硬質樹脂材料を使用して製造されるのがよい。好ましくは、ベース部分10は、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、または、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー)の射出成形部品である。
【0035】
ベース部分10は、底壁12、および、底壁12と実質的に垂直に突出する第1の横方向壁13を含む。底壁12および第1の横方向壁13は、無煙たばこ製品90を収容するのに役立つ貯蔵区画室11を取り囲んでいる。ベース部分10の第1の横方向壁13は、第1の横方向壁13の自由端である上側リム14を含む。上端14は、底壁12から外翻されている。第1の横方向壁13の外側面は、魅力的なデザイン、または、たばこ関連製品90のための容器の取り扱いを簡単化するためのエンポス加工部を備えるのがよい。
【0036】
ベース部分10の径は、好ましくは40mm~100mmであり、より好ましくは50mm~80mmである。ベース部分10の高さは、約10mm~50mm、好ましくは15~30mmである。これらの寸法形状は、有利には、容器100のすべての実施形態に適用可能である。
【0037】
頂部分20のキャップ30は、実質的にディスク形であり、金属または硬質樹脂材料をから製造されるのがよい。例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン(PP)のような1つまたはそれ以上のポリオレフィンに基づく透明なまたは不透明の材料を適用することができる。キャップ30は、PP、ABS、或いは任意の他の適当な合成材料の射出成形部品であるのがよい。有利には、使用済の材料は、再利用可能または分解性(好ましくは生分解性)でありのが、例えば、板紙、紙等であるのがよく、プラスチクまたは金属等のコーティングありまたはなしで形成されることができる。しかしながら、キャップ30のために、金属等の他の材料を適用することができる。
【0038】
キャップ30は、頂壁31にしっかりと接着されている第2の横方向壁34を含み、ベース部分10の第1の横方向壁13に取り外し可能に連結されているのがよい。取り外し可能な連結は、貯蔵区画室13が、底壁12、第1のおよび第2の横方向壁13、34、並びに頂壁31によって十分に取り囲まれることを可能にする。連結は、さらに、ベース部分10および頂部分20が互いに対して回転することができないようにする。キャップ30の第2の横方向壁34の下端は、ベース部分10の第1の横方向壁13の上端15と係合するのがよい。キャップ30の径は、ベース部分10の径と略同じであるのがよい。
【0039】
第2の横方向壁34の下端36は、第1の横方向壁13の上端15の内側または外側のいずれかに配置されているのがよい。換言すると、ベース部分10の第1の横方向壁13の上端15の径は、第2の横方向壁34が第1の横方向壁13を周方向に包囲するように、第2の横方向壁34の下端36の径よりも小さいのがよい。もう1つの実施形態では、ベース部分10の第1の横方向壁13の上端15の径は、第1の横方向壁13が第2の横方向壁34を周方向に包囲するように、第2の横方向壁34の下端36の径よりも大きいのがよい。
【0040】
キャップ30とベース部分10との間には横方向壁13、34の外側面の間の機械的な摩擦による摩擦連結があるのがよい。しかしながら、ベース部分10とキャップ30は、互いに糊付け、或いは異なる仕方で互いに接合されてもよい。ベース部分10とキャップ30の間の連結は、ねじ連結、或いはバヨネットフィティングであってもよい。ベース部分10の内側の貯蔵区画室11は、頂部分20、すなわち、キャップ30および蓋40をベース部分から取り外すことによってのみ接近可能である。かくして、使用者が貯蔵区画室11に繰り返し接近することを可能にするために、横方向壁13、34の間の連結は、繰り返し解放され、再取り付けされるように構成されている。
【0041】
蓋40もまた、実質的に円筒形であり、本質的にディスク形の頂壁48を含み、頂壁48は、この頂壁48から実質的に垂直に突出する第3の横方向壁47にしっかりと接着されるのがよい。しかしながら、第3の横方向壁47は、省略されてもよいし、或いは、頂壁48の高さまたは厚さによって実現されてもよい。代替的に、頂壁48の下側上にガスケットが設けられてもよい。蓋40の径は、好ましくは、約40mm~100mmであり、より好ましくは50mm~80mmである。キャップ30の径は、蓋40の第3の横方向壁47がキャップ30の第2の横方向壁34を包囲する(オーバーラップするまたは覆う)ように、蓋40の径よりもわずかに小さいのがよい。横方向壁14、34、および、47は、1mm以下から数mmの範囲にあるのがよい。これらの寸法形状は、有利には、(特定の設計に応じていくつかの変更があってもなくても)容器100のすべての実施形態に適用可能である。
【0042】
蓋40は、キャップ30に対して回転軸線H1を中心として回転可能である。特に、蓋40は、蓋40の頂壁48と実質的に垂直な方向に、内方に、すなわち、キャップ30に向かって突出するスタッド46を含む。スタッド46は、キャップ30を貫通していてもよく、或いは、ベース部分に向かう端で閉鎖されていてもよいキャップ30の対応する凹部35と係合する。スタッド46および凹部35は、蓋40とキャップ30の間の回転可能な連結を実現する。代替的に、蓋40の第3の横方向壁47の下側リムが、キャップ30の第2の横方向壁34と係合してもよい。蓋40は、スナップ嵌め連結を使用してキャップ30に結合されるのがよい。スナップ嵌め連結は、スタッド46および凹部35で実現されるか、或いは、第3の横方向壁47に設けられた適当な切欠きに嵌まる第2の横方向壁34に設けられた突出部によって、若しくは、その逆で実現されるかのいずれかがよい。
【0043】
蓋40の頂壁48は、閉鎖部分43および接近開口部41を含み、キャップ30に対するこれらの部分41、43の相対位置は、キャップ30に対して蓋40を回転させることによって変えることができる。
【0044】
キャップ48は、キャップ30の頂壁31の窪みとして形成された追加の区画室32を含む。かくして、キャップ30の頂壁31は、追加の区画室32と閉鎖部分33に分割されている。しかしながら、閉鎖部分33と追加の区画室32は、いかなる開口部も含まないので閉じられている。かくして、キャップ30の頂壁31は、第2の横方向壁34によって取り囲まれている領域を十分に覆う。それ故、キャップ30は、ベース部分10の貯蔵区画室32を十分に覆うように構成されている。特に、閉鎖部分33は、頂壁31の鉛直部分37を経て追加の区画室部分32内に連続的に並進する。かくして、追加の区画室32と閉鎖部分33は、蓋40に対して高さが異なる。
【0045】
蓋の回転位置に応じて、キャップ30の窪み32と取り付けられている蓋40の閉鎖部分43は、追加の区画室32を十分に覆う。これは、閉鎖部分43がキャップ30の追加の区画室32と整合している間にあてはまる。代替的に、取り付けられている蓋40の接近開口部41は、追加の区画室と整合する。次いで、キャップ30の追加の区画室32は、蓋40の接近開口部41を介して接近可能である。換言すると、頂壁48の接近開口部41と壁31の窪み32が一致する場合には、すなわち、使用者が、正しい位置(開放位置)に蓋40を回転させる場合に、使用者は、追加の区画室32への接近を有する。蓋40の接近開口部41がキャップ30の閉鎖部分33と一致する場合には、容器100は、閉鎖された状態にあり、追加の区画室32は、使用者によって接近されることができない。接近開口部41は、蓋40を回転させることによって閉鎖されることができる。
【0046】
蓋40は、回転軸線H1のまわりで回転可能であり、回転軸線H1は、キャップ30の頂壁31の主平面、および、蓋40の頂壁48の主平面と実質的に垂直である。蓋40の可能な回転は、図1および図2中の矢印によって示されている。さらに、蓋40の第3の横方向壁47、キャップ30の第2の横方向壁34、および/または、ベース部分10の第1の横方向壁13の外側面は、開放および閉鎖を容易にするように構成されているのがよい。矢印のようなしるし、或いはその他のインジケータが、使用者にどのように容器100の追加の区画室を開放し、閉鎖させるかについて知らせるために、蓋40および/またはキャップ30および/またはベース部分上に設けられているのがよい。
【0047】
図1は、貯蔵区画室11および追加の区画室32が使用者によって接近されることができない容器100の閉鎖状態を示している。特に、蓋40の接近開口部41は、これがキャップ30の閉鎖部分33と一致する位置にある。蓋40は、蓋40の縁領域で蓋40に取り付けられている半径方向突出部44をさらに含み、蓋40の縁領域は、接近開口部41を取り囲んでいる。半径方向突出部44の第1の機能は、使用者が蓋40を回転させるために突出部44を作動させることができるので、蓋40の回転を簡単化することである。図1図2、および図4に示されているように、第2の横方向壁34の外側リムの間隙に配置されており、第2の横方向壁34の外側リムは、取り付けられている蓋40と面一であるようにキャップ30の頂壁31から上方に突出している。突出部44は、かくして、この外側リムの間隙の縁で第2の横方向壁34と係合する。それ故、突出部44の第2の機能は、キャップ30に対する蓋40の最大回転角度を制限することである。上側リムの間隙は、蓋40の開放部分41の半径方向延長部の2倍よりも大きい円形部分である。かくして、蓋40の回転を制限することは、区画室32を安全に閉鎖することを妨げない。
【0048】
使用者が突出部44を使用して蓋40を回転させるときに、閉鎖された容器100は、貯蔵区画室11が接近できない状態にありながら、追加の区画室32が接近可能な状態に移行する。図2は、開放した追加の区画室32を備えた第1の実施形態の容器100を示している。この状態で、蓋40の接近開口部41は、キャップ30の窪み32と一致する。開放位置では、使用者は、使用済のたばこ関連製品を追加の区画室32に捨てることができる。
【0049】
第1の実施形態によれば、キャップ30は、約90°の中心角度を備えた円形部分として形成されている閉鎖部分33を含む。換言すると、閉鎖部分33は、キャップ30の頂壁31の表面の本質的に1/4円を占める。したがって、第1の実施形態による容器100の蓋40は、約90°の中心角度を備えた円形セグメントとして形成されている接近開口部41を含む。接近開口部部分41と閉鎖部分33は、おおよそは同じ寸法を備え、接近開口部41の中心角度および半径方向延長部は、閉鎖部分33の中心角度および半径方向延長部よりもわずかに小さいのがよい。かくして、接近開口部41を閉鎖部分33と整合させることによって、キャップ30の追加の区画室32は安全に閉鎖されることができる。
【0050】
上記の実施形態によるたばこ関連製品90のためのパッケージは、実質的に円筒形であるのがよい。たばこ関連製品90は、経口投与用の個々のポーチに包装された無煙たばこ製品であるいわゆる「スヌース(snus)」であるのがよい。しかしながら、本発明のすべての実施形態による容器100は、噛みたばこ、無煙嗅ぎたばこ、溶解性フィルム等のような任意の他の無煙たばこ製品にも適している。
【0051】
図5図6、および、図7は、本発明による容器100の第2の実施形態を示しており、図5は、接近不能な追加の区画室32を備えた第2の実施形態による閉鎖された容器100の概略斜視図を示しており、図6は、接近可能な区画室32を備えた第2の実施形態による閉鎖された容器100の概略斜視図を示しており、図7は、第1の(A)および第2の(B)斜視図での第2の実施形態による容器の概略分解図を示している。
【0052】
第2の実施形態によれば、キャップ30は、約135°の中心角度を備えた円形部分として形成されている追加の区画室32を含む。換言すると、閉鎖部分33は、約225°の中心角度を備えた円形部分として形成されている。第2の実施形態による容器100の蓋40は、約135°の中心角度を備えた円形部分として形成されている接近開口部41を含む。かくして、接近開口部部分41と追加の区画室は、おおよそは同じ寸法を備える。キャップ30の閉鎖部分33の寸法は、キャップ30の追加の区画室部分32の寸法を越えているので、接近開口部41の寸法は、閉鎖部分33よりもむしろ窪み32に合わされている。なぜならば、接近開口部41が追加の区画室32よりも大きいときには、使用者に利益をもたらさず、追加の区画室32の閉鎖をさらに複雑にするからである。かくして、第2の実施形態では、接近開口部41の中心角度は、閉鎖部分33の中心角度よりも著しく小さい。かくして、接近開口部41を閉鎖部分33と整合させることによって、キャップ30の追加の区画室32を容易に閉鎖することができる。
【0053】
第2の実施形態による容器100は、キャップ30に対する蓋40の回転をさらに便利にするための把持要素45をさらに含む。さらに、蓋40の半径方向突出部44は、省略されており、かくして、蓋40の最大回転角度はない。かくして、使用者は、キャップ30のはるかにより大きい閉鎖部分33上で蓋44の開放部分41をどこに位置決めすべきかを自由に選択することができる。キャップ30に対する蓋40のいかなる望まない移動をも回避するために、キャップ30および蓋40は、キャップ30に対して1つまたはそれ以上の特定の位置に蓋40を保持するのに役立つ対応するラッチ機構を含むのがよい。ラッチ機構は、キャップ30の頂壁31上に2つの表面突起を含むのがよい。かかる各突起は、蓋が回転軸線H1のまわりに回転されるときに、それぞれの反対側の部分、すなわち、蓋の内側壁のそれぞれの凹部と相互作用するように構成されているのがよい。
【0054】
ラッチ機構は、接近開口部41の少なくとも1つの開放位置、および、少なくとも1つの閉鎖位置に蓋を維持するように構成されているのがよい。かかる実施形態では、2組の突起および対応する切欠きがあるであろう。有利には、ラッチ機構は、蓋40が、閉鎖部分33に向かうよりは、追加の区画室(例えば廃棄区画室)32を閉鎖する(接近可能にする)方に回転されるときにより高い抵抗を付与するように構成されているのがよい。本発明のこの観点では、突起および対応する凹部のいくつかは、蓋を、任意の位置によりは、追加の区画室(例えば、廃棄区画室)32が接近可能になる位置に回転させるのにより大きな力を必要とするように、より大きな寸法形状を有するのがよい。換言すると、突起および凹部は、追加の区画室(例えば、廃棄区画室)32が接近可能となる位置に蓋40を回転させるための抵抗が、パッケージの閉鎖部分33に向かう回転のための抵抗よりも大きいように寸法および/または形状が変えられているのがよい。これにより、追加の区画室(例えば、廃棄区画室)32の意図しない開放が防止される。
【0055】
図8図9、および、図10は、本発明による容器100の第3の実施形態を示しており、図8は、接近不能な追加の区画室32を備えた第3の実施形態による閉鎖された容器100の概略斜視図を示しており、図9は、接近可能な区画室32を備えた第3の実施形態による閉鎖された容器100の概略斜視図を示しており、図10は、第1の(A)および第2の(B)斜視図での第3の実施形態による容器の概略分解図を示している。
【0056】
第3の実施形態による容器100は、内側蓋50および外側蓋60からなる蓋40を含み、内側蓋50は、外側蓋60とキャップ30の間に配置されている。キャップ30は、閉鎖部分33および追加の区画室32を有し、閉鎖部分33および追加の区画室32は各々、キャップ30の頂壁31の本質的に半分を占めている。換言すると、部分32、33の各々は、約180°の中心角度を備える。内側蓋50は、閉鎖部分53および接近開口部51を有し、接近開口部51の中心角度は、180°よりもわずかに、例えば、15°だけ小さく、閉鎖部分53の中心角度は、180°よりもわずかに、例えば、15°だけ大きい。外側蓋60もまた、接近開口部61および閉鎖部分63を有し、両方の部分61、63の中心角度はこれまたおおよそ180°である。
【0057】
外側蓋60および内側蓋50は、主として、容器100を閉鎖するのに役立ち、共に実質的に平らであり、本質的にディスク形である。内側蓋50は、中央穴55をさらに含み、外側蓋60の内側から内側蓋に向かって実質的に垂直に突出しているスタッド65が、中央穴55を通してキャップ30の対応する凹部35内に挿入されることができる。内側蓋50は、外側蓋60から独立に少なくとも部分的に内側蓋50を回転させることを可能にするために内側蓋50の頂側上に設けられている小さい軸線方向突出部/突起/ハンドル54等をさらに含む。主として、内側蓋50および外側蓋60は、次いで、容器100の回転軸線H1のまわりに回転されることができる。内側蓋50は、外側蓋60の内側と廃棄区画室32の間の追加のカバーとして使用されることができるので、衛生的利点を提供する。
【0058】
図11図12、および、図13は、本発明による容器100の第4の実施形態を示しており、図11は、接近不能な追加の区画室32を備えた第4の実施形態による閉鎖された容器100の概略斜視図を示しており、図12は、接近可能な区画室32を備えた第4の実施形態による閉鎖された容器100の概略斜視図を示しており、図13は、第1の(A)および第2の(B)斜視図での第4の実施形態による容器の概略分解図を示している。
【0059】
第4の実施形態による容器100は、第3の実施形態による容器100と同様な構造を含んでおり、特にまた、内側蓋50および外側蓋60を含む。第4の実施形態の容器100は、内側蓋50および外側蓋60が、約270°の中心角度を備えた閉鎖部分63、63、および、約90°の中心角度を備えた接近開口部51、61を含む点で、第3の実施形態の容器100と異なっている。キャップ30もまた、約270°の中心角度を備えた閉鎖部分33を含み、かくして、約90°の中心角度を備えた追加の区画室部分を有する。かくして、追加の区画室(例えば、廃棄区画室)32は、第3の実施形態の追加の区画室(例えば、廃棄区画室)よりも著しく小さい。
【0060】
さらに、外側蓋60は、閉鎖部分63に、接近開口部61と反対側に配置されている換気開口部64を含む。換気開口部64は、たばこ関連製品90は換気開口部64を通過することができないが、換気開口部64を通しての気体交換は可能であるように構成されている。これは、換気開口部64の寸法を調節することによって、および/または、換気開口部64内にメッシュまたはグリッドを配置することによって達成されることができる。かくして、換気開口部64が内側蓋50の接近開口部51と一致するように外側蓋60を回転させることによって、容器100は、確実に閉鎖されることができ、同時に、追加の区画室32内での使用済製品の乾燥が達成されることができる。これにより、追加の区画室からの使用済製品の捨てがより便利にされることができる。
【符号の説明】
【0061】
100 容器
90 たばこ関連製品
10 ベース部分
11 貯蔵区画室
12 底壁
13 第1の横方向壁
14 第1の横方向壁の上側リム
15 第1の横方向壁の上端
20 頂部分
30 キャップ
31 頂壁
32 追加の区画室
33 閉鎖部分
34 第2の横方向壁
35 凹部
36 第2の横方向壁の下端
37 頂壁の鉛直部分
40 蓋
41 接近開口部
43 閉鎖部分
44 半径方向突出部
45 把持要素
46 スタッド
47 第3の横方向壁
48 頂壁
50 内側蓋
51 接近開口部
53 閉鎖部分
54 軸線方向突出部
55 中央穴
60 外側蓋
61 接近開口部
63 閉鎖部分
64 換気開口部
65 スタッド
H1 回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13