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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】清掃ロボット用清掃ローラ
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20220216BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L9/28 E
【請求項の数】 25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020184378
(22)【出願日】2020-11-04
(62)【分割の表示】P 2017558977の分割
【原出願日】2016-12-15
(65)【公開番号】P2021013763
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】313013863
【氏名又は名称】アイロボット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ゴダード, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ブルーイン, マシュー
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-163254(JP,A)
【文献】実開平6-46652(JP,U)
【文献】特開平5-285075(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0016420(KR,A)
【文献】米国特許第1919067(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/02-9/08
A47L 9/22-9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃ロボットに取り付け可能な清掃ローラであって、
第一端部から第二端部まで回転軸に沿って伸びる細長いシャフトであって、該第一端部及び該第二端部は該回転軸周りに回転するために清掃ロボットに取り付け可能である、シャフトと、
前記シャフトを囲むシースであって、
前記シャフトを囲むシェルと、
前記シェルから放射状に外側に延在する羽根であって、前記シャフトの第一端部に近接する羽根の高さが、前記回転軸に沿って位置する前記シャフトの中心に近接する羽根の高さよりも低い、羽根と、
を備えたシースと、
を含んでなることを特徴とする、清掃ローラ。
【請求項2】
前記羽根が前記シースの外面に沿ったV字型の経路に沿うことを特徴とする、請求項1に記載の清掃ローラ。
【請求項3】
前記第一端部に近接する羽根の高さが1ミリメートルから5ミリメートルであり、前記シャフトの中心に近接する羽根の高さが10ミリメートルから30ミリメートルであることを特徴とする、請求項1に記載の清掃ローラ。
【請求項4】
前記シャフトの第一端部に近接する羽根の高さが、前記シャフトの中心に近接する羽根の高さの5%から45%であることを特徴とする、請求項1に記載の清掃ローラ。
【請求項5】
前記羽根が、前記シェルに固定された第一端から第二の自由端まで放射状に外側に延在し、前記羽根の第二の自由端が、当該清掃ローラの全径を規定し、該全径が、当該清掃ローラの長さ全体にわたって均一であることを特徴とする、請求項1に記載の清掃ローラ。
【請求項6】
前記羽根の高さが、前記シャフトの中心に近接する部分から前記シャフトの第一端部に近接する部分まで直線的に減少していることを特徴とする、請求項1に記載の清掃ローラ。
【請求項7】
前記シェルは、前記シャフトの中心から前記シェルの外側端部に向かって延在する円錐台形部分を含み、前記外側端部が、前記シース内の収集穴を規定する円筒形部分を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の清掃ローラ。
【請求項8】
前記羽根の高さが前記円筒形部分にわたって均一であることを特徴とする、請求項7に記載の清掃ローラ。
【請求項9】
前記羽根が、前記シャフトの中心を通る垂直面に対して対称であることを特徴とする、請求項1に記載の清掃ローラ。
【請求項10】
前記シースは、それぞれが前記シェルから放射状に外側に延在する複数の羽根を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の清掃ローラ。
【請求項11】
清掃ロボットに取り付け可能な清掃ローラであって、
当該清掃ローラが回転軸の周りを回転するように清掃ロボットに取り付け可能である第一端部と、
当該清掃ローラが前記回転軸の周りを回転するように清掃ロボットに取り付け可能である第二端部と、
前記第一端部から前記第二端部に延在するシェルと、
前記シェルの外面上の経路に沿って前記シェルから外側に延在する一つ以上の羽根であって、前記シェルの外面に対する一つ以上の羽根の高さが、前記シェルの長さにわたって変化している、一つ以上の羽根と、
を含んでなることを特徴とする、清掃ローラ。
【請求項12】
前記経路が、当該清掃ローラの前記第一端部に近接した第一端と、当該清掃ローラの前記第二端部に近接した第二端とを備え、一つ以上の前記羽根の高さが、前記経路の第一端に近接する部分から当該清掃ローラの中心に向かって減少し、さらに、前記経路の第二端に近接する部分から当該清掃ローラの中心に向かって減少していることを特徴とする、請求項11に記載の清掃ローラ。
【請求項13】
一つ以上の前記羽根が、前記経路の第一部分に沿って延在する第一羽根と、前記経路の第一部分とは分離された前記経路の第二部分に沿って延在する第二羽根と、を備えていることを特徴とする、請求項11に記載の清掃ローラ。
【請求項14】
前記経路が前記シェルの外面に沿ったV字型の経路であることを特徴とする、請求項11に記載の清掃ローラ。
【請求項15】
一つ以上の前記羽根が、前記シェルに固定された第一端から第二の自由端まで半径方向外側に延在し、前記羽根の第二の自由端が、当該清掃ローラの全径を規定し、該全径が、当該清掃ローラの長さ全体にわたって均一であることを特徴とする、請求項11に記載の清掃ローラ。
【請求項16】
前記シェルが、当該清掃ローラの中心から当該清掃ローラの前記第一端部に向かって延在する円錐台形部分を備えていることを特徴とする、請求項11に記載の清掃ローラ。
【請求項17】
前記羽根の高さが、当該清掃ローラの中心に近接する部分から当該清掃ローラの第一端部に近接する部分まで直線的に減少していることを特徴とする、請求項11に記載の清掃ローラ。
【請求項18】
前記シェルの外側端部が、前記シェル内の収集穴を規定する円筒形部分を含んでいることを特徴とする、請求項11に記載の清掃ローラ。
【請求項19】
一つ以上の前記羽根が、当該清掃ローラの中心を通る垂直面に対して対称であることを特徴とする、請求項11に記載の清掃ローラ。
【請求項20】
自律型清掃ロボットを床面上で動かすよう動作可能な駆動部と、
デブリを自律型掃除ロボットに向ける回転可能な清掃ローラであって、
自律型清掃ロボットに取り付け可能である第一端部および第二端部であって、自律型清掃ロボットが回転軸周りに該清掃ローラを回転させる、第一端部および第二端部と、
該清掃ローラの前記第一端部から前記第二端部に延在するシェルと、
前記シェルから放射状に外側に延在し、該清掃ローラが回転すると、デブリに接触して該デブリを自律型掃除ロボットに向けるように構成された羽根であって、該清掃ローラの前記第一端部に近接する羽根の高さが、前記回転軸に沿って位置する該清掃ローラの中心に近接する羽根の高さよりも低い、羽根と、
を備えた清掃ローラと、
を含んでなることを特徴とする、自律型清掃ロボット。
【請求項21】
前記羽根が前記シェルの外面に沿ったV字型の経路に沿うことを特徴とする、請求項20に記載の自律型清掃ロボット。
【請求項22】
前記清掃ローラの第一端部に近接する羽根の高さが1ミリメートルから5ミリメートルであり、前記清掃ローラの中心に近接する羽根の高さが10ミリメートルから30ミリメートルであることを特徴とする、請求項20に記載の自律型清掃ロボット。
【請求項23】
前記清掃ローラの第一端部に近接する羽根の高さが、前記清掃ローラの中心に近接する羽根の高さの5%から45%であることを特徴とする、請求項20に記載の自律型清掃ロボット。
【請求項24】
前記羽根が、前記シェルに固定された第一端から第二の自由端まで半径方向外側に延在し、前記羽根の第二の自由端が、前記清掃ローラの全径を規定し、該全径が、前記清掃ローラの長さ全体にわたって均一であることを特徴とする、請求項20に記載の自律型清掃ロボット。
【請求項25】
前記羽根の高さが、前記清掃ローラの中心に近接する部分から前記清掃ローラの第一端部に近接する部分まで直線的に減少していることを特徴とする、請求項20に記載の自律型清掃ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、とりわけ清掃ロボット用の清掃ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
自律型清掃ロボットは、床面を掃除機がけして床面からデブリを取り込みながら、床面上を移動して障害物を回避することができる。清掃ロボットは、床面からデブリを拾い上げるためのローラを備え得る。床面上を移動している間、清掃ロボットはローラを回転させることができ、ローラの回転はデブリを清掃ロボットによって生成される真空空気流の方へ誘導する。この関連で、ローラ及び真空空気流は、協働してロボットがデブリを取り込むことを可能にすることができる。ローラは、回転している間、毛やその他の繊維状のものを含むデブリと係合し得る。繊維状のデブリはローラに巻き付く可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一つの態様では、清掃ロボットに取り付け可能な清掃ローラは、第一端部から第二端部まで回転軸に沿って伸びる細長いシャフトを備える。第一端部及び第二端部は、回転軸周りに回転するために清掃ロボットに取り付け可能である。清掃ローラは、更に、シャフトの周りに固定され、細長いシャフトに沿ってシャフトの第一端部及び第二端部に近接して配置された外端部を有するコアを備える。コアには、シャフトの第一端部に近接する部分からシャフトの中心に向かってテーパがつけられており、シャフトの第二端部に近接する部分からシャフトの中心に向かってテーパがつけられている。清掃ローラは、更に、コアに固定され、コアの外端部を越えて伸びるシースを備える。シースは、それぞれにシャフトの中心に向かってテーパがつけられている第一半片及び第二半片を有する。清掃ローラは、更に、コアの外端部とシースとによって規定される収集穴を備える。
【0004】
別の態様では、自律型清掃ロボットは、本体と、本体を床面上で動かすよう動作可能な駆動部と、清掃アセンブリとを備える。清掃アセンブリはローラを備える。ローラは例えば本体に取り付けられ第一軸周りに回転可能な第一清掃ローラであり、清掃アセンブリは、更に、本体に取り付けられ、第一軸と平行な第二軸周りに回転可能な第二清掃ローラを備える。第一清掃ローラのシェル及び第二清掃ローラはそれらの間に間隙を規定し、間隙は、第一軸に沿って伸び、第一清掃ローラの長さの中心に向かって増加する。
【0005】
いくつかの実施例においては、清掃ローラの長さは20cmから30cmである。シースは、例えば、シースの長さの75%から90%に亘って細長いシャフトに固定されている。
【0006】
いくつかの実施例においては、細長いシャフトは、清掃ロボットのモータで駆動されるよう構成されている。
【0007】
いくつかの実施例においては、コアは、シャフトの周囲かつシース内に位置する複数の不連続のセクションを有する。場合によっては、シースは、不連続のセクション間においてコアに固定されている。場合によっては、シースは、コアの不連続のセクション間の位置においてシャフトに結合している。
【0008】
いくつかの実施例においては、コアは、シースに向かって回転軸から離れる方向に伸びる複数の柱を有する。柱は、シースと係合してシースをコアと連結する。
【0009】
いくつかの実施例においては、コアの最小直径はシャフトの中心にある。
【0010】
いくつかの実施例においては、シースの第一半片及び第二半片はそれぞれ外面を有する。外面は、例えば、回転軸と5度から20度の角度を成す。
【0011】
いくつかの実施例においては、シースの第一半片には第一端部に近接する部分からシャフトの中心に向かってテーパがつけられており、シースの第二半片にはシャフトの第二端部に近接する部分からシャフトの中心に向かってテーパがつけられている。
【0012】
いくつかの実施例においては、シースはコアを囲いコアに固定されたシェルを有する。シェルは円錐台形の半片を有する。
【0013】
いくつかの実施例においては、シースは、コアを囲いコアに固定されたシェルを有する。シースは、例えば、シェルから放射状に外側に伸びる羽根を有する。羽根の、シャフトの第一端部に近接する部分の高さは、例えば、羽根の、シャフトの中心に近接する部分の高さより低い。場合によっては、羽根はシースの外面に沿ったV字型の経路に沿う。場合によっては、羽根の、第一端部に近接する部分の高さは1ミリメートルから5ミリメートルであり、羽根の、シャフトの中心に近接する部分の高さは10ミリメートルから30ミリメートルである。
【0014】
いくつかの実施例においては、収集穴のうちの一つの長さは清掃ローラの長さの5%から15%である。
【0015】
いくつかの実施例においては、シースのチューブ状部が収集穴を規定する。
【0016】
いくつかの実施例においては、シースはコアを囲いコアに固定されたシェルを更に備え、シェルの最大幅はシースの全直径の80%から95%である。
【0017】
いくつかの実施例においては、第一清掃ローラのシェル及び第二清掃ローラのシェルが間隙を規定する。
【0018】
いくつかの実施例においては、間隙は、第一清掃ローラの長さの中心において5ミリメートルから30ミリメートルである。
【0019】
いくつかの実施例においては、第一清掃ローラの長さは20センチメートルから30センチメートルである。場合によっては、第一清掃ローラは第二清掃ローラより長い。場合によっては、第一清掃ローラの長さは第二清掃ローラの長さと等しい。
【0020】
いくつかの実施例においては、本体の前部は実質矩形の形状を有する。第一清掃ローラ及び第二清掃ローラは、例えば、本体の前部の底面に取り付けられている。
【0021】
いくつかの実施例においては、第一清掃ローラ及び第二清掃ローラは、第一清掃ローラの長さの中心においてそれらの間に空隙を規定する。空隙は、例えば、第一清掃ローラ及び第二清掃ローラが回転すると幅が変化する。
【0022】
上記態様の長所としては、限定されないが、以下及び本明細書の別の箇所で説明するものを含み得る。清掃ローラは、床面からのデブリの収集を向上させることができる。清掃ローラの全長に亘ってトルクをより容易に駆動シャフトから清掃ローラの外面に伝達させることができる。向上したトルク伝達により、清掃ローラの外面がデブリと係合した際により容易にデブリを動かすことを可能にする。清掃ローラは、トルク伝達の向上を可能にする本明細書で説明する特徴を有さない他の清掃ローラと比較して、一定のトルクで駆動された場合により多くのデブリを収集することができる。
【0023】
清掃ローラは、床面からデブリを収集する清掃ローラの能力を低下させることなく、その長さを増加させることができる。具体的には、清掃ローラは、長くなった場合はより多くの駆動トルクを必要とし得る。しかしながら、清掃ローラの向上したトルク伝達により、他の清掃ローラのデブリ収集能力と同等のデブリ収集能力を達成するためにより少ないトルクで清掃ローラを駆動することができる。清掃ローラが清掃ロボットに取り付けられている場合、清掃ローラは、清掃ローラがより大きい範囲のデブリに届くように、清掃ロボットの両側の近くまで伸びる長さを有することができる。
【0024】
他の例では、清掃ローラは、清掃ローラの清掃能力を妨げない形で、繊維状のデブリを収集するよう構成することができる。繊維状のデブリは、収集された場合、容易に取り除去することができる。具体的には、清掃ローラが床面からの繊維状のデブリと係合すると、清掃ローラは、繊維状のデブリ用の収集穴が位置する清掃ローラの外端に向けて繊維状のデブリを誘導することができる。ユーザが繊維状のデブリを容易に捨てることができるように、収集穴は、ローラがロボットから取り外された場合にユーザが容易にアクセスすることができる。向上した繊維状のデブリの収集により、清掃ローラの損傷の防止に加えて、繊維状のデブリが、例えば清掃ローラの外面に巻き付くことで、清掃ローラのデブリ収集能力を妨げる可能性を低減することができる。
【0025】
更なる例では、清掃ローラは、別の清掃ローラと協働して、真空アセンブリによって生成される空気流の特性を向上させる間隙をそれらの間に規定することができる。間隙は、清掃ローラの中心に向かって大きくなっていることで、空気流を清掃ローラの中心に集中させることができる。繊維状のデブリは清掃ローラの端部に向かって集まる傾向があるが、その他のデブリは、空気流の速度が最も高い清掃ローラの中心を通してより容易に取り込むことができる。
【0026】
本明細書で説明する内容の一以上の実施例の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。その他の潜在的な特徴、態様及び長所は、説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A図1Aは、清掃ロボットの清掃動作中の清掃ヘッドの底面図である。
図1B図1Bは、清掃動作中における図1Aに示す清掃ロボット及び清掃ヘッドの断面側面図である。
図2A図2Aは、図1Bに示す清掃ロボットの底面図である。
図2B図2Bは、図2Aに示す清掃ロボットの側面斜視展開図である。
図3A図3Aは、清掃ローラの正面斜視図である。
図3B図3Bは、図3Aに示す清掃ローラの正面斜視展開図である。
図3C図3Cは、図3Aに示す清掃ローラの正面図である。
図3D図3Dは、清掃ローラのシース及び支持構造の一部を取り除いて清掃ローラの収集穴を見えるようにした、図3Aに示す清掃ローラの正面部分断面図である。
図3E図3Eは、図3Cに示す3E-3Eに沿って切断した、図3Aに示す清掃ローラのシースの断面図である。
図4A図4Aは、図3Aに示す清掃ローラの支持構造の斜視図である。
図4B図4Bは、図4Aに示す支持構造の正面図である。
図4C図4Cは、図4Bに示す4C-4Cに沿って切断した、図4Bに示す支持構造の端部の断面図である。
図4D図4Dは、図4Aに示すサブアセンブリの端部を示している、図4Aに記されている挿入図4Dの拡大斜視図である。
図5A図5Aは、図3Cに示す清掃ローラの中央部分を示している、図3Cに記されている挿入図5Aの拡大図である。
図5B図5Bは、図3Cに示す5B-5Bに沿って切断した、図3Cに示す清掃ローラの端部の断面図である。
図6図6は、図3Aに示す清掃ローラの、シースの自由部分を取り除いた状態の概略図である。
【0028】
複数の図面中の同様の参照番号及び参照記号表示は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1A及び図1Bを参照して、清掃ロボット102用の清掃ヘッド100は、床面10上のデブリ106と係合するよう配置された清掃ローラ104a、104bを備える。図1Aは、清掃動作中の清掃ヘッド100を、清掃ヘッド100が取り付けられている清掃ロボット102から清掃ヘッド100を分離した状態で示している。清掃ロボット102は、床面10からデブリ106を取り込みながら床面10上を移動する。図1Bは、清掃動作中に床面10を横断しながらローラ104a、104bを回転させて床面10からデブリ106を取り込む清掃ロボット102を、清掃ヘッド100が清掃ロボット102に取り付けられた状態で示している。清掃動作中は、清掃ローラ104a、104bは、床面10から清掃ロボット102内にデブリ106を持ち上げるように回転可能である。清掃ローラ104a、104bの外面は、デブリ106と係合してデブリ106を撹拌する。清掃ローラ104a、104bの回転は、デブリ106の清掃ロボット102の内部へ向けた移動を容易にする。
【0030】
いくつかの実施例においては、本明細書で説明するように、清掃ローラ104a、104bは、清掃ローラ104a、104bの外面に沿って配置されたシェブロン形羽根224a、224b(図1Aに示す)の模様をあしらったエラストマローラである。清掃ローラ104a、104の少なくとも一つ、例えば清掃ローラ104aの、羽根224a、224bは、清掃ローラ104a、104bの長さに亘って床面10と接触し、回転中は、曲がりやすい剛毛を有するブラシの場合には存在しない、一貫して加わる摩擦力を受ける。更に、シャフトから放射状に伸びる別個の剛毛を有する清掃ローラと同様に、清掃ローラ104a、104bは放射状に外側に伸びる羽根224a、224bを有する。また一方、羽根224a、224bは、長手方向にも、清掃ローラ104a、104bの外面に沿って途切れなく伸びる。羽根224a、224bは、周方向にも、清掃ローラ104a、104bの外面に沿って伸び、本明細書で説明するように、清掃ローラ104a、104bの外面に沿ってV字型の経路を規定する。しかしながら、その他の適切な構成も考えられる。例えば、いくつかの実施例においては、後側及び前側のローラ104a、104bの少なくとも一つが、羽根224a、224bに加えて又は羽根224a、224bに代わって床面を撹拌するための剛毛及び/又は細長い柔軟なフラップを備えても良い。
【0031】
図1Aに示すように、清掃ローラ104aと清掃ローラ104bとの間に間隙108及び空隙109が規定されている。間隙108及び空隙109は、双方とも、清掃ローラ104aの第一外側端部110aから清掃ローラ104aの第二外側端部112aまで伸びる。本明細書で説明するように、間隙108は清掃ローラ104a、104b上の羽根が無い状態の清掃ローラ104a、104b間の距離に相当し、空隙109は清掃ローラ104a、104b上の羽根を含む清掃ローラ104a、104b間の距離に相当する。空隙109は、ローラ104a、104bが回転するとローラ104a、104bによって動かされるデブリ106を収容し且つ清掃ロボット102内に空気流を引き込むことを可能にするよう寸法が決められており、清掃ローラ104a、104が回転すると幅が変化する。空隙109はローラ104a、104bの回転中は幅が変化し得るが、間隙108はローラ104a、104bの回転中も一定の幅を有する。間隙108は、ロボット102がデブリを取り込むことができるように、ローラ104a、104bにより生じるロボット102の内部に向けたデブリ106の上方への移動を容易にする。本明細書で説明するように、間隙108は、清掃ローラ104aの長さL1の中心114、例えば清掃ローラ114aの長手方向軸126aに沿った清掃ローラ114aの中心に向かって、寸法が増大する。間隙108は、清掃ローラ104aの端部110a、112aに向かって幅が減少する。間隙108のこのような構成により、ローラ104a、104bのデブリを拾い上げる能力を向上させつつ、ローラ104a、104bによって拾い上げられた繊維状のデブリがローラ104a、104bの動作を妨げる可能性を低減させることができる。

清掃ロボットの例
【0032】
清掃ロボット102は、床面10の異なる部分からデブリ106を取り込みながら床面10を自律的に横断する自律型清掃ロボットである。図1B及び図2Aに示す例では、ロボット102は、床面10上を移動可能な本体200を備える。本体200は、場合によっては、清掃ロボット102の可動なコンポーネントが取り付けられている複数の連設構造を備える。連設構造は、例えば、清掃ロボット102の内部コンポーネントを覆う外側ハウジング、駆動車輪210a、210b及びローラ104a、104bが取り付けられているシャーシ、外側ハウジングに取り付けられたバンパ等を含む。図2Aに示すように、いくつかの実施例においては、本体200は実質矩形の前部202a及び実質半円形の後部202bを備える。前部202aは、例えば、清掃ロボット102の前側三分の一から前側二分の一の部分であり、後部202bは清掃ロボット102の後側二分の一から後側三分の二の部分である。前部202aは、例えば、前部202aの前面206に対して実質垂直な二つの側面204a、204bを備える。
【0033】
図2Aに示すように、ロボット102は、駆動車輪210a、210bと共に動作可能なアクチュエータ208a、208b、例えばモータを含む駆動システムを備える。アクチュエータ208a、208bは、本体200に取り付けられており、本体200に回転可能に取り付けられている駆動車輪210a、210bに動作可能に接続されている。駆動車輪210a、210bは、本体200を床面10上に支持する。アクチュエータ208a、208bは、駆動されると、駆動車輪210a、210bを回転させてロボット102が床面10上を自律的に移動することを可能にする。
【0034】
ロボット102は、アクチュエータ208a、208bを操作して清掃動作中にロボット102を床面10上で自律的に移動させる制御装置212を備える。アクチュエータ208a、208bは、ロボット102を前進駆動方向116(図1Bに示す)に駆動させ、ロボット102を回転させるよう動作可能である。いくつかの実施例においては、ロボット102は、本体200を床面10上に支持するキャスタ車輪211を備える。キャスタ車輪211は、例えば、本体200の後部202bを床面10上に支持し、駆動車輪210a、210bは本体200の前部202aを床面10上に支持する。
【0035】
図1B及び図2Aに示すように、真空アセンブリ118はロボット102の本体200の内部、例えば本体200の後部202b内に担持されている。制御装置212は、真空アセンブリ118を操作して、ローラ104a、104b近傍の空隙109を通過し、本体200を通過し、そして本体200から流れ出る空気流120を生成させる。真空アセンブリ118は、例えば、回転すると空気流120を生成する羽根車を備える。空気流120及び回転しているローラ104a、104bは、協働してロボット102内にデブリ106を取り込む。本体200に取り付けられている清掃ビン122にはロボット102によって取り込まれたデブリ106が入っており、本体200内のフィルタ123は、空気流120が真空アセンブリ118に入って本体200から排出される前に、空気流120からデブリ106を分離する。このため、デブリ106は、空気流120が本体200から排出される前に、清掃ビン122及びフィルタ123の両方に捕らえられる。
【0036】
図1A及び図2Aに示すように、清掃ヘッド100及びローラ104a、104bは、本体200の前部202aにおいて、側面204a、204bの間に配置されている。ローラ104a、104bは、アクチュエータ214a、214b、例えばモータに動作可能に接続されている。清掃ヘッド100及びローラ104a、104bは清掃ビン122の前に配置されており、清掃ビン122は真空アセンブリ118の前に配置されている。図2A及び図2Bに関して説明するロボット102の例では、本体200の前部202aの実質矩形の形状は、ローラ104a、104bを、例えば円形状の本体を有する清掃ロボット用のローラよりも長くすることを可能にする。
【0037】
ローラ104a、104bは清掃ヘッド100のハウジング124に取り付けられており、例えば間接的又は直接的に、ロボット102の本体200に取り付けられている。具体的には、ローラ104a、104bは、清掃動作中で底面が床面10に面している時に床面10上のデブリ106と係合するように、本体200の前部202aの底面に取り付けられている。
【0038】
いくつかの実施例においては、清掃ヘッド100のハウジング124は、ロボット102の本体200に取り付けられている。ちなみに、ローラ104a、104bも、例えばハウジング124を介して間接的に、ロボット102の本体200に取り付けられている。代替的に又は加えて、清掃ヘッド100は、ローラ104a、104bが取り付けられているハウジング124がロボット102の本体200に取り外し可能に取り付けられている、ロボット102の取り外し可能なアセンブリである。ハウジング124及びローラ104a、104bは、清掃ヘッド100を交換清掃ヘッドに容易に交換できるように、ユニットとして本体200から取り外し可能である。
【0039】
いくつかの実施例においては、清掃ヘッド100のハウジング124は、本体200に取り外し可能に取り付けられるのではなく、本体200と分離した要素ではなくむしろロボット102の本体200と一体の部分に相当する。ローラ104a、104bは、ロボット102の本体200に、例えばロボット200と一体の部分に直接的に取り付けられている。ローラ104a、104bを容易に清掃又は交換ローラに交換することができるように、ローラ104a、104bは、それぞれ独立して、清掃ヘッド100のハウジング124及び/又はロボット102の本体200から取り外すことができる、本明細書で説明するように、ローラ104a、104bは、ローラ104a、104bがハウジング124から取り外された場合にユーザが簡単にアクセスし清掃することができる、繊維状のデブリ用の収集穴を備え得る。
【0040】
ローラ104a、104bは、清掃ヘッド100のハウジング124及びロボット102の本体200に対して回転可能である。図1B及び図2Aに示すように、ローラ104a、104bは、床面10と平行な長手方向軸126a、126b周りに回転可能である。軸126a、126bは互いに平行であり、それぞれ清掃ローラ104a、104bの長手方向軸に相当する。場合によっては、軸126a、126bはロボット102の前進駆動方向116に垂直である。清掃ローラ104aの中心114は長手方向軸126aに沿って位置し、清掃ローラ104aの長さL1の中点に相当する。中心114は、この場合、清掃ローラ104aの回転軸に沿って位置する。
【0041】
図2Bに示す清掃ヘッド100の展開図を参照して、いくつかの実施例においては、ローラ104a、104bはそれぞれシェル222a、222b及び羽根224a、224bを有するシース220a、220bを備える。ローラ104a、104bはそれぞれ支持構造226a、226b及びシャフト228a、228bも備える。場合によっては、シース220a、220bは、エラストマー材で作られた単一成型品である。この場合、シェル222a、222b及びこれらに対応する羽根224a、224bは、単一成型品の一部である。シース220a、220bは、シース220a、220bの材料の量によってシース220a、220bが例えば床面10といった物体との接触に応答して撓むのを抑制するように、その外面からシャフト228a、228bに向かって内側に伸びる。シース220a、220bの高い表面摩擦は、シース220a、220bがデブリ106と係合して、デブリ106を例えば清掃ロボット102内の空気導管128といった清掃ロボット102の内部に向けて誘導することを可能にする。
【0042】
シャフト228a、228b及び、場合によっては、支持構造226a、226bは、ローラ104a、104bがロボット102の本体200に取り付けられている場合にアクチュエータ214a、214b(図2Aに概略的に示す)に動作可能に接続されている。ローラ104a、104bが本体200に取り付けられている場合、シャフト228a、228bの第二端部232a、232bにある取付装置216a、216bがシャフト228a、228bをアクチュエータ214a、214bに連結する。シャフト228a、228bの第一端部230a、230bは、清掃ヘッド100のハウジング124又はロボット102の本体200にある取付装置218a、218bに回転可能に取り付けられている。取付装置218a、218bは、ハウジング124又は本体200に対して固定されている。場合によっては、本明細書で説明するように、支持構造226a、226bの一部は、シャフト228a、228bと協働して、清掃ローラ104a、104bをアクチュエータ214a、214bに回転可能に連結し且つ清掃ローラ104a、104bを取付装置218a、218bに回転可能に取り付ける。
【0043】
図1Aに示すように、ローラ104aとローラ104bは、ローラ104aの長手方向軸126aとローラ104bの長手方向軸126bが間隔S1を規定するように互いに離してある。間隔S1は、例えば、2cmから6cm、例えば2cmから4cmや4cmから6cm等である。
【0044】
ローラ104aとローラ104bは、ローラ104aのシェル222aとローラ104bのシェル222bが間隙108を規定するように取り付けられている。間隙108はシェル222aとシェル222bとの間にあり、シェル222a、222bの間で長手方向に伸びる。具体的には、ローラ104bのシェル222bの外面とローラのシェル222aの外面が間隙108だけ離してあり、間隙108はローラ104a、104bの長手方向軸126a、126bに沿って幅が変化する。間隙108は、清掃ローラ104aの中心114、例えば清掃ローラ104a、104bの両方の中心を通り且つ長手方向軸126a、126bに垂直な平面に向かうほど小さくなる。間隙108間隙108は、中心114に向かうほど幅が減少する。
【0045】
間隙108は、シェル222aの外面とシェル222bの外面との間の幅として測定される。場合によっては、間隙108の幅は、長手方向軸126aに沿ったいくつかの点におけるシェル222aとシェル222bとの間の最も近い距離として測定される。間隙108の幅は、長手方向軸126a、126bの両方を通る平面に沿って測定される。この場合、幅は、ローラ104a、104bの中心におけるローラ104a、104b間の距離S3がローラ104a、104bの端部における距離S2より大きくなるように変化する。
【0046】
図1Aにおける挿入図132aを参照して、ローラ104aの第一端部110aに近接する間隙108の長さS2は2mmから10mm、例えば2mmから6mm、4mmから8mm、6mmから10mm等である。間隙108の長さS2は、例えば、ローラ104aの長さL1に沿った間隙108の最小長さに相当する。図1Aにおける挿入図132bを参照して、清掃ローラ104aの中心114に近接する間隙108の長さS3は例えば5mmから30mmであり、例えば5mmから20mm、10mmから25mm、15mmから30mm等である。長さS3は、例えば、長さS2より3から15倍長く、例えば3から5倍、5から10倍、10から15倍等だけ長さS2より長い。間隙108の長さS3は、例えば、ローラ104aの長さL1に沿った間隙108の最大長さに相当する。場合によっては、間隙108は、清掃ローラ104の中心114から端部110a、110bに向かって線形的に増加する。
【0047】
ローラ104a、104b間の空隙109は、対向するローラ104a、104b上の羽根224a、224bの自由端の間の距離として規定される。いくつかの例では、距離は、羽根224a、224bが回転中にどのように並んでいるかによって異なる。ローラ104a、104bのシース220a、220b間の空隙109は、ローラ104a、104bの長手方向軸126a、126bに沿って変化する。具体的には、空隙109の幅は、ローラ104a、104bの羽根224a、224bの相対位置によって寸法が変化する。空隙109の幅は、シース220a、220bの外周間の距離、例えばローラ104a、104bの回転中に羽根224a、224bが互いに向かい合っている時は羽根224a、224b間の距離で規定される。空隙109の幅は、両ローラ104a、104bの羽根224a、224bが他方のローラと向かい合っていない場合、シェル222a、222bの外周間の距離で規定される。従って、ローラ104a、104bの外周は本明細書で説明するようにローラ104a、104bの長さに亘って一貫しているが、ローラ104a、104b間の空隙109はローラ104a、104bが回転すると幅が変化する。具体的には、間隙108は対向するローラ104a、104bが回転中も一定の長さを有するが、空隙109を規定する距離は、ローラ104a、104bが回転中は、ローラ104a、104bの羽根224a、224bの相対運動により変化する。空隙109は、最小幅である羽根224a、224bが互いに向かい合っている時の1mm~10mmから、最大幅である羽根224a、224bが並んでいない時の5mm~30mmまで幅が変化する。最大幅は、例えば、清掃ローラ104a、104bの中心における間隙108の長さS3に相当し、最小幅は、この間隙108の長さから清掃ローラ104a、104bの中心における羽根224a、224bの高さを引いた値に相当する。
【0048】
図2Aを参照して、いくつかの実施例においては、ロボット102は、デブリ106をローラ104a、104bの方に掃くために、非水平軸、例えば床面10と75度から90度の角度を成す軸周りに回転するブラシ233を備える。非水平軸は、例えば、清掃ローラ104a、104bの長手方向軸126a、126bと75度から90度の角度を成す。ロボット102は、ブラシ233に動作可能に接続されたアクチュエータ234を備える。ブラシ233は、床面10の通常はローラ104a、104bが届かない部分にあるデブリ106と係合することができるように、本体200の外周を越えて伸びる。
【0049】
図1Bに示す清掃動作中は、制御装置212がアクチュエータ208a、208bを操作してロボット102を床面10上で移動させている間、制御装置212は、ブラシ233がある場合は、ローラ104a、104bが届かないデブリ106と係合させるために、アクチュエータ234を操作してブラシ233を非水平軸周りに回転させる。具体的には、ブラシ233は、環境の壁の近傍のデブリ106と係合してデブリ106をローラ104a、104bの方に払うことができる。ブラシ233は、ローラ104a、104b間の間隙108を通してデブリ106を取り込むことができるように、デブリ106をローラ104a、104bに向けて掃く。
【0050】
制御装置212は、アクチュエータ214a、214bを操作して、ローラ104a、104bを軸126a、126b周りに回転させる。ローラ104a、104bは、回転すると、床面10上のデブリ106と係合してデブリ106を空気導管128の方に移動させる。図1Bに示すように、ローラ104a、104bは、例えば、協働して間隙108を通してデブリ106を空気導管128の方に移動させるために、互いに反対方向に、例えばローラ104aは時計回り方向130aに、そしてローラ104bは反時計回り方向130bに回転する。
【0051】
制御装置212は、空気流120を生成するために真空アセンブリ118も操作する。真空アセンブリ118は、ローラ104a、104bによって回収されたデブリ106を空気流120によって移動させることができるように、間隙108を通る空気流120を生成するよう操作される。空気流120は、空気流120によって運ばれたデブリ106を収集する清掃ビン122内にデブリ106を運ぶ。この場合、真空アセンブリ118及びローラ104a、104bの両方が床面10からのデブリ106の取り込みを容易にする。空気導管128は、デブリ106を含んだ空気流120を受け、空気流120を清掃ビン122内に誘導する。デブリ106は清掃ビン122内に堆積する。ローラ104a、104bが回転中は、ローラ104a、104bは、床面10に力を加えて床面10上のあらゆるデブリを撹拌する。デブリ106の撹拌によってデブリ106を床面10から除去することができ、それによって、ローラ104a、104bは更にデブリ106に接触することができるようになり、また、真空アセンブリ118によって生成される空気流120が更に容易にデブリ106をロボット102の内部に向けて運ぶことができるようになる。本明細書で説明するように、アクチュエータ214a、214bからローラ104a、104bの外面への向上したトルク伝達は、ローラ104a、104bがより多くの力を加えることを可能にする。その結果、ローラ104a、104bは、トルク伝達が少ないローラやブラシ、又は床面10やデブリ106との接触に応答して容易に変形するローラやブラシと比較して、より良好に床面10上のデブリ106を撹拌することができる。

清掃ローラの例
【0052】
図2Bに関して説明したローラ104a、104bの例は、図3A-3E、図4A-4D、及び図5A-5Gに関して説明するように、追加の構成を備え得る。図3Bに示すように、ローラ300の例は、シース302、支持構造303及びシャフト306を備える。ローラ300は、例えば、図1A図1B図2A及び図2Bに関して説明した後側ローラ104aに相当する。シース302、支持構造303及びシャフト306は、図2Bに関して説明したシース220a、支持構造226a及びシャフト228aと類似している。いくつかの実施例においては、シース220a、支持構造226a及びシャフト228aはそれぞれシース302、支持構造303及びシャフト306である。図3Cに示すように、ローラ300の全長L2は、ローラ104a、104bに関して説明した全長L1と同等である。
【0053】
清掃ローラ300は、清掃ローラ104aと同様に、清掃ロボット102に取り付けることができる。清掃ロボット102、清掃ローラ300及びそれらの構成要素に関連する絶対寸法及び相対寸法は、本明細書で説明されている。これらの寸法のいくつかは、例えばW1、S1-S3、L1-L10、D1-D7、M1及びM2といった参照文字で図面上に示してある。これらの寸法の実施例中の数値例は、本明細書の例えば「清掃ロボット及び清掃ローラの寸法例」のセクションで説明されている。
【0054】
図3B及び図3Cを参照して、シャフト306は、第一外端部308及び第二外端部310を有する細長い部材である。シャフト306は、長手方向軸312、例えばローラ104aの回転軸である軸126aに沿って、第一端部308から第二端部310まで伸びる。シャフト306は、例えば、金属材料で作られた駆動シャフトである。
【0055】
シャフト306の第一端部308及び第二端部310は、清掃ロボット、例えばロボット102に取り付けられるよう構成されている。第二端部310は、取付装置、例えば取付装置216aに取り付けられるよう構成されている。取付装置は、清掃ロボットのアクチュエータ、例えば図2Aに関して説明したアクチュエータ214aにシャフト306を連結する。第一端部308は、取付装置、例えば取付装置218aにシャフト306を回転可能に取り付ける。第二端部310は、清掃ロボットのアクチュエータによって駆動される。
【0056】
図3Bを参照して、支持構造303は、シャフト306の周囲に配置されており、シャフト306に回転可能に連結されている。支持構造303は、シャフト306に固定されたコア304を備える。本明細書で説明するように、いくつかの実施例においてはコア304をシャフト306に結合させるインサート成形処理によって、コア304及びシャフト306は互いに固定される。図3D及び図3Eを参照して、コア304は、シャフト306に沿って位置する第一外端部314及び第二外端部316を有する。コア304の第一端部314は、シャフト306の第一端部308に近接して配置されている。コア304の第二端部316は、シャフト306の第二端部310に近接して配置されている。コア304は長手方向軸312に沿って伸び、シャフト306の一部を囲う。
【0057】
図3D及び図4Aを参照し、場合によっては、支持構造303は、コア304の第一端部314からシャフト306の第一端部308に向かってローラ300の長手方向軸312に沿って伸びる伸長部305aを更に備える。伸長部305aは、例えば円筒形状を有する。支持構造303の伸長部305a及びシャフト306の第一端部308は、例えば、取付装置、例えば取付装置218aに回転可能に取り付けられるよう構成されている。取付装置218a、218bは例えば軸受面として機能し、伸長部305a及びそれによってローラ300が、伸長部305aと取付装置との間の接触により生じる比較的小さい摩擦力で、その長手方向軸312周りに回転することを可能にする。
【0058】
場合によっては、支持構造303は、コア304の第二端部314からシャフト306の第二端部310に向かってローラ300の長手方向軸312に沿って伸びる伸長部305bを備える。支持構造303の伸長部305b及びコア304の第二端部314は、例えば、取付装置、例えば取付装置216aに連結される。取付装置216aは、ローラ300を清掃ロボットのアクチュエータに取り付けること、例えばアクチュエータのモータシャフトに回転可能に連結することを可能にする。伸長部305bは、支持構造303を回転可能な取付装置、例えば取付装置216aに回転可能に連結する、例えば四角形、六角形、又はその他の多角形といった非円形の断面を有する角柱形状を有する。伸長部305bは、取付装置216aと係合して、支持構造303を取付装置216aに回転可能に連結する。
【0059】
取付装置216aは、シャフト306及び支持構造303の両方を清掃ロボットのアクチュエータに回転可能に連結し、それによってアクチュエータからシャフト306及び支持構造303へのトルク伝達を向上させている。シャフト306は、シャフト306から支持構造303及びシース302へのトルク伝達を向上させる形で、支持構造303及びシース302に取り付けることができる。図3C及び図3Eを参照して、シース302は支持構造303のコア304に固定されている。本明細書で説明するように、支持構造303及びシース302は、シース302を支持構造303に回転可能に連結するために互いに固定されている。具体的には、支持構造303及びシース302は、シース302と支持構造303との間の界面の全長に亘って支持構造303からシース302へのトルク伝達を向上させる形で、互いに固定されている。シース302は、例えばコア304とシース302が互いに直接接合されるオーバーモールドやインサート成形工程によって、コア304に固定されている。加えて、いくつかの実施例においては、シース302及びコア304は、コア304の回転運動によってシース302の回転運動を確実に駆動できるようにする連結形状を有する。
【0060】
シース302は、第一半片322及び第二半片324を有する。第一半片322は、シース302の、ローラ300の中心326を通りローラ300の長手方向軸312に垂直な中心平面327の一方側にある部分に相当する。第二半片324は、シース302の、中心平面327の他方側にある他部分に相当する。中心平面327は、例えば、ローラ300を二つの対称な半片に分割する二等分面である。この場合、固定部331は、中心が二等分面上に位置する。
【0061】
シース302は、シース302の第一半片322上の第一外端部318及びシース302の第二半片324上の第二外端部320を有する。シース302は、ローラ300の長手方向軸312に沿って、支持構造303のコア304を越えて伸びる。具体的には、シース302は、コア304の第一端部314及び第二端部316を越えて伸びる。場合によっては、シース302はローラ300の長手方向軸312に沿って伸長部305aを越えて伸び、伸長部305bはローラ300の長手方向軸312に沿ってシース302の第二端部320を越えて伸びる。
【0062】
場合によっては、コア304の長さに亘って伸びるシース302の固定部331aは支持構造303に固定されているが、コア304の長さを越えて伸びるシース302の自由部331b、331cは支持構造303に固定されていない。固定部331aは、例えば固定部331aが中心平面327に関して対称となるよう、中心平面327から長手方向軸312の両方向に沿って伸びる。自由部331bは固定部331aの一端に固定されており、自由部331cは固定部331aの他端に固定されている。
【0063】
いくつかの実施例においては、固定部331aは、自由部331b、331cと比較して、ローラ300のシース302が床面10や床面10上のデブリといった物体に接触した際の変形が少ない傾向がある。場合によっては、シース302の自由部331b、331cは床面10との接触に応答して撓むが、固定部331b、331cは半径方向に圧縮される。固定部331b、331cはシャフト306に向かって半径方向に伸びる材料を有するため、固定部331b、331cの半径方向圧縮の量は自由部331b、331cの半径方向撓みの量よりも小さい。本明細書で説明するように、場合によっては、固定部331b、331cを形成する材料はシャフト306及びコア304に接触する。
【0064】
図3Dは、シース302の一部を取り除いたローラ300の部分断面図を示す。図3A図3D及び図3Eを参照して、ローラ300は、第一収集穴328及び第二収集穴330を備える。収集穴328、330は、ローラ300によって引き込まれた繊維状のデブリが集まる傾向があるローラ300の端部の容積に相当する。具体的には、清掃動作中にローラ300が床面10上の繊維状のデブリと係合すると、繊維状のデブリはシース302の端部318、320上を移動し、シャフト306に巻き付き、そして収集穴328、330内に集まる。繊維状のデブリは、支持構造303の伸長部305a、305bに巻き付き、ユーザによって伸長部305a、305bから容易に取り除くことができる。これに関連して、伸長部305a、305bは収集穴328、330内に位置する。収集穴328、330は、シース302、コア304及びシャフト306によって規定される。収集穴328、330は、コア304の端部314及び端部316を越えて伸びるシース302の自由部によって規定される。
【0065】
第一収集穴328は、シース302の第一半片322内に位置する。第一収集穴328は、例えば、コア304の第一端部314、支持構造303の伸長部305a、シース302の自由部331b及びシャフト306によって規定される。コア304の第一端部314及びシース302の自由部331bは、第一収集穴328の長さL5を規定する。
【0066】
第二収集穴330は、シース302の第二半片324内に位置する。第二収集穴330は、例えば、コア304の第二端部316、シース302の自由部331c及びシャフト306によって規定される。コア304の第二端部316及びシース302の自由部331cは、第二収集穴330の長さL5を規定する。
【0067】
図3Eを参照して、シース302には、ローラ300の長手方向軸312に沿って、中心326、例えば中心平面327に向かってテーパがつけられている。シース302の第一半片322及び第二半片324の両方に、長手方向軸312に沿って、第一半片322及び第二半片324のそれぞれの少なくとも一部に亘って、中心326、例えば中心平面327に向かってテーパがつけられている。第一半片322にはシャフト306の第一外端部308に近接する部分から中心326に向かってテーパがつけられており、第二半片324にはシャフト306の第二外端部310に近接する部分から中心326に向かってテーパがつけられている。いくつかの実施例においては、第一半片322には第一外端部318から中心326に向かってテーパがつけられており、第二半片324には第二外端部320から中心326に向かってテーパがつけられている。いくつかの実施例においては、シース302には、シース302の全長に亘って中心326に向かってテーパをつけるのではなく、シース302の固定部331aに沿って中心326に向かってテーパがつけられており、シース302の自由部331b、331cにはテーパがつけられていない。シース302のテーパの度合は実施例によって異なる。テーパの度合を規定する寸法の例は、本明細書の他の部分で説明する。
【0068】
同様に、支持構造303は、ローラ300の中心326に向かってシース302にテーパをつけることを可能にするために、テーパ部分を有する。支持構造303のコア304は、例えば、ローラ300の中心326に向かってテーパがつけられた部分を有する。図4A-4Dは、コア304の構成の一例を示す。図4A及び図4Bを参照して、コア304は、第一端部314を含む第一半片400及び第二端部316を含む第二半片402を有する。コア304の第一半片400及び第二半片402は、中心平面327に関して対称である。
【0069】
第一半片400には長手方向軸312に沿ってローラ300の中心326に向かってテーパがつけられており、第二半片402にはローラ300の中心326、例えば中心平面327に向かってテーパがつけられている。いくつかの実施例においては、コア304の第一半片400には第一端部314から中心326に向かってテーパがつけられており、コア304の第二半片402には長手方向軸312に沿って第二端部316から中心326に向かってテーパがつけられている。場合によっては、コア304には、コア304の全長L3に亘って中心326に向かってテーパがつけられている。場合によっては、ローラ300の中心326又はその近傍におけるコア304の外径D1は、コア304の第一及び第二端部314、316又はその近傍におけるコア304の外径D2、D3よりも小さい。コア304の外径は、例えば、ローラ300の長手方向軸312に沿って、例えば端部314、316の両方における長手方向軸312に沿った位置から中心326に向かって、線形的に減少する。
【0070】
いくつかの実施例においては、支持構造303のコア304には第一端部314及び第二端部316からローラ300の中心326に向かってテーパがつけられており、伸長部305a、305bはコア304と一体になっている。コア304は、コア304の全長L3に亘ってシャフト306に固定されている。コア304の全長L3に亘ってコア304に固定することで、コア304及び/又はシャフト306に加わるトルクをコア304の全長L3に亘ってより均等に伝達することができる。
【0071】
いくつかの実施例においては、支持構造303は、コア304が不連続部分を有することなく支持構造303の全長に亘って伸びている、単独の一体部品である。コア304は、第一端部314及び第二端部316と一体である。代替的に、図4Bを参照して、コア304は、シャフト306の周囲に配置され、シース302内に配置され、そしてシース302に固定された、複数の不連続セクションを有する。コア304の第一半片400は、例えば、複数のセクション402a、402b、402cを有する。セクション402a、402b、402cは、コア304がセクション402a、402b間及びセクション402b、402c間に隙間403を有するように、互いに不連続である。複数のセクション402a、402b、402cは、それぞれ、シャフト306からコア304及び支持構造303へのトルク伝達を向上させるために、シャフト306に固定されている。この場合、シャフト306は、シャフト306と共に複数のセクション402a、402b、402cが一緒に回転するように、セクション402a、402b、402cを互いに機械的に連結している。複数のセクション402a、402b、402cのそれぞれには、ローラ300の中心326に向かってテーパがつけられている。複数のセクション402a、402b、402cは、例えば、それぞれがコア304の第一端部314から離れる方向に向かって先細になり、中心326に向かって先細になる。支持構造303の伸長部305aは、コア304のセクション402aに固定されており、例えばコア304のセクション402aと一体である。
【0072】
同様に、コア304の第二半片402は、例えば、複数のセクション404a、404b、404cであって、コア304がセクション404a、404b間及びセクション404b、404c間に隙間403を有するように、互いに不連続であるセクション404a、404b、404cを有する。複数のセクション404a、404b、404cはそれぞれシャフト306に固定されている。この場合、シャフト306は、シャフト306と共に複数のセクション404a、404b、404cが一緒に回転するように、セクション404a、404b、404cを互いに機械的に連結している。従って、コア304の第二半片402は、コア304の第一半片400と一緒に回転する。複数のセクション404a、404b、404cのそれぞれには、ローラ300の中心326に向かってテーパがつけられている。複数のセクション404a、404b、404cは、例えば、それぞれがコア304の第二端部314から離れる方向に向かって先細になり、中心326に向かって先細になる。支持構造303の伸長部305bは、コア304のセクション404aに固定されており、例えばコア304のセクション404aと一体である。
【0073】
場合によっては、第一半片400の中心326に最も近いセクション402c及び第二半片402の中心326に最も近いセクション404cは、互いに連続している。第一半片400のセクション402c及び第二半片402のセクション404cは、中心326からコア304の第一端部314及び第二端部316の両方に向かって外側に伸びる、連続したセクション406を形成する。このような例では、コア304は、五つの異なる不連続のセクション402a、402b、406、404a、404bを有する。同様に、支持構造303は、五つの異なる不連続の部分を有する。これらの部分のうちの一つ目は、伸長部305a及びコア304のセクション402aを有する。これらの部分のうちの二つ目は、コア304のセクション402bに相当する。これらの部分のうちの三つ目は、コア304の連続したセクション406に相当する。これらの部分のうちの四つ目は、コア304のセクション404bに相当する。これらの部分のうちの五つ目は、伸長部305b及びコア304のセクション404aを有する。コア304及び支持構造303は五つの異なる不連続の部分を有すると説明したが、いくつかの実施例においては、コア304及び支持構造303は、より少ない又は追加の不連続の部分を有する。
【0074】
図4C及び図4Dの両方を参照して、コア304の第一端部314は、交互に設けられたリブ408、410を有する。リブ408、410は、それぞれ、ローラ300の長手方向軸312から離れるように、外側に向かって放射状に伸びる。リブ408、410は互いに連続しており、セクション402aを形成している。
【0075】
横方向リブ408は、長手方向軸312に対して横方向に伸びる。横方向リブ408は、シャフト306に固定されたリング部412及びリング部412から放射状に外側に伸びる突出部414a-414dを有する。いくつかの実施例においては、突出部414a-414dはリング部412に関して軸対称、例えばローラ300の長手方向軸312に関して軸対称である。
【0076】
長手方向リブ410は、長手方向軸312に沿って長手方向に伸びる。リブ410は、シャフト306に固定されたリング部416及びリング部416から放射状に外側に伸びる突出部418a-418dを有する。突出部418a-418dは、リング部416に関して軸対称、例えばローラ300の長手方向軸312に関して軸対称である。
【0077】
リブ408のリング部412は、リブ410のリング部416の肉厚より厚い肉厚を有する。リブ408の突出部414a-414dは、リブ410の突出部418a-418dの肉厚より厚い肉厚を有する。
【0078】
突出部414a-414dの自由端415a-415dはリブ408の外径を規定し、突出部418a-418dの自由端419a-419dはリブ410の外径を規定する。自由端415a-415d、419a-419dと長手方向軸312との間の距離は、リブ408、410の幅を規定する。場合によっては、幅はリブ408、410の外径である。自由端415a-415d、419a-419dは、中心が長手方向軸312上にある円と一致する円弧であり、例えば中心が長手方向軸312上にある円の外周の一部である。これらの円は、互いに及びリング部412、416と同心である。場合によっては、中心326に近いリブ408、410の外径は、中心326から遠いリブ408、410の外径よりも大きい。リブ408、410の外径は、第一端部314から中心326に向かって、例えば中心平面327に向かって線形的に減少する。具体的には、図4Dに示すように、リブ408、410は、セクション402aの長さに亘って伸びる連続的な長手方向リブ411を形成する。リブは、長手方向軸312から放射状に外側に伸びる。長手方向軸312に対するリブ411の高さは中心327に向かって減少する。ブ411の高さは、例えば、中心327に向かって線形的に減少する。
【0079】
図4Bも参照して、いくつかの実施例においては、支持構造303のコア304は、ローラ300の長手方向軸312から離れる方向に伸びる柱420を備える。柱420は、例えば、ローラ300の長手方向軸312に平行に且つ長手方向軸312を通って伸びる平面から伸びる。本明細書で説明するように、柱420によって、シース302と支持構造303との間のトルク伝達を向上させることができる。柱420は、シース302と支持構造303との間の接着強度を向上させるためだけでなくトルク伝達も向上させるために、シース302内まで伸びる。柱420によってローラ300全体の質量分布のバランスを取ることで、ローラ300の振動を安定させ且つ軽減することができる。
【0080】
いくつかの実施例においては、柱420は、コア304のリブに対して垂直に、例えば突出部418a、418cに対して垂直に伸びる。突出部418a、418cは、例えば、ローラ300の長手方向軸312から離れる方向に垂直に伸び、柱420は突出部418a、418cから伸び突出部418a、418cに対して垂直である。柱420は、例えば0.5mmから4mmの長さL6、例えば0.5mmから2mm、1mmから3mm、1.5mmから3mm、2mmから4mmといった長さL6を有する。
【0081】
いくつかの実施例においては、コア304は、ローラ300の長手方向軸312に沿った複数の位置に複数の柱420a、420bを備える。コア304は、例えば、ローラ300の長手方向軸312に垂直な単一の横方向平面から伸びる複数の柱420a、420cを備える。柱420a、420cは、例えば、ローラ300の長手方向軸312に平行に且つ長手方向軸312を通って伸びる長手方向平面に沿って互いに対称である。長手方向平面は、柱420a、420cが伸びる横方向平面とは異なる、横方向平面に垂直な平面である。いくつかの実施例においては、横方向平面上の柱420a、420cは、ローラ300の長手方向軸312に関して軸対称に配置されている。
【0082】
各リブ408、410に対して四つの突出部が示されているが、いくつかの実施例においては、リブ408、410はより少ない又は追加の突出部を有する。図4C及び図4Dは第一端部314及びコア304のセクション402aに関して説明されているが、第二端部316及びコア304のその他のセクション402b、402c及び404a-404cの構成も、図4C及び図4Dの例に関して説明した構成と同等であっても良い。コア304の第一半片400は、例えば、中心平面327に関して第二半片402と対称である。
【0083】
コア304の周囲に配置されたシース302は、複数の適切な構成を有する。図3A-3Eは、構成の一例を示している。シース302は、コア304を覆ってコア304に固定されているシェル336を備える。シェル336は、中心平面327に関して対称な第一半片338及び第二半片340を有する。シース302の第一半片322はシェル336の第一半片338を含み、シース302の第二半片324はシェル336の第二半片340を含む。
【0084】
いくつかの実施例においては、シェル336の第一半片338及び第二半片340は、円錐台形部341a、341b及び円筒部343a、343bを有する。円錐台形部341a、341b及び円筒部343a、343bの中心軸は、それぞれ、ローラ300の長手方向軸312に平行に且つ長手方向軸312を通って伸びる。
【0085】
シース302の自由部331b、331cは、円筒部343a、343bを含む。これに関連して、円筒部343a、343bは、コア304の端部314、316を越えて伸びる。円筒部343a、343bは、内面及び外面を有するチューブ状の部分である。収集穴328、330は、円筒部343a、343bの内面で規定される。
【0086】
シース302の固定部331aは、シェル336の円錐台形部341a、341bを含む。円錐台形部341a、341bは、中心平面327から、長手方向軸312に沿って、シース302の端部318、320に向かって伸びる。円錐台形部341a、341bは、シェル336の外径がローラ300の中心326、例えば中心平面327に向かって減少するように、支持構造303のコア304上に配置されている。中心平面327におけるシェル336の外径D4は、例えば、シース302の外端部318、320におけるシェル336の外径D5、D6より小さい。円筒部343a、343bの内面は自由であるのに対し、円錐台形部341a、341bの内面はコア304に固定されている。場合によっては、シェル336の外径は中心326に向かって線形的に減少する。
【0087】
シース302は円筒部343a、343bを有すると説明したが、いくつかの実施例においては、343a、343bの部分は円錐台形部341a、341bの一部であり、同様にテーパがつけられている。円錐台形部341a、341bは、シース302の全長に亘って伸びる。この場合、収集穴328、330は、円錐台形部341a、341bの内面で規定される。
【0088】
図3Dを参照して、シェル336は、コア304の突出部、例えば突出部414a-414d、418a-418dに固定されたコア固定部350を備える。具体的には、コア固定部350は、円錐台形部341a、341bをコア304に固定する。コア固定部350は、それぞれ、シェル336の外面から放射状に内側に伸び、コア304の突出部に固定されている。例えば、コア固定部350は、コア304から円錐台形部341a、341bへの均等なトルク伝達が可能となるようにコア304に連結されている。具体的には、コア固定部350は、コア304を回転させた際にコア304がシェル336及びそれによってシース302をより容易に駆動できるように、コア304の突出部414a-414d、418a-418dの間に位置する。コア固定部350は、例えば、コア304の隣接する突出部414a-414d、418a-418dの間に円周方向に伸び、コア304のリング部412、416に向かって放射状に内側に伸びる、楔形の部分である。
【0089】
図3Eを参照して、シェル336は、シェル336の外面からシャフト306に向かって放射状に内側に伸びる、シャフト固定部352を更に備える。シャフト固定部352は、円錐台形部341a、341bをシャフト306に固定する。具体的には、シャフト固定部352は、不連続のセクション402a、402b、402c間においてシャフト306に向かって内側に伸び、シャフト固定部352によってシース302をシャフト306に固定することを可能にしている。従って、シース302は、コア304を介して支持構造303に固定され、シース302とシャフト306が直接接することを可能にしているコア304の不連続のセクションの間の隙間403(図4Bに示す)を介してシャフト306に固定されている。場合によっては、本明細書で説明するように、シャフト固定部352は、シース302を成形するオーバーモールド工程中にシャフト306に直接接着される。
【0090】
シャフト306がコア304及びシャフト306の両方に固定されているため、シャフト306に伝達させたトルクをシース302に容易に伝達することができる。増加したトルク伝達により、シース302が床面10からデブリを拾い上げる能力を向上させることができる。トルク伝達は、シース302とコア304との間の連動結合部により、ローラ300の長さに亘って一定であり得る。具体的には、シェル336のコア固定部350はコア304に連結されている。シェル336の外面は、シェル336とコア304との間の界面の全長に亘って、シャフト306と同じ又は同等の速度で回転することができる。
【0091】
いくつかの実施例においては、ローラ300のシース302は、シェル336及びシェル336の外面から実質放射状に伸びる片持ち羽根を含む一体部品である。羽根は、それぞれ、一端がシェル336の外面に固定され、他端が自由となっている。各羽根の高さは、シェル336に固定されている端部、例えばシェル336への取付点から自由端までの距離で規定される。自由端は、ローラ300が回転中は、シース302の外周を掃く。外周はローラ300の長さに亘って一貫している。軸312からシェル336の外面までの半径がシース302の端部318、320から中心327に向かって減少するため、ローラ300がローラ300の長さに亘って一貫した外周を有するように、各羽根の高さはシース302の端部318、320から中心327に向かって増加する。いくつかの実施例においては、羽根は、各羽根の二本の脚がそれぞれシース302の対向する端部318、320から始まり、二本の脚がローラ300の中心327においてある角度を成してV字型を形成するようなシェブロン形状を有する。V字型の先端は、回転方向において脚に先行する。
【0092】
図5A及び図5Bは、シェル336の外面に一以上の羽根を有するシース302の一例を示している。本明細書では図3Cを参照して一つの羽根342が説明されているが、いくつかの実施例においては、ローラ300は複数の羽根を備えており、複数の羽根のそれぞれは羽根342と類似しているが、シェル336の外面に沿った異なる位置に配置されている。羽根342は、場合によっては清掃動作中にローラ300が回転すると床面10と係合する、シース302の撓み可能な部分である。羽根342は、シェル336の円筒部343a、343b及び円錐台形部341a、341bの外面に沿って伸びる。羽根342は、シース302から放射状に外側に向かって、ローラ300の長手方向軸312から離れる方向に伸びる。羽根342は、ローラ300が回転して床面300と接触した際に撓む。
【0093】
図5Bを参照して、羽根342は、シェル336に固定されている第一端500から第二自由端502まで伸びる。羽根342の高さは、例えば、第一端500から第二端502までを測定した高さH1、例えばシェル336の外面から測定した羽根342の高さに相当する。羽根342の、ローラ300の中心326に近接する部分の高さH1は、シャフト306の第一端部308及び第二端部310に近接する羽根342の高さH1より高い。羽根342の、ローラ300の中心に近接する部分の高さH1は、場合によっては、羽根342の最大高さである。場合によっては、羽根342の高さH1は、ローラ300の中心326からシャフト306の第一端部308に向かって線形的に減少する。場合によっては、羽根342の高さH1は、シェル336の円筒部343a、343bに亘って一定であり、シェル336の円錐台形部341a、341bに沿って線形的に減少する。いくつかの実施例においては、羽根342は、床面10との接触に応答してよりたやすく撓むように、ローラ300の回転方向503に関して後方向に角度付けられている。
【0094】
図5Aを参照して、羽根342は、例えば、シェル336の外面に沿ってV字型の経路504を辿る。V字型の経路504は、中心平面327からシース302の第一端部318及び第二端部320に向かってそれぞれ伸びる第一脚506及び第二脚508を有する。第一脚506及び第二脚508は、シェル336の外面に沿って周方向に、具体的にはローラ300の回転方向503に伸びる。羽根342の高さH1は、経路504の第一脚506に沿って、中心平面327から第一端部318に向かって減少し、経路504の第二脚508に沿って、中心平面327から第二端部320に向かって減少する。場合によっては、羽根342の高さは、中心平面327から第二端部320に向かって線形的に減少し、中心平面327から第一端部308に向かって線形的に減少する。
【0095】
場合によっては、シース302の外径D7は、ローラ300の長手方向軸312を通る平面の両側に配置された羽根342a、342bの自由端502a、502b間の距離に相当する。シース302の外径D7は、場合によっては、シース302の全長に亘って一定である。この場合、シェル336の円錐台形部341a、341bのテーパに関わらず、シース302の外径はシース302の羽根342a、342bの変化する高さによりシース302の長さに亘って一定である。
【0096】
ローラ300を別のローラ、例えばローラ104bと組み合わせると、ローラ300のシェル336の外面及び他方のローラのシェル336の外面は、それらの間に間隙、例えば本明細書で説明する間隙108を規定する。二つのローラは、それらの間に空隙、例えば本明細書で説明する空隙109を規定する。円錐台形部341a、341bのテーパにより、間隙はローラ300の中心326に向かって大きくなる。円錐台形部341a、341bは、ローラ300の中心326に向かって内側に向けて先細になっていることで、ローラ300によって拾い上げられた繊維状のデブリのシース302の端部318、320に向けた移動を促進する。繊維状のデブリは、次いで、ユーザがローラ300から繊維状のデブリを容易に取り除くことができるように、収集穴328、330に収集することができる。いくつかの例では、収集穴328、330内に収集された繊維状のデブリの除去を可能にするために、ユーザは清掃ロボットからローラ300を取り外す。
【0097】
場合によっては、円錐台形部341a、341bのテーパにより、空隙の大きさが変化する。具体的には、空隙の幅は、ローラ300の羽根342a、342が他方のローラの羽根と向かい合っているか否かによる。ローラ300のシース302と他方のローラのシースとの間の空隙の幅はローラ300の長手方向軸312に沿って変化するが、二つのローラの外周は一定である。ローラ300に関して説明するように、羽根342a、342bの自由端502a、502bはローラ300の外周を規定する。同様に、他方のローラの羽根の自由端は他方のローラの外周を規定する。羽根342a、342bが他方のローラの羽根と向かい合っている場合、空隙の幅は、ローラ300と他方のローラとの間の最小幅、例えばローラ300のシェル336の外周と他方のローラのシェルの外周との間の距離に相当する。空隙が二つのローラのシェル間の距離で規定されるようにローラの羽根342a、342b及び他方のローラの羽根が配置されている場合、空隙の幅は、二つのローラ間、例えばローラ300の羽根342a、342bの自由端502a、502bと他方のローラの羽根の自由端との間の最大幅に相当する。

清掃ロボット及び清掃ローラの寸法例
【0098】
清掃ロボット102、ローラ300、及びそれらの構成要素の寸法は、実施例によって異なる。図3E及び図6を参照して、いくつかの例では、ローラ300の長さL2は、シャフト306の外端部308、310間の長さに相当する。この場合、シャフト306の長さは、ローラ300の全長L2に相当する。長さL2は、例えば、10cmから50cm、例えば10cmから30cm、20cmから40cm、30cmから50cmである。ローラ300の長さL2は、例えば、ロボット102の全幅W1(図2Aに示す)の70%から90%、例えばロボット102の全幅W1の70%から80%、75%から85%、及び80%から90%等である。ロボット102の幅W1は、例えば、20cmから60cm、例えば20cmから40cm、30cmから50cm、40cmから60cm等である。
【0099】
図3Eを参照して、コア304の長さL3は8cmから40cm、例えば8cmから20cm、20cmから30cm、15cmから35cm、25cmから40cm等である。コア304の長さL3は、例えば、シェル336の円錐台形部341a、341bの長さとシース302の固定部331aの長さを合わせた長さに相当する。コア304の長さL3は、ローラ300の長さL2の70%から90%、例えばローラ300の長さL2の70%から80%、70%から85%、75%から90%等である。シース302の長さL4は、9.5cmから47.5cm、例えば9.5cmから30cm、15cmから30cm、20cmから40cm、20cmから47.5cm等である。シース302の長さL4は、ローラ300の長さL2の80%から99%、例えばローラ300の長さL2の85%から99%、90%から99%等である。
【0100】
図4Bを参照して、支持構造303の伸長部305a、305bの一つの長さL8は、例えば、1cmから5cm、例えば1cmから3cm、2cmから4cm、3cmから5cm等である。伸長部305a、305bの合計長さは、例えば、支持構造303の全長L9の10%から30%、例えば全長L9の10%から20%、15%から25%、20%から30%等である。いくつかの例では、伸長部305aの長さは伸長部305bの長さと異なる。伸長部305aの長さは、例えば、伸長部305bの長さの50%から90%、例えば50%から70%、70%から90%等である。
【0101】
コア304の長さL3は、例えば、全長L9の70%から90%、例えば全長L9の70%から80%、75%から85%、80%から90%等である。全長L9は、例えば、ローラ300の全長L2の85%から99%、例えばローラ300の全長L2の90%から99%、95%から99%等である。シャフト306は、例えば、0.3mmから2mmの長さL10だけ、例えば0.3mmから1mm、0.3mmから1.5mm等だけ伸長部305aを越えて伸びる。本明細書で説明するように、場合によっては、ローラ300の全長L2は、支持構造303の長さL9を越えて伸びるシャフト306の全長に相当する。
【0102】
図3Eを参照して、いくつかの実施例においては、収集穴328、330のうちの一つの長さL5は、例えば、1.5cmから10cm、例えば1.5cmから7.5cm、5cmから10cm等である。長さL5は、例えば、シェル336の円筒部343a、343bの長さ及びシース302の自由部331b、331cの長さに相当する。収集穴328、330のうちの一つの長さL5は、例えば、ローラ300の長さL2の2.5%から15%、例えばローラ300の長さL2の2.5%から10%、5%から10%、7.5%から12.5%、10%から15%である。収集穴328、330の全合計長さは、例えば、3cmから15cm、例えば3cmから10cm、10cmから15cm等である。この全合計長さは、シース302の自由部331b、331cの全合計長さ及びシェル336の円筒部343a、343bの全合計長さに相当する。収集穴328、330の全合計長さは、例えば、ローラ300の長さL2の5%から30%、例えばローラ300の長さL2の5%から15%、5%から20%、10%から25%、15%から30%等である。いくつかの例では、収集穴328、330の合計長さは、コア304の長さL3の5%から40%、例えばコア304の長さL3の5%から20%、20%から30%、及び30%から40%等である。
【0103】
いくつかの実施例においては、図6に示すように、シース302の端部318と端部320との間のローラ300の幅又は直径は、シース302の直径D7に相当する。直径D7は、場合によっては、シース302の端部318から端部320まで一定である。端部318の位置と端部320の位置との間のローラ300の長手方向軸312に沿った異なる位置におけるローラ300の直径D7は等しい。直径D7は、例えば、20mmから60mm、例えば20mmから40mm、30mmから50mm、40mmから60mm等である。
【0104】
図5Bを参照して、羽根342の高さH1は、例えば、0.5mmから25mm、例えば0.5mmから2mm、5mmから15mm、5mmから20mm、5mmから25mm等である。中心平面327における羽根342の高さH1は、例えば、2.5mmから25mm、例えば2.5mmから12.5mm、7.5mmから17.5mm、12.5から25mm等である。シース302の端部318、320における羽根342の高さH1は、例えば、0.5mmから5mm、例えば0.5mmから1.5mm、0.5mmから2.5mm等である。中心平面327における羽根342の高さH1は、例えば、シース302の端部318、320における羽根342の高さH1より1.5倍から50倍、例えば1.5倍から5倍、5倍から10倍、10倍から20倍、10倍から50倍大きい。例えば、中心平面327における羽根342の高さH1は羽根342の最大高さに相当し、シース302の端部318、320における羽根342の高さH1は羽根342の最小高さに相当する。いくつかの実施例においては、羽根342の最大高さはシース302の直径D7の5%から45%、例えばシース302の直径D7の5%から15%、15%から30%、30%から45%等である。
【0105】
直径D7はシース302の端部318、320間において一定であっても良いが、コア304の直径はローラ300の長さに沿った異なる点において異なっていても良い。中心平面327に沿ったコア304の直径D1は、例えば、5mmから20mm、例えば5mmから10mm、10mmから15mm、15mmから20mm等である。コア304の第一及び第二端部314、316又はその近くにおけるコア304の直径D2、D3は、例えば、10mmから50mm、例えば10mmから20mm、15mmから25mm、20mmから30mm、20mmから50mmである。例えば、直径D2、D3はコア304の最大直径であり、直径D1はコア304の最小直径である。直径D2、D3は、例えば、5mmから20mmだけ、例えば5mmから10mm、5mmから15mm、10mmから20mm等だけシース302の直径D7より小さい。いくつかの実施例においては、直径D2、D3はシース302の直径D7の10%から90%、例えばシース302の直径D7の10%から30%、30%から60%、60%から90%等である。直径D1は、例えば、シース302の直径D7より10mmから25mmだけ、例えば10mmから15mm、10mmから20mm、15mmから25mm等だけ小さい。いくつかの実施例においては、直径D1は、シース302の直径D7の5%から80%、例えばシース302の直径D7の5%から30%、30%から55%、55%から80%等である。
【0106】
同様に、羽根342a、342bの自由端502a、502bで規定されるシース302の外径は一定であっても良いが、シース302のシェル336の直径はシェル336の長さに沿った異なる点において異なっていても良い。中心平面327に沿ったシェル336の直径D4は、例えば、7mmから22mm、例えば7mmから17mm、12mmから22mm等である。中心平面327に沿ったシェル336の直径D4は、例えば、シェル336の肉厚で規定される。シース302の外端部318、320におけるシェル336の直径D5、D6は、例えば、15mmから55mm、例えば15mmから40mm、20mmから45mm、30mmから55mm等である。場合によっては、直径D4、D5及びD6は、中心平面327に沿ったコア304の直径D1、D2及びD3より1mmから5mmだけ、例えば1mmから3mm、2mmから4mm、3mmから5mm等だけ直径D1より大きい。シェル336の直径D4は、例えば、シース302の直径D7の10%から50%、例えば直径D7の10%から20%、15%から25%、30%から50%等である。シェル336の直径D5、D6は、例えば、シース302の直径D7の80%から95%、例えばシースの直径D7の80%から90%、85%から95%、90%から95%等である。
【0107】
いくつかの実施例においては、直径D4はシェル336の長さに沿ったシェル336の最小直径に相当し、直径D5、D6はシェル336の長さに沿ったシェル336の最大直径に相当する。直径D5、D6は、例えば、シェル336の円筒部343a、343bの直径及びシェル336の円錐台形部341a、341bの最大直径に相当する。図1Aに示す例では、間隙108の長さS2は、清掃ローラ104a、104bのシェルの最大直径で規定される。間隙108の間隔S3の長さS3は、清掃ローラ104a、104bのシェルの最小直径で規定される。
【0108】
いくつかの実施例においては、コア304の直径は、コア304の長さに沿って線形的に変化する。コア304の直径は、コア304の長さに亘って、最小直径から最大直径まで、例えば、0.01から0.4mm/mmの傾きM1、例えば0.01から0.3mm/mm、0.05から0.35mm/mm等の傾きM1で増加する。これに関連して、コア304の外面で規定される傾きM1と長手方向軸312との間の角度は、例えば、0.5度から20度、例えば1度から10度、5度から20度、5度から15度、10度から20度等である。
【0109】
図3Eを参照して、同様に、いくつかの例では、シェル336の直径もシェル336の長さに沿って線形的に変化する。コア304の直径は、最小直径から最大直径まで、シェル336の長さに沿って、コア304の直径に関して説明した傾きと同等の傾きM2で増加する。傾きM2は、例えば、0.01から0.4mm/mm、例えば0.01から0.3mm/mm、0.05から0.35mm/mm等である。シェル336の外面で規定される傾きM2と長手方向軸との間の角度は、コア304の傾きM1と同等である。傾きM2と長手方向軸312との間の角度は、例えば、0.5度から20度、例えば1度から10度、5度から20度、5度から15度、10度から20度等である。具体的には、傾きM2は、シェル336の円錐台形部341a、341bの傾きに相当する。

清掃ローラ製造方法例
【0110】
ローラ300のシース302、支持構造303及びシャフト306の特定の構成は、複数ある適切な方法のうちの一つを用いて製造することができる。シャフト306は、例えば、機械加工や金属射出成型といった金属製造法によって形成された単一要素である。支持構造303をシャフト306に固定するために、支持構造303は、例えば、支持構造303用の型の中に溶融プラスチック材料を注入する射出成型法によりプラスチック材料で形成される。いくつかの実施例においては、シャフト306は、インサート射出成形法により、支持構造303用の型に溶融プラスチック材料を注入する前に型の中に挿入される。溶融プラスチック材料は、冷めると、シャフト306と結合して型内で支持構造303を形成する。その結果、支持構造303はシャフト306に固定される。支持構造303のコア304が不連続のセクション402a、402b、402c、404a、404b、404cを有する場合、型の表面は、不連続のセクション402a、402b、402c、404a、404b、404c間の隙間403においてシャフト306と係合し、支持構造303が隙間403に形成されるのを阻止する。
【0111】
場合によっては、シース302は、シース302用の型の中にシース302を形成する溶融プラスチック材料を注入する前にシャフト306に固定された支持構造303を有するシャフト306を型に挿入するインサート射出成型法により形成される。溶融プラスチック材料は、冷めると、支持構造303のコア304と結合して型内でシース302を形成する。シース302は、射出成型工程中にコア304と結合することで、コア304を介して支持構造303に固定される。いくつかの実施例においては、シース302用の型は、円錐台形部341a、341bはコア304と結合するが円筒部343a、343bはコア304と結合しないように設計されている。むしろ、円筒部343a、343bは付着しておらず、コア304の端部314、316を越えて自由に伸びて収集穴328、330を規定する。
【0112】
いくつかの実施例においては、シース302とコア304との間の結合力を向上させるために、コア304は、シース302用の溶融プラスチック材料が冷める際にシース302とコア304との間の結合面積を増加させる構造的な特徴を有する。いくつかの実施例においては、コア304の突出部、例えば突出部414a-414d、418a-418dは、シース302とコア304との間の結合面積を増加させる。コア固定部350及びコア304の突出部は、コア304が例えば一様な円筒形状又は一様な角柱形状を有するその他の例と比較すると大きい結合面積を有する。更なる例では、柱420はシース302内まで伸び、それによってコア固定部350とシース302との間の結合面積を更に増加させている。柱420は、シース302と係合して、シース302をコア304に回転可能に連結する。いくつかの実施例においては、不連続のセクション402a、402b、402c、404a、404b、404c間の隙間403は、シース302の一部が不連続のセクション402a、402b、402c、404a、404b、404c間の隙間403内に位置するようにシース302を形成するプラスチック材料がシャフト306に向かって放射状に内側に伸びることを可能にする。場合によっては、シャフト固定部352は、シャフト306に接触し、本明細書で説明するインサート成形工程中にシャフト306に直接結合する。
【0113】
この製造法例により、シャフト306から支持構造303へ、そしてシース302への均一なトルク伝達を更に促進することができる。これらの構造間の結合の強化により、駆動軸から、例えばローラ300の長手方向軸312から外方にシース302の外面に向かってトルクが伝達されない可能性を低減することができる。トルクが効率的に外面に伝達されるため、ローラ300の外面のより多くの部分が床面上のデブリを動かすためにより多くのトルクを発揮し、デブリの拾い上げを促進することができる。
【0114】
更に、シース302がコア304に向かって内側に伸びてコア304に連結されているため、シース302のシェル336は、床面に接触しても円形を維持することができる。羽根342a、342bは床面との接触及び/又はデブリとの接触に応答して撓むことができるが、シェル336はそれと比較して少ししか撓むことができず、それによってシェル336がより多くの力を接触するデブリに加えることを可能にしている。この増加したデブリに加わる力により、ローラ300がより容易にデブリを取り込むことができるようにデブリの撹拌量を増加させることができる。更に、増加したデブリの撹拌は、真空アセンブリ118によって生成された空気流120がデブリを清掃ロボット102内に運ぶのを補助することができる。これに関連して、ローラ300は、床面との接触に応答して撓むのではなく、むしろその形を維持してより容易にデブリに力を伝達することができる。

その他実施例
【0115】
多くの実施例を説明した。しかしながら、様々な変更が可能であることが理解されるであろう。
【0116】
上述の例のいくつかは一つのローラ300又はローラ104aに関して説明しているが、本明細書で説明するように、ローラ300は、ローラ300の羽根342の配置が前側ローラ104bの羽根224bの配置と異なる以外は、前側ローラ104bと類似している。具体的には、ローラ104bは前側ローラでありローラ104aは後側ローラであるため、ローラ104aの羽根224a用のV字型の経路は、例えばローラ104a、104bの長手方向軸126a、126bから等距離にある垂直平面に関して、ローラ104bの羽根224b用のV字型の経路と対称である。羽根224b用のV字型の経路の脚はローラ104bのシェル222bの外面に沿って反時計回り方向130bに伸びるが、羽根224a用のV字型の経路の脚はローラ104aのシェル222aの外面に沿って時計回り方向130aに伸びる。
【0117】
いくつかの実施例においては、ローラ104aとローラ104bは異なる長さを有する。ローラ104bは、例えば、ローラ104aより短い。ローラ104bの長さは、例えば、ローラ104aの長さの50%から90%、例えばローラ104aの長さの50%から70%、60%から80%、70%から90%である。ローラ104a、104bの長さが異なる場合、ローラ104a、104bは、場合によっては、ローラ104a、104bのシェル222a、222bの最小直径がローラ104a、104bの長手方向軸126a、126bの両方に垂直である同じ平面上に沿うように構成される。その結果、シェル222a、222b間の間隙は、この平面におけるシェル222a、222bで規定される。
【0118】
このように、その他の実施例も特許請求の範囲内にある。
【0119】
[第1項]
清掃ロボットに取り付け可能な清掃ローラであって、
第一端部から第二端部まで回転軸に沿って伸びる細長いシャフトであって、該第一端部及び該第二端部は該回転軸周りに回転するために前記清掃ロボットに取り付け可能である、シャフトと、
前記シャフトの周りに固定され、該シャフトに沿って該シャフトの前記第一端部及び前記第二端部に近接して配置された外端部を有するコアであって、該シャフトの該第一端部に近接する部分から前記回転軸に沿って位置する該シャフトの中心に向かってテーパがつけられているコアと、
前記コアに固定され、該コアの前記外端部を越えて伸びるシースであって、それぞれに前記シャフトの前記中心に向かってテーパがつけられている第一半片及び第二半片を有するシースと、
前記コアの前記外端部と前記シースとによって規定される収集穴と、
を備える清掃ローラ。
[第2項]
前記清掃ローラの長さは20cmから30cmであり、前記シースは該シースの長さの75%から90%に亘って前記シャフトに固定されている、
第1項に記載の清掃ローラ。
[第3項]
前記コアは、前記シャフトの周囲かつ前記シース内に位置する複数の不連続のセクションを有する、
第1項又は第2項に記載の清掃ローラ。
[第4項]
前記シースは、前記コアの前記不連続のセクション間の位置において前記シャフトまで伸びる、
第3項に記載の清掃ローラ。
[第5項]
前記コアは、前記シースに向かって前記回転軸から離れる方向に伸びる複数の柱であって、該シースと係合して該シースを該コアと連結する複数の柱を有する、
第1項から第4項のいずれか一項項に記載の清掃ローラ。
[第6項]
前記第一半片及び前記第二半片は、それぞれ、前記回転軸と5度から20度の角度を成す外面を有する、
第1項から第5項のいずれか一項に記載の清掃ローラ。
[第7項]
前記シースの前記第一半片には前記第一端部に近接する部分から前記シャフトの前記中心に向かってテーパがつけられており、該シースの前記第二半片には該シャフトの前記第二端部に近接する部分から該シャフトの中心に向かってテーパがつけられている、
第1項から第6項のいずれか一項に記載の清掃ローラ。
[第8項]
前記シースは前記コアを囲い該コアに固定されたシェルを有し、該シェルは円錐台形の半片を有する、
第1項から第7項のいずれか一項に記載の清掃ローラ。
[第9項]
前記シースは、
前記コアを囲い該コアに固定されたシェルと、
前記シェルから放射状に外側に伸びる羽根であって、該羽根の、前記シャフトの前記第一端部に近接する部分の高さは、該羽根の、該シャフトの前記中心に近接する部分の高さより低く、該羽根の高さは該羽根の該シェルへの取り付け点から該羽根の自由端までの距離で規定される、羽根と、
を有する、
第1項から第8項のいずれか一項に記載の清掃ローラ。
[第10項]
前記羽根は前記シースの外面に沿ったV字型の経路に沿う、
第9項に記載の清掃ローラ。
[第11項]
前記羽根の、前記第一端部に近接する部分の高さは1ミリメートルから5ミリメートルであり、該羽根の、前記シャフトの前記中心に近接する部分の高さは10ミリメートルから30ミリメートルである、
第9項又は第10項に記載の清掃ローラ。
[第12項]
前記収集穴のうちの一つの長さは前記清掃ローラの長さの5%から15%である、
第1項から第11項のいずれか一項に記載の清掃ローラ。
[第13項]
前記シースのチューブ状部が前記収集穴を規定する、
第1項から第12項のいずれか一項に記載の清掃ローラ。
[第14項]
前記シースは前記コアを囲い該コアに固定されたシェルを更に備え、該シェルの最大幅は該シースの全直径の80%から95%である、
第1項から第13項のいずれか一項に記載の清掃ローラ。
[第15項]
本体と、
前記本体を床面上で動かすよう動作可能な駆動部と、
清掃アセンブリであって、
前記本体に取り付けられ第一軸周りに回転可能な第一清掃ローラと、
前記本体に取り付けられ、前記第一軸と平行な第二軸周りに回転可能な第二清掃ローラと、
を備える清掃アセンブリと、
を備え、
前記第一清掃ローラのシェル及び前記第二清掃ローラはそれらの間に間隙を規定し、該間隙は、前記第一軸に沿って伸び、該第一清掃ローラの長さの中心に向かって増加する、
自律型清掃ロボット。
[第16項]
前記第一清掃ローラの前記シェル及び前記第二清掃ローラのシェルが前記間隙を規定する、
第15項に記載の自律型清掃ロボット。
[第17項]
前記間隙は、前記第一清掃ローラの長さの中心において5ミリメートルから30ミリメートルである、
第15項又は第16項に記載の自律型清掃ロボット。
[第18項]
前記第一清掃ローラの長さは20センチメートルから30センチメートルである、
第15項から第17項のいずれか一項に記載の自律型清掃ロボット。
[第19項]
前記本体の前部は実質矩形の形状を有し、前記第一清掃ローラ及び前記第二清掃ローラは該本体の該前部の底面に取り付けられている、
第15項から第18項のいずれか一項に記載の自律型清掃ロボット。
[第20項]
前記第一清掃ローラ及び前記第二清掃ローラは、該第一清掃ローラの長さの中心においてそれらの間に空隙を規定し、該空隙は、該第一清掃ローラ及び該第二清掃ローラが回転すると幅が変化する、
第15項から第19項のいずれか一項に記載の自律型清掃ロボット。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6