(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】石炭液化油からキシレン類及びフェノールを製造する方法
(51)【国際特許分類】
C07C 6/12 20060101AFI20220216BHJP
C07C 15/08 20060101ALI20220216BHJP
C07C 39/04 20060101ALI20220216BHJP
C07C 37/48 20060101ALI20220216BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220216BHJP
【FI】
C07C6/12
C07C15/08
C07C39/04
C07C37/48
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2019554539
(86)(22)【出願日】2017-11-21
(86)【国際出願番号】 US2017062827
(87)【国際公開番号】W WO2019103726
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】502212040
【氏名又は名称】チャイナ・ペトロリアム・アンド・ケミカル・コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ルボ
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,シュウグワーン
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/012103(WO,A1)
【文献】特開平06-065129(JP,A)
【文献】米国特許第02683763(US,A)
【文献】米国特許第04041091(US,A)
【文献】中国特許出願公開第106187671(CN,A)
【文献】英国特許出願公告第01232027(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キシレン類及びフェノールを製造する方法であって、
石炭液化油から、フェノールおよびアルキルフェノール類を含む第1のフェノール類の流れ(120)を与えること;
フェノール類分離区域(125)内において、前記第1のフェノール類の流れ(120)を、少なくともフェノールを含むフェノール生成物流(130)、及びクレゾール類を含むクレゾール類の流れ(135)に分離すること;
クレゾール類トランスアルキル化反応区域(145)内において、前記クレゾール類の流れ(135)を、クレゾール類トランスアルキル化触媒の存在下で、トルエン、ベンゼン、又は両方を含む第1の芳香族化合物流(190)によってトランスアルキル化して、芳香族化合物、フェノール、およびアルキルフェノール類を含む第1の流出物流(150)を形成すること;
フェノール類と芳香族化合物の分離区域(165)内において、前記第1の流出物流(150)を、少なくとも芳香族化合物を含む第2の芳香族化合物流(170)、並びにフェノール及びアルキルフェノール類を含む第2のフェノール類の流れ(175)に分離すること;
芳香族化合物分離区域(180)内において、前記第2の芳香族化合物流(170)を、少なくとも前記第1の芳香族化合物流(190)、並びにパラキシレン、オルトキシレン、及びメタキシレンを含む第1のキシレン類の流れ(195)に分離すること
;
前記第2のフェノール類の流れ(175)を、前記フェノール類分離区域(125)中に導入すること;
及び
芳香族化合物を含む供給流(197)を前記芳香族化合物分離区域(180)に導入すること;
を含む上記方法。
【請求項2】
前記第1のフェノール類の流れ(120)を少なくとも前記フェノール生成物流(130)及び前記クレゾール類の流れ(135)に分離することが、前記第1のフェノール類の流れ(120)を、少なくとも前記フェノール生成物流(130)、前記クレゾール類の流れ(135)、及びキシレノール類を含むキシレノール類の流れ(140)に分離することを含み;前記第1の芳香族化合物流(190)がトルエンを含み;前記第2の芳香族化合物流(170)を少なくとも前記第1の芳香族化合物流(190)及び前記第1のキシレン類の流れ(195)に分離することが、前記第2の芳香族化合物流(170)を、少なくともトルエン流(190)、前記第1のキシレン類の流れ(195)、及びベンゼンを含むベンゼン流(180)に分離することを含み;更に
キシレノール類トランスアルキル化反応区域(155)内において、前記キシレノール類の流れ(140)を、キシレノール類トランスアルキル化触媒の存在下で、前記ベンゼン流(185)によってトランスアルキル化して、芳香族化合物、フェノール、及びアルキルフェノール類を含む第2の流出物流(160)を形成すること;
を含み;
前記第1の流出物流(150)を分離することが、前記第1の流出物流(150)及び前記第2の流出物流(160)を分離することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベンゼン流(185)によって前記キシレノール類の流れ(140)をトランスアルキル化することを、50℃~600℃の範囲の温度;0MPa(g)~7.6MPa(g)の範囲の圧力;及び0.1~5時
-1の範囲のLHSV;の少なくとも1つを含む反応条件下で行う、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
キシレン類分離区域(300)内において、前記第1のキシレン類の流れ(195)を、パラキシレンを含むパラキシレン生成物流(305)、並びにオルトキシレン及びメタキシレンを含む第2のキシレン類の流れ(310)に分離することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
キシレン類異性化区域(315)内において、前記第2のキシレン類の流れ(310)を、キシレン類異性化触媒の存在下で異性化して、パラキシレン、オルトキシレン、及びメタキシレンを含む異性化キシレン類の流れ(320)を形成すること;及び
前記異性化キシレン類の流れ(320)を、前記キシレン類分離区域(300)中に導入すること;
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のキシレン類の流れ(310)を異性化することを、50℃~600℃の範囲の温度;0MPa(g)~7.6MPa(g)の範囲の圧力;及び0.1~5時
-1の範囲のLHSV;の少なくとも1つを含む反応条件下で行う、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第1のフェノール類の流れ(120)を与えることが、蒸留、酸及び苛性抽出、溶剤抽出、吸着剤による吸着、膜分離、超臨界流体抽出、結晶化、キレート化、及び共晶反応、並びにこれらの組合せを用いて、前記フェノール類を前記石炭液化油から分離することを含む、請求項1~
6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記クレゾール類の流れ(135)を第1の芳香族化合物流(190)によってトランスアルキル化することを、50℃~600℃の範囲の温度;0MPa(g)~7.6MPa(g)の範囲の圧力;及び0.1~5時
-1の範囲のLHSV;の少なくとも1つを含む反応条件下で行う、請求項1~
7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記クレゾール類トランスアルキル化触媒が、少なくとも1種類の均一系酸触媒、又は少なくとも1種類の不均一系酸触媒を含む、請求項1~
8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
キシレン類及びフェノールを製造するための装置であって、
入口、フェノール生成物出口、クレゾール類出口、及びキシレノール類出口を有するフェノール類分離区域(125)
、ここで前記フェノール類分離区域の入口はコールタール分離区域(110)の出口と連絡している;
入口及び出口を有するクレゾール類トランスアルキル化反応区域(145)、ここで前記クレゾール類トランスアルキル化反応区域の入口は前記クレゾール類出口と流体連絡している;
入口及び出口を有するキシレノール類トランスアルキル化反応区域(155)、ここで、前記キシレノール類トランスアルキル化反応区域の入口は前記キシレノール類出口と流体連絡している;
入口、芳香族化合物出口、及びフェノール類出口を有するフェノール類と芳香族化合物の分離区域(165)、ここで、前記フェノール類と芳香族化合物の分離区域の入口は、前記クレゾール類トランスアルキル化反応区域の出口及び前記キシレノール類トランスアルキル化反応区域の出口と流体連絡しており、前記フェノール類出口は前記フェノール類分離区域の入口と流体連絡している;及び
入口、ベンゼン出口、トルエン出口、及びキシレン類出口を有する芳香族化合物分離区域(180)、ここで、
芳香族化合物を含む供給流(197)は前記芳香族化合物分離区域に供給され、前記芳香族化合物分離区域の入口は前記芳香族化合物出口と流体連絡しており、前記ベンゼン出口は前記キシレノール類トランスアルキル化反応区域の入口と流体連絡しており、前記トルエン出口は前記クレゾール類トランスアルキル化反応区域の入口と流体連絡している;
を含む上記装置。
【請求項11】
第1の入口、第2の入口、パラキシレン出口、及びキシレン類出口を有するキシレン類分離区域(300)、ここで前記キシレン類分離区域の第1の入口は前記芳香族化合物分離区域のキシレン類出口と流体連絡している;及び
入口及び出口を有するキシレン類異性化区域(315)、ここで、前記キシレン類異性化区域の入口は前記キシレン類分離区域のキシレン類出口と流体連絡しており、前記キシレン類異性化区域の出口は前記キシレン類分離区域の第2の入口と流体連絡している;
を更に含む、請求項
10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]コールタールは、石炭から誘導される液体の1つである。低温コールタールは、供給材料として褐炭のような低品位炭(若い石炭)を用いる半成コークスの生成又は低温ガス化からの副生成物である。また、直接石炭液化から石炭液化油を生成させることもできる。中国内の若い石炭から生成する液体は、通常は高いレベルの酸素化物を含む。中国における低温及び中温コールタールは約20~30%のフェノール類を含むことが報告されている。石炭液化油中のフェノール類は、フェノール、クレゾール類、キシレノール類、長鎖アルキル又はマルチアルキルフェノール類、ベンゼンジオール類、及びアルキルベンゼンジオール類のような単環フェノール類、並びにナフトール類及びアルキルナフトール類のような多環フェノール類などの多くの種類のフェノール類の混合物である。
【背景技術】
【0002】
[0002]それらの極めて複雑な組成のために、殆どのコールタールは、低価値用途である加熱用燃料として用いることに限定されている。更に、処理なしにコールタールを燃焼させることによって、中国の多くの地域において数多くの環境問題が発生している。最近においては、水素化によってコールタールを水素化処理してディーゼル、ガソリン、及び芳香族化合物のような他の化学物質を製造することが、中国においてますます一般的になってきている。コールタール中のフェノール類の濃度は非常に高いので、コールタール液を水素化処理ユニット内で処理する前にフェノール類を除去することが望ましい。そうしなければ、フェノール類中の酸素が水素化処理ユニット内で水素を消費して(水を生成して)水素の消費を増加させ、これにより水素化処理のコストを増加させる。また、大量の水が形成されることは、水素化処理触媒に対して有害である可能性もある。更に、フェノール類は一般に燃料よりも高い価値を有する。
【0003】
[0003]コールタールからフェノール類を回収するために多数の技術が開発されている。フェノール類は酸性であるので、伝統的な技術は、コールタール液を塩基で洗浄し、次に酸中和を行ってフェノール類を回収することである。フェノール類は容易に回収されるが、それらを分離して個々の純粋な生成物を得ることは困難である。更に、フェノール自体に対する需要は存在するが、アルキルフェノール類に対する需要は非常に低い。
【発明の概要】
【0004】
[0004]したがって、石炭液化油を処理して石炭液化油からフェノール類を回収及び処理する方法に対する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】[0005]
図1は、本発明方法の一態様の図である。
【
図2】[0006]
図2は、本発明方法の他の態様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0007]キシレン類及びフェノールは非常に重要な化学物質であり、それらに対する強い需要が世界中で存在する。キシレン類は、日常生活において広く用いられるポリマーの製造においてしばしば用いられる。例えば、パラキシレンは、ポリエステル繊維及び樹脂を製造するために用いられる基礎的な化学物質である。フェノールは、ポリカーボネート、エポキシド、フェノール樹脂、及びナイロンを製造するために用いられる基礎的な化学物質であるシクロヘキサンを製造するために用いることができる。
【0007】
[0008]本発明の一形態は、石炭液化油からフェノール類を分離することができる方法を包含する。フェノール類は、次に回収、及び/又はパラキシレン及びフェノールなどの高価値生成物に転化させることができる。一態様においては、フェノール及びアルキルフェノール類を石炭液化油から分離及び回収する。次に、フェノールをアルキルフェノール類から分離することができる。アルキルフェノール類は、ベンゼン及びトルエンのような芳香族化合物と反応させてキシレン類を生成させることができる。幾つかの態様においては、メタキシレン及びオルトキシレンは異性化反応によってパラキシレンに転化させることができ、パラキシレンはキシレン類分離プロセスを用いて分離及び回収することができる。
【0008】
[0009]本方法は、アルキルフェノール類と芳香族化合物との間のトランスアルキル化を伴う。トランスアルキル化は、アルキルフェノール類から芳香族化合物への1以上のアルキル基の移動をもたらす化学反応である。
【0009】
[0010]本発明の他の形態は、キシレン類及びフェノールを製造する装置である。一態様においては、本装置は、入口、フェノール生成物出口、クレゾール類出口、及びキシレノール類出口を有するフェノール類分離区域;入口及び出口を有するクレゾール類トランスアルキル化反応区域(クレゾール類トランスアルキル化反応区域の入口は、クレゾール類出口と流体連絡している);入口及び出口を有するキシレノール類トランスアルキル化反応区域(キシレノール類トランスアルキル化反応区域の入口は、キシレノール類出口と流体連絡している);入口、芳香族化合物出口、及びフェノール類出口を有するフェノール類と芳香族化合物の分離区域(フェノール類と芳香族化合物の分離区域の入口は、クレゾール類トランスアルキル化反応区域の出口及びキシレノール類トランスアルキル化反応区域の出口と流体連絡しており、フェノール類出口は、フェノール類分離区域の入口と流体連絡している);入口、ベンゼン出口、トルエン出口、及びキシレン類出口を有する芳香族化合物分離区域(芳香族化合物分離区域の入口は、芳香族化合物出口と流体連絡しており、ベンゼン出口は、キシレノール類トランスアルキル化反応区域の入口と流体連絡しており、トルエン出口は、クレゾール類トランスアルキル化反応区域の入口と流体連絡している);を含む。場合によっては、本装置に、第1の入口、第2の入口、パラキシレン出口、及びキシレン類出口を有するキシレン類分離区域(キシレン類分離区域の第1の入口は、芳香族化合物分離区域のキシレン類出口と流体連絡している);並びに、入口及び出口を有するキシレン類異性化区域(キシレン類異性化区域の入口は、キシレン類分離区域のキシレン類出口と流体連絡しており、キシレン類異性化区域の出口は、キシレン類分離区域の第2の入口と流体連絡している);を含ませることができる。
【0010】
[0011]
図1は、方法100の一態様を示す。方法100において、コールタール105をコールタール分離区域110に供給して、そこでそれを炭化水素流115及び第1のフェノール類の流れ120に分離する。炭化水素流115は、パラフィン、シクロパラフィン、オレフィン、及び芳香族化合物のような炭化水素を含む。第1のフェノール類の流れ120は、フェノール及びアルキルフェノール類を含む。
【0011】
[0012]コールタール分離区域は、コールタールを分離するための任意の好適な区域であってよい。好適な分離方法としては、蒸留、酸及び苛性抽出、溶剤抽出、吸着剤による吸着、膜分離、超臨界流体抽出、結晶化、キレート化、及び共晶反応、並びにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
[0013]第1のフェノール類の流れ120は、フェノール類分離区域125に送って、そこでそれを少なくとも2つの流れに分離する。示されているように、第1のフェノール類の流れ120は、フェノール生成物流130、クレゾール類の流れ135、キシレノール類の流れ140、及びより高級なフェノール類の流れ141に分離される。フェノール生成物流130はフェノールを含み、これはフェノール生成物として回収することができる。クレゾール類の流れ135は種々のタイプのクレゾール類を含む。キシレノール類の流れ140は種々のキシレノール類を含む。より高級なフェノール類の流れ141は、プロピルフェノール類、ブチルフェノール類、及びナフトール類のようなキシレノール類よりも重質のフェノール類を含む。
【0013】
[0014]フェノール類分離区域125は、フェノール類、クレゾール類、キシレノール類、及びより高級なフェノール類を分離するための任意の好適な分離区域であってよい。好適な方法としては、蒸留、吸着、抽出、結晶化、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
[0015]クレゾール類の流れ135は、クレゾール類トランスアルキル化反応区域145に送って、そこでクレゾール類をトルエン及び/又はベンゼンと反応させる。トルエン及び/又はベンゼンは、クレゾール類トランスアルキル化反応区域145に導入する前にクレゾール類の流れ135と混合することができ、或いはそれらは別々に加えることができる。
【0015】
[0016]任意の好適なクレゾール類トランスアルキル化触媒を用いることができる。クレゾール類トランスアルキル化触媒は、通常は高い活性レベルにおいて比較的高い安定性を有するように選択される。好適なクレゾール類トランスアルキル化触媒としては、鉱酸のような均一系酸触媒、或いはゼオライト、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、アモルファスシリカアルミナ、タングステン酸ジルコニア及び硫酸化ジルコニアのような混合酸化物などのような不均一系酸触媒、並びにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
[0017]クレゾール類並びにトルエン及び/又はベンゼンは、通常は反応温度に加熱して、次に1以上の個々の反応器を含み得るクレゾール類トランスアルキル化反応区域145に通す。混合した供給材料をクレゾール類トランスアルキル化反応区域145に通すことによって、芳香族化合物、フェノール、及びアルキルフェノール類を含む第1の流出物流150が生成する。
【0017】
[0018]クレゾール類トランスアルキル化反応は、任意の従来の方法又は他の好都合な方法で触媒複合体と接触させて実施することができ、バッチ又は連続タイプの操作を含み得、連続操作が好ましい。クレゾール類トランスアルキル化触媒は、固定床反応区域、移動床反応区域、及び流動床反応区域など(しかしながらこれらに限定されない)の種々のタイプの反応区域内に有用に配置される。
【0018】
[0019]クレゾール類トランスアルキル化反応区域145は、通常は、50℃~600℃、又は100℃~500℃の範囲の温度を含む反応条件で操作する。クレゾール類トランスアルキル化反応区域145は、通常は、0MPa~7.6MPaゲージ圧、又は0.01MPa~5MPaゲージ圧の広い範囲の適度に上昇させた圧力で操作する。クレゾール類トランスアルキル化反応は、広範囲の液空間速度(LHSV)にわたって実施することができる。LHSVは、一般に0.1~5時-1、又は0.2~4時-1の範囲である。幾つかの態様においては、クレゾール類トランスアルキル化反応は、50℃~600℃の範囲の温度;0MPa(g)~7.6MPa(g)の範囲の圧力;及び0.1~5時-1の範囲のLHSV;を含む反応条件下で行う。幾つかの態様においては、クレゾール類トランスアルキル化反応は、100℃~500℃の範囲の温度;0.01MPa(g)~5MPa(g)の範囲の圧力;及び0.2~4時-1の範囲のLHSV;を含む反応条件下で行う。
【0019】
[0020]場合によっては、水素、水蒸気、又は窒素など(しかしながらこれらに限定されない)の気体をクレゾール類トランスアルキル化反応区域145に加えて、コークの形成を阻止するか、又はコークを除去することができる。
【0020】
[0021]キシレノール類の流れ140は、キシレノール類トランスアルキル化反応区域155に送って、そこでキシレノール類をベンゼン及び/又はトルエンと反応させる。トルエン及び/又はベンゼンは、キシレノール類トランスアルキル化反応区域155に導入する前にキシレノール類の流れ140と混合することができ、或いはそれらは別々に加えることができる。
【0021】
[0022]任意の好適なキシレノール類トランスアルキル化触媒を用いることができる。この触媒は、通常は高い活性レベルにおいて比較的高い安定性を有するように選択される。好適なキシレノール類トランスアルキル化触媒は、クレゾール類に関して上記に列記したものである。
【0022】
[0023]キシレノール類並びにベンゼン及び/又はトルエンは、反応温度に加熱し、次に1以上の個々の反応器を含み得るキシレノール類トランスアルキル化反応区域155に通す。混合した供給材料をキシレノール類トランスアルキル化反応区域155に通すことによって、芳香族化合物、フェノール、及びアルキルフェノール類を含む第2の流出物流160が生成する。
【0023】
[0024]キシレノール類トランスアルキル化反応は、任意の従来の方法又は他の好都合な方法で触媒複合体と接触させて実施することができ、バッチ又は連続タイプの操作を含み得、連続操作が好ましい。キシレノール類トランスアルキル化触媒は、固定床反応区域、移動床反応区域、及び流動床反応区域など(しかしながらこれらに限定されない)の種々のタイプの反応区域内に有用に配置される。
【0024】
[0025]キシレノール類トランスアルキル化反応区域155は、通常は、50℃~600℃、又は100℃~500℃の範囲の温度を含む反応条件で操作する。このトランスアルキル化区域は、通常は、0MPa~7.6MPaゲージ圧、又は0.01MPa~5MPaゲージ圧の広い範囲の適度に上昇させた圧力で操作する。このトランスアルキル化反応は、広範囲の液空間速度(LHSV)にわたって実施することができる。LHSVは、一般に0.1~5時-1、又は0.2~4時-1の範囲である。幾つかの態様においては、キシレノール類トランスアルキル化反応は、50℃~600℃の範囲の温度;0MPa(g)~7.6MPa(g)の範囲の圧力;及び0.1~5時-1の範囲のLHSV;を含む反応条件下で行う。幾つかの態様においては、キシレノール類トランスアルキル化反応は、100℃~500℃の範囲の温度;0.01MPa(g)~5MPa(g)の範囲の圧力;及び0.2~4時-1の範囲のLHSV;を含む反応条件下で行う。
【0025】
[0026]場合によっては、水素、水蒸気、又は窒素など(しかしながらこれらに限定されない)の気体をキシレノール類トランスアルキル化反応区域155に加えて、コークの形成を阻止するか、又はコークを除去することができる。
【0026】
[0027]クレゾール類トランスアルキル化反応区域145からの第1の流出物流150、及びキシレノール類トランスアルキル化反応155からの第2の流出物流160は、フェノール類と芳香族化合物の分離区域165に送って、そこでそれらを芳香族化合物流170及び第2のフェノール類の流れ175に分離する。第1の流出物流150及び第2の流出物流160は、フェノール類と芳香族化合物の分離区域165中に導入する前に混合することができ、或いはそれらは別々に導入することができる。フェノール類と芳香族化合物の分離区域165には、蒸留、酸及び苛性抽出、溶剤抽出、吸着剤による吸着、膜分離、超臨界流体抽出、結晶化、キレート化、及び共晶反応、或いはこれらの組合せなど(しかしながらこれらに限定されない)の、フェノール及びアルキルフェノール類を他の芳香族化合物から分離するための任意のプロセスを含ませることができる。
【0027】
[0028]芳香族化合物流170は、ベンゼン、トルエン、及びキシレン類などの芳香族化合物、並びに場合によってはより重質の芳香族化合物を含む。第2のフェノール類の流れ175はフェノール及びアルキルフェノール類を含む。
【0028】
[0029]芳香族化合物流170は、芳香族化合物分離区域180に送って、そこでそれを、ベンゼンを含むベンゼン流185、トルエンを含むトルエン流190、並びにパラキシレン、メタキシレン、及びオルトキシレンの1以上、並びに場合によっては若干のより重質の芳香族化合物を含むキシレン類の流れ195に分離する。或いは、ベンゼン及びトルエンを含む流れが存在する場合がある。トルエン流190は、クレゾール類トランスアルキル化反応区域145内でクレゾール類と反応させるためのトルエンを与え、一方でベンゼン流185は、キシレノール類トランスアルキル化反応区域155内でキシレノール類と反応させるためのベンゼンを与える。キシレン類の流れ195は、回収して更なる処理に送ることができる。
【0029】
[0030]芳香族化合物分離区域180には、キシレン類をベンゼン及び/又はトルエンから分離するための任意の好適なプロセスを含ませることができる。好適な芳香族化合物分離方法としては、蒸留、吸着剤による吸着、結晶化、膜分離、超臨界流体抽出、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
[0031]幾つかの態様においては、芳香族化合物の供給流197を芳香族化合物分離区域180中に供給することができる。
[0032]第2のフェノール類の流れ175は、フェノール類分離区域125に送って、そこでフェノールをアルキルフェノール類から分離する。第2のフェノール類の流れ175は、フェノール類分離区域125中に導入する前に第1のフェノール類の流れ120と混合することができ、或いはそれらは別々に加えることができる。
【0031】
[0033]
図2は、概して方法100と同様である他の態様の方法200を示す。コールタール205をコールタール分離区域210に供給して、そこでそれを炭化水素流215及び第1のフェノール類の流れ220に分離する。
【0032】
[0034]第1のフェノール類の流れ220は、フェノール類分離区域225に送って、そこでそれを少なくとも2つの流れに分離する。示されているように、第1のフェノール類の流れ220は、フェノール生成物流230、クレゾール類の流れ235、キシレノール類の流れ240、及びより高級なフェノール類の流れ241に分離される。
【0033】
[0035]クレゾール類の流れ235は、クレゾール類トランスアルキル化反応区域245に送って、そこでクレゾール類をトルエン及び/又はベンゼンと反応させる。トルエン及び/又はベンゼンは、クレゾール類トランスアルキル化反応区域245に導入する前にクレゾール類の流れ235と混合することができ、或いはそれらは別々に加えることができる。流出物流250は、芳香族化合物、フェノール、及びアルキルフェノール類を含む。
【0034】
[0036]キシレノール類の流れ240は、キシレノール類トランスアルキル化反応区域255に送って、そこでキシレノール類をベンゼン及び/又はトルエンから分離する。トルエン及び/又はベンゼンは、キシレノール類トランスアルキル化反応区域255に導入する前にキシレノール類の流れ240と混合することができ、或いはそれらは別々に加えることができる。流出物流260は、芳香族化合物、フェノール、及びアルキルフェノール類を含む。
【0035】
[0037]クレゾール類トランスアルキル化反応区域245からの流出物流250、及びキシレノール類トランスアルキル化反応区域255からの流出物流260は、フェノール類と芳香族化合物の分離区域265に送って、そこでそれらを芳香族化合物流270及び第2のフェノール類の流れ275に分離する。第1の流出物流250及び第2の流出物流260は、フェノール類と芳香族化合物の分離区域265中に導入する前に混合することができ、或いはそれらは別々に加えることができる。
【0036】
[0038]芳香族化合物流270は、芳香族化合物流分離区域280に送って、そこでそれを、ベンゼン流285、トルエン流290、第1のキシレン類の流れ295、及びより重質の芳香族化合物の流れ296に分離する。或いは、ベンゼン及びトルエンを含む流れが存在する場合がある。トルエン流290は、クレゾール類トランスアルキル化反応区域245内でクレゾール類と反応させるためのトルエンを与え、一方でベンゼン流285は、キシレノール類トランスアルキル化反応区域255内でキシレノール類と反応させるためのベンゼンを与える。
【0037】
[0039]幾つかの態様においては、芳香族化合物の供給流297を芳香族化合物分離区域280中に供給することができる。
[0040]第2のフェノール類の流れ275は、フェノール類分離区域225に送って、そこでフェノールをアルキルフェノール類から分離する。第2のフェノール類の流れ275は、フェノール類分離区域225中に導入する前に第1のフェノール類の流れ220と混合することができ、或いはそれらは別々に加えることができる。
【0038】
[0041]第1のキシレン類の流れ295は、キシレン類分離区域300に送って、そこでそれを、パラキシレンを含むパラキシレン生成物流305、並びにオルトキシレン及びメタキシレンを含む第2のキシレン類の流れ310に分離する。
【0039】
[0042]蒸留、吸着(例えばUOPのParex(登録商標)プロセス)、結晶化(例えばBP/CBIのpXプロセス)、又はこれらのプロセスの組合せなど(しかしながらこれらに限定されない)の任意の好適なキシレン類分離プロセスを用いることができる。
【0040】
[0043]第2のキシレン類の流れ310は、キシレン類異性化反応区域315に送って、そこでそれをキシレン類異性化触媒の存在下で異性化する。好適なキシレン類異性化プロセスとしては、UOPのIsomar(登録商標)プロセスが挙げられるが、これに限定されない。異性化キシレン類の流れ320は、分離のためにキシレン類分離区域300に送る。キシレン類異性化反応区域315は、通常は50℃~600℃、又は100℃~500℃の範囲の温度を含む反応条件で操作する。キシレン類異性化区域315は、通常は、0MPa~7.6MPaゲージ圧、又は0.01MPa~5MPaゲージ圧の広い範囲の適度に上昇させた圧力で操作する。キシレン類異性化反応は、広範囲の液空間速度(LHSV)にわたって実施することができる。LHSVは、一般に0.1~5時-1、又は0.2~4時-1の範囲である。幾つかの態様においては、キシレン類異性化反応は、50℃~600℃の範囲の温度;0MPa(g)~7.6MPa(g)の範囲の圧力;及び0.1~5時-1の範囲のLHSV;を含む反応条件下で行う。幾つかの態様においては、キシレン類異性化反応は、100℃~500℃の範囲の温度;0.01MPa(g)~5MPa(g)の範囲の圧力;及び0.2~4時-1の範囲のLHSV;を含む反応条件下で行う。
【0041】
[0044]場合によっては、水素、水蒸気、又は窒素など(しかしながらこれらに限定されない)の気体をキシレン類異性化反応区域315に加えて、コークの形成を阻止するか、又はコークを除去することができる。
【0042】
[0045]任意の好適なキシレン類異性化触媒を用いることができる。好適なキシレン類異性化触媒としては、BF3-HFのような均一系触媒、及びアモルファスシリカアルミナ、ゼオライト、又は金属促進ゼオライトのような不均一系触媒の両方が挙げられるが、これらに限定されない。この触媒は、通常は高い活性レベルにおいて比較的高い安定性を有するように選択される。
【0043】
[0046]上記の発明の詳細な説明において少なくとも1つの代表的な態様を示したが、膨大な数のバリエーションが存在することを認識すべきである。また、1つ又は複数の代表的な態様は例に過ぎず、いかなるようにも発明の範囲、適用可能性、又は構成を限定することは意図しないことも認識すべきである。むしろ、上記の詳細な説明は、発明の代表的な態様を実施するための簡便な指針を当業者に与える。添付の特許請求の範囲において示される発明の範囲から逸脱することなく、代表的な態様において記載されている構成要素の機能及び配置において種々の変更を行うことができることが理解される。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
キシレン類及びフェノールを製造する方法であって、
石炭液化油から、フェノールおよびアルキルフェノール類を含む第1のフェノール類の流れ(120)を与えること;
フェノール類分離区域(125)内において、前記第1のフェノール類の流れ(120)を、少なくともフェノールを含むフェノール生成物流(130)、及びクレゾール類を含むクレゾール類の流れ(135)に分離すること;
クレゾール類トランスアルキル化反応区域(145)内において、前記クレゾール類の流れ(135)を、クレゾール類トランスアルキル化触媒の存在下で、トルエン、ベンゼン、又は両方を含む第1の芳香族化合物流(190)によってトランスアルキル化して、芳香族化合物、フェノール、およびアルキルフェノール類を含む第1の流出物流(150)を形成すること;
フェノール類と芳香族化合物の分離区域(165)内において、前記第1の流出物流(150)を、少なくとも芳香族化合物を含む第2の芳香族化合物流(170)、並びにフェノール及びアルキルフェノール類を含む第2のフェノール類の流れ(175)に分離すること;
芳香族化合物分離区域(180)内において、前記第2の芳香族化合物流(170)を、少なくとも前記第1の芳香族化合物流(190)、並びにパラキシレン、オルトキシレン、及びメタキシレンを含む第1のキシレン類の流れ(195)に分離すること;及び
前記第2のフェノール類の流れ(175)を、前記フェノール類分離区域(125)中に導入すること;
を含む上記方法。
[2]
前記第1のフェノール類の流れ(120)を少なくとも前記フェノール生成物流(130)及び前記クレゾール類の流れ(135)に分離することが、前記第1のフェノール類の流れ(120)を、少なくとも前記フェノール生成物流(130)、前記クレゾール類の流れ(135)、及びキシレノール類を含むキシレノール類の流れ(140)に分離することを含み;前記第1の芳香族化合物流(190)がトルエンを含み;前記第2の芳香族化合物流(170)を少なくとも前記第1の芳香族化合物流(190)及び前記第1のキシレン類の流れ(195)に分離することが、前記第2の芳香族化合物流(170)を、少なくともトルエン流(190)、前記第1のキシレン類の流れ(195)、及びベンゼンを含むベンゼン流(180)に分離することを含み;更に
キシレノール類トランスアルキル化反応区域(155)内において、前記キシレノール類の流れ(140)を、キシレノール類トランスアルキル化触媒の存在下で、前記ベンゼン流(185)によってトランスアルキル化して、芳香族化合物、フェノール、及びアルキルフェノール類を含む第2の流出物流(160)を形成すること;
を含み;
前記第1の流出物流(150)を分離することが、前記第1の流出物流(150)及び前記第2の流出物流(160)を分離することを含む、[1]に記載の方法。
[3]
前記ベンゼン流(185)によって前記キシレノール類の流れ(140)をトランスアルキル化することを、50℃~600℃の範囲の温度;0MPa(g)~7.6MPa(g)の範囲の圧力;及び0.1~5時
-1
の範囲のLHSV;の少なくとも1つを含む反応条件下で行う、[2]に記載の方法。
[4]
キシレン類分離区域(300)内において、前記第1のキシレン類の流れ(195)を、パラキシレンを含むパラキシレン生成物流(305)、並びにオルトキシレン及びメタキシレンを含む第2のキシレン類の流れ(310)に分離することを更に含む、[2]に記載の方法。
[5]
キシレン類異性化区域(315)内において、前記第2のキシレン類の流れ(310)を、キシレン類異性化触媒の存在下で異性化して、パラキシレン、オルトキシレン、及びメタキシレンを含む異性化キシレン類の流れ(320)を形成すること;及び
前記異性化キシレン類の流れ(320)を、前記キシレン類分離区域(300)中に導入すること;
を更に含む、[4]に記載の方法。
[6]
前記第2のキシレン類の流れ(310)を異性化することを、50℃~600℃の範囲の温度;0MPa(g)~7.6MPa(g)の範囲の圧力;及び0.1~5時
-1
の範囲のLHSV;の少なくとも1つを含む反応条件下で行う、[5]に記載の方法。
[7]
芳香族化合物を含む供給流(197)を前記芳香族化合物分離区域(180)に導入することを更に含む、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
第1のフェノール類の流れ(120)を与えることが、蒸留、酸及び苛性抽出、溶剤抽出、吸着剤による吸着、膜分離、超臨界流体抽出、結晶化、キレート化、及び共晶反応、並びにこれらの組合せを用いて、前記フェノール類を前記石炭液化油から分離することを含む、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
前記クレゾール類の流れ(135)を第1の芳香族化合物流(190)によってトランスアルキル化することを、50℃~600℃の範囲の温度;0MPa(g)~7.6MPa(g)の範囲の圧力;及び0.1~5時
-1
の範囲のLHSV;の少なくとも1つを含む反応条件下で行う、[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
前記クレゾール類トランスアルキル化触媒が、少なくとも1種類の均一系酸触媒、又は少なくとも1種類の不均一系酸触媒を含む、[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
キシレン類及びフェノールを製造するための装置であって、
入口、フェノール生成物出口、クレゾール類出口、及びキシレノール類出口を有するフェノール類分離区域(125);
入口及び出口を有するクレゾール類トランスアルキル化反応区域(145)、ここで前記クレゾール類トランスアルキル化反応区域の入口は前記クレゾール類出口と流体連絡している;
入口及び出口を有するキシレノール類トランスアルキル化反応区域(155)、ここで、前記キシレノール類トランスアルキル化反応区域の入口は前記キシレノール類出口と流体連絡している;
入口、芳香族化合物出口、及びフェノール類出口を有するフェノール類と芳香族化合物の分離区域(165)、ここで、前記フェノール類と芳香族化合物の分離区域の入口は、前記クレゾール類トランスアルキル化反応区域の出口及び前記キシレノール類トランスアルキル化反応区域の出口と流体連絡しており、前記フェノール類出口は前記フェノール類分離区域の入口と流体連絡している;及び
入口、ベンゼン出口、トルエン出口、及びキシレン類出口を有する芳香族化合物分離区域(180)、ここで、前記芳香族化合物分離区域の入口は前記芳香族化合物出口と流体連絡しており、前記ベンゼン出口は前記キシレノール類トランスアルキル化反応区域の入口と流体連絡しており、前記トルエン出口は前記クレゾール類トランスアルキル化反応区域の入口と流体連絡している;
を含む上記装置。
[12]
第1の入口、第2の入口、パラキシレン出口、及びキシレン類出口を有するキシレン類分離区域(300)、ここで前記キシレン類分離区域の第1の入口は前記芳香族化合物分離区域のキシレン類出口と流体連絡している;及び
入口及び出口を有するキシレン類異性化区域(315)、ここで、前記キシレン類異性化区域の入口は前記キシレン類分離区域のキシレン類出口と流体連絡しており、前記キシレン類異性化区域の出口は前記キシレン類分離区域の第2の入口と流体連絡している;
を更に含む、[11]に記載の装置。