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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】染毛剤除去用組成物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20220216BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20220216BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/9794
A61Q5/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020554525
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 KR2018016920
(87)【国際公開番号】W WO2020036269
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0094367
(32)【優先日】2018-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520381540
【氏名又は名称】チャン ヒェ ユン
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヒェ ユン
【審査官】山中 隆幸
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2011-0023161(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レモン搾汁液と、
クチナシ抽出物と、
米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを含むことを特徴とする、染毛剤除去用組成物。
【請求項2】
前記染毛剤除去用組成物は、
前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記クチナシ抽出物10~30重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の染毛剤除去用組成物。
【請求項3】
前記染毛剤除去用組成物は、
前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記クチナシ抽出物10~30重量部、前記黒米抽出物0.5~15重量部および前記ヨモギ抽出物0.1~10重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の染毛剤除去用組成物。
【請求項4】
前記クチナシ抽出物、前記黒米抽出物および前記ヨモギ抽出物の抽出溶媒は、水またはレモン搾汁液であることを特徴とする、請求項1に記載の染毛剤除去用組成物。
【請求項5】
(a)レモン搾汁液を準備するステップと、
(b-1)クチナシ抽出物を準備するステップと、
(b―2)黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物を準備するステップと、
(c)前記レモン搾汁液と、前記クチナシ抽出物と、前記黒米抽出物および前記ヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを混合して混合液を製造するステップとを含むことを特徴とする、染毛剤除去用組成物の製造方法。
【請求項6】
(d)前記混合液を真空状態で撹拌するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の染毛剤除去用組成物の製造方法。
【請求項7】
(e)前記真空状態で撹拌した混合液を撹拌して安定化するステップをさらに含み、
前記(e)前記真空状態で撹拌した混合液を撹拌して安定化するステップでは、前記(d)前記混合液を真空状態で撹拌するステップよりも低い回転速度でより長い時間撹拌を実施することを特徴とする、請求項6に記載の染毛剤除去用組成物の製造方法。
【請求項8】
前記クチナシ抽出物は、
クチナシを水またはレモン搾汁液を抽出溶媒として抽出することを特徴とする、請求項5に記載の染毛剤除去用組成物の製造方法。
【請求項9】
前記黒米抽出物は、
黒米を高温の蒸気で熱処理した後、水またはレモン搾汁液を抽出溶媒として抽出することを特徴とする、請求項5に記載の染毛剤除去用組成物の製造方法。
【請求項10】
前記ヨモギ抽出物は、
ヨモギを粉末化した後、水またはレモン搾汁液を抽出溶媒として抽出することを特徴とする、請求項5に記載の染毛剤除去用組成物の製造方法。
【請求項11】
前記クチナシ抽出物は、
水100重量部に対して、クチナシ2~10重量部を混合して熱水抽出することを特徴とする、請求項5に記載の染毛剤除去用組成物の製造方法。
【請求項12】
前記黒米抽出物は、
水またはレモン搾汁液100重量部に対して、高温の蒸気で熱処理した黒米を10~50重量部混合して抽出することを特徴とする、請求項5に記載の染毛剤除去用組成物の製造方法。
【請求項13】
前記ヨモギ抽出物は、
水またはレモン搾汁液100重量部に対して、乾燥および粉砕したヨモギを10~70重量部混合して抽出することを特徴とする、請求項5に記載の染毛剤除去用組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛剤除去用組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
染色は、染毛剤を用いて髪の毛を様々な色に変化させることであり、染色は、染毛剤を髪の毛に均一に塗布した後、所定の時間放置してから染毛剤を洗い流すことで実施され得る。
【0003】
一般的に、染色に使用される染毛剤は、パラ-フェニレンジアミン、過酸化水素などの成分を含んでいる。しかし、前記の成分が皮膚に長時間接触した場合、皮膚アレルギー、炎症、DNA損傷、角膜損傷、じんま疹、発疹、紅疹、白皮、頭皮変色などを引き起こすという問題があった。そのため、従来、染色の後には必ずシャンプーとリンスで染毛剤を洗い流すことで、前記のような問題を予防していた。
【0004】
一方、シャンプーとリンスは、頭皮の汗、皮脂、ほこりなどを除去することを主な目的とするため、頭皮または髪の毛に付いている染毛剤は、十分に除去することができないという問題があった。これによって、頭皮または髪の毛に染毛剤が残留し、前記のような疾患が発生するという問題があった。また、従来のシャンプーは、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウムなどの化学界面活性剤を含んでおり、逆に皮膚の刺激が引き起こされるという問題があった。
【0005】
かかる問題を解決するために、最近、天然由来の成分などを用いた染毛剤除去用組成物に関する開発が行われている。一例として、韓国登録特許第10-1129693号では、酢1000mL当たりハーブ抽出液16~28mL、明礬0.1~2gが混合された混合液であって、前記ハーブ抽出液が、ペパーミント、ジャスミン、カモミール、レモングラス、ローズフラワー、ラベンダー、ローズマリーから選択される一つ以上のハーブから抽出された、染色用髪の毛洗浄すすぎ剤組成物について開示している。
【0006】
しかし、前記登録特許のように、天然由来の物質を用いる場合には、染毛剤除去効果が微小で、皮膚炎症、損傷などの副作用が発生し続けるという問題があった。また、染毛剤の除去には過量の酸成分が使用されているが、皮膚に刺激的なだけであって、染毛剤除去効果は十分でないという問題があった。
【0007】
これにより、化学界面活性剤を含まず皮膚に低刺激であるとともに、皮膚または髪の毛に付いている染毛剤を効果的に除去することで、皮膚または髪の毛に染毛剤が残留して発生する紅斑、皮膚トラブルなどの問題を解決することができる、染毛剤除去用組成物に関する開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、化学界面活性剤を使用しないだけでなく、皮膚に低刺激であり、皮膚または髪の毛に付いている染毛剤を効果的に除去することができ、且つ紅斑、皮膚トラブルなどの皮膚疾患を予防することができる染毛剤除去用組成物を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、化学界面活性剤を使用しないだけでなく、皮膚に低刺激であり、皮膚または髪の毛に付いている染毛剤を効果的に除去することができ、且つ紅斑、皮膚トラブルなどの皮膚疾患を予防することができる染毛剤除去用組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の目的は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の説明からさらに他の技術的課題が導き出され得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、レモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを含む染毛剤除去用組成物を提供する。
【0012】
前記染毛剤除去用組成物は、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記クチナシ抽出物10~30重量部を含むことができる。
【0013】
前記染毛剤除去用組成物は、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記クチナシ抽出物10~30重量部、前記黒米抽出物0.5~15重量部および前記ヨモギ抽出物0.1~10重量部を含むことができる。
【0014】
前記クチナシ抽出物、前記黒米抽出物および前記ヨモギ抽出物の抽出溶媒は、水またはレモン搾汁液であり得る。
【0015】
また、前記目的を達成するために、本発明は、(a)レモン搾汁液を準備するステップと、(b)クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物を準備するステップと、(c)前記レモン搾汁液と、前記クチナシ抽出物、前記黒米抽出物および前記ヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを混合して混合液を製造するステップとを含む染毛剤除去用組成物の製造方法を提供する。
【0016】
前記染毛剤除去用組成物の製造方法は、(d)前記混合液を真空状態で撹拌するステップをさらに含んでもよい。
【0017】
前記染毛剤除去用組成物の製造方法は、(e)前記真空状態で撹拌した混合液を撹拌して安定化するステップをさらに含み、前記(e)前記真空状態で撹拌した混合液を撹拌して安定化するステップでは、前記(d)前記混合液を真空状態で撹拌するステップよりも低い回転速度でより長い時間撹拌を実施することができる。
【0018】
前記クチナシ抽出物は、クチナシを水またはレモン搾汁液を抽出溶媒として抽出したものであり得る。
【0019】
前記黒米抽出物は、黒米を高温の蒸気で熱処理した後、水またはレモン搾汁液を抽出溶媒として抽出したものであり得る。
【0020】
前記ヨモギ抽出物は、ヨモギを粉末化した後、水またはレモン搾汁液を抽出溶媒として抽出したものであり得る。
【0021】
前記クチナシ抽出物は、水100重量部に対して、クチナシ2~10重量部を混合して熱水抽出したものであり得る。
【0022】
前記黒米抽出物は、水またはレモン搾汁液100重量部に対して、高温の蒸気で熱処理した黒米を10~50重量部混合して抽出したものであり得る。
【0023】
前記ヨモギ抽出物は、水またはレモン搾汁液100重量部に対して、乾燥および粉砕したヨモギを10~70重量部混合して抽出したものであり得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を含むことにより、化学界面活性剤を使用しないだけでなく、皮膚に低刺激であるとともに、皮膚または髪の毛に付いている染毛剤を効果的に除去することができ、皮膚を落ち着かせる効果を有することができる。
【0025】
特に、本発明の染毛剤組成物は、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を特定の含量(重量%)で含むことによって、染毛剤除去効率がより向上することができる。
【0026】
また、本発明の染毛剤除去用組成物の製造方法によると、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物、ヨモギ抽出物をそれぞれ製造した後、混合し、真空状態で高速で撹拌した後、均質化および安定化することで、化学界面活性剤を使用しないだけでなく、皮膚に低刺激であるとともに、皮膚または髪の毛に付いている染毛剤を効果的に除去することができ、皮膚を落ち着かせる効果を有する染毛剤除去用組成物を製造することができる。
【0027】
特に、本発明では、クチナシの熱水抽出物をクチナシ抽出物とし、黒米抽出物およびヨモギ抽出物の抽出溶媒としてレモン液を使用して染毛剤除去用組成物を製造することによって、染毛剤除去効果がより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実験例1に使用された染毛剤を手に塗布した様子を図示した図である。
図2】前記染毛剤の塗布後、30分が経過した様子を図示した図である。
図3】前記染毛剤をシャンプーで洗浄した後の様子を図示した図である。
図4】染毛剤を実施例1の染毛剤除去用組成物で洗浄した後の様子を図示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相違する形態で具現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されない。また、図面において、本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略している。
【0030】
本発明の明細書および請求の範囲に使用されている用語または単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0031】
本発明の明細書の全体にわたり、ある部分がある構成要素を「含む」としたとき、特別に逆の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0032】
本発明の明細書の全体において、「Aおよび/またはB」は、AまたはB、もしくはAおよびBを意味する。
【0033】
本発明の明細書の全体において、「抽出物」は、抽出方法、抽出溶媒、抽出された成分または抽出物の形態に関係なく、天然物質の成分を抽出することで得られた物質をすべて含むものであり、また、天然物質の成分を抽出して得られた物質を抽出した後、他の方法で加工または処理して得られる物質をすべて含む広範な概念である。
【0034】
本発明の明細書の全体において、「皮膚」は、頭皮を含み、動物の体表面を覆っている被膜を意味する。
【0035】
本発明の明細書の全体において、「レモン搾汁液」は、レモンを搾汁して得られる搾汁物、搾汁液または抽出物を意味し得る。本発明のレモン搾汁液は、本発明のレモン搾汁液と同様であってもよく、これに制限されない。
【0036】
本発明の明細書の全体において、「(a)レモン搾汁液を準備するステップ」は、「(a)ステップ」と簡略に称し得る。
【0037】
本発明の明細書の全体において、「(b)クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物を準備するステップ」は、「(b)ステップ」と簡略に称し得る。
【0038】
本発明の明細書の全体において、「(c)前記レモン搾汁液と、前記クチナシ抽出物、前記黒米抽出物および前記ヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを混合して混合液を製造するステップ」は、「(c)ステップ」と簡略に称し得る。
【0039】
本発明の明細書の全体において、「(d)前記混合液を真空状態で撹拌するステップ」は、「(d)ステップ」と簡略に称し得る。
【0040】
本発明の明細書の全体において、「(e)前記真空状態で撹拌した混合液を撹拌して安定化するステップ」は、「(e)ステップ」と簡略に称し得る。
【0041】
以下、本発明を具体的に説明しているが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0042】
本発明では、染毛剤除去用組成物を提供する。
【0043】
本発明の一実施形態では、レモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを含む染毛剤除去用組成物を提供する。本実施形態の染毛剤除去用組成物は、化学界面活性剤を含まないだけでなく、皮膚に低刺激であり、皮膚または髪の毛に付いている染毛剤を効果的に除去することができ、且つ紅斑、皮膚トラブルなどの皮膚疾患を予防することができる。
【0044】
本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液、およびクチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物を含む。
【0045】
好ましくは、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液およびクチナシ抽出物を含むことができる。
【0046】
より好ましくは、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液およびクチナシ抽出物と、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物を含むことができる。
【0047】
最も好ましくは、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を含むことができる。すなわち、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を含むときに、皮膚に低刺激であり、且つ著しく優れた染毛剤除去効率を有する。
【0048】
レモン搾汁液は、レモンを搾汁したものであって、レモンを公知のすべての方法で搾汁して得られるすべての形態の物質を意味する。例えば、レモン搾汁液は、レモンを洗浄し、これを搾汁した後、濾過により固形物を除去してから、高速遠心分離して均一化することで製造され得る。
【0049】
前記搾汁は、熱処理搾汁または圧搾搾汁を意味し得る。好ましくは、本実施形態では、レモンに含有された抗酸化物質、抗菌物質などを効果的に抽出するため、熱処理搾汁よりは圧搾搾汁を実施することができる。
【0050】
クチナシ抽出物は、クチナシを洗浄した後、水またはレモン搾汁液を抽出溶媒として抽出したものであってもよい。好ましくは、本実施形態のクチナシ抽出物は、クチナシを熱水抽出したものであってもよいが、これに制限されない。例えば、本実施形態のクチナシ抽出物は、水100重量部に対して、クチナシを2~10重量部混合した後、これを熱水抽出したものであってもよい。
【0051】
前記熱水抽出は、水を加熱して抽出することであり、水を約70~100℃に加熱して抽出することを意味し得るが、好ましくは、沸いている水に抽出することを意味し得る。
【0052】
本実施形態の染毛剤除去用組成物は、前記レモン搾汁液100重量部に対して、クチナシ抽出物を10~30重量部含むことができる。
【0053】
本実施形態の染毛剤除去用組成物が、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記クチナシ抽出物を10~30重量部含むと、染毛剤除去用組成物は、皮膚に低刺激であるとともに、且つ優れた染毛剤除去効率を有することができる。すなわち、レモン搾汁液とクチナシ抽出物が前記組成比で含まれると、染毛剤除去用組成物が、最も優れた染毛剤除去効果、皮膚を落ち着かせる効果および皮膚炎症緩和効果を有することができる。
【0054】
ただし、前記組成比を超えてレモン搾汁液に対して過量のクチナシ抽出物を含む場合、皮膚刺激程度が多少高くなり得るため、前記範囲を満たすことが好ましいが、染毛剤除去効果を考慮すると、前記組成比を超えてレモン搾汁液に対して過量のクチナシ抽出物を含むとして本発明から排除されるものではない。
【0055】
黒米抽出物は、黒米を抽出溶媒で抽出したものであり、前記抽出溶媒は、水またはレモン搾汁液であってもよく、好ましくは、レモン搾汁液であってもよい。特に、本実施形態の黒米抽出物は、水、エタノールなどの一般的な溶媒ではなく、酸性のレモン搾汁液を抽出溶媒として使用することで、皮膚に低刺激であるとともに染毛剤除去効率は著しく向上することができる。
【0056】
例えば、本実施形態の黒米抽出物は、黒米を2~30分間高温の蒸気で熱処理した後、水またはレモン搾汁液100重量部に対して、前記黒米10~50重量部を混合した後、約10~80℃で10分~10時間撹拌することで製造され得る。これにより製造されたものを黒米抽出物として使用する事ができ、固形物を除去した後、液状の物質のみを取得して黒米抽出物として使用する事もできる。前記高温の蒸気は、水を100℃以上に加熱して形成された水蒸気であってもよいが、これに制限されない。
【0057】
本実施形態の染毛剤除去用組成物は、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記黒米抽出物を0.5~15重量部含むことができる。本実施形態の染毛剤除去用組成物が、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記黒米抽出物を0.5~15重量部で含むと、皮膚刺激程度が低く、且つより優れた染毛剤除去効率を有することができる。
【0058】
また、非制限的に、本実施形態の染毛剤除去用組成物が前記範囲を満たすように黒米抽出物を含むと、染毛剤除去用組成物は、各成分間の相溶性が増加し、凝集物が発生されず透明な剤形で形成されるため好ましい。
【0059】
ヨモギ抽出物は、ヨモギを乾燥した後、粉砕し、抽出溶媒で抽出したすべての形態の物質を意味し、抽出溶媒は、水またはレモン搾汁液であってもよく、好ましくは、レモン搾汁液であってもよい。特に、本実施形態のヨモギ抽出物は、水、エタノールなどの一般的な溶媒ではなく、酸性のレモン搾汁液を抽出溶媒として使用することで、皮膚に低刺激であるとともに染毛剤除去効率は著しく向上することができる。
【0060】
例えば、本実施形態のヨモギ抽出物は、水またはレモン搾汁液100重量部に対して、乾燥および粉砕したヨモギを10~70重量部投入した後、約10~80℃で10分~10時間撹拌することで製造され得る。これにより製造されたものをヨモギ抽出物として使用してもよく、固形物を除去した後、液状の物質のみをヨモギ抽出物として使用してもよい。
【0061】
本実施形態の染毛剤除去用組成物は、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記ヨモギ抽出物を0.1~10重量部含むことができる。本実施形態の染毛剤除去用組成物が、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記ヨモギ抽出物を0.1~10重量部含むと、皮膚に低刺激であるとともに染毛剤除去効果に優れ、においがよく、各成分間の相溶性が増加して、長期保管しても優れた透明度を有することができるため好ましい。
【0062】
本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを含む。
【0063】
好ましくは、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液およびクチナシ抽出物を含むことができ、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記クチナシ抽出物10~30重量部を含むことができる。
【0064】
より好ましくは、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、および黒米抽出物とヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物を含むことができ、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記クチナシ抽出物10~30重量部、前記黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物0.5~15重量部を含むことができる。
【0065】
最も好ましくは、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を含むことができ、前記レモン搾汁液100重量部に対して、前記クチナシ抽出物10~30重量部、前記黒米抽出物0.5~15重量部および前記ヨモギ抽出物0.1~10重量部を含むことができる。
【0066】
また、本発明では、染毛剤除去用組成物の製造方法を提供する。
【0067】
本発明の他の実施形態では、(a)レモン搾汁液を準備するステップと、(b)クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物を準備するステップと、(c)前記レモン搾汁液と、前記クチナシ抽出物、前記黒米抽出物および前記ヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを混合して混合液を製造するステップとを含む染毛剤除去用組成物の製造方法を提供する。
【0068】
本実施形態により製造された染毛剤除去用組成物は、化学界面活性剤を含まないだけでなく、皮膚に低刺激であり、皮膚または髪の毛に付いている染毛剤を効果的に除去することができ、且つ紅斑、皮膚トラブルなどの皮膚疾患を予防することができる。
【0069】
また、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを含む。
【0070】
好ましくは、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液およびクチナシ抽出物を含むことができる。
【0071】
より好ましくは、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液およびクチナシ抽出物と、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物を含むことができる。
【0072】
最も好ましくは、本実施形態の染毛剤除去用組成物は、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を含むことができる。本実施形態の染毛剤除去用組成物が、前記レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を含むと、皮膚に低刺激であり、且つ著しく優れた染毛剤除去効率を有することができる。
【0073】
(a)レモン搾汁液を準備するステップ
本実施形態の(a)ステップでは、レモンを洗浄した後、レモンを圧搾して搾汁することで、レモン搾汁液を製造することができる。例えば、本実施形態の(a)ステップでは、レモンを洗浄した後、レモンを圧搾して汁を分離した後、これを濾過し、高速で遠心分離して液状の物質だけ取得することで、レモン搾汁液を製造することができる。
【0074】
(b)クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物を準備するステップ
本実施形態のクチナシ抽出物は、クチナシを洗浄した後、水またはレモン搾汁液を抽出溶媒として抽出することで製造され得る。好ましくは、本実施形態のクチナシ抽出物は、クチナシを熱水抽出したものであってもよいが、これに制限されない。例えば、本実施形態のクチナシ抽出物は、水100重量部に対して、クチナシを2~10重量部混合した後、これを熱水抽出したものであってもよい。これにより製造されたものをクチナシ抽出物として使用してもよく、固形物を除去した後、液状の物質のみをクチナシ抽出物として使用してもよい。
【0075】
本実施形態の黒米抽出物は、黒米を高温の蒸気で熱処理した後、水またはレモン搾汁液を抽出溶媒として抽出したものであってもよい。例えば、本実施形態の黒米抽出物は、黒米を2~30分間高温の蒸気で熱処理した後、前記水またはレモン搾汁液100重量部に対して、前記熱処理した黒米を10~50重量部混合した後、約10~80℃で10分~10時間撹拌することで製造され得る。これにより製造されたものを黒米抽出物として使用してもよく、固形物を除去した後、液状の物質のみを黒米抽出物として使用してもよい。
【0076】
好ましくは、前記抽出溶媒は、レモン搾汁液であってもよく、抽出溶媒としてレモン搾汁液を使用すると、皮膚に低刺激であるとともに染毛剤除去効率は著しく向上することができる。
【0077】
本実施形態のヨモギ抽出物は、ヨモギを乾燥した後、粉砕して抽出溶媒で抽出することで製造され得る。例えば、本実施形態のヨモギ抽出物は、水またはレモン搾汁液100重量部に対して、乾燥および粉砕したヨモギを10~70重量部投入した後、約10~80℃で10分~10時間撹拌することで製造され得る。これにより製造されたものをヨモギ抽出物として使用してもよく、固形物を除去した後、液状の物質のみをヨモギ抽出物として使用してもよい。
【0078】
好ましくは、前記抽出溶媒は、レモン搾汁液であってもよく、抽出溶媒としてレモン搾汁液を使用すると、皮膚に低刺激であるとともに染毛剤除去効率は著しく向上することができる。
【0079】
前記ヨモギの粉砕は、乳鉢を用いて人が直接粉砕するか、ミキサなどの機械で粉砕することで、実施され得る。
【0080】
(c)前記レモン搾汁液と、前記クチナシ抽出物、前記黒米抽出物および前記ヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを混合して混合液を製造するステップ
本実施形態の(c)ステップでは、前記により製造されたレモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上を含む抽出物を反応器内に投入して混合することで、混合液を製造することができる。
【0081】
本実施形態では(d)前記混合液を真空状態で撹拌するステップをさらに含んでもよい。
【0082】
前記(c)ステップにより製造されたレモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上を含む抽出物が混合された混合液を真空状態で撹拌することで、前記混合液の状態を均一にすることができる。
【0083】
前記(d)ステップにおける撹拌は、約30,000~40,000rpmで約3~5分間実施され得るが、これに制限されず、必要に応じて変更されてもよい。
【0084】
本実施形態の(d)ステップでは、レモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上を含む抽出物の酸化、変質、異物による汚染などを防止するために、密閉された真空状態で撹拌を実施することができる。これにより、レモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物の染毛剤除去効果および抗酸化効果の特性が維持される事ができる。
【0085】
また、真空状態で撹拌を実施することで、各成分が均一な組成を有し、且つ混合時に空気による酸化、変質、汚染などの問題が発生しないこともできる。
【0086】
本実施形態では、(e)前記(d)ステップにより真空状態で撹拌した混合液を撹拌して安定化するステップをさらに含んでもよい。
【0087】
本実施形態の(e)ステップでは、前記(d)ステップにより真空状態で高速で撹拌した混合液を室温で撹拌して安定化することで、染毛剤除去用組成物を製造することができる。前記(e)ステップの撹拌は、300~400rpmで約1~3時間実施され得るが、これに制限されず、必要に応じて変更されてもよい。
【0088】
本実施形態の(e)ステップは、空気との接触が遮断され密閉された反応器内で実施されることで、前記混合液の酸化、変質、異物による汚染を最小化することができる。これにより、レモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物の染毛剤除去効果および抗酸化効果の特性が維持される事ができる。
【0089】
また、(e)前記真空状態で撹拌した混合液を撹拌して安定化するステップをさらに含み、この際、前記(e)前記真空状態で撹拌した混合液を撹拌して安定化するステップでは、前記(d)前記混合液を真空状態で撹拌するステップよりも低い回転速度でより長い時間撹拌を実施することで、染毛剤除去用組成物の剤形を安定化させて、長期保管時に発生し得る凝集、沈殿などの発生を最小化することができる。
【0090】
本発明の染毛剤除去用組成物の製造方法は、前記染毛剤除去用組成物の内容をすべて含む。
【0091】
以下、実施例、比較例、および実験例により、本発明の染毛剤除去用組成物およびその製造方法について具体的に説明する。これらの実施例は、単に本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるものと解釈しない。
【0092】
[製造例]
下記にしたがって、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を製造した。
【0093】
(1)レモン搾汁液:洗浄したレモンを搾汁した後、ろ紙で濾過して固形物を除去した後、遠心分離し、透明な液体状態のレモン搾汁液を取得した。
【0094】
(2)クチナシ抽出物:水100重量部に対して、洗浄し半分に切開したクチナシを5重量部混合した後、これを熱水抽出した後、冷却および濾過することで、クチナシ抽出物を製造した。前記熱水抽出は、クチナシと水を混合した後、これを100℃で150分間加熱することで実施された。
【0095】
(3)黒米抽出物:黒米を洗浄し、これを約10分間100℃でスチーム処理した後、室温に冷却した。次に、レモン搾汁液100重量部に対して、前記黒米を30重量部混合し、室温で約1時間1,000~1,100rpmで撹拌した後、濾過することで、赤色の黒米抽出物を製造した。
【0096】
(4)ヨモギ抽出物:ヨモギを乾燥してから乳鉢を用いて粉砕した後、レモン搾汁液100重量部に対して、前記粉砕したヨモギ40重量部を混合し、室温にて約1時間600~700rpmで撹拌した後、濾過することで、ヨモギ抽出物を製造した。
【0097】
前記レモン搾汁液としては、前記(1)レモン搾汁液と同じものを使用した。
【0098】
[実施例]
実施例1~5
製造例により製造されたレモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を含む抽出物を表1の組成にしたがって混合し、染毛剤除去用組成物を製造した。
【0099】
先ず、下記表1の組成にしたがってレモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物を含む抽出物を混合して混合液を製造し、これを真空状態で30,000~40,000rpmの速度で3~5分間撹拌した。次いで、高速で撹拌した混合液を約300~400rpmの速度で1~3時間撹拌して安定化することで、染毛剤除去用組成物を製造した。
【0100】
【表1】
【0101】
[実験例]
実験例1
前記実施例1~5の染毛剤除去用組成物を用いて、染毛剤除去効果、皮膚刺激およびにおいを評価した。約20名の成人女性を対象に下記項目を5点法で評価し、その平均値を表2に示した。
【0102】
(1)染毛剤の除去:染毛剤と酸化剤からなる染色薬(ロレアルエクセランスデュオクリーム4)を人の腕に一定量塗布して約10分間放置した後、実施例1~5の染毛剤除去用組成物を脱脂綿につけた後、これを用いて皮膚に塗布された染色薬を拭き取った。
【0103】
染色薬が除去される程度を肉眼で評価した後、染色薬が除去された程度を1~5点で示すようにし、その結果を表2に示した。表2において染毛剤除去効果が5点に近いほど、染毛剤除去効果に優れることを意味する。
【0104】
(2)皮膚刺激:前記(1)染毛剤除去を5回繰り返して皮膚の紅斑が発生するか否かを評価し、紅斑の症状がひどく刺激的な場合には5点、紅斑および皮膚刺激がほとんどない場合には1点と評価するようにした後、その平均値を表2に示した。
【0105】
(3)におい:実施例1~5の染毛剤除去用組成物のにおいを評価し、においが良く安定感を与えた場合には5点、においが悪く吐き気を催す場合には1点と評価するようにした後、その平均値を表2に示した。
【0106】
【表2】
【0107】
表2を参照すると、本実施例によりレモン搾汁液と、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物からなる群から選択される一つ以上の抽出物とを含む場合、染毛剤除去効果に優れ、皮膚刺激がほとんどなく、においが良いことを確認することができる。特に、実施例1および5を参照すると、本実施例の染毛剤除去用組成物が、レモン搾汁液、クチナシ抽出物、黒米抽出物およびヨモギ抽出物をすべて含む場合、染毛剤除去性能が良好で、皮膚に低刺激で、においが良いことが分かる。
【0108】
さらに、一般的に販売されているシャンプーを用いて、(1)染毛剤除去、(2)皮膚刺激および(3)におい試験を実施した。
【0109】
一般のシャンプーを用いた試験は、染毛剤と酸化剤からなる染色薬(ロレアルエクセランスデュオクリーム4)を人の腕に一定量塗布して約10分間放置した後、シャンプーを用いて、約5分間強く圧迫して洗浄する過程を計3回繰り返すことで実施された。
【0110】
その結果、一般のシャンプーを使用した場合、染毛剤除去効果は2.94と評価され、これは、染毛剤がほとんど除去されていないことを意味する。また、皮膚刺激の程度は3.78と非常に刺激的であることを確認することができ、一般のシャンプーを使用した場合に比べ、本実施例による実施例1~5が著しく優れた効果を有することを意味する。
【0111】
実験例2
実施例1と一般のシャンプーの染毛剤除去効果を評価し、その結果を図1~4に示した。
【0112】
図1は実験例1に使用された染毛剤を手に塗布した様子を図示した図であり、図2は前記染毛剤の塗布後、30分が経過した様子を図示した図である。また、図3は前記染毛剤をシャンプーで洗浄した後の様子を図示した図であり、図4は染毛剤を実施例1の染毛剤除去用組成物で洗浄した後の様子を図示した図である。
【0113】
図1~4を参照すると、一般的に販売されているシャンプーを用いた場合には、染毛剤が十分に除去されなかったが、図4に図示されているように、本実施例による実施例1の染毛剤除去用組成物を用いる場合には、染毛剤が完全に除去されることを確認することができる。すなわち、本実施例による染毛剤除去用組成物は、著しく優れた染毛剤除去効果を有することを確認できる。
【0114】
上述のように、本発明の説明は例示のためのものであって、本発明が属する技術分野の通常の技術を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更しなくても他の具体的な形態に容易に変形が可能であるということを理解することができる。そのため、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであって、限定的なものではないことを理解すべきである。例えば、単一型に説明されている各構成要素は、分散して実施されてもよく、同様に分散されたものと説明されている構成要素も結合した形態で実施されてもよい。
【0115】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは後述の請求の範囲により示され、請求の範囲の意味および範囲、またその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4