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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】液体冷却用クーリングバス
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20220216BHJP
   F25C 1/00 20060101ALI20220216BHJP
   G01B 7/06 20060101ALN20220216BHJP
【FI】
F25D11/00 102E
F25C1/00 D
G01B7/06 R
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019555598
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2018059453
(87)【国際公開番号】W WO2018189329
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】1705881.9
(32)【優先日】2017-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512110710
【氏名又は名称】ダブリューエルアイ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(72)【発明者】
【氏名】ベン-デイビッド, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ハン スーン
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-014441(JP,A)
【文献】国際公開第2014/009752(WO,A1)
【文献】特表2013-535652(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03088878(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25C 1/00
G01B 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナと、前記コンテナ内の液体を氷に変える冷却コイルと、分配のためにアイスバスによって冷却される液体を運ぶパイプと、氷の厚さを測定するための少なくとも3つの導電性プローブとを含むアイスバスであって、前記導電性プローブが、前記冷却コイルと分配される液体を運ぶ前記パイプとの間に配され、第1の導電性プローブが、少なくとも第2および第3の導電性プローブよりも前記冷却コイルの近くに配され、これにより前記第2および第3の導電性プローブが、前記第1の導電性プローブよりも前記パイプの近くに配され、ここで前記第2および第3の導電性プローブは前記冷却コイルから等距離であって、
前記第1の導電性プローブと前記第2の導電性プローブ、前記第1の導電性プローブと前記第3の導電性プローブ、前記第2の導電性プローブと前記第3の導電性プローブの間のコンダクタンスを測定する手段をさらに含むアイスバス。
【請求項2】
3つの導電性プローブが設けられ、うち1つが前記第2および第3の導電性プローブよりも前記冷却コイルの近くにある請求項1記載のアイスバス。
【請求項3】
前記コンテナは側壁を有し、前記冷却コイルは、分配される液体を運ぶ前記パイプよりも前記側壁の近くにあり、前記導電性プローブは、前記冷却コイルと前記パイプの間に設置されている請求項1または2に記載のアイスバス。
【請求項4】
前記パイプはコイル状に設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のアイスバス。
【請求項5】
前記第2および第3の導電性プローブは、分配される液体を運ぶ前記パイプからも等距離である請求項1ないし4のいずれかに記載のアイスバス。
【請求項6】
4つ以上の導電性プローブを有し、前記導電性プローブのうち少なくとも1つが、他の導電性プローブの少なくともいくつかより前記冷却コイルに近い請求項1ないし5のいずれかに記載のアイスバス。
【請求項7】
コンダクタンスを測定する前記手段が、各ペアの導電性プローブ間のコンダクタンスを順に測定すべく配置されている請求項1ないし6のいずれかに記載のアイスバス。
【請求項8】
各ペアの導電性プローブ間のコンダクタンスを測定すべく、DC電流がコントローラによって、前記導電性プローブに順に印加される請求項1ないし7のいずれかに記載のアイスバス。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載のアイスバスでの氷の蓄積を測定する方法であって、前記第1の導電性プローブと前記第2の導電性プローブ、前記第1の導電性プローブと前記第3の導電性プローブ、前記第2の導電性プローブと前記第3の導電性プローブの間のコンダクタンスを順に測定し、コンダクタンスの測定値を用いて、氷が前記第1の導電性プローブに到達した時、氷が前記第2および第3の導電性プローブに到達した時、氷が前記第2および第3の導電性プローブから後退し始めた時、のいずれかを特定し、この測定を用いて装置を制御し氷を生じさせる方法。
【請求項10】
前記冷却コイルから前記第1の導電性プローブまでの厚さの値として最小氷値が定められ、前記第2および第3の導電性プローブの両方までの氷厚さの程度として最大氷値が定められ、前記コンテナ内の前記液体内の氷の量を、前記最小氷値と前記最大氷値の間に維持するように着氷を制御する請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記コンテナ内の液体の全溶解性蒸発残留物を測定するための請求項1ないし8のいずれかに記載のアイスバス装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイスバスに関する。
【背景技術】
【0002】
冷水などの冷却された液体の分配に関して、水の分配前に外部供給源から受け取った水を冷却すべく、多種多様な方法が用いられている。これらは、供給源からの水を低温タンクに保存する低温タンクシステムを含み得るものであり、その周囲にはたくさんの冷却コイルが巻きつけられている。冷却コイルは機械的な圧縮機および凝縮器システムによって冷却され、これによりタンク内の分配用の水を冷やす。
【0003】
他のタイプのシステムでは直接冷却すなわち内部コイルシステムが用いられ、冷却コイルが冷却タンク内に配置され、冷却される水と直接接触している。これはより効率的な冷却システムとなるが、製作費がかさむ。
【0004】
さらなる変形例は、アイスバスシステム(別名、アイスバンクシステムとして知られる)を用いるものである。アイスバスシステムはコンテナを有し、冷却される液体を運ぶコンテナを通過する一連のパイプと、コンテナ内の液体を氷に変える手段を備える。分配される液体は、アイスバスの中にあるパイプ内を通るので、分配される液体はコンテナ内で氷または水と接触することがない。コンテナ内にできた氷は貯冷庫として機能し、液体冷却パイプから熱が伝わると氷が溶け、概ねアイスバスの温度を一定に保つ。
【0005】
アイスバスシステムは一般的に、コンテナ、冷却コイル(概ねコンテナ内に配され、通常はコンテナ外壁の内側表面に向いている)、および概ねコンテナ内に配されるコイル状パイプ(通常はステンレス鋼または3グレード物質の保持に利用可能な他の材料からなる)を含む。このパイプが冷却される液体を運ぶ。これは一般的には、水または様々な用途の炭酸水のいずれかである。
【0006】
またアジテータが設けられ、氷で冷やされた水を撹拌し、その温度を一定に保つっている。
【0007】
作動時には、冷却システムが作動し、冷却コイルの周囲に氷を成長させ、分配される水を保持するパイプに向けて迫らせる。バス内に生じる氷の量は、監視または制御される必要がある。全体的なバスの温度は、固定値の間、例えば摂氏0度から1度の間で概ねコントロールされるものであり、バス内に生じた氷は往々にして、冷却され分配される液体を運ぶパイプに物理的に接触または取り巻くほどには広がらないことが重要であるが、なぜならこれがパイプの凍結、遮断、破裂をもたらし得るためである。よって氷の量を検知および監視する手段が必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、改良型氷監視システム提供の試みにおいて誕生した。
本発明の第1の側面によれば、アイスバスは、コンテナと、コンテナ内の液体を氷に変える冷却コイルと、分配のためにアイスバスによって冷却される液体を運ぶパイプと、氷の厚さを測定するための少なくとも3つの導電性プローブとを含むものであって、導電性プローブが、冷却コイルと分配される液体を運ぶパイプとの間に配され、第1の導電性プローブが、少なくとも第2および第3の導電性プローブよりも冷却コイルの近くに配され、これにより前記第2および第3の導電性プローブが、第1の導電性プローブよりもパイプの近くに配される。
【0009】
好ましくは、3つの導電性プローブが設けられ、うち1つが第2および第3のプローブよりも蒸発器すなわち冷却コイルの近くにある。
【0010】
好ましくは、第2および第3のプローブは冷却コイルから等距離である。これらはまた、パイプからも等距離であってもよい。パイプは、プローブの領域で冷却コイルと“並行”とできる。
【0011】
プローブは水のコンダクタンスを測定すべく協働する。周知のように水のコンダクタンスは水が液体または固定状態のいずれであるかに応じて変化し、よってプローブ間の水のコンダクタンスを測定することで氷が各プローブに到達したかどうかを判定できる。
【0012】
装置はまた、各ペアのプローブ間、すなわち第1と第2のプローブ、第1と第3のプローブ、第2と第3のプローブの間のコンダクタンスを測定する手段を含む。
【0013】
3つのプローブは順次(すなわち、1つのペアのプローブ間のコンダクタンスが測定され、ついで第2のペアのプローブ間、さらに第3のペアのプローブ間というやり方で、制御されたサイクルで)作動するものとできる。
【0014】
始動プロシージャ中の第1の制御方法では、冷却コイルが作動させられ、各ペアのプローブ間を流れる電流が測定される。コントローラは例えばマイクロコントローラであり、電流の測定値を用いて各ペアのプローブ(第1と第2、第1と第3、第2と第3)間のコンダクタンスを決定すべく配置されている。氷が生じ第1のプローブに到達すると、冷却コイルに最も近い第1のプローブにおける氷の存在が3つのプローブ間のコンダクタンスの監視によって検知される。そのまま冷却が継続すると、氷は最終的に第2と第3のプローブの位置によって規定される厚さに達し、監視されている第1と第2、第2と第3、第1と第3のプローブ間のコンダクタンスによって測定され、水が液体から固体へと状態変化したことを示し、少なくとも第2と第3のプローブの範囲まで氷が育ったことを確認する。
【0015】
氷ができた後も、プローブは一体となって相互間のコンダクタンスの監視を続け、装置の作動中、氷の厚さを監視する。
【0016】
実施の形態によっては、4つ以上の導電性プローブが用いられてもよい。冷却コイルから第1のプローブまでの厚さの値として最小氷値が定められ、第2および第3のプローブの両方までの氷の厚さとしての水準に最大氷値が定められるものとできる。好ましくは、冷却をオンオフし、氷の厚さが最小値と最大値の間に維持されるように制御する手段が設けられる。
【0017】
水のコンダクタンスは水の純度によって、したがって水の全溶解性蒸発残留物(TDS)の量によって変化するため、水のTDSレベルを監視すべく、3つのプローブがテストに用いられてもよい。
【0018】
第2と第3のプローブは概ね、水冷却パイプから等距離に設けられ、第2と第3のプローブ間のコンダクタンスの測定値は、氷が適切な厚さであることを判定するために使用可能である。
【0019】
さらなる側面では、本発明は、上述したアイスバスでの氷の蓄積を測定する方法を提供するものであり、第1のプローブと第2のプローブ、第1のプローブと第3のプローブ、第2のプローブと第3のプローブの間のコンダクタンスを順に測定し、コンダクタンスの測定値を用いて、氷が第1のプローブに到達した時、氷が第2および第3のプローブに到達した時、氷が第2および第3のプローブから後退し始めた時、のいずれかを特定し、この測定を用いて装置を制御し氷を生じさせる。
【0020】
本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して以下に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、典型的な水槽を示す。
図2図2は、典型的な水槽を示す。
図3図3は、氷厚プローブが配置されたウォーターバスの一部切り欠き図である。
図4図4は、図3の一部を拡大して示す。
図5図5は、図3の上部の一部を拡大して示す。
図6図6は、切り欠き部を示す。
図7図7は、切り欠き部の一部の詳細を示す。
図8図8は、導電性プローブの一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1および2を参照するに、典型的なアイスバスシステムは、コンテナまたは容器1を含み、これは典型的にはプラスチックまたは金属材料からなる。コンテナ内には、通常コンテナ内壁に比較的近い位置に、1つ以上の冷却コイルが設けられ、コンテナの高さをほぼカバーするように通常垂直方向に巻かれている。これらは入口2aおよび出口(図示せず)を介して冷却液(図示せず)を受け取る。好適な冷却液が冷却コイルへと与えられる。冷却コイルはさもなくば、蒸発器コイルとして知られる。蒸発器および冷却コイルと好適な液体は、冷蔵庫などの多くの分野で公知である。
【0023】
概ね冷却コイルで画定される領域内に存在するのが、飲料用液体のためのコイル状パイプである。これは冷却コイル同様、コンテナの高さ方向に立ち上がるようにぐるぐる巻きにされたもので、入口5から分配される流体(例えば水)を受け取る。液体はパイプを通過した後、出口6を通り、冷却された水または他の流体が分配される分配出口すなわち蛇口へと向かう。一般的に、入口はパイプ4の最上部に設けられ、冷却される水はコイルを周ってコイルの底部へと達し、そこから分配のため出口6まで上る。
【0024】
水を部分的に氷に変えるべく、水またはエチレングリコールなどの他の液体が、冷却コイル内の冷却剤による作用を受けるようにコンテナ内に入れられており、また飲料液体用のパイプはバス内に収容されているので、これは冷却された水による作用を受け、内部の液体を冷却する。よって液体はパイプを通過した時に冷却されるが、それを冷却するために用いられる水または他の液体とは決して接触しない。
【0025】
コンテナ内の水/氷の温度を測定すべく、温度センサ7を設けることができる。符号はまた、コンテナの自動充填のためのレベルセンサ8、9を示している。これらは、高(水なし)から低(水なし)への抵抗値の変化によって水圧を検知する。あるいはフロートスイッチのような他のレベルセンサを用いてもよい。要するに、コンテナ内に供給されてアイスバスを形成すべく用いられる水または他の流体を、コンテナが一杯の時に作動して充填機構のバルブをオフにするレベルセンサを監視することによって、一定のレベルに保つことができる。アイスバスは、電気モータドライバ11によって駆動されるインペラ10を含むものとできる。インペラは水をかき混ぜることで、水が満遍なく行きわたることを保証し、また不必要な着氷を防ぐ。これはアイスバス全体にわたって温度がほぼ一定となることを保証する。
【0026】
図2も同様のアイスバスを示すが、こちらには炭酸化タンク12が設けられている。同様に入口と出口を備えた炭酸化タンク内の水は、注入二酸化炭素または別の方法によって炭酸化されるもので、これはアイスバスによって冷却されるべくアイスバス内に設置されており、使用者が非発泡性水か炭酸化(発泡性)冷却水または他の液体かを選択可能である。本発明は、非発泡性あるいは発泡性システムに、あるいは両方を選択的に分配可能なものに、等しく適用可能である。
【0027】
上述したとおり、こうしたアイスバスでは、コンテナは、レベルセンサとバルブを含むシステムで手動によって、または自動的に、水あるいは恐らく他の熱伝導液体で満たされている。このレベルセンサは電子的なものでも機械的なものでもよい。かくして冷却システムが作動し、水の場合には冷却コイルの周りに着氷を生じさせ、または望ましい温度まで熱伝導液体を全体的に冷やす。バス内に生じた氷の量は、機械的サーモスタットあるいは電子的サーモスタットまたはセンサのいずれかによって概ね制御され、最小値と最大値、典型的には摂氏0度と1度の間で制御される。作られた氷は、冷却され分配される液体を運ぶパイプを取り囲まないことが重要であるが、なぜならこれがパイプを凍らせたり、他のダメージまたは低クオリティの分配の原因になるためである。
【0028】
実施の形態では、これは氷厚プローブによって成し遂げられており、その一例が図3~7に示されている。各図には3つのプローブ20、21、22が示されている。図示のとおり各プローブは、それがコンテナの蓋24によって支持された場所からほぼ垂直に延び、垂直方向下向きに垂れ下がっている。各プローブは、図8に示すように、同軸シース26内に配置された中央導体25を有する。導体の最底端28は、シースの最底部27を越えて延びている。プローブへの電流供給およびその結果測定のために用いられるコントローラ(図示せず)への接続のため、導体は上端でもシースから突出している。
【0029】
図示のとおり、プローブはパイプ4と冷却コイル2の間に設置されている。これらはまた、プローブ20が他のプローブよりもコイル2の近くに配置されるように配置されている。すなわち、冷却コイル2の最も近い部分までのプローブ20の最短距離は、プローブ21および22のいずれかの冷却コイル2までの最短距離よりも近い。したがってプローブ21および22はプローブ20よりも、冷却される流体を運ぶパイプ4に近い位置に設置されている。実施の形態によっては、プローブ21および22はいずれも、パイプ4から同一距離だけ離れている。一般的には図示のとおり、コイルは概ね四角形の形状であって、四角形のコンテナの辺に沿って直線部分が延びており、コンテナのコイルに湾曲部分を有している。プローブは概して言えば、長辺の1つに沿って配置されており、プローブ20がプローブ21および22よりも冷却コイル2に近く、プローブ21および22はパイプ4から、かつ同様にパイプ2から、等距離となっている。
【0030】
図4図3を拡大したものであり、プローブの配置をより明確に示している。プローブは、露出した底縁25aがハウジングから上方に距離を空けて配置され、その地点での水/氷のコンダクタンスが測定可能とされている。
よって各プローブは電極として機能する。
【0031】
図5は、プローブ集合体の上部の詳細を拡大して示すもので、どのような状態でプローブ20が他の2つのプローブよりもコンテナの外側に近い位置にあるかを明瞭に示している。
【0032】
図6は、炭酸化タンク30を例示するさらなる切り欠きバージョンを示す。これはパイプコイル4内に置かれている。
本発明の実施の形態には、アジテータが存在してもよいししなくてもよい。
【0033】
図7は、プローブが冷却コイル2と分配される液体用のパイプ4の間に配置されていることを明示する別の視点を示すものであって、プローブ20は他の2つのプローブよりも冷却コイルに近い。
【0034】
次に使用時の装置について説明すると、まずコンテナが水または他の凍結可能な液体で満たされる。冷却剤が冷却剤/蒸発コイル2に供給される。冷却サイクルの開始時点で氷を作ることが望まれる場合には、連携する3つのプローブによって水のコンダクタンスが測定される。コンダクタンスは、プローブ20とプローブ21、プローブ20とプローブ22、プローブ21とプローブ22の間で測定される。これは水の基準コンダクタンスを定めるもので、氷が形成される前、あるいは少なくとも実質的な氷が形成される前に行われる。
【0035】
コンダクタンス値は、各ペアのプローブ間に順に電圧信号を印加し、信号減衰を測定することで測定される。よってこれによりプローブの露出部分間で、水が氷に変わる際に変わる水のコンダクタンスを測定できる。典型的には、プローブはDC信号によって作動されるものであって、交替で作動させられ、相対的なコンダクタンスが一対一で、かつ異なるペア間で、例えば、最初にプローブ20と21の間のコンダクタンス、次にプローブ20と21の間のコンダクタンス、さらにプローブ21と22の間のコンダクタンスが特定される。このサイクルは繰り返し可能である。
【0036】
電気信号強度が測定され、アルゴリズムを用いてコンダクタンスが決定される。信号強度からコンダクタンスを決定するアルゴリズムは公知であり、例えばDC信号強度の減衰を予想されるコンダクタンスと関連付ける。これには一般的にマイクロコントローラが用いられるが、DCであるなしにかかわらず、他のタイプのコントローラであってもよい。
【0037】
氷の発生は、蒸発器または冷却器コイル20の表面から始まる。育っていくとやがて第1のプローブ20に達し、プローブ20における氷の存在が、プローブ20と21の間およびプローブ20と22の間のコンダクタンスの監視により検知される。コンダクタンスは氷がプローブ20上で育つにつれて変化し始める。
【0038】
その後冷却は、氷が第2および第3位置のプローブの位置によって規定された厚さに達するまで、すなわちこれらのプローブに達するまで続く。よって第2および第3のプローブは、最も好ましくは冷却コイルと分配パイプの間の位置に配置されており、そこまで氷が達することが許されている。氷がプローブ21と22(これらは冷却コイルからほぼ等距離であり得ることを想起されたし)に到達した時、3組のプローブ間のコンダクタンスが変化する。このコンダクタンスの変化が、水が液体から固体すなわち氷に状態変化したことを示す。これが検知され、冷却をオフにするのに用いられる。
【0039】
この最初の冷却サイクルが終了した後も、プローブは相互間のコンダクタンスを監視し続ける。これは氷の厚さを作動中ずっと監視し続ける。氷が溶けて分配パイプから後退し始めると、氷がプローブ21と22の周囲に存在しなくなった時にポイントに達し、コンダクタンスの変化によってこれが検知される。すると冷却機構が再びオンとなり氷の量が増え、これが繰り返されて氷の量を安定的に制御可能な範囲に保つ。
【0040】
他の実施の形態では、圧縮機(冷却器機構)が再びオンにされるまでに、氷がプローブ20を越えて後退することが許される。これは圧縮機のオンオフ信号の数を減らし、圧縮機の短期サイクルの数を減らすためである。
【0041】
氷の厚さは装置の作動中継続的に監視されてもよいし、装置が電源オンだが例えばスタンバイモードである時に監視されてもよい。
【0042】
分配装置の作動中に、もしも第2と第3のプローブ21、22が液体の水に暴露されたら、すなわち氷が溶けて厚さが減少し始めたら、コンダクタンスの変化を監視しているマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラによってこれが検知される。これは冷却システムをオンにし失われた氷の厚さを補うための信号として用いられる。氷は周囲環境への熱伝達によって失われるので、冷水送出を最大化するために、氷の厚さは本発明の実施の形態によって継続的に監視されるものとできる。
【0043】
氷が分配パイプに向けて許容された距離まで広がったことを正しく監視するためには、3つのプローブを用いることが望ましい。仮に第2のプローブが1つだけだと、望みの方向での全体的な氷の生成ではなく、氷の厚さにおける局所的変化のスパイクを監視することになりかねない。よって本発明の実施の形態は、好ましくは少なくとも3つのプローブを用いる。環境によっては4つ以上のプローブも用いられる。例えば、冷却コイルに最も近い第1のプローブに加えて、氷の分布の均一さをさらに徹底的に測定すべく、冷却コイルからさらに遠くに3つ以上のプローブが用いられていてもよい。
【0044】
さらに、水のTDS(全溶解性蒸発残留物)レベルを測定するのに3つのプローブ構造体が利用可能であり、全3つのプローブの間(すなわちプローブ20からプローブ21、プローブ20からプローブ22、プローブ21とプローブ22の間)の測定値は、信頼度の高いTDSレベルの測定値を得て、これを単一氷厚測定値から区別するのにとても役立つ。
【0045】
水冷却コイルに最も近い2つのプローブが該コイルに対して概ね並行に配置されるものとすることで、望みの厚さまで氷が育ったことをこれらがチェックすることが可能となる。
【0046】
それによって氷のレベルを測定および制御可能な、様々な制御方法が利用可能である。圧縮機は、冷却剤の流れを制御し、よって温度を制御するために用いられる。制御ユニットは、必要に応じて圧縮機にオンオフの指示を与え、氷のレベルを一定に保ち、よって冷却パイプでアイスバスの温度を一定に保つ。これはまた、そこで用いられるアジテータまたはインペラを制御するために用いられてもよい。
【0047】
4つ以上のプローブを含むことも有益たり得る。3つ以上のプローブが4つ目のプローブよりも分配される液体を運ぶパイプの近くに配置されていれば、これらを互いに離間させることで、使用者は氷厚が均一であるかをチェックできる。
【0048】
冷却コイルおよび分配される液体を運ぶパイプは、図示のものとは違う配置であってもよい。いかなる配置であろうと、プローブは両者の間にあって、少なくとも1つのプローブが他のものより冷却コイルに近いものでなくてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8