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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】レーダーにおける角度分解能
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/02 20060101AFI20220216BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20220216BHJP
   G01S 13/34 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
G01S7/02 210
G01S13/931
G01S13/34
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020175122
(22)【出願日】2020-10-19
(62)【分割の表示】P 2019011142の分割
【原出願日】2014-09-29
(65)【公開番号】P2021009161
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2020-11-17
(31)【優先権主張番号】14/329,446
(32)【優先日】2014-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】4825/CHE/2013
(32)【優先日】2013-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】サンディープ ラオ
(72)【発明者】
【氏名】サウラブ カンナ
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-112749(JP,A)
【文献】特開2008-151583(JP,A)
【文献】特開平11-287857(JP,A)
【文献】特開平05-180923(JP,A)
【文献】特許第4844566(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第102729143(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0098703(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0285315(US,A1)
【文献】特許第6782312(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 3/00 - G01S 3/74
G01S 7/00 - G01S 7/42
G01S 13/00 - G01S 13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナのリニアアレイと前記アンテナのリニアアレイの少なくとも1つのアンテナから所定のオフセットにある付加的なアンテナとを含むアンテナユニットから信号を受信して処理する信号処理ユニットであって、
前記アンテナのリニアアレイにおいて障害物から受信される信号から前記障害物に関連する方位角周波数を推定し、
前記障害物に関連する前記推定された方位角周波数と前記アンテナのリニアアレイにおいて前記障害物から受信される前記信号とから前記障害物に関連する複素振幅を推定し、
前記障害物に関連する前記推定された複素振幅と前記付加的なアンテナにおいて前記障害物から受信される信号とから前記障害物に関連する複素フェーザを推定し、
前記障害物に関連する前記推定された複素フェーザと前記障害物に関連する前記推定された方位角周波数とから前記障害物に関連する方位角と仰角とを推定する、
ように構成される、信号処理ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の信号処理ユニットであって、
前記障害物が前記アンテナユニットに対して固定距離と固定相対速度とを有する、信号処理ユニット
【請求項3】
請求項1に記載の信号処理ユニットであって、
前記障害物に関連する複素振幅の推定が最小二乗推定と加重最小二乗推定との一方である、信号処理ユニット
【請求項4】
請求項1に記載の信号処理ユニットであって、
前記障害物に関連する前記複素フェーザの推定が最小二乗推定と加重最小二乗推定との一方である、信号処理ユニット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全般的にレーダーに関し、特にレーダーにおける角度分解能に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、車両の背後の障害物を検出するために駐車センサーを有し得る。駐車センサーは、車両をバックさせるとき、超音波信号を用いて障害物から車両までの距離を判定する。このような駐車センサーは超音波周波数において動作する。駐車センサーは、車両の後部の背後に障害物があるか否かを検出するために超音波検出信号を出力し、障害物からの応答において超音波信号を受信する。1つの例では、車両が、車両の後部全体を網羅するように多数の駐車センサーを有する。その場合、相対的にコストが高くなる。また、超音波駐車センサーは、各センサーが規定された時間スロットにおいて超音波検出信号を送信及び受信する、時分割障害物検出技術を用いる。それゆえ、超音波センサーを用いて障害物を検出するプロセスは時間がかかり、時間がかかることは、高速で移動する車両において安全ではない。
【0003】
超音波駐車センサーでは、トランスデューサを設置するために、車両のバンパーにおいて孔が測定され穿孔される。バンパーに穿孔しトランスデューサを取り付けることにリスクが付随する。超音波センサーの性能は、温度、及び雪や雨などの大気条件の影響を受けやすい。センサーが雪に覆われると、超音波センサーの性能は大きく低下する。また、超音波センサーは動作レンジが限定されている。
【0004】
自動車用途におけるレーダーの使用が急速に発展している。レーダーは、超音波センサーと同様の欠点を有さない。レーダーは、衝突警告、死角警告、レーン変更アシスト、駐車アシスト、及び後部衝突警告等の多くの車両用途において有用である。例としては、パルスレーダー、及びFMCW(frequency modulation continuous wave(周波数変調連続波))レーダーが含まれる。
【0005】
パルスレーダーでは、レーダーは、固定間隔でパルスの形で信号を送信する。送信されたパルスを障害物が散乱させ、散乱されたパルスがレーダーによって受信される。パルスの送信と散乱されたパルスの受信との間の時間は、レーダーからの障害物の距離に比例する。一層良好なレンジ分解能のために、一層狭いパルスが、パルスレーダーのためのADC(アナログデジタルコンバータ)において高速サンプリングレートで用いられる。またパルスレーダーの感度はパワーに直接的に比例し、それがパルスレーダーの設計を複雑化させる。
【0006】
FMCWレーダーにおいて、送信チャープを生成するように、送信信号が周波数変調される。障害物が送信チャープを散乱させ、散乱されたチャープがFMCWレーダーによって受信される。送信されたチャープと受信された散乱チャープとを混合することによってビート信号が得られる。ビート信号の周波数は、FMCWレーダーからの障害物の距離に比例する。ビート信号はアナログデジタルコンバータ(ADC)によってサンプリングされる。ADCのサンプリングレートは、ビート信号の最大周波数に比例し、ビート信号の周波数は、FMCWレーダーによって検出され得る最も遠い障害物のレンジに比例する。従って、パルスレーダーにおいて、FMCWレーダーにおけるADCのサンプリングレートはレンジ分解能に依存しない。
【0007】
しばしば、FMCWレーダーでは、複数のチャープがフレーム単位で送信される。障害物のレンジ及び相対速度推定のために或るフレームにわたって受信されたサンプリングされたビート信号データに、2次元(2D)FFTが実施される。ビンは、障害物のレンジ及び相対速度推定に対応する2D FFTグリッドである。特定のビンにおいて検出される信号が、所定のレンジ及び相対速度を備える障害物の存在を表す。散乱チャープを受信するために複数の受信アンテナが用いられるとき、FMCWレーダーは、障害物の仰角、及び障害物の方位角を推定する。各フレームにおいて、受信アンテナから受信されるデータを用いて2D FFTが、計算される。従って、2D FFTの数は、受信アンテナの数に等しい。2D FFTグリッドの特定のビンにおいて障害物が検出されると、受信アンテナの各々に対応する特定のビンの値は、障害物の方位角及び仰角を推定するために用いられる。
【0008】
FMCWレーダーは、障害物を、レンジ、相対速度、及び角度の次元において弁別する。障害物の位置を正確に推定するために、障害物は、これらの次元のいずれか1つにおいて弁別される。FMCWレーダーから同じ距離に複数の障害物が位置する場合、及びそれらが同じ相対速度で移動する場合、FMCWレーダーはこれらの障害物を角度次元において弁別する。
【0009】
従って、角度推定は、FMCWレーダーの性能を判定する際に重要なファクタである。角度推定の分解能及び正確性は、FMCWレーダーにおけるアンテナユニットの数に直接的に比例する。FMCWレーダーが広範な用途に用いられるので、それらの設計は一層コスト重視になる。各アンテナは、散乱チャープを受信するための別個のレシーバパス(増幅器、ミキサー、ADC、及びフィルタを含む)を有し、そのため、FMCWレーダーに用いられるアンテナの数は、FMCWレーダーの全コストを決定する際の重要なファクタである。
【発明の概要】
【0010】
障害物の位置を推定するためのレーダー装置の説明される例において、受信アンテナユニットが、アンテナのリニアアレイ、及びアンテナのリニアアレイの少なくとも1つのアンテナから所定のオフセットにある付加的なアンテナを含む。信号処理ユニットが、アンテナのリニアアレイにおいて障害物から受信する信号から、障害物の各々に関連する方位角周波数を推定する。信号処理ユニットは、各障害物に関連する推定された方位角周波数から、各障害物に関連する方位角及び仰角を推定する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】レーダー装置における受信アンテナユニットを図示する。
【0012】
図2(a)】レーダー装置を図示する。
【0013】
図2(b)】レーダー装置の動作を図示する。
【0014】
図2(c)-1】送信アンテナTx1及びTx2が同時に送信するレーダー装置における送信アンテナユニットのビーム幅を図示する。
【0015】
図2(c)-2】送信アンテナTx1が送信していて、送信アンテナTx2が送信していない、レーダー装置の送信アンテナユニットのビーム幅を図示する。
【0016】
図2(c)-3】送信アンテナTx2が送信していて、送信アンテナTx1が送信していない、レーダー装置の送信アンテナユニットのビーム幅を図示する。
【0017】
図3】レーダー装置を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
同時継続中の特許出願、米国出願番号US14/329,446を参照として本明細書に組み込む。
【文献】米国出願番号US14/329,446
【0019】
図1は、レーダー装置における受信アンテナユニット100を示す。少なくとも1つの例において、受信アンテナユニット100はレーダー装置に組み込まれ、レーダー装置は産業又は自動車用途に更に組み込まれる。受信アンテナユニット100はアンテナのリニアアレイを含む。アンテナのリニアアレイは、a1、a2、a3、及びaN等の複数のアンテナを含み、aNはΝ番目のアンテナであり、Nは整数である。図1の例において、アンテナはa1~aNとして表される。アンテナのリニアアレイa1~aNは、X軸に沿って配置されて示される。アンテナのリニアアレイa1~aNにおいて、隣接するアンテナはスペーシングdによって分離されるので、アンテナa1及びa2は、互いから「d」の距離で置かれる。
【0020】
更に、受信アンテナユニット100は付加的なアンテナb1を含む。付加的なアンテナb1はアンテナのリニアアレイa1~aNの少なくとも1つのアンテナから所定のオフセットにある。所定のオフセットは、図1に示すように、アンテナのリニアアレイa1~aNのアンテナa1から(α、β)である。項αは、Z軸からの付加的なアンテナb1の距離であり、項βは、X軸からの付加的なアンテナb1の距離である。一実施形態において、付加的なアンテナはXZ平面にはなく、XZ平面からの付加的なアンテナb1の垂直距離はγである。一実施形態において、所定のオフセットはλ/2の倍数であり、λは受信アンテナユニット100の動作波長である。一実施形態において、dはλ/2であり、αはλ/4であり、βはλ/2であり、γは0である。一実施形態において、アンテナのリニアアレイにおけるアンテナ間のスペーシングdはλ/2の倍数である。
【0021】
理解し易くするため、アンテナのリニアアレイが3つのアンテナ(a1、a2、及びa3)を有する実施形態を考える。下記の式(1)は、受信アンテナユニット100において障害物102から受信する信号の数学的表現である。式(1)における信号「r」は、信号処理ユニットが、受信アンテナユニット100によって受信した信号を処理した後に得られる信号を表す。一実施形態において、信号「r」は、受信アンテナユニット100における各アンテナにおいて障害物から受信した信号に2D FFTを実施した後に得られる信号を表す。
ここで、wは方位角周波数であり、Aは障害物に対応する複素振幅である。項Ψは、付加的なアンテナb1における位相であり、下記式によって得られる。
ここで、wは仰角周波数である。項w及びwは次のように定義される。
【0022】
式(1)において、成分e-jwxは、アンテナa1の結果としての因数を表し、成分e-j2wxは、アンテナa2の結果としての因数を表し、成分e-jψは、アンテナb1の結果としての因数を表す。角度104(Θ)は、障害物102とアンテナユニット100との間の方位角を表す。角度108(φ)は、障害物102とアンテナユニット100との間の仰角を表す。方位角(Θ)104は、Y軸と、XY平面上でのアンテナa1から障害物102へのベクトルの投射との間の角度である。仰角(φ)108は、アンテナa1から障害物102へのベクトルとXY平面との間の角度である。少なくとも1つの例において、受信アンテナユニット100は、受信アンテナユニット100から固定距離にあり、レーダー装置に対して同じ相対速度を有する、複数の障害物の位置を推定するために用いられる。1つの例において、受信アンテナユニット100は、異なる距離にあり、レーダー装置に対して異なる相対速度を有する、複数の障害物の位置を推定するために用いられる。例えば、受信アンテナユニット100は、Aがレーダー装置から1mにあり、Bがレーダー装置から1.2mの位置にあり、Aの相対速度が5m/sであり、Bの相対速度が4.5m/sである、2つの障害物A及びBの位置を推定するために用いられる。付加的な例において、受信アンテナユニット100は、2D FFTグリッドの異なるビンで検出されるが2D FFTドメインにおけるそれらの信号が互いに干渉し合う、2つの障害物の位置を推定するために用いられる。例えば、第1の障害物(2D FFTグリッドの第1のビンにおいて検出される)が、第2のビンにおいて、第1の障害物を表す減衰された信号を有し得る。この減衰された信号は、第2のビンにおいて検出される第2の障害物の位置推定に干渉する。一実施形態において、受信アンテナユニット100は、アンテナのリニアアレイa1~aNがN個のアンテナを有するとき最大(N-1)個の障害物の位置を推定する。
【0023】
図2(a)はレーダー装置200を示す。レーダー装置200は、送信アンテナユニット205、受信アンテナユニット210、及び信号処理ユニット215を含む。受信アンテナユニット210は、接続及び動作において、受信アンテナユニット100と同様である。
【0024】
レーダー装置200は、障害物を、レンジ、相対速度、及び角度の次元において弁別する。障害物の位置を正確に推定するために、障害物は、これらの次元の任意の1つにおいて弁別される。従って、複数の障害物が、レーダー装置200から同じ距離に配置され、レーダー装置200に対して同じ相対速度を有する場合、レーダー装置200は、これらの障害物を角度次元において弁別する。レーダー装置200は、レーダー装置200から固定距離における、レーダー装置200に対して固定相対速度を有する、複数の障害物の位置を推定する。一実施形態において、レーダー装置200は、複数の障害物の位置を推定し、障害物の各々はレーダー装置200から異なる距離にある。
【0025】
図2(b)は、障害物「m」255及び「n」260の例を用いて、レーダー装置200の動作を示す。この例において、受信アンテナユニット210(図2(a))は、アンテナのリニアアレイを形成する3つのアンテナa1、a2、及びa3、及び付加的なアンテナb1を含む。項θ265は障害物「m」255に関連する方位角であり、項φ270は障害物「m」255に関連する仰角である。同様に、項θ275は障害物「n」260に関連する方位角であり、項φ280は障害物「n」260に関連する仰角である。図2(b)に示すように、方位角θ275は負の方向における角度として解釈される。
【0026】
送信アンテナユニット205は、RF(無線周波数)信号を送信するように構成され、受信アンテナユニット210は、障害物「m」255及び「n」260からの散乱信号を受信する。送信されるRF信号は、トランスミッタによって生成されるRF信号の複数のフレームを含み、受信される散乱RF信号は、障害物から受信する信号の複数のフレームを含む。受信アンテナユニット210は、フレームにおいて障害物からの信号をトラッキングする。受信アンテナユニット210において、フレーム「k」において、障害物「m」255及び「n」260から受信する信号は次のように表される。
ここで、ra1,ka2,ka3,kb1,kは、それぞれアンテナa1、a2、a3、及びb1において、フレームkにおいて受信した信号である。項ra1,ka2,ka3,kb1,kは、信号処理ユニット215における処理後のそれぞれのアンテナにおいて受信した信号を表す。例えば、一実施形態において、信号ra1,kは、2D FFTの実施後フレームkに対してアンテナa1において障害物「m」255及び「n」260から受け取った信号を表す。項Am,k及びAn,kは、フレームkにおける、それぞれ2つの障害物「m」255及び「n」260の複素振幅である。項wxmは、障害物「m」255に関連する方位角周波数であり、項wxnは、障害物「n」260に関連する方位角周波数である。項Ψmは、付加的なアンテナb1における障害物「m」255に起因する位相を指し、項Ψnは、付加的なアンテナb1における障害物「n」260に起因する位相を指す。また、e-jΨmは、付加的なアンテナb1における障害物「m」255に関連する複素フェーザを指し、e-jΨnは、付加的なアンテナb1における障害物「n」260に関連する複素フェーザを指す。方位角周波数wxm及びwxnは次のように定義される。
【0027】
障害物「m」255に関連する仰角周波数(wzm)、及び障害物「n」260に関連する仰角周波数(wzn)は次のように定義される。
【0028】
付加的なアンテナb1における障害物「m」255に起因する位相(Ψ)、及び付加的なアンテナb1における障害物「n」260に起因する位相(Ψ)は次のように定義される。
ここで、θ265は、障害物「m」255に関連する方位角であり、φ270は、障害物「m」255に関連する仰角である。同様に、θ275は、障害物「n」260に関連する方位角であり、φ280は、障害物「n」260に関連する仰角である。
【0029】
信号処理ユニット215は、障害物から受信する信号から、各障害物に関連する方位角周波数を推定するように構成される。従って、信号処理ユニット215は、アンテナのリニアアレイa1、a2、及びa3において障害物「m」255及び「n」260から受信する信号から、それぞれ障害物「m」255及び「n」260に関連する方位角周波数wxm及びwxnを推定する。方位角周波数の推定は、root-MUSIC(多重信号分類)技術、スペクトルMUSIC技術、及び最大尤度推定に基づく技術等の従来の技術によって実施される。これらの技術を用いることによって、N個のアンテナを備えるレーダー装置がN-1個の障害物の方位角周波数を推定し得る。この推定は、障害物「m」255及び「n」260の各々に関連する、推定方位角周波数wxm及びwxnを提供する。信号処理ユニット215は、障害物に関連する推定方位角周波数から、及び、アンテナのリニアアレイa1、a2、及びa3において障害物から受信する信号
から、各障害物に関連する複素振幅を推定する。従って、信号処理ユニット215は、それぞれ2つの障害物「m」255及び「n」260の複素振幅であるAm,k及びAn,kを、式(4)を用いて次のように推定する。
ここで、pinv(S)はSの疑似逆数である。一実施形態において、pinv(S)は次のように定義される。
pinv(S)=(SS)-1
ここで、Hは共軛転置を指す。pinv(S)を推定することは、式(14)に示すように、2×2行列(SS)を逆にすることを含む。Sはフレーム「k」に依存しない。従って、推定の後、pinv(S)は全ての後続フレームに対して用いられる。項ra1,kはフレームkにおいてアンテナa1で受信される信号を表す。同様にra2,kは、フレームkにおいてアンテナa2で受信される信号を表す。信号処理ユニット215は、各障害物に関連する複素振幅を推定するために、アンテナのリニアアレイa1、a2、及びa3において受信される信号のフレームを用いる。複素振幅は、各フレームに対して推定される。各フレームに対して、アンテナのリニアアレイa1、a2、及びa3で障害物「m」255及び「n」260から受信された信号である、r(1:3)の値が測定される。一実施形態において、フレームkに対して、それぞれ障害物「m」255及び「n」260に関連する複素振幅Am,k及びAn,kの推定は、最小二乗推定である。別の実施形態において、フレームkに対して、それぞれ障害物「m」255及び「n」260に関連する複素振幅Am,k、及びAn,kの推定は、アンテナのリニアアレイの各アンテナにおけるSNR(信号対雑音比)が異なる場合(a1、a2、及びa3におけるSNRが異なる場合、又は、アンテナのリニアアレイa1、a2、及びa3の任意のアンテナにおけるSNRがフレームにわたって変化する場合等)、加重最小二乗推定である。複素振幅の推定は、各フレームに対して、障害物「m」255及び「n」260の各々に関連する推定複素振幅を提供する。
【0030】
信号処理ユニット215は、障害物に関連する推定複素振幅から、及び付加的なアンテナにおいて障害物から受信する信号から、各障害物に関連する複素フェーザを推定する。従って、信号処理ユニット215は、それぞれ障害物「m」255及び「n」260に関連する複素振幅Am,k及びAn,kから、及び付加的なアンテナb1において障害物「m」255及び「n」260から受信する信号から、それぞれ障害物「m」255及び「n」260に関連する複素フェーザe-jΨm及びe-jΨnを推定する。信号処理ユニット215は、複素フェーザe-jΨm及びe-jΨnを、式(4)を用いて次のように推定する。
ここで、pinv(T)はTの疑似逆数である。一実施形態において、pinv(T)は次のように定義される。
pinv(T)=(TT)-1
ここで、Hは共軛転置を指す。pinv(T)を推定することは、式(18)の2×2行列(TT)を逆にすることを含む。式(16)は、フレーム「k」における式(15)を表し、ここで、k=1,2,・・・,Nfrであり、NfrはN番目のフレームである。信号処理ユニット215は、各障害物に関連する複素フェーザを推定するために、フレームにわたって、付加的なアンテナb1において受信される信号を用いる。信号処理ユニット215は、また、各障害物に関連する複素フェーザを推定するために、フレームにわたって、障害物に関連する推定複素振幅を用いる。従って、式(16)のAm,1及びAn,1は、それぞれ、フレーム1における障害物mに起因する複素振幅、及び、フレーム1における障害物nに起因する複素振幅を表す。また、rb1,1は、フレーム1において、付加的なアンテナb1において受信される信号を表す。同様に、式(16)のAm,Nfr及びAn,Nfrは、それぞれ、フレームNfrにおける障害物mに起因する複素振幅、及びフレームNfrにおける障害物nに起因する複素振幅を表す。また、rb1,Nfrは、フレームNfrにおいて、付加的なアンテナb1において受信される信号を表す。一実施形態において、それぞれ障害物「m」255及び「n」260に関連する複素フェーザe-jΨm及びe-jΨnの推定は、最小二乗推定である。別の実施形態において、付加的なアンテナにおけるSNRがフレームにわたって変化する場合、それぞれ障害物「m」255及び「n」260に関連する複素フェーザe-jΨm及びe-jΨnの推定は、加重最小二乗推定である。
【0031】
信号処理ユニット215は、下記式を用いて、複素フェーザe-jΨm及びe-jΨnから、及び推定方位角周波数wxm及びwxnから、障害物「m」255に関連する仰角周波数(wzm)及び障害物「n」260に関連する仰角周波数(wzn)を推定する。
【0032】
信号処理ユニット215は、更に、下記に示すように、それぞれ式(7)及び式(5)を用いて推定仰角周波数wzmから、障害物「m」255に関連する仰角φ270及び方位角θ265を推定するように構成される。
【0033】
式(7)から
となる。
【0034】
また、式(5)から
となる。
【0035】
同様に、信号処理ユニット215は、それぞれ式(8)及び式(6)を用いて推定仰角周波数wznから、障害物「n」260に関連する仰角φ280及び方位角θ275を推定するように構成される。一実施形態において、信号処理ユニット215は、各障害物に関連する推定複素フェーザから、及び、各障害物に関連する推定方位角周波数から、方位角及び仰角を推定する。
【0036】
レーダー装置200は、レーダー装置200から同じ距離にあり、レーダー装置200に対して同じ相対速度を有する、2つの障害物「m」255及び「n」260の方位角及び仰角を弁別するための効率的な解決策を提供する。また、レーダー装置200は、従来の技術より少ない数のアンテナを用いる動作に適する。複数の障害物の方位角及び仰角を推定するために、幾つかの従来の技術はアンテナの2Dアレイを用い、他の技術が垂直方向のアンテナのリニアアレイを備えるL型アンテナを用いる。これに対し、受信アンテナユニット210において、アンテナのリニアアレイにN個のアンテナを備え、1つの付加的なアンテナを備えると、レーダー装置200は、レーダー装置200から同じレンジにあり、レーダー装置200に対して同じ相対速度を有する、N-1個の障害物の方位角及び仰角を推定することができる。
【0037】
また、たとえ探索がなくとも効果的に動作するように、信号処理ユニット215がクローズドフォーム解決策を実装するので、レーダー装置200における信号処理ユニット215による処理は、一層効率的(従来のレーダー装置に比べて)である。従って、レーダー装置200の性能は、一層堅牢であり、特に低SNR(信号対雑音比)における、探索ベースの解決策にひどく影響を与える障害物の誤ピーク又は検出ミスに起因する性能低下を招くことがない。更に、この技術は、固有値及び固有ベクトルを見出すこと又は大きな行列を逆数にすること等の、計算集約型タスクなしでも有効である。レーダー装置200は、2つの障害物「m」255及び「n」260の分離角が小さい場合でも、方位角及び仰角を推定するために有効な解決策を提供する。
【0038】
図2(c)-1及び図2(c)-2は、レーダー装置における送信アンテナユニット205のビーム幅を示す。送信アンテナユニット205は、接続及び動作において、レーダー装置200における送信アンテナユニット205と同様である。送信アンテナユニット205は複数の送信アンテナを含む。この例において、送信アンテナユニット205は2つの送信アンテナTx1及びTx2を備えて示される。
【0039】
図2(c)-1に示されるように、送信アンテナTx1及びTx2は共に動作し、それによって、ビーム幅230のパワーとフォーカスを増大させる。従って、送信アンテナユニット205は、狭く、高いSNR(信号対雑音比)を有するビーム幅230を提供する。この配置は、第1のレンジにおける障害物の位置を推定するために、レーダー装置200によって用いられる。一実施形態において、この配置は、ファーレンジの障害物の位置を推定するために、レーダー装置200によって用いられる。
【0040】
図2(c)-2及び図2(c)-3に示すように、送信アンテナTx1及びTx2は、順次動作する。そのため、(a)最初に、Tx1がアクティベートされ、Tx2がイナクティブにされ、(b)次に、Tx1がイナクティブにされ、Tx2がアクティベートされる。それぞれTx1及びTx2によって生成されるビーム幅235及び240は、幅広であり、従って、レーダー装置200に相対的に近く、広視野における、障害物の位置を推定するために用いられる。従って、所与の時間インスタントにおいて、1つの送信アンテナのみがアクティベートされる。一実施形態において、所与の時間インスタントにおいて、送信アンテナのセットがアクティベートされる。図2(c)-2及び図2(c)-3の配置は、第2のレンジにおける障害物の位置を推定するためにレーダー装置200によって用いられ、ここで、第1のレンジは第2のレンジより大きい。
【0041】
一実施形態において、図2(c)-2及び図2(c)-3における配置は、ニアレンジの障害物の位置を推定するためにレーダー装置200によって用いられ、ここで、ファーレンジはニアレンジより大きい。一実施形態において、送信アンテナは、第1のレンジにおける各障害物の位置を推定するために共に動作し、第2のレンジにおける各障害物の位置を推定するために順次動作し、第1のレンジは第2のレンジより大きい。図2(c)-2及び図2(c)-3における配置は、レーダー装置200において連続するフレームにわたる受信された信号において、無相関化を向上させるために用いられる。このような無相関化はレーダー装置200の角度推定性能を向上させる。
【0042】
一実施形態において、レーダー装置200は車両に設置され、車両におけるモーションが、レーダー装置200における無相関化を改善する。一実施形態において、モーションは、レーダー装置200における無相関化を改善するために車両において具体的に導入される。一実施形態において、導入されたモーションは、レーダー装置200によって送信されるRF信号の波長のオーダー(order)を有する。一実施形態において、モーションは、車両の前後の動きであるため、車両内の位置の変化は重要ではない。
【0043】
図3は実施形態に従ったレーダー装置300を示す。レーダー装置300は、送信アンテナユニット305及び受信アンテナユニット320を含む。トランスミッタ310が送信アンテナユニット305に結合される。制御モジュール315がトランスミッタ310に結合される。受信アンテナユニット320はレシーバ325に結合される。ミキサー330が、レシーバ325に及びトランスミッタ310に結合される。アナログデジタルコンバータ(ADC)335がミキサー330に結合され、FFT(高速フーリエ変換)モジュール340がADC335に結合される。信号処理ユニット345がFFTモジュール340に結合される。
【0044】
送信アンテナユニット305は、アウトバウンドRF(無線周波数)信号を複数の障害物に送信し、受信アンテナユニット320は、障害物からインバウンドRF信号を受信する。アウトバウンドRF信号は、障害物によって散乱されてインバウンドRF信号を生成する。アウトバウンドRF信号は、トランスミッタ310によって生成されるRF信号の複数のフレームを含み、インバウンドRF信号は、障害物から受信される信号の複数のフレームを含む。制御モジュール315は制御信号をトランスミッタ310に提供する。トランスミッタ310はアウトバウンドRF信号を生成し、レシーバ325は受信アンテナユニット320からインバウンドRF信号を受信する。
【0045】
一実施形態において、送信アンテナユニット305は、トランスミッタ310に結合される1つ又は複数の送信アンテナを含む。動作において、送信アンテナユニット305は、レーダー装置200における送信アンテナユニット205に類似している。従って、送信アンテナユニット305は複数の送信アンテナを含み、複数の送信アンテナは、第1のレンジにおける各障害物の位置を推定するように共に動作し、第2のレンジにおける各障害物の位置を推定するように連続で動作し、第1のレンジは第2のレンジより大きい。一実施形態において、受信アンテナユニット320は、レシーバ325に結合される1つ又は複数のアンテナを含む。
【0046】
一実施形態において、受信アンテナユニット320は、受信アンテナユニット210に類似し、従って、アンテナのリニアアレイ、及びアンテナのリニアアレイにおける少なくとも1つのアンテナから所定のオフセットにある付加的なアンテナを含む。一実施形態において、アンテナのリニアアレイ及び付加的なアンテナにおける各アンテナは、レシーバ、ミキサー、及びADCを含む、個別のレシーバパスを有する。各レシーバパスは信号処理ユニット345に結合される。
【0047】
ミキサー330は、レシーバ325からインバウンドRF信号を受信し、復調信号を生成する。ADC335は、ミキサー330から復調信号を受信し、復調信号に応答してデジタル信号を生成する。FFTモジュール340は、ADC335からデジタル信号を受信し、デジタル信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換するように構成される。信号処理ユニット345は、FFTモジュール340から受信したデジタル信号を処理するように構成される。動作において、信号処理ユニット345は、信号処理ユニット215に類似する。信号処理ユニット345は、レーダー装置300から固定距離にあり、レーダー装置300に対して同じ相対速度を有する、複数の障害物の位置を推定する際に用いられる。1つの例において、受信アンテナユニット100は、異なる距離にあり、レーダー装置300に対して異なる相対速度を有する、複数の障害物の位置を推定するために用いられる。例えば、受信アンテナユニット320は、2つの障害物A及びBの位置を推定するために用いられ、Aはレーダー装置から1mの位置にあり、Bはレーダー装置から1.2mの位置にあり、Aの相対速度は5m/sであり、Bの相対速度は4.5m/sである。別の例において、受信アンテナユニット320は、2D FFTグリッドの異なるビンにおいて検出されるが、2D FFTドメインにおけるそれらの信号が互いと干渉する、2つの障害物の位置を推定するために用いられる。例えば、第1の障害物(これは、2D FFTグリッドの第1のビンにおいて検出される)は、第2のビンにおいて第1の障害物を表す減衰された信号を有し得る。この減衰された信号は、第2のビンにおいて検出される第2の障害物の位置推定と干渉する。信号処理ユニット345は、信号処理ユニット215によって実施されるものと同じ様式で、各障害物に関連する方位角及び仰角を推定する。信号処理ユニット345は、信号処理ユニット215によって用いられるものと同じ技術を用いて、FFTモジュール340から受信されたデジタル信号を処理することによって、各障害物に関連する方位角周波数、複素振幅、及び複素フェーザを推定する。従って、受信アンテナユニット320におけるアンテナのリニアアレイにおいて障害物から受信される信号のフレームは、各障害物に関連する方位角周波数及び複素振幅を推定するために用いられ、受信アンテナユニット320における付加的なアンテナにおいて障害物から受信される信号のフレームは、各障害物に関連する複素フェーザを推定するために用いられる。このプロセスは、図2(a)に関連して上述したものと同じである。1つの例において、レーダー装置300の全ての構成要素がチップに集積される。別の例において、レーダー装置300の信号処理ユニット350を除く全ての構成要素がチップに集積される。
【0048】
レーダー装置300は、2つの障害物「m」255及び「n」260がレーダー装置300から同じ距離にあり、レーダー装置300に対して同じ相対速度を有する場合、障害物「m」255及び「n」260の方位角及び仰角を弁別するための効率的な解決策を提供する。レーダー装置300は、従来の技術よりも少ないアンテナを備える場合でも有効である。アンテナのリニアアレイにおけるN個のアンテナ、及び受信アンテナユニット320における1つの付加的なアンテナを備えることで、レーダー装置300は、レーダー装置300から同じレンジにあり、レーダー装置300に対して同じ相対速度を有する、N-1個の障害物を検出することができる。
【0049】
レーダー装置300は、また、これらのN-1個の障害物の方位角及び仰角を推定する。また、方位角及び仰角を推定するために、探索、大きな行列の反転、又は固有値及び固有ベクトルを見出すことを行わなくても、信号処理ユニット345が有効に動作するので、レーダー装置300における信号処理ユニット345の処理が(従来のレーダー装置に比べて)一層有効である。信号処理ユニット345において方位角及び仰角を推定するための技術は、より複雑ではなく、また、特に低SNR(信号対雑音比)における、探索ベースの解決策にひどく影響を与える障害物の誤ピーク/検出ミスに起因する性能低下を招くことがない。
【0050】
レーダー装置300は、2つの障害物「m」255及び「n」260の分離角が小さい場合でも、方位角及び仰角を推定するための有効な解決策を提供する。送信アンテナユニット305は複数の送信アンテナを含む。送信アンテナは、第1のレンジにおける各障害物の位置を推定するために共に動作し、第2のレンジの各障害物の位置を推定するために順次動作し、第1のレンジは第2のレンジより大きい。これは、レーダー装置300において受信アンテナユニット320で受信される信号の無相関化を向上させ、それによって、角度推定性能を向上させる。
【0051】
従って、一実施形態が、複数の障害物の位置を推定するためのレーダー装置を提供する。レーダー装置は受信アンテナユニットを含む。受信アンテナユニットは、アンテナのリニアアレイ、及びアンテナのリニアアレイの少なくとも1つのアンテナから所定のオフセットにある付加的なアンテナを含む。レーダー装置はまた信号処理ユニットを含む。信号処理ユニットは、アンテナのリニアアレイにおいて障害物から受信した信号から、各障害物に関連する方位角周波数を推定する。信号処理ユニットはまた、障害物に関連する推定方位角周波数から、及びアンテナのリニアアレイにおける障害物から受信した信号から、各障害物に関連する複素振幅を推定する。信号処理ユニットは、障害物に関連する推定複素振幅から、及び付加的なアンテナにおいて障害物から受信した信号から、各障害物に関連する複素フェーザを推定する。また、信号処理ユニットは、各障害物に関連する推定複素フェーザから、及び各障害物に関連する推定方位角周波数から、各障害物に関連する方位角及び仰角を推定する。
【0052】
別の実施形態が、レーダー装置を用いて複数の障害物の位置を推定するための方法を提供する。この方法は、レーダー装置において障害物から受信した信号から、各障害物に関連する方位角周波数を推定することを含む。障害物に関連する推定方位角周波数から、及びレーダー装置において障害物から受信した信号から、各障害物に関連する複素振幅が推定される。障害物に関連する推定複素振幅から、及びレーダー装置において障害物から受信した信号から、各障害物に関連する複素フェーザが推定される。各障害物に関連する推定複素フェーザから、及び各障害物に関連する推定方位角周波数から、各障害物に関連する方位角及び仰角が推定される。
【0053】
また、一実施形態が、複数の障害物の位置を推定するためのレーダー装置を提供する。レーダー装置は送信アンテナユニットを含む。トランスミッタが、送信アンテナユニットに結合され、アウトバウンドRF(無線周波数)信号を生成する。レーダー装置はまた、受信アンテナユニットを含む。レシーバが、受信アンテナユニットに結合され、受信アンテナユニットからインバウンドRF信号を受信する。アウトバウンドRF信号は、障害物によって散乱されてインバウンドRF信号を生成する。ミキサーが、レシーバに及びトランスミッタに結合され、インバウンドRF信号を復調して、復調信号を生成する。アナログデジタルコンバータ(ADC)が、ミキサーに結合され、ミキサーから受信する復調信号に応答してデジタル信号を生成する。FFT(高速フーリエ変換)モジュールが、ADCに結合され、デジタル信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換する。信号処理ユニットが、FFTモジュールに結合され、デジタル信号を処理する。信号処理ユニットは、各障害物に関連する方位角周波数をデジタル信号から推定する。信号処理ユニットはまた、障害物に関連する推定方位角周波数から、及びデジタル信号から、各障害物に関連する複素振幅を推定する。障害物に関連する推定複素振幅から、各障害物に関連する複素フェーザが推定される。各障害物に関連する推定複素フェーザから、及び各障害物に関連する推定方位角周波数から、各障害物に関連する方位角及び仰角が推定される。
【0054】
本発明の特許請求の範囲内で、説明された実施形態に変更が成され得、また他の実施形態が可能である。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)-1】
図2(c)-2】
図2(c)-3】
図3