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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】オートフォーカスレンズユニット
(51)【国際特許分類】
   G03B 13/36 20210101AFI20220216BHJP
   G02B 7/09 20210101ALI20220216BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20220216BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20220216BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20220216BHJP
【FI】
G03B13/36
G02B7/09
G02B7/08 B
G02B7/04 E
G02B7/28 P
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020543310
(86)(22)【出願日】2019-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2019089721
(87)【国際公開番号】W WO2020243858
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2020-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】李 林珍
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲継▼亮
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 晋
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0091193(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0122517(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G02B 7/28 - 7/40
G03B 3/00 - 3/12
G03B 5/00 - 5/08
G03B 13/30 -13/36
G03B 17/14
G03B 21/53
H04N 5/222- 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートフォーカスレンズユニットであって、
レンズと、第1ベースと、第2ベースと、1対の復帰構造とを備え、前記レンズは、前記第1ベース内に位置し、前記第1ベースは、前記レンズの光軸に平行な方向に前記第2ベースにスライド可能に取り付けられ、前記第1ベースは、第1底板と、前記第1底板から折り曲げて延在し、且つそれぞれ前記レンズの両側に位置する第1サイドアームとを備え、前記第2ベースは、第2底板と、前記第2底板から折り曲げて延在し、且つそれぞれ前記第1サイドアームの外側に位置する第2サイドアームとを備え、前記第1サイドアームは、前記第2サイドアームに対向する第1板体と、前記第1板体の前記第1底板から離れる一端から折り曲げて延在し、且つ前記第2サイドアームの上方に位置する第2板体とを備え、前記レンズの両側には、それぞれ1つの前記復帰構造が設けられ、前記復帰構造は、前記第2サイドアームと前記第2板体との間に設けられる磁性鋼アセンブリと、前記第1板体と前記第2サイドアームとの間に設けられるガイド構造と、光軸に平行な方向に前記第1サイドアームと前記第2サイドアームとの間に設けられる弾性部材とを備え、前記弾性部材と前記磁性鋼アセンブリとが協働して、ずれた前記第1ベースを前記ガイド構造により案内しつつ、初期位置へ復帰させる、ことを特徴とするオートフォーカスレンズユニット。
【請求項2】
前記磁性鋼アセンブリの光軸に垂直な方向に沿った投影は、前記弾性部材に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項3】
前記ガイド構造は、前記レンズの光軸に垂直な方向において前記弾性部材と前記磁性鋼アセンブリとの間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項4】
前記第1サイドアームは、前記第1板体の光軸方向におけるレンズの物体側から離れる一端から折り曲げて延在する第3板体をさらに備え、前記第1板体、第2板体及び第3板体は、前記第2サイドアームを収容する窪み部を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項5】
前記第2サイドアームは、前記第2底板に接続される第1接続部と、前記第1接続部と間隔を隔てて対向設置される第2接続部と、前記第1接続部の前記第3板体から離れる一方側及び前記第2接続部の前記第3板体から離れる一方側に接続される第3接続部とを備え、前記弾性部材は、一端が前記第3板体に接続され、他端が前記第3接続部に接続されている、ことを特徴とする請求項4に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項6】
前記第2サイドアームと前記第2板体との間には、間隔を隔てて設けられる2つの前記磁性鋼アセンブリが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項7】
各前記磁性鋼アセンブリは、前記第2サイドアームの前記第2板体に向かう一方側に設けられる第1磁性鋼と、前記第2板体の前記第2サイドアームに向かう一方側に設けられるとともに、前記第1磁性鋼に正対して設けられる第2磁性鋼とを備える、ことを特徴とする請求項6に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項8】
第2サイドアームの前記第2板体に向かう一方側には、第1凹溝が設けられ、前記第1磁性鋼は、前記第1凹溝に嵌設され、前記第2板体の前記第2サイドアームに向かう一方側には、第2凹溝が凹設され、前記第2磁性鋼は、前記第2凹溝に嵌設されている、ことを特徴とする請求項7に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項9】
前記第2サイドアームと前記第1板体との間には、間隔を隔てて設けられる2つの前記ガイド構造が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項10】
各前記ガイド構造は、光軸方向に前記第1板体の前記第2サイドアームに向かう表面に凹設される第1ガイド溝と、前記第2サイドアームの前記第1板体に向かう表面に設けられ、前記第1ガイド溝とともにガイド通路を形成するための受け部と、前記第1ガイド溝と前記受け部との間に介在するボールとを備える、ことを特徴とする請求項9に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【請求項11】
前記オートフォーカスレンズユニットは、前記レンズのためのオートフォーカスを実現する記憶合金ワイヤをさらに備え、前記記憶合金ワイヤは、一端が前記第1ベースに固定され、他端が前記第2ベースに固定され、前記弾性部材の光軸に垂直な方向に沿った投影は、前記記憶合金ワイヤに位置する、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のオートフォーカスレンズユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ光学防振及びオートフォーカスの分野に関し、特にオートフォーカスレンズユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータのような携帯端末機には、いずれも高性能レンズモジュールが搭載されている。この高性能レンズモジュールは、一般的にオートフォーカス機能(auto focusing)及び光学防振機能(OIS:optical image stabilization)を有する。
【0003】
従来のカメラレンズモジュールのオートフォーカス機能は、レンズがボイスコイルモータにより駆動されるによってオートフォーカスを実現し、オートフォーカス後、ボイスコイルモータが再びレンズを駆動して、それを初期位置に復帰させる。しかしながら、このような構成のレンズ構造は、複雑であり、レンズモジュールの小型化が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、上記問題を解決するために、新たなカメラレンズモジュールを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、構造が簡単でコンパクトであり、小型化の設計を実現できるオートフォーカスレンズユニットを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の目的は、以下の技術案で達成される。
【0007】
オートフォーカスレンズユニットであって、レンズと、第1ベースと、第2ベースと、1対の復帰構造とを備え、前記レンズは、前記第1ベース内に位置し、前記第1ベースは、前記レンズの光軸に平行な方向に前記第2ベースにスライド可能に取り付けられ、前記第1ベースは、第1底板と、前記第1底板から折り曲げて延在し、且つそれぞれ前記レンズの両側に位置する第1サイドアームとを備え、前記第2ベースは、第2底板と、前記第2底板から折り曲げて延在し、且つそれぞれ前記第1サイドアームの外側に位置する第2サイドアームとを備え、前記第1サイドアームは、前記第2サイドアームに対向する第1板体と、前記第1板体の前記第1底板から離れる一端から折り曲げて延在し、且つ前記第2サイドアームの上方に位置する第2板体とを備え、前記レンズの両側には、それぞれ1つの前記復帰構造が設けられ、前記復帰構造は、前記第2サイドアームと前記第2板体との間に設けられる磁性鋼アセンブリと、前記第1板体と前記第2サイドアームとの間に設けられるガイド構造と、光軸に平行な方向に前記第1サイドアームと前記第2サイドアームとの間に設けられる弾性部材とを備える。
【0008】
1種の改良方式として、前記磁性鋼アセンブリの光軸に垂直な方向に沿った投影は、前記弾性部材に位置する。
【0009】
1種の改良方式として、前記ガイド構造は、前記レンズの光軸に垂直な方向において前記弾性部材と前記磁性鋼アセンブリとの間に位置する。
【0010】
1種の改良方式として、前記第1サイドアームは、前記第1板体の光軸方向におけるレンズの物体側から離れる一端から折り曲げて延在する第3板体をさらに備え、前記第1板体、第2板体及び第3板体は、前記第2サイドアームを収容する窪み部を形成する。
【0011】
1種の改良方式として、前記第2サイドアームは、前記第2底板に接続される第1接続部と、前記第1接続部と間隔を隔てて対向設置される第2接続部と、前記第1接続部の前記第3板体から離れる一方側及び前記第2接続部の前記第3板体から離れる一方側に接続される第3接続部とを備え、前記弾性部材は、一端が前記第3板体に接続され、他端が前記第3接続部に接続されている。
【0012】
1種の改良方式として、前記第2サイドアームと前記第2板体との間には、間隔を隔てて設けられる2つの前記磁性鋼アセンブリが設けられている。
【0013】
1種の改良方式として、各前記磁性鋼アセンブリは、前記第2サイドアームの前記第2板体に向かう一方側に設けられる第1磁性鋼と、前記第2板体の前記第2サイドアームに向かう一方側に設けられるとともに、前記第1磁性鋼にと正対して設けられる第2磁性鋼とを備える。
【0014】
1種の改良方式として、第2サイドアームの前記第2板体に向かう一方側には、第1凹溝が設けられ、前記第1磁性鋼は、前記第1凹溝に嵌設され、前記第2板体の前記第2サイドアームに向かう一方側には、第2凹溝が凹設され、前記第2磁性鋼は、前記第2凹溝に嵌設されている。
【0015】
1種の改良方式として、前記第2サイドアームと前記第1板体との間には、間隔を隔てて設けられる2つの前記ガイド構造が設けられている。
【0016】
1種の改良方式として、各前記ガイド構造は、光軸方向に前記第1板体の前記第2サイドアームに向かう表面に凹設される第1ガイド溝と、前記第2サイドアームの前記第1板体に向かう表面に設けられ、前記第1ガイド溝とともにガイド通路を形成するための受け部と、前記第1ガイド溝と前記受け部との間に介在するボールとを備える。
【0017】
1種の改良方式として、前記オートフォーカスレンズユニットは、前記レンズのためのオートフォーカスを実現する記憶合金ワイヤをさらに備え、前記記憶合金ワイヤは、一端が前記第1ベースに固定され、他端が前記第2ベースに固定され、前記弾性部材の光軸に垂直な方向に沿った投影は、前記記憶合金ワイヤに位置する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態では、従来技術に対して、弾性部材が磁性鋼アセンブリと協働してずれた第1ベースをガイド構造によるガイドで初期位置に復帰することによって、従来のボイスコイルモータを使用する方式に対して、この設計方式の復帰構造は、構成が簡単であり、そして、磁性鋼アセンブリが第2サイドアームと第2板体との間に設けられ、ガイド構造が第1板体と第2サイドアームとの間に設けられ、弾性部材が光軸に平行な方向に第1サイドアームと第2サイドアームとの間に設けられることによって、復帰構造、第1ベース、第2ベース及びレンズからなる構造の全体は、非常にコンパクトであり、レンズユニット全体の寸法が小さくすることができ、小型化の設計を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例に係るオートフォーカスレンズユニットの構成概略図である。
図2】レンズと第1ベースの構成概略図である。
図3】レンズと第1ベースの別の視角の構成概略図である。
図4】本発明の実施例に係るオートフォーカスレンズユニットの分解概略図である。
図5】第1ベースと第2ベースの嵌合の模式図である。
図6】第1ベースと第2ベースの別の視角の嵌合の模式図である。
図7】第1ベースと第2ベースの構成概略図である。
図8】第1ベースの構成概略図である。
図9】第2ベースの構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面及び実施形態に合わせて本発明をさらに説明する。
【0021】
図1~3を参照すると、本発明の実施例は、レンズユニット100を提供し、レンズユニット100は、第1ベース11と、レンズ13と、第1記憶合金ワイヤ14と、第2記憶合金ワイヤ15とを備え、レンズ13は、第1ベース11内に位置する。第1ベース11は、第1底板111と、第1底板111から折り曲げて延在し、且つレンズ13の一方側に位置する第1側板112と、第1底板111から折り曲げて延在し、且つレンズ13の他方側に位置する第2側板113とを備える。第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、いずれもレンズ13の上方に懸架され、第1記憶合金ワイヤ14は、一端が第1側板112の第1底板111から離れる一方側に接続され、他端がレンズ13の第2側板112に近接する一方側に接続され、第2記憶合金ワイヤ15は、一端が第2側板113の第1底板111から離れる一方側に接続され、他端がレンズ13の第1側板112に近接する一方側に接続され、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、いずれもレンズ13の光軸Sに垂直に設けられている。
【0022】
レンズ13がずれていない場合、レンズ13は、第1ベース11の初期位置に位置し、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、弛緩状態にあり、レンズ13が第1側板112又は第2側板113に向かってずれたとき、レンズ13が第2側板113に向かってずれたことを例として、第1記憶合金ワイヤ14が引き伸ばされ、第1記憶合金ワイヤ14に通電すると、温度が上昇し、第1記憶合金ワイヤ14は自身の物理的特性に応じて、長さが短くなって、レンズ13を初期位置に引き戻してレンズ13の光学防振を実現し、レンズ13の結像品質を向上させる。
【0023】
従来技術に対して、本実施例では、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15を設けて、これらが通電されて変形することで、レンズ13を動かして第1側板112と第2側板113の間に往復移動させることによって、光学防振を実現し、従来のボイスコイルと磁性鋼との相互作用の方式を用いて駆動する必要がなく、磁界干渉問題がなく、安定性が高く、また、この駆動の設置方式では、構造が簡単であり、取り付けに便利であり、別途ホール素子を追加する必要がなく、特殊な環境で使用安定性が高く、且つ、従来の磁石と防振コイルとの協働による防振構造に対して、本実施例では、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15が用いられることによって、著しく重量を軽減させ、コストを低下させることができる。なお、従来の磁石と防振コイルとの協働による防振構造に対して、本実施例で用いられる第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、少量の電流を投入すれば、レンズ13を引っ張ることで光学防振の効果を奏することが可能となり、電力消費を効果的に低減することができる。
【0024】
理解できるように、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、間隔を隔てて平行に設置されることに限定されず、例えば、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、同軸設置(第1記憶合金ワイヤ14は、一端が第1側板112に接続され、他端がレンズ13の中間位置に接続され、同様に、第2記憶合金ワイヤ15は、一端が第2側板113に接続され、他端がレンズ13の中間位置に接続される)とされてもよく、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、レンズ13が第1側板112及び第2側板113に対して往復移動するようにレンズ13を引っ張り、光学防振を実現できればよい。さらに、第1記憶合金ワイヤ14の一端は、第1側板112の第1底板111から離れる一方側に接続されることに限定されず、第1記憶合金13は、一端が第1側板112の任意の位置に接続され、他端がレンズ13に接続されてもよく、第1記憶合金13は、レンズ13を引っ張って第1側板112と第2側板113との間に移動するように十分な長さを有すればよい。
【0025】
好ましくは、本実施例では、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、いずれもニッケルチタン合金材料で製造され、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15に通電する電気量を制御することによって、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15に生成する熱を制御することができ、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15の短縮量を制御することができる。
【0026】
なお、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、その自身の物理的特性によって、長さが短くなると、その抵抗値が変化する。そのため、検出回路及びチップを設けることによって、レンズがずれたかどうかを検出することができ、具体的に、検出回路が第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15を流れる電流の大きさを検出し、信号をチップに伝達し、チップは、検出された電流信号から、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15の抵抗値を演算し、そして、チップは第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15の抵抗値と長さとの対応関係に基づいて第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15の長さの値を取得して、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15が短縮されるかどうか及び短縮量がどのくらいかを判断し、これに基づいて逆に、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15に通電する電流の大きさを制御し、レンズ13を初期位置に正確に引き戻す。
【0027】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、2つの第1接続端子16及び2つの第2接続端子17をさらに備え、2つの第1接続端子16のうちの一方は、第1側板112の第1底板111から離れる一方側に接続され、他方は、レンズ13の第2側板113に近接する一方側に接続され、第1記憶合金ワイヤ14の両端は、それぞれ2つの第1接続端子16に接続され、2つの第2接続端子17のうちの一方は、第2側板113の第1底板111から離れる一方側に接続され、他方は、レンズ13の第1側板112に近接する一方側に接続され、第2記憶合金ワイヤ15の両端は、それぞれ2つの第2接続端子17に接続されている。第1接続端子16及び第2接続端子17を設けることにより、第1記憶合金ワイヤ14と第1側板112、第2記憶合金ワイヤ15と第2側板113を接続しやすくなり、一方で、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15を外接電源線と接続しやすくなる。
【0028】
理解できるように、レンズユニット100には、第1接続端子16及び第2接続端子17が設けられなくてもよく、第1記憶合金ワイヤ14及び第2記憶合金ワイヤ15は、他の接続方式でレンズ13と第1側板112、第2側板113との間に固定されてもよい。
【0029】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット10は、レンズ13と第1ベース11との間に設けられる第1ボール18をさらに備える。第1ボール18を設けることによって、レンズ13が第1側板112と第2側板113との間に移動する際の摩擦力を低減でき、レンズ13の移動をよりスムーズにして、光学防振のレスポンスをより敏感にすることができる。
【0030】
本実施例の1種の改良方式として、第1側板112及び第2側板113には、いずれも第1凹溝115が設けられ、レンズ13の対向する両側に逆向きに第1凸出部131が凸設され、2つの第1凸出部131は、2つの第1凹溝115にそれぞれ嵌設され、それぞれの第1凹溝115は、光軸S方向に間隔を隔てて設けられる第1側面116、第2側面117を備え、それぞれの第1凸出部131は、第1側面116に対向設置される第1表面132及び第2側面117に対向設置される第2表面133を備え、第1側面116には、第1ガイド溝118が凹設され、第1表面132には、第1ガイド溝118に位置合わせて設けられる第2ガイド溝134が凹設され、第1ガイド溝118と第2ガイド溝134との間には、少なくとも1つの第1ボール18が嵌設されている。第1ガイド溝118は、光軸Sの方向に垂直であり、第1底板111に平行に設けられている。
【0031】
本実施例の1種の改良方式として、第1ガイド溝118は、2つ設けられ、2つの第1ガイド溝118は、第1底板111に垂直な方向に平行に間隔を隔てて設けられている。第2ガイド溝134は、2つ設けられ、2つの第2ガイド溝134は、第1底板111に垂直な方向に平行に間隔を隔てて設けられ、2つの第2ガイド溝134は、それぞれ2つの第1ガイド溝118に位置合わせて設けられ、各グループの第1ガイド溝118と第2ガイド溝134との間に少なくとも1つの第1ボール18が嵌設されている。2つのグループの第1ガイド溝118、第2ガイド溝134を設けることによって、レンズ13の動作はより安定となる。
【0032】
本実施例の1種の改良方式として、第1凸出部131は、第2表面133の所在する側に、第1磁性鋼135が設けられ、第1凹溝115は、第2側面117には、第1磁性鋼135に正対して設けられ、第1磁性鋼135と磁力吸着するための第2磁性鋼119が設けられている。第1磁性鋼135及び第2磁性鋼119は、主に、第1記憶合金ワイヤ14又は第2記憶合金ワイヤ15と協働して、ずれたレンズ13を初期位置に復帰させるために用いられる。初期の際、レンズ13はずれておらず、第1磁性鋼135は、第2磁性鋼119に正対して設けられ、レンズ13がずれたとき、例えば、レンズ13が第2側板113へずれたとき、第1記憶合金ワイヤ14は引き伸ばされ、第1磁性鋼135及び第2磁性鋼119は位置ずれし、第1記憶合金ワイヤ14は通電されて収縮し、同時に第1磁性鋼135と第2磁性鋼119との間の相互の磁力作用と協働して、レンズ13を初期位置に復帰させる。
【0033】
図1図4~9を参照すると、本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、第2ベース19と、第3記憶合金ワイヤ20と、第4記憶合金ワイヤ21と、1対の復帰構造22とをさらに備え、第1ベース11は、レンズ13の光軸Sに平行な方向に第2ベース19にスライド可能に取り付けられ、第2ベース19は、第2底板191と、第2底板191から折り曲げて延在し、且つ第1側板112の外側に位置する第3側板192と、第2底板191から折り曲げて延在し、且つ第2側板113の外側に位置する第4側板193とを備える。第3記憶合金ワイヤ20は、光軸Sに平行な方向に延在し、且つ両端がそれぞれ第1側板112、第3側板192に接続され、第4記憶合金ワイヤ21は、光軸S方向に延在し、且つ両端がそれぞれ第2側板113、第4側板193に接続され、第1側板112と第3側板192との間、及び第2側板113と第4側板193との間にはいずれも復帰構造22が設けられ、当該復帰構造22は、ずれた第1ベース11及びレンズ13を初期位置に復帰させることに用いられる。
【0034】
初期の際、第1ベース11は、第2ベース19の初期位置に位置し、即ち、レンズ13は、予め設定された初期位置に位置する。フォーカスを行うとき、第3記憶合金ワイヤ20と第4記憶合金ワイヤ21に電流を通電して、第3記憶合金ワイヤ20及び第4記憶合金ワイヤ21は発熱して長さが収縮することによって、第1ベース11が第2ベース19に対してレンズ13の光軸Sの方向に変位するように第1ベース11を引っ張って、レンズ13のフォーカスを実現する。フォーカスが完了後、電流を切断して、復帰構造は、レンズ13を第1ベース11とともに初期位置に復帰させる。
【0035】
従来技術に対して、本実施例は、第3記憶合金ワイヤ20及び第4記憶合金ワイヤ21が通電されて変形し、復帰構造22と協働して第1ベース11を動かし、即ち、レンズ13が光軸S方向に移動するようにすることによって、レンズ13のオートフォーカスを実現し、従来のボイスコイルと磁性鋼との相互作用の方式を用いて駆動する必要がなく、磁界干渉問題がなく、安定性が高く、また、このような駆動の設置方式は、構造が簡単で取り付けが便利であり、別途ホール素子を追加する必要がなく、特殊な環境での使用の信頼性が高い。さらに、従来の磁石と防振コイルとの協働による防振構造に対して、本実施例で第3記憶合金ワイヤ20及び第4記憶合金ワイヤ21が用いられることにより、著しく重量を軽減させ、コストを低下させることができる。なお、従来の磁石と防振コイルとの協働による防振構造に対して、本実施例で用いられる第3記憶合金ワイヤ20及び第4記憶合金ワイヤ21は、少量の電流を流せば、第1ベース11が変位するように引っ張ることが可能であり、オートフォーカスの効果を奏し、電力消費を効果的に低減することができる。
【0036】
説明の便宜上、第1ベース11の第1側板112及び第2側板113を第1サイドアーム11aと総称し、第2ベース19の第3側板192及び第4側板193を第2サイドアーム19aと総称すると、第1ベース11は、第1底板111と、第1底板111から折り曲げて延在し、且つそれぞれレンズ13の両側に位置する第1サイドアーム11aとを備え、第2ベース19は、第2底板191と、第2底板191から折り曲げて延在し、且つそれぞれ第1サイドアーム11aの外側に位置する第2サイドアーム19aとを備え、第1サイドアーム11aは、第2サイドアーム19aに対向する第1板体101と、第1板体101の第1底板111から離れる一端から折り曲げて延在し、且つ第2サイドアーム19aの上方に位置する第2板体102とを備え、レンズ13の両側にそれぞれ1つの復帰構造22が設けられ、復帰構造22は、第2サイドアーム19aと第2板体102との間に設けられる磁性鋼アセンブリ23と、第1板体101と第2サイドアーム19aとの間に設けられるガイド構造24と、光軸Sに平行な方向に第1サイドアーム11aと第2サイドアーム19aとの間に設けられる弾性部材25とを備える。本実施例では、弾性部材25が磁性鋼アセンブリ23と協働してずれた第1ベース11をガイド構造24のガイドで初期位置に復帰させるように設けられることにより、従来のボイスコイルモータを用いる方式に対して、このような設計方式の復帰構造22は、構造が簡単であり、そして、磁性鋼アセンブリ23が第2サイドアーム19aと第2板体102との間に設けられ、ガイド構造24が第1板体101と第2サイドアーム19aとの間に設けられ、弾性部材25が光軸Sに平行な方向に第1サイドアーム11aと第2サイドアーム19aとの間に設けられることにより、復帰構造22、第1ベース11、第2ベース19及びレンズ13の形成する全体の構造は、非常にコンパクトであり、レンズユニット100全体の寸法は小さくすることが可能であり、小型化の設計が図れる。
【0037】
本実施例の1種の改良方式として、光軸Sに垂直な方向に沿った磁性鋼アセンブリ23の投影が弾性部材25に位置する。
【0038】
本実施例の1種の改良方式として、ガイド構造24は、レンズ13の光軸Sに垂直な方向に、弾性部材25と磁性鋼アセンブリ23との間に位置する。
【0039】
本実施例の1種の改良方式として、第1サイドアーム11aは、第1板体101の光軸S方向にレンズ13の物体側から離れる一端から折り曲げて延在する第3板体103をさらに備え、第1板体101、第2板体102及び第3板体103は、第2サイドアーム19aを収容する窪み部26を形成する。
【0040】
本実施例の1種の改良方式として、第2サイドアーム19aは、第2底板191に接続される第1接続部104と、第1接続部104と間隔を隔てて対向設置される第2接続部105と、第1接続部104の第3板体103から離れる一方側及び第2接続部105の第3板体103から離れる一方側に接続される第3接続部106とを備え、弾性部材25は、一端が第3板体103に接続され、他端が第3接続部106に接続されている。
【0041】
本実施例の1種の改良方式として、第2サイドアーム19aと第2板体102との間には、間隔を隔てて設けられる2つの磁性鋼アセンブリ23が設けられている。
【0042】
本実施例の1種の改良方式として、各前記磁性鋼アセンブリ23は、第2サイドアーム19aの第2板体102に向かう一方側に設けられる第1磁性鋼231と、第2板体102の第2サイドアーム19aに向かう一方側に設けられるとともに、第1磁性鋼231に正対して設けられる第2磁性鋼232とを備える。レンズ13が初期位置に位置するとき、第1磁性鋼231が第2磁性鋼232に正対して設けられ、第3記憶合金ワイヤ20及び第4記憶合金ワイヤ21は、第1ベース11が第2ベース19に対して変位するように第1ベース11を引っ張る際とき、第1磁性鋼231と第2磁性鋼232とが位置ずれを起こし、第3記憶合金ワイヤ20及び第4記憶合金ワイヤ21が電流を遮断した後、第1磁性鋼231及び第2磁性鋼232は、磁力作用により、弾性部材25の弾性力の作用と協働して、第1ベース11及びレンズ13を初期位置に復帰させる。
【0043】
本実施例の1種の改良方式として、第2サイドアーム19aの第2板体102に向かう一方側には、第1収容溝195が設けられ、第1磁性鋼231は、第1収容溝195に嵌設され、第2板体102の第2サイドアーム19aに向かう一方側には、第2収容溝107が凹設され、第2磁性鋼嵌232は、第2収容溝107に設けられている。第1磁性鋼231を収容するように第1収容溝195が設けられ、第2磁性鋼232を収容するように第2収容溝107が設けられることによって、レンズユニット100の空間の合理的な利用を実現することができ、構造がよりコンパクトになる。
【0044】
本実施例の1種の改良方式として、第2サイドアーム19aと第1板体101との間には、間隔を隔てて設けられる2つのガイド構造24が設けられている。具体的に、各前記ガイド構造24は、光軸S方向に第1板体101の第2サイドアーム19aに向かう表面に凹設される第1ガイド溝241と、第2サイドアーム19aの第1板体101に向かう表面に設けられ、第1ガイド溝241とともにガイド通路を形成するための受け部242と、第1ガイド溝241と受け部242との間に介在する第2ボール243とを備える。磁性鋼アセンブリ23の両側にガイド構造24を設けることにより、第2サイドアーム19aと第1板体101が相対的に摺動する時の摩擦力を低減させることができ、第1ベース11のずれと復帰がより敏感になる。
【0045】
本実施例の1種の改良方式として、第3記憶合金ワイヤ20と同一側に位置する弾性部材25における光軸Sに垂直な方向に沿った投影は、第3記憶合金ワイヤ20に位置し、第4記憶合金ワイヤ21と同一側に位置する弾性部材25における光軸Sに垂直な方向に沿った投影は、第4記憶合金ワイヤ21に位置する。
【0046】
本実施例の1種の改良方式として、レンズユニット100は、2つの第3接続端子27及び2つの第4接続端子28をさらに備え、2つの第3接続端子27は、それぞれ第1サイドアーム11aと第2サイドアーム19aに取り付けられ、第3記憶合金ワイヤ20の両端は、それぞれ2つの第3接続端子27に接続され、2つの第4接続端子28は、それぞれ第1サイドアーム11aと第2サイドアーム19aに取り付けられ、第4記憶合金ワイヤ21の両端は、それぞれ2つの第4接続端子28に接続されている。
【0047】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。
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