(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】腕時計の着用者にメッセージを同報通信するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G04C 3/00 20060101AFI20220216BHJP
G04G 21/00 20100101ALI20220216BHJP
【FI】
G04C3/00 B
G04G21/00 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020132158
(22)【出願日】2020-08-04
【審査請求日】2020-08-04
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-リュック・バザン
(72)【発明者】
【氏名】パウロ・ブラーヴォ
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-128351(JP,A)
【文献】特開2014-029272(JP,A)
【文献】特開2018-191228(JP,A)
【文献】特表平09-506966(JP,A)
【文献】特表2009-536467(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0341568(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105701673(CN,A)
【文献】特開2013-079961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00-99/00
G04C 1/00-99/00
G04R 20/00-60/14
G04B 1/00-99/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計(2)の着用者にメッセージ(16)を同報通信するための方法であって、前記腕時計(2)の文字盤(4)の開口(5)に表示される図形表現(8)を電子デバイス(3)によってデジタル化するステップ(22)と、前記デジタル化された図形表現(8)と結合された前記メッセージ(16)を前記電子デバイス(3)によって送信するステップ(24)とを含み、
前記送信ステップ(24)は、前記メッセージ(16)を含むデジタル・ファイル(7)の位置に関するデータを含む二進情報シーケンスを獲得するために、前記図形表現(8)に含まれているマトリックス・コードを復号するサブ・ステップ(25)を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記文字盤(4)の前記開口(5)に前記図形表現(8)を表示するステップ(20)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表示ステップ(20)は、前記腕時計(2)の少なくとも1つの制御部材(10)の起動を含む、前記開口(5)に表示される前記図形表現(8)を選択するサブ・ステップ(21)を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記デジタル化ステップ(22)は、前記電子デバイス(3)の収集モジュール(15)が前記文字盤(4)の前記開口(5)に置かれた前記図形表現(8)に対向して配置されるよう、前記腕時計(2)の直ぐ近傍における前記電子デバイス(3)の配置を含む、前記図形表現(8)を獲得するサブ・ステップ(23)を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記送信ステップ(24)は、メッセージ・データを含むデジタル・ファイル(7)を信頼できる第三者のサーバ(6)によって前記電子デバイス(3)に送信するサブ・ステップ(27)を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記送信ステップ(24)は、前記メッセージ(16)のための同報通信信号を生成するフェーズ(29)を含む、メッセージ・データを処理するサブ・ステップ(28)を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記処理サブ・ステップ(28)は、前記同報通信信号を前記電子デバイス(3)の同報通信インタフェースに送信するフェーズ(30)を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
腕時計(2)の着用者にメッセージ(16)を同報通信するための、前記腕時計(2)、および互いに通信することができる、電子デバイス(3)およびメッセージ(16)の信頼できる第三者プロバイダのサーバ(6)
の要素を備えるシステム(1)であって、前記腕時計(2)は、開口(5)を備えた文字盤(4)を備え、前記開口(5)に、前記電子デバイス(3)によって同報通信することができる前記メッセージ(16)に関連する図形表現(8)が表示され、前記図形表現(8)は、前記メッセージ(16)を含むデジタル・ファイル(7)の位置に関するデータを含む二進情報シーケンスを獲得するために復号されるマトリックス・コードを含むことを特徴とする、システム(1)。
【請求項9】
開口(5)を備えた文字盤(4)を備える腕時計(2)であって、前記開口(5)に、電子デバイス(3)によって同報通信することができるメッセージ(16)に関連する図形表現(8)が表示され、
前記図形表現(8)は、前記メッセージ(16)を含むデジタル・ファイル(7)の位置に関するデータを含む二進情報シーケンスを獲得するために復号されるマトリックス・コードを含むことを特徴とする、腕時計(2)。
【請求項10】
コンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラムが電子デバイス(3)およびメッセージ(16)の信頼できる第三者プロバイダのサーバ(6)の処理ユニット(12、13)によって実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するためのプログラム・コード命令を含むコンピュータ・プログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計の着用者にメッセージを同報通信するための方法、およびこのような方法を実現するシステムに関する。
【0002】
本発明は、コンピュータ・プログラムに加えて、同報通信されるメッセージに関連する図形表現を表示する文字盤を備える腕時計にさらに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、時計によるメッセージの送信には異なる方法が含まれている。例えば着用者およびメッセージの受信者が時計を所有していることを条件として、その人によって見られるよう、このようなメッセージをブレスレットなどの時計の一部の上に印刷することからなる方法が知られている。時計の構成部品、例えば文字盤に含まれているスクリーンによってこのメッセージを送信するように設計された他の方法も同じく知られており、このような方法は、このメッセージを同報通信するために、遠隔サーバと、このスクリーンを備えた前記時計との間で遠隔通信するための技術を実現している。
【0004】
しかしながらこのような方法には、このようなメッセージを送信する際の安全保護および機密性に関連する大きな欠点がある。より特定的には、時計の着用者以外の個人がこの時計を所有している場合、その人もこのメッセージを同じく見ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
とりわけ従来技術の欠点を克服する代替解決法を見出す必要があることが理解される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明は、腕時計の着用者にメッセージを同報通信するための方法であって、前記腕時計の文字盤の開口に表示される図形表現を電子デバイスによってデジタル化するステップと、前記デジタル化された図形表現と結合されたメッセージを前記電子デバイスによって送信するステップとを含む方法に関している。
【0007】
他の実施形態では、
- 方法は、文字盤の開口に前記図形表現を表示するステップを含む。
- 表示ステップは、前記腕時計の少なくとも1つの制御部材の起動を含む、前記開口に表示される図形表現を選択するサブ・ステップを含む。
- デジタル化ステップは、電子デバイスの収集モジュールが文字盤の開口に置かれたこの図形表現に対向して配置されるよう、腕時計の直ぐ近傍における電子デバイスの配置を含む、図形表現を獲得するサブ・ステップを含む。
- 送信ステップは、前記メッセージを含むデジタル・ファイルの位置に関するデータを含む二進情報シーケンスを獲得するために、図形表現に含まれているマトリックス・コードを復号するサブ・ステップを含む。
- 送信ステップは、前記デジタル・ファイルの位置に関するデータを含む二進情報シーケンスから、メッセージ・データを含むデジタル・ファイルを獲得する要求を電子デバイスによって生成するサブ・ステップを含む。
- 送信ステップは、メッセージ・データを含むデジタル・ファイルを信頼できる第三者のサーバによって電子デバイスに送信するサブ・ステップを含む。
- 送信ステップは、メッセージのための同報通信信号を生成するフェーズを含む、メッセージ・データを処理するサブ・ステップを含む。
- 処理サブ・ステップは、この同報通信信号を電子デバイスの同報通信インタフェースに送信するフェーズを含む。
【0008】
本発明は、腕時計の着用者にメッセージを同報通信するためのシステムであって、前記腕時計、および互いに通信することができる、電子デバイスおよび信頼できる第三者メッセージ・プロバイダのサーバなどの要素を備えるシステムにさらに関しており、前記腕時計は、開口を備えた文字盤を備え、この開口に、電子デバイスによって同報通信することができる前記メッセージに関連する図形表現が表示される。
【0009】
本発明は、開口を備えた文字盤を備える腕時計にさらに関しており、この開口に、電子デバイスによって同報通信することができるメッセージに関連する図形表現が表示される。
【0010】
本発明は、コンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・プログラムが電子デバイスの処理ユニットおよび信頼できる第三者メッセージ・プロバイダのサーバの処理ユニットによって実行されると、この方法のステップを実行するためのプログラム・コード命令を含むコンピュータ・プログラムにさらに関している。
【0011】
以下、本発明について、全く非限定の一例として与えられる添付の図面を使用してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態による、腕時計の着用者にメッセージを同報通信するためのシステムを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態による、前記腕時計の開口に含まれた図形表現を備えるシステムの腕時計を示す図である。
【
図3】腕時計の着用者にメッセージを同報通信するために互いに協同するシステムの電子デバイスおよび腕時計を示す図である。
【
図4】腕時計の着用者にメッセージを同報通信するための方法に関するフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、腕時計2の着用者に電子デバイス3によってメッセージを同報通信するためのシステム1を示したもので、メッセージは、このシステム1の中で実現された前記腕時計2の文字盤4の上/中に含まれている、前記メッセージ16に関連する少なくとも1つの図形表現8をそれによって収集した後に同報通信される。
【0014】
このシステム1は、
- 腕時計2
- 電子デバイス3
- 腕時計2の着用者に同報通信することができるメッセージ16に関連する複数の電子ファイル7を備えたデータベース9を含む、メッセージ16の信頼できる第三者プロバイダのサーバ6、ならびに
- 電子デバイス3およびサーバ6を互いに接続する有線および/または無線ネットワーク・アーキテクチャ
を備えている。
【0015】
したがってこのようなシステム1によれば、
図2および
図3に示されている腕時計2の着用者は、電子デバイス3によって同報通信される可視および/または可聴メッセージ16を受け取ることができ、前記メッセージ16は、腕時計2の文字盤4の上/中に存在する図形表現8と結合されている。このような腕時計2は、文字盤4、例えばハイブリッド・ディスプレイ文字盤4を備えており、したがって第1のアナログ・ディスプレイ構成要素、および第2のデジタルおよび/または英数字ディスプレイ構成要素を備えることができる。この腕時計2は、触覚クリスタル、クラウンおよび押しボタンをさらに備えることができ、これらの各々は、この腕時計2の様々な機能を実現するために、この腕時計2のための制御部材10として作用している。この腕時計2では、図形表現8には、開口5を形成している腕時計2の文字盤4の中に画定された開口5の中に表示されることが意図されていることが好ましい。より特定的には、この図形表現8は、詳細にはコマンドで、文字盤4の開口5中のその表面に含まれている図形表現8を配置するために、文字盤4に対して配置されたこの腕時計2の円板11の上に含まれている。この円板11は、図形表現8に加えて、異なる、または同様のホロメトリック情報に関連する記号をその表面に備える日付板11などの回転/可動円板11であることが好ましい。このホロメトリック情報は、例えば日付、年間サイクル数、さらには現在の月名を含むことができる。図形表現8およびこれらの記号が定義される円板11のこの表面は、文字盤4の背面すなわち目に見えない面に対向して置かれていることに留意されたい。さらに、この腕時計2の制御部材10は、腕時計2が機械式ムーブメントを備えている場合、回転円板11に運動学的にリンクされることが好ましく、さらには腕時計2が電子ムーブメントを備えている場合、この円板11に電子的にリンクされることが好ましい。
【0016】
この実施形態では、この回転円板11は、現在の月の日付を表す31個の位置、および第1の位置と31番目の位置の間に置かれた、図形表現8を含む32番目の位置を含む32個の連続する位置に分割することができる。
【0017】
この図形表現8は
図2で見ることができ、マトリックス・コードを含んでいる。このマトリックス・コードは、二次元バー・コードまたは三次元バー・コードであってもよい。このマトリックス・コードは、例えばQRコード(登録商標)、さらにはデータ・マトリックス・コードを含むことができる。このマトリックス・コードは、符号化され/暗号化される二進情報シーケンスを含んでいる。図形表現8では、マトリックス・コードは、メッセージ16データを含むデジタル・ファイル7の位置に関するデータを含む二進情報シーケンスを含んでいる。言い換えると、二進情報シーケンスのこのデータは、この実施形態では、デジタル・ファイル7をサーバ6から回復することができるハイパーリンクに関している。このようなデータは、別の実施形態では、このデジタル・ファイル7を識別するための要素であってもよく、この識別要素を含む要求を受け取ると、サーバ6による電子デバイス3へのこのファイル7の送信を許容することができることが理解される。この要求は、電子デバイス3によって最初に生成され、かつ、サーバ6へ送信されることは言うまでもない。
【0018】
したがってデジタル・ファイル7に含まれているこのようなメッセージ16は、サーバ6によってこの電子デバイス3へ送信される。したがってこのようなサーバ6は、電子デバイス3によって同報通信することができるメッセージ16、および任意選択でこれらのデジタル・ファイル7の各々に対する識別要素に関するデジタル・ファイル7を含むデータベース9を備えている。このサーバ6は、ハードウェア資源およびソフトウェア資源を備えた処理ユニット13をさらに備えており、詳細には、記憶素子と協同する少なくとも1つのプロセッサを備えている。サーバ6は、セルラ電話ネットワーク、電話ネットワークを介したIPタイプのデータ・ネットワーク、または有線Ethernetタイプ・ネットワークを介したIPタイプのデータ・ネットワークを介してデータを遠隔で受信し、送信するための通信ユニットをさらに備えている。
【0019】
このシステム1では、電子デバイス3によるメッセージ16の同報通信は、詳細にはこのサーバ6からの発信であるWebアプリケーション・データおよび内容のデータ・ストリームおよび内容をもたらすことが理解される。
【0020】
さらに、このシステム1における電子デバイス3は、例えばコンピュータ、スマートフォン、端末さらにはタブレットを備えることができる。このような電子デバイス3は、移動型および/または携帯型および/またはコンパクトであってもよい。この電子デバイス3は、非制限で、および/または非排他的に、
- ハードウェア資源およびソフトウェア資源を含む処理ユニット13、詳細には記憶素子と協同する少なくとも1つのプロセッサ
- スクリーンまたは拡声器タイプの音響モジュールなどのメッセージ16を同報通信するためのインタフェース14
- データ交換17を実施するために、電子デバイス3による、信頼できる第三者のサーバ6との通信接続の確立を可能にする通信インタフェース
- キーボードさらには接触感応インタフェースなどの選択インタフェース、ならびに
- 詳細には、例えばCCDセンサ(電荷結合技術)さらにはいわゆるCMOSセンサを備えることができるマトリックス・イメージ・センサとも呼ばれる少なくとも1つのイメージ・センサを備える、少なくとも1つの画像を獲得するためのモジュール15
を含む。
【0021】
この電子デバイス3では、処理ユニット13は、とりわけ同報通信インタフェース14、通信インタフェース、収集モジュール15および選択インタフェースに接続されている。この電子デバイス3の通信インタフェースは、セルラ電話ネットワーク、電話ネットワークを介したIPタイプのデータ・ネットワーク、または中間距離ネットワーク、例えばWI-FI、またはBluetooth技術を実現する短距離ネットワークを介したIPタイプのデータ・ネットワークを介してデータを遠隔で受信し、送信するための通信要素を備えている。
【0022】
収集モジュール15では、個々のイメージ・センサは、光感応イメージ・ドット(すなわちピクセル)のマトリックスを備えている。このドット・マトリックスは、本明細書においては「ピクセル・アレイ」とも呼ばれ、光に対する感度が優れたN×M個のユニット・ピクセルを備えている。収集モジュール15は、電子デバイス3の処理ユニット13に接続されたアナログ-デジタルAD変換器をさらに備えている。
【0023】
図3を参照すると、このようなシステム1は、腕時計2の着用者にこのメッセージ16を同報通信するための方法を実現することができる。この方法は、文字盤4の開口5に前記図形表現8を表示するステップ20を含む。このようなステップ20は、前記腕時計2の少なくとも1つの制御部材10の起動を含む、前記開口5に表示される図形表現8を選択するサブ・ステップ21を含む。このサブ・ステップ21の間、前記少なくとも1つの部材10を起動することにより、回転円板11が文字盤4に対して、詳細にはこの文字盤4に画定された開口5に対して変位し/開口5に対する回転円板11の変位が生成される。回転円板11のこの変位は、前記少なくとも1つの図形表現8をこの開口5の中に、あるいはこの開口5と対向して配置することができる位置に達するまで実施される。言い換えると、回転円板11が現在の月の日付を表す31個の位置、および第1の位置と31番目の位置の間に置かれた、図形表現8を含む32番目の位置を有する32個の連続する位置に分割されると、この32番目の位置が開口5と対向して置かれるまで回転円板11の変位が実施される。この32番目の位置が開口5と対向して配置されると、円板11上に含まれている図形表現8をこの開口5を介して文字盤上で見ることができる。
【0024】
方法は、次に、開口5に表示された図形表現8を電子デバイス3によってデジタル化するステップ22を含む。このステップ22は、収集モジュール15が文字盤4の開口5に置かれたこの図形表現8に対向して配置されるよう、腕時計2の直ぐ近傍における電子デバイス3の配置を含む、この図形表現8を獲得するサブ・ステップ23を含む。このサブ・ステップ23の間、ピクセル・アレイは、図形表現8から生じる少なくとも1つの画像を検出し、したがってこの表現8に関するアナログ信号を生成する。次に、収集モジュール15のアナログ-デジタル変換器は、このピクセル・アレイから生じるこれらのアナログ信号をデジタル信号に変換し、これらのデジタル信号は、電子デバイス3の処理ユニット13へ送信される。
【0025】
次に、この方法は、前記図形表現8と結合されたメッセージ16を前記電子デバイス3を介して送信するステップ24を含む。この目的のために、このステップ24は、メッセージ・データを含むデジタル・ファイル7の遠隔位置に関するデータを含む二進情報シーケンスを獲得するために、図形表現8に含まれているマトリックス・コードを復号するサブ・ステップ25を含む。このサブ・ステップ25の間、処理ユニット13は、このデジタル・ファイル7の位置に関するデータを含む二進情報シーケンスを獲得するために、復号アルゴリズムを前記デジタル信号に適用する。これらの二進情報シーケンスは、この実施形態ではハイパーリンクを含んでいることが好ましい。
【0026】
この送信ステップ24は、次に、前記デジタル・ファイル7の位置に関するデータを含む二進情報シーケンスから、前記メッセージ・データを含むデジタル・ファイル7を獲得する要求を電子デバイス3によって生成するサブ・ステップ26を含む。この要求は、このサブ・ステップ26の間、この実施形態では詳細にはハイパーリンクから生成される。
【0027】
この送信ステップ24は、デジタル・ファイル7を信頼できる第三者のサーバ6によって電子デバイス3に送信するサブ・ステップ27をさらに含む。このサブ・ステップ27の後、電子デバイス3の処理ユニット13は、この送信ステップ24の間、メッセージ16のための同報通信信号を生成するフェーズ29、およびこの同報通信信号を電子デバイス3の同報通信インタフェース14に送信するフェーズ30を含む、前記デジタル・ファイル7に含まれているメッセージ・データを処理するサブ・ステップ28を実現する。この送信ステップ24は、次に、受け取った同報通信信号からメッセージ16を生成するサブ・ステップ31を含む。したがってこのようにして生成されたこのメッセージ16は、
- 音響メッセージ16に対応する音響ストリーム
- 二次元または三次元写真タイプのメッセージ16、あるいは二次元または三次元図形タイプのメッセージ16に対応する光ストリーム
- 二次元または三次元ビデオ・タイプのメッセージ16に対応する光ストリーム、あるいは、
- 音響-ビデオ・メッセージ16に対応する同時音響および光ストリーム
を含む。
【0028】
さらに、メッセージ16は、着用者に特化された機密データまたは専用データに同じく対応し、個別化されたサービスにアクセスするために使用され得ることに留意されたい。このデータは、例えば、銀行サーバなどの機密保護サーバとの認証のため、あるいは署名および/または暗号化された電子メールを送り、受け取るための機密保護メッセージ発信サービスのために、腕時計と会社の専用ネットワークとの間の安全な接続を生成するために使用されるキー、認可証、確認コード、パスワードおよび個人コードである。
【0029】
方法は、電子デバイス3とサーバ6の間で実施されるデータ交換17の間、それらの間に安全な接続を確立するために提供することができることが分かる。
【0030】
本発明は、コンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・プログラムがサーバ6および電子デバイス3の処理ユニット12、13によって実行されると、上で説明した方法のステップを実行するためのプログラム・コード命令を含むコンピュータ・プログラムにさらに関している。
【0031】
本発明は、示されている例に限定されず、当業者には明らかであると思われる様々な代替および変更をそれらに加えることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0032】
1 システム
2 腕時計
3 電子デバイス
4 文字盤
5 開口
6 サーバ
7 電子ファイル(デジタル・ファイル)
8 図形表現
9 データベース
10 制御部材
11 円板
12 処理ユニット
13 処理ユニット
14 同報通信インタフェース
15 収集モジュール
16 メッセージ
17 データ交換
20 文字盤4の開口5に図形表現8を表示するステップ
21 開口5に表示される図形表現8を選択するサブ・ステップ
22 開口5に表示された図形表現8を電子デバイス3によってデジタル化するステップ
23 図形表現8を獲得するサブ・ステップ
24 図形表現8と結合されたメッセージ16を電子デバイス3を介して送信するステップ
25 メッセージ・データを含むデジタル・ファイル7の遠隔位置に関するデータを含む二進情報シーケンスを獲得するために、図形表現8に含まれているマトリックス・コードを復号するサブ・ステップ
26 デジタル・ファイル7の位置に関するデータを含む二進情報シーケンスから、前記メッセージ・データを含むデジタル・ファイル7を獲得する要求を電子デバイス3によって生成するサブ・ステップ
27 デジタル・ファイル7を信頼できる第三者のサーバ6によって電子デバイス3に送信するサブ・ステップ
28 デジタル・ファイル7に含まれているメッセージ・データを処理するサブ・ステップ
29 メッセージ16のための同報通信信号を生成するフェーズ
30 同報通信信号を電子デバイス3の同報通信インタフェース14に送信するフェーズ
31 受け取った同報通信信号からメッセージ16を生成するサブ・ステップ