(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】表示駆動方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04N 9/64 20060101AFI20220216BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220216BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20220216BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220216BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20220216BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20220216BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20220216BHJP
H04N 9/12 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
H04N9/64 F
G09G3/20 612U
G09G3/20 641P
G09G3/20 642A
G09G3/20 642J
G09G3/36
G09G5/00 X
G09G5/00 550H
G09G5/02 B
G09G5/36 520A
H04N5/66 A
H04N9/12 A
(21)【出願番号】P 2020529521
(86)(22)【出願日】2018-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2018072511
(87)【国際公開番号】W WO2019127669
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-05-29
(31)【優先権主張番号】201711488537.7
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】関 暁亮
【審査官】大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/002146(WO,A1)
【文献】特開2006-005543(JP,A)
【文献】特開2016-171445(JP,A)
【文献】特開2010-085524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/08
G09G 3/12
G09G 3/16-3/26
G09G 3/30
G09G 3/34-5/36
G09G 5/377-5/42
H04N 5/66-5/74
H04N 9/12-9/31
H04N 9/44-9/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を受信し、前記表示画面における各画像画素の元の階調データを取得するステップS1と、
各画像画素の元の階調データによって前記画像画素が、予め設定された境界関数によって決定される肌色範囲内にあるか否かを判断するステップS2と、
前記肌色範囲内にある画像画素の元の階調データに対して色ずれ補正処理を行い、補正階調データを生成するステップS3と、
前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示し、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示するステップS4と、を含
み、
前記画像画素のそれぞれは、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分という3種の異なる色の原色成分を含み、
前記画像画素のそれぞれの元の階調データが、第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値を含み、
1つの前記画像画素は、6つのサブ画素を含み、2つずつのサブ画素が1つの原色成分に対応し、
前記ステップS3は具体的に、
前記肌色範囲内にある画像画素のうち少なくとも1つの色の原色成分を対象成分として選択することと、
前記画像画素の各対象成分の元の階調値に対して色ずれ補正処理を行い、前記対象成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成し、前記第1表示階調値が前記第2表示階調値よりも大きいことと、
前記画像画素の元の階調データにおける各対象成分の元の階調値を、各対象成分の前記第1表示階調値及び前記第2表示階調値に置き換えて、補正階調データを得ることと、を含み、
前記ステップS4において、前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示することは、
前記対象成分の前記第1表示階調値及び前記第2表示階調値で前記対象成分に対応する2つのサブ画素を駆動して前記対象成分の前記第1表示階調値及び前記第2表示階調値をそれぞれ表示することを含む、
表示駆動方法。
【請求項2】
前記予め設定された境界関数は第1境界関数及び第2境界関数を含み、ある画像画素の第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値が、第1境界関数を満たすとともに、第2境界関数を満たす場合に、前記画像画素が前記肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合に、前記画像画素が前記肌色範囲外にあると判定し、
前記第1境界関数は、r+A1×g+B1×b+C1≧0であり、前記第2境界関数は、r+A2×g+B2×b+C2≦0であり、
ここで、r、g、bはある画像画素における第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値をそれぞれ表し、A1、A2、B1、B2、C1及びC2はいずれも予め設定された定数である請求項
1に記載の表示駆動方法。
【請求項3】
前記予め設定された境界関数は、前記肌色範囲を閉じた3次元空間に限定し、前記肌色範囲内にあって前記3次元空間のエッジに近い第1画像画素と、前記肌色範囲にあって前記3次元空間のエッジから遠い第2画像画素とに対して、色ずれ補正処理を行う場合に、前記第1画像画素における色毎の対象成分の前記第1表示階調値と前記第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における同一色の対象成分の前記第1表示階調値と前記第2表示階調値との差よりも小さくする請求項
1に記載の表示駆動方法。
【請求項4】
前記第1原色成分、前記第2原色成分及び前記第3原色成分は、それぞれ青色成分、赤色成分及び緑色成分であり、
前記ステップ
S3では、前記青色成分のみを前記対象成分として選択する、
請求項1に記載の表示駆動方法。
【請求項5】
受信ユニットと、前記受信ユニットに接続される判断ユニットと、前記判断ユニットに接続される処理ユニットと、前記処理ユニットに接続される駆動ユニットとを含み、
前記受信ユニットは、表示画面を受信して、前記表示画面における各画像画素の元の階調データを取得するために用いられ、
前記判断ユニットは、各画像画素の元の階調データによって前記画像画素が、予め設定された境界関数によって決定される肌色範囲内にあるか否かを判断するために用いられ、
前記処理ユニットは、前記肌色範囲内にある画像画素の元の階調データに対して色ずれ補正処理を行い、補正階調データを生成するために用いられ、
前記駆動ユニットは、前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示し、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示するために用いられ
、
前記画像画素のそれぞれは、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分という3種の異なる色の原色成分を含み、
前記画像画素のそれぞれの元の階調データが、第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値を含み、
1つの前記画像画素は、6つのサブ画素を含み、2つずつのサブ画素が1つの原色成分に対応し、
前記処理ユニットは、前記肌色範囲内にある画像画素のうち少なくとも1つの色の原色成分を対象成分として選択するとともに、前記画像画素の各対象成分の元の階調値に対して色ずれ補正処理を行い、前記対象成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成し、前記第1表示階調値が前記第2表示階調値よりも大きくて、前記画像画素の元の階調データにおける各対象成分の元の階調値を、各対象成分の前記第1表示階調値及び前記第2表示階調値に置き換えて、補正階調データを得るために用いられ、
前記駆動ユニットにおいて、前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示することは、
前記対象成分の前記第1表示階調値及び前記第2表示階調値で前記対象成分に対応する2つのサブ画素を駆動して前記対象成分の前記第1表示階調値及び前記第2表示階調値をそれぞれ表示することを含む、
表示駆動装置。
【請求項6】
前記予め設定された境界関数は第1境界関数及び第2境界関数を含み、ある画像画素の第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値が第1境界関数を満たすとともに、第2境界関数を満たす場合に、前記画像画素が
前記肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合に、前記画像画素が
前記肌色範囲外にあると判定し、
前記第1境界関数は、r+A1×g+B1×b+C1≧0であり、前記第2境界関数は、r+A2×g+B2×b+C2≦0であり、
ここで、r、g、bはある画像画素における第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値をそれぞれ表し、A1、A2、B1、B2、C1及びC2はいずれも予め設定された定数である請求項
5に記載の表示駆動装置。
【請求項7】
前記予め設定された境界関数は、前記肌色範囲を閉じた3次元空間に限定し、前記肌色範囲内にあって前記3次元空間のエッジに近い第1画像画素と、前記肌色範囲にあって前記3次元空間のエッジから遠い第2画像画素とに対して、前記処理ユニットが色ずれ補正処理を行う場合に、さらに前記第1画像画素における色毎の対象成分の前記第1表示階調値と前記第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における同一色の対象成分の前記第1表示階調値と前記第2表示階調値との差よりも小さくするために用いられる請求項
5に記載の表示駆動装置。
【請求項8】
前記第1原色成分、前記第2原色成分及び前記第3原色成分は、それぞれ青色成分、赤色成分及び緑色成分であり、
前記処理ユニットは、前記青色成分のみを前記対象成分として選択する、
請求項5に記載の表示駆動装置。
【請求項9】
表示画面を受信し、前記表示画面における各画像画素の元の階調データを取得するステップS1と、
各画像画素の元の階調データによって前記画像画素が、予め設定された境界関数によって決定される肌色範囲内にあるか否かを判断するステップS2と、
前記肌色範囲内にある画像画素の元の階調データに対して色ずれ補正処理を行い、補正階調データを生成するステップS3と、
前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示し、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示するステップS4と、を含み、
前記画像画素のそれぞれは、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分という3種の異なる色の原色成分を含み、
前記画像画素のそれぞれの元の階調データが、第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値を含み、
1つの前記画像画素は、6つのサブ画素を含み、2つずつのサブ画素が1つの原色成分に対応し、
前記ステップ
S3は具体的に、
前記肌色範囲内にある画像画素のうち少なくとも1つの色の原色成分を対象成分として選択することと、
前記画像画素の各対象成分の元の階調値に対して色ずれ補正処理を行い、前記対象成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成し、前記第1表示階調値が前記第2表示階調値よりも大きいことと、
前記画像画素の元の階調データにおける各対象成分の元の階調値を、各対象成分の前記第1表示階調値及び前記第2表示階調値に置き換えて、補正階調データを得ることと、を含み、
前記ステップS4において、前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示することは、
前記対象成分の前記第1表示階調値及び前記第2表示階調値で前記対象成分に対応する2つのサブ画素を駆動して前記対象成分の前記第1表示階調値及び前記第2表示階調値をそれぞれ表示することを含み、
前記予め設定された境界関数は第1境界関数及び第2境界関数を含み、ある画像画素の第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値が第1境界関数を満たすとともに、第2境界関数を満たす場合に、前記画像画素が前記肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合に、前記画像画素が前記肌色範囲外にあると判定し、
前記第1境界関数は、r+A1×g+B1×b+C1≧0であり、前記第2境界関数は、r+A2×g+B2×b+C2≦0であり、
ここで、r、g、bはある画像画素における第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値をそれぞれ表し、A1、A2、B1、B2、C1及びC2はいずれも予め設定された定数であり、
前記予め設定された境界関数は、前記肌色範囲を閉じた3次元空間に限定し、前記肌色範囲内にあって前記3次元空間のエッジに近い第1画像画素と、前記肌色範囲にあって前記3次元空間のエッジから遠い第2画像画素とに対して、色ずれ補正処理を行う場合に、前記第1画像画素における色毎の対象成分の前記第1表示階調値と前記第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における同一色の対象成分の前記第1表示階調値と前記第2表示階調値との差よりも小さくする表示駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特に表示駆動方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)は、薄型、省電力、無輻射などの多くの利点を有するため、液晶テレビ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、デジタルカメラ、コンピュータ画面又はノートパソコン画面などに幅広く適用されており、フラットパネルディスプレイ分野で主導的地位を占める。
【0003】
現在市販されている液晶ディスプレイの大部分は、液晶表示パネルとバックライトモジュール(Backlight Module)とを含むバックライト型液晶ディスプレイである。液晶表示パネルの動作原理は、薄膜トランジスタアレイ基板(Thin Film Transistor Array Substrate,TFT Array Substrate)とカラーフィルタ基板(Color Filter,CF)との間に液晶分子を注入するとともに、両基板に駆動電圧を印加して液晶分子の回転方向を制御することで、バックライトモジュールの光を屈折させて画面を生成することである。
【0004】
液晶分子は光学的異方性を有するため、液晶パネルには広視野角における色ずれ問題がある。液晶パネルの広視野角における色ずれ現象を解決するために、従来技術の方法は、マルチドメイン画素構造を採用し、色ずれ補正アルゴリズムによって入力されたデータ信号電圧を前処理することを含む。マルチドメイン画素構造は、画像画素における各サブ画素をいずれもより小さい表示ユニットに細分化し、例えば1つのサブ画素をメイン領域(Main)及びサブ領域(Sub)に分ける。メイン領域とサブ領域との駆動電圧が一定の割合になることで、メイン領域及びサブ領域に対応する液晶分子を異なる角度に偏向させるため、異なる角度からいずれも良好な視聴効果を得ることができる。色ずれ補正アルゴリズムの具体的な実施ステップは、表示すべき画像の各画像画素の各原色成分の元の階調値に応じて第1表示階調値及び第2表示階調値をそれぞれ生成し、第1表示階調値及び第2表示階調値を利用して液晶パネルにおける同一色の2つのサブ画素の表示輝度をそれぞれ制御する。第1表示階調値が第2表示階調値よりも大きいことにより、2つのサブ画素に印加される駆動電圧が異なり、2つのサブ画素の液晶分子を異なる角度に偏向させることで、異なる角度から画面を見て良好な視聴効果を得ることができ、色ずれを低減する目的を達成する。
【0005】
通常、1つの画像は、赤、緑、青の3原色成分からなる複数の画像画素から構成される。画像の表示を駆動する際に、各画像画素の原色成分毎に表示に必要な階調値を与えることにより、該原色成分の輝度を制御し、該原色成分に対応する色を表示させることにより、画像の表示を達成する。1つの画像画素において、各原色成分は2つの同一色であって隣接するサブ画素を制御する。即ち赤色成分は2つの隣接する赤色サブ画素を対応して制御し、緑色成分は2つの隣接する緑色サブ画素を対応して制御し、青色成分は2つの隣接する青色サブ画素を対応して制御する。赤色成分の元の階調値で生成された第1表示階調及び第2表示階調が対応する2つの赤色サブ画素の表示輝度をそれぞれ制御し、緑色成分の元の階調値で生成された第1表示階調及び第2表示階調が対応する2つの緑色サブ画素の表示輝度をそれぞれ制御し、青色成分の元の階調値で生成された第1表示階調及び第2表示階調が対応する2つの青色サブ画素の表示輝度をそれぞれ制御する。各画像画素の表示輝度は対応する原色成分の表示輝度の混合であり、各原色成分の表示輝度は対応する2つのサブ画素の表示輝度の混合である。一般的に、第1表示階調及び第2表示階調によって制御される2つのサブ画素の表示輝度の混合後に元の階調値によって制御される2つのサブ画素の表示輝度と一致するために、通常第1表示階調値に対応する表示輝度と第2表示階調値に対応する表示輝度との和が、元の階調値に対応する表示輝度の2倍と等しくなるように設定される。
【0006】
従来技術では、入力されたデータ信号電圧を色ずれ補正アルゴリズムにより前処理すると、すべての画像画素に対して色ずれ補正を行い、ざらつき感が目立ち、表示効果が悪い。実際には、ユーザが表示画面を側面視で見た場合に、最も色ずれが見えやすい画面は肌色であり、ユーザが見る際により多く着目するのは画面における肌色部分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、肌色範囲内の画像画素のみに対して色ずれ補正を行い、色ずれ補正効果を向上させ、色ずれ補正によるざらつき感を低減させ、表示効果を改善することができる表示駆動方法を提供することにある。
【0008】
本発明の目的はさらに、肌色範囲内の画像画素のみに対して色ずれ補正を行い、色ずれ補正効果を向上させ、色ずれ補正によるざらつき感を低減させ、表示効果を改善することができる表示駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、ステップS1~ステップS4を含む表示駆動方法を提供している。
【0010】
ステップS1:表示画面を受信し、前記表示画面における各画像画素の元の階調データを取得する。
【0011】
ステップS2:各画像画素の元の階調データによって前記画像画素が、予め設定された境界関数によって決定される肌色範囲内にあるか否かを判断する。
【0012】
ステップS3:前記肌色範囲内にある画像画素の元の階調データに対して色ずれ補正処理を行い、補正階調データを生成する。
【0013】
ステップS4:前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示し、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示する。
【0014】
前記画像画素のそれぞれは、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分という3種の異なる色の原色成分を含む。
【0015】
画像画素のそれぞれの元の階調データが、第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値を含む。
【0016】
前記ステップ3は具体的に、
前記肌色範囲内にある画像画素のうち少なくとも1つの色の原色成分を対象成分として選択することと、
前記画像画素の各対象成分の元の階調値に対して色ずれ補正処理を行い、該対象成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成し、前記第1表示階調値が前記第2表示階調値よりも大きいことと、
前記画像画素の元の階調データにおける各対象成分の元の階調値を、各対象成分の第1表示階調値及び第2表示階調値に置き換えて、補正階調データを得ることと、を含む。
【0017】
前記予め設定された境界関数は第1境界関数及び第2境界関数を含み、ある画像画素の第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値が、第1境界関数を満たすとともに、第2境界関数を満たす場合に、該画像画素が肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合に、該画像画素が肌色範囲外にあると判定する。
【0018】
前記第1境界関数は、r+A1×g+B1×b+C1≧0であり、前記第2境界関数は、r+A2×g+B2×b+C2≦0である。
ここで、r、g、bはある画像画素における第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値をそれぞれ表し、A1、A2、B1、B2、C1及びC2はいずれも予め設定された定数である。
【0019】
前記予め設定された境界関数は、前記肌色範囲を閉じた3次元空間に限定し、前記肌色範囲内にあって前記3次元空間のエッジに近い第1画像画素と、前記肌色範囲にあって前記3次元空間のエッジから遠い第2画像画素とに対して、色ずれ補正処理を行う場合に、前記第1画像画素における色毎の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における同一色の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差よりも小さくする。
【0020】
本発明はさらに、受信ユニットと、前記受信ユニットに接続される判断ユニットと、前記判断ユニットに接続される処理ユニットと、前記処理ユニットに接続される駆動ユニットとを含む表示駆動装置を提供している。
【0021】
前記受信ユニットは、表示画面を受信して、前記表示画面における各画像画素の元の階調データを取得するために用いられる。
【0022】
前記判断ユニットは、各画像画素の元の階調データによって前記画像画素が、予め設定された境界関数によって決定される肌色範囲内にあるか否かを判断するために用いられる。
【0023】
前記処理ユニットは、前記肌色範囲内にある画像画素の元の階調データに対して色ずれ補正処理を行い、補正階調データを生成するために用いられる。
【0024】
前記駆動ユニットは、前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示し、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示するために用いられる。
【0025】
前記画像画素のそれぞれは、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分という3種の異なる色の原色成分を含む。
【0026】
画像画素のそれぞれの元の階調データが、第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値を含む。
【0027】
前記処理ユニットは、前記肌色範囲内にある画像画素のうち少なくとも1つの色の原色成分を対象成分として選択するとともに、前記画像画素の各対象成分の元の階調値に対して色ずれ補正処理を行い、該対象成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成し、前記第1表示階調値が前記第2表示階調値よりも大きくて、前記画像画素の元の階調データにおける各対象成分の元の階調値を、各対象成分の第1表示階調値及び第2表示階調値に置き換えて、補正階調データを得るために用いられる。
【0028】
前記予め設定された境界関数は第1境界関数及び第2境界関数を含み、ある画像画素の第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値が、第1境界関数を満たすとともに、第2境界関数を満たす場合に、該画像画素が肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合に、該画像画素が肌色範囲外にあると判定する。
【0029】
前記第1境界関数は、r+A1×g+B1×b+C1≧0であり、前記第2境界関数は、r+A2×g+B2×b+C2≦0である。
ここで、r、g、bはある画像画素における第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値をそれぞれ表し、A1、A2、B1、B2、C1及びC2はいずれも予め設定された定数である。
【0030】
前記予め設定された境界関数は、前記肌色範囲を閉じた3次元空間に限定し、前記肌色範囲内にあって前記3次元空間のエッジに近い第1画像画素と、前記肌色範囲にあって前記3次元空間のエッジから遠い第2画像画素とに対して、前記処理ユニットが色ずれ補正処理を行う場合に、さらに前記第1画像画素における色毎の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における同一色の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差よりも小さくするために用いられる。
【0031】
本発明は、ステップS1~ステップS4を含む表示駆動方法をさらに提供している。
【0032】
ステップS1:表示画面を受信し、前記表示画面における各画像画素の元の階調データを取得する。
【0033】
ステップS2:各画像画素の元の階調データによって前記画像画素が、予め設定された境界関数によって決定される肌色範囲内にあるか否かを判断する。
【0034】
ステップS3:前記肌色範囲内にある画像画素の元の階調データに対して色ずれ補正処理を行い、補正階調データを生成する。
【0035】
ステップS4:前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示し、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示する。
【0036】
前記画像画素のそれぞれは、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分という3種の異なる色の原色成分を含む。
【0037】
画像画素のそれぞれの元の階調データが、第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値を含む。
【0038】
前記ステップ3は具体的に、
前記肌色範囲内にある画像画素のうち少なくとも1つの色の原色成分を対象成分として選択することと、
前記画像画素の各対象成分の元の階調値に対して色ずれ補正処理を行い、該対象成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成し、前記第1表示階調値が前記第2表示階調値よりも大きいことと、
前記画像画素の元の階調データにおける各対象成分の元の階調値を、各対象成分の第1表示階調値及び第2表示階調値に置き換えて、補正階調データを得ることと、を含む。
【0039】
前記予め設定された境界関数は第1境界関数及び第2境界関数を含み、ある画像画素の第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値が、第1境界関数を満たすとともに、第2境界関数を満たす場合に、該画像画素が肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合に、該画像画素が肌色範囲外にあると判定する。
【0040】
前記第1境界関数は、r+A1×g+B1×b+C1≧0であり、前記第2境界関数は、r+A2×g+B2×b+C2≦0である。
ここで、r、g、bはある画像画素における第1原色成分の元の階調値、第2原色成分の元の階調値及び第3原色成分の元の階調値をそれぞれ表し、A1、A2、B1、B2、C1及びC2はいずれも予め設定された定数である。
【0041】
前記予め設定された境界関数は、前記肌色範囲を閉じた3次元空間に限定し、前記肌色範囲内にあって前記3次元空間のエッジに近い第1画像画素と、前記肌色範囲にあって前記3次元空間のエッジから遠い第2画像画素とに対して、色ずれ補正処理を行う場合に、前記第1画像画素における色毎の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における同一色の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差よりも小さくする。
【発明の効果】
【0042】
本発明の有益な効果は、本発明に係る表示駆動方法が各画像画素の元の階調データによって各画像画素が肌色範囲内にあるか否かを判断することができ、色ずれ補正処理を行う際に、前記肌色範囲内にある画像画素のみに対して色ずれ補正処理を行い、残りの画像画素に対して色ずれ補正処理を行わず、色ずれ補正効果を向上させ、色ずれ補正によるざらつき感を低減させ、表示効果を改善することができる。本発明に係る表示駆動装置はさらに、色ずれ補正効果を向上させ、色ずれ補正によるざらつき感を低減させ、表示効果を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の特徴及び技術的内容をより一層明らかにするために、以下の本発明に関する詳細な説明及び添付図面を参照するが、添付図面は、参照及び説明のためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【
図1】
図1は本発明に係る表示駆動方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は本発明に係る表示駆動装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明に用いられた技術的手段及びその効果をより明らかにするために、本発明の好ましい実施例及び添付図面を参照して詳細に説明する。
【0045】
図1を参照すると、本発明に係る表示駆動方法は、垂直配向(Vertical Alignment,VA)型液晶表示パネルに適用され、垂直配向型液晶表示パネルの視野角不足を改善し、インプレーンスイッチング(In-Plane Switching,IPS)型液晶表示パネルに対するVA型液晶表示パネルの視野角の差を補い、色ずれ補正処理によるざらつき感を低減させ、VA型液晶表示パネルが広視野角を有するとともに、さらに優れた表示効果を有する。
【0046】
前記表示駆動方法は、具体的にステップS1~ステップS4を含む。
【0047】
ステップS1:表示画面を受信し、前記表示画面における各画像画素の元の階調データを取得する。
【0048】
具体的には、前記表示画像は複数の画像画素からなる。画像画素のそれぞれは、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分という3種の異なる色の原色成分を含む。前記画像画素の元の階調データは第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値を含む。各画像画素の原色成分毎に表示に必要な階調値を与えることにより、該原色成分の輝度を制御し、さらに該原色成分に対応する色を表示させることにより、画像の表示を達成する。好ましくは、前記第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分はそれぞれ赤色成分、緑色成分及び青色成分である。
【0049】
さらに、各画像画素における色毎の原色成分は表示パネルにおける2つの同一色であって隣接するサブ画素の表示を制御する。即ち1つの画像画素は、6つのサブ画素を含み、2つずつのサブ画素が1つの原色成分に対応する。例えば:1つの画像画素は、2つの隣接する赤色サブ画素、2つの隣接する緑色サブ画素及び2つの隣接する青色サブ画素を含む。前記赤色成分、緑色成分及び青色成分は、それぞれ前記2つの隣接する赤色サブ画素、2つの隣接する緑色サブ画素及び2つの隣接する青色サブ画素の表示を制御するために用いられる。
【0050】
具体的には、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値の取り得る範囲は、いずれも0~255である。
【0051】
ステップS2:各画像画素の元の階調データによって前記画像画素が、予め設定された境界関数によって決定される肌色範囲内にあるか否かを判断する。
【0052】
具体的には、前記予め設定された境界関数は、第1境界関数及び第2境界関数を含む。
【0053】
前記ステップS2で各画像画素が肌色範囲内にあるか否かを判断する具体的な過程は、ある画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値を第1境界関数に代入する。該画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値が第1境界関数を満たさない場合、該画像画素が肌色範囲外にあると判定する。該画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値が第1境界関数を満たす場合、引き続き画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値を第2境界関数に代入する。該画像画素の第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素の階調値が第2境界関数をさらに満たす場合、該画像画素が肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合該画像画素が肌色範囲外にあると判定する。
【0054】
つまり、ある画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値が、第1境界関数を満たすとともに、第2境界関数を満たす場合に、該画像画素が肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合に、該画像画素が肌色範囲外にあると判定する。
【0055】
例えば、本発明のいくつかの実施例では、前記第1境界関数は、r+A1×g+B1×b+C1≧0であり、前記第2境界関数は、r+A2×g+B2×b+C2≦0である。
ここで、r、g、bはある画像画素における第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素の元の階調値をそれぞれ表し、r、g及びbの値はいずれも0~255である。A1、A2、B1、B2、C1及びC2はいずれも予め設定された定数である。例えば、本発明のいくつかの実施例では、A1、A2、B1、B2、C1及びC2の値はそれぞれ-1、-4、0、-2、0及び315である場合、第1境界関数はr-g≧0であり、第2境界関数はr-4g-2b+315≦0である。この場合に、1つの画像画素における第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値r、g及びbを前記第1境界関数及び第2境界関数に代入すると、該画像画素が肌色範囲内にあるか否かを判断することができる。
【0056】
ステップS3:前記肌色範囲内にある画像画素の元の階調データに対して色ずれ補正処理を行い、補正階調データを生成する。
【0057】
具体的には、前記ステップS3は、前記肌色範囲内にある画像画素のうち少なくとも1つの色の原色成分を対象成分として選択し、残りの色の対象成分を非対象成分とすることと、
前記画像画素の各対象成分の元の階調値に対して色ずれ補正処理を行い、該対象成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成し、前記第1表示階調値が前記第2表示階調値よりも大きいことと、
前記画像画素の元の階調データにおける各対象成分の元の階調値を、各対象成分の第1表示階調値及び第2表示階調値に置き換えて、補正階調データを得ることと、を含む。
【0058】
本発明の好ましい実施例では、前記ステップS3では前記肌色範囲内にある画像画素における青色成分を対象成分として選択し、赤色成分及び緑色成分を非対象成分とする。この場合、前記ステップS3では前記肌色範囲内にある前記画像画素における青色成分のみに対して色ずれ補正処理を行い、前記青色成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成する。前記画像画素の元の階調データにおける青色成分の元の階調値を青色成分の第1表示階調値及び第2表示階調値に置き換えることで、補正階調データを得る。前記補正階調データ、は青色成分の第1表示階調値及び第2表示階調値、赤色成分の元の階調値及び緑色成分の元の階調値を含む。
【0059】
なお、本発明において予め設定された境界関数は、前記肌色範囲を閉じた3次元空間に限定し、肌色画面の表示効果を改善するために、本発明はさらに前記肌色範囲内にあって前記3次元空間のエッジに近い第1画像画素と、前記肌色範囲にあって前記3次元空間のエッジから遠い第2画像画素とに対して、色ずれ補正処理を行う。この場合に、前記第1画像画素における色毎の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における同一色の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差よりも小さくする。これにより、肌色範囲のエッジから肌色範囲の中心まで、画像画素の色ずれ補正の程度を徐々に増大させる効果が設定される。したがって、上記本発明の好ましい実施例に対応して、前記第1画像画素における青色成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における青色成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差よりも小さくする。
【0060】
また、本発明の他の実施例では、さらに他の色の原色成分、例えば赤色成分又は緑色成分を対象成分として設定することができ、又は2色の原色成分、例えば、赤色成分と緑色成分、赤色成分と青色成分及び緑色成分と青色成分を対象成分として設定することができ、又は3色の原色成分を対象成分として設定し、即ち赤色成分、緑色成分及び青色成分を対象成分とする。1色よりも多い原色成分を対象成分として設定する場合、異なる色の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との間の差を必要に応じて調整し、即ち異なる色の対象成分の色ずれ補正の程度は必要に応じて独立して調整することができる。
【0061】
ステップS4:前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示し、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示する。
【0062】
具体的には、前記ステップS4では前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示することは、
対象成分の第1表示階調値及び第2表示階調値で前記対象成分に対応する2つのサブ画素を駆動して該対象成分の第1表示階調値及び第2表示階調値をそれぞれ表示することと、
各非対象成分に対応する2つのサブ画素を各非対象成分の元の階調値で駆動して該非対象成分の元の階調値を表示することと、を含む。
【0063】
前記ステップS4では、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示することは、前記肌色範囲外の画像画素における各原色成分の元の階調値で、各原色成分に対応する2つのサブ画素に対応する元の階調値を駆動することを含む。
【0064】
上述した好ましい実施例を例に説明すると、前記肌色範囲内にある画像画素、即ち前記青色成分の第1表示階調値及び第2表示階調値で前記青色成分に対応する2つの青色サブ画素を駆動して前記青色成分の第1表示階調値及び第2表示階調値をそれぞれ表示し、赤色成分の元の階調値で前記赤色成分に対応する2つの赤色サブ画素を駆動して前記赤色成分の元の階調値を表示し、緑色成分の元の階調値で前記緑色成分に対応する2つの緑色サブ画素を駆動して前記緑色成分の元の階調値を表示する。
【0065】
前記肌色範囲外にある画像画素については、即ち赤色成分の元の階調値で前記赤色成分に対応する2つの赤色サブ画素を駆動して前記赤色成分の元の階調値を表示し、緑色成分の元の階調値で前記緑色成分に対応する2つの緑色サブ画素を駆動して前記緑色成分の元の階調値を表示し、青色成分の元の階調値で前記青色成分に対応する2つの青色サブ画素を駆動して前記青色成分の元の階調値を表示する。
【0066】
図2を参照すると、本発明に係る表示駆動装置はさらに、垂直配向(Vertical Alignment,VA)型液晶表示パネルに適用され、垂直配向型液晶表示パネルの視野角不足を改善し、インプレーンスイッチング(In-Plane Switching,IPS)型液晶表示パネルに対するVA型液晶表示パネルの視野角の差を補い、色ずれ補正処理によるざらつき感を低減させ、VA型液晶表示パネルが広視野角を有するとともに、さらに優れた表示効果を有する。
【0067】
前記表示駆動装置は、受信ユニット10と、前記受信ユニット10に接続される判断ユニット20と、前記判断ユニット20に接続される処理ユニット30と、前記処理ユニット30に接続される駆動ユニット40とを含む。
【0068】
前記受信ユニット10は、表示画面を受信して、前記表示画面における各画像画素の元の階調データを取得するために用いられる。
【0069】
具体的には、前記表示画像は複数の画像画素からなる。画像画素のそれぞれは、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分という3種の異なる色の原色成分を含む。前記画像画素の元の階調データは第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値を含む。各画像画素の原色成分毎に表示に必要な階調値を与えることにより、該原色成分の輝度を制御し、さらに該原色成分に対応する色を表示させることにより、画像の表示を達成する。好ましくは、前記第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分はそれぞれ赤色成分、緑色成分及び青色成分である。
【0070】
さらに、各画像画素における色毎の原色成分は表示パネルにおける2つの同一色であって隣接するサブ画素の表示を制御する。即ち1つの画像画素は、6つのサブ画素を含み、2つずつのサブ画素が1つの原色成分に対応する。例えば:1つの画像画素は、2つの隣接する赤色サブ画素、2つの隣接する緑色サブ画素及び2つの隣接する青色サブ画素を含む。前記赤色成分、緑色成分及び青色成分は、それぞれ前記2つの隣接する赤色サブ画素、2つの隣接する緑色サブ画素及び2つの隣接する青色サブ画素の表示を制御するために用いられる。
【0071】
具体的には、第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値の取り得る範囲は、いずれも0~255である。
【0072】
前記判断ユニット20は、各画像画素の元の階調データによって前記画像画素が、予め設定された境界関数によって決定される肌色範囲内にあるか否かを判断するために用いられる。
【0073】
具体的には、前記予め設定された境界関数は、第1境界関数及び第2境界関数を含む。
【0074】
前記判断ユニット20により各画像画素が肌色範囲内にあるか否かを判断する具体的な過程は、ある画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値を第1境界関数に代入する。該画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値が第1境界関数を満たさない場合、該画像画素が肌色範囲外にあると判定する。該画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値が第1境界関数を満たす場合、引き続き画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値を第2境界関数に代入する。該画像画素の第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素の階調値が第2境界関数をさらに満たす場合、該画像画素が肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合該画像画素が肌色範囲外にあると判定する。
【0075】
つまり、ある画像画素の第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値が、第1境界関数を満たすとともに、第2境界関数を満たす場合に、該画像画素が肌色範囲内にあると判定し、そうでない場合に、該画像画素が肌色範囲外にあると判定する。
【0076】
例えば、本発明のいくつかの実施例では、前記第1境界関数は、r+A1×g+B1×b+C1≧0であり、前記第2境界関数は、r+A2×g+B2×b+C2≦0である。
ここで、r、g、bはある画像画素における第1サブ画素、第2サブ画素及び第3サブ画素の元の階調値をそれぞれ表し、r、g及びbの値はいずれも0~255である。A1、A2、B1、B2、C1及びC2はいずれも予め設定された定数である。例えば、本発明のいくつかの実施例では、A1、A2、B1、B2、C1及びC2の値はそれぞれ-1、-4、0、-2、0及び315である場合に、第1境界関数はr-g≧0であり、第2境界関数はr-4g-2b+315≦0である。この場合に、1つの画像画素における第1原色成分、第2原色成分及び第3原色成分の元の階調値r、g及びbを前記第1境界関数及び第2境界関数に代入すると、該画像画素が肌色範囲内にあるか否かを判断することができる。
【0077】
前記処理ユニット30は、前記肌色範囲内にある画像画素の元の階調データに対して色ずれ補正処理を行い、補正階調データを生成するために用いられる。
【0078】
具体的には、前記処理ユニット30により補正階調データを生成する過程は、前記肌色範囲内にある画像画素のうち少なくとも1つの色の原色成分を対象成分として選択し、残りの色の対象成分を非対象成分とすることと、
前記画像画素の各対象成分の元の階調値に対して色ずれ補正処理を行い、該対象成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成し、前記第1表示階調値が前記第2表示階調値よりも大きいことと、
前記画像画素の元の階調データにおける各対象成分の元の階調値を、各対象成分の第1表示階調値及び第2表示階調値に置き換えて、補正階調データを得ることと、を含む。
【0079】
本発明の好ましい実施例では、前記処理ユニット30により前記肌色範囲内にある画像画素における青色成分を対象成分として選択し、赤色成分及び緑色成分を非対象成分とする。この場合に、前記処理ユニット30は前記肌色範囲内にある前記画像画素における青色成分のみに対して色ずれ補正処理を行い、前記青色成分に対応する第1表示階調値及び第2表示階調値を生成する。前記画像画素の元の階調データにおける青色成分の元の階調値を青色成分の第1表示階調値及び第2表示階調値に置き換えることで、補正階調データを得る。前記補正階調データは青色成分の第1表示階調値及び第2表示階調値、赤色成分の元の階調値及び緑色成分の元の階調値を含む。
【0080】
なお、本発明において予め設定された境界関数は、前記肌色範囲を閉じた3次元空間に限定し、肌色画面の表示効果を改善するために、本発明はさらに前記肌色範囲内にあって前記3次元空間のエッジに近い第1画像画素と、前記肌色範囲にあって前記3次元空間のエッジから遠い第2画像画素とに対して、前記処理ユニット30が色ずれ補正処理を行う。この場合に、前記第1画像画素における色毎の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における同一色の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差よりも小さくする。これにより、肌色範囲のエッジから肌色範囲の中心まで、画像画素の色ずれ補正の程度を徐々に増大させる効果が設定される。したがって、上記本発明の好ましい実施例に対応して、前記第1画像画素における青色成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差が、前記第2画像画素における青色成分の第1表示階調値と第2表示階調値との差よりも小さくする。
【0081】
また、本発明の他の実施例では、さらに他の色の原色成分、例えば赤色成分又は緑色成分を対象成分として設定することができ、又は2色の原色成分、例えば、赤色成分と緑色成分、赤色成分と青色成分及び緑色成分と青色成分を対象成分として設定することができ、又は3色の原色成分を対象成分として設定し、即ち赤色成分、緑色成分及び青色成分を対象成分とする。1色よりも大きい原色成分を対象成分として設定する場合に、異なる色の対象成分の第1表示階調値と第2表示階調値との間の差が必要に応じて設定し、同一でも異なっていてもよく、即ち異なる色の対象成分の色ずれ補正の程度は同一でも異なっていてもよい。
【0082】
前記駆動ユニット40は、前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示し、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示するために用いられる。
【0083】
具体的には、前記駆動ユニット40は前記肌色範囲内の画像画素を補正階調データで駆動して表示することは、
対象成分の第1表示階調値及び第2表示階調値で前記対象成分に対応する2つのサブ画素を駆動して該対象成分の第1表示階調値及び第2表示階調値をそれぞれ表示することと、
各非対象成分に対応する2つのサブ画素を各非対象成分の元の階調値で駆動して該非対象成分の元の階調値を表示することと、を含む。
【0084】
前記駆動ユニット40は、前記肌色範囲外の画像画素を元の階調データで駆動して表示することは、前記肌色範囲外の画像画素における各原色成分の元の階調値で、各原色成分に対応する2つのサブ画素に対応する元の階調値を駆動することを含む。
【0085】
上述した好ましい実施例を例に説明すると、前記肌色範囲内にある画像画素、即ち前記青色成分の第1表示階調値及び第2表示階調値で前記青色成分に対応する2つの青色サブ画素を駆動して前記青色成分の第1表示階調値及び第2表示階調値をそれぞれ表示し、赤色成分の元の階調値で前記赤色成分に対応する2つの赤色サブ画素を駆動して前記赤色成分の元の階調値を表示し、緑色成分の元の階調値で前記緑色成分に対応する2つの緑色サブ画素を駆動して前記緑色成分の元の階調値を表示する。
【0086】
前記肌色範囲外にある画像画素については、即ち赤色成分の元の階調値で前記赤色成分に対応する2つの赤色サブ画素を駆動して前記赤色成分の元の階調値を表示し、緑色成分の元の階調値で前記緑色成分に対応する2つの緑色サブ画素を駆動して前記緑色成分の元の階調値を表示し、青色成分の元の階調値で前記青色成分に対応する2つの青色サブ画素を駆動して前記青色成分の元の階調値を表示する。
【0087】
以上のようにして、本発明に係る表示駆動方法は各画像画素の元の階調データによって各画像画素が肌色範囲内にあるか否かを判断することができ、色ずれ補正処理を行う際に、前記肌色範囲内にある画像画素のみに対して色ずれ補正処理を行い、残りの画像画素に対して色ずれ補正処理を行わず、色ずれ補正効果を向上させ、色ずれ補正によるざらつき感を低減させ、表示効果を改善することができる。本発明に係る表示駆動装置はさらに、色ずれ補正効果を向上させ、色ずれ補正によるざらつき感を低減させ、表示効果を改善することができる。
【0088】
上記の内容は、当業者にとっては、本発明の技術的手段及び技術的思想に基づいて他の様々な変更及び変形を行うことができるが、これらの変更及び変形も全て本発明の特許請求の保護範囲に属するものと理解されるべきである。