(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】外科用インプラント及び積層造形方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/86 20060101AFI20220216BHJP
A61B 17/80 20060101ALI20220216BHJP
A61B 17/70 20060101ALI20220216BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20220216BHJP
B22F 3/105 20060101ALI20220216BHJP
B22F 3/16 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A61B17/86
A61B17/80
A61B17/70
B29C64/153
B22F3/105
B22F3/16
(21)【出願番号】P 2020500102
(86)(22)【出願日】2018-07-09
(86)【国際出願番号】 US2018041238
(87)【国際公開番号】W WO2019010479
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-06-02
(32)【優先日】2017-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517344273
【氏名又は名称】ケー2エム, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】メルトン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】プロッサー,マイケル
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-516235(JP,A)
【文献】特開2009-261947(JP,A)
【文献】特開2015-213530(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0312282(US,A1)
【文献】特開2015-208669(JP,A)
【文献】特表2009-516544(JP,A)
【文献】特表2008-513120(JP,A)
【文献】特表2015-532858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0086780(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/86
A61B 17/80
A61B 17/70
B29C 64/153
B22F 3/105
B22F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用インプラントの製造方法であって、
前記外科用インプラントにおける第1の構成要素の形成を、
構築プラットフォームに第1の量の材料を堆積させること、
前記第1の量の材料を溶融させて前記第1の構成要素の第1の層を形成すること、
前記第1の構成要素における前記第1の層の上に第2の量の材料を堆積させること、及び
前記第1の構成要素の前記第1の層に対して前記第2の量の材料を溶融させて前記第1の構成要素の第2の層を形成すること
、並びに
複数の追加の量の材料を順次各々堆積させ、溶融させて、前記複数の追加の量の材料が各々先に溶融した層の上にすみやかに溶融することによって、前記第1の構成要素の第3の層及び引き続く層を、第1の構成要素が形成されるまで形成することによって行うことと、
前記外科用インプラントにおける第2の構成要素の形成を、
前記構築プラットフォームに前記第1の量の材料を堆積させること、
前記第1の量の材料を溶融させて前記第2の構成要素の第1の層を形成すること、
前記第2の構成要素における前記第1の層の上に前記第2の量の材料を堆積させること、及び
前記第2の構成要素の前記第1の層に対して前記第2の量の材料を溶融させて前記第2の構成要素の第2の層を形成すること
、並びに
複数の追加の量の材料を順次各々堆積させ、溶融させて、前記複数の追加の量の材料が各々先に溶融した層の上にすみやかに溶融することによって、前記第2の構成要素の第3の層及び引き続く層を、第2の構成要素が形成されるまで形成することによって行うことと、
を含み、
前記第1の構成要素が、中空内部部分及び少なくとも1つの開口を有し、前記第2の構成要素が、前記中空内部部分内に配置された頭部分を有し、
前記第1及び第2の構成要素の形成が同時に実行され、
前記第1及び第2の構成要素の形成が完了すると、前記外科用インプラントが完全に組み立てられる、製造方法。
【請求項2】
製造されるべき前記外科用インプラントの記述を提供することをさらに含み、
前記外科用インプラントの記述が、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を含み、
前記第1及び第2の構成要素が、互いに対して動くことができる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記外科用インプラントの記述が、コンピュータ支援設計又は製造(CAD/CAM)ファイルの形態にて提供される、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記コンピュータ支援設計又は製造(CAD/CAM)ファイルが、STLファイルに変換されたものである、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素における前記材料を、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム、チタン合金、ポリエチレン、ポリカーボネート、PEEK、ポリプロピレン、及びポリスルホンから成る群から選択することをさらに含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記完全に組み立てられた外科用インプラントを前記構築プラットフォームから取り外すことをさらに含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記完全に組み立てられた外科用インプラントから任意のさらなる材料を除去することをさらに含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記外科用インプラントにおける前記第1及び第2の構成要素の形成と同時に、前記外科用インプラントにおける第3の構成要素の形成を行うことをさらに含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第1及び第2の構成要素が、それぞれ一体構造に形成される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記第1の構成要素が、
ロッド受容ハウジングを含み、 前記第2の構成要素が、
頭部から延びるネジ付き軸部を持つ骨ネジである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
請求項1の製造方法によって製造される外科用インプラントであって、
前記外科用インプラントが整形外科用インプラントであり、
前記第1の構成要素が、
一体構造の第1の構成要素であり、
前記第2の構成要素が、
前記頭部から延びる軸部分を備え、該軸部分が前記第1の構成要素の前記少なくとも1つの開口を通って延びる
、一体構造の第2の構成要素であり、
前記頭部分が、前記少なくとも1つの開口よりも大きいことによって前記少なくとも1つの開口を通過できないように構成かつ寸法設定されている、外科用インプラント。
【請求項12】
前記一体構造の第1の構成要素が、脊椎ロッドコネクタ部材を含み、
前記一体構造の第2の構成要素が、受容アームを含み、
前記脊椎ロッドコネクタ部材及び前記受容アームが、玉継手組立体を画定している、請求項11に記載の整形外科用インプラント。
【請求項13】
前記一体構造の第1の構成要素が、ハウジングを含み、
前記一体構造の第2の構成要素が、
前記頭部と
前記軸部とを有する骨ネジ部材
であり、
前記頭部が前記ハウジング内に
配置されている、請求項11に記載の整形外科用インプラント。
【請求項14】
前記ハウジングが、ロッドを受けるように構成されたU字形の端部をさらに含む、請求項13に記載の整形外科用インプラント。
【請求項15】
前記一体構造の第2の構成要素が前記一体構造の第1の構成要素内に位置決めされると、完全に組み立てられる請求項11に記載の整形外科用インプラント。
【請求項16】
前記一体構造の第1の構成要素及び前記一体構造の第2の構成要素が、互いに対して動くことができるようになっている、請求項11に記載の整形外科用インプラント。
【請求項17】
前記一体構造の第1の構成要素及び前記一体構造の第2の構成要素が、多軸の運動、回転可能な運動、単軸の運動、又は一軸の運動のうち一つにて、互いに対して動くことができるようになっている、請求項16に記載の整形外科用インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、外科用インプラントに関する。より詳細には、本開示は、多数の構成要素を含む外科用インプラントと、組み立てられる外科用インプラントの製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎固定装置は、脊椎の損傷及び疾患を矯正するための外科処置において幅広く用いられている。除去が必要なほどにまで椎間板(disc)が変性している場合に、その椎間板に取って代わるように用いられる様々な椎体間インプラントがある。それらとしては、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)椎体間スペーサ、金属ケージ、死体及び人骨インプラントが挙げられる。脊椎の安定化及び椎体間の定位置での保持を助長するために、椎弓根ネジ(pedicle screw)、フック、及びその他等のような脊椎骨固定締結具によって骨に固定される結合要素に固定される長手方向にリンクしたロッドを含む他のインプラントがよく用いられる。対向する対(opposing pair)になった長手方向にリンクしたロッドは、通常、後方アプローチにより脊椎の長軸に沿って配置される。椎弓根ネジは、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びPEEKを含む任意の生体適合性材料から製造され得る。
【0003】
一般的に、椎弓根ネジは、溶接、締結、機械加工、及び/又は成形等のような従来の製造方法を用いて形成される。さらに、通常、椎弓根ネジの1つ又は複数の構成要素は、手で組み立てられる。これらの製造及び組立方法は、材料を非効率的に使用し、製造及び組み立てが別々に行われる必要があり、それにより出荷の前に追加の時間が必要となる。さらに、従来の製造方法は、椎弓根ネジの設計の選択肢を制限するものとなっている。
【0004】
そのため、椎弓根ネジ及び/ 又は他の整形外科用の脊椎インプラント又は固定装置のために、コスト及び時間的に効率的な製造方法が必要とされている。
先行技術文献:
特許文献1: 特表2013-516235号公報
特許文献2: 特開2009-261947号公報
特許文献3: 特開2015-213530号公報
特許文献4: 米国特許出願公開第2010/312282号明細書
【発明の概要】
【0005】
外科用インプラントの製造方法は、外科用インプラントにおける第1の構成要素及び第2の構成要素を同時に形成することを含む。第1及び第2の構成要素の形成は、構築プラットフォームに第1の量の材料を堆積させることと、第1の量の材料を溶融させて第1及び第2の構成要素における第1の層を形成することとを含む。製造方法は、さらに、第1及び第2の構成要素における第1の層上に第2の量の材料を堆積させることと、第2の量の材料を溶融させて第1及び第2の構成要素における第2の層を形成することとを含む。外科用インプラントは、部品の機械的な組み立ての必要なしに、第1及び第2の構成要素の形成が完了すると完全に組み立てられることとなる。
【0006】
一実施形態では、方法は、製造されるべき外科用インプラントの記述(description、表示、モデル記述、モデル表示、模型記述)を提供することをさらに含み、外科用デバイスの記述は、第1の構成要素及び第2の構成要素を含み、第1及び第2の構成要素は、形成されると、互いに対して動くことができる。外科用インプラントの記述は、コンピュータ支援設計又は製造(CAD/CAM)ファイルの形態で提供される。方法は、さらに、第1の構成要素の材料及び第2の構成要素の材料を、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム、チタン合金、ポリエチレン、ポリカーボネート、PEEK、ポリプロピレン、及びポリスルホンから成る群から選択することをさらに含む。完全組立外科用インプラント(完全に組み立てられた外科用インプラント)は、構築プラットフォームから取り外される。さらに、任意のさらなる材料は、完全組立外科用インプラントから除去される。洗浄又は研磨等のようなその後の仕上げ工程が企図されている。第1及び第2の構成要素は、前記製造方法によってそれぞれ一体構造に形成される。
【0007】
一実施形態では、第1の構成要素は、骨ネジ頭部とネジ付き軸部とを有する骨ネジを含み、第2の構成要素は、ロッド受容ハウジングを含み、骨ネジ頭部は、ハウジング内に捕捉されている。
【0008】
他の実施形態では、前記製造方法は、外科用インプラントにおける第1及び第2の構成要素の形成と同時に外科用インプラントにおける第3の構成要素を形成することをさらに含む。
【0009】
整形外科用インプラントは、一体構造の第1の構成要素と、一体構造の第2の構成要素とを含む。一体構造の第1の構成要素は、中空内部部分と、少なくとも1つの開口とを有する。一体構造の第2の構成要素は、中空内部部分内に配置された頭部分と、一体構造の第1の構成要素における少なくとも1つの開口を通って延びる軸部分とを有する。頭部分は、少なくとも1つの開口よりも大きいことによって通過できないように構成かつ寸法設定される。
【0010】
一体構造の第1の構成要素は、脊椎ロッドコネクタ部材を含む。一体構造の第2の構成要素は、受容アームを含む。脊椎ロッドコネクタ部材及び受容アームは、玉継手組立体を画定する。
【0011】
他の実施形態では、一体構造の第1の構成要素は、ハウジングを含む。一体構造の第2の構成要素は、頭部と軸部とを有する骨ネジ部材を含む。頭部は、ハウジング内に配置されており、軸部は、第1の一体構造構成要素における少なくとも1つの開口を通ってハウジングから延びる。ハウジングは、さらに、ロッドを受けるように構成されたU字形の端部を含む。整形外科用インプラントは、一体構造の第2の構成要素が第1の構成要素内に位置決めされると、完全に組み立てられる。一体構造の第1の構成要素及び一体構造の第2の構成要素は、互いに対して動くことができる。一体構造の第1の構成要素及び一体構造の第2の構成要素は、多軸の運動、回転可能な運動、単軸(monoaxial)の運動、又は一軸(uniaxial)の運動のうちの一つにて互いに対して動くことができる。
【0012】
外科用インプラントを作製する他の方法は、構築プラットフォームに第1の層の材料を堆積させることと、第1の層の材料を溶融させて外科用インプラントの第1の厚み層(thickness)を形成することと、外科用インプラントの第1の厚み層上に複数の追加層の材料を堆積させることと、外科用インプラントの第1の厚み層に対して複数の追加層の材料を溶融させて外科用インプラントの第2の厚み層を形成することとを含む。外科用インプラントは、脊椎ロッドを受け入れるように構成されるU字形の溝を有するハウジングと、ハウジング内に近位に配置される頭部及びこの頭部から延びるネジ付き軸部を有するネジとを含む。
【0013】
一実施形態では、前記方法は、作製されるべき外科用インプラントの記述を提供することをさらに含む。外科用デバイスの記述は、ハウジング及びネジを含む。ハウジング及びネジは、互いに対して動くことができる。外科用インプラントの記述は、コンピュータ支援設計又は製造(CAD/CAM)ファイルの形態で提供される。コンピュータ支援設計又は製造(CAD/CAM)ファイルは、STLファイルに変換される。完全組立外科用インプラントは、構築プラットフォームから取り外される。
【0014】
外科用インプラントは、ネジ組立体と、骨プレートとを含む。ネジ組立体は、頭部とネジ付き軸部とを含む。ネジ付き軸部は、頭部から延びてそれに可動状態で連結されている。骨プレートは、ネジ組立体の頭部を受けるように構成された少なくとも1つの開口穴を画定する。少なくとも1つの開口穴の近位側開口及び遠位側開口は、それぞれ頭部の周縁よりも小さな周縁を画定する。
【0015】
ネジ組立体及び骨プレートは、交互積層技法(layer-by-layer techniques、レイヤーバイレイヤー技法、交互吸着技法)を用いて同時に製造される。ネジ組立体の頭部は、骨プレートの少なくとも1つの開口穴内に形成される。
【0016】
外科用インプラントを移植する方法は、ネジ組立体のネジ付き軸部の長さを選択することと、患者にネジ組立体のネジ付き軸部を挿入することと、ネジ組立体の頭部及び骨プレートを連結することと、ネジ組立体の頭部を締め付けて患者に骨プレート及びネジ組立体を固定することとを含む。ネジ組立体の頭部は、骨内に収容される。
【0017】
図面を参照して、本明細書の以下において本開示の様々な実施形態について述べる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の一実施形態に係る3片付き外科用インプラントを、部品を分解した状態で示す等角図である。
【
図1A】
図1に示される切断線1A-1Aに沿った
図1の3片付き外科用インプラントの断面図である。
【
図2-1】本開示に係る積層造形方法のフローチャートである。
【
図2-2】本開示に係る積層造形方法のフローチャートである。
【
図3】
図2に係る方法を用いて製造された完成状態の外科用インプラントの斜視図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る2片付き外科用インプラントを、部品を分解した状態で示す等角図である。
【
図4A】
図4に示される切断面4A-4Aに沿った
図4の2片付き外科用インプラントの断面図である。
【
図5】本開示の他の実施形態に係る2片付き外科用インプラントを、部品を分解した状態で示す等角図である。
【
図5A】
図5の2片付き外科用インプラントにおける骨ネジ部材の上面図である。
【
図5B】
図5の外科用インプラントにおけるハウジングの斜視図である。
【
図6】本開示のさらなる一実施形態に係る外科用インプラントの等角図である。
【
図6A】
図6に示される切断面6A-6Aに沿った
図6の外科用インプラントの断面図である。
【
図7】本開示の一代替実施形態に係る3片付き外科用インプラントを、部品を分解した状態で示す等角図である。
【
図7A】
図7に示される切断面7A-7Aに沿った
図7の3片付き外科用インプラントの断面図である。
【
図7B】
図7の外科用インプラントにおけるハウジングの斜視図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係るオフセット横断コネクタ(offset transverse connector)の上面図である。
【
図8A】
図8に示される切断面8A-8Aに沿った
図8のオフセット横断コネクタの断面図である。
【
図9】本開示の一実施形態に係る外科用インプラントの断面図である。
【
図10】本開示の他の実施形態に係る外科用インプラントの断面図である。
【
図11】本開示の他の実施形態に係る外科用インプラントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、図面を参照して様々な実施形態を詳細に述べる。図面において、同じ参照数字は、類似又は同一の要素を識別する。周知のように、用語「近位」は、使用者により近い構造の部分を指し、用語「遠位」は、使用者からより遠い構造の部分を指している。さらに、前方、後方、上方、下方、頂部、底部等のような方向の用語は、単に説明の都合上使用されており、それを付した開示に対する限定を意図するものではない。
【0020】
以下の説明において、周知の機能又は構成については、不必要な詳細によって本開示が曖昧になるのを避けるため、詳しくは説明しない。
【0021】
具体的には、本開示は、積層造形方法、すなわち交互積層技法により製造されるように設計された完全組立外科用インプラント(完全に組み立てられた外科用インプラント)に関する。外科用インプラントは、互いに対して動くように構成されるいくつかの構成要素から成り、積層造形によって作製されるいくつかの特徴を含む。
【0022】
図1を参照すると、例えば、多軸椎弓根ネジ組立体100である整形外科用インプラントが全体的に示されている。具体的には、ネジ組立体100は、ハウジング110と、アンビル(anvil)120と、骨ネジ部材130とを含む。骨ネジ部材130は、頭部132と、ネジ付き軸部134とを含む。開口穴112は、アンビル120と骨ネジ部材130の頭部132との両方に対して相補的な形状を有する。開口穴112は、さらに、頭部132が内部に位置している間における骨ネジ部材130の頭部132の枢動及び回転を可能にするように構成される。頭部132は、開口穴112の直径よりも大きな外径を画定し、ネジ付き軸部134は、開口穴112の直径よりも小さな外径を画定し、そのため、頭部132の通り抜けは阻止される一方で、ネジ付き軸部134の通り抜けは可能である。加えて、ハウジング110の近位側端部は、止めネジ140及び脊椎ロッド150等のようなインプラントを受けるように構成されるU字形の溝114を有する。U字形の溝114は、止めネジ140に係合するように構成されるネジ付き区域を画定する。頭部132は、U字形の溝の中を通ることができないように、U字形の溝の開口よりも大きな直径等のような外側寸法を画定する。そのため、本開示により成されるように、第1の単一一体構造部品の特徴は、第2の単一一体構造部品のキャビティ内に、それらの2つの部品が互いに対して動くことができるが互いに分離することができないように、嵌め込まれ(nest)、収容されるように構成かつ寸法設定される。このアプローチは、有利には、部品を機械的に組み立ててその組み立てた状態で部品を保持するのに必要な設計の特徴の必要性をなくす。アンビル120は、さらに、製造プロセス中に、ハウジング110内で骨ネジ部材130の頭部132近くに位置決めされ得る。止めネジ140は、ネジ係合によってハウジング110内に位置決め可能である。ハウジング110、アンビル120及び骨ネジ部材130の頭部132は、それぞれ清浄スロット(cleaning slot)116,122,及び136を画定する。いくつかの実施形態では、ネジ組立体100は、アンビル120及び骨ネジ部材130の頭部132がハウジング110内に位置決めされると完全に組み立てられる。
【0023】
多軸椎弓根ネジ組立体のさらなる説明については、参照により本明細書にそれぞれの全内容が組み込まれる米国特許第5,466,237号、米国特許第5,474,555号、米国特許第7,087,057号、及び米国特許第9,393,049号を参照することができる。また、骨ネジとハウジングとの関係は、参照により本明細書にその全内容が組み込まれる米国特許第8,287,576号に示され記載される単軸であってもよく、又は、参照により本明細書にそれぞれの全内容が組み込まれる米国特許出願公開第2015/0272628号、米国特許第6,736,820号、及び米国特許第8,870,930号に示され記載されるような制限された又は優先的な角運動を画定するようなものであってもよいことが企図される。
【0024】
図1及び
図1Aに示されるネジ組立体100の構成要素について述べてきたが、
図2についての以下の説明は、ネジ組立体100を製造(すなわち、作製)する方法の一例を提供する。本明細書に例示され記載される方法は特定の順序になっており特定の工程を有するが、方法は、工程のうちのいくつか又はすべてを含むことができ、具体的に記載されない任意の順序で実施されてもよい。さらに、本明細書において例示され記載される方法は、3D SystemsによるProX DMP 320のような造形装置(fabricator)によって行われるが、任意の適切な造形装置及び/又は機械により方法を実行することができる。
【0025】
図2を参照すると、完全組立ネジ組立体100を製造する積層造形方法の工程が示されている。非限定的な一実施形態において、方法は、形状堆積造形(Shape Deposition Manufacturing)(「SDM」)、選択的レーザパワー加工(Selective Laser Power Processing)(SLPP)、直接金属レーザ焼結(「DMLS」)、選択的レーザ焼結(「SLS」)、選択的レーザ溶融(「SLM」)、選択的加熱焼結(「SHS」)、電子ビーム溶融(「EBM」)、材料噴射、バインダ噴射等のような適切な積層造形技法を選択することによる工程1から始まる方法10として留意/識別される。方法10では、ネジ組立体100は、SLPPを用いて製造され得る。SLPPは、粉末金属、及び金属を薄層の設計意図による選択的なやり方で焼結、硬化又は溶融させるレーザを利用する。例示的な製造方法の詳細な説明については、参照により本明細書にその全内容が組み込まれる米国特許第8,590,157号を参照することができる。
【0026】
工程2で、使用者は、ネジ組立体100の三次元モデルを作成する。三次元モデルは、互いに係合及び/又は位置決めされている、すなわち、完全に組み立てられたネジ組立体100のすべての構成要素を表す。加えて、三次元モデルは、方法10が完了したときに各構成要素間に相対運動があるように、各構成要素間の必要なすべての間隔を表す。三次元モデルは、選択した積層造形技法に適合するフォーマットで作成されなければならない。例えば、三次元モデルは、コンピュータデバイス上でCADソフトウェア又はCAMソフトウェアを用いることで作成され得る。
【0027】
工程3で、三次元モデルは、造形装置に適合可能なフォーマットに変換される。適合可能なフォーマットは、STLファイル、オブジェクトファイル(OBJファイル)、仮想現実モデリング言語(VRMLファイル)、積層造形ファイル(AMFフォーマット)、G-コード、ポリゴンファイル(PLYフォーマット)、3MFファイル、又は任意の他の適切なフォーマットとすることができる。方法10では、選択される三次元モデルの変換フォーマットは、STLファイルとなる。STLファイルフォーマットは、一連のリンクした三角形を用いて、ネジ組立体100の表面幾何形状を再現する。STLファイルの分解能は、STLファイルを造形装置にエクスポートする前に最適化されなければならない。リンクした三角形の数は、STLファイルの分解能に直接的に相関し、そのため、リンクした三角形の数が増加すると、STLファイルの分解能も上がる。ネジ組立体100の三次元モデルの変換後、使用者は、工程3で、ネジ組立体100のSTLファイルを造形装置にエクスポートする。
【0028】
工程4で、使用者は、完全組立ネジ組立体100を製造するために造形装置を準備する。造形装置の構築プラットフォームに対するネジ組立体100の位置決め及び方向付けは、リアルタイムで整えられ得る。使用者は、ネジ組立体100の位置決め及び方向付けの構築後、STLファイルを再評価することもできる。加えて、造形装置は、一度に2つ以上のネジ組立体100を製造することができ、構築プラットフォームに対して多数のネジ組立体100を配置することができる。ネジ組立体100の材料は、造形装置を準備している間に選択されなければならない。材料は、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム、チタン合金、ポリエチレン、ポリカーボネート、PEEK、ポリプロピレン、及びポリスルホン、又は任意の他の適切な材料からなる群から選択され得る。造形装置には、ネジ組立体100を製造するのに十分な量の選択された材料が装入されなければならない。
【0029】
工程5で、使用者は、製造中にネジ組立体100に対する適当な支持をもたらすように、STLファイルに支持構造を組み込むことができる。適当な製造のために支持構造が必要な場合、使用者は、ネジ組立体100に対する適当な支持を提供しつつ支持構造に使用する材料を最低限に抑えるように、支持構造を傾けること、破片にすること、及び/又は操作することができる。支持構造は、ネジ組立体100が完成したら除去され廃棄される。
【0030】
工程6で、造形装置は、ネジ組立体100を形成し始める。ネジ組立体100は、一層ずつ構築される。第1の量の材料が、構築プラットフォーム上に堆積される。ネジ組立体100のSTLファイルに従い、次にレーザが構築プラットフォームを横断し、第1の量の材料の一部分を溶融させてネジ組立体100の第1の層を形成する。
【0031】
工程7で、第2の量の材料が構築プラットフォーム上に、ネジ組立体100の第1の層を覆うように堆積される。再度、ネジ組立体100のSTLファイルに従い、レーザが構築プラットフォームを横切り、第2の量の材料の一部分を溶融させてネジ組立体100の第2の層を形成する。
【0032】
工程8で、ネジ組立体100のすべての構成要素が形成されるまで、ある量の材料が構築プラットフォーム上に何度も堆積され、溶融され、ネジ組立体100のさらなる層が形成される。上述したように、ネジ組立体100は、ハウジング110と、アンビル120と、骨ネジ部材130とを含む。これらの各構成要素は、同時に製造されるが、材料層の数は同じでなくてもよい。加えて、各構成要素は、互いに対して動くことができる。さらに、各構成要素は一体構造に形成される。工程16にわたって、局所的な熱処理が造形装置によって行われ得る。熱をネジ組立体100の特定領域に加えることによって、その特定領域の剛性、弾力性、硬さ、引っ張り強度、降伏強度、及び他の材料特性が、ネジ組立体100の他の部分と異なることができ、そのため、特殊なネジ組立体100が製造され得るようになる。
【0033】
工程8が完了すると、ネジ組立体100は、すべての構成要素が、多軸の運動、回転可能な運動、単軸の運動、及び/又は一軸の運動で互いに対して自由に動くことができる(例えば、枢動可能及び回転可能な)態様で、完全に組み立てられる。
図3は、完全に組み立てられる構築プラットフォームによって依然として支持されている完成ネジ組立体100を示している。方法1は、骨内部成長を促進する表面粗さのあるネジ組立体100を作製することができる。好ましくは、表面粗さは、約75マイクロインチから約200マイクロインチの範囲とすることができる。さらに、方法10は、各構成要素間の公差を使用者が選択できるようにする。各構成要素間の公差は、約0.007”(インチ)から約0.015”(インチ)の範囲とすることができる。完全に組み立てられたネジ組立体100を製造することによって、製造のコスト及び時間がより効率的になる。
【0034】
工程9で、粉末及び/又は余分な材料が完成したネジ組立体100及び構築プラットフォームから除去される。次いで、ネジ組立体100が構築プラットフォームから取り外される。ネジ組立体100の製造の間に使用された任意の支持構造も、完成したネジ組立体100から取り外される。次いで、造形装置は、ネジ組立体100の洗浄、ネジ組立体100の酸洗浄、又は任意の他の適切な後処置等のような後処置を実施することができる。他の後処置は、使用者によって、又は二次機械によって実施され得る。方法10が完了すると、ネジ組立体100は、包装及び出荷できる状態になる。
【0035】
重要なことには、ネジインプラントのハウジング及び骨ネジ部材は、それぞれ交互積層造形プロセスの間に一体構造に形成され、そのため、2つの部品は、交互積層造形プロセスが完了すると、それに続く組立工程の必要なくして、完成し完全に組み立てられる。これは、製造工程を減らすだけでなく、従来の機械加工及び組立方法を用いて組み立てることができない設計の製造も可能にする。
【0036】
図4~
図6Aを参照すると、ネジ組立体の代替実施形態が図示されている。各実施形態は、方法10及び/又は積層造形の任意の他の適切な方法により形成される追加の特徴を含む。
【0037】
ネジ組立体100と同様に、ネジ組立体200は、ハウジング210と、骨ネジ部材230とを含む。骨ネジ部材230は、頭部232と、ネジ付き軸部234とを含む。一実施形態では、ネジ組立体200のハウジング210及び骨ネジ部材230の頭部232は、それぞれ清浄スロット216,236を画定する(
図4A)。清浄スロット216,236は、ネジ組立体100の清浄スロット116,122,136(
図1A)と同じように、後処置中に支持材料を逃がすことができ、例えば、支持材料は造形装置が清浄処置を実行しているときに逃げることができる。清浄スロット116,122,136,216,236をそれぞれ含むようにネジ組立体100及びネジ組立体200を設計することで、ネジ組立体100もネジ組立体200も、方法10によって、完全に組み立てられて製造され得るようになる。清浄スロット216,236は、ネジ組立体200のハウジング210と頭部232との間に必要な間隔をもたらし、これによって、ネジ組立体200のハウジング210及び頭部232は、ネジ組立体200の2つの別個の独立した構成要素になり、互いに対して及びネジ組立体200の他の構成要素に対して枢動かつ回転することができる。
【0038】
図4Aに示されるネジ組立体200のいくつかの実施形態は、カニューレ238を画定する。カニューレ238は、骨ネジ部材230の全長又は一部の長さに延びることができる。カニューレ238は、骨ネジ部材230の中央長手方向軸に沿って画定され得る。カニューレ238は、骨ネジ部材230の配置を助けるガイドワイヤ又はガイドピンを受けるように構成される。ネジ組立体のより詳細な説明については、参照により本明細書にそれぞれの全内容が組み込まれる米国特許第9,393,049号及び米国特許第8,814,919号を参照することができる。
【0039】
図5~
図5Bには、ネジ組立体の他の実施形態が示されている。ネジ組立体200’は、ネジ組立体200とすべて同じ構成要素を含むので、各構成要素については詳細に説明しない。この実施形態では、骨ネジ部材230’の頭部232’は、複数の開口穴及び/又は圧痕/ディンプル(dimples)238’を画定する。ハウジング210’の内面はまた、複数の開口穴及び/又は圧痕/ディンプル216’を画定する。ディンプル238’及びディンプル216’の両方は、等間隔又は不規則な間隔を置いて配置され得、場合により、ディンプル238’の間隔は、ディンプル216’の間隔を反映する。ディンプル238’,216’は、円形、正方形、三角形、及び/又は楕円形等のような任意の適切な形状を画定することができる。ディンプル238’,216’は、方法10を用いて作製される。ディンプル238’,216’を含むことで、頭部232’は、ハウジング210の内面と対合できるようになり、そのため、多軸ロックを生成できるようになる。
【0040】
図6及び
図6Aには、ネジ組立体のさらなる実施形態が示されている。この実施形態では、ネジ組立体200’’は、ネジ組立体200とすべて同じ構成要素を含むので、各構成要素については詳細に説明しない。この実施形態では、骨ネジ部材230’’のネジ付き軸部234’’は、複数の突起240’’を含むように設計され作られる。複数の突起240’’は、骨ネジ部材230’’のネジ山同士の間に位置する。一実施形態では、複数の突起240’’は、骨ネジ部材230’’のネジ山よりも上には突出していない。複数の突起240’’は、任意の適切な形状を有することができる。いくつかの実施形態では、ネジ組立体200’’は、骨ネジ部材230’’の中に延びる内側軸部236’’を含む。内側軸部236’’は、複数の突起242’’付きで設計され作られ得る。この設計は、骨の固定、内部成長、及びネジ組立体200’’の握り(purchase)を促進するネジ組立体200’’の表面を作製することができる。複数の突起240’’の形成は、方法10につき可能である。ネジ組立体200’’の三次元モデルは、複数の突起240’’を含み、そのため、複数の突起240’’の形成は、ネジ組立体200’’の製造の間に完了する。
【0041】
図7、
図7A、及び
図7Bに示されるように、図面にはネジ組立体300が示されている。ネジ組立体300は、方法10又は任意の他の適切な積層造形方法により製造されるように設計される。ネジ組立体300は、テーパロック構造を含む。具体的には、ネジ組立体300は、外側ハウジング又は結合部(coupling)310と、内側ハウジング又はコレット(Collet)320と、骨ネジ部材330とを含む。ピン312は、結合部310内に一体形成される。骨ネジ部材330は、頭部332と、ネジ付き軸部334とを含む。骨ネジ部材330は、結合部310内に位置決めされるように構成される。コレット320も、結合部310内に位置決めされるように構成される。ネジ組立体300は、方法10によって完全に組み立てられて製造され得る。ネジ組立体300は、コレット320及び骨ネジ部材330の頭部332の両方が結合部310内に位置決めされると、完全に組み立てられる。方法10によって、ピン312が結合部310内に一体に形成される形式でネジ組立体300を設計することができるようになる。従来の製造方法では、ピン312を結合部310とは別に形成し後でそれに挿入及び/又は結合する必要がある。
【0042】
テーパロックネジ組立体のより詳細な説明については、本明細書にその全内容が組み込まれる米国特許第8,814,919号を参照することができる。
【0043】
方法10は、
図8及び
図8Aに示されるように、オフセット横断コネクタ400の製造にも用いられ得る。横断コネクタ400は、受容アーム組立体410と、脊椎ロッドコネクタ部材450とを含む。受容アーム組立体410は、連接玉継手418を有する受容アーム延長部414を含む。脊椎ロッドコネクタ部材450は、脊椎ロッドに連結する通路460を画定する。横断コネクタ400の製造中、脊椎ロッドコネクタ部材450は、連接する玉継手418と脊椎ロッドコネクタ部材450との間にこれらの部品の機械的な組み立てを容易にするような設計特徴を含むことなくボールと継手の関係が作り出されるように、連接する玉継手418の周りに構築される。この方法は、ネジ組立体100,200,200’,200’’,及び300に使用され得る。
【0044】
横断コネクタのより詳細な説明については、本明細書にその全内容が組み込まれる国際公開WO2011/006155を参照することができる。
【0045】
方法10は、
図9~
図11に示されるような外科用インプラント500,600,700の製造にも用いられ得る。具体的に
図9を参照すると、外科用インプラントは、骨プレート502と、ネジ組立体508とを含む。ネジ組立体508は、頭部510と、ネジ付き軸部512とを含む。ネジ付き軸部512は、頭部510から延びて、それに脱着可能に結合される。ネジ付き軸部512及び頭部510は、それらの間を連結しやすくする機構をそれぞれ含むことができる。一実施形態では、ネジ付き軸部512は、そこから延びる突起513を含み、頭部510は、溝514を画定する。溝514は、ネジ付き軸部512を頭部510に連結する(
図9)ように突起513を受けるように構成される。他の実施形態では、ネジ付き軸部512は、頭部510内に画定されたネジ付き溝(図示せず)に螺着するように構成されるネジ付き突起を含む。ネジ付き軸部512の長さは、組み立て前に使用者がネジ付き軸部512の所望の長さを選択できるという点で、調節可能である。一実施形態では、外科用インプラント500は、それぞれ長さが異なりすべて頭部510に取り付け可能な複数のネジ付き軸部512を提供する外科手術キットに含まれ得る。骨プレート502は、ネジ組立体508の頭部510を受けるように構成される複数の開口穴504を画定する。複数の開口穴504は、それぞれネジ組立体508の頭部510断面と類似する断面を画定する。加えて、複数の開口穴504は、それぞれ近位側開口504a及び遠位側開口504bを画定する。近位側開口504a及び遠位側開口504bは、それぞれネジ組立体508の頭部510の周縁よりも小さな周縁を画定する。
【0046】
外科用インプラント500を移植する方法は、ネジ付き軸部512を患者に挿入することと、次いで、ネジ組立体508の頭部510及び骨プレート502をネジ付き軸部512と連結することとを含む。使用者は、実行する処置に適したネジ付き軸部512の長さを選ぶことになる。ネジ軸部は、挿入後に近位側端部がアクセス可能になるようにして患者に挿入される。使用者は、ネジ組立体508の頭部510とネジ付き軸部512の近位側端部とを整列させ、ネジ付き軸部512の突起513を頭部510の溝514に挿入することによって2つの構成要素を一緒に連結する。使用者は、必要に応じて骨プレート502を整列させ、次いで、骨プレート502を患者に固定するために頭部510を締め付ける。
【0047】
図10は、椎間インプラントとして働くように構成された2片付き脊椎インプラント600等のような外科用インプラントを全体的に示している。2片付き脊椎インプラント600は、除去された脊椎円板(spinal disc)に取って代わり隣り合う椎骨間に位置決め可能である。2片付き脊椎インプラント600は、一般的に、プレート602と、本体604と、複数の第1のネジ組立体612と、複数の第2のネジ組立体618とを含む。複数の第1のネジ組立体612は、それぞれ頭部614と、そこから延びるネジ付き軸部616とを含む。頭部614は、患者体内での第1のネジ612組立体の締め付けに役立つ工具を受けるように構成される開口穴615を画定する。複数の第2のネジ組立体618は、それぞれネジ付き頭部620と、そこから延びるネジ付き軸部622とを含む。本体604は、プレート602から延びる。さらに、本体604は、複数の開口穴606と、フランジ部分610とを含む。複数の開口穴606は、それぞれ第1のネジ組立体612の頭部614及び/又は第2のネジ組立体618のネジ付き頭部620を受けるように構成かつ寸法設定される。一実施形態では、複数の開口穴606は、それぞれ第1のネジ組立体612の頭部614及び/又は第2のネジ組立体618のネジ付き頭部620の断面と同様の断面を画定する。加えて、複数の開口穴606は、それぞれ近位側開口608a及び遠位側開口608bを画定する。近位側開口608a及び遠位側開口608bは、それぞれ第1のネジ組立体612の頭部614及び/又は第2のネジ組立体618のネジ付き頭部620の周縁よりも小さな周縁を画定する。一実施形態では、複数の開口穴606は、それぞれ第1のネジ組立体612のネジ付き軸部616及び/又は第2のネジ組立体618のネジ付き軸部622が本体604から斜めに延びるように、本体604内に斜めに画定される。フランジ部分610は、本体604から延びて、第1のネジ組立体612の頭部614及び/又は第2のネジ組立体618のネジ付き頭部620を受けて第1のネジ組立体612及び/又は第2のネジ組立体618が連結されるように構成される。フランジ部分610は、本体604から垂直方向に平行かつ/又は斜めに延びることができる。
【0048】
2片付き脊椎インプラントの他の実施形態は、
図11に示されており、その全体が700によって示されている。2片付き脊椎インプラント700は、プレート702と、本体704と、複数のネジ組立体710とを含む。複数のネジ組立体710は、それぞれネジ付き頭部712と、ネジ付き軸部714とを含む。各ネジ付き頭部712は、各ネジ組立体710の締め付けに役立つ工具を受けるように構成される開口穴716を画定する。本体704は、プレート702から延びる。本体704は、複数のネジ組立体710の各ネジ付き頭部712を受けるように構成される複数の開口穴706を画定する。複数の開口穴706は、それぞれネジ組立体710のネジ付き頭部712の断面と同様の断面を画定する。加えて、複数の開口穴706は、それぞれ近位側開口708a及び遠位側開口708bを画定する。近位側開口708a及び遠位側開口708bは、それぞれネジ組立体710のネジ付き頭部712の周縁よりも小さな周縁を画定する。一実施形態では、複数の開口穴706は、それぞれ複数のネジ組立体710の各ネジ付き軸部714が本体704から斜めに延びるように、本体704内に斜めに画定される。
【0049】
外科用インプラントのより詳細な説明については、参照により本明細書にその全内容が組み込まれる、米国特許第9,572,680号及び米国特許第8,636,738号を参照することができる。
【0050】
外科用インプラント500の製造中、ネジ組立体508及び骨プレート502は、組み立てられたコンディション又は状態で製造される。方法10を用いて、骨プレート502は、ネジ組立体508と同時に構築され、そのため、外科用インプラント500の完成品は、骨プレート502の複数の開口穴504のうちの一つの開口穴内にネジ組立体508の頭部510がある状態となる。この結果を達成するため、骨プレート502は、ネジ組立体508の頭部510の周りに構築される。さらに、複数の開口穴504のそれぞれの近位側端部504a及び遠位側端部504bは、ネジ組立体508の頭部510が骨プレート502から除去され得ないように、ネジ組立体508の頭部510よりも小さな周縁を画定する。上述したように、ネジ組立体508のネジ付き軸部512は、任意の長さに製造され得る。ネジ付き軸部512は、頭部510及び骨プレート502とは別に製造され、製造完了後に頭部510に連結される。外科用インプラント600,700は、外科用インプラント500と同様に製造される。加えて、ネジ組立体508,612,618,710は、すべて互いに交換可能であり、開示の外科用インプラント500,600,700それぞれに使用することができる。さらに、ネジ組立体508,612,618,710は、ネジ組立体100と互いに交換可能である。
【0051】
さらに、方法10は、多数の構成要素を含む任意の完全組立外科用インプラントを形成するか、又はサブ組立体を作ることに使用され得る。多数の構成要素を含む任意の外科用インプラントの三次元モデルは、方法10による同時生産を可能にするように、清浄スロット、及び/又は、各構成要素同士の間に必要な間隙を提供する任意の設計特徴を含むように構成される。
【0052】
加えて、方法10は、任意の外科用インプラントの完全組立継手(joint)を形成するように使用され得る。例えば、完全組立継手は、ボールソケット継手、ピボット継手、ヒンジ継手、サドル継手、顆状継手、滑走継手(gliding joint)、楕円継手(ellipsoid joint)、及び外科用インプラントによく使用される任意の他の継手とすることができる。方法10は、継手の各構成要素を同時に製造し、例えば、ボールソケット継手のボール構成要素は、ソケット構成要素内にボール構成要素が構築されることによって、ソケット構成要素と同時に形成される。この技法は、従来の製造技法よりもはるかに複雑な組み立てられたデバイスの作製を可能にする。非限定的な一例では、多軸椎弓根ネジは、ネジ部材の球形頭部が受容部の球形キャビティ内に既に位置決めされている態様で製造され得る。この場合、受容部の上部開口及び底部開口は、球形頭部の外径よりも小さく、これによって、受容部の開口の減少したサイズにより受容部内にネジの頭部が保持され、受容部内にネジの頭部を保持するための追加の構造がいらなくなる。この同じプロセスは、すべてのタイプの継手に適用可能である。
【0053】
潜在的に望ましい摺動連結の一例は、調節可能な後頭部プレート(occipital plate)であり得る。典型的には、プレートに対するロッド受容ハウジングの再位置決めを可能にするように、後頭部プレートは、プレートのスロット内に摺動可能に取り付けられるロッド受容部分を含む。いくつかの実施形態では、スロットの一方側にあるナットは、スロットを通ってロッド受容ハウジングから延びる軸部に取り付けられる。
【0054】
本開示によれば、ナットは、交互積層造形プロセスでプレート、ロッド受容ハウジング、軸部及びフランジを構築する製造プロセスにおいてロッド受容ハウジングから延びる軸部の一部として一体構造に形成されるフランジで置換されてもよいことが企図される。同様に、場合により、入れ子関係にあるが、本明細書に記載されるようなロッド間コネクタ、又は若年の患者の成長とともに植え込まれたロッドの伸長を可能にするいわゆる成長ロッド等における、動きを制御又は制限するための予め形成された止め具又はガイドを含む部材が望まれることもある。
【0055】
調節可能な後頭部プレートのより詳細な説明については、参照により本明細書にその全内容が組み込まれる米国特許第8,894,694号を参照することができる。
【0056】
さらに、方法10は、従来の製造方法を用いて通常は外科用インプラントの完成後に作製される設計特徴を同時に形成するように構成され得る。例えば、方法10は、ディンプル付き表面等のような任意の所望の表面テキスチャ、及び/又は骨内部成長若しくは骨貫通成長(through growth)を促進する任意の所望の表面粗さを含む任意の外科用インプラントを形成することに使用され得る。これによって、外科用インプラント内への骨成長、又は外科用インプラントを通る骨成長が可能になる。
【0057】
本開示の方法は、必要な静的疲労試験に耐えるように組立体を設計することが難しい複雑な機能的組立体を作製することに使用され得る。例えば、拡張可能椎体間インプラント又は拡張可能椎体置換体は、本開示の技法のすべて又は一部を用いて作製することができ、これによって、相互に関連して動く部品が製造のときに完全に組み立てられ、そのため、込み入った組立技法が必要なくなる。このような設計を組立体に適応させることは、試験に耐えるように設計の構造完全性を妥協し、さらに設計プロセスを複雑にすることがある。単なる一例として、米国特許出願公開第2016/0166396号、及び米国特許第8,882,840号、及び米国特許第9,566,163号は、拡張可能椎体間インプラントの例を開示しており、米国特許出願公開第2014/0277503号及び米国特許出願公開第2017/0079807号は、拡張可能椎体置換デバイスを開示している。前述の特許及び出願のすべては、参照により本明細書に組み込まれる。これらのすべて若しくは一部又は同様のデバイスは、複雑な設計及び組立技法の必要性を不要にするために、本明細書で開示される技法を用いて作製することができる。
【0058】
当業者には、本明細書に具体的に記載され添付の図面に示される構造及び方法は、非限定的な例示的な実施形態であり、説明、開示、及び図面は、特定の実施形態の一例に過ぎないと解釈されるべきであると理解されよう。そのため、本開示は、記載の正確な実施形態に限定されず、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく当業者によって様々な他の変更及び修正が加えられ得ると理解されるべきである。加えて、特定の実施形態に関連して図示又は記載される要素及び特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく特定の他の実施形態の要素特徴と組み合わせられ得、そのような修正形態及び変更形態も本開示の範囲内に含まれる。そのため、本開示の主題は、具体的に図示され記載されているものによって限定されない。
【0059】
例えば、上述の説明の大部分は、脊椎インプラント及びそれらの製造、より具体的には脊椎インプラントがチタンベース材料で作られ得ることが好ましい複数片付き脊椎インプラントに焦点が当てられているが、本明細書に開示の利点は、一般整形外科等のような他の場合においても適用され得ることが企図される。
【0060】
一例として、本明細書に記載されるような同時形成の動く構成要素の利点は、可動機構がかなり小さくなければならず従来の製造技術を用いた別々の部品の形成及びそれらの組み立てが実現可能なインプラント設計を制限する、指又は足指等のような小さな関節(joint)のためのインプラントを作製することに利点をもたらすことができることが企図される。本明細書に記載の技法は、以前は実用的でなかった又は達成不可能であった小さな関節設計の製造を可能にすることができる。
【0061】
さらに、技法は、股関節又は肩関節等のようなより大きな関節にも適用され得ることが企図される。メタルオンメタル(metal-on-metal)関節には、負荷を支承する適用例において欠点がみられるが、本明細書に開示の技術は、非金属材料からそうした関節インプラントを形成することに使用することができることが企図される。
【0062】
さらに、本明細書に記載の技法は、異なる技法で作られた別個に製造された構成要素と後で組み合わせられ得るサブ組立体を作製するのに使用することができる。例えば、証明済みの股関節インプラント設計は、金属寛骨臼カップと、カップ及び大腿骨ステム構成要素のボール頭部の間におけるポリマー支承リニアとを有するインプラントを含む。支承ライナ内にボール頭部を保持する機械的設計が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,798,610号を参照されたい。ポリマー支承ライナとボール頭部を保持する係止機構を別々に形成するのではなく、支承ライナ構成要素及びボール頭部、及び場合によりステムは、追加の保持機構の必要なくしてボール頭部が支承ライナ構成要素内に配置される状態、例えば、支承ライナが追加の保持機構が必要ないようにボール頭部を十分に囲繞する状態で、本明細書に記載されるような交互積層技法によって形成され得ることが企図される。次いで、支承ライナ及びボール頭部の組立体は、金属寛骨臼カップと一緒に組み付けられ得、これは寛骨臼の骨への良好な並置を実施することが知られている。あるいは、交互積層技法が発展すると、例えば金属からボール頭部及びステム並びに/又は寛骨臼カップを同時に形成しつつポリマー構成要素から支承ライナ構成要素を形成する等のように、異なる材料から構成要素を同時に形成することが可能となり得る。
出願当初の各請求項に記載された発明は、以下の通りであった。
請求項1:
外科用インプラントの製造方法であって、
前記外科用インプラントにおける第1の構成要素の形成を、
構築プラットフォームに第1の量の材料を堆積させること、
前記第1の量の材料を溶融させて前記第1の構成要素の第1の層を形成すること、
前記第1の構成要素における前記第1の層の上に第2の量の材料を堆積させること、及び
前記第1の層に対して前記第2の量の材料を溶融させて前記第1の構成要素の第2の層を形成すること
によって行うことと、
前記外科用インプラントにおける第2の構成要素の形成を、
前記構築プラットフォームに前記第1の量の材料を堆積させること、
前記第1の量の材料を溶融させて前記第2の構成要素の第1の層を形成すること、
前記第2の構成要素における前記第1の層の上に前記第2の量の材料を堆積させること、及び
前記第1の層に対して前記第2の層の材料を溶融させて前記第2の構成要素の第2の層を形成すること
によって行うことと
を含み、
前記第1及び第2の構成要素の形成が同時に実行され、
前記第1及び第2の構成要素の形成が完了すると、前記外科用インプラントが完全に組み立てられる、製造方法。
請求項2:
製造されるべき前記外科用インプラントの記述を提供することをさらに含み、
前記外科用デバイスの記述が、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を含み、
前記第1及び第2の構成要素が、互いに対して動くことができる、請求項1に記載の製造方法。
請求項3:
前記外科用インプラントの記述が、コンピュータ支援設計又は製造(CAD/CAM)ファイルの形態にて提供される、請求項2に記載の製造方法。
請求項4:
前記コンピュータ支援設計又は製造(CAD/CAM)ファイルが、STLファイルに変換されている、請求項3に記載の製造方法。
請求項5:
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素における前記材料を、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム、チタン合金、ポリエチレン、ポリカーボネート、PEEK、ポリプロピレン、及びポリスルホンから成る群から選択することをさらに含む請求項1に記載の製造方法。
請求項6:
前記完全に組み立てられた外科用インプラントを前記構築プラットフォームから取り外すことをさらに含む請求項1に記載の製造方法。
請求項7:
前記完全に組み立てられた外科用インプラントから任意のさらなる材料を除去することをさらに含む請求項1に記載の製造方法。
請求項8:
前記外科用インプラントにおける前記第1及び第2の構成要素の形成と同時に、前記外科用インプラントにおける第3の構成要素の形成を行うことをさらに含む請求項1に記載の製造方法。
請求項9:
前記第1及び第2の構成要素が、それぞれ一体構造に形成される、請求項1に記載の製造方法。
請求項10:
前記第1の構成要素が、骨ネジ頭部とネジ付き軸部とを有する骨ネジを含み、
前記第2の構成要素が、ロッド受容ハウジングを含み、
前記骨ネジ頭部が前記ロッド受容ハウジング内に捕捉される、請求項1に記載の製造方法。
請求項11:
中空内部部分及び少なくとも1つの開口を有する一体構造の第1の構成要素と、
前記中空内部部分内に配置された頭部分、及び前記少なくとも1つの開口を通って延びる軸部分を有する一体構造の第2の構成要素と
を備え、
前記頭部分が、前記少なくとも1つの開口よりもことによって前記少なくとも1つの開口を通過できないように構成かつ寸法設定されている、整形外科用インプラント。
請求項12:
前記第1の構成要素が、脊椎ロッドコネクタ部材を含み、
前記第2の構成要素が、受容アームを含み、
前記脊椎ロッドコネクタ部材及び前記受容アームが、玉継手組立体を画定している、請求項11に記載の整形外科用インプラント。
請求項13:
前記第1の構成要素が、ハウジングを含み、
前記第2の構成要素が、頭部と軸部とを有する骨ネジ部材を含み、
前記頭部が前記ハウジング内に配置されており、
前記軸部が、前記少なくとも1つの開口を通って前記ハウジングから延びている、請求項11に記載の整形外科用インプラント。
請求項14:
前記ハウジングが、ロッドを受けるように構成されたU字形の端部をさらに含む、請求項13に記載の整形外科用インプラント。
請求項15:
前記第2の構成要素が前記第1の構成要素内に位置決めされると、完全に組み立てられる請求項11に記載の整形外科用インプラント。
請求項16:
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が、互いに対して動くことができるようになっている、請求項11に記載の整形外科用インプラント。
請求項17:
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が、多軸の運動、回転可能な運動、単軸の運動、又は一軸の運動のうち一つにて、互いに対して動くことができるようになっている、請求項16に記載の整形外科用インプラント。
請求項18:
外科用インプラントを作製する方法であって、
構築プラットフォームに第1の層の材料を堆積させることと、
前記第1の層の材料を溶融させて前記外科用インプラントにおける第1の厚み層を形成することと、
前記外科用インプラントにおける前記第1の厚み層上に複数の追加層の材料を堆積させることと、
前記外科用インプラントにおける前記第1の厚み層に対して前記複数の追加層の材料を溶融させて前記外科用インプラントにおける第2の厚み層を形成することと
を含み、
前記外科用インプラントが、脊椎ロッドを受け入れるように構成されるU字形の溝を有するハウジングと、前記ハウジング内にて近位側に配置される頭部及び前記頭部から延びるネジ付き軸部を有するネジとを含む、方法。
請求項19:
作製されるべき前記外科用インプラントの記述を提供することをさらに含み、
前記外科用デバイスの記述が、前記ハウジング及び前記ネジを含み、
前記ハウジング及び前記ネジが、互いに対して動くことができるようになっている、請求項18に記載の方法。
請求項20:
前記外科用インプラントの記述が、コンピュータ支援設計又は製造(CAD/CAM)ファイルの形態にて提供される、請求項18に記載の方法。
請求項21:
前記コンピュータ支援設計又は製造(CAD/CAM)ファイルが、STLファイルに変換される、請求項20に記載の方法。
請求項22:
前記完全に組み立てられた外科用インプラントを前記構築プラットフォームから取り外すことをさらに含む請求項18に記載の方法。
請求項23:
頭部及びネジ付き軸部を有するネジ組立体であって、前記ネジ付き軸部が前記頭部から延びて前記頭部に可動状態で連結される、ネジ組立体と、
前記ネジ組立体の頭部を受け入れるように構成された少なくとも1つの開口穴を画定する骨プレートであって、前記少なくとも1つの開口穴の近位側開口及び遠位側開口がそれぞれ前記頭部の周縁よりも小さな周縁を画定する、骨プレートと
を備えている外科用インプラント。
請求項24:
前記ネジ組立体及び前記骨プレートが、交互積層技術を用いて同時に製造され、
前記ネジ組立体の頭部が、前記骨プレートの少なくとも1つの開口穴内に形成される、請求項23に記載の外科用インプラント。
請求項25:
外科用インプラントを移植する方法であって、
ネジ組立体のネジ付き軸部の長さを選択することと、
患者に前記ネジ組立体のネジ付き軸部を挿入することと、
前記ネジ組立体の頭部を前記骨プレート内に収容した状態で前記ネジ組立体の頭部及び骨プレートを連結することと、
前記ネジ組立体の頭部を締め付けて前記患者に前記骨プレート及び前記ネジ組立体を固定することと
を含む方法。